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特表2024-514226平らなサブストレートを処理するためのロボット並びに位置合わせ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】平らなサブストレートを処理するためのロボット並びに位置合わせ装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240321BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504591
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 DE2022100447
(87)【国際公開番号】W WO2022262907
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021115853.2
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523379144
【氏名又は名称】バイアー・ウーヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】バイアー・ウーヴェ
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BS15
3C707CY37
3C707ES17
3C707NS13
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA01
5F131BA17
5F131BA37
5F131BA39
5F131CA18
5F131CA31
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA43
5F131DB03
5F131DB52
5F131DB54
5F131DB62
(57)【要約】
本発明は、1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)と、1つのキャリアブロック(4)と、1つのロボットアーム(2)を備え、各サブストレートホルダ(5)が、サブストレート(101)のそれぞれ1つを水平に保持するために設定され、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を保持する、又は、複数のサブストレートホルダが設けられている場合には、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持する、平らなサブストレート(101)を処理するためのロボットに関する。この場合、キャリアブロック(4)が、位置合わせ装置(3)によってロボットアーム(2)に固定され、位置合わせ装置(3)が、キャリアブロック(4)を位置合わせするために設定されていること、が企図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)と、1つのキャリアブロック(4)と、1つのロボットアーム(2)を備え、各サブストレートホルダ(5)が、サブストレート(101)のそれぞれ1つを水平に保持するために設定され、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を保持する、又は、複数のサブストレートホルダが設けられている場合には、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持する、平らなサブストレート(101)を処理するためのロボットにおいて、
キャリアブロック(4)が、位置合わせ装置(3)によってロボットアーム(2)に固定され、位置合わせ装置(3)が、キャリアブロック(4)を位置合わせするために設定されていること、を特徴とするロボット。
【請求項2】
位置合わせ装置(3)が、ギャップ(34)を形成しつつ互いに離間した第1の脚(313)と第2の脚(314)を有する結合要素(31)を備え、位置合わせ装置(3)が、更に、第1と第2の脚(313,314)の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えること、を特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
位置合わせ装置(3)が、第1の設定要素と第2の設定要素を備え、第1の設定要素が引きネジ(32)であり、第2の設定要素が押しネジ(33)であること、を特徴とする請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、互いに隣接して配置されていること、を特徴とする請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする請求項3又は4に記載のロボット。
【請求項6】
結合要素(31)が、キャリアブロック(4)を固定した第1のセグメント(311)と、ロボットアーム(2)に固定された第2のセグメント(312)を備え、第2の脚(314)が第1の脚(313)の上に位置するように、第2のセグメント内にギャップ(34)が形成されていること、を特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項7】
ロボットアーム(2)が、第2の脚(314)に当接すること、を特徴とする請求項6に記載のロボット。
【請求項8】
第1のセグメント(311)が、第2のセグメント(312)に隣接すること、及び、引きネジ(32)が、押しネジ(33)よりも第1のセグメント(311)から離間していること、を特徴とする請求項6または7に記載のロボット。
【請求項9】
第1の脚(313)内に、引きネジ(32)を通すための第1の貫通孔(316)と、押しネジ(33)とネジ継手を形成するための第2の貫通孔(317)が形成され、押しネジ(33)が、そのシャフトの端面でもって第2の脚(314)に当接すること、を特徴とする請求項3~8のいずれか1項に記載にロボット。
【請求項10】
第2の脚(314)内に、引きネジ(32)とネジ継手を形成するための孔(318)が形成されていること、を特徴とする請求項9に記載のロボット。
【請求項11】
キャリアブロック(4)が、1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持し、各サブストレートホルダ(5)が、それぞれ、平らなサブストレート(101)を水平に保持するために設定されている、キャリアブロック(4)を位置合わせするための位置合わせ装置において、
位置合わせ装置(3)が、ギャップ(34)を形成しつつ互いに離間した第1の脚(313)と第2の脚(314)を有する結合要素(31)を備え、位置合わせ装置(3)が、更に、第1と第2の脚(313,314)の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えること、を特徴とする位置合わせ装置。
【請求項12】
位置合わせ装置が、第1の設定要素と第2の設定要素を備え、第1の設定要素が引きネジ(32)であり、第2の設定要素が押しネジ(33)であること、を特徴とする請求項11に記載の位置合わせ装置。
【請求項13】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、互いに隣接して配置されていること、を特徴とする請求項12に記載の位置合わせ装置。
【請求項14】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする請求項12又は13に記載の位置合わせ装置。
【請求項15】
結合要素(31)が、キャリアブロック(4)を固定した第1のセグメント(311)と、ロボットアーム(2)に固定された第2のセグメント(312)を備え、第2の脚(314)が、第1の脚(313)の上に位置するように、第2のセグメント(312)内にギャップ(34)が形成されていること、を特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の位置合わせ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平らなサブストレートを処理するためのロボットに関する。本発明は、更に、例えばこのようなロボットのために適した位置合わせ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業では、例えばウェハのようなサブストレートを処理するためのロボットが使用される。ロボットは、特に1つ又は複数の平らなサブストレートの搬送を可能にし、これは、その搬送前及び搬送後のその保管の前のサブストレートの収容を含む。ロボットは、把持装置を備え、この把持装置によって、1つ又は複数の平らなサブストレートを収容、搬送及び保管される。複数の平らなサブストレートの同時の処理を可能にする把持装置は、専門用語では、複式把持装置とも呼ばれる。
【0003】
従来技術からは、複式把持装置の種々の構成が知られている。これには、水平なサブストレート処理を可能にする複式把持装置が含まれる。水平なサブストレート処理の場合、平らなサブストレートのフラット面は、水平な平面内にある。
【0004】
平らなサブストレートは、しばしば繊細である。従って、それらは、個々に把持されなければならない。ブロック内での把持は、大抵は可能でない。従って、複式把持装置は、各サブストレートのために、位置要素を有する独自の把持要素を備える。付加的に、これら把持要素の間に、スペーサとも呼ばれる間隔保持部材が、サブストレートトレイ内に正確な間隔を形成するために必要である。把持要素、一要素及び間隔保持部材は、共に複式把持装置のグリッパパッケージを構成する。しかしながら、グリッパパッケージの重量は、把持要素、一要素及び間隔保持部材の数の増加と共に増加する。
【0005】
但し、材料の剛性は、限られている。この理由から、サブストレートの水平処理を可能にすべき複式把持装置の場合、重力に基づいて、これら把持要素を固定したアームに変形(撓み)が生じる。この事実は、複式把持装置の把持要素を含む移動される要素のできるだけ高い動特性を保証するために、限られたスペース及び質量削減の要求のような制限因子によって更に艱難にされる。アームの変形は、把持要素もしくはグリッパパッケージが、もはや水平に位置合わせされないことを意味する。これは、サブストレートが保管場所では水平にかつピッチとも呼ばれる狭い間隔で配置されるので、サブストレートの受取り及び保管時に大きな問題となる。サブストレートの配置は、工業規格で標準化され、サブストレート間の間隔が小さいことが効果的であるので、これら間隔の拡大は選択肢でない。
【0006】
アームの変形は、主に、グリッパパッケージの自重に起因するものであるが、サブストレートの収容に起因する変形は、確かに存在するが、通常は著しく少ない程である。離間要素の付加のような補助的解決策は、使用に適してない。傾斜した表面を有する部品の製造は、水平処理に関して、産業的に適していると見なすべきでない。
【0007】
国際公開第99/62107号パンフレットには、サブストレートの水平処理を可能にすべき複式把持装置を有するロボットが記載されている。サブストレートは、ロボットのアームに直接的に固定されたキャリアブロックに固定された、エンドエフェクタと呼ばれる把持要素上に位置する。米国特許出願公開第2003/0230384号明細書にも、サブストレートの水平処理を可能にすべき複式把持装置を有するロボットが記載されている。サブストレートは、ロボットのアームに直接的に固定されたホルダ内に固定された把持要素上に位置する。
【0008】
図1A、1B及び2は、従来技術による複式把持装置200を詳細に図解する。複式把持装置200は、固定要素205によってロボットのロボットアーム201に固定されたキャリアブロック202を備える。キャリアブロック202は、ホルダを構成し、このホルダ内に、把持要素203が固定されている。把持要素203の数は、複式把持装置200の用途に依存する。図1では、把持要素203がナンバリングされており、番号は、角括弧内に記載されている。把持要素203の上に、平らなサブストレート101が水平な整向で裁置されている。把持要素203は、キャリアブロック一部である間隔保持部材204によって互いに離間している。隣接する2つの把持要素の間の垂直方向の距離が、ピッチである。把持要素203と間隔保持部材204を含むキャリアブロック202は、複式把持装置の構成要素である。図1Bには、把持要素203に裁置された、円形のフラット面を有する平らなサブストレート101aと正方形のフラット面を有する平らなサブストレート101bとが示されている。これにより、把持要素が、円形と正方形のサブストレート101a,101bを収容するために適していることが図解されるべきであるが、実際には、1つのサブストレート101が把持要素203によって保持されるに過ぎない。図2には、主に複式把持装置の自重に起因するアーム201の変形206が認められ得る。
【0009】
複式把持装置を有するこれまで知られたロボットの欠点は、その産業上の適用をこれまでは妨げていた。従って、ロボットアームに過負荷を与えることなく、サブストレートの水平処理を可能にする複式把持装置を有するロボットを提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第99/62107号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0230384号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、従来技術による欠点を排除することである。特に、ロボットアームに過負荷を与えることなく、サブストレートの水平処理を可能にするロボットを提供すべきである。更に、例えばサブストレートの水平位置を保証する位置合わせ装置を提供すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1及び11の特徴によって解決される。本発明の合目的な形態は、従属請求項の特徴から得られる。
【0013】
本発明によれば、1つ又は複数のサブストレートホルダと、1つのキャリアブロックと、1つのロボットアームを備え、各サブストレートホルダが、サブストレートのそれぞれ1つを水平に保持するために設定され、キャリアブロックが、サブストレートホルダを保持する、又は、複数のサブストレートホルダが設けられている場合には、キャリアブロックが、サブストレートホルダを互いに離間して保持する、平らなサブストレートを処理するためのロボットが設けられている。キャリアブロックは、位置合わせ装置によってロボットアームに固定され、位置合わせ装置は、キャリアブロックを位置合わせするために設定されている。
【0014】
位置合わせ装置により、キャリアブロックは、サブストレートホルダが水平位置でのサブストレートの保持を可能にするように、位置合わせすることができる。位置合わせ装置は、キャリアブロックの位置合わせを可能にする。位置合わせ装置は、付加的に、キャリアブロックとロボットアームの間の結合のために使用される。キャリアブロックは、1つ又は複数のサブストレートホルダと共に、能動的な機械要素を構成する。キャリアブロックは、1つ又は複数のサブストレートホルダと共に、グリッパブロックとも呼ばれる。
【0015】
サブストレートホルダは、従来お技術と関連して、例えば国際公開第99/62107号パンフレットに記載されている把持要素に相当する。同様に、キャリアブロックは、キャリアブロックがロボットのアームに直接的に固定されているのではなく、本発明により企図された位置合わせ装置に固定されていること除いて、従来技術、例えば国際公開第99/62107号パンフレットから知られたキャリアブロックに相当し得る。ロボット及びロボットアームは、ロボットアームにキャリアブロックが固定されているのではなく、本発明により企図された位置合わせ装置が固定されていることを除いて、従来技術、例えば国際公開第99/62107号パンフレットから知られたロボットもしくはロボットアームに相当し得る。「処理」との用語は、平らなサブストレートの収容、搬送及び保管であると理解する。
【0016】
本発明によるロボットが複数のサブストレートホルダを備える場合、ロボットは、それ自体従来技術から知られているように、1つ又は複数の間隔保持部材を備えることができる。間隔保持部材により、隣接するサブストレートホルダは、互いに所定の間隔、即ちピッチで保持することができる。間隔保持部材の数は、サブストレートホルダの数から1を引いたものに相当する。間隔保持部材がキャリアブロックに含まれるあること、も企図され得る。サブストレートホルダと間隔保持部材がキャリアブロックに含まれること、も企図され得る。
【0017】
本発明によるロボットは、平らなサブストレートを処理するために使用される。ロボットによって処理され得る平らなサブストレートの数は、そのサブストレートホルダの数に一致する。平らなサブストレートは、例えばシリコンウェハのようなウェハであり得る。「平らなサブストレート」との用語は、デカルト座標系の2つの方向に、デカルト座標系の第3の方向よりも大きい広がり、典型的にははるかに大きい広がりを備える本体であると理解する。換言すれば、平らなサブストレートの幅と長さは、その高さよりも大きく、典型的にははるかに大きい。実質的円形の横断面を有する平らなサブストレートの場合、その半径は、その高さよりも大きい。平らなサブストレートは、第1のフラット面と第2のフラット面を備えることができる。好ましくは、第1のフラット面と第2のフラット面は、互いに平行にかつ位置揃えされて延在する。本発明によるロボットにより、1つ又は複数の平らなサブストレートは、それぞれのサブストレートのフラット面の少なくとも一方が水平な平面内に位置するように保持され得る。好ましくは、それぞれのサブストレートの両フラット面が、水平な平面内に位置する。
【0018】
位置合わせ装置は、結合要素を備えることができる。この場合、キャリアブロックは、結合要素を介してロボットアームに固定されている。結合要素は、ギャップを形成しつつ互いに離間した第1の脚と第2の脚を備えることができる。位置合わせ装置は、更に、第1と第2の脚の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えることができる。設定要素により、垂直方向の両脚の間隔が変更され得る。位置合わせ装置が、第1の設定要素と第2の設定要素を備えること、が企図され得る。好ましくは、第1の設定要素が引きネジであり、第2の設定要素が押しネジである。引きネジにより、両脚間の間隔が変更され得る。同様に、押しネジにより、両脚間の間隔が変更され得る。引きネジと押しネジは、互いに隣接して配置され得る。好ましくは、引きネジと押しネジが、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有する。引きネジと押しネジは、この場合、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有する。設定要素は、意図しない操作を防止するために、隠して配置することができる。
【0019】
引きネジにより、第1と第2の脚間に引きネジ継手が形成され得る。この場合、引きネジの傾斜を補償するために、角度補償部品が使用されること、が企図され得る。ロボットアームが変形を備えない場合、回転軸は、その初期位置にあり、例えばその回転軸は、垂直に延在する。ロボットアームの変形時、引きネジの回転軸は、その初期位置に対して傾斜し得る。この傾斜は、好ましくは、例えば1つ又は複数の角度補償部品によって補償される。
【0020】
ギャップは、結合要素を意図的に弱体化する。設定要素による限定的な力の導入により、両脚間の相対運動が達成され得る。
【0021】
結合要素が、キャリアブロックを固定した第1のセグメントと、ロボットアームに固定された第2のセグメントを備え、第2の脚が第1の脚の上に位置するように、第2のセグメント内にギャップが形成されていること、が企図され得る。結合要素は、棒状の基体を備えることができ、基体の一方の端面にギャップが導入される。第1の脚は、底の方向に向いており、第2の脚は、底とは逆方向に向いている。
【0022】
ロボットアームが、第2の脚に当接すること、が企図され得る。好ましくは、第1のセグメントは、第2のセグメントに隣接する。押しネジが、引きネジよりもギャップを導入した端面から離間していること、が企図され得る。換言すれば、引きネジは、押しネジよりも第1のセグメントから離間している。
【0023】
設定要素は、正及び負の方向の相対位置を矯正するために利用され得る。ネジ継手は、簡単な機械要素によって形成することができる。例えば、1つ又は複数の押しネジ、1つ又は複数の引きネジ又は1つ又は複数の押しネジと1つ又は複数の引きネジの組合せが企図され得る。その場合、平らなサブストレートを水平位置に保持するために行なわれるべき補償の方向に応じて、適切なネジ継手が、調整のために利用され得るが、他方は、設定の確保として使用され得る。
【0024】
第1の脚内に、引きネジを通すための第1の貫通孔が形成され得る。加えて、第1の脚内に、押しネジとネジ継手を形成するための第2の貫通孔が形成され得る。第1の脚内の両孔は、貫通孔である。この場合、押しネジは、そのシャフトの端面でもって第2の脚に当接することができ、しかも好ましくは、両脚間のギャップの方向に向いた第2の脚のフラット面に当接することができる。第2の脚内に、引きネジとネジ継手を形成するための孔が形成され得る。この孔は、貫通孔ではない。孔は、両脚間のギャップの方向に向いた第2の脚のフラット面に形成することができる。第1の脚内の第1の孔を経て案内されかつ第1の脚内の穴にねじ込まれた引きネジの回転により、第1の脚と第2の脚の間の間隔は変更され得る。第2の脚内の第2の孔を経て案内されかつそのシャフトのその端面でもって第1の脚に当接する押しネジの回転により、第1の脚と第2の脚の間の間隔は変更され得る。間隔は、減少又は増加させ得る。「脚の間隔」との記載は、第2のセグメントの端面におけるその間隔に関し得る。
【0025】
結合要素は、好ましくは、例えば鋼のような金属材料から製造されている。結合要素は、ロボットアームとキャリアブロックを結合するために使用される。結合要素は、好ましくは一体的である。
【0026】
設定要素は、好ましくは、例えば鋼のような金属材料から製造されている。設定要素は、キャリアブロックを、それによりサブストレートホルダを位置合わせするために使用され、これにより、サブストレートホルダ上に載置された平らなサブストレートの水平位置が保証される。
【0027】
本発明により企図された位置合わせ装置は、ロボットアームの変形の補償を可能にする。位置合わせ装置は、その堅牢性及び耐用年数に影響を与えることなく比較的簡単に製造することができ、形状の設計の点で非常に柔軟であり、軽量の要素として形成することができる。これら全ては、堅牢性及び耐用年数に影響を与えない。
【0028】
本発明により企図された位置合わせ装置は、キャリアブロックの、これによりサブストレートホルダの傾斜の補償を可能にする。位置合わせ装置は、特に、1つ又は複数のサブストレートホルダを備える把持装置のために適している。しかしながら、本発明により企図された位置合わせ装置は、他の機械要素を補償するために使用することもできる。
【0029】
ロボットアームの既に説明した変形以外に、平らなサブストレートの収容、搬送及び保管用の処理システム内に、例えばガイド要素、結合部、アダプタ、別のアーム、ハウジング及びフレーム部品のような撓み及び変形の別の発生源が存在し得る。作用箇所、即ちロボットアームに生じる変形は、そのような場合、これら全ての個々の量の合計である。このような変形は、当然、他の点で構成が同一であっても、各設備において独特であり、これは、製造及び組立許容差によるものである。従って、位置合わせ装置が、作用箇所のできるだけ近くに配置されている場合が有利である。このようにして、位置合わせ装置と作用箇所の間の別の変形が防止され得る。同じ理由から、位置合わせ装置ができるだけコンパクトかつ軽量に形成されていることが好ましい。好ましくは、位置合わせ装置は、メンテナンスフリーで耐久性があり、できるだけ少ない個々の部品から成る。本発明による位置合わせ装置は、好ましくは堅牢である。位置合わせ装置は、設定装置によって簡単かつ容易に調整することができる。例えば引きネジ及び/又は押しネジの回転による調整は、ロボットのオペレータによって行なうことができる。
【0030】
当業者は、本発明により企図された位置合わせ装置を、その配置ができるだけ省スペースで干渉なく行なわれるように設計することができる。そのため、本願で説明した位置合わせ装置の作用方法は、多数のバリエーションの可能性を提供する。当業者は、更に、意図しない調整不良を回避するため、設定要素を隠して配置することもできる。この位置合わせ装置と組み合わせた機械要素の位置決め及び結合をするための一般的で既知の全ての解決策が利用可能である。
【0031】
本発明によるロボットは、1つ又は複数の平らなサブストレートを処理するために使用することができる。本発明によるロボットが唯一の平らなサブストレートを処理するためだけに使用される場合、ロボットは、唯一のサブストレートホルダしか備えない。その場合、ロボットは、単式グリッパである。本発明によるロボットが、2つ以上の平らなサブストレートを処理するためにだけに使用される場合、ロボットは、相応の数のサブストレートホルダを備える。その場合、ロボットは、複式又はマルチグリッパである。単式グリッパ及び複式グリッパは、共にサブストレートグリッパとも呼ばれる。
【0032】
本発明により企図された位置合わせ装置は、サブストレートグリッパ、特に単式グリッパ又は腹式グリッパの傾斜を、把持要素とロボットアームの間に調整可能な結合部を提供することによって防止するために使用することができる。平らなサブストレートの水平処理を可能にする、例えば単式又は腹式のグリッパの形態のロボットは、これまでは、把持装置をそれぞれの処理システム、特にロボットのロボットアームと結合する調整可能な要素を有していなかった。
【0033】
更に、本発明により、位置合わせ装置は、キャリアブロックを位置合わせするために設けられているが、このキャリアブロックは、1つ又は複数のサブストレートホルダを互いに離間して保持し、サブストレートホルダは、それぞれ、平らなサブストレートを水平に保持するために設定されている。位置合わせ装置は、ギャップを形成しつつ互いに離間した第1の脚と第2の脚を有する結合要素を備え、位置合わせ装置は、更に、第1と第2の脚の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備える。
【0034】
本発明による位置合わせ装置の細部は、既に本発明によるロボットと関連して説明されている。これら説明を参照されたい。
【0035】
本発明による位置合わせ装置は、その配置に基づいて形状及び位置の許容差の影響を受けかつその空間的位置が適切な機能のために調整されるべき全ての種類の機械要素及びアッセンブリのために適している。
【0036】
本発明を、以下で、本発明を制限しない実施例により図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1 従来技術による複式把持装置の概略図(図1A:側面図;図1B:平面図)
図2 アームが変形している、図1に示した従来技術の複式把持装置の概略側面図
図3 本発明によるロボットの1つの実施形態の概略図(図3A:側方からの部分断面図であり、位置合わせ装置が断面で示されている;図3B:平面図)
図4 位置合わせ装置の概略図(図4A:平面図;図4B:側面図;図4C:下からの図;図4D図4Cの切断線B-Bに沿った断面図;図4E:第1の端面を見た図;図4F:第2の端面を見た図;図4G:ネジを図示しない図4Cの切断線B-Bに沿った断面図)
図5 変形したロボットアームを有する本発明によるロボットの図3に示した実施形態の概略図
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明によるロボット1の図3に示した実施形態は、位置合わせ装置3を固定したロボットアーム2を備える。位置合わせ装置3には、加えて、ウェハ102を水平に保持するための複数のサブストレートホルダ5を支持するキャリアブロック4が固定されている。サブストレートホルダ5は、把持要素である。この場合、隣接するサブストレートホルダ5は、間隔保持部材6によって、互いに所定の間隔、即ちピッチPで保持することができる。サブストレート5の数nは、本発明によるロボット1の用途に依存する。この理由から、図3A及び5には、キャリアブロック4が、部分的に破線で図示されている。加えて、サブストレートホルダ5は、ナンバリングされており、番号が、角括弧内に記載されている。ロボットアーム2は、既知の方法で、ベース7に取り付けられ、例えば国際公開第99/62107号パンフレットに記載されているように、制御装置8を介して移動させることができる。図3に示したロボット1は、位置合わせ装置3を除いて、例えばウェハ102のような平らなサブストレートを処理するためのそれ自体公知の産業用ロボットに一致する。
【0039】
位置合わせ装置3は、結合要素31、引きネジ32及び押しネジ33を備える。結合要素31は、第1のセグメント311と第2のセグメント312を有する棒状の基体を備える。棒状の基体の縦軸Aは、ロボットアーム2からキャリアブロック4まで延在する。第1のセグメント311と第2のセグメント312は、互いに隣接する。第1のセグメント311には、キャリアブロック4が、1つ又は複数の固定要素10によって固定されている。第2のセグメント312は、固定要素9によってロボットアーム2に固定されている。固定要素9,10は、図を簡略化するために、図3A及び5では破線によって示されているに過ぎない。
【0040】
結合要素31は、第1のセグメント311に形成された第1の端面31aと、第2のセグメント312に形成された第2の端面31bを備える。結合要素31は、更に、縦方向側面31e,31fを介して互いに結合された下面31cと上面31dを備える。下面31cは、底の方向に向いており、上面31は、底とは逆方向に向いている。上面31dには、第1のセグメント311が第2のセグメント312に隣接する面のところにオフセット部がある。
【0041】
結合要素31の第2の端面31bに、第1の端面31aの方向にかつ縦方向側面31e,31fの間の結合要素31の広がり全体にわたって延在するギャップ34が形成されている。従って、ギャップ34は、第2のセグメント312の第2の端面31bと、縦方向側面31e,31fにて開放している。ギャップ34は、第1の脚313と第2の脚314によって画成され、これら脚は、第2のセグメント312に含まれかつ同様に第2のセグメント312に含まれるベース315を介して結合されている。従って、第2のセグメント312は、U字形の横断面を有する。ギャップ34は、実質的に水平方向に延在し、両脚313,314のギャップを画成するフラット面は、脚313,314の位置合わせを変更し得る引きネジ32と押しネジ33による調整を無視すれば、ほぼ水平な平面内に位置する。第2のセグメント312は、上面31dの一部であるその上面で、ロボットアーム2に当接する。
【0042】
第1の脚313内に、引きネジ32用の第1の貫通孔316と、第2の貫通孔317とが形成されている(図4G参照)。第2の脚314内に、孔318が形成され、この孔に、引きネジ32がねじ込まれている。このため、孔318は、雌ネジを備え、この雌ネジに、引きネジ32のシャフト321に形成された雄ネジが係合する。第1の貫通孔316は、雌ネジを備えない。但し、引きネジ32は、ネジヘッド322でもって結合要素31の下面31cに当接する。引きネジの回転により、両脚313,314間のギャップ34の広がりが変更され得る。第2の貫通孔317は、押しネジ33のシャフトに形成された雄ネジが係合する雌ネジを備える。押しネジ33は、ギャップ34内に延在し、そのシャフトの端面でもって第2の脚314に当接する。押しネジの回転により、両脚313,314間のギャップ34の広がりが変更され得る。図5には、両ネジ32,33によって、ロボットアーム2の変形11が保証され得ることが認められる。ウェハ102は、変形11にもかかわらず、水平位置にある。この場合、ギャップ34の長さは、第2のセグメント312のベース315からロボットアーム2の変形11の作用箇所にまで延在する補償領域を設定する。図5には、更に、位置合わせ装置が変形11の作用箇所の近傍に配置されていることも認められる。
【0043】
引きネジ32と押しネジ33は、好ましくは結合要素31のその縦方向側面31e,31fの間の広がりに対して好ましくは中心に形成されている。結合要素31の端面31bからの押しネジ33の間隔は、この端面からの引き寝非32の間隔よりも大きい。引きネジ32と押しネジ33の回転軸は、ほぼ垂直に延在する。
【符号の説明】
【0044】
1 ロボット
2 ロボットアーム
3 位置合わせ装置
4 キャリアブロック
5 サブストレートホルダ
6 間隔保持部材
7 ベース
8 制御装置
9 固定要素
10 固定要素
11 変形
31 結合要素
31a 第1の端面
31b 第2の端面
31c 下面
31d 上面
31e 縦方向側面
31f 縦方向側面
311 第1のセグメント
312 第2のセグメント
313 第1の脚
314 第2の脚
315 ベース
316 第1の貫通孔
317 第2の貫通孔
318 孔
32 引きネジ
321 シャフト
322 ネジヘッド
33 押しネジ
34 ギャップ
101 平らなサブストレート
101a 円形のフラット面を有する平らなサブストレート
101b 正方形のフラット面を有する平らなサブストレート
102 ウェハ
200 複式把持装置
201 アーム
202 キャリアブロック
203 把持要素
204 間隔保持部材
205 固定要素
206 変形
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)と、1つのキャリアブロック(4)と、1つのロボットアーム(2)を備え、各サブストレートホルダ(5)が、サブストレート(101)のそれぞれ1つを水平に保持するために設定され、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を保持する、又は、複数のサブストレートホルダが設けられている場合には、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持する、平らなサブストレート(101)を処理するためのロボットにおいて、
キャリアブロック(4)が、位置合わせ装置(3)によってロボットアーム(2)に固定され、位置合わせ装置(3)が、キャリアブロック(4)を位置合わせするために設定されていること、を特徴とするロボット。
【請求項2】
位置合わせ装置(3)が、ギャップ(34)を形成しつつ互いに離間した第1の脚(313)と第2の脚(314)を有する結合要素(31)を備え、位置合わせ装置(3)が、更に、第1と第2の脚(313,314)の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えること、を特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
位置合わせ装置(3)が、第1の設定要素と第2の設定要素を備え、第1の設定要素が引きネジ(32)であり、第2の設定要素が押しネジ(33)であること、を特徴とする請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、互いに隣接して配置されていること、を特徴とする請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする請求項に記載のロボット。
【請求項6】
結合要素(31)が、キャリアブロック(4)を固定した第1のセグメント(311)と、ロボットアーム(2)に固定された第2のセグメント(312)を備え、第2の脚(314)が第1の脚(313)の上に位置するように、第2のセグメント内にギャップ(34)が形成されていること、を特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項7】
ロボットアーム(2)が、第2の脚(314)に当接すること、を特徴とする請求項6に記載のロボット。
【請求項8】
第1のセグメント(311)が、第2のセグメント(312)に隣接すること、及び、引きネジ(32)が、押しネジ(33)よりも第1のセグメント(311)から離間していること、を特徴とする請求項に記載のロボット。
【請求項9】
第1の脚(313)内に、引きネジ(32)を通すための第1の貫通孔(316)と、押しネジ(33)とネジ継手を形成するための第2の貫通孔(317)が形成され、押しネジ(33)が、そのシャフトの端面でもって第2の脚(314)に当接すること、を特徴とする請求項に記載にロボット。
【請求項10】
第2の脚(314)内に、引きネジ(32)とネジ継手を形成するための孔(318)が形成されていること、を特徴とする請求項9に記載のロボット。
【請求項11】
キャリアブロック(4)が、1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持し、各サブストレートホルダ(5)が、それぞれ、平らなサブストレート(101)を水平に保持するために設定されている、キャリアブロック(4)を位置合わせするための位置合わせ装置において、
位置合わせ装置(3)が、ギャップ(34)を形成しつつ互いに離間した第1の脚(313)と第2の脚(314)を有する結合要素(31)を備え、位置合わせ装置(3)が、更に、第1と第2の脚(313,314)の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えること、を特徴とする位置合わせ装置。
【請求項12】
位置合わせ装置が、第1の設定要素と第2の設定要素を備え、第1の設定要素が引きネジ(32)であり、第2の設定要素が押しネジ(33)であること、を特徴とする請求項11に記載の位置合わせ装置。
【請求項13】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、互いに隣接して配置されていること、を特徴とする請求項12に記載の位置合わせ装置。
【請求項14】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする請求項12に記載の位置合わせ装置。
【請求項15】
引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする請求項13に記載の位置合わせ装置。
【請求項16】
結合要素(31)が、キャリアブロック(4)を固定した第1のセグメント(311)と、ロボットアーム(2)に固定された第2のセグメント(312)を備え、第2の脚(314)が第1の脚(313)の上に位置するように、第2のセグメント(312)内にギャップ(34)が形成されていること、を特徴とする請求項11~15のいずれか1項に記載の位置合わせ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
引きネジ32と押しネジ33は、好ましくは結合要素31のその縦方向側面31e,31fの間の広がりに対して好ましくは中心に形成されている。結合要素31の端面31bからの押しネジ33の間隔は、この端面からの引き寝非32の間隔よりも大きい。引きネジ32と押しネジ33の回転軸は、ほぼ垂直に延在する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)と、1つのキャリアブロック(4)と、1つのロボットアーム(2)を備え、各サブストレートホルダ(5)が、サブストレート(101)のそれぞれ1つを水平に保持するために設定され、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を保持する、又は、複数のサブストレートホルダが設けられている場合には、キャリアブロック(4)が、サブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持する、平らなサブストレート(101)を処理するためのロボットにおいて、
キャリアブロック(4)が、位置合わせ装置(3)によってロボットアーム(2)に固定され、位置合わせ装置(3)が、キャリアブロック(4)を位置合わせするために設定されていること、を特徴とするロボット。
2.位置合わせ装置(3)が、ギャップ(34)を形成しつつ互いに離間した第1の脚(313)と第2の脚(314)を有する結合要素(31)を備え、位置合わせ装置(3)が、更に、第1と第2の脚(313,314)の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えること、を特徴とする上記1に記載のロボット。
3.位置合わせ装置(3)が、第1の設定要素と第2の設定要素を備え、第1の設定要素が引きネジ(32)であり、第2の設定要素が押しネジ(33)であること、を特徴とする上記2に記載のロボット。
4.引きネジ(32)と押しネジ(33)が、互いに隣接して配置されていること、を特徴とする上記3に記載のロボット。
5.引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする上記3又は4に記載のロボット。
6.結合要素(31)が、キャリアブロック(4)を固定した第1のセグメント(311)と、ロボットアーム(2)に固定された第2のセグメント(312)を備え、第2の脚(314)が第1の脚(313)の上に位置するように、第2のセグメント内にギャップ(34)が形成されていること、を特徴とする上記2~5のいずれか1項に記載のロボット。
7.ロボットアーム(2)が、第2の脚(314)に当接すること、を特徴とする上記6に記載のロボット。
8.第1のセグメント(311)が、第2のセグメント(312)に隣接すること、及び、引きネジ(32)が、押しネジ(33)よりも第1のセグメント(311)から離間していること、を特徴とする上記6または7に記載のロボット。
9.第1の脚(313)内に、引きネジ(32)を通すための第1の貫通孔(316)と、押しネジ(33)とネジ継手を形成するための第2の貫通孔(317)が形成され、押しネジ(33)が、そのシャフトの端面でもって第2の脚(314)に当接すること、を特徴とする上記3~8のいずれか1項に記載にロボット。
10.第2の脚(314)内に、引きネジ(32)とネジ継手を形成するための孔(318)が形成されていること、を特徴とする上記9に記載のロボット。
11.キャリアブロック(4)が、1つ又は複数のサブストレートホルダ(5)を互いに離間して保持し、各サブストレートホルダ(5)が、それぞれ、平らなサブストレート(101)を水平に保持するために設定されている、キャリアブロック(4)を位置合わせするための位置合わせ装置において、
位置合わせ装置(3)が、ギャップ(34)を形成しつつ互いに離間した第1の脚(313)と第2の脚(314)を有する結合要素(31)を備え、位置合わせ装置(3)が、更に、第1と第2の脚(313,314)の間の間隔を設定するための少なくとも1つの設定要素を備えること、を特徴とする位置合わせ装置。
12.位置合わせ装置が、第1の設定要素と第2の設定要素を備え、第1の設定要素が引きネジ(32)であり、第2の設定要素が押しネジ(33)であること、を特徴とする上記11に記載の位置合わせ装置。
13.引きネジ(32)と押しネジ(33)が、互いに隣接して配置されていること、を特徴とする上記12に記載の位置合わせ装置。
14.引きネジ(32)と押しネジ(33)が、平行な又は少なくともほぼ平行な回転軸を有すること、を特徴とする上記12又は13に記載の位置合わせ装置。
15.結合要素(31)が、キャリアブロック(4)を固定した第1のセグメント(311)と、ロボットアーム(2)に固定された第2のセグメント(312)を備え、第2の脚(314)が、第1の脚(313)の上に位置するように、第2のセグメント(312)内にギャップ(34)が形成されていること、を特徴とする上記11~14のいずれか1項に記載の位置合わせ装置。
【国際調査報告】