(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】PSEUDOMONASバクテリオファージ及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 7/01 20060101AFI20240322BHJP
C12N 7/00 20060101ALI20240322BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20240322BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240322BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240322BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240322BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20240322BHJP
A61K 31/7036 20060101ALI20240322BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20240322BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
C12N7/00
C12N15/11 Z
A61K35/76
A61P31/04
A61P43/00 121
A61K31/427
A61K31/7036
A61K38/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560986
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 IB2022052916
(87)【国際公開番号】W WO2022208369
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523373876
【氏名又は名称】バイオエムエックス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】ゼルクバチ,リオール・モシェ
(72)【発明者】
【氏名】エドガー,ロテム
(72)【発明者】
【氏名】シェルマン,イリト
(72)【発明者】
【氏名】インバル,ダナ
(72)【発明者】
【氏名】ベニシャイ,ノア
(72)【発明者】
【氏名】カハン-ハヌム,マヤ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA98X
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4C087ZC75
(57)【要約】
各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株を含む組成物であって、当該単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株のうちの少なくとも1種が、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%同一のゲノム核酸配列を有する、組成物。それらの使用も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、Pseudomonas aeruginosa種(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)の細菌に(溶菌的に)感染することができる単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株を含む組成物であって、前記単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株のうちの少なくとも1種が、(i)(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列、及び/又は(ii)(例えば、組み合わせ領域において)実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一である遺伝子を有し、
任意選択で、前記単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株が、(i)前記細菌に関して最長の個々のファージの変異までの時間(TTM)を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、若しくは80%上回るTTM、又は(ii)前記細菌(又は前記細菌の2種以上の混合物)に関して最小の個々のファージ正規化曲線下面積よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%小さいOD600時間プロットについての正規化曲線下面積(AUC)のいずれかに基づいて、相乗的重複効果を有する、組成物。
【請求項2】
前記単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株のうちの第1の株が、(組み合わせコード領域において)配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、前記単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株のうちの第2の株が、(組み合わせコード領域において)配列番号2に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、前記単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株のうちの第3の株が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
(ii)(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号2と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
(iii)(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号3と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
(iv)(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号4と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
組み合わせた前記単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株が、Pseudomonas aeruginosaの実施例1におけるリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも40、45、50、55、60又は65種の異なる株を標的化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも25種の異なる株及び/又は
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも36種の異なるMLSTが、前記少なくとも2種の異なる株の各々によって標的化される、請求項1又は5に記載の組成物。
【請求項7】
各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる、単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、前記単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株の各々が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、組み合わせた前記単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株が、(i)実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも70種の異なる株、及び/又は(ii)
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも52種の異なるMLSTを標的化する、請求項1、5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる、単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、前記単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株の各々が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、(i)実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも40種の異なる株、及び/又は(ii)
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも52種の異なるMLSTが、前記少なくとも3種の異なる株のうちの少なくとも2種によって標的化される、請求項1、5、6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のバクテリオファージが、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記異種配列が治療剤又は診断剤をコードする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
10種以下の異なるバクテリオファージ株を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
経口送達、直腸送達又は吸入による送達のために製剤化されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
Pseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる組換えバクテリオファージであって、前記バクテリオファージが、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有し、前記バクテリオファージが、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、組換えバクテリオファージ。
【請求項14】
前記異種配列が、治療剤又は診断剤をコードする、請求項13に記載の組換えバクテリオファージ。
【請求項15】
前記治療剤が免疫調節剤を含む、請求項14に記載の組換えバクテリオファージ、又は請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
活性剤としての請求項13又は14に記載の組換えバクテリオファージと、医薬担体とを含む医薬組成物。
【請求項17】
経口送達、直腸送達又は吸入による送達のために製剤化されている、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
Pseudomonas aeruginosa種(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)の細菌に(溶菌的に)感染することができる単離されたバクテリオファージであって、前記バクテリオファージが、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、単離されたバクテリオファージ。
【請求項19】
Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患の治療を必要とする対象(例えば、嚢胞性線維症を有する対象)においてそれを治療する方法であって、前記感染を引き起こすPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる少なくとも1種の単離されたバクテリオファージ株を含む治療有効量の組成物を前記対象に投与することを含み、前記少なくとも1種のバクテリオファージ株が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有し、それによって、前記Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療する、方法。
【請求項20】
Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患(例えば、嚢胞性線維症)の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、請求項1~12のいずれか一項に記載の治療有効量の組成物を前記対象に投与し、それによって前記Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療することを含む、方法。
【請求項21】
前記疾患が嚢胞性線維症(CF)である、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記投与することが、経口投与又は直腸投与を含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、10種以下の異なるバクテリオファージ株を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記投与前に、前記対象にコロニー形成するPseudomonas aeruginosa株を同定することを更に含む、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1種のバクテリオファージ株が、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記異種配列が治療剤又は診断剤をコードする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記治療剤が免疫調節剤を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記対象が、Pseudomonas aeruginosa(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)に対して有効な抗生物質で治療されているか、又は更に治療される予定である、請求項19~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記対象を、Pseudomonas aeruginosa(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)に対して有効な抗生物質で治療することを更に含む、請求項19~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記抗生物質がアズトレオナム、コリスチン、及び/又はトブラマイシンを含む、請求項28又は29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年3月30日に出願された米国仮特許出願第63/167,669号、2021年6月8日に出願された米国仮特許出願第63/208,031号、及び2021年7月1日に出願された米国仮特許出願第63/217,370号の出願日の利益を主張し、全ての図面及び配列表を含む、上記で参照された出願の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表に関する声明
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、配列表を含む。2022年3月28日に作成された当該ASCIIコピーは、136923-00120_SL.txtという名前が付けられ、サイズが1,178,072バイトである。
【背景技術】
【0003】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、Pseudomonas属の細菌、より具体的には Pseudomonas aeruginosa(Pseudomonas aeruginosa、PA)種の細菌に感染することができるバクテリオファージ株に関する。
【0004】
嚢胞性線維症(Cystic fibrosis、CF)は、白人における最も一般的な生命を脅かす常染色体劣性遺伝疾患である。CFの推定発生率は、白人集団内で2500~4000人に1人であり、世界的に約100,000人の有病率を有する(Orchard et al.,2014)。嚢胞性線維症は、持続性の肺感染症を引き起こし、経時的に呼吸する能力を制限する進行性の遺伝子疾患である。緑膿菌Pseudomonas aeruginosaは、嚢胞性線維症(CF)肺感染症の重要な細菌病原体であり、進行性及び重度のCF肺疾患における最も重要な病原体である。この日和見病原体は、患者において成長及び増殖し得、曝露は、病院及び他の医療環境において起こり得る。
【発明の概要】
【0005】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料を、本発明の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料は、下記で説明される。矛盾する場合には、定義を含む本特許明細書が支配する。更に、材料、方法、及び実施例は例示に過ぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0006】
本発明の一態様によれば、各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株を含む組成物であって、当該単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株のうちの少なくとも1種が、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、組成物が提供される。
【0007】
本発明の一態様によれば、各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株を含む組成物であって、当該単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株のうちの少なくとも1種が、実施例7に記載の表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子の組み合わせコード領域と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一である相同性必須遺伝子の組み合わせ領域を含むゲノム核酸配列を有する、組成物が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージであって、当該バクテリオファージが、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有する、単離されたバクテリオファージが提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、(例えば、組み合わせ領域において)表2に列挙されたファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一の遺伝子を含み、当該選択されるバクテリオファージの必須遺伝子は、実施例7に記載されている、単離されたバクテリオファージが提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、選択されたファージの非必須ゲノム領域は、実施例7に記載の選択されたバクテリオファージの必須遺伝子として列挙されていない全ての領域を含む。
【0011】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginosa種(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)の細菌に(溶菌的に)感染することができる組換え(非野生型)バクテリオファージが提供され、当該組換えバクテリオファージは、(i)(例えば、組み合わせコード領域において)実施例7に記載の表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%、又は100%)同一である遺伝子を含むゲノム核酸配列、及び/又は(ii)(例えば、可動因子を除去するために)欠失又は他の方法で変異している、少なくとも200bpの当該組換えバクテリオファージ非必須ゲノム領域を有する。
【0012】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginosa種の細菌(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)に(溶菌的に)感染することができる組換え(非野生型)バクテリオファージであって、当該組換えバクテリオファージは、(i)(例えば、組み合わせコード領域において)、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%、又は100%)同一であるゲノム核酸配列、(ii)実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%、又は100%)同一の遺伝子、及び/又は(iii)(例えば、可動因子を除去するために)欠失又は他の方法で突然変異している、少なくとも200bpの当該組換えバクテリオファージ非必須ゲノム領域を有する、組換えバクテリオファージが提供される。
【0013】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginosa種(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)の細菌に(溶菌的に)感染することができる組換え(非野生型)バクテリオファージであって、当該組換えバクテリオファージは、(i)組み合わせコード領域において、配列番号1~10に記載の核酸配列の一つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%、又は100%)同一のゲノム核酸配列、(ii)(例えば、組み合わせ領域において)実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%、又は100%)同一である遺伝子、及び/又は(iii)(例えば、可動要素を排除するために)欠失又は他の方法で変異している少なくとも200bpの当該組換えバクテリオファージ非必須ゲノム領域を有する、組換えバクテリオファージを有する、組換えバクテリオファージが提供される。
【0014】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患の治療を必要とする対象において、それを治療する方法であって、Pseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる少なくとも1種の単離されたバクテリオファージ株を含む治療有効量の組成物を当該対象に投与することを含み、当該少なくとも1種のバクテリオファージ株が、(i)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列、及び/又は(ii)(例えば、組み合わせ領域において)実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一の遺伝子を有し、それによりPseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療する方法が提供される。
【0015】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、当該対象に治療有効量の本明細書に記載の組成物を投与し、それによってPseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療することを含む方法が提供される。
【0016】
本発明の一態様によれば、Pseudomonas aeruginos種の細菌に感染することができる組換えバクテリオファージであって、当該バクテリオファージは、(i)(i)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列、及び/又は(ii)(例えば、組み合わせ領域において)実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一の遺伝子であって、当該バクテリオファージが、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、組換えバクテリオファージが提供される。
【0017】
本発明の一態様によれば、活性剤として本明細書に記載される組換えバクテリオファージと、医薬担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株のうちの第1の株は、配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_20Nov10の必須遺伝子を含む)、及び単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株のうちの第2の株は、配列番号2に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%同一であるゲノム核酸配列を有する(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec107の必須遺伝子を含む)。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも3種の異なる株を含み、単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも3種の異なる株の第3の株は、配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも90%例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%同一であるゲノム核酸配列を有する(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec110の必須遺伝子を含む)。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、以下から選択されるバクテリオファージ又はバクテリオファージの組み合わせ(例えば、2つ、3つ、又は4つのバクテリオファージの組み合わせ)を含み:
(i)配列番号1と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有するバクテリオファージ(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_20Nov10の必須遺伝子を含む);
(ii)配列番号2と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有するバクテリオファージ(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec107の必須遺伝子を含む);
(iii)配列番号3と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有するバクテリオファージ(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec110の必須遺伝子を含む);及び/又は
(iv)配列番号10と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有するバクテリオファージ(及び/又は実施例7に記載のファージCF1_21Oct114の必須遺伝子を含む);
例えば、当該バクテリオファージ又はバクテリオファージの組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの1種以上の細菌、例えばヒトに感染することができるPseudomonas aeruginosaの1つ以上の株に感染して溶解することができる。任意選択で、組み合わせ中の少なくとも1つのバクテリオファージは、天然に存在しない組換え又は操作された細菌ファージである。
【0021】
特定の実施形態では、組成物は、(i)~(iii)の3つのバクテリオファージの組み合わせ、例えば以下の3つのバクテリオファージの組み合わせを含む:(i)配列番号1のゲノム核酸配列を有するバクテリオファージ又は実施例7に記載のファージCF1_20Nov10の必須遺伝子;(ii)配列番号2のゲノム核酸配列又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec107の必須遺伝子を有するバクテリオファージ;及び(iii)配列番号3のゲノム核酸配列又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec110の必須遺伝子を有するバクテリオファージ。
【0022】
特定の実施形態では、組成物は、(i)~(iv)の4つのバクテリオファージの組み合わせ、例えば以下の4つのバクテリオファージの組み合わせを含む:(i)配列番号1のゲノム核酸配列を有するバクテリオファージ又は実施例7に記載のファージCF1_20Nov10の必須遺伝子;(ii)配列番号2のゲノム核酸配列又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec107の必須遺伝子を有するバクテリオファージ;(iii)配列番号3のゲノム核酸配列又は実施例7に記載のファージCF1_20Dec110の必須遺伝子を有するバクテリオファージ;及び(iv)配列番号10のゲノム核酸配列又は実施例7に記載のファージCF1_21Oct114の必須遺伝子を有するバクテリオファージ。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、組み合わせた単離されたバクテリオファージの少なくとも2種の異なる株は、実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも40、45、50、55、60又は65種の異なる株を標的化する。
【0024】
本発明の実施形態によれば、組み合わせた単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株は、
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも25、30、35、40、45又は50種の異なるMLSTを標的化する。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも15、17、19、21、23又は25種の異なる株が、少なくとも2種の異なる株の各々によって標的化される。
【0026】
本発明の実施形態によれば、
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも9、23、28、32、35又は36種の異なるMLSTが、少なくとも2種の異なる株の各々によって標的化される。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株の各々は、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%同一のゲノム塩基配列を有し、及び/又は実施例7に特定されるバクテリオファージの必須遺伝子を含み、組み合わせた単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株は、(i)実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも40、45、50、55、60、65又は70種の異なる株、及び/又は(ii)
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも25、30、35、40、45又は52種の異なるMLSTを標的化とする。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株の各々は、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、及び/又は実施例7に特定されるバクテリオファージの必須遺伝子を含み、(i)実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも15、20、25又は30種の異なる株、及び/又は(ii)
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも9、23、28、32、35又は36種の異なるMLSTが、少なくとも3種の異なる株の各々によって標的化される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのバクテリオファージは、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、異種配列は、治療剤又は診断剤をコードする。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、10種以下の異なるバクテリオファージ株を含む。
【0032】
本発明の実施形態によれば、異種配列は、治療剤又は診断剤をコードする。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、治療剤は免疫調節剤を含む。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、医薬組成物は、経口送達又は直腸送達用に製剤化される。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、経口送達又は直腸送達用に製剤化される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、疾患は嚢胞性線維症(CF)である。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、投与することは、経口投与又は直腸投与を含む。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、投与することは、(例えば、定量吸入器(Meter-dosed Inhalers、MDI)、乾燥粉末吸入器(Dry Powder Inhalers、DPI)、ソフトミスト吸入器(Soft Mist Inhalers、SMI)、ネブライザーを使用して)を吸入投与することを含む。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、組成物は、10種以下の異なるバクテリオファージ株を含む。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、本方法は、投与前に対象にコロニー形成するPseudomonas aeruginosa 株を決定することを更に含む。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのバクテリオファージ株は、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、異種配列は、治療剤又は診断剤をコードする。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、治療剤は免疫調節剤を含む。
【0044】
本明細書に記載される本発明の更なる態様及び実施形態は、以下の番号付けされた段落において提供される。
1.各々が、Pseudomonas aeruginosa種(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)の細菌に(溶菌的に)感染することができる単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株を含む組成物であって、当該単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株のうちの少なくとも1つが、(i)(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列、及び/又は(ii)(例えば、組み合わせ領域において)実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一である遺伝子を有し、
任意選択で、単離されたバクテリオファージの当該少なくとも2種の異なる株が、(i)当該細菌に関して最長の個々のファージTTMを少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、若しくは80%上回る変異までの時間(time-to-mutant、TTM)、又は(ii)当該細菌(又は当該細菌の2つ以上の混合物)に関して最小の個々のファージ正規化曲線下面積よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%小さいOD600時間プロットについての正規化曲線下面積(area under the curve、AUC)のいずれかに基づいて、相乗的重複効果を有する、組成物。
2.単離されたバクテリオファージの当該少なくとも2種の異なる株のうちの第1の株が、(組み合わせコード領域において)配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、単離されたバクテリオファージの前記少なくとも2種の異なる株のうちの第2の株が、(組み合わせコード領域において)配列番号2に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有する、段落1に記載の組成物。
3.単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも3種の異なる株を含み、単離されたバクテリオファージの当該少なくとも3種の異なる株の第3の株が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、段落2に記載の組成物。
4.
(i)配列番号1と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)(例えば、組み合わせコード領域において)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
(ii)配列番号2と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)(例えば、組み合わせコード領域において)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
(iii)配列番号3と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)(例えば、組み合わせコード領域において)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージ、
(iv)配列番号4と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)(例えば、組み合わせコード領域において)同一であるゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージを含む、段落1又は2に記載の組成物。
5.組み合わせた当該単離されたバクテリオファージの当該少なくとも2種の異なる株が、Pseudomonas aeruginosaの実施例1におけるリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも40、45、50、55、60又は65種の異なる株を標的化する、段落1の組成物。
6.実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも25種の異なる株及び/又は
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも36種の異なるMLSTが、当該少なくとも2種の異なる株の各々によって標的化される、段落1又は5に記載の組成物。
7.各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる、単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、当該単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株の各々が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、組み合わせた当該単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株が、(i)実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも70種の異なる株、及び/又は(ii)
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも52種の異なるMLSTを標的化する、段落1、5又は6に記載の組成物。
8.各々がPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる、単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株を含み、当該単離されたバクテリオファージの少なくとも3種の異なる株の各々が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム核酸配列を有し、(i)実施例1のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも40種の異なる株、及び/又は(ii)
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaの少なくとも52種の異なるMLSTが、当該少なくとも3種の異なる株のうちの少なくとも2種によって標的化される、段落1、5、6又は7に記載の組成物。
9.当該少なくとも1種のバクテリオファージが、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、段落1~8のいずれか1つに記載の組成物。
10.当該異種配列が、治療剤又は診断剤をコードする、段落9に記載の組成物。
11.10種以下の異なるバクテリオファージ株を含む、段落1~10のいずれか1つに記載の組成物。
12.経口送達、直腸送達又は吸入による送達のために製剤化されている、段落1~11のいずれか1つに記載の組成物。
13.Pseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる組換えバクテリオファージであって、当該バクテリオファージが、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有し、当該バクテリオファージが、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、組換えバクテリオファージ。
14.当該異種配列が、治療剤又は診断剤をコードする、段落13に記載の組換えバクテリオファージ。
15.当該治療剤が免疫調節剤を含む、段落14に記載の組換えバクテリオファージ又は段落10に記載の組成物。
16.活性剤としての段落13又は14に記載の組換えバクテリオファージと、医薬担体とを含む、医薬組成物。
17.経口送達、直腸送達又は吸入による送達のために製剤化されている、段落16に記載の医薬組成物。
18.Pseudomonas aeruginosa種(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)の細菌に(溶菌的に)感染することができる単離されたバクテリオファージであって、当該バクテリオファージが、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有する、単離されたバクテリオファージ。
19.Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患の治療を必要とする対象(例えば、嚢胞性線維症を有する対象)においてそれを治療する方法であって、当該感染を引き起こすPseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる少なくとも1種の単離されたバクテリオファージ株を含む治療有効量の組成物を当該対象に投与することを含み、当該少なくとも1種のバクテリオファージ株が、(例えば、組み合わせコード領域において)配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム核酸配列を有し、それによって、当該Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療する、方法。
20.Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患(例えば、嚢胞性線維症)の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、段落1~12のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象に投与し、それによってPseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療することを含む方法。
21.当該疾患が嚢胞性線維症(CF)である、段落19又は20に記載の方法。
22.当該投与することは、経口投与又は直腸投与を含む、段落19~21のいずれか1つに記載の方法。
23.当該組成物は、10種以下の異なるバクテリオファージ株を含む、段落19に記載の方法。
24.投与前に対象にコロニー形成するPseudomonas aeruginosa株を同定することを更に含む、段落19~23のいずれか1つに記載の方法。
25.当該少なくとも1つのバクテリオファージ株が、そのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されている、段落19~24のいずれか1つに記載の方法。
26.当該異種配列が治療剤又は診断剤をコードする、段落25に記載の方法。
27.当該治療剤が免疫調節剤を含む、段落26に記載の方法。
28.当該対象が、Pseudomonas aeruginosa(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)に対して有効な抗生物質で治療されている、又は更に治療される予定である、段落19~27のいずれか1つに記載の方法。
29.当該対象を、Pseudomonas aeruginosa(例えば、嚢胞性線維症患者に存在するPseudomonas aeruginosa)に対して有効な抗生物質で治療することを更に含む、段落19~27のいずれか1つに記載の方法。
30.当該抗生物質がアズトレオナム、コリスチン、及び/又はトブラマイシンを含む、段落28又は29に記載の方法。
【0045】
本明細書中に記載される本発明の任意の1つの実施形態(実施例もしくは特許請求の範囲、又は本明細書中の番号付けされた段落のみに記載されるものを含む)は、本発明の任意の1つ以上の更なる実施形態と、このような組み合わせが不適切であるか又は明確に否定されない限り、組み合わせられ得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に具体的に参照すると、示される詳細は、例としてであり、本発明の実施形態の例示的議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0047】
図面は以下の通りである。
【
図1】単離されたファージ間のパーセント配列相同性(局所BLASTに基づく)をまとめた距離行列である。
【
図2】宿主細菌多座配列タイピング(multilocus sequence typing、MLST)に従ってプロファイリングされた単離されたファージの宿主範囲を示す。少なくとも1つの細菌メンバーが対応するファージによって感染されていることが見出されたMLSTインスタンスは、「+」とマークされた。
【
図3A】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3B】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3C】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3D】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3E】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3F】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3G】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3H】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3I】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図3J】個々のバクテリオファージ若しくはカクテル、異なる抗生物質、又はバクテリオファージ及び抗生物質の両方によるPseudomonas aeruginosa株のインビトロ液体感染の増殖曲線を示す。
【
図4A】Pseudomonas aeruginosaバイオフィルム及びその中に包埋されたPseudomonas aeruginosa細菌に対するファージ効果を評価するために使用された2つのアッセイの結果を示す。ファージカクテルで処理した後(右)及びファージカクテルなし(左)の、クリスタルバイオレットで染色したバイオフィルムの画像である。
【
図4B】Pseudomonas aeruginosaバイオフィルム及びその中に包埋されたPseudomonas aeruginosa細菌に対するファージ効果を評価するために使用された2つのアッセイの結果を示す。ファージカクテル(右列)、抗生物質(中央列)又は非投与(左列)で処理した後のバイオフィルムに包埋された細菌の数を示す。
【
図5A】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【
図5B】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【
図5C】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【
図5D】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【
図5E】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【
図5F】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【
図5G】各ファージメンバーについて別々に観察されたTTMと比較した、ファージ混合物の相乗的性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、属Pseudomonasの細菌、より具体的には種Pseudomonas aeruginosaの細菌に感染することができるバクテリオファージ株に関する。
【0049】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は実施例によって例示される詳細に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、又は様々な方法で実施若しくは実行することが可能である。
【0050】
本発明者らは、1つ以上のPseudomonas aeruginosa株に対して高い特異性を有することを特徴とする新規なバクテリオファージ株を単離した。開示されたバクテリオファージは溶解性であり、したがって、それらの細菌宿主のDNAに組み込むいかなる能力も有さない。そのようなバクテリオファージは、必要なファージタンパク質成分を製造するために宿主タンパク質発現機構を乗っ取った後の溶解を通じて、即時の標的細菌根絶をもたらす。
【0051】
本発明者らは、特定のファージ株を組み合わせ、単回投与で無数のPseudomonas aeruginosa株を溶解することができるカクテルとしてそれらを提供しようとした。カクテルは、Pseudomonas aeruginosa感染に関連することが知られている嚢胞性線維症(CF)の治療のための既製の治療薬として機能することができる。更に、各個体は広範囲のPseudomonas aeruginosa株によって感染され得るので、混合物は、個体レベルでCFを処置するための高い治療効力を有することが想定される。
【0052】
本明細書に開示される組み合わせは、典型的には、標的細菌に対するそれらの阻害効果に関して相乗的(例えば、相乗的組み合わせ)である。これは、変異にかかる時間(TTM)、すなわち、細菌が変異してファージの阻害効果を克服するのにかかる時間を測定することによって定量化することができる。2つのファージX及びYが標的細菌株Hに感染することが知られている場合、各ファージのTTMを別々に、並びにそれらの組み合わせのTTMを同じ増殖条件下で測定する。組み合わせ[X,Y]のTTMがX及びYの両方のTTMよりも長い場合に、相乗的重複効果が現れる。
【0053】
特定の実施形態では、単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株は、TTMが測定される細菌に関して、最も長い個々のファージTTMを少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、又は80%上回る、変異までの時間(TTM)に基づく相乗的重複効果を有する。
【0054】
代替的又は追加的に、特定の実施形態では、単離されたバクテリオファージのうちの少なくとも2種の異なる株は、OD600-時間プロットの正規化曲線下面積(AUC)に基づいて、当該細菌(又は当該細菌の2つ以上の混合物)に関する最小の個々のファージ正規化曲線下面積よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%小さい相乗的重複効果を有する。
【0055】
ここで、バクテリオファージ(又はその組み合わせ)の存在下での細菌増殖を経時的にOD600としてプロットすると、各ファージ(又はその組み合わせ)について曲線下面積を計算することができる。そのようなAUCは、非ファージ対照AUCに対して正規化された場合、組み合わせにおける個々のファージと比較して、ファージ組み合わせによる細菌増殖の相乗的抑制を評価するために比較することができる。
【0056】
理論に束縛されるものではないが、相乗作用は、2つのファージX及びYによって使用される感染の異なる機構に由来し得る。本発明の特定の実施形態によれば、相乗的TTM増加は、ファージ組み合わせの「少なくとも2ファージ%カバレッジ」、及び/又は「少なくとも3ファージ%カバレッジ」、及び/又は「少なくとも4ファージ%カバレッジ」、及び/又は「少なくとも5ファージ%カバレッジ」形質によって予測され得る。
【0057】
したがって、本発明の第1の態様によれば、Pseudomonas aeruginosa種の細菌に感染することができる単離されたバクテリオファージであって、配列番号1~10に記載の核酸配列のうちの1つと少なくとも95%同一のゲノム核酸配列を有する、バクテリオファージが提供される。任意選択で、バクテリオファージは天然に存在せず、少なくとも1つの異種遺伝子操作変異を含む。
【0058】
本明細書で使用される場合、「バクテリオファージ」及び「ファージ」という用語は互換的に使用され、細菌に感染することができる単離されたウイルスを指す。典型的には、ファージは、1)そのゲノムを構成する核酸の性質、例えば、DNA、RNA、一本鎖又は二本鎖、2)その感染性の性質、例えば、溶菌性又は溶原性、及び3)それが感染する特定のPseudomonas aeruginosa亜種(及び特定の場合にはそのPseudomonas aeruginosa亜種の特定の株)によって特徴付けられる。この態様は、「宿主範囲」として知られている。
【0059】
本明細書中で使用される場合、句「単離されたバクテリオファージ」、「単離物」又は文法上の等価物は、その天然の環境から除去された(例えば典型的に感染する細菌から除去される)バクテリオファージを指す。一実施形態では、単離されたバクテリオファージは、元の臨床試料又は環境試料中に天然に存在する細胞材料及び/又は他の要素から除去される。「単離されたバクテリオファージ」という用語は、ヒト又は動物の患者から単離されたファージ(「臨床分離株」又は「臨床バリアント」)、及び環境から単離されたファージ(「環境分離株」)が含まれる。
【0060】
一実施形態では、バクテリオファージは溶菌性である。
【0061】
「溶菌性バクテリオファージ」という用語は、細菌宿主に感染し、ファージ核酸を宿主ゲノムに組み込むことなくその宿主を溶解させるバクテリオファージを指す。溶菌性バクテリオファージは、典型的には、溶原サイクルを用いて複製することができない。
【0062】
本明細書中で使用される場合、句「ファージ株」は、本明細書中に記載されるように、寄託されたファージ又は配列決定されたファージを指す。
【0063】
バクテリオファージは、Polish Collection of micororganisms PCM),Institute of Immunology and Experimental Therapy,Polish Academy of Sciences,Ul.Weigla 12,53-114 Wroclaw,Polandに寄託されており、寄託番号は、本明細書の以下の表2.1に提供されている。
【0064】
「Pseudomonas aeruginosa」という用語は、Pseudomonas属の細菌の種に関する。Pseudomonas細菌はグラム陰性であり、単極運動性を有する桿状である。「Pseudomonas aeruginosa」という用語は、Pseudomonas aeruginosa細菌として現在分類されているか、又は再分類される細菌を含むことが理解されよう。
【0065】
本発明のファージ株によって感染されるPseudomonas aeruginosaの例示的な株は、ヒト検体、例えば、気道、尿路、火傷、及び創傷において見出される株である。
【0066】
いくつかの態様では、本明細書において提供されるバクテリオファージは、免疫及び/又は炎症応答(複数可)を誘導し、とりわけCF患者における進行性肺機能低下に関連する有害なPseudomonas aeruginosaを溶解することができる。
【0067】
特定の実施形態では、本明細書に記載のファージは、対象(例えばCF患者)に感染する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又はそれ以上のPseudomonas aeruginosa株(例えば、実施例1のリストからのもの)及び/又は
図2のリストからの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又はそれ以上のPseudomonas aeruginosaのMLSTに感染することができる。
【0068】
特定の実施形態では、本明細書に記載のファージは、対象(例えば、気道、尿路、火傷、及び創傷)に存在する、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又はそれ以上のPseudomonas aeruginosa株(例えば、実施例1のリストからのもの)、及び/又は少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又はそれ以上の
図2のリストからのPseudomonas aeruginosaのMLSTに感染することができる。
【0069】
特定の実施形態では、本明細書に記載のファージは、CF患者などの対象に感染する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又はそれ以上の緑膿菌株例えば、実施例1のリストからのもの及び/又は
図2のリストからの緑膿菌の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又はそれ以上のMLSTに感染することができる。
【0070】
Pseudomonas属の一種は、種内で非常に多様である細胞外莢膜をコードする。この莢膜は、オリゴ糖の異なる反復単位から構成される高分子量多糖である。異なるオリゴ糖の組み合わせは、血清型と呼ばれる。Pseudomonasでは、血清学的に定義された20以上の血清型が存在する。
【0071】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載されるファージは、特定の莢膜遺伝子座型を有するPseudomonas aeruginosa 細菌株に感染することができる。
【0072】
配列番号1~10に記載のゲノム核酸を有するファージの子孫も企図され、ここで、子孫は、上記のゲノム核酸配列のうちの1つを有する親バクテリオファージが感染するのと同じPseudomonas aeruginosaの亜種(又は株であっても)に感染し得る。そのような子孫は、親バクテリオファージのゲノムと少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、96%同一、97%同一、98%同一、又は99%同一の配列を有するゲノムを有し得る。
【0073】
本明細書中で使用される場合、「又はバクテリオファージの子孫」という用語は、本明細書中で同定される株から生じるか又はそれに由来するバクテリオファージを指す。
【0074】
また、配列番号1~10に記載のゲノム核酸配列を有するものの機能的相同性も企図され、ここで、機能的に相同なバクテリオファージは、上記のゲノム核酸配列のうちの1つを有するバクテリオファージが感染するのと本質的に同じPseudomonas aeruginosaの亜種(又は株であっても)に感染し得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「機能的相同性」又は「機能的に相同な」又は「改変体」又は文法上の等価物は、本明細書中で使用される場合、配列決定されたバクテリオファージのゲノム核酸配列とは異なるゲノム核酸配列(すなわち、少なくとも1つの変異)を有するバクテリオファージであって、配列決定されたバクテリオファージと実質的に同じ生物学的活性のアンサンブル(同じ条件下で試験した場合、+/-10%、20%、40%、50%、60%)を与えられ、種/株分類の公知の方法に基づいて細菌の本質的に同じ株又は亜種に感染するとして分類され得るバクテリオファージをいう。
【0076】
バクテリオファージは、細菌を溶解させるか、又はその核酸配列を細菌ゲノムに組み込む場合に、細菌に「感染」する。
【0077】
特定の実施形態によれば、本明細書に開示されるバクテリオファージは、それらの標的細菌を溶解する。
【0078】
特定の実施形態によれば、それらの標的細菌に感染する(「標的化する」とも称する)バクテリオファージの能力は、固体アッセイ又は液体アッセイを使用して測定される。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるバクテリオファージのゲノム核酸配列は、(i)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のゲノム配列のゲノム配列、及び/又は(ii)実施例7に記載の表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子の組み合わせ領域と、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.1%、少なくとも約97.2%、少なくとも約97.3%、少なくとも約97.4%、少なくとも約97.5%、少なくとも約97.6%、少なくとも約97.7%、少なくとも約97.8%、少なくとも約97.9%、少なくとも約98%、少なくとも約98.1%、少なくとも約98.2%、少なくとも約98.3%、少なくとも約98.4%、少なくとも約98.5%、少なくとも約98.6%、少なくとも約98.7%、少なくとも約98.8%、少なくとも約98.9%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.99%、又はそれ以上同一である。
【0080】
特に、バクテリオファージは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の核酸配列と少なくとも95%同一(%相同)のゲノム核酸配列、及び/又は(ii)実施例7に記載の表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子の組み合わせ領域を有する。
【0081】
特定の実施形態によれば、バクテリオファージは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の全長核酸配列と少なくとも95%同一(%相同)であるゲノム核酸配列を有する。
【0082】
特定の実施形態によれば、バクテリオファージは、(例えば、組み合わせ領域において)表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一である遺伝子を含み、ここで、必須遺伝子は、実施例7において選択されたバクテリオファージについて記載されている遺伝子である。
【0083】
本明細書中で使用される場合、2つの核酸配列又はポリペプチド配列の文脈において本明細書中で使用される「パーセント相同性」、「パーセント同一性」、「配列同一性」もしくは「同一性」又は「文法上の等価物」は、整列された場合に同じである2つの配列における残基への言及を含む。配列同一性パーセントがタンパク質に関して使用される場合、同一ではない残基位置は、アミノ酸残基が類似の化学的特性、(例えば、電荷又は疎水性)を有する他のアミノ酸残基と置換され、したがって分子の機能的特性を変化させない保存的アミノ酸置換によって異なることが多いことが認識される。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性パーセントは、置換の保存的性質を補正するために上方に調整され得る。このような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有するとみなされる。この調整を行うための手段は、当業者に周知である。典型的には、これは、保存的置換を完全なミスマッチではなく部分的なミスマッチとしてスコア付けし、それによってパーセント配列同一性を増加させることを含む。したがって、例えば、同一のアミノ酸にスコア1が与えられ、非保存的置換にスコア0が与えられる場合、保存的置換には0~1のスコアが与えられる。保存的置換のスコアリングは、例えば、Henikoff S and Henikoff JGのアルゴリズムに従って計算される。[タンパク質ブロックからのアミノ酸置換マトリックス。Proc.Natl.Acad.Sci.米国。1992、89(22)、10915~9]。
【0084】
パーセント同一性は、例えば、National Center of Biotechnology Information(NCBI)のBLASTnソフトウェアを含む任意の相同性比較ソフトウェアを使用して、例えばデフォルトパラメータを使用することによって決定することができる。
【0085】
2つの配列間のパーセント相同性又は同一性を決定するために使用され得る他の例示的な配列アラインメントプログラムとしては、FASTAパッケージ(厳密な(SSEARCH、LALIGN、GGSEARCH及びGLSEARCH)及びヒューリスティックな(FASTA、FASTX/Y、TFASTX/Y及びFASTS/M/F)アルゴリズムを含む)、EMBOSSパッケージ(Needle、stretcher、water及びmatcher)、BLASTプログラム(BLASTN、BLASTX、TBLASTX、BLASTP、TBLASTNを含むがこれらに限定されない)、megablast及びBLATが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、配列アラインメントプログラムはBLASTNである。例えば、95%相同性は、BLASTNによって、全ての非重複アラインメントセグメント(BLAST HSP)を組み合わせ、それらの同一マッチの数を合計し、この合計をより短い配列の長さで割ることによって決定される95%配列同一性を指す。
【0086】
いくつかの実施形態では、配列アラインメントプログラムは、基本的な局所アラインメントプログラム例えば、BLASTである。一部の実施形態では、配列アラインメントプログラムは、ペアワイズグローバルアラインメントプログラムである。いくつかの実施形態において、ペアワイズグローバルアラインメントプログラムは、タンパク質-タンパク質アラインメントのために使用される。いくつかの実施形態では、ペアワイズグローバルアラインメントプログラムはNeedleである。いくつかの実施形態では、配列アラインメントプログラムは多重アラインメントプログラムである。いくつかの実施形態では、多重アラインメントプログラムはMAFFTである。いくつかの実施形態では、配列アラインメントプログラムは、全ゲノムアラインメントプログラムである。いくつかの実施形態では、全ゲノムアラインメントは、BLASTNを使用して実施される。いくつかの実施形態では、BLASTNは、デフォルトパラメータに対するいかなる変更もなしに利用される。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態によれば、同一性は、全体的な同一性すなわち、本発明の核酸配列全体にわたる同一性であり、その一部にわたる同一性ではない。
【0088】
追加的又は代替的な実施形態によれば、機能的相同体は、コアゲノムのDNA保存性を検出する平均ヌクレオチド同一性(ANI)として決定される(Konstantinidis K and Tiedje J M,2005,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2567(2592)。いくつかの実施形態では、機能的相同体と寄託されたバクテリオファージ(又は配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージ)との間のANIは、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%以上である。
【0089】
追加的又は代替的な実施形態によれば、機能的相同体は、オリゴヌクレオチド頻度に基づくテトラヌクレオチドシグネチャー頻度相関係数として決定される、機能的相同体と配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに示されるゲノムを有するバクテリオファージとの間の関連性の程度によって決定される(Bohlin J.et al.2008,BMC Genomics,9:104)。いくつかの実施形態では、バリアントと、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージとの間のテトラヌクレオチドシグネチャー頻度相関係数は、約0.99、0.999又はそれ超である。
【0090】
追加の又は代替の実施形態によれば、機能的相同体と配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージとの間の関連性の程度は、1つ又は2つ以上の制限エンドヌクレアーゼを使用するパルスフィールドゲル電気泳動(Pulsed-field gel electrophoresis、PFGE)によって親バクテリオファージ及びバリアントバクテリオファージのゲノムを分析した場合に得られる類似性の程度として決定される。PFGEによって得られる類似性の程度は、Dice類似性係数によって測定することができる。いくつかの実施形態では、変異体と、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージとの間のDice類似生係数は、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%以上である。
【0091】
追加又は代替の実施形態によれば、機能的相同体と配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージとの間の関連性の程度は、反復遺伝子外パリンドロームエレメントベースのPCR(repetitive extragenic palindromic element-based PCR、REP-PCR)によって得られた両方のファージの遺伝子プロファイルを比較することによって得られるピアソン相関係数によって決定される(例えば、Chou and Wang,Int J Food Microbiol.2006,110:135-48参照)。いくつかの実施形態では、ピアソン相関係数は、バリアント及び上記(例えば寄託ファージ)のREP-PCRプロファイルを比較することによって得られるピアソン相関係数は、少なくとも約0.99、少なくとも約0.999以上である(例えば、bmcmicrobioldotbiomedcentraldotcom/articles/10.1186/s12866-020-01770-2を参照されたい。
【0092】
追加の又は代替の実施形態によれば、機能的相同体と、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージとの間の関連性の程度は、多遺伝子座配列タイピング(Multi-locus sequence typing、MLST)によって得られた両方のファージの遺伝子プロファイルを比較することによって得られる連鎖距離によって定義される(例えば、Maiden,M.C.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.米国95:3140-3145を参照されたい)。いくつかの実施形態では、機能的相同体と、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載の ゲノムを有するファージとのMLSTによって得られる連結距離は、少なくとも約0.99、少なくとも約0.999以上である。
【0093】
追加の又は代替の実施形態によれば、機能的相同体は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージのものと少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、又はそれ以上同一である機能的に保存された遺伝子又はその断片、すなわち必須遺伝子、例えばインテグラーゼ遺伝子、ポリメラーゼ遺伝子、カプシドタンパク質アセンブリ遺伝子、DNAターミナーゼ、尾部繊維遺伝子、又はリプレッサー遺伝子を含む。
【0094】
開示されたバクテリオファージの各々について、実施例7は、それらの必須遺伝子の遺伝子名を提供する。
【0095】
追加又は代替の実施形態によれば、機能的相同体は、コード配列(遺伝子)順序の比較によって定義される。
【0096】
追加又は代替の実施形態によれば、機能的相同体は、実施例7に記載の、表2に列挙されたバクテリオファージから選択されるバクテリオファージの必須遺伝子のコード配列(遺伝子)順序の比較によって定義される。
【0097】
追加又は代替の実施形態によれば、機能的相同体は、非コード配列の順序の比較によって定義される。
【0098】
追加又は代替の実施形態によれば、機能的相同体は、コード配列及び非コード配列の順序の比較によって定義される。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態によれば、機能的相同体の組み合わされたコード領域は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージのゲノム配列内のコード領域の元の順序を維持するが、非コード領域を含まないようなものである。
【0100】
例えば、ゲノム配列が以下のコード領域、A、B、C、D、E、F、Gを有し、それぞれが非コード配列(例えば、調節エレメントなど)に隣接する場合、組み合わせコード領域は、A+B+C+D+E+F+Gコード領域が一緒に組み合わされているが、他方でそれらのゲノムの元の順序を維持しているが、非コード配列を有していない単一の核酸配列を含む。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態によれば、機能的相同体の組み合わされた非コード領域は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージのゲノム配列内のような非コード領域の元の順序を維持するが、元のバクテリオファージに元々存在するようなコード領域を含まないようなものである。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態によれば、機能的相同体の組み合わされた非コード領域及びコード領域(すなわち、ゲノム)は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージのゲノム配列内のようなコード領域及び非コード領域の元の順序を維持するようなものである。
【0103】
本明細書で使用される場合、「維持する」は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに示されるゲノムを有するバクテリオファージと比較して、機能的相同体のコード領域及び/又は非コード領域のうちの少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%に関する。
【0104】
追加又は代替の実施形態によれば、機能的相同体は、遺伝子内容の比較によって定義される。
【0105】
特定の実施形態によれば、機能的相同体は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1つに記載のゲノムを有するバクテリオファージのゲノムに存在する組み合わせコード領域と、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上(例えば100%)同一の組み合わせコード領域を含む。
【0106】
本明細書で使用される場合、「組み合わせコード領域」は、元のバクテリオファージのコード領域の全てを含むが、元のバクテリオファージの非コード領域を含まない核酸配列を指す。
【0107】
一実施形態では、バクテリオファージは、本明細書に開示されるバクテリオファージと最大85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を示し、以下の特徴、すなわち類似の宿主範囲、感染性の類似のタイプ(すなわち溶菌性又は溶原性)のうちの少なくとも1つを共有する。
【0108】
別の実施形態では、バクテリオファージは、本明細書に開示されるバクテリオファージと最大85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を示し、以下の特徴、類似タイプの感染性の両方を共有する。
【0109】
2つのファージゲノム間の関連性を決定するために使用され得る更なるバイオインフォマティクス方法としては、Nucmer及びMinimapが挙げられ、これらは両方ともアラインメントに基づくツールであり、それぞれ情報ベースのツールであるWin-zip、Jacard距離、及びMinHash並びにコドン使用頻度類似性、経路類似性、及びタンパク質モチーフ類似性である。
【0110】
本明細書中で使用される場合、「宿主範囲」とは、特定のファージによる感染に感受性である細菌を指す。ファージの宿主範囲は、細菌の株、亜種、種、属、又は複数の属を含み得るが、これらに限定されない。
【0111】
ファージ分離株は、当該分野で既知の方法、例えば、プラークアッセイ、液体培地アッセイ、固体培地アッセイを使用して調製され、表現型決定され得る。いくつかの実施形態では、ファージを定量及び単離するための固体培地アッセイは、プラークアッセイ(S.T.Abedon et al.,Methods in Molecular Biology 2009(Clifton,N.J.),501,161-74)に基づき、メッキ効率(efficiency of plating、EOP)(E.Kutter,Methods in Molecular Biology 2009(Clifton,N.J.),501,141-9)から、斑点試験(P.Hyman et al.,Advances in Applied Microbiology(1st ed.,Vol.70,pp.217-48)2010.Elsevier Inc.)に及ぶ。いくつかの実施形態では、プラークアッセイに使用されるプレートフォーマットは、例えば、ペトリ皿から48ウェルプレートに変更することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、二重層プラークアッセイを使用して、バクテリオファージ単離株を表現型決定する。例えば、4mLのBHISのスターター培養物に、プレートからの50~100コロニーを接種することができる。この培養物は、嫌気性環境において37℃で16時間インキュベートされ得る。200μLの体積のこの培養物を、100μLのファージ含有試料(又は培地のみの対照)と混合し、15分間インキュベートすることができる。5mLのBHISトップ寒天(1mM Ca2+、Mn2+及びMg2+イオンを補充した予め融解した0.4%寒天BHISを添加してもよい)、及び混合物をBHIS底寒天プレート(1.5%寒天BHIS)上に注いでもよい。プレートを室温でゲル化させ、次いで、プラークが同定されるまで嫌気性環境において37℃で16時間インキュベートすることができる。
【0113】
一部の実施形態では、改変されたスポットドロップアッセイを使用して、バクテリオファージ分離株を表現型決定する。例えば、4mLのBHISのスターター培養物に、プレートからの50~100コロニーを接種することができる。この培養物は、嫌気性環境において37℃で16時間インキュベートされ得る。200μLの体積のこの培養物を、5mLのBHISトップ寒天(1mM Ca2+、Mn2+及びMg2+イオンを補充した予め融解した0.4%寒天BHISを添加してもよい)と混合し、混合物をBHIS底寒天プレート(1.5%寒天BHIS)上に注ぐことができる。プレートを室温でゲル化させ、次いで嫌気性環境において37℃で30分間インキュベートすることができる。この段階で、ファージ又は対照として培地のみを含有する5μLの試料をプレート上に滴下し、放置して吸収させ、次いで、計数のためにプラークが見えるようになるまで16時間インキュベートすることができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、液体培地アッセイを使用して、バクテリオファージを表現型決定する。いくつかの実施形態において、液体ベースのファージ感染アッセイは、感染の時間経過に従い、固相プラークアッセイと比較して、感染の定量的エンドポイント以上のものを提供することができる。いくつかの実施形態では、液体培地中でファージを細菌と混合し、次いで経時的に培養物の濁度を追跡することによって、異なる細菌株がファージとどのように相互作用するかの間のより微細な差異(例えば、細胞溶解時間の遅延)を識別することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、液体ベースのファージ感染アッセイは、細菌及びファージが一緒に混合される実験の開始から、宿主細菌がファージに対する耐性を(おそらく変異によって)発達させるまでの期間を測定するために使用される。この期間は、変異までの時間(TTM)としても知られている。このようなTTMアッセイを使用して、
図5A~5Gに示される結果を得た。
【0116】
いくつかの実施形態では、TTMは、OD読み取り値が所定の閾値(例えば、0.1OD600)に達した場合に相乗的であると宣言される。次いで、組み合わせ、例えば、X、YのTTMが、個々のメンバーファージのより長いTTM、例えばX単独のTTM及びY単独のTTMよりも例えば50%長い場合、相乗的重複効果が結論付けられる。
【0117】
一実施形態では、相乗効果は、より長い個々のファージメンバーTTMより10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%上回るものとして定義される。
【0118】
いくつかの実施形態では、液体培地アッセイは、96ウェルプレートを使用し、プレートリーダーで光学密度を読み取ることによってハイスループット測定を可能にする。
【0119】
例えば、細菌株は、約1.5~2のOD600まで16時間増殖させることができる。次いで、この培養物を、BHIS培地を使用して、開始光学密度、代表的には0.03~0.05OD600まで希釈し得る。次いで、200μLの体積の培養物を、Nunclon平底96ウェルプレートのウェルに分注することができる。10μLのファージ含有試料又は対照として10μLの培地を各ウェルに添加することができる。蒸発を制限するためにウェルを50μLの鉱油で覆うことができ、培養物を無菌に保つために薄い無菌の光学的に透明なポリウレタンフィルムを加えることができる。光学密度の測定は、Tecan EVO75ロボットに接続されたTecan Infinite M200プレートリーダーにおいて、例えば20分毎に行われ得る。測定の間に、プレートを、EVO75インキュベーター内で、例えば37℃で振盪しながらインキュベートしてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、感染性は、固体アッセイのみにおけるプラークの存在によって決定される。いくつかの実施形態では、感染性は、液体アッセイのみにおけるプラークの存在によって決定される。いくつかの実施形態では、感染性は、液体アッセイ及び固体アッセイの両方におけるプラークの存在によって決定される。
【0121】
本明細書に記載されるバクテリオファージは、典型的には、それらの有病率、すなわち、濃度が天然に見出されるものよりも富化されている(それを超える)調製物中に存在する。
【0122】
「調製物」という用語は、バクテリオファージの有病率が天然に見出されるものよりも富化されている組成物を指す。バクテリオファージは細菌細胞に感染するので、細菌が豊富な検体又は試料-、例えば下水、廃水及び糞便を含む生物学的試料などの環境試料中に見出され得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、調製物は、50種未満の微生物種、例えば、細菌及び真菌、例えば、40種未満の細菌種、30種未満の細菌種、20種未満の細菌種、10種未満の細菌種、5種未満の細菌種、4種未満の細菌種、3種未満の細菌種、2種未満の細菌種を含むか、又は細菌を完全に欠いている。
【0123】
特定の実施形態によれば、調製物は、単一株のバクテリオファージ(又はその機能的相同体)、2種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、3種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、4種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、5種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、6種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、7種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、8種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、9種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)、又は10種以下の異なるバクテリオファージ株(又はその機能的相同体)を含む。
【0124】
一実施形態では、調製物は、ファージ株のうちの少なくとも1つがCF1_20NOV10(配列番号1に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)である場合、複数のファージ株を含む。
【0125】
別の実施形態では、調製物は、ファージ株のうちの少なくとも1つがCF1_20DEC107(配列番号2に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)である場合、複数のファージ株を含む。
【0126】
別の実施形態では、調製物は、ファージ株のうちの少なくとも1つがCF1_20Dec110(配列番号3に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)である場合、複数のファージ株を含む。
【0127】
一実施形態では、調製物は、ファージ株のうちの少なくとも1つがCF1_20NOV10(配列番号1に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)であり、ファージ株の他方が、CF1_20DEC107(配列番号2に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)である場合、少なくとも2種の異なるファージ株を含む。
【0128】
一実施形態では、調製物は、ファージ株のうちの少なくとも1つがCF1_20NOV10(配列番号1に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)であり、ファージ株の第2がCF1_20DEC107(配列番号2に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一のゲノム配列を有する)であり、ファージ株の第3がCF1_20Dec110(配列番号3に記載の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%、99.9%又は100%)同一であるゲノム配列を有する)である場合、少なくとも3つの異なるファージ株を含む。
【0129】
単一組成物中のコアファージの例示的な組み合わせは、本明細書の以下の表1に提供される。
【0130】
更なる企図される組み合わせは、本明細書の以下の実施例2、実施例3及び実施例4に提供される。
【0131】
【0132】
本発明者らによって企図される1つの例示的なカクテルは、以下のファージ:CF1_20NOV10、CF1_20DEC107及びCF1_20Dec110を含むものである。
【0133】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団の細菌の異なる株の20%超(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含むが標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の20%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。特定の実施形態では、混合集団は、実施例1におけるPseudomonas aeruginosa株のリストから選択される。
【0134】
別の実施形態では、組み合わせは、少なくとも40、60、80、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000種の異なるPseudomonas aeruginosa株が標的化されるように選択される。
【0135】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の30%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の30%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0136】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の40%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の40%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0137】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の45%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の45%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0138】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の50%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の50%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0139】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の55%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の55%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0140】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の60%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の60%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0141】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の65%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の65%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0142】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の70%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の70%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0143】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の75%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の75%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0144】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の80%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の80%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0145】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の85%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の85%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0146】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、40種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の90%超が標的化される(かつ溶解される)ように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全株の90%超が標的化され、かつ溶解されるように選択される。
【0147】
本明細書に記載の組み合わせは、重複する宿主カバレッジを有するファージを含むように選択することができる。宿主カバレッジは、細菌株分類、細菌莢膜型及び/又は多遺伝子座配列タイピング(MLST)に関して定義することができる。(http://sanger-pathogens(dot)github(dot)io/ariba/)参照。
【0148】
一実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の10%超が、1種を超えるファージ株(例えば組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の10%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0149】
別の実施形態では、組み合わせは、少なくとも10、20、40、60、80、100種の特異的Pseudomonas aeruginosa株が、組み合わせの1種を超える(例えば、2、3、4又5種)のファージ株によって標的化されるように選択される。
【0150】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の15%超が、1種を超えるファージ株(例えば組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の15%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0151】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の20%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の20%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0152】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の25%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の25%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0153】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の30%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の30%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0154】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の35%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の35%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0155】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の40%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の40%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0156】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の45%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の45%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0157】
別の実施形態では、組み合わせは、Pseudomonas aeruginosaの混合集団(例えば、20種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、60種超の異なるPseudomonas aeruginosa株、及び好ましくは80種超の異なるPseudomonas aeruginosa株を含む)の細菌の異なる株の50%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化されるように選択される。一実施形態では、組み合わせは、ヒトに感染するPseudomonas aeruginosaの全ての株の50%超が、1種を超えるファージ株(例えば、組み合わせの少なくとも2種のファージ株、組み合わせの少なくとも3種のファージ株、組み合わせの少なくとも4種のファージ株又は組み合わせの少なくとも5種のファージ株)によって標的化及び溶解されるように選択される。
【0158】
本明細書を通して、ファージが具体的に命名される場合、本発明は、それらのゲノムの配列に対して少なくとも90%の同一性を有するファージも考慮し、ファージは類似の宿主範囲を有することが理解されるであろう。
【0159】
特定の実施形態によれば、調製物は、少なくとも約106PFU、107PFU、108PFU、109PFU、又は更に1010PFU以上の上記の(例えば、寄託された)バクテリオファージ又はその機能的相同体若しくはその子孫を含む。
【0160】
本明細書に記載されるバクテリオファージは、それらのゲノムが異種配列を含むように遺伝子改変されてもよい。
【0161】
一実施形態では、異種配列は、形質転換が成功したかどうかを示すマーカー、例えばバーコード配列として機能する。
【0162】
別の実施形態では、異種配列は、治療剤又は診断剤(本明細書においてペイロードとも称される)をコードする。治療剤又は診断剤は、核酸(例えば、RNAサイレンシング剤)、ペプチド又はタンパク質であり得る。治療剤は、典型的には、治療される疾患に従って選択される。したがって、例えば、バクテリオファージがPseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を治療するために使用される場合、治療剤は、典型的には、その疾患を治療するために有用であることが知られているものである。
【0163】
本明細書中で使用される場合、「RNAサイレンシング剤」は、標的遺伝子の発現を特異的に阻害又は「サイレンシング」することができるRNAを指す。特定の実施形態では、RNAサイレンシング剤は、転写後サイレンシング機構を介してmRNA分子の完全なプロセシング(例えば、完全な翻訳及び/又は発現)を防止することができる。RNAサイレンシング剤は、非コードRNA分子、例えば、対になった鎖を含むRNA二本鎖、並びにそのような小さな非コードRNAが生成され得る前駆体RNAを含む。例示的なRNAサイレンシング剤としては、siRNA、miRNA及びshRNA等のdsRNAが挙げられる。一実施形態では、RNAサイレンシング剤は、RNA干渉を誘導することができる。別の実施形態では、RNAサイレンシング剤は翻訳抑制を媒介することができる。本発明の一実施形態によれば、RNAサイレンシング剤は、標的RNAに特異的であり、標的遺伝子に対して99%以下の全体的相同性、例えば標的遺伝子に対して98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%未満の全体的相同性を示す遺伝子又はスプライスバリアントを交差阻害又はサイレンシングしない。
【0164】
例示的なRNAサイレンシング剤としては、siRNA、shRNA、miRNA及びガイドRNA(gRNA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
治療剤は、細菌タンパク質又はペプチド(例えば、バクテリオファージで治療される対象においてワクチンとして作用し得る小細菌ペプチド)、治療タンパク質又はペプチド(例えば、サイトカイン、例えば、IL-15)、可溶性ペプチド又はタンパク質リガンド(例えば、STINGアゴニスト又はTRAIL)、毒性若しくは疾患を引き起こす抗原を認識するか、又は免疫療法において有用である抗体若しくは抗体断片(例えば、チェックポイント阻害剤)、発現された場合に治療的に有用な産物を産生する酵素(例えば、治療的に有用な細菌代謝産物若しくは他の細菌抗原を産生する細菌酵素又は代謝カセット、LPSを産生するか、又はグラム陰性菌の外膜からのLPSの切断を引き起こす細菌酵素)、共通腫瘍抗原、又は発現された場合に共通腫瘍抗原、固有腫瘍抗原若しくはネオ抗原を産生する酵素、又は発現された場合に固有腫瘍抗原若しくはネオ抗原を産生する酵素であってもよい。
【0166】
別の実施形態では、治療剤は、嚢胞性線維症の治療において治療的である薬剤である。
【0167】
別の実施形態によれば、治療剤は免疫調節剤である。
【0168】
免疫調節剤の例としては、IL-2、IL-15、IL-7、IL-21、GM-CSFを含むがこれらに限定されない免疫調節サイトカイン、並びに免疫応答を更に増強することができる任意の他のサイトカイン、抗CTLA4、抗CD40、抗41BB、抗OX40、抗PD1及び抗PDL1を含むがこれらに限定されない免疫調節抗体が挙げられる。
【0169】
診断剤の例としては、蛍光タンパク質又は比色反応を生じる酵素が挙げられる。検出可能シグナルを生成する例示的なタンパク質としては、緑色蛍光タンパク質(Genbank受託番号AAL33912)、アルカリホスファターゼ(Genbank受託番号AAK73766)、ペルオキシダーゼ(Genbank受託番号NP_568674)、ヒスチジンタグ(Genbank受託番号AAK09208)、Mycタグ(Genbank受託番号AF329457)、ビオチンリガーゼタグ(Genbank受託番号NP_561589)、橙色蛍光タンパク質(Genbank受託番号AAL33917)、ベータ-ガラクトシダーゼ(Genbank受託番号NM_125776)、フルオレセインイソチオシアネート(Genbank受託番号AAF22695)、及びストレプトアビジン(Genbank受託番号S11540)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
別の例では、診断剤は、細菌ルシフェラーゼ遺伝子、例えば、Vibrio harveyi、Vibrio fischeri、及びXenorhabdus luminescensによってコードされるルシフェラーゼ遺伝子、ホタルルシフェラーゼ遺伝子FFluxなどの産物などの発光タンパク質である。
【0171】
ファージゲノムに異種配列を挿入するための組換え方法は、当該技術分野において周知である。適切なコード配列は、ファージゲノム中のいくつかの位置の1つ又は2つ以上に挿入される。一実施形態において、ファージゲノムに導入される核酸挿入物は、ファージゲノム長のおよそ10%以下である。
【0172】
ペイロードコード配列は、初期、中期又は後期発現ファージ遺伝子のいずれかの後に挿入され、既存のファージオペロン、プロモーター及びターミネーターのいずれかに依存して、ファージオペロンの一部として、又は別個のオペロンとして発現され得る。後者の場合、ファージ由来の適切なプロモーター及びターミネーターが、新たに形成されたオペロンの一部として挿入される。
【0173】
例えば、ペイロードの強い発現が必要とされる場合、ペイロードコード配列は、主要カプシドタンパク質の終止コドンの後に付加され、主要カプシドオペロンの一部として発現される。代替的に、それは、ファージの機能性を損傷しないファージゲノム中のどこにでも挿入することができる個々の新しく形成されたオペロンとして、主要カプシドタンパク質プロモーター及びターミネーターの付加によって発現させることができる。ペイロードの低発現が所望される場合、ペイロードコード配列は、通常低発現を有するターミナーゼ遺伝子(又は他の低発現遺伝子)の後に付加され得る。更に、ペイロードレベルは、所望の強度を有するリボソーム結合部位を付加することによって調整される。
【0174】
ファージ感染性及び特異性に悪影響を及ぼすことを回避するために、ペイロードコード配列は、典型的には、既存のファージオープンリーディングフレーム内に挿入されない。これに対する例外は、ペイロードがファージ外殻の融合タンパク質として発現されることが意図される場合である。ペイロードディスプレイの後者の場合、ペイロードコード配列は、ファージコートタンパク質をコードする配列にインフレームで付加される。
【0175】
本明細書に記載されるバクテリオファージは、Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患を有する対象を治療するために使用され得る。
【0176】
Pseudomonas aeruginosa感染に関連する疾患としては、嚢胞性線維症及び感染性創傷が挙げられる。
【0177】
本明細書中で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物、好ましくは、病態に罹患している任意の年齢のヒトを含む。治療を必要とする者には、既にCFを有する個体、並びに疾患を有するリスクがあるか、又は最終的に疾患にかかり得る者が含まれ得る。治療の必要性は、例えばCFの発症に関連する1つ又は2つ以上の危険因子の存在、CFの存在もしくは進行、又はCFを有する対象の治療に対する可能性のある受容性によって評価される。例えば、IBDを「治療すること」は、関連する症状を低減又は排除することを包含してもよく、根底にある疾患病因、例えば遺伝的不安定性遺伝子座の排除を必ずしも包含しない。
【0178】
「治療する」という用語は、病状(疾患、障害又は状態)の進行を阻害、予防又は停止すること、及び/又は病状の軽減、寛解又は退行を引き起こすことを指す。当業者は、様々な方法論及びアッセイを使用して、病態の発症を評価することができ、同様に、様々な方法論及びアッセイを使用して、病態の低減、寛解又は退行を評価することができることを理解するであろう。
【0179】
バクテリオファージは、それ自体で使用され得るか、又は医薬組成物の一部として使用され得、ここで、好適な担体又は賦形剤と混合される。
【0180】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」とは、本明細書中に記載される1つ又は2つ以上の活性成分と、他の化学成分(例えば、生理学的に好適な担体及び賦形剤)との調製物をいう。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
【0181】
本明細書において、「有効成分」という用語は、生物学的効果を担うバクテリオファージを指す。
【0182】
以下、互換的に使用され得る「生理学的に許容される担体」及び「薬学的に許容される担体」という語句は、生物に著しい刺激を引き起こさず、投与された化合物の生物学的活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を指す。
【0183】
本明細書において、「賦形剤」という用語は、活性成分の投与を更に容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。賦形剤の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖及び種々のタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0184】
薬物の製剤化及び投与のための技術は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,Mack Publishing Co.,Easton,PA,最新版に見出され得、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0185】
好適な投与経路としては、例えば、吸入(例えば吸入器又はネブライザーによる)、局所、経口、直腸、経粘膜、特に経鼻、腸又は非経口送達、例えば、筋肉内、皮下及び髄内注射、並びに髄腔内、直接脳室内、心臓内、例えば右心室若しくは左心室腔へ、総冠状動脈への注射、静脈内、腹腔内、鼻腔内又は眼内注射が挙げられる。
【0186】
代替的に、例えば、患者の組織領域に医薬組成物を直接注射することによって、全身的ではなく局所的に医薬組成物を投与してもよい。一実施形態では、バクテリオファージは、対象の腫瘍に直接投与されてもよい。
【0187】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物は、当該技術分野で周知のプロセスによって、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入、噴霧乾燥、コーティング又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。
【0188】
したがって、本発明のいくつかの実施形態に従って使用するための医薬組成物は、医薬的に使用することができる調製物への活性成分の加工を容易にする賦形剤及び助剤を含む1つ又は2つ以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の様式で製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0189】
注射のために、医薬組成物の活性成分は、水溶液、好ましくは生理学的に適合性の緩衝液(例えば、ハンクス液、リンゲル液、又は生理学的塩緩衝液)中で製剤化され得る。経粘膜投与のためには、透過すべき障壁に適した浸透剤が製剤中に使用される。そのような浸透剤は当該技術分野で周知である。
【0190】
経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物を当該技術分野で周知の医学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。そのような担体は、医薬組成物が、患者による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液などとして製剤化されることを可能にする。経口使用のための医学的調製物は、固体賦形剤を使用して作製され得、任意選択で、得られた混合物を粉砕し、所望される場合、適切な助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠コアを得る。適切な賦形剤は、充填剤、例えばラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖など、セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなど、及び/又は生理学的に許容されるポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)である。所望であれば、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム))が添加され得る。
【0191】
糖衣錠コアには、好適なコーティングが備わっている。この目的のために、濃縮糖溶液が使用され得、これは、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含み得る。識別のため、又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加してもよい。
【0192】
経口的に使用され得る医薬組成物としては、ゼラチンから作製されるプッシュフィットカプセル、並びにゼラチン及び可塑剤(例えば、グリセロール又はソルビトール)から作製される軟質密封カプセルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び任意選択で安定剤と混合した活性成分を含有してもよい。軟カプセルにおいて、活性成分は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解又は懸濁され得る。更に、安定剤を添加してもよい。経口投与のための全ての製剤は、選択された投与経路に適した投与量であるべきである。
【0193】
口腔投与のために、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤又は薬用キャンディーの形態をとってもよい。
【0194】
鼻吸入による投与のために、本発明のいくつかの実施形態に従って使用するための活性成分は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素の使用を伴う加圧パックからのエアロゾルスプレー提示の形態で好適に送達される。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。ディスペンサーで使用するための例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物とラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有して製剤化することができる。
【0195】
本明細書に記載の医薬組成物は、例えばボーラス注射又は連続注射による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、単位剤形、例えばアンプルで、又は複数回用量容器で、任意選択で保存剤を添加して提供することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンであってもよく、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。
【0196】
非経口投与用の医薬組成物は、水溶性形態の活性調製物の水溶液を含む。更に、活性成分の懸濁液は、適切な油性又は水性注射懸濁液として調製することができる。好適な親油性溶媒又はビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド若しくはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランなどの懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。任意選択で、懸濁液はまた、好適な安定剤又は活性成分の溶解度を増加させて高濃縮溶液の調製を可能にする薬剤を含有し得る。
【0197】
代替的に、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル例えば、滅菌された、発熱物質を含まない水性溶液で構成するための粉末形態であり得る。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物は、例えばカカオ脂又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を使用して、坐剤又は停留浣腸などの直腸用組成物に製剤化することもできる。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態の文脈における使用に好適な医薬組成物は、活性成分が意図された目的を達成するのに有効な量で含有される組成物を含む。より具体的には、治療有効量は、傷害(例えば、炎症性腸疾患)の症状を予防、緩和若しくは改善するか、又は治療される対象の生存を延長するのに有効な活性成分(バクテリオファージ)の量を意味する。
【0200】
治療有効量の決定は、特に本明細書に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0201】
本発明の方法において使用される任意の調製物について、治療有効量又は用量は、インビトロアッセイ及び細胞培養アッセイから最初に推定され得る。例えば、用量を動物モデルにおいて製剤化して、所望の濃度又は力価を達成することができる。このような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。
【0202】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10の感染多重度(MOI)に対応する量で1つ又は2つ以上のバクテリオファージを提供するように、それを必要とする対象に送達される。MOIは、感染部位におけるおよその細菌負荷を評価することによって、又は所定の型の疾患についての推定値を使用し、次いで所望のMOIを与えるように計算された量でファージを提供することによって決定される。
【0203】
いくつかの実施形態では、MOIは、細菌1つ当たり平均して10個のファージが吸着されている場合、細菌密度が有意に減少すると述べている「10の規則の多重度」に基づいて選択することができる(Abedon S T,2009,Foodborne Pathog Dis 6:807-815;and Kasman L M,et al.,2002,J Virol 76:5557-5564)。一方、より低い力価のファージ投与(例えば、10未満のMOIを使用する)は、成功する可能性が低い(Goode D,et al.,2003,App Environ Microbiol 69:5032-5036;Kumari S,et al.,2010,J Infect Dev Ctries 4:367-377)。
【0204】
他の実施形態では、ファージ(又はファージの組み合わせ)の量は、呼吸器(例えば、気管、気管支(一次、二次、及び三次)、細気管支(末端及び呼吸器を含む)、及び肺(肺胞を含む))に存在する細菌(例えば、Pseudomonas aeruginosa)の量を少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は更に100%減少させるように提供される。
【0205】
特定の実施形態では、本明細書に記載されるバクテリオファージは、対象における嚢胞性線維症(CF)のうちの少なくとも1つの発現を改善するために投与され、未治療又は対照対象におけるレベルと比較して、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上改善する状態又は障害の1つ又は2つ以上の症状又は物理的パラメータをもたらす。いくつかの態様では、改善は、バクテリオファージの投与前及び投与後の対象における症状又は身体パラメータを比較することによって測定される。いくつかの実施形態では、測定可能な物理的パラメータは、対象の痰試料又は血液試料からの細菌コロニー形成単位(CFU)数又はプラーク形成単位(PFU)数の減少である。
【0206】
本明細書に記載される活性成分の毒性及び治療有効性は、インビトロ、細胞培養又は実験動物において、標準的な医薬手順によって決定することができる。これらのインビトロ及び細胞培養アッセイ並びに動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲を製剤化する際に使用され得る。投薬量は、使用される剤形及び利用される投与経路に依存して変化し得る。正確な製剤、投与経路及び投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師が選択することができる。(例えば、Fingl,et al.,1975,in「The Pharmacological Basis of Therapeutics,」 Ch.1 p.1を参照されたい)。
【0207】
投薬量及び間隔は、生物学的効果を誘導又は抑制するのに十分な活性成分のレベル(最小有効濃度、MEC)を提供するように個々に調整され得る。MECは各調製物について変化するが、インビトロデータから推定することができる。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特徴及び投与経路に依存する。検出アッセイを使用して、血漿濃度を決定することができる。
【0208】
処置される状態の重篤度及び応答性に依存して、投薬は、単回又は複数回の投与であり得、処置の過程は、数日から数週間まで、又は治癒がもたらされるまで、又は疾患状態の減少が達成されるまで続く。
【0209】
投与される組成物の量は、もちろん、処置される被験体、苦痛の重篤度、投与の様式、処方する医師の判断などに依存する。
【0210】
本発明のいくつかの実施形態の組成物は、必要に応じて、有効成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有し得る、FDA承認キットなどのパック又はディスペンサー装置で提供され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属箔又はプラスチック箔を含み得る。パック又はディスペンサー装置には、投与のための説明書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形態で容器に付随する通知によって収容され得、この通知は、組成物の形態又はヒトもしくは動物への投与の機関による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベルのもの、又は承認された製品挿入物のものであってもよい。適合性の薬学的キャリア中に製剤化された本発明の調製物を含む組成物はまた、上記で更に詳述されるように、調製され、適切な容器に入れられ、示された状態の治療のためにラベル付けされ得る。
【0211】
本明細書に記載される組成物は、2つ以上のファージ株を含み得る。一実施形態では、組成物は、2つのファージ株、3つのファージ株、4つのファージ株、5つのファージ株、又はそれ以上を含む。
【0212】
一実施形態では、バクテリオファージカクテルは、単一のPseudomonas aeruginosa株を標的化する複数のファージを含む。
【0213】
一実施形態では、バクテリオファージカクテルは、2つ以上のPseudomonas aeruginosa株を標的化する複数のファージを含む。
【0214】
ファージの特定の組み合わせの例を以下に提供する。
【0215】
本発明の医薬組成物はまた、本明細書に記載されるような、及び/又は当該技術分野で公知の、細菌感染症の治療及び/又は予防に有用な1つ又は2つ以上の非ファージ治療剤及び/又は予防剤、例えば、1つ又は複数の従来の抗生剤と組み合わせてもよい。本発明のファージ(複数可)又はファージ産物(複数可)と組み合わせて使用され得る他の治療剤及び/又は予防剤としては、抗生物質、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、又は局所麻酔剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0216】
本明細書に記載されるバクテリオファージと共に投与され得る標準的な又は従来の抗生物質としては、限定されないが、本明細書に記載されるバクテリオファージと共に投与され得る標準的な又は従来の抗生物質としては、限定されないが、アミカシン、ゲンタミシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ロドストレプトマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、アプラマイシン、リファマイシン、ナフトマイシン、ムピロシン、ゲルダナマイシン、アンサマイトシン、カルバセフェム、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、ドリペネム、パニペネム/ベタミプロン、ビアペネム、PZ-601、セファロスポリン、セファセリル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファトリジン、セファザフルール、セファゼドン、セファゾリン、セフラジン、セフロキサジン、セフテゾール、セファクロル、セフォニシド、セフプロジル、セフロキシム、セフゾナム、セフゾナム、セフメタゾール、セフォテタン、セフォキシチン、セフカペン、セフダロキシム、セフジニル、セフジトレン、セフタメット、セフィキシム、セフメノキシム、セフテラム、セフチブテン、セフチオフルセフチオレン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフォペラゾン、セフタジジム、ラタモキセフ、セフクリジン、セフピメ、セフルプレナム、セフォセリス、セフォゾプラン、セフピロメ、セフキノメ、フロモキセフ。セフトビプロール、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アズトレオナム、ペンシリン及びペニシリン誘導体、アクチノマイシン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シノキサシン、フルメキン、ナリジクス酸、オキソリニック酸、ピロミジン酸、ピペミド酸、ロソキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシンロメフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、ルフロキサシン、バロフロキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、パズフロキサシンスパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、ガレノキサシン、ゲミフロキサシン、スチフロキサシン、トロバルフロキサシン、プルリフロキサシン、アセタゾラミド、ベンゾラミドブメタニド、セレコキシブ、クロルタリドン、クロパミド、ジクロルフェナミド、ドルゾラミド、エトキシゾラミド、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、マフェンジドメフルシド、メトラゾン、プロベネシド、スルファセトアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファニルアミド、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルチアメ、スマトリプタン、キシパミドテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、ロリテトラサイクリン、メチシリン、ナフシリンオキサシリン、クロキサシリン、バンコマイシン、テイコプラニン、クリンダマイシン、コトリモキサゾール、フルクロキサシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0217】
標準的な抗真菌剤には、リポソーマルアンフォテリシンB及び非リポソーマルアンフォテリシンBなどのアンフォテリシンBが含まれる。
【0218】
本発明者らは更に、減少した「陰性」細菌によって残されたニッチを占有するために、「良好な」細菌を含むプロバイオティクスを対象に投与することを企図する。そのようなプロバイオティック細菌は、lactobacillus、saccharomyces boulardii、及び/又はBifidobacteriumを含み得る。
【0219】
本発明のbacteiophages及びバクテリオファージカクテルは、院内感染の発生を予防又は低減するために、細菌、特にPseudomonas aeruginosaの増殖を制御するための抗感染性組成物において使用することができる。抗感染性組成物は、それと接触する表面上の細菌のコロニー形成又は増殖を低減又は阻害するのに使用される。本発明のバクテリオファージは、生物学的表面(例えば、皮膚及び粘膜)への適用のため、並びに非生物学的表面への適用のために製剤化される組成物に組み込まれ得る。
【0220】
生体表面上で使用するための抗感染製剤としては、ゲル、クリーム、軟膏、スプレーなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、抗感染製剤は、術野、又は医療従事者及び/若しくは患者の手及び/若しくは露出した皮膚を滅菌するために使用される。
【0221】
非生物学的表面上で使用するための抗感染製剤としては、スプレー、溶液、懸濁液、溶液又は懸濁液を含浸させたワイプなどが挙げられる。特定の実施形態において、抗感染製剤は、例えば器具、調理台、及び医療機器、病院設備を含む、病院、ナーシングホーム、救急車などにおける固体表面上で使用される。好ましい実施形態では、非生物学的表面は、病院装置又は病院設備の一部の表面である。特に好ましい実施形態では、非生物学的表面は、外科用装置又は外科用設備の一部である。
【0222】
本発明はまた、細菌感染の部位における原因物質を決定するための診断方法を包含する。特定の実施形態では、細菌感染の原因因子の診断は、(i)患者由来の試料、例えば、痰試料、腫瘍生検、糞便試料又は感染症を引き起こす細菌を培養するのに適切な他の試料を培養すること、(ii)当該培養物を本発明の1つ又は2つ以上のバクテリオファージと接触させること、並びに(iii)当該培養物の細胞増殖及び/又は溶解の証拠をモニタリングすることによって実行される。ファージの活性は種又は株特異的である傾向があるため、本発明の1つ又は2つ以上のファージに対する感受性又は感受性の欠如は、感染を引き起こす細菌の種又は株を示すことができる。
【0223】
試料は、患者から採取された組織生検もしくはスワブ、又は血液、涙、もしくは尿などの流体試料であってもよい。
【0224】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、ある値の+/-10%を指す。
【0225】
「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの活用形は、「含むがそれに限定されない」ことを意味する。
【0226】
「~からなる」という用語は、「~を含み、~に限定される」ことを意味する。
【0227】
「から本質的になる」という用語は、組成物、方法又は構造が、追加の成分、ステップ及び/又は部分を含んでもよいが、追加の成分、ステップ及び/又は部分が、特許請求される組成物、方法又は構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0228】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」又は「少なくとも1つの化合物」という用語は、複数の化合物(それらの混合物を含む)を含み得る。
【0229】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は、単に便宜上及び簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能な部分範囲並びにその範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、及び6を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0230】
数値範囲が本明細書で示されるときはいつでも、示された範囲内の任意の引用された数字(分数又は整数)を含むことを意味する。第1の指示数及び第2の指示数「の間の範囲/範囲」、並びに第1の指示数「から」第2の指示数「までの範囲/範囲」という句は、本明細書において互換的に使用され、第1及び第2の指示数、並びにそれらの間の全ての分数及び整数を含むことを意味する。
【0231】
本明細書で使用する「方法」という用語は、化学、薬学、生物学、生化学及び医学の実務者に公知であるか、又はこれらの者により、既知の様式、手段、技術及び手順から容易に開発されるものを含むが、これらに限定されない、所定の課題を達成するための様式、手段、技術及び手順を指す。
【0232】
特定の配列表に言及する場合、そのような言及は、例えば配列決定エラー、クローニングエラー、又は塩基置換、塩基欠失若しくは塩基付加をもたらす他の変化から生じるマイナーな配列変動を含むものとして、その相補配列に実質的に対応する配列も包含すると理解されるべきであるが、ただし、そのような変動の頻度は、50ヌクレオチド中1未満、あるいは100ヌクレオチド中1未満、あるいは200ヌクレオチド中1未満、あるいは500ヌクレオチド中1未満、あるいは1000ヌクレオチド中1未満、あるいは5,000ヌクレオチド中1未満、あるいは10,000ヌクレオチド中1未満である。
【0233】
本出願に開示される任意の配列識別番号(SEQ ID NO)は、そのSEQ ID NOがDNA配列形式又はRNA配列形式でのみ発現される場合であっても、そのSEQ ID NOが言及される文脈に依存して、DNA配列又はRNA配列のいずれかを指し得ることが理解される。同様に、いくつかの配列は、記載される分子の実際のタイプに応じて、RNA配列形式で表されるが(例えば、ウラシルについてUを記載する)、それは、dsRNAを含むRNA分子の配列、又は示されるRNA配列に対応するDNA分子の配列のいずれかを指すことができる。いずれにしても、任意の置換体と共に開示される配列を有するDNA分子及びRNA分子の両方が想定される。
【0234】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴は、別々に、又は任意の好適なサブコンビネーションで、又は本発明の任意の他の記載された実施形態において好適なように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作しない場合を除き、それらの実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0235】
上記で説明され、以下の特許請求の範囲の項で請求される本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的な裏付けを見出す。
【実施例】
【0236】
ここで以下の実施例を参照するが、これらの実施例は、上記の説明と共に、本発明のいくつかの実施形態を非限定的に例示するものである。
【0237】
一般に、本明細書中で使用される命名法、及び本発明において利用される実験手順は、分子技術、生化学技術、微生物学的技術、及び組換えDNA技術を含む。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、「Molecular Cloning:A laboratory Manual」Sambrooket al.,1989、「Current Protocols in Molecular Biology」 Volumes I-III Ausubel,R.M.,ed.(1994)、Ausubel et al.,「Current Protocols in Molecular Biology,」John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989)、Perbal,「A Practical Guide to Molecular Cloning,」John Wiley&Sons,New York(1988)、Watson et al.,「Recombinant DNA,」Scientific American Books,New York、Birren et al.(eds)「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series,」Vols.1-4,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998)、米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号、及び同第5,272,057号に記載されている方法、「Cell Biology:A Laboratory Handbook,」Volumes I-III Cellis,J.E.,ed.(1994)、「Culture of Animal Cells-A Manual of Basic Technique」by Freshney,Wiley-Liss,N.Y.(1994),Third Edition、「Current Protocols in Immunology」Volumes I-III Coligan J.E.,ed.(1994)、Stites et al.(eds),「Basic and Clinical Immunology」(8th Edition),Appleton&Lange,Norwalk,CT(1994)、Mishell and Shiigi(eds),「Selected Methods in Cellular Immunology,」W.H.Freeman and Co.,New York(1980)を参照されたい。利用可能な免疫学的検定は、特許及び科学文献に広く記載されており、例えば、米国特許第3,791,932号、同第3,839,153号、同第3,850,752号、同第3,850,578号、同第3,853,987号、同第3,867,517号、同第3,879,262号、同第3,901,654号、同第3,935,074号、同第3,984,533号、同第3,996,345号、同第4,034,074号、同第4,098,876号、同第4,879,219号、同第5,011,771号、及び同第5,281,521号、同第5,011,771号、及び同第5,281,521号、「Oligonucleotide Synthesis」 Gait,M.J.,ed.(1984)、「Nucleic Acid Hybridization」Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1985)、「Transcription and Translation」 Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1984)、「Animal Cell Culture」Freshney,R.I.,ed.(1986)、「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press,(1986)、「A Practical Guide to Molecular Cloning」Perbal,B.,(1984)and「Methods in Enzymology」Vol.1-317,Academic Press、「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications,」Academic Press,San Diego,CA(1990)、Marshak et al.,「Strategies for Protein Purification and Characterization-A Laboratory Course Manual」CSHL Press(1996)に広く記載されており、これらはすべて、参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる。他の一般的な参考文献は、本明細書を通して提供される。その中の手順は、当該技術分野において周知であると考え,られ、読者の便宜のために提供される。そこに含まれる全ての情報は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0238】
実施例1 ファージの単離及び特徴付け
材料及び方法
ファージ単離、増幅及びファージ力価の決定
CF患者由来の80種を超えるPseudomonas aeruginosa細菌株を、ATCC、CCUG、DSMZ、BEI及びIMHA IHMA細菌リポジトリから入手し、以下の感染ファージの単離に使用した:ATCC-2192、ATCC-AB102、ATCC-AB111、ATCC-AB132、ATCC-AB145、ATCC-AB181、ATCC-AB91、BEI-EnvKY1、BEI-MX0560、BEI-PA14、BEI-PAK、CCUG 53399、CCUG 53401、CCUG 53571、CCUG 53573、CCUG 53574、CCUG 53667、CCUG 53668、CCUG 53747、CCUG 53767、CCUG 56990、CCUG 60285、CCUG-47318、DSMZ-KK1-1BAE、DSMZ-NN2-C40A、DSMZ-PAO1、DSMZ-RN3-D421、DSMZ-RP1-OC2E、DSMZ-TR1-3C2A、IHMA-2111700、IHMA-2111705、IHMA-2111714、IHMA-2111718、IHMA-2111723、IHMA-2111729、IHMA-2111733、IHMA-2111740、IHMA-2111746、IHMA-2111751、IHMA-2121752、IHMA-2121758、IHMA-2121761、IHMA-2121762、IHMA-2121764、IHMA-2121766、IHMA-2121771、IHMA-2121777、IHMA-2121781、IHMA-2121788、IHMA-2121789、IHMA-2121793、IHMA-2121797、IHMA-2121802、IHMA-2121809、IHMA-2121813、IHMA-2121816、IHMA-2121817、IHMA-2121830、IHMA-2121831、IHMA-2121833、IHMA-2121835、IHMA-2121836、IHMA-2121843、IHMA-2121877、IHMA-2121879、IHMA-2121880、IHMA-2121882、IHMA-2121883、IHMA-2121888、IHMA-2121889、IHMA-2121890、IHMA-2121894、IHMA-2121904、IHMA-2121907、IHMA-2121908、IHMA-2121910、IHMA-2121912、IHMA-2121920、IHMA-2125643、IHMA-2125647、IHMA-2125649、IHMA-2125650、IHMA-2125654、IHMA-2146665である。
【0239】
ファージは、PsA株上での濃縮後に下水試料から単離した。ファージを、二価イオンMg2+、Mn2+及びCa2+(各々1mMの最終濃度)及び適切な量の単離ファージ試料(MOI=0.01)を含む液体ブロス中で、OD600=0.1~0.2で4mLの対数期宿主培養液中に増幅し、37℃で一晩インキュベートした。プラークから増幅された場合、1μLループを使用してプラーク全体を採取し、培養物中にプラークを放出した(OD600=0.1~0.2)。チューブを遠心分離し、上清を0.45μmフィルターで濾過した。
【0240】
ファージ力価を以下のようにスポットドロッププラークアッセイによって決定した:4mLの液体BHISに宿主の5~10個のコロニーを接種し、OD600が1.5になるまで(一晩)37℃でインキュベートすることによって宿主培養物を調製した。150μLの宿主培養液を、二価イオンMn2+、Ca2+及びMg2+を含む4又は6mLの溶融トップアガー(BHISトップアガー:BHIS培地、0.2%アガロース)に添加し、Cetrimide又はBHIS寒天プレート(1.5%アガロース)上に分注した。プレートを室温で15分間放置して固化させた。次いで、ファージ試料の希釈物を滴下した(5μL)。プレートを一晩インキュベートした後、プラークを計数し(10~50プラーク/滴)、ファージ力価を決定した(プラーク数×200×計数希釈の逆数=PFU/mL)。
【0241】
固体宿主範囲
上記セクション(「ファージ単離、増幅及びファージ力価の決定」セクション)で詳述したのと同じ様式で、固体宿主範囲を実施した。プラーク計数(10~50プラーク/滴)及びファージ力価/宿主の決定後、平板培養の有効性(Efficiency of Plating、EOP)を以下のように計算した。
【0242】
【0243】
感受性/耐性決定のために、0.1を超えるEOP(EOP>0.1)は、対応する細菌が各々のファージに感受性であることを意味する。%カバレッジは、試験した細菌株の数のパーセントとして感受性であることが見出された感受性細菌の数に基づいて決定した。
【0244】
液体宿主範囲:
各試験株の10個の細菌コロニーを採取し、4mLの液体BHISを予め充填した培養管に移した。180rpm、37℃で一晩(15~16時間)振盪することによって、培養物をOD600≧1.5までインキュベートした。細菌培養物を、1mM MMCイオンを補充したBHISを使用して希釈して、0.05の最終OD600に到達させ、96ウェルプレートに分注した。各ファージを10^8 PFU/mlの濃度に希釈し、等しい比率で混合してカクテルの組み合わせを得た。次いで、10μLの単一又はカクテルファージをウェルに添加して、最終濃度を10^6 PFU/ウェルとした。「ファージなし対照」(NPC)については、BHISを適切なウェルに添加した。鉱油を各ウェルに添加して試料の蒸発を減少させ、プレートを滅菌フィルムで覆って細菌を増殖させ、培養物を滅菌状態に保った。プレートを、振盪しながら37℃でプレートリーダーにおいて30~45時間インキュベートし、OD600を20分毎に測定した。アッセイのために2回の生物学的反復を行い、1mM MMCイオンを補充したBHIS培地をブランクとして使用した。細菌を含まない対照ウェルで測定されたOD600値(すなわち、培地の光学的吸収)を試料から差し引いた後、最初の10時間以内に各処理で測定した全てのOD値の合計を計算し、「OD-時間グラフ」の「曲線下面積」(AUC600)の値を得た。以下の式に示すように、ファージによるAUC600処理とファージなし対照(NPC)のAUC600との比が0.66未満である場合、細菌株はファージに対して感受性であると定義した。
【0245】
【数2】
試験した細菌株の数のパーセントとして感受性であることが見出された感受性細菌の数に基づいて、%カバレッジを決定した。
【0246】
結果
CF患者から単離されたPseudomonas aeruginosaを用いてファージを探索した。ファージを環境試料(例えば、下水道及び水源)から単離し、精製し、配列決定した。それらの分類は、International Committee on Taxonomy of Viruses(ICTV)分類に基づく配列から推定した(表2)。更に、この配列を用いてファージ間の距離(配列相同性)を決定した(
図1)。
【0247】
【0248】
【0249】
単離されたファージの局所BLASTに基づく相同性%を、
図1に記載するように比較した。
【0250】
ファージの宿主範囲(HR)を試験した。単離されたファージのHR分析を、上で詳述したように、固体アッセイ及び液体アッセイにおいて行った。これらの単離されたPA株のカバレッジ(%)を以下の表3にまとめる。
【0251】
【0252】
液体アッセイを用いてカクテルCFX1及びCFX7のカバレッジ(%)を測定したところ、それぞれ81%及び88%であった。ファージの宿主範囲もまた、Antimicrobial Resistance Identification By Assembly(ARIBA)ツール(sanger-pathogens(dot)github(dot)io/ariba/)を使用する多座配列タイピング(MLST)に従ってプロファイリングした。結果を
図2に記載する。少なくとも1つの細菌メンバーが対応するファージによって感染されていることが見出されたMLSTインスタンスは、「+」とマークされた。
【0253】
実施例2 株によって定義される細菌カバレッジに従って選択されたファージの組み合わせ
この例に関して、特定のファージは、本明細書の上記の表1において一文字表記によって言及される。
【0254】
2つのファージの組み合わせ
2つのファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、(実施例1に記載されるように)Pseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0255】
組み合わせは、本明細書において以下に提供される。この形質は、「少なくとも1ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセント(この場合、ファージ組み合わせによって標的化される85種の株のパーセント)を指す。組み合わせは、性能グレードの降順で列挙されている。
【0256】
したがって、例えば、[al;81]の場合、全ての2ファージの組み合わせのうちの最も高いカバレッジ(%)を提供する、CF1_20NOV10及びCF1_21Oct114は、分析したPseudomonas aeruginosaの全ての株の80%を溶解した。組み合わせは以下の通りである。
[al;81][bl;80][ab;80][cl;75][dl;74][ad;70][ac;69][bc;69][ah;65][bd;63][bh;62][gl;60][hl;58][ae;57][ag;57][el;57][af;56][fl;55][aj;55][cd;53][bg;52][be;51][bf;48][ch;45][jl;44][dh;38][bj;37][ce;30][cf;29][cg;27][cj;24][dg;22][fg;20][eg;18][dj;17][df;14][ej;14][gj;14][ef;12][de;12][eh;11][gh;11][fh;5][fj;4.
ファージの組み合わせの2つのファージによって感染される宿主細菌株のパーセントが提供される。この形質は、「少なくとも2ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0257】
したがって、例えば[bl;41]の場合、CF1_20Dec107及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、分析された細菌株の41%が、これらのファージの両方によって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[bl;41][al;38][ab;34][cl;33][bd;33][bc;32][hl;31][ac;27][dl;25][cd;23][ch;22][ad;20][cg;17][bh;17][dh;14][ah;14][ag;12][bg;10][gl;9][cf;7][el;7][ae;6][fl;5][eh;5][dg;5][af;4][df;4][bf;4][aj;3][bj;3][be;3][ce;3][ef;3][de;3][fg;2]
【0258】
3ファージの組み合わせ
3ファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、Pseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0259】
組み合わせを以下に提供する。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセントを指す。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0260】
例えば、[abl;88]の場合、最も高いカバレッジ(%)を提供する組み合わせ、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107及びCF1_21Oct114は、分析したPseudomonas aeruginosaの全ての株の88%を溶解した。組み合わせは以下の通りである。
[abl88][adl;88][acl;86][bcl;84][abc;84][abd;83][bdl;83][ahl;82][ael;82][cdl;81][abh;80][afl;79][bhl;79][abe;78][abf;78][ajl;77][abg;77][acd;76][agl;75][chl;72][abj;72][cel;71][bcd;70][bgl;69][ach;68][bel;67][dhl;67][cfl;67][adh;67][cgl;66][egl;66][bch;65][bfl;64][dgl;63][fgl;63][acf;63][gjl;63][acg;62][adj;62][bdh;61][adf;60][ace;60][adg;60][afg;60][bjl;59][djl;59][cjl;59][acj;58][ejl;57][aef;57][bce;57][ade;57][del;57][ghl;57][efl;57][beg;56][aeg;56][dfl;55][ehl;53][bcf;53][aeh;52][fjl;52][bfg;52][bdg;52][bcg;52][aej;52][bcj;51][bef;51][bde;51][agh;50][afh;50][fhl;50][cdh;50][bdf;48][agj;47][afj;47][beh;47][bhj;46][ahj;46][bdj;44][bgh;44][bgj;42][bej;42][bfh;38][cdj;34][bfj;33][cdf;31][hjl;30][cde;30][cef;30][cdg;30][ceh;29][cej;28][ceg;28][cfg;27][egj;23][dfg;22][cfh;22][cgh;22][chj;20][cgj;19][cfj;19][deg;18][efg;18][egh;17][efj;14][fgj;14][dgj;14][dej;14][def;12][deh;11][efh;11][fgh;11][dgh;11][ehj;8][ghj;8][dhj;6][dfh;5][dfj;4.
【0261】
「少なくとも2ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0262】
したがって、例えば、[abl;65]の場合、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、分析された細菌株の65%が、3つのファージのうちの少なくとも2つによって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[abl65][acl;56][bcl;56][adl;53][bdl;52][abc;49][abd;47][bcd;45][ahl;44][agl;42][cdl;42][bhl;41][acd;40][abh;40][ach;40][chl;37][bch;37][bfl;35][bgl;33][abg;32][afl;32][dhl;32][bel;32][bdh;29][adh;29][ael;28][bcg;27][abf;26][cdh;26][ajl;25][bcf;24][cgl;24][abe;24][acg;22][acf;21][ace;21][acj;20][abj;20][cfl;20][cfg;20][cdg;20][adg;20][bjl;18][bce;15][bdg;15][bfg;15][cel;14][agj;14][afg;12][aeg;12][cdf;12][bdf;12][dfl;11][adj;10][bcj;10][bdj;10][dfg;10][adf;9][aej;9][cgj;9][ceg;9][fgl;9][dgl;9][ehl;7][cjl;7][del;7][efl;7][aef;6][ade;6][egh;5][ceh;5][deh;5][beh;5][aeh;5][efh;5][cgh;5][agh;5][ejl;5][bej;4][afj;4][bfj;4][bgj;4][egl;3][cdj;3][beg;3][cde;3][bde;3][cef;3][def;3][bef;3]
【0263】
ファージ組み合わせの3つのファージによって感染される宿主細菌株のパーセントが提供される。この形質は、「少なくとも3ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0264】
したがって、例えば、[chl:27],の場合、27,CF1_20Dec110,CF1_20Sep418及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、分析された細菌株の27%が3つのファージの各々によって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[chl;27][bcl;26][abl;26][bdl;25][acl;23][bcd;22][abc;22][cdl;21][bhl;20][abd;20][dhl;17][ahl;17][bch;17][adl;16][acd;15][bdh;14][cdh;14][acg;12][ach;11][abh;11][bcg;10][cgl;9][adh;8][ael;7][agl;6][bgl;6][afl;5][cfl;5][bdg;5][abg;5][cdg;5][cdf;4][acf;4][bdf;4][bcf;4][bel;3][del;3][cel;3][efl;3][abj;3][cef;3][ace;3][def;3][ade;3][abe;3][dgl;3][bef;3][cde;3][bce;3][aef;3][fgl;3][bde;3][dfl;2][bfl;2][afg;2][cfg;2][adf;2][abf;2].
【0265】
4つのファージの組み合わせ
4つファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、Pseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0266】
対応する「少なくとも1ファージ%カバレッジ」との組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0267】
例えば、of[abdl;91]の場合、最も高いカバレッジ(%)を提供した4つのファージの組み合わせ、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107,CF1_20Oct199及びCF1_21Oct114は、分析されたPseudomonas aeruginosaの全ての株の91%を溶解した。組み合わせは以下の通りである。
[abdl;91][abcl;90][acdl;90][abhl;89][achl;86][bcdl;85][adhl;85][acel;85][abel;85][abcd;85][adjl;85][aejl;84][bchl;82][acfl;82][abfl;82][aefl;82][adel;82][abgl;81][acgl;81][aegl;81][acjl;81][abch;80][adfl;79][abdh;79][abdj;79][agjl;78][afjl;78][abde;78][adgl;78][abce;78][abef;78][afgl;78][cdhl;78][bdhl;78][abeg;78][abdf;78][abcf;78][abjl;77][abdg;77][abcg;77][abfg;77][aehl;76][ahjl;76][abeh;76][abej;76][abcj;75][bcel;75][begl;74][abfh;72][abgh;72][afhl;71][aghl;71][abgj;71][cefl;71][cdel;71][abfj;71][bcfl;70][acdh;70][cegl;70][cdjl;70][bcjl;70][bdgl;69][bfgl;69][bcgl;69][cehl;69][セル1;68][egjl;68][bdel;67][befl;67][cdfl;67][cdgl;66][degl;66][cfgl;66][bdjl;66][abhj;66][efgl;66][bcdh;64][bdfl;64][bghl;64][cfhl;64][cghl;64][dfg 1;63][acdf;63][cgjl;63][cfjl;63][bgjl;63][fgjl;63][dgjl;63][acfg;62][acdg;62][acdj;62][eghl;61][behl;61][acde;60][acef;60][adfg;60][aceg;59][aceh;58][dejl;57][bejl;57][efjl;57][adef;57][bcde;57][bcef;57][bfhl;57][dghl;57][fghl;57][defl;57][befg;56][adeg;56][bceg;56)[aefg;56][bdeg;56][acgh;55][acfh;55][bcdj;55][bhjl;53][dehl;53][efhl;53][bcdf;53][bchj;53][begh;52][aegh;52][adeh;52][aefh;52][bceh;52][dfjl;52][bfjl;52][bdfg;52][bcfg;52][bcdg;52][acej;52][begj;52][adej;52][aefj;52][aegj;52][bcej;52][bdef;51][ghjl;50][ehjl;50][adfh;50][adgh;50][afgh;50][dfhl;50][acfj;47][acgj;47][adfj;47][adgj;47][afgj;47][befh;47][bdeh;47][achj;46)[adhj;46)[bdhj;46)[chjl;46)[bcfh;44][bdgh;44][bfgh;44][bcgh;44][bdej;42][bfgj;42][befj;42][bdgj;42][bcfj;42][bcgj;42][behj;41][aehj;41][bghj;41][fhjl;40][bdfh;38][dhjl;38][afhj;33][bfhj;33][bdfj;33][aghj;33][cdef;30][cdfg;30][cdeh;29][cegh;29][cefh;29][cdej;28][cegj;28][cefj;28][cdeg;28][cefg;28][cdhj;26][cehj;25][efgj;23][degj;23][cdfh;22][cdgh;22][cfgh;22][cfgj;19][cdfj;19][cdgj;19][defg;18][efgh;17][degh;17][cfhj;16][eghj;16[cghj;16][defj;14][dfgj;14][defh;11][dfgh;11][fghj;8][efhj;8][dghj;8][dehj;8.
【0268】
「少なくとも2ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0269】
したがって、例えば、[abcl;75]の場合、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107、CF1_20Dec110及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、分析された細菌株の75%が4つのファージのうちの少なくとも2つによって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[abcl;75][abdl;70][acdl;64][bcdl;63][abhl;62][abgl;57][abcd;57][abfl;55][achl;55][abjl;51][bchl;51][abch;51][abel;50][bdl;50][adhl;50][acfl;47][bcgl;45][abdh;44][acgl;42][afgl;42][adgl;42][acdh;41][bcdh;41][bcfl;41][cdhl;39][bcel;39][acel;39][abcf;39][adfl;38][abcg;37][aegl;37][acjl;37][agjl;36][bdgl;36][bfgl;36][bdfl;35][abdg;35][abfg;35][abce;33][adjl;33][begl;33][befl;32][bdel;32][abdf;31][bejl;31][abcj;31][acdj;31][bcdg;30][acdf;29][aghl;28][aefl;28][adel;28][abeg;28][acdg;27][bcfg;27][cfgl;27][cdgl;27][bcdf;26][abhj;26][bfjl;26][aejl;26][afjl;26][bgjl;26][bdjl;25][bcjl;25][acfg;25][abde;24][abef;24][acej;23][behl;23][aehl;23][adfg;22][cegl;22][afhl;21][acde;21][acef;21][abdj;20][bcdj;20][cdfl;20][cdfg;20][achj;20][bcgj;19][abgj;19][acgj;19][aegj;19][acfj;19][bceg;18][aceg;18][aceh;17][abeh;17][bceh;17][bdfg;17][bcgh;16][abgh;16][cgjl;15][bhjl;15][cehl;15][bcef;15][bcde;15][adgj;14][cefl;14][abej;14][bfhl;14][bghl;14][cdel;14][afgj;14][cghl;14][bchj;13][aefg;12][adeg;12][dfgl;12][aegh;11][cegh;11][acgh;11][acfh;11][bcfh;11][abfh;11][cdjl;11][cejl;10][bcej;9][bcfj;9][abfj;9][cfgj;9][cegj;9][cdgj;9][aefj;9][adej;9][cdeg;9][cefg;9][aghj;8][cghj;8][ahjl;7][chjl;7][eghl;7][efhl;7][dehl;7][defl;7][cfhl;7][adhj;6)[bdhj;6][adef;6][efgh;5][begh;5][adeh;5][cdeh;5][degh;5][befh;5)[aefh;5][defh;5][bdeh;5][cefh;5][cfgh;5][adgh;5][cdgh;5][afgh;5][dejl;5][egjl;5][efjl;5][cfjl;5][bdej;4][adfj;4][bdfj;4][bdgj;4][befj;4][begj;4][bfgj;4][degl;3][efgl;3][bdeg;3][befg;3][bdef;3][cdef;3]
【0270】
「少なくとも3ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0271】
したがって、例えば、[abdl;40]の場合、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107、CF1_20Oct199及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、分析した細菌株の40%が4つのファージのうち少なくとも3つによって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[abdl;40][abcl;40][achl;37][bcdl;35][abcd;34][bchl;34][acdl;33][abhl;31][abch;28][adhl;28][cdhl;28][abdh;26][bdhl;25][acgl;24][bcdh;23][acdh;23][abcg;22][abgl;21][bcfl;20][bcgl;18][abel;17][abfl;17][acdg;17][abcf;17][bcfg;15][acfl;14][acel;14][bcdg;12][acfg;12][abdg;12][abce;12][cdfl;11][bcel;10][abcj;10][abdj;10][cdfg;10][bcdf;9][acgj;9][aceg;9][adgl;9][cdgl;9][bfgl;9][cfgl;9][bdfl;8][abfg;7][bdfg;7][acjl;7][abjl;7][abdf;7][acdf;7][aefl;7][adel;7][afgl;6][bdgl;6][dfgl;6][adfl;5][acgh;5][aejl;5][abgj;4][abfj;4][abej;4][bcjl;3][aegl;3][bdel;3][defl;3][befl;3][cdel;3][cefl;3][bceg;3][abeg;3][bcef;3][bcde;3][cdef;3][bdef;3][acef;3][abef;3][adef;3][acde;3][abde;3][adfg;2]
【0272】
ファージの組み合わせの4つのファージによって感染される宿主株のパーセントは、本明細書において以下に提供される。この形質は、本明細書において「少なくとも4ファージ%カバレッジ」と称される。したがって、例えば、[bcdl;21]の場合、CF1_20Dec107、CF1_20Dec110、CF1_20Oct199及びCF1_21Oct114が組み合わせて使用されるとき、試験された細菌株の21%が4つのファージの各々によって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[bcdl;21][abcl;20][bchl;20][cdhl;17][bdhl;17][abdl;16][acdl;15][abcd;15][bcdh;14][achl;13][abhl;13][abch;11][adhl;10][abdh;8][acdh;8][acgl;6][bcgl;6][acfl;5][bcdg;5][abcg;5][bcdf;4][cefl;3][defl;3][bcel;3][acel;3][cdel;3][abel;3][befl;3][adel;3][bdel;3][aefl;3][adef;3][cfgl;3][abce;3][cdef;3][bcde;3][bdgl;3][cdgl;3][bcef;3][afgl;3][bdef;3][acde;3][abef;3][abde;3][acef;3][abgl;3][adfl;2][bcfl;2][abfl;2][cdfl;2][bdfl;2][acfg;2][abcf;2][abdf;2][acdf;2]
【0273】
5つのファージの組み合わせ
5つのファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、Pseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0274】
「少なくとも1ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせを本明細書において以下に提供する(118,755の可能な組み合わせのうち、上位0.4%(476)を提供する)。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセント(この場合、ファージ組み合わせによって標的化される85種の株のパーセント)を指す。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0275】
例えば、[abcdl;91];の場合、最も高いカバレッジ(%)を提供した5つのファージの組み合わせ、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107、CF1_ 20Dec110、CF1_20Oct199及びCF1_21Oct114は、分析されたPseudomonas aeruginosaの全ての株の91%を溶解した。組み合わせは以下の通りである。
[abcdl;91][abchl;89][abdhl;89][acdhl;89][acdel;85][abcel;85][abbel;85][acefl;85][abdel;85][abdjl;85][acegl;85][abegl;85][acdjl;85][acehl;84][abehl;84][abejl;84][adejl;84][aegjl;84][acejl;84][aefjl;84][acdfl;82][abcfl;82][abdfl;82][bcdhl;82][adefl;82][abdgl;81][acfgl;81][abfgl;81][acdgl;81][abcgl;81][abcjl;81][aefgl;81][adegl;81][aehjl;80][abcdh;79][abcdj;79][abgjl;78][abfjl;78][adfjl;78][acgjl;78][afgjl;78][adgjl;78][acfjl;78][abcde;78][abcef;78][adfgl;78][abdef;78][acghl;78][acfhl;78][abfhl;78][abghl;78][abefg;78][abdeg;78][abceg;78][abcdf;78][abdfg;77][abcfg;77][abcdg;77][abhjl;76][achjl;76][adehl;76][aefhl;76][aeghl;76][adhjl;76][abceh;76][abefh;76][abegh;76][abdeh;76][abcej;76][abdej;76][abefj;76][abegj;76][bcdel;75][bcefl;75][bdegl;74][befgl;74][bcegl;74][bcdjl;74][bcdjl;72][abcfh;72][abcgh;72][abdfh;72][abdgh;72][abfgj;71][abcfj;71][adghl;71][adfhl;71][abcgj;71][abdfj;71][abdgj;71][cdefl;71][afghl;71][bcdfl;70][cefgl;70][cdegl;70][afhjl;70][aghjl;70][bcfgl;69][bcdgl;69][bdfgl;69][bcehl;69][ceghl;69][beghl;69][cefhl;69][cdehl;69][degjl;68][cefjl;68][begjl;68][cdejl;68][cegjl;68][efgjl;68][bcejl;68][bdefl;67][defgl;66][abchj;66][abdhj;66][abehj;66][cdfgl;66][bdghl;64][cfghl;64][bcghl;64][bcfhl;64][cdfhl;64][bfghl;64][cdghl;64][bfgjl;63][bdgjl;63][cfgjl;63][bcgjl;63][cdgjl;63][dfgjl;63][cdfjl;63][bcfjl;63][acdfg;62][deghl;61][befhl;61][efghl;61][bdehl;61][bchjl;61][acdef;60][cehjl;60][eghjl;60][acdeg;59][acefg;59][acdeh;58][acefh;58][acegh;58][abghj;58][abfhj;58][bdejl;57][befjl;57][defjl;57][bcdef;57][dfghl;57][bdfhl;57][adefg;56][bcdeg;56][bdefg;56][bcefg;56][acfgh;55][acdfh;55][acdgh;55][cdhjl;53][defhl;53][bdhjl;53][bcdhj;53][befgh;52][adefh;52][aefgh;52][bdegh;52][bcefh;52][bcegh;52][adegh;52][bcdeh;52][bdfjl;52][bcdfg;52][bcdej;52][adefj;52][befgj;52][adegj;52][acegj;52][acefj;52][bdegj;52][bcefj;52][bcegj;52][acdej;52][aefgj;52][cfhjl;50][cghjl;50][bghjl;50][dehjl;50][dghjl;50][efhjl;50][adfgh;50][fghjl;50][bcehj;50][beghj;50][behjl;50][acdgj;47][acfgj;47][acdfj;47][adfgj;47][bdefh;47][acdhj;46][bcfgh;44][bcdfh;44][bcdgh;44][bdfgh;44][bdfgj;42][bcfgj;42][bcdgj;42][bdefj;42][bcdfj;42][aeghj;41][adehj;41][bfghj;41][bdehj;41][bcfhj;41][bcghj;41][bdghj;41][befhj;41][aefhj;41][acehj;41][dfhjl;40][bfhjl;40][acfhj;33][bdfhj;33][adghj;33][adfhj;33][afghj;33][acghj;33][cdefh;29][cefgh;29][cdegh;29][cefgj;28][cdefj;28][cdegj;28][cdefg;28][cefhj;25][ceghj;25][cdehj;25][defgj;23][cdfgh;22][cdfgj;19][defgh;17][efghj;16][cdghj;16][cdfhj;16][cfghj;16][deghj;16][defhj;8][dfghj;8].
【0276】
「少なくとも2ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0277】
したがって、例えば[abcdl;78]の場合、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107、CF1_20Dec110、CF1_20Oct199、及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、試験した細菌株の78%が5つのファージのうち少なくとも2種のファージによって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[abcdl;78][abchl;68][abcfl;64][abdhl;64][abcgl;63][abcel;60][abdgl;60][abfgl;60][abcjl;59][acdhl;57][bcdhl;57][abdfl;55][abegl;55][abcdh;52][abgjl;52][abdjl;51][abdel;50][abefl;50][acdjl;48][acdfl;47][adfgl;45][acdgl;45][bcdgl;45][acfgl;45][bcfgl;45][bcegl;44][abfjl;42][abejl;42][bcdfl;41][bcdel;39][acdel;39][acefl;39][bcefl;39][abcdf;39][abhjl;38][abcfg;37][abcdg;37][aefgl;37][acegl;37][adegl;37][bcdjl;37][aegjl;36][afgjl;36][acgjl;36][adgjl;36][bcgjl;36][acejl;36][acfjl;36][bdfgl;36][abghl;35][abdfg;35][abcdj;34][befgl;33][abcde;33][abchj;33][abcef;33][bdegl;33][bdefl;32][begjl;31][bcejl;31][bdejl;31][befjl;31][abceg;31][acehl;30][bcehl;30][abehl;30][aeghl;30][bcdfg;30][abceh;29][bcghl;28][adefl;28][acfhl;28][adghl;28][abfhl;28][acghl;28][afghl;28][abdeg;28][abefg;28][acdfg;27][cdfgl;27][acdhj;26][abdhj;26][adfjl;26][adejl;26][bfgjl;26][aefjl;26][bdgjl;26][bdfjl;26][bcfjl;26][abdef;24][acegj;23][acdej;23][abegj;23][abcej;23][acefj;23][abegh;23][bcegh;23][bdhjl;23][befhl;23][bchjl;23][beghl;23][ceghl;23][adehl;23][achjl;23][bdehl;23][aefhl;23][abcfh;22][cefgl;22][abcgh;22][cdegl;22][adfhl;21][bcfhl;21][acdef;21][cegjl;21][bcdhj;20][aghjl;20][bghjl;20][bfhjl;20][cghjl;20][behjl;20][abcfj;19][bcdgj;19][abfgj;19][aefgj;19][adegj;19][acdgj;19][acfgj;19][abdgj;19][abcgj;19][bcegj;19][acdfj;19][bcfgj;19][bcefg;18][bcdeg;18][acdeg;18][acefg;18][bcefh;17][acdeh;17][abdeh;17][abefh;17][bcdeh;17][acefh;17][acegh;17][bcfgh;16][acghj;16][abfgh;16][bcdgh;16][abdgh;16][abghj;16][bcghj;16][acfhj;16][acehj;16][cfgjl;15][cdgjl;15][cefhl;15][adhjl;15][cdehl;15][bcdef;15][bdghl;14][abefj;14][abdej;14][bfghl;14][adfgj;14][cfghl;14][cdghl;14][cdefl;14][bdfhl;14][adefg;12][adegh;11][aefgh;11][cefgh;11][cdegh;11][acdfh;11][bcdfh;11][abdfh;11][acfgh;11][acdgh;11][cdejl;10][cefjl;10][afhjl;10][aehjl;10][cfhjl;10][cehjl;10][bcdfj;9][cdegj;9][adefj;9][bcefj;9][abdfj;9][cdfgj;9][cefgj;9][bcdej;9][cdefg;9][bcehj;8][ceghj;8][cfghj;8][abfhj;8][abehj;8][cdghj;8][bcfhj;8][adghj;8][afghj;8][aeghj;8][efghl;7][cdhjl;7][deghl;7][defhl;7][cdfhl;7][befgh;5)[bdefh;5][adefh;5)[bdegh;5)[cdefh;5][defgh;5)[adfgh;5)[cdfgh;5)[defjl;5][defjl;5][efgjl;5][degjl;5][degjl;4][befgj;4][befgj;4][befgj;4][defgl;3][bdefg;3]
【0278】
「少なくとも3ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0279】
したがって、例えば、[abcdl;47]の場合、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107、CF1_20Dec110、CF1_20Oct199及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、試験された細菌株の47%が5つのファージのうちの少なくとも3つによって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[abcdl;47][abchl;44][abdhl;39][acdhl;39][bcdhl;35][abcdh;32][abcdg;27][abcgl;27][abcfl;26][abcfg;25][abcdf;24][acdgl;24][acfgl;24][abdfl;23][acegl;22][abcel;21][abfgl;21][bcdgl;21][abdgl;21][bcfgl;21][acdfl;20][bcdfl;20][acdfg;20][abcgj;19][abegl;18][abefl;17][abdel;17][abdfg;17][abcdj;17][abejl;15][acgjl;15][abceg;15][bcdfg;15][abdjl;14][abcjl;14][acdel;14][acghl;14][acefl;14][abchj;13][abcde;12][bdfgl;12][abcef;12][cdfgl;12][abcgh;11][bcegl;11][bcefl;10][bcdel;10][acejl;10][abfjl;10][abgjl;10][acdgj;9][abcfj;9][abcej;9][acfgj;9][acegj;9][acdeg;9][acefg;9][adfgl;9][acghj;8][bcehl;7][abehl;7][achjl;7][bchjl;7][acehl;7][abhjl;7][acdjl;7][bcfhl;7][bcghl;7][adefl;7][abghl;7][acfhl;7][abfhl;7][abdhj;6][acegh;5][abceh;5)[acfgh;5][acdgh;5][abcfh;5)[acfjl;5][bcgjl;5][aefjl;5][adejl;5][aegjl;5][bcejl;5][bcejl;5][abfgj;4][abegj;4][abdej;4][abdfj;4][abdgj;4][abefj;4][bcdjl;3][adegl;3][adegl;3][aefgl;3][bdefl;3][abdeg;3][bcefg;3][bcdeg;3][abefg;3][bcdef;3][abdef;3][acdef;3]
【0280】
最も高い「少なくとも4ファージ%カバレッジ」を有する組み合わせは、本明細書において以下に提供される。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。
【0281】
したがって、例えば[abcdl;30]の場合、CF1_20NOV10、CF1_20Dec107、CF1_20Dec110、CF1_20Oct199及びCF1_21Oct114を組み合わせて使用したとき、分析した細菌株の30%が5つのファージのうち少なくとも4つによって標的化された。組み合わせは以下の通りである。
[abcdl;30][abchl;27][abdhl;25][bcdhl;25][acdhl;25][abcdh;23][abcgl;18][abcfl;14][abcel;10][abcdg;10][acdgl;9][bcfgl;9][bcdfl;8][abcfg;7][bcdfg;7][abdgl;6)[acfgl;6)[abfgl;6)[bcdgl;6)[cdfgl;6)[acdfl;5][abcdf;4][abcjl;3][abefl;3][acdel;3][cdefl;3)[acefl;3][bdefl;3][adefl;3][abdel;3)[bcdel;3)[bcefl;3][abceg;3)[bdfgl;3][adfgl;3][acdef;3][abcde;3][bcdef;3][abdef;3][abcef;3][abdfl;2][acdfg;2].
【0282】
実施例3 細菌MLSTによって分類される宿主カバレッジに従って選択されたファージの組み合わせ
この実施例については、特定のファージは、本明細書の上記の表1において一文字表記によって参照される。
【0283】
2つのファージの組み合わせ
2つのファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される特定のMLSTの細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、MLSTによって分類されるPseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0284】
細菌MLSTの組み合わせ及びパーセントは、本明細書において以下に提供される。この形質は、「少なくとも1ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセント(この場合、ファージ組み合わせによって標的化される細菌MLSTのパーセント)を指す。組み合わせは、性能グレードの降順で列挙されている。組み合わせは以下の通りである。
[bl;91][al;89][dl;87][cl;85][ab;85][gl;78][ad;77][ac;77][el;76][ah;76][bh;76][bc;75][hl;75][fl;73][ag;72][bd;68][af;68][be;66][aj;66][ae;66][cd;64][ch;61][jl;60][dh;57][bf;56][bg;56][ce;55][cf;48][cg;48][bj;40][gh;40][eg;38][eh;38][eh;37][fg;36][dg;36][fh;30][de;27][cj;26][df;24][ef;22][dj;20][ej;20][gj;20].
【0285】
ファージ組み合わせの2つのファージによって感染される宿主細菌MLSTのパーセントが提供される。この形質は、「少なくとも2ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[al;50][bl;47][hl;45][bc;42][ab;40][bd;40][cl;39][ch;38][ac;33][ah;33][cd;29][dl;29][bh;28][cg;28][bg;28][ad;24][dh;23][ae;22][ag;20][el;17][gl;17][dg;16][eh;12][bf;12][cf;12][df;12][gh;10][fh;10][fl;8][af;8][de;5][ef;5][be;5][ce;5][fg;4].
【0286】
3つのファージの組み合わせ
3つのファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される特定のMLSTの細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、MLSTによって分類されるPseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0287】
細菌MLSTの組み合わせ及びパーセントは、本明細書において以下に提供される。この形質は、「少なくとも1ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセント(この場合、ファージ組み合わせによって標的化される細菌MLSTのパーセント)を指す。組み合わせは、性能グレードの降順で列挙されている。組み合わせは以下の通りである。
[abl97][adl;97][acl;95][afl;95][bhl;95][bel;94][cel;94][ael;94][bcl;93][bdl;93][ajl;93][cdl;91][agl;91][abc;90][ahl;90][egl;88][abg;88][abf;88][ehl;87][abd;87][acd;87][bfl;86][cgl;86][cfl;86][bgl;86][abh;85][dhl;85][chl;85][abe;83][dgl;82][fgl;82][del;82][adh;80][ach;80][ejl;80][fhl;80][acg;80][djl;80][ghl;80][bjl;80][abj;80][gjl;80][acf;80][dfl;78][efl;76][bch;76][bdh;76][adf;76][afg;76][adg;76][bcd;75][beh;75][cjl;73][adj;73][acj;73][bce;72][ace;72][afh;70][agh;70][fjl;70][aeg;66][cdh;66][bef;66][beg;66][aef;66][ade;66][bde;66][aeh;62][ceh;62][aej;60][hjl;60][bgh;60][afj;60][agj;60][ahj;60][bcf;60][bcg;60][bej;60][bfh;60][bdf;56][bdg;56][bfg;56][ceg;55][cef;55][cde;55][bcj;53][egh;50][cgh;50][cfh;50][cfg;48][cdf;48][cdg;48][bdj;46][bgj;40][egj;40][fgh;40][cej;40][dgh;40][bfj;40][bhj;40][efg;38][deg;38][efh;37][deh;37][dfg;36][cdj;33][dfh;30][dej;30][def;27][ehj;25][ghj;25][efj;20][fgj;20][cfj;20][cgj;20][chj;20][dgj;20][dfj;10].
【0288】
ファージ組み合わせの2つのファージによって感染される宿主細菌MLSTのパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも2ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[abl72][bcl;66][ahl;65][adl;64][acl;64][abh;61][agl;60][bdl;60][bhl;60][bcd;57][abc;57][abd;57][ach;57][bch;57][chl;55][cdl;54][ael;52][ace;50][dhl;50][abe;50][afl;47][bgl;47][cdh;47][adh;47][bel;47][acd;46][bcf;44][bcg;44][bfl;43][bdh;42][abg;40][ghl;40][acg;40][agh;40][cgl;39][aeg;38][aeh;37][acf;36][abf;36][cfg;36][bfg;36][cdg;36][bdg;36][cel;35][cfl;34][bce;33][ajl;33][adg;32][cgh;30][fhl;30][afh;30][ade;27][abj;26][dgl;26][ehl;25][ceh;25][afg;24][bdf;24][cdf;24][dfg;24][egl;23][ceg;22][beg;22][aef;22][fgl;21][cgj;20][cfh;20][agj;20][aej;20][acj;20][bgh;20][bgj;20][bjl;20][efl;17][del;17][dfl;17][adf;16][bcj;13][adj;13][cjl;13][bdj;13][cdj;13][beh;12][efh;12][deh;12][egh;12][bde;11][deg;11][cde;11][ejl;10][dgj;10][dgh;10][fgh;10][dfh;10][bfh;10][gjl;10][def;5][bef;5][efg;5][cef;5].
【0289】
ファージ組み合わせの3つのファージによって感染される宿主細菌株(MLSTによって分類される)のパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも3ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[chl;40][abl;35][ahl;35][bcl;31][acl;31][bhl;30][abc;29][bdl;29][bch;28][ach;28][bcg;28][bcd;27][dhl;25][abd;24][cdh;23][abh;23][bdh;23][cdl;22][adl;20][acd;20][acg;20][abg;20][adh;19][ael;17][cgl;17][bgl;17][cdg;16][bdg;16][agl;13][ehl;12][aeh;12][cdf;12][bdf;12][bcf;12][bgh;10][cgh;10][afh;10][fgh;10][cfh;10][bfh;10][fhl;10][dgh;10][ghl;10][agh;10][dfh;10][dgl;8][bfl;8][dfl;8][afl;8][cfl;8][abf;8][adg;8][adf;8][acf;8][cel;5][efl;5][del;5][bel;5][bef;5][def;5][ade;5][bce;5][aef;5][cde;5][abe;5][bde;5][ace;5][cef;5][fgl;4][dfg;4][cfg;4][afg;4][bfg;4].
【0290】
4つのファージの組み合わせ
4つのファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される特定のMLSTを溶解する単一ファージの能力に基づいて、MLSTによって分類されるPseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0291】
細菌MLSTの組み合わせ及びパーセントは、本明細書において以下に提供される。この形質は、「少なくとも1ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセント(この場合、ファージ組み合わせによって標的化されるMLSTのパーセント)を指す。組み合わせは、性能グレードの降順で列挙されている。組み合わせは以下の通りである。
[acfl;100][ahjl;100][adjl;100][abgl;100][cehl;100][abfl;100][acel;100][aejl;100][abel;100][afjl;100][abdl;100][agjl;100][ehjl;100][acdl;100][acjl;100][behl;100][abcl;100][acgl;100][abhl;100][afgl;95][adfl;95][adgl;95][adhl;95][achl;95][bchl;5][bdhl;95][adel;94][bdel;94][aefl;94][ageg;94][cefl;94][cdel;94][bcel;94][begl;94][befl;94][cegl;94][bcdl;93][abjl;93][abcd;90][bejl;90][cfhl;90][aghl;90][cghl;90][cejl;90][afhl;90][bfhl;90][egjl;90][cdhl;90][bghl;90][dejl;90][efgl;88][degl;88][abfg;88][abdg;88][abdf;88][abcg;88][abcf;88][aehl;87][eghl;87][efhl;87][dehl;87][cdgl;86][bfgl;86][cfgl;86][cdfl;86][bcfl;86][bdfl;86][bcgl;86][bdgl;86][abdj;86][abcj;86][bdjl;86][bcjl;86][abdh;85][abch;85][acdh;85][abeg;83][abef;83][abde;83][abce;83][dfgl;82][defl;82][bhjl;80][bfjl;80][bgjl;80][acfg;80][cgjl;80][fghl;80][acgh;80][dgjl;80][efjl;80][dghl;80][dfjl;80][dfhl;80][acdg;80][acdf;80][abej;80][fgjl;80][cfjl;80][abgj;80][abgh;80][abfj;80][abfh;80][acfh;80][cdjl;80][bcdh;76][adfg;76][begh;75][befh;75][fhjl;75][ghjl;75][bceh;75][abeh;75][aceh;75][bdeh;75][acdj;73][aceg;72][bcef;72][bceg;72][bcde;72][acef;72][acde;72][afgh;70][adfh;70][adgh;70][befg;66][bdeg;66][adef;66][adeg;66][aefg;66][bdef;66][cegh;62][aegh;62][aefh;62][cdeh;62][cefh;62][adeh;62][adfj;60][afgj;60][chjl;60][adgj;60][adhj;60][achj;60][acgj;60][aefj;60][dhjl;60][aegj;60][acfj;60][acej;60][abhj;60][adej;60][bdfh;60][bcgh;60][begj;60][bfgh;60][befj;60][bcfg;60][bcfh;60][bcdg;60][bdej;60][bcdf;60][bcej;60][bdgh;60][bdfg;56][cefg;55][cdeg;55][cdef;55][bcdj;53][cehj;50][eghj;50][afhj;50][aghj;50][degh;50][cdgh;50][cdfh;50][behj;50][efgh;50][aehj;50][cfgh;50][cdfg;48][bcgj;40][efgj;40][dfgh;40][bcfj;40][cegj;40][bfgj;40][bchj;40][degj;40][bdhj;40][cdej;40][bdgj;40][bdfj;40][cefj;40][defg;38][defh;37][defj;30][efhj;25][fghj;25][bfhj;25][dghj;25][dehj;25][bghj;25][cghj;25][cfhj;25][dfgj;20][cfgj;20][cdfj;20][cdgj;20][cdhj;20].
【0292】
ファージ組み合わせの2つのファージによって感染される宿主MLSTのパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも2ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[abcl;81][abdl;79][abel;76][acdl;75][bcdl;75][abhl;75][abfl;73][abch;71][bcel;70][adhl;70][achl;70][bdhl;70][bchl;70][abgl;69][abcd;68][abjl;66][abdh;66][acfl;65][acel;64][aegl;64][abeh;62][aehl;62][bcdh;61][abce;61][adfl;60][adgl;60][afgl;60][acgl;60][bcgl;60][bcfl;60][aghl;60][cdhl;60][afhl;60][adel;58][begl;58][acdh;57][aefl;52][bdel;52][bdgl;52][bfgl;52][abcf;52][abcg;52][bghl;50][bfhl;50][bceh;50][aegh;50][behl;50][abeg;50][acde;50][abgh;50][abde;50][abef;50][acef;50][aceg;50][abfh;50][aceh;50][bdfl;47][befl;47][cegl;47][adjl;46][bcdg;44][bcdf;44][abdg;44][bcfg;44][abfg;44][acdg;44][acdf;44][acfg;44][abdf;44][cfgl;43][cdgl;43][cdel;41][bcfh;40][abej;40][bcgh;40][agjl;40][acjl;40][dghl;40][cfhl;40][adgh;40][afgh;40][aejl;40][bgjl;40][acgh;40][abhj;40][acej;40][cghl;40][fghl;40][bejl;40][acfh;40][aegj;40][cdfl;39][aefg;38][adeg;38][cegh;37][cehl;37][aefh;37][eghl;37][adeh;37][adfg;36][bdfg;36][cdfg;36][cefl;35][bceg;33][abcj;33][bdjl;33][bcjl;33][acdj;33][bcde;33][bcef;33][dfgl;30][bfjl;30][dfhl;30][cdgh;30][cfgh;30][afjl;30][adfh;30][adej;30][degl;29][adef;27][cdjl;26][abdj;26][bcdj;26][cefh;25][cdeh;25][cghj;25][bghj;25][efhl;25][dehl;25][ghjl;25][aehj;25][begh;25][aghj;25][efgl;23][bdeg;22][cefg;22][befg;22][cdeg;22][bcej;20][bchj;20][bcgj;20][bcfj;20][cegj;20][bfgh;20][ahjl;20][cgjl;20][cfgj;20][chjl;20][afgj;20][bfgj;20][cejl;20][adgj;20][aefj;20][abgj;20][cdgj;20][achj;20][acgj;20][dgjl;20][cdfh;20][bdgh;20][bdgj;20][abfj;20][egjl;20][acfj;20][bhjl;20][begj;20][defl;17][degh;12][befh;12][efgh;12][bdeh;12][defh;12][defg;11][bdef;11][cdef;11][bdfj;10][dfgh;10][fgjl;10][efjl;10][cdej;10][cdfj;10][bdfh;10][adfj;10][dfgj;10][cfjl;10][dejl;10][degj;10][bdej;10].
【0293】
ファージ組み合わせの3つのファージによって感染される宿主細菌株(MLSTによって分類される)のパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも3ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[abhl;55][achl;55][abcl;50][bchl;50][abdl;50][abch;47][adhl;45][cdhl;45][bcdl;43][acdh;42][acdl;41][abcd;40][aghl;40][acgl;39][abgl;39][abdh;38][bcdh;38][bcfg;36][abcg;36][bcdg;36][acel;35][abel;35][bdhl;35][bcgl;34][abdg;32][abcf;32][acdg;32][bcfl;30][afhl;30][acgh;30][cghl;30][abce;27][abfl;26][acfl;26][bdgl;26][adgl;26][cdgl;26][cehl;25][aceh;25][aehl;25][acfg;24][cdfg;24][abfg;24][bdfg;24][bcdf;24][aegl;23][aceg;22][bceg;22][abeg;22][cfgl;21][bfgl;21][bcgj;20][cfhl;20][bghl;20][abgj;20][acgj;20][bcgh;20][acfh;20][abgh;20][adel;17][bcel;17][aefl;17][bdfl;17][afgl;17][cdfl;17][acdf;16][abdf;16][abdj;13][abcj;13][acjl;13][dfgl;13][behl;12][eghl;12][adeh;12][dehl;12][aegh;12][aefh;12][efhl;12][abeh;12][adfg;12][begl;11][cegl;11][cdeg;11][adeg;11][abde;11][bcde;11][bdeg;11][acde;11][bdfh;10][cfgh;10][abfh;10][bdgh;10][bdgj;10][dghl;10][bgjl;10][fghl;10][bfhl;10][bfgh;10][cdfh;10][dfhl;10][aejl;10][cdgj;10][afgh;10][agjl;10][adgj;10][adgh;10][adfh;10][cgjl;10][dfgh;10][cdgh;10][bcfh;10][adfl;8][bcdj;6][bcjl;6][acdj;6][acdj;6][befl;5][cefl;5][cdel;5][bdel;5][defl;5][degl;5][efgl;5][defg;5][cefg;5][cdef;5][bdef;5][bcef;5][aefg;5][abef;5][acef;5][adef;5][befg;5].
【0294】
ファージ組み合わせの4つのファージによって感染される宿主細菌MLSTのパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも4ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージの組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[bchl;30][achl;30][abcl;27][bdhl;25][abhl;25][cdhl;25][abch;23][bcdh;23][bcdl;22][abdl;20][abcd;20][abcg;20][adhl;20][acdh;19][abdh;19][acdl;18][bcgl;17][bcdg;16][abgl;13][acgl;13][aehl;12][bcdf;12][bdfh;10][bdgh;10][bcfh;10][bcgh;10][adfh;10][bghl;10][aghl;10][acgh;10][acfh;10][bfgh;10][afgh;10][adgh;10][bfhl;10][abfh;10][abgh;10][fghl;10][dghl;10][dfhl;10][dfgh;10][cghl;10][cfhl;10][cfgh;10][afhl;10][cdgh;10][cdfh;10][cdgl;8][adfl;8][abfl;8][bdfl;8][bcfl;8][bdgl;8][acfl;8][cdfl;8][acdg;8][acdf;8][abdg;8][abdf;8][abcf;8][bcel;5][acel;5][aefl;5][befl;5][defl;5][abel;5][cdel;5][adel;5][bdel;5][cefl;5][bcef;5][abce;5][bcde;5][cdef;5][bdef;5][acef;5][adef;5][acde;5][abef;5][abde;5][afgl;4][dfgl;4][adgl;4][cfgl;4][bfgl;4][bcfg;4][adfg;4][cdfg;4][bdfg;4][abfg;4][acfg;4].
【0295】
5つのファージの組み合わせ
5つのファージの組み合わせを、固体培地アッセイによって評価される細菌を溶解する単一ファージの能力に基づいて、Pseudomonas aeruginosa細菌の85種の異なる株を溶解するそれらの能力についてin silico分析した。
【0296】
細菌MLSTの組み合わせ及びパーセントは、本明細書において以下に提供される。この形質は、「少なくとも1ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。各組み合わせの後の数字は、形質性能パーセント(この場合、ファージの組み合わせによって標的化される細菌MLSTのパーセント)を指す。組み合わせは、性能グレードの降順で列挙されている。組み合わせは以下の通りである。
[abefl;100][aefjl;100][acghl;100][abhjl;100][abgjl;100][abghl;100][dehjl;100][abfjl;100][abfhl;100][aghjl;100][abfgl;100][acgjl;100][achjl;100][abejl;100][abehl;100][befhl;100][abegl;100][acfjl;100][acfhl;100][acdel;100][acdjl;100][ceghl;100][acejl;100][acefl;100][cehjl;100][cefhl;100][aegjl;100][acdhl;100][afhjl;100][aehjl;100][acdgl;100][beghl;100][acfgl;100][acdfl;100][afgjl;100][acehl;100][acegl;100][behjl;100][adejl;100][abcgl;100][efhjl;100][abchl;100][adgjl;100][abcjl;100][abcdl;100][bdehl;100][bcehl;100][abdel;100][cdehl;100][abdfl;100][adhjl;100][abdgl;100][abcel;100][abdhl;100][eghjl;100][adfjl;100][abdjl;100][abcfl;100][adfgl;95][bcdhl;95][cefgl;94][bdefl;94][aefgl;94][bcegl;94][bdegl;94][cdefl;94][cdegl;94][adegl;94][adefl;94][befgl;94][bcdel;94][bcefl;94][adghl;90][cdfhl;90][adfhl;90][cdghl;90][cdejl;90][begjl;90][cefjl;90][bcghl;90][befjl;90][bcfhl;90][bcejl;90][efgjl;90][bdejl;90][bdfhl;90][cegjl;90][bdghl;90][degjl;90][bfghl;90][cfghl;90][afghl;90][defjl;90][defgl;88][abcdf;88][abcdg;88][abcfg;88][abdfg;88][adehl;87][defhl;87][efghl;87][aefhl;87][deghl;87][aeghl;87][bdfgl;86][bcdgl;86][bcfgl;86][bcdfl;86][cdfgl;86][bcdjl;86][abcdj;86][abcdh;85][abcde;83][abdef;83][abcef;83][abefg;83][abceg;83][abdeg;83][bfgjl;80][abdgj;80][abdgh;80][abdfj;80][abdfh;80][abdej;80][abcgj;80][abefj;80][abcgh;80][abcfj;80][abcfh;80][abcej;80][bchjl;80][bcgjl;80][bdfjl;80][bcfjl;80][bdgjl;80][dfghl;80][cdfjl;80][cdgjl;80][acfgh;80][cfgjl;80][acdgh;80][acdfg;80][acdfh;80][abfgj;80][abfgh;80][dfgjl;80][abegj;80][bdhjl;80][bfhjl;75][bdegh;75][cghjl;75][cfhjl;75][bdefh;75][dfhjl;75][befgh;75][bghjl;75][dghjl;75][fghjl;75][acdeh;75][bcdeh;75][abceh;75][acegh;75][abdeh;75][acefh;75][abefh;75][abegh;75][bcegh;75][bcefh;75][bcdeg;72][acefg;72][bcefg;72][bcdef;72][acdeg;72][acdef;72][adfgh;70][adefg;66][bdefg;66][adegh;62][cdefh;62][cdegh;62][adefh;62][aefgh;62][cefgh;62][adefj;60][acdhj;60][cdhjl;60][acfgj;60][acegj;60][acefj;60][acdgj;60][acdfj;60][acdej;60][abdhj;60][abchj;60][adfgj;60][adegj;60][bcdfh;60][bcdej;60][bcfgh;60][bdefj;60][aefgj;60][bcegj;60][bdegj;60][bcefj;60][bdfgh;60][bcdgh;60][bcdfg;60][befgj;60][cdefg;55][abehj;50][ceghj;50][defgh;50][aeghj;50][deghj;50][efghj;50][bcehj;50][adghj;50][abfhj;50][adfhj;50][cdfgh;50][acehj;50][cdehj;50][cefhj;50][acfhj;50][bdehj;50][aefhj;50][befhj;50][acghj;50][beghj;50][abghj;50][afghj;50][adehj;50][bdfgj;40][bcdhj;40][cdegj;40][defgj;40][bcdgj;40][cdefj;40][cefgj;40][bcfgj;40][bcdfj;40][bfghj;25][cdfhj;25][dfghj;25][defhj;25][bdfhj;25][bdghj;25][bcfhj;25][cfghj;25][cdghj;25][bcghj;25][cdfgj;20].
【0297】
ファージ組み合わせの2つのファージによって感染される宿主細菌MLSTのパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも2ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージ組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[abcdl;87][abcel;82][abchl;80][abdhl;80][abcgl;78][abcfl;78][abdel;76][abefl;76][abegl;76][abcdh;76][abceh;75][bcdhl;75][abdgl;73][abfgl;73][abdfl;73][bcdel;70][bcefl;70][bcegl;70][abejl;70][acdhl;70][abdjl;66][abcjl;66][acfgl;65][acdgl;65][acdfl;65][adfgl;65][acegl;64][acefl;64][adegl;64][acdel;64][aefgl;64][aeghl;62][bcehl;62][abefh;62][abehl;62][acehl;62][aefhl;62][abdeh;62][abegh;62][adehl;62][abcde;61][abcef;61][abceg;61][bcfgl;60][bcdgl;60][bcdfl;60][abgjl;60][bcfhl;60][acfhl;60][acghl;60][bcghl;60][abghl;60][abfjl;60][abfhl;60][abcgh;60][adfhl;60][adghl;60][afghl;60][abcfh;60][adefl;58][bdegl;58][befgl;58][acdjl;53][bdefl;52][bdfgl;52][abcdf;52][abcfg;52][abcdg;52][abdfh;50][begjl;50][bcefh;50][adegh;50][bdfhl;50][bcdeh;50][adejl;50][bfghl;50][bcejl;50][bdghl;50][acdeg;50][beghl;50][abfgh;50][aefgh;50][abefg;50][befhl;50][abehj;50][aehjl;50][aeghj;50][acdef;50][acejl;50][acdeh;50][abdgh;50][bcegh;50][acefg;50][acefh;50][acegh;50][bdehl;50][abdeg;50][aegjl;50][acehj;50][abdef;50][bdejl;50][cdegl;47][cefgl;47][bcdjl;46][abdfg;44][acdfg;44][bcdfg;44][cdfgl;43][cdefl;41][bcfjl;40][bcdfh;40][bcdgh;40][bdfjl;40][bcgjl;40][afgjl;40][abcdj;40][bcfgh;40][abcej;40][bdgjl;40][abegj;40][aefjl;40][acgjl;40][abdhj;40][cfghl;40][abhjl;40][acdej;40][acdfh;40][acdgh;40][cdghl;40][cdfhl;40][acefj;40][abdej;40][acegj;40][acfjl;40][acfgh;40][abchj;40][adgjl;40][aefgj;40][adegj;40][abefj;40][bfgjl;40][dfghl;40][befjl;40][adfgh;40][adfjl;40][adefg;38][ceghl;37][cefhl;37][cdegh;37][cefgh;37][cdehl;37][adefh;37][efghl;37][deghl;37][bcdef;33][bcdeg;33][bcefg;33][cdejl;30][adefj;30][degjl;30][cdfgh;30][cegjl;30][defgl;29][acfhj;25][acghj;25][bcfhj;25][cdefh;25][bfhjl;25][adehj;25][bfghj;25][behjl;25][bghjl;25][abghj;25][cdghj;25][beghj;25][abfhj;25][ceghj;25][cehjl;25][cfghj;25][cfhjl;25][cghjl;25][defhl;25][dghjl;25][eghjl;25][adghj;25][fghjl;25][bdghj;25][befgh;25][aefhj;25][aghjl;25][bcehj;25][afhjl;25][afghj;25][bcghj;25][bdegh;25][cdefg;22][bdefg;22][bcdgj;20][cefgj;20][bdegj;20][acdfj;20][bcdhj;20][cefjl;20][abfgj;20][adhjl;20][bcefj;20][abdgj;20][cfgjl;20][cdgjl;20][bchjl;20][abdfj;20][bcegj;20][cdhjl;20][acdgj;20][abcgj;20][efgjl;20][befgj;20][adfgj;20][bdhjl;20][achjl;20][bdfgh;20][bcdej;20][bcfgj;20][cdegj;20][bcdfj;20][abcfj;20][cdfjl;20][acdhj;20][dfgjl;20][acfgj;20][cdfgj;20][bdfgj;20][bdefh;12][defgh;12][bdefj;10][cdefj;10][defjl;10][defgj;10]
【0298】
ファージ組み合わせの3つのファージによって感染される宿主MLSTのパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも3ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージ組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[abchl;65][acdhl;60][abdhl;60][abcdl;58][bcdhl;55][abcel;52][abghl;50][abfhl;50][abehl;50][abcfl;47][abcdh;47][abegl;47][acegl;43][abdel;43][abdel;41][acdel;41][abcfg;40][acfhl;40][afghl;40][abcdg;40][acghl;40][abcdf;40][adghl;40][abdgl;39][abdfl;39][acfgl;39][abfgl;39][bcdgl;39][bcfgl;39][acdfl;39][acdgl;39][acegh;37][abceh;37][acehl;37][ceghl;37][bcehl;37][aeghl;37][bcdfg;36][acdfg;36][abdfg;36][abefl;35][acefl;35][bcdfl;34][cdfgl;30][bdfgl;30][adfhl;30][acfgh;30][abcfh;30][bcghl;30][acdgh;30][bcfhl;30][cdghl;30][cfghl;30][abcgh;30][adegl;29][bcegl;29][abcde;27][abcef;27][abceg;27][adfgl;26][adehl;25][cdehl;25][cefhl;25][bghjl;25][aghjl;25][acefh;25][aefhl;25][acghj;25][bcghj;25][abegh;25][abghj;25][beghl;25][cghjl;25][acdeh;25][bcdel;23][aefgl;23][abdeg;22][abefg;22][acdeg;22][acefg;22][bcdeg;22][bcefg;22][bcfgh;20][bcgjl;20][bdghl;20][abcdj;20][bcdgj;20][bchjl;20][adgjl;20][bcdgh;20][bcegj;20][bcfgj;20][abcej;20][abcfj;20][abcgj;20][abcjl;20][aegjl;20][abchj;20][bdgjl;20][abdgh;20][acegj;20][abejl;20][acejl;20][acfgj;20][acdjl;20][abdjl;20][bfghl;20][abdgj;20][acgjl;20][abfgh;20][abfgj;20][achjl;20][acdgj;20][cdgjl;20][acdfh;20][abgjl;20][abhjl;20][cdfhl;20][abegj;20][bcefl;17][bdegl;17][adefl;17][cdegl;17][bcdjl;13][efghl;12][abdeh;12][aefgh;12][bcegh;12][adefh;12][deghl;12][befhl;12][defhl;12][bdehl;12][adegh;12][abefh;12][befgl;11][cefgl;11][cdefg;11][bdefg;11][bcdef;11][acdef;11][abdef;11][adefg;11][abdfj;10][adegj;10][bdfgh;10][bdfgj;10][adfgh;10][acdfj;10][bdfhl;10][cfgjl;10][adejl;10][cegjl;10][begjl;10][bdegj;10][acfjl;10][bfgjl;10][bcdfj;10][abfjl;10][cdegj;10][acdej;10][cdfgh;10][adfgj;10][cdfgj;10][bcdfh;10][abdfh;10][bcejl;10][afgjl;10][dfghl;10][aefjl;10][bcfjl;10][abdej;10][bcdej;10][bdefl;5][cdefl;5][defgl;5].
【0299】
ファージ組み合わせの4つのファージによって感染される宿主細菌MLSTのパーセントを以下に提供する。この形質は、「少なくとも4ファージ%カバレッジ」と呼ばれる。ファージ組み合わせは、性能グレードの降順に並べられる。組み合わせは以下の通りである。
[abchl;45][acdhl;40][abcdh;38][abcdl;37][abdhl;35][bcdhl;35][abcgl;34][abcdg;32][acghl;30][bcdgl;26][abdgl;26][acdgl;26][acehl;25][bcdfg;24][abcfg;24][abceg;22][abcfl;21][bcfgl;21][acfhl;20][abcgj;20][bcghl;20][abghl;20][abcgh;20][abcel;17][abfgl;17][acfgl;17][bcdfl;17][abcdf;16][cdfgl;13][bdfgl;13][aefhl;12][aeghl;12][adehl;12][abehl;12][acdfg;12][abdfg;12][abegl;11][bcegl;11][acegl;11][acdeg;11][abcde;11][bcdeg;11][abdeg;11][acfgh;10][cdghl;10][acdfh;10][cdfgh;10][acdgh;10][acdgj;10][cdfhl;10][bcdgj;10][afghl;10][bcdgh;10][abcfh;10][cfghl;10][bcdfh;10][adfgh;10][dfghl;10][bdfgh;10][bdfhl;10][abdfh;10][bcfgh;10][acgjl;10][bdghl;10][abfgh;10][bfghl;10][adghl;10][abfhl;10][bcgjl;10][abdgj;10][abdgh;10][abgjl;10][bcfhl;10][adfhl;10][adfgl;8][acdfl;8][abdfl;8][abcjl;6][abcdj;6)[aefgl;5][adefl;5][adegl;5)[bcdel;5][acefl;5][bcefl;5][acdel;5][bdefl;5][bdegl;5][abbel;5][befgl;5][cdefl;5][cdegl;5][abdel;5][cefgl;5][defgl;5][bcefg;5][cdefg;5][bdefg;5][bcdef;5][abcef;5][acefg;5][abdef;5][abefg;5][acdef;5][adefg;5].
【0300】
実施例4 ファージと抗生物質の相乗作用
材料及び方法
液体感染における抗生物質との相乗作用
液体培養物におけるファージ及び抗生物質の有効性を試験するために、細菌宿主細胞を、OD600>1.5まで180rpmで振盪しながら37℃でTSB中で一晩増殖させた。更に、各ファージをTSB中で5×10
7PFU/mlの濃度に希釈し、個々に使用するか、又は他のファージと等しく組み合わせてカクテルにした。次いで、1mMイオンを添加し、96ウェルプレートのウェル当たり200μLを分注して、最終濃度を10
7PFU/ウェルとした。ファージなし対照(NPC)については、1mMイオンを含有するTSBを使用した。抗生物質を関連ウェルに添加した(「883」についてはアズトレオナム4μg/mL、コリスチン2μg/mL、「762」については4μg/mL、及びPAO1については6μg/mL)。次いで、2μLの細菌培養物をウェルに添加した(1:100の希釈)。1mMイオンを含有するTSBをNPCとして使用した。各処理について2回繰り返し、TSB培地をブランクとした。50μLの添加された鉱油を各ウェルに添加して、試料の蒸発を低減し、プレートを滅菌フィルムで覆って、細菌増殖を可能にし、培養物を滅菌状態に保った。プレートを、振盪しながら37℃でプレートリーダーにおいて約30時間インキュベートし、OD600を20分毎に測定した。アッセイのために2回の生物学的反復を行った。結果を
図3A~3Jに記載する。
【0301】
図3Aは、(1)未処理の細菌株「883」、(2)カクテルCFX1で処理された「883」、(3)アズトレオナムで処理された「883」、及び(4)カクテルCFX1及びアズトレオナム(Azt)で処理された「883」についてのOD600測定によって表される増殖曲線を示す。
図3Aは、カクテル及びアズトレオナムによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0302】
図3Bは、(1)未処理の細菌株「883」、(2)カクテルCFX1で処理された「883」、(3)トブラマイシンで処理された「883」、及び(4)カクテルCFX1及びトブラマイシンで処理された「883」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3Bは、カクテル及びトブラマイシンによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0303】
図3Cは、(1)未処理の細菌株「883」、(2)ファージCF1_20Dec110で処理された「883」、(3)アズトレオナムで処理された「883」、並びに(4)ファージCF1_20Dec110及びアズトレオナムで処理された「883」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3CCF1_20Dec110及びアズトレオナムによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0304】
図3Dは、(1)未処理の細菌株「762」、(2)ファージCF1_20Nov10で処理された「762」、(3)アズトレオナムで処理された「762」、並びに(4)ファージCF1_20Nov10及びアズトレオナムで処理された「762」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3DCF1_20Nov10及びアズトレオナムによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0305】
図3Eは、(1)未処理の細菌株「762」、(2)ファージCF1_ 20Dec107で処理された「762」、(3)アズトレオナムで処理された「762」、及び(4)ファージCF1_20Dec107及びアズトレオナムで処理された「762」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3Eは、CF1_20Dec107及びアズトレオナムによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0306】
図3Fは、(1)未処理の細菌株「PAO1」、(2)カクテルCFX1で処理された「PAO1」、(3)コリスチンで処理された「PAO1」、及び(4)カクテルCFX1及びコリスチンで処理された「PAO1」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3Fは、カクテル及びコリスチンによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0307】
図3Gは、(1)未処理の細菌株「PAO1」、(2)カクテルCFX1で処理された「PAO1」、(3)アズトレオナムで処理された「PAO1」、及び(4)カクテルCFX1及びアズトレオナムで処理された「PAO1」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3Gは、カクテル及びアズトレオナムによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0308】
図3Hは、(1)未処理の細菌株「PAO1」、(2)ファージCF1_20Nov10で処理された「PAO1」、(3)コリスチンで処理された「PAO1」、及び(4)ファージCF1_20Nov10及びコリスチンで処理された「PAO1」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3Hは、CF1_20Nov10及びコリスチンによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0309】
図3Iは、(1)未処理の細菌株「PAO1」、(2)ファージCF1_20Dec107で処理された「PAO1」、(3)コリスチンで処理された「PAO1」、及び(4)ファージCF1_20Dec107及びコリスチンで処理された「PAO1」についてのOD600測定値によって表される増殖曲線を示す。
図3Iは、CF1_20Dec107及びコリスチンによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0310】
図3Jは、(1)未処理の細菌株「PAO1」、(2)ファージCF1_20Dec110で処理された「PAO1」、(3)コリスチンで処理された「PAO1」、及び(4)ファージCF1_20Dec110及びコリスチンで処理された「PAO1」についてのOD600測定によって表される増殖曲線を示す。
図3Jは、CF1_20Dec110及びコリスチンによって達成される細菌増殖の相乗的減少を示す。この効果は、追加の細菌株でも測定された。
【0311】
要約すると、PsA株のファージカクテルCFX1への曝露は単独では13~15時間増殖を抑制したが、アズトレオナム単独への曝露は、観察された期間を通してより遅い細菌増殖を引き起こす。細菌株例えば、PAO1、883がCFX1及びアズトレオナムに共に曝露されると、細菌変異体の出現は本質的に失われた(この相乗効果は、他の臨床分離株でも確認された)。トブラマイシンの場合、PsA株のトブラマイシン単独への曝露が約25時間増殖を抑制した一方で、PsA株のファージカクテルCFX1単独への曝露は、(アズトレオナムと同様に)13~15時間増殖を抑制した。細菌株例えば、PAO1、883がCFX1及びアズトレオナムに共に曝露されると、細菌変異体の出現は本質的に失われた(この相乗効果は、他の臨床分離株でも確認された)。CFX1と抗生物質の同様の相乗効果が、コリスチンの場合に観察された。相乗効果は、様々な抗生物質と組み合わせた場合にCFX1の個々のファージメンバーのいくつかについても観察され、したがって、一般的に肺感染症に対して、特にCF患者に対して使用されるアジスロマイシン及び他の抗生物質の場合にも予想される。
【0312】
実施例5 バイオフィルムの増殖及び処理
材料及び方法:バイオフィルムの増殖及び処理
バイオフィルムに対するファージの効果を試験するために、関連細菌のスターターを一晩増殖させた。関連株の3つの単離された単一コロニーを3mLのTSB中に採取し、37℃、180rpmで一晩、OD600>1まで振とうし、2つの生物学的反復の各々に対して1つのスターターを使用した。翌日、スターターを96ウェルプレートに分散させ、バイオフィルムを24時間形成させた。培養物を3mLの新鮮なTSB(Tryptic Soy Broth)培地中で1:100に希釈し、OD600を約0.05(約4×107CFU/mL)に調整した。200μLの希釈された接種材料を、プレートレイアウトに従って96ウェル培養プレート(Osteok、カタログ番号TCP-011-096)中のウェルごとに添加した。200μLのTSBをブランクウェルに使用した。マイクロタイタープレートを37℃で24時間、110rpmの低振盪頻度でインキュベートした。次に、上清(培地、廃棄物、及び浮遊細胞を含有する)を慎重に除去し、P.aeruginosaを含んだウェルを200μLのPBS(リン酸緩衝生理食塩水、Hylabs、カタログ番号BP655)で1回洗浄した。次いで、所望の処理を加え、96ウェルプレートを37℃のシェーカー(110rpm)に6時間戻した。200μLの新鮮な培地/処理を、プレートレイアウトに従って添加した。処理は、2.5×107PFU/ウェルの3-ファージカクテルCFX1(表1に詳述されるように)(1:1:1の比率で)、又はP.aeruginosaの最小発育阻止濃度(MIC)(4μg/mL)の5倍又は50倍の抗生物質イミペネム(SIGMA<カタログ番号C3809-1G)で行った。TSB培地は未処理対照として機能した。インキュベーション期間後、上清を慎重に除去し(培地、廃棄物、ファージ/抗生物質、及び浮遊細胞)、バイオフィルムを200μLのPBS(リン酸緩衝生理食塩水、Hylabs、カタログ番号BP655)で再度洗浄し、そのバイオマスを測定し(クリスタルバイオレット(crystal violet、CV)で染色)、及び/又は生存細胞を測定した(CFU計数のためにプレーティング)。
【0313】
クリスタルバイオレット染色アッセイによる、予め形成されたP.aeruginosaバイオフィルムバイオマスに対するファージ効果の評価。
材料及び方法:cクリスタルバイオレット(CV)染色アッセイ
バイオマス評価のために、DNA、生存/死細菌細胞、及び細胞外マトリックスを染色するクリスタルバイオレット(CV)を使用した。
【0314】
上記の手順における最後の工程(「バイオフィルムの増殖及び処理」)に続いて、200μLの0.1%クリスタルバイオレット(Acros、カタログ番号447570500)をマイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。室温で10~15分間インキュベートした後、プレートをPBSで3回すすいだ。マイクロタイタープレートをフードに入れ、逆さにして数時間又は一晩乾燥させた。200μLの70%エタノールをマイクロタイタープレートの各ウェルに添加してCVを可溶化し、溶液を新しい平底マイクロタイターディッシュに移した。70%エタノールをブランクとして使用した。プレートを写真撮影し、バイオフィルムバイオマス定量化を、OD615で、プレートリーダーにおいてCV染色の吸光度を測定することによって行った。CV染色アッセイを、各々6つの技術的反復を有する2つの生物学的反復において行った。
【0315】
バイオフィルム浸透を評価するために、細菌をバイオフィルム形成を可能にする条件で増殖させ、24時間後にCFX1(表1に詳述)ファージカクテル試料を6時間添加した。次に、バイオフィルム塊をクリスタルバイオレットで染色した(
図4A)。統計分析は、処理間の有意差の検出のために二元配置ANOVA検定を用いて行った。P.aeruginosa によって産生されたバイオフィルムのバイオマスは、CV染色後、
図4Aの左端の3つのウェル(未処理)の比較的濃い紫色によって明確に可視化することができる。ファージカクテル処理後、予め形成されたバイオフィルムバイオマスの明確な減少は、右側の3つのウェルのより明るい紫色によって明らかであった。これらの結果は、ファージカクテルがバイオフィルムバイオマスを減少させることができることを示した。
【0316】
予め形成されたバイオフィルム中に包埋されたP.aeruginosaの生存率に対するファージ効果の評価。
材料及び方法:予め形成されたバイオフィルム中のP.aeruginosaの生存率
宿主細胞生存率評価のために、BacTiter-Glo(Promega、カタログ番号G8231)法を使用した。この方法は、生存細胞中に存在するATPの定量化に基づいて生存細菌細胞を測定する。読み出しは、ATP依存性反応における発光シグナル(相対光単位(RLU))である。
【0317】
最初に、検量線を確立して、RLUで表されるBacTiter-Gloアッセイ結果を、コロニー形成単位(CFU)で表される生存率アッセイ結果と相関させた。P.aeruginosaに特異的な検量線が確立された。この部分は浮遊培養で行った:TSB中の一晩培養を1.3のOD600に対して正規化し、一連の10倍連続希釈物を調製した(100~10-5)。各希釈物からの200μLを、96ウェルプレート中にウェル当たり分散させた。96ウェルプレートを2272×g、4℃で10分間遠心分離し、ペレットを100μLのPBSに再懸濁した。100μLのBacTiter-Glo Reagentを96ウェルプレートの各ウェルに添加し、十分に混合した。室温で5分間インキュベートした後、RLUをルミノメーターで測定した。並行して、5μLの10倍連続希釈物を、CFU計数のためにBHISプレート上にスポットした。RLU対CFUのプロットは、1×109~1×105RLUの良好な相関(R2=0.962)を示した。トレンドライン方程式を実験で使用して、RLUを計算されたCFU(cCFU)に変換した。
【0318】
上記の手順における最後のステップ(「バイオフィルムの増殖及び処理」)に続いて、プレートを室温で15分間乾燥させた。100μLのPBS+100μLのBacTiter-Glo Reagentを96白色ウェルプレートの各ウェルに添加し、室温でインキュベートした。110rpmの低振盪頻度で5分間インキュベートした後、ふたを取り外し、プレートをスパーク装置(BiomX ID#186)に入れた。発光シグナルを、1000ミリ秒の積分時間を用いて、相対光単位(RLU)で測定した。検量線方程式を用いて、RLUをcCFUに変換した。
【0319】
結果を
図4Bに記載する。その結果、CFX1ファージはバイオフィルムに浸透し、埋め込み型PsAの細菌負荷を減少させることができ(~2.5 log)、この減少は、抗生物質感受性PsA株によって産生されたバイオフィルムの抗生物質処理によって得られた減少(約1 log)よりも大きかったことが明らかになる。ファージによる有意な減少はまた、死細菌細胞及び細胞外マトリックスのDNAを染色するクリスタルバイオレットで染色することによるバイオフィルムの目に見える減少として確証される。
【0320】
実施例6 長期保存後のファージ生存率
材料及び方法:安定性アッセイ
異なる条件で保存した後のファージ生存率を、異なる温度条件(5℃、25℃、37℃)、期間(1、2、4及び8週間)及び以下の組成でファージの各々の効力を試験することによって測定した。
【0321】
【0322】
各実験ブロックについてのファージ力価を、以下のようにスポットドロッププラークアッセイによって決定した:4mLの液体BHISに宿主の5~10コロニーを接種し、OD600が1.5になるまで(一晩)37℃でインキュベートすることによって、宿主培養物を調製した。150μLの宿主培養液を、二価イオンMn2+、Ca2+及びMg2+を含む4mLの溶融トップアガー(BHISトップアガー:BHIS培地、0.4%アガロース)に添加し、BHIS寒天プレート(1.5%アガロース)上に分注した。プレートを室温で15分間放置して固化させた。次いで、ファージ試料の希釈物を滴下した(5μL)。プレートを一晩インキュベートした後、プラークを計数し(10~50プラーク/滴)、ファージ力価を決定した(プラーク数×200×計数希釈の逆数=PFU/mL)。各時間でのファージ力価を0時の力価と比較し、対応する対数差を計算した。結果を以下の表4に記載する。
【0323】
【表6】
*各ファージの時間0での平均効力は7.43E+09 PFU/mlであった。
【0324】
実施例7:
ファージ溶菌サイクルのための必須遺伝子
材料及び方法:遺伝子分析
特定の実施形態によれば、ファージのゲノムは、それらの本質的な機能性(例えば、宿主細菌に感染し、それを溶解する能力)を著しく妨げることなく、より小さいゲノムを有する合成ファージを作製するために低減される。特定の実施形態によれば、そのような減少されたゲノムは、そうでなければ、元の完全なゲノムDNAに加えられた場合、ファージの制限されたDNA封入能力に起因して困難であり得るDNAの異種分子をより容易に収容することができる(例えば、Pires,D.P.,Monteiro,R.,Mil-Homens,D.et al.Designing P.aeruginosa synthetic phages with reduced genomes.Sci Rep 11,2164(2021).doi(dot)org/ 10.1038/s41598-021-81580-2参照)。加えて、又は代替的に、選択されたファージの遺伝子配列は、必須遺伝子が比較的保存されているという条件で、例えば好適な産生細胞株における発現のために改変又は最適化することができる。
【0325】
特定の実施形態によれば、可能性のある必須遺伝子を見出すための以下の例示的な方法が使用される。遺伝子Xは、PATRIC(docs(dot)patricbrc(dot)org/)によって認識され、機能が割り当てられた場合に必須と定義された。更に、遺伝子の機能がPATRICによって未知である場合(例えば、「仮想タンパク質」又は「ファージタンパク質」、以下の試験が行われる。ファージゲノムを所与として、遺伝子Xについて、同じ種に感染するすべての公的に利用可能なファージゲノムにおけるホモログの数(blastpを使用して30%以上のグローバルアミノ酸類似性)をカウントする(num.homologs(遺伝子X))。続いて、遺伝子Xを含有することが見出されたゲノム中の各遺伝子についての相同体の数の平均及び標準偏差を計算し、遺伝子Xについてのzスコアを以下のように計算した。
【0326】
【0327】
-1を超えるzスコアを有する遺伝子を必須と定義した。全ての他の遺伝子は非必須と定義された。
【0328】
以下は、各ファージの必須遺伝子のリストである。各遺伝子は、半列によって分離された以下のデータフィールドを含む角括弧によって表される:第1、遺伝子の開始座標、終了座標、及び配列表に提示されるファージゲノム配列に関連する鎖(+は配列表に与えられる鎖である)。第2に、遺伝子の機能である。(「HP」は仮想タンパク質を示し、「PP」は未分類ファージタンパク質を示す)。
【0329】
ファージCF1_20Aug470の必須遺伝子:[1:438:-PP][536:829:-PP][829:1086:-PP][1086:1412:-PP][1409:1735:-PP][1732:2151:-PP][2227:2556:-PP][2564:2764:-PP][2780:4831:-ファージDNAヘリカーゼ][4821:5153:-PP][5140:6168:-PP][6332:7015:-PP][7584:8309:-PP][8360:8557:-PP][8582:8896:-PP][8886:9095:-PP][9476:10060:+;PP][10177:11787:+;ファージターミナーゼ%2C大サブユニット][11777:13777:+;PP][13752:14321:+;PP][14497:14865:+;PP][14871:15617:+;PP][15632:16888:+;PP][16974:17390:+;PP][17393:18046:+;PP][18058:18405:+;PP][18685:19035:+;PP][19036:19422:+;PP][19527:19898:+;PP][19909:23004:+;PP][23015:23932:+;連鎖球菌赤血球凝集素タンパク質][23946:25679:+;PP][25697:31246:+;PP][31302:31583:-PP][32232:32486:-PP][32465:33355:-PP][34530:36935:-DNAポリメラーゼI(EC 2.7.7.7)][37050:37379:-PP][37453:37968:-PP][37996:38952:-PP][39043:39300:-PP][39297:39764:-PP][39757:39993:-PP][39996:40670:-PP][40667:41692:-PP][41694:42005:-PP][42002:42187:-PP][42201:42899:-PP][42912:43214:-PP][43218:43343:-PP]。
【0330】
ファージCF1_20sep416の必須遺伝子:[37:183;-HP][258:2003:-クラスIa(好気性)のリボヌクレオチドレダクターゼ%2Cαサブユニット(EC 1.17.4.1)][1996:3132:-HP][3059:3403:-HP][3405:4352:-推定チミジル酸シンターゼ][4407:4499:-HP][4559:5509:-HP][5502:5669:-HP][5718:6053:-HP][6072:6287:-HP][6299:6481:-HP][6478:7257:-HP][7254:7424:-HP][7421:7858:-HP][7855:8061:-HP][8082:8468:-HP][8465:9028:-HP][9025:10077:-HP][10119:10340:-HP][10350:10583:-HP][10646:11650:-HP][11752:12468:-HP][12470:12637:-HP][12667:13065:-HP][13155:13844:-HP][14132:16132:-HP][16193:18055:-HP][18109:18294:-HP][18291:18536:-HP][18546:18737:-HP][18724:18852:-HP][18970:19392:-HP][19393:19695:-HP][19698:19862:-HP][19849:20514:-HP][21190:21591:-HP][21678:21875:-+;HP][22862:24007:+;HP][22862:24007:+;PP][24020:24178:+;HP][24171:24980:+;ファージタンパク質(ACLAME 992)][25006:25326:+;HP][25338:25643:+;HP][25687:26001:-HP][26037:26342:-HP][26474:26917:-HP][26904:27143:-HP][27161:27721:-ファージエンドリシン][27738:29237:-HP][29251:29625:-HP][29669:31726:-HP][31737:32468:-HP][32487:33950:-HP][34334:35074:-HP][35071:35988:-HP][35985:36341:-HP][36347:37108:-HP][37105:39471:-尾の長さテープ測定タンパク質][39468:39620:-HP][39728:40099:-HP][40113:40592:-HP][40592:40963:-HP][41167:41691:-HP][41722:43008:-HP][43021:43584:-HP][43581:43961:-HP][43961:442-33:-HP][44412:44888:-HP][44939:45973:-HP][46018:46428:-HP][46456:47373:-HP][47370:47840:-HP][47850:49289:-HP][49302:50822:-HP][53455:53778:-HP][54582:55049:+;HP][55046:55402:+;HP][55450:55998:+;HP][56059:56244:+;HP][56241:56534:+;HP][56535:56720+;HP][56755:57033:+;HP][57030:57308:+;HP][57322:57639:+;HP][57648:57917:+;HP][57914:58126:+;HP][58136:58372:+;HP][58402:58791:+;HP][58788:59996:+;HP][60009:60470:+;HP][60535:61095:+;HP][61097:61657:+;HP][61647:62078:+;HP][62078:62632:+;HP][62645:62881:+;HP][62883:63158:+;HP][63155:63562:+;HP][63574:64491:+;HP][64502:64918:+;HP][64928:65803:+;推定ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ][65800:66018:+;HP][66075:67763:+;ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(EC2.4.2.12)][67774:67971:+;HP][67968:68447:+;HP][68459:68608:+;HP][68610:68921:+;HP][68918:69499:+;HP][69883:70386:+;HP][70388:70729:+;HP][70726:70941:+;HP][70997:71284:+;HP][71281:71643:+;HP][71643:71954:+;HP][71942:72220:+;HP][72223:72909:+;HP][72933:73349:+;HP][73339:73749:+;HP][73742:74008:+;HP][74727:75320:-HP][76114:76272:-HP][76435:76605:-HP][76655:76849:-HP][76949:77215:-HP][77310:77600:-HP][77618:78070:-HP][78605:79144:-HP][79219:79734:-HP][79818:80315:-HP][80352:80666:-HP][80678:80923:-HP][81027:81419:-HP][81416:81682:-HP][81715:81939:-HP][81958:82152:-HP][82416:82769:-HP][82769:83107:-HP][83112:83783:-HP][83859:84242:-HP][84479:84625:-HP][84699:85007:-HP][85007:85135:-HP][85206:85454:-HP][85451:85738:-HP][85741:85881:-HP][86252:86725:-HP][87354:87527:-HP][87750:88736:-HP][89176:89406:-HP][89408:89602:-HP][89612:90097:-HP][90109:90357:-HP][90398:90583:-HP][90573:90887:-HP][90887:91123:-HP][91123:91356:-HP].
【0331】
ファージCF1_20Dec107の必須遺伝子:[1:129:+;ファージ関連DNAプライマーゼ][1091:1672:+;HP][1829:2443:-HP][2636:3262:-HP][3273:3584:-HP][3637:3867:-HP][3923:4147:-HP][4209:4538:-HP][4539:5183:-HP][5215:5424:-HP][5830:6081:-HP][6761:6949:-HP][6952:7674:-ファージキャプシド及び足場][7691:7993:-HP][8004:8150:-HP][8326:9708:+ファージターミナーゼ%2C大サブユニット][9745:10128:-HP][10128:10343:-HP][10343:10693:-HP][10737:11120:-HP][11123:11902:-HP][13040:13135:-HP][13132:14064:-PP][14168:14515:-HP][14764:15075:-HP][15081:15284:-HP][15281:15604:-HP][15636:16037:-PP][16218:18515:+;PP][18515:19351:+;ファージマイナーカプシドタンパク質][19370:19576:+;PP][19573:19713:+;PP][19573:19713:+;PP][21663:22298:+;PP][22308:23456:+;ファージキャプシド及び足場][23558:23995:+;PP][24010:24477:+;PP][24501:24872:+;PP][24880:25431:+;PP][25428:26009:+;PP][26112:27539:+;PP][27598:28050:+;ファージ尾部繊維][28050:28373:+;PP][28370:28720:+;PP][28722:29153:+;HP][29163:29666:+;PP][29666:30205:+;PP][30214:30807:+;ファージ尾部繊維][30817:31245:+;HP][31249:33825:+;ファージ内部(コア)タンパク質][33825:34688:+;PP][34688:35221:+;PP][35277:35942:+;ファージベースプレート][35999:37252:+;PP][37249:38763:+;PP][38768:41656:+;ファージ尾部繊維][41658:42086:+;HP][42086:42748:+;ファージエンドリシン][42773:43024:-HP][43304:44215:-DNAリガーゼ%2Cファージ関連][44270:44824:-ファージDNA結合タンパク質][44821:45426:-PP][45483:46379:-PP][46468:47088:-PP][47183:48742:-ファージDNAヘリカーゼ][48739:49149:-PP][49142:52249:-DNAポリメラーゼIIIアルファサブユニット(EC 2.7.7.7)][55485:55703:-ファージ尾部アセンブリータンパク質][55687:55905:-HP][55905:56135:-PP][56223:57224:-HP][57329:58219:-HP][58380:59567:-ファージDNAヘリカーゼ][59554:59976:-HP][60145:60930:+;HP][62309:62758:+;HP][62755:63831:+;HP][63837:64022:+;HP][64170:65780:+;ファージ関連DNAプライマーゼ]
【0332】
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【0333】
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【0334】
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【0335】
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【0336】
ファージCF1_20Aug401の必須遺伝子:[1:186:+;ファージ構造タンパク質p29][198:1730:+;ファージカラー%2C頭尾結合タンパク質Gp8][1734:2702:+;ファージカプシドアセンブリ足場タンパク質p31][2754:3761:+;ファージ主要カプシドタンパク質Gp10A][3858:4412:+;ファージ非収縮性尾部管タンパク質Gp11][4415:6895:+;ファージ非収縮性尾部管タンパク質Gp12][6895:7440:+;ファージタンパク質p35][7440:10136:+;ファージベースプレートハブ構造タンパク質/ファージリゾチームR(EC 3.2.1.17)][10140:14153:+ファージDNAエジェクトソーム成分Gp16%2Cペプチドグリカン溶解性外糖分解酵素(EC 4.2.2.n1)][14155:14910:+;ファージ非収縮性尾部繊維タンパク質Gp17][14910:15368:+;ファージタンパク質p39][15361:16269:+;ファージタンパク質p40][16273:16878:+;ファージタンパク質p41][16878:17183:+;ファージターミナーゼ小サブユニットGp18%2C DNAパッケージング][17193:18998:+;ファージターミナーゼ大サブユニットGp19%2C DNAパッケージング][18998:19195:+;ファージタンパク質p44][19330:19674:+;ファージエンドリシン][19632:19961:+推定ファージコード化リポ蛋白質p46][20051:20365:+;ファージタンパク質p47][20415:20609:+;ファージタンパク質p48][22644:22928:+;ファージタンパク質p01][22928:23155:+;ファージタンパク質p02][23166:23705:+;ファージタンパク質p03][23768:23872:+;HP][23875:23994:+;HP][24073:24441:+;ファージタンパク質p04][24428:24655:+;ファージタンパク質p05][24834:25007:+;ファージタンパク質p06][25007:25291:+;ファージタンパク質p07][25527:25820:+;ファージタンパク質p07][25899:26312:+;ファージタンパク質p10][26381:26740:+;ファージタンパク質p11][26743:27675:+;ファージDNA結合タンパク質p12][27937:28479:+;ファージタンパク質p13][28484:28597:+;PP][28656:29489:+;ファージプライマーゼ/ヘリカーゼタンパク質Gp4A][29533:30726:+;ファージDNAヘリカーゼ][30716:31336:+;ファージタンパク質p16][31285:32283:+;ファージ関連ATP依存性DNAリガーゼ(EC 6.5.1.1)][32280:32600:+;ファージタンパク質p18][32597:35020:+;ファージDNA指向性DNAポリメラーゼ(EC 2.7.7.7)][35017:35328:+;ファージタンパク質p20][35383:36432:+;ファージタンパク質p21][36432:37373:+;ファージエキソヌクレアーゼ(EC 3.1.11.3)][37363:37803:+;ファージエンドヌクレアーゼ][37800:38846:+;ファージエキソヌクレアーゼ][38856:39227:+;ファージタンパク質p25][39220:39570:+;PP][39579:42026:+;ファージDNA依存性RNAポリメラーゼ(EC 2.7.7.6)][[42220:42471:+;ファージタンパク質p27][42471:42944:+;ファージタンパク質p28]
【0337】
ファージCF1_20Dec110の必須遺伝子:[1:96:-HP][171:1916:-クラスIa(好気性)のリボヌクレオチドレダクターゼ%2Cαサブユニット(EC 1.17.4.1)][1909:3045:-HP][2972:3316:-HP][2972:3316:-推定チミジル酸シンターゼ][4320:4412:-HP][4472:5422:-HP][5415:5582:-HP][5631:5966:-HP][5985:6200:-HP][6212:6394:-HP][6391:7170:-HP][7167:7337:-HP][7334:7771:-HP][7768:7974:-HP][7995:8381:-HP][8378:8941:-HP][8938:9990:-HP][10032:10256:-HP][10263:10496:-HP][10559:11563:-HP][11665:12381:-HP][12383:12550:-HP][12580:12978:-HP][13068:13757:-HP][14045:16045:-HP][16106:17968:-HP][18022:18207:-HP][18204:18449:-HP][18459:18650:-HP][18637:18765:-HP][18883:19305:-HP][19306:19608:-HP][19611:19775:-HP][19762:20427:-HP][21103:21504:-HP][21591:21788:-HP][22512:22745:+;HP][22775:23920:+;PP][23933:24091:+;HP][24084:24893:+;ファージタンパク質(ACLAME 992)][24895:25215:+;HP][25227:25535:+;HP][25583:25897:-HP][25933:26238:-HP][26370:26813:-HP][26800:27039:-HP][27057:27617:-ファージエンドリシン][27634:29133:-HP][29147:29521:-HP][29565:31622:-HP][31633:32364:-HP][32383:33846:-HP][33848:34219:-HP][34230:34970:-HP][34967:35884:-HP][35881:36237:-HP][36243:37004:-HP][37001:39367:-尾の長さテープ-測定タンパク質][39364:39516:-HP][39624:39995:-HP][40009:40488:-HP][40488:40859:-HP][41063:41587:-HP][41618:42904:-HP][42917:43480:-HP][43477:43857:-HP][43857:44129:-HP][44308:44784:-HP][44835:45869:-HP][45915:46325:-HP][46353:47270:-HP][47267:47737:-HP][47747:49186:-HP][49199:50719:-ファージターミナーゼ%2C大サブユニット][53578:53901:-HP][54707:55174:+;HP][55171:55527:+;HP][55575:56123:+;HP][56184:56369:+;HP][56366:56659:+;HP][56660:56845:+;HP][56660:56845:+;HP][57155:57433:+;HP][57447:57764:+;HP][57773:58042:+;HP][58039:58251:+;HP][58261:58497:+;HP][58527:58916:+;HP][58913:60121:+;HP][60134:60595:+;HP][60660:61220:+;HP][61222:61782:+;HP][61772:62203:+;HP][62203:62757:+;HP][62770:63006:+;HP][63008:63283:+;HP][63280:63687:+;HP][63699:64616:+;HP][64627:65043+;HP][65053:65919:+;リボース-リン酸ピロホスホキナーゼファミリータンパク質][65916:66134:+;HP][66191:67879:+;ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(EC 2.4.2.12)][67892:68089:+;HP][68086:68565:+;HP][68577:68726:+;HP][68728:69039:+;HP][69036:69614:+;HP][69998:70501:+;HP][70503:70844:+;HP][70841:71056:+;HP][71113:71475:+;HP][71475:71786:+;HP][71774:72052:+;HP][72055:72762:+;HP][72779:73201:+;HP][73191:73595:+;HP][73595:73840:+;HP][74368:74970:-HP][76073:76243:-HP][76571:76861:-HP][76879:77313:-HP][77369:77539:-HP][77564:77701:、-HP][77564:77701:-HP][79604:79918:-HP][79930:80175:-HP][80279:80671:-HP][80668:80934:-HP][80967:81191:-HP][81210:81404:-HP][81668:82021:-HP][82021:82359:-HP][82364:83035:-HP][83111:83494:-HP][83731:83877:-HP][83951:84259:-HP][84259:84387:-HP][84458:84706:-HP][84703:84990:-HP][84993:85133:-HP][85146:85412:-HP][85487:85963:-HP][86592:86765:-HP][86988:87974:-HP][88415:88645:-HP][88647:88841:-HP][88851:89336:-HP][89348:89596:-HP][89637:89822:-HP][89812:90126:-HP][90126:90362:-HP][90362:90595:-HP].
【0338】
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【0339】
実施例8 ファージカクテルによって達成される相乗的なTTMの増加
耐性変異細菌(resistant mutant bacteria、TTM)の増殖が検出されるまでの時間に対する効果を試験するために、カクテルCFX1及びCFX7並びにこれらのカクテルの個々のメンバーファージを異なる細菌株に対して試験した。試験した各細菌株の10個の細菌コロニーを採取し(約1μLループ全体)、4mLの液体BHISを予め充填した培養チューブに移し、180rpm、37℃で約16時間振盪することによってOD600≧1.5まで培養した。細菌培養物を、1mM MMCイオンを補充したBHISを使用して希釈して、0.05の最終ODに到達させ、96ウェルプレートに分注した。各ファージを108PFU/mlの濃度に希釈し、カクテルを作製するために、等しい比率で混合して個体と同じ総濃度を得た。次いで、単一又はカクテルファージの試料10μLをウェルに添加して、最終濃度を106 PFU/ウェルとした。NPCについては、BHISを適切なウェルに添加した。鉱油を各ウェルに添加して試料の蒸発を減少させ、プレートを滅菌フィルムで覆って細菌を増殖させ、培養液を滅菌状態に保った。プレートを、振盪しながら37℃でプレートリーダーにおいて30~45時間インキュベートし、OD600を20分毎に測定した。アッセイのために2回の生物学的反復を行い、1mM MMCイオンを補充したBHIS培地をブランクとして使用した。
図5A~5Dは、それぞれ4つの細菌株788、908、560及び667に関して、各メンバーファージと比較したCFX7カクテルの効果を示す。例えば、細菌株788に関して、変異体増殖の排除は、実験開始から25時間まで達成され、細菌株667の場合、変異体細菌の増殖は、実験の最後まで排除された。
図5E~5Fは、各々2つの細菌株830及び907に関して、各メンバーファージと比較したCFX1カクテルの効果を示す。
図5Gは、上記のように調製した等濃度の3つの細菌株の混合物に関して、各メンバーファージと比較したCFX1カクテルの効果を示す。任意の細菌耐性変異体の増殖を長時間排除するCFX1の能力が達成される。
【0340】
まとめると、
図5A~5Gは、各ファージメンバーを別々に比較して、相乗的に機能するファージ混合物が耐性変異体増殖を排除する能力を示す。
【0341】
表5は、
図5A~5Gの各グラフについて、対応するOD600読み取り値が変異細菌増殖を示す値0.1に達するおよその時間(時間単位)を示す。この表はまた、OD600正規化曲線下面積(AUC)、すなわちファージによる処理を表す線のAUC600とファージなし対照(NPC)のOD600読み取り値を表す線のAUC600との間の比を示す。
【0342】
【0343】
【0344】
実施例9 Pseudomonas aeruginosaによる慢性肺感染のインビボ及びエクスビボモデルを使用したファージ有効性の試験。
嚢胞性線維症(CF)の動物モデルを使用して、ヒトCF肺を模倣する関連ニッチにおけるファージ有効性を評価する。例えば、Kent及び共同研究者らは、B6-CFTRtm1UNC/CFTRtm1UNCと命名されたコンジェニック系統の開発を報告しており(Kent G et al.,1997,Guilbault et al.,2006,Zhou et al.,2011)、これは、自然発生的及び進行性の肺疾患を可能にする。更に、Naイオン吸収を増加させるために気道特異的ENaCを過剰発現するトランスジェニックマウスは、自然発生的及び進行性肺疾患を可能にする(Kukavica-Ibrulj et al.,2008)。エクスビボシステムでは、P.aeruginosaバイオフィルムのためのCF気管支上皮共培養モデルを含み(Moreau-Marquis,Bomberger,et al.2008,AJP Lung)、ここではCF患者の気管支上皮細胞をP.aeruginosaバイオフィルムと共培養して、CF肺ニッチを模倣し、様々な抗P.aeruginosa処理の試験を可能にする。
【0345】
そのようなモデルを使用して、例えば、細菌負荷及びバイオフィルム質量がファージ処理時に減少するかどうかを測定することによって、ファージの有効性、例えば試験及び確認する。
【0346】
実施例10 ファージ特異性
ファージの特異性を検証するために、3つのファージ、CF1_20Nov10、CF1_20Dec107及びCF1_20Dec110を、以下の表に詳述するように、他の種の細菌に対して試験した。固体アッセイを上で詳述したように使用した。試験したファージについてEOPが≧0.1であった細菌株(すなわち、試験したファージに対する感受性)を、全ての結果表において緑色細胞内で「S」と指定した。試験したファージについてEOPが<0.1であった細菌を、試験したファージに対して耐性であると指定した(全ての表において赤色細胞内の「R」)。異種間感染性は観察されなかった。
【0347】
【0348】
実施例11 CF患者の痰におけるファージの有効性
臨床的に重要な試料マトリックスであるCF患者の痰試料中の細菌に感染するファージの能力を評価するために、CF1_20Nov10、CF1_20Dec107、CF1_20Dec110のカクテルをCF患者由来の2つの痰試料に添加し、このカクテルに感受性のある既知量の細菌株をスパイクした。一晩(O/N)インキュベートした後、異なる痰試料中のファージの力価を測定した。ファージ力価の増加は、細菌内でのファージの感染及び増幅の成功を表す。痰試料に既知の感受性細菌及びファージのカクテルをMOI 1でスパイクした場合、1 logを超えるファージ力価の増加が検出された。ファージカクテルを細菌スパイクなしで痰試料に添加した場合、初期PFUレベルと比較してPFUの増加は観察されなかった。細菌をスパイクしたがファージを添加しなかった喀痰サンプルからはPFUは検出されなかった。
【0349】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、修正、及び変形が当業者には明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入るすべてのそのような代替形態、修正形態、及び変形形態を包含することが意図される。
【0350】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、又は特許出願が、参照されるときに、それが参照により本明細書に組み込まれるべきであると具体的かつ個別に言及されているかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるべきであることが、出願人(複数可)の意図である。加えて、本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本発明に対する先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用される限りにおいて、それらは必ずしも限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、本出願の任意の優先権書類(複数可)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【配列表】
【国際調査報告】