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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】壁掛形空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20240322BHJP
   F24F 1/0314 20190101ALI20240322BHJP
   F24F 1/0063 20190101ALI20240322BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
F24F1/0007 401A
F24F1/0314
F24F1/0063
F24F1/0007 401E
F24F1/0007 361B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565290
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2022076096
(87)【国際公開番号】W WO2022252685
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110611186.4
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416385
【氏名又は名称】広東美的暖通設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Penglai Industry Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,China
(71)【出願人】
【識別番号】523296704
【氏名又は名称】合肥美的暖通▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 88, Chuangxin Avenue, Boyan Science Park, High-Tech Zone, Hefei City, Anhui 230088, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】周 柏松
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 多▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】李 波
(72)【発明者】
【氏名】万 永▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 起▲欽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲塗▼ ▲運▼冲
【テーマコード(参考)】
3L050
3L051
【Fターム(参考)】
3L050BD05
3L050BF07
3L051BE04
(57)【要約】
壁掛形空気調和機を提供し、ケーシング(10)、電気制御部品(90)及び熱交換器(20)を含み、ケーシング(10)内には風道(30)が配置され、風道(30)は吸込口(311)と吹出口(312)とを有し、風道(30)は互いに接続された吸込セグメント(313)と吹出セグメント(314)とを含み、吸込口(311)の少なくとも一部がケーシング(10)の正面に位置し、ケーシング(10)の前板(111)と風道(30)との間は取り付け空間(50)を形成し、取り付け空間(50)はケーシング(10)の内部空間の前部かつ下方に位置し、熱交換器(20)は風道(30)に設けられ、電気制御部品(90)は取り付け空間(50)内に設けられ、壁掛形空気調和機と室内の天井壁との距離が低減または解消され、室内空間の利用率が効果的に向上し、また、電子制御部品(90)の取り付けは熱交換器の有効な吸込面を占有せず、空気調和機の性能を効果的に向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁掛形空気調和機であって、
ケーシング、電気制御部品及び熱交換器を含み、前記ケーシング内に風道が配置され、前記風道は吸込口と吹出口とを有し、前記風道は互いに接続された吸込セグメントと吹出セグメントとを含み、前記吸込口の少なくとも一部が前記ケーシングの正面に位置し、前記ケーシングの前板と前記風道との間に取り付け空間が形成され、前記取り付け空間は前記ケーシングの内部空間の前部かつ下方に位置し、前記熱交換器は前記風道内に設けられ、前記電気制御部品は前記取り付け空間内に設けられる、
ことを特徴とする壁掛形空気調和機。
【請求項2】
前記吸込口は前記前板に設けられ、前記吸込セグメントは前記吹出セグメントから水平または斜めに前方へ延び、前記吹出セグメントの前記吹出口に隣接する部分は前記吹出セグメントの残りの部分から下方及び前方に延び、前記吸込セグメントと、前記吹出セグメントと、前記前板と、の間は前記取り付け空間を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項3】
前記吸込セグメントの風道壁は第1の吸込板と第2の吸込板とを含み、前記吹出セグメントの風道壁は第1の吹出板と第2の吹出板とを含み、前記第2の吸込板と、前記第2の吹出板と、前記前板と、の間は前記取り付け空間を画定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項4】
前記第2の吸込板は、前記熱交換器から凝縮水を受けるための水受け溝を形成する陥凹部を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項5】
前記水受け溝は前記陥凹部の一方側に位置し、前記取り付け空間は前記陥凹部の他方側に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項6】
前記電気制御部品と前記風道との間に位置する保温層をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項7】
前記電気制御部品は、
ボックス本体とボックスカバーとを含む保護ハウジングであって、前記ボックス本体及び前記ボックスカバーが接続されて、密閉された防火室を画定する保護ハウジングと、
前記防火室内に位置する電気要素と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項8】
電気要素はメインボードと部品とを含み、前記メインボードは前記ボックス本体の底板と平行で前記底板との間に間隔を有し、前記部品は前記メインボードの前記底板から離れる面に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項9】
前記前板は前方に突出する円弧状の板であり、上板部と下板部とを含み、前記吹出口は前記上板部に設けられ、前記取り付け空間は前記下板部の後方に位置し、前記底板は斜めに設けられ、前記底板の下端は前記底板の上端の後方に位置する、
ことを特徴とする請求項8に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項10】
前記部品は第1組の部品と第2組の部品とを含み、前記第1組の部品の高さは予め設定された値より大きく、前記第2組の部品の高さは前記予め設定された値以下であり、前記第2組の部品の位置は前記第1組の部品の位置より高い、
ことを特徴とする請求項9に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項11】
前記吸込セグメントの中心線と前記吹出セグメントの中心線との間の角度は10度以上85度以下である、
ことを特徴とする請求項2~10のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本出願は、中国特許出願番号が202110611186.4であり、出願日が2021年06月01日である中国特許出願に基づいて提案され、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容はここで参照として本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、空気調和機分野に関し、具体的には、壁掛形空気調和機に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、壁掛形空気調和機の吸込口はその頂部に設けられ、頂部からの吸込の要求を満たすために、壁掛形空気調和機は室内の天井壁と比較的に大きな距離を隔てなければならず、これにより、室内空間の利用率が低く、室内空間がより窮屈に見える。また、関連技術の壁掛形空気調和機は熱交換効率が低いという欠点が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも関連技術の技術的課題の1つをある程度解決することを目的とする。このため、本発明の実施形態は、壁掛形空気調和機を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の壁掛形空気調和機は、ケーシング、電気制御部品及び熱交換器を含み、前記ケーシング内には風道が配置され、前記風道は吸込口と吹出口とを有し、前記風道は互いに接続された吸込セグメントと吹出セグメントとを含み、前記吸込口の少なくとも一部が前記ケーシングの正面に位置し、前記ケーシングの前板と前記風道との間に取り付け空間が形成され、前記取り付け空間は前記ケーシングの内部空間の前部かつ下方に位置し、前記熱交換器は前記風道内に設けられ、前記電気制御部品は前記取り付け空間内に設けられる。
【0006】
本発明に係る壁掛形空気調和機の吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置することにより、環境中の空気(吸込)がケーシングのほぼ前方から風道内に入るようにすることができる。例えば、環境中の空気(吸込)は、ケーシングの真正面から風道内に入ってもよいし、ケーシングの前上方から風道内に入ってもよいし、ケーシングの前下方から風道内に入ってもよい。また、環境中の空気は、ケーシングの真正面、前上方及び前下方のうちの少なくとも2つの方向から風道内に入ってもよい。
【0007】
すなわち、環境中の空気はケーシングの真上から風道内に入る必要がない。これにより、壁掛形空気調和機と室内の天井壁との距離を大幅に低減または解消することができ、室内空間の利用率を向上させることができ、特に高さの低い室内(部屋)に対して、室内空間の窮屈感を効果的に低減または解消することができる。
【0008】
従って、本発明の実施例に係る壁掛形空気調和機は、取り付け空間に対する要求が非常に低く、取り付け空間は、壁掛形空気調和機を収容できればよく、壁掛形空気調和機の上方に吸込空間を確保する必要がなく、壁掛形空気調和機の適用範囲を拡大することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、吸込口の正面に位置する部分は、鉛直面に対して壁面(取り付け面として理解できる)に向かって斜め上に傾斜している。このように、ユーザが室内の床面に立っているときに、ユーザが吸込口からケーシング(壁掛形空気調和機)の内部を見ることができず、ケーシング(壁掛形空気調和機)の内部構造がユーザに露出していないため、ユーザの視覚的快適性を向上させることができる。
【0010】
また、頂部から吸込する場合、頂部空間が限られて比較的狭い場合が多く、頂部空間が狭いため吸込量が制限される。本出願の技術案では、吸込口の少なくとも一部をケーシングの正面に位置させるので、吸込口を介して風道内に入った空気が直接熱交換器を流れることができ、熱交換器と十分に熱交換を行うことができる。すなわち、壁掛形空気調和機の吸込量は頂部の狭い空間に制限されず、ケーシングの正面から吸込することにより、吸込量を効果的に増大できるとともに、熱交換器を流れる空気の流量を顕著に増加させ、熱交換器の熱交換効率を大幅に向上させることができる。
【0011】
本出願では、吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置し、吸込口の下方に略逆V字状の熱交換器を設ける必要がなく、また水受け皿の遮蔽により熱交換器の一部が空気と実質的に熱交換しないように、略逆V字状の熱交換器の下端部に略逆V字状の熱交換器の幅以上の幅の水受け皿を設ける必要がない。吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置するため、水受け皿が熱交換器への気流の流れを阻止することはなく、例えば水受け皿は気流の熱交換器への流路を経過せず、これにより熱交換器の熱交換効率を大幅に向上させることができる。選択的に、水受け皿は熱交換器の下方に設けられる。
【0012】
従って、本発明の実施例の壁掛形空気調和機は、取り付けが容易であり、室内空間の利用率が向上し、適用範囲が広く、熱交換効率が高いという利点がある。
【0013】
なお、本発明の実施形態によって提供される壁掛形空気調和機内には、ケーシングの内部空間の前部かつ下方に位置する取り付け空間が形成され、電気制御部品が当該取り付け空間内に取り付けられることにより、電気制御部品の取り付けが本体の長手方向の空間を占めず、本体の長さを短縮し、また壁掛形空気調和機の空間利用効率と集積度とを向上させ、壁掛形空気調和機の構造がよりコンパクトで合理的になる。また、電子制御部品の取り付けは、熱交換器の有効な吸込面を占有することもなく、熱交換器の熱交換効率を犠牲にすることもなく、壁掛形空気調和機の性能を向上させる。なお、取り付け空間はケーシングの前板の後方に位置するため、ユーザが電気制御部品を配線、組み立て/取り外し、テストまたは修理する際に、ケーシング全体を取り外す必要はなく、前板のみを取り外せればよく、テスト修理の利便性を大幅に増加し、操作の快適性を向上させる。
【0014】
これにより、本発明の実施形態によって提供される壁掛形空気調和機は、機体内部の空間利用率が高く、構造がコンパクトで、長さが小さく、テスト修理が便利であるという利点がある。
【0015】
いくつかの実施例では、前記吸込口は前記前板に設けられ、前記吸込セグメントは前記吹出セグメントから水平または斜めに前方へ延び、前記吹出セグメントの前記吹出口に隣接する部分は前記吹出セグメントの残りの部分から下方及び前方に延び、前記吸込セグメントと、前記吹出セグメントと、前記前板と、の間は前記取り付け空間を形成する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記吸込セグメントの風道壁は第1の吸込板と第2の吸込板とを含み、前記吹出セグメントの風道壁は第1の吹出板と第2の吹出板とを含み、前記第2の吸込板と、前記第2の吹出板と、前記前板と、の間は前記取り付け空間を画定する。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記第2の吸込板は、前記熱交換器から凝縮水を受けるための水受け溝を形成する陥凹部を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記水受け溝は前記陥凹部の一方側に位置し、前記取り付け空間は前記陥凹部の他方側に位置する。
【0019】
いくつかの実施例では、壁掛形空気調和機は、前記電気制御部品と前記風道との間に位置する保温層をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記電気制御部品は、ボックス本体とボックスカバーとを含む保護ハウジングであって、前記ボックス本体とボックスカバーとが接続されて、密閉された防火室を画定する保護ハウジングと、前記防火室内に位置する電気要素と、を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、電気要素はメインボードと部品とを含み、前記メインボードは前記ボックス本体の底板と平行で前記底板との間に間隔を有し、前記部品は前記メインボードの前記底板から離れる面に取り付けられる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記前板は前方に突出する円弧状の板であり、上板部と下板部とを含み、前記吹出口は前記上板部に設けられ、前記取り付け空間は前記下板部の後方に位置し、前記底板は斜めに設けられ、前記底板の下端は前記底板の上端の後方に位置する。
【0023】
いくつかの実施例では、前記部品は第1組の部品と第2組の部品とを含み、前記第1組の部品の高さは予め設定された値より大きく、前記第2組の部品の高さは前記予め設定された値以下であり、前記第2組の部品の位置は前記第1組の部品の位置より高い。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記吸込セグメントの中心線と前記吹出セグメントの中心線との間の角度は10度以上85度以下である。
【0025】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の説明において部分的に示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本発明の実践により理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例に係る壁掛形空気調和機の断面図である。
図2】本発明の実施例に係る壁掛形空気調和機の断面図である。
図3】本発明の実施例に係る壁掛形空気調和機の概略構成図である。
図4】関連技術の壁掛形空気調和機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は図面に示される。以下、添付図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明を説明するためのものであり、本発明に対する制限としては理解すべきではない。
【0028】
本発明は、以下の事実及び問題に対する発明者の発見及び認識に基づいてなされる。
【0029】
関連技術では、図4に示すように、壁掛形空気調和機1′の吸込口は頂部に設けられ、壁掛形空気調和機1′の頂部と室内天井壁3との間隔を大きくして吸込空間を構成すべきであるため、壁掛形空気調和機1′を室内天井壁3に密着して設けることができない。壁掛形空気調和機1の熱交換器10′は、貫流ファンホイール20′の周りに設けられる。具体的には、熱交換器10′の略逆V字状の第1の部分11′は貫流ファンホイール20′の上方に位置し、熱交換器10′の第2の部分12′は貫流ファンホイール20′の前方に位置する。
【0030】
第1の部分11′の後下端部111′の下方には水受け皿30が設けられている。水受け皿30′は、第1の部分11′の後下端部111′と上下方向に対向し、水受け皿30′は第1の部分11′の後下端部111′と貫流ファンホイール20′との間に位置する。発明者らは、第1の部分11′の後下端部111′が水受け皿30′に遮られ、ひいては第1の部分11′の後下端部111′が空気と実質的に熱交換されないことになり、無駄をもたらし、熱交換効率が低下すると認識した。
【0031】
第2の部分12′と壁掛形空気調和機1′の前面板40′との間には、吸込風道50′が画定されている。しかし、発明者らは、壁掛形空気調和機1′の前後方向の大部分の空間が熱交換器10′、貫流ファンホイール20′及びスクロールケーシング60′によって占められているため、吸込風道50′が比較的狭い、すなわち吸込風道50′を流れる空気の流量が少ないため、第2の部分12′の熱交換効率が低いと認識した。
【0032】
発明者らはまた、関連技術において、壁掛形空気調和機の電気制御部品が空気調和機本体の長手方向の側部(例えば、左側部及び/又は右側部)に取り付けられ、通常、電気制御部品と分配器などの管路システムとが同じ側に配置されている場合と、電気制御部品と分配器などの管路システムとがそれぞれ本体の長手方向の2つの側部に取り付けられている場合と、の2つがあることを発見した。しかしながら、いずれの方法でも、電気制御部品が空気調和機本体の長手方向の空間を占め、空気調和機本体の長さを長くする。空気調和機本体の長さが変わらない場合、電気制御部品と管路とが同じ側に配置されると管路空間が圧縮され、管路との擦れや衝突の危険性が高まる。電気制御部品が熱交換器の長手方向の側部に取り付けられると、熱交換器の有効な吸込面を占有し、熱交換器の熱交換効率を犠牲にすることもある。また、電気制御部品を空気調和機本体の長手方向の側部に取り付ける場合、修理、取り外しの際にケーシングを取り外す必要があり、修理の難易度を向上させる。
【0033】
以下図1図3に基づいて、本発明の実施例に係る壁掛形空気調和機1について説明する。図1に示すように、壁掛形空気調和機1はケーシング10、熱交換器20、風道30及び電気制御部品90を含む。ここで、風道30はケーシング10内に設けられ、熱交換器20は風道30内に位置する。風道30は吸込口311と吹出口312とを有し、風道30は互いに接続された吸込セグメント313と吹出セグメント314とを含む。ここで、吸込口311は吸込セグメント313に位置し、吹出口312は吹出セグメント314に位置する。
【0034】
吸込口311の少なくとも一部はケーシング10の正面11に位置する。ケーシング10の正面11はケーシング10の水平後方の視線で見る可能な表面であり、すなわち水平後方の視線で見る可能なケーシング10の表面はケーシング10の正面11である。例えば、観察者の目がケーシング10とほぼ同じ水平高さに位置し、かつ観察者がケーシング10の前方に位置する場合、観察者が見る可能なケーシング10の表面はケーシング10の正面11である。
【0035】
前後方向は図1の矢印Aに示され、上下方向は図1の矢印Bに示される。例えば、壁掛形空気調和機1は壁面2に取り付けられることができる。水平方向に壁面2から離れる方向は真正方向であり、水平方向に壁面2から離れる方向が真後方向である。
【0036】
ケーシング10の前板111と風道30との間には取り付け空間50が形成される。電気制御部品90は取り付け空間50内に設けられる。取り付け空間50はケーシング10の内部空間の前部かつ下方に位置し、すなわち、電気制御部品90はケーシング10の内部空間の前部かつ下方に取り付けられる。
【0037】
本発明に係る壁掛形空気調和機の吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置することにより、環境中の空気(吸込)がケーシングのほぼ前方から風道内に入るようにすることができる。例えば、環境中の空気(吸込)は、ケーシングの真正面から風道内に入ってもよいし、ケーシングの前上方から風道内に入ってもよいし、ケーシングの前下方から風道内に入ってもよい。また、環境中の空気は、ケーシングの真正面、前上方及び前下方のうちの少なくとも2つの方向から風道内に入ってもよい。
【0038】
すなわち、環境中の空気はケーシングの真上から風道内に入る必要がない。これにより、壁掛形空気調和機と室内の天井壁との距離を大幅に低減または解消することができ、室内空間の利用率を向上させることができ、特に高さの低い室内(部屋)に対して、室内空間の窮屈感を効果的に低減または解消することができる。
【0039】
従って、本発明の実施例に係る壁掛形空気調和機は、取り付け空間に対する要求が非常に低く、取り付け空間は、壁掛形空気調和機を収容できればよく、壁掛形空気調和機の上方に吸込空間を確保する必要がなく、壁掛形空気調和機の適用範囲を拡大することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、吸込口311の正面に位置する部分は、鉛直面に対して壁面2(取り付け面として理解できる)に向かって斜め上に傾斜する。このように、ユーザが室内の床面に立っているときに、ユーザが吸込口311からケーシング10(壁掛形空気調和機1)の内部を見ることができず、ケーシング10(壁掛形空気調和機1)の内部構造がユーザに露出していないため、ユーザの視覚的快適性を向上させることができる。
【0041】
また、頂部から吸込する場合、頂部空間が限られて比較的狭い場合が多く、頂部空間が狭いため吸込量が制限される。本出願の技術案では、吸込口の少なくとも一部をケーシングの正面に位置させるので、吸込口を介して風道内に入った空気が直接熱交換器を流れることができ、熱交換器と十分に熱交換を行うことができる。すなわち、壁掛形空気調和機の吸込量が頂部の狭い空間に制限されず、ケーシングの正面から吸込することにより、吸込量を効果的に増大できるとともに、熱交換器を流れる空気の流量を顕著に増加させ、熱交換器の熱交換効率を大幅に向上させることができる。
【0042】
本出願では、吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置し、吸込口の下方に略逆V字状の熱交換器を設ける必要がなく、また水受け皿の遮蔽により熱交換器の一部が空気と実質的に熱交換しないように、略逆V字状の熱交換器の下端部に略逆V字状の熱交換器の幅以上の幅の水受け皿を設ける必要がない。吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置するため、水受け皿が熱交換器への気流の流れを阻止することはなく、例えば水受け皿は気流の熱交換器への流路を経過せず、これにより熱交換器の熱交換効率を大幅に向上させることができる。選択的に、水受け皿は熱交換器の下方に設けられる。
【0043】
従って、本発明の実施例の壁掛形空気調和機は、取り付けが容易であり、室内空間の利用率が向上し、適用範囲が広く、熱交換効率が高いという利点がある。
【0044】
なお、本発明の実施例によって提供される壁掛形空気調和機内には、ケーシングの内部空間の前部かつ下方に位置する取り付け空間が形成され、電気制御部品が当該取り付け空間内に取り付けられることにより、電気制御部品の取り付けが本体の長手方向の空間を占めず、本体の長さを短縮し、また壁掛形空気調和機の空間利用効率と集積度とを向上させ、壁掛形空気調和機の構造がよりコンパクトで合理的になる。また、電子制御部品の取り付けは、熱交換器の有効な吸込面を占有することもなく、熱交換器の熱交換効率を犠牲にすることもなく、壁掛形空気調和機の性能を向上させる。なお、取り付け空間はケーシングの前板の後方に位置するため、ユーザが電気制御部品を配線、組み立て/取り外し、テストまたは修理する際に、ケーシング全体を取り外す必要はなく、前板のみを取り外せればよく、テスト修理の利便性を大幅に増加し、操作の快適性を向上させる。
【0045】
これにより、本発明の実施例によって提供される壁掛形空気調和機は、機体内部の空間利用率が高く、構造がコンパクトで、長さが小さく、テスト修理が便利であるという利点がある。
【0046】
以下、図1及び図2と併せて本発明によって提供される具体的な実施例を詳細に説明する。いくつかの実施例では、壁掛形空気調和機1は室内の壁面2に取り付けられることができる。
【0047】
図1及び図2に示すように、壁掛形空気調和機1はケーシング10、熱交換器20、ケーシング10内に設けられる風道30、風道30に設けられるファンホイール40及び電気制御部品90を含む。ケーシング10は前板111を含み、吸込口311は前板111に設けられる。電気制御部品90はケーシング10の前板111と風道30との間に形成された取り付け空間50内に取り付けられる。
【0048】
いくつかの実施例では、ケーシング10が壁面2に取り付けた場合、ケーシング10の頂面と室内の天井壁3との間の距離は20センチメートル以下である。言い換えれば、ケーシング10と室内の天井壁3との上下方向の最小距離は20センチメートル以下である。これにより、室内空間の利用率をさらに向上させることができる。
【0049】
選択的に、ケーシング10の頂面と室内の天井壁3との間の距離は15センチメートル以下である。または、ケーシング10の頂面と室内の天井壁3との間の距離は10センチメートル以下である。または、ケーシング10の頂面と室内の天井壁3との間の距離は8センチメートル以下である。または、ケーシング10の頂面と室内の天井壁3との間の距離は5センチメートル以下である。または、ケーシング10の頂面が室内の天井壁3に接触し、すなわちケーシング10の頂面と室内の天井壁3との間の距離が0センチメートルに等しい。室内空間の利用率をさらに向上させることができる。
【0050】
風道30は互いに接続された吸込セグメント313と吹出セグメント314とを含み、吸風段313は吸風通路3136を画定し、吹出セグメント314は吹出通路3143を画定する風道30の吸込口311は吸込通路3136の一端に位置し、風道30の吹出口312は吹出通路3143の一端に位置する。熱交換器20は吸込通路3136内に位置し、吸込口311に設けられ、吸込口311から吸込通路3136に入る空気と熱交換するために、熱交換器20は吸込口311に対向する。
【0051】
ファンホイール40の一部は吸込通路3136に位置し、ファンホイール40の他の部分は吹出通路3143に位置する。ファンホイール40は、空気が吸込口311から吸込通路3136に入れた後、ファンホイール40を通過して吹出通路3143に入り、最後に吹出口から排出するための吹出風力を発生させる。風道30内にファンホイール40が設けられることにより、熱交換器20を流れる空気の流量と流速とを向上させて、熱交換器20と壁掛形空気調和機1との熱交換効率をさらに向上させることができる。
【0052】
図1に示すように、吸込セグメント313は吹出セグメント314から斜めに前方に上向きに延び、言い換えれば、吸込セグメント313はその吹出セグメント314との接続箇所から斜めに前方に上向きに延びる。
【0053】
なお、他の選択的な実施例では、吸込セグメント313はさらにその吹出セグメント314との接続箇所から水平に前方に延びることができ、または、吸込セグメント313はさらにその吹出セグメント314との接続箇所から前方に下向きに延びることができる。好ましくは、いくつかの実施例では、壁掛形空気調和機1の構造をより合理的にするように、吸込セグメント313は、その吹出セグメント314との接続箇所から斜めに前方に上向きに延びる。
【0054】
吹出セグメント314の吹出口312に隣接する部分は吹出セグメント314の残りの部分から下方及び前方に延び、言い換えれば、吹出セグメント314は吹出口312に隣接する部分とこの部分以外の残りの部分とを含み、吹出セグメント314の吹出口312に隣接する部分はそのこの残りの部分との接続箇所から下方及び前方に延びる。吹出口312はケーシング10の下部に設けられる。
【0055】
吸込セグメント313と吹出セグメント314との上記のような設定により、風道30が前方に開口する略V字状に構成され、吸込セグメント313が吹出セグメント313の上記吹出口312に隣接する部分の上方に位置する。吸込セグメント313と、吹出セグメント314と、前板111と、の間は取り付け空間50を画定する。電気制御部品90は取り付け空間50に取り付けられ、なお、取り付け空間50はケーシング10の内部空間の前部かつ下方に位置する。他の選択的な実施例では、ケーシング10の内部空間の前部かつ下方に位置する取り付け空間50は他の形態で形成されてもよく、本出願では限定されない。
【0056】
図1及び図2に示すように、いくつかの実施例では、前板111は前方に突出する円弧状の板であり、前板111は上板部1111と下板部1112とを含む。上板部1111は前板111の上部分であり、下板部1112は前板111の下部分であり、上板部1111は下板部1112の上方に位置する。吹出口312は上板部1111に設けられ、取り付け空間50は下板部1112の後方に位置し、取り付け空間50は吸込口312の下方に位置する。
【0057】
さらに、吸込セグメント313の風道壁は第1の吸込板3131と第2の吸込板3132とを含み、第1の吸込板3131と第2の吸込板3132とは吸込通路3136を画定する。吹出セグメント314の風道壁は第1の吹出板3141と第2の吹出板3142とを含み、第1の吹出板3141と第2の吹出板3142とは吹出通路3143を画定する。例えば、第1の吹出板3141はウオーム舌構造であり、第2の吹出板3142はウオームホイール構造である。
【0058】
取り付け空間50は第2の吸込板3132と、第2の吹出板3142と、前板111と、の間によって画定される。具体的に、図1及び図2に示すように、第2の吸込板3132の吸込通路3136から離れる側面31321と、第2の吹出板3142の前記吹出通路3143から離れる側面31421と、前板111の背面1110と、の間は取り付け空間50を画定する。
【0059】
選択的に、第1の吸込板3131と第1の吹出板3141とが接続されて一体の第1の壁を形成し、第2の吸込板3132と第2の吹出板3142とが接続されて一体の第2の壁を形成し、取り付け空間50は第2の壁と前板111とによって画定される。
【0060】
図1及び図2に示すように、熱交換器20は吸込セグメント313の吸込口に嵌合され、熱交換器20の上端は第1の吸込板3131に嵌合されて、第1の吸込板3131との間に第1のシール構造(図示せず)が設けられ、熱交換器20の下端は第2の吸込板3132に嵌合されて、第2の吸込板3132との間に第2のシール構造(図示せず)が設けられる。第1のシール構造及び第2のシール構造は、熱交換器20を介して熱交換されていない空気が熱交換器20と第1の吸込板3131との間の隙間又は熱交換器20と第2の吸込板3132との間の隙間から吸込通路3136に入り、空調器の冷房効果に影響を与えることを回避するように、シールするために使用される。選択的に、第1のシール構造と第2のシール構造とはシールフォームである。
【0061】
熱交換器20が熱交換中に凝縮水を発生するため、凝縮水が吹出通路3143に流入して吹出口312から流出することを回避するために、図1及び図2に示すように、第2の吸込板3132は、熱交換器20からの凝縮水を受けるための水受け溝3134を形成する陥凹部3133を含む。水受け溝3134は陥凹部3133の吸込通路3136に近い一方側に位置し、取り付け空間50は陥凹部の他方側に位置する。例えば、陥凹部3133は、第2の吸込板3132の一部が吸込通路3136から離れる方向に凹んで形成され、陥凹部3133は、第2の吸込板3132の一部が取り付け空間50内に突出して形成されると見えられてもよい。取り付け空間50は陥凹部3133の水受け溝3134とは反対側に位置する。陥凹部3133は水受け溝3134を形成するため、陥凹部3133は水受け皿とも呼ぶことができる。
【0062】
図1及び図2に示す実施例では、水受け溝3134の開口は上向きであり、水受け溝3134は上下方向に一定の深さを有し、水受け溝3134は熱交換器20の下端の後方、すなわち第2のシール構造の後方に位置し、熱交換器20からの凝縮水を効果的に受けるために、水受け溝3134はまた熱交換器20の下方に位置する。
【0063】
さらに、第1の吸込板3131の一部が外側に凹んで回避溝3135を形成し、回避溝3135は熱交換器20の上端の後方、すなわち第1のシール構造の後方に位置する。回避溝3135は、熱交換器20が熱交換中に発生する凝縮水を回避し、凝縮水が第1の吸込板3131に沿って吹出セグメント314内に流入することを回避する。選択的に、第1の吸込板3131の吹出セグメント314に隣接する部分は外側に凹んで回避溝3135を形成する。例えば、回避溝3135は、第2の吸込板3132の一部が吸込通路3136から離れる方向に凹んで形成され、回避溝3135は、第2の吸込板3132の一部が外側に突出して形成されると見えられてもよい。
【0064】
さらに、いくつかの実施例の壁掛形空気調和機1は、電気制御部品90と風道30との間に位置する保温層70をさらに含む。図1及び図2に示す実施例では、保温層70は第2の壁と電気制御部品90との間に位置し、すなわち、保温層70は、電気制御部品90と第2の吸込板3132との間、及び電気制御部品90と第2の吹出板3142との間に位置する。保温層70の設定により、結露防止効果が実現され、危険な電気制御安全の事故発生を回避することができる。
【0065】
図1及び図2に示すように、いくつかの実施例では、電気制御部品90は保護ハウジング91と電気要素92とを含む。保護ハウジング91はボックス本体911とボックスカバー912とを含む。ボックス本体911とボックスカバー912とが接続されて、密閉された防火室を画定する。電気要素92は当該防火室内に位置する。上記の設定により、電気制御部品90の保護能力を向上させ、電気要素92の故障発火を回避し、壁掛形空気調和機1の安全係数を向上させる。そして、電気制御部品90は独立した取り外しを実現でき、テスト、修理の利便性を大幅に増加させることができる。
【0066】
電気要素92はメインボード921と部品922とを含み、メインボード921はボックス本体911の底板913と平行で底板913との間に間隔を有し、部品922は前記メインボード913の底板913から離れる面に取り付けられる。選択的に、メインボード921と底板913との間の間隔寸法は4mm-15mmである。
【0067】
さらに、取り付け空間50に適合するために、図1及び図2に示すように、ボックス本体911の底板913を斜めに設けて底板913の下端を底板913の上端の後方に位置させる。上記の設定により、壁掛形空気調和機1の構造をより合理的にする。ここで、底板913と鉛直方向との間には一定の角度θ5があり、角度θ5は0度以上90度以下である。θ5の好ましい値の範囲は30度以上60度以下であり、これにより、電気制御部品90の取り付けを前板111の角度と取り付け空間50の形状とにより適合させ、壁掛形空気調和機1の構造をより合理的にする。
【0068】
図1及び図2に示すように、保護ハウジング91の防火室の下部分の幅は上部分の幅より大きい。さらに、部品922は第1組の部品と第2組の部品とを含む。ここで、第1組の部品の高さは予め設定された値より大きく、第2組の部品の高さは予め設定された値以下であり、第2組の部品の位置は第1組の部品の位置より高い。すなわち、部品922には、高さが比較的高い一部の部品922(第1組の部品)が含まれ、高さが比較的低い一部の部品922(第2組の部品)も含まれ、いくつかの実施例の電気制御部品90は高さが比較的高い第1組の部品を比較的低い第2組の部品の下方に取り付けて、電気制御部品90の構造をより合理的にする。
【0069】
なお、電気制御部品の点検効率をさらに向上させるために、前板111の下板部1112に点検口が設けられ、点検口には点検カバーが被覆され、点検カバーは前板111に着脱可能に接続される。電気制御部品90を点検する必要がある場合、点検カバーを前板111から取り外すと点検口が露出し、点検員は点検口を介して電気制御部品90を点検することができ、前板111全体を取り外す必要がなく、点検過程をより便利で迅速にすることができる。
【0070】
いくつかの実施例では、第1の吸込板3131及び/又は第1の吹出板3141の背面には、開口が上向きの水槽60が設けられ、ここで、水槽60は傾斜して設けられ、水受け溝3134に連通する。水槽60は、第1の吸込板3131及び/又は第1の吹出板3141の背面に形成された凝縮水を受けるために使用される。水槽60内の水は、水受け溝3134に集まり、その後、一緒に排出される。水槽60は斜めに設けられることとは水槽60がその長手方向に斜めに設けられることを指す。
【0071】
図1及び図2に示す実施例では、水槽60は第1の壁の背面に設けられる。さらに、凝縮水をよりよく受けるために、水槽60は第1の壁の背面の最も後方に設けられる。
【0072】
一例として、水槽60は壁掛形空気調和機1の長手方向に延びて斜めに設けられ、水受け溝3134は同様に壁掛形空気調和機1の長手方向に延びて斜めに設けられ、水受け溝3134の傾斜方向は水槽60の傾斜方向と同じである。壁掛形空気調和機1の長手方向は風道30の長手方向と一致してもよい。風道30の長手方向は、図3の矢印Cに示される。水槽60の下端は、水槽60内の水が水受け溝3134に集まるように、水受け溝3134の下端に接続され、水受け溝3134の下端は、水槽60と水受け溝3134との水が当該排水口から排出されるように壁掛形空気調和機1内に設けられた排水口に連通する。
【0073】
図1及び図2に示すように、第1の吹出板3141は吹出口312に隣接する第1の平板部3144を含み、第2の吹出板3142は吹出口312に隣接する第2の平板部3145を含む。第1の平板部3144及び第2の平板部3145の投影の内側面はいずれも直線である。
【0074】
図1及び図2に示すように、風道30の長手方向に直交する鉛直面内において、第2の平板部3145と吹出セグメント314の中心線との間の第1の角度θ1は0度より大きく30度以下である。
【0075】
吹出通路3143内の空気の流量(吹出通路3143の吹出量)を確保できる場合、吹出通路3143が占める空間を減らすことにより、取り付け空間50十分な取り付け空間があり、元々風道30の長手方向の側部(例えば左側部及び/又は右側部)に取り付けられる部品(電気制御部品90)を取り付け空間50内に取り付けることができる。壁掛形空気調和機1の長さを効果的に低減し、壁掛形空気調和機1の取り付け難易度と取り付けに必要な空間をさらに低減することができる。左右方向は図3の矢印Eに示される。
【0076】
選択的に、第1の角度θ1は1度以上25度以下である。または、第1の角度θ1は2度以上20度以下である。または、第1の角度θ1は3度以上10度以下である。吹出通路3143内の空気の流量をさらに向上させるだけでなく、取り付け空間50の容積を大きくして、壁掛形空気調和機1の冷暖房効果をさらに向上させ、これにより、壁掛形空気調和機1の長さをさらに小さくし、壁掛形空気調和機1の取り付け難易度と取り付けに必要な空間とをさらに低減することができる。
【0077】
選択的に、第1の角度θ1は、例えば1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、15度、20度、25度または30度であってもよいが、これらに限定されない。
【0078】
第1の平板部3144と第2の平板部3145との間の第2の角度θ2は5度以上45度以下である。吹出通路3143内の空気の流量(吹出通路3143の吹出量)を確保できる場合、吹出通路314が占める空間を減らすことにより、取り付け空間50に十分な取り付け空間があり、元々風道30の長手方向の側部(例えば左側部及び/又は右側部)に取り付けられる部品(電気制御部品90)を取り付け空間50内に取り付けることができる。壁掛形空気調和機1の長さを効果的に小さくし、壁掛形空気調和機1の取り付け難易度と取り付けに必要な空間とをさらに低減することができる。
【0079】
選択的に、第2の角度θ2は10度以上40度以下である。または、第2の角度θ2は10度以上30度以下である。または、第2の角度θ2は10度以上20度以下である。吹出通路3143内の空気の流量をさらに向上させるだけでなく、取り付け空間50の容積を大きくして、壁掛形空気調和機1の冷暖房効果をさらに向上させ、これにより、壁掛形空気調和機1の長さをさらに小さくし、壁掛形空気調和機1の取り付け難易度と取り付けに必要な空間とをさらに低減することができる。
【0080】
選択的に、第2の角度θ2は、例えば5度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、16度、17度、18度、19度、20度、25度、30度、35度、40度または45度であってもよいが、これらに限定されない。
【0081】
図1及び図2に示すように、風道30の長手方向に直交する鉛直面内において、吸込セグメント313の中心線L1と吹出セグメント314の中心線L2との間の第3の角度θ3は10度以上85度以下である。風道30内の空気の流れ方向が大きく変化することを回避して、空気の流れ抵抗を小さくして、空気が風道30内で穏やかに流れるようにして、壁掛形空気調和機1の冷暖房効果をさらに向上させることができる。
【0082】
選択的に、第3の角度θ3は20度以上80度以下である。または、第3の角度θ3は40度以上75度以下である。または、第3の角度θ3は60度以上75度以下である。または、第3の角度θ3は70度以上75度以下である。空気が風道30内で穏やかに流れるようにして、壁掛形空気調和機1の冷暖房効果をよいさらに向上させることができる。
【0083】
選択的に、第3の角度θ3は、例えば10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、71度、72度、73度、74度、75度、76度、77度、78度、79度、80度または85度であってもよいが、これらに限定されない。
【0084】
図1及び図2に示すように、風道30の長手方向に直交する鉛直面内において、吹出セグメント314の中心線L2と鉛直上向きの方向との間の第4の角度θ4は120度以上155度以下である。吹出通路3143から出た空気が下方及び前方に流れるようにし、すなわち壁掛形空気調和機1は下方及び前方に冷風(熱風)を排出することができ、壁掛形空気調和機1の冷暖房効果をさらに向上させることができる。鉛直上向きの方向は図1の矢印Bの上向きの矢印に示される。
【0085】
選択的に、第4の角度θ4は130度以上150度以下である。または、第4の角度θ4は140度以上145度以下である。壁掛形空気調和機1から排出される冷風(熱風)の流れ方向をさらに最適化し、壁掛形空気調和機1の冷暖房効果を向上させることができる。
【0086】
選択的に、第4の角度θ4は、例えばは、120度、125度、130度、135度、140度、141度、142度、143度、144度、145度、150度または155度であってもよいが、これらに限定されない。
【0087】
以上のように、本発明の実施例によって提供される壁掛形空気調和機1には、ケーシング10の内部空間の前部かつ下方に位置する取り付け空間50が形成され、電気制御部品90が当該取り付け空間内50内に取り付けられ、従来の壁掛形空気調和機には電気制御部品が空気調和機本体の長手方向の側部位置に設けることに比べて、本発明の実施例の電気制御部品90の取り付けが空気調和機本体の長手方向の空間を占めず、同じ幅及び高さで、本発明の実施例によって提供される壁掛形空気調和機1の本体長さがより短く、構造がよりコンパクトになる。空気調和機本体の長さを維持することで騒音を低減することができる。
【0088】
なお、取り付け空間はケーシングの前板の後方に位置し、ユーザが電気制御部品を配線、組み立て/取り外し、テストまたは修理する際、ケーシング全体を取り外す必要はなく、前板のみを取り外せればよく、テスト修理の利便性を大幅に増加し、操作の快適性を向上させる。
【0089】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などという用語が示す方位または位置関係は図面に基づいて示される方位または位置関係であり、本発明を説明し説明を簡素化するためのものに過ぎず、示された装置または素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位によって構造及び操作することを示しまたは暗示するものではないため、本発明に対する限定として理解されない。
【0090】
また、「第1」、「第2」という用語は説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を示しまたは暗示し、示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解されたくない。これにより、「第1」、「第2」と限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示または暗黙的に含むことができる。本発明の説明では、「複数」という意味は、特に具体的な明確な限定がない限り、例えば、2つ、3つなど、少なくとも2つである。
【0091】
本発明では、明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は広義的な理解とすべきであり、例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体となってもよく、または機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、または直接接続であってもよいし、中間媒体による間接的な接続であってもよいし、2つの素子の内部の連通または2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて上記用語の本発明において具体的な意味を理解することができる。
【0092】
本発明では、特に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接的に接触し、または第1の特徴と第2の特徴とは中間媒体によって間接的に接触することであってもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあり、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「以下」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあり、又は第1の特徴の水平高さは第2の特徴よりも低いことを示すだけであってもよい。
【0093】
本発明では、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、または「いくつかの例」などは、当該実施例または例と組み合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料、または特性は、本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語に対する概略的な説明は必ずしも同じ実施例又は例を対象とするとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は長所はいずれか或いは複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。さらに、互いに衝突しない限り、当業者は本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0094】
以上、本発明の実施例を示し、説明したが、なお、上記の実施例は例示的であり、本発明に対する制限として理解されたくなく、当業者は本発明の範囲内で上記の実施例を変更、修正、置換、及び変形することができる。
【符号の説明】
【0095】
壁掛形空気調和機1、壁面2、天井壁3、
ケーシング10、正面11、前板111、前板111の背面1110、上板部1111、下板部1112、熱交換器20、風道30、吸込口311、吹出口312、
吸込セグメント313、第1の吸込板3131、第2の吸込板3132、側面31321、陥凹部3133、水受け溝3134、回避溝3135、吸込通路3136、
吹出セグメント314、第1の吹出板3141、第2の吹出板3142、側面31421、吹出通路3143、第1の平板部3144、第2の平板部3145、
ファンホイール40、取り付け空間50、水槽60、保温層70、
電気制御部品90、保護ハウジング91、ボックス本体911、ボックスカバー912、底板913、電気要素92、メインボード921、部品922、
吸込セグメント中心線L1、吹出セグメント中心線L2、角度θ。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】