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▶ ナノワイヤード ゲーエムベーハーの特許一覧

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  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図1
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図2
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図3a
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図3b
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図3c
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図4
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図5
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図6
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図7
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図8
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図9
  • 特表-接続要素を用いた2つの部品の接続 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】接続要素を用いた2つの部品の接続
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560015
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2022056695
(87)【国際公開番号】W WO2022207307
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021107824.5
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519323089
【氏名又は名称】ナノワイヤード ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NanoWired GmbH
【住所又は居所原語表記】Emanuel-Merck-Strasse 99, 64579 Gernsheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビヨレム,オラフ
(72)【発明者】
【氏名】ダッシンガー,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ケドナウ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ルステイエ,ファラフ
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK01
5F044LL09
5F044QQ00
5F044RR10
(57)【要約】
複数のナノワイヤ(2)を、第1接続面(3)又はこの第1接続面(3)の反対側にある第2接続面(4)又はその両方に有している接続要素(1)である。第1接続面(3)と第2接続面(4)との間の距離(d)は、接続要素(1)の全体にわたって変化している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続要素(1)であって、
該接続要素(1)は、第1接続面(3)又は前記第1接続面(3)の反対側にある第2接続面(4)又はその両方に、複数のナノワイヤ(2)を有し、
前記第1接続面(3)と前記第2接続面(4)との間の距離(d)は、該接続要素(1)の全体にわたって変化している、
接続要素(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の接続要素(1)であって、
前記接続面(3、4)のうち一方は湾曲しており、且つ、
前記接続面(3、4)のうちもう一方は平坦である、
接続要素(1)。
【請求項3】
請求項1に記載の接続要素(1)であって、
前記接続面(3、4)の一方は外側に湾曲し、且つ、
前記接続面(3、4)のもう一方は異なる曲率半径で内側に湾曲している、
接続要素(1)。
【請求項4】
請求項1に記載の接続要素(1)であって、
前記接続面(3、4)は、いずれも内側に湾曲しているか、又は、いずれも外側に湾曲している、
接続要素(1)。
【請求項5】
接続要素(1)を製造する方法であって、
a)第1接続面(3)又は前記第1接続面(3)の反対側にある第2接続面(4)又はその両方を有する出発要素(10)を用意するステップであって、
前記第1接続面(3)と前記第2接続面(4)との間の距離(d)は、前記出発要素(10)の全体にわたって一定である、
ステップと、
b)前記第1接続面(3)と前記第2接続面(4)との間の前記距離(d)が前記出発要素(10)の全体にわたって変化するように、前記出発要素(10)を変形させるステップと、
c)前記出発要素(10)の前記第1接続面(3)及び前記第2接続面(4)に複数のナノワイヤ(2)を設けることによって、前記接続要素(1)を得るステップと、
を含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記出発要素(10)は、ステップb)において、スタンピングによって変形される、
方法。
【請求項7】
第1部品(5)を第2部品(6)に接続する方法であって、
A)第1接続面(3)又は前記第1接続面(3)の反対側にある第2接続面(4)又はその両方に複数のナノワイヤ(2)を有する接続要素(1)を用意するステップであって、
前記第1接続面(3)と前記第2接続面(4)との間の距離(d)は前記接続要素(1)の全体にわたって変化している、
ステップと、
B)前記第1部品(5)の接触面(7)と前記接続要素(1)の前記第1接続面(3)とを引き合わせ、且つ、
前記第2部品(6)の接触面(8)と前記接続要素(1)の前記第2接続面(4)とを引き合わせるステップと、
を含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第1接続面(3)は内側に湾曲しており且つ前記第1部品(5)の前記接触面(7)は外側に湾曲している、若しくは、前記第1接続面(3)は外側に湾曲しており且つ前記第1部品(5)の前記接触面(7)は内側に湾曲しているのいずれかであるか、又は、
前記第2接続面(4)は内側に湾曲しており且つ前記第2部品(6)の前記接触面(8)は外側に湾曲している、若しくは、前記第2接続面(4)は外側に湾曲しており且つ前記第2部品(6)の前記接触面(8)は内側に湾曲しているのいずれかであるか、又は、
その両方である、方法。
【請求項9】
装置(9)であって、
接続要素(1)であって、
該接続要素(1)は、第1接続面(3)と、前記第1接続面(3)の反対側の第2接続面(4)とを有しており、
前記第1接続面(3)と前記第2接続面(4)との間の距離(d)は、該接続要素(1)の全体にわたって変化している、
接続要素(1)と、
複数のナノワイヤ(2)によって前記接続要素(1)の前記第1接続面(3)に接続されている第1部品(5)と、
複数のナノワイヤ(2)によって前記接続要素(1)の前記第2接続面(4)に接続されている第2部品(6)と、
を備える装置(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のナノワイヤを介して、接続要素を用いて、2つの部品を接続することに関し、特に電子部品又は熱部品を接続することに関する。特に、本発明は、対応する接続要素に関し、また、このような接続要素を製作する方法、2つの部品を接続する方法、相互に接続された2つの部品で形成された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電子部品や機械部品や熱部品を、複数のナノワイヤを介して相互に接続することが知られている。ただし、部品の接続予定の面が平坦でない場合は、このような接続は、公知の解決策では形成できないか、貧弱な接続しか形成できない。これは、ナノワイヤを成長させられる長さが限られているからである。したがって、ナノワイヤは、接続予定の面の凹凸を均せる程度には限度がある。接続予定の面の凹凸が大き過ぎる場合は、全域にわたって接続を形成することは不可能である。これは、接続の機械的安定性や、電気伝導性や、熱伝導性に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記の従来技術に由来する本発明の目的は、接触面の凹凸にも拘らず、特に安定した電気伝導性や熱伝導性を有する態様で、2つの部品を互いに接続する方法を提供することである。この目的のために、特に汎用的に使用可能な接続要素が提供される。
【0004】
前述の目的は、独立請求項に記載される、接続要素、接続要素を製造する方法、第1部品を第2部品に接続する方法、及び、装置、によって達成される。従属請求項は、さらに有利な実施形態を示している。特許請求の範囲及び明細書に記載されている特徴は、技術的に有意な任意の態様で互いに組み合わせ可能である。
【0005】
本発明によると、接続要素であって、第1接続面又はこの第1接続面の反対側にある第2接続面又はその両方に複数のナノワイヤを有する接続要素が提供される。第1接続面と第2接続面との間の距離は、接続要素の全体にわたって変化している。
【0006】
接続要素は、第1部品を第2部品に接続するように構成されていることが好ましい。接続要素は厚さが変化しているので、接続される部品の接触面の凹凸を十分に埋め合わせることができる。
【0007】
各部品は、特に電子部品であってもよく、半導体部品、コンピュータチップ、マイクロプロセッサ、回路基板、ヒートシンクなどが挙げられる。上記の接続要素の諸利点は、特に、各部品が他の部品に接続されるための接触面を有しており、対向する接触面が互いに平行な平面ではない場合に、明らかになる。特に優位性があるのは、第1部品としての熱伝導性要素(例としてヒートシンクの形態であるもの)を第2部品としての熱放射基板(例として半導体部品)に接続する場合である。熱伝導性要素は平坦な接触面を通常は有するが、熱放射基板の接触面は内側又は外側に湾曲していることが多い。前述の接続要素によってこの湾曲を埋め合わせることができ、特に2つの接続面の一方が熱放射基板の接触面に対して負に湾曲していることにより、この湾曲を埋め合わせることができる。
【0008】
これらの部品は、少なくとも部分的に電気伝導性であるか又は熱伝導性であるか又はその両方であることが好ましい。ここで用いられる意味における電気伝導性や熱伝導性は、特に金属(銅など)に存在するものであり、一般に「電気伝導性の」又は同義語として「電気を伝導する」、及び「熱伝導性の」又は「熱を伝導する」とも言われる。特に、一般に絶縁性又は断熱性又はその両方であるとみなされる材料は、ここでは、電気伝導性であるか又は熱伝導性であるか又はその両方であるとみなされないものとする。
【0009】
ただし、接続要素は、電子機器の分野での用途に限定されない。接続要素を用いて、2つの部品の間に、特に機械的に安定であり、且つ、電気伝導性であるか又は熱伝導性であるか又はその両方である接続を形成できる。このように、接続要素は、これらの特性のうちの1つ以上を有する接続を2つの部品の間に必要としている分野全てにおいて採用可能である。接続要素の使用は、特定の大きさの部品に限定されることもない。したがって、接続要素は、例えば、数mmの(マイクロ)エレクトロニクスの分野での用途に、又は、数cmのヒートシンクなど巨視的レベルの相当な大きさの接触面の接続用に、構成することができる。
【0010】
接続要素は、一方の側で第1部品に接続可能であり、もう一方の側で第2部品に接続可能である。この点において、これらの部品を、接続要素を介して、互いに間接的に接続することができる。したがって、接続要素は、第1部品と第2部品との間の接続の中継物であるとみなすことができる。特に、2つの部品を接続するために各部品の接触面の間に設けられるのに適した物理的物体であればいずれも、接続要素とみなされる。
【0011】
接続要素は、箔として構成されていることが好ましい。この場合、「接続要素」という語の代わりに、「接続用箔」という語も使用することができる。特に、接続要素は可撓性であることが好ましい。あるいは、接続要素は剛性であることが好ましい。したがって、接続要素は、例えば中実の金属プレートの形で構成されていてもよい。
【0012】
接続要素は、プラスチック材料から形成されていることが好ましい。例えば、接続要素は、ポリマーから形成することが可能であり、特にポリカーボネート、PVC、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、PET又はこれらの組み合わせから形成することが可能である。また、接続要素を、セラミック材料、シリコン、酸化アルミニウム、ガラス等から形成することも可能である。さらに、接続要素は、ステンレス鋼、アルミニウム、非鉄金属から形成することも可能である。接続要素は、前述の材料のいくつかを含む複合材料から形成されることも好ましい。
【0013】
接続要素は、互いに反対側に配置された2つの接続面を有する。第1接続面は、接続要素の第1の側に形成されていることが好ましい。第2接続面は、第1の側の反対側にある、接続要素の第2の側に形成されていることが好ましい。第1接続面は、接続要素の第1の側の一部を又は接続要素の第1の側の全体を、カバーしていてもよい。第2接続面は、接続要素の第2の側の一部を又は接続要素の第2の側の全体を、カバーしていてもよい。この2つの接続面が互いに反対側に配置されているということは、この2つの接続面が少なくとも部分的に重なっていることを意味する。この2つの接続面は、互いに完全に重なっていることが好ましい。
【0014】
接続面は、特に、接続要素の、対応する側にある、接続要素の表面の空間的に区別される領域である。特に、接続面は、接続の形成によって区別されることが好ましい。これは、各接続面が最初は接続要素の表面の他の部分とは区別できないこと、且つ、接続が形成されている各面が各接続面であるように接続が形成されることによってはじめて、各接続面が区別されることを意味する。この場合、接続面は、接続要素の表面の他の部分から概念的に区別されているにすぎない。例えば、平面状の接続要素の接続面は、接続要素の限定された面域によって(すなわち、接続面によって)、部品の接触面への平面接続が形成されることで区別されてもよい。
【0015】
接続面は、そこに接続される部品の接触面と同じ大きさであることが好ましく、この接触面の形状を有することが特に好ましい。ただし、各接触面がそれに対応する接続面よりも大きい又は小さいこと、又は、各接触面とそれに対応する接続面とが互いに異なる形状を有すること、又は、その両方が、いずれも可能である。
【0016】
各接続面は、接続要素の表面の単に連続した形の領域であることが好ましい。あるいは、第1接続面又は第2接続面又はその両方が、接続要素の表面の複数の別々の部分領域にさらに分割されることが可能である。例えば、1つの接続面は、接続要素の表面の2つ以上の別々の部分から構成されることができる。
【0017】
複数のナノワイヤが、第1接続面上若しくは第2接続面上のいずれかに配置されているか、又は、第1接続面上及び第2接続面上に配置されている。後者の「及び(und)」が好適である。ただし、接続要素は、ナノワイヤを片側のみに有する場合であっても、2つの部品を接続するために使用することができる。この場合、対応する部品を、例えば、この部品上のナノワイヤによって、接続要素に接続することができる。接着等の他の何らかの方法によって、部品を接続要素に接続することも考えられる。
【0018】
ここで、ナノワイヤとは、数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲のサイズを有するワイヤ状の任意の材料体を意味するものと理解される。ナノワイヤは、例えば円形状、楕円形状、多角形状の底面を有してもよい。特に、ナノワイヤは六角形状の底面を有してもよい。
【0019】
第1接続面上の全てのナノワイヤが同じ材料で形成されている、特に第1接続面の材料で形成されていることが好ましい。第2接続面上の全てのナノワイヤが同じ材料で形成されている、特に第2接続面の材料で形成されていることが好ましい。第1接続面上のナノワイヤは、第2接続面上のナノワイヤと同じ材料で形成されていることが好ましい。あるいは、第1接続面上のナノワイヤと第2接続面上のナノワイヤは、それぞれ異なる材料で形成されていることが好ましい。
【0020】
第1接続面上のナノワイヤが第1部品の接触面と同じ材料で形成されているか、又は、第2接続面上のナノワイヤが第2部品の接触面と同じ材料で形成されている、又は、その両方であることが特に好ましい。これが該当するのは、接続要素が、第1部品及び第2部品の少なくとも一方と共に、装置の形態で設けられる場合である。
【0021】
ナノワイヤは、電気伝導性及び熱伝導性のうち少なくとも一方の材料から形成されていることが好ましく、特に金属で形成されていることが好ましい。銅は、特に好適である。
【0022】
ナノワイヤは、100nm(ナノメートル)~100μm(マイクロメートル)の範囲の長さ、特に500nm~60μmの範囲の長さを有することが好ましい。さらに、ナノワイヤは、10nm~10μmの範囲の直径、特に30nm~2μmの範囲の直径を有することが好ましい。この場合、「直径」という語は円形の底面に関するものであり、これから逸脱する底面の場合には、それに相当する直径の定義を用いるものとする。使用される全てのナノワイヤが同じ長さと同じ直径とを有することが特に好ましい。
【0023】
各ナノワイヤは、それぞれの接続面に垂直であることが好ましい。この場合、各ナノワイヤは、特定の接続面の上に、芝生状の態様で配置されている。
【0024】
第1接続面と第2接続面との間の距離は、接続要素の全体にわたって変化している。第1接続面と第2接続面との間の距離は、接続要素の厚さとみなしてもよい。接続要素が箔として構成されている場合は、第1接続面と第2接続面との間の距離は、箔の厚さを示している。第1接続面と第2接続面との間の距離は、一方の接続面上の一点からもう一方の接続面上の最も近い点までの距離として定義される。したがって、第1接続面と第2接続面との間の距離の値は、接続要素の各点について、それぞれ定めることができる。第1接続面と第2接続面との間の距離が接続要素の全体にわたって変化していることは、第1接続面と第2接続面との間の距離が接続要素の全ての点において同じ値ではないことを意味する。第1接続面と第2接続面との間の距離が接続要素の各点において異なる値を有することは必須ではない。さらに、各ナノワイヤは、接触面の凹凸を埋め合わせることにも寄与する。したがって、接続要素の形状は、対応する接触面の形状に厳密に一致する必要はない。これが一層当てはまるのは、それぞれの接触面上に複数のナノワイヤを同様に有する2つの部品を接続するために、接続要素が使用される場合である。この場合、接続要素上の各ナノワイヤは、対応する部品の各ナノワイヤに接続される。これは、接続面と接触面との間の距離が比較的大きい場合でも可能である。
【0025】
通常、各ナノワイヤは、微小な凹凸を埋め合わせることができ、大きな凹凸は、接続要素の形状によって埋め合わせることができる。
【0026】
接続要素が第1接続面と第2接続面との間の距離が変化している構成であるため、接続要素は、凹凸のある接触面を有する部品同士を接続するために、特に良好に使用することができる。理想的には、接続要素の各接続面は、接続される部品の接触面に対して厳密に相補的である。ただし、このように適合するには、接続される部品に対して接続要素が正確に適合することが必要であり、そのため、これらの部品の知識を必要とする。ただし、第1接続面と第2接続面との間の距離が一定ではない接続要素は、通常、接続の品質を向上させることが分かっている。このように、前述の接続要素の前述の各利点は、部品の構成によらず、実現可能である。これは、上記のように構成された接続要素を、2つの部品の間に配置して、これらの部品同士が特に良好に接続されるようにすることで説明可能である。これは、接続面間の距離が一定の接続要素には当てはまらない。その理由は、このような接続要素は、あらゆる点において同一に構成されているからである。
【0027】
本接続要素の好適な一実施形態において、接続面のうち一方は湾曲しており、且つ、接続面のうちもう一方は平坦である。
【0028】
この実施形態においては、第1接続面が湾曲しており且つ第2接続面が平坦であるか、又は、第2接続面が湾曲しており且つ第1接続面が平坦であるかのいずれかである。いずれの場合においても、湾曲している接続面は、内側又は外側のいずれに湾曲していてもよい。内側に湾曲している場合、両接続面の端縁における第1接続面と第2接続面との間の距離は、これらの中心における距離より大きい。内側に湾曲していることは凹状であるとも言える。外側に湾曲している場合、両接続面の端縁における第1接続面と第2接続面との間の距離は、これらの中心における距離より小さい。外側に湾曲していることは凸状であるとも言える。光学レンズの場合に慣行的な命名と同様に、本実施形態における接続要素は、内側に湾曲している接続面の場合は平凹状と言うことができ、外側に湾曲している接続面の場合は平凸状言うことができる。
【0029】
接続面の一方が平坦である上記の実施形態は、特に容易に製造可能であり、特にスタンピングによって製造可能である。この接続要素を平坦な土台の上に載置し、圧力の作用によって所望の形状にすることができる。この場合、土台から遠い方の接続面のみが変形される。
【0030】
本接続要素のさらに好適な実施形態の1つにおいては、接続面のうち一方は外側に湾曲し、且つ、接続面のうちもう一方は異なる曲率半径で内側に湾曲している。
【0031】
この実施形態において、
第1接続面は第1の曲率半径で外側に湾曲しており(凸状)、且つ、第2接続面は第2の曲率半径で内側に湾曲している(凹状)か、
又は、
第1接続面は第1の曲率半径で内側に湾曲しており(凹状)、且つ、第2接続面は第2の曲率半径で外側に湾曲している(凸状)か、
のいずれかである。
【0032】
いずれの場合においても、第1の曲率半径と第2の曲率半径とは異なっている。第1の曲率半径と第2の曲率半径とが同一であったとすると、第1接続面と第2接続面との間の距離は一定になる。
【0033】
外側に湾曲した接続面の曲率半径が内側に湾曲した接続面の曲率半径より小さい場合は、従来の光学レンズの場合の命名と同様に、接続要素の凹凸形状と称することができる。外側に湾曲した接続面の曲率半径が内側に湾曲した接続面の曲率半径より大きい場合は、従来の光学レンズの場合の命名と同様に、接続要素の凸凹形状と称することができる。
【0034】
両接続面が反対方向に湾曲している前述の構成は、接続面のうちの一方が平坦である前述の構成よりも、製造が複雑である。例えば、対応する形状のダイと対応する形状のパンチとによるスタンピングが可能である。しかしながら、より高品質な接続を実現することが可能である。特に、これは、各接触面がそれぞれ異なる曲率半径で反対方向に湾曲している部品同士を接続する場合に適用される。ここで、反対方向に湾曲することは、第1部品の接触面が内側に湾曲し且つ第2部品の接触面が外側に湾曲しているか、又は、この逆であることを意味すると理解されたい。
【0035】
接続要素のさらに好適な実施形態の1つにおいて、両接続面は、いずれも内側に湾曲している、又は、いずれも外側に湾曲している。
【0036】
両接続面がいずれも内側に湾曲している場合は、光学レンズの場合の慣例的な命名と同様に、接続要素の両凹形状と称することができる。両接続面がいずれも外側に湾曲している場合は、光学レンズの場合の慣例的な命名と同様に、接続要素の両凸形状と称することができる。
【0037】
いずれの場合も、2つの接続面の曲率半径は任意である。対称性のためには、両接続面が同じ曲率半径で湾曲していることが好適である。
【0038】
両接続面が同じ方向に湾曲している上記の実施形態は、接続面のうち一方が平坦である構成より製造が複雑である。例えば、対応する形状のダイと対応する形状のパンチとによるスタンピングが可能である。しかしながら、より高品質な接続を実現することが可能である。特に、これは、各接触面が同じ方向に湾曲している部品同士を接続する場合に適用される。ここで、同じ方向に湾曲することは、両部品の接触面が内側に湾曲しているか、又は、両部品の接触面が外側に湾曲していることを意味すると理解されたい。
【0039】
上記の実施形態において、第1接続面と第2接続面との間の距離の変化は、一方の接続面の又は両方の接続面の曲率によって実現される。ただし、これは必須ではない。あるいは、両接続面は、何れか別の考えられ得る形状を有し、これにより2つの接続面の間の距離が接続要素の全体にわたって一定ではなくなっていてもよい。例えば、一方又は両方の接続面を波形にしてもよく、又は、異なる反復した構造にしてもよい。一方又は両方の接続面を反復しない構造にもできる。両接続面の形状は、接続される部品の接触面に適合されていることが特に好ましい。
【0040】
本発明のさらなる一態様として、接続要素を製造する方法が提供される。本方法は、
a)第1接続面又はこの第1接続面の反対側にある第2接続面又はその両方を有する出発要素を用意するステップであって、
第1接続面と第2接続面との間の距離は、出発要素の全体にわたって一定である、
ステップと、
b)第1接続面と第2接続面との間の距離が出発要素の全体にわたって変化するように、出発要素を変形させるステップと、
c)出発要素の第1接続面又は第2接続面又はその両方に複数のナノワイヤを成長させることによって、接続要素を得るステップと、
を含む。
【0041】
本接続要素の前述の利点及び特徴は、本方法にも適用可能且つ転用可能であり、逆も同様である。前述の接続要素は、本接続要素によって製造可能である。
【0042】
ステップa)~c)は、記載した順序で実施される。
【0043】
接続要素は、ステップa)で用意された出発要素から得られる。したがって、本方法の開始時に用意される出発要素は、上記方法によって変更される特性のみが、接続要素とは異なる。これは、特に、出発要素の形状に関する。第1接続面と第2接続面との間の距離は、初期状態では、出発要素の全体にわたって一定である。ステップb)において、この距離は、変形によって変化する。出発要素は、ステップb)によって、接続要素の形状となる。ステップc)において、ナノワイヤを接続面上に成長させる。これは、ガルバニック成長によって実現可能である。例えば、複数の貫通孔を有するテンプレート箔を接続面に載せることができる。電解液から、堆積によって、孔の中でナノワイヤを成長させることができる。ステップc)において、ナノワイヤを最初に第1接続面上に成長させることができ、その後、第2接続面上に成長させることができる。この逆も同様である。ナノワイヤを両接続面上に同時に成長させることも考えられる。
【0044】
ナノワイヤは、該ナノワイヤがそれぞれの接続面に対してほぼ直立に(好ましくは直立に)であるように接続面に設けられることが好ましい。接続面上のナノワイヤ全体を、特にナノワイヤの芝と言ってもよい。しかし、ナノワイヤは、接続面上に任意の向きで設けることもできる。接続面を複数の(接続された又は別々の)小領域にさらに分割し、ナノワイヤが異なる小領域で異なる方向を向くことも可能である。このようにして、特に、せん断力に特に満足に耐え得る、特に安定な接続部を実現することができる。さらに、ナノワイヤは、特にその長さ、直径、材料及び密度(ナノワイヤの密度は単位面積当たりに提供されるナノワイヤ数を指す)に関して、接続面の異なる所で異なる構成を有することが可能である。
【0045】
本方法の好適な実施形態の1つにおいて、出発要素は、ステップb)において、スタンピングによって変形される。
【0046】
スタンピングの結果として、接続要素は、あらかじめ定められた正確な形状を実現できる。ここで、互いに接続される2つの部品に接続要素を適合させることができる。
【0047】
本発明のさらなる態様の1つとして、第1部品を第2部品に接続する方法が提供される。本方法は、
A)第1接続面又はこの第1接続面の反対側にある第2接続面又はその両方に複数のナノワイヤを有する接続要素を用意するステップであって、
第1接続面と第2接続面との間の距離はこの接続要素の全体にわたって変化している、
ステップと、
B)第1部品の接触面と接続要素の第1接続面とを引き合わせ、且つ、第2部品の接触面と接続要素の第2接続面とを引き合わせるステップと、
を含む。
【0048】
本接続要素の及び本接続要素を製造する方法の、前述の利点及び特徴は、第1部品を第2部品に接続する方法にも適用可能且つ転用可能であり、逆も同様である。第1部品を第2部品に接続する方法に使用される接続要素は、上記の接続要素と同様に構成されていることが好ましい。
【0049】
ステップA)及びB)は、記載した順序で実施される。ステップA)において、接続要素が用意される。ステップB)において、これらの部品は接続要素を介して互いに接続される。この目的のために、第1部品の接触面と第1接続面とが引き合わされ、さらには第2部品の接触面と接続要素の第2接続面とが引き合わされる。これは、任意順序で順次行うこともでき、又は、同時に行うこともできる。ここで、「引き合わせる(Zusammenfuhren)」とは、目当ての部品と接続要素とを、互いに向けて移動させることを意味する。これにより、接続面上のナノワイヤは、対応する接触面に接触する。ここで、ナノワイヤは対応する接触面に接続されるので、各部品と接続要素との間に対応する接続が形成される。
【0050】
この接続は、各ナノワイヤが接触面に接続されることで形成可能であり、特に、接触面に面する各ナノワイヤの端部が接続されることで形成可能である。このために各ナノワイヤが接触面上に一様に設けられている必要はない。したがって、この接続は、接続要素上の各ナノワイヤと接触面それ自体との間で、直接形成可能である。この場合は特に、少なくとも接触面が、最低でも温度90℃、特に最低でも温度150℃に加熱されていることが好ましい。この接続は原子レベルで形成可能である。この原子レベルで進行するプロセスは、焼結の際に生じるプロセスに類似する。得られる接続は、気密又は液密又はその両方とすることができ、これにより、特に接続の又は互いに接続された部品又はその両方の腐食が、接続の領域で阻止又は少なくとも限定することができる。特に、形成される接続は、完全に金属製とみなせる。あるいは、各ナノワイヤは、接触面にブラシ状に接触するのに役立っており、ナノワイヤは接触面に部分的に寄っていき、接続を形成する。さらなる代替案として、接続される接触面に複数のナノワイヤを設けることも可能である。この場合、接続面上の各ナノワイヤと対応する接触面上の各ナノワイヤとの間に、接続が形成可能である。ここで、接続面上の各ナノワイヤは、対応する接触面上の各ナノワイヤに絡み合うので、対応する部品と接続要素との間に、特に密接な接続が作成される。特に、接触面上にも複数のナノワイヤが設けられている場合は、加熱なしで、特に室温で、接続を形成可能である。
【0051】
接触面の凹凸及び粗さが接続要素の形状によって解消されていない場合は、複数のナノワイヤによってこの凹凸及び粗さを埋め合わせることができる。
【0052】
ナノワイヤのサイズがナノメートル領域であるため、接続の表面(すなわち、ファンデルワールス力等の力が原子レベルで作用するエリア)は特に大きい。よって、この接続は、特に良好な、電気伝導性及び熱伝導性及び機械的安定性の少なくとも1つを有することができる。特に電気伝導性及び熱伝導性の少なくとも一方を有する接続では、ナノワイヤは電気伝導性及び熱伝導性の少なくとも一方を有する材料から形成されていることが好ましい。ここでは、銅を使用することが特に好ましい。また、接触面は、電気伝導性及び熱伝導性の少なくとも一方を有する材料で、特に銅で形成されることが好ましい。銅を使用することは、例えば溶接接続の場合には不可能だろう。前述の方法によって大きな接続面が得られるので、この接続の電気伝導性及び熱伝導性の少なくとも一方を特に高くすることが可能となる。この接続の特に良好な熱伝導性を持つことにより、例えば、この接続に関連する部品の冷却を向上させることができる。特に、このために、ナノワイヤ又は接触面又はその両方に銅を使用することが好ましい。
【0053】
前述の接続はさらに、簡易な態様で、工具なしで形成可能である。接続される両接触面と接続要素とを互いに向けて案内すればよい。加熱及び圧力の印加は、選択的に行うことが可能であり、絶対に必要というわけではない。
【0054】
前述の方法では、両部品の接触面は、接続要素を介して間接的に互いに接続される。これには、いずれの部品にもナノワイヤを設ける必要がないという利点がある。ナノワイヤは、接続要素上に存在すればよい。これにより、本方法の実施することがより容易になり、特に本方法の適用範囲を、ナノワイヤが成長できないか又は成長しづらい接触面にも広げることができる。ナノワイヤは、部品とは離して局所的に成長させることもできる。それにもかかわらず、代わりに、複数のナノワイヤが第1部品の接触面上及び第2部品の接触面上の少なくとも一方に設けられることが好ましい。この場合、当該接続面上の各ナノワイヤと対応する接触面上との間に接続が形成される。
【0055】
本方法のさらに好適な実施形態の1つにおいては、ステップB)が室温で行われる。
【0056】
接触面と接続面との間にある前述の接続は、室温でも形成可能である。この場合、接続要素を接触面に押し当てて接続を形成することが好ましい。ここで使用される圧力は、2MPa~200MPaの範囲内、特に5MPa~20MPaの範囲内であることが好ましい。10MPaの圧力が特に好ましい。
【0057】
ステップB)の完了後でも加熱されないことが好ましい。これにより、温度の作用による部品の損傷を防止することができる。
【0058】
さらに好適な実施形態の1つにおいて、本方法は、以下をさらに含む。C)各部品の少なくとも接触面を、最低でも温度90℃、特に最低でも温度150℃に加熱するステップ。
【0059】
各部品の接触面は、最低でも温度90℃に、好ましくは最低でも150℃の温度に加熱される。この温度は、90℃~300℃の範囲内であることが好ましい。さらに、本実施形態では、ステップB)は室温で行われることが好ましい。これは、ステップB)による接続の形成後にはじめて加熱が行われることを意味する。このようにして、形成された接続は、加熱により補強される。接続される各部品を130℃~170℃の間に、特に150℃に予熱し、その後、温度を、好ましくは190℃~230℃の間に、特に210℃に、0.5~2秒間、特に1秒間上昇させて、これらの部品を互いに接続することが特に好ましい。
【0060】
ステップd)による加熱により、各ナノワイヤが各部品の接触面に特に良好に接続される。したがって、接触面のみが加熱されればよい。実際には、このような加熱では、接触面、ナノワイヤ、接続要素、2つの部品、又は、これらの組み合わせに対して、部分的又は全体的に加熱が行われるのかどうかについて一律に識別することができない。これは、熱伝導性材料が使用される場合に当てはまる。接続を形成するために部品の接触面以外の要素を(共に)加熱する必要はないが、有害でもない。したがって、ステップC)による加熱は特に、2つの部品と接続要素とをまとめて、例えば炉内で、加熱することで行うことができる。ただし、代わりに、接続の領域に、特に接触面の領域に、局所的に熱を導入することも可能である。
【0061】
接続を形成するには、前述の最低温度に1回、一時的でも少なくとも到達すればよい。最低温度を維持する必要はない。ただし、ステップC)で加熱が行われる温度は、少なくとも2秒間維持されることが好ましく、特に少なくとも10秒間維持されることが好ましい。これにより、接続を望んだとおりに確実に形成することが可能となる。原則として、温度がより長く維持しても有害ではない。
【0062】
本方法のさらに好適な実施形態の1つにおいて、接続要素は、加熱中の少なくとも一部の期間において、小さくとも5MPaの圧力で、特に小さくとも15MPaの圧力又は大きくとも200MPaの圧力で、特に70MPaの圧力で、第1の接触面及び第2の接触面の少なくとも一方に押し当てられる。これは特に、接続要素を対応する部品に押し当てることで実現可能である。
【0063】
使用される圧力は、5MPa~200MPaの範囲内、特に15MPa~70MPaの範囲内であることが好ましい。20Mpaの圧力が特に好ましい。
【0064】
圧力は、温度が規定の下限を超えている期間に少なくともおいては、上記の下限より高いことが好ましい。したがって、この点で、ナノワイヤ及び接触面は、少なくともこの期間においては、適切な圧力及び適切な温度の両方に曝される。これにより、圧力及び温度の作用により接続を形成することができる。
【0065】
接続要素は、互いと接続される各部品に適合されていることが好ましい。特に、各接続面はそれぞれ、各部品のそれに対応する接触面に対して補完的に形成されていることが好ましい。したがって、接続要素によって、接触面の凹凸を特に良好に埋め合わせることができる。
【0066】
特に、本方法の好適な実施形態の1つは、第1接続面が内側に湾曲しており且つ第1部品の接触面が外側に湾曲している、若しくは、第1接続面が外側に湾曲しており且つ第1部品の接触面が内側に湾曲しているのいずれかであるか、又は、第2接続面が内側に湾曲しており且つ第2部品の接触面が外側に湾曲している、若しくは、第2接続面が外側に湾曲しており且つ第2部品の接触面が内側に湾曲しているのいずれかであるか、又は、その両方であるものである。
【0067】
この実施形態において、各接続面はそれぞれ、各部品の対応する接触面に対して補完的に湾曲している。
【0068】
本発明のさらなる一態様として、装置が提供される。本装置は、
接続要素であって、
接続要素は、第1接続面と、第1接続面の反対側の第2接続面とを有しており、
第1接続面と第2接続面との間の距離は、接続要素の全体にわたって変化している、
接続要素と、
複数のナノワイヤによって接続要素の第1接続面に接続されている第1部品と、
複数のナノワイヤによって接続要素の第2接続面に接続されている第2部品と、
を備える。
【0069】
接続要素、この接続要素を製作する方法、及び第1部品を第2部品に接続する方法の、前述の利点及び特徴は、本装置にも適用可能且つ転用可能であり、逆も同様である。本装置は、第1部品を第2部品に接続する方法によって得ることができる。本装置の接続要素は、前述の接続要素と同様に形成されていることが好ましい。
【0070】
各部品への接続要素の接続は、ナノワイヤを介して形成されていることが好ましい。第1接続面と第1部品の接触面との間の各ナノワイヤは、対応する接続が形成される前に、第1接続面にのみ設けられていてもよく、第1部品の接触面にのみ設けられていてもよく、又は、第1接続面と第1部品の接触面の両方に設けられていてもよい。第2部品への接続についても同様である。ここで、第1部品及び第2部品の変形例は、互いに組み合わせ可能であり、合計で9つの変形例がもたらされる。
【0071】
以下に、添付の図を参照して、本発明をより詳細に説明する。図面には、特に好ましい例示的実施形態を示す。しかし、本発明はそれに制限されない。図面、特に図示されるサイズ比は、模式的なものにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】本発明における装置の実施形態の1つである。
図2】本発明における装置の実施形態の1つである。
図3図3a~図3cは、図2の装置を得る方法を示している。
図4】本発明における接続要素の実施形態の1つをナノワイヤなしで示したものである。
図5】本発明における接続要素の実施形態の1つをナノワイヤなしで示したものである。
図6】本発明における接続要素の実施形態の1つをナノワイヤなしで示したものである。
図7】本発明における接続要素の実施形態の1つをナノワイヤなしで示したものである。
図8図1図7の接続要素を得ることができる出発要素である。
図9】本発明における装置のさらなる実施形態の1つである。
図10】本発明における装置のさらなる実施形態の1つである。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、接続要素1と、第1部品5と、第2部品6とを有する装置9を示す。接続要素1は、第1接続面3と、この第1接続面3の反対側にある第2接続面4とを有する。第1接続面3と第2接続面4との間の距離dは、接続要素1の全体にわたって変化している。これは、第1接続面3が外側に湾曲しており、第2接続面4が平坦であるので、図示した実施形態の場合に当たる。
【0074】
第1部品5は、複数のナノワイヤ2を介して、接続要素1の第1接続面3に接続されている。第2部品6は、複数のナノワイヤ2を介して、接続要素1の第2接続面4に接続されている。第1部品5は内側に湾曲した接触面7を有し、第2部品6は平坦な接触面8を有する。
【0075】
図2は、装置9のさらなる実施形態の1つを示す。特段の記載がない限り、図1の説明が同様に適用される。図2に示されている装置9は、接続面のうちの一方が、この図では第1接続面3が外側に湾曲しており、接続面のうちのもう一方のである4が平坦であるという場合の別の一例である。第1部品5は外側に湾曲した接触面7を有し、第2部品6は平坦な接触面8を有する。
【0076】
図1及び図2の装置9はそれぞれ、以下に記載する方法を用いて得ることができる。A)接続要素1を用意するステップと、
B)第1部品5の接触面7と接続要素1の第1接続面3とを引き合わせ、且つ、第2部品6の接触面8と接続要素1の第2接続面4とを引き合わせるステップ。
【0077】
図3a~図3cは、図2の装置9を得る3通りの方法を示している。例えば、ステップB)による引き合わせの前に、各ナノワイヤ2を2つの接続面3、4にのみ存在させる(図3a)ことが可能であり、また、各ナノワイヤ2を2つの部品5、6の接触面7、8にのみ存在させる(図3b)ことも可能であり、さらに、各ナノワイヤ2を2つの接続面3、4及び2つの部品5、6の接触面7、8の両方に存在させる(図3c)ことも可能である。
【0078】
図4図7は、接続要素1の4つの(さらなる)実施形態を示している。明瞭化のために、接続要素1はナノワイヤ2なしで示されている。図4図7の接続要素1は、図1及び図2と同様に、装置9の一部とすることができる。
【0079】
図4及び図5は、接続要素1の2つの実施形態を示す。一方の接続面、ここでは第2接続面4は、外側に湾曲し、もう一方の接続面3は、異なる曲率半径で、内側に湾曲している。図4において、第1接続面3の曲率半径は、第2接続面4の曲率半径より大きい。図5において、第1接続面3の曲率半径は、第2接続面4の曲率半径より小さい。
【0080】
図6は、接続面3、4がいずれも内側に湾曲している接続要素1を示す。
【0081】
図7は、接続面3、4がいずれも外側に湾曲している接続要素1を示す。
【0082】
図8は、図1図7の接続要素1を製造できる出発要素10を示す(正確な比率ではない)。出発要素10では、接続面3、4がいずれも平坦に形成されている。このため、2つの接続面3、4の間の距離dは、出発要素10の全体にわたって一定である。
【0083】
各接続要素1は、以下のステップを含む方法によって得ることができる。a)出発要素10を用意するステップ
b)第1接続面3と第2接続面4との間の距離dが出発要素19の全体にわたって変化するように、出発要素10を変形させる、特にスタンピングによって変形させるステップ
c)複数のナノワイヤ2を、出発要素10の第1接続面3と第2接続面4とに設けることによって接続要素1を得るステップ
【0084】
図9及び図10は、装置9の2つのさらなる実施形態を示す。特段の記載がない限り、図1及び図2の説明が同様に適用される。図9には、図6の接続要素が示されている。図10には、さらなる接続要素1が示されている。接続面3、4の間の距離dが接続要素1の全体にわたって一定でなければ、接続要素1はいかなる形態でもとり得ることを明示することを意図している。
【符号の説明】
【0085】
1 接続要素
2 ナノワイヤ
3 第1接続面
4 第2接続面
5 第1部品
6 第2部品
7 第1部品の接触面
8 第2部品の接触面
9 装置
10 出発要素
d 接続面間の距離
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】