(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】スポットサイズ変換器および光デバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 6/122 20060101AFI20240322BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G02B6/122 311
G02B6/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565211
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2022077649
(87)【国際公開番号】W WO2022222599
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】202110440944.0
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523399256
【氏名又は名称】ナンジン、リコア、テクノロジーズ、カンパニー、リミテッド
【住所又は居所原語表記】NANJING LYCORE TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ハンシアオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、イーピン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、インツォン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ハイツァン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ウェンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、シーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スン、ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、チンヤン
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AB09
2H137BA01
2H137BA31
2H137BA41
2H137BA53
2H137EA04
2H137EA05
2H147AB02
2H147BA05
2H147BA11
2H147BB02
2H147BB04
2H147BB05
2H147BB10
2H147BE04
2H147BE11
2H147BE23
2H147CA01
2H147CB01
2H147EA13C
2H147FC01
(57)【要約】
スポットサイズ変換器(100)と、スポットサイズ変換器(100)を備えた光デバイス(1)である。スポットサイズ変換器(100)は、互いに平行な、第1の端面(100a)と、第2の端面(100b)とを備え、基板(101)と、基板(101)の側部に位置し、基板(101)から離れる方向に順次に配置された、絶縁層(102)と、第1の導波路(103)と、被覆層(104)とをさらに備える。第1の導波路(103)は、平板層(31)と、隆起層(32)とを備える。平板層(31)は、第1の端面(100a)まで延びる第1の幅広端部(31a)と、第2の端面(100b)まで延びるか、または第2の端面(100b)から距離を有する第1の幅狭端部(31b)とを含み、平板層(31)は、第1の幅広端部(31a)から第1の幅狭端部(31b)までの勾配で減少する幅を有し、第1の幅狭端部(31b)に隣接した第1の等幅部分(311)を含む。隆起層(32)は、第1の端面(100a)まで延びた第2の幅広端部(32a)と、第1の幅狭端部(31b)から距離を有する第2の幅狭端部(32b)とを含む。隆起層(32)は、第2の幅広端部(32a)から第2の幅狭端部(32b)までの勾配で減少する幅を有し、第2の幅狭端部(32b)に隣接した第2の等幅部分(321)を含む。被覆層(104)は、第2の端面(100b)まで延び、第2の端面(100b)から離れた、第2の等幅部分の少なくとも一端を覆うように延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積化光導波路に結合されるように構成された第1の端面と、前記第1の端面に平行で、光ファイバに結合されるように構成された第2の端面と、を備えるスポットサイズ変換器であって、
基板と、
前記基板の側部に位置し、前記基板に実質的に一致する前記基板上への正投影を有する絶縁層と、
前記基板から離れた前記絶縁層の側部に位置する第1の導波路であって、
前記第1の端面まで延びる第1の幅広端部と、前記第2の端面まで延びるか、または前記第2の端面から距離を有する第1の幅狭端部とを含み、前記第1の幅広端部から前記第1の幅狭端部までの勾配で減少する、幅方向の幅を有し、前記第1の幅狭端部に隣接した第1の等幅部分を含み、前記幅方向は、前記基板に平行で、かつ前記第1の端面に平行である、平板層と、
前記基板から離れた前記平板層の側部に積み重ねられ、前記第1の端面まで延びる第2の幅広端部と、前記第1の幅狭端部から距離を有する第2の幅狭端部とを含み、前記第2の幅広端部から前記第2の幅狭端部までの勾配で減少する幅を有し、前記第2の幅狭端部に隣接した第2の等幅部分を含む、隆起層と、
を含む、第1の導波路と、
前記基板から離れた前記第1の導波路の側部に位置し、前記第2の端面まで延びるとともに、前記第2の端面から離れた前記第2の等幅部分の少なくとも一端を覆うように延びる被覆層であって、前記第2の端面に近い前記被覆層の一部、および前記第2の端面に近い前記絶縁層の一部は、第2の導波路を形成する、被覆層と、
を備える、スポットサイズ変換器。
【請求項2】
前記平板層は、前記第1の幅狭端部から離れる方向に順次に配置された、前記第1の等幅部分と、第1の徐々に広がる部分と、第3の等幅部分と、第2の徐々に広がる部分と、第4の等幅部分とを含み、
前記隆起層は、前記第2の幅狭端部から離れる方向に順次に配置された、前記第2の等幅部分と、第3の徐々に広がる部分と、第5の等幅部分とを含み、
前記第1の徐々に広がる部分、前記第2の徐々に広がる部分、および前記第3の徐々に広がる部分のいずれかは、前記第2の端面から離れる方向に徐々に増加する幅を有する、
請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項3】
前記被覆層は、前記第2の端面から離れた前記第3の徐々に広がる部分の、少なくとも一端を覆うように延びる、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項4】
前記基板への前記被覆層の正投影は、矩形であり、前記被覆層の幅は、前記第3の等幅部分の幅より大きい、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項5】
前記被覆層は、前記第1の導波路全体を覆い、前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向の勾配で増加する幅を有し、
前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向に順次に配置された、第6の等幅部分と、第4の徐々に広がる部分と、第7の等幅部分とを備え、前記第4の徐々に広がる部分は、前記第2の端面から離れる前記方向に徐々に増加する幅を有し、前記第6の等幅部分は、前記第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項6】
前記被覆層は、前記第1の導波路全体を覆い、前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向の勾配で増加する幅を有し、
前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向に順次に配置された、第6の等幅部分と、第7の等幅部分とを含み、前記第6の等幅部分は、前記第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項7】
前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向に順次に配置された、第8の等幅部分と、テーパ部分と、第9の等幅部分とを含み、
前記テーパ部分は、前記第2の端面から離れる前記方向に徐々に減少する幅を有し、
前記第9の等幅部分は、前記第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項8】
前記被覆層は、前記第1の導波路全体を覆い、前記被覆層は、前記第2の端面から離れた、前記第9の等幅部分の側部に位置する、第10の部分をさらに含み、前記第10の部分は、前記第9の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項7に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項9】
前記スポットサイズ変換器は、互いに平行に配置され、前記第1の端面および前記第2の端面と交差する、第1の側面および第2の側面をさらに含み、
前記第4の等幅部分は、前記第1の側面および前記第2の側面まで延びる、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項10】
前記第1の幅狭端部の上端の幅は、400ナノメートル以下である、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項11】
前記第2の端面での前記被覆層の幅は、1ミクロン以上で、かつ20ミクロン以下である、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項12】
前記第2の端面から離れる前記方向に、前記第1の徐々に広がる部分および前記第3の徐々に広がる部分の幅は、線形に徐々に増加し、前記第2の徐々に広がる部分の幅は、非線形に徐々に増加する、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項13】
前記第1の等幅部分は、角柱状であり、前記第1の端面に平行な、三角形または台形横断面を有する、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項14】
前記第2の等幅部分は、角柱状であり、前記第1の端面に平行な、三角形または台形横断面を有する、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項15】
前記第1の端面は、前記スポットサイズ変換器の入力端であり、前記第2の端面は、前記スポットサイズ変換器の出力端であり、または、
前記第2の端面は、前記スポットサイズ変換器の入力端であり、前記第1の端面は、前記スポットサイズ変換器の出力端である、請求項1から14のいずれか一項に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のスポットサイズ変換器を備えた、光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2021年4月23日に出願された、「SPOT-SIZE CONVERTER AND PHOTONIC DEVICE」という名称の、特許出願第202110440944.0号の優先権を主張するものであり、本出願によって請求される優先権の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
本開示は、光子の技術分野に関し、具体的には、スポットサイズ変換器および光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光導波路は、その中で光波の伝搬を導く誘電体装置であり、誘電体光導波路とも呼ばれる。主として2つのタイプの光導波路があり、一方のタイプは、平面誘電体光導波路およびスラブ誘電体光導波路を備えた集積化光導波路であり、概して光電子集積デバイスの一部として働き、従ってそれらは集積化光導波路と呼ばれ、他方のタイプは、円筒形光導波路であり、通常は光ファイバと呼ばれる。
【0003】
集積化光導波路を光ファイバに結合する技術は、光通信、マイクロ波フォトニクス、レーザビーム偏向、波面変調などの分野において、広範で重要な用途を有する。端部結合は、集積化光導波路を光ファイバに結合するために用いられる、一般的な方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、どのように集積化光導波路と光ファイバとの間の結合効率を改善するかは、集積化光導波路と光ファイバとの間のスポットサイズの大きな差のため、常に当業者に対する、研究中の重要なトピックとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、集積化光導波路に結合されるように構成された第1の端面と、第1の端面に平行で、光ファイバに結合されるように構成された第2の端面とを備えた、スポットサイズ変換器がもたらされる。
【0006】
スポットサイズ変換器は、
基板と、
基板の側部に位置し、基板に実質的に一致する基板上への正投影を有する絶縁層と、
基板から離れた絶縁層の側部に位置する第1の導波路であって、
第1の端面まで延びる第1の幅広端部と、第2の端面まで延びるか、または第2の端面から距離を有する第1の幅狭端部とを含み、第1の幅広端部から第1の幅狭端部までの勾配で減少する幅を有し、第1の幅狭端部に隣接した第1の等幅部分を含み、幅方向は、基板に平行で、かつ第1の端面に平行である、平板層と、
基板から離れた平板層の側部に積み重ねられ、第1の端面まで延びる第2の幅広端部と、第1の幅狭端部から距離を有する第2の幅狭端部とを含み、第2の幅広端部から第2の幅狭端部までの勾配で減少する幅を有し、第2の幅狭端部に隣接した第2の等幅部分を含む、隆起層と、
を含む、第1の導波路と、
基板から離れた第1の導波路の側部に位置し、第2の端面まで延びるとともに、第2の端面から離れた第2の等幅部分の少なくとも一端を覆うように延びる被覆層であって、第2の端面に近い被覆層の一部、および第2の端面に近い絶縁層の一部は、第2の導波路を形成する、被覆層と、
を備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、平板層は、第1の幅狭端部から離れる方向に順次に配置された、第1の等幅部分と、第1の徐々に広がる部分と、第3の等幅部分と、第2の徐々に広がる部分と、第4の等幅部分とを含み、隆起層は、第2の幅狭端部から離れる方向に順次に配置された、第2の等幅部分と、第3の徐々に広がる部分と、第5の等幅部分とを含み、第1の徐々に広がる部分、第2の徐々に広がる部分、および第3の徐々に広がる部分のいずれかは、第2の端面から離れる方向に徐々に増加する幅を有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、被覆層は、第2の端面から離れた第3の徐々に広がる部分の、少なくとも一端を覆うように延びる。
【0009】
いくつかの実施形態では、基板への被覆層の正投影は、矩形であり、被覆層の幅は、第3の等幅部分の幅より大きい。
【0010】
いくつかの実施形態では、被覆層は、第1の導波路全体を覆い、被覆層は、第2の端面から離れる方向の勾配で増加する幅を有し、被覆層は、第2の端面から離れる方向に順次に配置された、第6の等幅部分と、第4の徐々に広がる部分と、第7の等幅部分とを含み、第4の徐々に広がる部分は、第2の端面から離れる方向に徐々に増加する幅を有し、第6の等幅部分は、第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、被覆層は、第1の導波路全体を覆い、被覆層は、第2の端面から離れる方向の勾配で増加する幅を有し、被覆層は、第2の端面から離れる方向に順次に配置された、第6の等幅部分と、第7の等幅部分とを備え、第6の等幅部分は、第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、被覆層は、第2の端面から離れる方向に順次に配置された、第8の等幅部分と、テーパ部分と、第9の等幅部分とを含み、テーパ部分は、第2の端面から離れる方向に徐々に減少する幅を有し、第9の等幅部分は、第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、被覆層は、第1の導波路全体を覆い、被覆層は、第2の端面から離れた、第9の等幅部分の側部に位置する、第10の部分をさらに含み、第10の部分は、第9の等幅部分の幅より大きな幅を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、スポットサイズ変換器は、互いに平行に配置され、第1の端面および第2の端面と交差する、第1の側面および第2の側面をさらに含み、第4の等幅部分は、第1の側面および第2の側面まで延びる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の幅狭端部の上端の幅は、400ナノメートル以下である。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2の端面での被覆層の幅は、1ミクロン以上で、かつ20ミクロン以下である。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2の端面から離れる方向に、第1の徐々に広がる部分および第3の徐々に広がる部分の幅は、線形に徐々に増加し、第2の徐々に広がる部分の幅は、非線形に徐々に増加する。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の等幅部分は、角柱状であり、第1の端面に平行な、三角形または台形横断面を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2の等幅部分は、角柱状であり、第1の端面に平行な、三角形または台形横断面を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の端面は、スポットサイズ変換器の入力端であり、第2の端面は、スポットサイズ変換器の出力端であり、または第2の端面は、スポットサイズ変換器の入力端であり、第1の端面は、スポットサイズ変換器の出力端である。
【0021】
本開示の別の態様によれば、上記の技術的解決策のいずれかによるスポットサイズ変換器を備えた、光デバイスがもたらされる。
【0022】
本開示のこれらおよび他の態様は、以下で述べられる実施形態から明らかになり、以下で述べられる実施形態を参照して明確にされるであろう。
【0023】
本開示のさらなる詳細、特徴、および利点は、添付の図面を参照して、以下の例示的実施形態の説明で開示される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】本開示のいくつかの例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の概略構造斜視図である。
【
図1B】本開示のいくつかの例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の第1の端面の概略図である。
【
図1C】本開示のいくつかの例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の第2の端面の概略図である。
【
図2A】本開示のいくつかの例示的実施形態に係る第1の導波路の概略構造斜視図である。
【
図2B】本開示のいくつかの例示的実施形態に係る第1の導波路の概略構造上面図である。
【
図3】本開示のいくつかの他の例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の概略構造上面図である。
【
図4】本開示のさらにいくつかの他の例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の概略構造上面図である。
【
図5】本開示のさらにいくつかの他の例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の概略構造上面図である。
【
図6】本開示のさらにいくつかの他の例示的実施形態に係るスポットサイズ変換器の概略構造上面図である。
【
図7】本開示のいくつかの例示的実施形態に係る光デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下ではいくつかの例示的実施形態のみが、簡潔に述べられる。当業者には理解され得るように、述べられる実施形態は、本開示の思想または範囲から逸脱せずに、様々な形で変更され得る。従って、添付の図面および説明は、本質的に例示であり、制限するものではないと考えられる。
【0026】
いくつかの関連技術でのスポットサイズ変換器は、集積化光導波路と光ファイバとの間の結合を機能的に実現できるが、集積化光導波路と光ファイバとの間の結合効率は、それらの間のスポットサイズの大きな差のために高くなく、結果として光エネルギーの大きな損失を生じる。例えば、集積化光導波路のスポットサイズは、概して数百ナノメートル程度であるのに対し、平らな端部の光ファイバなど、光ファイバのスポットサイズは、数十ミクロン程度である。失われた光エネルギーは、結合端面の著しい加熱に繋がる場合があり、それによってデバイスの信頼性および耐用年数に影響を及ぼす。結合効率は、集積化光導波路によって放射される光パワーと、光ファイバによって受信される光パワーの比、または光ファイバによって放射される光パワーと、集積化光導波路によって受信される光パワーの比であることが理解され得る。
【0027】
本開示の実施形態は、スポットサイズ変換器および光デバイスをもたらし、これらはスポットサイズ変換を行い得るだけでなく、スポットサイズ変換の間の低い光損失を有し得るので、集積化光導波路と光ファイバとの間の結合効率が改善され得る。
【0028】
図1A、1B、1C、2A、および2Bに示されるように、本開示のいくつかの実施形態に係るスポットサイズ変換器100は、集積化光導波路(図示せず)に結合されるように構成された第1の端面100aと、第1の端面100aに平行であり、光ファイバ(図示せず)に結合されるように構成された第2の端面100bとを備える。スポットサイズ変換器100は、構造的に、基板101と、基板101の側部に位置し、基板101から離れる方向に順次に配置された、絶縁層102と、第1の導波路103と、被覆層104とを備える。
【0029】
基板101上への絶縁層102の正投影は、基板101に実質的に一致する。第1の導波路103は、基板101から離れた平板層31の側部に積み重ねられた、平板層31と、隆起層32とを備える。平板層31は、第1の端面100aまで延びる第1の幅広端部31aと、第2の端面100bまで延びる第1の幅狭端部31bとを備える。平板層31は、第1の幅広端部31aから第1の幅狭端部31bまでの勾配で減少する幅を有し、第1の幅狭端部31bに隣接した第1の等幅部分311を備える。隆起層32は、第1の端面100aまで延びる第2の幅広端部32aと、第1の幅狭端部31bから距離を有する第2の幅狭端部32bとを備える。隆起層32は、第2の幅広端部32aから第2の幅狭端部32bまでの勾配で減少する幅を有し、第2の幅狭端部32bに隣接した第2の等幅部分321を備える。被覆層104は、第2の端面100bまで延び、第2の端面100bから離れた第2の等幅部分321の少なくとも一端を覆うように延びる。第2の端面100bに近い被覆層104の一部と、第2の端面100bに近い絶縁層102の一部は、第2の導波路42を一緒に形成する。
【0030】
図1Aに示されるように、第1の端面100aと、第2の端面100bとを備えることに加えて、スポットサイズ変換器100は、互いに平行に、および第1の端面100aと第2の端面100bとに直角に配置された、第1の側面100cと第2の側面100dとをさらに備える。第1の端面100aは、集積化光導波路に結合されるように構成され、第2の端面100bは、光ファイバに結合されるように構成される。第1の端面100aは、スポットサイズ変換器100の光入力端面として用いられ、第2の端面100bは、スポットサイズ変換器100の光出力端面として用いられることが可能である。具体的には、光は、第1の導波路103の第1の幅広端部31aおよび第2の幅広端部32aから入力され、第2の導波路42から出力される。また、第1の端面100aが、スポットサイズ変換器100の光出力端面として用いられ、第2の端面100bが、スポットサイズ変換器100の光入力端面として用いられることが可能である。具体的には、光は、第2の導波路42から入力され、第1の導波路103の第1の幅広端部31aおよび第2の幅広端部32aから出力される。
【0031】
本開示の実施形態では、幅方向は、基板101および第1の端面100aに平行であり、長さ方向は、基板101に平行で、かつ第1の端面100aに垂直であり、ならびに高さ方向および厚さ方向は、基板101に垂直であると定義される。ある特定の厚さまたは高さを有する3次元構造に対しては、第1の等幅部分311を例にとると、それの幅は、基板101上へのそれの正投影の幅であり、それの長さは、基板101上へのそれの正投影の長さであることが理解され得る。基板101に実質的に一致する、基板101への絶縁層102の正投影によって、基板101に垂直な方向から見られたとき(例えば、上面図方向に)、プロセス誤差を無視して、正投影の輪郭形状と、基板とは、一貫性があり、一致すると考えられることが理解され得る。
【0032】
本開示の実施形態では、第1の導波路103の屈折率n1、被覆層104の屈折率n2、絶縁層102の屈折率n3、および基板101の屈折率n4は、n1>n2>n3,を満足する。
【0033】
図1Aに示されるように、第1の導波路103は、低い基本モード遮断周波数、広帯域、および低インピーダンスなどの、一連の優れた特性を有する隆起導波路である。絶縁層102の屈折率、および被覆層104の屈折率は、第1の導波路103の屈折率より小さく、その結果、隆起導波路の上記の利点を達成するように、光は、主に隆起導波路内の透過に制限され得る。第2の端面100bに近い被覆層104の一部、および第2の端面100bに近い絶縁層102の一部は、第2の導波路42を一緒に形成する。第2の導波路42のサイズは、第1の幅狭端部31bのサイズより大きく、光ファイバのスポットサイズに整合することができ、それによって第2の端面100bでの光ファイバへの結合を改善する。
【0034】
スポットサイズ変換器100の、第1の端面100aから第2の端面100bに光が透過されるとき、光の一部は、第1の等幅部分311から第2の導波路42に漏洩し、光が第2の端面100bに到達するまで第2の導波路42内を透過され続け、結果として、第2の端面100bにおいて、光ファイバのそれとのスポットサイズ整合を形成する。これに対して、光がスポットサイズ変換器100の第2の端面100bから、第1の端面100aに透過されるとき、光は、第2の導波路42から第1の等幅部分311に入り、すなわち光は、第2の導波路42を通して、第1の導波路103に入る。基板101の屈折率は、概して絶縁層102の屈折率より大きい。基板101は、例えば、シリコン基板である。
【0035】
第1の導波路103の具体的な構造的形状は、限定されない。
図2Aおよび2Bに示されるように、いくつかの実施形態では、第1の導波路103は、軸対称構造のものであり、第1の導波路103の対称軸は、第2の端面100bに垂直である。平板層31は、第1の幅狭端部31bから離れる方向に順次に配置された、第1の等幅部分311と、第1の徐々に広がる部分312と、第3の等幅部分313と、第2の徐々に広がる部分314と、第4の等幅部分315とを備える。隆起層32は、第2の幅狭端部32bから離れる方向に順次に配置された、第2の等幅部分321と、第3の徐々に広がる部分322と、第5の等幅部分323とを備える。第1の徐々に広がる部分312、第2の徐々に広がる部分314、および第3の徐々に広がる部分322のいずれかは、第2の端面100bから離れる方向に徐々に増加する幅を有する。
【0036】
本開示の実施形態は、第1の導波路を軸対称構造として設計することに限定されず、第1の導波路はまた、非対称構造のものとすることができることが留意されるべきである。例えば、第1の導波路の平板層および/または隆起層はまた、単一の側部でのみ勾配変化を有し得る。
【0037】
第1の導波路103の平板層31および隆起層32はそれぞれ、1つのパターニング工程によって形成され得る。例えば、平板層31は、1つのパターニング工程によって最初に形成され、隆起層32は、別のパターニング工程によって形成される。各パターニング工程は、膜形成、フォトレジスト・コーティング、露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離、および他の手順を備え得る。露光手順では、非エッチング領域を遮るためにマスクを用いる必要がある。
【0038】
第1の導波路103の平板層31および隆起層32はまた、2つの露光を備えた1つのパターニング工程によって形成され得る。例えば、膜形成およびフォトレジスト・コーティングの後、第1の導波路103が位置する領域内の膜パターンは、1つの露光および後続の手順によって最初に形成され、次いで、平板層31および隆起層32の最終構造が、別の露光および後続の手順によって形成される。
【0039】
本開示の実施形態では、第1の端面100aから離れる方向に、第1の導波路103の平板層31は、勾配で減少する幅を有し、隆起層32も、勾配で減少する幅を有する。平板層31および隆起層32の勾配構造特性により、光透過損失を最小にし、スポットサイズ変換器100の結合効率を改善するように、第1の導波路103内を透過される光に対して、比較的適度のスポットサイズ変調が行われ得る。
【0040】
加えて、隆起層32の第2の幅狭端部32bと、第1の導波路103の平板層31の第1の幅狭端部31bとの間に、ある特定の距離がもたらされる。この設計により、第1の等幅部分311は、第1の導波路103から出力される光(または第1の導波路103に入る光)に対して、定常状態のスポットサイズ変調を行うことができ、光透過の安定性の改善を容易にし、および前述の距離により、平板層31および隆起層32が、2つのパターニング工程、または2つの露光を備える1つのパターニング工程によって製造されるとき、マスクの整列精度の要件は低減されることができ、工程管理の難しさおよびコストの低減を容易にする。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態では、第1の等幅部分311は角柱状であり、第1の端面100aに平行なそれの横断面は、例えば、二等辺三角形または等脚台形の形状での、三角形または台形である。光がスポットサイズ変換器100の第1の端面100aから第2の端面100bに透過されるとき、この設計は、より多くの光が、第1の等幅部分311から、第2の導波路42に漏洩することを可能にする。光が、スポットサイズ変換器100の第2の端面100bから、第1の端面100aに透過されるとき、設計は、光が第2の導波路42から第1の等幅部分311に、より容易に入ることを可能にし、すなわち、より多くの光が、第2の導波路42を通って、第1の導波路103に入ることが可能にされる。従って、第1の等幅部分311の、上記の断面形状設計は、集積化光導波路と、光ファイバとの間の結合効率をさらに改善することができる。加えて、第2の等幅部分321はまた、角柱状とすることができ、第1の端面100aに平行なそれの横断面も、光が第2の等幅部分321から平板層31に、より容易に入ることを可能にするように、三角形または台形、例えば、二等辺三角形または等脚台形の形状とすることができる。
【0042】
本開示の実施形態では、第2の端面100bから離れる方向に、第1の徐々に広がる部分312の幅変化傾向は、線形または非線形とすることができ、第2の徐々に広がる部分314の幅変化傾向は、線形または非線形とすることができ、および第3の徐々に広がる部分322の幅変化傾向は、線形または非線形とすることができる。
図2Bに示されるように、この実施形態では、第2の端面100bから離れる方向に、第1の徐々に広がる部分312および第3の徐々に広がる部分322の幅は、線形に、および徐々に増加し、第2の徐々に広がる部分314の幅は、非線形に、および徐々に増加する。
【0043】
線形の幅変化傾向は、より短い距離でのスポットサイズの滑らかな変調を実現することができる。非線形の幅変化傾向は、スポットサイズのより適度の、および安定な変調を実現することができ、徐々に変化する部分の形状曲線は、より良い調整効果を得るために特定の要件に従って、柔軟に調整され得る。
【0044】
図1Aおよび1Cに示されるように、本開示のいくつかの実施形態では、平板層31の第1の幅狭端部31bは、第2の端面100bまで延びる。このようにして、第1の幅狭端部31bはまた、光ファイバに出力するための、または光ファイバから入力を受信するためのポートの一部として働く。
図3に示されるように、本開示のいくつかの他の実施形態では、第2の端面100bまで延びる、絶縁層102の端部と被覆層104の端部とが、光ファイバに出力する、または光ファイバから入力を受信するためのポートとして働くように、平板層31の第1の幅狭端部31bと、第2の端面100bとの間に、距離gが存在し得る。
【0045】
図1Aおよび2Aに示されるように、平板層31の第4の等幅部分315はまた、第1の側面100cおよび第2の側面100dまで延びることができ、すなわち、第4の等幅部分315の幅は、最大化される。このようにして、スポットサイズ変換器100は、より大きなスポットサイズを有する集積化光導波路に適合されることができ、それによって、スポットサイズ変換器100の適用性を改善する。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、第1の幅狭端部31bの上端は、400ナノメートル以下の幅w6を有し、および/または第2の端面での被覆層104の幅w4は、1ミクロン以上で、20ミクロン以下である。スポットサイズ変換器100の具体的な構造サイズは、経験との組み合わせで、デバイスの性能要件に従って具体的に設計されることができ、これは本開示に特に限定されない。
【0047】
第2の端面100bに近い、被覆層104の一部および絶縁層102の一部は、より低い屈折率を有する第2の導波路42を一緒に形成する。被覆層104の一方の端部は、第2の端面100bまで延びる必要があり、他方の端部は、少なくとも第2の等幅部分321を覆うように延びる、すなわち、第2の端面100bから離れた、第2の等幅部分321の少なくとも端部まで延びる必要がある。被覆層104の特定の形状設計は、限定されない。被覆層104の形状およびサイズを調整することは、第2の導波路42の構造サイズを調整し、次いで第2の端面100bのスポットサイズのサイズを調整することである。従って、被覆層104の形状およびサイズは、光ファイバのスポットサイズとの最良の整合を達成するように、必要に応じて柔軟に変調され得る。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態では、被覆層104は、対称軸に対して軸対称構造のものであり、被覆層104は、第2の導波路42内のそれの機能を十分に達成し、光の漏洩損失を低減するように、第2の端面100bから離れた、第3の徐々に広がる部分322の少なくとも一端を覆うように延びる。本開示の実施形態は、被覆層を軸対称構造として設計することに限定されず、被覆層はまた非対称構造のものとすることができる。
【0049】
図3に示されるように、いくつかの実施形態では、被覆層104は、対称軸に対して軸対称構造のものであり、被覆層104は、第2の端面100bから離れた、第3の徐々に広がる部分322の少なくとも端部を覆うように延び、基板101への被覆層104の正投影は、矩形であり、被覆層104の幅(第2の端面での被覆層104の幅w4に等しい)は、第3の等幅部分313の幅w3より大きい。同様に、これらの実施形態では、被覆層はまた、非対称構造のものとすることができる。基板101への被覆層104の正投影が矩形であることは、基板101上への正投影の輪郭が矩形であることを意味し、被覆層104の側壁は、基板101に対して垂直となり得る、または他の夾角を形成することができる。
【0050】
図4に示されるように、いくつかの他の実施形態では、被覆層104は、対称軸に対して軸対称構造のものであり、被覆層104は、第2の端面100bから離れた、第3の徐々に広がる部分322の少なくとも端部を覆うように延び、被覆層104は、第2の端面100bから離れる方向に順次に配置された、第8の等幅部分411と、テーパ部分412と、第9の等幅部分413とを備える。テーパ部分412は、第2の端面100bから離れる方向に徐々に減少する幅を有し、第9の等幅部分413は、第3の等幅部分313の幅w3より大きな幅w5を有する。明らかに、第8の等幅部分411の幅(第2の端面での被覆層104の幅w4に等しい)はまた、第3の等幅部分313の幅w3より大きい。同様に、これらの実施形態では、被覆層はまた、非対称構造のものとすることができ、例えば、単一の側部でのみ勾配変化を有し得る。
【0051】
加えて、被覆層はまた、第1の導波路全体を覆うように設計され得る。例えば、被覆層は、第2の端面から離れた、第9の等幅部分の側部に位置する、第10の部分をさらに備え、第10の部分は、第9の等幅部分の幅より大きな幅を有する。特定の実施形態では、第2の端面から離れた第9の等幅部分の側部で、被覆層の幅は、第1の導波路全体を覆うように、勾配において増加する。
【0052】
この設計では、被覆層104の幅は、第1の導波路103の平板層31および隆起層32の幅変化傾向とは逆に、第1の端面100aから離れる方向の勾配で増加する。この設計は、第2の導波路42の増加されたサイズと等価である。光が、スポットサイズ変換器100の、第1の端面100aから第2の端面100bに透過されるとき、第1の導波路103から漏洩する、より多くの光が、第2の導波路42に入ることができ、光損失を低減するように、第2の導波路42の勾配構造によって、スポットサイズにおいて適度に変調され得る。光が、スポットサイズ変換器100の、第2の端面100bから第1の端面100aに透過されるとき、より多くの光が第2の導波路42に入り、第2の導波路42の勾配構造によって、スポットサイズにおいて適度に変調され、次いで第1の導波路103に入ることができる。従って、被覆層104の形状設計は、集積化光導波路と光ファイバとの間の結合効率をさらに改善することができる。
【0053】
図5に示されるように、さらにいくつかの他の実施形態では、被覆層104は、第1の導波路103全体を覆い、対称軸に対して軸対称構造のものであり、被覆層104は、第2の端面100bから離れる方向の勾配で増加する幅を有する。被覆層104は、第2の端面100bから離れる方向に順次に配置された、第6の等幅部分421と、第4の徐々に広がる部分422と、第7の等幅部分423とを備える。第6の等幅部分421は、第3の等幅部分313の幅w3より大きな幅(第2の端面での被覆層104の幅w4に等しい)を有し、第4の徐々に広がる部分422は、第2の端面100bから離れる方向に徐々に増加する幅を有する。同様に、これらの実施形態では、被覆層はまた、非対称構造のものとすることができ、例えば、単一の側部でのみ勾配変化を有し得る。
【0054】
図6に示されるように、さらにいくつかの他の実施形態では、被覆層104は、第1の導波路103全体を覆い、対称軸に対して軸対称構造のものであり、被覆層104は、第2の端面100bから離れる方向の勾配で増加する幅を有する。被覆層104は、第2の端面100bから離れる方向に順次に配置された、第6の等幅部分431と、第7の等幅部分433とを備える。第6の等幅部分431は、第3の等幅部分313の幅w3より大きな幅(第2の端面での被覆層104の幅w4に等しい)を有する。同様に、これらの実施形態では、被覆層はまた、非対称構造のものとすることができ、例えば、単一の側部でのみ勾配変化を有し得る。
【0055】
図7に示されるように、本開示の実施形態は、前述の実施形態のいずれかによるスポットサイズ変換器100を備えた、光デバイス1をさらにもたらす。光デバイス1の具体的な製品タイプは限定されず、例えば、電気光学変調器、スプリッタ、スター・カプラ、可変光減衰器(Variable Optical Attenuator:VOA)、光スイッチ、インターリーバ、アレイ導波路回折格子(Array Waveguide Grating:AWG)などとすることができる。
【0056】
スポットサイズ変換器100は、光デバイス1内に集積化される。スポットサイズ変換器100は、より高い結合効率を有するので、光デバイス1の光損失は、より小さく、性能が改善される。
【0057】
この説明において、「中心」、「長手方向」、「横断方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上側」、「下側」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「内側」、「外側」、「時計方向」、「反時計方向」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などの用語によって表記された方位、位置関係、または寸法は、添付の図面に基づいて示される方位、位置関係、または寸法であり、これらの用語は、言及される装置または要素が特定の方位をもたなければならず、および特定の方位において構築され、動作されなければならないことを示すまたは含意するものではなく、単に説明を簡単にするために用いられ、従って本開示の保護の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0058】
加えて、「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、単に記述的な目的のためであって、相対的な重要性を示す、または含意する、あるいは示される技術的特徴の数字を暗に示すものと解釈されるべきでない。従って、「第1」、「第2」、および「第3」によって定義される特徴は、1つまたは複数の特徴を、明示的または暗黙的に含み得る。本開示の説明では、「複数の」という用語は、別段に明示的におよび具体的に規定されない限り、2つ以上を意味する。
【0059】
本開示では、他に明示的に記載されない、または定義されない限り、「取り付け」、「接続」、「接続され」、および「固定」などの用語は、広く解釈されるべきであり、例えば、それらは、固定された接続、着脱可能な接続、または集積化された接続とすることができ、機械的接続、または電気的接続、または通信とすることができ、および直接接続、または中間媒体を用いた間接接続とすることができ、または2つの要素間の内部通信、もしくは2つの要素間の相互作用とすることができる。当業者には、本開示での上記の用語の具体的な意味は、特定の状況に従って理解され得る。
【0060】
本開示において、他に明示的に記載されない、または限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にあるという表現は、第1の特徴が第2の特徴と直接接触している場合を含むことができ、およびまた第1の特徴と第2の特徴とが直接接触していないが、それらの間の別の特徴を介して接触している場合を含み得る。さらに、第1の特徴が、第2の特徴の「上(over)」、「上(above)」、または「上(on)」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の直接または斜め上にある場合を含み、または単に第1の特徴が第2の特徴より高い位置にあることを示す。第1の特徴が、第2の特徴の「下(below)」、「下(under)」、または「下(beneath)」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の直接または斜め下にある場合を含み、または単に第1の特徴が第2の特徴より低い位置にあることを示す。
【0061】
この説明は、本開示を実施するために用いられ得る、多くの異なる実装形態または例を示す。これらの異なる実装形態または例は、単に例示的であり、いかなる形においても本開示の保護の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示の説明の開示に基づいて、当業者は様々な変更または置き換えを思い付くであろう。すべてのこれらの変更または置き換えは、本開示の保護の範囲に包含されるものとする。従って、本開示の保護の範囲は、特許請求項の保護の範囲の対象とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、光子の技術分野に関し、具体的には、スポットサイズ変換器およびフォトニックデバイスに関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積化光導波路に結合されるように構成された第1の端面と、前記第1の端面に平行で、光ファイバに結合されるように構成された第2の端面と、を備えるスポットサイズ変換器であって、
基板と、
前記基板の側部に位置し、前記基板に実質的に一致する前記基板上への正投影を有する絶縁層と、
前記基板から離れた前記絶縁層の側部に位置する第1の導波路であって、
前記第1の端面まで延びる第1の幅広端部と、前記第2の端面まで延びるか、または前記第2の端面から距離を有する第1の幅狭端部とを含み、前記第1の幅広端部から前記第1の幅狭端部までの勾配で減少する、幅方向の幅を有し、前記第1の幅狭端部に隣接した第1の等幅部分を含み、前記幅方向は、前記基板に平行で、かつ前記第1の端面に平行である、平板層と、
前記基板から離れた前記平板層の側部に積み重ねられ、前記第1の端面まで延びる第2の幅広端部と、前記第1の幅狭端部から距離を有する第2の幅狭端部とを含み、前記第2の幅広端部から前記第2の幅狭端部までの勾配で減少する幅を有し、前記第2の幅狭端部に隣接した第2の等幅部分を含む、隆起層と、
を含む、第1の導波路と、
前記基板から離れた前記第1の導波路の側部に位置し、前記第2の端面まで延びるとともに、前記第2の端面から離れた前記第2の等幅部分の少なくとも一端を覆うように延びる被覆層であって、前記第2の端面に近い前記被覆層の一部、および前記第2の端面に近い前記絶縁層の一部は、第2の導波路を形成する、被覆層と、
を備える、スポットサイズ変換器。
【請求項2】
前記平板層は、前記第1の幅狭端部から離れる方向に順次に配置された、前記第1の等幅部分と、第1の徐々に広がる部分と、第3の等幅部分と、第2の徐々に広がる部分と、第4の等幅部分とを含み、
前記隆起層は、前記第2の幅狭端部から離れる方向に順次に配置された、前記第2の等幅部分と、第3の徐々に広がる部分と、第5の等幅部分とを含み、
前記第1の徐々に広がる部分、前記第2の徐々に広がる部分、および前記第3の徐々に広がる部分のいずれかは、前記第2の端面から離れる方向に徐々に増加する幅を有する、
請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項3】
前記被覆層は、前記第2の端面から離れた前記第3の徐々に広がる部分の、少なくとも一端を覆うように延びる、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項4】
前記基板への前記被覆層の正投影は、矩形であり、前記被覆層の幅は、前記第3の等幅部分の幅より大きい、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項5】
前記被覆層は、前記第1の導波路全体を覆い、前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向の勾配で増加する幅を有し、
前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向に順次に配置された、第6の等幅部分と、第4の徐々に広がる部分と、第7の等幅部分とを備え、前記第4の徐々に広がる部分は、前記第2の端面から離れる前記方向に徐々に増加する幅を有し、前記第6の等幅部分は、前記第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項6】
前記被覆層は、前記第1の導波路全体を覆い、前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向の勾配で増加する幅を有し、
前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向に順次に配置された、第6の等幅部分と、第7の等幅部分とを含み、前記第6の等幅部分は、前記第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項7】
前記被覆層は、前記第2の端面から離れる前記方向に順次に配置された、第8の等幅部分と、テーパ部分と、第9の等幅部分とを含み、
前記テーパ部分は、前記第2の端面から離れる前記方向に徐々に減少する幅を有し、
前記第9の等幅部分は、前記第3の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項3に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項8】
前記被覆層は、前記第1の導波路全体を覆い、前記被覆層は、前記第2の端面から離れた、前記第9の等幅部分の側部に位置する、第10の部分をさらに含み、前記第10の部分は、前記第9の等幅部分の幅より大きな幅を有する、請求項7に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項9】
前記スポットサイズ変換器は、互いに平行に配置され、前記第1の端面および前記第2の端面と交差する、第1の側面および第2の側面をさらに含み、
前記第4の等幅部分は、前記第1の側面および前記第2の側面まで延びる、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項10】
前記第1の幅狭端部の上端の幅は、400ナノメートル以下である、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項11】
前記第2の端面での前記被覆層の幅は、1ミクロン以上で、かつ20ミクロン以下である、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項12】
前記第2の端面から離れる前記方向に、前記第1の徐々に広がる部分および前記第3の徐々に広がる部分の幅は、線形に徐々に増加し、前記第2の徐々に広がる部分の幅は、非線形に徐々に増加する、請求項2に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項13】
前記第1の等幅部分は、角柱状であり、前記第1の端面に平行な、三角形または台形横断面を有する、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項14】
前記第2の等幅部分は、角柱状であり、前記第1の端面に平行な、三角形または台形横断面を有する、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項15】
前記第1の端面は、前記スポットサイズ変換器の入力端であり、前記第2の端面は、前記スポットサイズ変換器の出力端であり、または、
前記第2の端面は、前記スポットサイズ変換器の入力端であり、前記第1の端面は、前記スポットサイズ変換器の出力端である、請求項
1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項16】
請求項
1に記載のスポットサイズ変換器を備えた、フォトニックデバイス。
【国際調査報告】