(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】ロボット手術システム、デバイス、及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20240322BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B1/00 655
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557665
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022021428
(87)【国際公開番号】W WO2022204211
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523355779
【氏名又は名称】レヴィータ マグネティックス インターナショナル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス-ナヴァロ,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】トラスク,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】オパソ-ヴァレンズエラ,ヴィンセンテ
【テーマコード(参考)】
4C130
4C161
【Fターム(参考)】
4C130AA24
4C130AA34
4C130AB02
4C130AD02
4C130AD05
4C161AA24
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF11
4C161GG13
4C161HH55
(57)【要約】
単一のオペレータによって実行される低侵襲外科的処置に有用なシステム、デバイス、及び方法が本明細書に記載される。磁気腹腔鏡ロボット手術を実行する方法は、エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタを支持アームに結合することと、患者の体腔内でエンドエフェクタを制御することと、エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタを支持アームから分離することとを含み得る。結合すること、制御すること、及び分離することは全て、単一のオペレータによって実行されることが可能であり得る。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタコネクタであって、
エンドエフェクタを受容するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングをロボットに解放可能に結合するように構成されたアームと、を備え、
前記アームは、
磁気部分と、
前記アームから前記ハウジングを手動で解放するように構成されたハウジング解放機構と、を備える、エンドエフェクタコネクタ。
【請求項2】
前記磁気部分は、前記アームの近位部分に結合されている、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項3】
前記磁気部分は、滅菌ドレープを通して前記アームを前記ロボットに磁気的に結合するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項4】
前記滅菌ドレープは、前記磁気部分と前記アームとの間に結合されている、請求項3に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項5】
前記磁気部分の第1の側は、支持アームのフランジに機械的かつ磁気的に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項6】
前記磁気部分の前記第1の側は、1つ以上のリード線を受容するように構成されたチャネルを備える、請求項5に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項7】
前記磁気部分は、半径方向せん断力を低減するように構成されたロボット係合特徴を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項8】
前記ロボット係合特徴は、円形突起を含む、請求項7に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項9】
前記アームは、円形凹部を画定する、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項10】
前記磁気部分は、回転整列特徴を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項11】
前記回転整列特徴は、線形突起を含む、請求項10に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項12】
前記アームは、線形凹部を画定する、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項13】
前記磁気部分は、前記ロボットから前記アームを手動で解放するように構成された磁気解放機構を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項14】
前記磁気解放機構は、1つ以上のレバーを含む、請求項13に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項15】
前記1つ以上のレバーは、前記磁気部分の円周に結合している、請求項14に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項16】
前記磁気解放機構は、前記アームから前記磁気部分を押し離すように構成された1つ以上のカムを備える、請求項13に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項17】
前記磁気部分は、第1の長手方向軸を画定し、
前記ハウジングは、第2の長手方向軸を画定し、
前記第1の長手方向軸と前記第2の長手方向軸とは、非平行である、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項18】
前記第1の長手方向軸と前記第2の長手方向軸との間の第1の角度は、最大約40度である、請求項17に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項19】
前記第1の角度は、約15度~約35度である、請求項18に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項20】
前記ハウジング内に受容された前記エンドエフェクタは、前記第2の長手方向軸に平行な第3の長手方向軸を画定する、請求項17に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項21】
前記第1の長手方向軸と前記第3の長手方向軸との間の第2の角度は、最大約40度である、請求項20に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項22】
前記第2の角度は、約15度~約35度である、請求項21に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項23】
前記磁気部分は、最大約30cmの高さ及び最大約30cmの長さだけ前記ハウジングから離されている、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項24】
前記アームは、アームハンドルを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項25】
前記アームハンドルは、オペレータの第1の手によって握られるように構成されている、請求項24に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項26】
前記磁気部分は、第1の長手方向軸を画定し、
前記アームハンドルは、第4の長手方向軸を画定し、
前記第1の長手方向軸と前記第4の長手方向軸とは、非平行である、請求項24に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項27】
前記第1の長手方向軸と前記第4の長手方向軸との間の第3の角度は、最大約75度である、請求項26に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項28】
前記第3の角度は、約15度~約60度である、請求項27に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項29】
前記アームは、凸形状を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項30】
前記アームの遠位部分は、前記アームの近位部分の下方にある、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項31】
前記アームは、前記ロボットを前記エンドエフェクタに電気的に結合するように構成された1つ以上のリード線を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項32】
前記アームは、アームハンドルを備え、
前記リード線は、前記アームハンドルに平行に延在する、請求項31に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項33】
前記ハウジング解放機構は、前記アームの遠位部分及び前記ハウジングの近位部分に結合されている、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項34】
前記ハウジング解放機構は、前記アームに結合された第1の部分と、前記ハウジングに結合された第2の部分とを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項35】
前記ハウジング解放機構は、前記ハウジング解放機構の第1の部分及び第2の部分を互いに係合するように構成されたハウジング係合特徴を備える、請求項34に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項36】
前記ハウジング係合特徴は、前記第1の部分の第1のハウジング係合特徴と、前記第2の部分の第2のハウジング係合特徴とを含む、請求項35に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項37】
前記第1のハウジング係合特徴は、丸みを帯びた突起を含み、
前記第2のハウジング係合特徴は、第1の凹部を含む、請求項36に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項38】
前記ハウジング解放機構は、前記第2の部分に対する前記第1の部分の回転を阻止するように構成された回転整列特徴を備える、請求項34に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項39】
前記回転整列特徴は、前記第1の部分の第1の回転整列特徴と、前記第2の部分の第2の回転整列特徴とを含む、請求項38に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項40】
前記第1の回転整列特徴は、成形された突起を含み、
前記第2の回転整列特徴は、第2の凹部を含む、請求項39に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項41】
前記ハウジング解放機構は、前記アームから前記ハウジングを解放するように構成されたスイッチを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項42】
前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの1つは、前記第2の部分から前記第1の部分を解放するように構成されたスイッチを備える、請求項34に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項43】
前記スイッチは、前記第2のハウジング係合特徴から前記第1のハウジング係合特徴を解放するように構成されている、請求項42に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項44】
前記スイッチは、前記第1の部分を前記第2の部分に機械的に結合するために前記第1のハウジング係合特徴に係合するように構成されたばねを備える、請求項42に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項45】
前記ハウジング係合特徴は、磁石、あり継ぎ、及びリビングヒンジのうちの1つ以上を含む、請求項35に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項46】
前記ハウジング解放機構は、前記ハウジング内に受容された前記エンドエフェクタの上方にある、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項47】
前記ハウジング解放機構は、前記磁気部分の下方かつ遠位にある、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項48】
前記ハウジングは、前記エンドエフェクタに解放可能に結合するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項49】
前記ハウジングの遠位部分は、前記エンドエフェクタを受容するように構成されている、請求項48に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項50】
前記ハウジングの近位部分は、前記ハウジング解放機構の側方側壁に結合されている、請求項48に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項51】
前記ハウジングは、ハウジングハンドルを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項52】
前記ハウジングハンドルは、オペレータの第1の手によって握られるように構成されている、請求項51に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項53】
前記ハウジングハンドルは、前記ハウジング内に受容された前記エンドエフェクタに対して上方にある、請求項52に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項54】
前記エンドエフェクタは、前記ハウジングハンドルの側面上に受容される、請求項51に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項55】
前記ハウジング解放機構は、前記ハウジングハンドルを第1の手で握りながら、前記第1の手によって作動されるように構成されている、請求項53に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項56】
前記ハウジングハンドルは、ハンドル長手方向軸及びハンドル横方向軸を画定し、
前記ハウジングは、前記ハンドル長手方向軸に沿った第1の剛性と、前記ハンドル横方向軸に沿った第2の剛性とを備え、
前記第1の剛性は、前記第2の剛性よりも大きい、請求項55に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項57】
前記ハウジングハンドルは、前記ハウジングの長さ又は高さよりも小さい幅を有する、請求項51に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項58】
前記ハウジングは、前記エンドエフェクタへのアクセスのために構成された開口を画定する、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項59】
前記ロボットは、前記エンドエフェクタコネクタ及び前記エンドエフェクタのうちの1つ以上を移動可能に懸架するように構成された支持アームを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項60】
前記支持アームは、単一自由度を提供するように構成された1つ以上の継ぎ手によって結合された1つ以上のセグメントを備える、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項61】
前記支持アームは、前記1つ以上の継ぎ手を並進及び/又は回転させるように構成された1つ以上のモータを備える、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項62】
前記支持アームは、6以上の自由度を備える、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項63】
前記支持アームは、6未満の自由度を備える、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項64】
前記支持アームは、関節ロボットアーム、SCARAロボットアーム、及び線形ロボットアームのうちの1つ以上を含む、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項65】
前記支持アームは、医療用カート、患者プラットフォーム、家具、壁、天井、及び地面のうちの1つ以上を含む基部に搭載される、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項66】
前記支持アームは、前記支持アームの遠位部分に結合された磁気カプラを備える、請求項59に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項67】
前記ロボットの遠位端に結合された磁気カプラを更に備え、
前記磁気カプラは、滅菌ドレープが間に配置された状態で前記アームの前記磁気部分に解放可能に結合される、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項68】
前記エンドエフェクタは、可視化デバイス、把持器、リトラクタ、磁気位置決めデバイス、センサ、腔内デバイス、送達デバイス、回収デバイス、ステープラ、クリップアプライヤ、及び電気焼灼フックのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項69】
前記エンドエフェクタは、磁気部分を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項70】
患者体表面の場所を検出するように構成されたセンサを更に備える、請求項1に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項71】
前記センサは、力センサ、近接センサ、光学センサ、運動センサ、加速度計、ジャイロスコープ、レーザ距離計、レーダ、及びLIDARのうちの1つ以上を備える、請求項70に記載のエンドエフェクタコネクタ。
【請求項72】
前記ロボットの基部は、患者プラットフォームの側面に結合される、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項73】
磁気腹腔鏡ロボット手術を実行する方法であって、
エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタを支持アームに磁気的に結合することと、
患者の体腔内で前記エンドエフェクタを制御することと、
前記エンドエフェクタコネクタを使用して、前記滅菌野内で前記エンドエフェクタを前記支持アームから分離することと、を含み、
前記結合すること、前記制御すること、及び前記分離することは全て、単一のオペレータによって実行されることが可能である、方法。
【請求項74】
前記エンドエフェクタを結合すること及び分離することは、前記単一のオペレータの両手によって実行されることが可能である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記エンドエフェクタを制御することは、前記単一のオペレータの片手で実行されることが可能である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記エンドエフェクタを結合すること及び分離することは、前記滅菌野を維持する、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記滅菌野は、前記結合するステップ、前記制御するステップ、及び前記分離するステップ中、維持される、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
ロボット手術システムからエンドエフェクタを分離する方法であって、
前記エンドエフェクタと滅菌ドレープと支持アームとの間に結合されたエンドエフェクタコネクタであって、アームと、ハンドルを備えるハウジングと、を備えるエンドエフェクタコネクタを提供することと、
前記ハウジングの前記ハンドルを握ることと、
前記アームから前記ハウジングを手動で解放することと、を含む、方法。
【請求項79】
前記ハンドルを握ること及び前記ハウジングを手動で解放することは、片手で同時に実行される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記ハウジングを前記アームから解放した後に、患者から離れる方向に前記ハンドルを引き抜くことを更に含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記アームは、前記支持アームに磁気的に結合された磁気部分を備える、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
エンドエフェクタを支持アームに結合する方法であって、
ハウジングと、前記ハウジングに解放可能に結合されるように構成されたアームと、を備えるエンドエフェクタコネクタを提供することと、
滅菌ドレープが間に配置された状態で前記アームを前記支持アームに磁気的に結合することと、
前記エンドエフェクタを前記ハウジングに結合することと、
前記ハウジングを前記支持アームに結合することと、を含む、方法。
【請求項83】
前記ハウジングを前記アームに結合することは、片手で実行される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
支持アームを制御する方法であって、
オペレータの片足の運動に基づいて、支持アーム制御信号を受信することと、
受信された前記支持アーム制御信号に基づいて、少なくとも3の自由度を有する支持アームの運動を制御することと、を含む、方法。
【請求項85】
前記支持アーム制御信号は、前記片足の並進運動に対応する前記支持アームの並進運動を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記支持アーム制御信号は、前記片足の横側への運動又はヨー運動に対応する前記支持アームの横側への運動を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記支持アーム制御信号は、前記片足の屈曲運動に対応する前記支持アームの下側への運動を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記支持アーム制御信号は、前記片足の踵移動に対応する支持アームスイッチコマンドを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
前記片足の運動に基づいて、エンドエフェクタ制御信号を受信することを更に含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
前記エンドエフェクタ制御信号に基づいて、エンドエフェクタの動作を制御することを更に含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記オペレータは、前記片足の前記運動の間、立っている、請求項84に記載の方法。
【請求項92】
支持アームコントローラであって、
第1の端部及び第2の端部を備え、オペレータの足中央部を受容するように構成された基部と、
前記基部の前記第1の端部に結合された足前部スイッチのセットと、
前記基部の前記第2の端部に結合された足後部スイッチのセットと、を備え、
前記足前部スイッチのセット及び前記足後部スイッチのセットは、支持アーム制御信号を生成するように構成されている、支持アームコントローラ。
【請求項93】
前記支持アーム制御信号は、前記支持アームの運動を制御するように構成されており、オペレータの足の運動は、前記支持アームの前記運動に対応する、請求項92に記載のコントローラ。
【請求項94】
前記足前部スイッチのセットは、前記足の前側への運動を受信し、前記支持アームの前側への運動に対応する前記支持アーム制御信号を生成するように構成された第1のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項95】
前記足前部スイッチのセットは、前記足の伸展運動を受信し、前記支持アームの下側への運動に対応する前記支持アーム制御信号を生成するように構成された第2のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項96】
前記足前部スイッチのセットは、前記足の左側への運動を受信し、前記支持アームの左側への運動に対応する前記支持アーム制御信号を生成するように構成された第3のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項97】
前記足前部スイッチのセットは、前記足の右側への運動を受信し、前記支持アームの右側への運動に対応する前記支持アーム制御信号を生成するように構成された第4のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項98】
前記足前部スイッチのセットは、前記足の屈曲運動を受信し、前記支持アームの上側への運動に対応する前記支持アーム制御信号を生成するように構成された第5のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項99】
前記足前部スイッチのセットは、前記足の後側への運動を受信し、前記支持アームの後側への運動に対応する前記支持アーム制御信号を生成するように構成された第6のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項100】
前記足前部スイッチのセットは、足後部の下側への運動を受信し、ロボット手術システムのデバイス切替信号を生成するように構成された第7のスイッチを含む、請求項93に記載のコントローラ。
【請求項101】
前記足前部スイッチのセット及び前記足後部スイッチのセットは、機械スイッチ、光学センサ、ジャイロスコープ、運動センサ、圧力センサ、及び磁気センサのうちの1つ以上を含む、請求項92に記載のコントローラ。
【請求項102】
前記基部は、前記足前部スイッチのセットの中の1つ以上及び前記足後部スイッチのうちの1つ以上に対して高くされている、請求項92に記載のコントローラ。
【請求項103】
エンドエフェクタを位置合わせする方法であって、
前記エンドエフェクタを、患者に近接したロボット手術システムの支持アームに結合することであって、前記エンドエフェクタは第1の位置合わせ点を備え、前記患者は第2の位置合わせ点を備えることと、
前記第1の位置合わせ点を前記第2の位置合わせ点に整列させることと、
前記第2の位置合わせ点に整列された前記第1の位置合わせ点の場所を位置合わせすることであって、前記第1の位置合わせ点の前記場所は、前記ロボット手術システムの三次元座標系において位置合わせされることと、
位置合わせされた前記第1の位置合わせ点に基づいて、前記支持アームを制御することと、を含む、方法。
【請求項104】
前記第2の位置合わせ点は、前記患者のアクセス部位に対応する、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記第2の位置合わせ点は、前記患者に結合されたトロカールの入口に対応する、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記第1の位置合わせ点は、前記エンドエフェクタの長手方向軸と交差する、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
前記エンドエフェクタの前記第1の位置合わせ点の可視化インジケータを生成することを更に含む、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
前記可視化インジケータは、前記エンドエフェクタに向けられた照明を備える、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記第1の位置合わせ点を前記第2の位置合わせ点に整列させることは、前記第1の位置合わせ点を前記第2の位置合わせ点に重ね合わせることを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項110】
位置合わせされた前記第1の位置合わせ点は、枢動点を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項111】
前記支持アームを制御することは、前記枢動点に頂点を備える円錐運動範囲内で前記エンドエフェクタをピッチングさせること、ヨーイングさせること、及びローリングさせることのうちの1つ以上を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記円錐運動範囲は、最大約50度の最大円錐角θを有する、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記円錐運動範囲は、α
2+β
2≦θ
2によって表され、
式中、αは、前記エンドエフェクタのピッチ角に対応し、βは、前記エンドエフェクタのヨー角に対応し、θは、最大円錐角に対応する、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
前記支持アームを制御することは、前記枢動点との前記エンドエフェクタの交点を維持することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項115】
前記第2の位置合わせ点は、前記患者の腹壁の筋肉層に対応する、請求項103に記載の方法。
【請求項116】
患者プラットフォームに対する前記患者の移動、前記患者プラットフォームの移動、支持アームの基部の移動、及び前記枢動点の移動、のうちの1つ以上が起こったとき、前記第1の位置合わせ点を前記第2の位置合わせ点に再位置合わせすることを更に含む、請求項110に記載の方法。
【請求項117】
整列させることは、オペレータによって手動で実行される、請求項103に記載の方法。
【請求項118】
前記支持アームを制御することは、前記エンドエフェクタが前記患者に損傷を与える場合、前記支持アームの移動を阻止することを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項119】
エンドエフェクタを制御する方法であって、
支持アームに結合されたエンドエフェクタに患者によって加えられた力を測定することと、
測定された前記力が所定の閾値を超えていることに応答して、前記患者に対して前記エンドエフェクタを移動することと、を含む、方法。
【請求項120】
測定された前記力が前記所定の閾値を超えていることに応答して、通知を出力することを更に含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記患者に対して前記エンドエフェクタを移動することは、前記エンドエフェクタを前記患者から離れるように移動することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記患者に対して前記エンドエフェクタを移動することは、前記エンドエフェクタに結合された前記支持アームを移動することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
測定された前記力が前記所定の閾値を超えていることに応答して、患者プラットフォームを制御することを更に含む、請求項119に記載の方法。
【請求項124】
前記患者プラットフォームを制御することは、前記患者プラットフォームを前記エンドエフェクタから離れるように移動することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
測定された前記力が前記所定の閾値を超えていることに応答して、1つ以上の前記支持アーム及び患者プラットフォームのオペレータ制御を阻止することを更に含む、請求項119に記載の方法。
【請求項126】
前記エンドエフェクタは、前記患者内に配置された腔内デバイスを制御するように構成された磁気位置決めデバイスを備える、請求項119に記載の方法。
【請求項127】
エンドエフェクタを制御する方法であって、
患者と支持アームに結合されたエンドエフェクタとの間の距離を判定することと、
前記患者と前記エンドエフェクタとの間の所定の距離を維持するために、判定された前記距離に基づいて、前記患者に対して前記エンドエフェクタを移動することと、を含む、方法。
【請求項128】
前記距離は、光学センサ、前記患者に結合された患者基準点、及び前記エンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタ基準点のうちの1つ以上を使用して判定される、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記患者に対して前記エンドエフェクタを移動することは、前記エンドエフェクタと前記患者との間の少なくとも所定の距離を維持することを含む、請求項127に記載の方法。
【請求項130】
エンドエフェクタ分離を確認する方法であって、
力センサを使用して支持アームに加えられた第1の力を測定することと、
測定された前記力が第1の所定の閾値を超えていることに基づいて、エンドエフェクタの取り外しを判定することと、
前記支持アームに加えられた第2の力を測定しながら、前記支持アームをエンドエフェクタ位置合わせ点から離れるように移動することと、
測定された前記第2の力に基づいて、エンドエフェクタ分離を確認することと、を含む、方法。
【請求項131】
前記支持アームを位置合わせ点から離れるように移動するプロンプトを出力することを更に含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記第2の力は、実質的に力がない、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
エンドエフェクタ結合を確認することは、エンドエフェクタ分離信号を生成することを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
前記支持アームを移動することは、前記位置合わせ点に対する横方向移動及び前記位置合わせ点に対する回転のうちの1つ以上を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項135】
前記支持アームを移動することは、測定された前記第2の力が第2の所定の閾値を超えている場合に阻止される、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
る測定された前記第2の力が第2の所定の閾値を超えていることに基づいて、エンドエフェクタ結合を確認することを更に含む、請求項130に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月23日に出願された米国特許仮出願第63/165,007号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書におけるデバイス、システム、及び方法は、単一のオペレータによって操作され得るロボット手術システムを使用する低侵襲処置に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの外科的処置は、患者に作られる切開部の数及びサイズを最小限にするために、低侵襲アプローチの使用に向かってシフトしている。内視鏡、腹腔鏡、及び胸腔鏡処置などの低侵襲処置は、開腹手術処置と比較したとき、より低い疼痛、より迅速な術後回復、短縮された入院、及び低減された合併症と関連付けられ得る。概して、低侵襲ロボット手術は、現在、2人の熟練した外科医(例えば、オペレータ)によって実行されている。一次外科医は、外科的作業(例えば、切開、クリッピング、切断、ステープル留めなど)を実行し、二次外科医は、これらの機能を支援する。一次外科医は、滅菌野の外側のコンソールに位置し、二次外科医は、例えば、ロボット手術システムに結合された器具(例えば、エンドエフェクタ)を変更することによって支援するために、滅菌野内に位置する。二次外科医は、光学センサ(例えば、カメラ)及びリトラクタなどの器具を各手に握ることによって、一次外科医を支援し得る。したがって、従来使用されているものよりも、煩わしさ及び資源消費量が少ないロボット手術システムを提供することが望まれ得る。
【発明の概要】
【0004】
低侵襲外科的処置に有用なシステム、デバイス、及び方法が本明細書に記載される。いくつかの変形例では、本明細書に記載される処置は、別のオペレータからの追加の支援が存在しない単一のオペレータによって実行され得る。概して、エンドエフェクタコネクタは、エンドエフェクタを受容するように構成されたハウジングと、ハウジングをロボットに解放可能に結合するように構成されたアームとを備え得る。アームは、磁気部分と、アームからハウジングを手動で解放するように構成されたハウジング解放機構とを備え得る。
【0005】
いくつかの変形例では、磁気部分は、アームの近位部分に結合され得る。いくつかの変形例では、磁気部分は、滅菌ドレープを通してアームをロボットに磁気的に結合するように構成され得る。いくつかの変形例では、滅菌ドレープは、磁気部分とアームとの間に結合され得る。いくつかの変形例では、磁気部分の第1の側は、支持アームのフランジに機械的かつ磁気的に取り付けられるように構成され得る。いくつかの変形例では、磁気部分の第1の側は、1つ以上のリード線を受容するように構成されたチャネルを備え得る。いくつかの変形例では、磁気部分は、半径方向せん断力を低減するように構成されたロボット係合特徴を備え得る。いくつかの変形例では、ロボット係合特徴は、円形突起を含み得る。
【0006】
いくつかの変形例では、アームは、円形凹部を画定し得る。いくつかの変形例では、磁気部分は、回転整列特徴を備え得る。いくつかの変形例では、回転整列特徴は、線形突起を含み得る。いくつかの変形例では、アームは、線形凹部を画定し得る。いくつかの変形例では、磁気部分は、ロボットからアームを手動で解放するように構成された磁気解放機構を備え得る。いくつかの変形例では、磁気解放機構は、1つ以上のレバーを含み得る。いくつかの変形例では、1つ以上のレバーは、磁気部分の円周に結合し得る。いくつかの変形例では、磁気解放機構は、アームから磁気部分を押し離すように構成された1つ以上のカムを備え得る。
【0007】
いくつかの変形例では、磁気部分は、第1の長手方向軸を画定し得、ハウジングは、第2の長手方向軸を画定する。第1の長手方向軸と第2の長手方向軸とは、非平行であり得る。いくつかの変形例では、第1の長手方向軸と第2の長手方向軸との間の第1の角度は、最大約40度であり得る。いくつかの変形例では、第1の角度は、約15度~約35度であり得、その間における全ての範囲及び部分値を含む。いくつかの変形例では、ハウジング内に受容されたエンドエフェクタは、第2の長手方向軸に平行な第3の長手方向軸を画定し得る。いくつかの変形例では、第1の長手方向軸と第3の長手方向軸との間の第2の角度は、最大約40度であり得、その間における全ての範囲及び部分値を含む。いくつかの変形例では、第2の角度は、約15度~約35度であり得、その間における全ての範囲及び部分値を含む。いくつかの変形例では、磁気部分は、最大約30cmの高さ及び最大約30cmの長さだけハウジングから離され得、その間における全ての範囲及び部分値を含む。
【0008】
いくつかの変形例では、アームは、アームハンドルを備え得る。いくつかの変形例では、アームハンドルは、オペレータの第1の手によって握られるように構成され得る。いくつかの変形例では、磁気部分は、第1の長手方向軸を画定し得、アームハンドルは、第4の長手方向軸を画定し得る。第1の長手方向軸と第4の長手方向軸とは、非平行であり得る。いくつかの変形例では、第1の長手方向軸と第4の長手方向軸との間の第3の角度は、最大約75度であり得る。いくつかの変形例では、第3の角度は、約15度~約60度であり得る。いくつかの変形例では、アームは、凸形状を備え得る。いくつかの変形例では、アームの遠位部分は、アームの近位部分の下方にあり得る。いくつかの変形例では、アームは、ロボットをエンドエフェクタに電気的に結合するように構成された1つ以上のリード線を備え得る。いくつかの変形例では、アームは、アームハンドルを備え得、リード線は、アームハンドルに平行に延在する。
【0009】
いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、アームの遠位部分及びハウジングの近位部分に結合され得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、アームに結合された第1の部分と、ハウジングに結合された第2の部分とを備え得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、ハウジング解放機構の第1の部分及び第2の部分を互いに係合するように構成されたハウジング係合特徴を備え得る。いくつかの変形例では、ハウジング係合特徴は、第1の部分の第1のハウジング係合特徴と、第2の部分の第2のハウジング係合特徴とを含み得る。いくつかの変形例では、第1のハウジング係合特徴は、丸みを帯びた突起を含み得、第2のハウジング係合特徴は、第1の凹部を含み得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、第2の部分に対する第1の部分の回転を阻止するように構成された回転整列特徴を備え得る。いくつかの変形例では、回転整列特徴は、第1の部分の第1の回転整列特徴と、第2の部分の第2の回転整列特徴とを含み得る。いくつかの変形例では、第1の回転整列特徴は、成形された突起を含み得、第2の回転整列特徴は、第2の凹部を含み得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、アームからハウジングを解放するように構成されたスイッチを備え得る。いくつかの変形例では、第1の部分及び第2の部分のうちの1つは、第2の部分から第1の部分を解放するように構成されたスイッチを備え得る。いくつかの変形例では、スイッチは、第2のハウジング係合特徴から第1のハウジング係合特徴を解放するように構成され得る。いくつかの変形例では、スイッチは、第1の部分を第2の部分に機械的に結合するために、第1のハウジング係合特徴に係合するように構成されたばねを備え得る。いくつかの変形例では、ハウジング係合特徴は、磁石、あり継ぎ、及びリビングヒンジのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、ハウジング内に受容されたエンドエフェクタの上方にあり得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、磁気部分の下方かつ遠位にあり得る。
【0010】
いくつかの変形例では、ハウジングは、エンドエフェクタに解放可能に結合するように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングの遠位部分は、エンドエフェクタを受容するように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングの近位部分は、ハウジング解放機構の側方側壁に結合され得る。いくつかの変形例では、ハウジングは、ハウジングハンドルを備え得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドルは、オペレータの第1の手によって握られるように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドルは、ハウジング内に受容されたエンドエフェクタに対して上方にあり得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、ハウジングハンドルの側面上に受容され得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構は、ハウジングハンドルを第1の手で握りながら、第1の手によって作動されるように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドルは、ハンドル長手方向軸及びハンドル横方向軸を画定し得る。ハウジングは、ハンドル長手方向軸に沿った第1の剛性と、ハンドル横方向軸に沿った第2の剛性とを備え得、第1の剛性は、第2の剛性よりも大きい。いくつかの変形例では、ハウジングハンドルは、ハウジングの長さ又は高さよりも小さい幅を有し得る。いくつかの変形例では、ハウジングは、エンドエフェクタへのアクセスのために構成された開口を画定し得る。
【0011】
いくつかの変形例では、ロボットは、エンドエフェクタコネクタ及びエンドエフェクタのうちの1つ以上を移動可能に懸架するように構成された支持アームを備え得る。いくつかの変形例では、支持アームは、単一自由度を提供するように構成された1つ以上の継ぎ手によって結合された1つ以上のセグメントを備え得る。いくつかの変形例では、支持アームは、1つ以上の継ぎ手を並進及び/又は回転させるように構成された1つ以上のモータを備え得る。いくつかの変形例では、支持アームは、6以上の自由度を備え得る。いくつかの変形例では、支持アームは、6未満の自由度を備え得る。いくつかの変形例では、支持アームは、関節ロボットアーム、SCARAロボットアーム、及び線形ロボットアームのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、支持アームは、医療用カート、患者プラットフォーム、家具、壁、天井、及び地面のうちの1つ以上を含む基部に搭載され得る。いくつかの変形例では、支持アームは、支持アームの遠位部分に結合された磁気カプラを備え得る。
【0012】
いくつかの変形例では、磁気カプラは、ロボットの遠位端に結合され得る。磁気カプラは、滅菌ドレープが間に配置された状態でアームの磁気部分に解放可能に結合され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、可視化デバイス、把持器、リトラクタ、磁気位置決めデバイス、センサ、腔内デバイス、送達デバイス、回収デバイス、ステープラ、クリップアプライヤ、及び電気焼灼フックのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、磁気部分を備え得る。
【0013】
いくつかの変形例では、センサは、患者体表面の場所を検出するように構成され得る。いくつかの変形例では、センサは、力センサ、近接センサ、光学センサ、運動センサ、加速度計、ジャイロスコープ、レーザ距離計、レーダ、及びLIDARのうちの1つ以上を含み得る。
【0014】
いくつかの変形例では、ロボット手術システムは、エンドエフェクタコネクタを備え得る。ロボットの基部は、患者プラットフォームの側面に結合され得る。
【0015】
また、本明細書で記載されるのは、磁気腹腔鏡ロボット手術を実行する方法であって、エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタを支持アームに磁気的に結合することと、患者の体腔内でエンドエフェクタを制御することと、エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタを支持アームから分離することと、を含む方法である。結合すること、制御すること、及び分離することは全て、単一のオペレータによって実行されることが可能である。
【0016】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタを結合すること及び分離することは、単一のオペレータの両手によって実行されることが可能である。いくつかの変形例では、エンドエフェクタを制御することは、単一のオペレータの片手で実行されることが可能である。いくつかの変形例では、エンドエフェクタを結合すること及び分離することは、滅菌野を維持する。いくつかの変形例では、滅菌野は、結合するステップ、制御するステップ、及び分離するステップ中、維持され得る。
【0017】
また、本明細書で記載されるのは、ロボット手術システムからエンドエフェクタを分離する方法であって、エンドエフェクタと、滅菌ドレープと、支持アームとの間に結合されたエンドエフェクタコネクタを提供することを含む方法である。エンドエフェクタコネクタは、アームと、ハンドルを備えるハウジングとを備え得る。本方法は、ハウジングのハンドルを握ることと、アームからハウジングを手動で解放することとを含み得る。
【0018】
いくつかの変形例では、ハンドルを握ること及びハウジングを手動で解放することは、片手で同時に実行され得る。いくつかの変形例では、本方法は、ハウジングをアームから解放した後、患者から離れる方向にハンドルを引き抜くことを含み得る。いくつかの変形例では、アームは、支持アームに磁気的に結合された磁気部分を備え得る。
【0019】
また、本明細書で記載されるのは、エンドエフェクタを支持アームに結合する方法であって、ハウジングと、ハウジングに解放可能に結合されるように構成されたアームとを備えるエンドエフェクタコネクタを提供することと、滅菌ドレープが間に配置された状態でアームを支持アームに磁気的に結合することと、エンドエフェクタをハウジングに結合することと、ハウジングを支持アームに結合することと、を含む方法である。いくつかの変形例では、ハウジングをアームに結合することは、片手で実行され得る。
【0020】
また、本明細書で記載されるのは、支持アームを制御する方法であって、オペレータの片足の運動に基づいて、支持アーム制御信号を受信することと、受信された支持アーム制御信号に基づいて、少なくとも3の自由度を有する支持アームの運動を制御することとを含む方法である。
【0021】
いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の並進運動に対応する支持アームの並進運動を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の横側への運動又はヨー運動に対応する支持アームの横側への運動を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の屈曲運動に対応する支持アームの下側への運動を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の踵移動に対応する支持アームスイッチコマンドを含み得る。いくつかの変形例では、本方法は、片足の運動に基づいて、エンドエフェクタ制御信号を受信することを含み得る。
【0022】
いくつかの変形例では、本方法は、エンドエフェクタ制御信号に基づいて、エンドエフェクタの動作を制御することを含み得る。いくつかの変形例では、オペレータは、片足の運動の間、立っていることがあり得る。
【0023】
また、本明細書で記載されるのは、支持アームコントローラであって、第1の端部及び第2の端部を備え、オペレータの足中央部(midfoot)を受容するように構成された基部を備える支持アームコントローラである。足前部(forefoot)スイッチのセットは、基部の第1の端部に結合され得る。足後部(hindfoot)スイッチのセットは、基部の第2の端部に結合され得る。足前部スイッチのセット及び足後部スイッチのセットは、支持アーム制御信号を生成するように構成され得る。
【0024】
いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、支持アームの運動を制御するように構成され得、オペレータの足の運動は、支持アームの運動に対応し得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足の前側への運動を受信し、支持アームの前側への運動に対応する支持アーム制御信号を生成するように構成された第1のスイッチを含み得る。
【0025】
いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足の伸展運動を受信し、支持アームの下側への運動に対応する支持アーム制御信号を生成するように構成された第2のスイッチを含み得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足の左側への運動を受信し、支持アームの左側への運動に対応する支持アーム制御信号を生成するように構成された第3のスイッチを含み得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足の右側への運動を受信し、支持アームの右側への運動に対応する支持アーム制御信号を生成するように構成された第4のスイッチを含み得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足の屈曲運動を受信し、支持アームの上側への運動に対応する支持アーム制御信号を生成するように構成された第5のスイッチを含み得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足の後側への運動を受信し、支持アームの後側への運動に対応する支持アーム制御信号を生成するように構成された第6のスイッチを含み得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセットは、足後部の下側への運動を受信し、ロボット手術システムのデバイス切替信号を生成するように構成された第7のスイッチを含み得る。いくつかの変形例では、足前部スイッチのセット及び足後部スイッチのセットは、機械スイッチ、光学センサ、ジャイロスコープ、運動センサ、圧力センサ、及び磁気センサのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、基部は、足前部スイッチのセットの中の1つ以上及び足後部スイッチのうちの1つ以上に対して高くされ得る。
【0026】
また、本明細書で記載されるのは、エンドエフェクタを位置合わせする方法であって、エンドエフェクタを、患者に近接したロボット手術システムの支持アームに結合することを含む方法である。エンドエフェクタは、第1の位置合わせ点を備え得、患者は、第2の位置合わせ点を備え得る。第1の位置合わせ点は、第2の位置合わせ点に整列され得る。第2の位置合わせ点に整列された第1の位置合わせ点の場所は、整列され得る。第1の位置合わせ点の場所は、ロボット手術システムの三次元座標系において位置合わせされ得る。支持アームは、位置合わせされた第1の位置合わせ点に基づいて、制御され得る。
【0027】
いくつかの変形例では、第2の位置合わせ点は、患者のアクセス部位に対応し得る。いくつかの変形例では、第2の位置合わせ点は、患者に結合されたトロカールの入口に対応し得る。いくつかの変形例では、第1の位置合わせ点は、エンドエフェクタの長手方向軸と交差し得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタの第1の位置合わせ点の可視化インジケータは、生成され得る。いくつかの変形例では、可視化インジケータは、エンドエフェクタに向けられた照明を備え得る。いくつかの変形例では、第1の位置合わせ点を第2の位置合わせ点に整列させることは、第1の位置合わせ点を第2の位置合わせ点に重ね合わせることを含み得る。
【0028】
いくつかの変形例では、位置合わせされた第1の位置合わせ点は、枢動点を含み得る。いくつかの変形例では、支持アームを制御することは、枢動点に頂点を備える円錐運動範囲内でエンドエフェクタをピッチングさせること、ヨーイングさせること、及びローリングさせることのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、円錐運動範囲は、最大約50度の最大円錐角θを有し得る。いくつかの変形例では、円錐運動範囲は、α2+β2≦θ2によって表され得、式中、αは、エンドエフェクタのピッチ角に対応し、βは、エンドエフェクタのヨー角に対応し、θは、最大円錐角に対応する。いくつかの変形例では、支持アームを制御することは、枢動点とのエンドエフェクタの交点を維持することを含み得る。いくつかの変形例では、第2の位置合わせ点は、患者の腹壁の筋肉層に対応し得る。いくつかの変形例では、第1の位置合わせ点は、患者プラットフォームに対する患者の移動、患者プラットフォームの移動、支持アームの基部の移動、及び枢動点の移動、のうちの1つ以上が起こったとき、第2の位置合わせ点に再位置合わせされ得る。いくつかの変形例では、整列させることは、オペレータによって手動で実行されている。
【0029】
また、本明細書で記載されるのは、エンドエフェクタを制御する方法であって、支持アームに結合されたエンドエフェクタに患者によって加えられた力を測定することと、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、患者に対してエンドエフェクタを移動することと、を含み得る方法である。
【0030】
いくつかの変形例では、本方法は、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、通知を出力することを含み得る。いくつかの変形例では、本方法は、エンドエフェクタを患者から離れるように移動することを含む、患者に対してエンドエフェクタを移動することを含み得る。いくつかの変形例では、本方法は、エンドエフェクタに結合された支持アームを移動することを含む、患者に対してエンドエフェクタを移動することを含み得る。いくつかの変形例では、本方法は、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、患者プラットフォームを制御することを含み得る。
【0031】
いくつかの変形例では、本方法は、患者プラットフォームをエンドエフェクタから離れるように移動することを含む、患者プラットフォームを制御することを含み得る。いくつかの変形例では、本方法は、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、1つ以上の支持アーム及び患者プラットフォームのオペレータ制御を阻止することを含み得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、患者内に配置された腔内デバイスを制御するように構成された磁気位置決めデバイスを含み得る。
【0032】
また、本明細書で記載されるのは、エンドエフェクタを制御する方法であって、患者と支持アームに結合されたエンドエフェクタとの間の距離を判定することと、患者とエンドエフェクタとの間の所定の距離を維持するために、判定された距離に基づいて、患者に対してエンドエフェクタを移動することと、を含む方法である。
【0033】
いくつかの変形例では、距離は、光学センサ、患者に結合された患者基準点、及びエンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタ基準点のうちの1つ以上を使用して判定され得る。いくつかの変形例では、患者に対してエンドエフェクタを移動することは、エンドエフェクタと患者との間の少なくとも所定の距離を維持することを含み得る。
【0034】
また、本明細書で記載されるのは、エンドエフェクタ分離を確認する方法であって、力センサを使用して支持アームに加えられた第1の力を測定することと、測定された力が第1の所定の閾値を超えていることに基づいて、エンドエフェクタの取り外しを判定することと、支持アームに加えられた第2の力を測定しながら、支持アームをエンドエフェクタ位置合わせ点から離れるように移動することと、測定された第2の力に基づいて、エンドエフェクタ分離を確認することと、を含む方法である。
【0035】
いくつかの変形例では、本方法は、支持アームを位置合わせ点から離れるように移動させるプロンプトを出力することを含み得る。いくつかの変形例では、第2の力は、実質的に力がなくてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、エンドエフェクタ分離信号を生成することを含む、エンドエフェクタ結合を確認することを含み得る。いくつかの変形例では、支持アームを移動することは、位置合わせ点に対する横方向移動及び位置合わせ点に対する回転のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、支持アームを移動することは、測定された第2の力が第2の所定の閾値を超えている場合に阻止され得る。いくつかの変形例では、本方法は、測定された第2の力が第2の所定の閾値を超えていることに基づいて、エンドエフェクタ結合を確認することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】ロボット手術システムの例証的変形例のブロック図である。
【
図2A】ロボット手術システムの例証的変形例の左側面図を描写する。
【
図2B】ロボット手術システムの例証的変形例の右側面図を描写する。
【
図2C】ロボット手術システムの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図2D】ロボット手術システムの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図2E】ロボット手術システムの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図3A】エンドエフェクタコネクタの例証的変形例の左側面図を描写する。
【
図3B】エンドエフェクタコネクタの例証的変形例の左側面図を描写する。
【
図3C】エンドエフェクタコネクタの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図3D】エンドエフェクタコネクタの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図3E】エンドエフェクタコネクタの例証的変形例の平面図を描写する。
【
図4A】ロボット手術システムの例証的変形例の分解斜視図を描写する。
【
図4B】ロボット手術システムの例証的変形例の分解斜視図を描写する。
【
図5A】第1の構成における磁気部分の例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図5B】第2の構成における磁気部分の例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図5C】第1の構成における磁気部分の例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図6A】エンドエフェクタコネクタのハウジング解放機構の例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図6B】エンドエフェクタコネクタのハウジング解放機構の例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図6C】ハウジング解放機構の例証的変形例の断面図を描写する。
【
図6D】ハウジング解放機構の例証的変形例の側面図を描写する。
【
図7A】ロボット手術システムの入力デバイスの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図7B】ロボット手術システムの入力デバイスの例証的変形例の側面図を描写する。
【
図7C】ロボット手術システムの入力デバイスの例証的変形例の上面図を描写する。
【
図7D】ロボット手術システムの入力デバイスの例証的変形例の斜視図を描写する。
【
図8】ロボット手術を実行する例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図9】ロボット手術を実行する別の例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図10】エンドエフェクタを分離する例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図11】エンドエフェクタを結合する例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図12】ロボット手術を実行する例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図13】ロボット手術を実行する方法の例証的変形例の概略断面図である。
【
図14A】エンドエフェクタ回転の例証的変形例の概略側面図である。
【
図14B】エンドエフェクタ回転の例証的変形例の概略平面図である。
【
図14C】エンドエフェクタ運動の例証的変形例の概略正面図である。
【
図14D】エンドエフェクタ運動の例証的変形例の概略側面図である。
【
図14E】エンドエフェクタ運動の例証的変形例の概略側面図である。
【
図14F】エンドエフェクタ運動の例証的変形例の概略側面図である。
【
図14G】エンドエフェクタ移動の例証的変形例の概略斜視図である。
【
図14H】エンドエフェクタ移動の例証的変形例の概略斜視図である。
【
図15】エンドエフェクタ監視の例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図16】ロボット手術システムのためのエンドエフェクタ監視の例証的変形例の概略図である。
【
図17】エンドエフェクタ分離確認の例証的変形例のフローチャート表現を描写する。
【
図18】エンドエフェクタ分離確認プロセスの例証的変形例の概略図である。
【
図19A】ロボット手術システムの例証的変形例の概略平面図である。
【
図19B】ロボット手術システムの例証的変形例の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
別のオペレータからの追加の支援が存在しない単一のオペレータによって実行されることが確認された低侵襲外科的処置における使用のためのシステム、デバイス、及び方法が本明細書に記載される。例えば、本明細書に記載されるシステム、デバイス、及び方法は、第2のオペレータなしでロボット手術システムの単一のオペレータ操作を可能にすることと、磁気ロボット手術システムを使用して滅菌野管理を低減することと、迅速なツール(例えば、エンドエフェクタ)交換を容易にすること、ロボット手術システムのオペレータ人間工学を改善することと、ロボットアームの単一のオペレータ制御を強化することと、迅速かつ正確なエンドエフェクタ位置合わせを容易にすることと、支持アームのハンズフリー制御を提供することと、ロボット手術システムに対する患者の安全性を監視することとによって、低侵襲ロボット手術を改善し得る。
【0038】
従来のロボット手術システムは、低侵襲外科的処置中、様々な機能を実行するために、第1のオペレータが、あまり熟練していない第2のオペレータ(例えば、手洗い看護師)によって支援されることを要求するが、本明細書に開示されるシステム及び方法は、単一のオペレータを支援するために、第2の熟練オペレータを要求し得ない。例えば、本明細書に記載されるシステム、デバイス、及び方法は、滅菌野に影響を及ぼすことなく、単一のオペレータのみで、迅速なエンドエフェクタ洗浄及びポート変更を可能にし、それによって、滅菌技法に対する必要性を軽減し得る。
【0039】
いくつかの変形例では、本明細書に記載されるロボット手術方法は、腹腔鏡処置のための単一のオペレータエンドエフェクタ交換及びロボットアーム制御を可能にする。いくつかの変形例では、磁気腹腔鏡ロボット手術を実行する方法は、磁気部分を使用して、滅菌野内でエンドエフェクタをロボットアームに結合することと、患者の体腔内でエンドエフェクタを制御することと、滅菌野内でエンドエフェクタをロボットアームから分離することと、を含み得る。結合するステップ、制御するステップ及び分離するステップは、単一のオペレータによって実行される。
【0040】
概して、本明細書に記載されるシステム及びデバイスは、ロボット外科的処置の速度及び/又は効率を改善し得る、ロボットアームとの迅速なエンドエフェクタ交換を容易にする。いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタは、エンドエフェクタを受容するように構成されたハウジングを備え得る。エンドエフェクタはまた、ハウジングをロボットに解放可能に結合するように構成されたアームを含み得る。アームは、磁気部分と、アームからハウジングを手動で解放するように構成されたハウジング解放機構とを備え得る。例えば、エンドエフェクタ交換は、滅菌野内で、及び滅菌野を変更することなく実行され得る。更に、エンドエフェクタコネクタは、滅菌ドレープをロボットに結合し得る。
【0041】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタは、オペレータの片手だけで握られるハンドルとして機能し得る。例えば、エンドエフェクタコネクタは、所望のようにエンドエフェクタを再位置決めするために、オペレータによって握られ、移動される(例えば、手で誘導される)ことができる。更に、エンドエフェクタは、迅速なツール変更及び/又は洗浄を容易にするために、エンドエフェクタコネクタを介してロボットから解放され得る。
【0042】
いくつかの変形例では、ロボット手術システムの物理的レイアウト及び/又は構成は、ロボットアーム、エンドエフェクタ、単一のオペレータ、及び患者の各々の間の人間工学(例えば、幾何学形状)、並びに患者内に配置されるエンドエフェクタの人間工学を改善し得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタの幾何学形状は、患者、エンドエフェクタ、及びオペレータのうちの1つ以上のためにロボットの下にクリアランス(例えば、作業空間)を提供するように構成され得る。更に、エンドエフェクタコネクタは、エンドエフェクタへの物理的アクセスを容易にする構成を有し得る。追加的に又は代替的に、ロボット手術システムは、ロボットアームを患者から離して位置決めし、ロボットアームに結合されたエンドエフェクタのアクセス可能範囲を改善し得る。
【0043】
いくつかの変形例では、直感的入力デバイス(例えば、フットコントローラ、フットペダル)は、オペレータの手及び視覚的注意を他の場所に自由にすることによって、1つ以上のロボットアーム及びエンドエフェクタの単一のオペレータ制御を可能にし得る。いくつかの変形例では、ロボット手術を実行する方法は、オペレータの片足の運動に基づいて、ロボットアーム制御信号を受信することを含み得る。足の運動は、ロボットアームを介したエンドエフェクタの運動に対応し得る。少なくとも3の自由度を有するロボットアームの運動は、受信されたロボットアーム制御信号に基づいて、制御され得る。
【0044】
いくつかの変形例では、ロボット手術システムは、組織を損傷するであろう入力運動(例えば、腹壁における切開部へのエンドエフェクタの衝突)が阻止されることを確実にするために、アクセス部位に対するエンドエフェクタの位置を位置付けること(例えば、位置合わせすること)及び監視することによって、患者の安全性を確実にし得る。ロボット手術システムはまた、患者に対する外部エンドエフェクタの位置、エンドエフェクタ取り付け状態、及び患者プラットフォームの位置のうちの1つ以上を監視し得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、別様に患者を傷つける可能性のある、患者及びロボット手術システムのうちの1つ以上における監視された変更に応答して、移動され得る。例えば、エンドエフェクタは、患者プラットフォームの高さにおける変更と同期して自動的に移動し得る。
【0045】
本明細書に記載される手術システムのうちのいくつかは、胆嚢切除術、虫垂切除術、結腸切除術、ヘルニア修復術、スリーブ胃切除術又は他の肥満処置、腎摘出術、子宮摘出術、卵巣摘出術、肺葉切除、卵管摘出、ファローピウス卵管結紮術、鼠径部及び裂孔を含むヘルニア修復術などの外科的処置を実行するために使用され得る。
【0046】
I.システム及びデバイス
概して、本明細書に記載されるロボット手術システムは、直感的制御スキーム、改善された人間工学、及び患者安全性監視を使用して、単一のオペレータによって操作され得る。例示的なロボット手術システム100のブロック図は、
図1に描写されている。システム100は、支持アーム112、滅菌カバー114、エンドエフェクタコネクタ116、エンドエフェクタ118、センサ120、入力デバイス122、プロセッサ124、メモリ126、通信デバイス128、及び出力デバイス130のうちの1つ以上を備え得、これらの各々は、本明細書でより詳細に記載されている。いくつかの変形例では、支持アーム112は、単一のオペレータの制御(例えば、制御入力、手動操作)に基づいて、患者(例えば、患者プラットフォーム上の患者)に対してエンドエフェクタを移動可能に懸架、保持、及び/又は動作させるように構成され得る。いくつかの変形例では、滅菌カバー114は、滅菌野を形成するために、支持アーム112とエンドエフェクタ116との間に配置され得る。例えば、滅菌カバー114は、支持アーム112の遠位端とエンドエフェクタコネクタ116の近位端との間に磁気的に結合され得る。
【0047】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタ116は、支持アーム112をエンドエフェクタ118に結合し、単一のオペレータ操作(例えば、組立、制御、分解)を容易にするように構成され得る。例えば、エンドエフェクタ116は、簡略化された迅速なエンドエフェクタ交換、並びに処置時間を短縮し、患者の転帰を改善し得る、改善された外科的処置人間工学を通して、単一のオペレータ制御を容易にし得る。本明細書でより詳細に記載されるように、エンドエフェクタ118は、外科的処置において使用される1つ以上のエンドエフェクタを備え得る。いくつかの変形例では、センサ120は、支持アーム122、滅菌カバー114、エンドエフェクタコネクタ116、及びエンドエフェクタ118のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない、患者及び手術システム100のうちの1つ以上に対応する1つ以上の特性を測定するように構成された1つ以上のセンサを備え得る。
【0048】
いくつかの変形例では、入力デバイス122は、
図7A~
図7Eに対してより詳細に記載されるように、オペレータ入力に基づいて、入力信号を生成するように構成され得る。いくつかの変形例では、プロセッサ124及びメモリ126は、手術システム100を制御するように構成され得る。いくつかの変形例では、通信デバイス128は、システム100の1つ以上の構成要素並びにネットワーク及び他のコンピュータシステムと通信するように構成され得る。いくつかの変形例では、出力デバイス130は、手術システム100に対応するデータを出力するように構成され得る。
【0049】
いくつかの変形例では、ロボット手術システムは、第1のエンドエフェクタコネクタを介して内視鏡に結合された第1の支持アームと、第2のエンドエフェクタコネクタを介して磁気位置決めデバイスに結合された第2の支持アームとを備え得る。第1の支持アーム及び第2の支持アームの各々は、本明細書に記載される入力デバイス700などの入力デバイスを使用してオペレータによって制御され得る。このようにして、単一のオペレータは、第2のオペレータからの支援なしに、ロボット手術システムに結合されたエンドエフェクタのセットを独立して制御し得る。
【0050】
図2A及び
図2Bは、ロボット手術システム200のそれぞれの左側面図及び右側面図を描写する。
図2C~
図2Eは、ロボット手術システム200の斜視図を描写する。いくつかの変形例では、システム200は、エンドエフェクタコネクタ210、エンドエフェクタ270、及び支持アーム280(例えば、ロボット、ロボットアーム)のうちの1つ以上を備え得る。例えば、エンドエフェクタコネクタ210は、エンドエフェクタ270を支持アーム280の遠位端に解放可能に結合するように構成され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタ210は、ハウジング220と、アーム230と、それらの間に解放可能に結合されたハウジング解放機構250とを備え得る。
【0051】
いくつかの変形例では、ハウジング220は、エンドエフェクタ270を受容するように構成され得る。例えば、ハウジング220は、エンドエフェクタ270を支持アーム280に対して所定の位置及び/又は向きに保持するように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジング220は、オペレータによって(例えば、片手を使用して)握られ、及び/又は操作されるように構成されたハウジングハンドル222を備え得る。例えば、オペレータは、エンドエフェクタ270の位置及び/又は向きを操作するために、片手でハウジングハンドル222を把持し得る。支持アーム280は、概して、エンドエフェクタ270を所望のように位置決めするようにプロセッサによって制御され得るが、ハウジングハンドル232を握るオペレータによる手動操作は、エンドエフェクタ270の位置及び/又は向きに対する微調整を容易にし得る。
【0052】
図2A~
図2Eにおいて、ハウジング220は、例証的に、内視鏡270を受容するように構成されるが、任意のエンドエフェクタが使用され得る。いくつかの変形例では、ハウジング220は、エンドエフェクタ270へのオペレータアクセスを容易にするように構成され得る。
図2Bに示されるように、ハウジング210は、エンドエフェクタ270へのアクセスのために構成された開口224(例えば、切り欠き)を画定し得る。エンドエフェクタ270に結合されたハウジング220は、エンドエフェクタ270への自由なアクセスを容易にするように構成され得る。例えば、オペレータは、内視鏡270の焦点272を操作するために、開口224を通して片手を挿入し得る。追加的に又は代替的に、
図2Cに示されるように、ハウジング210は、入力デバイス274(例えば、カメラ制御ボタン、スイッチ)などのエンドエフェクタ制御部へのアクセスを容易にするように構成され得る。したがって、ハウジング220及びエンドエフェクタコネクタ210は、オペレータにとって邪魔にならないように機能し得る。更に、ハウジング220は、ハンドル222を提供することによって、エンドエフェクタ270操作の人間工学を改善し得る。
【0053】
概して、エンドエフェクタコネクタ210の形状及び寸法は、支持アーム280に対するエンドエフェクタ270の位置決め及び/又は向きを制御し得る。例えば、
図2Aに示されるように、エンドエフェクタ270の長手方向軸276は、外科的処置において使用されるエンドエフェクタ270のための好ましい進入角度を提供するために、支持アーム280の長手方向軸282に対して非垂直角度で角度を付けられ得る。例えば、支持アーム280の長手方向軸282とエンドエフェクタの長手方向軸276との間の角度は、約90度~約130度、約105度~約125度であり得、その間における全ての範囲及び部分値を含む。
【0054】
更に、支持アーム280の直下の(例えば、長手方向軸282に沿った)空間は、エンドエフェクタコネクタ210及びエンドエフェクタ270が存在しない空き空間を含み得、これは患者の解剖学的構造(例えば、患者の腹部)のために確保され得る。エンドエフェクタコネクタ220によって形成されたこの空間確保(例えば、クリアランス)は、外科的処置の人間工学及び安全性を改善し得る。例えば、
図2Aに示されるように、エンドエフェクタ270は、支持アーム280の下に離れて位置し得る。
図2Aに関して、患者は、支持アーム280の下及び/又は左に配置され得、エンドエフェクタ270は、支持アーム280の下及び/又は右に配置され得る。
【0055】
いくつかの変形例では、アーム230の近位部分は、支持アーム280の遠位端に解放可能に結合され(例えば、磁気的に結合され)得る。いくつかの変形例では、アーム230は、ハウジング220に解放可能に結合するように構成され得る。例えば、アーム230の遠位部分は、ハウジング220の近位部分に結合され得る。いくつかの変形例では、アーム230は、磁気部分240を備え得る。例えば、磁気部分240は、アーム230の近位部分に結合され得る。
【0056】
いくつかの変形例では、アーム230は、アームハンドル232を備え得る。例えば、アームハンドル232は、ハウジングハンドル222と同様の様式で、オペレータによって(例えば、片手を使用して)握られ及び/又は操作されるように構成され得る。したがって、アーム230は、エンドエフェクタ270の操作の人間工学を改善し得る。
【0057】
いくつかの変形例では、アーム230は、凸形状及び凹形状のうちの1つ以上を備え得る。いくつかの変形例では、アーム230は、支持アーム280をエンドエフェクタ270に電気的に結合するように構成された1つ以上のリード線(図示せず)を備え得る。例えば、電気的接続は、磁気部分260及びアーム280のうちの1つ以上を通って(又はそれと平行に)延在するリード線を介して、支持アーム230とエンドエフェクタ270との間に形成され得る。
【0058】
いくつかの変形例では、磁気部分240は、(明確にするために
図2Aにのみ概略的に例証した)滅菌ドレープ290が間に配置された状態で、支持アーム280の磁気カプラ260にアーム230を磁気的に結合するように構成され得る。すなわち、滅菌ドレープ290は、磁気部分240とアーム230との間に結合され得る。いくつかの変形例では、磁気カプラ260は、支持アーム280の遠位端に結合され得る。したがって、滅菌ドレープは、支持アーム280の磁気カプラ260の遠位端と磁気部分240の近位端との間に配置され得る。アーム230の磁気部分240は、本明細書でより詳細に記載されるように、支持アーム280の磁気カプラ260に解放可能に結合され得る。
【0059】
いくつかの変形例では、単一のオペレータは、滅菌野内で、滅菌野に影響を及ぼすことなく、支持アーム280からエンドエフェクタ270を片手で取り付け、及び取り外し得る。例えば、ハウジング解放機構250は、アーム230からハウジング220を手動で取り付け及び解放するように構成され得る。アーム230からハウジング220を解放した後、アーム230は、滅菌野を維持するために支持アーム280に磁気的に結合されたままであり得、エンドエフェクタ270は、ハウジング220に結合されたままであり得、かつ別個に操作され得る。これは、迅速なエンドエフェクタ洗浄及びポート変更を容易にし得る。
【0060】
滅菌性を維持する滅菌野内での迅速なエンドエフェクタ交換は、オペレータの負担及び外科的処置時間を低減し得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構250は、第1の部分252と、第2の部分254と、スイッチ256(例えば、トリガ、解放)とを備え得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構250は、機械的アクチュエータを備え得る。例えば、エンドエフェクタコネクタ210を介して支持アーム280に結合されたエンドエフェクタ270を解放するために、オペレータは、第1の手でハウジングハンドル222を把持してハウジング222及びエンドエフェクタ270を支えるのと同時に、第1の手の指又は親指を使用してスイッチ256を作動させて第1の部分252を第2の部分254から解放し得る。オペレータは、次いで、支持アーム280からのエンドエフェクタ270の解放を完了するために、第1の手を使用して、支持アーム280(及び患者)から離れる方向にハウジング220及びエンドエフェクタ270を移動し(例えば、引っ張り)得る。エンドエフェクタ変更中の患者の安全性は、エンドエフェクタ270を患者から外へ離れる方向に(例えば、エンドエフェクタ270の長手方向軸に平行に)引き抜くことによって確実にされ得る。更に、単一のオペレータの片手の使用は、第2のオペレータ支援を有するよりも効率的であり得る。例えば、スイッチを押すか、又はハンドルを握るためのいずれかに提供された第2のオペレータは、不必要であり、代わりに、第1のオペレータに圧力をかける(例えば、移動の自由度を低減させる)ことになる。
【0061】
A.支持アーム
本明細書に記載される手術システムは、1つ以上の支持アームを備え得る。概して、1つ以上のエンドエフェクタは、支持アームに解放可能に結合され得、支持アームは、エンドエフェクタを所望の場所に移動及び保持するように、エンドエフェクタ及び/又はエンドエフェクタコネクタを移動可能に懸架するように構成され得る。エンドエフェクタが支持アームによって所望の場所に懸架若しくは保持された状態で、オペレータ及び/又はコントローラは、エンドエフェクタの少なくとも一部分を患者の外部に移動し得る。支持アームは、例えば、関節ロボットアーム、SCARAロボットアーム、及び/又は線形ロボットアームであり得る。支持アームは、単一自由度を提供するように構成された継ぎ手(例えば、肩、肘、手首)によって一緒に結合された1つ以上のセグメントを備え得る。継ぎ手は、単一の並進又は回転自由度を提供する機構である。例えば、支持アームは、6以上の自由度を有し得る。デカルト(Cartesian)自由度のセットは、3つの並進(位置)変数(例えば、サージ、ヒーブ、スウェイ)によって、及び3つの回転(向き)変数(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)によって表され得る。いくつかの変形例では、支持アームは、6未満の自由度を有し得る。
【0062】
支持アームは、最大三次元で患者身体の全領域にわたって移動するように構成され得、また、患者の表面に垂直な向きでエンドエフェクタを維持し得る。支持アームは、継ぎ手を並進及び/又は回転させ、支持アームを所望の場所及び向きに移動するように構成された1つ以上のモータを備え得る。いくつかの変形例では、支持アームの位置は、エンドエフェクタの位置を固定するために一時的に係止され得る。支持アームは、医療用カート、家具(例えば、ベッドレール)、壁、天井などの任意の好適な物体に搭載され得、又は自立型(例えば、地面上)であり得る。追加的に又は代替的に、支持アームは、例えば、第2の人の支援なしに単一のオペレータによって手動で移動されるように構成され得る。一旦単一のオペレータによって手動で移動されると、支持アームは、手動で搭載された位置に係止され得る。支持アームは、支持アーム、エンドエフェクタ、及びエンドエフェクタに結合された任意の組織(例えば、把持器によって保持された胆嚢)を備えるペイロードを担持するように構成され得る。いくつかの変形例では、支持アームの遠位端は、
図2A~
図2Eに描写される磁気カプラ260などの磁気カプラを備え得る。磁気カプラは、エンドエフェクタコネクタ(例えば、エンドエフェクタコネクタの磁気部分)に結合され得る。いくつかの変形例では、磁気カプラは、ロボットの遠位端に結合され得、磁気カプラは、滅菌ドレープが間に配置された状態でアームの磁気部分に解放可能に結合される。磁気カプラは、支持アームの遠位部分に結合され得る。
【0063】
いくつかの変形例では、患者プラットフォーム、患者、オペレータ、及び支持アームの相対位置は、外科的処置の人間工学を補助するように構成され得る。いくつかの変形例では、オペレータは、外科的処置中に患者プラットフォームの第1の側に位置し得る。支持アームが基部上に搭載されている変形例では、基部は、支持アームの範囲を最大化するために、地面上に、患者プラットフォームの第1の側に隣接する患者プラットフォームの第2の側に沿って位置し得る。患者プラットフォームの第1の側は、患者プラットフォームの第2の側に対して垂直であり得る。例えば、支持アームは、その基部から、患者プラットフォーム上に配置された患者の上方に、患者にわたって(例えば、横断して)延在し得る。基部は、患者のアクセス部位に到達するための支持アームの適応性を最大化するために、第1の側と第2の側との交点ではなく、患者プラットフォームの第2の側の中間点により近く位置し得る。いくつかの変形例では、ロボットの基部(例えば、支持アーム)は、患者プラットフォームの側面に結合され得る。
【0064】
図19A及び
図19Bは、患者プラットフォーム1920の第1の側に配置された支持アーム1910及び対応する基部1912を備えるロボット手術システム1900のそれぞれの概略平面図である。患者1950は、患者プラットフォーム1920上に配置され得、オペレータ1960は、患者プラットフォーム1920の第2の側に位置し得、第1の側は、第2の側に隣接し得る。患者プラットフォーム1920の第1の側から、支持アーム1910は、患者1950の上方に、患者1950を横断して延在するように構成され得る。したがって、ロボット手術システムは、ロボットアーム及び基部をオペレータから離して位置決めし、エンドエフェクタのアクセス可能範囲を改善し得る。
【0065】
B.滅菌カバー
本明細書に記載される手術システムは、手術システムの部分の周囲に滅菌障壁を生成するように構成された1つ以上の滅菌カバー(例えば、滅菌ドレープ)を備え得る。いくつかの変形例では、手術システムは、滅菌野を形成するために1つ以上の滅菌カバーを備え得る。例えば、滅菌カバーは、支持アームと患者との間に配置され、患者、エンドエフェクタ、エンドエフェクタコネクタ、及びオペレータを含む滅菌側と、支持アームを含む非滅菌側との間に障壁を形成し得る。追加的に又は代替的に、システムの1つ以上の構成要素は、滅菌可能であり得る。滅菌カバーは、例えば、システム構成要素の少なくとも一部分を覆うように構成された滅菌ドレープを備え得る。
【0066】
例えば、滅菌カバー(例えば、滅菌バッグ)は、支持アームに対して滅菌障壁を生成するように構成され得る。いくつかの変形例では、滅菌バッグは、透明であり得、例えば、オペレータが滅菌バッグを通して支持アームのハンドル又はエンドエフェクタに取り付けられたハンドルを把持することによって、エンドエフェクタの位置を可視化し、手動で操作することを可能にし得る。滅菌カバーは、1つ以上のシステム構成要素の周囲に緊密に適合し得、又は構成要素が滅菌野内で調節される(例えば、エンドエフェクタコネクタを介した支持アームからのエンドエフェクタの取り付け及び解放)ことを可能にするように、緩くまとわせ得る。
【0067】
C.エンドエフェクタコネクタ
概して、本明細書に記載されるエンドエフェクタコネクタは、エンドエフェクタを支持アームに解放可能に接続するように構成され得る。本明細書に記載されるエンドエフェクタコネクタは、支持アームに結合されたエンドエフェクタの迅速な単一のオペレータ操作及び/又は交換を容易にするように構成され得、それによって、オペレータの人間工学を改善し、滅菌野管理及び処置時間を低減するように、第2のオペレータなしで単一のオペレータ操作を可能にする。
【0068】
図3A及び
図3Bは、エンドエフェクタコネクタ300のそれぞれの左側面図及び右側面図を描写する。
図3C及び
図3Dは、エンドエフェクタコネクタ300の斜視図を描写し、
図3Eは、平面図を描写する。いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタ300は、磁気部分310と、アーム320と、ハウジング解放機構330と、ハウジングハンドル342を備えるハウジング340とを備え得る。いくつかの変形例では、磁気部分310は、アーム320の近位部分に結合され得る。アーム320は、磁気部分310に対して所定の角度を有し得、ハウジング解放機構330に結合された遠位部分を備え得る。ハウジング解放機構330は、第1の部分332と、第2の部分334と、スイッチ336(例えば、トリガ、解放)とを備え得、エンドエフェクタコネクタ210に関して記載されるものと同様の様式で動作し得る。第1の部分332は、アーム320の遠位部分に結合され得、第2の部分334は、ハウジングハンドル342の近位部分に結合され得る。いくつかの変形例では、スイッチ336は、アーム320がハウジングハンドル342に解放可能に結合されるように、第1の部分332を第2の部分334から解放するように構成され得る。例えば、第1の手だけでハウジングハンドル342を握っているオペレータは、アーム320(及びそれに結合された任意の支持アーム)からハウジングハンドル342(及びそれに結合された任意のエンドエフェクタ)を解放するために、第1の手でハウジング解放機構(例えば、スイッチ336)を同時に作動させ得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドル342は、ハウジング340内に受容されたエンドエフェクタに対して上方にあり得る。エンドエフェクタは、ハウジングハンドル342の側面上に受容され得る。いくつかの変形例では、スイッチ336は、第1の部分332及び第2の部分334のいずれかに配置され得る。いくつかの変形例では、スイッチ336は、上壁ではなく、ハウジング解放機構330の側壁上に配置され得る。
【0069】
ハウジング340によって画定された開口344は、ハウジングハンドル342及びそれに結合された任意のエンドエフェクタの確実な把持のために、オペレータがハウジングハンドル342の周りに実質的に閉じた拳を形成することを可能にするように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドル342は、アーム320と概して同じ方向に磁気部分から離れて延在し得る。いくつかの変形例では、ハウジング340は、エンドエフェクタ(明確にするために図示せず)を受容及び保持するように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングの近位部分は、ハウジング解放機構の側方側壁に結合され得る。例えば、
図3Dに示されるように、ハウジングハンドル342の近位部分は、右利きのオペレータのための人間工学を補助するために、ハウジング解放機構330の第2の部分334の右側に取り付けられ得る。代替的に、ハウジングハンドル342の近位部分は、左利きのオペレータのための人間工学を補助するために、ハウジング解放機構330の第2の部分334の左側に取り付けられ得る。
【0070】
D.磁気部分
概して、本明細書に記載されるエンドエフェクタコネクタの磁気部分は、エンドエフェクタ及び滅菌ドレープのうちの1つ以上を支持アームに磁気的に結合するように構成され得る。磁気部分は、エンドエフェクタと支持アームとの間の容易で、予測可能かつ確実な取り付け及び解放プロセスを容易にし得る。例えば、
図4A及び
図4Bは、支持アーム410とエンドエフェクタコネクタ420との間の磁気部分400の分解斜視図を描写する。いくつかの変形例では、磁気部分400は、1つ以上の磁石402を備え得る。いくつかの変形例では、磁気部分400は、ロボット係合特徴404及び回転整列特徴406のうちの1つ以上を備え得る。
【0071】
いくつかの変形例では、磁気部分400の第1の側(すなわち、支持アーム410に面する側)は、支持アーム410に結合する(例えば、取り付ける、機械的に組み合う)ように構成され得る。例えば、磁気部分400の第1の側は、支持アーム410のフランジ412(例えば、磁気カプラ)に機械的及び/又は磁気的に取り付けられるように構成され得る。いくつかの変形例では、磁気部分400の第2の側(すなわち、エンドエフェクタコネクタ420に面する)は、支持アーム410の近位部分に磁気的に結合するように構成され得る。いくつかの変形例では、滅菌ドレープ(明確にするために図示せず)は、磁気部分400とエンドエフェクタコネクタ420との間の磁気結合を介して、磁気部分400とエンドエフェクタコネクタ420との間に配置され、固定され得る。
【0072】
磁気部分400の磁石402は、磁気部分400をフランジ412及びエンドエフェクタコネクタ420の各々に磁気的に結合する(例えば、クランプする、取り付ける)ために、軸方向引力を生成するように構成され得る。
【0073】
いくつかの変形例では、ロボット係合特徴404及び回転整列特徴406は、磁気部分400とエンドエフェクタコネクタ420との間の磁気結合を確実にし得る。いくつかの変形例では、ロボット係合特徴404は、磁気部分400に加えられた(例えば、エンドエフェクタコネクタ420によって加えられた)半径方向せん断力を低減するように構成され得る。例えば、ロボット係合特徴404は、磁気部分400の第2の側上に配置された円形突起を含み得る。円形突起は、エンドエフェクタコネクタ420のアームの円形凹部と嵌合するように構成され得る。いくつかの変形例では、回転整列特徴406は、(例えば、エンドエフェクタコネクタ420を介して)磁気部分400に加えられた回転力を低減するように構成され得る。例えば、回転整列特徴406は、磁気部分400の第2の側に配置されて延在する線形突起を含み得る。線形突起は、エンドエフェクタコネクタ420のアームの線形凹部と嵌合するように構成され得る。いくつかの変形例では、磁気部分400の第1の側は、支持アーム410をエンドエフェクタ(図示せず)に電気的に結合するように構成された1つ以上のリード線(図示せず)を受容するように構成されたチャネル408を備え得る。例えば、電気的接続は、チャネル408に配置されたリード線を介して、支持アーム410とエンドエフェクタとの間に形成され得る。
【0074】
図5A、
図5B、及び
図5Cは、それぞれの第1の構成及び第2の構成における磁気部分500の斜視図を描写する。磁気部分500は、支持アーム510とエンドエフェクタ520との間に結合され得る。磁気部分500は、磁気部分400と同様の要素を備え得、簡潔にするために繰り返さない。いくつかの変形例では、磁気部分500は、支持アーム510からアーム520を手動で解放するように構成された磁気解放機構502を備え得る。例えば、磁気解放機構502は、解放機構がそれ自体必ずしも磁気的ではないように、エンドエフェクタコネクタ520から磁気部分500を物理的に離すために、(例えば、オペレータによって)手動で作動されるように構成され得る。いくつかの変形例では、磁気解放機構502は、1つ以上のレバーを含み得る。
【0075】
図5A及び
図5Cに示される磁気解放機構502の第1の構成では、エンドエフェクタコネクタ520は、磁気部分500に磁気的に結合され得る。
図5Bに示される磁気解放機構502の第2の構成では、磁気解放機構502は、磁気部分500とエンドエフェクタコネクタ520との間の磁気結合を解放するのに十分な程度まで、磁気部分500からエンドエフェクタコネクタ520を押し離す。例えば、レバー502は、エンドエフェクタコネクタ520のアームからのエンドエフェクタコネクタ520の取り外しを容易にするために、支持アーム510からエンドエフェクタコネクタ520の磁気部分500を押し離すように構成された1つ以上のカムを備え得る。レバーのうちの1つ以上は、磁気部分500の円周に結合し得る。
【0076】
E.アーム
概して、本明細書に記載されるエンドエフェクタコネクタのアームは、磁気部分をハウジング解放機構に接続するように構成され得る。
図2A~
図3Eに示されるように、アームは、支持アーム、患者(例えば、患者の腹部)、及びオペレータの間にクリアランスを提供するために、磁気部分(及び支持アーム)から離れる角度で延在し得る。いくつかの変形例では、アームの角度及び長さは、支持アームとオペレータとの間にクリアランスを追加し(例えば、より多くの作業空間を作成し)、エンドエフェクタの運動範囲を増加させ得る。いくつかの変形例では、アームは、単一のオペレータによって(例えば、片手で)握られるように構成されたハンドルを備え得る。
【0077】
F.ハウジング解放機構
概して、本明細書に記載されるハウジング解放機構は、エンドエフェクタコネクタのアームがエンドエフェクタコネクタのハウジングに解放可能に結合されることを可能にする。ハウジング解放機構は、分離可能な(例えば、解放可能な)エンドエフェクタコネクタを介して、支持アームへのエンドエフェクタの単一のオペレータ取り付け及び解放を容易にするように構成され得る。一旦エンドエフェクタが支持アームから解放されると、対応するハウジング内に保持された別のエンドエフェクタは、ハウジング解放機構を使用して、支持アームにアームを介して結合され得る。したがって、エンドエフェクタは、単一のオペレータによって迅速かつ直感的に支持アームから手動で交換され得る。
【0078】
図6A及び
図6Bは、エンドエフェクタコネクタのハウジング解放機構600の斜視図を描写する。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構600は、アームの遠位部分(明確にするために
図6A及び
図6Bに図示せず)及びハウジング660の近位部分に結合され得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構600は、第1の部分610と、第2の部分620とを備え得る。いくつかの変形例では、第1の部分610は、アームに結合され得、第2の部分620は、ハウジング660に結合され得る。
【0079】
いくつかの変形例では、ハウジング解放機構600は、ハウジング解放機構600の第1の部分610及び第2の部分620を互いに係合するように構成されたハウジング係合特徴を備え得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構600は、第2の部分620に対する第1の部分610の回転を阻止するように構成された回転整列特徴を備え得る。例えば、第1の部分610は、第1のハウジング係合特徴630と、第1の回転整列特徴640とを備え得る。第2の部分620は、第2のハウジング係合特徴632と、第2の回転整列特徴642とを備え得る。第2のハウジング係合特徴632は、第1のハウジング係合特徴630を受容し、それと嵌合するように構成され得、第2の回転整列特徴642は、第2のハウジング係合特徴640を受容し、それと嵌合するように構成され得る。ハウジング係合特徴は、第1の部分610を第2の部分620に係合し得、回転係合特徴は、第2の部分620に対する第1の部分610の回転を阻止し得る。
【0080】
いくつかの変形例では、第1のハウジング係合特徴630は、オペレータが、第1のハウジング係合特徴630を見つけ、対応する第2のハウジング係合特徴632の中へ前進させるための誤差の余地を有するという点で、自己誘導(例えば、自己センタリング)であり得る。例えば、
図6Bでは、第1のハウジング係合特徴630は、丸みを帯びた突起(例えば、ダボ、ピン)を含み得、第1の回転整列特徴640は、成形された突起(例えば、ダボ、ピン)を含み得る。
図6Aでは、第2のハウジング係合特徴632は、第1の凹部を含み得、第2の回転整列特徴642は、第2の凹部を含み得る。
図6A及び
図6Bには示されていないが、第1の部分610は、エンドエフェクタコネクタのアームの遠位部分に結合され(例えば、取り付けられ)得る。
【0081】
いくつかの変形例では、第1の部分610及び第2の部分620のうちの1つは、アームからハウジング660を解放するように構成されたスイッチ650(例えば、トリガ、解放)を備え得る。いくつかの変形例では、指又は親指は、第1のハウジング解放機構630のスイッチ650を作動させて、第2の部分620から第1の部分610を解放するために使用され得る。例えば、スイッチ650を係合することは、第2のハウジング係合特徴632から第1のハウジング係合特徴630を解放し、したがって、エンドエフェクタコネクタのアームからエンドエフェクタコネクタのハウジングを解放し得る。
【0082】
図6Cは、ハウジング解放機構600の断面図を描写し、
図6Dは、側面図を描写する。いくつかの変形例では、第2の部分620は、第1の部分610を第2の部分620に機械的に結合するために、第1のハウジング係合特徴630に係合するように構成されたばね660を備え得る。スイッチ650が押し下げられたとき、ばね660は、第1のハウジング係合特徴630が第2の部分620から容易に引き抜かれ得るように圧縮され得る。
【0083】
いくつかの変形例では、ハウジング解放機構のハウジング係合特徴は、磁石、あり継ぎ、ラッチ、及びリビングヒンジのうちの1つ以上を含み得る。例えば、リビングヒンジは、バックル、留め金、及び締結具のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構600の少なくとも一部分は、ハウジング660内に受容されたエンドエフェクタの上方にあり得る。いくつかの変形例では、ハウジング解放機構600は、磁気部分の下方かつ遠位にあり得る。
【0084】
G.ハウジング
概して、本明細書に記載されるエンドエフェクタコネクタのハウジングは、位置決め及び/又は手動操作のためにエンドエフェクタを受容及び保持するように構成され得る。例えば、ハウジングは、単一のオペレータによって(例えば、片手で)握られるように構成されたハンドルを備え得る。ハウジングは、エンドエフェクタに解放可能に結合するように構成され得る。いくつかの変形例では、ハウジングは、単一のオペレータによるエンドエフェクタの手動操作を容易にし得る。例えば、ハウジング340は、エンドエフェクタ(明確にするために図示せず)へのアクセスのために構成された開口344を画定し得る。
【0085】
いくつかの変形例では、ハウジングの遠位部分は、エンドエフェクタを受容するように構成され得る。例えば、エンドエフェクタは、エンドエフェクタコネクタの近位端から長手方向にオフセットされたハウジング340の遠位端に配置され得、これは、支持アームとオペレータとの間のクリアランスを追加し(例えば、より多くの作業空間を生成し)、患者のアクセス部位(例えば、トロカール)に対するエンドエフェクタの運動範囲を増加させ得る。対照的に、支持アームに直接取り付けられたエンドエフェクタは、エンドエフェクタが身体の内外に移動されている際に、支持アームが患者に衝突する(及び患者を損傷する)リスクが増大する。
【0086】
図3Aに示されるように、第1の長手方向軸312と第2の長手方向軸344とが非平行であるように、磁気部分310は、第1の長手方向軸312を画定し、ハウジング340は、第2の長手方向軸344を画定する。一実施例として、第1の長手方向軸312は、地面に対して平行(例えば、患者プラットフォームに対して実質的に平行)であり得、ハウジング340は、エンドエフェクタが患者のアクセス部位(例えば、ポート)及び体腔にアクセスするのに有利な角度で患者プラットフォームに対して角度を付けられ得る。
【0087】
いくつかの変形例では、第1の長手方向軸312と第2の長手方向軸344との間の角度は、最大約40度であり得、その間における全ての範囲及び部分値を含む。例えば、第1の長手方向軸312と第2の長手方向軸344との間の角度は、約15度~約35度であり得る。いくつかの変形例では、磁気部分240は、最大約30cmの高さ及び最大約30cmの長さだけハウジング220から離され得る。磁気部分240とハウジング220との間の離し高さ及び距離は、支持アームとオペレータとの間のクリアランスを追加し(例えば、より多くの作業空間を作成する)、患者のアクセス部位(例えば、トロカール)に対するエンドエフェクタの運動範囲を増加させ得る。
【0088】
図3Eに示されるように、ハウジングハンドル342は、ハンドル長手方向軸346及びハンドル横方向軸348を画定し得る。ハウジング340は、ハンドル長手方向軸346に沿った第1の剛性と、ハンドル横方向軸348に沿った第2の剛性とを備え得る。第1の剛性は、ハウジング340が垂直方向に硬く、横方向に従順であり得るように、第2の剛性よりも大きくあり得る。いくつかの変形例では、ハウジング340の側面コンプライアンス(例えば、運動減衰、屈曲)は、エンドエフェクタによって患者のアクセス部位に不注意に加えられた横力を減衰させ、それによって、患者損傷を低減し得る。いくつかの変形例では、ハウジング340は、所定の力(例えば、振動、横力)を減衰させるように構成された1つ以上のコンプライアント部分を備え得る。例えば、側面コンプライアンスは、エンドエフェクタが内視鏡であるとき、振動を低減し得、改善された可視化を可能にし得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドル342の厚さ及び開口344のサイズのうちの1つ以上は、ハウジング340の側面コンプライアンスに対応し得る。いくつかの変形例では、ハウジングハンドル342は、ハウジング340の長さ又は高さよりも小さい幅を有し得る。
【0089】
H.エンドエフェクタ
概して、本明細書に記載されるエンドエフェクタは、特に限定されず、可視化デバイス、把持器、リトラクタ、磁気位置決めデバイス、センサ、腔内デバイス、送達デバイス、ステープラ、クリップアプライヤ、電気焼灼フック、及びアクセス部位を通して低侵襲様式で前進させられ得る他の手術器具のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、磁気部分を備え得る。
【0090】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(例えば、可視化デバイス、腔内デバイス)は、トロカール若しくは他の好適なポートなどのアクセス部位を通して、又は自然の開口を通して、体腔若しくは管腔の中に導入されるように構成され得る。アクセス部位を通して体腔若しくは管腔の中に前進させられたエンドエフェクタは、エンドエフェクタが、アクセス部位を使用する他のエンドエフェクタの導入及び/又は回収を妨害しないように、前進させられ得る。したがって、複数のエンドエフェクタは、患者の体腔又は管腔内に配置され、作動され得る。
【0091】
エンドエフェクタは、腔内デバイスを移動し、再位置決めし、及び/又は保持するために、体外に位置決めされた1つ以上の磁石に引き付けられるように構成され得る(腔内デバイスによって保持されるか、別様に腔内デバイスと接触する組織について牽引力を提供し得る)。したがって、本明細書に記載される腔内デバイスの少なくとも一部分は、磁場に引き付けられ得る1つ以上の金属若しくは磁性材料から形成され得、又は別様にそれらを含み得る。材料は、例えば、ステンレス鋼、鉄、コバルト、ニッケル、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、セラミックフェライト、それらの合金、及び/又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の磁性若しくは強磁性材料を含み得る。したがって、腔内デバイスの磁気部分は、外部磁気位置決めデバイスによって生成された磁場に引き付けられ得る。更に、いくつかの変形例では、腔内デバイスの磁気部分は、本明細書により詳細に記載されるように、送達デバイスへの結合を可能にし得る。
【0092】
エンドエフェクタは、腹腔、胸腔、胃、若しくは腸などの任意の好適な体腔又は管腔内で使用され得るが、これらに限定されない。体腔又は管腔の中に前進させられたエンドエフェクタは、多くの機能を実施し得、本明細書に詳細に記載される。
【0093】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、低侵襲処置中に所望の視野を可視化するように構成された可視化デバイス(例えば、内視鏡)を含み得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、組織を把持するか、退避させるか、さもなければ組織に遠隔操作及び/又は牽引を提供するために使用される把持器を含み得る。特に、磁気的に制御された把持器は、患者の中に前進させられ、組織に解放可能に係合し得る。本明細書の手術システムにおける使用に好適な把持器は、2013年9月5日に出願され、「Grasper with Magnetically-Controlled Positioning」と題された米国特許出願第14/019,370号、2016年6月28日に出願され、「Laparoscopic Graspers and Systems Therefor」と題された米国特許出願第15/195,898号、及び2011年8月17日に出願され、「Remote Traction and Guidance Systems for Mini-Invasive Surgery」と題された米国特許出願第13/132,185号、並びに2016年4月13日に出願され、「Grasper with Magnetically-Controlled Positioning」と題された国際出願第US2016/027390号に記載されており、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0094】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、患者の内臓を退避させるか、さもなければ支持及び/又は移動するために使用される記載されるリトラクタを含み得る。特に、磁気的に制御されたリトラクタは、患者の中へ前進させられ、患者内で手術部位から組織を変位させるように組織を退避させ、及び/又は、さもなければ組織に係合して、その組織への外科的アクセスを増加させ得る。更に、リトラクタは、ハンドル又は把持器を必要とせずに、所定位置に維持されるように構成され得る。例えば、いくつかの変形例では、リトラクタは、組織を退避させるためのスリングを形成するように構成され得る。終端部は、磁場に引き付けられるように構成されるように、磁性材料を含み得、又はそれらの上に配置された磁性塊を有し得る。リトラクタの一部分が組織の一部分の下でループ状にされるとき、組織の少なくとも一部分は、リトラクタによって懸架され、患者壁に向かって移動され得る。いくつかの変形例では、リトラクタは、実質的に線形構成と曲線構成との間で遷移するように構成され得る。
【0095】
本明細書の手術システムにおける使用に好適な他のリトラクタは、2016年4月13日に出願され、「Retractor Systems,Devices,and Methods for Use」と題された国際出願第US2016/027385号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。他の好適なリトラクタは、例えば、コイル状リトラクタ、クレードルリトラクタ、レバーリトラクタ、プラットフォームリトラクタ、及びJフックのうちの1つ以上を含み得る。
【0096】
I.送達デバイス
本明細書に記載される送達デバイスは、概して、1つ以上の腔内デバイスを解放可能に担持するように構成される。送達デバイスは、1つ以上の腔内デバイスを体腔又は管腔内に送達するために使用され得る。送達デバイスが腔内デバイスに解放可能に結合され得るため、送達デバイスは、腔内デバイスの送達後に体腔から取り出され得、これは、他の腔内デバイス又は他のツールの送達のためにアクセス部位(例えば、トロカール又は自然の開口)を自由に保ち得る。いくつかの事例では、送達デバイスは、腔内デバイスを再位置決めするか、又は体腔若しくは管腔から取り除くために、腔内デバイスに再結合するように構成され得る。他の事例では、システムは、腔内デバイスを再位置決めするか、又は体腔若しくは管腔から取り出すように構成された別個の回収デバイスを備え得る。いくつかの変形例では、送達デバイス又は回収デバイスは、腔内デバイスを作動させるように更に構成され得る。
【0097】
腔内デバイスが把持器であるとき、本明細書で記載される送達デバイスは、把持器を解放可能に担持するように構成され得、把持器を作動させて、把持器を組織に選択的に接続するか、又は把持器を組織から解放するように更に構成され得る。送達デバイスは、典型的には、(例えば、把持器が組織に接続された後に)把持器を送達デバイスから解放するように更に構成され得る。いくつかの事例では、送達デバイスは、把持器を再位置決めするか、又は体腔若しくは管腔から取り出すために、把持器に再結合するように構成され得る。他の事例では、システムは、把持器を再位置決めするか、又は体腔若しくは管腔から取り出すように構成された別個の回収デバイスを備え得る。いくつかの事例では、送達デバイス又は回収デバイスは、身体から組織を除去するために、把持器とともに使用され得る。例えば、把持器は、胆嚢などの組織に接続され得、組織は、(例えば、1つ以上の手術ツールを使用して)身体から切断され得、把持器は、把持器及び組織を身体から除去するために、送達デバイス又は別の回収デバイスを使用して回収され得る。
【0098】
本明細書の手術システムにおける使用に好適な送達デバイスは、2013年9月5日に出願され、「Grasper with Magnetically-Controlled Positioning」と題された米国特許出願第14/019,370号に記載されており、これは、参照によりその全体が以前に組み込まれた。
【0099】
送達デバイスは、主に把持器との使用を参照して本明細書に記載されるが、本明細書に記載される送達デバイスはまた、別の腔内デバイスに可逆的に結合して、別の腔内デバイスを送達し、位置決め及び再位置決めし、並びに/又は取り出すために使用され得ることを理解されたい。例えば、いくつかの事例では、送達デバイスは、カメラかつ/若しくは光源などの可視化デバイスを送達し、位置決め及び再位置決めし、並びに/又は取り出すために使用され得る。
【0100】
磁気位置決めデバイス
本明細書に記載される手術システムは、外部磁石、支持アーム、及び/又はセンサを備える、1つ以上の外部磁気位置決めデバイスを備え得る。外部磁石は、1つ以上の腔内デバイスを引き付けるように構成された磁場を生成し得る。外部磁石の位置及び/又は強度を制御し、それによって磁場の位置及び/又は強度を制御することによって、外部磁石は、患者の体腔又は管腔内に配置された腔内デバイスの位置を制御し得る。これは、患者のアクセス部位(例えば、ポート)での空間を自由にして、追加の腔内デバイスが患者の中へ前進されることを可能にし、熟練外科医などの第2のオペレータに対する必要性を、排除しないとしても、低減させ得る。
【0101】
外部磁石は、外部磁石が患者の近くに位置決めされたときに磁場が患者の内部で生成され得るように、磁場を生成するように構成され得る。この磁場は、腔内デバイスに力を加えて、操作し得る。いくつかの変形例では、外部磁石は、1つ以上の永久磁石、1つ以上の電磁石、及び/又は1つ以上の永久電磁石を含み得る。永久磁石は、希土類磁石(例えば、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石)、コバルト、ガドリニウム、鉄、ニッケル、アルニコ合金、フェライト、それらの合金、それらの組み合わせなどの好適な磁性及び強磁性材料から形成され得るが、これらに限定されない。外部磁石は、任意の数の個々の磁石を含み得、いくつかの事例では、アレイ状に形成され得る。外部磁石は、円形、楕円形、又は半円形の断面を有する円筒形状、長方形又は三角形の断面を有する棒磁石、球形磁石など、任意の好適なサイズ及び形状を有し得る。いくつかの変形例では、外部磁石は、永久磁石を含み得、他の変形例では、外部磁石は、電磁石又は電気永久磁石を含み得る。外部磁石が電磁石又は電気永久磁石を含むとき、電流は、外部磁石の強度を変更するように、及び/又はそれらをオン/オフにするように操作され得る。例えば、外部磁石によって生成された磁場の増加は、腔内デバイスを患者の体腔壁に接触させ得、磁場の減少は、腔内デバイスを体腔壁から離して再位置決めし得る。追加的に、より強い磁場は、厚い体腔壁(例えば、厚い腹壁)を通して腔内デバイスを外部磁石と磁気的に結合するために必要とされ得、一方、より弱い磁場は、薄い体腔壁(例えば、薄い腹壁)を通して腔内デバイスと外部磁石との間の引力を低減するために望まれ得る。
【0102】
外部磁気位置決めデバイスが腔内デバイスに磁気的に結合されているとき、支持アームの移動を介した外部磁石の移動は、次いで、患者の体腔又は管腔内に配置された腔内デバイスを移動し得る。例えば、患者に関する外部磁石の冠状移動は、腔内デバイスの対応する冠状移動をもたらし得る。別の実施例として、支持アームを使用して外部磁石を腔内デバイスへより近くに移動することは、腔内デバイスを患者の腔壁に接触させるように、外部磁石と腔内デバイスとの間の引力が増大し得、一方、外部磁石を腔内デバイスからより遠くに移動することは、磁気引力を減少し、腔内デバイスを体腔壁から離して再位置決めし得る。したがって、支持アームを使用して外部磁石の強度及び外部磁石の位置を制御し、それによって磁場の強度及び位置を制御することによって、磁気位置決めデバイスは、患者の体腔又は管腔内に配置された腔内デバイスの位置を制御し得る。いくつかの変形例では、外部磁石の強度及び/又は位置は、本明細書に詳細に記載されるセンサを使用して、体腔壁又は管腔壁に対する磁気的に結合された腔内デバイスの力を制御するために使用され得る。
【0103】
K.センサ
本明細書に記載される手術システムは、任意選択で、1つ以上の支持アーム、外部磁気位置決めデバイス(例えば、外部磁石)、患者体表面(例えば、腹部、内腔壁、乳房)、手術システム構成要素(例えば、エンドエフェクタ、腔内デバイス、トロカール、制御コンソール)、及びオペレータの一部分の場所を判定するための1つ以上のセンサを備え得る。例えば、エンドエフェクタコネクタは、支持アーム及び/又はエンドエフェクタコネクタが患者に接触しないことをコントローラが確実にし得るように、患者体表面の場所を検出し、患者に対するエンドエフェクタコネクタの近接度を計算するように構成された1つ以上のセンサを備え得る。例えば、支持アームの各セグメントは、支持アーム間の距離を計算するための誘導型近接センサを備え得る。別の実施例として、支持アーム及び/又は外部アームに搭載された赤外線、レーダ、又は超音波距離計は、患者までの距離を計算するように構成され得る。更に別の実施例として、エンドエフェクタコネクタは、他の支持アーム、オペレータ、入力/出力デバイス、患者プラットフォーム、患者などを可視化するように構成された支持アームの内部及び/又は外部の光学センサを備え得る。コントローラは、約1mm、約5mm、又は約10mmの距離などの、エンドエフェクタコネクタと患者体表面との間の所定の距離を維持するように構成され得る。したがって、コントローラは、支持アームの運動範囲を制限し得る。
【0104】
別の実施例として、エンドエフェクタの位置は、内部体腔壁と接触しているエンドエフェクタについてなど、エンドエフェクタコネクタの力センサを使用して制御され得る。エンドエフェクタの体腔壁との接触力は、力が所定の閾値を超えたことを力センサが検出した場合に低減され得る。センサは、力センサ(例えば、ホールセンサ、ロードセル、ばね)、近接センサ、光学センサ、運動センサ、加速度計、ジャイロスコープ、レーザ距離計、レーダ、及びLIDARのうちの1つ以上を備え得る。
【0105】
L.入力デバイス
概して、ロボット手術システム100の入力デバイス122は、オペレータと手術システム100との間の通信インターフェースとして役割を果たし得る。入力デバイス122は、入力データを受信し、支持アーム112、センサ120、エンドエフェクタ118、及び出力デバイス130のうちの1つ以上にデータを出力するように構成され得る。例えば、入力デバイス122(例えば、フットコントローラ、ジョイスティック、キーボード、タッチスクリーン)のオペレータ制御は、入力デバイス122が1つ以上のエンドエフェクタ118、支持アーム120に制御信号を出力するために、プロセッサ124及びメモリ126によって処理され得る。別の実施例として、可視化デバイス(例えば、内視鏡)を備えるエンドエフェクタ118によって生成された画像は、入力デバイス122によって受信され、プロセッサ124及びメモリ126によって処理され、出力デバイス130(例えば、監視ディスプレイ)によって表示され得る。1つ以上のセンサ120からのセンサデータは、入力デバイス122によって受信され、1つ以上の出力デバイス130によって視覚的に、聴覚的に、及び/又は触覚フィードバックを介して出力され得る。
【0106】
いくつかの変形例では、単一のオペレータは、1つ以上の入力デバイス122を使用して、手術システム100の1つ以上の構成要素を制御し得る。入力デバイスのいくつかの変形例は、制御信号を生成するように構成された少なくとも1つのスイッチを備えることができる。入力デバイスは、支持アームに結合され得、並びに/又は患者及び/若しくはオペレータに隣接する患者プラットフォーム若しくは医療用カート上に配置され得る。しかしながら、入力デバイスは、家具(例えば、ベッドレール)、壁、天井などの任意の好適な物体に搭載され得、又は自立型であり得る。制御信号は、例えば、移動信号、デバイススイッチ信号、起動信号、磁場強度信号、及び他の信号を含み得る。いくつかの変形例では、入力デバイスは、コントローラの有線及び/又は無線受信機に制御信号を送信するように構成された有線及び/又は無線送信機を備え得る。移動信号(例えば、移動、位置、及び向きの制御のための)は、運動の少なくとも4の自由度における移動を制御し得、ヨー及び/又はピッチ回転を含み得る。例えば、タッチ面を備える入力デバイスは、容量性、抵抗性、赤外線、光学イメージング、分散信号、音響パルス認識、及び表面音響波技術を含む複数のタッチ感応技術のいずれかを使用して、タッチ面上の接触及び移動を検出するように構成され得る。
図7A~
図7Dに描写される例示的な入力制御スキームは、本明細書で更に詳細に考察される。
【0107】
いくつかの変形例では、フットコントローラは、本明細書に記載されるロボット手術システムの1つ以上の支持アーム及びエンドエフェクタを動作させるように構成され得る。
図7A及び
図7Dは、ロボット手術システムの入力デバイス700の斜視図を描写する。
図7Bは、入力デバイス700の側面図を描写し、
図7Cは、上面図を描写する。入力デバイス700は、基部710(例えば、足中央部乗せ台)と、足前部スイッチのセット720、722、724、726と、足後部スイッチのセット730、732とを備え得る。いくつかの変形例では、スイッチのセットは、第1のスイッチ720、第2のスイッチ722、第3のスイッチ724、第4のスイッチ726、第5のスイッチ728、第6のスイッチ730、及び第7のスイッチ732を備え得る。いくつかの変形例では、オペレータは、静止位置で、足前部も足中央部もスイッチ720、722、724、726、728、730、732のいずれも作動させないように、入力デバイス700上に立ち得る。追加的に又は代替的に、オペレータは、座位から入力デバイス700を操作し得る。いくつかの変形例では、スイッチ720、722、724、726、728、730、732のセットは、感圧式であり得る。
【0108】
いくつかの変形例では、オペレータの足の運動は、支持アームの運動に対応し得る。いくつかの変形例では、足部の前側への運動(例えば、並進)は、第1のスイッチ720を作動させ得、支持アーム及びそれに結合された任意のエンドエフェクタの前側への運動(例えば、並進)に対応し得る。いくつかの変形例では、足の後側への運動(例えば、並進)は、第6のスイッチ730を作動させ得、支持アームの後側への運動に対応し得る。
【0109】
いくつかの変形例では、足前部の下側への運動(例えば、伸展)は、第2のスイッチ722を作動させ得、支持アームの下側への運動に対応し得る。いくつかの変形例では、足前部の上側への運動(例えば、屈曲)は、第5のスイッチ728を作動させ得、支持アームの上側への運動に対応し得る。
【0110】
いくつかの変形例では、足前部の左側への運動(例えば、ヨー)は、第3のスイッチ724を作動させ得、支持アームの左側への運動に対応し得る。いくつかの変形例では、足前部の右側への運動(例えば、ヨー)は、第4のスイッチ726を作動させ得、支持アームの右側への運動に対応し得る。
【0111】
いくつかの変形例では、足後部の下側への運動(例えば、踵を下げる運動)は、第7のスイッチ732を作動させ得、デバイス切替信号に対応し得る。例えば、第7のスイッチ732を作動させることは、第1の支持アーム、第2の支持アーム、エンドエフェクタなどの間で、入力デバイス700制御を切り替え得る。下側への足後部の運動は、他の足の運動(前側へ、後側へ、上側へ、下側へ、左側へ、右側へ)とは異なり、したがって、デバイススイッチなどの偶発的入力を低減し得る。したがって、オペレータの視覚的注意及び手を他の作業に利用可能なままにしながら、オペレータの片足は、ロボット手術システムを制御するように構成され得る。
【0112】
いくつかの変形例では、入力デバイス700は、支持アームの追加の移動(例えば、前側へ及び下側へ、後側へ及び左側へなどの組み合わせ移動)に対応する追加のスイッチを備え得る。
【0113】
追加的に又は代替的に、スイッチ720、722、724、726、730、732のセットは、オペレータの好みに従って、異なる機能でプログラムされ得る。いくつかの変形例では、スイッチ720、722、724、726、730、732のセットは、機械スイッチ、光学センサ、加速度計(例えば、3軸)、ジャイロスコープ(例えば、3軸)、運動センサ、圧力センサ、磁気センサ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を備え得る。いくつかの変形例では、オペレータの足は、入力デバイス700に解放可能に結合され(例えば、ストラップで留められ)得る。
【0114】
少なくとも1つのスイッチを備える入力デバイスの変形例では、スイッチは、例えば、ボタン(例えば、ハードキー、ソフトキー)、タッチ面、キーボード、アナログスティック(例えば、ジョイスティック)、方向パッド、マウス、トラックボール、ジョグダイヤル、ステップスイッチ、ロッカースイッチ、ポインタデバイス(例えば、スタイラス)、運動センサ、画像センサ、マイクロフォンのうちの少なくとも1つを含んでもよい。運動センサは、光学センサからオペレータ移動データを受信し、オペレータのジェスチャを制御信号として分類し得る。マイクロフォンは、オーディオを受信し得、オペレータの声を制御信号として認識し得る。複数の入力デバイスを備えるシステムの変形例では、異なる入力デバイスは、異なるタイプの信号を生成し得る。例えば、いくつかの入力デバイス(例えば、ボタン、アナログスティック、方向パッド、及びキーボード)は、移動信号を生成するように構成され得、他の入力デバイス(例えば、ステップスイッチ、ロッカースイッチ)は、手術システムの構成要素(例えば、支持アーム、センサ、腔内デバイス)を第1の構成と第2の構成(例えば、オン及びオフ、伸長及び後退、開放及び閉鎖)との間で遷移するように構成され得る。
【0115】
いくつかの変形例では、単一の入力デバイスは、複数のシステム構成要素(例えば、腔内デバイス、支持アーム)を制御するように構成され得る。例えば、入力/出力デバイスのタッチ面は、デバイスセレクタボタン及びデバイス制御ボタンのセットを通して、複数の外部磁気位置決めデバイス及び/又は腔内デバイスを制御するように構成され得る。
【0116】
他の変形例では、複数の入力デバイスは、オペレータの適応性を高めるために、手術システムの単一の構成要素(例えば、腔内デバイス)を制御するように構成され得る。例えば、オペレータは、ジョイスティック、方向パッド、ソフトキー、オーディオコマンドなどの組み合わせを使用して、支持アームを制御することを選択し得る。
【0117】
更に他の変形例では、手術システムの各入力デバイスは、手術システムの対応する構成要素と関連付けられ得る。いくつかの非限定的な実施例は、支持アームの移動を制御するように構成され得るジョイスティックと、可視化デバイスをパン、チルト、及び/又はズームするように構成され得るタッチスクリーンと、把持器のジョー位置を制御するように構成され得るジョグダイヤルと、送達デバイスを腔内デバイスから解放するように構成され得るステップスイッチとを含む。
【0118】
1つ以上のボタンを備える入力デバイスの変形例では、様々な持続時間のボタン押下は、異なる機能を実行し得る。例えば、光源の管腔出力レベルは、より長いボタン押下とともに増加するように構成され得る。逆に、より短い持続時間のボタン押下は、光源を停止させるなどの異なる機能に対応し得る。
【0119】
いくつかの変形例では、手術システムは、別個のハウジングに提供された複数の入力デバイスを備え得、例えば、第1の入力デバイスは、ハンドヘルド及び/又はポータブルであり得、第2の入力デバイスは、据え置き型であり得る。いくつかの変形例では、第1の入力デバイスは、タッチスクリーンディスプレイを含むタブレットを備え得、第2の入力デバイスは、ステップスイッチ又はフットペダルを備え得る。ステップスイッチは、いくつかの変形例では、制御信号が手術システムに伝送される前に、タッチスクリーンとの接触と同時に係合されなければならない安全スイッチであり得る。第1の入力デバイス及び第2の入力デバイスの同時係合時の制御信号の出力は、第1の入力デバイスへのオペレータ入力が意図的であることを確認し得る。
【0120】
M.プロセッサ
手術システム100は、
図1に描写されるように、1つ以上の支持アーム112及び/又はエンドエフェクタ118と通信する、プロセッサ124と、機械可読メモリ126(例えば、コントローラ)とを備え得る。プロセッサ124は、有線若しくは無線通信チャネルによって支持アーム112及び/又はエンドエフェクタ118に接続され得る。プロセッサ124は、患者と同じ部屋又は異なる部屋に位置し得る。いくつかの変形例では、プロセッサ124は、患者プラットフォームに結合されるか、又は患者及び/若しくはオペレータに隣接する医療用カート上に配置され得る。プロセッサ124は、体腔又は管腔を可視化し、組織を把持し、組織を退避させ、針を保持及び/又は駆動し得る、エンドエフェクタ118などのシステム100の1つ以上の構成要素を制御するように構成され得る。いくつかの変形例では、プロセッサ124は、支持アーム112の対応する移動及び制御を通して、体腔又は管腔内のエンドエフェクタ118の移動及び向きを調整するように構成され得る。
【0121】
プロセッサ124は、多数の汎用若しくは専用コンピューティングシステム又は構成と一致して実装され得る。本明細書に開示されるシステム及びデバイスとの使用に好適であり得る、様々な例示的コンピューティングシステム、環境、及び/又は構成は、パーソナルコンピューティングデバイス、ネットワークアプライアンス、ルーティング/接続構成要素などのサーバ若しくはサーバコンピューティングデバイス、ポータブル(例えば、ハンドヘルド)若しくはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、及び分散コンピューティングネットワーク内の、又はそれらの上に具現化される、ソフトウェアあるいは他の構成要素を含み得るが、これらに限定されない。
【0122】
ポータブルコンピューティングデバイスの実施例は、スマートフォン、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、携帯電話、タブレットPC、ファブレット(スマートフォンより大きいがタブレットより小さいパーソナルコンピューティングデバイス)、スマートウォッチの形態をとるウェアラブルコンピュータ、ポータブル音楽デバイスなど、並びにセンサを通じてオペレータの環境とインターフェースし、可視化、視線追跡、及びユーザ入力のためにヘッドマウントディスプレイを使用し得るポータブル又はウェアラブル拡張現実デバイスを含む。
【0123】
プロセッサ124は、1つ以上の支持アーム112及びエンドエフェクタ118を制御するために、メモリ126から受信されたデータ及びオペレータ入力を組み込み得る。メモリ114は、システム100と関連付けられたモジュール、プロセス及び/又は機能をプロセッサ124に実行させるための命令を更に記憶し得る。プロセッサ124は、命令若しくはコードのセットを走らせる及び/又は実行するように構成された任意の好適な処理デバイスであり得、1つ以上のデータプロセッサ、画像プロセッサ、グラフィックス処理ユニット、物理処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、及び/又は中央処理ユニットを備え得る。プロセッサ124は、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)であり得、システム並びに/又はそれらに関連付けられたネットワークと関連付けられたアプリケーションプロセス及び/若しくはモジュール、プロセス、及び/若しくは機能を実行するように構成され得る。基礎となるデバイス技術は、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide semiconductor、CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)技術、エミッタ結合型論理(emitter-coupled logic、ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー-金属構造)、混合アナログ・デジタル、それらの組み合わせなど、様々な構成要素タイプにおいて提供され得る。
【0124】
N.メモリ
本明細書に記載されるメモリ126のいくつかの変形例は、様々なコンピュータ実装動作を実行するための命令又はコンピュータコードをその上に有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも称され得る)を有するコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝搬信号(例えば、空気又はケーブルなどの伝送媒体上で情報を搬送する伝搬電磁波)を含まないという意味で、非一時的である。媒体及びコンピュータコード(コード又はアルゴリズムとも称され得る)は、特定の目的のために設計及び構築されたものであり得る。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(Compact Disc/Digital Video Disc、CD/DVD)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc-Read Only Memory、CD-ROM)、及びホログラフィックデバイスなどの光ストレージ媒体、光ディスクなどの光磁気ストレージ媒体、ソリッドステートドライブ(solid state drive、SSD)及びソリッドステートハイブリッドドライブ(solid state hybrid drive、SSHD)などのソリッドステートストレージデバイス、搬送波信号処理モジュール、並びに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、及びランダムアクセスメモリ(Random-Access Memory、RAM)デバイスなど、プログラムコードを記憶し、実行するように特に構成されているハードウェアデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載される他の変形例は、例えば、本明細書で開示される命令及び/又はコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0125】
本明細書に記載されるシステム、デバイス、及び/若しくは方法は、(ハードウェア上で実行される)ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって実行され得る。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、C、C++、Java(登録商標)、Python、Ruby、Visual Basic(登録商標)、及び/又は他のオブジェクト指向、手続き型、若しくは他のプログラミング言語並びに開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)において表現されてもよい。コンピュータコードの実施例は、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行される高レベル命令を含むファイルを含むが、これらに限定されない。コンピュータコードの更なる例は、制御信号、暗号化コード、及び圧縮コードを含むが、これらに限定されない。
【0126】
O.通信デバイス
いくつかの変形例では、本明細書に記載される手術システム100は、通信デバイス128を通して、ネットワーク及びコンピュータシステムと通信し得る。いくつかの変形例では、手術システム100は、1つ以上の有線及び/又は無線ネットワークを介して、他のデバイスと通信し得る。無線ネットワークとは、いかなる種類のケーブルによっても接続されていないあらゆるタイプのデジタルネッワークを指すことができる。無線ネットワークにおける無線通信の例は、セルラ、無線、衛星、及びマイクロ波通信を含むが、これらに限定されない。しかしながら、無線ネットワークは、インターネット、他のキャリアオーディオ及びデータネットワーク、ビジネスネットワーク、及びパーソナルネットワークとインターフェースするために、有線ネットワークに接続し得る。有線ネットワークは典型的には、銅線ツイストペア、同軸ケーブル、及び/又は光ファイバーケーブルを介して搬送される。広域ネットワーク(wide area network、WAN)、都市規模ネットワーク(metropolitan area network、MAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、キャンパスエリアネットワーク(campus area network、CAN)、インターネットのようなグローバルエリアネットワーク(global area network、GAN)、及び仮想プライベートネットワーク(virtual private network、VPN)を含む、多くの異なるタイプの有線ネットワークが存在する。以下、ネットワークは、典型的にはインターネットを通じて相互接続されて、統合されたネットワーク及び情報アクセスシステムを提供する、無線、有線、パブリック、及びプライベートのデータネットワークの任意の組み合わせを指す。
【0127】
セルラ通信には、GSM、PCS、CDMA又はGPRS、W-CDMA、EDGE又はCDMA2000、LTE、WiMAX、及び5Gネットワーク規格などの技術を包含してもよい。一部の無線ネットワーク展開は、複数のセルラネットワークのネットワークを組み合わせ、又は、セルラ、Wi-Fi、及び衛星通信の混合を使用する。いくつかの変形例では、ネットワークインターフェース116は、無線周波数受信機、送信機、並びに/又は光(例えば、赤外線)受信機及び送信機を備え得る。通信デバイス128は、支持アーム112、エンドエフェクタ118、センサ120、入力デバイス122、出力デバイス130、ネットワーク、データベース、サーバ、これらの組み合わせなどのうちの1つ以上と有線及び/又は無線で通信し得る。
【0128】
P.出力デバイス
手術システム100の出力デバイス130は、手術システムに対応するデータを出力するように構成され得、表示デバイス、オーディオデバイス、及び触覚デバイスのうちの1つ以上を備え得る。出力デバイスは、患者プラットフォームに結合され得、並びに/又は患者及び/若しくはオペレータに隣接する医療用カート上に配置され得る。他の変形例では、出力デバイスは、家具(例えば、ベッドレール)、壁、天井などの任意の好適な物体に搭載され得、及び自立型であり得る。
【0129】
表示デバイスは、オペレータが、1つ以上のエンドエフェクタ、支持アーム、体腔、及び組織の画像を視認することを可能にし得る。例えば、患者の体腔又は管腔内に位置する可視化デバイス(例えば、カメラ、光学センサ)を備えるエンドエフェクタは、体腔若しくは管腔及び/又は腔内デバイスの内部ビューを撮像するように構成され得る。外部可視化デバイスは、患者及び1つ以上の外部磁気位置決めデバイスの外部ビューを撮像するように構成され得る。したがって、表示デバイスは、患者及びシステム構成要素の内部画像及び外部画像の一方又は両方を出力し得る。いくつかの変形例では、出力デバイスは、発光ダイオード(light emitting diode、LED)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、電子発光ディスプレイ(electroluminescent display、ELD)、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel、PDP)、薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)、電子ペーパ/電子インクディスプレイ、レーザディスプレイ、及び/又はホログラフィックディスプレイのうちの少なくとも1つを含む表示デバイスを含んでもよい。
【0130】
オーディオデバイスは、患者データ、センサデータ、システムデータ、アラーム及び/又は警告を聴覚的に出力し得る。例えば、オーディオデバイスは、監視された患者データ(例えば、血圧)が所定の範囲外になるとき、又は支持アームの機能不全が検出されるとき、可聴警告を出力し得る。別の実施例として、オーディオは、患者及び/又は手術システムへの潜在的な害(例えば、支持アーム同士の衝突、患者の腔壁に対する腔内デバイスの過剰な力)を防止するために、オペレータ入力が手術システムによって無効にされたときに出力され得る。いくつかの変形例では、オーディオデバイスは、スピーカ、圧電オーディオデバイス、磁歪スピーカ、及び/又はデジタルスピーカのうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの変形例では、オペレータは、オーディオデバイス及び通信チャネルを使用して他のユーザと通信し得る。例えば、オペレータは、遠隔オペレータ及び/又はオブザーバとオーディオ通信チャネル(例えば、VoIP呼)を形成し得る。
【0131】
触覚デバイスは、追加の感覚出力(例えば、力フィードバック)をオペレータに提供するために、入力デバイス及び出力デバイスのうちの1つ以上に組み込まれ得る。例えば、触覚デバイスは、入力デバイス(例えば、タッチ面)へのオペレータ入力を確認するために、触覚応答(例えば、振動)を生成し得る。触覚フィードバックは、いくつかの変形例では、体腔又は管腔内の腔内デバイスによって遭遇される抵抗(例えば、磁場及び組織抵抗)をシミュレートし得る。追加的に又は代替的に、触覚フィードバックは、患者及び/又はシステムへの潜在的な害(例えば、支持アーム同士の衝突)を防止するために、オペレータ入力が手術システムによって無効にされていることを通知し得る。入力及び出力デバイスを利用するユーザインターフェースとのオペレータ対話は、本明細書でより詳細に考察されている。
【0132】
II.方法
また、本明細書に記載される手術システムを使用して患者を治療するための方法が本明細書に記載される。単一のオペレータは、手術システムを操作するための別のオペレータからの要求される支援なしに、複数の腔内デバイスを備える手術システムを操作し得る。概して、本明細書で記載される方法は、単一のオペレータを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタをロボットアームに結合すること及び分離することを含む、磁気腹腔鏡ロボット手術を実行することを含む。したがって、ロボット手術方法は、腹腔鏡処置のための単一のオペレータエンドエフェクタ交換及びロボットアーム制御を可能にし得る。更に、ロボット手術システムは、トロカールに対するエンドエフェクタの位置及び向きを位置付けし及び監視すること、患者に対する外部エンドエフェクタの位置のうちの1つ以上を監視すること、並びにエンドエフェクタ取り付け状態を監視することによって、患者の安全性を確実にし得る。手術システムの複数の構成要素は、単一のオペレータを介して電子的に又は手動で制御可能であり得るので、本明細書で記載される方法は、外科的処置が多くのツールを伴うときであっても、単一のオペレータが外科的処置を実行することを可能にし得る。これは、手術の費用を削減するなどの、多くの利点を有し得る。
【0133】
A.単一のオペレータロボット手術
単一のオペレータロボット手術は、滅菌野に影響を及ぼさない単一のオペレータエンドエフェクタ交換を含み得る。例えば、
図8は、本明細書に記載されるシステム及びデバイスのうちのいずれかを使用して、磁気腹腔鏡ロボット手術を実行するなど、ロボット手術を実行する方法800を概して記載する、フローチャートである。方法800は、エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内でエンドエフェクタを支持アーム(例えば、ロボットアーム)に磁気的に結合すること(802)を含み得る。エンドエフェクタは、患者の体腔内で支持アーム及び/又はオペレータによって制御され得る(804)。例えば、可視化デバイス(例えば、内視鏡)などのエンドエフェクタは、実行されている外科的処置のための可視化を提供するために、トロカールを通して支持アームによって体腔の中に前進され得る。支持アームは、それに結合されたエンドエフェクタを体腔内に移動可能に懸架し得る。
【0134】
追加的に又は代替的に、エンドエフェクタは、患者の外部で制御され得る。例えば、磁気位置決めデバイスは、支持アームに磁気的に結合され得、体腔内に位置する腔内デバイス(例えば、把持器)を位置決めするために患者の外面の上方に移動され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタの一部分は、患者の体腔内で制御され得、エンドエフェクタの別の部分は、患者の外部で制御され得る。いくつかの変形例では、手術は、エンドエフェクタを使用して実行され得る(806)。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタコネクタを使用して、滅菌野内で、かつ滅菌野を維持しながら、支持アームから分離され得る(808)。例えば、第1のエンドエフェクタ(例えば、送達デバイス)は、体腔から引き抜かれ得、エンドエフェクタコネクタは、エンドエフェクタを支持アームから物理的に分離するように作動され得る。別のエンドエフェクタは、エンドエフェクタコネクタを使用して支持アームに結合され得る(810)。例えば、第2のエンドエフェクタ(例えば、リトラクタ)は、手術の別のステップを実行するために、単一のオペレータによって支持アームに物理的に結合され得る。
【0135】
方法800のステップ(例えば、結合するステップ(802)、制御するステップ(804)、実行するステップ(806)、分離するステップ(808)、結合するステップと(810))のうちの1つ以上は、別の人の補助なしに単一のオペレータによって実行され得る。いくつかの変形例では、ステップのうちの1つ以上は、単一のオペレータの片手を使用して実行され得る。例えば、エンドエフェクタを制御すること(804)は、単一のオペレータの片手で実行されることが可能である。エンドエフェクタを結合すること(802、810)及び分離すること(808)は、単一のオペレータの両手によって実行されることが可能である。エンドエフェクタを結合すること、制御すること、及び分離することは、滅菌野を維持しながら実行され得る。
【0136】
いくつかの変形例では、単一のオペレータロボット手術は、オペレータの片足を使用してロボット手術システムに制御入力を提供することを含み得、それによって、処置の他の態様のためにオペレータの視覚的注意及び手を自由にする。
図9は、本明細書に記載されるシステム及びデバイスのうちのいずれかを使用して、磁気腹腔鏡ロボット手術を実行するなど、ロボット手術を制御する例証的方法900である。方法900は、オペレータの片足の運動に基づいて、支持アーム制御信号を受信すること(902)を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、オペレータの片足の運動に基づいて、受信され得る。いくつかの変形例では、オペレータは、片足の運動の間、立っていることがあり得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の運動に基づいて、受信され得る(904)。
【0137】
支持アームの運動は、受信されたロボットアーム制御信号に基づいて、少なくとも3の自由度で制御され得る(906)。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の並進運動に対応する支持アームの並進運動を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の横側への運動又はヨー運動に対応する支持アームの横側への運動を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の屈曲運動に対応する支持アームの下側への運動を含み得る。いくつかの変形例では、支持アーム制御信号は、片足の踵移動に対応する支持アームスイッチコマンドを含み得る。
【0138】
いくつかの変形例では、方法900は、任意選択で、オペレータの片足の運動に基づいて、エンドエフェクタ制御信号を受信すること(906)を含み得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタの動作は、エンドエフェクタ制御信号に基づいて、制御され得る(908)。
【0139】
B.エンドエフェクタを分離すること
エンドエフェクタを支持アームから分離する方法は、本明細書に記載されるデバイスを使用して実行され得る。例えば、
図10は、ロボット手術システムからエンドエフェクタを分離する例証的方法1000である。方法1000は、エンドエフェクタ、滅菌ドレープ、及びロボット(例えば、支持アーム)の間に結合されたエンドエフェクタコネクタを提供すること(1002)を含み得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタは、本明細書に詳細に記載されるエンドエフェクタのうちのいずれかを含み得る。例えば、エンドエフェクタコネクタは、ハウジングに解放可能に結合されたアームを備え得る。ハウジングは、ハンドルを備え得る。いくつかの変形例では、アームは、支持アームに磁気的に結合するように構成された磁気部分を備え得る。
【0140】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタのハウジングのハンドルは、オペレータによって握られ得る(1004)。例えば、ハンドルは、オペレータの片手で握られ得る。エンドエフェクタは、ロボットを使用して自動的に保持及び移動され得るが、ハンドルは、手動制御がオペレータによって所望されるとき、エンドエフェクタを使用することの人間工学を改善し得る。例えば、オペレータは、エンドエフェクタのハウジングのハンドルを操作することによって、エンドエフェクタの位置及び/又は向きの手動微調整を迅速かつ容易に実行し得る。
【0141】
いくつかの変形例では、ハウジングは、アームから手動で解放され得る(1006)。いくつかの変形例では、アームからハウジングを手動で解放することは、解放されたエンドエフェクタを患者から離れる方向に引き抜くことを含み得る(例えば、エンドエフェクタが体腔から引き抜かれる際に患者を損傷しないように)。追加的に又は代替的に、ハンドルを握ること、及びハウジングを手動で解放することとは、片手で同時に実行され得る。したがって、ロボット(例えば、ロボットアーム、支持アーム)からエンドエフェクタを分離することは、エンドエフェクタが、組織を損傷することなく、患者から離れる方向にアームからハウジングを解放した後に引き抜かれるため、単一のオペレータによって迅速かつ安全に実行され得る。
【0142】
C.エンドエフェクタを結合すること
エンドエフェクタを支持アームに結合する方法は、本明細書に記載されるデバイスを使用して実行され得る。例えば、
図11は、エンドエフェクタを支持アーム(例えば、ロボット、ロボットアーム)に結合する例証的方法1100である。方法1100は、ハウジングとアームとを備えるエンドエフェクタコネクタを提供すること(1102)を含み得る。アームは、ハウジングに解放可能に結合されるように構成され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタのアームは、滅菌ドレープが間に配置された状態で支持アームに磁気的に結合され得る(1104)。このようにして、滅菌野は、エンドエフェクタを支持アームに結合する前に、設定され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタコネクタのハウジングに結合され得る(1106)。例えば、処置中に支持アームによって保持されるべき各エンドエフェクタは、それぞれのハウジングに結合され得、それによって効率的なエンドエフェクタ交換を容易にする。
【0143】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタコネクタのハウジング(それに結合されたエンドエフェクタを有する)は、エンドエフェクタコネクタのアームに結合され得る(1108)。例えば、ハウジングの近位端は、本明細書に記載されるようなハウジング解放機構を使用して、アームの遠位端と機械的に整列させられ得る。いくつかの変形例では、ハウジングをアームに結合することは、オペレータの片手で実行され得る。例えば、オペレータの片手は、エンドエフェクタが結合されたハウジングのハンドルを握り得る。オペレータは、ハウジング解放機構を介してハウジングをアームに機械的に結合し得、それによってエンドエフェクタコネクタを介してエンドエフェクタを支持アームに結合する。
【0144】
D.エンドエフェクタの位置合わせ及び制御
三次元空間内でエンドエフェクタを位置合わせする方法は、エンドエフェクタのロボット制御を容易にし、患者の安全性を確実にし得る。
図12は、エンドエフェクタを位置合わせする例証的方法1200である。方法1200は、本明細書に記載されるような患者に近接したロボット手術システムの支持アーム(例えば、ロボット、ロボットアーム)にエンドエフェクタを結合すること(1202)を含み得る。例えば、
図13は、トロカール1320が患者の体壁1310を通って突出する処置1300を描写する。エンドエフェクタ1340(例えば、内視鏡)は、ロボットアーム1330に結合され得る。エンドエフェクタは、第1の位置合わせ点を備え得、患者は、第2の位置合わせ点を備え得る。いくつかの変形例では、第1の位置合わせ点は、エンドエフェクタの長手方向軸と交差し得る。例えば、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ1340の長手方向軸に沿って提供された第1の位置合わせ点1350(例えば、仮想ツール中心)を備え得る。いくつかの変形例では、第2の位置合わせ点は、患者のアクセス部位に対応し得る。例えば、第2の位置合わせ点は、患者に結合されたトロカール1320の入口に対応し得る。
【0145】
エンドエフェクタの第1の位置合わせ点は、第2の位置合わせ点(例えば、アクセス部位、切開部位、ポート、トロカール)に整列され得る(1204)。第1の位置合わせ点を第2の位置合わせ点に整列させることは、第1の位置合わせ点を第2の位置合わせ点に重ね合わせることを含み得る。例えば、エンドエフェクタ1340の遠位部分は、トロカール1320を通して患者の中へ途中まで前進され得る。いくつかの変形例では、第1の位置合わせ点1350は、トロカール1320が患者の切開部と交差する場所に対応し得る。いくつかの変形例では、第2の位置合わせ点は、患者の腹壁の筋肉層に対応し得る。オペレータは、エンドエフェクタ1340の第1の位置合わせ点1350を、例えばトロカール1320の入口に整列させるために、エンドエフェクタ1340及びロボットアーム1330を手動で操作(例えば、誘導)し得る。追加的に又は代替的に、支持アームは、第1及び第2の位置合わせ点を整列させるように制御され得る。
【0146】
いくつかの変形例では、照明源1360(例えば、レーザ)は、エンドエフェクタ1340上の第1の位置合わせ点1350を、滅菌の非接触様式で、仮想的にマークし、強調するために、使用され得る。これは、エンドエフェクタ1340が永久的な位置合わせ点が存在しない場合であっても、エンドエフェクタの位置合わせを可能にする。いくつかの変形例では、エンドエフェクタの第1の位置合わせ点の可視化インジケータは、生成され得る。いくつかの変形例では、可視化インジケータは、エンドエフェクタに向けられた照明を備え得る。
【0147】
第2の位置合わせ点に整列された第1の位置合わせ点の場所は、位置合わせされ得る(1206)。例えば、第1の位置合わせ点の場所は、ロボット手術システムの三次元座標系において位置合わせされ得る。ツール中心、トロカール場所、支持アーム場所及び/又は向き、エンドエフェクタ場所及び/又は向きのうちの1つ以上は、メモリに記憶され得、ロボットアーム制御のための三次元基準点としての役割を果たし得る。ロボット手術システムの更なる移動及び/又は制御は、エンドエフェクタ位置合わせ点を基準点として使用し得る。したがって、単一のオペレータは、エンドエフェクタ1340を効率的に位置合わせし得る。いくつかの変形例では、処置において使用される各エンドエフェクタは、患者の各アクセス部位(例えば、ポート)に対して位置合わせされ得る。
【0148】
支持アーム(及びそれに結合されたエンドエフェクタ)は、位置合わせされた第1の位置合わせ点に基づいて、制御され得る(1208)。いくつかの変形例では、位置合わせされた第1の位置合わせ点は、枢動点に対応し得る。ロボット手術システムは、アクセス部位(例えば、患者切開部)への組織損傷を最小限にし、それによって、治癒時間及び疼痛を低減するために、外力又は変位を患者に加えることなく、枢動点を中心としてエンドエフェクタを枢動させるように構成され得る。
【0149】
いくつかの変形例では、支持アームを制御することは、枢動点に頂点を含む円錐運動範囲内でエンドエフェクタをピッチングさせること、ヨーイングさせること、ローリングさせること、及び並進させることのうちの1つ以上を含み得る。枢動点(例えば、トロカール点)は、トロカールが患者の切開部のうちの1つ(例えば、臍帯切開部)と交差する点に対応し得る。
【0150】
例えば、オペレータは、支持アーム及びエンドエフェクタを制御するために、入力デバイスに制御入力を入力し得る。追加的に又は代替的に、オペレータは、例えば、エンドエフェクタコネクタのハウジングハンドルを使用して、エンドエフェクタを手動で操作し得る。いくつかの変形例では、支持アームを制御することは、枢動点とのエンドエフェクタの交点を維持することを含み得る。いくつかの変形例では、オペレータは、エンドエフェクタの向き及び並進を制御するために、位置合わせ点(例えば、枢動点)を中心としてエンドエフェクタを回転させる(例えば、枢動させる)コマンドを入力し得る。例えば、
図14A及び
図14Bは、円錐を形成する位置合わせされた枢動点1420(例えば、トロカール点)を中心としてエンドエフェクタ1410の運動範囲エンドエフェクタの概略側面図及び平面図である。エンドエフェクタ1410は、エンドエフェクタ1410をピッチ(例えば、
図14A)及びヨー(例えば、
図14B)させるために、枢動点に対して角度θ1430まで回転され得る。
【0151】
いくつかの変形例では、オペレータは、枢動点1420を通るエンドエフェクタ1410の交差を維持しながら、対応する方向に枢動点1420を中心としてエンドエフェクタを移動するために、入力デバイス(例えば、入力デバイス700)を使用して、上、下、左、及び右移動コマンドのうちの1つ以上を入力し得る。例えば、上及び下入力移動は、
図14Dに示されるように、角度αでのそれぞれのピッチアップ及びピッチダウン移動に対応し得る。同様に、左及び右入力移動は、エンドエフェクタのそれぞれの左ヨー及び右ヨーの角度βに対応し得る。ピッチ角α及びヨー角β移動の組み合わせは、最大円錐角θによって定義され、式α
2+β
2≦θ
2によって表される円錐表面によって制約され得る。いくつかの変形例では、円錐運動範囲は、最大約50度の最大円錐角θを有し得る。これは、患者の体腔(例えば、腹部)内での移動を容易にし得る。
【0152】
図14Cに示されるように、エンドエフェクタ1410の近位部分は、枢動点1420で頂点を有する円錐によって形成された半径r1440を有し得る。いくつかの変形例では、前側へ及び後側への方向におけるエンドエフェクタ1440の並進は、半径r1440を変更し得る。例えば、
図14Fにおけるエンドエフェクタ1410の前側への運動は、半径r1440よりも小さい半径r’1442に対応する。トロカール点1420は空間において固定されているが、トロカール点1420と交差するエンドエフェクタ1410に沿った点は、変更する。すなわち、エンドエフェクタ1410の並進は、エンドエフェクタ1410の相対的枢動点を変更する。
【0153】
いくつかの変形例では、再位置合わせは、枢動点が変更するときに必要とされ得る。例えば、エンドエフェクタが異なるアクセス部位(例えば、異なるトロカール)を通して患者の中へ前進させられている場合、又はシステムの座標系が(例えば、基部の移動に起因して)変更された場合、枢動点は、再位置合わせされるべきである。いくつかの変形例では、第1の位置合わせ点は、患者プラットフォームに対する患者の移動、患者プラットフォームの移動、支持アームの基部の移動、枢動点の移動、又は切開点が別様に有意な変位を被ったこと、のうちの1つ以上が起こったとき、第2の位置合わせ点に再位置合わせされ得る。
【0154】
いくつかの変形例では、位置合わせされた第1の位置合わせ点は、エンドエフェクタの基準デフォルト位置として機能し得る。例えば、支持アーム及び/又はオペレータが
図14Gに示されるようにエンドエフェクタ1410を移動させると、ロボット手術システムは、位置合わせされた第1の位置合わせ点1420に基づいて、エンドエフェクタの位置及び/又は向きを連続的に監視し得る。オペレータは、任意選択で、エンドエフェクタを手で誘導し得る。いくつかの変形例では、オペレータは、(例えば、エンドエフェクタ洗浄のために)エンドエフェクタを患者1450から手で誘導し得、位置合わせされた第1の位置合わせ点を維持しながら患者1450に再び入れ得る。
図14Hに示されるように、手で誘導された移動に起因して患者1450のアクセス部位内で位置ずれされた(1422)エンドエフェクタ1410は、ロボット手術システムの支持アームによって、整列された第1の位置合わせ点1420に戻って自動的に位置合わせされ得る。
【0155】
E.エンドエフェクタ監視
エンドエフェクタを監視する方法は、磁気位置決めデバイスなどのエンドエフェクタによって患者に加えられた圧力を制限することによって、患者の安全性を確実にし得る。磁気位置決めデバイスなどのいくつかのエンドエフェクタは、支持アームに結合され、外科的処置中に患者の外部に配置され得る。患者又は磁気位置決めデバイスのいずれかが不注意に互いに向かって移動して患者に外傷力が加えられると、患者は、負傷し得る。例えば、
図16は、患者プラットフォーム1620上に配置された患者1610を例証する。エンドエフェクタ1640(例えば、磁気位置決めデバイス)は、支持アーム(例えば、ロボットアーム)1630に結合され、患者1610に近接して保持され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ1640は、患者1610から所定の距離だけ離れて位置決められ得る。追加的に又は代替的に、エンドエフェクタ1640は、患者1610と接触し得る(例えば、患者1610の皮膚と非外傷的に接触して配置される)。しかしながら、患者1610は、例えば、エンドエフェクタ1640が静止位置のままである間に患者プラットフォーム1620がエンドエフェクタ1640に向かって上向きに傾斜する場合、又は患者プラットフォーム1620が静止位置のままである間にエンドエフェクタ1640が患者1610に向かって移動する場合、負傷し得る。
【0156】
図15は、エンドエフェクタ1500を制御する(例えば、監視する)例証的方法である。方法1500は、支持アームに結合されたエンドエフェクタによって患者に加えられた力を測定すること(1502)を含み得る。測定力は、所定の閾値(例えば、安全閾値)と比較され得る。例えば、支持アーム1630及び/又はエンドエフェクタ1640は、エンドエフェクタ1640に対して加えられた力を測定するように構成された1つ以上の力センサを備え得る。任意選択で、通知は、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、(例えば、オペレータに)出力され得る(1504)。例えば、オーディオアラーム、視覚的出力、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上は、潜在的及び/又は差し迫った損傷をオペレータに警告するために出力され得る。いくつかの変形例では、支持アーム及び患者プラットフォームのうちの1つ以上のオペレータ制御は、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、阻止され得る(1506)。例えば、オペレータは、所定の力閾値を超えるような様式において、エンドエフェクタ1640を患者1610に向かって移動する制御信号を提供し得る。しかしながら、そのような運動は、患者の損傷を低減するためにシステムによって阻止され得る。
【0157】
エンドエフェクタは、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、患者に対して移動され(例えば、並進され、回転され)得る(1508)。例えば、エンドエフェクタ1640は、エンドエフェクタ1640を患者から離す(例えば、離脱する)ために、所定の量だけ自動的に患者から離れるように移動され(例えば、上側へ移動され)得る。例えば、エンドエフェクタ1640は、所定の力閾値を超える様式において、エンドエフェクタ1640を下側へ移動するオペレータ入力に応答して、支持アーム1630によって第1の距離(例えば、約2cm)だけ上側へ移動され得る。更に、測定された力が所定の閾値を超え続ける場合、エンドエフェクタ1640は、第2の距離(例えば、10cm)だけ上側へ移動され得る。これは、例えば、エンドエフェクタ1640が静止位置に留まっている間に患者プラットフォーム1620が偶発的に上側へ傾けられた場合に起こり得る。第1の距離と比較して、より大きい第2の距離は、患者の損傷を低減し得る。
【0158】
いくつかの変形例では、患者に対してエンドエフェクタを移動することは、エンドエフェクタ1640に結合された支持アーム1630を移動することを含み得る。いくつかの変形例では、患者プラットフォーム1620は、測定された力が所定の閾値を超えていることに応答して、制御され得る。例えば、患者プラットフォームは、患者1610をエンドエフェクタ1640から離すために、エンドエフェクタ1640から離れて(例えば、下側へ)移動され得る。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ1640は、患者1610内に配置された腔内デバイス(図示せず)を制御するように構成された磁気位置決めデバイスを備え得る。
【0159】
追加的に又は代替的に、エンドエフェクタを制御する方法は、光学センサ、患者に結合された患者基準点、及びエンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタ基準点のうちの1つ以上を備える追跡システムを使用して、患者と支持アームに結合されたエンドエフェクタとの間の距離を判定することを含み得る。追跡システムは、患者基準点及びエンドエフェクタ基準点の患者監視位置に基づいて、患者及びエンドエフェクタの相対位置を監視するように構成され得る。エンドエフェクタは、患者とエンドエフェクタとの間の所定の距離を維持するために、判定された距離に基づいて、患者に対して移動され得る。いくつかの変形例では、患者1610に対してエンドエフェクタ1640を移動することは、エンドエフェクタ1640と患者1610との間の少なくとも所定の距離を維持することを含み得る。
【0160】
F.エンドエフェクタ分離確認
エンドエフェクタ分離を確認する方法は、オペレータエラーに対してチェックすることによって、患者の安全性を確実にし得る。
図17は、エンドエフェクタ分離確認のフローチャート表現を描写し、
図18は、対応する概略図である。
図18は、患者体壁1810、トロカール1820、支持アーム1830(例えば、ロボットアーム)、及びエンドエフェクタ1840の断面概略図である。いくつかの変形例では、支持アームに加えられた第1の力は、測定され得る(1702)。エンドエフェクタの取り外しは、測定された力が第1の所定の閾値を超えていることに基づいて、判定され得る(1704)。例えば、(例えば、支持アーム、エンドエフェクタコネクタ、又はエンドエフェクタの)力センサによって測定された短時間かつ強い力は、エンドエフェクタを支持アーム1830から分離するためにオペレータによって加えられた第1の力に対応し得る。任意選択で、オペレータは、エンドエフェクタが支持アーム1830から分離されていることを確認するために、支持アームを所定の位置合わせ点から離れるように移動するように促され得る(1706)。支持アームは、エンドエフェクタ位置合わせ点から離れるように移動され得(1708)、同時に支持アームに加えられた第2の力を測定し得る(1710)。(例えば、力センサによって)抵抗が測定されない場合(1712-いいえ)、次いで、エンドエフェクタ分離は、確認され得る(1714)。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ分離信号は、生成され得る。第2の測定された力が第2の所定の閾値を超えている場合(1712-はい)、次いで、支持アームの移動は、組織への損傷を防止するために、阻止され得る(1716)。支持アームへのエンドエフェクタ結合は、確認され得る(1718)。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ結合信号は、生成され得る。
【0161】
例えば、トロカール1820及び体壁1810からの抵抗に合うことなく支持アーム1830を所定の角度θだけ回転させることは、エンドエフェクタ1840が支持アーム1830から分離されていることを効果的に確認する。同様に、支持アーム1830を位置合わせ軸1850から平行軸1852に向かって所定の距離1870だけ移動することは、エンドエフェクタ1840が支持アーム1830から分離されていることを効果的に確認する。別様に、エンドエフェクタ1840は、力センサによって測定される、トロカール1820及び体壁1810のうちの1つ以上の抵抗に合うであろう。いくつかの変形例では、位置合わせ軸1850は、位置合わせ点1880と交差するトロカール1820の長手方向軸に対応し得る。
【0162】
前述の変形例は、明確さ及び理解の目的のために、例証及び実施例によっていくらか詳細に記載されているが、特定の変更及び改変が実施され得、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図されることは明らかである。追加的に、本明細書に記載されるシステム及びデバイスの構成要素及び特性は、任意の組み合わせで使用され得ることを理解されたい。特定の図に関する特定の要素又は特徴の記載は、限定することを意図するものではなく、その要素が他の記載された要素のいずれとも組み合わせて使用されることができないことを示唆するように解釈されるべきではない。本明細書に記載される変形例の全てについて、方法のステップは、連続的には実行されない場合がある。いくつかのステップは、任意選択であり、方法の全てのステップは、実行されなくてもよい。
【国際調査報告】