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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】微粉性熱可塑性ポリマーブレンド
(51)【国際特許分類】
   C08L 75/04 20060101AFI20240322BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20240322BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20240322BHJP
   B33Y 40/10 20200101ALI20240322BHJP
【FI】
C08L75/04
B33Y80/00
B33Y70/00
B33Y40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560008
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 US2022018437
(87)【国際公開番号】W WO2022211956
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】17/220,031
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509113977
【氏名又は名称】ストラタシス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン リャン
(72)【発明者】
【氏名】シュー チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスシオ レスリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラウリー ブルース ディー.
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CK03X
4J002CK04X
4J002CK05W
4J002GT00
(57)【要約】
本開示は、300μm未満の粒子径に粉砕された微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを対象とする。微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、第1の熱可塑性ポリウレタン及び第2の熱可塑性ポリウレタンを、約90:10~約30:70の第1の熱可塑性ポリウレタン対第2の熱可塑性ポリウレタンの重量比で含んでもよい。第1の熱可塑性ポリウレタンは、140g/mol~170g/molの数平均分子量を有する脂肪族ジイソシアネートと、62g/mol~120g/molの数平均分子量を有する脂肪族ジオールとからなるか又はそれらから本質的になる、第1の反応混合物の反応生成物を含み得る。第2の熱可塑性ポリウレタンは、ポリイソシアネートと、500g/mol~10,000g/molの数平均分子量を有するイソシアネート反応性成分と、60g/mol~450g/molの数平均分子量を有する鎖延長剤とを含む、第2の反応混合物の反応生成物を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉性熱可塑性ポリマーブレンドであって、
300μm未満の粒子径を有する粉砕された熱可塑性ポリマーブレンドであって、第1の熱可塑性ポリウレタン対第2の熱可塑性ポリウレタンが90:10~30:70の重量比でブレンドされた第1の熱可塑性ポリウレタン及び第2の熱可塑性ポリウレタンを含む、熱可塑性ポリマーブレンドを含み、
前記第1の熱可塑性ポリウレタンは、140g/mol~170g/molの分子量を有する脂肪族ジイソシアネートと、62g/mol~120g/molの分子量を有する脂肪族ジオールとから本質的になる、第1の反応混合物の反応生成物を含み、
前記熱可塑性ポリウレタンは、ポリイソシアネートと、500g/mol~10,000g/molの数平均分子量を有するイソシアネート反応性成分と、60g/mol~450g/molの数平均分子量を有する鎖延長剤とを含む、第2の反応混合物の反応生成物を含む、微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項2】
前記脂肪族ジイソシアネートが、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項3】
前記脂肪族ジオールが、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項4】
前記第1の熱可塑性ポリウレタンが、100,000g/mol~900,000g/molのz平均分子量を有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項5】
前記第1の熱可塑性ポリウレタンが、ASTM D1238-10に基づいて、200℃及び8.7kgで少なくとも20cm/10分のメルトボリュームフローレートを有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項6】
前記第1の熱可塑性ポリウレタンが、20℃/分の加熱速度で、-25℃~250℃の第2の加熱トレース中の示差走査熱量測定に基づいて、少なくとも60J/gの融解エンタルピーを有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項7】
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネートを含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項8】
前記ポリイソシアネートが、芳香族ポリイソシアネートを含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項9】
前記イソシアネート反応性成分が、ポリエーテルポリオールを含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項10】
前記イソシアネート反応性成分が、ポリエステルポリオールを含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項11】
前記第2の反応混合物が、40重量%以下の前記イソシアネート反応性成分を含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項12】
前記第2の熱可塑性ポリウレタンが、ASTM D2240-15e1による50D~90DのショアD硬度を有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項13】
前記微粉性熱可塑性ポリマーブレンドが、20℃/分の加熱速度で、-25℃~250℃の第2の加熱トレース中の示差走査熱量測定に基づいて、175℃以下の融解温度を有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項14】
前記微粉性熱可塑性ポリマーブレンドが、20℃/分の加熱速度で、-25℃~250℃の第2の加熱トレース中の示差走査熱量測定に基づいて、少なくとも42℃の焼結ウィンドウを有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項15】
前記微粉性熱可塑性ポリマーブレンドが、20℃/分の加熱速度で、-25℃~250℃の第2の加熱トレース中の示差走査熱量測定に基づいて、少なくとも10J/gの融解エンタルピーを有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項16】
前記微粉性熱可塑性ポリマーブレンドが、23℃で、ASTM D638-14に基づいて、少なくとも1GPaの引張弾性率を有する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項17】
着色剤、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、阻害剤、電磁放射線吸収剤、補強剤、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンド。
【請求項18】
微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを製造する方法であって、
第1の熱可塑性ポリウレタン対第2の熱可塑性ポリウレタンが90:10~30:70の重量比でブレンドされた第1の熱可塑性ポリウレタン及び第2の熱可塑性ポリウレタンを含む熱可塑性ポリマーブレンドを、粒子径300μm未満に粉砕することを含み、
前記第1の熱可塑性ポリウレタンは、140g/mol~170g/molの数平均分子量を有する脂肪族ジイソシアネートと、62g/mol~120g/molの数平均分子量を有する脂肪族ジオールとから本質的になる、第1の反応混合物の反応生成物を含み、
前記第2の熱可塑性ポリウレタンは、ポリイソシアネートと、500g/mol~10,000g/molの数平均分子量を有するイソシアネート反応性成分と、60g/mol~450g/molの数平均分子量を有する鎖延長剤とを含む、第2の反応混合物の反応生成物を含む、方法。
【請求項19】
粉砕が、低温ミリングを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
融合されて三次元印刷物品を形成する、請求項1に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを含む、三次元印刷物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
付加製造は一般に、層ごとに三次元(3D)物体を構築することを伴う。様々な付加製造技術を利用して、層ごとのアプローチを使用して3D物体を構築することができる。非限定的な例としては、例えば、光重合技術、粉末床溶融技術、材料押出技術、ジェッティング技術、及び直接エネルギー堆積技術を挙げることができる。光重合技術は、概して、電磁放射線に曝露されたときに選択的に固化されるフォトポリマー樹脂を用いる。粉末床溶融技術は、一般に、熱溶融を介してなど、選択的に融合された粉末材料の層を堆積することを含む。材料押出技術は、一般に、ノズルを通して材料を選択的に押し出して、層ごとに構築プラットフォーム又は構築材料を組み立てることを伴う。ジェッティング技術は、一般に、選択的に構築材料及び/又は結合剤を噴射又は印刷して、3D物体を形成することを伴う。直接エネルギー堆積技術は、一般に、構築プラットフォーム又は構築材料に堆積させる際に、粉末材料を融解させることを伴う。
【0002】
様々な3D印刷技術は、個別の材料選択基準を有する。特に粉末床溶融技術に関連して、ポリアミド11(PA11)及びポリアミド12(PA12)は、最も一般的に使用される材料の1つである。この材料選択には様々な理由がある。例えば、PA11及びPA12は、低吸水性、高耐熱性及び耐化学性、高柔軟性など、様々な望ましい性能上の利点を有する。更に、これらの材料はいずれも、鋭い融解温度及び結晶化温度を有するため、粉末ベースの三次元(3D)印刷のための望ましい候補となる。しかし、PA11及びPA12は、制限がないわけではない。例えば、全ての用途に好適な物理的性質を有しているわけではない。更に、融解温度と結晶化温度との間の温度ウィンドウは必ずしも理想的ではない。したがって、PA11及びPA12と比較して、より広い温度ウィンドウ及び/又は改善された物理的性質を有する新規の粉末ベースの3D印刷材料に対する当技術分野のニーズが依然として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の特徴及び利点は、例として、ともに様々な本発明の実施形態を例示する、添付の図面と併せて、以下に記載される詳細な説明から明らかになるであろう。
【0004】
図1】脂肪族熱可塑性ポリウレタン(ATP)の示差走査熱量測定(DSC)曲線である。
図2】例示的なATP/熱可塑性ポリウレタン(TPU)ブレンドのDSC曲線である。
図3】例示的なATP/TPUブレンドのDSC曲線である。
図4】例示的なATP/TPUブレンドのDSC曲線である。
図5】例示的なATP/TPUブレンドのDSC曲線である。
図6】例示的なATP/TPUブレンドのDSC曲線である。
【0005】
ここで図示した例示的な実施形態を参照し、本明細書では特定の言語を使用してそれを記述する。それにも関わらず、それによって範囲を又は特定の発明の実施形態に限定することは意図されないことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、例示の目的のために多くの詳細を含むが、当業者であれば、以下の詳細に対する多くの変形及び変更がなされてもよく、それらは本明細書に含まれるものとみなされることを理解するであろう。したがって、以下の実施形態は、記載される特許請求の範囲に対する一般性を損なうことなく、かつ限定を課すことなく記載される。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0007】
この記述書で使用される場合、単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象に対する明示的な支持が含まれる。したがって、例えば、「ポリマー(a polymer)」又は「ポリマー(the polymer)」への言及は、複数のこのようなポリマーを含み得る。
【0008】
本出願では、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含有している(containing)」、及び「有する(having)」等などは、米国特許法において定められている意味を有することができ、「含む(includes)」、「含む(including)」等などを意味することができ、一般に、オープンエンドの用語であると解釈される。用語「からなる(consisting of)」又は「からなる(consists of)」は、クローズドな用語であり、米国特許法に従うものだけではなく、当該用語と併せて具体的に列挙された構成要素、構造、ステップ、若しくは同種のものなどのみを含む。「から本質的になる(consisting essentially of)」、又は「から本質的になる(consists essentially of)」とは、米国特許法によって一般的にみなされる意味を有する。特に、こうした用語は、それに関連して使用される項目の基本的かつ新規な特性又は機能に実質的に影響を与えない、追加の項目、材料、構成要素、ステップ、又は要素を含めることを可能にすることを除いて、一般にクローズドな用語である。例えば、組成物中に存在するが、組成物の性質又は特性に影響を与えない微量元素は、「本質的にからなる」言語の下に存在する場合、たとえそのような用語に続く項目のリストに明示的に列挙されていなくても、許容される。この明細書では、「含む(comprising)」又は「含む(including)」などのオープンエンドの用語を使用する場合、あたかも明示的に述べられているかのように、「からなる(consisting of)」言語だけでなく、「から本質的になる(consisting essentially of)」言語にも直接サポートが提供されるべきであり、その逆も同様であることが理解される。
【0009】
明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等などは、存在する場合、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の連続的又は時系列的な順序を記述するために使用されるものではない。そのように使用される任意の用語は、本明細書に記載の実施形態が、例えば、本明細書に図示又は記載されるもの以外の順序で動作可能であるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。同様に、方法が一連のステップを含むとして本明細書に記述される場合、本明細書に提示されるそのようなステップの順序は、必ずしも、そのようなステップを実施することができる唯一の順序ではなく、記載されたステップの一部が省略され得るか、及び/又は本明細書に記述されていないある特定の他のステップが、方法に追加され得る。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、作用、特性、性質、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な範囲又は程度を指す。例えば、「実質的に」囲まれた物体は、物体が完全に囲まれているか、又はほぼ完全に囲まれていることを意味する。絶対的な完全さからの正確な許容可能な逸脱の程度は、場合により、特定の状況に依存する場合がある。しかし、完了の近さは、概ね、絶対完了及び完全完了が得られたかのように同じ全体的な結果を持つようになる。「実質的に」の使用は、作用、特特性、性質、状態、構造、項目又は結果が完全又はほぼ完全な欠如を指す否定的な意味合いで使用される場合にも同様に適用される。例えば粒子を「実質的に含まない」組成物は、粒子を完全に欠くか、又はほぼ完全に粒子を欠いているので、その効果は、粒子を完全に欠く場合と同じになる。言い換えれば、成分又は要素を「実質的に含まない」組成物であっても、その測定可能な効果がない限り、実際にそのような項目を依然として含有してもよい。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、所与の値が、エンドポイントの「少し上」又は「少し下」であり得ることを提供することによって、数値範囲エンドポイントに柔軟性を提供するために使用される。別段の記載がない限り、特定の数又は数値範囲に従って用語「約」を使用することは、用語「約」なしで、そのような数値の用語又は数値範囲に支持を提供するものであると理解されるべきである。例えば、利便性及び簡潔さのために、「約50ミリグラム~約80ミリグラム」の数値範囲は、「50ミリグラム~80ミリグラム」の範囲の支持を提供するものと理解されるべきである。更に、本明細書では、用語「約」がそこで使用される場合でさえも、実際の数値の支持が提供されることを理解されたい。例えば、「約」30という記述は、30を少し上回る値及び少し下回る値に対する支持を提供するだけでなく、30の実際の数値についても支持を提供するものとして解釈されるべきである。別途指定されない限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において、用語「約」によって前置きされ、及び修正されていると理解されるべきであり、数値パラメータが、パラメータの数値を決定するために使用される基礎となる測定技法の固有の変動特性を有する。
【0012】
本明細書で使用される場合、複数の項目、構造要素、組成要素、及び/又は材料は、便宜上、共通のリストとして提示される場合がある。しかしながら、これらのリストは、リストの各メンバーがそれぞれ別個の固有のメンバーとして識別されているかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストのいかなる個々のメンバーも、これとは反対の表示をすることなく、共通のグループにおけるその提示のみに基づいて、同じリストのいかなる他のメンバーと事実上の同等のものとして解釈されるべきではない。
【0013】
濃度、量、及びその他の数値データは、本明細書に範囲形式で表現又は提示され得る。そのような範囲形式は、単に利便性及び簡潔さのためだけに使用されるため、範囲の限界として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に列挙されたかのように、その範囲内に包含された全ての個々の数値又は部分範囲を含めるように、柔軟に解釈されるべきであることが理解されるべきである。例示として、「1~5」の数値範囲は、明示的に列挙された1~5の値を含むだけでなく、示された範囲内の個々の値及び部分範囲も含むと解釈されるべきである。したがって、この数値範囲には、例えば2、3、及び4などの個々の値、並びに例えば1~3、2~4、及び3~5などの部分範囲、並びに1、2、3、4、及び5が個別に含まれる。
【0014】
この同じ原理が、最小値又は最大値として1つの数値のみを記載する範囲にも適用される。更に、このような解釈は、範囲の広さ又は記述される特性にかかわらず、適用されるべきである。
【0015】
本明細書全体を通して「例」は、この例に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通しての様々な場所における「一例では」の句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指すわけではない。
【0016】
例示的な実施形態
本開示は、粉末ベースの付加製造又は3D印刷におけるPA11及びPA12の代替として用いることのできる微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを対象とする。本明細書に記載される微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、半結晶性脂肪族熱可塑性ポリウレタン(ATP)に基づいており、これは一般に、脂肪族ジイソシアネート及び短鎖脂肪族イソシアネート反応性化合物からなるか又はそれらから本質的になる反応混合物の反応生成物を含む。更に、ATPを、本明細書ではTPUと呼ばれる様々な第2の熱可塑性ポリウレタンとブレンドして、ATP単独と比較して、1つ以上の改善された物理的性質(例えば、柔軟性)を有する熱可塑性ポリマーブレンドを提供することができる。理論に拘束されることを意図するものではないが、ATPは、ほとんどのTPU樹脂と少なくとも部分的に混和し、ミクロ相分離構造を形成すると考えられている。ATPとTPUにおける硬質セグメントとの類似性のため、これらのブレンドではマクロ相分離は予想されない。典型的には、連続相(マトリックス)は、主にATPとすることができ、分散相は、主にTPUとすることができる。こうしたブレンドでは、硬質相及び軟質相の制御された相分離を達成することができる。これらのATP/TPUブレンドは、ATPと同等の物理的性質及び熱的性質(例えば、融解温度)を維持することができる。一方、軟質TPU相は、例えば、引張伸びなどのマトリックスの物理的性質を調整することができ、結晶化温度を低下させることができる。
【0017】
更なる詳細において、本明細書に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、第1の熱可塑性ポリウレタン(すなわち、ATP)をベースとすることができる。ATPは概して、140g/mol~170g/molの数平均分子量を有する脂肪族ジイソシアネートと、62g/mol~120g/molの数平均分子量を有する脂肪族ジオールとからなるか又はそれらから本質的になる第1の反応混合物の反応生成物であり得るか、又はそれを含み得る。ATPは一般に、熱可塑性ポリウレタンの硬質セグメントを生成するために典型的に使用される低分子量成分から生成されることが注目される。更に、ATPは、典型的には、170g/mol以下の数平均分子量を有する低分子量成分から生成され得る。したがって、ATPは、イソシアネート反応性成分に関して以下に記載されるものなど、熱可塑性ポリウレタンの軟質セグメント成分として一般的に用いられる成分からは生成されない。更に、こうした軟質セグメント成分の使用は、本明細書に開示されるATPの意図される物理的/熱的性質に悪影響を及ぼし、かつ著しく影響を与えることになる。数平均分子量は、ポリメチルメタクリレート標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー又は任意の他の好適な方法によって決定することができる。
【0018】
好適な脂肪族ジイソシアネートは、概して単量体脂肪族ジイソシアネートであり得る。更に、ATPを調製するために用いられるジイソシアネートは、例えば、ホスゲン化(phosgenation)又はホスゲンを含まないプロセスなど、任意の好適なプロセスを介して生成することができる。好適な脂肪族ジイソシアネートの非限定的な例としては、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタンなど、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。いくつかの具体例では、脂肪族ジイソシアネートは、1,4-ジイソシアナトブタンであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの他の具体例では、脂肪族ジイソシアネートは、1,5-ジイソシアナトペンタンであってもよく、又はそれを含んでもよい。追加的な具体例では、脂肪族ジイソシアネートは、1,6-ジイソシアナトヘキサンであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に追加の具体例では、脂肪族ジイソシアネートは、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタンであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に、ATPを調製するために使用される脂肪族ジイソシアネートは、典型的には、脂環式ジイソシアネートを含まないことに留意されたい。したがって、いくつかの例では、ATPを調製するために使用される単量体脂肪族ジイソシアネートは、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタン、若しくは同種のものなどの直鎖脂肪族ジイソシアネートのみを含む。
【0019】
様々な好適な脂肪族ジオールを組み合わせて、脂肪族ジイソシアネートと反応させて、ATPを生成することができる。前述したように、脂肪族ジオールは概して、約62g/mol~約120g/molの数平均分子量を有する。いくつかの具体例では、脂肪族ジオールは、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど、又はそれらの組み合わせであってもよく、又はそれらを含んでもよい。いくつかの具体例では、脂肪族ジオールは、1,2-エタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの他の例では、脂肪族ジオールは、1,2-プロパンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。他の例では、脂肪族ジオールは、1,3-プロパンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。追加の例では、脂肪族ジオールは、1,2-ブタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更なる追加の例では、脂肪族ジオールは、1,3-ブタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に追加の例では、脂肪族ジオールは、1,4-ブタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更なる例では、脂肪族ジオールは、1,2-ペンタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。より更なる例では、脂肪族ジオールは、1,3-ペンタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に更なる例では、脂肪族ジオールは、1,4-ペンタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。追加の例では、脂肪族ジオールは、1,5-ペンタンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。他の例では、脂肪族ジオールは、1,2-ヘキサンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に他の例では、脂肪族ジオールは、1,3-ヘキサンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。追加の例では、脂肪族ジオールは、1,4-ヘキサンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に追加の例では、脂肪族ジオールは、1,5-ヘキサンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更なる例では、脂肪族ジオールは、1,6-ヘキサンジオールであってもよく、又はそれを含んでもよい。更に、ATPを調製するために使用される脂肪族ジオールは、典型的には、脂環式ジオールを含まないことに留意されたい。したがって、いくつかの例では、脂肪族ジオールは、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、若しくは同種のものなどの直鎖脂肪族ジオールのみを含む。
【0020】
脂肪族ジイソシアネート及び脂肪族ジオールは、様々な比で組み合わせて反応させてATPを形成することができる。一般に、脂肪族ジイソシアネートと脂肪族ジオールは、0.95:1~1:0.95のイソシアネート当量対ヒドロキシル当量の当量比で組み合わせることができる。いくつかの追加の例では、脂肪族ジイソシアネートと脂肪族ジオールは、0.98:1~1:0.98、又は0.99:1~1:0.99のイソシアネート当量対ヒドロキシル当量の当量比で組み合わせることができる。
【0021】
いくつかの追加の例では、ATPは、100,000g/mol~900,000g/molのz平均分子量(M)を有し得る。別の例では、ATPは、100,000g/mol~850,000g/molのMを有し得る。更に追加の例では、ATPは、110,000g/mol~800,000のMを有し得る。更なる追加の例では、ATPは、120,000g/mol~760,000g/molのMを有し得る。z平均分子量は、ポリメチルメタクリレート標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによって、決定することができる。
【0022】
は、以下の式によって定義することができる。
【数1】
式中、Mは、ポリマー鎖の分子量であり、nは、その分子量のポリマー鎖の数であり、iはポリマー分子の数である。
【0023】
いくつかの追加の例では、ATPは比較的低い分子量を有し得る。ATPの分子量を測定する1つの方法は、メルトボリュームフローレート(MVR)を介するもので、MVR値が高いほど、ニートポリマーの分子量が低いことを示すことができる。これを念頭に置いて、いくつかの例では、ATPは、試験方法ASTM D1238-10に基づいて、200℃及び8.7kgで少なくとも20cm/10分のメルトボリュームフローレート(MVR)を有し得る。他の例では、ATPは、試験方法ASTM D1238-10に基づいて、200℃及び8.7kgで、少なくとも30cm/10分、又は少なくとも35cm/10分のMVR、又は少なくとも40cm/10分のMVRを有し得る。
【0024】
更に、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドに用いられるATPは、比較的高い結晶化度を有し得る。これは、いくつかの例では、非晶物質が、良好な耐熱性及び耐溶媒性を有しないためである。したがって、いくつかの例では、ATPは半結晶性材料であり得る。結晶化度を測定する1つの方法は、融解エンタルピーを介してもよく、ここで、融解エンタルピーが高いほど、より結晶化度が高いことを示す。これを念頭に置いて、熱可塑性ポリマーブレンドに採用されるATPは一般に、20℃/分の加熱速度で、-25℃~250℃の第2の加熱トレース中の示差走査熱量測定(DSC)測定値に基づいて、少なくとも60ジュール/グラム(J/g)の融解エンタルピーを有し得る。いくつかの追加の例では、熱可塑性ポリマーブレンドに用いられるATPは、20℃/分の加熱速度で、-25℃~250℃の第2の加熱トレース中のDSCに基づいて、少なくとも70J/g、75J/g、80J/g、又は85J/gの融解エンタルピーを有し得る。
【0025】
上述のように、第1の熱可塑性ポリウレタン、又はATPは、第2の熱可塑性ポリウレタン、又はTPUとブレンドされて、ATP単独に対して、改変された機械的性質を有する、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを提供することができる。ATP及びTPUは、様々な量でブレンドされて、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを生成することができる。典型的には、ATP及びTPUは、ATP対TPUが90:10~30:70の重量比でブレンドすることができる。いくつかの追加の例では、ATP及びTPUは、ATP対TPUが85:15~50:50の重量比でブレンドすることができる。いくつかの具体例では、ATP及びTPUは、90:10~70:30、80:20~60:40、70:30~50:50、60:40~40:60、又は50:50~30:70の重量比でブレンドすることができる。
【0026】
様々なTPUをATPと混合することができる。一般に、TPUは、ポリイソシアネートと、500g/mol~10,000g/molの数平均分子量(M)を有するイソシアネート反応性成分と、60g/mol~450g/molのMを有する鎖伸長剤とを含む、第2の反応混合物の反応生成物であり得る。数平均分子量は、ポリメチルメタクリレート標準対するゲル浸透クロマトグラフィー又は他の好適な方法によって決定することができる。ポリイソシアネート及び鎖延長剤は、TPUの「硬質セグメント」を形成してもよく、イソシアネート反応性成分は、TPUの「軟質セグメント」を形成してもよい。
【0027】
更に詳細には、様々なポリイソシアネートを用いてTPUを調製することができる。本明細書で使用される場合、用語「ポリイソシアネート」は、イソシアネート官能基であり、少なくとも2つの未反応イソシアネート基を含む化合物を指す。したがって、ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート及び/又はイソシアネート官能性反応生成物であって、例えば、ビウレット、イソシアヌレート、ウレトジオン、イソシアネート官能性ウレタン、イソシアネート官能性尿素、イソシアネート官能性イミノオキサジアジンジオン、イソシアネート官能性オキサジアジンジオン、イソシアネート官能性カルボジイミド、イソシアネート官能性アシル尿素、イソシアネート官能性アロファネート基など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0028】
TPUに用いられるポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、又はそれらの組み合わせを含み得る。脂肪族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、ドデカン1,12-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、1-メチルシクロヘキサン2,4-ジイソシアネート、1-メチルシクロヘキサン2,6-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン2,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン2,2’-ジイソシアネート、それらの異性体など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、トリレン2,4-ジイソシアネート、トリレン2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-ジイソシアネートなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
様々なイソシアネート反応性成分を使用して、TPUを調製することもできる。上述のように、イソシアネート反応性成分は、一般に、500g/mol~10,000g/molの数平均分子量Mを有し得る。いくつかの追加の例では、イソシアネート反応性成分は、600g/mol~6000g/mol、800g/mol~5000g/mol、又は1000g/mol~4000g/molのMを有し得る。数平均分子量は、ポリメチルメタクリレート標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー又は他の好適な方法によって決定することができる。
【0030】
更に、イソシアネート反応性成分は、一般に、平均1.8~3.0個のツェレビチノフ(Zerewitinoff)活性水素原子を有し得る。ツェレビチノフ活性水素原子は、アミン基、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はそれらの組み合わせに含まれ得る。したがって、イソシアネート反応性成分は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカーボネートエステル、ポリカプロラクトン、ポリブタジエンなど、又はそれらの組み合わせであり得るか、又はこれらを含み得る。
【0031】
ポリエーテルポリオールの例は、例えば、エチレングリコール、1,2-、1,3-若しくは1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等などのグリコール、又はトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等などの高級ポリオール(higher polyol)などの様々なポリオールのオキシアルキル化から形成され得る。一般的に利用されるオキシアルキル化法の1つは、例えば、塩基性触媒又は複合金属シアン化物(double-metal cyanide)(DMC)などの配位触媒の存在下で、ポリオールを、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと反応させることによるものである。
【0032】
好適なポリエステルポリオールの例は、有機ポリカルボン酸、その無水物、又はそのエステルと、有機ポリオールとのポリエステル化によって調製することができる。ポリカルボン酸及びポリオールは、脂肪族又は芳香族の二塩基酸及びジオールであることが好ましい。
【0033】
ポリエステルの作製に用いられ得るジオールには、アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、1,2-、1,3-、又は1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジエタノール、カプロラクトンジオール(例えば、カプロラクトン及びエチレングリコールの反応生成物)、ポリエーテルグリコール、例えばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等などの他のグリコールが含まれる。しかしながら、様々なタイプの他のジオール、及び示されるように、より高い官能性のポリオールも、本発明の様々な実施形態で利用され得る。そのような高級ポリオールには、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等など、並びに低分子量ポリオールをオキシアルキル化することによって生成される高分子量ポリオールが含まれ得る。
【0034】
ポリエステルの酸成分は主に、1分子当たり2~18個の炭素原子を有する単量体カルボン酸又はその無水物、又はそのエステルからなる。有用な酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルタル酸、クロレンド酸、テトラクロロフタル酸、及び様々なタイプの他のジカルボン酸が挙げられる。また、トリメリット酸及びトリカルバリル酸などの高級ポリカルボン酸を用いてもよい。
【0035】
ポリ塩基及びポリオールから形成されるポリエステルポリオールに加えて、ポリカプロラクトン型ポリエステルも用いることができる。これらの生成物は、ε-カプロラクトンなどの環状ラクトンと、上記のような一級ヒドロキシルを含むポリオールとの反応から形成される。このような生成物は、米国特許第3,169,949号に記載されている。
【0036】
好適なヒドロキシ官能ポリカーボネートポリオールは、単量体ジオール(1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジ-、トリ-若しくはテトラエチレングリコール、ジ-、トリ-若しくはテトラプロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、4,4’-ジメチロールシクロヘキサン及びそれらの混合物)を、炭酸ジアリール(例えば炭酸ジフェニル、炭酸ジアルキル(例えば炭酸ジメチル及び炭酸ジエチル)、炭酸アルキレン(例えば炭酸エチレン、炭酸プロピレン)、又はホスゲンと反応させることによって調製されるものであり得る。任意選択で、トリメチロールプロパン、グリセロール、又はペンタエリスリトールなどの、少量の高官能性単量体ポリオールが使用されてもよい。
【0037】
様々な鎖延長剤を使用して、TPUを調製することもできる。上述のように、鎖延長剤は、一般に、60g/mol~450g/molのMを有し得る。いくつかの追加の例では、鎖延長剤は、80g/mol~400g/mol又は100g/mol~350g/molのMを有し得る。数平均分子量は、ポリメチルメタクリレート標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー又は他の好適な方法によって決定することができる。
【0038】
更に、鎖延長剤は、一般に、平均1.8~3.0個のツェレビチノフ活性水素原子を有し得る。ツェレビチノフ活性水素原子は、アミン基、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基など、又はそれらの組み合わせに含まれ得る。したがって、鎖延長剤は、ポリオール、ポリアミンなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0039】
いくつかの例では、鎖延長剤はジオールを含み得る。いくつかの具体例では、鎖延長剤は、2~14個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、例えば、エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。鎖伸長剤の更なる例としては、テレフタル酸と2~4個の炭素原子を有するグリコールとのジエステル(例えば、ビス(エチレングリコール)テレフタレート又はビス1、4-ブタンジオールテレフタレートなど)、ヒドロキノンのヒドロキシアルキレンエーテル(例えば、1,4-ジ(b-ヒドロキシエチル)ヒドロキノンなど)、エトキシル化ビスフェノール(例えば、1,4-ジ(b-ヒドロキシエチル)ビスフェノールAなど)、(シクロ)脂肪族ジアミン(例えば、イソホロンジアミンなど)、エチレンジアミン、1,2-プロピレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、N-メチルプロピレン-1,3-ジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、芳香族ジアミン(例えば、2,4-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミン、3,5-ジエチル-2,4-トルエンジアミン又は3,5-ジエチル-2,6-トルエンジアミンなど)、一級モノアルキル-、ジアルキル-、トリアルキル-若しくはテトラアルキル-置換4,4’-ジアミノジフェニルメタンなど、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの具体例では、鎖延長剤は、エタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ジ(B-ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、1,4-ジ(B-ヒドロキシエチル)-ビスフェノールA、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの更なる例では、鎖延長剤は、トリオールを含んでもよい。上述の鎖延長剤のいずれかの混合物を使用することも可能である。
【0040】
いくつかの例では、イソシアネートに対して一官能性である化合物を、TPUの合計重量に基づいて、最大2重量%の量で連鎖停止剤として使用することができる。鎖終結剤の非限定的な例としては、モノアミン(例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、オクチルアミン、ステアリルアミン、N-メチルステアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、シクロヘキシルアミンなど)、モノアルコール(例えば、ブタノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、様々なアミルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテルなど)など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0041】
イソシアネート反応性成分及び鎖伸長剤の両方が、イソシアネート官能基に対して反応性である官能基を含むことに留意されたい。これを念頭に置いて、一般に、イソシアネート当量対イソシアネートに対して反応性の官能基の当量の当量比が、0.9:1~1.2:1、又は0.95:1~1.1:1を達成するように、ポリイソシアネートを、イソシアネート反応性成分及び鎖伸長剤と組み合わせることができる。
【0042】
TPUは、熱可塑性ポリウレタンブレンドに付与されることが望まれる特定の機械的性質に応じて、様々なショアD硬度を有し得る。更に、TPUの硬質セグメントがATPと同様の組成を有する場合、ATPとの良好な混和性を好都合にすることができる。いくつかの例では、TPUは、50D~90Dの、ASTM D2240-15e1によるショアD硬度を有し得る。いくつかの具体例では、TPUは、50D~60D、60D~70D、70D~80D、75D~85D、又は80D~90Dの、ASTM D2240-15e1によるショアD硬度を有し得る。
【0043】
いくつかの追加の例では、TPUは、高硬質セグメント含量を有し得る。前述したように、硬質セグメントは、典型的には、TPU中のポリイソシアネート及び鎖延長剤成分として定義され得る。軟質セグメントは、典型的には、TPU中のイソシアネート反応性成分として定義され得る。これを念頭に置いて、いくつかの例では、第2の反応混合物は、40重量%以下のイソシアネート反応性成分、又は少なくとも60重量%の硬質セグメント成分(例えば、ポリイソシアネート及び鎖延長剤)を含み得る。他の例では、第2の反応混合物は、35重量%以下のイソシアネート反応性成分、又は少なくとも65重量%の硬質セグメント成分を含み得る。更に追加の例では、第2の反応混合物は、30重量%以下のイソシアネート反応性成分、又は少なくとも70重量%の硬質セグメント成分を含み得る。更に更なる例では、第2の反応混合物は、25重量%以下のイソシアネート反応性成分、又は少なくとも75重量%の硬質セグメント成分を含み得る。より更なる例では、第2の反応混合物は、20重量%以下のイソシアネート反応性成分、又は少なくとも80重量%の硬質セグメント成分を含み得る。追加の例では、第2の反応混合物は、15重量%以下のイソシアネート反応性成分、又は少なくとも85重量%の硬質セグメント成分を含み得る。
【0044】
ATP及びTPUを、共押出し、バッチ混合、又は同種のものなどを介するなど、様々な方法で混合して、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドを提供することができる。一般的に、ATP及びTPUを、好適な高温で混合して、両方の成分を完全に混合して相互作用させることができる。
【0045】
次いで、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドを粉砕して、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを形成することができる。粉砕は、様々な方法で実施することができる。非限定的な例としては、ジェットミル、ピンミル、若しくは同種のものなどでの乾式ミリング若しくはグラインディング、湿式媒体ミリングなど、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。更に、いくつかの例では、グラインディング又はミリングは、粉砕中に前駆体熱可塑性ポリマーブレンドに伝達される熱を最小限に抑えるために、低温(cryogenic)条件下で行うことができる。したがって、粉砕には低温粉砕が含まれ得る。
【0046】
上述のように、本明細書に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、様々な望ましい熱的性質、機械的性質、及び化学的性質を有する材料を提供することができる。例えば、いくつかの事例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、PA11、PA12及び/又はATP単独よりも低い融解温度を有し得る。いくつかの具体例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、温度勾配20℃/分で-25℃~250℃の示差走査熱量測定法(DSC)分析の第2の加熱トレースに基づいて、175℃以下の融解温度を有し得る。いくつかの追加の例では、微粉性ポリマーブレンドは、温度勾配20℃/分で-25℃~250℃のDSC分析の第2の加熱トレースに基づいて、170℃以下、165℃以下、160℃以下、又は155℃以下の融解温度を有し得る。
【0047】
更に、いくつかの例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、PA11、PA12及び/又はATP単独よりも大きい、融解温度と結晶化温度(融解温度(T)-結晶化温度(T))との間の焼結ウィンドウ(又は再結晶ウィンドウ)を有し得る。より詳細には、焼結ウィンドウは、温度勾配20℃/分で-25℃~250℃の示差走査熱量測定(DSC)分析の第2の加熱トレースに基づいて、融解温度と結晶化温度との間の差として定義される。これを念頭に置いて、いくつかの特定例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも42℃の焼結ウィンドウを有し得る。いくつかの追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、又は少なくとも70℃の焼結ウィンドウを有し得る。
【0048】
一部の追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、温度勾配20℃/分で-25℃~250℃のDSC分析の第2の加熱トレースに基づいて、少なくとも10ジュール/グラム(J/g)の融解エンタルピーを有し得る。更に追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、温度勾配20℃/分で-25℃から250℃までのDSC分析の第2の加熱トレースに基づいて、少なくとも20J/g、少なくとも30J/g、少なくとも40J/g、少なくとも50J/g、又は少なくとも60J/gの融解エンタルピーを有することができる。
【0049】
いくつかの例では、本明細書に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、PA11、PA12及び/又はATP単独の破断点伸びよりも大きい、破断点伸びを有し得る。いくつかの例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて少なくとも85%の破断点伸びを有し得る。いくつかの追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて少なくとも100%又は少なくとも140%の破断点伸びを有し得る。更なる追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて少なくとも180%、少なくとも230%、又は少なくとも270%の破断点伸びを有し得る。
【0050】
一般に、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて1ギガパスカル(GPa)(又は1000MPa)よりも大きい引張弾性率を有し得る。例えば、いくつかの事例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて1200メガパスカル(MPa)を超える引張弾性率を有し得る。いくつかの追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて1400MPa超、1400MPa超、1500MPa超、1600MPa超、又は1700MPa超の引張弾性率を有し得る。
【0051】
いくつの更なる例では、粉砕熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて少なくとも35MPaの破断点引張強さを有することができる。更に追加の例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて少なくとも40MPa、少なくとも45MPa、少なくとも50MPa、又は少なくとも55MPaの破断点引張強さを有することができる。いくつかの特定例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、23℃でASTM D638-14に基づいて35MPa~45MPa、40MPa~50MPa、45MPa~55MPa、又は50MPa~60MPaの破断点引張強さを有し得る。
【0052】
いくつかの例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンド単独で、好適な付加製造構築材料を形成することができる。更なるいくつかの例では、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを、1つ以上の追加の材料又は添加剤と組み合わせて又は混合して、付加製造構築材料を形成することができる。微粉性熱可塑性ポリマーブレンドに添加され得る付加製造添加剤の非限定的な例には、着色剤、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤、安定剤(例えば、加水分解安定剤、光安定剤、熱安定剤、色安定剤など)、充填剤、潤滑剤、阻害剤、電磁放射線吸収剤(例えば、UV吸収剤、IR吸収剤など)、補強剤など、又はそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0053】
本開示はまた、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを製造する方法も記載する。概して、本方法は、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドを、300μm未満の粒子径に粉砕して、微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを形成することを含み得る。上述のように、粉砕は、ジェットミル、ピンミル、若しくは同種のものなどでの乾式ミリング又はグラインディング、湿式媒体ミリングなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。更に、いくつかの例では、グラインディング又はミリングは、粉砕中に前駆体熱可塑性ポリマーブレンドに伝達される熱を最小限に抑えるために、低温条件下で行うことができる。したがって、粉砕には低温粉砕が含まれ得る。
【0054】
更なる詳細において、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドは、意図される付加製造プロセスに好適な粒子径に粉砕され得る。一般的に、平均粒子径は、300μm未満であってもよいが、状況によってはこの範囲外の粒子が望ましい場合もある。いくつかの具体例では、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドは、1μm~250μmの平均粒子径に粉砕され得る。更に追加の例では、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドは、約1μm~50μm、20μm~100μm、50μm~150μm、又は100μm~200μmの平均粒子径に粉砕され得る。本明細書で使用される場合、「粒子径」は、粒子の最大直径を指す。粒子径は、動的光スカッティング(dynamic light scatting)、レーザー回折、又は同種のものなどを使用して測定することができる。
【0055】
いくつかの追加の例では、方法は、ATP及びTPUを混合又はブレンドして、前駆体熱可塑性ポリマーブレンドを形成することを含み得る。混合又はブレンドは、バッチ混合、押出成形(例えば、連続押出成形)など、又はそれらの組み合わせなどの任意の好適なプロセスによって実行され得る。更に、ATP及びTPUを、任意の好適な温度で混合して、両方の成分を完全に混合して相互作用させることができる。
【0056】
本開示はまた、3D印刷物品を形成するために融合された本明細書に記載の微粉性熱可塑性ポリマーブレンドを含む3D印刷物品を対象とする。本明細書で使用される場合、「融合」は、微粉性熱可塑性ポリマーブレンド粒子間の接続の特定の様式について限定することを意図するものではない。「融合された」は一般に、粒子をつなげて三次元物体を形成するための結合、融解、硬化、若しくは同種のもの、又はそれらの組み合わせを指すことができる。微粉性熱可塑性ポリマーブレンドは、様々な付加製造プロセスに用いて、3D印刷物品を形成することができる。例えば、コンピュータ支援製図(CAD)ソフトウェア又は他の好適なソフトウェアを用いて、3D物体モデルを生成することができる。3D物体モデルに基づいて、様々な付加製造技術を介して3D物品を印刷することができる。いくつかの具体例では、付加製造技術は、例えば選択的レーザー焼結(SLS)、高速焼結(HSS)(例えば、マルチジェットフュージョン(MJF))、若しくは同種のものなどの粉末床溶融技術であってもよい。必要に応じて、他の好適な付加製造技術も用いることができる。
【実施例
【0057】
実施例I-熱可塑性ポリマーブレンドの熱的性質
200℃及び8.7kgで約40cm/10分のMVRを有する第1の熱可塑性ポリウレタン(ATP)を、表Iに提示される様々な第2の熱可塑性ポリウレタン(TPU)とブレンドすることによって、様々な熱可塑性ポリマーブレンドを調製した。
【表1】
【0058】
様々なTPUを、室温で手によりATPと混合し、様々な熱可塑性ポリマーブレンドを調製した。次いで、熱可塑性ポリマーブレンドを、Milacron Roboshot射出成形機を使用して、約410~420°Fの温度での引張試験のために成形した。示差走査熱量測定(DSC)分析を、PerkinElmer DSC8000を使用して、加熱及び冷却の両方に対して、20℃/分の温度勾配で、-25~250℃に加熱して実行した。結果を以下の表IIに提示する:
【表2】
【0059】
表IIに示された結果から分かるように、硬質TPUとATPを混合することにより、溶解ピーク及び結晶化ピークの両方を効果的に改変することができる。これは、それぞれATP単独及びブレンド1~5のDSC曲線を提示する図1~6に、より明確に説明される。融解ピーク及び結晶化ピークに対するこの改変は、TPU中の硬質セグメントとATP樹脂との相互作用に起因し得る。これは、粉末に対する比較的低い融解温度を維持しながら、焼結ウィンドウ(T-T)を拡大することができる粉末ベースの付加製造において非常に望ましい場合がある。したがって、本ATP/TPUブレンドは、従来の硬質TPU樹脂と比較して、熱的性質において明確な利点を示す。
【0060】
実施例II-熱可塑性ポリマーブレンドの物理的性質
実施例1に記載されるブレンドもまた、PA11、PA12及びATP単独と比較して、ブレンドのいくつかの物理的性質を決定するように評価された。引張試験は、23℃で、ASTM D638-14「Standard Test Method for Tensile Properties of Plastics」に従って実施された。結果を以下の表IIIに示す。
【表3】
【0061】
表IIIから分かるように、ATP/TPUブレンドは、PA11、PA12及びATP単独と比較して、焼結ウィンドウを改善するだけでなく、引張特性(例えば、同等の引張弾性率及び引張強さを維持しながらの破断点伸び)において多くの改善をもたらすことができる。
【0062】
上述の方法は、本発明のいくつかの実施形態の例示するものに過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替的構成を考案することができ、添付の特許請求の範囲は、そのような修正及び構成を網羅することが意図される。したがって、本発明は、現時点で本発明の最も実際的かつ好ましい実施形態であるとみなされるものに関連して、具体的にかつ詳細に上述されているが、本明細書に明記される原理及び概念から逸脱することなく、以下を含む変形が作製され得ることは、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】