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特表2024-514268発泡体圧迫要素の厚さを測定するためのシステムおよび方法
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  • 特表-発泡体圧迫要素の厚さを測定するためのシステムおよび方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】発泡体圧迫要素の厚さを測定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240322BHJP
   H05G 1/42 20060101ALI20240322BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
H05G1/42
A61B6/04 509B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563212
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 US2022026336
(87)【国際公開番号】W WO2022232137
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/179,816
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デフレイタス, ケネス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】レン, バオルイ
【テーマコード(参考)】
4C092
4C093
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB03
4C092AC01
4C092AC16
4C092CD04
4C092CF02
4C092CF25
4C092CF48
4C092DD27
4C093AA07
4C093CA33
4C093DA06
4C093ED21
4C093EE19
4C093FA18
4C093FA53
(57)【要約】
乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法は、乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持することを含む。剛性基材と、剛性基材の下方に固定された発泡体圧迫要素と、力センサとを含む乳房固定要素を用いて、乳房に圧迫力が印加される。発泡体圧迫要素は、圧迫力の印加中に乳房と接触している。力信号は、印加された圧迫力に基づいて力センサにおいて検出される。力センサに近接する乳房の圧迫された厚さは、力センサにおいて検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて決定される。自動露光制御は、力センサに近接する乳房の決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて設定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法であって、前記方法は、
前記乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持することと、
剛性基材と、前記剛性基材の下方に固定された発泡体圧迫要素と、力センサとを備える乳房固定要素を用いて前記乳房に圧迫力を印加することであって、前記発泡体圧迫要素は、前記圧迫力の印加中に前記乳房と接触する、ことと、
前記印加された圧迫力に基づいて前記力センサにおいて力信号を検出することと、
前記力センサにおける前記検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、前記力センサに近接する前記乳房の圧迫された厚さを決定することと、
前記力センサに近接する前記乳房の前記決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて自動露光制御を設定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記力センサに近接する前記乳房の前記圧迫された厚さを決定することは、
前記乳房支持プラットフォームと前記剛性基材との間の分離距離を決定することと、
前記力センサにおける前記検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、前記力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを取得することと、
前記力センサに近接する前記乳房の前記圧迫された厚さを決定するために、前記力センサに近接する前記圧迫された発泡体の厚さを前記分離距離から減算することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記力センサは、前記剛性基材の前壁に近接して、かつ前記前壁から延在する中心線に近接して設けられる、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記自動露光制御を設定することは、前記圧迫された発泡体の厚さおよび発泡体の密度のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的にさらに基づく、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記力センサは、複数の力センサを備える、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記複数の力センサは、前記剛性基材上にグリッドパターンで配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の力センサは、前記剛性基材の前壁から延在する中心線に沿って配置され設けられる、請求項5~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記力センサに近接する前記圧迫された発泡体の厚さ、および前記力センサに近接する前記乳房の前記圧迫された厚さは、実質的に垂直に位置合わせされる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記力センサに近接する前記圧迫された発泡体の厚さ、前記力センサに近接する前記乳房の前記圧迫された厚さ、および前記力センサは、実質的に垂直に位置合わせされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの力センサは、前記乳房固定要素の前縁から延在するラインに沿って設けられた複数の力センサを備える、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ラインは、前記剛性基材の中央領域に沿って設けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記発泡体圧迫要素の前記圧迫された厚さを決定することをさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの力センサにおいて前記発泡体圧迫要素の前記圧迫された厚さを決定することは、複数の力信号および複数の対応する発泡体厚さ測定値を含むルックアップテーブルから発泡体厚さ測定値を取得することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、発泡体圧迫要素タイプを識別することをさらに含み、前記ルックアップテーブルは、前記発泡体圧迫要素タイプに関連付けられている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記発泡体圧迫要素タイプを識別することは、識別信号を受信することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記乳房の前記圧迫された厚さを決定することは、前記発泡体センサにおける前記発泡体圧迫要素の前記決定された厚さ、および前記乳房支持プラットフォームと前記剛性基材との間の分離距離に少なくとも部分的に基づく、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記発泡体圧迫要素の前記圧迫された厚さは、前記少なくとも1つの力センサと実質的に垂直に位置合わせされた前記発泡体圧迫要素の位置にある、請求項12~15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの力センサは、前記剛性基材と前記発泡体圧迫要素との間に設けられる、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの力センサは、前記発泡体圧迫要素内に設けられる、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、PCT国際特許出願として2022年4月26日に出願されており、2021年4月26日に出願された米国仮特許出願第63/179,816号の利益および優先権を主張し、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
マンモグラフィおよびトモシンセシス撮像中の圧迫は、多くの目的に役立つ。例えば、以下のとおりである:(1)乳房をX線束の方向に薄くし、それによって圧迫されていない乳房のより厚い部分を撮像するのに必要なレベルから患者の放射線露光を低減し、(2)乳房をX線束の方向においてより均一な厚さにし、それによって乳房画像全体にわたって画像平面でより均一な露光を容易にし、(3)X線露光中に乳房を固定し、それによって画像のぼけを低減し、(4)胸部組織を胸壁から撮像露光領域にもたらし、したがってより多くの組織撮像を可能にする。乳房が圧迫されているとき、典型的には、技術者は、乳房を操作して適切に位置決めし、圧迫が胸部組織を胸壁に向かって画像領域から押し出す傾向に対抗する。
【0003】
マンモグラフィおよびトモシンセシスのための標準的な圧迫方法は、可動の剛性の放射線透過性圧迫パドルを使用する。通常、技術者または他の医療専門家が乳房を適所に保持している間に、通常は平坦である乳房支持プラットフォーム上に乳房が配置され、次いでパドルが乳房を圧迫する。技術者はまた、画像レセプタの視野内で適切な組織カバレッジを確保するように乳房を操作し得る。
【0004】
マンモグラフィおよび乳房トモシンセシスにおける1つの既知の課題は、乳房が圧迫されたときに患者が感じることがある不快感であり、これは、乳房を固定し、X線撮像のために乳房組織を広げるのに十分な力で行われなければならない。不快感は、潜在的に患者を動かし、画質に悪影響を及ぼすことがある。不快感はまた、患者が乳癌のスクリーニングを受けることを潜在的に思いとどまらせることがある。別の既知の課題は、撮像された照射野が所望の量の乳房組織を含むことを確実にすることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本技術は、乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法であって、乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持することと、剛性基材と、剛性基材の下方に固定された発泡体圧迫要素と、力センサとを含む乳房固定要素を用いて乳房に圧迫力を印加することであって、発泡体圧迫要素が、圧迫力の印加中に乳房と接触する、印加することと、印加された圧迫力に基づいて力センサにおいて力信号を検出することと、力センサにおいて検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定することと、力センサに近接する乳房の決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて自動露光制御を設定することと、を含む、方法に関する。一例では、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定することは、乳房支持プラットフォームと剛性基材との間の分離距離を決定することと、力センサにおける検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを取得することと、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定するために、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを分離距離から減算することと、を含む。別の例では、力センサは、剛性基材の前壁に近接して、かつ前壁から延在する中心線に近接して設けられる。さらに別の例では、自動露光制御を設定することは、圧迫された発泡体の厚さおよび発泡体の密度のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的にさらに基づく。さらに別の例では、力センサは、複数の力センサを含む。
【0006】
上記態様の別の例では、複数の力センサは、剛性基材上にグリッドパターンで配置される。例では、複数の力センサは、剛性基材の前壁から延在する中心線に沿って配置され設けられる。別の例では、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さ、および力センサに近接する乳房の圧迫された厚さは、実質的に垂直に位置合わせされる。さらに別の例では、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さ、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さ、および力センサは、実質的に垂直に位置合わせされる。さらに別の例では、少なくとも1つの力センサは、乳房固定要素の前縁から延在するラインに沿って設けられた複数の力センサを含む。
【0007】
上記態様の別の例では、ラインは、剛性基材の中央領域に沿って設けられる。例では、本方法は、発泡体圧迫要素の圧迫された厚さを決定することをさらに含む。別の例では、少なくとも1つの力センサにおける発泡体圧迫要素の圧迫された厚さを決定することは、複数の力信号および複数の対応する発泡体厚さ測定値を含むルックアップテーブルから発泡体厚さ測定値を取得することを含む。さらに別の例では、本方法は、発泡体圧迫要素タイプを識別することをさらに含み、ルックアップテーブルは、発泡体圧迫要素タイプに関連付けられている。さらに別の例では、発泡体圧迫要素タイプを識別することは、識別信号を受信することを含む。
【0008】
上記態様の別の例では、乳房の圧迫された厚さを決定することは、少なくとも部分的に、発泡体センサにおける発泡体圧迫要素の決定された厚さ、および乳房支持プラットフォームと剛性基材との間の分離距離に基づく。例では、発泡体圧迫要素の圧迫された厚さは、少なくとも1つの力センサと実質的に垂直に位置合わせされた発泡体圧迫要素の位置にある。別の例では、少なくとも1つの力センサは、剛性基材と発泡体圧迫要素との間に設けられる。さらに別の例では、少なくとも1つの力センサは、発泡体圧迫要素内に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、例示的な撮像システムの概略図である。
【0010】
図1B図1Bは、図1Aの撮像システムの斜視図である。
【0011】
図2A図2A図2Cは、発泡体圧迫要素を有する乳房圧迫パドルの様々な図である。
図2B図2A図2Cは、発泡体圧迫要素を有する乳房圧迫パドルの様々な図である。
図2C図2A図2Cは、発泡体圧迫要素を有する乳房圧迫パドルの様々な図である。
【0012】
図2D図2Dは、乳房を圧迫する図2A図2Cの乳房圧迫パドルの正面図である。
【0013】
図3図3は、発泡体圧迫要素の力対圧迫された発泡体の厚さの例示的なプロットを示している。
【0014】
図4図4および図5は、乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法を示している。
図5図4および図5は、乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法を示している。
【0015】
図6図6は、本例のうちの1つ以上が実装されることができる適切な動作環境の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に記載される例では、乳房を撮像し、乳房の厚さを測定するシステムおよび方法が記載される。発泡体圧迫要素を有するパドルを撮像システムに導入することにより、乳房の厚さを決定する新たな方法が必要とされる。これは、発泡体圧迫要素を有するパドルでは、乳房とパドルの剛性部分との間に圧迫された発泡体が存在するために、乳房の厚さが不明になるためである。さらに、圧迫発泡体は、乳房の長さおよび幅の両方に沿って不均一に撓む傾向がある。(例えば、その最も厚い位置における)正確な乳房厚さは、自動露光制御(AEC)および乳房への線量の決定のために重要である。本明細書に記載のシステムおよび方法は、1つ以上のセンサを利用して、(乳房との接触による撓みに起因して)発泡体を介して伝達される力を検出する。特定の力センサにおいて検出された力は、その位置での発泡体の撓みの測定を可能にし、最終的には、その位置での乳房の厚さを測定するために使用され得る。したがって、本明細書に記載の技術はまた、乳房の最も厚い部分の厚さを決定するために使用されることもできるが、圧迫された乳房領域サイズ、圧迫された乳房形状などを決定するために使用されることもできる。
【0017】
乳房撮像では、乳房全体の許容可能な画質を達成するために、乳房の最も密度の高い部分に適切なX線線量を送達しなければならない。乳房を撮像するために、X線露光の前に、乳房の厚さを知ることが望ましい。(例えば、乳房の最も厚い位置における)各特定の乳房の厚さは、所定のキロ電圧ピーク(kVp)および適切なフィルタに関連付けられる。従来の剛性タイプのパドルでは、乳房の厚さは、分離距離Sによって直接測定されることができる。しかしながら、発泡体圧迫要素を有するパドルでは、圧迫された発泡体の存在および圧迫された乳房組織の不均一性のために、乳房の厚さを決定することは複雑である。厚さが決定され(本明細書の開示と一致する)、kVpおよびフィルタが選択されると、低露光前(例えば、AECスカウト露光)X線放射が最初に乳房に放射され、乳房内の最も密度の高い点を特定する。これは、主露光の最も高密度の点において最適な画質を達成するための適切な線量がその後に送達されることを保証する。したがって、本明細書に記載の技術は、撮像X線露光が行われる前に乳房の厚さを測定する方法を提供する。AEC計算において使用されるアルゴリズムは、最大X線減衰の位置に対応する乳房内の最も密度の高い点を探索する。減衰は、その位置における局所的な乳房の厚さおよび高密度の線維腺組織の両方からの寄与によるものである。したがって、AECを適切に計算するためには、乳房の最も厚い点を知ることが必要である。
【0018】
図1Aは、例示的な撮像システム100の概略図である。図1Bは、撮像システム100の斜視図である。図1Aおよび図1Bを同時に参照すると、以下に説明する全ての要素が両方の図に示されているわけではない。撮像システム100は、静的乳房支持プラットフォーム106および発泡体圧迫要素108を含む乳房圧迫固定装置ユニット104を介して、X線撮像(マンモグラフィおよびトモシンセシスのいずれかまたは両方)のために患者の乳房102を固定する。それぞれが異なる目的を有する異なるパドルが当該技術分野において知られている。特定の例のパドルもまた、文脈のために本明細書に記載されている。乳房支持プラットフォーム106および発泡体圧迫要素108は、それぞれ、撮像手順中に乳房102を圧迫、固定、安定化、または他の方法で保持および固定するために互いに向かって移動する圧迫面110および112をそれぞれ有する。既知のシステムでは、圧迫面110、112は、乳房102に直接接触するように露出される。圧迫面110は、剛性プラスチック、可撓性プラスチック、弾性発泡体、メッシュまたはスクリーンなどであってもよい。圧迫面112は、剛性基材113に固定された発泡体圧迫要素108の下面である。プラットフォーム106はまた、画像レセプタ116、および必要に応じて傾斜機構118、および必要に応じて散乱防止グリッド(図示されていないが、画像レセプタ116の上方に設けられている)を収容する。固定装置ユニット104は、ビーム120が画像レセプタ116に衝突するように、X線源122から放射される撮像ビーム120の経路内にある。本明細書でさらに詳細に説明する1つ以上のセンサ要素115は、発泡体圧迫要素108と剛性基材113との間に設けられる。代替例では、発泡体圧迫要素108内に、1つ以上のセンサ要素115が設けられてもよい。
【0019】
固定装置ユニット104は、支持アーム124に沿って昇降可能に構成された圧迫アーム134を介して第1の支持アーム124に支持されている。X線源122は、チューブヘッド126とも呼ばれる第2の支持アーム上に支持されている。マンモグラフィの場合、支持アーム124および126は、CCおよびMLOなどの異なる撮像向きの間で軸128を中心にユニットとして回転することができ、その結果、システム100は、各向きにおいてマンモグラフィ投影画像を撮影することができる。動作中、画像レセプタ116は、画像が撮影されている間、プラットフォーム106に対して所定の位置に留まる。固定装置ユニット104は、アーム124、126を異なる撮像向きに移動させるために乳房102を解放する。トモシンセシスのために、支持アーム124は、所定の位置に留まり、乳房102は、固定されて所定の位置に留まる一方で、少なくとも第2の支持アーム126は、軸128を中心にして固定装置ユニット104および圧迫された乳房102に対してX線源122を回転させる。システム100は、乳房102に対するビーム120のそれぞれの角度において、乳房102の複数のトモシンセシス投影画像を撮影する。
【0020】
同時に、および必要に応じて、画像レセプタ116は、第2の支持アーム126の回転と同期して、乳房支持プラットフォーム106に対して傾斜されてもよい。傾斜は、X線源122の回転と同じ角度を通ることができるが、ビーム120が複数の画像のそれぞれについて画像レセプタ116上の実質的に同じ位置に留まるように選択された異なる角度を通ってもよい。傾斜は、画像レセプタ116の画像平面内にあることができるがそうである必要はない軸130を中心とすることができる。画像レセプタ116に結合された傾斜機構118は、画像レセプタ116を傾斜運動で駆動することができる。トモシンセシス撮像および/またはCT撮像の場合、乳房支持プラットフォーム106は、水平とすることができ、または水平に対してある角度、例えば、マンモグラフィにおける従来のMLO撮像と同様の向きとすることができる。システム100は、単独でマンモグラフィシステム、CTシステム、または単独でトモシンセシスシステム、または複数の形態の撮像を実行することができる「コンボ」システムとすることができる。そのようなコンボシステムの例は、本明細書の譲受人によって商品名Selenia Dimensionsとして提供されている。
【0021】
システムが動作されると、画像レセプタ116は、撮像ビーム120による照明に応答して撮像情報を生成し、それを乳房X線画像を処理および生成するために画像プロセッサ132に供給する。ソフトウェアを含むシステム制御およびワークステーションユニット138は、システムの動作を制御し、オペレータと対話してコマンドを受信し、処理済みの線画像を含む情報を送達する。
【0022】
撮像システム100は、撮像システム100をフロアに支持するためのフロアマウントまたはベース140を含む。ガントリ142は、フロアマウント140から上方に延在し、チューブヘッド208および支持アーム210の両方を回転可能に支持する。チューブヘッド126および支持アーム124は、互いに離散的に回転するように構成され、異なる身長の患者を収容するようにガントリ142の面144に沿って昇降され得る。X線源122は、チューブヘッド208内に設けられる。合わせて、チューブヘッド126および支持アーム124は、Cアーム144と呼ばれることもある。
【0023】
いくつかのインターフェースおよび表示画面が撮像システム100上に設けられる。これらは、足表示画面146、ガントリインターフェース148、支持アームインターフェース150、および圧迫アームインターフェース152を含む。一般に、様々なインターフェース148、150、および152は、撮像システム100とのユーザ対話および制御を可能にするように、グラフィックユーザインターフェース(GUI)を有する静電容量式タッチスクリーンを含む、1つ以上の触覚ボタン、ノブ、スイッチ、ならびに1つ以上の表示画面を含み得る。一般に、足表示画面146は、主に表示画面であるが、必要または所望に応じて静電容量式タッチスクリーンが利用されてもよい。
【0024】
撮像システム100による1つの課題は、所望のまたは必要な撮像のために乳房102をどのように固定および圧迫するかである。医療専門家、典型的にはX線技術者は、一般に、組織を撮像領域に向かって引っ張り、発泡体圧迫要素108を乳房支持プラットフォーム106に向かって移動させながら、固定装置ユニット104内の乳房102を調整して、乳房102を固定し、実行可能な限り多くの乳房組織が圧迫面110、112の間にあるように、それを所定の位置に保持する。
【0025】
乳房の撮像中、圧迫によって乳房を固定することが大抵の場合に望ましい。例えば、乳房を圧迫することによって、乳房がより薄くされることができ、したがってより低い線量の放射線しか必要としない。さらに、乳房を固定することにより、撮像中の乳房の動きからの像ぶれが低減される。乳房を圧迫することによって他の利点も実現され得る。しかしながら、剛性の乳房圧迫パドルは、乳房が圧迫されている患者に不快感を引き起こすことがある。患者が感じることがある不快感の1つの理由は、圧迫力が乳房全体に不均一に分布していることである。これは、大抵の場合、乳房の最も厚い部分、通常は胸壁付近、圧迫パドルの下部前縁部またはその付近、および乳房プラットフォームの上部前隅に集中している。乳首の近くなどの乳房の前部は、より小さい圧迫力を受けるか、または圧迫力を受けないことがある。パドルは、乳房のこの部分に接触さえしないこともある。(前(front)、下(lower)、および上(upper)という用語は、患者が撮像システムの前を向いている頭尾(CC)撮像向きを使用することに関するが、中外斜位方向(MLO)を含む他の撮像向きが同じ機器によって使用されることを理解されたい。)
【0026】
これらの問題を改善するために、本明細書に記載の圧迫システムは、剛性圧迫パドルの下面の下方に位置決めされ、圧迫中に乳房に接触する発泡体圧迫要素を含む。発泡体圧迫要素を利用する圧迫パドルは、いずれも2019年5月24日に出願されたPCT国際特許出願第PCT/US2019/033998号、PCT/US2019/034001号、およびPCT/US2019/034010号に一般的に記載されており、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。そのようなパドルは、乳房を安定させて圧迫し、剛性の圧迫表面のみを有する圧迫パドルに関連する不快感を低減する。
【0027】
発泡体は、パドルが下降され、発泡体が圧迫されるとき、乳房に少なくとも部分的に形状が適合し、したがって、剛性パドルを有する乳房撮像システムに典型的な圧迫圧力を必要とせずに、撮像のために乳房を安定させる。発泡体はまた、乳房の下方に配置されることができる(例えば、乳房支持プラットフォームに固定される)。さらに、発泡体は、胸壁に面する圧迫パドルおよび乳房プラットフォームの部分に配置されてもよい。圧迫パドルが下降されると、発泡体は、圧迫され、乳房の形状に近似する湾曲形状をとる。しかしながら、硬質プラスチック圧迫パドルとは異なり、圧迫力は、乳房を完全に平坦にするほど高くする必要はない。むしろ、本明細書に記載の発泡体は、通常平坦な剛性の圧迫パドルによって(またはその上に設けられた非常に薄い発泡体層を有する乳房圧迫要素によって)行われる完全な圧迫を必ずしも達成するために利用されるのではなく、乳房を安定化させるために利用される。従来のマンモグラムシステムでは、乳房は、平坦ではないため、乳房の外観は、(特定の関心体積の圧迫のレベルに応じて)異なるが、この外観は、画像処理アルゴリズムによって補正され得る。しかしながら、トモシンセシスなどの撮像システムでは、発泡体は、乳房の境界の外側のスライスにのみ現れる。乳房の内側のスライスでは、構造は、ぼけて見えない。したがって、本明細書に記載の発泡体を利用するパドルは、マンモグラフィおよびトモシンセシス撮像の両方に使用され得るが、その全ての利点を実現するためにいくつかの撮像後処理が必要とされ得る。
【0028】
図2A図2Cは、剛性基材204に固定された発泡体圧迫要素202を有する乳房圧迫パドル200の様々な図である。図2A図2Cは、同時に説明される。パドル200は、パドルを撮像システムの圧迫アームに接続するために基材204とほぼ一体のブラケット部分206を含む。ブラケット部分206は、一般にパドル200の補強部分であり、剛性基材204と同じ材料から構成され得る。例では、ブラケット部分は、剛性基材204と一体に形成される。パドル200はまた、ブラケット部分206の反対側の前面208を含み、これは、圧迫および撮像手順中に患者の胸壁に近接して設けられる。例では、基材は、剛性であってもよい。本明細書で使用される場合、「剛性」という用語は、基材204が乳房の圧迫中に屈曲しないことを意味するのではなく、基材204は、基材204の底部に固定された発泡体圧迫要素202よりも大きな屈曲または変形に対する抵抗を示す。隆起壁204aは、追加の剛性を提供する。
【0029】
発泡体圧迫要素202は、化学接着剤によって基材204の下面に固定され得る。他の例では、圧迫要素の上面は、発泡体圧迫要素202が固定される剛性プラスチックまたは他の材料であってもよい。複数のボルト、フック、または他の機械的締結具(図示せず)が使用されて、この剛性プラスチックをパドル200の剛性基材204に接続してもよい。そのような機械的締結具が使用される場合、圧力点およびそれに関連する不快感を回避するために、ならびに結果として生じるX線画像にアーチファクトが現れるのを防止するために、乳房に対して圧迫すると予想される発泡体圧迫材料202の領域から離れて前記締結具を配置することが望ましい場合がある。RFIDチップ、バーコード、または他の読み取り可能な特徴207は、ブラケット部分206の上または中に設けられ、圧迫アーム上の対応するリーダによって読み取られ得る。
【0030】
発泡体圧迫要素202は、いくつかの縁面を含む。前縁面210は、圧迫および撮像手順中に患者の胸壁に近接して設けられるように、基材204の前面208に近接して設けられる。後縁面212は、ブラケット部分206に近接して、前縁面210の反対側に設けられる。側縁面214、216も示されている。一般に、これらの側縁面214、216は、乳房の内側および外側を説明するために通常使用される用語と一致して、内側または外側の側縁面として示され得る。当然ながら、当業者は、同じ圧迫パドル200が使用されていずれかの乳房を一度に1つずつ圧迫してもよく、これは、発泡体圧迫材料202の側縁面への「内側」および「外側」という用語の適用を効果的に変化させることを認識するであろう。さらに、中央平面220は、側縁面214、216の間において、そのほぼ中間点に設けられる。中央平面220は、発泡体圧迫材料202の下側に設けられた圧迫面218に実質的に直交して設けられる。
【0031】
圧迫面218の一部は、圧迫中に乳房に接触する。別の例では、発泡体圧迫材料202は、発泡体圧迫材料202を体液の吸収から保護し得る生体適合性カバーによって覆われてもよい。例では、カバーは、使い捨てまたは洗浄可能であってもよい。患者の経験を向上させるために、カバーは、患者と接触する軟質材料から製造されてもよい。発泡体圧迫材料202内への流体の移動を防止するために、反対側のプラスチック面が発泡体圧迫材料202に接触してもよい。界面222は、圧迫面218が前縁面210と交わる場所に位置する。圧迫中の界面222の形状は、発泡体圧迫材料202およびその機能を規定するのに役立つ。
【0032】
図2Cは、剛性基材204と発泡体圧迫材料202との間に設けられ得るセンサ224のグリッドを概略的に示している。センサは、パドル200の任意の領域に設けられてもよいが、発泡体圧迫要素202の前縁面210に近接して特に有利に配置されてもよい。センサ222のグリッドの密度は、特定の用途に必要とされるかまたは所望されるようにし得るが、より多数のセンサ222がより正確な結果を提供し得る。センサ222は、固定および圧迫手順中に発泡体圧迫要素202に印加される力を検出し、本明細書の他の箇所に記載されているようなさらなる機能を可能にする。別の例では、1つ以上のセンサは、剛性基材204の中央平面220上に位置決めされたラインに沿って配置されてもよい。この位置は、撮像手順の前に自動露光制御(AEC)を計算するために利用される検出器上の(乳房支持プラットフォームの下方の)位置に対応する。他の例では、センサは、前縁面210に平行なライン224に沿ってまたはそれに平行に設けられてもよい。他のセンサの位置および構成も考えられる。それにもかかわらず、センサの位置は、それに近接して設けられた発泡体圧迫要素202の圧迫された厚さを検出するために使用され得て、乳房の厚さを決定するなど、以下に説明するさらなる機能を可能にする。
【0033】
図2Dは、撮像システム用の圧迫システム250の正面図である。圧迫システム250は、剛性基材204と、剛性基材に固定された発泡体圧迫要素202とを有する圧迫パドル200の形態の第1の圧迫要素を含む。第2の圧迫要素、この場合は乳房支持プラットフォーム252も示されている。乳房支持プラットフォーム252の上面256に載っている乳房254も示されている。使用中、乳房254は、圧迫パドル200によって力Fを印加することによって圧迫される。発泡体圧迫材料202は、圧迫が増加するにつれて変形し、乳房254の輪郭に適合する。したがって、力Fが増加すると、乳房254および発泡体圧迫材料202の両方の圧迫が起こる。この圧迫は、乳房254が中央平面220に沿って実質的に中心にあるときに、前縁面210において中央平面220に近接した発泡体圧迫材料202の圧迫率によって定義され得る。他の例では、界面222の輪郭は、発泡体圧迫材料202の圧迫を規定し得る。剛性基材204と発泡体圧迫要素202との間の界面には、複数の力センサ260が示されている。力センサ262は、小規模用途のための当該技術分野において知られているものであってもよい。例えば、MEMSセンサが利用されてもよい。あるいは、ナノ繊維のグリッドまたは他のパターン(例えば、x-y座標系に配置される)もまた利用されてもよい。
【0034】
上述したように、発泡体圧迫材料202は、前縁面210の非圧迫高さHを有する。例では、非圧迫高さHは、約1インチから約2インチ、約2インチから約3インチ、または約3インチを超えていてもよい。約3インチの非圧迫高さHが、小さいものから大きいものまで、かなりの数の乳房サイズの圧迫に十分であることが、試験によって決定されている。トモシンセシス撮像手順の前に、乳房254は、撮像状態に圧迫され得て、これは、一例では、乳房を十分に安定させ、乳房をいくらか圧迫する状態である。硬質の圧迫パドルによる圧迫が乳房の著しい平坦化をもたらす従来のシステムとは異なり、乳房が圧迫される撮像状態は、結果として得られるトモシンセシス画像が管理可能な数である厚さまでであればよい。そのような管理可能な数は、結果として得られる乳房画像スライスがスライス間の十分な区別を提供し得るが、臨床医による大幅により多くのレビュー時間を必要とするそのような多数の画像を有することがないように、診断上重要な数であり得る。
【0035】
例では、乳房254のこの撮像状態は、前縁面210における発泡体圧迫材料202の完全な圧迫の前に達成される。図2Dは、乳房254が撮像状態にあるのに必要な最大量までの発泡体圧迫材料の圧迫を示している。例示を目的として、図2Dは、発泡体圧迫材料202の中央平面または中心線220を中心とする乳房254を示している。発泡体圧迫要素202はまた、乳房254の上面にわたって変化し得る圧迫高さH’を含む。この圧迫状態であっても、さらなる力Fが乳房254に印加される場合、発泡体圧迫材料202は、依然としてさらに圧迫され得る。例では、乳房の撮像状態は、発泡体圧迫材料202の一部のみが圧迫された高さH’に到達しときに達成され得る。剛性基材204の下面と支持プラットフォーム252との間の分離距離Sは、既存の技術によって知られている。
【0036】
界面222の形状は、発泡体圧迫材料202の圧迫を規定し得る。界面222は、例えば、乳房254の内側に近接する第1の接触点258から乳房254の外側に近接する第2の接触点260まで、ほぼ滑らかな湾曲256を規定する。力センサ262の数、位置、および分布に応じて、そのうちの9つが例示目的のために図2Dの前縁面210に沿って位置合わせされて示されており、様々な位置における発泡体圧迫要素202の圧迫された厚さH’が決定され得る。
【0037】
発泡体圧迫要素202が力Fの印加によって圧迫されると、各力センサ262は、それに近接した、またはより具体的にはそれと実質的に垂直に位置合わせされた発泡体圧迫要素202の垂直撓みに関連する力を検出する。力センサ262に対する乳房254の位置決めの以下の説明を示すために、2つの例示的な力センサ262aおよび262bが示されている。力センサ262aは、発泡体圧迫要素202の中央平面または中心線220に設けられ、この説明の目的のために、乳房254もこの中心線220の中心にあると仮定される。したがって、力Fが印加されると、力センサ262aは、力センサ262aとほぼ垂直に位置合わせされた位置において発泡体圧迫要素202の圧迫に関連する信号を検出する。以下により詳細に説明するように、受信されたこの信号は、距離Daに対応する。力センサ262aによって受信された信号は、力センサ262aと乳房254の真下の乳房254の表面上の位置222aとの間の距離Daを正確に反映する。同様に、力センサ262bは、力センサ262bとほぼ垂直に位置合わせされた位置において発泡体圧迫要素202の圧迫に関連する信号を検出する。以下により詳細に説明するように、受信されたこの信号は、距離Dbに対応する。力センサ262aによって受信された信号は、力センサ262aと乳房254の真下の乳房254の表面上の位置222aとの間の距離Daを正確に反映する。
【0038】
位置222aにおける乳房254の垂直厚さは、距離Sから距離Daを減算することによって決定され得る。乳房254と力センサ262aの両方が互いに中心にあるため、位置222aにおける乳房の垂直方向の厚さは、一般に、乳房254の最も厚い圧迫状態に対応する。同様に、力センサ262bによって受信された信号は、力センサ262bと乳房254の真下の乳房254の表面上の位置222bとの間の距離Dbを正確に反映する。したがって、位置222bにおける乳房254の垂直厚さは、距離Sから距離Dbを減算することによって決定され得る。
【0039】
力センサ262が乳房の中央部分(典型的には、最も厚い圧迫部分)と実質的に位置合わせされる場合(例えば、力センサ262a)、乳房の厚さの決定は比較的簡単である。しかしながら、単一の力センサのみが使用され、乳房の最も厚い圧迫部分がその力センサと位置合わせされない場合、最も厚い圧迫部分の計算は困難になる。したがって、図2Dに示すように、複数の力センサ262を発泡体圧迫要素202の前壁に直線的に近接して配置することが有利であり得る。さらに、複数の平行な列の力センサの配置(例えば、図2Cに示すようなグリッド)は、発泡体圧迫要素の圧迫された厚さの決定を可能にする。拡張によって、乳房の上部圧迫プロファイル全体が、その上の様々な位置における圧迫された乳房の厚さとともに決定され得る。したがって、熟練した技術者は、(複数の力センサ262aが配置された)中心線220に沿って乳房の最も厚い部分を適切にセンタリングすることができるが、複数のセンサの複数の列がより有利であり得る。
【0040】
実際に、乳房の幅に沿った複数のセンサ262は、信号誤差が乳房の中央の力センサ262からさらに生じ得るため、望ましい場合がある。本明細書に記載の技術の例示的な実装では、力センサ262は、発泡体圧迫要素の上部平坦面上またはその近くに配置され、発泡体圧迫要素は、下面から圧迫および変形される。各センサにおいて測定された力と、各センサの下方の局所発泡体厚さとは、複雑な関係を有する。さらに、1つのセンサにおいて測定された局所力は、センサの下方の乳房の複数の領域によって寄与される。下面での乳房の局所的な圧迫もまた、その上の複数の力センサの力の読み取りに寄与する。したがって、上面の力分布と下面の局所的な圧迫された厚さ(および局所的な力)との間に畳み込みプロセスが利用され得る。圧迫された発泡体の厚さ分布の完全な解決策は、例では1つ以上のアルゴリズムに基づき得る逆畳み込みプロセスを利用する。しかしながら、乳房の上面が実質的に水平であり、圧迫された厚さが局所的に均一である乳房の断面図の中心位置では、フックの法則にしたがう単純な力対厚さの関係が存在し得る。そのような関係は、利用される発泡体圧迫要素のタイプごとに生成され得て、そのそれぞれは、非圧迫厚さ、ばね定数などを特徴とし得る。したがって、検出された力信号と圧迫された発泡体圧迫要素の厚さとの間の関係は、乳房の中心における厚さを導出するために利用され得るルックアップテーブル内に含まれ得る。乳房表面形状がより湾曲している他の場所(例えば、乳房の外縁に近接する)では、より厳密な数学的方法が利用されて、圧迫された発泡体の厚さおよび圧迫された乳房の厚さを導出し得る。
【0041】
図3は、発泡体圧迫要素の力対圧迫された発泡体の厚さの例示的なプロットを示している。このプロットは、乳房の中央において圧迫された発泡体の厚さを導出するために特に適用可能である。これはまた、圧迫の様々な段階における例示的な発泡体の性能を反映する。発泡体が完全に圧迫される前に、厚さが完全に圧迫された状態に到達するまで、力対厚さは、フックの法則にしたがう可能性が高く、発泡体圧迫要素のさらなる圧迫は不可能である。発泡体が完全に圧迫されると、さらに力が増加しても、圧迫された発泡体の厚さは、さらに低減しない。
【0042】
本明細書に記載の技術はまた、X線放射を使用せずに乳房の領域サイズおよび上面形状または輪郭を測定する方法を提供する。既知の技術では、そのような情報は、一般に、X線が撮影された後の乳房画像からのみ取得される。力センサの列またはグリッドを用いて、最初の露光が行われる前であっても乳房のサイズ、領域の形状、および/または皮膚の境界を決定するために使用されることができる力マップが生成され得る。この情報は、システム制御およびAEC決定において使用され得る。例えば、既知の技術は、典型的には、撮像される乳房サイズを決定することができない。したがって、X線照射野は、検出器の全照射野を照射するために完全に開放するように設定される。本技術は、露光前の乳房サイズの決定を可能にする。したがって、X線照射野は、X線開口コリメータを移動させることによって乳房サイズに一致するように低減されることができ、それによって乳房および検出器の両方に対してX線散乱を低減する。これは、患者の線量を低減し、画質を向上させる。
【0043】
さらに、1つ以上の力センサは、発泡体の下面(乳房に接触する表面)または発泡体の内側に配置されて、乳房表面に正確な力または圧力測定値を与え得る。自動パドル圧迫は、圧迫パドルの全体的な圧迫力ではなく、乳房への直接局所圧力に基づいて設定されることができる。さらに、パドル制御によって報告される圧迫力に加えて、乳房に対する圧迫圧力もまた、発泡体圧迫要素によって接触される領域の決定に基づいて計算され得る。これは、圧迫アーム自体によって印加される力に依存する代わりに、圧迫パドルを自動的に制御する改善された能力を可能にする。
【0044】
図4および図5は、乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法400、500を示している。図4から始めて、方法400は、動作402から始めて、発泡体圧迫要素タイプを識別し得る。発泡体圧迫要素タイプは、製造業者、材料、厚さなどの情報を含み得る。ばね定数などの他の情報もまた、タイプに関連付けられてもよい。さらに、特定の発泡体圧迫要素タイプ(例えば、ルックアップテーブルに含まれ得る、印加された力に基づく撓み距離)の性能も提供され得る。この情報は、全て、撮像システムのメモリモジュールに記憶され得る。発泡体圧迫要素タイプは、ユーザ選択によって(例えば、撮像手順のための特定のパドルを選択する技術者によって)、または動作404に示すように、識別信号を受信することによって識別され得る。識別信号は、圧迫アーム上の関連するリーダによって読み取られ得る圧迫パドル上のRFIDチップまたはバーコードに関連付けられ得る。発泡体圧迫要素タイプが知られることにより、ここで発泡体圧迫要素圧迫の正確な尺度が決定され得る。
【0045】
方法400は、乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持する動作406に続く。圧迫アームが下降されると、乳房固定要素を用いて乳房に圧迫力を印加する動作408が実行される。乳房固定要素(例えば、パドル)は、本明細書に記載されており、一般に、剛性基材と、剛性基材の下方に固定された発泡体圧迫要素と、少なくとも1つの力センサとを含む。例では、力センサは、剛性基材上にグリッドパターンでまたは一列に(例えば、中心線に沿って、または発泡体圧迫要素の前壁に平行に)配置された複数の力センサであり得る。圧迫および固定の間、発泡体圧迫要素は、乳房と接触している。
【0046】
少なくとも1つの力センサにおいて力信号を検出する動作410は、圧迫力の印加中に実行される。力信号に少なくとも部分的に基づいて、動作412において、少なくとも1つの力センサにおける発泡体圧迫要素の圧迫された厚さを決定することが実行される。動作414は、ルックアップテーブルから発泡体厚さ測定値を取得することを含み得る。ルックアップテーブルは、(例えば、動作402において決定されるような)発泡体圧迫要素のタイプに固有のものであってもよく、複数の力信号と、それぞれに関連する複数の対応する発泡体厚さ測定値とを含んでもよい。次に、少なくとも1つの力センサにおける乳房の圧迫された厚さを決定する動作416が実行される。この厚さは、発泡体センサにおける発泡体圧迫要素の決定された厚さ、および乳房支持プラットフォームと剛性基材との間の分離距離に少なくとも部分的に基づき得る。これは、例えば、図2Dの文脈において示されて説明される。別の例では、圧迫アームによって印加される力などのデータがフックの法則または別のアルゴリズム関数に適用されて、適切な決定を行ってもよい。複数の力センサが使用される場合、これらの動作は、力センサごとに実行されてもよい。したがって、発泡体圧迫要素の圧迫された厚さ、ならびに乳房の計算された圧迫された厚さは、各力センサと実質的に垂直に位置合わせされた発泡体圧迫要素の各位置について決定され得る。この情報はまた、乳房の上面全体の圧迫プロファイルを決定するために使用されてもよい。任意の動作418において、少なくとも1つの力センサに近接する乳房の決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて自動露光制御を設定することが実行される。これは、圧迫された発泡体の厚さおよび発泡体の密度のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0047】
図5は、発泡体圧迫要素タイプを識別する任意の動作502から開始し得る別の方法500を示している。それに関連する詳細は、識別信号を受信する任意の動作504とともに上述されている。方法500は、乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持する動作506に続く。圧迫アームが下降されると、乳房固定要素を用いて乳房に圧迫力を印加する動作508が実行される。乳房固定要素の例は、本明細書の他の箇所に記載されている。圧迫および固定の間、発泡体圧迫要素は、乳房と接触している。少なくとも1つの力センサにおいて力信号を検出する動作510は、圧迫力の印加中に実行される。力信号に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの力センサにおける乳房の圧迫された厚さを決定する動作512が実行される。任意の動作514は、圧迫された乳房の厚さを決定する1つの方法を開始し、乳房支持プラットフォームと剛性基材との間の分離距離を決定することを含む。力センサにおいて検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを取得する動作516が実行される。圧迫された発泡体の厚さは、本明細書の他の箇所に記載されるように、ルックアップテーブルから取得され得る。分離距離から力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを減算する動作518が、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定するために実行される。動作520に戻って、力センサに近接する乳房の決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて自動露光制御を設定することが実行される。例では、自動露光制御の設定は、圧迫された発泡体の厚さ、発泡体密度、発泡体ばね定数などにさらに基づき得る。この情報は、上記の識別動作502の結果として利用可能であり得る。複数の力センサが使用される場合、これらの動作は、力センサごとに実行されてもよい。したがって、乳房の圧迫された厚さ、ならびに決定された圧迫された発泡体の厚さは、力センサと実質的に垂直に位置合わせされた発泡体圧迫要素の位置にあってもよい。
【0048】
図6は、本例のうちの1つ以上が実装されることができる適切な動作環境600の一例を示している。この動作環境は、例えば図1に示すコントローラなどの乳房撮像システム用のコントローラに直接組み込まれ得る。これは、適切な動作環境の一例にすぎず、使用または機能の範囲に関するいかなる限定も示唆することを意図するものではない。使用に適することができる他の周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、スマートフォンなどのプログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレット、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
【0049】
その最も基本的な構成では、動作環境600は、通常、少なくとも1つの処理ユニット602およびメモリ604を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに応じて、メモリ604(とりわけ、力信号を処理し、圧迫された発泡体および/または厚さを計算または決定し、AECの設定を行い、乳房を撮像し、または本明細書に開示された他の方法を実行するための命令を記憶する)は、揮発性(RAMなど)、不揮発性(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはこれら2つの何らかの組み合わせとすることができる。この最も基本的な構成は、図6に破線606によって示されている。さらに、環境600はまた、磁気もしくは光ディスクまたはテープを含むがこれらに限定されない記憶デバイス(取り外し可能、608、および/または取り外し不可能、610)を含むことができる。同様に、環境600は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ペン、音声入力などの入力デバイス614、および/またはディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力デバイス616を有することもできる。LAN、WAN、ポイントツーポイント、Bluetooth(登録商標)、RFなどの1つ以上の通信接続612も環境に含まれることができる。
【0050】
動作環境600は、典型的には、少なくともいくつかの形態のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、処理ユニット602または動作環境を有する他のデバイスによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、ソリッドステート記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用されることができる任意の他の有形媒体を含む。通信媒体は、搬送波または他の伝送機構などの変調データ信号内のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具現化し、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号内の情報を符号化するように設定または変更されたその特性の1つ以上を有する信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、RF、赤外線および他の無線媒体などの無線媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。コンピュータ可読デバイスは、コンピュータ記憶媒体を組み込んだハードウェアデバイスである。
【0051】
動作環境600は、1つ以上のリモートコンピュータへの論理的接続を使用してネットワーク環境において動作する単一のコンピュータとすることができる。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードとすることができ、通常、上記の要素の多くまたは全て、ならびにそのように言及されていない他の要素を含む。論理的接続は、利用可能な通信媒体によってサポートされる任意の方法を含むことができる。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0052】
いくつかの例では、本明細書に記載の構成要素は、コンピュータ記憶媒体および他の有形媒体に記憶され、通信媒体において送信されることができる、コンピュータシステム600によって実行可能なそのようなモジュールまたは命令を含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせもまた、可読媒体の範囲内に含まれるべきである。いくつかの例では、コンピュータシステム600は、コンピュータシステム600による使用のためにリモート記憶媒体にデータを記憶するネットワークの一部である。
【0053】
実施例:
【0054】
本明細書に記載のシステムおよび方法の例示的な実施例が以下に提供される。本明細書に記載のシステムまたは方法の実施形態は、以下に記載された項のうちの任意の1つ以上、および任意の組み合わせを含み得る:
【0055】
項1.乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法であって、乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持することと、剛性基材と、剛性基材の下方に固定された発泡体圧迫要素と、少なくとも1つの力センサとを備える乳房固定要素を用いて乳房に圧迫力を印加することであって、発泡体圧迫要素が、圧迫力の印加中に乳房と接触する、印加することと、圧迫力の印加中に、少なくとも1つの力センサにおいて力信号を検出することと、力信号に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの力センサにおける発泡体圧迫要素の圧迫された厚さを決定することと、少なくとも1つの力センサにおける乳房の圧迫された厚さを決定することと、を含む、方法。
【0056】
項2.少なくとも1つの力センサが、剛性基材上にグリッドパターンで配置された複数の力センサを備える、項1に記載の方法。
【0057】
項3.少なくとも1つの力センサが、乳房固定要素の前縁から延在するラインに沿って設けられた複数の力センサを備える、項1~2のいずれかに記載の方法。
【0058】
項4.ラインが、剛性基材の中央領域に沿って設けられる、項3に記載の方法。
【0059】
項5.少なくとも1つの力センサにおける発泡体圧迫要素の圧迫された厚さを決定することが、複数の力信号および複数の対応する発泡体厚さ測定値を含むルックアップテーブルから発泡体厚さ測定値を取得することを含む、項1~4のいずれかに記載の方法。
【0060】
項6.方法が、発泡体圧迫要素タイプを識別することをさらに含み、ルックアップテーブルが、発泡体圧迫要素タイプに関連付けられている、項5に記載の方法。
【0061】
項7.発泡体圧迫要素タイプを識別することが、識別信号を受信することを含む、項6に記載の方法。
【0062】
項8.乳房の圧迫された厚さを決定することが、少なくとも部分的に、発泡体センサにおける発泡体圧迫要素の決定された厚さ、および乳房支持プラットフォームと剛性基材との間の分離距離に基づく、項1~7のいずれかに記載の方法。
【0063】
項9.発泡体圧迫要素の圧迫された厚さが、少なくとも1つの力センサと実質的に垂直に位置合わせされた発泡体圧迫要素の位置にある、項1~8のいずれかに記載の方法。
【0064】
項10.少なくとも1つの力センサが、剛性基材と発泡体圧迫要素との間に設けられる、項1~9のいずれかに記載の方法。
【0065】
項11.少なくとも1つの力センサが、発泡体圧迫要素内に設けられる、項1~10のいずれかに記載の方法。
【0066】
項12.少なくとも1つの力センサに近接する乳房の決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて自動露光制御を設定することをさらに含む、項1~11のいずれかに記載の方法。
【0067】
項13.自動露光制御を設定することが、圧迫された発泡体の厚さおよび発泡体の密度のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的にさらに基づく、項12に記載の方法。
【0068】
項14.乳房撮像システムを用いて患者の乳房を撮像する方法であって、乳房を乳房支持プラットフォーム上に支持することと、剛性基材と、剛性基材の下方に固定された発泡体圧迫要素と、力センサとを備える乳房固定要素を用いて乳房に圧迫力を印加することであって、発泡体圧迫要素が、圧迫力の印加中に乳房と接触する、ことと、印加された圧迫力に基づいて力センサにおいて力信号を検出することと、力センサにおける検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定することと、力センサに近接する乳房の決定された厚さに少なくとも部分的に基づいて自動露光制御を設定することと、を含む、方法。
【0069】
項15.力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定することが、乳房支持プラットフォームと剛性基材との間の分離距離を決定することと、力センサにおける検出された力信号に少なくとも部分的に基づいて、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを取得することと、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さを決定するために、力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さを分離距離から減算することと、を含む、項14に記載の方法。
【0070】
項16.力センサが、剛性基材の前壁に近接して、かつ前壁から延在する中心線に近接して設けられる、項14~15のいずれかに記載の方法。
【0071】
項17.自動露光制御を設定することが、圧迫された発泡体の厚さおよび発泡体の密度のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的にさらに基づく、項15に記載の方法。
【0072】
項18.力センサが複数の力センサを備える、項14~17のいずれかに記載の方法。
【0073】
項19.複数の力センサが、剛性基材上にグリッドパターンで配置される、項18に記載の方法。
【0074】
項20.複数の力センサが、剛性基材の前壁から延在する中心線に沿って配置され設けられる、項18に記載の方法。
【0075】
項21.力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さ、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さが、実質的に垂直に位置合わせされる、項15に記載の方法。
【0076】
項22.力センサに近接する圧迫された発泡体の厚さ、力センサに近接する乳房の圧迫された厚さ、および力センサが、実質的に垂直に位置合わせされる、項21に記載の方法。
【0077】
本開示は、添付の図面を参照して本技術のいくつかの例を説明したが、可能な例のいくつかのみが示された。しかしながら、他の態様は、多くの異なる形態で具現化されることができ、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が徹底的かつ完全であり、可能な例の範囲を当業者に完全に伝えるように提供された。
【0078】
本明細書では具体例が記載されたが、本技術の範囲は、これらの具体例に限定されない。当業者は、本技術の範囲内にある他の例または改良を認識するであろう。したがって、特定の構造、動作、または媒体は、例示的な例としてのみ開示されている。本技術にかかる例はまた、本明細書で特に明記しない限り、一般的に開示されているが組み合わせて明示的に例示されていない要素または構成要素を組み合わせてもよい。本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】