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特表2024-514221タンデムミル用ロールステアリング制御システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】タンデムミル用ロールステアリング制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 37/58 20060101AFI20240321BHJP
   B21B 38/04 20060101ALI20240321BHJP
   B21C 51/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
B21B37/58 B
B21B38/04 B
B21C51/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563980
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2022071372
(87)【国際公開番号】W WO2022226460
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/177,129
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】ジョアオ-オタビオ トンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウリオ アルシル デ オリベイラ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ シモエス-フレイタス
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ シェーファー
【テーマコード(参考)】
4E124
【Fターム(参考)】
4E124AA02
4E124AA07
4E124AA08
4E124BB07
4E124EE01
(57)【要約】
金属基材の圧延中にロールステアリングを制御するためのシステム及び関連する方法は、圧延機のワークスタンドのワークロールの傾斜を制御するように適合されたステアリング制御アクチュエータと、ワークスタンドの上流の金属基材のパラメータを測定するように構成されたセンサと、ステアリング制御アクチュエータ及びセンサに動作可能に接続されたコントローラとを含み得る。コントローラは、ワークスタンドのモデルを生成し、ワークスタンド用の調整値を決定し、センサから測定パラメータを受け取り、調整値によって測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定し得る。コントローラはまた、予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較し、予想出力パラメータが目標パラメータの予め定められた許容範囲内にあるように、ステアリング制御アクチュエータを作動させ得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基材の圧延中にロールステアリングを制御するための方法であって、
設定データに基づいて圧延機のワークスタンドのモデルを生成することであって、前記モデルを生成することが、前記ワークスタンド用の調整値を決定することを含む、前記生成することと、
前記ワークスタンドの上流の位置にあるセンサから前記金属基材についての測定パラメータを受け取ることと、
前記調整値によって前記測定パラメータを修正することにより、前記ワークスタンドの予想出力パラメータを決定することと、
前記予想出力パラメータを前記ワークスタンドの目標出力パラメータと比較することと、
前記予想出力パラメータが前記目標出力パラメータの所定の許容範囲内にあるように、前記金属基材のパスラインに対する前記ワークスタンドの少なくとも1つのワークロールの傾斜を制御するために、前記ワークスタンド用のステアリング制御アクチュエータを作動させることと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記測定パラメータは測定厚さを含み、前記予想出力パラメータは予想出力厚さであり、前記目標出力パラメータは目標出力厚さである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定パラメータは、前記金属基材の幅方向の測定平坦度プロファイルを含み、前記予想出力パラメータは予想出力平坦度プロファイルであり、前記目標出力パラメータは目標出力平坦度プロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定パラメータは、前記ワークスタンドの中心線に対する前記金属基材の測定位置を含み、前記予想出力パラメータは予想出力位置であり、前記目標出力パラメータは目標出力位置である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記測定パラメータは、前記金属基材の張力を含み、前記予想出力パラメータは予想張力であり、前記目標出力パラメータは目標張力である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ワークスタンドは、複数のワークスタンドのうちの第1のワークスタンドであり、前記方法は、各ワークスタンドの設定データに基づいて、前記複数のワークスタンドの各ワークスタンドのモデルを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステアリング制御アクチュエータを作動させることは、少なくとも1つの液圧シリンダまたは少なくとも1つのバックアップロールを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ワークスタンドの前記モデルを生成することは、前記金属基材の圧延の前に前記モデルを生成することを含み、前記設定データは、以前の圧延作業からのデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記圧延機の最後のワークスタンドの後の位置における前記金属基材についての測定厚さをセンサから受け取ることと、
前記調整値によって前記測定厚さを修正することにより、前記ワークスタンドの予想厚さを決定することと、
前記予想厚さを前記ワークスタンドの目標厚さと比較することと、
前記予想厚さが前記目標厚さの所定の許容範囲内にあるように、前記ワークスタンド用の前記ステアリング制御アクチュエータを作動させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ワークスタンドは第1のワークスタンドであり、前記圧延機は、前記第1のワークスタンドの上流に第2のワークスタンドをさらに備えており、前記センサが、前記第1のワークスタンドと前記第2のワークスタンドとの間にあり、前記方法は、さらに、
設定データに基づいて前記第2のワークスタンドのモデルを生成することであって、前記第2のワークスタンドの前記モデルを生成することが、前記第2のワークスタンド用の調整値を決定することを含む、前記生成することと、
前記金属基材の圧延後、圧延中の前記センサによる前記金属基材の前記測定パラメータが、前記第2のワークスタンドの目標出力パラメータの所定の許容範囲外にあることに基づいて、前記調整値を更新することにより、前記第2のワークスタンドの前記モデルを更新することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステアリング制御システムを備えた圧延機であって、前記ステアリング制御システムが、
前記圧延機のワークスタンドのワークロールの傾斜を制御するように適合されたステアリング制御アクチュエータと、
前記ワークスタンドの上流の金属基材のパラメータを測定するように構成されたセンサと、
前記ステアリング制御アクチュエータ及び前記センサに動作可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラが、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、前記メモリが、
前記ワークスタンドのモデルを生成し、前記ワークスタンド用の調整値を決定することと、
前記センサから前記測定パラメータを受け取ることと、
前記調整値によって前記測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定することと、
前記予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することと、
前記予想出力パラメータが前記目標パラメータの予め定められた許容範囲内にあるように、前記ステアリング制御アクチュエータを作動させることと、
のための前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、前記コントローラと、
を備える、前記圧延機。
【請求項12】
前記ワークスタンド及び前記ワークロールをさらに備えており、前記ワークロールは、圧延中に前記金属基材に接触するように適合された上側ワークロール及び/または下側ワークロールを備える、請求項11に記載の圧延機。
【請求項13】
前記ワークスタンドは、複数のワークスタンドのうちの第1のワークスタンドであり、前記メモリは、各ワークスタンドの設定データに基づいて、前記複数のワークスタンドの各ワークスタンドのモデルを生成するための前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、請求項12に記載の圧延機。
【請求項14】
前記測定パラメータは測定厚さを含み、前記予想出力パラメータは予想出力厚さであり、前記目標出力パラメータは目標出力厚さである、請求項11に記載の圧延機。
【請求項15】
前記測定パラメータは、前記金属基材の幅方向の測定平坦度プロファイルを含み、前記予想出力パラメータは予想出力平坦度プロファイルであり、前記目標出力パラメータは目標出力平坦度プロファイルである、請求項11に記載の圧延機。
【請求項16】
前記測定パラメータは、前記ワークスタンドの中心線に対する前記金属基材の測定位置を含み、前記予想出力パラメータは予想出力位置であり、前記目標出力パラメータは目標出力位置である、請求項11に記載の圧延機。
【請求項17】
前記ステアリング制御アクチュエータは、少なくとも1つの液圧シリンダまたは少なくとも1つのバックアップロールを備える、請求項11に記載の圧延機。
【請求項18】
圧延機用のステアリング制御システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記メモリが、
ワークスタンドのモデルを生成し、前記ワークスタンド用の調整値を決定することと、
前記ワークスタンドの上流のセンサから金属基材についての測定パラメータを受け取ることと、
前記調整値によって前記測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定することと、
前記予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することと、
前記予想出力パラメータが、前記目標パラメータの予め定められた許容範囲外にあることに基づいて、制御応答を生成することと、
のための前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含む、前記メモリと、
を備える、前記ステアリング制御システム。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記圧延機のワークスタンドのワークロールの傾斜を制御するために、前記ワークスタンドのステアリング制御アクチュエータを作動させることによって、前記制御応答を生成するように構成されている、請求項18に記載のステアリング制御システム。
【請求項20】
前記測定パラメータは、前記金属基材の厚さ、前記金属基材の平坦度、または前記圧延機の中心線に対する前記金属基材の位置のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のステアリング制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月20日に出願された米国仮出願第63/177,129号の利益及びそれに対する優先権を主張するものであり、この仮出願の全体をあらゆる目的のため参照により本明細書に援用する。
【0002】
技術分野
本出願は、一般に、金属加工に関し、より詳細には、圧延機におけるロールステアリング制御のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
圧延は、金属基材がワークスタンドの一対のワークロールに通される金属成形加工である。それによって生じる金属基材とワークロールとの接触は、金属基材の厚さプロファイル、平坦度、及び品質に影響を与える。ワークスタンドを通る金属基材のパスラインに対するワークロールの傾斜、すなわちロールステアリングは、ワークスタンドから出る金属基材のパラメータに影響を与えるために使用され得る1つの機構である。従来、ロールステアリングは、製造の間、各ワークロールのステアリング(傾き)値を設定し、それを調整するために、オペレータによる手動制御を必要としていた。この制御は時間がかかり、オペレータのミスに影響されやすいことに起因して不正確になる場合があり、実際の圧延機の状態を考慮しない(したがって不正確になる場合がある)こともあり、適切な制御をリアルタイムで行うことができない。
【発明の概要】
【0004】
本特許の適用を受ける本発明の実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の様々な実施形態の高水準の概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションにさらに説明される概念の一部を紹介する。この発明の概要は、特許請求される主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用することも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、図面のいずれかまたは全て、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
特定の実施形態によれば、金属基材の圧延中にロールステアリングを制御する方法は、設定データに基づいて圧延機のワークスタンドのモデルを生成することを含む。モデルを生成することは、ワークスタンド用の調整値を決定することを含み得る。この方法はまた、ワークスタンドの上流の位置にある金属基材についての測定パラメータをセンサから受け取ること、及び調整値によって測定パラメータを修正することにより、ワークスタンドの予想出力パラメータを決定することを含み得る。様々な実施形態では、この方法は、予想出力パラメータをワークスタンドの目標出力パラメータと比較すること、及び予想出力パラメータが目標出力パラメータの所定の許容範囲内にあるように、ワークスタンド用のステアリング制御アクチュエータを作動させることを含む。ステアリング制御アクチュエータは、金属基材のパスラインに対するワークスタンドの少なくとも1つのワークロールの傾斜を制御するように適合されている。
【0006】
様々な実施形態によれば、圧延機は、ステアリング制御システムを含み、ステアリング制御システムは、ステアリング制御アクチュエータ、センサ、及びコントローラを含む。ステアリング制御アクチュエータは、圧延機のワークスタンドのワークロールの傾斜を制御し、センサは、ワークスタンドの上流の金属基材のパラメータを測定する。コントローラは、ステアリング制御アクチュエータ及びセンサに動作可能に接続されており、プロセッサ、及びプロセッサに結合されたメモリを含む。メモリは、ワークスタンドのモデルを生成し、前記ワークスタンド用の調整値を決定することと、センサから測定パラメータを受け取ることと、調整値によって測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定することと、のためのプロセッサによって実行可能な命令を含む。メモリはまた、予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することと、予想出力パラメータが目標パラメータの予め定められた許容範囲内にあるように、ステアリング制御アクチュエータを作動させることと、のためのプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0007】
特定の実施形態によれば、圧延機用のステアリング制御システムは、少なくとも1つのプロセッサ、及びプロセッサに結合されたメモリを含む。メモリは、ワークスタンドのモデルを生成し、ワークスタンド用の調整値を決定することと、ワークスタンドの上流のセンサから金属基材についての測定パラメータを受け取ることと、調整値によって測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定することと、のためのプロセッサによって実行可能な複数の命令を含む。このメモリはまた、予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することと、予想出力パラメータが、目標パラメータの予め定められた許容範囲外にあることに基づいて、制御応答を生成することと、のためのプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0008】
本明細書に説明される様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含み得、これらは、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。全てのこのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0009】
本明細書は以下の添付図を参照する。添付図では、異なる図において同様の参照数字を使用した場合、同様または類似の構成要素を例示することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態によるステアリング制御システムを備えた圧延機を示す。
図2】実施形態によるステアリング制御システムを備えた圧延機を示す。
図3】実施形態によるステアリング制御システムでロールステアリングを制御するための例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、圧延中に圧延機のワークスタンドの1つ以上のワークロールのロールステアリングを制御するためのシステム及び方法について説明する。本明細書で説明されるシステム及び方法は、いずれの金属にも使用できるが、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金に対して有用であり得る。特定の実施形態では、本明細書に記載されたシステム及び方法は、圧延中にロールステアリングを自動的に制御し得る。様々な実施形態では、設定データに基づいてワークスタンドのモデルが生成され、モデルはワークスタンド用の調整値を含む。圧延機が複数のワークスタンドを含む実施形態では、各ワークスタンドの設定データに基づいて、各ワークスタンドのモデルを生成し得、各モデルは、特定のワークスタンドに固有の調整値を含む。様々な実施形態では、調整値は、ワークスタンドの実際効率、またはワークスタンドの実績の予想性能に対する偏差を示す補正値である。
【0012】
特定の実施形態では、設定データは、以前の圧延作業から測定されたデータを含む場合があるが、他の実施形態では必ずしもそうではない。様々な実施形態では、設定データは、センサによって測定されたパラメータ、入力パラメータ、またはこれらの様々な組み合わせを含む場合がある。いくつかの非限定的な実施例として、測定パラメータは、張力計、ゲージメータ、平坦ロール、光学センサ、カメラ、温度センサ、それらの組み合わせ、または所望により他のセンサを含むが、これらに限定されない1つ以上のセンサで測定され得る。測定されるパラメータとしては、金属基材における張力、金属基材の化学的性質及び/または組成、金属基材の温度などを含み得るが、これらに限定されない。入力パラメータは、必ずしもセンサによって測定されなくてもよい所望の他のパラメータであってもよい。いくつかの非限定的な実施例として、入力パラメータとしては、金属基材の幅または金属基材の厚さを含み得るが、これらに限定されない。上記のパラメータは、参考のために提供されたものであり、各ワークスタンドのためのモデル及び/または調整値を、2つ以上の測定パラメータを含む様々な設定データを所望のように使用して生成され得るため、限定的であると見なされるべきではない。
【0013】
圧延の間、センサは、ワークスタンドに対して所定の位置で金属基材のパラメータを測定し得る。コントローラは、モデルへの入力として測定パラメータを用いて、調整値によって測定パラメータを修正することにより、予想出力パラメータを決定し得る。予想出力パラメータは、ワークスタンドの目標出力パラメータと比較されてもよく、予想出力パラメータが目標出力パラメータの所定の許容範囲内に調整されるように、ワークロールスタンド用のステアリング制御アクチュエータを作動させてもよい。特定の態様では、実際の圧延条件に基づく調整値によって測定パラメータを修正することにより、コントローラは、圧延機からの出力結果をより正確に予測し得る。さらに、予想出力パラメータ(すなわち、調整値によって修正された測定パラメータ)を目標出力パラメータと比較することにより、システムが、目標出力パラメータをより高速に、かつ向上した精度で得ることが可能になり得る。
【0014】
図1は、金属基材102のための圧延機100の実施形態を示す。図1の実施形態では、圧延機100は、複数のワークスタンド104A~104Cを含むが、他の実施形態では、圧延機100は、所望により、単一のワークスタンド、2つのワークスタンド、または3つを超えるワークスタンドを含む任意の数のワークスタンドを含む場合がある。各ワークスタンド104A~104Cは、一対のワークロール106を含む。各ワークロール106は、1つ以上の中間ロール108によって支持され得る。中間ロール108に沿って軸受またはアクチュエータ(図示せず)が設けられ得る。軸受は、中間ロール108に軸受荷重を加えることができ、中間ロール108は、金属基材102がパスラインに沿って加工方向109にワークロール106の間を移動するときに、ワークロール106が金属基材102にワークロール圧力を加えるように、ワークロール106に荷重を伝達する。
【0015】
様々な実施形態では、各ワークスタンド104A~104Cは、任意選択的に、金属基材102のパスラインに対して、かつ金属基材の幅にわたって(すなわち、図1の紙面から出る方向に)、ワークロール106の傾斜または傾きを制御するために使用され得るステアリング制御アクチュエータ110A~110Cを含む。換言すれば、図1においては、ステアリング制御アクチュエータ110A~110Cは、ワークロール106の傾斜または傾きを上方または下方に制御する。ステアリング制御アクチュエータ110A~110Cは、ワークロール106の傾きまたは傾斜を調節するための、軸受、液圧シリンダ、バックアップロール、それらの組合せ、または所望により他の適切な装置もしくは機構を含むが、これらに限定されない、様々な適切な装置または機構であってもよい。特定の実施形態では、特定のワークスタンドの各ワークロール106(例えば、ワークスタンド104Aの上側ワークロール106及び下側ワークロール106)は、関連したまたは専用のステアリング制御アクチュエータを有してもよい。
【0016】
特定の実施形態では、圧延機100は、ステアリング制御システム112を含む。図1の実施形態では、ステアリング制御システム112は、複数のコントローラ114A~114C及び複数のセンサ116A~116Cを含むが、図1に示されるコントローラ114及び/またはセンサ116の数は、本開示を限定するものと見なされるべきではない。特定の実施形態では、ステアリング制御システム112は、1つのコントローラ及び/または1つのセンサを含みさえすればよい。特定の実施形態では、各コントローラ114A~114C及びセンサ116A~116Cは、特定のワークスタンド104A~104Cに関連付けられているが、他の実施例では必ずしも関連付けられない。非限定的な実施例として、各ワークスタンド104A~104Cは、関連するセンサ116A~116Cを有してもよいが、ステアリング制御システム112は単一のコントローラを含む。さらに、図1では、単一のセンサ116A~116Cが各ワークスタンド104A~104Cに関連付けられて示されているが、他の実施形態では、以下に説明するように、金属基材102の圧延中に複数のパラメータを測定され得るように、複数のセンサが各ワークスタンド104A~104Cに関連付けられていてもよい。
【0017】
各コントローラ114A~114Cは、プロセッサ及びメモリを含み、対応するセンサ116A~116C及び対応するステアリング制御アクチュエータ110A~110Cに動作可能に接続されている。メモリは、プロセッサに結合されており、以下で詳細に説明する様々な機能を実行するためにプロセッサによって実行可能な命令を含む。センサ116A~116Cは、圧延中に金属基材102の少なくとも1つのパラメータを測定するのに適した様々な装置または機構であり得る。いくつかの非限定的な実施例として、センサ116A~116Cのそれぞれは、金属基材102の張力を測定する張力計、金属基材102の温度を測定する温度センサ、金属基材102の厚さを測定するゲージまたは厚さ計、ワークスタンドのうちの1つのワークスタンドの中心線(例えば、加工方向109に対して横方向であるワークスタンドの幅方向の中間点)に対する金属基材102の位置を測定する位置センサ、金属基材102の幅方向の金属基材102の平坦度を測定する平坦度センサ、光学センサ、カメラ、これらの組み合わせ、または所望により他の適切なセンサであり得る。特定の実施形態では、センサ116は、隣接するワークスタンドの間のスタンド間位置に設けてもよいが、他の実施形態では必ずしもそのように設ける必要はない。図1の実施例では、センサ116B~116Cはスタンド間位置にあり、センサ116Aはワークスタンド104Aの上流に設けられている。センサ116A~116Cは、全て同じタイプのセンサである必要はなく、及び/または全て同じパラメータを測定する必要はなく、特定の実施形態では、ある1つのセンサ(例えば、センサ116A)が第1のパラメータ(例えば、張力)を測定し、別のセンサ(例えば、センサ116B)が第2のパラメータ(例えば、厚さ)を測定する。図1の実施形態では、センサ116A~116Cは、金属基材102の張力を検出する張力計である。
【0018】
任意選択的に、ステアリング制御システム112は、最後のワークスタンド(例えば、ワークスタンド104C)の後に出口センサ118を含んでもよい。出口センサ118は、センサ116A~116Cとして使用される装置に類似し得る様々な装置または機構、あるいはセンサ116A~116Cとして使用される装置とは異なり得る様々な装置または機構であってもよい。非限定的な一実施形態では、出口センサ118は、金属基材102の幅方向の金属基材102の平坦度プロファイルを測定する平坦度センサである。特定の実施形態では、出口センサ118は、コントローラ114A~114Cの1つ以上に、または他の処理機器(例えば、冷却剤分配システムの噴霧器用コントローラ)に動作可能に接続された別のコントローラに、動作可能に接続され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、図1に示されているように、ステアリング制御システム112は、フィードフォワード制御システムであってもよく、すなわち、特定のセンサによって収集されたパラメータデータが、特定のセンサの下流のワークスタンドを制御するために使用されてもよい。例えば、図1において、センサ116Aは、ワークスタンド104Aの上流にあり、コントローラ114Aは、センサ116Aからのデータを使用してワークスタンド104Aを制御する。他の実施形態では、図2に示すように、ステアリング制御システム112は、フィードバック制御システムであってもよく、特定のセンサ116によって収集されたパラメータデータは、特定のセンサ116の上流のワークスタンドを制御するために使用されてもよい。例えば、図2において、センサ116Aは、ワークスタンド104Aの下流にあり、コントローラ114Aは、センサ116Aからのデータを使用してワークスタンド104Aを制御する。さらなる実施形態では、ステアリング制御システム112は、フィードフォワード制御システム及びフィードバック制御システムの両方であってもよく、特定のセンサによって収集されたパラメータデータは、特定のセンサの上流のワークスタンド、及び特定のセンサの下流のワークスタンドを制御するために使用されてもよい。
【0020】
図3を参照して、本明細書で提供されるステアリング制御システムを備えた圧延機のワークロールを制御する例示的な方法300を詳細に説明する。特定の態様では、方法300は、1つ以上のコントローラ114A~114Cの1つ以上のプロセッサによって実行可能であってもよい命令として、ステアリング制御システム112の1つ以上のコントローラ114A~114Cの1つ以上のメモリに格納されてもよい。
【0021】
ブロック302において、方法300は、圧延機の各ワークスタンドのモデルを生成することを含む。例えば、図1の実施形態では、ブロック302は、各ワークスタンド104A~104Cのモデルを生成することを含む。様々な実施形態において、圧延機の各ワークスタンドのモデルを生成することは、設定データに基づいてモデルを生成することを含み、この設定データは、1つ以上の測定パラメータ、1つ以上の入力パラメータ、これらの組み合わせ、及び/または所望により他のデータを含み得るが、これらに限定されない。非限定的な一実施例では、設定データは、測定パラメータ及び入力パラメータの両方を含む。
【0022】
設定データが1つ以上の測定パラメータを含む様々な実施形態では、測定パラメータは、現在の圧延作業中に、または以前の圧延作業中に、金属基材のパラメータを測定する1つ以上のセンサを使用して取得され得る。いくつかの非限定的な実施例として、測定パラメータは、張力計、ゲージメータ、平坦ロール、光学センサ、カメラ、温度センサ、それらの組み合わせ、または所望により他のセンサを含むが、これらに限定されない1つ以上のセンサで測定され得る。測定パラメータ(複数可)としては、金属基材における張力、金属基材の化学的性質及び/または組成、金属基材の化学的性質または組成、金属基材の温度、これらの組み合わせ、あるいは所望により他のパラメータを含み得るが、これらに限定されない。非限定的な一実施例として、ワークスタンドのモデルを生成するために使用される設定データには、以前の圧延作業中に張力計によって測定された金属ストリップにおける張力、以前の圧延作業中にゲージメータによって測定された金属基材の厚さ、及び以前の圧延作業中に温度センサによって測定された金属基材の温度が含まれ得る。
【0023】
設定データが1つ以上の入力パラメータを含む様々な実施形態では、入力パラメータは、所望により、必ずしもセンサによって測定されなくてもよい他のパラメータであってもよい。いくつかの非限定的な実施例として、入力パラメータとしては、金属基材の幅、金属基材の化学的性質または組成、及び/または金属基材の厚さを含み得るが、これらに限定されない。
【0024】
設定データに基づいて、モデルは各ワークスタンドに対して生成される。モデルを生成することは、設定データに基づいて、特定のワークスタンドについての調整値を生成することを含む。様々な実施形態では、調整値は、ワークスタンドの実際効率、またはワークスタンドの実績の予想性能に対する偏差を示す補正値である。
【0025】
ブロック304では、方法300は、圧延中に1つ以上のセンサから金属基材についての測定パラメータを受け取ることを含む。特定の実施形態では、ブロック304は、すぐ上流のセンサ及び/またはすぐ下流のセンサから測定パラメータを受け取ることを含む。例えば、図1の実施形態では、ブロック304は、特定のワークスタンド104A~104Cの上流にある各センサ116A~116Cから測定パラメータを受け取ることを含むのに対して、図2の実施形態では、ブロック304は、特定のワークスタンド104A~104Bの下流にある各センサ116A~116Bから測定パラメータを受け取ることを含む。先述のように、圧延中に特定のパラメータを測定するセンサは、所望により様々なセンサであってもよく、張力計、温度センサ、ゲージもしくは厚さ計、位置センサ、平坦度センサ、光学センサ、それらの組み合わせ、または所望により他の適切なセンサを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ブロック304は、圧延機の特定のワークスタンドについて、複数のセンサから複数の測定パラメータを受け取ることを含む。
【0026】
ブロック306において、方法300は、予想出力パラメータを決定すること、及び予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することを含む。特定の実施形態では、予想出力パラメータを決定することは、ブロック302において決定された調整値によって測定パラメータを修正することを含む。特定の実施形態では、調整値によって測定パラメータを修正することは、調整値がワークスタンドの実際効率に基づく(例えば設定データに基づく)ので、特定のワークスタンドの出力をより正確に予測し得る。
【0027】
ブロック308において、方法300は、予想出力パラメータと目標出力パラメータとの比較に基づいて制御応答を生成することを含む。いくつかの実施形態では、ブロック308は、ブロック306で決定された予想出力パラメータが目標出力パラメータの所定の許容範囲内にあるように、ワークスタンド用のステアリング制御アクチュエータを作動させることを含む。様々な実施形態では、制御応答を生成すること、及びステアリング制御アクチュエータを作動させることは、特定のワークスタンドの1つ以上のワークロールの傾斜または傾きを制御するために、ステアリング制御アクチュエータに制御を送ることを含み得る。非限定的な一実施形態では、ブロック308は、バックアップロール、液圧シリンダ、ベアリング、それらの組み合わせ、または所望により他の適切なステアリング制御アクチュエータを作動させることを含み得る。
【0028】
任意選択で、特定のワークスタンドが圧延機の最後のワークスタンドである場合、方法300は、最後のワークスタンドの下流にある出口センサ118から測定パラメータを受け取ること、出口センサ118からの測定パラメータと調整値とに基づいて予想出口パラメータを決定すること、及び予想出口パラメータが目標出口パラメータの所定の許容範囲内にあるようにステアリング制御アクチュエータを作動させることを含み得る。非限定的な一実施形態では、出口センサ118は、金属基材の幅方向の平坦度プロファイルを測定する平坦度センサであってもよく、測定平坦度プロファイルは、予想平坦度プロファイルが目標平坦度プロファイルの所定の許容範囲内にあるように、ステアリング制御アクチュエータを作動させるために使用されてもよい。
【0029】
方法300を使用してロールステアリングを制御する非限定的な一実施例として、ブロック302は、ワークスタンド104Aなどのワークスタンドのモデルを生成することを含んでもよく、ブロック304は、センサ116Aから金属基材102の測定厚さ(例えば、この実施例では、センサ116Aはゲージまたは厚さセンサである)を受け取ることを含む。この実施例では、ブロック306は、ワークスタンド104Aからの予想出力厚さをワークスタンド104Aからの目標出力厚さと比較することを含んでもよい。ブロック308は、ステアリング制御アクチュエータ110Aを作動させ、予想出力厚さが目標出力厚さの所定の許容範囲内にあるように、ワークスタンド104Aのワークロール(複数可)106の傾斜または傾きを制御することを含んでもよい。
【0030】
方法300を使用してロールステアリングを制御する非限定的な別の実施例として、ブロック302は、ワークスタンド104Aなどのワークスタンドのモデルを生成することを含んでもよく、ブロック304は、センサ116Aから金属基材102の幅方向の測定平坦度プロファイル(例えば、この実施例では、センサ116Aは平坦度センサである)を受け取ることを含む。この実施例では、ブロック306は、ワークスタンド104Aからの予想出力平坦度プロファイルをワークスタンド104Aからの目標出力平坦度プロファイルと比較することを含んでもよい。ブロック308は、ステアリング制御アクチュエータ110Aを作動させ、予想出力平坦度プロファイルが目標出力平坦度プロファイルの所定の許容範囲内にあるように、ワークスタンド104Aのワークロール(複数可)106の傾斜または傾きを制御することを含んでもよい。
【0031】
方法300を使用してロールステアリングを制御する非限定的な追加の実施例として、ブロック302は、ワークスタンド104Aなどのワークスタンドのモデルを生成することを含んでもよく、ブロック304は、ワークスタンド104Aの中心線に対する金属基材102の測定位置(例えば、金属基材102が、ワークスタンド104Aの中心線と実質的に位置合わせされているか、左にずれているか、右にずれているかなど)を受け取ることを含む。この実施例においては、センサ116Aは、位置センサである。ブロック306は、ワークスタンド104Aを出た時の金属基材102の予想出力位置を目標出力位置と比較することを含み得る。ブロック308は、ステアリング制御アクチュエータ110Aを作動させ、予想出力位置が目標出力位置の所定の許容範囲内にあるように、ワークスタンド104Aのワークロール(複数可)106の傾斜または傾きを制御することを含んでもよい。
【0032】
方法300を使用してロールステアリングを制御する非限定的な別の実施例として、ブロック302は、ワークスタンド104Aなどのワークスタンドのモデルを生成することを含んでもよく、ブロック304は、センサ116Aから金属基材102の測定張力(例えば、この実施例では、センサ116Aは張力計である)を受け取ることを含む。この実施例では、ブロック306は、ワークスタンド104Aからの予想出力張力をワークスタンド104Aからの目標出力張力と比較することを含んでもよい。ブロック308は、ステアリング制御アクチュエータ110Aを作動させ、予想出力張力が目標出力張力の所定の許容範囲内にあるように、ワークスタンド104Aのワークロール(複数可)106の傾斜または傾きを制御することを含んでもよい。
【0033】
上記の実施例は例示の目的で提供されており、本開示を限定するものと見なされるべきではない。さらに、先述のように、特定の実施形態では、ステアリングコントロールシステム112を使用して、ワークスタンドのモデル及び/または後続の制御を生成するために2つ以上のパラメータが使用されてもよい。
【0034】
本明細書に説明された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「例示」として明示的に列挙された少なくとも一部を含む、例示的な実施形態の集合が下記に提供される。これらの例示は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの実施例の例示に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全ての実現可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0035】
例示1.金属基材の圧延中にロールステアリングを制御するための方法であって、設定データに基づいて圧延機のワークスタンドのモデルを生成することであって、前記モデルを生成することが、前記ワークスタンド用の調整値を決定することを含む、前記生成することと、前記ワークスタンドの上流の位置にある前記金属基材についての測定パラメータをセンサから受け取ることと、前記調整値によって前記測定パラメータを修正することにより、前記ワークスタンドの予想出力パラメータを決定することと、前記予想出力パラメータを前記ワークスタンドの目標出力パラメータと比較することと、前記予想出力パラメータが前記目標出力パラメータの所定の許容範囲内にあるように、前記ワークスタンド用のステアリング制御アクチュエータを作動させることであって、前記ステアリング制御アクチュエータが、前記金属基材のパスラインに対する前記ワークスタンドの少なくとも1つのワークロールの傾斜を制御するように適合されている、前記作動させることと、を含む、前記方法。
【0036】
例示2.前記測定パラメータは測定厚さを含み、前記予想出力パラメータは予想出力厚さであり、前記目標出力パラメータは目標出力厚さである、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0037】
例示3.前記測定パラメータは、前記金属基材の幅方向の測定平坦度プロファイルを含み、前記予想出力パラメータは予想出力平坦度プロファイルであり、前記目標出力パラメータは目標出力平坦度プロファイルである、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0038】
例示4.前記測定パラメータは、前記ワークスタンドの中心線に対する前記金属基材の測定位置を含み、前記予想出力パラメータは予想出力位置であり、前記目標出力パラメータは目標出力位置である、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0039】
例示5.前記ワークスタンドは、複数のワークスタンドのうちの第1のワークスタンドであり、前記方法は、各ワークスタンドの設定データに基づいて、前記複数のワークスタンドの各ワークスタンドのモデルを生成することを含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0040】
例示6.前記ステアリング制御アクチュエータを作動させることは、少なくとも1つの液圧シリンダまたは少なくとも1つのバックアップロールを制御することを含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0041】
例示7.前記測定パラメータは、前記金属基材の張力を含み、前記予想出力パラメータは予想張力であり、前記目標出力パラメータは目標張力である、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0042】
例示8.前記ワークスタンドの前記モデルを生成することは、前記金属基材の圧延の前に前記モデルを生成することを含み、前記設定データは、以前の圧延作業からのデータを含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0043】
例示9.前記圧延機の最後のワークスタンドの後の位置における前記金属基材についての測定厚さをセンサから受け取ることと、前記調整値によって前記測定厚さを修正することにより、前記ワークスタンドの予想厚さを決定することと、前記予想厚さを前記ワークスタンドの目標厚さと比較することと、前記予想厚さが前記目標厚さの所定の許容範囲内にあるように、前記ワークスタンド用の前記ステアリング制御アクチュエータを作動させることと、をさらに含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0044】
例示10.前記ワークスタンドは第1のワークスタンドであり、前記圧延機は、前記第1のワークスタンドの上流に第2のワークスタンドをさらに備えており、前記センサが、前記第1のワークスタンドと前記第2のワークスタンドとの間にあり、前記方法は、さらに、設定データに基づいて前記第2のワークスタンドのモデルを生成することであって、前記第2のワークスタンドの前記モデルを生成することが、前記第2のワークスタンド用の調整値を決定することを含む、前記生成することと、前記金属基材の圧延後、圧延中の前記センサからの前記金属基材の前記測定パラメータが、前記第2のワークスタンドの目標出力パラメータの所定の許容範囲外にあることに基づいて、前記調整値を更新することにより、前記第2のワークスタンドの前記モデルを更新することと、を含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0045】
例示11.ステアリング制御システムを備えた圧延機であって、前記ステアリング制御システムが、前記圧延機のワークスタンドのワークロールの傾斜を制御するように適合されたステアリング制御アクチュエータと、前記ワークスタンドの上流の金属基材のパラメータを測定するように構成されたセンサと、前記ステアリング制御アクチュエータ及び前記センサに動作可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラが、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、前記メモリが、前記ワークスタンドのモデルを生成し、前記ワークスタンド用の調整値を決定することと、前記センサから前記測定パラメータを受け取ることと、前記調整値によって前記測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定することと、前記予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することと、前記予想出力パラメータが前記目標パラメータの予め定められた許容範囲内にあるように、前記ステアリング制御アクチュエータを作動させることと、のための前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、前記コントローラと、を備える、前記圧延機。
【0046】
例示12.前記ワークスタンド及び前記ワークロールをさらに備えており、前記ワークロールは、圧延中に前記金属基材に接触するように適合された上側ワークロールまたは下側ワークロールを備える、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の圧延機。
【0047】
例示13.前記ワークスタンドは、複数のワークスタンドのうちの第1のワークスタンドであり、前記メモリは、各ワークスタンドの設定データに基づいて、前記複数のワークスタンドの各ワークスタンドのモデルを生成するための前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の圧延機。
【0048】
例示14.前記測定パラメータは測定厚さを含み、前記予想出力パラメータは予想出力厚さであり、前記目標出力パラメータは目標出力厚さである、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の圧延機。
【0049】
例示15.前記測定パラメータは、前記金属基材の幅方向の測定平坦度プロファイルを含み、前記予想出力パラメータは予想出力平坦度プロファイルであり、前記目標出力パラメータは目標出力平坦度プロファイルである、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の圧延機。
【0050】
例示16.前記測定パラメータは、前記ワークスタンドの中心線に対する前記金属基材の測定位置を含み、前記予想出力パラメータは予想出力位置であり、前記目標出力パラメータは目標出力位置である、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の圧延機。
【0051】
例示17.前記ステアリング制御アクチュエータは、少なくとも1つの液圧シリンダまたは少なくとも1つのバックアップロールを制御することを備える、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載の圧延機。
【0052】
例示18.圧延機用のステアリング制御システムであって、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記メモリが、ワークスタンドのモデルを生成し、前記ワークスタンド用の調整値を決定することと、前記ワークスタンドの上流のセンサから金属基材についての測定パラメータを受け取ることと、前記調整値によって前記測定パラメータを調整することにより、予想出力パラメータを決定することと、前記予想出力パラメータを目標出力パラメータと比較することと、前記予想出力パラメータが、前記目標パラメータの予め定められた許容範囲外にあることに基づいて、制御応答を生成することと、のための前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含む、前記メモリと、を備える、前記ステアリング制御システム。
【0053】
例示19.前記プロセッサは、前記圧延機のワークスタンドのワークロールの傾斜を制御するために、前記ワークスタンドのステアリング制御アクチュエータを作動させることによって、前記制御応答を生成するように構成されている、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載のステアリング制御システム。
【0054】
例示20.前記測定パラメータは、前記金属基材の厚さ、前記金属基材の平坦度、または前記圧延機の中心線に対する前記金属基材の位置のうちの少なくとも1つを含む、先行または後続のいずれかの例示または例示の組み合わせに記載のステアリング制御システム。
【0055】
実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性をもって本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許請求された主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に説明されるときを除き、様々なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。要素A及び/または要素Bを有する実施形態への言及は、要素Aを単独で有する実施形態、要素Bを単独で有する実施形態、または要素A及びBが統合された実施形態に及ぶ。
【0056】
上述の態様は、実施態様の考えられる単なる実施例であり、単に、本開示の原理を明確に理解するために記述されている。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えてもよい。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求項は、本開示によって立証されることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されるが、それらは一般的及び説明的な意味だけで使用されており、説明される実施形態、また以下の特許請求の範囲を制限する目的ではない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】