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▶ ニューロトラウマ サイエンシズ リミティド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特表2024-514228(3E)3-[0-[(ホスホノオキシ)メチル]オキシム]-プレグナ-4-エン-3,20-ジオンの塩及び結晶形態並びに関連する使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】(3E)3-[0-[(ホスホノオキシ)メチル]オキシム]-プレグナ-4-エン-3,20-ジオンの塩及び結晶形態並びに関連する使用
(51)【国際特許分類】
   C07J 41/00 20060101AFI20240321BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240321BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240321BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240321BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240321BHJP
   A61K 31/57 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
C07J41/00 CSP
A61P25/00
A61P9/10
A61P17/02
A61P43/00 121
A61K31/57
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507972
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022025339
(87)【国際公開番号】W WO2022225920
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/176,489
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523394941
【氏名又は名称】ニューロトラウマ サイエンシズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100170852
【弁理士】
【氏名又は名称】白樫 依子
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ブレント ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー ケルク
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ピアソン
(72)【発明者】
【氏名】ギデオン シャピロ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C091
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA10
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA03
4C086NA05
4C086NA06
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZB11
4C086ZC75
4C091AA01
4C091BB05
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE07
4C091FF01
4C091GG01
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA05
4C091PB02
4C091QQ01
4C091SS01
4C091SS05
(57)【要約】
本開示は、ヒト又は動物の身体の治療方法において有用であり得る、リン酸二水素(((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチル)及びその薬学的に許容される塩の結晶形態に関する。本開示はまた、これらの化合物の調製方法、それらを含む医薬組成物、及び炎症(例えば、外傷性脳損傷又は脳卒中から生じる炎症)の管理などの障害の治療におけるそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物1
【化1】
又はその薬学的に許容される塩の結晶形態。
【請求項2】
前記結晶形態が、ビス-トリス塩である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項3】
前記ビス-トリス塩が一水和物である、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項4】
前記結晶形態が、モノ-トリス塩である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項5】
前記結晶形態が、ビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項6】
形態I、II、III、IV、又はVから選択される、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項7】
Cu Kα放射線を使用して約4.31±0.2、13.04±0.2、13.19±0.2、17.66±0.2、又は19.10±0.2°2θにX線粉末回折ピークを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態Iの結晶形態。
【請求項8】
図1に示されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態Iの結晶形態。
【請求項9】
DSCによって測定される場合、約45.4℃又は約200.6℃で開始する吸熱事象を特徴とする、請求項6に記載の形態Iの結晶形態。
【請求項10】
TGAによって測定される場合、約25℃~約60℃で約2.2%の重量損失を特徴とする、請求項6に記載の形態Iの結晶形態。
【請求項11】
Cu Kα放射線を使用して約13.51±0.2、13.69±0.2、又は17.66±0.2°2θにX線粉末回折ピークを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態IIの結晶形態。
【請求項12】
図2に示されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態IIの結晶形態。
【請求項13】
Cu Kα放射線を使用して約15.06±0.2、18.12±0.2、及び20.76±0.2°2θにX線粉末回折ピークを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態IIIの結晶形態。
【請求項14】
図3に示されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態IIIの結晶形態。
【請求項15】
DSCによって測定される場合、約64.1℃で開始する吸熱事象を特徴とする、請求項6に記載の形態IIIの結晶形態。
【請求項16】
TGAによって測定される場合、約25℃~約120℃で約10.7%の重量損失を特徴とする、請求項6に記載の形態IIIの結晶形態。
【請求項17】
Cu Kα放射線を使用して約13.74±0.2、23.16±0.2、又は25.00±0.2°2θにX線粉末回折ピークを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態IVの結晶形態。
【請求項18】
図4に示されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態IVの結晶形態。
【請求項19】
DSCによって測定される場合、約153℃で開始する吸熱事象を特徴とする、請求項6に記載の形態IVの結晶形態。
【請求項20】
Cu Kα放射線を使用して約15.07±0.2、15.65±0.2、及び15.88±0.2°2θにX線粉末回折ピークを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態Vの結晶形態。
【請求項21】
図5に示されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項6に記載の形態Vの結晶形態。
【請求項22】
DSCによって測定される場合、約75℃又は約156℃で開始する吸熱事象を特徴とする、請求項6に記載の形態Vの結晶形態。
【請求項23】
TGAによって測定される場合、約65℃までで約1.8%の重量損失を特徴とする、請求項6に記載の形態Vの結晶形態。
【請求項24】
請求項1に記載の結晶形態及び1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項25】
スキーム1に従って請求項1に記載の結晶形態を調製する方法。
【請求項26】
化合物1のビス-トリス塩
【化2】
【請求項27】
前記塩が、一水和物である、請求項29に記載のビス-トリス塩。
【請求項28】
化合物1のモノトリス塩
【化3】
【請求項29】
化合物1のビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩
【化4】
【請求項30】
その治療又は予防を必要とする対象における開示される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、有効量の請求項1~23のいずれか一項に記載の結晶形態若しくはその薬学的に許容される塩又は本開示の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項31】
本明細書に開示される疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、請求項1~23のいずれか一項に記載の結晶形態又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
本明細書に開示される疾患又は障害を治療又は予防するための医薬の製造における、請求項1~23のいずれか一項に記載の結晶形態又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項33】
その治療又は予防を必要とする対象における開示される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、有効量の請求項26~29のいずれか一項に記載の塩又は本開示の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項34】
本明細書に開示される疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、請求項26~29のいずれか一項に記載の塩。
【請求項35】
本明細書に開示される疾患又は障害を治療又は予防するための医薬の製造における、請求項26~29のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項36】
前記疾患又は障害が、神経変性疾患又は障害である、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法、結晶形態、又は使用。
【請求項37】
前記疾患又は障害が、脳卒中である、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法、結晶形態、又は使用。
【請求項38】
前記疾患又は障害が、外傷性脳損傷である、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法、結晶形態、又は使用。
【請求項39】
HPLCによって判定される場合、約98.0%以上の純度を有する、リン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化5】
(化合物1A)を含む、組成物。
【請求項40】
前記組成物が、
【化6】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩、
【化7】
(化合物B)又はその薬学的に許容される塩、及び
【化8】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせから選択される2%未満の不純物を含む、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
化合物Aが、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する、請求項39又は40に記載の組成物。
【請求項42】
化合物Aが、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する、請求項39~41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
化合物Bが、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する、請求項39~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
化合物Bが、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する、請求項39~43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
化合物Cが、約0.01重量%~約0.5重量%存在する、請求項39~44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
化合物Cが、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する、請求項39~45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記組成物が、医薬組成物である、請求項39~46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
医薬組成物であって、
a)約98%のリン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩、
【化9】
(化合物1A)、
b)最大約0.1%の
【化10】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩、
c)最大約0.5%の
【化11】
(化合物B)又はその薬学的に許容される塩、
d)最大約0.1%の
【化12】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩、を含む、医薬組成物。
【請求項49】
その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、治療有効量の請求項39~46のいずれか一項に記載の組成物又は請求項47若しくは48に記載の医薬組成物が前記対象に投与される、方法。
【請求項50】
その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、請求項39~46のいずれか一項に記載の組成物又は請求項47若しくは48に記載の医薬組成物。
【請求項51】
その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害の治療又は予防のための医薬の製造において使用するための、請求項39~46のいずれか一項に記載の組成物又は請求項47若しくは48に記載の医薬組成物の使用。
【請求項52】
その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害の治療又は予防のための、請求項39~46のいずれか一項に記載の組成物又は請求項47若しくは48に記載の医薬組成物の使用。
【請求項53】
前記疾患又は障害が、脳卒中又は外傷性脳損傷である、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法、組成物、又は使用。
【請求項54】
前記疾患又は障害が、脳卒中又は外傷性脳損傷の症状である、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法、組成物、又は使用。
【請求項55】
前記疾患又は障害が、脳卒中又は外傷性脳損傷の進行である、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法、組成物、又は使用。
【請求項56】
前記疾患又は障害が、脳卒中又は外傷性脳損傷後の浮腫である、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法、組成物、又は使用。
【請求項57】
前記疾患又は障害が、神経変性疾患である、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法、組成物、又は使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月19日に出願された米国仮特許出願第63/176,489号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ヒト又は動物の身体の治療方法において有用であり得る、リン酸二水素(((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチル)及びその薬学的に許容される塩の結晶形態に関する。本開示はまた、これらの化合物の調製方法、それらを含む医薬組成物、及び炎症(例えば、外傷性脳損傷又は脳卒中から生じる炎症)の管理などの障害の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
外傷性脳損傷(TBI)及び脳卒中を含む脳損傷は、毎年200万人を超える米国人が罹患しており、世界中で重大な健康問題である。外傷性脳損傷は、「軽度」、すなわち精神状態又は意識の短時間の変化から「重度」、すなわち損傷後の長期間の意識消失又は健忘症までの範囲の重症度で、脳の機能を破壊する頭部への強打若しくは衝撃又は穿通性頭部損傷から生じる。脳卒中は、脳に血液を供給する血管に影響を及ぼす疾患の結果である。脳卒中は、酸素及び栄養素を脳に運ぶ血管が破裂するか(出血性脳卒中)、又は血餅若しくは何らかの他の塊によって詰まった場合(虚血性脳卒中)に起こる。脳卒中の大部分は虚血性であるが、出血性脳卒中は、典型的にはより重度の損傷をもたらす。数十年の取り組みにもかかわらず、科学者らは、脳卒中又はTBI後の転帰を一貫して改善する薬剤をまだ見出していない。
【0004】
TBI又は脳卒中後、炎症は、二次的損傷及び長期的損傷の主な原因である。中枢神経系への傷害に続いて、生理学的事象のカスケードは、例えば、グルタミン酸、アセチルコリン、コリン作動性、GABA、及びNMDA受容体系の破壊から生じる炎症性免疫応答及び興奮毒性を含むニューロン喪失をもたらす。これらの場合、事象の複雑なカスケードは、潜在的な病原体を死滅させ、組織修復を促進するために、損傷部位への血液由来白血球の送達をもたらす。しかし、強力な炎症応答は正常組織に損傷を引き起こす能力を有し、先天性又は後天性免疫応答の調節不全は異なる様々な病理に関与する。
【0005】
本開示は、TBI又は脳卒中を含む障害の治療のための更なる化合物を提供する必要性から生じる。特に、既存の化合物に対して改善された物理化学的、薬理学的、及び薬学的特性を有する化合物が望ましい。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1
【化1】
(すなわち、化合物1;リン酸二水素(((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチル))又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0007】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1のビス-トリス一水和物塩の形態Iの結晶形態を提供する。
【0008】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1のビス-トリスの形態IIの結晶形態を提供する。
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1のモノ-トリス塩の形態IIIの結晶形態を提供する。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1のモノ-トリス無水塩の形態IVの結晶形態を提供する。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1のビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩の形態Vの結晶形態を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本出願は、化合物1の非晶質形態を提供する。
【0013】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を調製する方法(例えば、スキーム1に記載される1つ以上の工程を含む、方法)を提供する。
【0014】
本出願はまた、本明細書に記載される化合物1の固体形態のいずれか1つ(例えば、形態I、II、III、IV、V、及び非晶質形態のいずれか)と、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0015】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0016】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と接触させることを含む、方法を提供する。
【0017】
いくつかの態様では、本開示は、その治療又は予防を必要とする対象における本明細書に開示される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、有効量の化合物1若しくはその薬学的に許容される塩の結晶形態、又は本開示の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0018】
いくつかの態様では、本開示は、その治療又は予防を必要とする対象における本明細書に開示される疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の化合物1若しくはその薬学的に許容される塩の結晶形態、又は本開示の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0019】
いくつかの態様では、本開示は、炎症の管理(例えば、インビトロ又はインビボ)において使用するための、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0020】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0021】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される疾患又は障害の治療において使用するための、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0022】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための医薬の製造における、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0023】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される疾患又は障害を治療又は予防するための医薬の製造における、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0024】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される疾患又は障害を治療するための医薬の製造における、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0025】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.0%以上の純度を有する、リン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化2】
(化合物1A)を含む、組成物を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、組成物は、
【化3】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩、
【化4】
(化合物B)又はその薬学的に許容される塩、及び
【化5】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩、並びにそれらの組み合わせから選択される2%未満の不純物を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する。
【0028】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する。
【0029】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する。
【0030】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する。
【0031】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する。
【0032】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する。
【0033】
いくつかの態様では、本開示は、医薬組成物であって、
a)約98%のリン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化6】
(化合物1A)、
b)最大約0.1%の
【化7】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩、
c)最大約0.5%の
【化8】
(化合物B)又はその薬学的に許容される塩、
d)最大約0.1%の
【化9】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩、を含む、医薬組成物を提供する。
【0034】
いくつかの態様では、本開示は、その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、治療有効量の本開示の組成物又は医薬組成物が対象に投与される、方法を提供する。
【0035】
いくつかの態様では、本開示は、その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、本開示の組成物又は医薬組成物を提供する。
【0036】
いくつかの態様では、本開示は、その治療又は予防を必要とする対象における疾患又は障害の治療又は予防のための医薬の製造において使用するための、本開示の組成物又は医薬組成物の使用を提供する。
【0037】
いくつかの態様では、本開示は、必要とする対象における疾患又は障害の治療又は予防のための、本開示の組成物又は医薬組成物の使用を提供する。
【0038】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷である。
【0039】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷の症状である。
【0040】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷の進行である。
【0041】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷後の浮腫である。
【0042】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、神経変性疾患である。
【0043】
特に定義されない限り、本明細書で使用されている全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有している。本明細書において、単数形は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形も含む。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本開示の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書において言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用された参考文献は、特許請求される本発明に対する先行技術であると認められない。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先するものとする。更に、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に開示される化合物の化学構造と名称との間に矛盾がある場合、化学構造が優先される。
【0044】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】形態IのXRPDスペクトルを示す。
【0046】
図2】形態IIのXRPDスペクトルを示す。
【0047】
図3】形態IIIのXRPDスペクトルを示す。
【0048】
図4】形態IVのXRPDスペクトルを示す。
【0049】
図5】形態VのXRPDスペクトルを示す。
【0050】
図6】エタノールからの形態IのTG/DSCサーモグラムを示す。
【0051】
図7】酢酸イソプロピルからのカリウムパターン1のTG/DSCサーモグラムを示す。
【0052】
図8】40℃/75%RHでのパターン1の貯蔵からのカリウムパターン5のTG/DSCサーモグラムを示す。
【0053】
図9】酢酸イソプロピルからの形態VのTG/DSCサーモグラムを示す。
【0054】
図10】形態IのPLM画像を示す。
【0055】
図11】形態IのTG/DSCサーモグラムを示す。
【0056】
図12】形態IのDSCサーモグラムを示す。
【0057】
図13A図13Aは、形態IのDVS等温線を示し、図13Bは、形態VのDVS動態プロットを示す。
図13B図13Aは、形態IのDVS等温線を示し、図13Bは、形態VのDVS動態プロットを示す。
【0058】
図14】形態Iの1週間安定性XRPDディフラクトグラムを示す。
【0059】
図15】形態VのPLM画像を示す。
【0060】
図16】形態VのTG/DSCサーモグラムを示す。
【0061】
図17】形態VのDSCサーモグラムを示す。
【0062】
図18A図18Aは形態VのDVS等温線を示し、図18Bは、形態VのDVS動態プロットを示す。
図18B図18Aは形態VのDVS等温線を示し、図18Bは、形態VのDVS動態プロットを示す。
【0063】
図19】形態Iの1週間安定性XRPDディフラクトグラム、並びに80℃及び投入N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩のオーバーレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本開示は、炎症を管理するのに有用な結晶形態に関する。いくつかの実施形態では、既存のステロイド誘導体に対して改善された物理化学的特性、薬理学的特性、及び薬学的特性を有する化合物が所望である。
【0065】
定義
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される以下の用語は、以下に記載される以下の意味を有する。
【0066】
本明細書に記載される化合物は、化合物自体、並びに適用可能な場合、それらの塩及びそれらの溶媒和物を含むことが理解される。塩は、例えば、アニオンと置換ベンゼン化合物上の正に荷電した基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。好適なアニオンとしては、クロライド、ブロマイド、ヨーダイド、硫酸アニオン、重硫酸アニオン、スルファミン酸アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、クエン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、グルタミン酸アニオン、グルクロン酸アニオン、グルタル酸アニオン、リンゴ酸アニオン、マレイン酸アニオン、コハク酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、トシル酸アニオン、サリチル酸アニオン、乳酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、及び酢酸アニオン(例えば、トリフルオロ酢酸アニオン)が挙げられ得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容されるアニオン」という用語は、薬学的に許容される塩を形成するのに適したアニオンを指す。同様に、塩はまた、カチオンと置換ベンゼン化合物上の負に荷電した基(例えば、カルボン酸塩)との間で形成され得る。好適なカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウムカチオンを挙げることができる。置換ベンゼン化合物には、第四級窒素原子を含有する塩も含まれる。
【0068】
本開示の化合物、例えば、化合物の塩は、水和形態若しくは非水和(無水)形態のいずれかで、又は他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができると理解される。水和物の非限定的な例としては、一水和物及び二水和物が挙げられ得る。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物及びアセトン溶媒和物が挙げられ得る。
【0069】
本明細書で使用される場合、表現「A、B、又はCのうちの1つ以上」、「1つ以上のA、B、又はC」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、「1つ以上のA、B、及びC」、「A、B、及びCからなる群から選択される」、「A、B、及びCから選択される」などは、互換的に使用され、全て、別段の指示がない限り、A、B、及び/又はCからなる群からの選択、すなわち、1つ以上のA、1つ以上のB、1つ以上のC、又はそれらの任意の組み合わせを指す。
【0070】
本開示は、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の合成方法を提供することが理解されるべきである。
【0071】
説明全体を通して、組成物が特定の成分を有する、含む、又は備えると記載されている場合、組成物はまた、列挙された成分から本質的になる、又は列挙された成分からなることが企図されることを理解されたい。同様に、方法又はプロセスが、特定のプロセス工程を有する、含む、又は備えると記載されている場合、プロセスはまた、列挙されたプロセス工程から本質的になる、又は列挙されたプロセス工程からなる。更に、工程の順序又は特定の動作を実行する順序は、本発明が動作可能なままである限り重要ではないことを理解されたい。更に、2つ以上の工程又は動作を同時に行うことができる。
【0072】
本開示の合成プロセスは、多種多様な官能基を許容することができ、したがって、様々な置換された出発物質を使用することができることを理解されたい。これらのプロセスは、概して、プロセス全体の終了時又は終了近くで所望の最終化合物を提供するが、特定の場合では、化合物をその薬学的に許容される塩に更に変換することが望ましい場合がある。
【0073】
化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態は、市販の出発物質、文献で知られている化合物を使用して、又は容易に調製される中間体から、当業者に知られているか、又は本明細書の教示に照らして当業者に明らかである標準的な合成方法及び手順を用いることによって、様々な方法で調製することができることを理解されたい。有機分子の調製並びに官能基変換及び操作のための標準的な合成方法及び手順は、関連する科学文献から、又は当該分野における標準的な教科書から得ることができる。任意の1つ又はいくつかのソースに限定されないが、本明細書に参照により組み込まれる、Smith,M.B.,March,J.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition,John Wiley & Sons:New York,2001;Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons:New York,1999;R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);及びL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)などの代表的なテキストは、当業者に公知の有機合成の有用かつ認められた参考教科書である。
【0074】
当業者は、本明細書に記載される反応順序及び合成スキーム中、保護基の導入及び除去などの特定の工程の順序が変更され得ることに留意するであろう。当業者は、特定の基が、保護基の使用による反応条件からの保護を必要とし得ることを認識するであろう。保護基はまた、分子中の類似の官能基を区別するために使用され得る。保護基のリスト並びにこれらの基を導入及び除去する方法は、Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons:New York,1999に見出すことができる。
【0075】
別段の記載がない限り、治療又は予防の方法の任意の説明は、本明細書に記載されるような治療又は予防を提供するための化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を含むことを理解されたい。特に明記しない限り、治療又は予防の方法の任意の記載は、そのような状態を治療又は予防するための医薬を調製するための、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を含むことを更に理解されたい。治療又は予防は、ヒト又はげっ歯類及び他の疾患モデルを含む非ヒト動物の治療又は予防を含む。
【0076】
別段の記載がない限り、治療方法の任意の説明は、本明細書に記載されるような治療を提供するための、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を含むことを理解されたい。特に明記しない限り、治療方法の任意の記載は、そのような状態を治療するための医薬を調製するための、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を含むことを更に理解されたい。治療には、ヒト又はげっ歯類及び他の疾患モデルを含む非ヒト動物の治療が含まれる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、疾患を有するか、又は疾患を発症するリスクが高い対象を指す。「対象」は、哺乳動物を含む。哺乳動物は、例えば、ヒト又は適切な非ヒト哺乳動物、例えば霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、又はブタであり得る。対象は、鳥又は家禽であってもよい。一例において、哺乳動物は、ヒトである。
【0078】
いくつかの実施形態では、「必要とする対象/それを必要とする対象」という用語は、本明細書に開示される疾患又は障害を有すると以前に診断又は同定された対象であり得る。必要とする対象はまた、本明細書に開示される疾患又は障害に罹患している対象であり得る。あるいは、必要とする対象は、集団全体と比較してそのような疾患又は障害を発症するリスクが高い対象(すなわち、集団全体と比較してそのような障害を発症しやすい対象)であり得る。必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害(すなわち、治療に応答しないか、又はまだ応答していない本明細書に開示される疾患又は障害)に不応性又は抵抗性を有し得る。必要とする対象は、治療の開始時に抵抗性であってもよく、又は治療中に抵抗性になってもよい。いくつかの実施形態では、必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害のための全ての既知の有効な療法を受け、失敗した。いくつかの実施形態では、必要とする対象は、少なくとも1つの先行する治療を受けた。
【0079】
「治療する」又は「治療」への言及は、状態の確立された症状の緩和を含むことが理解されるべきである。したがって、状態、障害、若しくは状態を「治療すること」又は、状態、障害、若しくは状態の「治療」は、(1)状態、障害、若しくは状態に罹患しているか若しくは罹患しやすい可能性があるが、状態、障害、若しくは状態の臨床的若しくは臨床前症状をまだ経験していない若しくは示していないヒトにおいて発症する状態、障害、若しくは状態の臨床症状の出現を予防又は遅延させること、(2)状態、障害、若しくは状態を阻害すること、すなわち、疾患の発症若しくはその再発(維持治療の場合)、又はその少なくとも1つの臨床的若しくは臨床前症状を停止、低減、若しくは遅延させること、又は(3)疾患を軽減若しくは減弱させること、すなわち、状態、障害、若しくは状態、又はその少なくとも1つの臨床的若しくは臨床前症状の退行を引き起こすことを含む。
【0080】
本明細書で使用される場合、「治療すること」又は「治療する」という用語は、疾患、状態、若しくは障害と闘う目的のための患者の管理及びケアを説明し、疾患、状態、若しくは障害の症状若しくは合併症を緩和するため、又は疾患、状態、若しくは障害を排除するための、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶形態、若しくは溶媒和物の投与を含む。「治療する」という用語はまた、インビトロでの細胞又は動物モデルの治療を含むことができる。
【0081】
化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態はまた、関連する疾患、状態、若しくは障害を予防するために使用され得るか、又はそのような目的のための適切な候補を同定するために使用され得ることを理解されたい。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「予防すること」、「予防する」又は「から保護すること」は、そのような疾患、状態、又は障害の症状又は合併症の発症を低減又は排除することを説明する。
【0083】
「溶解度」又は「溶解度評価」は、本明細書に開示される結晶形態(例えば、形態I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、又はIX)が液体溶媒に溶解し、均質な溶液を形成する特性を指すことを理解されたい。いくつかの実施形態では、溶解度は、溶媒の単位体積当たりの溶質の質量(例えば、溶媒1kg当たりの溶質のg、dL(100mL)当たりのg、mg/mlなど)、モル濃度、重量モル濃度、モル分率、又は濃度の他の同様の記載のいずれかによって濃度として表される。当業者は、溶媒の量当たりに溶解することができる溶質の最大平衡量が、温度、圧力、pH、及び溶媒の性質を含む特定の条件下でのその溶媒中のその溶質の溶解度であると理解し得る。いくつかの実施形態では、溶解度は、生理学的pH又は非生理学的pH、例えば、約pH5.0、約pH6.0、約pH7.0、約pH7.4、約pH7.6、約pH7.8、又は約pH8.0(例えば、約pH5~8)で測定される。いくつかの実施形態では、溶解度は、水又は生理学的緩衝液、例えば、PBS、NaCl(NaPOを含む又は含まない)、又はFaSSIF中で測定される。いくつかの実施形態では、溶解度は、生物学的流体(溶媒)(例えば、血液又は血清)において測定される。いくつかの実施形態では、温度は、ほぼ室温(例えば、約20、約21、約22、約23、約24、若しくは約25℃)又はほぼ体温(約37℃)である。いくつかの実施形態では、薬剤は、室温又は37℃で少なくとも約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、又は約100mg/mlの溶解度評価を有する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「安定な」は、単離された結晶形態と比較して、規定された時間及び温度にわたって純度、外観、及び/又は分析パラメータを維持する結晶形態を指す。いくつかの実施形態では、「安定な」結晶形態は、設定期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、又は4ヶ月)にわたって、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約3%、約2%、約1%、約0.9%、約0.8%、約0.7%、約0.6%、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、又は約0.1%未満の不純物を示す。例えば、室温で2週間後、DSC及びTGAプロファイルが最初に単離された結晶形態と一致する場合、結晶形態は安定である。
【0085】
当業者は、本明細書で論じられる既知の技法又は同等の技法の詳細な説明について全般的な参照テキストを参照することができることを理解されたい。これらのテキストには、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.(2005);Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York(2000);Coligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,N.Y.;Enna et al.,Current Protocols in Pharmacology,John Wiley&Sons,N.Y.;Fingl et al.,The Pharmacological Basis of Therapeutics,(1975),Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,18th edition(1990)が含まれる。これらのテキストは、もちろん、本開示の態様を作成又は使用する際にも参照することができる。
【0086】
本開示はまた、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物を提供することを理解されたい。
【0087】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、対象への投与に適した形態で、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を含有する製剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、バルク又は単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、又はバイアルを含む様々な形態のいずれかである。組成物の単位用量中の活性成分(例えば、開示される化合物又はその塩、水和物、溶媒和物若しくは異性体の製剤)の量は、有効量であり、関与する特定の治療に従って変動する。当業者であれば、患者の年齢及び状態に応じて投薬量を日常的に変更することが必要な場合があることを理解するであろう。投薬量は、投与経路にも依存する。経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、頬側、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻腔内などを含む様々な経路が企図される。本開示の化合物の局所又は経皮投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤が挙げられる。1つの実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で、1つ以上の薬学的に許容される担体、及び必要とされる任意の保存剤、緩衝剤、又は噴霧剤と混合される。
【0088】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、及び/又は他の問題若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合っている化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために使用される。
【0089】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される賦形剤」とは、全般的に安全であり、非毒性であり、そして生物学的にも他の点でも望ましくないものではない、医薬組成物を調製する際に有用である賦形剤を意味し、そして獣医学的使用及びヒト薬学的使用のために受容可能である賦形剤を含む。本明細書及び特許請求の範囲で使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、1つ及び2つ以上のそのような賦形剤の両方を含み得る。
【0090】
本開示の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように製剤化されることが理解されるべきである。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、摂取)、吸入、経皮(局所)、及び経粘膜投与が挙げられる。非経口、皮内、又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分:滅菌希釈剤、例えば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩、並びに等張性調整剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロースを含むことができる。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非経口調製物は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ又は複数回投与バイアルに封入することができる。
【0091】
本開示の化合物又は医薬組成物は、炎症を管理するために現在使用されている周知の方法の多くにおいて対象に投与することができることを理解されたい。例えば、本開示の化合物は、血流若しくは体腔に注射され得るか、又は経口的に摂取され得るか、又はパッチを用いて皮膚を通して適用され得る。選択される用量は、有効な治療を構成するのに十分である必要があるが、許容できない副作用を引き起こすほど高くない必要がある。疾患状態(例えば、本明細書に開示される疾患又は障害)の状態及び患者の健康状態は、好ましくは、治療中及び治療後の妥当な期間にわたって綿密にモニタリングされるべきである。
【0092】
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、同定された疾患若しくは状態を治療、改善若しくは予防するための、又は検出可能な治療効果若しくは阻害効果を示すための薬剤の量を指す。効果は、当技術分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出することができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、サイズ、及び健康状態、状態の性質及び程度、並びに投与のために選択される治療剤又は治療剤の組み合わせに依存する。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技術及び判断の範囲内である日常的な実験によって決定することができる。
【0093】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、同定された疾患若しくは状態を治療若しくは改善するための、又は検出可能な治療効果若しくは阻害効果を示すための薬剤の量を指す。効果は、当技術分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出することができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、サイズ、及び健康状態、状態の性質及び程度、並びに投与のために選択される治療剤又は治療剤の組み合わせに依存する。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技術及び判断の範囲内である日常的な実験によって決定することができる。
【0094】
任意の化合物について、治療有効量又は有効量は、例えば、新生物細胞の細胞培養アッセイにおいて、又は動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ、若しくはブタにおいて最初に推定することができることを理解されたい。動物モデルはまた、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するために使用され得る。次いで、そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量及び投与経路を決定することができる。治療/予防効力及び毒性は、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順によって、例えば、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)、及びLD50(集団の50%に対して致死的な用量)によって決定され得る、毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が好ましい。投薬量は、使用される剤形、患者の感受性、及び投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。
【0095】
投薬量及び投与は、十分なレベルの活性薬剤を提供するように、又は所望の効果を維持するように調整される。考慮され得る因子としては、疾患状態の重症度、対象の全身的な健康状態、対象の年齢、体重、及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わせ、反応感受性、並びに治療に対する忍容性/応答が挙げられる。
【0096】
化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を含有する医薬組成物は、概ね知られている様式で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造され得る。医薬組成物は、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を薬学的に使用することができる調製物に加工することを容易にする、賦形剤及び/又は助剤を含む1つ以上の薬学的に許容される担体を使用して、従来の様式で製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0097】
化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態は、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などの、身体からの急速な排出から化合物を保護する1つ以上の薬学的に許容される担体を用いて調製することができる。
【0098】
医薬組成物は、投与のための説明書と一緒に容器、パック、又はディスペンサに含まれ得ることが理解されるべきである。
【0099】
塩を更に形成することができる本開示の化合物について、これらの形態の全てもまた、特許請求される開示の範囲内で企図されることを理解されたい。
【0100】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、親化合物がその酸又は塩基塩を作製することによって修飾されている、本開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などを挙げることができるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、例えば、非毒性無機酸又は有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が挙げられ得る。例えば、このような従来の非毒性塩としては、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル(glycollyarsanilic)酸、ヘキシルレソルシン(hexylresorcinic)酸、ヒドラバミン(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、次酢酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び一般に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機酸及び有機酸から誘導されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ジエチルアミン塩、コリン塩、メグルミン塩、ベンザチン塩、トロメタミン塩、アンモニア塩、アルギニン塩、又はリジン塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩である。
【0102】
薬学的に許容される塩の他の例としては、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ムコン酸などを挙げることができる。本開示はまた、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオンによって置換される場合、又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合する場合のいずれかで、形成される塩を包含する。塩形態において、化合物と塩のカチオン又はアニオンとの比は、1:1、又は1:1以外の任意の比、例えば、3:1、2:1、1:2、又は1:3であり得ることが理解される。
【0103】
薬学的に許容される塩への全ての言及は、同じ塩の、本明細書で定義される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態を含み得ることが理解されるべきである。
【0104】
本開示の開示される化合物の製剤化及び投与のための技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態は、1つ以上の薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、薬学的調製物において使用される。適切な薬学的に許容される担体としては、不活性固体充填剤又は希釈剤及び滅菌水溶液又は有機溶液が挙げられるが、これらに限定されない。化合物は、このような医薬組成物中に、本明細書に記載の範囲内の所望の投薬量を提供するのに十分な量で存在する。
【0105】
本明細書で使用される全ての百分率及び比率は、別段の指示がない限り、重量による。本開示の他の特徴及び利点は、様々な実施例から明らかである。提供される実施例は、本開示を実施する際に有用な異なる構成要素及び方法論を例示する。実施例は、特許請求された開示を限定するものではない。本開示に基づいて、当業者は、本開示を実施するのに有用な他の成分及び方法を特定し、使用することができる。
【0106】
本明細書に記載される合成スキームにおいて、化合物は、簡略化のために1つの特定の立体配置で描かれ得る。そのような特定の立体配置は、本開示を1つ又は別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体に限定するものと解釈されるべきではなく、異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体の混合物を排除するものでもない。しかしながら、所与の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体は、別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体よりも高いレベルの活性を有し得ることが理解されるであろう。
【0107】
全ての刊行物及び特許文献は、各々のそのような刊行物又は特許文献が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物及び特許文献の引用は、いずれも関連する先行技術であると認めることを意図するものではなく、その内容又は日付に関するいかなる承認も構成しない。本発明を書面による説明によって説明してきたが、当業者であれば、本発明は様々な実施形態で実施することができ、前述の説明及び以下の実施例は例示を目的としており、以下の特許請求の範囲を限定するものではないことを認識するであろう。
【0108】
本明細書で使用される場合、「本開示の化合物」という語句は、包括的にも具体的にも本明細書に開示される化合物を指す。
【0109】
固体形態
いくつかの態様では、本開示は、化合物1
【化10】
(すなわち、化合物1;リン酸二水素(((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチル))又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0110】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1の薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0111】
いくつかの実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩である。
【0112】
いくつかの実施形態では、化合物1の形態型は、ビス-トリス塩である。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1のビス-トリス一水和物塩の形態Iの結晶形態を提供する。
【0114】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1のビス-トリス塩の形態IIの結晶形態を提供する。
【0115】
いくつかの実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩は、モノトリス塩である。
【0116】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1のモノ-トリス塩の形態IIIの結晶形態を提供する。
【0117】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1のモノトリス無水塩の形態IVの結晶形態を提供する。
【0118】
いくつかの実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩は、N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩である。
【0119】
いくつかの実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩である。
【0120】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1のビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩の形態Vの結晶形態を提供する。
【0121】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1の非晶質形態を提供する。
【0122】
いくつかの実施形態では、結晶形態(例えば、形態I、II、III、IV、又はV)は、遊離酸と比較して増加した溶解度を有する。
【0123】
いくつかの実施形態では、形態Iの結晶形態は、遊離酸と比較して増加した溶解度を有する。
【0124】
いくつかの実施形態では、形態IIの結晶形態は、遊離酸と比較して増加した溶解度を有する。
【0125】
いくつかの実施形態では、形態IIIの結晶形態は、遊離酸と比較して増加した溶解度を有する。
【0126】
いくつかの実施形態では、形態IVの結晶形態は、遊離酸と比較して増加した溶解度を有する。
【0127】
いくつかの実施形態では、形態Vの結晶形態は、遊離酸と比較して増加した溶解度を有する。
【0128】
いくつかの実施形態では、結晶形態(例えば、形態I、II、III、IV、又はV)は、非晶質材料と比較して増加した溶解度を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、形態Iの結晶形態は、非晶質材料と比較して増加した溶解度を有する。
【0130】
いくつかの実施形態では、形態IIの結晶形態は、非晶質材料と比較して増加した溶解度を有する。
【0131】
いくつかの実施形態では、形態IIIの結晶形態は、非晶質材料と比較して増加した溶解度を有する。
【0132】
いくつかの実施形態では、形態IVの結晶形態は、非晶質材料と比較して増加した溶解度を有する。
【0133】
いくつかの実施形態では、形態Vの結晶形態は、非晶質材料と比較して増加した溶解度を有する。
【0134】
形態I
X線粉末(Power)回折(XRPD)特性評価
いくつかの実施態様では、本出願は、Cu Kα放射線を使用して約4.31±0.2、13.04±0.2、及び17.66±0.2°2θにおけるピークを含むX線回折(「XRPD」)パターンを特徴とする、化合物1のビス-トリス一水和物塩の形態Iの結晶塩(「形態I」)を提供する。いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して約4.31±0.2、6.84±0.2、13.04±0.2、13.19±0.2、17.66±0.2、19.10±0.2、及び21.71±0.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0135】
いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して4.31±0.2、13.04±0.2、又は17.66±0.2°2θ(例えば、4.31±0.1、13.04±0.1、又は17.66±0.1°2θ(例えば、4.31、13.04、又は17.66°2θ))から選択される少なくとも1つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0136】
いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して4.31±0.2、13.04±0.2、又は17.66±0.2°2θ(例えば、4.31±0.1、13.04±0.1、又は17.66±0.1°2θ(例えば、4.31、13.04、又は17.66°2θ))から選択される少なくとも2つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0137】
いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して4.31±0.2、13.04±0.2、13.19±0.2、又は17.66±0.2°2θ(例えば、4.31±0.1、13.04±0.1、13.19±0.1、又は17.66±0.1°2θ(例えば、4.31、13.04、13.19、又は17.66°2θ))から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0138】
いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して4.31±0.2、13.04±0.2、13.19±0.2、17.66±0.2、又は19.10±0.2°2θ(例えば、4.31±0.1、13.04±0.1、13.19±0.1、17.66±0.1、又は19.10±0.1°2θ(例えば、4.31、13.04、13.19、17.66、又は19.10°2θ))から選択される少なくとも4つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0139】
いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して4.31±0.2、6.84±0.2、13.04±0.2、13.19±0.2、17.66±0.2、又は19.10±0.2°2θ(例えば、4.31±0.1、6.84±0.1、13.04±0.1、13.19±0.1、17.66±0.1、又は19.10±0.1°2θ(例えば、4.31、6.84、13.04、13.19、17.66、又は19.10°2θ))から選択される少なくとも5つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0140】
いくつかの実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して4.31±0.2、6.84±0.2、13.04±0.2、13.19±0.2、17.66±0.2、19.10±0.2、又は21.71±0.2°2θ(例えば、4.31±0.1、6.84±0.1、13.04±0.1、13.19±0.1、17.66±0.1、19.10±0.1、又は21.71±0.1°2θ(例えば、4.31、6.84、13.04、13.19、17.66、19.10、又は21.71°2θ))から選択される少なくとも6つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0141】
いくつかの実施形態では、形態Iは、およそ以下の表に示される位置にピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【表1】
【0142】
いくつかの実施形態では、形態Iは、図1に示されるものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
【0143】
示差走査熱量計(DSC)特性評価
いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4℃~約200.6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0144】
いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±40℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±30℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±20℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±10℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±9℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±8℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±7℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±3℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±2℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4±0.5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0145】
いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±40℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±30℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±20℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±10℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±9℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±8℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±7℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±3℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±2℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6±0.5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0146】
いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約45.4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCによって測定される場合、約200.6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0147】
熱重量分析(TGA)特性評価
いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±40℃~約60±40℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±30℃~約60±30℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±20℃~約60±20℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±10℃~約60±10℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±9℃~約60±9℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±8℃~約60±8℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±7℃~約60±7℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±6℃~約60±6℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±5℃~約60±5℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±4℃~約60±4℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±3℃~約60±3℃で約2.2%の重量損失を示す。
【0148】
いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±2℃~約60±2℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±1℃~約60±1℃で約2.2%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25±0.5℃~約60±0.5℃で約2.2%の重量損失を示す。
【0149】
いくつかの実施形態では、形態Iは、TGAによって測定される場合、約25℃~約60℃で約2.2%の重量損失を示す。
【0150】
結晶形態の特性
いくつかの実施形態では、形態Iは、白色固体である。いくつかの実施形態では、形態Iは、オフホワイトの固体である。いくつかの実施形態では、形態Iは、結晶性である。
【0151】
いくつかの実施形態では、形態Iは、結晶性白色固体である。いくつかの実施形態では、形態Iは、結晶性オフホワイト固体である。
【0152】
形態II
X線粉末(Power)
回折(XRPD)特性評価
いくつかの実施形態では、本出願は、Cu Kα放射線を使用して約13.51±0.2、13.69±0.2、及び17.66±0.2°2θにおけるピークを含むX線回折(「XRPD」)パターンを特徴とする、化合物1のビス-トリス塩の形態IIの結晶塩(「形態II」)を提供する。いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して約13.51±0.2、13.69±0.2、16.74±0.2、17.23±0.2、17.66±0.2、19.89±0.2、及び30.15±0.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0153】
いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して13.51±0.2、13.69±0.2、又は17.66±0.2°2θ(例えば、13.51±0.1、13.69±0.1、又は17.66±0.1°2θ(例えば、13.51、13.69、又は17.66°2θ))から選択される少なくとも1つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0154】
いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して13.51±0.2、13.69±0.2、又は17.66±0.2°2θ(例えば、13.51±0.1、13.69±0.1、又は17.66±0.1°2θ(例えば、13.51、13.69、又は17.66°2θ))から選択される少なくとも2つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0155】
いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して13.51±0.2、13.69±0.2、17.23±0.2、又は17.66±0.2°2θ(例えば、13.51±0.1、13.69±0.1、17.23±0.1、又は17.66±0.1°2θ(例えば、13.51、13.69、17.23、又は17.66°2θ))から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0156】
いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して13.51±0.2、13.69±0.2、17.23±0.2、17.66±0.2、又は19.89±0.2°2θ(例えば、13.51±0.1、13.69±0.1、17.23±0.1、17.66±0.1、又は19.89±0.1°2θ(例えば、13.51、13.69、17.23、17.66、又は19.89°2θ))から選択される少なくとも4つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0157】
いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して13.51±0.2、13.69±0.2、17.23±0.2、17.66±0.2、19.89±0.2、又は30.15±0.2°2θ(例えば、13.51±0.1、13.69±0.1、17.23±0.1、17.66±0.1、19.89±0.1、又は30.15±0.1°2θ(例えば、13.51、13.69、17.23、17.66、19.89、又は30.15°2θ))から選択される少なくとも5つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0158】
いくつかの実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して13.51±0.2、13.69±0.2、16.74±0.2、17.23±0.2、17.66±0.2、19.89±0.2、又は30.15±0.2°2θ(例えば、13.51±0.1、13.69±0.1、16.74±0.1、17.23±0.1、17.66±0.1、19.89±0.1、又は30.15±0.1°2θ(例えば、13.51、13.69、16.74、17.23、17.66、19.89、又は30.15°2θ))から選択される少なくとも6つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0159】
いくつかの実施形態では、形態IIは、およそ以下の表に示される位置にピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【表2】
【0160】
いくつかの実施形態では、形態IIは、図2に示されるものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
【0161】
結晶形態の特性
いくつかの実施形態では、形態IIは、白色固体である。いくつかの実施形態では、形態IIは、結晶性である。いくつかの実施形態では、形態IIは、結晶性白色固体である。
【0162】
形態III
X線粉末(Power)回折(XRPD)特性評価
いくつかの実施態様では、本出願は、Cu Kα放射線を使用して約15.06±0.2、18.12±0.2、及び20.76±0.2°2θにおけるピークを含むX線回折(「XRPD」)パターンを特徴とする、化合物1のモノ-トリス塩の形態IIIの結晶塩(「形態III」)を提供する。いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して約4.33±0.2、14.18±0.2、14.62±0.2、15.06±0.2、18.12±0.2、20.76±0.2、及び21.93±0.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0163】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して15.06±0.2、18.12±0.2、又は20.76±0.2°2θ(例えば、15.06±0.1、18.12±0.1、又は20.76±0.1°2θ(例えば、15.06、18.12、又は20.76°2θ))から選択される少なくとも1つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0164】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して15.06±0.2、18.12±0.2、又は20.76±0.2°2θ(例えば、15.06±0.1、18.12±0.1、又は20.76±0.1°2θ(例えば、15.06、18.12、又は20.76°2θ))から選択される少なくとも2つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0165】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して14.18±0.2、15.06±0.2、18.12±0.2、又は20.76±0.2°2θ(例えば、14.18±0.1、15.06±0.1、18.12±0.1、又は20.76±0.1°2θ(例えば、14.18、15.06、18.12、又は20.76°2θ))から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0166】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して14.18±0.2、15.06±0.2、18.12±0.2、20.76±0.2、又は21.93±0.2°2θ(例えば、14.18±0.1、15.06±0.1、18.12±0.1、20.76±0.1、又は21.93±0.1°2θ(例えば、14.18、15.06、18.12、20.76、又は21.93°2θ))から選択される少なくとも4つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0167】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して14.18±0.2、14.62±0.2、15.06±0.2、18.12±0.2、20.76±0.2、又は21.93±0.2°2θ(例えば、14.18±0.1、14.62±0.1、15.06±0.1、18.12±0.1、20.76±0.1、又は21.93±0.1°2θ(例えば、14.18、14.62、15.06、18.12、20.76、又は21.93°2θ))から選択される少なくとも5つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0168】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して4.33±0.2、14.18±0.2、14.62±0.2、15.06±0.2、18.12±0.2、20.76±0.2、又は21.93±0.2°2θ(例えば、4.33±0.1、14.18±0.1、14.62±0.1、15.06±0.1、18.12±0.1、20.76±0.1、又は21.93±0.1°2θ(例えば、4.33、14.18、14.62、15.06、18.12、20.76、又は21.93°2θ))から選択される少なくとも6つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0169】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、およそ以下の表に示される位置にピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【表3】
【0170】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、図3に示されるものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
【0171】
示差走査熱量計(DSC)特性評価
いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0172】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±40℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±30℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±20℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±10℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±9℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±8℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±7℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±3℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±2℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IIIは、DSCによって測定される場合、約64.1±0.5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0173】
熱重量分析(TGA)特性評価
いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±40℃~約120±40℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±30℃~約120±30℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±20℃~約120±20℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±10℃~約120±10℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±9℃~約120±9℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±8℃~約120±8℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±7℃~約120±7℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±6℃~約120±6℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±5℃~約120±5℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±4℃~約120±4℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±3℃~約120±3℃で約10.7%の重量損失を示す。
【0174】
いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±2℃~約120±2℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±1℃~約120±1℃で約10.7%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態IIIは、TGAによって測定される場合、約25±0.5℃~約120±0.5℃で約10.7%の重量損失を示す。
【0175】
結晶形態の特性
いくつかの実施形態では、形態IIIは、白色固体である。いくつかの実施形態では、形態IIIは、結晶性である。いくつかの実施形態では、形態IIIは、結晶性白色固体である。
【0176】
形態IV
X線粉末(Power)回折(XRPD)特性評価
いくつかの実施態様では、本出願は、Cu Kα放射線を使用して約13.74±0.2、23.16±0.2、及び25.00±0.2°2θにおけるピークを含むX線回折(「XRPD」)パターンを特徴とする、化合物1のモノ-トリス無水塩の形態IVの結晶塩(「形態IV」)を提供する。いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して約13.74±0.2、14.25±0.2、20.78±0.2、21.04±0.2、23.16±0.2、25.00±0.2、及び25.14±0.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0177】
いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して13.74±0.2、23.16±0.2、又は25.00±0.2°2θ(例えば、13.74±0.1、23.16±0.1、又は25.00±0.1°2θ(例えば、13.74、23.16、又は25.00°2θ))から選択される少なくとも1つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0178】
いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して13.74±0.2、23.16±0.2、又は25.00±0.2°2θ(例えば、13.74±0.1、23.16±0.1、又は25.00±0.1°2θ(例えば、13.74、23.16、又は25.00°2θ))から選択される少なくとも2つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0179】
いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して13.74±0.2、20.78±0.2、23.16±0.2、又は25.00±0.2°2θ(例えば、13.74±0.1、20.78±0.1、23.16±0.1、又は25.00±0.1°2θ(例えば、13.74、20.78、23.16、又は25.00°2θ))から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0180】
いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して13.74±0.2、20.78±0.2、23.16±0.2、25.00±0.2、又は25.14±0.2°2θ(例えば、13.74±0.1、20.78±0.1、23.16±0.1、25.00±0.1、又は25.14±0.1°2θ(例えば、13.74、20.78、23.16、25.00、又は25.14°2θ))から選択される少なくとも4つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0181】
いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して13.74±0.2、20.78±0.2、21.04±0.2、23.16±0.2、25.00±0.2、又は25.14±0.2°2θ(例えば、13.74±0.1、20.78±0.1、21.04±0.1、23.16±0.1、25.00±0.1、又は25.14±0.1°2θ(例えば、13.74、20.78、21.04、23.16、25.00、又は25.14°2θ))から選択される少なくとも5つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0182】
いくつかの実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して13.74±0.2、14.25±0.2、20.78±0.2、21.04±0.2、23.16±0.2、25.00±0.2、又は25.14±0.2°2θ(例えば、13.74±0.1、14.25±0.1、20.78±0.1、21.04±0.1、23.16±0.1、25.00±0.1、又は25.14±0.1°2θ(例えば、13.74、14.25、20.78、21.04、23.16、25.00、又は25.14°2θ))から選択される少なくとも6つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0183】
いくつかの実施形態では、形態IVは、およそ以下の表に示される位置にピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【表4】
【0184】
いくつかの実施形態では、形態IVは、図4に示されるものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
【0185】
示差走査熱量計(DSC)特性評価
いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0186】
いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±40℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±30℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±20℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±10℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±9℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±8℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±7℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±3℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±2℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態IVは、DSCによって測定される場合、約153±0.5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0187】
結晶形態の特性
いくつかの実施形態では、形態IVは、白色固体である。いくつかの実施形態では、形態IVは、結晶性である。いくつかの実施形態では、形態IVは、結晶性白色固体である。
【0188】
形態V
X線粉末(Power)回折(XRPD)特性評価
いくつかの実施態様では、本出願は、Cu Kα放射線を使用して約15.07±0.2、15.65±0.2、及び15.88±0.2°2θにおけるピークを含むX線回折(「XRPD」)パターンを特徴とする、化合物1のビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩の形態Vの結晶塩(「形態V」)を提供する。いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して約9.62±0.2、15.07±0.2、15.65±0.2、15.88±0.2、16.13±0.2、18.01±0.2、及び21.39±0.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0189】
いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して15.07±0.2、15.65±0.2、又は15.88±0.2°2θ(例えば、15.07±0.1、15.65±0.1、又は15.88±0.1°2θ(例えば、15.07、15.65、又は15.88°2θ))から選択される少なくとも1つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0190】
いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して15.07±0.2、15.65±0.2、又は15.88±0.2°2θ(例えば、15.07±0.1、15.65±0.1、又は15.88±0.1°2θ(例えば、15.07、15.65、又は15.88°2θ))から選択される少なくとも2つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0191】
いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して15.07±0.2、15.65±0.2、15.88±0.2、又は18.01±0.2°2θ(例えば、15.07±0.1、15.65±0.1、15.88±0.1、又は18.01±0.1°2θ(例えば、15.07、15.65、15.88、又は18.01°2θ))から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0192】
いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して15.07±0.2、15.65±0.2、15.88±0.2、16.13±0.2、又は18.01±0.2°2θ(例えば、15.07±0.1、15.65±0.1、15.88±0.1、16.13±0.1、又は18.01±0.1°2θ(例えば、15.07、15.65、15.88、16.13、又は18.01°2θ))から選択される少なくとも4つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0193】
いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して15.07±0.2、15.65±0.2、15.88±0.2、16.13±0.2、18.01±0.2、又は21.39±0.2°2θ(例えば、15.07±0.1、15.65±0.1、15.88±0.1、16.13±0.1、18.01±0.1、又は21.39±0.1°2θ(例えば、15.07、15.65、15.88、16.13、18.01、又は21.39°2θ))から選択される少なくとも5つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0194】
いくつかの実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して9.62±0.2、15.07±0.2、15.65±0.2、15.88±0.2、16.13±0.2、18.01±0.2、又は21.39±0.2°2θ(例えば、9.62±0.1、15.07±0.1、15.65±0.1、15.88±0.1、16.13±0.1、18.01±0.1、又は21.39±0.1°2θ(例えば、9.62、15.07、15.65、15.88、16.13、18.01、又は21.39°2θ))から選択される少なくとも6つのピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0195】
いくつかの実施形態では、形態Vは、およそ以下の表に示される位置にピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【表5】
【0196】
いくつかの実施形態では、形態Vは、図5に示されるものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
【0197】
示差走査熱量計(DSC)特性評価
いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75℃及び約156℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75℃又は約156℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0198】
いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±40℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±30℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±20℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±10℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±9℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±8℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±7℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±3℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±2℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75±0.5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0199】
いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±40℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±30℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±20℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±10℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±9℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±8℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±7℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±6℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±4℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±3℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±2℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±1℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156±0.5℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0200】
いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約75℃で開始する吸熱事象を特徴とする。いくつかの実施形態では、形態Vは、DSCによって測定される場合、約156℃で開始する吸熱事象を特徴とする。
【0201】
熱重量分析(TGA)特性評価
いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±40℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±30℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±20℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±10℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±9℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±8℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±7℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±6℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±5℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±4℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±3℃までで約1.8%の重量損失を示す。
【0202】
いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±2℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±1℃までで約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態では、形態Vは、TGAによって測定される場合、約65±0.5℃までで約1.8%の重量損失を示す。
【0203】
結晶形態の特性
いくつかの実施形態では、形態Vは、白色固体である。いくつかの実施形態では、形態Vは、結晶性である。いくつかの実施形態では、形態Vは、結晶性白色固体である。
【0204】
トリス塩組成物
いくつかの実施形態では、化合物1Aは、リン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化11】
(化合物1A)である。
【0205】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.0%以上の純度を有する、リン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化12】
(化合物1A)を含む、組成物を提供する。
【0206】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.1%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0207】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.2%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0208】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.3%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0209】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって決定されるによって判定される場合、約98.4%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0210】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.5%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0211】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.6%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0212】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.7%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0213】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.8%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0214】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約98.9%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0215】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.0%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0216】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.1%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0217】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.2%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0218】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.3%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0219】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.4%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0220】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.5%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0221】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.6%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0222】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.7%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0223】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.8%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0224】
いくつかの態様では、本開示は、HPLCによって判定される場合、約99.9%以上の純度を有する化合物1Aを含む、組成物を提供する。
【0225】
いくつかの実施形態では、組成物は、
【化13】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩、
【化14】
(化合物B)若しくはその薬学的に許容される塩、又は
【化15】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩、並びにそれらの組み合わせから選択される2%未満の不純物を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する。
【0227】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.02重量%~約0.5重量%で存在する。
【0228】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.03重量%~約0.5重量%で存在する。
【0229】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.04重量%~約0.5重量%で存在する。
【0230】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.05重量%~約0.5重量%で存在する。
【0231】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.06重量%~約0.5重量%で存在する。
【0232】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.07重量%~約0.5重量%で存在する。
【0233】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.08重量%~約0.5重量%で存在する。
【0234】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.09重量%~約0.5重量%で存在する。
【0235】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.1重量%~約0.5重量%で存在する。
【0236】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.2重量%~約0.5重量%で存在する。
【0237】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.3重量%~約0.5重量%で存在する。
【0238】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.4重量%~約0.5重量%で存在する。
【0239】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.4重量%で存在する。
【0240】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.3重量%で存在する。
【0241】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.2重量%で存在する。
【0242】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.1重量%で存在する。
【0243】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.09重量%で存在する。
【0244】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.08重量%で存在する。
【0245】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.07重量%で存在する。
【0246】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.06重量%で存在する。
【0247】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.05重量%で存在する。
【0248】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.04重量%で存在する。
【0249】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.03重量%で存在する。
【0250】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%~約0.02重量%で存在する。
【0251】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する。
【0252】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.01重量%で存在する。
【0253】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.02重量%で存在する。
【0254】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.03重量%で存在する。
【0255】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.04重量%で存在する。
【0256】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.05重量%で存在する。
【0257】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.06重量%で存在する。
【0258】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.07重量%で存在する。
【0259】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.08重量%で存在する。
【0260】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.09重量%で存在する。
【0261】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.1重量%で存在する。
【0262】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.2重量%で存在する。
【0263】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.3重量%で存在する。
【0264】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.4重量%で存在する。
【0265】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約0.5重量%で存在する。
【0266】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約1重量%で存在する。
【0267】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約1.5重量%で存在する。
【0268】
いくつかの実施形態では、化合物Aは、約2重量%で存在する。
【0269】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する。
【0270】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.02重量%~約0.5重量%で存在する。
【0271】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.03重量%~約0.5重量%で存在する。
【0272】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.04重量%~約0.5重量%で存在する。
【0273】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.05重量%~約0.5重量%で存在する。
【0274】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.06重量%~約0.5重量%で存在する。
【0275】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.07重量%~約0.5重量%で存在する。
【0276】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.08重量%~約0.5重量%で存在する。
【0277】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.09重量%~約0.5重量%で存在する。
【0278】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.1重量%~約0.5重量%で存在する。
【0279】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.2重量%~約0.5重量%で存在する。
【0280】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.3重量%~約0.5重量%で存在する。
【0281】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.4重量%~約0.5重量%で存在する。
【0282】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.4重量%で存在する。
【0283】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.3重量%で存在する。
【0284】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.2重量%で存在する。
【0285】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.1重量%で存在する。
【0286】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.09重量%で存在する。
【0287】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.08重量%で存在する。
【0288】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.07重量%で存在する。
【0289】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.06重量%で存在する。
【0290】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.05重量%で存在する。
【0291】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.04重量%で存在する。
【0292】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.03重量%で存在する。
【0293】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%~約0.02重量%で存在する。
【0294】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する。
【0295】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.01重量%で存在する。
【0296】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.02重量%で存在する。
【0297】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.03重量%で存在する。
【0298】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.04重量%で存在する。
【0299】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.05重量%で存在する。
【0300】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.06重量%で存在する。
【0301】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.07重量%で存在する。
【0302】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.08重量%で存在する。
【0303】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.09重量%で存在する。
【0304】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.1重量%で存在する。
【0305】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.2重量%で存在する。
【0306】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.3重量%で存在する。
【0307】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.4重量%で存在する。
【0308】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約0.5重量%で存在する。
【0309】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約1重量%で存在する。
【0310】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約1.5重量%で存在する。
【0311】
いくつかの実施形態では、化合物Bは、約2重量%で存在する。
【0312】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.5重量%で存在する。
【0313】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.02重量%~約0.5重量%で存在する。
【0314】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.03重量%~約0.5重量%で存在する。
【0315】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.04重量%~約0.5重量%で存在する。
【0316】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.05重量%~約0.5重量%で存在する。
【0317】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.06重量%~約0.5重量%で存在する。
【0318】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.07重量%~約0.5重量%で存在する。
【0319】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.08重量%~約0.5重量%で存在する。
【0320】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.09重量%~約0.5重量%で存在する。
【0321】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.1重量%~約0.5重量%で存在する。
【0322】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.2重量%~約0.5重量%で存在する。
【0323】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.3重量%~約0.5重量%で存在する。
【0324】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.4重量%~約0.5重量%で存在する。
【0325】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.4重量%で存在する。
【0326】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.3重量%で存在する。
【0327】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.2重量%で存在する。
【0328】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.1重量%で存在する。
【0329】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.09重量%で存在する。
【0330】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.08重量%で存在する。
【0331】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.07重量%で存在する。
【0332】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.06重量%で存在する。
【0333】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.05重量%で存在する。
【0334】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.04重量%で存在する。
【0335】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.03重量%で存在する。
【0336】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%~約0.02重量%で存在する。
【0337】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、又は約0.5重量%で存在する。
【0338】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.01重量%で存在する。
【0339】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.02重量%で存在する。
【0340】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.03重量%で存在する。
【0341】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.04重量%で存在する。
【0342】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.05重量%で存在する。
【0343】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.06重量%で存在する。
【0344】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.07重量%で存在する。
【0345】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.08重量%で存在する。
【0346】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.09重量%で存在する。
【0347】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.1重量%で存在する。
【0348】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.2重量%で存在する。
【0349】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.3重量%で存在する。
【0350】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.4重量%で存在する。
【0351】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約0.5重量%で存在する。
【0352】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約1重量%で存在する。
【0353】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約1.5重量%で存在する。
【0354】
いくつかの実施形態では、化合物Cは、約2重量%で存在する。
【0355】
いくつかの態様では、本開示は、医薬組成物であって、
a)約98%のリン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化16】
化合物1A、
b)最大約0.1%の
【化17】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩、
c)最大約0.5%の
【化18】
(化合物B)又はその薬学的に許容される塩、及び
d)最大約0.1%の
【化19】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩、を含む、医薬組成物を提供する。
【0356】
いくつかの態様では、本開示は、約98%のリン酸二水素((((E)-1-((8S,9S,10R,13S,14S,17S)-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)メチルトリス塩
【化20】
(化合物1A)を含む、医薬組成物を提供する。
【0357】
いくつかの態様では、本開示は、約97%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0358】
いくつかの態様では、本開示は、約97.5%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0359】
いくつかの態様では、本開示は、約98%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0360】
いくつかの態様では、本開示は、約98.1%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0361】
いくつかの態様では、本開示は、約98.2%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0362】
いくつかの態様では、本開示は、約98.3%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0363】
いくつかの態様では、本開示は、約98.4%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0364】
いくつかの態様では、本開示は、約98.5%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0365】
いくつかの態様では、本開示は、約98.6%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0366】
いくつかの態様では、本開示は、約98.7%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0367】
いくつかの態様では、本開示は、約98.8%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0368】
いくつかの態様では、本開示は、約98.9%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0369】
いくつかの態様では、本開示は、約99%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0370】
いくつかの態様では、本開示は、約99.1%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0371】
いくつかの態様では、本開示は、約99.2%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0372】
いくつかの態様では、本開示は、約99.3%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0373】
いくつかの態様では、本開示は、約99.4%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0374】
いくつかの態様では、本開示は、約99.5%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0375】
いくつかの態様では、本開示は、約99.6%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0376】
いくつかの態様では、本開示は、約99.7%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0377】
いくつかの態様では、本開示は、約99.8%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0378】
いくつかの態様では、本開示は、約99.9%の化合物1Aを含む、医薬組成物を提供する。
【0379】
いくつかの態様では、本開示は、最大約0.1%の
【化21】
(化合物A)又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0380】
いくつかの態様では、本開示は、約0.1%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0381】
いくつかの態様では、本開示は、約0.09%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0382】
いくつかの態様では、本開示は、約0.08%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0383】
いくつかの態様では、本開示は、約0.07%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0384】
いくつかの態様では、本開示は、約0.06%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0385】
いくつかの態様では、本開示は、約0.05%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0386】
いくつかの態様では、本開示は、約0.04%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0387】
いくつかの態様では、本開示は、約0.03%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0388】
いくつかの態様では、本開示は、約0.02%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0389】
いくつかの態様では、本開示は、約0.01%の化合物A又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0390】
いくつかの態様では、本開示は、最大約0.5%の
【化22】
(化合物B)又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0391】
いくつかの態様では、本開示は、約0.5%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0392】
いくつかの態様では、本開示は、約0.4%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0393】
いくつかの態様では、本開示は、約0.3%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0394】
いくつかの態様では、本開示は、約0.2%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0395】
いくつかの態様では、本開示は、約0.1%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0396】
いくつかの態様では、本開示は、約0.09%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0397】
いくつかの態様では、本開示は、約0.08%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0398】
いくつかの態様では、本開示は、約0.07%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0399】
いくつかの態様では、本開示は、約0.06%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0400】
いくつかの態様では、本開示は、約0.05%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0401】
いくつかの態様では、本開示は、約0.04%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0402】
いくつかの態様では、本開示は、約0.03%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0403】
いくつかの態様では、本開示は、約0.02%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0404】
いくつかの態様では、本開示は、約0.01%の化合物B又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0405】
いくつかの態様では、本開示は、最大約0.1%の
【化23】
(化合物C)又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0406】
いくつかの態様では、本開示は、約0.1%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0407】
いくつかの態様では、本開示は、約0.09%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0408】
いくつかの態様では、本開示は、約0.08%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0409】
いくつかの態様では、本開示は、約0.07%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0410】
いくつかの態様では、本開示は、約0.06%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0411】
いくつかの態様では、本開示は、約0.05%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0412】
いくつかの態様では、本開示は、約0.04%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0413】
いくつかの態様では、本開示は、約0.03%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0414】
いくつかの態様では、本開示は、約0.02%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0415】
いくつかの態様では、本開示は、約0.01%の化合物C又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0416】
結晶形態の調製方法
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を調製する方法を特徴とする。
【0417】
いくつかの態様では、本開示は、化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を調製する方法であって、本明細書に記載の1つ以上の工程を含む、方法を提供する。
【0418】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を調製するための方法によって得ることができるか、又は得られるか、又は直接得られる化合物を提供する。
【0419】
化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態は、当技術分野で公知の任意の適切な技術によって調製することができる。これらの化合物の調製のための特定のプロセスは、添付の実施例において更に記載される。
【0420】
本出願の化合物の例示的な調製は、本明細書のスキーム1に記載されている。
【表6】
【0421】
スキーム1は、化合物1のビス-トリス塩の形態I若しくはII又は化合物1のモノ-トリス塩の形態III若しくはIVへの全般的な合成経路を示す。
【0422】
好都合には、化合物の反応は、好ましくはそれぞれの反応条件下で不活性である適切な溶媒の存在下で行われる。好適な溶媒の例としては、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、又はキシレンなどの炭化水素;トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルム、又はジクロロメタンなどの塩素化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、又はtert-ブタノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、又はジオキサンなどのエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル又はエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)などのグリコールエーテル;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、又はブタノンなどのケトン;アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリジノン(NMP)などのアミド、アセトニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、ニトロメタン又はニトロベンゼンなどのニトロ化合物;酢酸エチル若しくは酢酸メチルなどのエステル、又は当該溶媒の混合物若しくは水との混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0423】
反応時間は、概ね、それぞれの化合物の反応性及びそれぞれの反応条件に応じて、数分の1分~数日の範囲である。好適な反応時間は、当該分野で公知の方法(例えば、反応モニタリング)によって容易に決定可能である。上記の反応温度に基づいて、好適な反応時間は概ね約5分~約48時間の範囲にある。
【0424】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される高純度化合物1Aを調製する方法を特徴とする。
【0425】
いくつかの態様では、本開示は、高純度化合物1Aを調製する方法であって、本明細書に記載される1つ以上の工程を含む、方法を提供する。
【0426】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の高純度化合物1Aを調製するための方法によって得ることができるか、又は得られるか、又は直接得られる化合物を提供する。
【0427】
高純度化合物1Aは、当技術分野で公知の任意の好適な技術によって調製することができる。これらの化合物の調製のための特定のプロセスは、添付の実施例において更に記載される。
【0428】
本出願の化合物の例示的な調製は、本明細書のスキームAに記載されている。
【0429】
いくつかの実施形態では、化合物1Aは、本明細書に記載されるように、中間体2から調製される。
【0430】
いくつかの実施形態では、化合物1Aは、溶媒中でのシード結晶化によって精製される。
【0431】
いくつかの実施形態では、化合物1Aは、溶媒添加を伴うシード結晶化によって精製される。いくつかの実施形態では、溶媒は、エタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒は、水である。いくつかの実施形態では、溶媒はメタノールと水との混合物である。
【0432】
いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約1~約2キログラム規模で調製される。
【0433】
いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約2キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約1.75キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約1.5キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約1.25キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約1キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約0.75キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約0.50キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約0.25キログラム規模で調製される。いくつかの実施形態では、化合物1Aは、約0.1キログラム規模で調製される。
【0434】
医薬組成物
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物を特徴とする。
【0435】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される化合物1A又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物を特徴とする。
【0436】
本開示の活性化合物を含有する医薬組成物は、概ね公知の様式で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、薬学的に使用され得る調製物への活性化合物の加工を容易にする、賦形剤及び/又は補助剤を含む1つ以上の薬学的に許容される担体を使用して、従来の様式で製剤化され得る。当然ながら、適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0437】
注射用途に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与のために、適切な担体としては、生理食塩水、2分の1生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)、デキストロース5%水溶液(D5又はD5W)、又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌である必要があり、容易に注射できる程度に流動的である必要がある。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定している必要があり、細菌及び真菌などの微生物の夾雑作用から保護する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって防止することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、及びソルビトールなどのポリアルコール、並びに塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含めることによってもたらすことができる。
【0438】
滅菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に適切な溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。概して、分散液は、塩基性分散媒及び上記に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の方法は、真空乾燥及び凍結乾燥を含み、予め滅菌濾過された溶液から、活性成分及び任意の更なる所望の成分の粉末が得られる。
【0439】
経口組成物は、概して、不活性希釈剤又は食用の薬学的に許容される担体を含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入するか、又は錠剤に圧縮することができる。経口治療投与の目的のために、活性化合物は、賦形剤と共に組み込むことができ、錠剤、トローチ、又はカプセルの形態で使用することができる。経口組成物はまた、うがい薬として使用するための流体担体を使用して調製され得、流体担体中の化合物は、経口的に適用され、うがいされ、吐き出されるか、又は飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、及び/又は補助材料は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分又は同様の性質の化合物:微結晶セルロース、トラガカントゴム、又はゼラチンなどの結合剤;デンプン又はラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel、又はコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はSterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香料などの香味剤;のうちのいずれかを含有することができる。
【0440】
吸入による投与のために、化合物は、適切な噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを入れた加圧容器若しくはディスペンサ、又はネブライザからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0441】
全身投与は、経粘膜又は経皮手段によるものであってもよい。経粘膜又は経皮投与の場合、浸透されるバリアに適切な浸透剤が製剤に使用される。このような浸透剤は、当該分野で概ね公知であり、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー又は坐剤の使用によって達成することができる。経皮投与のために、活性化合物は、当該分野で概ね公知であるように、軟膏、膏薬、ゲル、又はクリームに製剤化される。
【0442】
活性化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などの、身体からの急速な排除から化合物を保護する薬学的に許容される担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。
【0443】
投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、経口又は非経口組成物を単位剤形で製剤化することが特に有利であり得る。本明細書で使用される単位剤形は、治療される対象のための単位用量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の単位剤形の仕様は、活性化合物の固有の特徴及び達成されるべき特定の治療効果によって決定され、それらに直接依存する。
【0444】
治療用途において、本開示に従って使用される医薬組成物の投薬量は、選択された投薬量に影響を及ぼす因子の中でもとりわけ、薬剤、レシピエント患者の年齢、体重、及び臨床状態、並びに治療を施す臨床医又は開業医の経験及び判断に応じて変動する。概して、用量は、疾患の症状を遅らせ、好ましくは退行させ、また好ましくは疾患の完全な退行を引き起こすのに十分であるべきである。
【0445】
医薬組成物は、投与のための説明書と一緒に容器、パック、又はディスペンサに含まれ得ることが理解される。
【0446】
使用方法
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0447】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0448】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0449】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0450】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0451】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を提供する。
【0452】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0453】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物1の又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0454】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0455】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、本明細書に記載の化合物1の又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を提供する。
【0456】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の形態Iの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0457】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の形態Iの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0458】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、対象に形態Iの結晶塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0459】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、対象に形態Iの結晶塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0460】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、形態Iの結晶塩を提供する。
【0461】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、形態Iの結晶塩を提供する。
【0462】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための医薬の製造における、形態Iの結晶塩の使用を提供する。
【0463】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための医薬の製造における、形態Iの結晶塩の使用を提供する。
【0464】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、形態Iの結晶塩の使用を提供する。
【0465】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、形態Iの結晶塩の使用を提供する。
【0466】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、形態IIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0467】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、形態IIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0468】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の形態IIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0469】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の形態IIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0470】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、形態IIの結晶塩を提供する。
【0471】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、形態IIの結晶塩を提供する。
【0472】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための医薬の製造における、形態IIの結晶塩の使用を提供する。
【0473】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための医薬の製造における、形態IIの結晶塩の使用を提供する。
【0474】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、形態IIの結晶塩の使用を提供する。
【0475】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、形態IIの結晶塩の使用を提供する。
【0476】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の形態IIIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0477】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の形態IIIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0478】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、形態IIIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0479】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、形態IIIの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0480】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、形態IIIの結晶塩を提供する。
【0481】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、形態IIIの結晶塩を提供する。
【0482】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療において使用するための医薬の製造における、形態IIIの結晶塩の使用を提供する。
【0483】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための医薬の製造における、形態IIIの結晶塩の使用を提供する。
【0484】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、形態IIIの結晶塩の使用を提供する。
【0485】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、形態IIIの結晶塩の使用を提供する。
【0486】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の形態IVの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0487】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の形態IVの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0488】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、形態IVの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0489】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、形態IVの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0490】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、形態IVの結晶塩を提供する。
【0491】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、形態IVの結晶塩を提供する。
【0492】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療において使用するための医薬の製造における、形態IVの結晶塩の使用を提供する。
【0493】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための医薬の製造における、形態IVの結晶塩の使用を提供する。
【0494】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、形態IVの結晶塩の使用を提供する。
【0495】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、形態IVの結晶塩の使用を提供する。
【0496】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の形態Vの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0497】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の形態Vの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0498】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、形態Vの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0499】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、形態Vの結晶塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0500】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、形態Vの結晶塩を提供する。
【0501】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、形態Vの結晶塩を提供する。
【0502】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療において使用するための医薬の製造における、形態Vの結晶塩の使用を提供する。
【0503】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための医薬の製造における、形態Vの結晶塩の使用を提供する。
【0504】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、形態Vの結晶塩の使用を提供する。
【0505】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、形態Vの結晶塩の使用を提供する。
【0506】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、薬学的有効量の化合物1Aの組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0507】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、薬学的有効量の化合物1Aの組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0508】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療する方法であって、化合物1Aの組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0509】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、化合物1Aの組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0510】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための、化合物1Aの組成物を提供する。
【0511】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療において使用するための、化合物1Aの組成物を提供する。
【0512】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の予防又は治療において使用するための医薬の製造における、化合物1Aの組成物の使用を提供する。
【0513】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患の治療のための医薬の製造における、化合物1Aの組成物の使用を提供する。
【0514】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を予防又は治療するための、化合物1Aの組成物の使用を提供する。
【0515】
いくつかの態様では、本開示は、対象における疾患を治療するための、化合物1Aの組成物の使用を提供する。
【0516】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、神経変性疾患又は障害である。
【0517】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷である。
【0518】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中である。
【0519】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、外傷性脳損傷である。
【0520】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷の症状である。
【0521】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中の症状である。
【0522】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、外傷性脳損傷の症状である。
【0523】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷の進行である。
【0524】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中の進行である。
【0525】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、外傷性脳損傷の進行である。
【0526】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中又は外傷性脳損傷の浮腫である。
【0527】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、脳卒中の浮腫である。
【0528】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、外傷性脳損傷の浮腫である。
【0529】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、前頭葉認知症である。
【0530】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、神経変性疾患である。
【0531】
いくつかの実施形態では、神経変性疾患は、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、レビー小体病、筋萎縮性側索硬化症、又はシヌクレイノパチーである。
【0532】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0533】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0534】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を特徴とする。
【0535】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0536】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0537】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を特徴とする。
【0538】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を特徴とする。
【0539】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を特徴とする。
【0540】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を特徴とする。
【0541】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を特徴とする。
【0542】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される化合物1又はその薬学的に許容される塩の結晶形態の使用を特徴とする。
【0543】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の本明細書に記載の形態Iの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0544】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載される形態Iの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0545】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の形態Iの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の形態Iの結晶形態を特徴とする。
【0546】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を本明細書に記載の形態Iの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0547】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、本明細書に記載の形態Iの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0548】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を形態Iの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の形態Iの結晶形態を特徴とする。
【0549】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の形態Iの結晶形態を特徴とする。
【0550】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態Iの結晶形態の使用を特徴とする。
【0551】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態Iの結晶形態の使用を特徴とする。
【0552】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載される形態Iの結晶形態の使用を特徴とする。
【0553】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される形態Iの結晶形態の使用を特徴とする。
【0554】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の本明細書に記載の形態IIの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0555】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載の形態IIの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0556】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の形態IIの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理において使用するための、本明細書に記載の形態IIの結晶形態を特徴とする。
【0557】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を本明細書に記載の形態IIの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0558】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、本明細書に記載される形態IIの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0559】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を形態IIの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理において使用するための、本明細書に記載の形態IIの結晶形態を特徴とする。
【0560】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の形態IIの結晶形態を特徴とする。
【0561】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載の形態IIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0562】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態IIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0563】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載の形態IIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0564】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される形態IIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0565】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の本明細書に記載の形態IIIの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0566】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載の形態IIIの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0567】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の形態IIIの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態を特徴とする。
【0568】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を本明細書に記載の形態IIIの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0569】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0570】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を形態IIIの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理において使用するための、本明細書に記載の形態IIIの結晶形態を特徴とする。
【0571】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態を特徴とする。
【0572】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0573】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0574】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0575】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される形態IIIの結晶形態の使用を特徴とする。
【0576】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の本明細書に記載の形態IVの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0577】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載される形態IVの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0578】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の形態IVの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理において使用するための、本明細書に記載される形態IVの結晶形態を特徴とする。
【0579】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を本明細書に記載の形態IVの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0580】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、本明細書に記載される形態IVの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0581】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を形態IVの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理において使用するための、本明細書に記載の形態IVの結晶形態を特徴とする。
【0582】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される形態IVの結晶形態を特徴とする。
【0583】
いくつかの態様では、本開示は、炎症を(例えば、インビトロ又はインビボで)管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態IVの結晶形態の使用を特徴とする。
【0584】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態IVの結晶形態の使用を特徴とする。
【0585】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載される形態IVの結晶形態の使用を特徴とする。
【0586】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される形態IVの結晶形態の使用を特徴とする。
【0587】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の本明細書に記載の形態Vの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0588】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載の形態Vの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0589】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の形態Vの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される形態Vの結晶形態を特徴とする。
【0590】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を本明細書に記載の形態Vの結晶形態と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0591】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、本明細書に記載される形態Vの結晶形態を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0592】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を形態Vの結晶形態と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理において使用するための、本明細書に記載の形態Vの結晶形態を特徴とする。
【0593】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される形態Vの結晶形態を特徴とする。
【0594】
いくつかの態様では、本開示は、炎症を(例えば、インビトロ又はインビボで)管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態Vの結晶形態の使用を特徴とする。
【0595】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される形態Vの結晶形態の使用を特徴とする。
【0596】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載される形態Vの結晶形態の使用を特徴とする。
【0597】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される形態Vの結晶形態の使用を特徴とする。
【0598】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を有効量の化合物1Aの組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0599】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、薬学的有効量の化合物1Aの組成物を対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
【0600】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を有効量の化合物1Aの組成物と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の化合物1Aの組成物を特徴とする。
【0601】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症を管理する方法であって、細胞を化合物1Aの組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0602】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理する方法であって、対象に化合物1Aの組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0603】
いくつかの態様では、本開示は、細胞を化合物1Aの組成物と接触させることを含む、(例えば、インビトロ又はインビボで)対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載の化合物1Aの組成物を特徴とする。
【0604】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症の管理に使用するための、本明細書に記載される化合物1Aの組成物を特徴とする。
【0605】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物1Aの組成物の使用を特徴とする。
【0606】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための医薬の製造における、本明細書に記載される化合物1Aの組成物の使用を特徴とする。
【0607】
いくつかの態様では、本開示は、(例えば、インビトロ又はインビボで)炎症を管理するための、本明細書に記載される化合物1Aの組成物の使用を特徴とする。
【0608】
いくつかの態様では、本開示は、対象における炎症を管理するための、本明細書に記載される化合物1Aの組成物の使用を特徴とする。
【0609】
いくつかの実施形態では、炎症は、外傷性脳損傷又は脳卒中から生じる炎症である。いくつかの実施形態では、炎症は、外傷性脳損傷から生じる炎症である。
【0610】
いくつかの実施形態では、炎症は、脳卒中から生じる炎症である。
【0611】
いくつかの実施形態では、対象は動物である。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は細胞である。いくつかの実施形態では、対象は細胞集団である。
【0612】
本開示を説明してきたが、以下の実施例は、限定ではなく例示として提供される。
【実施例
【0613】
実施例1.化合物1の塩スクリーニング
分析方法
X線粉末回折(XRPD)XRPD分析は、PIXcel検出器(128チャネル)を備えたPANalytical X’pert proで行い、試料を3~35°2θで走査した。材料を穏やかに粉砕して凝集物を放出させ、Kapton又はMylarポリマーフィルムを有するマルチウェルプレート上に充填して試料を支持した。次に、マルチウェルプレートを回折計に入れ、Cu K放射線(α1λ=1.54060Å;α2=1.54443Å;β=1.39225Å;α1:α2比=0.5)を使用し、40kV/40mA発生器設定を用いて透過モード(工程サイズ0.0130°2θ、工程時間18.87s)で実行して分析した。データを可視化し、HighScore Plus 4.7デスクトップアプリケーション(PANalytical,2017)を使用して画像を生成した。
【0614】
偏光顕微鏡法(PLM)結晶性(複屈折)の存在は、交差偏光レンズ及びMoticカメラを備えたOlympus BX53顕微鏡を使用して判定した。Motic Images Plus 3.0を使用して画像を撮影した。全ての画像は、特に明記しない限り、20倍対物レンズを用いて記録した。
【0615】
熱重量/示差熱分析(TG/DSC)約5~10mgの材料を、予め風袋を計った開放アルミニウムパンに加え、TA Instruments Discovery SDT 650 Auto-Simultaneous DSCに装填し、室温で保持した。次いで、試料を10℃/分の速度で30℃から300℃まで加熱し、その際に試料重量の変化を熱流応答(DSC)と共に記録した。窒素を試料パージガスとして200cm/分の流量で使用した。
【0616】
示差走査熱量測定(DSC)約1~5mgの材料をアルミニウムDSCパンに秤量し、アルミニウム蓋で非気密に密封した。次いで、試料パンを、RC90冷却器を備えたTA Instruments Discovery DSC 2500示差走査熱量計に装填した。試料及び基準を10℃/分の走査速度で200℃又は225℃に加熱し、得られた熱流応答を監視した。試料を20℃に再冷却し、次いで、全て10℃/分で再び205℃に再加熱した。窒素をパージガスとして50cm/分の流量で使用した。
【0617】
赤外分光法(IR)赤外分光法は、Bruker ALPHA P分光計で行った。十分な材料を分光計のプレートの中心に置き、以下のパラメータを用いてスペクトルを得た。
・分解能:4cm-1
・バックグラウンドスキャンタイム:16スキャン
・試料スキャンタイム:16スキャン
・データ収集:4000~400cm-1
・結果スペクトル:透過率
・ソフトウェア:OPUSバージョン6
【0618】
核磁気共鳴(NMR)NMR実験は、プロトンについて500.12MHzで動作するDCHクライオプローブを備えたBruker AVIIIHDスペクトル計で行った。実験はD2O中で実施し、
各試料を約10mM濃度に調製した。
【0619】
動的蒸気収着(DVS)約10~20mgの試料をメッシュ蒸気収着天秤皿に入れ、Surface Measurement SystemsによるDVS Advantage動的蒸気収着天秤に装填した。試料を10%刻みで40~90%相対湿度(RH)の傾斜プロファイルに供し、25℃で安定な重量が達成されるまで(dm/dt 0.004%、最小工程長30分、最大工程長500分)、各工程で試料を維持した。収着サイクルの完了後、同じ手順を使用して試料を0%RHまで乾燥させ、次いで第2の収着サイクルでは40%RHに戻した。2サイクルを実行した。収着/脱着サイクル中の重量変化をプロットして、試料の吸湿性を判定した。次いで、保持された任意の固体についてXRPD分析を行った。
【0620】
高速液体クロマトグラフィ-紫外線検出(HPLC-UV)
・機器:Dionex Ultimate 3000
・カラム:Water Acquity HSS T3 1.8μm 150mm×2.1mm
・カラム温度:40℃
・オートサンプラ温度:周囲温度
・UV波長:243nm
・注入量:2μl
・流量:0.5ml/分
・移動相A:水中0.1%ギ酸
・移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
・希釈剤:水:アセトニトリル80:20 v/v
・作業濃度:0.5mg/mL
・勾配プログラム:
【表7】
【0621】
高速液体クロマトグラフィ-荷電エアロゾル検出(HPLC-CAD)
・機器:Dionex Corona Ultra CADを備えたDionex Ultimate 3000
・カラム:Phenomenex Aeris Peptide XB-C18 100Å、150×4.6mm、3.6μm(ガードカラムとして)及びDionex Acclaim Trinity P2、50×2.1mm、3μm
・移動相A:水
・移動相B:100mMギ酸アンモニウムpH3.65
・流量:0.45ml/分
・実行時間:23分
・カラム温度:30℃
・注入量:4μl
・検出:CAD
・ネブライザ温度:30℃
・フィルタ:Corona
・勾配プログラム:
【表8】
【0622】
結果
化合物1ビスナトリウム塩のNMR分析、イオン交換樹脂及び19種の塩基性対イオンを使用する一次塩スクリーニング、並びに二次スクリーニングを行った(表6)。19個の対イオンのうち11個を樹脂イオン交換によって調べた。
【表9】
【表10】
【0623】
塩形成を、以下のようにイオン交換樹脂によって調べた。約4gのBIO-RAD AG 50W-X8カチオン交換樹脂を空の固相抽出チューブに秤量した。樹脂を、15mLの脱イオン水、続いて30mLの1M対イオン溶液、続いて更に15mLの脱イオン水で洗浄した。次いで、樹脂すすぎ液のpHを測定し、更に30mLの脱イオン水を添加し、pHを再測定した。すすぎ液のpHが中性になるまでこの手順を続けた。約120mgの化合物1を1mLの脱イオン水に溶解し、樹脂に通して、風袋を計ったバイアルに入れた。材料を15mLの脱イオン水で樹脂から洗い流して、風袋を計ったバイアルに入れた。次いで、溶液を凍結し、凍結乾燥した。H NMR及びCAD分析を適宜行い、塩形成を確認した。
【0624】
塩結晶化スクリーニングを以下のように行った。示される対イオンからの約16mgの化合物1イオン交換材料を、表7に示されるように400~700μLの溶媒中でスラリー化した。実験は、周囲温度と40℃との間で、4時間サイクルで約72時間の温度サイクルを行った。更なる材料を溶解によりN-メチルグルカミンIPA:水95:5v/vに添加した。次いで、固体を遠心分離フィルタによって単離し、XRPDによって分析した。選択された塩を40℃で約2日間乾燥させ、XRPDによって再分析した。塩はまた、TG/DSC及びH NMRによって特徴付けられた。潜在的な塩も40℃/75%RHで約24時間保存し、次いでXRPDによって再分析した。
【0625】
二次スクリーニングに進む前に、形態IについてpH7.4での溶解を行った。約6mgの塩を2mLバイアルに秤量し、pH7.4のPBSの50μLアリコートを溶解が得られるまで添加した。形態I及び形態Vを二次スクリーニングのためにスケールアップした。調製物を、XRPD、PLM、TG/DSC、DSC、DVS、FTIR、H及び31P NMR並びにHPLC純度によって分析した。1週間の安定性試験、塩不均化及び水和試験並びに熱力学的溶解度を実施した。
【0626】
イオン交換実験を以下のように行った。約10gのBIO-RAD AG 50W-X8カチオン交換樹脂を空の固相抽出チューブに秤量した。樹脂を、40mLの脱イオン水、続いて80mLの1M対イオン溶液、続いて更に80mLの脱イオン水で洗浄した。次いで、樹脂すすぎ液のpHを測定し、更に25mLの脱イオン水を添加し、pHを再測定した。すすぎ液のpHが中性になるまでこの手順を続けた。約500mgの化合物1を3mLの脱イオン水に溶解し、樹脂に通して、風袋を計ったバイアルに入れた。材料を40mLの脱イオン水で樹脂から洗い流し、風袋を計ったバイアルに入れた。次いで、溶液を凍結し、凍結乾燥した。H NMR分析を行い、塩形成を確認した。
【0627】
二次スクリーニング結晶化を以下のように行った。化合物1イオン交換トロメタミン材料を15mLのエタノール中でスラリー化した。化合物1イオン交換形態V材料を15mLの酢酸イソプロピル中でスラリー化した。実験は、周囲温度と40℃との間で、4時間サイクルで約20時間の温度サイクルを行った。約20時間後に遠心濾過によって約0.5mLのスラリーを単離し、XRPDによって分析した。次いで、固体を、グレード1濾紙を用いたガラス焼結濾過によって単離し、濾紙上、真空下で約1.25時間乾燥させた。次に、乾燥固体についてXRPD分析を行った。
【0628】
1週間の安定性試験を、形態I及び形態Vについて、開放バイアル中40℃/75%RH並びに周囲光及び温度で、並びに閉鎖20mLバイアル内の開放2mLバイアル中80℃で行った。1週間後、固体を物理的安定性についてはXRPDにより、純度についてはHPLCにより分析した。
【0629】
塩不均化及び水和試験を以下のように行った。約30mgの各塩を400μLの示された溶媒系に懸濁し、周囲温度で約24時間振盪した。熱力学的溶解度試験を以下のように行った。約30mgの各塩を400μLの示された溶媒系に懸濁し、周囲温度で約24時間振盪した。
【0630】
一次塩スクリーニングにより、調査した11個の対イオンのうち9個から塩が同定された。イオン交換は、カリウム、N-メチルグルカミン、トロメタミン、ジエタノールアミン、L-リジン、L-アルギニン、コリン、アンモニアエタノールアミン、N-(ヒドロキシエチル)ピロリジン、及びN-エチルグルカミンについて成功した。塩の大部分から1つの塩パターンが同定された。N-メチルグルカミン、トロメタミン、L-リジン、L-アルギニン、エタノールアミン、及びアンモニア塩について1つの結晶形態が観察された。カリウムについて5つの塩形態が同定され、2つのパターンは第1のパターンとの混合物であった。ビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジンについて2つの結晶形態が観察された。N-エチルグルカミンについても2つの結晶形態が観察され、第2のパターンは第1のパターンとの混合物として観察された。一次塩スクリーニングからの結果を表8に示す。
【表11】
【0631】
トリス塩
エタノールからの形態Iの熱分析(図6)は、約60℃までに1.6%の損失を示し、分解の開始は約190℃であった。重量損失は、0.6当量の水又は0.3当量のエタノールに相当した。約27℃(38℃でピーク)及び193℃(197℃でピーク)で始まる2つの幅広い吸熱事象が観察された。
【0632】
形態Iは、40%RH~90%RHで、0.5%の取り込みで水和されることが見出された。90%RHでの総取り込みは、1.2当量の水に相当した。1週間の安定性試験は、試験された条件下で純度の≦0.2%の面積減少を示し、パターン1は変化しないで残っていた。溶解度は、pH8及び8.5で≦45mg/mLであり、pH7.4で29mg/mLであることが見出された。水和実験は、形態Iが残っていることを示した。水への溶解度は、不均化を評価するために固体を回収するには高すぎた。
【0633】
カリウム
酢酸イソプロピルからのパターン1の熱分析(図7)は、約125℃までに10.1%の損失を示し、分解の開始は約210℃であった。観察された重量損失は、3.5当量の水に相当した。明確な熱事象は観察されなかった。パターン1の40℃/75%RHでの貯蔵からのパターン5の熱分析(図8)は、約200℃までに18.7%の損失を示した。観察された重量損失は、6.5当量の水に相当した。明確な熱事象は観察されなかった。
【0634】
形態V
酢酸イソプロピルからの形態Vの熱分析(図9)は、約75℃までに3.6%の損失、続いて10.6%の損失を示した。初期重量損失は、0.2当量の酢酸イソプロピルに相当した。DSC分析は、明確な熱事象を示さなかった。
【0635】
形態Vは、吸湿性であり、90%RHで19.0%の取り込みであることが見出された。1週間の安定性試験は、周囲温度及び40℃/75%RHで純度の損失を示さなかったが、80℃で純度の0.9%面積減少を示した。形態Vは安定性試験後も残っていたが、80℃でいくつかの小さな変化があった。溶解度は、pH7.4で>45mg/mLであり、pH8及び8.5で>39mg/mLであることが見出された。溶液は、高い溶解度により、不均化及び水和試験の実験から得られた。
【表12】
【0636】
形態I(トロメタミン塩のパターン1)
形態Iをスケールアップし、XRPD分析で確認した。PLM分析(図10)は、わずかな複屈折を有する棒状の形態を示した。TG分析(図11)は、開始から約60℃までに2.0%の損失を示した。この重量損失は、0.4当量のエタノールに相当した。DSC分析は、約35℃(45℃でピーク)及び192℃(197℃でピーク)で開始する2つの吸熱事象を示した。熱分析は、一次スクリーニングデータと一致することが見出された。DSC分析(図12)は、約55℃(77℃でピーク)及び197℃(200℃でピーク)で開始する2つの吸熱事象を示した。DVS分析(図13A及び13B)は、形態Iが水和されていることを示した。40%RH~90%RHで、0.5%の取り込みが観察された。90%RHでの総取り込み(3.2%)は、1.2当量の水に相当した。10%RH~0%RHで、2.5%の損失が観察された。DVS後のXRPD分析は、形態Iが変化しないで残ることを示した。FT-IR分析は、非晶質の化合物1と比較していくつかの差異を示した。H NMR分析は、2.1当量のトロメタミン及びエタノールでの再処理を示した。HPLC分析は、99.7面積%の純度を示した。1週間安定性の結果を表10に示す。純度の≦0.2面積%の減少が、トロメタミン塩について観察された。形態Iは、全ての条件下で残ることが観察された(図14)。水和試験は、形態Iが試験された3つ全ての水分活性の下で残ることを示した。不十分な固体が不均化水実験から残っていた。熱力学的溶解度試験(表11)は、pH8及び8.5について溶解度>45mg/mL及びpH7.4について29mg/mLを示した。
【表13】
【表14】
【0637】
形態V(ビス-N-(ヒドロキシエチル)ピロリジンパターン2)
形態Vの塩をスケールアップした。PLM分析(図15)は、明確に画定された形態がない複屈折粒子を示した。TG分析(図16)は、約65℃までに1.8%の重量損失を示した。この重量損失は0.7当量の水に相当した。DSC分析は、明確な熱事象を示さなかった。DSC分析(図17)は、約75℃(94℃でピーク)及び156℃(160℃でピーク)で開始する2つの吸熱事象を示した。DVS分析(図18A及び18B)は、形態Vが吸湿性であり、40%RH~90%RHで17.8%の取り込みであることを示した。90%RHで観察された総取り込みは19.0%であり、これは7.3当量の水に相当した。DVS後XRPD分析は、形態Vが変化しないで残ることを示した。FT-IR分析は、非晶質の化合物1と比較していくつかの差異を示した。H NMR分析は、1.0当量のN-(ヒドロキシエチル)ピロリジンを示した。HPLC分析は、99.6面積%の純度を示した。1週間安定性の結果を(表12a)に示す。80℃で0.9%の面積減少を除いて、純度の損失は観察されなかった。パターン2は、いくつかの小さな変化が80℃で認められたことを除いて、変化しないで残ることが観察された(図19)。水和試験及び不均化実験は、24時間後に固体を示さなかった。熱力学的溶解度試験(表12b)は、pH8.0及び8.5について溶解度>39mg/mL、pH7.4について溶解度>45mg/mLを示した。
【表15】
【表16】
【0638】
概要
一次塩スクリーニングは、調べた11個の対イオンのうちの9個からの塩を突き止めた。19個の対イオンを樹脂イオン交換について調べ、これらのうち11個は、イオン交換が成功したことを示した。塩の大部分から1つの塩パターンが同定された。N-メチルグルカミン、トロメタミン、L-リジン、L-アルギニン、エタノールアミン、及びアンモニアについて1つの結晶形態が観察された。カリウムについて5つの塩形態が同定された。2つの結晶形態が、N-(ヒドロキシエチル)ピロリジンについて観察された。ビス-N-エチルグルカミンについても2つの結晶形態が観察された。形態I(トロメタミンパターン1)及び形態V(N-(ヒドロキシエチル)ピロリジンパターン2)をスケールアップした。これらの塩形態の特性を表13に要約する。トロメタミン塩は1週間の安定性を示し、溶解度はpH8及び8.5で≦45mg/mL、pH7.4で29mg/mLであった。トロメタミン塩は、吸湿性であることが見出されたビス-N(ヒドロキシエチル)ピロリジン塩と比較して、水和されていることが観察された。トロメタミン塩パターン1は、ナトリウム塩パターン3と比較して好ましい特性を有することが見出された。1週間の安定性試験中の形態変換及び80℃での純度の大きな低下を示したナトリウム塩パターン3と比較して、安定性の改善が観察された。パターン3ナトリウム塩をスケールアップした。ナトリウム塩と比較して、トロメタミン塩について、pH7.4でのより高い溶解度も観察された。
【表17】
【0639】
実施例2.トリス塩特性(形態I、形態II、形態III、及び形態IV)
分析方法
X線粉末回折(XRPD)XRPD分析は、PIXcel検出器(128チャネル)を備えたPANalytical X’pert proで行い、試料を3~35°2θで走査した。材料を穏やかに粉砕して凝集物を放出させ、Kapton又はMylarポリマーフィルムを有するマルチウェルプレート上に載せて試料を支持した。次に、マルチウェルプレートを回折計に入れ、Cu K放射線(α1λ=1.54060Å;α2=1.54443Å;β=1.39225Å;α1:α2比=0.5)を使用し、40kV/40mA発生器設定を用いて透過モード(工程サイズ0.0130°2θ、工程時間18.87s)で実行して分析した。データを可視化し、HighScore Plus 4.7デスクトップアプリケーション(PANalytical,2017)を使用して画像を生成した。
【0640】
偏光顕微鏡法(PLM)結晶性(複屈折)の存在は、交差偏光レンズ及びMoticカメラを備えたOlympus BX50顕微鏡を使用して判定した。Motic Images Plus 2.0を使用して画像を撮影した。全ての画像は、特に明記しない限り、20倍対物レンズを用いて記録した。
【0641】
ホットステージ光学顕微鏡法Moticカメラ及び画像撮影ソフトウェア(Motic Images Plus 2.0)を備えたOlympus BX50偏光顕微鏡に連結されたコントローラユニットが接続された較正済Linkam THM600ホットステージを使用して、熱事象を視覚的に監視した。約0.5mgの材料を顕微鏡カバースリップ上に置き、10℃/分の速度で加熱し、画像を通常の間隔で撮影して、任意の熱転移を記録した。全ての画像は、特に明記しない限り、10倍対物レンズを用いて記録した。
【0642】
熱重量分析/示差走査熱量測定(TGA/DSC)約5~10mgの材料を、予め風袋を計った開放アルミニウムパンに加え、TA Instruments Discovery SDT 650自動同時DSC又は同時熱重量/示差熱分析器(TG/DTA)に装填し、室温で保持した。次いで、試料を10℃/分の速度で30℃から400℃まで加熱し、その際に試料重量の変化を熱流応答(DSC)又は任意の示差熱事象(DTA)と共に記録した。窒素を、試料パージガスとして、TG/DSCについては200cm3/分、又はTG/DTAについては300cm3/分の流量で使用した。
【0643】
示差走査熱量測定約1~5mgの材料をアルミニウムDSCパンに秤量し、アルミニウム蓋で非気密に密封した。次いで、試料パンを、RC90冷却器を備えたTA Instruments Discovery DSC 2500示差走査熱量計に装填した。試料及び参照を10℃/分の走査速度で220℃に加熱し、得られた熱流応答をモニターした。試料を20℃に再冷却し、次いで、全て10℃/分で再び220℃に再加熱した。パージガスとして窒素を50cm3/分の流量で使用した。あるいは、変調DSCを使用した。
【0644】
赤外分光法(IR)赤外分光法は、Bruker ALPHA P分光計で行った。十分な材料を分光計のプレートの中心に置き、以下のパラメータを用いてスペクトルを得た。
・分解能:4cm-1
・バックグラウンドスキャンタイム:16スキャン
・試料スキャンタイム:16スキャン
・データ収集:4000~400cm-1
・結果スペクトル:透過率
・ソフトウェア:OPUSバージョン6
【0645】
核磁気共鳴(NMR)NMR実験は、プロトンに対して500.23MHzで動作するPRODIGYクライオプローブ又はプロトンに対して500.12MHzで動作するDCHクライオプローブを備えたBruker AVIIIHDスペクトル計で行った。実験をD2O又はDMSO-d6中で行い、各試料を約10mM濃度に調製した。
【0646】
動的蒸気収着(DVS)約10~20mgの試料をメッシュ蒸気収着天秤皿に入れ、Surface Measurement SystemsによるDVS Advantage動的蒸気収着天秤に装填した。試料を10%刻みで40~90%相対湿度(RH)の傾斜プロファイルに供し、25℃で安定な重量が達成されるまで(dm/dt 0.004%、最小工程長30分、最大工程長120分)、各工程で試料を維持した。収着サイクルの完了後、同じ手順を使用して試料を0%RHまで乾燥させ、次いで第2の収着サイクルでは40%RHに戻した。追加のサイクルを40℃及び60℃で行った。機器温度を変化させて2時間平衡化させた。収着/脱着サイクル中の重量変化をプロットして、試料の吸湿性を判定した。次いで、保持された任意の固体についてXRPD分析を行った。
【0647】
可変温度X線粉末回折(VT-XRPD)VT-XRPD分析は、温度チャンバを備えたPhilips X’Pert Pro Multipurpose回折計で行った。試料を、Cu K線(α1λ=1.54060Å;α2=1.54443Å;β=1.39225Å;α1:α2比=0.5)を用いて4~35.99°2θで走査し、40kV/40mA発生器設定を使用して、Bragg-Brentanoジオメトリ(工程サイズ0.008°2θ)で実行した。
【0648】
可変湿度粉末X線回折(VH-XRPD)VH-XRPD分析は、湿度チャンバを備えたPhilips X’Pert Pro Multipurpose回折計で行った。試料を、Cu K放射線(α1λ=1.54060Å;α2=1.54443Å;β=1.39225Å;(α1:α2比=0.5)4~35.99°2θで走査し、40kV/40mA発生器設定を使用して、Bragg-Brentanoジオメトリ(工程サイズ0.008°2θ)で実行した。受け取ったパターン1の測定は、40%RH、0%RH、及び40%RHで行った。0%RHで約10分後及び0%RHで合計約100分後に、2回の測定を0%RHで行った。
【0649】
高速液体クロマトグラフィ-紫外線検出(HPLC-UV)
・機器:Dionex Ultimate 3000
・カラム:Agilent Zorbax Eclipse Plus C18、150×3mm、3.5μm
・カラム温度:25℃
・オートサンプラ温度:周囲温度
・UV波長:246nm
・注入量:5μl
・流量:1.2ml/分
・移動相A:水中50mM酢酸アンモニウム
・移動相B:アセトニトリル、
・希釈剤:水:メタノール70:30v/v
・作業濃度:0.4mg/mL
-勾配プログラム:
【表18】
【0650】
溶媒溶解度スクリーニング
化合物1ビス-トリス塩の非晶質バッチを、高速回転蒸発(例えば、メタノール溶液から)又はAPI溶液の凍結乾燥(溶解度に依存する)によって調製した。有機溶媒及び水性溶媒の溶解度スクリーニングを、32の溶媒系を用いて行った。
【0651】
溶解度スクリーニングを以下のように行った。約10mgの凍結乾燥材料に、適切な溶媒系を50μLのアリコートで添加し、固体が残っている場合、バイアルを約40℃に穏やかに加熱して溶解を補助した。溶解度評価に使用される溶媒系は、表14に見出すことができる。材料が完全に溶解するまで、又は1mLの適切な溶媒系が添加されるまで(<10mg/mL)、溶媒添加を続けた。評価から回収した透明な溶液のキャップを外し、周囲温度で蒸発させて固体を回収した。スラリー又は蒸発を介して生成された任意の固体をXRPDによって分析して形態を判定した。
【表19】
【0652】
一次多形スクリーニング
化合物1ビス-トリス塩の第2のバッチを通常の方法(例えば、凍結乾燥、回転蒸発、粉砕、又は急冷)によって調製して、無秩序な開始点を提供し、種材料の存在を最小限にした。多形スクリーニングを、任意の潜在的な無水形態又は溶媒和形態を同定するために、24の溶媒系において行った。調べた結晶化条件には、熱サイクル、蒸発、冷却、貧溶媒添加、及び溶媒滴下粉砕が含まれていた。一次多形スクリーニングを以下のように行った。水中での凍結乾燥からの約50mgの低結晶性の形態Iに、適量の溶媒系を添加してスラリーを形成した。使用した溶媒の量については表15を参照されたい。
【0653】
溶媒系は、おおよその溶解度スクリーニングの結果に基づいて選択した。溶解性を高めるために、エチレングリコールと水との混合物を使用した。温度サイクリングを、周囲温度と40℃との間で、4時間サイクルで約72時間、撹拌しながら行った。約24時間後、更なる溶媒を添加したところ、実験では不動のスラリーであることが観察され(1,4-ジオキサン:水59:41v/v、2-プロパノール:エチレングリコール50:50v/v、エタノール:エチレングリコール50:50v/v、DMA:エチレングリコール50:50v/v、THF:エチレングリコール50:50v/v、メタノール:水48:52v/v及びDMA:水50:50v/v)、更なる固体を溶液又は薄いスラリーに添加した(2-MeTHF:エチレングリコール50:50v/v、1,4-ジオキサン:エチレングリコール50:50v/v、エチレングリコール、水及びアセトン:エチレングリコール50:50v/v)。約48時間後、更なる固体を2-MeTHF:エチレングリコール50:50v/vに添加し、これは溶液であることが観察され、更なる溶媒を酢酸メチル実験に加えた。温度サイクリング後、固体を、0.22μmナイロンフィルタを使用して遠心分離によって単離し、XRPDによって分析した。次いで、得られた飽和溶液を、急速冷却、周囲環境での貧溶媒添加、周囲環境での低速蒸発、及び溶媒滴下粉砕のために4つに分けた。
【表20】
【0654】
その後の結晶化実験を以下のように行った。急速冷却:化合物1のトリス塩の飽和溶液を冷蔵庫(5℃)中で約4日間保存し、次いで-18℃に移したところ、分析のための固体が観察されなかったか、又は分析に不十分な量の固体が観察された。低速蒸発:飽和溶液を2mLバイアルに移し、キャップを外し、周囲温度及び圧力で蒸発させて、固体材料を回収した。貧溶媒の添加:貧溶媒を周囲温度で飽和溶液に撹拌しながら滴下した。使用した貧溶媒及び量を表16に示す。材料が不十分であった場合、実験物を5℃で保存して沈殿を促進した。溶媒滴下粉砕:水中での凍結乾燥からの約20mgの低結晶性のパターン1に、1~2滴の飽和溶液を添加し、2×2.8mmビーズミルビーズを添加した。実験物をビーズミルに入れ、6000rpmで、10×90秒間隔で振盪し、各間隔の間に10秒間の休止を入れた。合計4サイクルを実施した。
【表21】
【0655】
全ての固体をXRPDによって特徴付け、穏やかに乾燥させ、TG/DSC、NMR、FT-IR、及びPLM(材料が許容される場合)によって再分析した。XRPD試料を高温(例えば40℃)で乾燥させ、XRPDによって再分析した。
【0656】
pH7.4のPBSでのパターン3実験
このパターンを調査し特徴付けるために、pH7.4のPBSでの実験を実施して、新しい形態IIIを生成する実験を繰り返した。実験は以下のように行った。1.3mLのpH7.4 PBSを約121mgの形態Iに添加して、スラリーを作製した。0.2MのNaOHを用いて、pHをpH7.20から7.47に調整した。実験物を周囲温度で約24時間撹拌した。約24時間後、pHをpH7.21から7.44に調整した。固体を、0.22μmナイロンフィルタを使用して遠心分離により単離し、XRPDにより分析した。次いで、固体を真空下、周囲温度で約17時間乾燥させ、XRPDによって再分析した。
【0657】
更なる特徴付けを行うために、pH7.4のPBSでの実験を1g規模で繰り返した。実験は以下のように行った。10.7mLのpH7.4のPBSを約1gの形態Iに添加して、スラリーを作製した。0.2MのNaOHを用いて、pHをpH7.22から7.41に調整した。実験物を周囲温度で約24時間撹拌した。約24時間後、pHをpH7.16から7.41に調整した。スラリーをPLMによって分析した。約1mLのスラリーを、0.22μmナイロンフィルタを使用して遠心分離により単離し、XRPDにより分析した。固体を、グレード1濾紙を用いたブフナー濾過によって単離し、濾紙上、真空下で約1時間乾燥させた。XRPD分析を乾燥固体に対して行った。
【0658】
形態IIIの安定性試験
7日間の安定性試験を、開放バイアル中、40℃/75%RH及び周囲温度で形態IIIについて行った。80℃は、閉鎖した20mLバイアル内の開放した2mLバイアル中で行った。
【0659】
形態IV
80℃での安定性試験後に形態IIIから得られた形態IVを、特徴付けを得るために以下のように調製しようとした。約24mgの形態IIIを2mLバイアルに秤量し、80℃で約18時間開放乾燥し、次いで、XRPDによって分析した。形態IVは、閉鎖バイアル内で以下のように調製した。約56mgの形態IIIを2mLバイアルに秤量し、閉鎖した20mLバイアル内で、80℃で約24時間開放乾燥し、次いで、XRPDによって分析した。
【0660】
二次多形スクリーニング
二次スクリーニングでは、一次多形スクリーニングから得られた形態を調べた。形態を400~500mgにスケールアップして再現性を試験し、以下の分析を行った:XRPD;TG/DSC;DSC;NMR;PLM;VT-/VH-XRPD;熱顕微鏡法;DVS;FT-IR;U(H)PLC;40℃/75%RH(開放バイアル)、周囲温度、光及び湿度、又は25℃/60%RH(開放バイアル)及び80℃(密封バイアル)での7日間の指標安定性試験;並びに後溶解度を含む3つの培地中での溶解度。
【0661】
多形安定性試験(競合スラリー化)
化合物ビス-トリス塩の任意の無水形態間の競合スラリー実験を、選択された溶媒中の各形態の約1:1wt/wt混合物を用いて室温及び高温(例えば60℃)で、最大4種の溶媒中で行い、約48時間撹拌した。得られた材料をXRPDにより分析して、形態を確認した。
【0662】
単結晶成長
形態Iの結晶を、以下の手順を用いて成長させた。約10mgの形態Iを9個の2mLバイアルに秤量した。100、150、又は200μLの溶媒を添加した。使用した溶媒の量については表17を参照されたい。実験は、40℃と周囲温度との間で、4時間サイクルで約48時間の温度サイクルを行った。48時間後、エタノール:水48:52v/v、メタノール:水48:52v/v、2-プロパノール:水59:41v/v及び水実験物は、溶液であることが観察され、約5℃で保存した。48時間後、スラリーであることが観察された残りの実験物について、PLM分析を行った。スラリーを更に約4日間温度サイクリングし、次いで約5℃で保存した。
【表22】
【0663】
準安定域幅実験
準安定域幅実験を、以下の手順を用いて形態Iについて行った。形態Iを16×1.5mLバイアル中に秤量し、1mLのエタノール:水を表18に示す濃度で各バイアルに添加した。次いで、磁気撹拌棒を各実験物に加え、実験物を結晶16に入れ、0.1℃/分で、5℃~70℃で温度サイクリングを行い、4サイクルについて5℃及び70℃で1時間保持した。実験物を700rpmで撹拌した。5℃に冷却した後、実験物を25℃に加熱し、装置から取り出した。残っている固体についてXRPD分析を行った。
【表23】
【0664】
再結晶
形態Iの再結晶を以下のように実施して、出発濃度の効果を評価した。1.2g及び1.5gの形態Iを20mLバイアルに秤量した。10mLの水:エタノール68:32v/vを添加して、120mg/mL及び150mg/mLにした。スラリーを、70℃でオーバーヘッド機械撹拌しながら撹拌して溶解させた。次いで、実験物を650分かけて5℃に冷却し(0.1℃/分、6℃/時間)、5℃で保持した。約0.5mLのスラリーを、0.22μmナイロンフィルタを使用する遠心分離によって単離し、XRPDによって分析した。次いで、実験物を、グレード1濾紙を用いたブフナー濾過によって単離し、フィルタ上で約1時間乾燥させた。フィルタ上で乾燥させる前に、120mg/mLの実験物の小部分を真空下40℃で約22時間乾燥させた。乾燥固体をXRPDによって分析した。
【0665】
実施例3.ビスナトリウム塩、パターン3分析
結晶性のビス-ナトリウムパターン3材料は、40℃/75%RH(開放バイアル)で7日間の安定性試験を受けた。周囲温度、光及び湿度(開放バイアル)並びに80℃(密封バイアル)で、安定貯蔵後XRPD及びHPLC分析を用いて測定した。ビス-ナトリウムパターン3塩の溶解度を評価した。
【0666】
実施例4.高純度化合物1Aの合成
本明細書において、本発明者らは、高純度化合物1Aの製造を記載する。記載される製造プロセスは、>99%の超高HPLC純度を有する化合物1Aのキログラム規模の製造に適している。
【化24】
【0667】
化合物1Aの製造方法を上記のスキームAに示す。中間体2は、以前に記載された方法(全体が本明細書に組み込まれる、Wali et al Neuropharmacology 2016及びGuthrie et al.米国特許出願公開第2018/94018号)に従ってキログラム規模で調製することができる。
【0668】
中間体2の固体充填物を清浄な反応器に添加し、続いて30体積(量)の2-メチルテトラヒドロフラン(2-Me THF)及び6g/gの無水4Aモレキュラーシーブビーズを添加した。混合物を-5~5℃に冷却し、固体充填物、9.4当量の無水結晶リン酸をゆっくり添加し、続いて1.5当量(当量)のN-ヨードスクシンイミドを添加した。11~12℃の温度上昇及び暗黄色/褐色の懸濁液が観察された。反応混合物を-5~5℃で40分以下撹拌した。次いで、反応混合物を-5~5℃で冷却した清浄な反応器中に真空濾過し、濾過ケーキを10体積の2-MeTHFで洗浄した。合わせた濾液を清浄な反応器に入れた。12℃に予冷した重亜硫酸ナトリウム水溶液(25体積、4.4w/v%、4当量)の液体充填物を5~15℃で添加した。この添加により、有機上部層及び水性下部層の相が形成された。上部有機層を単離し、10~18℃の5体積の水で30分以下の時間、3回洗浄した。有機層に、1MのTRIS(水溶液)の液体充填物を添加して、下部水層を9~13℃で7.0~8.0のpHに調整した。TRIS充填完了後、混合物を5~10℃で20分以上撹拌した。水層を分離し、0~15℃の冷却した清浄な反応器に移した。有機層を5~10℃で、2体積の水で洗浄し、合わせた水性洗浄液を、第1の水層を入れた反応器に加えた。合わせた水層をセライト床で濾過して、溶液から濁りを除去し、0~15℃の冷却した清浄な反応器に入れた。濾液に3体積のメタノール(MeOH)を0~15℃で添加して、透明な黄色溶液を形成した。溶液を-5~5℃で撹拌し、続いて化合物1A種結晶添加(1.0重量%)を添加し、更に16~24時間撹拌して、オフホワイトのスラリーを形成した。次いで、固体化合物1Aを真空濾過によって収集し、2体積の冷MeOHで洗浄した。化合物1Aを60~70℃で、真空中で乾燥させ、次いで固体を3:1MeOH/水中で再結晶した。
【表24】
【0669】
均等物
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、上記の添付の明細書に記載される。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本開示の実施又は試験において使用することができるが、ここで好ましい方法及び材料を記載する。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数の対象物を含み得る。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される全ての特許及び刊行物は、参照により組み込まれる。
【0670】
前述の説明は、例示の目的のためにのみ提示されており、開示された正確な形態に本開示を限定するものではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
【国際調査報告】