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特表2024-514232調合物送達システム、デバイス、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】調合物送達システム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/00 20060101AFI20240322BHJP
   A45D 19/02 20060101ALI20240322BHJP
   A45D 24/22 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
A45D34/00 510
A45D19/02 B
A45D24/22 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552084
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 US2022017351
(87)【国際公開番号】W WO2022182670
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】17/187,580
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2106031
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジ・リー
(72)【発明者】
【氏名】キャロリーナ・カニャマケ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・グレズ
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040AE01
3B040AE08
(57)【要約】
調合物送達システム、調合物送達デバイス、及びそれらのための調合物カートリッジが提供される。調合物送達システムは、再利用可能なハンドルと、調合物分配アセンブリと、コントローラとを含む。調合物分配アセンブリは、往復動ノズルアセンブリと、ポンプとを含む。往復動ノズルアセンブリは、再利用可能なハンドル内に受け入れられた調合物カートリッジまたは洗浄カートリッジに流体的に結合可能である。調合物送達デバイスは、その中に調合物カートリッジを受け入れるように構成された再利用可能なハンドルと、再利用可能なハンドル内に配設された調合物分配アセンブリとを含む。調合物分配アセンブリは、流体導管と、流体導管に流体的に接続されたポンプと、往復動ノズルアセンブリと、コントローラとを含む。調合物カートリッジは、再利用可能なカートリッジ本体と、バルブフレームと、再利用可能なカートリッジ本体に可逆的に結合可能な使い捨て補充パケットとを含む。使い捨て補充パケットは、調合物パケットと、再利用可能なカートリッジ本体に挿入するように構成された本体部分とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に調合物カートリッジを受け入れるように構成された再利用可能なハンドルと、
前記再利用可能なハンドル内に配設された調合物分配アセンブリと
を含む調合物送達デバイスであって、
前記調合物分配アセンブリが、
前記調合物カートリッジの第1の調合物パケット及び第2の調合物パケットと流体的に接続するように各別に構成された少なくとも第1の流体導管及び第2の流体導管と、
前記第1の流体導管及び前記第2の流体導管に流体的に接続されたポンプと、
前記第1の流体導管、前記第2の流体導管、及び前記ポンプに流体的に接続された往復動ノズルアセンブリと、
前記再利用可能なハンドル内に配設されたコントローラと
を有し、
前記コントローラが、論理を含み、
前記論理が、実行されると、
前記調合物カートリッジを認証することと、
前記調合物カートリッジを認証することに基づいて、
前記往復動ノズルアセンブリの往復動周波数と、
前記調合物分配アセンブリを通した前記調合物カートリッジからの調合物の分配速度と
を管理する調合ルーチンを実行することと
を前記調合物送達デバイスに行わせる、調合物送達デバイス。
【請求項2】
前記調合物カートリッジと、前記調合物とをさらに含む、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項3】
前記コントローラが、論理を含み、
前記論理が、実行されると、
前記再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジを認証することと、
前記洗浄カートリッジを認証することに基づいて、前記調合物分配アセンブリを通して前記洗浄カートリッジから洗浄液を分配する洗浄ルーチンを実行することと
を前記調合物送達デバイスに行わせる、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項4】
前記洗浄カートリッジをさらに含み、前記洗浄カートリッジが、複数の洗浄液出力ノズルに流体的に接続された洗浄液貯蔵器を含む、請求項3に記載の調合物送達デバイス。
【請求項5】
前記洗浄ルーチンが、前記調合ルーチンよりも高流量で前記ポンプを作動させる、請求項3に記載の調合物送達デバイス。
【請求項6】
前記調合物分配アセンブリが、前記第1の流体導管及び前記第2の流体導管と流体接続している乱流混合チャンバを含み、前記乱流混合チャンバが、螺旋ミキサを含む、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項7】
前記調合物分配アセンブリが、前記螺旋ミキサと直列に流体的に接続された第2の螺旋ミキサを含む、請求項6に記載の調合物送達デバイス。
【請求項8】
前記乱流混合チャンバが、ポンプと前記往復動ノズルアセンブリとの間に前記第1の流体導管及び前記第2の流体導管に沿って配設される、請求項6に記載の調合物送達デバイス。
【請求項9】
前記第1の流体導管及び前記第2の流体導管が、前記乱流混合チャンバまで流体的に分離される、請求項8に記載の調合物送達デバイス。
【請求項10】
前記第1の流体導管及び前記第2の流体導管が、前記ポンプを通して流体的に分離したままである、請求項8に記載の調合物送達デバイス。
【請求項11】
前記螺旋ミキサが、2.00mmと5.00mmとの間の外径を有する、請求項6に記載の調合物送達デバイス。
【請求項12】
前記螺旋ミキサが、20.0mmと40.0mmとの間の全長を有する、請求項11に記載の調合物送達デバイス。
【請求項13】
前記螺旋ミキサが、0.75と1.25の間の長さ対直径のピッチを有し、前記長さ対直径のピッチが、
長さ対直径のピッチ=全長/[外径×混合要素の数]
と定義される、請求項12に記載の調合物送達デバイス。
【請求項14】
前記ポンプが、蠕動ポンプである、請求項6に記載の調合物送達デバイス。
【請求項15】
前記往復動ノズルアセンブリの各ノズルが、それを通る先細になった調合物チャネルを有する、請求項14に記載の調合物送達デバイス。
【請求項16】
前記コントローラが、論理を含み、
前記論理が、実行されると、前記調合物カートリッジからの前記調合物の分配時間を前記調合物送達デバイスに決定させる、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項17】
前記調合物送達デバイスが、前記再利用可能なハンドル上に配設された視覚的インジケータを含み、前記視覚的インジケータが、前記分配時間に基づいて残りの調合物量を信号で伝える、請求項16に記載の調合物送達デバイス。
【請求項18】
前記往復動ノズルアセンブリの上で前記再利用可能なハンドルに付着する引抜アダプタをさらに含む、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項19】
前記調合物が、0.8:1.0~1.2:1.0の割合での第1の調合物と第2の調合物の混合である、請求項2に記載の調合物送達デバイス。
【請求項20】
前記再利用可能なハンドル内に配設されたカートリッジ認証インターフェースをさらに含み、前記カートリッジ認証インターフェースが、前記調合物カートリッジを前記再利用可能なハンドルに挿入した後に前記調合物カートリッジの暗号化チップを読み取る、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項21】
前記調合物送達デバイスが、論理を含み、
前記論理が、前記コントローラによって実行されると、前記暗号化チップから、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、及び調合物製造日のうちの少なくとも1つを前記調合物送達デバイスに決定させる、請求項20に記載の調合物送達デバイス。
【請求項22】
前記調合物分配アセンブリが、20mL/分~40mL/分の流量で前記調合物を分配する、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項23】
前記往復動ノズルアセンブリの往復動振幅が、8.0mm~11.0mmである、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項24】
前記往復動ノズルアセンブリの往復動周波数が、6.0Hz~8.0Hzである、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【請求項25】
前記第1の流体導管及び前記第2の流体導管の各々が、それの上流端に調合物注入口を備え、各調合物注入口が、前記調合物カートリッジの中に突き出すように構成された、後方に延びる突出部として形成される、請求項1に記載の調合物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月26日に出願された米国特許出願第17/187580号、及び2021年6月8日に出願された仏国特許出願第2106031号の優先権を主張し、これらの出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、本開示は、特に、調合物を送達するためのシステム、デバイス、及びカートリッジ、並びにそれらを使用するための方法を対象とする。一実施形態では、染料成分及び顕色剤成分を有する化粧品調合物をユーザの皮膚、頭髪などに送達するように構成された1以上の方法または技術について説明する。有利には、開示する実施形態は、より良いユーザエクスペリエンス、より良い性能、及び信頼性、並びにより持続可能な構成を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本開示の代表的な実施形態による調合物送達システムの概略図である。
図2】本開示の代表的な実施形態による調合物送達デバイスの概要図である。
図3】本開示の代表的な実施形態による調合物送達システムのアプリケーションの概要図である。
図4】本開示の代表的な実施形態による調合物送達デバイスの分解斜視図である。
図5図4の調合物送達デバイスの側面断面図である。
図6】本開示の代表的な実施形態による調合物分配アセンブリの斜視図である。
図7図6の調合物分配アセンブリの側面断面図である。
図8A】本開示の代表的な実施形態による調合物カートリッジの第1の斜視図である。
図8B図8Aの調合物カートリッジの第2の斜視図である。
図9図8Aの調合物カートリッジの分解斜視図である。
図10図8Aの調合物カートリッジの側面断面図である。
図11】本開示の代表的な実施形態による調合物カートリッジを再装填する方法を示す図である。
図12】本開示の代表的な実施形態による洗浄カートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
特許請求の範囲に記載される主題の前述の態様及び付随する利点の多くは、添付の図面と併せて以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より容易に分かるようになるであろう。
【0005】
ユーザが人間の頭髪及び頭皮組織にトリートメント調合物を塗布することを可能にする1以上の方法または技術について説明する。以下の説明は、概して頭髪及び頭皮トリートメント送達システム、デバイス、及びそれらのための調合物カートリッジに関する代表例を提供する。一実施形態では、トリートメント調合物が頭髪または頭皮組織の標的部分に塗布されることは有益である。一実施形態では、例えば、色維持処置の間に着色染料を毛根に塗布するとき、頭皮付近の頭髪の一部にトリートメント調合物を塗布することが望ましい。別の例では、ある手法は、頭髪との接触を最小にしながら頭皮トリートメント調合物を直接、頭皮組織に塗布することを必要とする。
【0006】
頭髪及び頭皮トリートメント調合物を塗布するための既存のシステムは、広く使用されてきた。一例では、頭髪着色キットは、一般に、その他の用途の中でも、頭髪色の外観を変えるため、または白髪を調和させるために使用される。既存の頭髪着色システムは、使用が難しいこと、時間がかかること、対象範囲にむらがあること、結果が予測できないこと、汚れがひどいことなどを含む、いくつかの不利な点を有する。一態様では、既存の頭髪着色システムは、頭髪の新しい部分が頭皮から成長した後に毛根をブレンド及び着色することにおいて非効率的であることがあり、ここで自然の頭髪色は染めた頭髪の残存部とは異なる。本開示は、これら及び他の必要性を解決することを対象とする。
【0007】
いくつかの実施形態では、頭髪着色調合物は、少なくとも1つの染料と、別個の顕色剤とを含み、これらが制御された割合で混合される。しかしながら、「調合物」は、本開示では染料及び顕色剤に限定されない。本明細書で使用する「調合物」という用語は、一般に、染料、顕色剤、調合物、流体、またはそれらの任意の混合物のうちのいずれかを指す。本開示では、「調合物」は、永続的頭髪染料、半永続的頭髪染料、顕色剤、コンディショナー、商標名ROGAINE(登録商標)で製造されるミノキシジルなどの育毛トリートメント、頭髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合補修頭髪トリートメント、流体頭髪トリートメント、流体頭皮トリートメントなどを含む。
【0008】
本開示の実施形態は、頭髪及び頭皮組織の目標領域に調合物を塗布するように構成される。上述の調合物のいずれも、本明細書で説明する実施形態を使用して適切に塗布されるが、本開示は、概して、以下で説明するシステム及びデバイスによって塗布されるトリートメント調合物の一例として頭髪着色調合物を指す。しかしながら、システム、デバイス、カートリッジ、及び方法のいずれも、上述の調合物のいずれかと共に利用され得ると諒解されたい。
【0009】
図1は、本開示による1つの代表的な調合物送達システム100を示す。調合物送達システム100は、調合物製品ライン102と、調合物送達デバイス104と、オプションのアプリケーション106とを含む、いくつかの異なる特徴を含み、これらが一緒に、カスタマイズされたユーザエクスペリエンスを可能にする。
【0010】
調合物製品ライン102は、異なる調合物108を含み、各々が、調合物送達デバイス104と共に使用するように構成された同じ(共通の)調合物カートリッジ110タイプに保管されている。共通の調合物カートリッジタイプのカートリッジは、一般に調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルのカートリッジ空洞に挿入されるように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、調合物カートリッジ及び洗浄カートリッジは、共通の断面形状及び寸法を有する。さらに、共通の調合物カートリッジタイプのいくつかの実施形態は、出力ノズルの共通の数及び配置を有する。
【0011】
したがって、共通の調合物カートリッジ110タイプは、顧客が単一の調合物送達デバイス104において多くの異なる調合物を利用することを可能にする。代表的な調合物カートリッジ110タイプについては、図8A図10において以下で説明し、代表的な洗浄カートリッジ112については、図12で説明する。
【0012】
代表的な実施形態では、調合物製品ライン102は、頭髪着色調合物及び頭皮トリートメント調合物を含む。他の代表的な実施形態では、調合物製品ライン102は、その各々が、同じ調合物カートリッジ110タイプ内に保管された、以下の異なる調合物、すなわち永続的頭髪染料及び顕色剤、半永続的頭髪染料及び顕色剤、シャンプー、コンディショナー、ミノキシジルなどの育毛トリートメント、頭髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合補修頭髪トリートメント、及び流体頭皮トリートメントのうちの少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個を含む。またさらに代表的な実施形態では、調合物製品ライン102は、同じ調合物カートリッジ110タイプのオプションの洗浄カートリッジ112に加えて、上記の組合せのいずれかを含む。
【0013】
調合物カートリッジ110タイプは、調合物送達デバイス104のハンドルに、詳細にはハンドルのカートリッジ空洞に挿入するように構成された細長い形状及び寸法を有する。調合物送達システム100のいくつかの実施形態では、細長い外側ハウジングは、調合物を含む調合物カートリッジ110と洗浄カートリッジ112との間で異なる構成を有するが、共通の形状及び寸法を持つ。例えば、いくつかの実施形態では、調合物を含んでいる調合物カートリッジ110は、図8A図10に示す部分的に再利用可能な実施形態の構成を有し、洗浄カートリッジ112は、同様の形状及び寸法を有するが、異なる材料及び成分を有する。
【0014】
調合物カートリッジ110タイプの別の特徴は、複数の液体出力ノズルであり、これらは同じ大きさであり、調合物カートリッジ110の遠位(前方)端に、対応する複数の液体注入口(例えば、第1の調合物注入口)と流体的に接続する構成で配置される。いくつかの実施形態では、液体出力ノズルは、調合物カートリッジ110に配設された調合物パケットのバルブである。
【0015】
調合物送達デバイス104に挿入するように、及び第1の調合物及び第2の調合物を保管するように構成された、代表的な調合物カートリッジ110タイプについて、図8A図10において以下で説明する。
【0016】
共通の調合物カートリッジ110タイプである(すなわち、共通の外部寸法及び複数の液体出力ノズルを有する)洗浄カートリッジ112は、ユーザが、調合物送達デバイス104の流体導管を通して洗浄カートリッジ112から洗浄液(例えば、水)を流し、それによって調合物送達デバイス104の残留調合物を洗い流す洗浄ルーチンを実行することによって、調合物送達デバイス104をきれいにすることを可能にする。有利には、洗浄カートリッジ112及び洗浄ルーチンは、調合物送達デバイス104のかなりの部分が異なる調合物に再利用されることを可能にし、それによって無駄及びコストを減らす。
【0017】
洗浄カートリッジ112は、外側ハウジングの内部に配設された補充可能な洗浄液貯蔵器を含み、これが複数の出力ノズルに流体的に接続される。したがって、ユーザは、洗浄液貯蔵器を水などの洗浄液で満たし、調合物送達デバイス104上でいくつかの洗浄ルーチンを実行し、洗浄液貯蔵器を補充することができる。
【0018】
調合物送達デバイス104は、ユーザと、調合物カートリッジ110と、場合によってはアプリケーション106と対話してカスタマイズされ、個人化されたユーザエクスペリエンスを提供するコネクテッド型電気機械器具である。代表的な調合物送達デバイス及びそれのサブシステムについて、図4図7に関して以下で説明する。
【0019】
一般に、調合物送達デバイス104は、調合物カートリッジ110タイプを受け入れるように構成された再利用可能なハンドル、並びに、共に再利用可能なハンドルに配設された調合物分配アセンブリ及びコントローラを含む。調合物分配アセンブリは、電動ポンプに、及び往復動ノズルアセンブリに流体的に接続された少なくとも1つの流体導管を備え、調合物または洗浄液を調合物カートリッジ110から引き出し、往復動ノズルアセンブリを通して調合物または洗浄液をユーザの頭髪部分、頭皮部分、または身体部分に分配するように構成される。
【0020】
コントローラは、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジまたは調合物カートリッジを示す1以上の入力に応答して、少なくとも洗浄ルーチンと調合ルーチンとの間で切り替えるように構成される。コントローラは、所与の時間に再利用可能なハンドルに挿入される調合物カートリッジ110にどの調合物108が保管されているかを認証するために、調合物カートリッジ110上に配設された暗号化チップを読み取るために、再利用可能なハンドル内のカートリッジ認証インターフェースの暗号化チップリーダーと通信する。いくつかの実施形態では、コントローラはまた、洗浄カートリッジ112が再利用可能なハンドルにいつ挿入されるかを認証する。認証された調合物108または洗浄カートリッジ112に基づいて、コントローラは調合物送達デバイス104に、認証された調合物を調合物カートリッジから調合物分配アセンブリを通して分配する調合ルーチンを実行させる。認証された洗浄カートリッジ112に基づいて、コントローラは調合物送達デバイス104に、調合物分配アセンブリを通して洗浄液を分配する洗浄ルーチンを実行させる。
【0021】
アプリケーション106は、非一時的機械可読記憶媒体上で動作するように構成された論理を含み、またユーザエクスペリエンスを個人化し、役立つ分析を提供し、電子商取引を可能にするモジュールを含む。アプリケーション106は、スマートフォン、タブレットなどのモバイルデバイス114で動作し、図3に関して以下で説明する複数のモジュールを通してすぐに使用可能な情報を提供するためにユーザ(例えば、エンドユーザまたはサロンの技術者)と対話する。いくつかの実施形態では、アプリケーション106は、調合物送達デバイス104、及びモバイルネットワーク、クラウドベースのエンタープライズネットワーク、ローカルエリアネットワークなどのネットワーク116と通信する。
【0022】
調合物製品ライン102、調合物送達デバイス104、及びアプリケーション106は一緒に、改善され、カスタマイズされたユーザエクスペリエンスを提供する。調合物送達システム100の上記の要素の各々について、次に詳細に説明する。
【0023】
図2は、代表的な調合物送達デバイス200の概要図を、それのいくつかの代表的な特徴の理解を容易にするために示す。調合物送達デバイス200は、図1の調合物送達デバイス104と同じ特徴を有すると理解されたい。
【0024】
調合物送達デバイス200は、共通の調合物カートリッジタイプ(洗浄カートリッジ112を含む)を可逆的に受け入れるように構成された中空の細長い部分を有する再利用可能なハンドル202を含む。再利用可能なハンドル202はまた、プロセッサ206及びいくつかのモジュール(以下で説明する)を格納するデータストア208を含むコントローラ204、カートリッジ認証インターフェース210、電源212、調合物分配アセンブリ214、並びにオプションの位置センサ216を含む、いくつかのサブアセンブリを収納する。
【0025】
電源212は、いくつかの実施形態では、家庭用交流コンセントに差し込むことによって充電されるように構成された充電式バッテリ(例えば、リチウムイオンバッテリ)などの、直流(DC)電源である。他の実施形態では、電源212は、調合物送達デバイス200に電力を供給するために電気コード(図示せず)を利用する一般的な家庭用交流(AC)などの交流電源である。
【0026】
調合物分配アセンブリ214は、調合物カートリッジ110からユーザの頭皮または頭髪に調合物及び/または洗浄液を提供する。一実施形態では、調合物分配アセンブリ214は、(調合物カートリッジ110の第1の液体出力ノズルと結合する)第1の調合物注入口に流体的に接続された第1の流体導管と、(調合物カートリッジ110の第2の液体出力ノズルと結合する)第2の調合物注入口に流体的に接続された第2の流体導管と、モータ218と、モータ218によって駆動されるポンプ220と、同じくモータ218によって駆動される往復動ノズルアセンブリ222とを含む。
【0027】
カートリッジ認証インターフェース210は、再利用可能なハンドル202に配置された、RFIDリーダー、近距離場リーダーなどであり、調合物カートリッジ110がその中に挿入されると、カートリッジ認証インターフェース210が、以下で説明する調合ルーチンモジュール226に関連して調合物カートリッジを認証するために、調合物カートリッジ224上に配設された暗号化チップを読み取る。
【0028】
オプションの位置センサ216は、ユーザの頭皮または頭髪に対する調合物送達デバイス200の位置及び向きの決定を単独でまたは集合的に支援する1以上のセンサを含む。いくつかの実施形態では、位置センサ216は、1以上の加速度計、タッチセンサ(例えば、静電容量タッチセンサ)、近接センサ(例えば、光近接センサ)などを含む。位置センサ216から送信された信号は、ユーザの頭髪または頭皮への調合物塗布の精度及び効率を上げるために、コントローラ204、及びそれのいくつかのモジュールによって使用される。
【0029】
コントローラ204は、電源212、カートリッジ認証インターフェース210、調合物分配アセンブリ214、及びオプションの位置センサ216に動作可能に接続される(例えば、電気的に接続される)。コントローラ204は、プロセッサ206(例えば、汎用処理ユニット、画像処理ユニット、もしくは特定用途向け集積回路)、データストア926(有形機械可読記憶媒体)、ソフトウェア論理(例えば、実行可能ソフトウェアコード)、ファームウェア論理、ハードウェア論理として実装された複数のモジュール、またはそれらの様々な組合せを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ204は、以下で説明するモジュールのいずれかからの信号をモバイルデバイスに送信し、モバイルデバイスから送信された信号を受信するトランシーバを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、インターネット、セルラーネットワーク、RFネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、または他のネットワークを介して、調合物カートリッジ224(暗号化チップ)、洗浄カートリッジ228、カートリッジ認証インターフェース210、モバイルデバイス及びそれに記憶されたアプリケーション、並びに/または他のネットワーク要素を含む、調合物送達システムとの通信を可能にするように構成された回路を有する通信インターフェースを含む。したがって、通信インターフェースは、ワイヤレスプロトコル(例えば、WIFI(登録商標)、WIMAX(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、セルラー、赤外線、近距離場など)及び/またはワイヤードプロトコル(ユニバーサルシリアルバスもしくはRS-216、RJ-45などの他のシリアル通信、パラレル通信バスなど)を使用して通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、コントローラ204及び他のネットワーク要素(例えば、調合物カートリッジ110)が互いを識別し、制御情報(調合物カートリッジ110に保管されている調合物の識別情報)を交換することを可能にする発見プロトコルを開始するように構成された回路を含む。一実施形態では、通信インターフェースは、発見プロトコルを開始して1以上の事前共有鍵と交渉するように構成された回路を有する。
【0031】
データストア208は、機械(例えば、プロセッサ206、またはモバイルデバイス114)によってアクセス可能な非一時的形態で情報を記憶する機構を含む、有形機械可読記憶媒体である。例えば、機械可読記憶媒体は、記録可能/非記録可能媒体(例えば、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)を含む。
【0032】
以下で説明するモジュールは、代表であり、限定ではない。したがって、コントローラ204のいくつかの実施形態は、さらなるモジュールを含むが、他の実施形態は、全てのモジュールよりも少ないモジュールを含む。
【0033】
カートリッジ認証モジュール230は、再利用可能なハンドル202に挿入されるいずれかの調合物カートリッジ224または洗浄カートリッジ228を認証するために、カートリッジ認証インターフェース210と通信する。例えば、調合物カートリッジ224を再利用可能なハンドル202に挿入すると、カートリッジ認証インターフェース210は、調合物カートリッジ224上に配設された暗号化チップから暗号化された情報を読み取る。カートリッジ認証インターフェース210が暗号化チップから暗号化された情報を正常に読み取る場合、カートリッジ認証モジュール230は、調合物送達デバイス200、例えば調合ルーチンモジュール226を「ロック解除する」。しかしながら、カートリッジ認証インターフェース210が、再利用可能なハンドル202に挿入された調合物カートリッジを正常に認証することができない場合、カートリッジ認証モジュール230は調合物送達デバイス200をロック解除しない。例えば、調合物カートリッジが偽造カートリッジまたは粗悪な調合物を含む別のカートリッジである場合、カートリッジ認証モジュール230は、調合物送達デバイス200の機能をロック解除しない。このようにして、カートリッジ認証モジュール230は、有利にはユーザが害されることまたは経験が乏しいことを予防する。
【0034】
カートリッジ認証モジュール230は、いくつかの実施形態では、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、及び調合物製造日のうちの1以上を含む、暗号化チップからの追加情報を読み取るように構成される。そのような実施形態では、カートリッジ認証モジュール230は、後で使用するために他のモジュールに追加情報を送信する。
【0035】
調合ルーチンモジュール226は、異なる調合物のための複数の調合ルーチン(例えば、ヘアケア調合ルーチン)を記憶し、カートリッジ認証モジュール230によって認証された調合物カートリッジ224に基づいて、調合物分配アセンブリ214に1以上の調合ルーチンを実行させる。調合ルーチンが、認証された調合物108を調合物カートリッジ224から往復動ノズルアセンブリ222を通して分配する。例えば、ヘアケア調合ルーチンが、1以上のヘアケア調合物を往復動ノズルアセンブリ222から、特定の分配時間の間、ポンプの特定の液体流量、ノズル往復動周波数及び/または往復動ノズルアセンブリ222の往復動振幅、及び/または調合ルーチンモジュール226に記憶された調合ルーチンによって指定される他のデバイス動作パラメータで分配する。このようにして、調合物送達デバイス200は、より効果的な頭髪及び頭皮トリートメントのために、調合物送達デバイスに挿入された、認証された調合物カートリッジ224に保管された特定の調合物に基づいて、1以上のデバイス動作パラメータを調整する。
【0036】
いくつかの実施形態では、調合ルーチンモジュール226は、認証された調合物の分配時間に基づいて、調合物分配アセンブリを通した調合物カートリッジからの認証された調合物の分配量を決定する。分配時間及び/または分配量に基づいて、調合ルーチンモジュール226は、再利用可能なハンドル202上の視覚インジケータに残りの調合物量を信号で伝えさせる。これは、調合物カートリッジがいつ交換される必要があるかをユーザが予想する助けとなり、追加の調合物カートリッジを便利に調達するために接続されたアプリケーションの電子商取引モジュールを利用するようユーザを促す。
【0037】
洗浄ルーチンモジュール232は、洗浄ルーチンを記憶し、洗浄カートリッジ228(洗浄液で満たされた貯蔵器を有する)が再利用可能なハンドル202に挿入され、カートリッジ認証モジュール230によって認証された後に、調合物分配アセンブリ214に洗浄ルーチンを実行させる。洗浄ルーチンは、調合物分配アセンブリ214内の残留調合物を排出するために、認証された洗浄カートリッジ228から往復動ノズルアセンブリ222を介して(例えば、所定の時間の間、所定の流量で)洗浄液を分配する。洗浄ルーチンは、例えば、1つの調合物が調合物送達デバイス200で利用された後に、ただし第2の異なる調合物が利用される前に、有効である。いくつかの実施形態では、洗浄ルーチンは、残留調合物を全て除去するために、調合ルーチンモジュール226によって記憶された1以上の(または全ての)調合ルーチンよりも高い流量でポンプ220を作動させる。
【0038】
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジまたは調合物カートリッジを示す1以上の入力に応答して、少なくとも洗浄ルーチン(洗浄ルーチンモジュール232によって提供される)と調合ルーチン(調合ルーチンモジュール226によって提供される)との間で切り替えるように構成される。代表的な入力は、カートリッジ認証モジュール230によって提供される調合物カートリッジまたは洗浄カートリッジの認証を含む。
【0039】
本開示の方法によれば、調合物送達デバイスのいずれかを洗浄する方法は、洗浄液で少なくとも部分的に満たされた洗浄カートリッジを調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルに挿入するステップと、調合物分配アセンブリを介して分配された洗浄液がきれいになるまで洗浄ルーチンを実行するステップとを含む。
【0040】
電力管理モジュール234は、コントローラ204、カートリッジ認証インターフェース210、調合物分配アセンブリ214、及び位置センサ216のうちの1以上に、電源212から電力を提供する。加えて、電力管理モジュール234は、スリープ状態(受動状態)とアウェイク状態(能動状態)との間で調合物送達デバイス104を切り替えることによって、利用可能な電力源を温存する(例えば、バッテリ寿命を温存する)。
【0041】
スリープ/アウェイクモジュール236は、調合物送達デバイス200がアウェイク状態であるか、それともスリープ状態であるかを管理する。調合物送達デバイス200は、デフォルトでスリープ状態であり、それによって電源212から調合物分配アセンブリ214、カートリッジ認証インターフェース210、及び/またはコントローラ204に電力はほとんど供給されない。スリープ状態では、調合物送達デバイス200は、調合ルーチンまたは洗浄ルーチンを実行することができない。アウェイク状態では、比較すると、コントローラ204、カートリッジ認証インターフェース210、調合物分配アセンブリ214、及び位置センサ216は、調合物送達デバイス104が1以上の調合ルーチンまたは洗浄ルーチンを実行できるように、十分に電力供給される。いくつかの実施形態では、調合物送達デバイス104は、再利用可能なハンドル202に配設されたボタンをプッシュすることによって、または調合物カートリッジ224もしくは洗浄カートリッジ228を再利用可能なハンドル202に挿入することによって、「目覚めさせられ」、すなわちスリープ状態からアウェイク状態にされる。いくつかの実施形態では、調合物送達デバイス200は、所定の不活動期間(例えば、120秒の不活動)の後、スリープ状態に戻る。
【0042】
位置モジュール238は、調合物送達デバイス200の位置を決定するために位置センサ216によって提供される位置信号を利用し、この位置情報は次いで、調合ルーチン、例えば較正ルーチンの実行を容易にするために、調合ルーチンモジュール226に提供される。いくつかの実施形態では、位置モジュール238は、例えば、較正ルーチン(以下で説明する)の実行を可能にするために、及び/またはアプリケーションが位置信号に基づいて正確な塗布指示を表示することを可能にするために、(トランシーバを介して)モバイルデバイス上に記憶されたアプリケーションに位置信号を提供する。
【0043】
図3は、代表的なアプリケーション300の概要図を示し、この代表的なアプリケーション300は、図1のアプリケーション106の全ての特徴を有し、本開示の全ての調合物送達システム及び調合物送達デバイスに適合すると理解されたい。上述のように、アプリケーション300は、デバイス、例えばスマートフォンまたはタブレットなどのモバイルデバイス上で動作するように構成される。1つの代表例として、アプリケーション300は、ネットワーク304に接続されたモバイルデバイス302のコンテキストで説明されるが、これは限定ではない。
【0044】
モバイルデバイス302は、ディスプレイ306(例えば、LEDまたはLCDディスプレイ)と、プロセッサ308と、複数のモジュールを記憶するデータストア310とを有する。「プロセッサ」、「データストア」、及び「モジュール」という用語は、コントローラ204に関して上記で説明したものと、及び代表的な調合物送達デバイスに関連して以下で使用するものと、同じ意味を有する。
【0045】
以下で説明する各モジュールは、ディスプレイ306上の1以上のユーザインターフェースを提示する。ディスプレイ306は、その上でユーザ入力を受け取るように構成されたタッチセンシティブディスプレイである。したがって、各モジュールに対して、ディスプレイ306上に提示されたユーザインターフェースは、情報を表示することと、ユーザ入力を受け取ることの両方を行うように構成される。
【0046】
アプリケーション300は、ユーザプロファイルモジュール312及びユーザルーチンモジュール314などの、ユーザエクスペリエンスを個人化するいくつかのモジュールを含む。以下で説明するモジュールは代表であり、限定ではない。したがって、アプリケーション300のいくつかの実施形態は、さらなるモジュールを含むが、他の実施形態は、全てのモジュールよりも少ないモジュールを含む。
【0047】
ユーザプロファイルモジュール312は、調合物送達デバイス104のユーザのための1以上のプロファイルを構築する。これらのプロファイルは、他のモジュール、例えばユーザルーチンモジュール314及び電子商取引モジュール316に入力として提供される。したがって、ユーザプロファイルモジュール312は、頭髪の色、頭髪のタイプ(例えば、縮毛、直毛)、染めている/染めていない状態、民族性、頭髪の状態(例えば、傷んでいる)、頭皮の状態(例えば、かゆみがある)、及び/または年齢を含む、1以上のユーザプロファイル入力を提供するようユーザに促す、1以上のユーザインターフェースを提供する。ユーザプロファイルモジュール312は、ユーザプロファイル入力を受け付け、記憶する。
【0048】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルモジュール312は、ユーザプロファイル入力の1以上、またはユーザプロファイル全体をユーザルーチンモジュール314に提供することによって、ユーザルーチンモジュール314と通信する。ユーザルーチンモジュール314は、次いで、ユーザのための1以上のユーザ固有のルーチンを作成するために、及び/またはディスプレイ306上で提示する1以上のチュートリアルを選択するために、ユーザプロファイル入力の1以上を利用する。
【0049】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルモジュール312は、調合物送達デバイス104と通信する。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルモジュール312は、ユーザプロファイル入力の1以上に基づいて調合ルーチンモジュールによって生成される調合ルーチンの少なくとも1つのデバイス動作パラメータ(例えば、流量、分配時間、往復動振幅、または往復動周波数)を調整する。
【0050】
ユーザルーチンモジュール314は、いくつかの実施形態では、1以上のユーザプロファイル入力に基づいてユーザごとに1以上のユーザ固有のルーチンを編み出すことによって、ユーザがコネクテッド型調合物送達デバイスを効果的に利用するのを助ける。すなわち、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザプロファイル入力によって識別された1以上の状態を効果的に処理するため、またはユーザプロファイル入力によって識別された1以上の目標を達成するために、(所定の調合ルーチンを選択するのではなく)新しい調合ルーチンを構築する。1つの代表例として、ユーザ入力が、ユーザの頭髪が染められており、傷んでもいることを示す場合、ユーザルーチンモジュール314は、配合物製品ラインからユーザの頭髪の色に対して適切な頭髪修復配合物及びシャンプー配合物を選択するユーザ固有のルーチンを構築し、ユーザの頭髪の健康を改善するために決定された間隔で、選択された頭髪修復配合物及びシャンプーを利用するためのユーザ固有のルーチンを(例えば、指示として)表示する。
【0051】
加えて、ユーザルーチンモジュール314は:a)調合ルーチン、洗浄ルーチン、及び/もしくは較正ルーチンのための1以上の受動チュートリアル、並びに/またはユーザが調合物送達デバイスを使用するとき、ユーザに指示する1以上の能動命令セットを、ディスプレイ306に表示する。
【0052】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザプロファイル入力の1以上、またはユーザプロファイル全体を、ユーザプロファイルモジュール312から受信し、次いで、受信したユーザプロファイル入力もしくはユーザプロファイルに基づいてユーザをターゲットとする受動チュートリアル(例えば、あらかじめ記録された指示ビデオ)を表示する。一例として、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザが髪を染めていることを示すユーザプロファイル入力を、ユーザプロファイルモジュール312から受信し、ユーザの頭髪を染めるために調合物送達デバイスを使用する方法をユーザに示すチュートリアルをディスプレイ306に表示する。
【0053】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンモジュール314は、コントローラを介して調合物送達デバイスの位置センサから1以上の位置信号を受信する。受信した位置信号に基づいて、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザがデバイスを使用するとき、調合物送達デバイスをどのように使用するかをユーザに指示する(例えば、調合物送達デバイスを特定の方向に、特定の速さで、特定のパターンで、特定の空間境界まで動かすための指示)。一例として、ユーザルーチンモジュール314は、位置センサから、調合物送達デバイスがユーザの左側頭部に配置されていることを示す位置信号を受信し、この受信した位置信号に基づいて、ユーザルーチンモジュール314は、頭皮トリートメント調合物を分配しながら調合物送達デバイスを左側頭部から右側頭部へ移動させることによって頭皮トリートメント調合物を塗布するようユーザに指示するビデオを表示する。
【0054】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンモジュール314は、調合物送達デバイスから位置信号を受信し、位置信号に基づいて正確な塗布指示を表示する。
【0055】
較正モジュール318は、ユーザが調合物送達デバイスを較正するのに役立ち、これは調合物送達デバイスによって実行される調合ルーチンの有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、較正モジュール318は、較正ルーチンを完了する方法をユーザに指示する受動チュートリアル(例えば、あらかじめ記録された指示ビデオ)を表示する。いくつかの実施形態では、較正モジュール318は、ユーザが調合物送達デバイスを使用するとき、及び較正モジュール318が調合物送達デバイスから位置信号を受信するとき、完了した較正ルーチンを使用する方法について指示する1以上の能動命令セットを提供する。
【0056】
1つの代表的な較正ルーチンに従って、較正モジュール318は、ユーザに調合物送達デバイスをユーザの身体部分の複数の較正場所に、例えば、特定の順序(例えば、左側頭部、次いで右側頭部、次いで前方生え際、次いで後方生え際)で配置するよう指示する。ユーザは次いで、調合物送達デバイスを較正場所の各々に移動させ、調合物送達デバイスが指定された較正場所にあるとき、及び/またはユーザが調合物送達デバイスを一方の較正場所から別の較正場所へ移動させながら、ユーザが調合物送達デバイス上のボタンを押して、または他のアクションで示す。
【0057】
調合物送達デバイスの位置センサから受信した位置信号に基づいて、較正モジュール318及び/または調合物送達デバイスは、較正場所を記録する。次いで、較正モジュール318及び/または調合物送達デバイスは、記録された較正場所に基づいて、1以上のユーザ固有のルーチンを調整する。いくつかの実施形態では、この調整ステップは、調合ルーチンモジュールに記憶された1以上の調合ルーチンの空間限界及び/または持続時間を調整することを含む。
【0058】
手動調整モジュール320は、調合物送達デバイスのより優れた制御及びよりカスタマイズされたユーザエクスペリエンスという利点のために、ユーザが調合物送達デバイスの1以上のデバイス動作パラメータ(例えば、流量、分配時間、往復動振幅、または往復動周波数)を手動で調整することを可能にする。したがって、手動調整モジュール320は、ユーザからの1以上の動作パラメータ入力を受け取るように構成された、1以上のユーザ調整可能及び仮想的なスライディングスケール、スイッチ、編集可能な値フィールドなどを有するユーザインターフェースを提示する。手動調整モジュール320は、動作パラメータ入力を受け取り、上記の動作パラメータ入力を調合物送達デバイス(例えば、調合ルーチンモジュール)に送信し、調合物送達デバイスが、対応する動作パラメータ入力に基づいて(例えば、動作パラメータ入力に適合するように)、対応するデバイス動作パラメータを調整する。
【0059】
分析モジュール322は、デバイス動作パラメータを(例えば、調合物送達デバイスから)受信し、有用な分析を計算し、これを分析モジュール322は次いで、ユーザインターフェースを介してユーザに、及び/またはネットワーク304を介して第三者に提供する。代表的な分析は、調合物使用パターン、調合物購入予測、及び調合物送達デバイスの診断を含む。いくつかの実施形態では、分析モジュール322は、追加情報を検索するために、及び/または上記の分析を計算するために、ネットワーク304(例えば、1以上のクラウドベースのサーバ上に配設された分析プラットフォーム)と通信する。
【0060】
いくつかの実施形態では、調合物送達デバイスが、位置信号をコントローラに送る位置センサと、位置信号をモバイルデバイスに送るトランシーバとを備える。調合物送達デバイスは、位置信号を分析モジュール322に送信し、分析モジュール322は、受信した位置信号に基づいてネットワーク116上で分析プラットフォームからユーザ提案を検索し、ユーザ提案を表示する。
【0061】
調合法作成モジュール324は、ユーザが1以上の調合物入力のユーザの選択に基づいて、カスタム調合物を作成することを可能にし、1以上の調合物入力は、1以上の所望の結果(例えば、所望の頭髪の色)、1以上の調合物入力(例えば、ユーザの頭髪が傷んでいるという表示)、及び/またはユーザプロファイルモジュール312に提供されたユーザプロファイル入力の1以上に対応する。したがって、調合法作成モジュール324は、ユーザプロファイルモジュール312から1以上のユーザプロファイル入力を受け取り、それらの入力に基づいてカスタム調合物を調合するように構成される。
【0062】
カスタム調合物のユーザの作成を容易にするために、調合法作成モジュール324は、各調合物入力に対応する1以上のユーザ調整可能及び仮想的なスライディングスケール、スイッチ、編集可能な値フィールドなどを有するユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、調合法作成モジュール324は、追加情報を検索するために、及び/または上記のカスタム調合物を調合するために、ネットワーク304(例えば、1以上のクラウドベースのサーバ上に配設された調合物のデータベース)と通信する。
【0063】
電子商取引モジュール316は、ユーザが(一回限り、またはサブスクリプションなどにより)調合物送達デバイスに関連する製品を購入することを可能にする購入インターフェースを提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引モジュール316は、調合法作成モジュール324(またはそれの構成要素)から1以上のカスタム調合物を検索し、ユーザがカスタム調合物を含んだ1以上の調合物カートリッジ110を購入するためのオプションを購入インターフェース上に提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引モジュール316は、ユーザプロファイルモジュール312から1以上のユーザプロファイル入力及び/またはユーザ固有のルーチン入力を検索し、ユーザプロファイル入力をターゲットにする調合物を含んだ1以上の調合物カートリッジ(例えば、ユーザ入力が傷んだ頭髪を示す場合、頭髪修復調合物を含んだ調合物カートリッジ)をユーザが購入するためのオプションを購入インターフェース上に提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引モジュール316は、洗浄カートリッジ112または調合物送達デバイス104及び/またはそれの構成要素を購入するためのオプションを購入インターフェース上に提示する。そのような購入インターフェース及び購入オプションは、分析モジュール322から検索される調合物使用パターン及び/または調合物購入予測に基づいてもよい。
【0064】
図4及び図5は、本開示の実施形態による、代表的な調合物送達デバイス400、及びそれの構成要素を示す。調合物送達デバイス400は、調合物カートリッジ402タイプ(同じタイプの洗浄カートリッジを含む)を受け入れるように構成される。調合物カートリッジ402タイプの調合物カートリッジの一実施形態について、図8A図10に関して以下で詳細に説明するが、図4に示す調合物カートリッジ402は、そこで説明するものと同じ特徴を有すると理解されたい。調合物送達デバイス400のいくつかの実施形態は、調合物カートリッジ402及び/またはオプションの引抜アダプタ(pull through adaptor)404を含む。
【0065】
調合物送達デバイス400は、ABSプラスチックまたは同様の硬質ポリマーまたは他の材料から形成された再利用可能なハンドル406を含み、いくつかの実施形態では、スナップ、ネジなどの固定要素と共に接合されるように構成された複数のシェルから形成されたアセンブリである。再利用可能なハンドル406は、中空の、細長い把持部分を有し、その中に調合物カートリッジ402タイプを受け入れるようなサイズ及び寸法のカートリッジ空洞がある。いくつかの実施形態では、空洞は、調合物カートリッジ402タイプの正確な挿入を容易にする重要な特徴を含む。例えば、いくつかの実施形態は、開口に配設され、調合物カートリッジ402が開口に正確に挿入されるとき、調合物カートリッジ402の対応するドッキング面と整合するフラットなドッキング面を有する、カートリッジインターフェース408を含む。
【0066】
再利用可能なハンドル406は、コントローラ412に加えて、調合物分配アセンブリ410(図5図7に関して以下で説明する)を収納する。調合物分配アセンブリ410及びコントローラ412は、それぞれ図2の調合物分配アセンブリ214及びコントローラ204と同じ特徴を有する。調合物分配アセンブリの実施形態について、図6及び図7に関して以下で詳細に説明するが、図4に示す調合物分配アセンブリ410は、そこで説明するものと同じ特徴を有すると理解されたい。
【0067】
調合物分配アセンブリ410は、調合物カートリッジ402から調合物または洗浄液を分配し、ポンプと、流体導管と、混合チャンバと、複数のオプションのスタンドオフ部分416の間に再利用可能なハンドル406の前方端部から離れて延びるノズル付きの往復動ノズルアセンブリ414(以下で説明する)とを含む。往復動ノズルアセンブリ414は、ユーザの皮膚または頭髪に調合物を分配しながら、再利用可能なハンドル406のトラックに沿って前後に往復する複数の環状ノズルを含む。いくつかの実施形態では、往復動ノズルアセンブリ414は、往復動振幅7.0mm~12.0mm(例えば、8.0mm~11.0mm、または9.0mm~10.0mm)で、及び/または往復動周波数5.0Hz~10.0Hz(例えば、6.0Hz~9.0Hz、6.0Hz~8.0Hz)で往復し、これらは調合ルーチンモジュール、洗浄ルーチンモジュール、ユーザルーチンモジュール、手動調整モジュール、または他のモジュールによって調整可能である。
【0068】
図5に示すように、調合物カートリッジ402は、それの中に配設された1以上の調合物パケット418を有し、それらの各々が、調合物カートリッジ402がカートリッジ空洞424に完全に挿入されると、調合物分配アセンブリ410の対応する調合物注入口422と流体的に接続する構成で、調合物カートリッジ402の遠位(前方)端部から突き出る出力ノズル420を有する。
【0069】
再利用可能なハンドル406上に配設され、コントローラ412に電気的に接続されたボタン426は、上記で説明した調合物送達デバイス400の特徴を作動させる。いくつかの実施形態では、ボタン426を押して、図2において上記で説明したモジュールのいずれかの特徴を作動させる。例えば、いくつかの実施形態では、ボタン426を押して、コントローラ412に記憶されたスリープ/アウェイクモジュールを作動させ、それによって調合物送達デバイス400をスリープ状態からアウェイク状態へ解除させる(awake)。いくつかの実施形態では、調合物カートリッジが再利用可能なハンドル406に挿入される間ボタン426を押して、コントローラ412に記憶された調合ルーチンモジュールを作動させ、それによって調合ルーチンを開始する。
【0070】
いくつかの実施形態では、洗浄カートリッジが再利用可能なハンドル406に挿入される間ボタン426を押して、コントローラ412に記憶された洗浄ルーチンモジュールを作動させ、それによって洗浄ルーチンを開始する。再利用可能なハンドル406に沿って配設された視覚的インジケータ428(例えば、LED)が、例えば、コントローラの調合ルーチンモジュールによって決定された分配時間に基づいて、残りの調合物量及び残りのバッテリ寿命のうちの1以上を示す。いくつかの実施形態は、さらなるボタン及び/または異なる機能を有する異なる数の視覚的インジケータ428を含み、図示の実施形態は限定的ではない。いくつかの実施形態では、視覚的インジケータ428はマルチセグメントLEDであり、各セグメントが調合物カートリッジに残っている調合物の等しい割合に対応する。
【0071】
コントローラ412は、(それのデータストアに記憶された)論理を含み、この論理は、コントローラ412のプロセッサによって実行されると、調合物カートリッジ402を認証するために、再利用可能なハンドル406内に配設されたカートリッジ認証インターフェース430(例えば、RFIDリーダー)に調合物カートリッジ402上の暗号化チップ432を読み取らせる。暗号化チップ432は、調合物カートリッジ402、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、及び調合物製造日のうちの少なくとも1つを記憶する。
【0072】
コントローラ412はまた、実行されると、調合物送達デバイスに、調合物カートリッジ402を認証することに基づいて、調合物カートリッジ402から調合物分配アセンブリを通して(第1の調合物及び第2の調合物の)混合された調合物を分配する調合ルーチンを実行させる論理を含む。例えば、調合物送達デバイスは、調合物カートリッジを再利用可能なハンドルに挿入した後に(または挿入する時に)第1及び第2の調合物を認証し、次いで、再利用可能なハンドル上のボタンを押すことに応答して、調合物分配アセンブリ410にボタンが押されている限り、第1及び第2の調合物を継続的にまたは断続的に混合させ、それを往復動ノズルアセンブリから以下の所定のデバイス動作パラメータ、すなわち調合物の流量、往復動周波数、及び往復動振幅のうちの1以上で分配させる調合ルーチンを実行する。
【0073】
いくつかの実施形態では、コントローラ412はまた、実行されると、調合物送達デバイスに、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジを認証することに基づいて、調合物分配アセンブリを通して洗浄液を分配する洗浄ルーチンを実行させる論理を含む。例えば、調合物送達デバイスは、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジを認証し、次いで、再利用可能なハンドル上のボタンを押すことに応答して、調合物分配アセンブリ410に、ボタンが押されている限り、往復動ノズルアセンブリから以下の所定のデバイス動作パラメータ、すなわち洗浄液の流量、往復動周波数、及び往復動振幅のうちの1以上で洗浄液(例えば、水)を継続的または断続的に分配させる洗浄ルーチンを実行する。いくつかの実施形態では、洗浄液の流量は、残留調合物を調合物分配アセンブリから効果的に洗い流すという利点のために、コントローラ412に記憶された調合ルーチンの1以上の調合物の流量よりも大きい。
【0074】
引抜アダプタ404は、往復動ノズルアセンブリ414の上で再利用可能なハンドル406に付着する。いくつかの実施形態では、引抜アダプタ404は、再利用可能なハンドル406と正しく係合すると、可聴フィードバック信号を生じる。
【0075】
図6及び図7は、本明細書で説明する調合物送達デバイス、調合物カートリッジ、及び洗浄カートリッジのいずれかに適合する、代表的な調合物分配アセンブリ600を示す。調合物分配アセンブリ600の主要な機能は、2つの異なる調合物の混合調合物を、調合物カートリッジからユーザの皮膚または頭髪に分配することである。いくつかの実施形態では、調合物分配アセンブリ600は、20mL/分~40mL/分または4分当たり120mLの流量で、例えば、20mL/分~35mL/分、20mL/分~30mL/分、20mL/分~25mL/分、25mL/分~35mL/分、25mL/分~30mL/分、または35mL/分~40mL/分の流量で、混合調合物を分配する。
【0076】
調合物分配アセンブリ600は、第1の調合物注入口602及び第2の調合物注入口604と、第1の調合物注入口602及び第2の調合物注入口604にそれぞれ流体的に接続された第1の流体導管606及び第2の流体導管608とを含む。いくつかの実施形態では、第1の調合物注入口602及び第2の調合物注入口604の各々が、それぞれ第1の流体導管及び第2の流体導管から後方に(すなわち、再利用可能なハンドルに配設されたとき、カートリッジ空洞に向かって)、再利用可能なハンドルの後端に向かって延びる突出部として形成され、突出部は、調合物カートリッジの中に突き出すように構成される。
【0077】
調合物分配アセンブリ600はまた、モータ610と、モータ610に動作可能に接続されたギヤボックス612と、ギヤボックス612を介してモータ610によって駆動されるポンプ614とを含む。いくつかの実施形態では、ポンプ614は、混合チャンバ及び本明細書で説明する先細になった調合物チャネルと組み合わせて利用されると、調合物分配を改善することが発見された蠕動ポンプである。
【0078】
往復動ノズルアセンブリ616は、コーム620上に配設された複数の環状ノズル618を含み、使用中にコーム620は、より一様な調合物適用範囲(formulation coverage)を実現するためにユーザの皮膚または頭髪に調合物を分配しながら再利用可能なハンドル406のトラックに沿って前後に循環する。ノズル618の各々は、それを通る調合物チャネル622を含み、それの各々が、多岐管624を介して第1の流体導管606及び第2の流体導管608に流体的に接続される。いくつかの実施形態では、各調合物チャネル622は、調合物分配速度を上げるという利点のために、及び/または2つの調合物をさらに混合するために、先細になっている。先細になった調合物チャネルは、例えば、ポンプ614が蠕動ポンプであり、及び/または乱流混合チャンバが1以上の螺旋ミキサ626を含む、本明細書で説明する他の特徴と組み合わせて利用されると有利であることがわかった。
【0079】
モータ610及びギヤボックス612は、直線往復運動で往復動ノズルアセンブリ616を駆動する。一実施形態では、直線往復運動は、ギヤボックス612の出力軸630に結合された偏心ローラー628によって誘導され、偏心ローラー628はコーム620の環状ブラケットの内部で回転する。ポンプ614及び往復動ノズルアセンブリ616を共通のモータ610で駆動すると、電力効率を向上させ、重さ及びサイズを削減し、それによって調合物送達デバイスのフォームファクタを改善する。それでもなお、いくつかの実施形態は、ポンプ614及び往復動ノズルアセンブリ616を駆動するために2つ以上のモータを使用する。
【0080】
ノズル618は、第1の流体導管606及び第2の流体導管608に乱流混合チャンバ632を介して流体的に接続され、乱流混合チャンバ632は、混合された調合物を作成するために、第1の流体導管606を介して調合物カートリッジから引き込まれた第1の調合物を、第2の流体導管608を介して調合物カートリッジから引き込まれた第2の調合物と混合する。詳細には、乱流混合チャンバ632は、2つの調合物を共通のチャンバ内で圧力下で組み合わせ、(層流とは区別される)混合調合物の乱流を作り出す、1以上の混合要素を過ぎて2つの調合物を流すことによって、2つの調合物を混合する。第1の調合物の第2の調合物に対する割合は、様々な実施形態で変化する。例えば、いくつかの実施形態では、混合調合物は、約0.8:1.0~1.2:1.0の比の、例えば、0.85、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、または1.15の比の第1の調合物と第2の調合物の混合である。
【0081】
いくつかの実施形態では、乱流混合チャンバ632は、ポンプ614と、往復動ノズルアセンブリ616との間に配設される。この構成では、2つの調合物が、分配の直前に混合され、これがより一様な調合物均質性(consistency)を作り出し、ポンプ614の上流で調合物を混合するのと比較してノズル618からのより優れた調合物分配をもたらす。
【0082】
いくつかの実施形態では、乱流混合チャンバ632は、その中に配設された螺旋ミキサ626を含む。いくつかの実施形態は、混合を改善するために、乱流混合チャンバ632内に流体経路に沿って直列に流体的に接続された複数の螺旋ミキサ626を含む。いくつかの実施形態では、各螺旋ミキサが、2.00mmと5.00mmの間の、例えば3.0mmと4.00mmの間の、例えば3.18mmの外径を有する。いくつかの実施形態では、各螺旋ミキサが、20.0mmと40.0mmの間の、例えば25.0mmと35.0mmの間の、例えば33.0mmの全長を有する。いくつかの実施形態では、各螺旋ミキサが、0.75と1.25との間の、例えば0.80と0.90との間の、例えば0.865の長さ対直径のピッチ(全長/[外径×混合要素の数]と定義される)を有する。上記の規格の組合せが、特に2つの調合物が、ポンプ614の下流、往復動ノズルアセンブリ616のわずかに上流まで混合されないとき、またポンプ614が蠕動ポンプであるとき、混合調合物の最良の均質性を生み出すことが発見された。
【0083】
使用中、ポンプ614は、接続された調合物カートリッジから、第1の流体導管606及び第2の流体導管608を通して、乱流混合チャンバ632を通して、多岐管624を通して、及びノズル618を通して、調合物を引き込む。図示の実施形態では、第1の流体導管606及び第2の流体導管608は、乱流混合チャンバ632まで2つの調合物の混合を防ぐために、ポンプ614の下流まで流体的に別個に維持される。前述のように、2つの調合物を分配の直前に(すなわち、ポンプ614と多岐管624との間で)混合して、混合調合物の均質性を向上させる。
【0084】
図8A図10は、本明細書で説明する調合物送達システム、調合物送達デバイス、及び調合物製品ラインのいずれかに適合する調合物カートリッジタイプの代表的な調合物カートリッジ800を示す。しかしながら、本明細書で説明する調合物送達システム、調合物送達デバイス、及び調合物製品ラインは、図8A図10に示す持続可能な調合物カートリッジ800を使用する必要はない。
【0085】
調合物カートリッジ800は、ユーザフレンドリな体験を与えながら、無駄及び環境への影響を低減するように特別に設計された持続可能な実施形態である。そのために、調合物カートリッジ800は、2つの主要な構成要素、すなわちハンドル部分802と、ハンドル部分802内に可逆的に滑り込むように構成された、使い捨て補充パケット804とを含む。歴史的に、既知のカートリッジは、その中に保管された調合物を使い果たした後、全体を廃棄されるように設計され、著しい無駄及びより高い消費者価格につながった。
【0086】
既知のカートリッジとは対照的に、調合物カートリッジ800は、ハンドル部分802が無期限に再利用可能であるように構成され、使い捨て補充パケット804のみが、その中に保管された調合物を使い果たした後に捨てられる、またはリサイクルされる必要がある。またさらに、各使い捨て補充パケット804は、より小さい構成要素に分解されるように構成され、それらの一部はリサイクル可能であり、他は捨てられる。したがって、調合物カートリッジ800は、無駄を減らし、ユーザエクスペリエンスを向上させるための革新的な構造を利用する。
【0087】
ハンドル部分802は、調合物送達デバイスのカートリッジ空洞に繰り返して挿入されるようなサイズ、寸法、及び構成にされる。したがって、ハンドル部分802は、ABSプラスチックまたは同様の硬質ポリマーまたは他の材料で形成され、使い捨て補充パケット804をその中に受け入れるように構成された中空のハンドル部分802と、ハンドル部分802から離れて延びるトレイ部分806とを含む。ハンドル部分802は、(他の実施形態では1つの部品である場合があるが)図示した代表的な実施形態では2つの部品のアセンブリであり、調合物送達デバイスのカートリッジ空洞に完全に挿入されると、それのハンドルの継ぎ目のない延在を形成するようなサイズ及び寸法にされる。トレイ部分808は、ハンドル部分802から離れて突き出し、使い捨て補充パケット804を支持するように構成されたU字形状を有する(例えば、前方本体部分810)。確実な係合及び簡単な取外しを容易にするために、ハンドル部分802は、調合物カートリッジ800を調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルに結合するための結合手段を含む。代表的な結合手段は、適切かつ完全に挿入すると、調合物送達デバイスと係合する、ハンドル部分802に形成されたカートリッジ解放部812(例えば、ラッチ)を含む。
【0088】
使い捨て補充パケット804は、第1の調合物818及び第2の調合物820をそれぞれ含んでいる、第1の調合物パケット814及び第2の調合物パケット816を保管する。第1の調合物パケット814及び第2の調合物パケット816の各々が、40mLと70mLとの間、例えば、50mL~60mL、または55mLを有する。いくつかの実施形態では、第1の調合物パケット814及び第2の調合物パケット816は、異なる量を有する。
【0089】
第1の調合物818及び第2の調合物820は、各々、本明細書で説明した調合物のいずれか、例えば、永続的頭髪染料、半永続的頭髪染料、顕色剤、コンディショナー、ミノキシジルなどの育毛トリートメント、頭髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合補修頭髪トリートメント、流体頭髪トリートメント、流体頭皮トリートメントなどであることがある。いくつかの実施形態では、第1の調合物818及び第2の調合物820は異なる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の調合物818は頭髪染料であり、第2の調合物820は顕色剤である。他の実施形態では、第1の調合物818及び第2の調合物820は同じ(例えば、コンディショナーまたは頭皮トリートメント調合物)である。
【0090】
図9に示すように、各調合物パケットは、調合物含有パケット822と、調合物カートリッジ800がハンドヘルドの調合物分配デバイス内に受け入れられるとき、使い捨て補充パケットを調合物送達デバイスの分配ノズルユニットに選択的に流体結合する(selectively-fluidic coupling)バルブ手段とを含む。代表的なバルブ手段は、バルブ824を含み、調合物はそれを通ってパケット822から出る。代表的な調合物パケットについては、2018年9月24日に出願され、L’Oreal SAに譲渡された国際特許出願第PCT/US2018/052345号、及び2020年12月23日に出願され、L’Oreal SAに譲渡された米国特許出願第17/133110号において説明され、それらの両方が全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
使い捨て補充パケット804はまた、使い捨て補充パケット804に構造を与え、第1の調合物パケット814と第2の調合物パケット816とを含む、使い捨ての細長い本体部分826を含む。いくつかの実施形態では、本体部分826は、150mmと250mmとの間(例えば、175mm~225mm、185mm~215mm、195mm~205mm、または200mm)の全長、及び25mm~50mm(例えば、30mm~45mm、35mm~40mm、または36mm)の最大断面寸法を有する。本体部分826は、後方本体部分828と、細い前方本体部分810とを有する。後方本体部分828は、前方本体部分810よりも大きい断面寸法を有し、使用中、(例えば、摩擦嵌合により)ハンドル部分802のハンドル部分802の内部にとどまる。細い前方本体部分810は、ハンドル部分802のトレイ部分806によって支持され、使用中、調合物送達デバイスのカートリッジ空洞に突き出る。
【0092】
図示の実施形態では、本体部分826は、リサイクル可能な材料、例えば、構造化された紙(例えば、ボール紙)から構成される。本体部分826が紙で形成されるいくつかの実施形態では、紙は、過剰な使い捨て材料をもたらすことなく、十分な剛性を与えるために、8ポイント~12ポイント(例えば、8.5ポイント、9.0ポイント、9.5ポイント、10.0ポイント、10.5ポイント、11.0ポイント、または11.5ポイント)の重さを有する。いくつかのそのような実施形態では、本体部分826は、単一のリサイクル可能な材料で形成される。一例として、図示の実施形態では、本体部分826は、単一の紙で形成される。図9に示すように、この折り畳んだ構成は、後方本体部分828における8つの辺の多角形断面と、前方本体部分810における6つの辺の多角形断面を作り出す。組立てを容易にするために、本体部分826のいくつかの実施形態は、正確な折り畳みを確実にするための1以上の刻み目またはガイドラインを含む。図示の実施形態の多角形断面は代表であり、限定ではない。他の実施形態は、三角形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、または他の多角形の断面形状を有する。他の実施形態では、本体部分826は、本明細書で説明する形状及び構造を有するが、リサイクル可能な材料から構成されない。
【0093】
オプションのパケットスリーブ830は、いくつかの重要な利点をもたらす。第1に、パケットスリーブ830は、前方本体部分810の上を滑ること及びこれを強化することによって、使い捨て補充パケット804にさらなる構造を与える。したがって、いくつかの実施形態では、パケットスリーブ830は、本体部分826を形成する材料と比較してより大きい重さまたは厚さを有するが、これは必要ではない。いくつかの実施形態では、パケットスリーブ830もまた、リサイクル可能な材料で形成され、このリサイクル可能な材料は、本体部分826と同じリサイクル可能な材料であってもよい。
【0094】
第2に、パケットスリーブ830は、バルブフレーム832と結合する。例えば、図示したパケットスリーブ830は、バルブフレーム832の係合部材と可逆的に結合するように構成された複数の係合部材凹部834を含む。
【0095】
第3に、パケットスリーブ830は、使い捨て補充パケット804の分解を容易にする。図8A及び図9に示すように、パケットスリーブ830は、オプションの一体剥取部836(integral tearaway)(例えば、プルタブ付きミシン目(perforation))を含む。使用中、調合物を使い果たした後、ユーザは一体剥取部836のプルタブを引っ張り、それによってバルブフレーム832をパケットスリーブ830から分離する。このアクションが完了すると、パケットスリーブ830はリサイクルされ、バルブフレーム832は捨てられる。いくつかの実施形態では、一体剥ぎ取り部836は、本体部分826、例えば前方本体部分810に配設される。
【0096】
パケットスリーブ830はいくつかの利点を与えるが、パケットスリーブ830はオプションである。いくつかの実施形態では、パケットスリーブ830の上記の特徴のうちの1以上は、本体部分826に一体に形成される。
【0097】
バルブフレーム832は、調合物送達デバイスとの(及び詳細には、それの調合物分配アセンブリとの)正確かつ堅固な結合のために、並びに調合物送達デバイスのカートリッジ認証インターフェースに隣接した暗号化チップ838の正確な位置決めのために、調合物パケットバルブ824及び暗号化チップ838を支持する剛性構造を与える。したがって、バルブフレーム832は、ABSプラスチック、HDPE、または他の硬質ポリマー、または他の材料から形成される。複数のバルブ係合ユニット840が、バルブフレーム832の前端を通って延びる。各バルブ係合ユニット840は、調合物パケットバルブ824の1つを受け入れ、固定する。いくつかの実施形態では、バルブ係合ユニット840は、バルブフレーム832の一面を通して配設されたバルブ開口であり、バルブ開口は、調合物パケットのバルブを受け入れるサイズである。パケットスリーブ830(またはいくつかの実施形態では本体部分826)との結合を可能にするために、バルブフレーム832は、そこから延びる係合部材842(例えば、タブ)を含む。
【0098】
暗号化チップ838は、使い捨て補充パケット804上に、例えば、本体部分826上に、または(図示の実施形態のように)バルブフレーム832上に、配設される。暗号化チップ838は、調合物カートリッジ800が調合物送達デバイスに挿入されるとき、それのカートリッジ認証インターフェースによって読み取られるように位置するように、使い捨て補充パケット804上に配置される。したがって、暗号化チップ838は、調合物カートリッジ800及びそれの内容についての情報、例えば、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、及び調合物製造日のうちの少なくとも1つを記憶する。
【0099】
このようにして、本体部分826、パケットスリーブ830、調合物パケット、及びバルブフレーム832は、使い捨て補充パケット804を形成する。使用中、使い捨て補充パケット804は、例えば、使い捨て補充パケット804とハンドル部分802との摩擦嵌合などの固定手段、及び本体部分826またはパケットスリーブ830上の結合タブ844によって、ハンドル部分802と可逆的に結合可能である。結合タブ844は、使い捨て補充パケット804をその中に挿入すると、ハンドル部分802と係合し、ハンドル部分802から強制的に引っ張り出されるまで、使い捨て補充パケット804をその中に保持する。ハンドル部分802の内部に使い捨て補充パケット804を保持することをさらに助けるために、図示したハンドル部分802は、1以上のオプションの保持要素846(この実施形態では、使い捨て補充パケット804と係合するたわみ可能なタブ)を含む。
【0100】
図11は、本開示の調合物カートリッジのいずれか、例えば、図8A図10の調合物カートリッジ800と共に使用され得る、図11に示す本開示の代表的な方法1100を示す。
【0101】
ブロック1102において、使い果たした調合物カートリッジ、すなわち、その中の調合物パケットが調合物を使い果たした調合物カートリッジが与えられる。いくつかの実施形態では、調合物カートリッジは、例えば、カートリッジ解放部を押し、調合物カートリッジを調合物送達デバイスから引っ張り出すことによって、調合物送達デバイスから取り除かれる。
【0102】
ブロック1104において、使い捨て補充パケットは、例えば、結合タブ及び保持要素によって加えられる保持力に打ち勝つ十分な力で使い捨て補充パケットを引っ張って再利用可能なカートリッジ本体から離すことによって、再利用可能なカートリッジ本体から分離される。
【0103】
オプションのブロック1106において、使い捨て補充パケットのリサイクル可能な部分が、使い捨て補充パケットのリサイクル不能な部分から分離される。例えば、バルブフレーム及び調合物パケットは、例えば、パケットスリーブまたは本体部分上の一体剥ぎ取り部を剥ぎ取り、バルブフレームを(それに固定された使い果たした調合物パケットと一緒に)引っ張ってパケットスリーブ及び本体部分から離すことによって、本体部分及び/またはオプションのパケットスリーブ(これらの両方がいくつかの実施形態ではリサイクル可能である)から分離される。
【0104】
オプションのブロック1108において、使い捨て補充パケットのリサイクル可能な部分はリサイクルされ(すなわち、本体部分及び/またはパケットスリーブ)、リサイクル不能な部分は捨てられる(すなわち、使い果たした調合物パケット及びバルブフレーム)。
【0105】
ブロック1110において、新しい使い捨て補充パケットが、再利用可能なカートリッジ本体に挿入される。
【0106】
ブロック1112において、再装填された調合物カートリッジは、新しい使い捨て補充パケットを再利用可能なカートリッジ本体に挿入した後、調合物送達デバイスに再び挿入される。
【0107】
したがって、本開示は、持続可能な調合物カートリッジだけでなく、無駄及び環境への影響をさらに減らすためにそれを使用する方法もまた提供する。
【0108】
図12は、前に説明した洗浄カートリッジと同じ特徴を有し、本開示のどんな調合物送達システム、調合物送達デバイス、及び製品ラインにも適合する代表的な洗浄カートリッジ1200を示す。したがって、洗浄カートリッジ1200は、本明細書で説明した調合物カートリッジと同じカートリッジタイプである(例えば、調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルの内部にしっかりと嵌まるように構成され、同じ形状及び寸法、並びに複数の出力ノズルを有する)。
【0109】
洗浄カートリッジ1200の主要な機能は、調合物送達デバイスと流体的に接続すること、及び洗浄ルーチンの一部として調合物分配アセンブリを通って流される洗浄液1202(例えば、水)を提供することである。したがって、洗浄カートリッジ1200は、ABSプラスチックまたは他の適度に硬質なポリマーで形成された本体部分1204を有する再利用可能なアセンブリである。本体部分1204は、その中に洗浄液1202を、例えばそれの50mL~200mLを保管する洗浄液貯蔵器1206、すなわちタンクを支持する。洗浄液貯蔵器1206は、調合物送達デバイスの流体導管と流体的に結合するようなサイズ及び配置にされた複数の出力ノズル1208を有する。補充キャップ1210は、洗浄液貯蔵器1206の補充を容易にする。
【0110】
本出願はまた、量及び数に言及することがある。特に明記されていない限り、そのような量及び数は、限定的とは見なされず、本出願に関連する可能な量または数を表すと見なされる。同じく、この点について、本出願は、量または数に言及するために「複数」という用語を使用することがある。この点について、「複数」という用語は、1より多い、例えば2、3、4、5などである任意の数であるように意図されている。「約」、「およそ」、「ほぼ」などの用語は、提示する値のプラスまたはマイナス5%を意味する。本開示の目的のために、例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」という語句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、または(A、B、及びC)を意味し、4つ以上の要素が列挙されるときは、さらなる考えられる順列全てを含む。
【0111】
本明細書で開示する実施形態は、本明細書で説明する技術及び方法を実施すること、2つ以上の構成要素を動作可能に接続すること、情報を生成すること、動作条件を決定すること、器具、デバイスまたは方法を制御することなどを行うために回路を利用する場合がある。任意のタイプの回路を使用することができる。一実施形態では、回路は、特に、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、またはそれらの任意の組合せなどの1以上のコンピューティングデバイスを含み、ディスクリートデジタルまたはアナログ回路要素または電子機器、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0112】
一実施形態では、回路は、複数のあらかじめ定義された論理構成要素を有する1以上のASICを含む。一実施形態では、回路は、複数のプログラマブル論理構成要素を有する1以上のFPGAを含む。一実施形態では、回路は、ハードウェア回路実装形態(例えば、アナログ回路での実装形態、デジタル回路での実装形態など、及びそれらの組合せ)を含む。一実施形態では、回路は、回路と、本明細書で説明する1以上の方法または技術をデバイスに行わせるために一緒に動作する1以上のコンピュータ可読メモリにソフトウェアまたはファームウェア命令を記憶したコンピュータプログラム製品の組合せを含む。一実施形態では、回路は、動作のためにソフトウェア、ファームウェアなどを必要とする、例えば、マイクロプロセッサ、またはマイクロプロセッサの一部分などの回路を含む。一実施形態では、回路は、1以上のプロセッサまたはそれの一部分と、付随するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどを含む実装形態を含む。一実施形態では、回路は、サーバ、セルラーネットワークデバイス、他のネットワークデバイス、または他のコンピューティングデバイスにおける、ベースバンド集積回路またはアプリケーションプロセッサ集積回路または同様の集積回路を含む。一実施形態では、回路は、1以上の遠隔に位置する構成要素を含む。一実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、ワイヤレス通信を介して動作可能に接続される。一実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、1以上の受信機、送信機、トランシーバなどを介して動作可能に接続される。
【0113】
一実施形態は、例えば、命令またはデータを記憶する、1以上のデータストアを含む。1以上のデータストアの非限定的な例には、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、不揮発性メモリ(例えば、読取専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)など)、永続メモリなどが含まれる。1以上のデータストアのさらなる非限定的な例には、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリなどが含まれる。1以上のデータストアは、例えば、1以上の命令、データ、または電力バスによって1以上のコンピューティングデバイスに接続され得る。
【0114】
一実施形態では、回路は、1以上のコンピュータ可読媒体ドライブ、インターフェースソケット、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、メモリカードスロットなど、及び、例えばグラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、キーボード、キーパッド、トラックボール、ジョイスティック、タッチスクリーン、マウス、スイッチ、ダイヤルなどの1以上の入力/出力構成要素、及び任意の他の周辺デバイスを含む。一実施形態では、回路は、実施形態の1以上の態様を(電気的に、電気機械的に、ソフトウェア実装で、ファームウェア実装で、もしくは他の制御で、またはそれらの組合せで)制御するために少なくとも1つのコンピューティングデバイスに動作可能に接続された1以上のユーザ入力/出力構成要素を含む。
【0115】
一実施形態では、回路は、信号担持媒体(例えば、コンピュータ可読メモリ媒体、コンピュータ可読記録媒体など)を受け入れるように構成されたコンピュータ可読媒体ドライブまたはメモリスロットを含む。一実施形態では、開示する方法のいずれかをシステムに実行させるためのプログラムが、例えば、コンピュータ可読記録媒体(CRMM)、信号担持媒体などに記憶され得る。信号担持媒体の非限定的な例には、任意の形態のフラッシュメモリ、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能なタイプの媒体、並びにデジタル及び/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、ワイヤレス通信リンク)などの送信タイプの媒体(例えば、送信機、受信機、トランシーバ、送信論理、受信論理など)が含まれる。信号担持媒体のさらなる非限定的な例には、限定はしないが、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD+RW、DVD-RW、DVD-R、DVD+R、CD-ROM、スーパーオーディオCD、CD-R、CD+R、CD+RW、CD-RW、ビデオコンパクトディスク、スーパービデオディスク、フラッシュメモリ、磁気テープ、光磁気ディスク、MINIDISC、不揮発性メモリカード、EEPROM、光ディスク、光記憶装置、RAM、ROM、システムメモリ、ウェブサーバなどが含まれる。
【0116】
類似の番号が類似の要素を参照する添付の図面に関連して上記に記載した発明を実施するための形態は、本開示の様々な実施形態の説明を意図したものであり、唯一の実施形態を表すことを意図したものではない。本開示において説明する各実施形態は、単に一例または例示として提供されており、他の実施形態より好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。本明細書で提供する例示的な例は、網羅することを意図したものでも、または本開示を開示された厳密な形態に限定することを意図したものでもない。同様に、本明細書で説明する任意のステップは、同じまたは実質的に類似の結果を達成するために、他のステップと交換可能であるか、またはステップの組合せであり得る。一般に、本明細書で開示する実施形態は非限定的であり、本発明者は、本開示の範囲内の他の実施形態が、図に示し、本明細書で説明する2つ以上の特定の実施形態からの構造及び機能を含み得ることを企図している。
【0117】
上記の説明では、本開示の例示的実施形態の十分な理解を実現するために、具体的詳細が記載されている。しかしながら、本明細書で開示する実施形態は、具体的な詳細全てを具体化することなく実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、周知のプロセスステップは、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されていない。さらに、本開示の実施形態は、本明細書に記載されている特徴の任意の組合せを使用する可能性があることが諒解されよう。
【0118】
本出願は、「垂直の」、「水平の」、「前の」、「後の」、「左の」、「右の」、「上の」、「底の」など、方向に対する言及を含み得る。本出願におけるこれらの言及及び他の同様の言及は、(実施形態が使用のために配置されたときなどに)特定の実施形態の説明及び理解の支援に役立つことを意図しており、本開示をこれらの方向またはロケーションに制限することを意図していない。
【0119】
本出願はまた、量及び数に言及することがある。特に明記されていない限り、そのような量及び数は、限定的とは見なされず、本出願に関連する可能な量または数の例と見なされる。同じく、この点について、本出願は、量または数に言及するために「複数」という用語を使用することがある。この点について、「複数」という用語は、1より多い、例えば2、3、4、5などである任意の数であるように意図されている。「約」、「およそ」などの用語は、提示する値のプラスまたはマイナス5%を意味する。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」を意味する。
【0120】
本開示の原理、代表的な実施形態及び動作モードについて、上記の説明で説明した。しかしながら、保護されることを意図する本開示の態様は、開示した特定の実施形態に限定的なものと解釈されるべきではない。さらに、本明細書で説明する実施形態は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。本開示の趣旨から逸脱することなく、変形形態及び変更形態が他者によって作成され、均等物が採用され得ることは諒解されよう。したがって、そのような変形形態、変更形態、及び均等物が全て特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲内に入ることが明確に意図される。
【符号の説明】
【0121】
100 調合物送達システム、102 調合物製品ライン、104 調合物送達デバイス、106 アプリケーション、108 調合物、110 調合物カートリッジ、112 洗浄カートリッジ、114 モバイルデバイス、116 ネットワーク、200 調合物送達デバイス、202 ハンドル、204 コントローラ、206 プロセッサ、208 データストア、210 カートリッジ認証インターフェース、212 電源、214 調合物分配アセンブリ、216 位置センサ、218 モータ、220 ポンプ、222 往復動ノズルアセンブリ、224 調合物カートリッジ、226 調合ルーチンモジュール、228 洗浄カートリッジ、230 カートリッジ認証モジュール、232 洗浄ルーチンモジュール、234 電力管理モジュール、236 スリープ/アウェイクモジュール、238 位置モジュール、300 アプリケーション、302 モバイルデバイス、304 ネットワーク、306 ディスプレイ、308 プロセッサ、310 データストア、312 ユーザプロファイルモジュール、314 ユーザルーチンモジュール、316 電子商取引モジュール、318 較正モジュール、320 手動調整モジュール、322 分析モジュール、324 調合法作成モジュール、400 調合物送達デバイス、402 調合物カートリッジ、404 引抜アダプタ、406 ハンドル、408 カートリッジインターフェース、410 調合物分配アセンブリ、412 コントローラ、414 往復動ノズルアセンブリ、416 スタンドオフ部分、418 調合物パケット、420 出力ノズル、422 調合物注入口、424 カートリッジ空洞、426 ボタン、428 視覚的インジケータ、430 カートリッジ認証インターフェース、432 暗号化チップ、600 調合物分配アセンブリ、602 第1の調合物注入口、604 第2の調合物注入口、606 第1の流体導管、608 第2の流体導管、610 モータ、612 ギヤボックス、614 ポンプ、616 往復動ノズルアセンブリ、618 環状ノズル、620 コーム、622 調合物チャネル、624 多岐管、626 螺旋ミキサ、628 偏心ローラー、630 出力軸、632 乱流混合チャンバ、800 調合物カートリッジ、802 ハンドル部分、804 使い捨て補充パケット、806 トレイ部分、808 トレイ部分、810 前方本体部分、812 カートリッジ解放部、814 第1の調合物パケット、816 第2の調合物パケット、818 第1の調合物、820 第2の調合物、822 調合物含有パケット、824 バルブ、826 本体部分、828 後方本体部分、830 パケットスリーブ、832 バルブフレーム、834 係合部材凹部、836 一体剥ぎ取り部、838 暗号化チップ、840 バルブ係合ユニット、842 係合部材、844 結合タブ、846 保持要素、1200 洗浄カートリッジ、1202 洗浄液、1204 本体部分、1206 洗浄液貯蔵器、1208 出力ノズル、1210 補充キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】