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特表2024-514235エネルギーハーベスティング装置、システムおよび製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】エネルギーハーベスティング装置、システムおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 5/06 20060101AFI20240322BHJP
   F03D 15/10 20160101ALI20240322BHJP
【FI】
F03D5/06
F03D15/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023555241
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 GB2022050616
(87)【国際公開番号】W WO2022189790
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2103390.7
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2113126.3
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】63/274,326
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521338961
【氏名又は名称】カトリック テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KATRICK TECHNOLOGIES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェラユサム,カーティキヤン
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA18
3H178AA40
3H178AA43
3H178AA70
3H178BB61
3H178BB75
3H178DD28X
(57)【要約】
エネルギーハーベスティング装置が開示されている。エネルギーハーベスティング装置は、入口開口部および出口開口部を有するダクトを備える。エネルギーハーベスティング装置は、ダクト内に配置された1または複数のフォイルをさらに備え、1または複数のフォイルの前縁が、入口開口部に向けて配置されている。また、エネルギーハーベスティング装置は、1または複数のフォイルの運動を電気に変換するための発電機も備える。発電機は、1または複数の振動部材とエネルギー変換手段とを備える。1または複数の振動部材は、両方の揺動運動を示すように構成され、1または複数のフォイルは、回転運動を示すように構成される。フォイルは、エアロフォイルまたはハイドロフォイルであってもよい。エネルギーハーベスティング装置は、多くの利点を有する再生可能エネルギーを生成するための代替的な装置を提供する。この装置は、振動エネルギーを収穫し、広範囲の流体の流れのパラメータで動作するように最適化することができ、環境への悪影響を最小限に抑え、多くの場所や用途に適している。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーハーベスティング装置であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトと、
前記ダクト内に配置された1または複数のフォイルであって、その前縁が前記入口開口部に向けて配置された1または複数のフォイルと、
1または複数の振動部材およびエネルギー変換手段を含み、前記1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される発電機とを備え、
前記1または複数の振動部材が、前記エネルギー変換手段を駆動する揺動運動を示すように構成され、前記1または複数のフォイルが、前記揺動運動を補助する回転運動を示すように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
各振動部材が、前記フォイルに取り付けるための第1の端部と、エネルギー変換手段が配置された第2の端部とを含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記振動部材が、前記振動部材の第1の端部と第2の端部との間に位置するベアリングを中心に揺動するように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
各振動部材が、中心揺動位置の両側で1°~89°揺動することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
各振動部材が、中心揺動位置の両側で1°~30°揺動するか、または各振動部材が、中心揺動位置の両側で1°~15°揺動することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
動作中、前記フォイルの周囲の流体の流れが、前記振動部材の揺動運動を引き起こす揚力を発生させることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
第1の揺動ストップおよび第2の揺動ストップが、前記振動部材の揺動運動を制限することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
各フォイルが、前記振動部材の軸を中心に回転するように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記フォイルが、中心回転位置の両側で1°~89°回転することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記フォイルが、中心回転位置の両側で1°~35°回転することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
動作中、前記フォイルの重量および/または慣性が、前記フォイルの回転運動を引き起こす回転力を生成することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記フォイルの回転運動が、前記フォイルの迎え角を反転させることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
第1の回転ストップおよび第2の回転ストップが、前記フォイルの回転運動を制限することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項14】
請求項3~13の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記ベアリングが、前記振動部材の軸を中心に、前記振動部材および前記振動部材に取り付けられた前記フォイルを回転させるように構成されたピッチ制御機構を備えることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項15】
請求項14に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記ピッチ制御機構が、サーボモータと、前記サーボモータを前記振動部材に接続するドライブトレインとを備えることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記振動部材の第2の端部に配置されたエネルギー変換手段が、揺動運動のみを示して、回転運動を示さないことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項17】
請求項1~16の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記回転運動が、前記振動部材と前記フォイルの組合せに分離されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項18】
請求項1~17の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記エネルギー変換手段が、前記振動部材の第2の端部に位置するラックと、ピニオンとを備え、前記ラックが、ピニオンと噛み合うように向けられて位置決めされていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項19】
請求項18に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記エネルギー変換手段が、発電機をさらに備え、前記ピニオンが、軸によって間接的にまたは直接的に前記発電機に接続されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項20】
請求項19に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
動作中、揺動運動が前記ラックを変位させ、それにより前記ピニオンが回転して、前記発電機を駆動することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項21】
請求項1~20の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記エネルギー変換手段が、振動回転運動を一方向回転運動に変換するように構成されたクラッチ機構を含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項22】
請求項1~21の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
当該エネルギーハーベスティング装置が、2以上のダクトをさらに備え、それら2以上のダクトの各々が、入口開口部および出口開口部を有し、前記2以上のダクトの各々が、ダクト内に配置された1または複数のフォイルを備え、前記1または複数のフォイルの前縁が前記入口開口部に向けて配置されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項23】
請求項1~22の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記1または複数のフォイルが、1または複数のエアロフォイルを含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項24】
請求項1~23の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記1または複数のフォイルが、1または複数のハイドロフォイルを含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項25】
エネルギーハーベスティングシステムであって、
請求項1~24の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置を2以上含むことを特徴とするエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項26】
エネルギーハーベスティング装置の製造方法であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトを提供するステップと、
前記ダクト内に1または複数のフォイルを提供するステップであって、前記1または複数のフォイルの前縁が前記入口開口部に向けて配置される、ステップと、
1または複数の振動部材およびエネルギー変換手段を含む発電機を提供するステップであって、前記発電機が、前記1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される、ステップとを備え、
前記1または複数の振動部材が、前記エネルギー変換手段を駆動する揺動運動を示すように構成され、前記1または複数のフォイルが、前記揺動運動を補助する回転運動を示すように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法。
【請求項27】
請求項26に記載のエネルギーハーベスティング装置の製造方法において、
風力エネルギーハーベスティング装置の製造方法が、流体の流れを特性評価するステップをさらに含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法。
【請求項28】
請求項27に記載のエネルギーハーベスティング装置の製造方法において、
前記流体の流れとともに使用するための前記エネルギーハーベスティング装置の最適なパラメータを決定するステップをさらに含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギーハーベスティング装置、システムおよび製造方法に関する。特に、エネルギーハーベスティング装置は、再生可能エネルギーを生成するために、風などの流体の流れからエネルギーを収穫するのに適している。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で知られている従来の水平軸風力タービンは、通常、3枚のブレードを備える。風力タービンは、空気力学的揚力の原理に従って、風の運動エネルギーを機械的運動に変換する。動作中、ブレードが回転して発電機を駆動し、発電機が機械的運動を電気に変換する。
【0003】
風力タービンは、再生可能エネルギーの供給源を提供するためにエネルギー産業で広く利用されているが、多くの欠点がある。風力タービンは、狭い風速範囲内でしか動作しない。例えば、風速が速すぎると風力タービンが損傷する危険性がある。逆に、風速が低すぎると、ブレードを回転させるのに十分な揚力が得られない可能性がある。
【0004】
商業用風力発電所は、通常、高さ100mを超える大型風力タービンを備える。大型風力タービンは小型のマイクロ風力タービンよりも効率的であるが、大型風力タービンは、一般に、周囲の景観を占め、環境に美観上の悪影響を与える。風力タービンは周囲の野生生物に影響を与える可能性があるため、さらに環境に悪影響を及ぼす。例えば、風力タービンのブレードが鳥を殺す可能性もある。
【0005】
さらに、そのような大型風力タービンは、ブレードの後方で大きな乱流を発生させる傾向があるため、都市景観や高速道路沿い、特に空港の近くに設置するのに適していない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様の目的は、当該技術分野で知られているエネルギーハーベスティング装置の前述した欠点の1または複数を回避するか、または少なくとも軽減するエネルギーハーベスティング装置を提供することである。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、
入口開口部および出口開口部を有するダクトと、
ダクト内に配置された1または複数のフォイルであって、その前縁が入口開口部に向けて配置された1または複数のフォイルと、
1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される発電機と
を備えたエネルギーハーベスティング装置が提供される。
【0008】
好ましくは、入口開口部は、エネルギーハーベスティング装置の第1の表面に位置し、出口開口部は、エネルギーハーベスティング装置の第2の表面に位置する。
【0009】
好ましくは、第2の表面は、第1の表面の実質的に反対側にある。代替的には、第2の表面は、第1の表面に対して実質的に接線方向にある。
【0010】
代替的には、入口開口部は、第1の表面の第1の領域に位置し、出口開口部は、第1の表面の第2の領域に位置する。
【0011】
最も好ましくは、1または複数のフォイルは、1または複数のフォイルの翼幅方向における厚さの変化を含む。1または複数のフォイルは、ポジティブキャンバ断面およびネガティブキャンバ断面の両方を含むことができる。1または複数のフォイルは、逆向きに相互作用する揚力および抗力を生成し、それにより振動、より具体的には、フラッタ振動を引き起こす。
【0012】
好ましくは、1または複数のフォイルは、1または複数のフォイルの翼弦方向における厚さの変化を含む。
【0013】
任意選択的には、1または複数のフォイルは、1または複数の重りを含む。1または複数の重りは、1または複数のフォイルの内部構造内に均一または不均一に分布している。
【0014】
好ましくは、エネルギーハーベスティング装置は、発電機ハウジングをさらに備える。この発電機ハウジングは、第1の表面から突出する円錐状の部分を含むことができる。
【0015】
任意選択的には、円錐状の部分は、1または複数のフィンを備える。フィンは、不連続な頂点を含むことができる。フィンは乱流を誘導する。
【0016】
任意選択的には、エネルギーハーベスティング装置は、1または複数のフラップをさらに備える。1または複数のフラップは、ダクトの入口開口部および/またはフォイルの後縁に配置される。フラップは、乱れた流体の流れを誘導する。
【0017】
任意選択的には、エネルギーハーベスティング装置は、入口開口部およびまたは出口開口部にわたるメッシュをさらに備える。メッシュは、乱れた流体の流れを誘導し、かつ/または、例えば、フォイルを保護するバリアとして機能する。
【0018】
任意選択的には、エネルギーハーベスティング装置は、流量制限器をさらに含む。流量制限器は、ダクト内に配置される。流量制限器は、ダクトを狭め、または広げる。流量制限器は、乱れた流体の流れを誘導する。
【0019】
最も好ましくは、発電機は、1または複数の振動装置および1または複数のエネルギー変換手段を備える。
【0020】
好ましくは、1または複数の振動装置は、1または複数の振動レンズを備える。1または複数の振動レンズの各々は、少なくとも2の集束部材を含み、少なくとも2の集束部材の各々は、フォイルに取り付けるための第1の端部と、第2の端部とを有し、少なくとも2の集束部材は、集束部材間の間隔が第1の端部から第2の端部に向かって減少するように配置される。
【0021】
任意選択的には、1または複数の振動レンズの各々は、複数の集束部材を含み、2以上のフォイルが、1または複数の振動レンズの各々に取り付けられるものであってもよい。
【0022】
好ましくは、少なくとも2の集束部材の第1の端部は、フォイルの内部構造に取り付けられる。代替的には、少なくとも2の集束部材の第1の端部は、フォイルの表面、より具体的にはフォイルの第1の側面に取り付けられる。
【0023】
好ましくは、少なくとも2の集束部材は、振動レンズの第2の端部に向かって合流する。少なくとも2の集束部材は、発電機ハウジングを通過する前または通過した後に合流することができる。
【0024】
好ましくは、少なくとも2の集束部材は、ベアリングによって発電機ハウジングを通過する。
【0025】
最も好ましくは、エネルギー変換手段は、振動レンズの第2の端部に配置される。
【0026】
好ましくは、エネルギー変換手段は、磁石とコイルである。
【0027】
任意選択的には、エネルギー変換手段は、ロータおよび弾性コイルコネクタをさらに備える。
【0028】
代替的には、エネルギー変換手段は、圧電結晶である。
【0029】
最も好ましくは、エネルギーハーベスティング装置は、2以上のダクトをさらに備え、2以上のダクトの各々は、入口開口部および出口開口部を有する。好ましくは、2以上のダクトの各々は、ダクト内に配置された1または複数のフォイルを含み、1または複数のフォイルの前縁は、入口開口部に向けられている。任意選択的には、エネルギーハーベスティング装置は、最大18のダクトを含む。
【0030】
好ましくは、2以上のダクトは、発電機ハウジングの周りに配置される。
【0031】
任意選択的には、2以上のダクトは、発電機ハウジングのための1または複数の枝部材を形成する。
【0032】
任意選択的には、エネルギーハーベスティング装置は、レンズをさらに備える。レンズは、太陽放射を集束させて、対流する空気の流れを誘導するのに適している。
【0033】
任意選択的には、エネルギーハーベスティング装置は、遮音材の層をさらに備える。
【0034】
代替的には、1または複数の振動装置は、1または複数の振動部材を備える。各振動部材は、フォイルに取り付けるための第1の端部と、エネルギー変換手段が配置された第2の端部とを備える。
【0035】
好ましくは、振動部材は、振動部材の第1の端部と第2の端部との間に位置するベアリングを中心に揺動するように構成される。好ましくは、振動部材は、中心揺動位置の両側で1°~89°揺動することができる。好ましくは、振動部材は、中心揺動位置の両側で1°~30°揺動することができる。最も好ましくは、振動部材は、中心揺動位置の両側で1°~15°揺動することができる。
【0036】
好ましくは、動作中、フォイルの周りの流体の流れは、揚力を発生させ、それにより振動部材の揺動運動を引き起こす。
【0037】
好ましくは、第1の揺動ストップおよび第2の揺動ストップは、振動部材の揺動運動を制限する。
【0038】
好ましくは、各フォイルは、振動部材の軸を中心に回転するように構成される。フォイルは、中心回転位置の両側で1°~89°回転することができる。最も好ましくは、フォイル部材は、中心回転位置の両側で1°~35°回転することができる。
【0039】
好ましくは、動作中、フォイルの重量および/または慣性は、フォイルの回転運動を引き起こす回転力を発生させる。回転運動は、フォイルの迎え角を変化させ、より具体的には反転させる。
【0040】
好ましくは、第1の回転ストップおよび第2の回転ストップは、フォイルの回転運動を制限する。
【0041】
任意選択的には、ベアリングは、振動部材の軸を中心に、振動部材および振動部材に取り付けられたフォイルを回転させるように構成されたピッチ制御機構を備える。ピッチ制御機構は、サーボモータと、サーボモータを振動部材に接続するドライブトレインとを備える。
【0042】
好ましくは、振動部材の第2の端部に位置するエネルギー変換手段は、揺動運動のみを示し、回転運動を示さない。回転運動は、振動部材およびフォイルの組合せに分離される。
【0043】
好ましくは、揺動運動は、エネルギー変換手段を駆動し、回転運動は、揺動運動を補助する。
【0044】
好ましくは、エネルギー変換手段は、振動部材の第2の端部に配置されたラックを含む。ラックは、ピニオンと噛み合うように向けられて位置決めされる。ピニオンは、軸によって間接的にまたは直接的に発電機に接続される。動作中、揺動運動はラックを変位させ、それによりピニオンが回転して、発電機を駆動する。
【0045】
任意選択的には、エネルギー変換手段は、振動回転運動を一方向回転運動に変換するように構成されたクラッチ機構を備える。
【0046】
好ましくは、エネルギーハーベスティング装置は、風力エネルギーハーベスティング装置である。流体の流れは風である。1または複数のフォイルは、1または複数のエアロフォイルを含む。
【0047】
追加的または代替的には、エネルギーハーベスティング装置は、水流エネルギーハーベスティング装置である。流体の流れは水流である。1または複数のフォイルは、1または複数のハイドロフォイルを含む。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に係るエネルギーハーベスティング装置を2以上含むエネルギーハーベスティングシステムが提供される。
【0049】
好ましくは、2以上のエネルギーハーベスティング装置は、横並びに、かつ/または相互に積み重ねられる。
【0050】
本発明の第2の態様の実施形態は、本発明の第1の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0051】
本発明の第3の態様によれば、エネルギーハーベスティング装置の製造方法であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトを提供するステップと、
ダクト内に1または複数のフォイルを提供するステップであって、1または複数のフォイルの前縁が入口開口部に向けて配置される、ステップと、
1または複数のフォイルの運動を電気に変換する発電機を提供するステップと
を含むエネルギーハーベスティング装置の製造方法が提供される。
【0052】
最も好ましくは、風力エネルギーハーベスティング装置の製造方法は、空気の流れを特性評価するステップをさらに含む。
【0053】
好ましくは、流体の流れを特性評価することは、流体の流れの平均速度、流体の流れの速度分布、乱流、流体の流れのせん断プロファイル、流体の流れの方向分布、および長期間の時間的な流体の流れの変動を特性評価することを含むことができる。
【0054】
最も好ましくは、エネルギーハーベスティング装置の製造方法は、流体の流れとともに使用するための流体エネルギーハーベスティング装置の最適なパラメータを決定するステップをさらに含む。
【0055】
好ましくは、エネルギーハーベスティング装置の最適なパラメータを決定することは、流体エネルギーハーベスティング装置の寸法、ダクトの寸法および形状、フォイルの形状および構造、振動装置の寸法、形状、材料組成、向きおよび配置、ダクト内の2以上のフォイルの相対的な位置、フィン、フラップ、メッシュおよび流量制限器の配置および構成、並びに、発電機の配置および構成を決定することを含む。
【0056】
本発明の第3の態様の実施形態は、本発明の第1および/または第2の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0057】
本発明の第4の態様によれば、翼弦方向および/または翼幅方向において厚さの変化を含むフォイルが提供される。
【0058】
好ましくは、フォイルは、ポジティブキャンバ断面およびネガティブキャンバ断面の両方を含む。
【0059】
フォイルは、逆向きに相互作用する揚力および抗力を生成し、それにより振動、より具体的には、フラッタ振動を引き起こす。
【0060】
本発明の第4の態様の実施形態は、本発明の第1、第2および/または第3の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0061】
本発明の第5の態様によれば、エネルギーハーベスティング装置であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトと、
ダクト内に配置された1または複数のフォイルであって、その前縁が入口開口部に向けて配置された1または複数のフォイルと、
1または複数の振動レンズおよびエネルギー変換手段を含み、1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される発電機とを備え、
1または複数の振動レンズが、1または複数のフォイルの運動からの振動をエネルギー変換手段に集束させることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置が提供される。
【0062】
本発明の第5の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3および/または第4の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0063】
本発明の第6の態様によれば、エネルギーハーベスティング装置の製造方法であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトを提供するステップと、
ダクト内に1または複数のフォイルを提供するステップであって、1または複数のフォイルの前縁が入口開口部に向けて配置される、ステップと、
1または複数の振動レンズおよびエネルギー変換手段を含む発電機を提供するステップであって、発電機が、1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される、ステップとを備え、
1または複数の振動レンズが、1または複数のフォイルの運動からの振動をエネルギー変換手段に集束させることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法が提供される。
【0064】
本発明の第6の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4および/または第5の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0065】
本発明の第7の態様によれば、エネルギーハーベスティング装置であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトと、
ダクト内に配置された1または複数のフォイルであって、その前縁が入口開口部に向けて配置された1または複数のフォイルと、
1または複数の振動部材およびエネルギー変換手段を含み、1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される発電機とを備え、
1または複数の振動部材が、エネルギー変換手段を駆動する揺動運動を示すように構成され、1または複数のフォイルが、揺動運動を補助する回転運動を示すように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置が提供される。
【0066】
本発明の第7の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5および/または第6の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0067】
本発明の第8の態様によれば、エネルギーハーベスティング装置の製造方法であって、
入口開口部および出口開口部を有するダクトを提供するステップと、
ダクト内に1または複数のフォイルを提供するステップであって、1または複数のフォイルの前縁が入口開口部に向けて配置される、ステップと、
1または複数の振動部材およびエネルギー変換手段を含む発電機を提供するステップであって、発電機が、1または複数のフォイルの運動を電気に変換するために使用される、ステップとを備え、
1または複数の振動部材が、エネルギー変換手段を駆動する揺動運動を示すように構成され、1または複数のフォイルが、揺動運動を補助する回転運動を示すように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法が提供される。
【0068】
本発明の第8の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6および/または第7の態様の好ましい特徴または任意の特徴を実施するための特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
以下、単なる例として、本発明の様々な実施形態を図面を参照して説明する。
図1図1は、本発明の一実施形態に係るエネルギーハーベスティング装置の斜視図を示している。
図2図2は、図1のエネルギーハーベスティング装置の正面図を示している。
図3図3は、図1のエネルギーハーベスティング装置の概略断面図を示している。
図4図4は、図1のエネルギーハーベスティング装置の代替的な実施形態のダクトの斜視図を示している。
図5図5は、図1のエネルギーハーベスティング装置のフォイルの斜視図を示している。
図6図6は、図5のフォイルの代替的な実施形態の斜視図を示している。
図7図7は、図6のフォイルの(a)ポジティブキャンバのフォイル断面および(b)ネガティブキャンバのフォイル断面の概略図を示している。
図8図8は、図5のフォイルの代替的な実施形態の概略断面図を示している。
図9図9は、図5のフォイルの更なる代替的な実施形態の斜視図を示している。
図10図10は、図1のエネルギーハーベスティング装置の発電機の概略断面図を示している。
図11図11は、図1のエネルギーハーベスティング装置を含むエネルギーハーベスティングシステムの斜視図を示している。
図12図12は、図1のエネルギーハーベスティング装置の代替的な実施形態の斜視図を示している。
図13図13は、図1のエネルギーハーベスティング装置の更なる代替的な実施形態の斜視図を示している。
図14図14は、図1のエネルギーハーベスティング装置のさらに別の代替的な実施形態の斜視図を示している。
図15図15は、図1のエネルギーハーベスティング装置の更なる代替的な実施形態の斜視図を示している。
図16図16は、図1のエネルギーハーベスティング装置の更なる代替的な実施形態の斜視図を示している。
図17図17は、図1のエネルギーハーベスティング装置の更なる代替的な実施形態の斜視図を示している。
図18図18は、(a)第1の位置、(b)第2の位置、(c)第3の位置、(d)第4の位置にある図17のエネルギーハーベスティング装置のフォイルおよび振動部材の斜視図を示している。
図19図19は、図17のエネルギーハーベスティング装置のエネルギー変換手段の斜視図を示している。
図20図20は、図17のエネルギーハーベスティング装置の代替的なエネルギー変換手段の3つの斜視図(a)、(b)および(c)を示している。
図21図21は、図17のエネルギーハーベスティング装置の歯車機構の斜視図を示している。
図22図22は、図1のエネルギーハーベスティング装置の代替的な実施形態の概略断面図を示している。
図23図23は、図1のエネルギーハーベスティング装置の製造方法のフローチャートを示している。
【0070】
以下の説明において、本明細書および図面全体を通して、同様の部品には同一の符号が付されている。図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の部品の比率は、本発明の実施形態の詳細および特徴をより良く説明するために誇張されている。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、図1図23を参照して本発明を説明する。
【0072】
エネルギーハーベスティング装置
図1および図2は、エネルギーハーベスティング装置1aを示している。より具体的には、エネルギーハーベスティング装置1aは、風、潮流、あるいは川の流れのような流体の流れからエネルギーを採取するのに適している。エネルギーハーベスティング装置1aは、第1の表面2aと、反対側の第2の表面3aとを含む。第1および第2の表面2a、3aはともに、中心軸4に対して垂直であり、中心軸を中心としている。
【0073】
発電機ハウジング
エネルギーハーベスティング装置1aは、中心軸4を中心として配置された発電機ハウジング5aをさらに備える。発電機ハウジング5aは、図3から明らかなように、内部部分6と円錐状部分7とを備える。発電機ハウジング5の内部部分6は、第1および第2の表面2a、3a間に延びており、実質的に円形の断面形状を有する。発電機ハウジング5の内部部分6は、第1および第2の表面2a、3a間で変化し得る任意の適切な断面形状を有することができることを理解されたい。発電機ハウジング5aの円錐状部分7は、第1の表面2aから突出し、中心軸4に向かって先細になる内部部分6の続きをなす。
【0074】
ダクト
エネルギーハーベスティング装置1aは、図1および図2によって明確に示されるように、発電機ハウジング5aを中心に周方向に配置されたダクト8aをさらに備える。ダクト8aは、エネルギーハーベスティング装置1aを通る流体の流れ9を導くのに適した、第1および第2の表面2a、3a間の通路の形態をとる。流体の流れ9は、気体流または液体流の形態を取り得ることが理解されよう。
【0075】
発電機ハウジング5aの円錐状部分7は、ダクト8aに向かって流体の流れ9をそらす。図1および図2に示すようなエネルギーハーベスティング装置1aは、効率的な動作のために、発電機ハウジング5aの周囲に配置された18個以下のダクト8aを備えることが好ましいことが分かっている。
【0076】
各ダクト8aは、第1の表面2a上の入口開口部10と、第2の表面3a上の対応する出口開口部11とを備える。図1および図2に示すように、ダクト8はほぼ楕円形の断面形状を有する。ダクト8aは、楕円断面形状の半長軸が中心軸4から半径方向に延びるように向けられている。ダクト8aは、任意の適切な断面形状を有し得ることが理解されよう。
【0077】
図1および図2に示すように、各ダクト8aは、第1の表面2a上のダクト8aの位置に応じて異なる相対サイズを有する。代替例として、各ダクト8aはすべて均一なサイズであってもよいことが理解されよう。
【0078】
図2および図3は、ダクト8aの断面形状が中心軸4の方向に変化することを示している。換言すれば、断面形状は第1および第2の表面2a、3a間で変化する。ダクト8aの断面形状のこの変化は、エネルギーハーベスティング装置1aを通る流体の流れ9の速度を変化させるように構成され得る。代替例として、ダクト8aは、均一な断面形状を有することができる。
【0079】
図1および図3は、ダクト8aが第2の表面3から突出する任意の外部部分12を備えることを示している。外部部分12は、出口開口部11からエネルギーハーベスティング装置1aを出る流体の流れ9の向きを変えるように構成されている。
【0080】
フォイル
エネルギーハーベスティング装置1aは、図3および図4に示すように、各ダクト8a内に配置された1または複数のフォイル13をさらに備える。より具体的には、1または複数のフォイル13は、流体の流れ9が気体流であるか液体流であるかに応じて、1または複数のエアロフォイルまたは1または複数のハイドロフォイルの形態をとる。
【0081】
図5は、フォイル13を示しており、フォイル13の形状を説明するために使用されるいくつかの用語を定義している。フォイル13は、前縁14および後縁15を備える。前縁14、すなわち最前縁は、入射する流体の流れ9に出会う最初のフォイル表面である。このため、前縁14は、入射する流体の流れ9を分離する。後縁15、すなわち最後縁は、前縁14によって分離された流体の流れ9が合流する位置である。
【0082】
フォイル13は、翼弦16および翼幅17も備える。翼弦16は、前縁と後縁14、15の間の距離である。一方、翼幅17は、フォイル13の第1の側18と第2の側19との間の距離である。さらに、翼弦線20は、前縁と後縁14、15を結ぶ仮想直線として定義される。
【0083】
フォイル13は、上面21および下面22をさらに備える。上面および下面19、21の相対的な曲率は、フォイル13の翼弦方向にわたって延びる、上面および下面19、21の間で等距離にある線であるキャンバ線23によってパラメータ化される。フォイル13は、翼幅17にわたって均一な断面を備える。
【0084】
図3は、ダクト8a内に取り付けられたフォイル13を示している。フォイル13は、前縁14が入口開口部10の方に位置し、後縁15が出口開口部11の方に位置するような向きで配置されている。換言すれば、フォイル13の翼弦方向は中心軸4と実質的に平行である。
【0085】
動作中、流体の流れは、入口開口部10を通ってダクト13に入り、フォイル13を通過して流れて空気力学的または流体力学的な力を引き起こし、その後、出口開口部11を通ってダクト13から出る。フォイル13は運動、振動、および/または特にフラッタ振動を示し、エネルギーハーベスティング装置1aが捕捉、集束、伝達、収束、および/または電気エネルギーに変換するのは、それら振動からの運動エネルギーである。
【0086】
空気力学的または流体力学的な力がフォイル13を撓ませると、フォイル13構造の弾性により、フォイル13を元の形状に戻す復元力が作用する。フラッタは、流体力学的力とフォイル13の復元力との間の正のフィードバックによって引き起こされる動的不安定性である。当該技術分野で知られているフォイル13は、通常、フラッタを回避するように設計されているが、本発明が有用な電気エネルギーに変換するのは機械的振動エネルギーであるため、それらの振動はエネルギーハーベスティング装置1aにおいて望ましい。
【0087】
図5のフォイル13はフラッタ振動を示すことができるが、
a)フォイル13の形状および構造を修正して、反対に相互作用する揚力を誘導または増幅し、かつ/または、
b)流体の流れ9を調整して、例えば乱れた流体の流れ24を引き起こすことにより、
それらフラッタ振動を強化することが可能であり、好ましい。
【0088】
(a)修正フォイル
図6は、翼幅方向に厚み変化を持たせた修正フォイル25aを示している。修正フォイル25aは、ポジティブキャンバ断面26とネガティブキャンバ断面27の両方を含む。ポジティブキャンバ断面26は、揚力28をもたらし、図7aに示すように、上面21と翼弦線20との間に位置するキャンバ線23によって定義される。ネガティブキャンバ断面27は、抗力29をもたらし、図7bに示すように、下面22と翼弦線20との間に位置するキャンバ線23によって定義される。修正フォイル25aは、振動、および/または特にフラッタ振動を引き起こす、逆方向に相互作用する揚力と抗力28、29を示す。図6の修正フォイル25aは、翼弦方向に平行な軸を中心に振動を示す。
【0089】
追加的または代替的な特徴として、修正フォイル25aは、振動を誘発し、かつ/または増幅するための重り30をさらに含むことができる。修正フォイル25aは中空であり、内部構造31含む。図6に示す重り30は、翼弦方向と翼幅方向にわたってフォイル25aの内部構造31内に不均一に分布している。
【0090】
図8は、翼弦方向に厚さの変化を持たせた代替的な修正フォイル25bを示している。これにより、フォイル25bの翼弦方向にわたって揚力および抗力28、29が生じ、翼幅方向に平行な軸の周りの振動が引き起こされる。
【0091】
図9は、翼幅方向と翼弦方向の両方に厚さの変化を有し、翼弦方向および翼幅方向に平行な軸の周りの振動の組合せが生じる、更なる代替的な修正フォイル25cを示している。
【0092】
(b)流体の流れの調整
追加的または代替的な特徴として、エネルギーハーベスティング装置1は、発電機ハウジング5aの円錐状部分7から突出する図3に示すようなフィン32を備える。フィン32は、不連続な頂点33を含み、入射する流体の流れ9の滑らかな層流を乱し、乱れた流体の流れ24を形成する。
【0093】
更なる追加的または代替的な特徴として、エネルギーハーベスティング装置1aは、フラップ34を備える。図3に示すように、フラップ34はダクト8aの入口開口部10に配置され、あるいは図4に示すように、フラップ34はフォイル13の後縁に配置されている。フラップ34は揺動して流体の流れ9を逸らして乱し、乱れた流体の流れ24を生じさせる。
【0094】
別の追加的または代替的な特徴として、エネルギーハーベスティング装置1aは、図4に示すように、ダクト8aの入口開口部10にわたるメッシュ35を備える。メッシュ35は均一であるが、メッシュ35は代わりに不均一であってもよいことが理解されよう。ダクト8aの入口開口部10に入る流体の流れ9はメッシュ35を通過する。メッシュ35は流体の流れ9を乱し、乱れた流体の流れ24を発生させる。メッシュ35は、二重の機能を有し、エネルギーハーベスティング装置1aの内部コンポーネントを保護するバリアとしても機能する。このため、エネルギーハーベスティング装置1aは、ダクト8aの出口開口部11にわたるメッシュを備えることもできる。
【0095】
追加的または代替的な特徴として、エネルギーハーベスティング装置1aは、図4に示すように、通路の断面形状を狭める(または広げる)ためにダクト8a内に配置された流量制限器36を備える。流量制限器36は、流体の流れ9の速度を増加させるボトルネックとして機能する。流量制限器36は、流体の流れ9を乱し、乱れた流体の流れ24を生成する。
【0096】
発電機および振動装置
エネルギーハーベスティング装置1aは、1または複数のフォイル13、25の運動、すなわち振動を電気に変換するために採用される発電機37をさらに備える。
【0097】
発電機37は、1または複数の振動レンズ38の形態の1または複数の振動装置およびエネルギー変換手段39を備える。各振動レンズ38は、発電機ハウジング5内に配置されたエネルギー変換手段39に向けて、1または複数のフォイル13、25a、25b、25cからの振動を捕捉し、伝達し、収束させ、かつ/または集束させる。振動レンズ38は、二重の目的を有し、複数のダクト8内に各フォイル13、25a、25b、25cを取り付けるための手段でもある。
【0098】
振動レンズ38は、本出願人の同時係属中の英国特許公開第GB2586067号および英国特許出願第GB2008912.4号に記載されているようなタイプのものであってもよい。図3および図4に示すように、振動レンズ38は、少なくとも2の集束部材40を備える。少なくとも2の集束部材40の各々は、振動源、この場合はフォイル13、25a、25b、25cに取り付けるための第1の端部41と、第2の端部42とを有する。少なくとも2の集束部材40は、集束部材40間の間隔が第1の端部41から第2の端部42に向かって小さくなるように配置されている。
【0099】
図3および図4に示すように、各集束部材40の第1の端部41は、フォイル13、25a、25b、25c内に延び、内部構造31に取り付けられている。追加的または代替的には、各集束部材40の第1の端部41は、第1の側面18のようなフォイル13、25a、25b、25cの表面14、15、18、19、21、22に取り付けることができる。
【0100】
図3および図4に示す集束部材40は、フォイル13、25a、25b、25cの第1の側面18から中心軸に向かって延びている。このため、翼幅方向に厚さが変化するフォイル25aは、集束部材40に振動変位、すなわち線形振動を引き起こすことになる。逆に、翼弦方向に厚さが変化するフォイル25aは、集束部材40に振動性のねじれ運動を引き起こすことになる。さらに、翼弦方向と翼幅方向の両方に厚さが変化するフォイル25cは、組み合わされた振動変位とねじれ運動の両方を引き起こすことになる。集束部材40によって示される運動は、集束部材40が取り付けられる位置と、フォイル13、25a、25b、25cの形状および構造に依存する。
【0101】
図3および図4は、集束部材40が第2の端部42に向かって合流し、発電機ハウジング5aを通過し、発電機ハウジング5a内で中心軸4に向かって延びる様子を示している。代替的には、集束部材40は、発電機ハウジング5aを通過してから合流することができる。集束部材40は、集束部材40が発電機ハウジング5内でフォイル13、25a、25b、25cの運動を伝達するのを容易にするベアリング43によって、発電機ハウジング5aを通過する。ベアリング43のタイプは、集束部材40によって示される運動のタイプ、例えば振動変位および/またはねじれに依存することとなる。
【0102】
フォイル9、25a、25b、25cは、10~50Hzの比較的低い周波数において、10~25mmの集束部材の第2の端部の変位に等しい比較的高い振幅で振動して揺れ動くように設計されている。代替的には、フォイルは、50Hzを超える中程度の周波数において、同様の比較的高い振幅(10~25mm)で振動するものであってもよい。
【0103】
エネルギー変換手段39は、発電機ハウジング5a内の振動レンズ38の第2の端部42に配置されている。図3および図10に示すように、エネルギー変換手段39は、集束部材40の第2の端部42に取り付けられた磁石44の形態をとり、コイル45が磁石44の周囲に配置されている。エネルギー変換手段39は、コイル45に対する磁石44の相対的な動きが、コイル45に電流を誘導する変化する磁束を作り出すという磁気誘導の原理に基づいて動作する。図10から明らかなように、磁石44とコイル45は、中心軸4の周りに複数セット配置されており、各セットは独立して発電する。
【0104】
追加的または代替的な特徴として、エネルギー変換手段39は圧電結晶の形態をとることができる。
【0105】
エネルギーハーベスティングシステム
図11は、エネルギーハーベスティング装置1を横に並べて互いに積み重ねたアレイを含むエネルギーハーベスティングシステム46を示している。このため、エネルギーハーベスティングシステム46は、壁、フェンス、構造物や建物のパネル、あるいは構造物内の構成要素の形態をとることができる。エネルギーハーベスティングシステム46は、高い流体の流れ9の領域、特に激しく乱れた流体の流れ24の領域に配置することができる。
【0106】
一例として、流体の流れ9の流体が空気である風力エネルギーハーベスティング装置1の場合、激しく乱れた空気の流れは、高速道路、空港、あるいは高層ビルの近くで見られる可能性がある。
【0107】
別の例として、流体の流れ9の流体が例えば水である液体流エネルギーハーベスティング装置1の場合、激しく乱れた水流は、防潮堤、防潮河口、ダム、河川の洪水防止、橋梁の支柱、あるいは水輸送管内で見られる可能性がある。液流エネルギーハーベスティング装置1は、水中に沈められることが理解されよう。
【0108】
代替的なエネルギーハーベスティング装置
図12は、図1図11に示すエネルギーハーベスティング装置1aと同じ好ましい特徴および任意選択的な特徴を含む代替的なエネルギーハーベスティング装置1bを示している。
【0109】
図12のエネルギーハーベスティング装置1bは、第1の表面2bと、エネルギーハーベスティング装置1bの接線方向の第3の表面47bとを接続するダクト8bを含む。第3の表面47bは、中心軸4に対して実質的に平行であり、第1および第2の表面2b、3bを接続している。ダクト8bは、本来は中心軸4に平行な流体の流れ9を、中心軸4に対して接線方向に逸らせる屈曲部48を備える。エネルギーハーベスティング装置1bは、図1および図2に示すように、第1および第2の表面2a、3aを接続するダクト8aと、図12に示すように、第1および第3の表面2b、47bを接続するダクト8bとの両方を含むことができることが理解されよう。一例として、エネルギーハーベスティング装置1bが建物の側面のパネルの形態をとる場合、ダクト8bは建物に入射する風を逸らすと同時にエネルギーを収穫する。別の例として、エネルギーハーベスティング装置1bが防潮堤上のパネルの形態をとる場合、ダクト8bは、防潮堤に入射する海水を逸らすと同時にエネルギーを収穫する。
【0110】
追加的または代替的な特徴として、図12に示すようなエネルギーハーベスティング装置1bは、エネルギーハーベスティング装置1bの第2の表面3bに取り付けられた遮音材49の層をさらに含む。エネルギーハーベスティング装置1bが高層建物での使用に適したパネルの形態をとる場合、パネルが電気を生成するだけでなく、遮音材49が建物の防音効果を提供することになる。遮音材49は、ダクト8bが第2の表面3bから逸らされるため、図12の実施形態に特に適している。一方、図1に示すエネルギーハーベスティング装置1aのダクト8aは、遮音材49の追加層を通過することになる。
【0111】
図13は、図1図12に示すエネルギーハーベスティング装置1a、1bと同じ好ましい特徴および任意選択的な特徴を含むことができる代替的なエネルギーハーベスティング装置1cを示している。
【0112】
図13のエネルギーハーベスティング装置1cは、太陽放射51を集束させるためのレンズ50を含むことができる。この特徴は、風力エネルギーハーベスティング装置、すなわち、水中に沈められない装置に特に適している。レンズ50は、従来の光学レンズの形態をとることができる。レンズ50は、取付ブラケット52によってエネルギーハーベスティング装置1cに取り付けられ、ダクト8cの出口開口部11の領域に太陽放射51を集光するように向けられている。その結果、出口開口部11の流体は、入口開口部10の流体よりも高温になる。換言すれば、レンズ50は、ダクト8cの入口開口部10と出口開口部11との間に熱勾配を生じさせる。この熱勾配が流体の対流を引き起こし、ダクト8cを通る流体の流れの速度および運動エネルギーを増加させる。ダクト8c内に配置されたフォイル13は、例えば、より高い振幅の振動を示すことができ、この増加した振動エネルギーは、エネルギーハーベスティング装置1cによって捕捉、伝達、集束、および/または電気エネルギーに変換することも可能である。レンズ50は、エネルギーハーベスティング装置1cの出力を高め、発電量を増加させる。エネルギーハーベスティング装置1cは、いずれもダクト8cの出口開口部11に向けて配置された複数のレンズ50を含むことができることが理解されよう。
【0113】
図14は、図1図13に示すエネルギーハーベスティング装置1a、1b、1cと同じ好ましい特徴および任意選択的な特徴を含むことができる代替的なエネルギーハーベスティング装置1dを示している。
【0114】
更なる追加的または代替的な特徴として、エネルギー変換手段39は、図14を示すように、2つの振動レンズ38の2つの集束部材40の第2の端部42間に弾性コイルコネクタ54によって接続されたロータ53、より具体的には渦巻き型ロータを備えることができる。各振動レンズ38はフォイル13に取り付けられている。2つの集束部材40の第2の端部42の振動運動は、弾性コイルコネクタ54を伸縮させ、それによりロータ53を回転させる。この回転運動は、磁石とコイルの配置構成によって電気に変換される。ロータは時計回りと反時計回りの両方にスピンすることができるため、回転方向に関係なく電気を発生できるような磁極反転型の磁気発電機が必要である。追加的または代替的には、ロータ53にギアシステム(図示せず)を取り付けることができ、ロータが二次ホイールまたはシャフトを回転させる。ギアシステムは、ロータ53の方向に関係なく、二次ホイールまたはシャフトを回転させることとなる。
【0115】
図15は、図1図14に示すエネルギーハーベスティング装置1a、1b、1c、1dと同様の好ましい特徴および任意選択的な特徴を含むことができる代替的なエネルギーハーベスティング装置1eを示している。
【0116】
図15は、曲面55を含む円筒形のエネルギーハーベスティング装置1eを示している。この実施形態では、ダクト8eが、曲面55の第1の領域56と曲面55の第2の領域57とを接続している。図15に示すように、ダクト8eは様々な向きをなし、各ダクト8eが曲面55の異なる領域を接続する。このため、エネルギーハーベスティング装置1eは、有利なことに、様々な方向からの流体の流れ9と相互作用することができる。
【0117】
図16は、図1図15に示すエネルギーハーベスティング装置1a、1b、1c、1d、1eと同じ好ましい特徴および任意選択的な特徴を含むことができる代替的なエネルギーハーベスティング装置1fを示している。
【0118】
図16のエネルギーハーベスティング装置1fは、枝部材58を含むツリー構造の形態をとる。各枝部材は、第1の表面59と、第2の表面60と、第1および第2の表面59、60を接続するダクト8fとを備える。各枝部材58は、図16に示すように、中心柱の形態をとる発電機ハウジング5fに接続されている。有利なことに、エネルギーハーベスティング装置1eが様々な方向からの流体の流れ9と相互作用することもできるように、枝部材58はそれぞれ異なる向きを有することができる。
【0119】
図17図21は、図1図16に示すエネルギーハーベスティング装置1a、1b、1c、1d、1e、1fと同じ好ましい特徴および任意選択的な特徴を含むことができる代替的なエネルギーハーベスティング装置1gを示している。
【0120】
図17に示すように、エネルギーハーベスティング装置1gは、実質的に均一な六角柱形状を有する。エネルギーハーベスティング装置1gの互いに反対側を向く第1および第2の面2g、3gは、六角柱の2つの六角形底面の形態をとる。前述した実施形態と同様に、第1および第2の面2g、3gは、中心軸4gに対して垂直であり、中心軸を中心としている。
【0121】
図17に示す発電機ハウジング5gは、図1図3に関連して前述したような実質的に円形の断面形状とは対照的に、実質的に六角形の断面形状をなす。さらに、図17に示すダクト8gは、図1図3に関連して前述したような楕円形の断面形状とは対照的に、実質的に台形の断面形状をなす。
【0122】
図17のエネルギーハーベスティングシステムと図1図16の実施形態との間の重要な違いは、フォイル13、25および発電機37gの構成である。より具体的には、発電機37gの振動装置は、振動レンズ38とは対照的に、振動部材61の形態をとる。振動部材61は、第1の端部62および第2の端部63を有する。振動部材61の第1の端部62は、フォイル13、25の第1の側18に取り付けられている。振動部材61の第2の端部63には、エネルギー変換手段39gが配置されている。振動部材61は、フォイル13から延び、発電機ハウジング5aを通り、発電機ハウジング5a内でエネルギー変換手段39gまで延びている。振動部材61は、振動部材61の第1および第2の端部62、63の間に位置するベアリング43gによって、発電機ハウジング5aを通過する。
【0123】
図18は、エネルギーハーベスティング装置1gの振動部材61およびフォイル13、25によって示される動き、特に4つの位置を示している。図18は、この動きの説明を助けるために、x、y、z軸を定義している。
【0124】
図18aは、振動部材61が振動部材61の中心揺動位置65に対して-αの角度をなす第1の位置64を示している。図18では、振動部材61の中心揺動位置65は、振動部材61がz軸に平行であるときとして定義される。さらに、第1の位置64では、フォイル13、25の翼弦16がフォイル13、25の中心回転位置66に対して-βの角度をなすように、フォイル13、25が向けられている。フォイル13、25の中心回転位置66は、フォイル13、25の翼弦16が、y方向に沿って、流体の流れ9の方向に平行であるときとして定義される。動作中、y方向に沿った流体の流れ9は、フォイル13、25の前縁14に入射する。フォイル13、25の迎え角は、正のx方向に揚力(F)を発生させ、ベアリング43gを中心とする振動部材61の揺動運動を引き起こす。この揺動運動は、振動部材61が図18bに示すようにz軸に対して+αの角度をなす第2の位置68で振動部材61が停止するように、第1の揺動ストップ67によって制限される。
【0125】
第2の位置68にあるとき、フォイル13、25の重量および/または慣性により、回転力(F)が生じ、それにより、振動部材61自体によって規定される軸69(第1および第2の端部62、63の間に延びる軸69)を中心とするフォイル13、25の回転運動が引き起こされる。この回転は、第1の回転ストップ70によって制限される。フォイル13、25の回転により、フォイル13、25の迎え角が逆転し、その結果、第3の位置71を示す図18cによって分かるように、フォイル13、25の翼弦16が中心回転位置66に対して+βの角度をなす。フォイル13、25に対する軸69の位置、特に、フォイル13、25の翼弦16に沿った軸69の位置が、フォイル13、25が回転する相対的な容易さを決定することが理解されよう。例えば、軸69は、後縁15とは対照的に、フォイル13、25の前縁14の近くにオフセットされ得る。このため、軸69の位置は、フォイル13、25の所望の回転特性を達成するように最適化され得る。
【0126】
第3の位置では、フォイル13、25の周りの流体の流れ9が、負のx方向に揚力(F)を発生させ、それにより、ベアリング43gを中心とする振動部材61の相対的な逆揺動運動を引き起こす。この逆揺動運動は、第2の揺動ストップ72によって制限され、その結果、振動部材61が、図18dに示すように、振動部材61が中心揺動位置65に対して-αの角度をなす第4の位置73で停止する。
【0127】
第4の位置73にあるとき、フォイル13、25の重量および/または慣性により、再び回転力(F)が生じ、それにより、振動部材61によって規定される軸を中心とするフォイル13、25の逆回転運動が引き起こされる。この回転は、第2の回転ストップ74によって制限される。その後、フォイル13、25の翼弦16は、中心回転位置66に対して-βの角度をなし、それによって、図18aに示すように、配置が第1の位置64に戻る。揺動と回転のサイクルが繰り返される。
【0128】
図19に明確に見られる第1および第2の揺動ストップ67、72は、振動部材61の揺動範囲を制限する。第1および第2の揺動ストップ67、72の位置は、所望の揺動範囲に応じて調整することができる。振動部材61は、中心揺動位置65の両側で1~89°揺動することができる。好ましくは、振動部材61は中心揺動位置65の両側で1°~30°揺動する。好ましくは、振動部材61は中心揺動位置65の両側で1°~15°揺動する。
【0129】
同様に、図19に示すように、第1および第2の回転ストップ70、74は、振動部材61、ひいてはフォイル13、25の回転を制限する。第1および第2の回転ストップ70、74の位置は、所望の回転範囲、すなわち、フォイル13、25の所望の迎え角に応じて調整することができる。振動部材61およびフォイル13、25は、中心回転位置66の両側で1~89°回転することができる。好ましくは、振動部材61とフォイル13、25の組合せは、中心回転位置66の両側で1°~35°回転する。
【0130】
振動部材61の第2の端部63に位置するエネルギー変換手段39gは、揺動運動のみを示し、回転運動を示さない。回転運動は、振動部材61およびフォイル13、25に分離されている。このため、揺動運動はエネルギー変換手段39gを駆動するのに対し、回転運動は揺動運動を持続および/または補助する。
【0131】
図19は、振動部材61の第2の端部63に位置するエネルギー変換手段39gを示している。振動部材61の第2の端部63は、湾曲したラック75、すなわち、歯付きトラックを含む。ラック75は、コグまたは歯車とも呼ばれるピニオン76と噛み合うように向けて配置されている。ピニオン76は軸77に接続され、この軸は発電機78に接続されている。動作中、振動部材61の揺動運動がラック75をx方向に周期的に変位させ、それによりピニオン76を回転させる。ピニオン76は軸77を回転させ、それにより発電機78を駆動して電気を発生させる。ピニオン76は発電機に直接接続することもできるため、軸77は必須ではないことが理解されよう。また、振動部材の揺動運動を発電機に伝えるために、代替的なトランスミッションシステムが想定されることも理解されよう。
【0132】
図19に示すように、ベアリング43g(ベアリングアセンブリとも呼ばれる)は、発電機ハウジング5aのキャビティ80を横切ってx-y平面に取り付けられたベアリング軸79と、ベアリング軸79に取り付けられたベアリングハウジング81とを備える。振動部材61は、ベアリング軸79に対して実質的に垂直な方向でベアリングハウジング81を通過することにより、発電機ハウジング5aを通過する。振動部材61の動きはベアリング43gによって拘束される。振動部材61はベアリング軸79を中心に揺動することができ、振動部材61は、振動部材61自体によって規定される軸69を中心に回転することもできる。
【0133】
図20は、2つのブラケット82によって取り付けられたベアリング軸79と、ベアリング軸79に取り付けられたベアリングハウジング81とをそれぞれ含む代替的なベアリング43h、43i、43jを示している。それら代替的なベアリング43h、43i、43jは、振動部材の揺動運動を発電機78に伝える代替的なトランスミッションシステムを示している。
【0134】
より具体的には、図20aは、振動部材61の第2の端部63にある代替的な湾曲ラック75h、すなわち、歯付きコンポーネントを示している。図20bは、振動部材61の第2の端部63の代わりに、ベアリング軸79に取り付けられた湾曲ラック75iを示している。同様に、図20cは、ベアリング軸79に取り付けられた歯車76を示している。
【0135】
追加的または代替的な特徴として、図20a、図20b、図20cに示すベアリング43h、43i、43jはそれぞれ、ベアリングハウジング81に配置されたピッチ制御機構83を備える。ピッチ制御機構83は、サーボモータ84と、サーボモータ84を振動部材61に接続するドライブトレイン85とを備える。ドライブトレイン85は、ギアおよびベルトまたはチェーンの形態をとることができる。ピッチ制御機構84は、振動部材61と、振動部材61の第1の端部62に接続されたフォイル13、25とを、振動部材61の軸69を中心に回転させることができる。換言すれば、ピッチ制御機構84は、振動部材61の第1の端部62に接続されたフォイル13、25のピッチを制御する。第1および第2の回転ストップ70、74の代わりに、またはそれらに加えて、ピッチ制御機構84によって振動部材61の回転を制限することができる。追加的な機能として、ピッチ制御機構84は、例えば、流体の流れ9、24の速度および方向に従ってピッチを動的に調整することによって、フォイル13、25の位置を最適化することができる。ピッチ制御機構84は、ベアリングハウジング81内に一体化されてもよいことが理解されよう。
【0136】
追加的または代替的な特徴として、振動部材61の回転位置は、カムおよび/またはピッチ制御機構によって中心回転位置66から離れるように付勢される。これにより、有利なことに、フォイル13、25の翼弦16が流体の流れ9の方向に対して決して平行にならないことが保証される。このため、フォイル13、25は、空気力学的な力を発生させる迎え角に向かって付勢されることになる。
【0137】
サーボモータ84は、センサおよび制御システムに接続され得る。このため、センサを用いて、入口開口部10における流体の流れ9の速度および方向を測定することができ、その後、制御システムは、フォイル13、25の向きを調整して、それらのピッチ角度を最適化するように機能する。
【0138】
図18に示すように、フォイル13、25の直線運動または揺動運動は、ピニオン76の回転運動に変換され、この回転運動が、図19に示すように、発電機78を駆動する。ピニオン76によって示されるこの回転運動は、時計回りの回転と反時計回りの回転とを交互に繰り返すという点で振動性である。更なる追加的または代替的な特徴として、エネルギーハーベスティング装置1、具体的にはエネルギー変換手段39は、図21に示すように、振動回転運動を一方向回転運動に変換するクラッチ機構86をさらに備える。
【0139】
クラッチ機構86は、振動入力軸87と一方向出力軸88とを備える。振動入力軸87は、振動ピニオン76によって駆動され、さらに、駆動方向が時計回りの第1のスプラグクラッチベアリング89と、駆動方向が反時計回りの第2のスプラグクラッチベアリング90とを備える。時計方向に回転する第1のスプラグクラッチベアリング89は、一方向出力軸88に配置された反時計方向に回転する第1のスパーギア91と直接噛み合う。反時計回りに回転する第2のスプラグクラッチベアリング90は、時計回りに回転する中間ギア93を介して、一方向出力軸88に配置された反時計回りに回転する第2のスパーギア92と噛み合っている。
【0140】
動作中、振動入力軸87の時計回りの回転は、第1のスプラグクラッチベアリング89および第1のスパーギア91の組合せによって、一方向出力軸88の反時計回りの回転に変換される。振動入力軸87の反時計回りの回転は、第2のスプラグクラッチベアリング90、中間ギア93および第1のスパーギア92の組合せによって、一方向出力軸88の反時計回りの回転に変換される。要するに、振動入力軸87の時計回り回転と反時計回り回転がともに、一方向出力軸88の反時計回り回転に変換される。第1および第2のスプラグクラッチベアリング89、90は、それぞれの駆動方向に回転していないときにはフリーホイールとなる。
【0141】
有利なことに、クラッチ機構86は、一方向の回転運動をもたらし、それによりエネルギーハーベスティング装置1内で利用できる発電機78のタイプを広げることができる。
【0142】
一方向出力シャフト88の回転速度は、揺動運動の性質により均一でない場合がある。より具体的には、回転速度は、振動部材61が中心揺動位置65を通過するときに速くなり、第1および第2の揺動ストップ67、72に達するときに遅くなる。追加的または代替的な特徴として、振動部材61を反発させる磁石、および/または振動部材61に力を加えるバネを使用することによって、一方向出力シャフト88の回転速度の変化を低減するように揺動運動を変更することができる。追加的または代替的な特徴として、フライホイールまたはバネ機構に回転運動を機械的に蓄積し、一定の回転速度でこの蓄積されたエネルギーを放出することによっても、回転速度の変化を低減することができる。代替的な実施形態では、複数のフォイル13、25を、その独立した振動運動に影響を与えることなく、クラッチ機構86またはバネ機構に接続することができる。
【0143】
更なる追加的または代替的な特徴として、揺動運動は、機械的な第1および第2の揺動ストップ67、72とは対照的に、磁気エンドストップ、バネおよび/またはサーボモータ84によって制限することができる。有利なことに、機械的な揺動ストップを磁気揺動ストップに置き換えることにより、衝撃作用を最小限に抑えることで、トランスミッションシステム内のエネルギー損失が減少し、それによって構成要素の寿命を延ばすことができる。
【0144】
図19図21に示すフォイル13、25の上述した振動から回転への変換機構は、振動からリニアへの変換機構に置き換えることができ、それをリニア発電機に接続することができることが理解されよう。回転発電機は扱いが容易であるが、リニア発電機と比較すると一般に機械的損失が大きい。そのため、揺動からリニアへの変換機構に基づく実施形態は、機械的効率を改善することが判明している。
【0145】
図17に示すように、エネルギーハーベスティング装置1gは、複数のフォイル13、25を含む。より具体的には、図17は、エネルギーハーベスティング装置1gの6つのダクト8gの各々に2つのフォイル13、25を示している。各ダクト8gがより多いまたは少ないフォイル13、25を備え、エネルギーハーベスティング装置1gがより多いまたは少ないダクト8gを備えることができることが理解されよう。発電機37gは、複数の振動部材61およびエネルギー変換手段39gを含む。単一のフォイル13、25は単一の振動部材61に取り付けられ、振動部材はエネルギー変換手段39gに接続されている。エネルギー変換手段39gは、複数の独立した発電機78に取り付けられた複数の独立したラック75およびピニオン76の配置構成を備えることができる。このため、各フォイル13、25は、図18に示す運動に従って独立して動き、独立して電気を発生する。また、追加的または代替的な構成として、複数の振動部材61が、単一の発電機78に接続された中央駆動シャフトを駆動することができることも理解されよう。この実施形態では、トランスミッションシステムは、運動の変換が一方向に行われるように構成される。換言すれば、各エアロフォイル13、25および振動部材61は、独立して中央シャフトを駆動することができる。
【0146】
図17図21の実施形態は、フォイル13、25の直線運動を、従来の発電機78を駆動する回転運動に変換する。有利なことに、図17図21のエネルギーハーベスティング装置1gは、カスタム磁石44およびコイル45の配置構成とは対照的に、発電機78を含むため、図1図16の実施形態よりも簡素である。このため、この装置は、製造がより単純で安価であり、信頼性がより高い。
【0147】
図22は、エネルギーハーベスティング装置1の代替的な実施形態を示している。追加的または代替的な特徴として、ダクト8の断面積は、第1および第2の表面2、3間で、中心軸4の方向に減少し、その後増加することができる。ダクト8のこの狭窄は、1または複数のフォイル13、25が配置されるダクト8の狭い領域における流体の流れ9の速度を増加させる。有利なことに、流体の流れ9の速度の増加は、1または複数のフォイル13、25によって引き起こされる力を増加させる。
【0148】
さらに、ベンチュリー効果により、この狭窄は、ダクト8の狭い領域における流体圧力の低下をもたらす。別の追加的または代替的な特徴として、ダクト8は、低い流体圧力がより多くの流体をダクト8内に引き込むように、ダクト8の狭い領域に1または複数の側壁入口94を備えることができる。これにより、取り込まれるエネルギーが増加し、エネルギーハーベスティング装置1の動作がさらに強化される。
【0149】
エネルギーハーベスティング装置の製造方法
図23は、エネルギーハーベスティング装置1の製造方法のフローチャートを示している。この方法は、入口および出口開口部を有するダクトを提供するステップ(S1001)と、ダクト内に配置された1または複数のフォイルを提供するステップであって、1または複数のフォイルの前縁が入口開口部に向けて配置される、ステップ(S1002)と、1または複数のフォイルの運動を電気に変換する発電機を提供するステップ(S1003)とを備える。
【0150】
さらに、この製造方法は、任意選択的に、流体の流れ9、24を特性評価するステップを含むことができる。例えば、これは、流体の流れの平均速度、流体の流れの速度分布、乱流、流体の流れのせん断プロファイル、流体の流れの方向分布、および長期間の時間的な流体の流れの変動の特性評価を含むことができる。
【0151】
更なる追加として、この製造方法は、任意選択的に、流体の流れ9、24の特性を利用して、エネルギーハーベスティング装置1の最適なパラメータを決定するステップを含むことができる。例えば、この最適化プロセスは、エネルギーハーベスティング装置1の寸法、ダクト8の寸法および形状、フォイル13、25a、25b、25cの形状および構造、振動装置の寸法、形状、材料組成、向きおよび配置、ダクト8内の2以上のフォイル13、25a、25b、25cの相対的な位置、フィン32、フラップ34、メッシュ35および流量制限器36などの流体の流れ9を調整するための特徴の配置および構成、並びに、発電機37の配置および構成を決定することを含むことができる。振動装置を最適化することは、フォイル13、25a、25b、25cの動作範囲にわたって平均共振周波数を一致させることによって振動レンズ38を最適化することを含むことができる。
【0152】
エネルギーハーベスティング装置1は、数多くの利点を有する。一実施形態では、この装置は、フォイルを動かす空気力学的または流体力学的な揚力なしに動作することができる。その代わりに、図1図16に示すエネルギーハーベスティング装置1a、1b、1c、1d、1e、1fは、1または複数のフォイル13、25a、25b、25c内に誘導される振動エネルギー、特に、逆方向に相互作用する揚力によって誘導されるフラッタ振動を採取する。
【0153】
有利なことに、エネルギーハーベスティング装置1は、流体の流れの速度などの広い範囲の流体の流れのパラメータにわたって動作するように最適化することができ、当該技術分野で知られている装置に関連する問題となる断続性を低減することができる。
【0154】
更なる利点は、エネルギーハーベスティング装置1がコンパクトで、モジュール式であり、より大きなシステム46の一部を形成できることである。エネルギーハーベスティング装置1およびシステム46は、壁面の形態で環境に個別に組み込むことができるが、都市景観、高速道路、空港、さらには水面下など、当該技術分野で知られている装置では通常考慮されない場所にも適している。エネルギーハーベスティング装置1は、自然の美しい地域とみなされることの多い遠隔地に限定されるものではないため、否定的な世論を招く理由もない。
【0155】
有利なことに、エネルギーハーベスティング装置1は、エネルギーハーベスティング装置1の設置される場所によっては鳥や魚を殺す可能性のある比較的大きな可動外部コンポーネントを備えていない。エネルギーハーベスティング装置1の可動コンポーネントはすべて内部にあり、振動、揺動および回転運動などの小規模な動きしか示さない。さらに、エネルギーハーベスティング装置1は、鳥や魚が入口開口部10を通ってダクト8内に入るのを防ぐメッシュ35など、野生動物に対するリスクを最小限に抑える特徴を備える。
【0156】
エネルギーハーベスティング装置1は、流体の流れ9の特性に応じて最適化することができ、その結果、この装置1は幅広い用途に適したものとなる。エネルギーハーベスティング装置1の機能は、遮音材49のような追加の機能を組み込むことによって最大化することができる。
【0157】
エネルギーハーベスティング装置が開示されている。エネルギーハーベスティング装置は、入口開口部および出口開口部を有するダクトを備える。エネルギーハーベスティング装置は、ダクト内に配置された1または複数のフォイルをさらに備え、1または複数のフォイルの前縁が、入口開口部に向けて配置されている。また、エネルギーハーベスティング装置は、1または複数のフォイルの運動を電気に変換するための発電機も備える。発電機は、1または複数の振動部材とエネルギー変換手段とを備える。1または複数の振動部材は、両方の揺動運動を示すように構成され、1または複数のフォイルは、回転運動を示すように構成される。フォイルは、エアロフォイルまたはハイドロフォイルであってもよい。エネルギーハーベスティング装置は、多くの利点を有する再生可能エネルギーを生成するための代替的な装置を提供する。この装置は、振動エネルギーを収穫し、広範囲の流体の流れのパラメータで動作するように最適化することができ、環境への悪影響を最小限に抑え、多くの場所や用途に適している。
【0158】
本明細書を通じて、文脈から明らかにそうでないことが要求されない限り、「comprise」または「include」という用語、または「comprises」または「comprising」、「includes」または「including」などのそれらの変化形は、記載の完全体または完全体群を含むことを意味するが、他の完全体または完全体群の除外を意味するものではないことを理解されたい。さらに、文脈から明らかにそうでないことが要求されない限り、「または」という用語は、排他的ではなく包含的であると解釈される。
【0159】
本発明の上記説明は、例示および説明を目的として提示したものであり、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。記載の実施形態は、本発明の原理およびその実際の応用を最もよく説明し、それによって当業者が、想定される特定の用途に適した様々な実施形態および様々な変更を加えて本発明を最大限に利用できるようにするために、選択および記載されたものである。したがって、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、更なる変更または改良を組み入れることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18a
図18b
図18c
図18d
図19
図20a
図20b
図20c
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーハーベスティング装置であって、
2以上のダクトであって、各々が入口開口部および出口開口部を有する、2以上のダクトと
1または複数の振動部材およびエネルギー変換手段を含む発電機とを備え、
前記1または複数の振動部材が、前記エネルギー変換手段を駆動する、揺動軸を中心とする揺動運動を示すように構成され
前記2以上のダクトの各々が、前記入口開口部と出口開口部との間に、前記ダクト内に配置された1または複数のフォイルを備え、前記1または複数のフォイルの前縁が、前記入口開口部に向けて配置され、
前記1または複数のフォイルが、前記1または複数の振動部材の第1の端部に取り付けられるとともに、回転軸を中心とする回転運動を示すように構成され、前記回転軸が、前記1または複数の振動部材の第1の端部と第2の端部との間に延び、かつ前記1または複数のフォイルの翼幅方向と平行であり、前記回転軸が、前記揺動軸に対して垂直であり、
前記1または複数のフォイルの回転運動が、前記1または複数の振動部材の揺動運動を補助するように構成され、前記エネルギー変換手段が、前記1または複数の振動部材の第2の端部に配置され、
前記発電機が、前記1または複数のフォイルの運動を電気に変換することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項2】
請求項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記振動部材が、前記振動部材の第1の端部と第2の端部との間に位置するベアリングを中心に揺動するように構成されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記ベアリングが、前記振動部材の軸を中心に、前記振動部材および前記振動部材に取り付けられた前記フォイルを回転させるように構成されたピッチ制御機構を備えることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記ピッチ制御機構が、サーボモータと、前記サーボモータを前記振動部材に接続するドライブトレインとを備えることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項5】
請求項1~の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
各振動部材が、中心揺動位置の両側で1°~89°揺動することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項6】
請求項1~の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
各振動部材が、中心揺動位置の両側で1°~30°揺動するか、または各振動部材が、中心揺動位置の両側で1°~15°揺動することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項7】
請求項1~の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
動作中、前記フォイルの周囲の流体の流れが、前記振動部材の揺動運動を引き起こす揚力を発生させることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項8】
請求項1~の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
第1の揺動ストップおよび第2の揺動ストップが、前記振動部材の揺動運動を制限することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記フォイルが、中心回転位置の両側で1°~89°回転することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記フォイルが、中心回転位置の両側で1°~35°回転することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
動作中、前記フォイルの重量および/または慣性が、前記フォイルの回転運動を引き起こす回転力を生成することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記フォイルの回転運動が、前記フォイルの迎え角を反転させることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
第1の回転ストップおよび第2の回転ストップが、前記フォイルの回転運動を制限することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記振動部材の第2の端部に配置されたエネルギー変換手段が、揺動運動のみを示して、回転運動を示さないことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記回転運動が、前記振動部材と前記フォイルの組合せに分離されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記エネルギー変換手段が、前記振動部材の第2の端部に位置するラックと、ピニオンとを備え、前記ラックが、ピニオンと噛み合うように向けられて位置決めされていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項17】
請求項16に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記エネルギー変換手段が、発電機をさらに備え、前記ピニオンが、軸によって間接的にまたは直接的に前記発電機に接続されていることを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項18】
請求項17に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
動作中、揺動運動が前記ラックを変位させ、それにより前記ピニオンが回転して、前記発電機を駆動することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項19】
請求項1~18の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記エネルギー変換手段が、振動回転運動を一方向回転運動に変換するように構成されたクラッチ機構を含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項20】
請求項1~19の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記1または複数のフォイルが、1または複数のエアロフォイルを含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項21】
請求項1~20の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置において、
前記1または複数のフォイルが、1または複数のハイドロフォイルを含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置。
【請求項22】
エネルギーハーベスティングシステムであって、
請求項1~21の何れか一項に記載のエネルギーハーベスティング装置を2以上含むことを特徴とするエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項23】
エネルギーハーベスティング装置の製造方法であって、
2以上のダクトを提供するステップであって、各ダクトが入口開口部および出口開口部を有する、ステップ
1または複数の振動部材およびエネルギー変換手段を含む発電機を提供するステップとを備え、
前記1または複数の振動部材が、前記エネルギー変換手段を駆動する、揺動軸を中心とする揺動運動を示すように構成され
前記2以上のダクトの各々が、前記入口開口部と出口開口部との間に、前記ダクト内に配置された1または複数のフォイルを備え、前記1または複数のフォイルの前縁が、前記入口開口部に向けて配置され、
前記1または複数のフォイルが、前記1または複数の振動部材の第1の端部に取り付けられるとともに、回転軸を中心とする回転運動を示すように構成され、前記回転軸が、前記1または複数の振動部材の第1の端部と第2の端部との間に延び、かつ前記1または複数のフォイルの翼幅方向と平行であり、前記回転軸が、前記揺動軸に対して垂直であり、
前記1または複数のフォイルの回転運動が、前記1または複数の振動部材の揺動運動を補助するように構成され、前記エネルギー変換手段が、前記1または複数の振動部材の第2の端部に配置され、
前記発電機が、前記1または複数のフォイルの運動を電気に変換することを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法。
【請求項24】
請求項23に記載のエネルギーハーベスティング装置の製造方法において、
風力エネルギーハーベスティング装置の製造方法が、流体の流れを特性評価するステップをさらに含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法。
【請求項25】
請求項24に記載のエネルギーハーベスティング装置の製造方法において、
前記流体の流れとともに使用するための前記エネルギーハーベスティング装置の最適なパラメータを決定するステップをさらに含むことを特徴とするエネルギーハーベスティング装置の製造方法。
【国際調査報告】