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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】制御弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/08 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
F16K11/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563234
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2022087032
(87)【国際公開番号】W WO2022218404
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110411383.1
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】汪 立 新
(72)【発明者】
【氏名】林 龍
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲ユン▼
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA23
3H067CC32
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067DD45
3H067FF11
(57)【要約】
本出願は、制御弁(1)を開示しており、この制御弁(1)は、弁ボデー(10)と弁体(20)を含み、弁ボデーは側壁部(11)を含み、制御弁は弁室(101)を有し、制御弁は少なくとも5つの通路(30)を含み、それぞれの通路の一端は弁室に連通し、他端は制御弁の弁口を形成し、弁体は、内部導通室(21)、複数の外部導通室(22)、第1の仕切板(23)及び第2の仕切板(24)を含み、第1の仕切板は内部導通室と外部導通室との間に位置し、第2の仕切板は2つの隣接する外部導通室の間に位置し、第1の仕切板は連通孔(231)を有し、内部導通室は連通孔を介して一部の数の外部導通室に連通し、通路は、第1の流道(31)と第2の流道(32)を含み、第1の流道は内部導通室、連通孔を介して外部導通室に連通可能であり、第2の流道は外部導通室に連通可能であり、このように、複数の流路に対する流体制御を可能とし、使用時に、より便利でコンパクトである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御弁であって、弁ボデーと弁体を含み、前記弁ボデーは側壁部を含み、前記制御弁は弁室を有し、前記側壁部は前記弁室の周壁又は少なくとも周壁の一部であり、前記弁体の少なくとも一部は前記弁室に位置しかつ駆動により回転可能である制御弁において、前記制御弁は少なくとも5つの通路を含み、それぞれの前記通路の一端は前記側壁部を貫通し、それぞれの前記通路の他端は前記制御弁の弁口を形成し、前記弁体は、内部導通室、複数の外部導通室、第1の仕切板及び第2の仕切板を含み、複数の前記外部導通室は前記内部導通室の外周側に分布し、前記第1の仕切板は前記内部導通室と前記外部導通室との間に位置し、前記第2の仕切板は隣接する2つの前記外部導通室の間に位置しかつ前記外部導通室を離隔し、
前記第1の仕切板は連通孔を有し、前記内部導通室は前記連通孔を介して一部の数の前記外部導通室に連通し、
前記制御弁の通路は、第1の流道と複数の第2の流道を含み、前記第1の流道は前記内部導通室、前記連通孔を介して前記外部導通室に連通可能であり、前記第2の流道は前記外部導通室に連通可能であることを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記制御弁は、2n+1個の前記通路と2n+1個の前記弁口を有し、前記制御弁は、前記弁体の内部導通室、外部導通室によって、少なくとも2つの前記弁口を導通するn個の流路を形成することが可能となり、前記弁体の前記第1の仕切板と前記第2の仕切板によってそのうちの少なくとも1つの前記弁口を遮断状態とすることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記弁体は、伝動接続部、導通部及び支持部を含み、前記弁体の高さ方向に沿って、前記導通部は前記伝動接続部と前記支持部との間に位置し、前記伝動接続部と前記支持部はいずれも前記弁ボデーに位置制限して接続され、前記内部導通室と前記外部導通室はいずれも前記導通部に成形され、
前記第1の流道の一端は前記側壁部を貫通して第1の連通口を形成し、前記第1の流道の他端は第1の弁接続口を形成し、前記第1の連通口は前記側壁部の高さ方向の一端に位置し、前記弁体の前記導通部と前記第1の連通口は前記側壁部の高さ方向に配列されることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】
前記弁体のいずれかの動作モードにおいても、前記第1の弁接続口は前記第1の連通口、前記弁室を介して前記内部導通室に連通することを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
【請求項5】
それぞれの前記第2の流道の一端は前記側壁部を貫通して第2の連通口を形成し、前記第2の流道の他端は第2の弁接続口を形成し、
前記側壁部の高さ方向に沿って、前記第2の連通口が存在する部位は前記外部導通室が存在する部位に対応することを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
【請求項6】
前記外部導通室は複数の第1の室と複数の第2の室を含み、前記弁体の高さ方向に沿って、前記第1の室の室口の縦断面積は前記第2の室の室口の縦断面積の2倍であり、前記弁体を回転させることにより、前記第1の室、前記第2の連通口によって前記第1の室に対応する少なくとも2つの前記第2の弁接続口を導通可能であり、
一部の数の前記第2の室は前記連通孔を介して前記内部導通室に連通し、前記弁体を回転させることにより、前記内部導通室、前記連通孔及び前記第2の室によって前記第1の弁接続口と、前記第2の室に対応する前記第2の弁接続口とを導通可能であることを特徴とする請求項5に記載の制御弁。
【請求項7】
前記第1の室の長さは前記第2の室の長さの2倍であり、前記第1の室の幅は前記第2の室の幅と等しいことを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項8】
前記弁体の円周方向に沿って、前記弁体は、横断面が扇形である第1の扇形セグメント、第2の扇形セグメント、第3の扇形セグメント及び第4の扇形セグメントを含み、
前記第1の扇形セグメントには、3つの前記第1の室と2つの前記第2の室が設けられ、前記第1の室の幅方向は前記弁体の高さ方向と平行であり、前記第1の仕切板は、前記第2の室の周壁を形成する部位で前記連通孔が設けられ、前記内部導通室は前記連通孔を介してそのうちの1つの前記第2の室に連通し、
前記第2の扇形セグメントには、2つの前記第1の室が設けられ、前記第1の室の長さ方向は前記弁体の高さ方向と平行であり、
前記第3の扇形セグメントには、1つの前記第1の室と2つの前記第2の室が設けられ、前記第1の室の長さ方向は前記弁体の高さ方向と平行であり、前記第1の仕切板は、そのうちの1つの前記第2の室の周壁を形成する部位で前記連通孔が設けられ、前記内部導通室は前記連通孔を介してそのうちの1つの前記第2の室に連通し、
前記第4の扇形セグメントには、3つの前記第1の室と2つの前記第2の室が設けられ、3つの前記第1の室のそのうちの1つの前記第1の室の長さ方向は前記弁体の高さ方向と平行であり、他の2つの前記第1の室の長さ方向は前記弁体の高さ方向と垂直であり、前記第1の仕切板は、そのうちの1つの前記第2の室の周壁を形成する部位で前記連通孔が設けられ、前記内部導通室は前記連通孔を介して前記第2の室に連通することを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項9】
前記制御弁は9つの前記通路を含み、9つの前記通路により形成される弁口を、それぞれ前記第1の流道に位置する第1の弁口、前記第2の流道に位置する第2の弁口、第3の弁口、第4の弁口、第5の弁口、第6の弁口、第7の弁口、第8の弁口及び第9の弁口と定義し、前記制御弁は少なくとも、以下の4つの動作モードのいずれかを含み、
第1の動作モードにおいて、前記弁体は、前記第1の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及び前記第2の室を介して前記第4の弁口に連通し、3つの前記第1の室のうちの1つの前記第1の室は前記第2の弁口と第3の弁口とを連通し、他の1つの前記第1の室は前記第6の弁口と前記第7の弁口とを連通し、さらなる他の1つの前記第1の室は前記第8の弁口と前記第9の弁口とを連通し、
第2の動作モードにおいて、前記弁体は、そのうちの1組である隣接する前記第2の扇形セグメントと前記第3の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第2の扇形セグメントが位置する領域において、2つの前記第1の室のうちの1つの前記第1の室は前記第7の弁口と前記第9の弁口とを連通し、他の1つの前記第1の室は前記第3の弁口と前記第5の弁口とを連通し、前記第3の扇形セグメントが位置する領域において、前記第1の室は前記第6の弁口と前記第8の弁口とを連通し、前記第1の弁口は、前記内部導通室、前記連通孔及びそのうちの1つの前記第2の室を介して前記第4の弁口に連通し、
第3の動作モードにおいて、前記弁体は、他の1組である隣接する前記第2の扇形セグメントと前記第3の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第2の扇形セグメントが位置する領域において、2つの前記第1の室のうちの1つの前記第1の室は前記第8の弁口と前記第6の弁口とを連通し、他の1つの前記第1の室は前記第4の弁口と前記第2の弁口とを連通し、前記第3の扇形セグメントが位置する領域において、前記第1の室は前記第9の弁口と前記第7の弁口とを連通し、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及びそのうちの1つの前記第2の室を介して前記第3の弁口に連通し、
第4の動作モードにおいて、前記弁体は、前記第4の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及び1つの前記第2の室を介して前記第3の弁口に連通し、3つの前記第1の室のうちの1つの前記第1の室は前記第8の弁口と第6の弁口とを連通し、他の1つの前記第1の室は前記第9の弁口と前記第7の弁口とを連通し、さらなる他の1つの前記第1の室は前記第4の弁口と前記第5の弁口とを連通することを特徴とする請求項8に記載の制御弁。
【請求項10】
前記第1の動作モードと前記第3の動作モードにおいて、前記第5の弁口は遮断状態にあり、
前記第2の動作モードと前記第4の動作モードにおいて、前記第2の弁口は遮断状態にあることを特徴とする請求項9に記載の制御弁。
【請求項11】
前記弁体は柱状構造であり、前記第1の室の長さは前記第2の室の長さの2倍であり、前記第1の室の幅は前記第2の室の幅と等しく、
前記弁体の円周方向に沿って、前記弁体は、横断面が扇形である第1の扇形セグメント、第2の扇形セグメント及び第3の扇形セグメントを含み、
前記第1の扇形セグメントには、1つの前記第1の室と2つの前記第2の室が設けられ、前記第1の室の幅方向は前記弁体の高さ方向と平行であり、前記第1の仕切板は、そのうちの1つの前記第2の室の周壁を形成する部位で前記連通孔が設けられ、前記内部導通室は、前記連通孔を介してそのうちの1つの前記第2の室に連通し、
前記第2の扇形セグメントには、1つの前記第1の室が設けられ、前記第1の室の長さ方向は前記弁体の高さ方向と平行であり、
前記第3の扇形セグメントには、2つの前記第2の室が設けられ、前記第1の仕切板は、そのうちの1つの前記第2の室の周壁を形成する部位で前記連通孔が設けられ、前記内部導通室は、前記連通孔を介してそのうちの1つの前記第2の室連通にすることを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項12】
前記制御弁は5つの通路を含み、5つの通路により形成される弁口を、それぞれ前記第1の流道に位置する前記第1の弁口、前記第2の流道に位置する第2の弁口、第3の弁口、第4の弁口及び第5の弁口と定義し、前記制御弁は少なくとも、以下の4つの動作モードのいずれかを含み、
第1の動作モードにおいて、前記弁体は、そのうちの1つの前記第1の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及び前記第2の室を介して前記第4の弁口に連通し、前記第1の室は前記第2の弁口と前記第3の弁口とを連通し、
第2の動作モードにおいて、前記弁体は、そのうちの1組である隣接する前記第2の扇形セグメントと前記第3の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第2の扇形セグメントが位置する領域において、前記第1の室は前記第3の弁口と前記第5の弁口とを連通し、前記第3の扇形セグメントが位置する領域において、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及びそのうちの1つの前記第2の室を介して前記第4の弁口に連通し、
第3の動作モードにおいて、前記弁体は、他の1組である隣接する前記第2の扇形セグメントと前記第3の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第2の扇形セグメントが位置する領域において、前記第1の室は前記第2の弁口と前記第4の弁口とを連通し、前記第3の扇形セグメントが位置する領域において、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及びそのうちの1つの前記第2の室を介して前記第3の弁口に連通し、
第4の動作モードにおいて、前記弁体は、他の1つの前記第1の扇形セグメントが位置する領域が前記弁口に対応する位置に回転し、前記第1の弁口は前記内部導通室、前記連通孔及びそのうちの1つの前記第2の室を介して前記第3の弁口に連通し、前記第1の室は前記第4の弁口と前記第5の弁口とを連通することを特徴とする請求項11に記載の制御弁。
【請求項13】
前記弁体はさらに接続柱と接続リブを含み、前記接続柱の外面と前記第1の仕切板の内面との間には前記内部導通室が形成され、前記接続リブは前記接続柱の外面と前記第1の仕切板の内面との間に接続されることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の制御弁。
【請求項14】
前記弁ボデーは、さらに底壁部と頂壁部を含み、前記底壁部、前記頂壁部及び前記側壁部によって囲まれて前記弁室が形成され、前記側壁部の少なくとも一部は前記頂壁部と前記底壁部との間に位置し、前記底壁部と前記頂壁部のうちの一方は前記側壁部と一体成型され、他方は前記側壁部に密封して設けられることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の制御弁。
【請求項15】
前記第1の仕切板と前記第2の仕切板とは、射出プロセスにより一体構造として固定接続され、
前記制御弁はさらに第1の密封部材と第2の密封部材を含み、前記第1の密封部材は前記弁体と前記側壁部との間に位置し、前記第1の密封部材の厚さ方向の一方側の表面は前記第2の仕切板の表面に接触しかつ密封して設けられ、前記第1の密封部材の厚さ方向の他方側の表面は前記側壁部の内面に接触かつ密封して設けられ、前記第2の密封部材は前記弁体と前記側壁部との間に位置し、前記第2の密封部材と前記第1の密封部材とは、前記弁体の径方向の両側にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年04月16日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110411383.1であり、発明の名称が「制御弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本出願は、流体制御という技術分野に関し、具体的に制御弁に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのシステムは、流路を制御するために複数の流通路の制御弁を使用する必要があり、例えば、自動車のように、現在、一般的に複数の制御弁で制御し、複数の流路の流体を制御するための1つの制御弁を提供すれば、使用時に、より便利でコンパクトになる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の目的は、複数の流路に対する流体制御を可能とし、使用時に、より便利でコンパクトである制御弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施例は制御弁を提供し、この制御弁は弁ボデーと弁体を含み、前記弁ボデーは側壁部を含み、前記制御弁は弁室を有し、前記側壁部は前記弁室の周壁又は少なくとも周壁の一部であり、前記弁体の少なくとも一部は前記弁室に位置しかつ駆動により回転可能であり、前記制御弁は少なくとも5つの通路を含み、それぞれの前記通路の一端は前記側壁部を貫通し、それぞれの前記通路の他端は前記制御弁の弁口を形成し、前記弁体は、内部導通室、複数の外部導通室、第1の仕切板及び第2の仕切板を含み、複数の前記外部導通室は前記内部導通室の外周側に分布し、前記第1の仕切板は前記内部導通室と前記外部導通室との間に位置し、前記第2の仕切板は2つの隣接する前記外部導通室の間に位置しかつ前記外部導通室を離隔し、
前記第1の仕切板は連通孔を有し、前記内部導通室は前記連通孔を介して一部の数の前記外部導通室に連通し、
前記制御弁の通路は、第1の流道と複数の第2の流道を含み、前記第1の流道は前記内部導通室、前記連通孔を介して前記外部導通室に連通可能であり、前記第2の流道は前記外部導通室に連通可能である。
【0006】
本出願の実施例が提供した制御弁によれば、弁体は、内部導通室、複数の外部導通室、第1の仕切板及び第2の仕切板を含み、第1の仕切板は内部導通室と外部導通室との間に位置し、内部導通室と外部導通室とを仕切ることができ、第1の仕切板は連通孔を有することで、内部導通室は一部の数の外部導通室に連通し、第2の仕切板は2つの隣接する外部導通室の間に位置してそれぞれの外部導通室を独立した空間に仕切り、本出願の実施において、弁体を回転させることにより、外部導通室と第2の流道によって対応する弁口を導通又は遮断することができ、及び/又は、弁体を回転させることにより、第1の流道、内部導通室、連通孔及び外部導通室によって導通又は遮断することでがき、このように、制御弁は、複数の弁口の間には異なる連通手段を持たせ、1つの制御弁により複数の流路を制御し、使用時に、より便利でコンパクトである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本出願の第1の実施例が提供した制御弁の爆発構成概略図である。
図2図1に示す制御弁のそのうちの1つの部位での部分断面構成概略図である。
図3図1に示す制御弁の別の部位での部分断面構成概略図である。
図4図1に示す制御弁の弁体の立体構成概略図である。
図5図4に示す弁体のそのうちの1つの部位での切断構成の立体概略図である。
図6図4に示す弁体の別の部位での切断構成の立体概略図である。
図7図1に示す制御弁の第1の視角での構成概略図である。
図8図7におけるA-A方向に沿った断面構成概略図である。
図9図1に示す制御弁の第2の視角での構成概略図である。
図10図9におけるB-B方向に沿った断面構成概略図である。
図11図4に示す弁体のそのうちの1つの視角での構成概略図である。
図12図11におけるC-C方向に沿った断面構成概略図である。
図13図11におけるD-D方向に沿った断面構成概略図である。
図14図11におけるE-E方向に沿った断面構成概略図である。
図15図11におけるF-F方向に沿った断面構成概略図である。
図16図4に示す弁体の第1の扇形セグメントの立体構成概略図である。
図17図4に示す弁体の第2の扇形セグメントの立体構成概略図である。
図18図4に示す弁体の第3の扇形セグメントの立体構成概略図である。
図19図4に示す弁体の第4の扇形セグメントの立体構成概略図である。
図20図1に示す制御弁の第3の視角での構成概略図である。
図21図1に示す制御弁の第1の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図22図1に示す制御弁の第1の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図23図1に示す制御弁の第2の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図24図1に示す制御弁の第2の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図25図1に示す制御弁の第3の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図26図1に示す制御弁の第3の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図27図1に示す制御弁の第4の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図28図1に示す制御弁の第4の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図29】本出願の第2の実施例が提供した制御弁の爆発構成概略図である。
図30図29に示す制御弁のそのうちの1つの部位での部分断面図である。
図31図29に示す制御弁の弁体の立体構成概略図である。
図32図29に示す制御弁の第1の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図33図29に示す制御弁の第1の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図34図29に示す制御弁の第2の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図35図29に示す制御弁の第2の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図36図29に示す制御弁の第3の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図37図29に示す制御弁の第3の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図である。
図38図29に示す制御弁の第4の動作モード時における弁体が存在する位置及び流路の流通位置の概略図である。
図39図29に示す制御弁の第4の動作モード時における弁口の連通手段の概略ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本出願の様々な態様の特徴と例示的な実施例を詳細に説明するが、本出願の目的、技術案及び利点をより明確かつ明らかにするために、以下、図面及び具体的な実施例を結合して、本出願をさらに詳細に説明する。本文において、例えば「第1の」と「第2の」等といった関係用語は、単に1つの部材を別の同じ名称を持つ部材と区別するためのものであり、これらの部材の間に如何なるこのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求又は暗示するものではない。
【0009】
図1から図3に示すように、本出願の実施例は制御弁1を提供し、弁ボデー10、弁体20及び第1の密封部材41を含み、弁ボデー10は側壁部11を含み、制御弁1は弁室101を有し、側壁部11は弁室101の周壁又は少なくとも周壁の一部であり、弁体20の径方向に沿って、第1の密封部材41は弁体20と側壁部11との間に位置し、弁体20は駆動により回転可能であり、制御弁1は、さらに駆動装置50と密封リング43を含み、駆動装置50は駆動部材を含み、駆動部材は、モータ又はモータと減速ギアのセットであってもよく、弁体20は、駆動装置50内の駆動部材による駆動で回動可能であり、図1では、弁ボデー10は、さらに底壁部12と頂壁部13を含み、底壁部12、頂壁部13及び側壁部11は弁室101の壁部の一部を形成し、密封リング43は頂壁部13と弁体20との間に位置し、側壁部11の少なくとも一部は底壁部12と頂壁部13との間に位置し、底壁部12と頂壁部13のうちの一方は側壁部11と一体成型され、他方は側壁部11と密封して設けられ、例えば、図1では、頂壁部13は側壁部11と一体成型され、底壁部12は溶接プロセスにより側壁部11との間に固定接続されかつ密封して設けられ、流体の漏出を防止する密封リング43が頂壁部13と弁体20との間に位置し、この場合に、弁体20は、組立過程において、弁ボデー10の底部から頂部方向へ組み立てられ、密封リング43の変形が低減され、密封リング43の密封性能が向上する。制御弁1は、少なくとも5つの通路30を含み、それぞれの通路30の一端は側壁部11を貫通して弁室101に連通し、それぞれの通路30の他端は制御弁1の弁口102を形成し、流体は弁口102から制御弁1に対して出入り可能である。
【0010】
図1を参照し、第1の密封部材41の横断面は弧状構造であり、第1の密封部材41の円周方向の両側は位置制限面を有し、弁ボデー10の側壁部11は嵌合面を含み、位置制限面と嵌合面とは互いに当接して第1の密封部材41に対する位置制限を実現する。第1の密封部材41の横断面が弧状構造であり、弁体20が第1の密封部材41を押圧する過程において弁体20の偏心が生じやすく、弁体20の回動に影響を与えるため、本出願の実施例では、制御弁1はさらに第2の密封部材42を含み、第2の密封部材42と第1の密封部材41とは、弁体20の径方向の両側にそれぞれ設けられることで、第2の密封部材42と第1の密封部材41とはいずれも弁体20に対して付勢力を持ち、弁体20と側壁部11との同軸を保持し、弁体20の回動の安定性を向上させる。さらに、第1の密封部材41と第2の密封部材42の少なくとも一部は、ゴム材料で製造されてもよく、例えば、第1の密封部材41と第2の密封部材42は、いずれも固定接続された弾性部材及び密封部材を含み、弾性接着剤は、ゴム材料を加工して形成でき、密封部材はテフロン(登録商標)を加工して形成できる。
【0011】
制御弁1と流体制御システムにおける他の部材との組立を容易に実現するために、制御弁1と他の部材との集積度を向上させ、いくつかの実施例では、図1から図3のように、弁ボデー10はさらに、側壁部11に固定接続される取付部14を含み、例えば、取付面を有する取付部14と側壁部11とは一体成型可能であり、制御弁1の弁口102がいずれも取付面に配置されかつ各弁口102の向きが同じとなるように、制御弁1の弁口102は取付面を貫通しており、制御弁1と他の部材との組立ステップを比較的簡略化しかつ接続部分の漏れ箇所を減少して、密封の信頼性を高めることができる。第1の密封部材41は、弁口102と1対1に対応する開口411を有し、弁体20の導通室は、第1の密封部材41の開口411を介して弁口102に連通する。
【0012】
図3から図6のように、弁体20の本体は柱状構造であり、弁体20は、頂板201、底板202、内部導通室21、複数の外部導通室22、第1の仕切板23及び第2の仕切板24を含み、弁体20の高さ方向に沿って、複数の外部導通室22、第1の仕切板23及び第2の仕切板24は頂板201と底板202との間に位置し、内部導通室21は頂板201と底板202との間に位置しかつ底板202を貫通する。少なくとも一部の外部導通室22は内部導通室21の外周側に分布し、第1の仕切板23は内部導通室21と外部導通室22との間に位置し、第2の仕切板24は2つの隣接する外部導通室22の間に位置し、第1の仕切板23の本体部は中空円柱構造であり、第1の仕切板23は連通孔231を有し、内部導通室21は連通孔231を介して一部の数の外部導通室22に連通し、それぞれの外部導通室22は第2の仕切板24により独立した空間に仕切られ、弁体20を回転させることにより、1つの外部導通室22によってこの外部導通室22に対応する少なくとも2つの弁口102を導通又は遮断することができ、及び/又は、弁体20を回転させることにより、内部導通室21、連通孔231及び外部導通室22によって対応する少なくとも2つの弁口102を導通又は遮断することができ、この弁口102のうちの少なくとも1つは内部導通室21に対応し、他の少なくとも1つは外部導通室22に対応する。上記の設置により、1つの制御弁1は、複数の流路を制御することができ、使用時に、より便利でコンパクトである。
【0013】
さらに図5を参照し、いくつかの実施例では、弁体20は、さらに、接続柱28と接続リブ29を含み、接続柱28は中空の柱体構造であり、接続柱28の外面と第1の仕切板23の内面との間には内部導通室21が形成され、接続リブ29は接続柱28の外面と第1の仕切板23の内面との間に接続されて弁体20の構造強度を強化する。
【0014】
図1図6のように、いくつかの実施例では、第1の仕切板23と第2の仕切板24とは、射出プロセスにより一体構造として固定接続され、制御弁1はさらに第1の密封部材41を含む場合に、第1の密封部材41は弁体20と側壁部11との間に位置し、第1の密封部材41の厚さ方向の一方側の表面は第2の仕切板24の表面に接触しかつ密封して設けられ、第1の密封部材41の厚さ方向の他方側の表面は側壁部11の内面に接触しかつ密封して設けられる。
【0015】
図7から図11のように、いくつかの実施例では、弁体20は、伝動接続部25、導通部26及び支持部27を含み、伝動接続部25の少なくとも一部と支持部27とは接続柱28の両端にそれぞれ設けられ、弁体20の高さ方向に沿って、導通部26は伝動接続部25と支持部27との間に位置し、この場合に、導通部26は、頂板201、底板202、及び頂板201と底板202との間に位置する部材で形成された構造であり、伝動接続部25は、頂板201から、支持部27から離れる方向へ突出し、支持部27は、底板202から、伝動接続部25から離れる方向へ突出し、伝動接続部25と支持部27はいずれも弁ボデー10に位置制限して接続され、伝動接続部25は弁ボデー10の頂壁部13に位置制限して接続されかつ駆動装置における駆動部材に伝動接続され、支持部27は弁ボデー10の底壁部12に位置制限して接続されて弁体20を安定的に回動させ、内部導通室21と外部導通室22はいずれも導通部26に位置し、図8では、弁体20の軸方向に沿って、即ち、弁体20の高さ方向に沿って、導通部26の一端と底壁部12との間に空間を有し、図10では、制御弁は第1の密封部材41を含む場合に、第1の密封部材41の高さ方向の一端と底壁部12との間にも空間を有する。
【0016】
図1図2図8及び図10のように、制御弁1の通路30は第1の流道31を含み、第1の流道31の一端は側壁部11を貫通して第1の連通口311を形成し、第1の流道31の他端は第1の弁接続口312を形成し、第1の連通口311は側壁部11の高さ方向の一端に位置し、弁体20の導通部26と第1の連通口311は側壁部11の高さ方向に配列され、図2図8及び図10では、側壁部11の高さ方向に沿って、第1の連通口311は底板202と底壁部12との間に位置し、即ち、第1の連通口311は導通部26の一端と底壁部12との間の領域に位置し、同時に、この第1の連通口311は第1の密封部材41の一端と底壁部12との間の領域にも位置し、弁体20のいずれかの動作モードにおいても、第1の弁接続口312は、第1の連通口311、弁室101を介して内部導通室21に連通し、即ち、弁体20がいずれかの回動角度であっても、第1の弁接続口312から制御弁に流入した流体は、第1の連通口311を介して弁室101に直接的に入り、弁室101から内部導通室21に流入する。
【0017】
図1図3及び図4のように、いくつかの実施例では、制御弁1の通路30はさらに複数の第2の流道32を含み、それぞれの第2の流道32の一端は側壁部11を貫通して第2の連通口321を形成し、第2の流道32の他端は第2の弁接続口322を形成し、側壁部11の高さ方向に沿って、第2の連通口321は底板202と頂板201との間に位置し、第2の連通口321が存在する位置は外部導通室22が存在する位置に対応し、外部導通室22と第2の連通口321との間での流体の連通を容易にし、外部導通室22は複数の第1の室221と複数の第2の室222を含み、弁体20の高さ方向に沿って、第1の室221の室口の縦断面積は、第2の室222の室口の縦断面積の2倍以上であり、第1の室221は2つの第2の弁接続口322に対応することができ、第2の室222は1つの第2の弁接続口322に対応することができ、弁体20を回転させることにより、1つの第1の室221、第2の連通口321によって第1の室221に対応する2つの第2の弁接続口322を導通可能であり、一部の数の第2の室222は連通孔231を介して内部導通室21に連通し、弁体20を回転させることにより、内部導通室21、連通孔231及び第2の室222によって第1の弁接続口312と、第2の室222に対応する1つの第2の弁接続口322とを導通可能である。
【0018】
さらに、図11から図15を参照し、弁体20の高さ方向に沿って、弁体20は、図11における底板202から頂板201に向かう方向において、それぞれ第1の層外部導通室、第2の層外部導通室、第3の層外部導通室及び第4の層外部導通室という4層の外部導通室22を設けることができ、第1の層外部導通室が位置する領域において、第1の仕切板23は2つの間隔をおいて設置された連通孔231を有し、それぞれの連通孔231はいずれも、対応する1つの外部導通室22における第2の室222に導通し、残りの外部導通室22は、いずれも第1の仕切板23によって内部導通室21とは独立した空間に仕切られており、第2の層外部導通室が位置する領域において、第1の仕切板23は2つの間隔をおいて設置された連通孔231を有し、それぞれの連通孔231はいずれも、対応する1つの外部導通室22における第2の室222に導通し、残りの外部導通室22は、いずれも第1の仕切板23によって内部導通室21とは独立した空間に仕切られ、さらに、第2の層外部導通室が位置する領域に位置する連通孔231と第1の層外部導通室が位置する領域に位置する連通孔231は、弁体20の円周方向に沿って互いにずらしかつ第2の仕切板24によって仕切られており、第3の層外部導通室と第4の層外部導通室が位置する領域において、第1の仕切板23には連通孔231が設けられておらず、この領域内に位置する外部導通室22と内部導通室21は、いずれも第1の仕切板23によって独立した空間に仕切られている。
【0019】
図4図5図11、及び図16から図19を結合して、いくつかの実施例では、弁体20は柱状構造であり、第1の室221の長さは第2の室222長さの2倍であり、第1の室221の幅は第2の室222の幅と等しく、説明すべきのは、第1の室221の長さとは、第1の室221の室口の縦断面における長いエッジの長さを意味し、さらに、各導通室(即ち、第1の室221又は第2の室222)の縦断面積とは、弁体の軸方向に平行で導通室の両側の周壁エッジを通って弁体を切断した断面積であり、この断面積は、導通室を径方向に沿って正投影した投影面の面積としても理解することができ、又はこの断面積は、導通室における第2の弁接続口322に向かう室口の面積として理解することもできる。例えば、図16では、第1の室221の室口での縦断面は矩形であり、この場合に、第1の室221の長さは矩形の長さであり、第1の室221の幅は矩形の幅であり、同様に、第2の室222の長さとは、第2の室222の室口の縦断面において長いエッジの長さを意味し、第2の室222の幅とは、第2の室222の室口の縦断面において短いエッジの長さを意味する。弁体20の円周方向に沿って、弁体20は、横断面が扇形である第1の扇形セグメントSE1、第2の扇形セグメントSE2、第3の扇形セグメントSE3及び第4の扇形セグメントSE4を含み、図16のように、第1の扇形セグメントSE1には、3つの第1の室221と2つの第2の室222が設けられ、第1の室221の幅方向は弁体20の高さ方向と平行であり、第1の仕切板23は、1つの第2の室222の周壁を形成する部位で連通孔231が設けられ、内部導通室21は連通孔231を介してそのうちの1つの第2の室222に連通しており、図17のように、弁体20の高さ方向に沿って、第2の扇形セグメントSE2には、2つの第1の室221が設けられ、第1の室221の長さ方向は弁体20の高さ方向と平行であり、図18のように、弁体20の高さ方向に沿って、第3の扇形セグメントSE3には、1つの第1の室221と2つの第2の室222が設けられ、第1の室221の長さ方向は弁体20の高さ方向と平行であり、第1の仕切板23は、そのうちの1つの第2の室222の周壁を形成する部位で連通孔231が設けられ、内部導通室21は連通孔231を介してそのうちの1つの第2の室222に連通しており、図19のように、第4の扇形セグメントSE4には、3つの第1の室221と2つの第2の室222が設けられ、3つの第1の室221のうちの1つの第1の室221の長さ方向は弁体20の高さ方向と平行であり、他の2つの第1の室221の長さ方向は弁体20の高さ方と垂直であり、第1の仕切板23は、そのうちの1つの第2の室222の周壁を形成する部位で連通孔231が設けられ、内部導通室21は連通孔231を介して第2の室222に連通する。上記の設置により、弁体20を異なる角度に回転させる場合に、異なる導通室により異なる弁口を導通させて複数種類の流路を形成する。
【0020】
図20のように、いくつかの実施例では、制御弁1は9つの通路30を含み、9つの通路30により形成される弁口をそれぞれ第1の流道31に位置する第1の弁口VP1(第1の弁接続口312)、第2の流道32に位置する第2の弁口VP2、第3の弁口VP3、第4の弁口VP4、第5の弁口VP5、第6の弁口VP6、第7の弁口VP7、第8の弁口VP8及び第9の弁口VP9と定義し、制御弁1は少なくとも、以下の4つの動作モードのいずれかを含み、
第1の動作モードにおいて、図21図22に示すように、弁体20は、第1の扇形セグメントSE1が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第1の弁口VP1は弁室、内部導通室21、連通孔231及び第2の室222を介して第4の弁口VP4に連通して流路4を形成し、3つの第1の室221のうちの1つの第1の室221は第2の弁口VP2と第3の弁口VP3とを連通して流路3を形成し、他の1つの第1の室221は第6の弁口VP6と第7の弁口VP7とを連通して流路4を形成し、さらなる他の1つの第1の室221は第8の弁口VP8と第9の弁口VP9とを連通して流路1を形成し、第5の弁口VP5は遮断状態にある。本文では、ブロック図における接続線は、2つの弁口を連通する概略的な接続線を示す。
【0021】
第2の動作モードにおいて、図23図24のように、弁体20は、そのうちの1組である隣接する第2の扇形セグメントSE2と第3の扇形セグメントSE3が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第2の扇形セグメントSE2が位置する領域において、2つの第1の室221のうちの1つの第1の室221は第7の弁口VP7と第9の弁口VP9とを連通して流路1を形成し、他の1つの第1の室221は第3の弁口VP3と第5の弁口VP5とを連通して流路2を形成し、第3の扇形セグメントSE3が位置する領域において、第1の室221は第6の弁口VP6と第8の弁口VP8とを連通して流路3を形成し、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231、そのうちの1つの第2の室222を介して第4の弁口VP4に連通して流路4を形成し、第2の弁口VP2は遮断状態にある。
【0022】
第3の動作モードにおいて、図25図26に示すように、弁体20は、他の1組である隣接する第2の扇形セグメントSE2と第3の扇形セグメントSE3が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第2の扇形セグメントSE2が位置する領域において、2つの第1の室221のうちの1つの第1の室221は第8の弁口VP8と第6の弁口VP6とを連通して流路3を形成し、他の1つの第1の室221は第4の弁口VP4と第2の弁口VP2とを連通して流路4を形成し、第3の扇形セグメントSE3が位置する領域において、第1の室221は第9の弁口VP9と第7の弁口VP7とを連通して流路1を形成し、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231及びそのうちの1つの第2の室222を介して第3の弁口VP3に連通して流路2を形成し、第5の弁口VP5は遮断状態にある。
【0023】
第4の動作モードにおいて、図27図28のように、弁体20は、第4の扇形セグメントSE4が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231及び1つの第2の室222を介して第3の弁口VP3に連通して流路2を形成し、3つの第1の室221のうちの1つの第1の室221は第8の弁口VP8と第6の弁口VP6とを連通して流路3を形成し、他の1つの第1の室221は第9の弁口VP9と第7の弁口VP7とを連通して流路1を形成し、さらなる他の1つの第1の室221は第4の弁口VP4と第5の弁口VP5とを連通して流路4を形成し、第2の弁口VP2は遮断状態にある。
【0024】
上記の設置により、制御弁1は9つの弁口を有する場合に、4本の流体流通路と少なくとも1本の閉合路を形成する。従来の複数の流通路の弁式構造では単一の弁口による遮断を実現できない構造よりも、本出願の実施例の制御弁1は、弁体の回転過程において単一の弁口による遮断の動作モードを実現できる。
【0025】
図29から図31のように、本出願の第2の実施例が提供した制御弁1の構成概略図であり、第1の実施例が提供した制御弁の構成と類似し、いずれも弁ボデー10、弁体20、第1の密封部材41、第2の密封部材42及び駆動装置(図示せず)等の構成を含み、制御弁1は複数の通路30を有し、通路30は第1の流道31と複数の第2の流道32を有し、第1の流道31の一端は弁ボデーの側壁部11を貫通して第1の連通口311を形成し、第1の連通口311は側壁部11の高さ方向の一端に位置しており、相違点は、第2の実施例が提供した制御弁1が5つの弁口を有し、これに応じて弁体20の構成にも違うところがあることであり、以下に、本出願の実施例が提供した弁体20を説明する。
【0026】
図31のように、いくつかの実施例では、弁体20は柱状構造であり、第1の室221の長さは第2の室222長さの2倍であり、第1の室221の幅は第2の室222の幅と等しく、弁体20の円周方向に沿って、弁体20は、横断面が扇形である第1の扇形セグメントSE1、第2の扇形セグメントSE2及び第3の扇形セグメントSE3を含み、第1の扇形セグメントSE1には、1つの第1の室221と2つの第2の室222が設けられ、第1の室221の幅方向は弁体20の高さ方向と平行であり、第1の仕切板23は、1つの第2の室222の周壁を形成する部位で連通孔231が設けられ、内部導通室21は連通孔231を介して第2の室222に連通しており、弁体20の高さ方向に沿って、第2の扇形セグメントSE2には、1つの第1の室221が設けられ、第1の室221の長さ方向は弁体20の高さ方向と平行であり、弁体20の高さ方向に沿って、第3の扇形セグメントSE3には、2つの第2の室222が設けられ、第1の仕切板23は、そのうちの1つの第2の室222の周壁を形成する部位で連通孔231が設けられ、内部導通室21は連通孔231を介してそのうちの1つの第2の室222に連通する。さらに、第1の扇形セグメントSE1の数、第2の扇形セグメントSE2の数及び第3の扇形セグメントSE3の数は、ユーザーの必要に応じて設定可能である。
【0027】
図29図30のように、いくつかの実施例では、制御弁1は、5つの通路30を含み、5つの通路30により形成される弁口はそれぞれ、第1の流道31に位置する第1の弁口VP1、第2の流道32に位置する第2の弁口VP2、第3の弁口VP3、第4の弁口VP4及び第5の弁口VP5であり、制御弁1は少なくとも、以下の4つの動作モードのいずれかを含み、第1の動作モードにおいて、図32図33のように、弁体20は、そのうちの1つの第1の扇形セグメントSE1が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231及び第2の室222を介して第4の弁口VP4に連通して流路2を形成し、第1の室221は第2の弁口VP2と第3の弁口VP3とを連通して流路1を形成し、第5の弁口VP5は遮断状態にあり、第2の動作モードにおいて、図34図35のように、弁体20は、そのうちの1組である隣接する第2の扇形セグメントSE2と第3の扇形セグメントSE3が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第2の扇形セグメントSE2が位置する領域において、第1の室221は第3の弁口VP3と第5の弁口VP5とを連通して流路1を形成し、第3の扇形セグメントSE3が位置する領域において、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231及びそのうちの1つの第2の室222を介して第4の弁口VP4に連通して流路2を形成し、第2の弁口VP2は遮断状態にあり、第3の動作モードにおいて、図36図37のように、弁体20は、他の1組である隣接する第2の扇形セグメントSE2と第3の扇形セグメントSE3が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第2の扇形セグメントSE2が位置する領域において、第1の室221は第2の弁口VP2と第4の弁口VP4とを連通して流路1を形成し、第3の扇形セグメントSE3が位置する領域において、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231及びそのうちの1つの第2の室222を介して第3の弁口VP3に連通して流路2を形成し、第5の弁口VP5は遮断状態にあり、第4の動作モードにおいて、図38図39のように、弁体20は、他の1つの第1の扇形セグメントSE1が位置する領域が弁口に対応する位置に回転し、第1の弁口VP1は内部導通室21、連通孔231及びそのうちの1つの第2の室222を介して第3の弁口VP3に連通して流路2を形成し、第1の室221は第4の弁口VP4と第5の弁口VP5とを連通して流路1を形成し、第2の弁口VP2は遮断状態にある。
【0028】
本出願の実施例が提供した制御弁1の弁口の数は、5個、9個に限定されず、例えば6個、7個、11個、12個又は13個等より多くてもよく、具体的な数は、ユーザーの必要に応じて設定可能である。本出願の実施例が提供した制御弁1によれば、いくつかの実施例では、制御弁1は2n+1個の通路30と2n+1個の弁口を有し、制御弁1は弁体20の内部導通室21、外部導通室22によって、2つの弁口を導通するn個の流路を形成することが可能となり、並びに、弁体20の第1の仕切板23と第2の仕切板24によってそのうちの少なくとも1つの弁口を遮断状態とする。従来の複数の流通路の弁式構造では単一の弁口による閉合を実現できない構造よりも、本出願の実施例の制御弁1は、弁体の回転過程において単一の弁口による閉合の動作モードを実現できる。
【0029】
以上から、本出願の実施例が提供した制御弁1によれば、弁体20は、内部導通室21、複数の外部導通室22、第1の仕切板23及び第2の仕切板24を含み、第1の仕切板23は内部導通室21と外部導通室22との間に位置し、内部導通室21と外部導通室22とを仕切ることができ、第1の仕切板23は連通孔231を有することで、内部導通室21は一部の数の外部導通室22に連通し、第2の仕切板24は2つの隣接する外部導通室22の間に位置してそれぞれの外部導通室22を独立した空間に仕切り、本出願の実施において、弁体20を回転させることにより、1つの外部導通室22によって対応する2つの弁口を導通又は遮断することができ、及び/又は、弁体20を回転させることにより、内部導通室21、連通孔231及び外部導通室22によって対応する2つの弁口を導通又は遮断することができ、このように、制御弁1は、複数の弁口の間には異なる連通手段を持たせ、1つの制御弁1を利用して複数の流路を制御することができ、流体システムにとって取付が簡単で便利であり、普及及び応用が容易である。
【0030】
説明すべきのは、以上の実施形態は、単に本出願を説明するためのものであり、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向性に対する定義のように、本出願に説明される技術案を限定するものではなく、本明細書は、上記の実施形態を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者は、当業者が依然として本出願を補正、組合せ又は均等な置換することが可能であり、本出願の精神及び範囲から逸脱しないすべての技術案及びその改良も本出願の請求項の範囲内に該当していることを理解すべきである。
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【国際調査報告】