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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】風力発電機
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/04 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
F03D3/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023555197
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 AU2022050212
(87)【国際公開番号】W WO2022187911
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2021900711
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523341749
【氏名又は名称】マーティン,クリストファー ニール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,クリストファー ニール
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA20
3H178AA22
3H178AA43
3H178DD30X
3H178EE16
(57)【要約】
風力発電機であって、マストと前記マストの長さの低圧部に沿って配置された複数のタワー出口と、前記マストの高圧部に配置された1つ以上の入口と、前記入口と前記タワー出口との間の内部流体流路と、前記流体流路内のタービンと、を備え、前記入口および前記タワー出口は、タービンを稼働するために、風が前記流体流路を通る気流を生成するように構成されている、風力発電機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マストの長さの低圧部に沿って配置された複数のタワー出口を有するマストと、
前記マストの高圧部に配置された1つ以上の入口と、
前記入口と前記タワー出口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
前記入口および前記タワー出口は、タービンを稼働するために、風が前記流体流路を通る気流を生成するように構成されている、風力発電機。
【請求項2】
マストの側部に配置された複数のタワー出口を有するマストと、
空気を1つ以上の入口に導くように構成された、風上に面した開口部と、
前記入口と前記タワー出口との間の内部流体流路と、
流体流路内のタービンと、を備え、
前記入口および前記タワー出口は、タービンを稼働するために、風が前記流体流路を通る気流を生成するように構成されている、風力発電機。
【請求項3】
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストの側部に配置された1つ以上のタワー出口と、
前記マストの前記風上部に配置された1つ以上の入口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記入口が気流を受け取るとき、前記気流は、前記流体流路を通り、前記タービンを動作させるように移動させられる、風力発電機。
【請求項4】
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストの低圧部に配置された1つ以上のタワー出口と、
前記マストの高圧部に配置された1つ以上の入口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の圧力差が、前記タービンを動作させる気流を生成する、風力発電機。
【請求項5】
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストにおける1つ以上の入口の位置に対して、前記マストにおいて異なる高さに配置された1つ以上のタワー出口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に内部流体流路を画定する導管と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の圧力差が、前記タービンを動作させる気流を生成する、風力発電機。
【請求項6】
前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、1つ以上の前記入口から垂直方向に離間している、請求項1~5のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項7】
前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、前記マストにおける1つ以上の前記入口よりも高い、請求項6に記載の風力発電機。
【請求項8】
前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、前記マストにおける1つ以上の前記入口と同じ高さである、請求項1~4のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項9】
前記タワー出口は、前記マストの風上部から前記マストの風下部の間の移行部の中央、または、前方に配置される、請求項1~8のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項10】
1つ以上の前記入口の各々は、1つ以上の前記タワー出口の各々よりも断面積において実質的に大きい、請求項1~9のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項11】
前記タワー出口の断面積の合計は、前記入口の断面積の合計よりも大きい、請求項1~10のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項12】
前記風力発電機は、前記流路内に1つ以上の気流調整手段を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項13】
1つ以上の前記気流調整手段は、ゲートバルブである、請求項12に記載の風力発電機。
【請求項14】
1つ以上の前記気流調整手段は、逆止弁である、請求項12に記載の風力発電機。
【請求項15】
前記逆止弁は、リード弁である、請求項14に記載の風力発電機。
【請求項16】
前記風力発電機は、前記流路内に少なくとも2つの気流調整手段を備え、前記気流調整手段の少なくとも1つはゲートバルブであり、前記気流調整手段の少なくとも1つは逆止弁である、請求項1~11のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項17】
前記風力発電機は、前記タービンへの気流を絞るように構成された少なくとも1つのゲートバルブを備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項18】
前記風力発電機は、1つ以上の前記タワー出口を選択的にまたは自動的に動作させるように構成された少なくとも1つの逆止弁を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項19】
少なくとも1つの前記逆止弁は、1つ以上の前記タワー出口を通る空気の逆流を防止するようにさらに構成される、請求項18に記載の風力発電機。
【請求項20】
前記マストは、前記タワー出口において気流をより良好に整列させるように構成されたバッフルを備える、請求項1~19のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項21】
前記風力発電機は、前記マストの内部管空間を上方に移動し風下部分に向かって出される気流を導くように構成された複数の管旋回羽根を備えることで、気流が、前記マストを出ながら前記風の方向に実質的に整列される、請求項1~20のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項22】
前記マストは、出口空間と、風下空間と、前記風下空間における風下から前記出口空間における風上に気流を旋回させるように構成された複数の出口チャネル旋回羽根とを備える、請求項21に記載の風力発電機。
【請求項23】
前記管旋回羽根は、前記風下空間と前記管空間との間の逆流を制限するように構成された逆止弁を備える、請求項22に記載の風力発電機。
【請求項24】
前記出口チャネル旋回羽根は、前記出口空間と前記風下空間との間の逆流を制限するように構成された逆止弁を備える、請求項22に記載の風力発電機。
【請求項25】
前記マストは、前記出口空間における風上から前記タワー出口を出るときの風下に前記気流を旋回させるように構成された、複数の出口旋回羽根を備える、請求項22に記載の風力発電機。
【請求項26】
前記出口旋回羽根は、前記自由流体気流から前記出口空間への逆流を制限するように構成された逆止弁を備える、請求項25に記載の風力発電機。
【請求項27】
風の方向に応じて風上部が風に面するようにマストを位置決定する工程と、
マストに1つ以上の入口を設ける工程と、
前記マストの側部に1つ以上のタワー出口を提供する工程と、
該工程は、前記風が1つ以上の前記タワー出口を横切って流れるときに1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に圧力差が生成されるように、1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路を通る気流を生成し、
前記流体流路内にタービンを提供する工程と、を備え、
該工程は、前記気流が前記流体流路内に生成されるとき、前記タービンが電力を生成するような動作をするために構成された、発電方法。
【請求項28】
風に面するようにマストを回転させる工程と、
1つ以上の入口を通る気流を受け取る工程と、
前記気流を流体流路に導き、前記マストの1つ以上のタワー出口を通して出す工程と、
前記流体流路内の前記気流によって前記流体流路内のタービンを稼働する工程と、
前記タービンは発電機に動作可能に接続されることで、
電力を発生させ、または回転動力装置を稼働する、発電方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、発電用の風力発電装置に関する。
【0002】
〔背景技術〕
背景技術の以下の開示は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。この開示は、言及される要素のいずれも、出願の優先日における共通一般知識の一部であった通知または承認事項ではないことを理解されたい。
【0003】
クリーンなエネルギー源、特に再生可能エネルギー源は、気候の継続的な変化に対応し、化石燃料などの非再生可能エネルギー源への依存を低減/排除するために開発されている。クリーンで再生可能なエネルギー源は、多くの異なるエネルギー源に由来し、水力、太陽光、風力、および原子力を含むが、これらに限定されない。
【0004】
大まかに言えば、電力を生成するための風力タービンは、タワー上に、半径方向に延在する大きなブレードを有するタービンを備える。ブレードは、風の流れに応じてタービンを回転させる。タービンは、発電機を駆動するドライブシャフトに接続される。
【0005】
風力タービンは、環境的にも、心理的にも、風力タービンの使用を妨げる複数の欠点を有する。風力タービンは空気に対して開放的であり、したがって、風力タービンのある地域内の野生生物は、ブレードによって衝撃を受け、殺傷され、または負傷する可能性がある。構成部品が高所にあることで、設置および保守作業者に危険をもたらす。
【0006】
さらに、風力タービンの周囲の地域に居住する住民は、一般に、騒音、ブレードからの危険性、および風力タービンの非常に高い位置に重い荷重を有している事などの有害性または恐怖を主張する。これは「Not In My Backyard」として知られる現象に寄与する。この現象は、住民が、彼らの居住地において、風力タービンのような不快および/または危険であると認識される開発に反対する一方で、他の場所での使用に異議を唱えず、または支持することを特徴付けるものである。
【0007】
この背景に対して、本明細書の実施形態が開発された。
【0008】
本明細書全体を通して、文脈上別段の要求がない限り、「備える(comprise)」の文言、または「備える(comprises)」もしくは「備える(comprising)」などの変形は、記載された単語または単語のグループの包含を意味し、任意の他の単語または単語のグループの除外を意味しないと理解される。
【0009】
本明細書全体を通して、文脈上別段の要求がない限り、「含む(include)」の文言、または「含む(includes)」もしくは「含む(including)」などの変形は、記載された単語または単語のグループの包含を意味し、任意の他の単語または単語のグループの除外を意味しないと理解される。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様によれば、
その長さに沿った複数のタワー出口を有するマストと、
1つ以上の入口と、
前記入口と前記タワー出口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
前記入口および前記タワー出口は、タービンを稼働するために、風が前記流体流路を通る気流を生成するように構成されている風力発電機が提供される。
【0011】
一実施形態において、一つ以上の前記タワー出口は、前記マストの低圧部に配置され、前記入口は、前記マストの高圧部に配置されている。
【0012】
一実施形態において、一つ以上の前記タワー出口は、前記マストの側部に配置されている。
【0013】
一実施形態において、前記風力発電機は、空気を1つ以上の入口に導くように構成された、風上に面した開口部を備える。
【0014】
一実施形態において、前記開口は、スクープの開口である。
【0015】
一実施形態において、前記開口は、マストに設けられる。
【0016】
第2の態様によれば、
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
1つ以上の入口と、
前記マストの側部に配置された1つ以上のタワー出口と、
前記風が1つ以上の前記タワー出口を横切って流れるときに、1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に圧力差が生成されるように、1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路を通る気流を生成し、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
前記気流が前記流体流路内に生成されるとき、前記タービンが電力を生成するような動作をするために構成されている風力発電機が提供される。
【0017】
第3の態様によれば、
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストの側部に配置された1つ以上のタワー出口と、前記マストの前記風上部に配置された1つ以上の入口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記入口が気流を受け取るとき、前記気流は、前記流体流路を通り、前記タービンを動作させるように移動させられる風力発電機が提供される。
【0018】
第4の態様によれば、
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストの低圧部に配置された1つ以上のタワー出口と、前記マストの高圧部に配置された1つ以上の入口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の圧力差が、前記タービンを動作させる気流を生成する風力発電機が提供される。
【0019】
第5の態様によれば、
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストにおける1つ以上の入口の位置に対して、前記マストにおいて異なる高さに配置された1つ以上のタワー出口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に内部流体流路を画定する導管と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の圧力差が、前記タービンを動作させる気流を生成する風力発電機が提供される。
【0020】
一実施形態において、前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、1つ以上の前記入口から垂直方向に離間している。
【0021】
一実施形態において、前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、前記マストにおける1つ以上の前記入口よりも高い。
【0022】
一実施形態において、前記タワー出口は、前記マストの側部に位置している。
【0023】
一実施形態において、前記タワー出口は、中央、または、前記マストの風上部から前記マストの風下部の間の移行部から前方に配置される。
【0024】
一実施形態において、前記マストの長手方向長さに沿って均等に離間された複数のタワー出口がある。
【0025】
一実施形態において、前記マストの水平方向長さに沿って均等に離間された複数のタワー出口がある。
【0026】
一実施形態において、1つ以上の前記入口の各々は、1つ以上の前記タワー出口の各々よりも断面積において実質的に大きい。
【0027】
一実施形態において、前記タワー出口の断面積の合計は、前記入口の断面積の合計よりも大きい。
【0028】
一実施形態において、前記1つ以上の入口は、前記風力発電機の基礎的な完成度を改善する。
【0029】
一実施形態において、前記風力発電機は、スクープを備える。
【0030】
一実施形態において、前記スクープは、1つ以上の前記入口に空気を導くように構成されている。
【0031】
一実施形態において、前記スクープは、スクープ開口部における流体流速を85%~95%に減少させるように構成される。
【0032】
一実施形態において、前記スクープの重量が装置の質量中心を下げる。一実施形態において、質量中心は地面に近い。
【0033】
一実施形態において、前記風力発電機は流路内に2つ以上のタービンを備える。
【0034】
一実施形態において、1つまたは複数のタービンは基部内にある。
【0035】
一実施形態において、1つまたは複数のタービンはマスト内にある。
【0036】
一実施形態において、少なくとも1つのタービンが基部内にあり、少なくとも1つのタービンがマスト内にある。
【0037】
一実施形態において、前記風力発電機は、前記流路内に1つ以上の気流調整手段を備える。
【0038】
一実施形態において、1つまたは複数の流量調整手段は逆止弁である。
【0039】
一実施形態において、1つまたは複数の流量調整手段はゲートバルブである。
【0040】
一実施形態において、1つ以上の逆止弁はリード弁である。
【0041】
一実施形態において、1つ以上の逆止弁はチャッキバルブである。
【0042】
一実施形態において、前記風力発電機は、前記流路内に少なくとも2つの気流調整手段を備え、前記気流調整手段の少なくとも1つはゲートバルブであり、前記気流調整手段の少なくとも1つは逆止弁である。
【0043】
一実施形態において、前記風力発電機は、前記タービンへの気流を絞るように構成された少なくとも1つのゲートバルブを備える。
【0044】
一実施形態において、前記風力発電機は、1つ以上の前記タワー出口を選択的にまたは自動的に動作させるように構成された少なくとも1つの逆止弁を備える。
【0045】
一実施形態において、少なくとも1つの前記逆止弁は、1つ以上の前記タワー出口を通る空気の逆流を防止するようにさらに構成される。
【0046】
一実施形態において、前記風力発電機は、前記マストの内部管空間を上方に移動し風下部分に向かって出される気流を導くように構成された複数の管旋回羽根を備えることで、気流が、前記マストを出ながら前記風の方向に実質的に整列される。
【0047】
一実施形態において、前記マストは、前記タワー出口において気流をより良好に整列させるように構成されたバッフルを備える。
【0048】
一実施形態において、前記マストは、出口空間と、風下空間と、前記風下空間における風下から前記出口空間における風上に気流を旋回させるように構成された複数の出口チャネル旋回羽根とを備える。
【0049】
一実施形態において、前記管旋回羽根は、前記風下空間と前記管空間との間の逆流を制限するように構成された逆止弁を備える。
【0050】
一実施形態において、前記出口チャネル旋回羽根は、前記出口空間と前記風下空間との間の逆流を制限するように構成された逆止弁を備える。
【0051】
一実施形態において、前記マストは、前記出口空間における風上から前記タワー出口を出るときの風下に前記気流を旋回させるように構成された、複数の出口旋回羽根を備える。
【0052】
一実施形態において、前記出口旋回羽根は、前記自由流体気流から前記出口空間への逆流を制限するように構成された逆止弁を備える。
【0053】
一実施形態において、前記基部は、杭および杭上部アセンブリを備える。
【0054】
一実施形態において、前記基部は軸受をさらに備えることで、前記マストが前記杭に対して回転することを可能にする。
【0055】
一実施形態において、前記軸受は、回転軸受である。
【0056】
第6の態様によれば、
風の方向に応じて風上部が風に面するようにマストを位置決定する工程と、
マストに1つ以上の入口を設ける工程と、
前記マストの側部に1つ以上のタワー出口を提供する工程と、
該工程は、前記風が1つ以上の前記タワー出口を横切って流れるときに1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に圧力差が生成されるように、1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路を通る気流を生成し、
前記流体流路内にタービンを提供する工程と、を備え、
該工程は、前記気流が前記流体流路内に生成されるとき、前記タービンが電力を生成するような動作をするために構成されている発電方法が提供される。
【0057】
第7の態様によれば、
風に面するようにマストを回転させる工程と、
1つ以上の入口を通る気流を受け取る工程と、
前記気流を流体流路に導き、前記マストの1つ以上のタワー出口を通して出す工程と
前記流体流路内の前記気流によって前記流体流路内のタービンを稼働する工程と、
前記タービンは発電機に動作可能に接続されることで、
電力を発生させ、または水ポンプなどの回転動力装置を稼働する発電方法が提供される。
【0058】
一実施形態において、前記マストの形状は、前記風の方向に応じて、前記マストの回転を生じさせる。
【0059】
一実施形態において、構造物の回転は、風の方向に応じてマニュアル操作で行われる。
【0060】
一実施形態において、構造物の回転は、風の方向に応じて、モータによって行われる。
【0061】
一実施形態において、モータは、電気モータである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
次に、本発明の好ましい実施形態を、以下の図面を参照して例として説明する。
図1】本発明の一実施形態に係る風力発電装置の側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る風力発電装置の等角図である。
図3】本発明の一実施形態に係る風力発電装置のスクープ、入口、およびスクープ出口の水平断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るタービンの垂直断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るマストおよび出口の水平断面図である。
図6】本発明の一実施形態の基部の垂直断面図である。
図7】本発明の一実施形態の風力発電装置の垂直断面図である。
図8】出口列を示す、本発明の別の実施形態の側面図である。
図9】本発明の別の実施形態の風力発電装置の垂直断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る、図5、7、および9に示された管旋回羽根の垂直断面図である。
図11】本発明の一実施形態に係るチャネル旋回羽根を描いている、図5に示されたマストの水平断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る出口旋回羽根を描いている、図5に示されたマストの水平断面図である。
図13】本発明の実施形態に係る出口旋回羽根を描いている、図3に示されたスクープの水平断面図である。
図14】水平方向に離間した出口を示す本発明の別の実施形態の水平断面図である。
図15】本発明の一実施形態のマストの周囲の空気の流路を示す断面図である。
【0063】
〔実施形態の説明〕
図1および図2を参照すると、マスト10を備える風力発電機(以下、風力タワー5と呼称する)が提供され、マスト10は、基部12に好ましくは回転可能に接続され、マスト10の長さに沿って長手方向に配置された1つ以上の(この場合においては約60もの)タワー出口16を有する。マスト10は、その長手方向軸を中心に回転することができるように、回転軸受38によって取り付けられる。この実施形態において、マスト10の形状は、対称的な翼(図5に示す)である。風がマスト10の周囲を流れるとき、マスト10は、両側部43に低圧領域を生成し、ベルヌーイ効果により、風上部34が風に面し、風下部36が風から離れる方向を向くように、回転させられる(この原理は以下でさらに詳細に論じられる)。一実施形態において、対称的な翼形状は水平断面において涙滴形状である。しかしながら、風の方向に応じて回転するのに適しているマスト10が提供されるように、正確な寸法が変化し得ることを、当業者は容易に理解するのであろう。
【0064】
マスト10の周囲の風の輪郭がタワー出口16を横切って移動すると、風はタワー出口16の各々の外側に低圧領域を作り出し、ベンチュリ効果により流路内の圧力差を生じさせる。一つまたは複数の入口14は、スクープ32内の基部12の近くに配置され、スクープ32は、追加の流入風を、入口14に入れるように、集中させ、方向付けるのを助勢する。
【0065】
図3および図4に示されるように、風は、図示される入口14に入り、内部に配置されたタービン18を有している流体流路に収束する、1つ以上のチャネルを通って方向付けられる。入口14における高圧、およびタワー出口16における低圧は、タービン18を動作させる気流20を生成する。タービン18は、ドライブシャフト30などによって、電力を生成することができる発電機22に動作可能に接続してもよい。また、タービン18は仕事をし、または発電する別の手段に動作可能に接続されてもよい。
【0066】
スクープ32は、スクープ32の開口部における流体流速を少なくとも80%減少させるように構成されてよく、これにより圧力を増加させ、入口14とタービン18との間でより大きな圧力差を生成する。
【0067】
スクープ32は、スクープ32の開口部における流体流速を約90%減少させるように最適に構成されてもよい。
【0068】
1つ以上のタービン18とタワー出口16との間の内部流体流路に沿った気流20は、タワー出口16を通る気流の速度を減少させ、例えば自由流体速度の50%でよく、これにより圧力を増加させ、タワー出口16と、側部43における自由流体圧力と、の間でより大きな圧力差を生成する。
【0069】
同様に、1つ以上のタービン18と、スクープ出口50と、の間の内部流体流路に沿った気流20は、スクープ出口50を通る気流の速度を減少させ、例えば、自由流体速度の50%でよく、これにより圧力を増加させ、スクープ出口50と側部43における自由流体圧力と、の間でより大きな圧力を生成する。
【0070】
スクープ32と、入口14と、タービン18との間の滑らかな表面形状および領域の緩やかな減少は、損失を最小限に抑え、効率を高めることができる。
【0071】
タービン18と、管空間42との間の滑らかな表面形状、および面積の緩やかな増加は、損失を最小限に抑え、効率を高めることができる。
【0072】
提供された実施形態において、入口14とタワー出口16との間の圧力差を増加させるため、より高い標高の風がタワー出口16を横切って方向付けられ得るように、タワー出口16は入口14より高い位置に配置される。マスト10が高ければ高いほど、風の流れを遮断し、かつ/または乱流を生成する障害物を有する可能性が低くなる。理想的には、入口14は、タワー出口16が配置された側部43の自然な低圧領域に対して、より高圧を有する自然な領域である、風上部34に位置し、低圧領域は一般的に、風上部34の概ね風下である。大きな圧力差は、流体流路を通る気流20がより速くなり、タービン18が動作し、より多くの電力を発生させる。タービン18は、予想される条件と、その動作限界に基づいて、サイズを変えることができる。この実施形態において、タービン18はマスト10および基部12の一部に収容される。したがって、本発明を使用して、空気に対して開放的なタービンを有する他の風力発電機に通常存在する保守、野生生物、および騒音に関連する危険因子を、低減および/または排除することができる。有利なことに、タービン18を地面の高さにより近づけることにより、高所で保守作業を行うときのリスクが低減される。
【0073】
図3を参照すると、タービン18の周りに配置された入口14の断面平面図が提供されている。この実施形態において、基部12はマニホールドを備え、マニホールドは、入口14を通して空気を受け取り、それぞれの流路がタービン18を内部に配置された流体流路内に収束するまで導かれる。この実施形態において、図4に示されるように、スクープ32は風を入口14に凝縮しかつ導き、入口14は、タービン18を通る空気を導くチャネルを有する。入口14のサイズ(例えば直径6メートルとする)は、タービン18の最大速度に基づいて、および/または装置が設置される領域に基づく過去の気象記録によって選択することができる。
【0074】
タービン18の速度、ひいては発電可能な電気量は、風力タワー5が入口14からタワー出口16への流れを許容し得る、空気の体積流量によって制限される。したがって、入口14のサイズは、強い突風が頻発する地域、および/または比較的大きなタービン18を有する風力タワー5が設置された地域において、より大きくてもよい。したがって、設置場所および過去の気象条件は、タービン18の所望のサイズを提供することができる。所望の電力出力を生成するためにタービン18が必要な速度で動作し得ることが必要であり、空気を収容する必要があるため、その情報は、入口14および/またはタワー出口16のサイズを決定するために使用することができる。環境条件は季節にもよるため、1つ以上のタワー出口16を動作から効果的に切り離す能力が望まれてもよい。
【0075】
別の実施形態は、小型発電機60に動作可能に接続された、少なくとも1つの追加の小型タービン52を流路内に備えてよい。小型タービン52は、段状に互いに隣接するか、または小型ドライブシャフト56に沿って離間して配置することができる。
【0076】
タービン18は、発電機22に印加される回転速度およびトルクを制御するための可変ピッチタービンブレードを含むことができる。
【0077】
図4および図5を参照すると、マスト10上の1つ以上のタワー出口16は、好ましくはマスト10の長手方向長さに沿って均等に離間され、マスト10内の流体流路の一部を形成する管空間42から流体的に開口している。タワー出口16は、側部43の一方または両方に配置され、好ましくは、風上部34から風下部36への移行部、またはその直前に配置される。
【0078】
ゲートバルブ24はまた、1つ以上の入口14とタービン18との間に配置されてもよい(図4に示す)。ゲートバルブ24は、個々または組み合わせることで、作動中および/または保守中に気流20を調整し、タービン18の作動を低減または防止するのを助勢するために使用することができる。動作の低減は例えば、騒音、電気出力、または他の気象条件に関する問題に対処するためでよい。
【0079】
1つ以上の入口14は、タワー出口16よりも実質的に大きな断面積を有し、タワー出口16よりも重く形成されている。スクープ32および/または1つ以上の入口14が、それらの近傍にある接続部において、タワー出口16に相関するマストよりも低いことによって提供される追加の重量は、風力タワー5の基礎的な完成度を改善する。入口14をマスト10の下方に、および/または基部12内に配置することは、質量中心および重心を下げて、風力タワー5の転倒または倒壊の可能性を低減または低下させる。
【0080】
スクープ32は、1つ以上の入口14を通って導かれる空気を集中する。気流20を集中するスクープ32の形状によって生じる断面の減少は、1つ以上の入口14に入る空気の速度を増加させ、それによってタービン18の速度を増加させる。スクープ32は、風力タワー5と、マスト10および/または基部12と接続されてよい。また、スクープは、マスト10または基部12の一部として形成されてもよい。
【0081】
図5を参照すると、タワー出口16のうちの1つにおけるマスト10の断面が提供され、対称的な翼形状の1つの態様を示す。ベルヌーイの定理によって説明されるように、風がマスト10の周りを移動するときの風の速度の増加は、マスト10の側部43上に低圧領域を生成する。マスト10が対称的なとき、低圧領域がマストの風下部36の両側部43に形成され、それによって風下部36の両側部43に力を及ぼす。しかしながら、風下部36の両側部の力が不釣り合いである場合、マスト10はその力が釣り合うまで回転し、しかし、反対側を向くまでは回転せず、結果、風上部34が風に面し、風下部36が風から離れる方向を向くことになる。
【0082】
風がマスト10に吹くと、風は風上部34の周りを移動し、コアンダ効果によって説明されるように、表面に付着したままである傾向を有し、風はマスト10の周りを移動し、タワー出口16を横切る。タワー出口16を横切って移動する風は、タワー出口16の各々のすぐ外側に低圧領域を作り出すことで、結果、圧力差をもたらし、流体流路を介して、入口14とタワー出口16との間の圧力差に比例する気流20を生成する。したがって、入口14とタワー出口16との間に存在する圧力差は、本明細書で論じられる特徴のうちの1つ、または、1つ以上の組み合わせで引き起こされる。
【0083】
図6および図7を参照すると、杭上部アセンブリ28に接続された基部12の杭26を示す断面図が提供されている。杭26は、杭上部アセンブリ28に補完的特徴を接続する単一の杭または複数の比較的小さい杭であってもよい。基部12は、マスト10が基部12に関連して回転を可能にする回転軸受38を備えてもよい。回転軸受38は、杭上部アセンブリ28の全体が杭26に関連して回転するように構成されてもよい。回転軸受38は、ターンテーブル軸受、ターンテーブル環または回転環であってもよい。
【0084】
この実施形態において、杭26の長さは、約38メートルである。しかしながら、杭26の長さは、マスト10の高さによって決定されるべきである。例えば、高さ180メートルのマスト10は、長さ50メートルの杭26を必要とする場合がある。逆に、15メートルの高さのマスト10は、2メートルの長さの杭26のみを必要とする場合がある。杭26に必要とされる長さの計算において、風力タワー5の倒壊の可能性を適切に可能な限り低くするために、安全係数を含めることは明らかであろう。必要とされる安全係数は条例によって変わることがあり、したがって、当業者は、杭26の長さの変化も変わり得ることを容易に理解するのであろう。
【0085】
本発明の別の実施形態において、マスト10は、10、20、30、40、50、70、80、90、100、または任意の数のタワー出口16を有することができる。マスト10は、マスト10の高さおよび形状に基づいて、複数のタワー出口16を有してよい。概して言えば、タワー出口16の総断面積は、入口14の総断面積よりも大きい。したがって、入口14は、円形であってよく、直径が6メートルであってよく、タワー出口16は、半径方向の深さが境界層の厚さに等しい長方形であってよい。入口14の形状およびタワー出口16の形状は、円形、正方形、長方形、三角形、または楕円形などの任意の形状でよい。入口14およびタワー出口16の形状は、構造的強度、空間的制約、および/または製造の容易さによって決定されてよい。
【0086】
本実施形態において、マスト10は、地面から約135メートルの高さである。他の実施形態において、マスト10は、さらに高くてもよく、例えば150メートルでよく、または、さらに低くてもよく、例えば120メートル、100メートル、75メートル、50メートル、40メートル、30メートル、20メートル、または10メートルなどでよく、設置場所および/または地域の気象条件に基づいてよい。例えば、住宅地域に設置される場合、マスト10の高さは、規制を満たすために、5メートルのマスト10のみに制限されてよい。一方、峡谷または平野に設置されたマスト10は、150メートルのマスト10を収容し、より高い高度の風の流れを利用してもよい。
【0087】
本実施形態において、タワー出口16は、マスト10の長さに沿って均等に離間される。しかしながら、別の実施形態においては、タワー出口16は、マスト10に沿って不規則に離間されてもよい(すなわち、均等に離間されなくともよい)。タワー出口16は、また、マスト10の一部に沿って離間されてもよい。
【0088】
一実施形態において、図8に示すように、タワー出口16は、マスト10の長さに沿って異なる高さにある2つ以上のタワー出口16のタワー出口列40に集中してよい。タワー出口16の位置は、風力タワー5が設置される地域条件によって決定されてよい。
【0089】
タワー出口列40はまた、タワー出口16の数を減らすためにマスト10の長さに沿って動作可能であり、流路内で動作可能である、1つ以上のゲートバルブ(図示せず)を備えてよい。ゲートバルブ24と共に、タワー出口列40におけるゲートバルブは、1つ以上の入口14と1つ以上のタワー出口16との間の気体流量を絞ることによって、タービン18の速度の調整を可能にする。これは、風力発電機の性能を最適化することができる。
【0090】
図9を参照すると、流体流路20は、1つ以上のタービン18およびタービン52を通過した後、異なるチャネル78に分離されてよく、タワー出口16は、異なるタワーバッフル空間68および出口列40に分離される。そうすることで、1つ以上のタワー出口列40を選択的または自動的に動作させてタービン18からの発電を最適化するために、ゲートバルブまたは逆止弁などの1つ以上の気流調整手段をマスト10内に配置することができる。
【0091】
例えば、風が入口14に直接吹き込まれることによって気流20が生成されるとき、入口14と運転中のタワー出口16との間の気流の速度が低減されないことを保証するために、運転中にタワー出口列40を効果的に増加させることは、タービン18の最適な性能を保証することができる。あるいは気流20が、タワー出口16またはタワー出口列40を通過して吹き出される風の変動量による圧力差によって生成されている場合、効率的に運転可能なタワー出口16またはタワー出口列40を減少させることは、流体流路を通る気流20の速度の増加をもたらしてよく、それによって、タービン18に多くの電力を生成させる。マスト10は、1つ以上のタワー出口16またはタワー出口列40を動作から取り除いて補償する異なる特性を有する複数の風の層が存在するほどの高さを備えた十分な大きさであってよい。
【0092】
さらに、タワー出口16は、マスト10の異なる側部43の異なる高さに配置されてもよい。したがって、一方の側部43では、タワー出口は10メートル毎に配置することができ、他方の側部43では、15メートル毎に配置することができる。例えば、一方の側部43のタワー出口16は、マスト10の底部から5メートルの位置から始まり、10メートルごとに配置され、タワー出口が両側部43の間で5メートルごとに交互に配置するようにしてよい。
【0093】
マスト10は、タワー出口16において気流20をより良好に整列させるように構成されたバッフル80をさらに備えることができ、バッフル80の間の空間は、バッフル空間68として画定することができる。バッフル80は、風下空間64内の空気の垂直方向の流れを制限する(空気が出口チャネル旋回羽根72を通過する場合、ベルヌーイ効果による圧力降下を制限する)ように構成されてもよい。
【0094】
全てのバッフル80は、タワー出口列40と整列させてもよく、両方の特徴は、独立していると考えることができ、必ずしも一緒に使用する必要はなく、バッフル80は、出口列40が組み込まれていない利点を提供することができ、逆もまた同様であることを認識されたい。
【0095】
本実施形態において、基部12は、回転軸受38を備える。しかしながら、回転軸受38は、連結手段の一部としてマスト10および基部12の中間にあってもよい。回転軸受38はまた、底部に向かってマスト10に一体化されてもよい。また、マスト10が回転する手段は、自在軸受または自在軸受と回転軸受38の組合せであってもよい。
【0096】
本実施形態において、入口14が基部12上に配置される。1つ以上の入口14は、スクープ32の有無にかかわらずマスト10に配置されてもよい。スクープ32はまた、入口14として作用してもよい。
【0097】
気流20は、動圧を最適化するためにマスト10内で案内されることが有利である。
【0098】
図10を参照すると、管空間42または流路78を上方に移動し、風下部36に向かって出される気流20を導くように構成された複数の管旋回羽根70が設けられる。それにより、気流20は、マスト10を出ながら自由流と実質的に整列され、動圧を最適化し、出口ポート16の内側部分で圧力が低下することによるベルヌーイ効果を緩和する。
【0099】
管旋回羽根70は、風下空間64と管空間42との間の逆流を制限するように構成された逆止弁84を備えることができる。
【0100】
図11および図5を参照すると、風下空間64における風下から出口空間66における風上に気流20を旋回させるように構成された複数の出口チャネル旋回羽根72が提供され、それによってタワー出口16における動圧を増加させている。
【0101】
出口チャネル旋回羽根72は、出口空間66と風下空間64との間の逆流を制限するように構成された逆止弁84を備えてもよい。
【0102】
図12および図5を参照すると、出口空間66における風上からタワー出口16を出る風下に気流を旋回させるように構成された複数の出口旋回羽根74が提供され、それによりタワー出口16における動圧を増大させている。
【0103】
出口旋回羽根74は、自由流気流から出口空間66への逆流を制限するように構成された逆止弁84を備えてもよい。
【0104】
図13を参照すると、スクープ空間62風上からスクープ出口50を出る風下に気流20を回転させるように構成された複数のスクープ出口旋回羽根76が提供され、それによりスクープ出口50における動圧を増大させている。
【0105】
スクープ出口旋回羽根76は、自由流体気流からスクープ空間62への逆流を制限するように構成された逆止弁84を備えてもよい。
【0106】
図14を参照すると、マスト10の長手方向長さに沿った位置に、水平面において均等に離間された複数のタワー出口16が設けられる。複数のタワー出口16は、半径方向位置θとθとの間に延在して示されている。複数のタワー出口16を示す構成は、複数のスクープ出口50にも適用可能である。
【0107】
θは最適には80°であってもよいが、そのようなものに限定されない。
【0108】
θは最適には115°であってもよいが、そのようなものに限定されない。
【0109】
水平面における複数のタワー出口16は、マスト10の長さに沿った複数の位置で繰り返されてもよい。したがって、複数のタワー出口16は例えば、マスト10の長手方向長さに沿って5メートル毎に配置してよい。それらは、1、2、3、4、5、10メートルごとなど、マスト10の長さに沿って任意の増加量で配置されてもよい。
【0110】
タワー出口16は、翼側部43における圧力降下が、風上部34のよどみ圧力と翼側部43との間で達成される最小圧力との間の差の80%よりも大きい位置に配置されてもよい。
【0111】
同様に、スクープ出口50は、翼側部43における圧力降下が、風上部34のよどみ圧力と翼側部43との間で達成される最小圧力との間の差の80%よりも大きい位置に配置されてもよい。
【0112】
図15を参照すると、マスト10の周りの自由流空気速度
【数1】

および流体流路が示されている。
【0113】
理想的には、入口14に対するタワー出口16の累積面積の割合が、以下の式によって決定される。しかしながら、本発明は複数の定理に作用し、わずか複数がそのような厳格なこだわりを必要とし得る。下記のその式は単なる指標であり、入口14に対するタワー出口16のサイズを設計するときの出発点である。限定されるものではないが、環境要因を含む多くの要因が、この関係を多かれ少なかれ重要なものにし得る。例えば、風力発電機の位置において、風力発電機の初期駆動は、自然に製造され、サイジングはそれほど重要ではない場合がある。
【数2】

したがって、本発明は、入口14に対するタワー出口16の累積面積の割合が上記の式を厳密に満たさない場合でも、依然として機能する。
【0114】
本発明には、開示され、図面に示された文脈の範囲内で変更を加えることができる。そのような変更は、本明細書に開示された本発明の一部を形成することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-01-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マストの長さの低圧部に沿って配置された複数のタワー出口を有するマストと、
前記マストの高圧部に配置された1つ以上の入口と、
前記入口と前記タワー出口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
前記入口および前記タワー出口は、タービンを稼働するために、風が前記流体流路を通る気流を生成するように構成されている、風力発電機。
【請求項2】
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストの側部に配置された1つ以上のタワー出口と、
前記マストの前記風上部に配置された1つ以上の入口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記入口が気流を受け取るとき、前記気流は、前記流体流路を通り、前記タービンを動作させるように移動させられる、風力発電機。
【請求項3】
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストの低圧部に配置された1つ以上のタワー出口と、
前記マストの高圧部に配置された1つ以上の入口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の圧力差が、前記タービンを動作させる気流を生成する、風力発電機。
【請求項4】
基部に回転可能に接続され、風の方向に応じて風上部が風に面して向けられるように回転するように構成されたマストと、
前記マストにおける1つ以上の入口の位置に対して、前記マストにおいて異なる高さに配置された1つ以上のタワー出口と、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に内部流体流路を画定する導管と、
前記流体流路内のタービンと、を備え、
1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の圧力差が、前記タービンを動作させる気流を生成する、風力発電機。
【請求項5】
前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、1つ以上の前記入口から垂直方向に離間している、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項6】
前記マストにおける1つ以上の前記タワー出口は、前記マストにおける1つ以上の前記入口よりも高い、請求項に記載の風力発電機。
【請求項7】
前記タワー出口は、前記マストの風上部から前記マストの風下部の間の移行部の中央、または、前方に配置される、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項8】
1つ以上の前記入口の各々は、1つ以上の前記タワー出口の各々よりも断面積において実質的に大きい、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項9】
前記タワー出口の断面積の合計は、前記入口の断面積の合計よりも大きい、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項10】
前記風力発電機は、前記流路内に1つ以上の気流調整手段を備える、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項11】
1つ以上の前記気流調整手段は、ゲートバルブである、請求項1に記載の風力発電機。
【請求項12】
1つ以上の前記気流調整手段は、逆止弁である、請求項1に記載の風力発電機。
【請求項13】
前記逆止弁は、リード弁である、請求項1に記載の風力発電機。
【請求項14】
前記風力発電機は、前記流路内に少なくとも2つの気流調整手段を備え、前記気流調整手段の少なくとも1つはゲートバルブであり、前記気流調整手段の少なくとも1つは逆止弁である、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項15】
前記風力発電機は、前記タービンへの気流を絞るように構成された少なくとも1つのゲートバルブを備える、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項16】
前記風力発電機は、1つ以上の前記タワー出口を選択的にまたは自動的に動作させるように構成された少なくとも1つの逆止弁を備える、請求項1~のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項17】
少なくとも1つの前記逆止弁は、1つ以上の前記タワー出口を通る空気の逆流を防止するようにさらに構成される、請求項1に記載の風力発電機。
【請求項18】
前記マストは、前記タワー出口において気流をより良好に整列させるように構成されたバッフルを備える、請求項1~1のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項19】
前記風力発電機は、前記マストの内部管空間を上方に移動し風下部分に向かって出される気流を導くように構成された複数の管旋回羽根を備えることで、気流が、前記マストを出ながら前記風の方向に実質的に整列される、請求項1~18のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項20】
前記マストは、出口空間と、風下空間と、前記風下空間における風下から前記出口空間における風上に気流を旋回させるように構成された複数の出口チャネル旋回羽根とを備える、請求項19に記載の風力発電機。
【請求項21】
前記管旋回羽根は、前記風下空間と前記管空間との間の逆流を制限するように構成された逆止弁を備える、請求項2に記載の風力発電機。
【請求項22】
前記出口チャネル旋回羽根は、前記出口空間と前記風下空間との間の逆流を制限するように構成された逆止弁を備える、請求項2に記載の風力発電機。
【請求項23】
前記マストは、前記出口空間における風上から前記タワー出口を出るときの風下に前記気流を旋回させるように構成された、複数の出口旋回羽根を備える、請求項2に記載の風力発電機。
【請求項24】
前記出口旋回羽根は、前記自由流体気流から前記出口空間への逆流を制限するように構成された逆止弁を備える、請求項2に記載の風力発電機。
【請求項25】
風の方向に応じて風上部が風に面するようにマストを位置決定する工程と、
マストに1つ以上の入口を設ける工程と、
前記マストの側部に1つ以上のタワー出口を提供する工程と、
該工程は、前記風が1つ以上の前記タワー出口を横切って流れるときに1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間に圧力差が生成されるように、1つ以上の前記タワー出口と1つ以上の前記入口との間の内部流体流路を通る気流を生成し、
前記流体流路内にタービンを提供する工程と、を備え、
該工程は、前記気流が前記流体流路内に生成されるとき、前記タービンが電力を生成するような動作をするために構成された、発電方法。
【国際調査報告】