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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】微細気泡の発生方法および発生装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/233 20220101AFI20240321BHJP
   B01F 23/2373 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 35/213 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 35/221 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 35/30 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 23/70 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 31/44 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 23/2375 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 27/74 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 27/2123 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 27/116 20220101ALI20240321BHJP
   B01F 27/94 20220101ALI20240321BHJP
【FI】
B01F23/233
B01F23/2373
B01F23/231
B01F35/71
B01F35/213
B01F35/221
B01F35/30
B01F23/70
B01F31/44
B01F23/2375
B01F27/74
B01F27/2123
B01F27/116
B01F27/94
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563326
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2022086569
(87)【国際公開番号】W WO2022218333
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110406058.6
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389693
【氏名又は名称】▲馬▼ ▲みん▼雄
【氏名又は名称原語表記】MA Minxiong
【住所又は居所原語表記】502, Unit 1, No.8 Yuanyang Wanhe Mansion, Wangjing Street, Chaoyang District Beijing 100020 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲みん▼雄
【テーマコード(参考)】
4G035
4G036
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G035AB08
4G035AB13
4G035AB14
4G035AE02
4G035AE13
4G036AB02
4G037AA01
4G037AA18
4G037DA02
4G037EA03
4G037EA04
4G037EA10
4G078AA03
4G078AB20
4G078BA01
4G078BA05
4G078CA01
4G078DA30
4G078DC02
4G078EA15
(57)【要約】
微細気泡の発生方法および発生装置であって、微細気泡の発生方法は、気体に微孔性材を通過させ、微孔性材と液体との間の界面に微細気泡を形成させ、気泡を微孔性材の表面に吸着させることと、微孔性材と液体との相対的な運動により、微孔性材に吸着された微細気泡に対してせん断力を生じて衝撃を与えることで、微細気泡を微孔性材から離脱させて液体内に進入させることとを含み、微細気泡の発生装置は、液面より下方に設けられた気体収容室(1)と、送気管路(3)とを含み、気体収容室(1)の外周には、微孔性材層(2)が周設されており、気圧により気体収容室(1)内の気体に微孔性材層(2)を通過させて、その微孔性材層(2)の外面に微細気泡を形成させ、微孔性材層(2)が運動すること、および/または微孔性材層(2)の外側に位置する液体が運動することにより、微細気泡をせん断する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体に微孔性材を通過させて、前記微孔性材と液体との間の界面に微細気泡を形成させることと、
前記微孔性材と前記液体との相対的な運動により、前記微孔性材に吸着された前記微細気泡に衝撃を与えることで、前記微細気泡を前記微孔性材から離脱させて前記液体内に進入させることとを含む
微細気泡の発生方法。
【請求項2】
前記液体による前記微細気泡へのせん断力は、前記微孔性材の毛細管効果による前記微細気泡への吸着力または表面張力よりも大きい
請求項1に記載の微細気泡の発生方法。
【請求項3】
前記液体を静止状態にし、且つ前記微孔性材を運動状態にして、前記微孔性材に入った気体を同期運動させることによって、前記微孔性材と液体との間の界面に形成された微細気泡に衝撃を与える
請求項1または2に記載の微細気泡の発生方法。
【請求項4】
前記微孔性材を静止状態にし、且つ前記液体が運動状態にすることによって、前記微孔性材と液体との間の界面に形成された微細気泡に衝撃を与える
請求項1または2に記載の微細気泡の発生方法。
【請求項5】
前記微孔性材は、電解時に材料の表面に微細気泡が発生する陰極または陽極である
請求項1または2に記載の微細気泡の発生方法。
【請求項6】
液面より下方に設けられた気体収容室と、前記気体収容室内に気体を送気する送気管路とを含み、
前記気体収容室の外周には、前記気体収容室内の気体が通過できる微孔性材層が周設されており、
前記送気管路の一端は、前記液面より上方に位置して気体源に接続され、前記送気管路の他端は、前記気体収容室内まで伸び込み、気圧により前記気体収容室内の気体に前記微孔性材層を通過させて前記微孔性材層の外面に微細気泡を形成させ、
前記微孔性材層を運動させる、および/または前記微孔性材層の外側に位置する液体を運動させることによって、前記微細気泡をせん断して、前記微細気泡を液体内に進入させる
微細気泡の発生装置。
【請求項7】
前記送気管路には、気体の流れ方向に沿って順にエアポンプと、一次フィルタと、二次フィルタとが設けられ、
前記二次フィルタにおけるフィルタエレメントの孔径は、前記一次フィルタにおけるフィルタエレメントの孔径および前記微孔性材層の孔径よりも小さい
請求項6に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項8】
前記送気管路に流量計と圧力メータが設けられ、前記流量計に気体流量を制御できる調節ノブが設けられた
請求項6または7に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項9】
前記気体収容室を周方向に回転させるアウターロータモータをさらに含み、
前記アウターロータモータは、前記気体収容室内に設けられ、前記アウターロータモータのアウターロータと前記微孔性材層の下部内壁とは、シールして固着される
請求項8に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項10】
第1の固定台座をさらに含み、
前記微孔性材層は、垂直に設けられ、頂部が封口され、底部が開口した筒状構造であり、
前記微孔性材層の頂部には、微孔性材製で前記微孔性材層と一体に成形されたシールキャップが設けられ、
前記シールキャップは、上向きに凸となる中空半球状構造をなし、
前記アウターロータモータの底部は、前記第1の固定台座の頂部にシールして固着される
請求項9に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項11】
前記送気管路は、第1の送気メイン管路を含み、
前記第1の送気メイン管路は、一端が前記液面よりも上方に位置し、他端が前記第1の固定台座および前記アウターロータモータを順に貫通して前記気体収容室内まで伸び込み、該第1の送気メイン管路の内部に第1の閉塞ブロックが封止されており、
前記第1の送気メイン管路は、前記アウターロータモータの中心孔を貫通して前記アウターロータモータにシールして固着され、
前記気体収容室内に位置する前記第1の送気メイン管路には、それぞれ前記第1の送気メイン管路の周方向に沿って均一に分布する複数本の第1の送気分岐管路が接続され、
前記第1の送気分岐管路は、水平管セグメントと垂直管セグメントとを含み、
前記水平管セグメントの一端が、前記第1の送気メイン管路に接続され、前記水平管セグメントの他端が、水平方向に沿って前記微孔性材層に近接する位置まで延在して、前記垂直管セグメントの頂端に接続され、
前記垂直管セグメントの底端は、垂直方向に沿って下向きに延在する
請求項10に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項12】
前記気体収容室は、前記微孔性材層によって包囲されてなり、両端が封口された筒状構造であり、
前記気体収容室の軸方向が水平方向に沿って設けられ、前記気体収容室の内部の軸心位置には、その軸方向に沿って第2の中空軸が設けられ、
前記第2の中空軸には、前記気体収容室に連通する複数の吸気孔が開設され、前記第2の中空軸は、それぞれ前記気体収容室の外部に延出するとともに、それぞれ第1の駆動モータと前記送気管路に接続されている
請求項6に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項13】
前記気体収容室の外壁であって前記気体収容室の両端には、それぞれ前記気体収容室の周方向に沿って環状の第1のストッパ片が設けられた
請求項12に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項14】
前記気体収容室の外壁であって、2つの前記第1のストッパ片の間の位置には、前記気体収容室の周方向に沿って環状の第2のストッパ片が設けられ、
前記第2のストッパ片の直径は、前記第1のストッパ片の直径よりも大きい
請求項13に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項15】
第4の固定台座と底部が前記第4の固定台座に固定された第1のブラケットとをさらに含み、
前記第1の駆動モータは、前記第1のブラケットに設けられ、前記第1の駆動モータの回転軸は、水平方向に沿って設けられるとともに、調心カップリングを介して前記第2の中空軸の一端に接続され、
前記第2の中空軸の他端は、軸受構造を介して前記第1のブラケットに回動可能に設けられ、前記第2の中空軸の内部は、軸受台およびシール管を介して前記送気管路に連通する
請求項13に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項16】
水平方向に沿って振動可能な取付板を含み、
前記微孔性材層は、前記取付板の頂部で包囲して前記気体収容室を形成し、
前記気体収容室には、前記送気管路に接続された吸気口が設けられ、
前記取付板の下方には、前記取付板の底部の中心位置に固定された第2の駆動モータが設けられ、
前記第2の駆動モータのモータ軸は、水平方向に沿って設けられた前記取付板の板面に垂直である
請求項6に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項17】
前記第2の駆動モータは、振動モータである
請求項16に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項18】
第5の固定台座と底部が前記第5の固定台座に固定された第2のブラケットとをさらに含み、
前記取付板は、水平方向に沿って設けられた平板状構造であり、前記取付板の各縁部の中間位置がそれぞれバネを介して前記第2のブラケットに接続され、
液面より下方では、前記バネは、水平状態にある
請求項16に記載の微細気泡の発生装置。
【請求項19】
前記取付板は、方形または円形である
請求項17に記載の微細気泡の発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、特許出願番号が202110406058.6であり、出願日が2021年04月15日であり、発明創造の名称が「微細気泡の発生方法および発生装置」の中国発明特許の優先権を要求する。
【0002】
本発明は、気液二相界面インタラクティブの技術分野に関し、特に微細気泡の発生方法および発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロナノバブルの存在を早くて60年代に発見し、造影技術に応用した。2000年以来、日本をはじめ、マイクロナノバブルのより多くの特性と応用について研究し始め、その結果、マイクロナノバブルは、水中での上昇速度が極めて遅く、自己増圧溶解し、物質移動効率が極めて高い(95%を超える)などの特性を有し、気体の溶解度を大幅に向上させることができ、比表接触面積が大きく、界面電位が高く、気体浮上効果に優れ、液体の流動抵抗を低減し、気泡のミクロ分野における爆発により周囲の水分子化学結合を切断してラジカルを生成するなどの特性をさらに有することを発見した。
【0004】
水産養殖について、魚類の養殖密度を2倍以上向上させ、養殖サイクルを大幅に短縮し、飼料転化率を向上させることができ、気体浮上の特性により魚の糞と残りの魚飼料の水中に融解したフロックを水面まで気体浮上させることができ、水中におけるアンモニア窒素と亜硝酸塩の指標を大幅に低減し、ゼロ抗生物質、ゼロ廃水養殖を実現し、増産できるだけでなく、魚類の食品安全と環境管理に対する意義も大きい。
【0005】
農作物栽培について、マイクロナノバブルにより水稲栽培を50%以上収量増加させ、水稲の根元をより発達させ、その耐倒伏性を大幅に向上させることができる。その原理は、植物の根元に酸素吸収が必要であり、土壌における大部分の微生物が好気型であり、微生物が活発であるほど、土壌の肥強が強くなり、根元が発達するようになることによって、収量増加の効果を達成することにある。マイクロナノバブル含有水で作物を栽培する場合、収量増加すると同時に土壌環境を処理・改良することもできる。
【0006】
水系の改善について、高溶存酸素値は、水処理のキーポイントであり、黒臭水系の発生の根本的な原因は、酸素欠乏であり、このため、酸素を補足し、生態系を自己回復させることで、水系が処理改善される。
【0007】
また、マイクロナノバブルは、液体の摺動抵抗を低減し、船舶を加速させる効果を達成することもできる。
【0008】
マイクロナノバブルは、空気、酸素に限られず、二酸化炭素、オゾンなどの気体であってもよく、高濃度、高接触面積のオゾン水系は、工業界の高級な酸化技術であり、応用上の意義は、非常に大きく、工業だけでなく、オゾン水系は、食品の消毒殺菌に応用されても、重大な役割を果たすことができる。また、高濃度の二酸化炭素水系は、藻類によるオイル産出の産業化に寄与することができる。マイクロナノバブル技術は、本質的に高効率な気液混合技術であり、非極性ガスが水に溶けにくい常例を突破し、基礎プロセスとなり、電気のように各分野に浸透し、技術上の突破をもたらす。
【0009】
マイクロナノバブルは、このような重要な作用を有するが、実際の生産で大規模に普及されておらず、応用実験の研究に留まっているだけであり、核心的な問題は、マイクロナノバブル発生器のエネルギー消費が極めて高く、収量増加するが収益増加しないことにある。今まで、様々な発生器のエネルギー消費の問題は、ずっと突破せず、ほとんどのマイクロナノバブル発生器は、いずれも水ポンプが発生した高速水流を利用して気体をせん断するものであり、従来の設計の思想も、如何にして高速水流を循環して繰り返して利用するかに限られ、実質的に、エネルギー消費を大幅に低減するという目的を達成できない。
【0010】
現在、微細気泡は、例えば、超音波法、加圧放圧気体溶解法、ベンチュリージェット法および回転せん断法などの様々な発生方法があるが、超音波法により発生する気泡量が限られ、加圧放圧気体溶解法に必要な設備の構造が複雑で、実施の難易度が高いなどの原因で、これまで一般的に採用されているマイクロバルブ発生方法は、ベンチュリージェット法および回転せん断法である。ここで、回転せん断法の原理は、実質的に加圧放圧法の原理と同じであり、いずれも高速回転する液体を加圧して気体を溶解させ、出口で圧力を放出して微細気泡を発生させるものである。回転せん断法は、加圧放圧法に比べて実現の難易度を低下させ、複雑な加圧設備を省略したものであるが、回転せん断法は、ベンチュリージェット法に比べて水流が回転しながら前に流れものであって、水気融合の過程がより長く、出口で形成される気泡の粒径がより細かくなる。しかし、ベンチュリージェット法と回転せん断法の前段において、いずれも大型の水ポンプ又は溶存エアポンプ(Dissolved air pump)(揚程が20mから40mに達し、水圧が0.2MPaから0.5MPaであることが要求される)を使用する必要があり、該2つの方法で、低速、低圧の場合に微細気泡を発生させることができず、水ポンプ自体の制限で、水気比が現在10:1を超えることができず(すなわち、1体積の微細気泡を発生させるには、10体積の高速水流を必要とする)、また、微細気泡を発生させるベンチュリー管とロータリカッターのいずれも、管径を収縮させることによって、水流を加速させ、最後に出口から高速ジェットを行うため、ベンチュリー管とロータリカッターが微細気泡を発生させるには、巨大なエネルギー消費が必要であり、さらに、水を押圧する過程において回転摩擦して発熱することも高エネルギー消費の重要な要素である。ベンチュリージェット法と回転せん断法を採用する場合、大型車両(例えば、フォークリフト又はクレーン等)を利用して大型水ポンプ又は溶存エアポンプを輸送しなければならず、施工の難しさが高い。上記する様々な問題は、いずれも微細気泡の実際の生産における普及適用を大きく制約している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
関連技術において微細気泡を発生する過程で、エネルギー消費が高く、難易度が高く、微細気泡の発生効果がよくないという問題に対して、現在、まだ有効な解決的手段が提供されていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、微細気泡の発生方法および発生装置を提供することを目的としており、気体を加圧して微孔性材を通過させて、微孔性材と液体との間の界面に微細気泡を形成させ、さらに微孔性材と液体との間の相対的な運動により、気泡自体が大きくなったり、隣接する各微細気泡と融合して急速に大きくなったりする前に微細気泡をせん断し、微孔性材の表面から剥離させて、マイクロバルブ(直径が100μm未満)の態様で液体中に進入させることによって、微細気泡を発生させる目的を達成するものであり、この過程で、液体の高速な運動および高圧下での押圧摩擦による発熱を必要としないため、生産エネルギー消費を大幅に低下させ、コストを節約し、また、設備の構造が簡単で、操作しやすく、極めて大きな経済的利益を有し、普及して使用するのに適するものである。
【0013】
本発明は、以下の技術的解決手段を採用して実現することができる。
【0014】
本発明は、微細気泡の発生方法を提供し、前記微細気泡の発生方法は、気体に微孔性材を通過させて、前記微孔性材と液体との間の界面に微細気泡を形成させることと、前記微孔性材と前記液体との相対的な運動により、前記微孔性材に吸着された前記微細気泡に衝撃を与えことで、前記微細気泡を前記微孔性材から離脱させて前記液体内に進入させること、と、を含む微細気泡の発生方法である。
【0015】
本発明は、微細気泡の発生装置を提供し、前記微細気泡の発生装置は、液面より下方に設けられた気体収容室と、前記気体収容室内に気体を送気する送気管路とを含み、前記気体収容室の外周には、前記気体収容室内の気体が通過できる微孔性材層が周設されており、前記送気管路の一端は、前記液面より上方に位置して気体源に接続され、前記送気管路の他端は、前記気体収容室内まで伸び込み、気圧により前記気体収容室内の気体に前記微孔性材層を通過させて、前記微孔性材層の外面に微細気泡を形成させ、
前記微孔性材層が運動すること、および/または前記微孔性材層の外側に位置する液体が運動することにより、前記微細気泡を液体内に進入させるように前記微細気泡をせん断する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0017】
一、該微細気泡の発生装置は、気体収容室内に気体を導入することによって、気体収容室内を一定の圧力として、気圧の作用下で気体収容室内の気体に微孔性材層を通過させて、微孔性材層の外面と液体との間の界面に微細気泡を形成させ、微孔性材層と液体との間に相対的な運動を発生させるように駆動することによって、液体で微孔性材層に吸着された微細気泡に衝撃を与えることで、微細気泡を微孔性材層から離脱させて液体内に進入させて、微細気泡を発生させる目的を達成する。本発明では、動作過程におけるエネルギー消費本体は、気体を運動させるエネルギー消費ではなく、気体収容室が液体中で回転運動することによって受ける摩擦抵抗を克服するエネルギー消費であり、ただし、本発明では、気体収容室が回転する、又は、液体が気体収容室に沿って回転して流れる速度を、気体が微孔性材層を通過する速度よりも大きくすればよいと要求される。気体が流れる速度は、通常1秒あたりセンチメートルオーダーであり、同時に、表面の摩擦係数が小さい微孔性材を微孔性材層とすることが好ましく、連動される液体の流速を1秒あたり1メートルオーダー以下に完全に制御することができるため、動作過程に必要な回転速度が低くて済む。また、本発明において微細気泡の発生に必要な条件には、水気比に対する制限がなく、該過程に高速水流を必要とせず、摩擦発熱によるエネルギー消費の問題が回避されるため、生産エネルギー消費を効果的に低下させ、生産コストを節約することができ、また、大量で粒径が均一な微細気泡を迅速に発生させることができ、経済的利益が極めて大きい。
【0018】
二、該微細気泡の発生装置は、その重量と体積が、いずれも従来の微細気泡の発生装置に比べて大幅に低減され、本発明に採用される動力設備は、モータであり、1KWのモータボディの重量は、0.5キログラム以下である。本装置は、規格電力が、ほとんど1KW以下であると要求され、微孔性材も軽量材料であり、本発明の重量が主に固定台座などのセット設備にあるため、装置全体の重量を10キログラム以内に抑えることができ、装置全体の体積について、直径30cm以下、高さ120cm以下にすることができ、実際の使用中に手動で実装することができる。
【0019】
三、該微細気泡の発生装置は、実際のニーズに応じて体積を調整して、微細気泡の発生量を調整制御し、装置全体を小型化することができ、動力設備として低電力のマイクロモータを採用する場合、他の部分もそれに応じて縮小することができ、これによって、微細気泡の応用分野を大幅に拡張することができ、例えば、家庭用民生の分野に入れることができ、人々が高濃度酸素含有水、高濃度水素含有水をその場に作りその場で飲み、体の健康を確保することができることに加え、オゾン含有水の製造、野菜、果物、肉類の鮮度保持、残留農薬の除去などにも利用することができる。
【0020】
四、該微細気泡の発生装置は、構造が簡単で、操作制御しやすく、原材料がいずれも工業製品であり、大規模生産に適している。また、本発明は、低エネルギー消費で、低電力で、装置に約30ワットの電力を必要とするだけで微細気泡を発生させることができ、ソーラーパネルを採用して給電することができ、畑や農耕地、河川湖で微細気泡の生産を行うことができ、微細気泡が農作物の収量増加、河川汚水処理に顕著な作用を有することは既に実証されており、太陽光、空気および水を十分に利用することができる。上記の効果は、従来の回転せん断法により実現できないものである。
【0021】
五、該微細気泡の発生装置により発生する微細気泡は、粒径分布の一様性が高い。従来の微細気泡の発生装置により発生する微細気泡は、その粒径分布がナノオーダーからミクロンオーダー(1nmから200μm)まで存在する。本発明における微細気泡の粒径の一様性は、微孔性材の孔径分布の一様性に依存し、現在、微孔性材は、良好な品質を有するため、これによって発生する微細気泡の粒径範囲は、良好な一様性を有する。
【0022】
六、該微細気泡の発生装置は、微孔性材の作動により、気体を連れて回転させて高速気流を形成して液体をせん断し、この思想の変更により、エネルギー消費を百倍以上低減させるのを実現し、また、装置の改良により、さらに改善する余地が多くあり、エネルギー消費がマイクロナノバブルの発生のボトルネックとはならない場合、マイクロナノバブルにより各業界にもたらす変革は、すばらしい意味がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の図面は、本発明を模式的に説明や解釈するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。ここで、
【0024】
図1】本発明に係る微細気泡の発生方法のフローチャートである。
図2】本発明に係る微細気泡の発生装置の構造模式図その1である。
図3図2における液面より下方の部分の構造模式図である。
図4】本発明に係る微細気泡の発生装置の構造模式図その2である。
図5図4における液面より下方の部分の構造模式図である。
図6】本発明に係る微細気泡の発生装置の構造模式図その3である。
図7図6における液面より下方の部分の構造模式図である。
図8】本発明に係る微細気泡の発生装置の構造模式図その4である。
図9】本発明に係る微細気泡の発生装置の構造模式図その5である。
図10】本発明に係る微細気泡の発生装置の構造模式図その6である。
図11図10における微細気泡の発生装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の構成要件、目的および効果をより明確に理解するために、ここで、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明は、以下のステップを含む微細気泡の発生方法を提供する。
【0027】
ステップS1であって、気体に微孔性材を通過させて、微孔性材と液体との間の界面に微細気泡を形成させるステップである。
具体的には、ステップS1は、
ステップS101であって、気体収容室1の外周に気体収容室1の周方向に沿って微孔性材層2を周設して、気体収容室1を液面以下に投入するステップS101と、
ステップS102であって、送気管路3の一端を、液面より上方に位置するように気体源に接続し、送気管路3の他端を、気体収容室1と連通させ、気体収容室1内に一定の気圧を形成させるように送気管路3を介して気体収容室1内に気体を充填するステップS102と、
ステップS103であって、気体収容室1内の気圧の作用下で、気体収容室1内の気体に微孔性材層2を通過させて、微孔性材層2の外面に微細気泡を形成させるステップS103と、を含む。
【0028】
ステップS2であって、微孔性材と液体との相対的な運動により、微孔性材に吸着された微細気泡に衝撃を与えることで、微細気泡を100μmまで大きくなる前に微孔性材から離脱させて液体内に進入させることができるようにするステップである。
【0029】
具体的には、微孔性材層2を自体の周方向に沿って回動させるように駆動し、および/または微孔性材層2の外側に位置する液体を微孔性材層2の周方向に沿って流動させるように駆動することによって、微孔性材層2と液体との間の相対的な運動により微細気泡をせん断し、微細気泡を微孔性材層2への吸着力および/または気泡と微孔性材層2との間の表面張力から解放して液体内に進入させることによって、大量の微細気泡を発生させる。
【0030】
さらに、ステップS2において、液体による微細気泡へのせん断力は、微孔性材の毛細管効果による微細気泡への吸着力および/または気泡と微孔性材層2との間の表面張力よりも大きくなってはじめて、気泡が衝撃されて微孔性材から離脱して微細気泡の態様で液体内に進入することができる。
【0031】
さらに、微細気泡は、形成されてからせん断されて微孔性材から離脱するまでの時間が、それ自体が大きくなったり、隣接する各微細気泡と融合した後に急速に大きくなったりして大気泡(直径100μmを限界に)になるのに要する時間よりも短い。外力(すなわち、液体による微細気泡へのせん断力)により干渉されなければ、さらに小さい孔径の微孔性材の表面に発生した気泡でも、微孔性材の毛細管吸着力および/または気泡と微孔性材層2との間の表面張力の作用で徐々に大きくなるとともに、隣接する気泡と融合してより大きい気泡に形成され、気泡の浮力が毛細管吸着力および/または気泡と微孔性材層2との間の表面張力を克服するようになった後、微孔性材の表面から離脱して大きな気泡(直径が200μm以上である)の態様で液体内に進入する。このため、微孔性材と液体との間の界面に微細な気泡を形成した後に速やかにせん断し、気泡の径が100μmまで大きくなる前に液体内に進入させる必要がある。
【0032】
本発明の別の選択可能な実施例において、ステップS2において、液体を静止状態にし、微孔性材を運動状態にして、微孔性材に入った気体を同期運動させることによって、微孔性材の運動により微孔性材と液体との間の界面に形成された微細気泡に衝撃を与え(またはせん断)する。上記のように、液体の運動によってもマイクロナノバブルにせん断することができるが、本発明のより好ましい実施例において、微孔性材が運動する一方、液体を静止状態にする構造を採用すると、微孔性材の外側の液体を運動させることに比べてエネルギー消費を大幅に低減することができる。微孔性材が運動に必要な速度を得た後、余分にエネルギーを消費せず、微孔性材に絶えずに入った気体が連動されるために必要なエネルギー消費が極めて低い。液体の運動により静止している微孔性材で発生した微細気泡をせん断する場合、液体を同じ速度(すなわち、微孔性材と同じ回転速度)に加速させるのに必要なエネルギー消費は、微孔性材により気体を同じ速度に加速させるように連動させるエネルギー消費よりもはるかに大きい(両者の間に6桁近くの差を有する)。
【0033】
本発明の一選択可能な実施例において、ステップS2において、微孔性材を静止状態にし、且つ液体を運動状態にして、液体の運動により微孔性材と液体との間の界面に形成された微細気泡に衝撃を与える(またはせん断する)。
【0034】
さらに、勿論、微孔性材は、微細孔付き材料に限られず、電解時に材料の表面に微細気泡が発生する陰極または陽極であってもよい。
【0035】
図2から図7に示すように、本発明は、微細気泡の発生装置を提供し、該微細気泡の発生装置は、気体収容室1と、気体収容室1内に一定の気圧を形成させるように気体収容室1内に気体を輸送するための送気管路3と含み、気体収容室1の外周には、気体収容室1の周方向に沿って、気体収容室1内の気体が通過できる微孔性材層2が周設されており、気体収容室1を液面より下方に設け、送気管路3の一端が、液面より上方に位置して気体源に接続され、送気管路3の他端が、気体収容室1内まで伸び込み、気圧により気体収容室1内の気体に微孔性材層2の隙間を通過させて微孔性材層2の外面に微細気泡を形成させ、微孔性材層2を周方向に沿って回動させるように駆動し、および/または微孔性材層2の外側に位置する液体を微孔性材層2の周方向に沿って流動させるように駆動し、液体と微孔性材層2との相対的な運動により微孔性材層2の外面における微細気泡をせん断して、微細気泡を液体内に進入させる。勿論、微孔性材層2は、周方向に回動することに限られず、液体も微孔性材層2の周方向に沿って流れることに限られず、様々な運動態様(例えば、左右揺動など)を採用することができ、液体が微孔性材層2の外面における微細気泡を迅速にせん断することを満足できればよい。
【0036】
液体の運動によりマイクロナノバブルをせん断することもできるが、微孔性材が運動する一方、液体を静止状態にする態様を採用すると、微孔性材の外側の液体を運動させることに比べて、エネルギー消費を大幅に低減することができる。微孔性材が運動に必要な速度を得た後、余分にエネルギーを消費せず、また、微孔性材に絶えず入った気体が連動されるために必要なエネルギー消費が極めて低い。液体の運動により静止している微孔性材に発生した微細気泡をせん断する場合、液体を同じ速度に加速させるのに必要なエネルギー消費は、微孔性材が気体を同じ速度に加速させるエネルギー消費よりもはるかに大きい。
【0037】
さらに、図2図4図6に示すように、送気管路3には、気体の流れ方向に沿って順にエアポンプ5と、一次フィルタ6と、二次フィルタ7とが設けられ、エアポンプ5と、一次フィルタ6と、二次フィルタ7とは、いずれも液面より上方に位置し、二次フィルタ7におけるフィルタエレメントの孔径は、一次フィルタ6におけるフィルタエレメントの孔径および微孔性材層2の孔径よりも小さい。一次フィルタ6と二次フィルタ7とにより気体中の埃を濾過し、ここで、一次フィルタ6は、気体中の大粒径の埃を濾過ために用いられ、二次フィルタ7は、気体中の小粒径の埃を濾過するために用いられ、長期にわたって動作する状態で微孔性材層2が埃により塞がれないように確保し、装置の使用寿命を延ばす。また、一次フィルタ6と二次フィルタ7におけるフィルタエレメントは、いずれも交換しやすい消耗品であり、定期的に交換することができる。気体収容室1内の気体は、気体収容室1の回動による遠心力により微孔性材層2を通過して、気体収容室1内を負圧として、気体源の気体が気体収容室1内に入って補充しやすくすることができる。しかしながら、微孔性材層2上の孔隙が小さいほど、その気体抵抗が大きくなり、気体の回転による遠心力で微孔性材層2を通過するのに不十分である場合、エアポンプ5により気体を気体収容室1内にポッピングして、気体収容室1内の気圧を増大させ、さらに気体収容室1内の気体の透過力を向上させ、気体に微孔性材層2をスムーズに通過させることを確保することができる。また、気体収容室1の回転速度を上げることで遠心力を大きくして気体を通過させやすくすることもできるが、このような方法は、エアポンプ5を増やすことよりも大きなエネルギー消費が必要となる。
【0038】
さらに、図2図4図6に示すように、エアポンプ5の上流に位置する送気管路3に流量計8が設けられ、二次フィルタ7の下流に位置する送気管路3に圧力メータ10が設けられ、流量計8に気体流量を制御できる調節ノブ9が設けられる。流量計8により気体の流量をリアルタイムに監視するとともに、実際の状況に応じて流量計8の調節ノブ9を調節することで、気体の単位時間あたりの流量を制御し、微細気泡の粒径を調整することができる。ここで、流量計8は、ガラスロータ流量計であってもよいが、これに限られない。
【0039】
さらに、微孔性材層2は、下から上に向けて厚さが徐々に大きくなり、気体収容室1内の上下の水圧力差による排気の不均一の問題をバランスさせることによって、気泡の粒径の一様性を確保し、微孔性材層2の各位置における厚さは、実際に採用される微孔性材の気体抵抗性能の相違に応じて調整することができる。実際に使用する過程において、微孔性材層2の厚さは、気体収容室1を運動させることを支持することに十分な強度を有するようにすればよく、微孔性材層2が薄いほど気体抵抗が小さくなり、微孔性材層2の気体透過性が良くなる。気体収容室1の寸法規格に制限がなく、気体収容室1の体積が大きいほど、微孔性材層2の表面積が大きくなり、通気量が大きくなるが、その分、回転中に受ける摩擦抵抗も大きくなる。
【0040】
さらに、微孔性材層2の孔径は、5μm未満である。
【0041】
本発明の一選択可能な実施例において、図2図3に示すように、微細気泡の発生装置は、気体収容室1を周方向に回転させるアウターロータモータ13をさらに含み、アウターロータモータ13は、気体収容室1内に設けられ、アウターロータモータ13のロータと微孔性材層2の下部内壁との間は、シーラントによりシールして固着され、アウターロータモータ13のロータにより、微孔性材層2を回転運動させることができる。本実施例において、アウターロータモータ13と微孔性材層2との組み合わせにより、液体より下方で回転運動できるカッターヘッド4を形成する。本実施例において、微孔性材の運動が微孔性材内に貫通した気体を運動させ、液体を回転せん断して微細気泡を発生させると理解でき、従来の回転せん断法により液体を高速回転させることに比べてエネルギー消費の差が大きく、気体と液体を同じ運動速度に到達させるには、理論エネルギー消費の面で、2桁以上の差である。ここで、アウターロータモータ13は、アウターロータ水中動作のブラシレスモータである。
【0042】
さらに、図2図3に示すように、微細気泡の発生装置は、第1の固定台座12をさらに含み、微孔性材層2は、垂直に設けられ、頂部が封口され、底部が開口した円筒状構造であり、微孔性材層2の頂部には、微孔性材製で微孔性材層2と一体に成形されたシールキャップ11が設けられ、シールキャップ11は、上向きに凸となる中空半球状構造をなし、アウターロータモータ13の底部は、第1の固定台座12の頂部にシールして固着され、第1の固定台座12は、微孔性材層2を支持する役割を果たし、装置が安定した動作状態にあることを確保する。
【0043】
具体的には、図2図3に示すように、送気管路3は、一端が液面よりも上方に位置し、他端が第1の固定台座12およびアウターロータモータ13を順に貫通して気体収容室1内まで伸び込み、内部に第1の閉塞ブロック14が封止された第1の送気メイン管路301を含む。第1の送気メイン管路301は、アウターロータモータ13の中心孔を貫通するとともにアウターロータモータ13にシーラントによりシール接続され、気体収容室1内に位置する第1の送気メイン管路301には、それぞれ第1の送気メイン管路301の周方向に沿って均一に分布する4本の第1の送気分岐管路302が接続される。第1の送気分岐管路302は、水平管セグメントと垂直管セグメントとを含み、水平管セグメントの一端が、第1の送気メイン管路301に接続され、水平管セグメントの他端が、水平方向に沿って微孔性材層2に近接する位置まで延在するとともに垂直管セグメントの頂端に接続され、垂直管セグメントの底端が、垂直方向に沿って下向きに延在する。第1の送気メイン管路301と各第1の送気分岐管路302を介して気体源の気体を気体収容室1内まで送気し、気体をできるだけ微孔性材層2の内壁に均一に分布させることができる。
【0044】
本発明の別の選択可能な実施例において、図4図5に示すように、微細気泡の発生装置は、気体収容室1を周方向に回転させるためのインナーロータモータ15をさらに含み、送気管路3は、第2の送気メイン管路303と第1の中空軸306とを含み、第1の中空軸306は、インナーロータモータ15の出力軸であり、内部に第2の閉塞ブロック307が封止され、気体収容室1を貫通するとともに第2の送気メイン管路303の一端に接続される。第2の送気メイン管路303の他端は、液面より上方に位置し、気体収容室1内に位置する第2の送気メイン管路303に、それぞれ第2の送気メイン管路303の周方向に沿って均一に分布する4本の第2の送気分岐管路304が接続される。第2の送気分岐管路304は、水平管セグメントと垂直管セグメントとを含み、水平管セグメントの一端が、第2の送気メイン管路303に接続され、水平管セグメントの他端が、水平方向に沿って微孔性材層2に近接する位置まで延在して、垂直管セグメントの頂端に接続され、垂直管セグメントの底端が、垂直方向に沿って下向きに延在する。第2の送気メイン管路303と各第2の送気分岐管路304を介して気体源の気体を気体収容室1内まで送気し、気体をできるだけ微孔性材層2の内壁に均一に分布させることができる。第1の中空軸306は、インナーロータモータ15の出力軸であり、気体の送気にも用いられる。ここで、インナーロータモータ15は、インナーロータ水中動作のブラシレスモータである。
【0045】
さらに、図4図5に示すように、微細気泡の発生装置は、第1の上蓋16と第1の下蓋17とをさらに含み、微孔性材層2は、垂直に設けられ、両端が開口した円筒状構造であり、第1の上蓋16は、微孔性材層2に設けられている頂部開口をシールして、第1の下蓋17は、微孔性材層2に設けられている底部開口をシールして、第1の中空軸306は、下から上へ順に第1の下蓋17と、気体収容室1と、第1の上蓋16とを貫通し、第1の中空軸306がフランジカップリング18を介して第1の下蓋17と第1の上蓋16にそれぞれにシールして固着される。ただし、第1の上蓋16と微孔性材層2との間、および第1の下蓋17と微孔性材層2との間は、シーラント等による接続方式によりシールして固定されてもいい。本実施例において、インナーロータモータ15と、微孔性材層2と、第1の上蓋16と、第1の下蓋17とを組み合わせることにより、液体中で回転運動できるカッターヘッド4を形成する。
【0046】
さらに、図4図5に示すように、第1の中空軸306と第2の送気メイン管路303との間に直管308が接続されており、第1の中空軸と第2の送気メイン管路とを非接触的に連通するように、直管308と第2の送気メイン管路303との間がガス管クイック継手305を介して接続される。
【0047】
さらに、図4図5に示すように、微細気泡の発生装置は、軸受台固定盤20と第2の固定台座19とをさらに含み、軸受台固定盤20が第2の固定台座19の上方に位置し、軸受台固定盤20と第2の固定台座19が、複数本の接続柱21により接続され、気体収容室1とインナーロータモータ15が、いずれも軸受台固定盤20と第2の固定台座19との間に設けられ、インナーロータモータ15が気体収容室1の下方に位置し、且つ第2の固定台座19に固定され、第1の中空軸306が、軸受台固定盤20を貫通して延出し、軸受台固定盤20の上方に位置する第1の中空軸306が、上から下へ順に軸受24と第1のシールリング23とが外装され、軸受24と第1のシールリング23が、いずれも軸受台22内に設けられ、直管308の底部がシーラントにより軸受24の頂部に接着される。上記の構造により、装置全体の安定性を向上させ、インナーロータモータ15の作動時に外力の作用で振動が発生することを防止できる。
【0048】
本発明の別の選択可能な実施例において、図6図7に示すように、微細気泡の発生装置は、マイクロバブル発生箱30とブラシレスモータ28とをさらに含み、ブラシレスモータ28は、微孔性材層2の外側の液体を気体収容室1の周方向に沿って回転して流動させるように連動させることに用いられ、マイクロバブル発生箱30は、垂直方向に設けられ、頂部が開口し、底部が封口された円筒状構造である。ブラシレスモータ28は、気体収容室1の下方に位置し、ブラシレスモータ28の出力軸が垂直に上向きに設けられ、ブラシレスモータ28の出力軸に、外壁に液体に上向きの推力を供給する複数の螺旋羽根が設けられたインペラ31が設けられている。インペラ31は、気体収容室1の底部に近接し、また、気体収容室1とインペラ31が、いずれもマイクロバブル発生箱30の内部に設けられている。微孔性材層2とマイクロバブル発生箱30の内壁との間には、せん断水通路34が形成されている。マイクロバブル発生箱30の底部には、マイクロバブル発生箱30の周方向に沿って環状の第1の給液口3001が開設され、マイクロバブル発生箱30の頂部には、複数の第1の排液口3002が開設され、マイクロバブル発生箱30の底部には、水平方向に沿って設けられた環状構造の液体循環箱33が設けられ、液体循環箱33には、複数の第2の給液口3301と第2の排液口3302とが設けられ、第2の排液口3302は、液体循環箱33の周方向に沿って設けられた環状開口であり、第1の給液口3001と連通し、また、第1の給液口3001は、外部液体にも連通し、各第1の排液口3002は、それぞれ液体循環管路25を介して対応する第2の給液口3301に連通し、各第2の給液口3302は、液体循環箱33の内壁の接線方向に沿って延びることによって、液体循環箱33内で回転方向がインペラ31と同一である回転水流が形成される。動作中、インペラ31が回転するし、マイクロバブル発生箱30内で負圧を形成し、液体が環状の第1の給液口3001を介してマイクロバブル発生箱30内に吸入されるとともに上方に流れ、液体が上方に流れると同時に、微孔性材層2の外側をその周方向に沿って回転して流れることにより、微孔性材層2の外面における微細気泡をせん断する。その後、一部の液体は、マイクロバブル発生箱30の頂部の開口を介して直接流出し、他の一部の液体は、マイクロバブル発生箱30における各液体循環管路25を介して対応する液体循環箱33内に流れ、また液体循環箱33における各第2の排液口3302及びそれとに連通するマイクロバブル発生箱30における第1の給液口3001をこの順に介して、マイクロバブル発生箱30内に循環還流して循環使用され、循環還流する水流は、一定の運動エネルギーを有し、インペラ31のエネルギー消費を低減することができる。ここで、ブラシレスモータ28は、インナーロータ水中動作のブラシレスモータである。
【0049】
さらに、インペラ31は、頂部が封口され、底部が封口された円柱状の中空キャビティであり、ブラシレスモータ28の出力軸は、インペラ31の中心を貫通し、インペラ31は、カップリングによりブラシレスモータ28の出力軸に固定され、螺旋羽根は、インペラ31の外壁に設けられる。使用中、インペラ31による液体を上方へ流動させる推力を、インペラ31による液体を周方向に回転させる推力よりも小さくするように制御するため、螺旋羽根ができるだけ小さい傾斜角度を有するように調整する必要があり、これによって、水流が微孔性材層2を流れる過程においてできるだけ多くの回数回転するようにして、エネルギーを消費して運動させられる液体を十分に利用する。また、気体収容室1の高さを増加させることによっても、上記目的を達成することができ、動作中に実際の状況に応じて調整すればよい。
【0050】
さらに、図6に示すように、液体循環管路25には、流量調整弁32が設けられ、流量調整弁32により液体循環管路25を通過する液体の流量を調整することができる。
【0051】
さらに、せん断水通路34の横断面積を第1の給液口3001の横断面積よりもわずかに小さくし、これによって、気体収容室1の外側の水流が微孔性材層2の外面に密着して微細気泡をせん断することを確保する(せん断水通路34の横断面積を、第1の給液口3001の横断面積よりもわずかに小さければよく、そうでなければ、気体の放出が阻害され、エアポンプ5の放出圧力の強さを増加させる必要がある)。微孔性材層2の外面から離れた側の水流は、実質的に無効な水流となる(微孔性材層2の外面における微細気泡をせん断することができない)ため、せん断水通路34の横断面積が小さいほど、効果がよく、せん断水通路34を通過した水流のみが微孔性材層2の外面に密着することができ、これによって、微孔性材層2における微細気泡に対するせん断効率を向上する。
【0052】
具体的には、図6図7に示すように、送気管路3は、第3の送気メイン管路309を含み、第3の送気メイン管路309は、一端が液面よりも上方に位置し、他端が気体収容室1内まで伸び込み、内部に第3の閉塞ブロック311が封止されている。気体収容室1内に位置する第3の送気メイン管路309には、それぞれ第3の送気メイン管路309の周方向に沿って均一に分布する4本の第3の送気分岐管路310が接続される。第3の送気分岐管路310は、水平管セグメントと垂直管セグメントとを含み、水平管セグメントの一端は、第3の送気メイン管路309に接続され、水平管セグメントの他端は、水平方向に沿って微孔性材層2に近接する位置まで延在して、垂直管セグメントの頂端に接続され、垂直管セグメントの底端は、垂直方向に沿って下向きに延在する。第3の送気メイン管路309と各第3の送気分岐管路310を介して気体源の気体を気体収容室1内まで送気して、気体をできるだけ微孔性材層2の内壁に均一に分布させることができる。
【0053】
さらに、図6図7に示すように、微細気泡の発生装置は、第2の上蓋26と第2の下蓋27とをさらに含み、微孔性材層2は、垂直に設けられ、両端が開口した円筒状構造である。第2の上蓋26は、微孔性材層2の頂部開口にシールして設けられ、第2の下蓋27は、微孔性材層2の底部開口にシールして設けられ、第3の送気分岐管路310は、上から下へ第2の上蓋26を貫通して気体収容室1内まで伸び込んでいる。ここで、第2の上蓋26と微孔性材層2との間、および第2の下蓋27と微孔性材層2との間は、シーラント等による接続方式によりシールして固定されてもよい。本実施例において、微孔性材層2と、第2の上蓋26と、第2の下蓋27とを組み合わせることにより、液体より下方で、液体をその周方向に回転流動できるカッターヘッド4を形成する。
【0054】
さらに、図6に示すように、微細気泡の発生装置は、第3の固定台座29をさらに含み、第3の固定台座29は、マイクロバブル発生箱30の下方に位置し、頂部にブラシレスモータ28が固定されている。第3固定台座29によりブラシレスモータ28の安定性を向上させ、ブラシレスモータ28の作動時に外力の作用で振動が発生することを防止する。
【0055】
本発明の一選択可能な実施例において、図8に示すように、気体収容室1は、微孔性材層2によって包囲されてなり、両端が封口された円筒状構造であり、気体収容室1の軸方向が水平方向に沿って設けられ、気体収容室1の内部の軸心位置にその軸方向に沿って第2の中空軸36が設けられ、第2の中空軸36に気体収容室1に連通する複数の吸気孔3601が開設され、第2の中空軸36がそれぞれ気体収容室1の外部に延出し、それぞれ第1の駆動モータ35と送気管路3に接続されている。気体収容室1が水平方向に沿って設けられているため、気体収容室1の長さが水深に制限されず、水が浅い環境においても、気体収容室1の長さを任意に調整することができる。勿論、気体収容室1の長さが長過ぎると、構造の安定性が悪くなるという問題が生じるが、この問題は、本願において考慮されない。
【0056】
本実施例において、気体収容室1が水平方向に沿って設けられているため、鉛直方向に沿って設けられる場合に、気体収容室1の上下両端の水圧差が大きいことによる、上下両端での排気量及び気泡の粒径が一致しない問題が克服される。また、気体収容室1が水平方向に沿って設けられている場合に、気体収容室1の上部と下部との間の圧力差は、気体収容室1の直径によって決まる。
【0057】
さらに、図8に示すように、気体収容室1の直径は、気体収容室1の軸方向の長さよりもはるかに小さい。ここで、気体収容室1の直径は、約10cmであり、気体収容室1の軸方向の長さは、1mよりも大きい。
【0058】
本実施例において、図8に示すように、気体収容室1の外壁であって気体収容室1の両端には、それぞれ気体収容室1の周方向に沿って円環状の第1のストッパ片37が設けられ、第1のストッパ片37の外径は、気体収容室1の直径より大きい。気体収容室1が回転すると、近くの水を回転させて外部に移動させ、微孔性材層2に近い位置で負圧領域を形成し、負圧領域の形成により、気体収容室1の左右両側に位置する水が負圧領域まで補充され、形成された微孔性材層2から離脱した直後のマイクロナノバブルを押圧するようになり、せん断されたマイクロナノバブルの一部が結合してより大きな気泡を形成してしまい、特に微孔性材層2の外壁に近接する位置で負圧が最大となり、せん断されたマイクロナノバブルがより大きなバブルに押圧され、また、左右両側の水流が微孔性材層2の外側の中間位置で互いに衝突し、より大きなバブルに結合されやすくなる。2つの第1のストッパ片37を設けた後、水流は、2つの第1のストッパ片37以外の領域のみで、発生したマイクロナノバブルを押圧することができ、この時、マイクロナノバブルは、既により広い水系まで拡散し、濃度が大幅に低下し、大気泡に押圧される割合も大幅に低下し、これによって、水流が互いに衝突してマイクロナノバブルに与える影響を大幅に低減する。ここで、第1のストッパ片37の直径が大きいほど、水流への阻止効果が良好になるが、2つの第1のストッパ片37の間に包まれた水は、気体収容室1とともに回転するように連動されることによって、エネルギー消費が増大するという欠点があるため、発生した気泡の粒径とエネルギー消費との間にバランスを取る必要がある。
【0059】
さらに、図8に示すように、気体収容室1の外壁であって、2つの第1のストッパ片37の間の位置には、気体収容室1の周方向に沿って円環状の第2のストッパ片38が設けられ、第2のストッパ片38の直径は、第1のストッパ片37の直径よりも大きい。第2のストッパ片38は、気体収容室1の外壁の中間位置に位置し、2つの第1のストッパ片37は、消費電力を考慮してその直径を大きくすることができない。2つの第1のストッパ片37以外で負圧形成により水流が押圧されるため、水流が2つの第1のストッパ片37の中間位置で互いに衝突し、大気泡が発生する割合が増加するようになる。これに対して、2つの第1のストッパ片37の間に第2のストッパ片38を増設することによって、水流の互いの衝突を効果的に防止することができ、第2のストッパ片38の設置により、それ自体と水との間の摩擦を増加させる以外、消費電力の大幅な増加を招くことがない。
【0060】
具体的には、図8に示すように、微細気泡の発生装置は、第4の固定台座39と底部がネジとナットとの係合により第4の固定台座39に固定された第1のブラケット40とをさらに含み、第1の駆動モータ35は、第1のブラケット40の頂部に固設され、第1の駆動モータ35の回転軸は、水平方向に沿って設けられて、調心カップリング41を介して第2の中空軸36の一端に接続され、第2の中空軸36の他端は、軸受構造を介して第1のブラケット40に回動可能に設けられる。第2の中空軸36において、軸受構造の両側にそれぞれ円環状の第2のシールリング42が外装され、第2の中空軸36の内部が、軸受台およびシール管43を介して送気管路3に連通して、良好なシール効果を確保することができる。
【0061】
本発明の一選択可能な実施例において、図9に示すように、微細気泡の発生装置は、水平方向に沿って振動可能な取付板44を含み、微孔性材層2は、取付板44の頂部で包囲して気体収容室1を形成する(微孔性材層2は、気体収容室1を形成するように取付板44の外側に外装されてもよい)。気体収容室1には、送気管路3に接続されている吸気口が設けられ、取付板44の下方には、取付板44の底部の中心位置に固定された第2の駆動モータ45が設けられ、第2の駆動モータ45のモータ軸は、水平方向に沿って設けられている取付板44の板面に垂直である。第2の駆動モータ45が発生した振動力は、モータ軸の垂直面に分布し、第2の駆動モータ45を出力軸の方向に沿って取付板44に垂直に取り付け、第2の駆動モータ45の出力軸における偏心ブロックが発生した遠心力は、バネ46の協働で取付板44全体を連動させて水平方向における高周波の往復運動を発生させる。取付板44が高周波で往復運動している状態で、気体が微孔性材層2から透過してせん断されてマイクロナノバブルが形成され、マイクロナノバブルは、毛細管吸着力および/または気泡と微孔性材層2との間の表面張力の作用で徐々に大きくなったり、周囲の気泡と結合したりするため、マイクロナノバブルが大気泡になる前に、取付板44の水平方向における高周波で往復運動する過程においてマイクロナノバブルが水によりせん断され、マイクロナノバブルが本来の上向きの運動エネルギーを持ってマイクロナノバブルの態様で水に進入するようにする必要がある。静止している水で、取付板44が水平方向に振動しない場合は、微孔性材層2から出た気泡が疎で急速に上昇するが、取付板44が水平に振動した場合、マイクロナノバブルにせん断されたため、気泡は密になり、且つ緩やかに上昇し、従って、本実施例において、流動する水でより良い効果を有し、形成されたマイクロナノバブルは、水流に流されてマイクロナノバブルが希釈拡散される。マイクロナノバブルは、連続的に発生するため、水面まで上昇する慣性傾向が破壊され、周囲のより多くの水に分散されたマイクロナノバブルは、水に分散して極めて緩やかに上昇する状態になる。
【0062】
本実施例において、第2の駆動モータ45が取付板44を連動させて振動させ始めることにつれて、明らかに、微孔性材層2から発生した気泡が小さくて密になり始め、振動周波数の上昇に伴い、気泡がより小さくて密になり、振動周波数がある値まで上昇した後、衝突により互いに結合して気泡が大きくて疎になり始め、周波数がさらに上昇すると、気泡がより大きくて疎になったことが観察できる。したがって、取付板44の振動周波数を調整することによって、異なる粒径のマイクロナノバブルを得ることができる。微孔性材が異なる場合、初期のバブルの粒径も異なり、同種の微孔性材、同一ロットの各微孔性材の初期のバブルでも粒径がわずかに異なる、このため、第2の駆動モータ45の振動周波数を調整することによって、発生したバブルが必要とされる適切な範囲内にあることを確保する必要がある。
【0063】
さらに、第2の駆動モータ45は、振動モータであってもよいが、これに限られず、本発明において、振動モータにおける偏心ブロックの高速回転による遠心力を利用して水平に配置されたバネ46と組み合わせ、取付板44を連動させて水平方向での振動を発生させる。これは、振動モータの通常の使用方法と異なる。通常、バネを垂直に配置し、上下に振動を発生させ、物体を振動させて選別する効果を達成する。これは、本発明のニーズに合わせた振動モータに対する革新的な使用方法である。
【0064】
具体的には、図9に示すように、微細気泡の発生装置は、第5の固定台座47と底部がネジとナットとの係合により第5の固定台座47に固定された第2のブラケット48とをさらに含む。取付板44は、水平方向に沿って設けられた方形または円形の平板状構造であり、取付板44の各縁部の中間位置に、それぞれ鋼片が溶接され、鋼片は、鉛直方向に沿って取付板44の下方に延び、取付板44の各縁部に、それぞれ1つのバネ46が設けられる(バネ46は、ネジとナットとの係合により取付板44に接続される)。バネ46の他端は、第2のブラケット48に接続され、液面より下方で、バネ46が水平状態にある。勿論、取付板44は、多角形であってもよい。
【0065】
本発明の一選択可能な実施例において、図10に示すように、微細気泡の発生装置は、鉛直方向に沿って設けられ、頂部が封口され、底部が送気管路3に接続された中空柱51を含む。送気管路3が中空柱51の内部まで伸び込み、中空柱51の底部には、中空柱51を回動させることができる第3の駆動モータ49が設けられる。中空柱51には、その内部と連通する複数の気体収容室1が接続され、各気体収容室1に、それぞれ微孔性材層2が設けられる。微孔性材層2は、水平方向に沿って設けられた平板状構造であってもよく、微孔性材層2が気体収容室1の頂部を覆って設けられる。微孔性材層2は、気体収容室1の外周に周設される筒状であってもよい。使用中、第3の駆動モータ49が中空柱51を回転させ、各気体収容室1と微孔性材層2が中空柱51とともに同期に回動し、各気体収容室1内の気体が微孔性材層2から飛び出して水によりせん断され、気体が自体の本来の上向きの動力により連動されて水に進入し、マイクロナノバブルが形成される。
【0066】
さらに、図10図11に示すように、複数の気体収容室1は、鉛直方向において多層で間隔をあけて配置され、各層における各気体収容室1は、中空柱51の周方向に沿って間隔をあけて均一に分布する。
【0067】
さらに、気体収容室1の横断面(すなわち、微孔性材層2の横断面)は、間隔をあけて分布する矩形であってもよいが、これに限られない。気体収容室1が中空柱51の周方向に沿って中空柱51の外側に周設された完全な円環状である場合、それ自体の以下の欠点がある。すなわち、完全な円環状は、回動中に遠心力の作用により微孔性材層2の内周側に発生したマイクロナノバブルを外部に移動させる(すなわち、微孔性材層2の内周側に発生したマイクロナノバブルを微孔性材層2の外周側に移動させるように駆動する)とともに、微孔性材層2の外周側に発生したマイクロナノバブルと衝突して結合しやすくなる。この過程が継続すると、大きな割合を占める大気泡が形成されてしまう。このため、本発明の一選択可能な実施例において、同一層の隣接する2つの微孔性材層2同士を間隔をあけて配置することができ、衝突して結合する継続過程を短縮することに寄与し、直径が100umより大きい大気泡になる前に水に広く拡散し、衝突する確率が大幅に低減される。
【0068】
具体的には、図10図11に示すように、微細気泡の発生装置は、水平方向に沿って設けられた円盤状構造である第6の固定台座50をさらに含む。第3の駆動モータ49は、インナーロータモータであり、第6の固定台座50の頂部に固設され、中空柱51の底端が、第3の駆動モータ49のインナーロータに接続される。送気管路3は、下から上へ順に第6の固定台座50と第3の駆動モータ49のインナーロータの中心孔を貫通して中空柱51の内部まで伸び込み、また、送気管路3が中空柱51内まで伸び込んだ高さが、気体収容室1の高さよりも低い。これにより、送気管路により中空柱51内まで送気された気体は、各気体収容室1内にスムーズに入ることができ、気体自体が上向きの運動エネルギーを有する。
【0069】
本発明で発生する微細気泡の粒径は、実際の必要に応じて調整することができる。本発明は、微細気泡の粒径を決定することができる四つの要素を有する。第1は、微孔性材層2の孔径と通気性である、材質が異なる場合、パラメータの孔径と通気性が異なり、同一材質でも、実際の使用環境によってはそのパラメータも一定に変動する。第2は、微細気泡をせん断する時の回転速度である。回転速度が高いほど、せん断された微細気泡の粒径が小さくなるが、材質の通気性の影響も受け、もし微孔性材層2の孔径が大きく、肉厚が薄く、通気性が良ければ、回転速度が大きくなるため、気体の回転による遠心力も大きくなり、排気量の増大により却って粒径が大きくなる。第3は、気体収容室1内の空気圧である。該空気圧がエアポンプ5により調整制御することができ、空気圧が大きいほど排気量が大きくなり、微細気泡の粒径が大きくなり、逆に小さくなる。第4は、流量計8における調節ノブ9である。システムの空気抵抗を変更することにより、排気量を調節し、さらに微細気泡の粒径まで調節することができる。
【0070】
以下、具体的なデータにより本発明のエネルギー消費を説明する。
【0071】
第1種の設備選択である。モータ(アウターロータモータ13またはインナーロータモータ15)の電力が600Wであり、微孔性材層2の孔径が1μmであり、微孔性材層2の外径が80mmであり、微孔性材層2の鉛直方向における高さがそれぞれ66mm、134mmおよび200mmから選択され、一次フィルタ6の濾過精度(すなわち、フィルタエレメントの孔径)が10μmであり、二次フィルタ7の濾過精度が0.1μmであり、エアポンプ5がマイクロエアポンプを採用し、エアポンプ5の定格電力が12Wであり、定格空気流量が15Lであり、1リットルあたりの消費電力が15/12=0.8Wである。実際の使用過程において、ブラシレスモータ28の回転速度が1分あたり770回転である場合、気体収容室1内の圧力の圧さが0.5大気である場合、水中に分散した微細気泡が明らかに見える。
【0072】
【表1】
【0073】
表1のデータから以下のように推定することができる。
【0074】
製品化後、微孔性材層2の外径は、240mmに増加し、高さは1000mmに増加し、この場合の1リットルあたりのエネルギー消費を算出する。微孔性材層2の高さが200mmである場合、エネルギー消費が12Wであり、高さが66mmである場合、エネルギー消費が7.5Wであり、微孔性材層2の表面積が2倍増加した後、エネルギー消費が4.5W増加するため、基礎エネルギー消費が5.25Wであると算出することができる。高さが66mmである微孔性材層2の回動過程において摩擦抵抗によるエネルギー消費が2.25Wであり、微孔性材層2の外径が240mmに増加し、高さが1000mmに増加した場合、すなわち、微孔性材層2の表面積が45倍増加した後、このときに、摩擦抵抗エネルギー消費が2.25×45=101.3Wであり、さらに5.25Wの基礎エネルギー消費を加算すると、総エネルギー消費が106.5Wである。気体流量が同じ倍数で増加すると仮定すると、1.2×45=54となり、気体1リットルあたりのエネルギー消費が106.5/54=1.97であり、さらにエアポンプエネルギー消費の0.8Wを加算すると、流量1リットルあたりの気体を送気するために必要な総エネルギー消費が2.77Wである。
【0075】
第2種の設備選択である。モータ(ブラシレスモータ28)の電力が1500Wであり、微孔性材層2の孔径が1μmであり、微孔性材層2の外径が80mmであり、微孔性材層2の垂直方向における高さが200mmであり、インペラ31の高さが30mmであり、直径が70mmであり、螺旋羽根の数が4つであり、且つ螺旋羽根の幅が5mmであり、螺旋羽根の傾斜度(すなわち、螺旋羽根の水平方向に対する夾角)が10°であり、第1の給液口3001の幅が2mmであり、せん断水通路34の幅が1.5mmである。モータの回転速度が1分あたり1000回転である場合、モータの電圧は、30Vであり、モータの電流は、10Aであり、気体収容室1内の気圧は、0.5大気であり、気体の流量は、3.9L/Mであり、1リットルあたりの気体を送気するにモータの必要とされるエネルギー消費は、30×10/3.9=76.9Wであり、1リットルあたりの気体を送気するにエアポンプの必要とされるエネルギー消費は、0.8Wであり、流量1リットルあたりの気体を送気するに必要とされる総エネルギー消費は、77.7Wである。
【0076】
従来技術の回転せん断法によれば、流量1リットルあたりの吸気のエネルギー消費は、275Wであり(従来メーカーによる公開データ)、第1種の設備(すなわち、微孔性材層2を回動させるように駆動するもの)を選択する場合、装置の総エネルギー消費は、68.07倍低下し(275/4.04=68.07)、製品化後に装置の総エネルギー消費は、99.28倍(275/2.77=99.28)低下すると推算する一方、第2種の設備(すなわち、微孔性材層2の外側の液体を微孔性材層2の周方向に沿って流動させるように駆動するもの)を選択する場合、装置の総エネルギー消費は、3.54倍(275/77.7=3.54)低下する。
【0077】
以上は、本発明の例示的な具体的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の思想および原則から逸脱することなく行われる同等な変形および補正は、いずれも本発明の権利範囲に属すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】