(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】高スループット3次元印刷のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20240322BHJP
B29C 64/112 20170101ALI20240322BHJP
B29C 64/336 20170101ALI20240322BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240322BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240322BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240322BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/112
B29C64/336
B33Y50/02
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560931
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 IL2022050336
(87)【国際公開番号】W WO2022208495
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513131464
【氏名又は名称】ストラタシス リミテッド
【住所又は居所原語表記】1 Holtzman Street, Science Park, P.O. Box 2496, 7612401 Rehovot, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルンバク、マヤン
(72)【発明者】
【氏名】スルタン、シャイ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL24
4F213WL32
4F213WL62
4F213WL74
4F213WL85
4F213WL95
(57)【要約】
物体の3Dカラー印刷のための方法は、物体の3Dモデルをスライスすることと、3Dモデルのスライスに色データを追加することと、複数のチャネルを含む印刷ブロック50でスライスを印刷することとを含む。複数のチャネルは、各々が異なる色の構築材料を有するチャネルと、透明構築材料を有するチャネルとを含む。印刷することは、印刷ブロック50の移動の各目標位置で、複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することを含む。目標位置ごとに2つのチャネルが色データに基づいて選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の3Dカラー印刷のための方法であって、
前記物体の3Dモデルをスライスすることと、
前記3Dモデルのスライスに色データを追加することと、
複数のチャネルを含む印刷ブロックを用いて前記スライスを印刷することであって、前記複数のチャネルは、各々が異なる着色構築材料を有するチャネルと、透明構築材料を有するチャネルとを含み、前記印刷することは、前記印刷ブロックの移動の各目標位置で前記複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することを含み、目標位置ごとの前記2つのチャネルは、前記色データに基づいて選択される、ことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記印刷することは、前記移動の第1の目標位置で透明構築材料と前記着色構築材料のうちの1つとの両方を、前記第1の目標位置における色のうちの前記1つを示す前記色データに基づいて、吐出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記印刷することは、前記移動の第2の目標位置で2つの異なる着色構築材料を、前記第2の目標位置における前記2つの異なる着色構築材料を含むデジタル混合を示す前記色データに基づいて、吐出することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷ブロックは、支持材料を有する2つのチャネルをさらに含み、前記印刷することは、前記移動の第3の目標位置で支持材料の前記2つのチャネルの各々から前記支持材料を吐出することを含む、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記印刷することは、前記移動の第4の目標位置で前記2つのチャネルのうちの1つからの前記支持材料と前記着色構築材料のうちの1つとの両方を吐出することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記印刷ブロックの前記移動の各目標位置で、前記複数のチャネルのうちの2つのチャネルから前記構築材料を吐出することに対応するように前記色データを調整することを含む、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記調整することは、前記着色モデリング材料のうちの1つを規定する前記色データの少なくとも1つのピクセルを、透明モデリング材料を規定するピクセルと置換することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記調整することは、色のデジタル混合を規定するように構成された着色ピクセルのパターンを変更することを含む、請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記色データの各ピクセルの値は、前記複数のチャネルからの規定された一対のチャネルを用いた印刷を示すように構成される、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記色データに基づいて一対の前記スライスから構築材料を同時に吐出することを含む、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記印刷ブロックの移動の各目標位置で前記2つのチャネルから吐出することは、前記一対の一方のスライスの前記色データに基づいて選択された一方のチャネルから吐出することと、前記一対の他方のスライスの前記色データに基づいて選択された他方のチャネルから吐出することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一対の対応するピクセルにおける色の冗長性を排除するように前記一対における前記色データを適合させることを含む、請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
異なる着色構築材料を有する前記チャネルは、シアン、イエロー、マゼンタ、ホワイト及びブラックのモデリング材料を含む、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ホワイトのモデリング材料は、ホワイトのモデリング材料を含むように規定された目標位置に透明モデリング材料を添加するときの色希釈を補償するために、少なくとも1つの他の着色モデリング材料と比較してより高い顔料濃度を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
移動の各目標位置で前記複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することと、移動の各目標位置で前記複数のチャネルのうちの一方のチャネルから構築材料を吐出することとの間で切り替えることを含む、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記切り替えることはユーザ選択に基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記切り替えることは、支持材料を含む2つのチャネルのうちの1つにおける構築材料をモデリング材料で置換することを伴う、請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
物体の3Dカラー印刷のためのシステムであって、
各々が異なる着色構築材料を有する複数のチャネルと、透明構築材料を有するチャネルとを含む少なくとも1つの印刷ヘッドを含む印刷ブロックと、
印刷されるべき前記物体の3Dモデルをスライスし、
前記3Dモデルのスライスに色データを追加する
ように構成されたデータプロセッサと、
前記スライスを印刷することを制御するように構成されたコントローラであって、前記印刷することは、前記印刷ブロックの移動の各目標位置で前記複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することを含み、目標位置ごとの前記2つのチャネルは、前記色データに基づいて選択される、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項19】
前記印刷することは、前記移動の第1の目標位置で透明構築材料と前記着色構築材料のうちの1つとの両方を、前記第1の目標位置における色のうちの前記1つを示す前記色データに基づいて、吐出することを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記印刷することは、前記移動の第2の目標位置で2つの異なる着色構築材料を、前記第2の目標位置における前記2つの異なる着色構築材料を含むデジタル混合を示す前記色データに基づいて、吐出することを含む、請求項18又は請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記印刷ブロックは、支持材料を有する2つのチャネルをさらに含み、前記印刷することは、前記移動の第3の目標位置で支持材料の前記2つのチャネルの各々から前記支持材料を吐出することを含む、請求項18~請求項20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記印刷することは、前記移動の第4の目標位置で前記2つのチャネルのうちの1つからの前記支持材料と前記着色構築材料のうちの1つとの両方を吐出することを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記データプロセッサは、前記印刷ブロックの前記移動の各目標位置で、前記複数のチャネルのうちの2つのチャネルから前記構築材料を吐出することに対応するように前記色データを調整するように構成される、請求項18~請求項22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記調整することは、前記着色モデリング材料のうちの1つを規定する前記色データの少なくとも1つのピクセルを、透明モデリング材料を規定するピクセルと置換することを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記調整することは、色のデジタル混合を規定するように構成された着色ピクセルのパターンを変更することを含む、請求項23又は請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記色データの各ピクセルの値は、前記複数のチャネルからの規定された一対のチャネルを用いた印刷を示すように構成される、請求項18~請求項25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記コントローラは、前記色データに基づいて一対の前記スライスから構築材料を同時に吐出するように構成される、請求項18~請求項25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記印刷ブロックの移動の各目標位置で前記2つのチャネルから吐出することは、前記一対の一方のスライスの前記色データに基づいて選択された一方のチャネルから吐出することと、前記一対の他方のスライスの前記色データに基づいて選択された他方のチャネルから吐出することとを含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記データプロセッサは、前記一対の対応するピクセルにおける色の冗長性を排除するように前記一対における前記色データを適合させるように構成される、請求項27又は請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
異なる着色構築材料を有する前記チャネルは、シアン、イエロー、マゼンタ、ホワイト及びブラックのモデリング材料を含む、請求項18~請求項29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記ホワイトのモデリング材料は、ホワイトのモデリング材料を含むように規定された目標位置に透明モデリング材料を添加するときの色希釈を補償するために、少なくとも1つの他の着色モデリング材料と比較してより高い顔料濃度を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラは、移動の各目標位置で前記複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することと、移動の各目標位置で前記複数のチャネルのうちの一方のチャネルから構築材料を吐出することとの間で切り替えるように構成される、請求項18~請求項31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記切り替えることはユーザ選択に基づく、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記切り替えることは、支持材料を含む2つのチャネルのうちの1つにおける構築材料をモデリング材料で置換することを伴う、請求項32又は請求項33に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年3月30日に出願された米国仮特許出願第63/167,685号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、3次元(3D)印刷に関し、より詳細には、しかし排他的ではなく、スループットが向上した3Dカラー印刷のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3次元(3D)印刷は、コンピュータデータから直接物体を製造することを可能にする技術である。任意の3D印刷システムの基本的な動作は、物体の3Dコンピュータモデルを薄い断面に、例えばスライスにスライスすることと、結果を2次元位置データに変換することと、データを3Dプリンタに供給して層ごとに3D物体を製造することとからなる。2次元位置データは、各層の形状を規定する1又は複数の画像データファイルであってもよい。カラー3D印刷の場合、画像データファイルはまた、層内のピクセルの少なくとも一部の色を規定する。
【0004】
3Dプリンタは、構築材料を堆積させるための1又は複数の印刷ヘッドを担持するキャリッジ又は印刷ブロックを含んでもよい。印刷ヘッドの各々は、1又は複数の構築材料を印刷構造体、すなわち、予め印刷された層であり得るトレイ又は印刷面上に選択的に吐出して、一度に1つの層を形成することができる1又は複数のノズルアレイを有し得る。各ノズルアレイには、選択された構築材料を吐出するためのチャネルから材料を供給し得る。異なる構築材料を吐出するために異なるチャネルを使用し得る。ついで、構築材料に応じて、キャリッジ上に担持されてもよい適切なデバイスを使用して層は硬化又は固化され得る。構築材料は、物体を形成するモデリング材料と、物体が構築されているときに物体を支持する支持材料とを含み得る。異なる種類又は組合せのモデリング材料、例えば異なる着色モデリング材料を使用して、物体を製造し得る。キャリッジは、印刷構造体、すなわちトレイ又は印刷面上を走査、すなわち移動し、構築材料の層をパターン化する。各層は、1又は複数のパス(例えば、各パスは、キャリッジ又は印刷ヘッドの幅程度のY軸に沿った幅を有する)に沿って1又は複数の構築材料を堆積させることによって形成される。特定のパスに沿って構築材料の層を印刷するために、キャリッジは走査方向(例えばX軸)に前進又は移動し、印刷ヘッドは構築材料を選択的に吐出する。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、印刷される3D物体のサイズがいくつかの堆積パスを必要とする場合、キャリッジは、層の追加のパスの上に印刷ヘッドを配置するために交差走査方向(例えばY軸)において移動することができる。層のパスは、パス上のキャリッジの1回の移動で完了してもよく、又はパス上のキャリッジの複数回の移動で完了してもよく、例えば前後1回又は前後2回である。キャリッジは、前の移動で吐出された液滴間に液滴を吐出するために1回のパスの移動の間に交差走査方向にオフセットされてもよく、それによって印刷解像度を高める。
【0005】
3D印刷で物体の製造を完了するのにかかる時間は、印刷されている物体のサイズ、層の厚さ、及び構築材料を同時に吐出(又は堆積)するために利用可能なノズルの数、並びに各ノズルの流量能力を含むパラメータの数に依存し得る。いくつかの既知の3D印刷システムは、ユーザが高速印刷モードを選択することを可能にする。
【0006】
例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる「System and method for depositing liquids」と題する米国特許第9,718,238号は、少量の廃棄物を維持しながら高速印刷モードを提供する印刷ヘッドを開示している。3D印刷システムは、いくつかの印刷材料から物体を印刷するように設計されているが、ユーザは、より少ない数の材料を使用して物体を印刷することを決定することができることが記載されている。例えば、1つのモデリング材料のみを使用して物体を印刷することが望ましいかもしれない。そのような場合、より高速に印刷するために、同じ材料を印刷するために複数のヘッドを使用してもよく、それによって高速印刷モードを提供する。同じ印刷ヘッドによって以前に堆積された材料とは異なる材料を印刷するため印刷ヘッドを使用することが望まれる場合、以前に堆積された材料が除去及び/又は完全に置換されるまで、印刷ヘッド及びそれぞれの供給ダクトを洗浄することがしばしば必要とされる。開示される印刷ヘッドは、互いに制御可能に流体連通する少なくとも2つの区画を含む。区画間の流体連通を確立する能力を維持しながら、区画を別々の液体容器に接続する利点は、同じ材料が2つの異なる区画から堆積されるときに廃棄物の量を大幅に減少させることであることが記載されている。
【発明の概要】
【0007】
3Dプリンタのスループットを高めるための既知の方法は、より高い流れ容量を提供する印刷ヘッドを使用すること、及び/又は、例えば、構築材料ごとに2つのチャネルを使用して、各タイプの構築材料を吐出するために使用されるチャネルの数を増やすことを含む。一般に、より高い流れ容量の印刷ヘッドは、より高いコストに関連する。各種類の構築材料を吐出するために2つのチャネルを使用することに基づいてスループットを増加させることは、モノクロ印刷又は限られた数のモデリング材料、例えば限られた数の色での印刷に実用的であり得るが、物体を構築するために必要な異なるモデリング材料の数が増加すると、例えばフルカラー印刷にはあまり実用的ではないかもしれない。モデリング材料当たりのチャネルの数(例えば、色及び/又は種類)を増加させることはまた、コストの増加、3D印刷システムの複雑さの増加、及び3D印刷システムのフットプリントの増加を伴い、これらはすべて典型的には望ましくない。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態のいくつかの態様によれば、印刷ヘッドを、優れたフロー容量を提供するより高コストの印刷ヘッドと交換する必要がなく、キャリッジに含まれる印刷チャネル及び/又は印刷ヘッドの数を著しく増加させる必要がない、高スループット3Dカラー印刷のためのシステム及び方法が提供される。所望により、3Dカラー印刷のスループットは、本明細書に記載のシステム及び方法に基づいて2倍(又はほぼ2倍)にされ得る。所望により、カラー印刷用に既に構成されているキャリッジ(又は印刷ブロック)に印刷ヘッドを追加する必要なしに、2倍スループット(又はほぼ2倍スループット)の印刷が達成される。所望により、高スループット3Dカラー印刷は、支持材料(S)の2つのチャネルと、透明モデリング材料(T)の1つのチャネルと、例えばホワイト(W)、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の色のセットを含む複数のチャネルとを含む8つのチャネルによって達成される。他の色セットを使用してもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、2つのチャネルは、印刷中にキャリッジの移動ごとに吐出される材料の量を増加させ、したがってスループットを増加させるために、同じ移動にわたって同じ目標位置で材料を選択的に吐出するように構成される。いくつかの典型的な実施形態において、透明モデリング材料又は支持材料が、着色モデリング材料と同じ目標位置に選択的に吐出される。所望により、吐出される透明モデリング材料又は支持材料のパターン及び量は、印刷される最終物体の色品質及び印刷解像度を著しく低下させることなくスループットを増加させるように規定される。いくつかの例示的な実施形態では、2つの異なる着色モデリング材料を同じ目標位置に選択的に吐出して、所望のデジタル混合色を提供する。いくつかの例示的な実施形態によれば、システム及び方法は、目標位置ごとに1つの吐出された液滴を有する標準的なカラー印刷モードと、目標位置ごとに2つの吐出された液滴を有する高スループットカラー印刷モードとの間での動作の切り替えを提供する。所望により、切り替えることはユーザ選択に基づく。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態の一態様によれば、物体の3Dカラー印刷のための方法が提供され、方法は、物体の3Dモデルをスライスすることと、3Dモデルのスライスに色データを追加することと、複数のチャネルを含む印刷ブロックを用いてスライスを印刷することであって、複数のチャネルは、各々が異なる着色構築材料を有するチャネルと、透明構築材料を有するチャネルとを含み、印刷することは、印刷ブロックの移動の各目標位置で複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することを含み、目標位置ごとの2つのチャネルは、色データに基づいて選択される、ことと、を含む。
【0010】
所望により、印刷することは、移動の第1の目標位置で透明構築材料と着色構築材料のうちの1つとの両方を、第1の目標位置における色のうちの1つを示す色データに基づいて、吐出することを含む。
【0011】
所望により、印刷することは、移動の第2の目標位置で2つの異なる着色構築材料を、第2の目標位置における2つの異なる着色構築材料を含むデジタル混合を示す色データに基づいて、吐出することを含む。
【0012】
所望により、印刷ブロックは、支持材料を有する2つのチャネルをさらに含み、印刷することは、移動の第3の目標位置において支持材料の2つのチャネルの各々から支持材料を吐出することを含む。
【0013】
所望により、印刷することは、移動の第4の目標位置で2つのチャネルのうちの1つからの支持材料と着色構築材料のうちの1つとの両方を吐出することを含む。
【0014】
所望により、方法は、印刷ブロックの移動の各目標位置で、複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することに対応するように色データを調整することを含む。
【0015】
所望により、調整することは、着色モデリング材料のうちの1つを規定する色データの少なくとも1つのピクセルを、透明モデリング材料を規定するピクセルと置換することを含む。
【0016】
所望により、調整することは、色のデジタル混合を規定するように構成された着色ピクセルのパターンを変更することを含む。
【0017】
所望により、色データの各ピクセルの値は、複数のチャネルからの規定された一対のチャネルを用いた印刷を示すように構成される。
【0018】
所望により、方法は、色データに基づいて一対のスライスから構築材料を同時に吐出することを含む。
【0019】
所望により、印刷ブロックの移動の各目標位置で2つのチャネルから吐出することは、一対の一方のスライスの色データに基づいて選択された一方のチャネルから吐出することと、一対の他方のスライスの色データに基づいて選択された他方のチャネルから吐出することとを含む。
【0020】
所望により、方法は、一対の対応するピクセルにおける色の冗長性を排除するように一対における色データを適合させることを含む。
【0021】
所望により、異なる着色構築材料を有するチャネルは、シアン、イエロー、マゼンタ、ホワイト及びブラックのモデリング材料を含む。
【0022】
所望により、ホワイトのモデリング材料は、ホワイトのモデリング材料を含むように規定された目標位置に透明モデリング材料を添加するときの色希釈を補償するために、少なくとも1つの他の着色モデリング材料と比較してより高い顔料濃度を含む。
【0023】
所望により、方法は、移動の各目標位置で複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することと、移動の各目標位置で複数のチャネルのうちの一方のチャネルから構築材料を吐出することとの間で切り替えることを含む。
【0024】
所望により、切り替えることはユーザ選択に基づく。
【0025】
所望により、切り替えることは、支持材料を含む2つのチャネルのうちの1つにおける構築材料をモデリング材料で置換することを伴う。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態の一態様によれば、物体の3Dカラー印刷のためのシステムが提供され、システムは、各々が異なる着色構築材料を有する複数のチャネルと、透明構築材料を有するチャネルとを含む少なくとも1つの印刷ヘッドを含む印刷ブロックと、印刷されるべき物体の3Dモデルをスライスし、3Dモデルのスライスに色データを追加するように構成されたデータプロセッサと、スライスを印刷することを制御するように構成されたコントローラであって、印刷することは、印刷ブロックの移動の各目標位置で複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することを含み、目標位置ごとの2つのチャネルは、色データに基づいて選択される、コントローラと、を備える。
【0027】
所望により、印刷することは、移動の第1の目標位置で透明構築材料と着色構築材料のうちの1つとの両方を、第1の目標位置における色のうちの1つを示す色データに基づいて、吐出することを含む。
【0028】
所望により、印刷することは、移動の第2の目標位置で2つの異なる着色構築材料を、第2の目標位置における2つの異なる着色構築材料を含むデジタル混合を示す色データに基づいて、吐出することを含む。
【0029】
所望により、印刷ブロックは、支持材料を有する2つのチャネルをさらに含み、印刷することは、移動の第3の目標位置において支持材料の2つのチャネルの各々から支持材料を吐出することを含む。
【0030】
所望により、印刷することは、移動の第4の目標位置で2つのチャネルのうちの1つからの支持材料と着色構築材料のうちの1つとの両方を吐出することを含む。
【0031】
所望により、データプロセッサは、印刷ブロックの移動の各目標位置で、複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することに対応するように色データを調整するように構成される。
【0032】
所望により、調整することは、着色モデリング材料のうちの1つを規定する色データの少なくとも1つのピクセルを、透明モデリング材料を規定するピクセルと置換することを含む。
【0033】
所望により、調整することは、色のデジタル混合を規定するように構成された着色ピクセルのパターンを変更することを含む。
【0034】
所望により、色データの各ピクセルの値は、複数のチャネルからの規定された一対のチャネルを用いた印刷を示すように構成される。
【0035】
所望により、コントローラは、色データに基づいて一対のスライスから構築材料を同時に吐出するように構成される。
【0036】
所望により、印刷ブロックの移動の各目標位置で2つのチャネルから吐出することは、一対の一方のスライスの色データに基づいて選択された一方のチャネルから吐出することと、一対の他方のスライスの色データに基づいて選択された他方のチャネルから吐出することとを含む。
【0037】
所望により、データプロセッサは、一対の対応するピクセルにおける色の冗長性を排除するように一対における色データを適合させるように構成される。
【0038】
所望により、異なる着色構築材料を有するチャネルは、シアン、イエロー、マゼンタ、ホワイト及びブラックのモデリング材料を含む。
【0039】
所望により、ホワイトのモデリング材料は、ホワイトのモデリング材料を含むように規定された目標位置に透明モデリング材料を添加するときの色希釈を補償するために、少なくとも1つの他の着色モデリング材料と比較してより高い顔料濃度を含む。
【0040】
所望により、コントローラは、移動の各目標位置で複数のチャネルのうちの2つのチャネルから構築材料を吐出することと、移動の各目標位置で複数のチャネルのうちの一方のチャネルから構築材料を吐出することとの間で切り替えるように構成される。
【0041】
所望により、切り替えることはユーザ選択に基づく。
【0042】
所望により、切り替えることは、支持材料を含む2つのチャネルのうちの1つにおける構築材料をモデリング材料で置換することを伴う。
【0043】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と類似又は同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実施又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面及び画像を参照して、単なる例として本明細書に記載されている。ここで詳細に図面及び画像を特に参照すると、示されている詳細は例としてのものであり、本発明の実施形態の例示的な説明のためのものであることが強調される。この点に関して、図面及び画像を用いてなされた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1A】いくつかの例示的な実施形態による3D印刷システムの概略図である。
【
図1B】いくつかの例示的な実施形態による3D印刷システムの概略図である。
【
図1C】いくつかの例示的な実施形態による3D印刷システムの概略図である。
【
図1D】いくつかの例示的な実施形態による3D印刷システムの概略図である。
【
図2A】いくつかの例示的な実施形態による印刷ヘッドの概略図である。
【
図2B】いくつかの例示的な実施形態による印刷ヘッドの概略図である。
【
図2C】いくつかの例示的な実施形態による印刷ヘッドの概略図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による座標変換を示す概略図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による座標変換を示す概略図である。
【
図4】いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷のための印刷ヘッドのセットを含む例示的なキャリッジの簡略図である。
【
図5A】いくつかの例示的な実施形態による印刷ブロックの例示的な移動パスの簡略図である。
【
図5B】いくつかの例示的な実施形態による印刷ブロックの例示的な移動パスの簡略図である。
【
図6A】いくつかの例示的な実施形態による、複数の移動にわたって二重層を同時に形成するための例示的な吐出パターンのタイムラプス概略図である。
【
図6B】いくつかの例示的な実施形態による、複数の移動にわたって二重層を同時に形成するための例示的な吐出パターンのタイムラプス概略図である。
【
図7】いくつかの例示的な実施形態による二重層高スループットカラー印刷のための色データ変換方式の概略図である。
【
図8A】いくつかの例示的な実施形態による色のデジタル混合を印刷するための例示的なパターン変換方式の概略図である。
【
図8B】いくつかの例示的な実施形態による色のデジタル混合を印刷するための例示的なパターン変換方式の概略図である。
【
図9】高スループットカラー印刷のための例示的な方法の簡略化されたフローチャートである。
【
図10】いくつかの例示的な実施形態による3Dプリンタの単一の移動にわたって同じ目標位置で吐出され得る構築材料の例示的な対を示すチャートである。
【
図11】いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷のための別の例示的な方法の簡略化されたフローチャートである。
【
図12】いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷のための印刷ヘッドによって堆積されるべき構築材料の別の例示的なセットの簡略図である。
【
図13】いくつかの例示的な実施形態による、通常スループットカラー印刷と高スループットカラー印刷とを選択的に切り替えるための例示的な方法の簡略化されたフローチャートである。
【
図14A】従来技術で知られているような標準的な3Dカラー印刷で印刷された例示的な物体の画像である。
【
図14B】いくつかの例示的な実施形態による高スループット3Dカラー印刷で印刷された例示的な物体の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、3次元(3D)カラー印刷に関し、より詳細には、しかし排他的ではなく、スループットが向上した3Dカラー印刷のためのシステム及び方法に関する。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態の一態様によれば、3Dプリンタの移動ごとに吐出され得る液滴の数を2倍にすることに基づいて高スループット3Dカラー印刷を提供する3D印刷システムが提供される。いくつかの例示的な実施形態によれば、2倍吐出は、同じ移動にわたって同じ位置にある(同じ印刷ヘッド又は2つの異なる印刷ヘッドに属する)2つの異なる印刷ヘッドチャネルから構築材料を吐出することによって達成される。いくつかの例示的な実施形態によれば、高スループット3Dカラー印刷は、透明モデリング材料を吐出するための1つのチャネルと、異なる着色モデリング材料を吐出するための複数のチャネル、例えば色ごとに1つのチャネルと、両方とも支持材料を吐出する2つのチャネルとを含むキャリッジによって達成される。所望により、着色モデリング材料を吐出するためのチャネルは、W、K、C、Y及びM着色材料のチャネルを含む。他の例では、カラー印刷を提供するために異なる色のセットが使用される。各チャネルからの材料は、ノズルアレイを介して吐出されてもよい。
【0048】
いくつかの例示的な実施形態によれば、二重吐出、例えば同じ位置の2つの別個のチャネルからの吐出は、2つの異なるチャネルから吐出される1又は複数の支持材料、又は透明モデリング材料若しくは支持材料と対になった着色モデリング材料を含んでもよく、各材料は異なるチャネルから吐出され、又は一対の異なる着色モデリング材料を含んでもよく、各材料は異なるチャネルから吐出される。一対の異なる着色モデリング材料は、所望のデジタル混合色を提供するように選択されてもよい。
【0049】
目標位置での二重チャネル吐出(2つの別個のチャネルからの二重滴下)は、層の厚さの増加に基づいて、又はパスを完了するために使用される移動の数の減少に基づいて、かつ印刷の解像度を損なうことなく、例えば1インチ当たりのドット数(DPI)を損なうことなく、物体が印刷される速度を増加させ得る。例えば、標準的な3Dカラー印刷モードは、単一の層、例えば、パスごとに4回の移動を有する27μmの層を形成することを提供し得る。比較すると、本明細書に記載の高スループットモードは、二重層、例えば55μmの層をパス当たり4回の移動で形成することを提供してもよく、又は単一層、例えば27μmの層をパス当たり2回の移動で形成することを提供してもよい。両方のオプションは、同じDPI数でフルカラー印刷を提供し得る。
【0050】
いくつかの例示的な実施形態によれば、高スループット3Dカラー印刷モードでは、3D印刷システムは、同時に印刷される隣接するスライスの対を規定する。いくつかの例示的な実施形態によれば、連続するスライスの対における色データは、同じ移動にわたって同じ位置に材料を堆積させるために同じチャネルを2回使用することを必要とする状況を回避するように調整される。いくつかの例示的な実施形態では、隣接するスライスの一対におけるピクセル、例えば画像データファイルを比較してもよく、隣接する層の一対の同時印刷に対応するために、画像データファイルの一対のうちの1又は複数で調整を行ってもよい。例えば、一対の層の色データが元々同じモデリング材料、例えば画像データファイルの同じ位置で同じ色を規定する場合、層のうちの1つの色データは、その位置で同じ色のモデリング材料(又は着色モデリング材料)の代わりに透明モデリング材料又は支持材料を使用することを示すように調整されてもよい。別の例では、両方のスライスが同じ位置で支持材料を規定する場合、画像データファイルは、その位置で各層の支持材料のための異なる、例えば第2のチャネルを規定するように調整されてもよい。さらに別の例では、データが、キャリッジ内で利用可能な色の混合、例えば2つの色の混合である色を規定する場合、画像データファイルは、同じ位置の層間で色が重ならないように色を配置してもよい。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態によれば、3Dプリンタに提供される画像データファイルは、ピクセルごとに個々の色ではなく、色(又はチャネル)の対を規定してもよい。所望により、色(又はチャネル)の各対には、対を規定する値が割り当てられてもよい。所望により、印刷システムは、チャネルのすべての可能な対を列挙するテーブル(又はリスト)、例えば、同じ位置に材料を堆積させるために使用され得るすべての可能な値を記憶し、画像データファイルの各ピクセルは、単一の色(又はチャネル)の代わりに一対の色(又はチャネル)に対応する値を割り当てられる。そのような実施形態では、スライスの各位置に単一の色が割り当てられたn個のスライスのセットで元々記述されていた印刷される3Dモデルは、n/2個のスライスのセットと、スライスの各単一位置に割り当てられた一対の色で記述することができる。これは、3D印刷システムによって処理されるデータの量を低減するとともに、計算時間及び/又は印刷時間を短縮するのに特に有利であり得る。
【0052】
所望により、画像データファイル内のピクセルは、複数のモデリング材料液滴、例えば4つのモデリング材料液滴又は4つを超える液滴で形成されてもよい。所望により、ピクセルは、異なるチャネルからの複数の液滴で形成され得るデジタル色を規定する。所望により、複数の液滴のパターンは、モデリング材料間の重なり合いを回避するように規定されてもよい。所望により、重なり合わないように、透明モデリング材料を複数の液滴に統合してもよい。所望により、透明モデリング材料は、所望の色品質を達成するために、及び/又は1又は複数の着色モデリング材料を透明モデリング材料で置換することに基づいて生じ得る色品質の変化を低減するために、印刷されているモデルに選択的に統合されてもよい。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、1又は複数のモデリング材料配合物は、その色を含むように規定された目標位置に透明モデリング材料を添加するときに起こり得る希釈を補償するために、顔料濃度の増加を含む。本発明者らは、白色がベタ色として印刷されることが多いため、本明細書に記載のように高スループットモードで印刷する場合、白色モデリングが透明材料としばしば混合され得ることを見出した。本発明者らは、他の色、例えばC、M、Y、及びKが典型的には、デジタル混合色の一部としてモデルに現れ、したがって透明材料の実質的な追加を必要としないことを見出した。所望により、白色モデリング材料は、高スループット3Dカラー印刷モード中に生じると予想され得る希釈を少なくとも部分的に補償するために、顔料濃度が増加した白色モデリング材料であってもよい。
【0054】
いくつかの例示的な実施形態によれば、標準的な3Dカラー印刷及び高スループット3Dカラー印刷を含む異なるモードで印刷を提供するように構成された3D印刷システムが提供される。いくつかの例示的な実施形態では、標準的な3Dカラー印刷中に、チャネルの1つのみが支持材料を含み、高スループット3Dカラー印刷中に、2つのチャネルが支持材料を含む。所望により、モード間の切り替えは、支持材料を吐出することと、選択されたモデリング材料を吐出することとを切り替えるために、チャネルのうちの1つをフラッシングすることを伴ってもよい。選択されたモデリング材料は、所望により、可撓性、剛性、透明及び/又は着色モデリング材料であってもよい。選択されたモデリング材料は、例えば、Stratasys Ltd.Vero(登録商標)、VeroUltra(登録商標)、又はAgilus30(登録商標)材料ファミリー(例えば、VeroUltra(登録商標)Clear)から選択される材料であってもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、モード間の切り替えは、個々のスライス内のピクセルを規定するために使用されるアルゴリズムの切り替えを伴う。
【0055】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載され、及び/又は図面及び/又は実施例に示される構成要素及び/又は方法の構造及び配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、又は様々な方法で実施又は実行することができる。
【0056】
本実施形態の方法及びシステムは、物体の形状に対応する構成されたパターンで複数の層を形成することによって、層ごとにコンピュータ物体データに基づいて3次元物体を製造する。コンピュータオブジェクトデータは、限定はしないが、標準テッセレーション言語(STL)又はステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、OBJファイルフォーマット(OBJ)、3D製造フォーマット(3MF)、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又はコンピュータ支援設計(CAD)に適した任意の他のフォーマットを含む、任意の既知のフォーマットとすることができる。
【0057】
本明細書で使用される「物体」という用語は、物体全体又はその一部を指す。
【0058】
各層は、本明細書ではトレイとも呼ばれる2次元表面又は作業表面(これは、前の既に印刷された層を含むことができる)を走査し、その上に層をパターン化する3Dプリンタによって形成される。走査中、3Dプリンタは、表面上の複数の目標位置を訪問し、各目標位置又は目標位置のグループについて、目標位置又は目標位置のグループが構築材料配合物によって占められるべきかどうか、及びどのタイプの構築材料配合物がそこに送達されるべきかを決定する。決定は、表面上にパターン化されるべき層のコンピュータ画像に従って行われる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、3Dプリンタはインクジェット印刷を含む。これらの実施形態では、印刷構造体、すなわち印刷面又はトレイ上に層状に構築材料を堆積させるために、1又は複数のノズルアレイを有するインクジェット印刷ヘッドから構築材料が吐出される。したがって、3Dプリンタは、占有されるべき目標位置に構築材料を吐出し、他の目標位置を空に残す。3Dプリンタは、典型的には、1又は複数のノズルアレイを有する複数の印刷ヘッドを含み、その各々は、異なる構築材料を吐出するように構成することができる。これは、典型的には、互いに分離された複数の流体チャネルを印刷ヘッドに設けることによって達成され、各流体チャネルは、別個の入口を介して異なる構築材料を受け取り、それを異なるノズルアレイに搬送する。
【0060】
したがって、異なる目標位置は、異なる構築材料配合物によって占有され得る。構築材料配合物のタイプは、2つの主要なカテゴリー、すなわち、モデリング材料配合物及び支持材料配合物に分類することができる。支持材料配合物は、製造プロセス及び/又は他の目的、例えば、中空又は多孔性の物体を提供する間に物体又は物体部分を支持するための支持マトリックス又は支持構造として機能する。支持構造は、例えばさらなる支持強度のために、モデリング材料配合物要素をさらに含み得る。
【0061】
モデリング材料配合物は、一般に、3D印刷に使用するために配合され、単独で、すなわち、任意の他の物質と混合又は組み合わせる必要なく、3次元物体を形成することができる組成物である。
【0062】
最終的な3次元物体は、モデリング材料配合物、又はモデリング材料配合物若しくはモデリング材料配合物及び支持材料配合物の組合せ、又はそれらの修正(例えば、硬化後)で作製される。これらの動作はすべて、固体自由造形の当業者に周知である。
【0063】
本発明のいくつかの例示的な実施形態では、物体は、2つ以上の異なるモデリング材料配合物を吐出することによって製造され、各材料配合物は、3Dプリンタの(同じ又は異なる印刷ヘッドに属する)異なるノズルアレイからのものである。いくつかの実施形態では、異なるモデリング材料配合物を吐出する2つ以上のそのようなノズルアレイは、いずれも3Dプリンタの同じ印刷ヘッドに配置される。いくつかの実施形態において、異なるモデリング材料配合物を吐出するノズルアレイは、別々の印刷ヘッドに配置され、例えば、第1のモデリング材料配合物を吐出する第1のノズルアレイは、第1の印刷ヘッドに配置され、第2のモデリング材料配合物を吐出する第2のノズルアレイは、第2の印刷ヘッドに配置される。
【0064】
いくつかの実施形態において、モデリング材料配合物を吐出するノズルアレイと、支持材料配合物を吐出するノズルアレイとは、両方とも同じ印刷ヘッドに配置される。いくつかの実施形態において、モデリング材料配合物を吐出するノズルアレイと、支持材料配合物を吐出するノズルアレイとは、別々の印刷ヘッドに各々配置される。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態による物体200の印刷に適した3D印刷システム10の代表的で非限定的な例を
図1Aに示す。システム10は、複数の印刷ヘッドを備える吐出ユニット16を有する3Dプリンタ100を備える。各ヘッドは、好ましくは、後述の
図2A~
図2Cに示すように、典型的にはオリフィスプレートに取り付けられた1又は複数のノズルアレイ122を備え、それを通して液体構築材料配合物が吐出される。
【0066】
各印刷ヘッドには、所望により、好ましくは、温度コントローラ(例えば、温度センサ及び/又は加熱装置)及び材料配合物レベルセンサを所望により含み得る1又は複数の構築材料配合物リザーバを介して供給される。構築材料配合物を吐出するために、例えば圧電インクジェット印刷技術におけるように、印刷ヘッドノズルを介して材料配合物の液滴を選択的に堆積させるために印刷ヘッドに電圧信号が印加される。別の例は、サーマルインクジェット印刷ヘッドを含む。これらのタイプのヘッドには、電圧信号によるヒータ要素の作動時に、構築材料配合物を加熱してその中に気泡を形成するために、構築材料配合物と熱接触するヒータ要素がある。気泡は、構築材料配合物中に圧力を発生させ、構築材料配合物の液滴をノズルから放出させる。圧電及びサーマル印刷ヘッドは、固体自由造形の当業者に知られている。任意のタイプのインクジェット印刷ヘッドについて、ヘッドの吐出速度は、ノズルの数、ノズルのタイプ、及び印加電圧信号速度(周波数)に依存する。
【0067】
所望により、吐出ノズル又は吐出ノズルアレイの総数は、吐出ノズルの半数が、支持材料配合物を吐出するために指定され、吐出ノズルの半数が、モデリング材料配合物を吐出するために指定されるように選択され、すなわち、モデリング材料配合物を噴射するノズルの数は、支持材料配合物を噴射するノズルの数と同じである。
図1Aの代表例では、4つの印刷ヘッド16a、16b、16c及び16dを示している。印刷ヘッド16a、16b、16c及び16dの各々は、ノズルアレイ122を有している。この実施例において、印刷ヘッド16a及び16bは、モデリング材料配合物のために指定することができ、印刷ヘッド16c及び16dは、支持材料配合物のために指定することができる。したがって、印刷ヘッド16aは、あるモデリング材料配合物を吐出することができ、ヘッド16bは、別のモデリング材料配合物を吐出することができ、ヘッド16c及び16dは両方とも、支持材料配合物を吐出することができる。代替的な実施形態において、ヘッド16c及び16dは、例えば、支持材料配合物を堆積させるための2つのノズルアレイを有する単一のヘッドにおいて組み合わされてもよい。さらなる代替的な実施形態において、任意の1又は複数の印刷ヘッドは、2つ以上の材料配合物を堆積させるための2つ以上のノズルアレイ、例えば、2つの異なるモデリング材料配合物又はモデリング材料配合物及び支持材料配合物を堆積させるための2つのノズルアレイ(すなわち、デュアルチャネル印刷ヘッド)を有してもよく、各配合物は、異なるアレイ又は数のノズルを介している。
【0068】
しかし、本発明の範囲を限定するものではなく、モデリング材料配合物印刷ヘッド(モデリングヘッド)の数と、支持材料配合物印刷ヘッド(支持ヘッド)の数とは、異なっていてもよい。一般に、モデリング材料配合物を吐出するノズルアレイの数、支持材料配合物を吐出するノズルアレイの数、及び各それぞれのアレイにおけるノズルの数は、支持材料配合物の最大吐出速度とモデリング材料配合物の最大吐出速度との間の所定の比aを提供するように選択される。所定の比aの値は、好ましくは、形成された各層において、モデリング材料配合物の高さが支持材料配合物の高さに等しくなるように選択される。aの典型的な値は、約0.6~約1.5である。
【0069】
本明細書全体で使用される場合、用語「約」は±10%を指す。
【0070】
例えば、a=1の場合、支持材料配合物の全体的な吐出速度は、一般に、すべてのノズルアレイが動作するときのモデリング材料配合物の全体的な吐出速度と同じである。
【0071】
3Dプリンタ100は、例えば、各々がp個のノズルのm個のアレイを有するM個のモデリングヘッドと、各々がq個のノズルのs個のアレイを有するS個の支持ヘッドとを、M×m×p=S×s×qとなるように備えることができる。M×m個のモデリングアレイ及びS×s個の支持アレイの各々は、アレイのグループから組立て及び分解することができる別個の物理的ユニットとして製造することができる。この実施形態では、そのような各アレイは、所望により、好ましくは、それ自体の温度コントローラ及び材料配合物レベルセンサを備え、その動作のために個別に制御された電圧を受信する。
【0072】
3Dプリンタ100は、堆積された材料配合物を固め得る光、熱などを放出するように構成された任意のデバイスを含むことができる固化デバイス18をさらに備えることができる。例えば、固化デバイス18は、使用されるモデリング材料配合物に応じて、例えば紫外線若しくは可視若しくは赤外線ランプ、又は他の電磁放射源、又は電子ビーム源であり得る、1又は複数の放射源を備えることができる。本発明のいくつかの実施形態では、固化デバイス18は、モデリング材料配合物を硬化又は固化させるのに役立つ。
【0073】
固化デバイス18に加えて、3Dプリンタ100は、所望により、好ましくは、溶媒蒸発のための追加の放射源(図示せず)を備える。放射源は、所望により、好ましくは赤外線を発生させる。本発明の様々な例示的な実施形態では、固化デバイス18は、紫外線を発生する放射源を備える。放射源18は、所望により、赤外線を発生させる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、3Dプリンタ100は、1又は複数のファンなどの冷却システム(図示せず)を備える。
【0075】
印刷ヘッド及び放射源は、好ましくは、作業面として機能するトレイ12上を往復移動するように好ましくは動作するフレーム又はブロック50内に取り付けられる。本発明のいくつかの実施形態では、放射源は、印刷ヘッドの後に続いて、印刷ヘッドによって吐出されたばかりの材料配合物を少なくとも部分的に硬化又は固化させるように、ブロックに取り付けられる。トレイ12は水平に配置されている。一般的な慣例によれば、X-Y平面がトレイ12に平行になるように、X-Y-Zデカルト座標系が選択される。トレイ12は、好ましくは、鉛直に(Z方向に沿って)、典型的には下方に移動するように構成される。本発明の様々な例示的な実施形態では、3Dプリンタ100は、1又は複数のレベリングデバイス32をさらに備える。所望により、レベリングデバイスはローラ37を含む。レベリングデバイス32は、その上に連続層を形成する前に、新たに形成された層の厚さを直線化し、平坦化し、及び/又は確立するのに役立つ。レベリングデバイス32は、好ましくは、レベリング中に生成された過剰な材料配合物を収集するための廃棄物収集デバイス36を含む。廃棄物収集デバイス36は、材料配合物を廃棄物タンク又は廃棄物カートリッジに送達する任意の機構を備え得る。
【0076】
使用中、吐出ユニット16の印刷ヘッドは、本明細書ではX方向と呼ばれる走査方向に移動し、トレイ12上を通過する過程で所定の構成で構築材料配合物を選択的に吐出する。構築材料配合物は、典型的には、1又は複数のタイプの支持材料配合物及び1又は複数のタイプのモデリング材料配合物を含む。吐出ユニット16の印刷ヘッドの通過に続いて、放射源18によるモデリング材料配合物の硬化が続く。堆積したばかりの層の開始点に戻るヘッドの逆方向の通過において、所定の構成に従って、構築材料配合物の追加の吐出を実行することができる。印刷ヘッドの順方向及び/又は逆方向の通過において、このように形成された層は、好ましくは印刷ヘッドの順方向及び/又は逆方向の移動の経路をたどるレベリングデバイス32によって直線化されてもよい。印刷ヘッドがX方向に沿ってそれらの開始点に戻ると、それらは、本明細書ではY方向と呼ばれるインデックス方向に沿って別の位置に移動し、X方向に沿った往復移動によって同じ層を構築し続け得る。あるいは、印刷ヘッドは、順方向の移動と逆方向の移動との間で、又は2つ以上の順方向の移動の後にY方向に移動してもよい。単一の層を完成させるために印刷ヘッドによって実行される一連の走査は、本明細書では単一の走査サイクルと呼ばれる。
【0077】
層が完成すると、トレイ12は、その後に印刷される層の所望の厚さに応じて、所定のZレベルまでZ方向に下げられる。これを繰り返すことにより、3次元物体200を層状に形成する。
【0078】
別の実施形態では、トレイ12は、層内で、吐出ユニット16の印刷ヘッドの順方向通過と逆方向通過との間でZ方向に変位されてもよい。このようなZ変位は、例えば、レベリングデバイスが表面に一方向に接触するために、及び他方向に接触することを防止するために行われる。
【0079】
システム10は、構築材料配合物容器又はカートリッジを備え、複数の構築材料配合物を3Dプリンタ100に供給する構築材料配合物供給システム42を所望により、好ましくは備える。
【0080】
コントローラ20は、3Dプリンタ100を制御し、所望により、好ましくは供給システム42も制御する。コントローラ20は、典型的には、制御動作を実行するように構成された電子回路を含む。コントローラ20は、好ましくは、例えば標準テッセレーション言語(STL)フォーマットなどの形態でコンピュータ可読媒体上に表されるCAD構成などのコンピュータオブジェクトデータに基づく製造命令に関するデジタルデータを送信するデータプロセッサ24と通信する。典型的には、コントローラ20は、各印刷ヘッド又は各ノズルアレイに印加される電圧及びそれぞれの印刷ヘッド又はそれぞれのノズルアレイにおける構築材料配合物の温度を制御する。
【0081】
製造データがコントローラ20にロードされると、それはユーザの介入なしに動作することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ20は、例えばデータプロセッサ24を使用して、又はコントローラ20と通信するユーザインターフェース116を使用して、オペレータから追加の入力を受信する。ユーザインターフェース116は、これらに限定されないが、キーボード、タッチスクリーンなど、当技術分野で知られている任意の種類のものとすることができる。例えば、コントローラ20は、追加の入力として、限定はしないが、色、特性歪み及び/又は転移温度、粘度、電気的特性、磁気的特性などの、1又は複数の構築材料配合物の種類及び/又は属性を受信することができる。他の属性及び属性群も考えられる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態による物体の3D印刷に適したシステム10の別の代表的で非限定的な例を
図1B~
図1Dに示す。
図1B~
図1Dは、システム10’の上面図(
図1B)、側面図(
図1C)及び等角図(
図1D)を示す。
【0083】
本実施形態において、システム10’は、トレイ12’及び複数のインクジェット印刷ヘッド16を含む吐出ユニットを備え、各インクジェット印刷ヘッドは、それぞれ1又は複数の分離されたノズルを有する1又は複数のノズルアレイを有する。3次元印刷に使用される材料は、構築材料供給システム42によって吐出ユニットに供給される。トレイ12’は、ディスクの形状を有することができ、又は環状であることができる。鉛直軸を中心に回転させることができる限り、非円形形状も考えられる。
【0084】
トレイ12’及び印刷ヘッド16は、トレイ12’と印刷ヘッド16との間の相対的な回転運動を可能にするように、所望により好ましくは取り付けられる。これは、(i)印刷ヘッド16に対して鉛直軸14を中心に回転するようにトレイ12’を構成すること、(ii)トレイ12’に対して鉛直軸14を中心に回転するように印刷ヘッド16を構成すること、又は(iii)鉛直軸14を中心に異なる回転速度(例えば、反対方向の回転)で回転するようにトレイ12’及び印刷ヘッド16の両方を構成することによって達成されることができる。システム10’のいくつかの実施形態は、構成(i)に特に重点を置いて以下に説明されており、トレイは、印刷ヘッド16に対して鉛直軸14を中心に回転するように構成された回転トレイであるが、本出願は、システム10’の構成(ii)及び(iii)も企図していることを理解されたい。本明細書に記載のシステム10’の実施形態のいずれかは、構成(ii)及び(iii)のいずれかに適用可能であるように調整することができ、本明細書に記載の詳細を提供される当業者であれば、そのような調整を行う方法を知っているであろう。
【0085】
以下の説明では、トレイ12’に平行で軸14から外側を向く方向を半径方向rと呼び、トレイ12’に平行で半径方向rに垂直な方向を本明細書では方位角方向φと呼び、トレイ12’に垂直な方向を本明細書では鉛直方向zと呼ぶ。
【0086】
本明細書で使用される「半径方向位置」という用語は、軸14から特定の距離にあるトレイ12’上又は上方の位置を指す。この用語が印刷ヘッドに関連して使用される場合、この用語は、軸14から特定の距離にあるヘッドの位置を指す。この用語がトレイ12’上の点に関連して使用される場合、この用語は、その半径が軸14からの特定の距離であり、その中心が軸14にある円である点の軌跡に属する任意の点に対応する。
【0087】
本明細書で使用される「方位角位置」という用語は、所定の基準点に対して特定の方位角にあるトレイ12’上又は上方の位置を指す。したがって、半径位置は、基準点に対して特定の方位角を形成する直線である点の軌跡に属する任意の点を指す。
【0088】
本明細書で使用される「鉛直位置」という用語は、特定の点で鉛直軸14と交差する平面上の位置を指す。
【0089】
トレイ12’は、3次元印刷の構築プラットフォームとして機能する。1又は複数の物体が印刷される作業領域は、必ずしもそうである必要はないが、典型的には、トレイ12’の総面積よりも小さい。本発明のいくつかの実施形態では、作業領域は環状である。作業領域は26で示されている。本発明のいくつかの実施形態では、トレイ12’は、物体の形成を通して同じ方向に連続的に回転し、本発明のいくつかの実施形態では、トレイは、物体の形成中に少なくとも1回(例えば、振動的に)回転方向を逆転させる。トレイ12’は、所望により、好ましくは取り外し可能である。トレイ12’を取り外すことは、システム10’のメンテナンスのため、又は必要に応じて、新しい物体を印刷する前にトレイを交換するためであり得る。本発明のいくつかの実施形態では、システム10’には、1又は複数の異なる交換トレイ(例えば、交換トレイのキット)が設けられ、異なる種類の物体(例えば、異なる重さ)に対して2つ以上のトレイが指定され、異なる動作モード(例えば、異なる回転速度)などがある。トレイ12’の交換は、必要に応じて手動又は自動で行うことができる。自動交換が使用される場合、システム10’は、印刷ヘッド16の下方のその位置からトレイ12’を取り外し、それを交換トレイ(図示せず)と交換するように構成されたトレイ交換デバイス36を備える。
図1Bの代表的な図では、トレイ交換デバイス36は、トレイ12’を引っ張るように構成された可動アーム40を有する駆動装置38として示されているが、他のタイプのトレイ交換デバイスも考えられる。
【0090】
印刷ヘッド16の例示的な実施形態を
図2A~
図2Cに示す。これらの実施形態は、システム10及びシステム10’を含むがこれらに限定されない、上述の3D印刷システムのいずれかに使用することができる。
【0091】
図2A~
図2Bは、1つ(
図2A)及び2つ(
図2B)のノズルアレイ122を有する吐出ユニットの印刷ヘッド16を示す。アレイ内のノズルは、好ましくは直線に沿って線状に整列される。特定の印刷ヘッドが2つ以上の線状ノズルアレイを有する実施形態では、ノズルアレイは、所望により、好ましくは互いに平行であり得る。印刷ヘッドが2つ以上のノズルアレイ(例えば、
図2B)を有する場合、ヘッドのすべてのアレイに同じ構築材料配合物を供給することができ、又は同じヘッドの少なくとも2つのアレイに異なる構築材料配合物を供給することができる。
【0092】
システム10と同様のシステムが使用される場合、吐出ユニット内のすべての印刷ヘッド16は、所望により、好ましくは、走査方向に沿った位置が互いにオフセットされた状態でインデックス方向に沿って配向される。
【0093】
システム10’と同様のシステムが使用される場合、すべての印刷ヘッド16は、所望により、好ましくは、それらの方位角位置が互いにオフセットされた状態で半径方向に(半径方向に平行に)配向される。したがって、これらの実施形態では、異なる印刷ヘッドのノズルアレイは、互いに平行ではなく、むしろ互いにある角度であり、その角度は、それぞれのヘッド間の方位角オフセットにほぼ等しい。例えば、1つのヘッドを半径方向に配向し、方位角位置φ1に配置することができ、別のヘッドを半径方向に配向し、方位角位置φ2に配置することができる。この例では、2つのヘッド間の方位角オフセットはφ1-φ2であり、2つのヘッドの線状ノズルアレイ間の角度もφ1-φ2である。
【0094】
いくつかの実施形態では、2つ以上の印刷ヘッドを印刷ヘッドのブロックに組み立てることができ、この場合、ブロックの印刷ヘッドは、典型的には互いに平行である。いくつかのインクジェット印刷ヘッド16a、16b、16cを含む吐出ユニットが
図2Cに示されている。
【0095】
いくつかの実施形態では、システム10’は、トレイ12’が安定化構造体30と印刷ヘッド16との間にあるように、印刷ヘッド16の下方に配置された安定化構造体30を備える。安定化構造体30は、インクジェット印刷ヘッド16が動作している間に発生し得るトレイ12’の振動を防止又は低減するのに役立ち得る。印刷ヘッド16が軸14を中心に回転する構成では、安定化構造体30はまた、好ましくは、安定化構造体30が常に印刷ヘッド16の真下にある(印刷ヘッド16と安定化構造体30との間にトレイ12’がある)ように回転する。
【0096】
トレイ12’及び/又は印刷ヘッド16は、トレイ12’と印刷ヘッド16との間の鉛直距離を変化させるように、鉛直軸14に平行な鉛直方向zに沿って移動するように所望により好ましく構成される。トレイ12’を鉛直方向に沿って移動させることによって鉛直距離を変化させる構成では、安定化構造体30もトレイ12’とともに鉛直方向に移動することが好ましい。鉛直距離が鉛直方向に沿って16によって変更される構成では、トレイ12’の鉛直位置を固定したままで、安定化構造体30も固定された鉛直位置に維持される。
【0097】
鉛直運動は、鉛直駆動装置28によって確立することができる。層が完成すると、その後に印刷される層の所望の厚さに応じて、トレイ12’と印刷ヘッド16との間の鉛直距離を所定の鉛直ステップだけ増加させる(例えば、トレイ12’は印刷ヘッド16に対して下降される)ことができる。これを繰り返すことにより、3次元物体を層状に形成する。
【0098】
印刷ヘッド16の動作、及び所望により好ましくはシステム10’の1又は複数の他の構成要素の動作、例えばトレイ12’の動きは、コントローラ20によって制御される。コントローラ20は、電子回路と、回路によって読み取り可能な不揮発性メモリ媒体とを有することができ、メモリ媒体は、回路によって読み取られると、以下でさらに詳細に説明するように回路に制御動作を実行させるプログラム命令を記憶する。
【0099】
コントローラ20はまた、例えば、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又はコンピュータ支援設計(CAD)に適した任意の他のフォーマットの形態で、コンピュータオブジェクトデータに基づいて製造命令に関するデジタルデータを送信するデータプロセッサ24と通信することができる。オブジェクトデータフォーマットは、通常、デカルト座標系に従って構造化される。これらの場合、データプロセッサ24は、好ましくは、コンピュータオブジェクトデータ内の各スライスの座標をデカルト座標系から極座標系に変換するための手順を実行する。データプロセッサ24は、所望により、好ましくは、変換された座標系に関して製造命令を送信する。あるいは、データプロセッサ24は、コンピュータオブジェクトデータによって提供される元の座標系に関して製造命令を送信することができ、その場合、座標の変換はコントローラ20の回路によって実行される。
【0100】
座標の変換は、回転トレイ上の3次元印刷を可能にする。印刷ヘッドを有する固定トレイを有する非回転システムでは、通常、直線に沿って固定トレイの上方を往復移動する。そのようなシステムでは、ヘッドの吐出速度が均一であれば、印刷解像度はトレイ上の任意の点で同じである。システム10’では、非回転システムとは異なり、ヘッドポイントのすべてのノズルが同時にトレイ12’上で同じ距離をカバーするわけではない。座標の変換は、異なる半径方向位置で等量の過剰な材料配合を確実にするように、所望により好ましくは実行される。本発明のいくつかの実施形態による座標変換の代表的な例を
図3A~
図3Bに示し、
図3A~
図3Bは、物体の3つのスライス(各スライスは、物体の異なる層の製造命令に対応する)を示し、
図3Aは、デカルト座標系におけるスライスを示し、
図3Bは、座標手順の変換をそれぞれのスライスに適用した後の同じスライスを示す。
【0101】
典型的には、コントローラ20は、製造命令に基づいて、及び以下に説明するように記憶されたプログラム命令に基づいて、システム10’のそれぞれの構成要素に印加される電圧を制御する。
【0102】
一般に、コントローラ20は、トレイ12’の回転中に、3次元物体をトレイ12’上に印刷するなどのために、層状の構築材料配合物の液滴を吐出するように印刷ヘッド16を制御する。
【0103】
システム10’は、所望により、好ましくは、使用されるモデリング材料配合物に応じて、例えば紫外線若しくは可視若しくは赤外線ランプ、又は他の電磁放射源、又は電子ビーム源であり得る、1又は複数の放射源18を備える。放射源は、発光ダイオード(LED)、デジタル光処理(DLP)システム、抵抗ランプなどを含むがこれらに限定されない任意の種類の放射放出デバイスを含むことができる。放射源18は、モデリング材料配合物を硬化又は固化するのに役立つ。本発明の様々な例示的な実施形態では、放射源18の動作は、放射源18を作動及び停止させてもよく、放射源18によって生成される放射の量も所望により制御してもよいコントローラ20によって制御される。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態では、システム10’は、ローラ又はブレードとして製造することができる1又は複数のレベリングデバイス32をさらに備える。レベリングデバイス32は、その上に連続層を形成する前に、新たに形成された層を直線化するのに役立つ。いくつかの実施形態では、レベリングデバイス32は、その対称軸34がトレイ12’の表面に対して傾斜し、その表面がトレイの表面に平行になるように配置された円錐ローラの形状を有する。この実施形態は、システム10’の側面図(
図1C)に示されている。
【0105】
円錐ローラは、円錐又は円錐台の形状を有することができる。
【0106】
円錐ローラの開口角度は、好ましくは、その軸34に沿った任意の位置における円錐の半径と、その位置と軸14との間の距離との間に一定の比が存在するように選択される。ローラが回転する間、ローラの表面上の任意の点pは、点pの真下の点におけるトレイの線速度に比例する(例えば、同じ)線速度を有するので、この実施形態は、ローラ32が層を効率的に水平にすることを可能にする。いくつかの実施形態では、ローラは、高さh、軸14からのその最も近い距離における半径R1、及び軸14からのその最も遠い距離における半径R2を有する円錐台形状を有し、パラメータh、R1及びR2は、関係R1/R2=(R-h)/hを満たし、Rは、軸14からのローラの最も遠い距離である(例えば、Rはトレイ12’の半径とすることができる)。
【0107】
レベリングデバイス32の動作は、所望により好ましくは、コントローラ20によって制御され、コントローラは、レベリングデバイス32を作動及び停止させてもよく、鉛直方向(軸14に平行)及び/又は半径方向(トレイ12’に平行)に沿って、軸14に向かって又はそれから離れるようにその位置を所望により制御してもよい。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態では、印刷ヘッド16は、半径方向rに沿ってトレイに対して往復移動するように構成されている。これらの実施形態は、印刷ヘッド16のノズルアレイ122の長さがトレイ12’上の作業領域26の半径方向に沿った幅よりも短い場合に有用である。半径方向に沿った印刷ヘッド16の動きは、所望により、好ましくはコントローラ20によって制御される。
【0109】
いくつかの実施形態は、(同じ又は異なる印刷ヘッドに属する)異なるノズルアレイから異なる材料配合物を吐出することによる物体の製造を企図する。これらの実施形態は、とりわけ、所与の数の材料配合物から材料配合物を選択し、選択された材料配合物及びそれらの特性の所望の組合せを定義する能力を提供する。本実施形態によれば、層を有する各材料配合物の堆積の空間位置は、異なる材料配合物による異なる3次元空間位置の占有を達成するために、又は2つ以上の異なる材料配合物による実質的に同じ3次元位置又は隣接する3次元位置の占有を達成して、層内の材料配合物の堆積後の空間的組合せを可能にし、それによってそれぞれの位置又は複数の位置で複合材料配合物を形成するために規定される。
【0110】
モデリング材料配合物の任意の堆積後の組合せ又は混合物が企図される。例えば、特定の材料配合物が吐出されると、それはその元の特性を維持し得る。しかし、同じ又は近くの場所に吐出される別のモデリング材料配合物又は他の吐出された材料配合物と同時に吐出される場合、吐出された材料配合物とは異なる特性又は特性群を有する複合材料配合物が形成され得る。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、システムは、層の少なくとも1つのためのデジタル材料配合物を吐出する。
【0112】
「デジタル材料配合物」という句は、本明細書及び当技術分野で使用される場合、異なる材料配合物のピクセル又はボクセルが領域にわたって互いに交絡するように、ピクセルレベル又はボクセルレベルでの2つ以上の材料配合物の組合せを記述する。そのようなデジタル材料配合物は、材料配合物の種類の選択並びに/又は2つ以上の材料配合物の比及び相対空間分布によって影響を受ける新しい特性を示し得る。
【0113】
本明細書で使用される場合、層の「ボクセル」は、層を記述するビットマップの単一のピクセルに対応する層内の物理的な3次元要素ボリュームを指す。ボクセルのサイズは、構築材料がそれぞれのピクセルに対応する位置に吐出され、平坦化され、固化されると、構築材料によって形成される領域のサイズにほぼ等しい。
【0114】
したがって、本実施形態は、物体の異なる部分において、物体の各部分を特徴付けるために所望される特性に従って、広範囲の材料配合物の組合せの堆積、及び材料配合物の複数の異なる組合せからなり得る物体の製造を可能にする。
【0115】
本実施形態に適した3D印刷システムの原理及び動作のさらなる詳細は、米国特許出願第2010/0191360号に見出され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷のための印刷ヘッドのセットを含む例示的なキャリッジの簡略図を示す
図4を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、印刷ブロック50(又はキャリッジ)には、高スループットモードでカラー印刷するための複数の印刷ヘッド16が装填される。
図4に示す例では、印刷ブロック50には、4つの印刷ヘッド16a、16b、16c及び16dが装填され、各印刷ヘッドは、2つのノズルアレイ122を含み、材料を吐出し得る8つの別個のチャネルを共に提供する。
【0117】
所望により、印刷ヘッド16のうちの1又は複数は、ただ1つのノズルアレイ122又は3つ以上のノズルアレイ122を含んでもよい。所望により、印刷ブロック50には、4つより多い又は少ない印刷ヘッド16が装填されてもよい。印刷ヘッドの数は、必要なチャネルの数及び各印刷ヘッド16によって提供されるノズルアレイ122の数に依存してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つのノズルアレイ122のノズルは、1又は複数の他のノズルアレイ122の対応するノズルと走査方向Xに整列させてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つのノズルアレイ122のノズルは、1又は複数の他のノズルアレイの対応するノズルと交差走査方向Yに沿って互い違いに配置されてもよい。
【0118】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、印刷ブロック50が、支持材料を吐出する2つのノズルアレイ122と、透明材料を吐出する1つのノズルアレイ122と、カラーモデリング材料を吐出する5つのノズルアレイ122とで構成される場合、高スループットフルカラー印刷が可能になる。例えば、5つのノズルアレイは、ホワイトのモデリング材料(W)を吐出する1つのノズルアレイ122と、シアンのモデリング材料(C)を吐出する1つのノズルアレイ122と、マゼンタのモデリング材料(M)を吐出する1つのノズルアレイ122と、イエローのモデリング材料(Y)を吐出する1つのノズルアレイ122と、ブラックのモデリング材料(K)を吐出する1つのノズルアレイ122とを含んでもよい。追加の色及び/又は代替の色、例えばオレンジ色及び/又は緑色が考えられてもよい。所望により、ブラックのモデリング材料(K)は存在せず、別のモデリング材料、例えばAgilus30(登録商標)材料ファミリー(Stratasys Ltd.、イスラエル国)の可撓性モデリング材料(F)で置換される。その代わりに、非ブラック色(例えば、C、M及びY)のデジタル混合によって印刷物体にブラックを提供してもよい。
【0119】
2つのノズルアレイが同じ種類の構築材料を吐出する上記の構成は、2つのノズルアレイがモデリング材料を吐出する場合にも適用できることが理解される。したがって、例えば、本発明のいくつかの実施形態では、2つのノズルアレイが前述のVero(登録商標)モデリング材料を吐出し、本発明のいくつかの実施形態では、2つのノズルアレイが前述のVeroUltra(登録商標)モデリング材料を吐出し、本発明のいくつかの実施形態では、2つのノズルアレイが前述のAgilus30(登録商標)モデリング材料を吐出するなどとなる。ホワイトのモデリング材料を吐出する2つのノズルアレイがある実施形態も考えられる。これらの実施形態は、ホワイトのモデリング材料が可撓性モデリング材料との混色に使用される場合に特に有用であり、その場合、印刷プロセス中に使用されるホワイトのモデリング材料の量は、典型的には他の色よりも多い。2つのノズルアレイがホワイトのモデリング材料を吐出する場合、ブラックのモデリング材料は所望により、好ましくは存在せず、ブラックは、非ブラック色のデジタル混合によって印刷物体に提供されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、構築材料は、印刷ブロック50上に配置された1又は複数の放射源18で硬化されるフォトポリマー材料であってもよい。所望により、レベリングデバイス32は、その上に連続層を形成する前に、新たに形成された層の厚さを直線化し、平坦化し、及び/又は確立するのに役立ち、放射源18は、平坦化された材料を硬化させるのに役立つ。所望により、レベリングデバイス32による平坦化及び/又は放射源18による硬化は、トレイ12上の印刷ブロック50の移動ごとに実行される。所望により、印刷ブロック50は、移動間及びパス間で交差走査方向Yにシフトされる。所望により、同じパスの移動間のシフトは、ノズルアレイ122内の隣接するノズルの一対の間の距離の一部であると規定される。所望により、パス間(又は異なるパスの移動間)のシフトは、ノズルアレイ122の長さに及ぶように規定される。
【0121】
ここで、すべていくつかの例示的な実施形態による、印刷ブロックの2つの例示的な移動パスの簡略図を示す
図5A及び
図5Bと、高スループット印刷のための例示的な吐出パターンのタイムラプス概略図を示す
図6A及び
図6Bとを参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、高スループット印刷は、一度に2つ以上の層を同時に印刷することによって、及び/又は層の印刷に必要な移動の数を減らすことに基づいて達成される。印刷ブロック50内の印刷ヘッドは、単一の層を完成させるために、パス180ごとに複数の移動170にわたって、及び複数のパス180にわたって構築材料を吐出してもよい。所望により、同じパス180の移動170間で、印刷ブロック50は、前の移動170で吐出された液滴間の空間を充填し、それによって印刷解像度を高めるために、ノズルアレイ122の隣接するノズルの一対の間の距離の一部(例えば、ノズルピッチの半分)だけ交差走査方向Yにシフトされる。パス180が完了すると、印刷ブロック50は、層(単一層又は二重層)を完成させるために、印刷トレイ12上の次の隣接するパス180に交差走査方向Yにシフトされ得る。
【0122】
ここで
図5A及び
図5Bを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態では、一対の層150を同時に印刷することによって高スループットカラー印刷が提供される。一対の層は、ノズルアレイ122によって複数のパス180(例えば、各印刷ヘッドは、75DPIのY印刷解像度を有し、300DPIの最終的なY印刷解像度が達成される場合、4回の連続する移動が必要である)にわたって提供される印刷解像度(DPI)を高めるために、印刷ブロック50の複数の移動170にわたって所望により印刷されてもよい。例えば、一対の層150は、パス当たり4回の移動にわたって形成されてもよい。所望により、一対の層150は、55μmの層厚を有してもよい。他の例では、印刷ヘッドノズルアレイがより密集している(例えば、300DPI又は150DPI)場合、一対の層150は、パス当たり単一の移動にわたって、又はパス当たり2つの移動にわたって同時に印刷されてもよい。さらに他の例では、パス当たり4回を超える移動を使用して、一対の層150を同時に形成してもよい。
【0123】
ここで
図6Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、一対の層150を同時に印刷しながら、ノズルアレイ122のうちの1つからの液滴152を、別のノズルアレイ122からの液滴151の上又は実質的にその近くに吐出してもよい。液滴151及び152は、3Dプリンタに提供される画像データファイルに基づいて、印刷ブロック50内の2つのチャネルの任意の組合せから吐出されてもよい。液滴151及び152は、噴射チャネルのノズルアレイ122が整列しているとき、(図示のように)一方が他方の上に落ちてもよく、噴射チャネルのノズルアレイ122が互い違いになっているとき、所望により、部分的に重なり合ってもよく、又は互いに近接して落ちてもよい。印刷ブロック50の第1の移動170にわたって、第1のチャネルからの液滴151a及び第2のチャネルからの液滴152aを吐出してもよい。印刷ブロック50の第2の移動170にわたって、第1のチャネルからの液滴151b及び第2のチャネルからの液滴152bを吐出してもよい。印刷ブロック50の第3の移動170にわたって、第1のチャネルからの液滴151c及び第2のチャネルからの液滴152cを吐出してもよい。印刷ブロック50の第4の移動170にわたって、第1のチャネルからの液滴151d及び第2のチャネルからの液滴152dを吐出して、パス180が完了されてもよい。
【0124】
いくつかの例示的な実施形態によれば、レベリングデバイス32を用いた平坦化及び放射源18を用いた硬化は、移動ごと、パスごと、又は一対の層150が形成された後に実行される。
【0125】
ここで
図6Bを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態では、高スループットカラー印刷が、印刷される物体において同じDPI数を維持しながら、より少ない移動量で単一層110を印刷することによって提供される。所望により、単一層110は、標準的なカラー印刷モードで使用され得る4つの移動と比較して、2つの移動にわたって高スループットカラー印刷モードで印刷されてもよく、それにより、全体の印刷時間が約2分の1になる。印刷ブロック50におけるノズルアレイ122間の整列に応じて、液滴151及び152は、移動中に互いに隣接して堆積されてもよく、又は後続のパスで充填され得る空間、又はそれらの任意の組合せで互い違いにされてもよい。印刷ブロック50の第1の移動170にわたって、第1のチャネルからの液滴151a及び第2のチャネルからの液滴152aを吐出してもよい。印刷ブロック50の第2の移動170にわたって、第1のチャネルから吐出される液滴151b及び第2のチャネルから吐出される液滴152bが吐出されて、パス180が完了されてもよい。
【0126】
次に、いくつかの例示的な実施形態による二重層高スループットカラー印刷のための色データ変換方式の概略図を示す
図7を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、印刷されるべき物体のコンピュータモデルは、対で印刷されるように構成されたスライス210にスライスされてもよい。例えば、スライス210は、高スループット印刷モードで単一の層として同時に印刷されるスライスn及びスライスn+1を含む。各スライス210は、印刷層の半分の厚さを有するサブ層を規定してもよい。例えば、各スライス210は、27μmの厚さを表してもよく、2つのスライス(スライスn及びスライスn+1)はともに、54μmの厚さを有する印刷層を形成する。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態によれば、類似の(X,Y)位置にあるスライスn及びスライスn+1のピクセル値を比較して、ピクセル値間の重複又は不一致を除去してもよい。例えば、スライスn内のピクセルが同じ(X,Y)位置にあるスライスn+1内のピクセルと同じ値を有する場合、適応又は変換を実施してもよい。
図7に示す例では、スライスnのピクセル215は樹脂M1(モデリング材料#1)を規定しており、スライスn+1の対応するピクセル225も樹脂M1を規定している。印刷ブロックが樹脂M1の1つのチャネルのみを含む場合、同じパスで同じ位置に樹脂M1の2つの液滴を吐出することは可能でないかもしれない。代わりに、ピクセルのうちの一方、例えばピクセル225は、透明又は支持樹脂/インクなどの代替樹脂を規定するピクセル225’に変更されてもよい。この変換に基づいて、樹脂M1及び代替樹脂は、同じパスにわたって同じ位置に吐出され得る。
図7の例には、樹脂S(支持材料)を規定するスライスn内のピクセル216も示されており、スライスn+1内の対応するピクセル226も樹脂S(支持材料)を規定する。いくつかの例示的な実施形態では、この場合のピクセルの各々は、樹脂Sを含む異なるチャネルの使用を示すように適合され得る。例えば、ピクセル216は、より詳細に樹脂S1(あるチャネルからの支持材料)を示すピクセル216’に変換されてもよく、ピクセル226は、より詳細に樹脂S2(別のチャネルからの支持材料)を示すピクセル226’に変換されてもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、重なり合わないように規定されたスライスは、スライスn及びスライスn+1を同時に印刷するために使用される。さらに別の例では、スライスn内のピクセル217は樹脂M1を規定し、スライスn+1内の対応するピクセル227は樹脂M2を規定する。ピクセル217及びピクセル227は異なる樹脂を規定するので、変換は必要ない。単一層印刷方法では、物体はより薄いスライスにスライスされ得る。例えば、各スライス210は、13.5μmの厚さを表してもよく、2つのスライス(スライスn及びスライスn+1)はともに、27μmの厚さを有する印刷層を形成する。その場合の一対の層は、一方の層が他方の層によって残されたであろう空間を埋めるように、同時に印刷されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、変換が行われると、各印刷ヘッドのデータ分離を用いて画像データファイル280が生成される。
【0128】
次に、いくつかの例示的な実施形態による色のデジタル混合を印刷するための例示的なパターン変換方式の簡略図を示す
図8A及び
図8Bを参照する。いくつかの例示的な実施形態では、画像データファイル内の1つのピクセルは、印刷されたモデル内の複数の液滴によって表される。所望により、複数の液滴は、異なる着色モデリング材料のデジタル混合を形成する。ピクセルを表す複数の液滴を印刷するためのパターンは、ランダムであるか、擬似ランダムであるか、又は構造化されるように選択されてもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、パターンは、同時に印刷される層の一対における同じ位置での同一のモデリング材料の重なり合いを回避するように適合又は規定される。
【0129】
図8Aに示す例では、2つの層の各々は、同じ位置にあるシアンの2つの液滴、イエローの1つの液滴、及びマゼンタの1つの液滴のデジタル混合であるピクセルを含む。デジタル混合が各層について同じパターン302で形成される場合、モデリング材料間に100%の重なり合いがあり、2つの層の同時印刷を達成するために、着色モデリング材料の50%を透明モデリング材料で置換する必要がある。あるいは、層のうちの1つ、例えば層1のパターン302は、パターン302’で置換されてもよい。パターン302及び302’は、ピクセルレベルで同じ色を規定するが、モデリング材料に重なり合いを含まない。このようにして、着色モデリング材料のいずれかを透明モデリング材料と置換する必要がなく、色品質を損なうことがない。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態では、一対のピクセルが主にモデリング材料のうちの1つによって表される場合、パターンを調整することに基づいて重なり合いを完全に回避することはできない。例えば、2つのピクセルが200%の被覆率を表す場合、100%の被覆率を超える任意の1つのモデリング材料について重なり合いが生じる。
図8Bは、100%の被覆率を超えるシアンのそのような一例である。
図8Bでは、第1の層のピクセル310は、シアンの確率60%、イエローの確率30%及びマゼンタの確率10%で規定され、第2の層のピクセル320は、シアンの確率65%、イエローの確率27%及びマゼンタの確率8%で規定される。ピクセル310及びピクセル320は、同じ位置に同時に印刷されるように規定される。これらの2つのピクセルを同時に印刷する場合、200%の液滴のうち125%がシアンと規定される。しかしながら、重なり合いなしに100%のシアン液滴を堆積させることしかできない。いくつかの例示的な実施形態によれば、透明モデリング材料を使用して、100%を超える被覆率を置換する。例えば、透明材料は、そうでなければシアンで印刷されたであろう25%の被覆率に使用されてもよく、200%の被覆率を規定する結合ピクセル330は、代わりに、シアンに対して100%の確率、イエローに対して57%の確率、マゼンタに対して18%の確率、及び透明に対して25%の確率で形成される。このようにして、高スループットカラー印刷モードにおいて、必要とされる透明材料の量を低減又は最小化してもよく、色品質を改善又は最大化してもよい。所望により、25%透明材料の分布は、物体の全体的な色品質を改善し、色希釈を最小限に抑えるように選択されてもよい。
【0131】
ここで、高スループットカラー印刷のための例示的な方法の簡略化されたフローチャートを示す
図9を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、高スループットカラー印刷モードで物体を印刷するとき、物体のコンピュータモデルは、対で印刷されるように構成された複数の層にスライスされてもよい(ブロック410)。層の対の同時印刷は、2倍の厚さを有する印刷層に基づいてより速いカラー印刷を提供してもよく、又は印刷ブロックの移動がより少ない各層の印刷を提供してもよい。
【0132】
いくつかの例示的な実施形態によれば、色データがスライスの各々に追加される(ブロック420)。色データは、所望によりデジタル材料を規定してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、同時に印刷されるべき層の対に対する色データを比較してもよく(ブロック430)、それらの同時印刷を提供するために調整を行ってもよい。所望により、デジタル材料を形成するためのパターン及びデジタル材料の含有量のうちの1又は複数は、例えば
図8A及び
図8Bを参照して説明したように調整してもよい(ブロック440)。いくつかの例示的な実施形態によれば、調整に基づいて、層の対が同時に印刷される(ブロック450)。所望により、調整は、着色モデリング材料の代わりに必要とされる透明材料の量を低減又は最小化するように規定される。
【0133】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による印刷ブロックの単一の移動にわたって同じ目標位置で吐出され得る構築材料の例示的な対のチャートを示す
図10を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、各スライスの色データは、同時に印刷され得る一対の構築材料で規定される。一対の構築材料は、例えば
図10に示すようなチャート(リスト又はテーブル)から選択され得る。例えば、スライス内の各ピクセルは、
図10に示されるチャートに含まれる対から選択される構築材料の一対を規定してもよい。このようにして、各スライスは、隣接するスライスからのデータを比較及び適合させる必要なく、例えば二重吐出のためのデータなどの命令を提供する。
【0134】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷のための別の例示的な方法の簡略化されたフローチャートを示す
図11を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、3Dモデルの各スライスは、高スループット印刷のための二重吐出方式を規定する。3Dモデルは、所望の厚さを有する層にスライスすることができ(ブロック460)、色データが各スライスに追加される(ブロック470)。いくつかの例示的な実施形態によれば、追加された色データは、ピクセルごとに構築材料の一対を規定する、すなわち色位置マップを規定する(ブロック480)。構築材料の一対は、予め規定されてメモリに記憶された構築材料の許容可能な対のテーブルから選択されてもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、層は、同じ目標位置に同時に吐出される構築材料の対で印刷される(ブロック490)。
【0135】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷のための印刷ヘッドによって堆積されるべき構築材料の別の例示的なセットの簡略図を示す
図12を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、3Dプリンタは、高スループットモードでの印刷と標準的なカラー印刷モードとを切り替えるように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、高スループットモードで印刷しながら、インクジェット印刷ヘッドノズルアレイを通して構築材料を吐出するための2つのチャネル322は、支持材料で満たされ、複数の追加のチャネル324は、異なる色又は異なる種類のモデリング材料で満たされる。所望により、支持材料を含む2つのチャネル322は、同じ印刷ヘッドに供給する隣接するチャネルである。所望により、一方のチャネル322に供給される支持材料は、支持材料が第2のチャネル322も満たすように「あふれさせ」られる。他の例において、2つの異なる印刷ヘッドは、支持材料を吐出するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、高色精細モードへの切り替えは、チャネル322のうちの一方から支持材料をフラッシュし、そのチャネルを異なるモデリング材料で置換することに基づく。追加のモデリング材料は、印刷される物体の外観を向上させてもよい。所望により、透明、すなわち透過的な材料、例えば、VeroClear(登録商標)、VeroUltra(登録商標)Clearを添加してもよく、透明に見えるように構成された物体の一部を印刷するために使用してもよい。
【0136】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による、通常スループットカラー印刷と高スループットカラー印刷とを選択的に切り替えるための例示的な方法の簡略化されたフローチャートを示す
図13を参照する。いくつかの例示的な実施形態によれば、3D印刷システムは、ユーザによって提供された印刷モード選択を検出することができる(ブロック505)。いくつかの例示的な実施形態では、3D印刷システムは、例えば、2つの異なる印刷モードで印刷を提供するように構成された変更を有する3D印刷システム10(
図1A)又は3D印刷システム10’(
図1B)と構造が類似していてもよい。ユーザ選択は、システムに含まれる機械的スイッチ又はボタンを備えてもよく、又はユーザインターフェースデバイス116による仮想ボタン選択に基づいてもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、高スループットカラー印刷モードが選択されると、コンピュータ、例えば、3D印刷システムのデータプロセッサ24(
図1A)は、物体200の3Dモデルをスライスし、本明細書に記載のように二重チャネル吐出のために構成されるようにスライスの色データを規定又は調整するように構成される(ブロック512)。所望により、調整は、物体においていくつかの透明モデリング材料を着色モデリング材料と統合して、移動ごとに印刷することができる構築材料の体積を増加させること、すなわち、二重チャネル吐出を可能にすることを含む。物体を構築するために支持材料が必要な場合、3Dプリンタはまた、支持材料を用いた高スループット印刷に適合されてもよい。3Dプリンタを適合させることは、3Dプリンタが支持材料を吐出することができる2つのチャネルを含むように、チャネルのうちの一方によって供給されるモデリング材料をフラッシュすること(ブロック515)と、その場所に支持材料を装填すること(ブロック520)とを含んでもよい。所望により、透明モデリング材料を含むチャネルがフラッシュされる。これらの調整に基づいて、高スループット印刷モードを開始してもよい(ブロック525)。所望により、物体を構築するために支持材料が必要とされない場合、ブロック515及びブロック520の方法はスキップされてもよい。
【0137】
いくつかの例示的な実施形態によれば、標準的な3Dカラー印刷モードが代わりに選択されてもよい。標準的な3Dカラー印刷モードが選択されると、例えばデータプロセッサ24などの3Dシステムは、物体200の3Dモデルをスライスし、標準的な3Dカラー印刷、例えば移動ごとの目標位置での単一の吐出のための色データを規定する(ブロック513)。所望により、印刷ブロックが支持材料の2つのチャネルを含む場合、一方のチャネルからの支持材料がフラッシュされ(ブロック516)、所定の位置に別のモデリング材料、例えば、透明モデリング材料が装填されてもよい(ブロック520)。これらの調整に基づいて、高色精細印刷モードを開始してもよい(ブロック525)。
【0138】
明確にするために別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴はまた、別個に、又は任意の適切な部分的組合せで、又は本発明の任意の他の記載された実施形態で適切であるように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0139】
上記で描写され、以下の特許請求の範囲の項で特許請求される本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的及び計算された裏付けを見出す。
【実施例】
【0140】
ここで、上記の説明とともに本発明のいくつかの実施形態を非限定的に示す以下の実施例を参照する。
【0141】
一実施例では、3つの異なるモードで同じ物体を印刷するための印刷時間を比較した。第1及び第2のモードは、本明細書に記載の高スループット3Dカラー印刷モードであった。第1のモードでは、55μmの層を、層当たり3Dプリンタの4パスで印刷した。第2の例示的なモードでは、27μmの層を、層当たり3Dプリンタの2パスで印刷した。第3のモードは、当技術分野で知られている標準的な3Dカラー印刷モードであった。
【0142】
【0143】
表1は、高スループット3D印刷モードが物体を印刷するのにかかる時間を大幅に短縮するのに成功することを明らかに示している。また、第1の印刷モード及び第2の印刷モードのいずれにおいても、印刷時間は、基準印刷モードの場合のほぼ半分であった。
【0144】
別の実施例では、本明細書に記載の高スループットモードで印刷された物体の色品質を、標準色印刷モード、例えば表1に記載の印刷モード3で印刷された同じ物体の色品質と比較した。
【0145】
ここで、標準スループットカラー印刷(基準印刷モード)で印刷された例示的な物体の画像を示す
図14Aと、いくつかの例示的な実施形態による高スループットカラー印刷モードで印刷された同じ例示的な物体を示す
図14Bとを参照する。
図14A及び
図14Bの両方は、良好な色精細度を示す。
図14Aに示す物体の色のいくつかは、
図14Bと比較して鮮明に見える。しかしながら、印刷時間の大幅な短縮の利点は、いくつかの用途及びいくつかの物体の色品質の利点よりも重要であり得る。達成される色品質はまた、印刷されている物体に依存し得る。
【0146】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者には明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広義の範囲に含まれるすべてのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
【0147】
本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により本明細書中に組み込まれることが言及されるときに具体的かつ個別に言及されたかのように、その全体が参照により本明細書中に組み込まれることが出願人の意図である。さらに、本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用される限り、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本出願の任意の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】