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特表2024-514280高信頼オフラインウォレットを利用した暗号通貨システムおよび暗号通貨ウォレット管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】高信頼オフラインウォレットを利用した暗号通貨システムおよび暗号通貨ウォレット管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20240325BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534385
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2020018708
(87)【国際公開番号】W WO2022131411
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516014409
【氏名又は名称】ライン プラス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LINE Plus Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ユホ
(72)【発明者】
【氏名】パク クワン セオ
(72)【発明者】
【氏名】米山 裕介
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョン ジ
(72)【発明者】
【氏名】チョ スン ビン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヘ フン
(72)【発明者】
【氏名】ナム ジョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム テ ヨン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】高信頼オフラインウォレットを利用した暗号通貨システムおよび暗号通貨ウォレット管理方法を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る暗号通貨ウォレット管理方法は、暗号通貨システムのサービス提供者が付与したユーザアドレスへの暗号資産の移動によって、ウォーム(Warm)形態の第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理する段階、ユーザ要求に対する応答として、ホット(Hot)形態の第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理する段階、第1ウォレットに入庫された資金を予め設定された第1条件にしたがってまとめて計算した資金を、オフライン署名キーによって管理されるコールド(Cold)形態の第3ウォレットに移動させる段階、および第2ウォレットで予め代納されたユーザ資金を予め設定された第2条件にしたがってまとめて計算した資金を、第3ウォレットから第2ウォレットに移動させる段階を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータ装置を利用した暗号通貨ウォレット管理方法であって、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記コンピュータ装置を含む暗号通貨システムのサービス提供者が付与したユーザアドレスへの暗号資産の移動によって、ウォーム(Warm)形態の第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理する段階、
前記少なくとも1つのプロセッサが、ユーザ要求に対する応答として、ホット(Hot)形態の第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理する段階、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ウォレットに入庫された資金を予め設定された第1条件にしたがってまとめて計算した資金を、オフライン署名キーによって管理されるコールド(Cold)形態の第3ウォレットに移動させる段階、および
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第2ウォレットで予め代納されたユーザ資金を予め設定された第2条件にしたがってまとめて計算した資金を、前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させる段階
を含む、暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサが、オフライン署名キーによって管理されるコールド形態の第4ウォレットと前記第3ウォレット間の資金を調整するためのデータを処理する段階
をさらに含み、
前記第4ウォレットの管理のためのオフライン署名キーは、前記第3ウォレットの管理のためのオフライン署名キーよりも相対的に高い権限を有することを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ウォレット、前記第2ウォレット、前記第3ウォレット、および前記第4ウォレットの総残高に対する前記第2ウォレットの残高の比率を提供する段階
をさらに含む、請求項2に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項4】
前記比率を提供する段階は、
前記比率を、前記コンピュータ装置と関連するディスプレイ上に表示するか、前記コンピュータ装置と電気的に通信可能なユーザ端末に送信することを特徴とする、請求項3に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ウォレット、前記第2ウォレット、前記第3ウォレット、および前記第4ウォレットのうちのいずれか1つの残高を少なくとも1つの種類の実物通貨または少なくとも1つの種類の暗号通貨に相応する価値で表現して提供する段階
をさらに含む、請求項2に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第3ウォレットの運営による資金を、前記サービス提供者と関連するウォーム形態の第5ウォレットから前記第3ウォレットに移動させる段階
をさらに含む、請求項1に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項7】
前記第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理する段階は、
外部ウォレットからユーザに付与された各ユーザアドレスに移動した暗号資産に基づいて、前記第1ウォレットへの資金の移動を処理することを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項8】
前記第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理する段階は、
前記ユーザ資金に基づいて、前記暗号通貨システムと関連するユーザの暗号資産のうちの少なくとも一部またはすべての出庫をロック処理(locking)した後、前記サービス提供者の暗号資産で先出庫を行うことを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項9】
前記第3ウォレットに移動させる段階は、
前記第1条件として、前記第1ウォレットに入庫した資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つの条件にしたがい、前記第1ウォレットに入庫した資金を前記第3ウォレットに移動させることを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項10】
前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させる段階は、
前記第2条件として、前記第2ウォレットに移動させる資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つの条件にしたがい、前記予め代納されたユーザ資金に対応する資金を前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させることを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨ウォレット管理方法。
【請求項11】
コンピュータ装置と結合して請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の方法をコンピュータ装置に実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている、コンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータ装置読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記コンピュータ装置を含む暗号通貨システムのサービス提供者が付与したユーザアドレスへの暗号資産の移動によって、ウォーム(Warm)形態の第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理し、
ユーザ要求に対する応答として、ホット(Hot)形態の第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理し、
前記第1ウォレットに入庫された資金を予め設定された第1条件にしたがってまとめて計算した資金を、オフライン署名キーによって管理されるコールド(Cold)形態の第3ウォレットに移動させる段階、および
前記第2ウォレットで予め代納されたユーザ資金を予め設定された第2条件にしたがってまとめて計算した資金を、前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させること
を特徴とする、コンピュータ装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
オフライン署名キーによって管理されるコールド形態の第4ウォレットと前記第3ウォレット間の資金を調整するためのデータを処理し、
前記第4ウォレットの管理のためのオフライン署名キーは、前記第3ウォレットの管理のためのオフライン署名キーよりも相対的に高い権限を有すること
を特徴とする、請求項12に記載のコンピュータ装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記第3ウォレットの運営による資金を、前記サービス提供者と関連するウォーム形態の第5ウォレットから前記第3ウォレットに移動させること
を特徴とする、請求項12に記載のコンピュータ装置。
【請求項15】
前記第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理するために、前記少なくとも1つのプロセッサが、
外部ウォレットからユーザに付与された各ユーザアドレスに移動した暗号資産に基づいて、前記第1ウォレットへの資金の移動を処理すること
を特徴とする、請求項12に記載のコンピュータ装置。
【請求項16】
前記第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理するために、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ユーザ資金に基づいて、前記暗号通貨システムと関連するユーザの暗号資産のうちの少なくとも一部またはすべての出庫をロック処理(locking)した後、前記サービス提供者の暗号資産で先出庫を行うこと
を特徴とする、請求項12に記載のコンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、高信頼オフラインウォレットを利用した暗号通貨システムおよび暗号通貨ウォレット管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の暗号通貨システムは、ウォレット(Wallet)の特徴に応じて、ホット(Hot)、ウォーム(Warm)、コールド(Cold)という用語をウォレットに付けながら、出金のためのウォレットはホット形態のウォレット、入金のためのウォレットはウォーム形態のウォレットに分離(または、分別)して管理することにより、ハッキングから暗号資産を保護してきた。また、オンラインでの出金が不可能なコールド形態のウォレットに平均流動量以外の多量の資産を預けることにより、高額の暗号資産に対するハッカーの侵入リスクを最小限に設定する方法が一般的であった。
【0003】
ここで、コールド形態のウォレットとは、USB(Universal Serial Bus)などのオフライン媒体に記録されたN個の署名キーのうち、n個以上の署名キーが入力されて署名(signing)がなされることで出金を可能にする形態を有するウォレットである。このとき、コールド形態のウォレットに預ける資産の比率を誤って設定した場合、運営者側では、オフライン出金(運営者が1つ以上のUSBによってコールド形態のウォレットに署名キーを入力して署名をする出金)の回数が増え、これによって暗号通貨システムの運営費用も増加する。また、ウォーム形態のウォレットおよび/またはホット形態のウォレットに多量の資産を置いた場合には、ハッカーによるハッキングやインサイダーによる不正行為に対する脆弱性が高まるという問題がある。
【0004】
また、従来の暗号通貨システムでは、運営者がオフライン出金時に目的アドレスを設定するため、運営者が目的アドレスを誤って入力したり、故意に他の目的アドレスを設定するなどの不正行為が発生するという問題があった。
【0005】
さらに、ユーザの資金と会社の資金を会計処理するためにはウォレット内部での論理的な帳簿管理が必要となるが、このとき、問題が発生したり、エラーが発生したりすると、履歴追跡はもちろん、復元も難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0033171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブロックチェーンを利用して顧客の資産と会社の資産を分別して管理し、顧客の資産を論理的に大部分(一例として、99.9%以上)コールド(Cold)形式のウォレットに保管しながらも、オフライン出金を最小化することができる、暗号通貨システムおよび暗号通貨ウォレット管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータ装置を利用した暗号通貨ウォレット管理方法であって、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記コンピュータ装置を含む暗号通貨システムのサービス提供者が付与したユーザアドレスへの暗号資産の移動によって、ウォーム(Warm)形態の第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理する段階、前記少なくとも1つのプロセッサが、ユーザ要求に対する応答として、ホット(Hot)形態の第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理する段階、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ウォレットに入庫された資金を予め設定された第1条件にしたがってまとめて計算した資金を、オフライン署名キーによって管理されるコールド(Cold)形態の第3ウォレットに移動させる段階、および前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第2ウォレットで予め代納されたユーザ資金を予め設定された第2条件にしたがってまとめて計算した資金を、前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させる段階を含む、暗号通貨ウォレット管理方法を提供する。
【0009】
一側面によると、前記暗号通貨ウォレット管理方法は、前記少なくとも1つのプロセッサが、オフライン署名キーによって管理されるコールド形態の第4ウォレットと前記第3ウォレット間の資金を調整するためのデータを処理する段階をさらに含み、前記第4ウォレットの管理のためのオフライン署名キーは、前記第3ウォレットの管理のためのオフライン署名キーよりも相対的に高い権限を有することを特徴としてよい。
【0010】
他の側面によると、前記暗号通貨ウォレット管理方法は、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ウォレット、前記第2ウォレット、前記第3ウォレット、および前記第4ウォレットの総残高に対する前記第2ウォレットの残高の比率を提供する段階をさらに含んでよい。
【0011】
また他の側面によると、前記比率を提供する段階は、前記比率を、前記コンピュータ装置と関連するディスプレイ上に表示するか、前記コンピュータ装置と電気的に通信可能なユーザ端末に送信することを特徴としてよい。
【0012】
また他の側面によると、前記暗号通貨ウォレット管理方法は、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ウォレット、前記第2ウォレット、前記第3ウォレット、および前記第4ウォレットのうちのいずれか1つの残高を少なくとも1つの種類の実物通貨または少なくとも1つの種類の暗号通貨に相応する価値で表現して提供する段階をさらに含んでよい。
【0013】
他の側面によると、前記暗号通貨ウォレット管理方法は、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第3ウォレットの運営による資金を、前記サービス提供者と関連するウォーム形態の第5ウォレットから前記第3ウォレットに移動させる段階をさらに含んでよい。
【0014】
また他の側面によると、前記第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理する段階は、外部ウォレットからユーザに付与された各ユーザアドレスに移動した暗号資産に基づいて前記第1ウォレットへの資金の移動を処理することを特徴としてよい。
【0015】
また他の側面によると、前記第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理する段階は、前記ユーザ資金に基づいて、前記暗号通貨システムと関連するユーザの暗号資産のうちの少なくとも一部またはすべての出庫をロック処理(locking)した後、前記サービス提供者の暗号資産によって先出庫を行うことを特徴としてよい。
【0016】
また他の側面によると、前記第3ウォレットに移動させる段階は、前記第1条件として、前記第1ウォレットに入庫した資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つの条件にしたがって、前記第1ウォレットに入庫した資金を前記第3ウォレットに移動させることを特徴としてよい。
【0017】
さらに他の側面によると、前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させる段階は、前記第2条件として、前記第2ウォレットに移動させる資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つの条件にしたがって、前記予め代納されたユーザ資金に対応する資金を前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させることを特徴としてよい。
【0018】
コンピュータ装置と結合して前記方法をコンピュータ装置に実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される、コンピュータプログラムを提供する。
【0019】
前記方法をコンピュータ装置に実行させるためのプログラムが記録されている、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0020】
コンピュータ装置読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記コンピュータ装置を含む暗号通貨システムのサービス提供者が付与したユーザアドレスへの暗号資産の移動によってウォーム(Warm)形態の第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理し、ユーザ要求に対する応答として、ホット(Hot)形態の第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理し、前記第1ウォレットに入庫された資金を予め設定された第1条件にしたがってまとめて計算した資金を、オフライン署名キーによって管理されるコールド(Cold)形態の第3ウォレットに移動させる段階、および前記第2ウォレットで予め代納されたユーザ資金を予め設定された第2条件にしたがってまとめて計算した資金を、前記第3ウォレットから前記第2ウォレットに移動させることを特徴とする、コンピュータ装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
暗号通貨システムでブロックチェーンを利用して顧客の資産と会社の資産を分別して管理し、顧客の資産を論理的に大部分(一例として、99.9%以上)コールド(Cold)形式のウォレットに保管しながらも、オフライン出金を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。
図2】本発明の一実施形態における、コンピュータ装置の例を示したブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における、暗号通貨システムの取引処理過程を示した例示図である。
図4】本発明の一実施形態における、アドレスと目的をマッチングさせて格納したマップを示した例示図である。
図5】本発明の一実施形態における、暗号通貨システムを概略的に示した例示図である。
図6】本発明の一実施形態における、ウォレット運営のリアルタイムリスク管理のためのダッシュボードを示した例示図である。
図7】本発明の一実施形態における、暗号通貨システムの暗号通貨ウォレット管理方法を示した例示図である。
図8】本発明の一実施形態における、暗号通貨システムの暗号通貨ウォレット管理方法の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示して詳細な説明において詳しく説明する。ただし、これには本発明を特定の実施形態によって限定しようとする意図はなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物、あるいは代替物を含むものと解釈されなければならない。各図面における類似の参照符号は、類似の構成要素に対して使用した。
【0024】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するために使用されるものであるが、前記構成要素が前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素が第2構成要素と命名されてもよいし、第2構成要素が第1構成要素と命名されてもよい。および/またはという用語は、関連して記載される複数の項目の組み合わせ、または関連して記載される複数の項目のうちのいずれかの項目を含む。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり「接続されて」いたりすると記述されるときは、他の構成要素に直接的に連結あるいは接続されていることはもちろん、中間に他の構成要素が存在する場合も含むものとして解釈されなければならない。この反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いたり「直接接続されて」いたりすると記述されるときは、その中間には他の構成要素が存在しないものとして解釈されなければならない。
【0026】
本出願で使用する用語は、特定の実施形態を説明するために使用されるものに過ぎず、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上で明らかに異なるように意味しない限り複数の表現も含む。本出願において「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載する特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものとして解釈されなければならない。
【0027】
異なるように定義されない限り、技術的や科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される、事前に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上での意味合いと一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的あるいは過度に形式的な意味に解釈されてはならない。
【0028】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0029】
本発明の実施形態に係る暗号通貨システムは、少なくとも1つのコンピュータ装置によって実現されてよく、本発明の実施形態に係る暗号通貨ウォレット管理方法は、暗号通貨システムを実現する少なくとも1つのコンピュータ装置によって実行されてよい。コンピュータ装置においては、本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラムがインストールされて実行されてよく、コンピュータ装置は、実行されたコンピュータプログラムの制御にしたがって本発明の実施形態に係る暗号通貨ウォレット管理方法を実行してよい。上述したコンピュータプログラムは、コンピュータ装置と結合して暗号通貨ウォレット管理方法をコンピュータ装置に実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。図1のネットワーク環境は、複数の電子機器110、120、130、140、複数のサーバ150、160、およびネットワーク170を含む例を示している。このような図1は、発明の説明のための一例に過ぎず、電子機器の数やサーバの数が図1のように限定されてはならない。また、図1のネットワーク環境は、本実施形態に適用可能な環境のうちの一例を説明したものに過ぎず、本実施形態に適用可能な環境が図1のネットワーク環境に限定されてはならない。
【0031】
複数の電子機器110、120、130、140は、コンピュータ装置によって実現される固定端末や移動端末であってよい。複数の電子機器110、120、130、140の例としては、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、PC(personal computer)、ノート型PC、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットなどがある。一例として、図1では、電子機器110の例としてスマートフォンを示しているが、本発明の実施形態において、電子機器110は、実質的に無線または有線通信方式を利用し、ネットワーク170を介して他の電子機器120、130、140および/またはサーバ150、160と通信することのできる多様な物理的なコンピュータ装置のうちの1つを意味してよい。
【0032】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク170が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網)を利用する通信方式だけではなく、機器間の近距離無線通信が含まれてもよい。例えば、ネットワーク170は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク170は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0033】
サーバ150、160それぞれは、複数の電子機器110、120、130、140とネットワーク170を介して通信して命令、コード、ファイル、コンテンツ、サービスなどを提供する1つ以上のコンピュータ装置によって実現されてよい。例えば、サーバ150は、ネットワーク170を介して接続した複数の電子機器110、120、130、140にサービス(一例として、暗号通貨取引サービス、金融サービス、アプリケーション分析サービス、コンテンツ提供サービス、アーカイブサービス、ファイル配布サービス、地図サービス、グループ通話サービス(または、音声会議サービス)、メッセージングサービス、メールサービス、ソーシャルネットワークサービス、翻訳サービス、決済サービス、検索サービスなど)を提供するシステムであってよい。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態における、コンピュータ装置の例を示したブロック図である。上述した複数の電子機器110、120、130、140それぞれやサーバ150、160それぞれは、図2に示したコンピュータ装置200によって実現されてよい。
【0035】
このようなコンピュータ装置200は、図2に示すように、メモリ210、プロセッサ220、通信インタフェース230、および入力/出力インタフェース240を含んでよい。メモリ210は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ210とは区分される別の永続的記録装置としてコンピュータ装置200に含まれてもよい。また、メモリ210には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコードが記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ210とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリ210にロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信インタフェース230を通じてメモリ210にロードされてもよい。例えば、ソフトウェア構成要素は、ネットワーク170を介して受信されるファイルによってインストールされるコンピュータプログラムに基づいてコンピュータ装置200のメモリ210にロードされてよい。
【0036】
プロセッサ220は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ210または通信インタフェース230によって、プロセッサ220に提供されてよい。例えば、プロセッサ220は、メモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0037】
通信インタフェース230は、ネットワーク170を介してコンピュータ装置200が他の装置(一例として、上述した記録装置)と互いに通信するための機能を提供してよい。一例として、コンピュータ装置200のプロセッサ220がメモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって生成した要求や命令、データ、ファイルなどが、通信インタフェース230の制御にしたがってネットワーク170を介して他の装置に伝送されてよい。これとは逆に、他の装置からの信号や命令、データ、ファイルなどが、ネットワーク170を経てコンピュータ装置200の通信インタフェース230を通じてコンピュータ装置200に受信されてよい。通信インタフェース230を通じて受信された信号や命令、データなどは、プロセッサ220やメモリ210に伝送されてよく、ファイルなどは、コンピュータ装置200がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0038】
入力/出力インタフェース240は、入力/出力装置250とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、マイク、キーボード、またはマウスなどの装置を、出力装置は、ディスプレイ、スピーカのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース240は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置250は、コンピュータ装置200と1つの装置で構成されてもよい。
【0039】
また、他の実施形態において、コンピュータ装置200は、図2の構成要素よりも少ないか多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術による構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータ装置200は、上述した入力/出力装置250のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、送受信機、データベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0040】
本明細書において、ウォレット間の資金の移動と関連する「入庫」、「出庫」、「代納」などの用語は、実質的には、コンピュータ装置(一例として、図2のコンピュータ装置200)が資金の移動のためのデータを処理するものと解釈されなければならない。例えば、ウォレットに資金が入庫されるということは、ウォレットに資金を入庫するためのデータをコンピュータ装置が処理することを意味してよい。また、2つのウォレット間の資金の移動は、1つのウォレットからの資金の出庫と、他のウォレットへの資金の入庫として解釈されなければならない。言い換えれば、コンピュータ装置は、資金を出庫するためのデータを第1ウォレットで処理し、この資金を入庫するためのデータを第2ウォレットで処理することにより、第1ウォレットから第2ウォレットへの資金の移動を処理してよい。
【0041】
また、本発明において、「会社」とは、暗号通貨システムのサービス提供者を含んでよい。暗号通貨システムは、少なくとも1つのコンピュータ装置で実現されてよく、少なくとも1つのコンピュータ装置それぞれは、図2のコンピュータ装置200に対応してよい。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態における、暗号通貨システムの取引処理過程を示した例示図である。図3は、ユーザから会社への取引を示した例であって、会社資金として入金される金額(a)、会社のその他の手数料(b)、ユーザによって出金可能な最小運営資金(c)の移動を示している。User Cold310はコールド形態のユーザウォレットの例を、Corp Warm320はウォーム形態の会社ウォレットの例を示している。このとき、会社の資金とユーザの資金はウォレットを区分して管理されてよい。このために、会社の資金としての金額(a)とその他の手数料(b)は、ホット形態の会社ウォレットの例であるCorp Hot330に転送されてよく、ユーザ資金である最小運営資金(c)は、ホット形態のユーザウォレットの例であるUser Hot340に転送されてよい。
【0043】
この場合、従来の暗号通貨システムでは、三度の取引のために三度のオフライン出金が必要となる。オフライン出金とは、USBのようなオフライン媒体によってキー311を保有している運営者312がUser Cold310にキー311を入力して署名をする出金を意味してよく、一度の署名に必要な署名キーの数と取引の数に比例してオフライン出金のための署名動作数が増加することを意味してよい。例えば、一度の署名に必要な署名キーの数が7つ(一例として、7人の運営者がそれぞれ管理する7つの署名キー)のうちの過半以上の場合、署名のたびに最低でも4つ以上の署名キー入力を受け取らなければならず、このような取引が100回なされれば、相殺処理を考慮しない場合には、合計400回の署名キー入力と100回の署名が必要となる。これにより、暗号通貨システムの運営費用の増大に繋がる。
【0044】
このような問題を解決するために、本実施形態に係る暗号通貨システムでは、オフライン出金のための署名を最小化するためのバンドル取引(bundle transaction)を生成してよい。例えば、図3に示した「1.転送情報の計算および生成」過程は、暗号通貨システムがバンドル取引(bundle transaction)を計算および生成する過程の例であってよい。このとき、暗号通貨システムは、各取引のアドレスを予め指定されたアドレス(図3では、Corp Hot330のアドレスである「addressA」と「addressB」、User Hot340のアドレスである「addressC」を含むaddressA、B、C350)に設定してよく、このようなアドレスは変更することができない。図3でロックされている錠の模様360とロックが解除された錠の模様370は、addressA、B、C350が、以下で説明する「2.バンドル取引の署名および転送」の過程で、User Cold310の運営者312に露出されないことを示してよい。また、各アドレスに転送される金額も、暗号通貨システムによって予め計算されてよい。
【0045】
一方、図3に示した「2.バンドル取引の署名および送信」過程は、User Cold310で1つのバンドル取引に対する署名を処理してCorp Warm320に転送する過程の例であってよい。このとき、運営者312は、署名キー311を利用してバンドル取引に対する署名は処理することができるが、アドレスを指定することはできず、User Cold310から出金されるすべての金額はCorp Warm320にしか転送することができない。したがって、バンドル取引によって、オフライン出金のための署名の数を減らすことができる。例えば、一定の期間(一例として、一日または一週間)の取引を1つに束ねてバンドル取引を生成する場合、一日の取引に対するオフライン出金を一度の署名で処理することができるようになる。
【0046】
また、図3に示した「3.システムイベント(トリガー)」過程は、暗号通貨システムがCorp Warm320に入庫された物量(金額)を認識することにより、「1.転送情報の計算および生成」の過程で予め設定されたアドレスに予め計算された数量(金額)をそれぞれ転送する過程の例であってよい。このような過程は、「2.バンドル取引の署名および転送」の過程でUser Cold310によってバンドル取引に対する署名が処理された後、該当となる取引物量(金額)に値する転送が暗号通貨のネットワークを介してCorp Warm320に要求され、Corp Warm320で送信完了を確認することによってシステムイベント(トリガー)が発生する過程と、システムイベント(トリガー)にしたがってCorp Warm320が各アドレスに取引物量を転送する過程を含んでよい。言い換えれば、Corp Warm320からCorp Hot330およびUser Hot340への取引物量の転送は、「3.システムイベント(トリガー)」過程でなされるようになるのである。このような「3.システムイベント(トリガー)」過程は、ブロックチェーンでのコンファームが成立した後に行われてよい。
【0047】
また、図3に示した「4.自動化(automation)」過程は、暗号通貨システムが、指定されたアドレスに該当する目的(purpose)によって到着した数量を記入して在庫を管理する過程であってよい。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態における、アドレスと目的をマッチングさせて記録したマップを示した例示図である。図4では、アドレス(address)と運営目的(operation purpose(op.purpose))が互いにマッチングされたマップ(address-op.purpose ma)400の例を示している。より詳細に説明すると、図4のマッチングマップ400には、図3で説明した取引(a)、(b)、(c)のアドレスである「addressA」、「addressB」、「addressC」と運営目的である「purposeA」、「purposeB」、「purposeC」をマッチングして管理する例を示している。このとき、運営目的は、図3を参照しながら説明した、会社資金として入る金額(a)、会社のその他の手数料(b)、およびユーザが出金可能な最小運営資金(c)などを含んでよく、このような目的の種類は予め設定されてよい。言い換えれば、特定の取引に対する目的は、目的に対して予め設定された多種類のうちの1つが設定されるようになる。一方、アドレスと運営目的をマッチングして「管理」するということは、マッチングされた情報を互いに関連付けてデータベースおよび/またはブロックチェーンに記録することを含んでよい。
【0049】
このように、本実施形態に係る暗号通貨システムは、ブロックチェーンを利用してユーザの資産と会社の資産を分別して管理することができる。このとき、暗号通貨システムは、ウォレットにN個のアドレスを設定し、設定されたアドレスを金額移動の目的とマッピングしてよい。したがって、各取引は、移動目的ブロックチェーンに記録されるため帳簿が正確に管理されるようになり、いつでも履歴を復元することができる。さらに、取引(a)、(b)、(c)に対するバンドル取引を一度の署名で処理することができるため、個別的な処理に比べて効率的に取引を処理することができる。これだけでなく、運営者にアドレス設定の権限を与えないため、ユーザの資産を安全に分離して管理することができる。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態における、暗号通貨システムのウォレットを示した例示図である。図5は、「Corp Wallets」であるHot510、Warm520、User Warm(C)530、およびUser Hot(c)540を示しており、「User Wallets」であるOPS Cold550およびCold560を示している。User Warm(C)530およびUser Hot(c)540に保存される資金は、ユーザの資金を一時的に保存するウォレットや「User Wallets」または外部のウォレットに実際に伝送されるまでは会社の資産として見なされることから、User Warm(C)530およびUser Hot(c)540は「Corp Wallets」に分類されてよい。
【0051】
Hot510は、会社の出庫資金を管理するウォレットを示してよい。ここで、Hot510は、図3を参照しながら説明したCorp Hot330に対応してよい。
【0052】
Warm520は、会社の入庫資金を管理するウォレットを示してよい。このようなWarm520は、内部でホワイトリスト(権限制御)処理された一部のウォレットにしか出庫することができないウォレットであってよい。ここで、Warm520は、図3を参照しながら説明したCorp Warm320に対応してよい。
【0053】
User Warm(c)530は、会社(Corp)が付与したユーザのアドレスにブロックチェーンを利用して入庫することが可能なアドレスの集合を有するウォレットを示してよい。
【0054】
User Hot(c)540は、会社(Corp)がリアルタイム出庫のためにユーザの資金を予め代納してチャージするためのウォレットを示してよい。ここで、User Hot(c)540は、図3を参照しながら説明したUser Hot340に対応してよい。
【0055】
OPS Cold550は、オフラインキーを利用してユーザのための流動資金を管理するウォレットであってよい。ここで、OPS Cold550の「OPS」は「Operations」を指し示し、運営権限の制限された数字のオフラインキーを所有した運営者のウォレットであってよい。このとき、OPS Cold550は、図3を参照しながら説明したUser Cold310に対応してよい。
【0056】
Cold560は、ユーザの基礎安全資産を、高い権限の極めて制限された数字のオフラインキーを利用して管理するウォレットであってよい。例えば、Cold560のためのキーは会社のオーナーによって管理されてよく、OPSCold550のためのキーは運営者として雇用された会社の職員によって管理されてよい。
【0057】
このように、「User Wallets」は、すべてのユーザ資金に対してオンライン出金が不可能なCold形態のウォレットを含んで構成されてよい。
【0058】
過程(1)は、会社が付与したユーザのアドレスを利用して、User Warm(c)540に資金(暗号資産)を入庫する過程の例であってよい。ユーザアドレスは、顧客端末でQR(Quick Release)コードおよび/または文字列によって確認が可能であり、ブロックチェーンによって外部の他のウォレットが出庫した金額がUser Warm(c)540の該当となるアドレスに入庫されてよい。
【0059】
過程(2)は、会社がユーザのリアルタイム出庫のために資金を予め代納する過程の例であってよい。ユーザが端末を利用して出庫を要求する場合、ユーザの資産を担保に、会社の資金を用いてUser Hot(c)540から先出庫又は事前出庫がなされてよい。
【0060】
過程(3)は、User Warm(c)530に入庫されたユーザの資金を一定の条件にしたがってまとめ、オフラインキーによって管理されるOPS Cold550に移動させる過程の例であってよい。図3では、特定の期間(一例として、一日または一週間)単位で資金を移動させる条件の例について説明した。実施形態によって、User Warm(c)530に入庫されたユーザの資金が特定の金額以上集まるとき、ユーザの資金をUser Warm(c)530からOPS Cold550に移動させる条件が活用されてもよい。
【0061】
過程(4)は、ユーザの資産の他に、OPS Cold550の運営時に必要となる資金(一例として、出庫手数料やネットワーク料金(network fee)など)を補充する過程の例であってよい。OPS Cold550のユーザの資金に対する無欠性維持のために、OPS Cold550に出庫のための手数料を一定の周期で補充することが必要となる。
【0062】
過程(5)は、User Warm(c)530からユーザへの出庫を代納した資金がOPS Cold550から補充される過程の例であってよい。出庫された資金が特定の金額以上集まるとき、資金を移動させる条件および/または特定の期間単位で資金を移動させる条件が活用されてよい。
【0063】
過程(6)は、ユーザの基礎安全資産管理のために物量を調節する過程の例であってよい。運営のための最小資金を除いた移動のない基礎資産がOPS Cold550からより安全なCold560に移動するようにし、Cold560からの出金は、必要時にOPS Cold550だけになされるように制限されてよい。
【0064】
このとき、過程(3)および過程(5)での資金の移動が特定の期間単位の条件でなされる場合、相殺処理によって最小化された資金が一方向だけに移動してよい。この場合、過程(1)および過程(2)で集計された物量のデータは、帳簿上に別途で保管および管理され、精算処理時に活用されるようにしてよい。
【0065】
また、すべてのウォレット間の移動には、アドレスおよび数量、移動目的が記録され、精算処理時に活用されるようにしてよい。
【0066】
図6は、本発明の一実施形態における、ウォレット運営のリアルタイムリスク管理のためのダッシュボードを示した例示図である。ダッシュボード600には、図4を参照しながら説明したウォレットそれぞれに対して、現在の資産の数量(CryptoおよびJPY(¥))と一部のウォレットに対する数量の比率(Ratio(%))がそれぞれ示されている。このとき、特定のウォレットに含まれた数量の比率が任意の閾値以下となって危険が感知されれば、このウォレットに対する強調表示(一例として、文字や背景の色変更)が提供されてよい。このとき、任意の閾値は、ウォレットごとに異なるように設定されてよい。
【0067】
図7は、本発明の一実施形態における、暗号通貨システムの暗号通貨ウォレット管理方法を示した例示図である。本実施形態に係る暗号通貨ウォレット管理方法は、上述した、暗号通貨システムを実現するコンピュータ装置200によって実行されてよい。このとき、コンピュータ装置200のプロセッサ220は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる制御命令(instruction)を実行するように実現されてよい。ここで、プロセッサ220は、コンピュータ装置200に記録されたコードが提供する制御命令にしたがってコンピュータ装置200が図7の方法に含まれる段階710~730を実行するようにコンピュータ装置200を制御してよい。
【0068】
段階710で、コンピュータ装置200は、予め設定された条件にしたがって複数の取引を1つに束ねた、バンドル取引を生成してよい。予め設定された条件は、前記複数の取引による資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つを含んでよい。一例として、ユーザの資金の最大限がCold形態のウォレットで維持されなければならず、Hot形態のウォレットでユーザの資金を最大24時間にわたって維持できる場合、コンピュータ装置200は、24時間(一日)の期間単位で複数の取引を束ねてバンドル取引を生成してよい。このとき、コンピュータ装置200は、複数の取引それぞれに対するアドレスを設定してよい。
【0069】
段階720で、コンピュータ装置200は、生成されたバンドル取引に対する、Cold形態のウォレットからWarm形態のウォレットへのオフラインキー署名による出金処理の完了を確認してよい。例えば、コンピュータ装置200は、Cold形態のウォレットを管理する運営者のオフライン媒体から入力される署名キーを利用してバンドル取引に対する署名が処理されたバンドル取引による資金が、Cold形態のウォレットからWarm形態のウォレットに移動することを確認してよい。ここで、Cold形態のウォレットは、図3を参照しながら説明したUser Cold310に対応してよく、Warm形態のウォレットは、図3を参照しながら説明したCorp Warm320に対応してよい。ここで、Warm形態のウォレットは、会社に入庫される資金を管理するために、ホワイトリスト処理された一部のウォレットにしか出庫することができないウォレットを含んでよく、署名が処理されたバンドル取引による資金は、このようなWarm形態のウォレットにしか転送することができない。言い換えれば、Cold形態のウォレットの運営者は、バンドル取引に対する署名のために署名キーを入力させる過程を処理するだけで、複数の取引それぞれに対するアドレスはコンピュータ装置200が設定し、署名が処理されたバンドル取引による資金はCold形態のウォレットからWarm形態のウォレットにしか転送することができないため、運営者の誤ったアドレスの入力によるエラーやインサイダーの不正行為による問題を解決することができる。
【0070】
段階730で、コンピュータ装置200は、複数の取引それぞれに対して設定されたアドレスへの資金の移動をWarm形態のウォレットで処理してよい。このとき、コンピュータ装置200は、複数の取引それぞれに対して設定されたアドレスによって、会社の資金とユーザの資金を互いに異なるウォレットに区分して移動させてよい。例えば、会社の資金は、図3を参照しながら説明したCorp Hot330に、ユーザの資金も、図3を参照しながら説明したUser Hot340にそれぞれ区分して移動させてよい。
【0071】
図8は、本発明の一実施形態における、暗号通貨システムの暗号通貨ウォレット管理方法の他の例を示した図である。本実施形態に係る暗号通貨ウォレット管理方法は、上述した、暗号通貨システムを実現するコンピュータ装置200によって実行されてよい。このとき、コンピュータ装置200のプロセッサ220は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる制御命令(instruction)を実行するように実現されてよい。ここで、プロセッサ220は、コンピュータ装置200に記録されたコードが提供する制御命令にしたがってコンピュータ装置200が図8の方法に含まれる段階810~860を実行するようにコンピュータ装置200を制御してよい。
【0072】
以下で説明する第1~5ウォレットは、図5を参照しながら説明したウォレットに対応してよい。より具体的に、第1ウォレットはUser Warm(C)530に、第2ウォレットはUser Hot(C)540に、第3ウォレットはOPS Cold550に、第4ウォレットはCold560に、第5ウォレットはWarm520にそれぞれ対応してよい。
【0073】
段階810で、コンピュータ装置200は、コンピュータ装置200を含む暗号通貨システムのサービス提供者が付与したユーザアドレスへの暗号資産の移動にしたがい、ウォーム(Warm)形態の第1ウォレットへの資金の入庫のためのデータを処理してよい。ここで、第1ウォレットは、上述したように、User Warm(C)530に対応してよい。例えば、コンピュータ装置200は、外部ウォレットからユーザに付与された各ユーザアドレスに移動した暗号資産に基づいて、第1ウォレットへの資金の移動を処理してよい。
【0074】
段階820で、コンピュータ装置200は、ユーザ要求に対する応答として、Hot形態の第2ウォレットでユーザ資金を予め代納するためのデータを処理してよい。ここで、第2ウォレットは、上述したように、User Hot(C)540に対応してよい。このとき、コンピュータ装置200は、ユーザ資金に基づいて暗号通貨システムと関連するユーザの暗号資産のうちの少なくとも一部またはすべての出庫をロック処理(locking)した後、サービス提供者の暗号資産で先出庫又は事前出庫を行ってよい。
【0075】
段階830で、コンピュータ装置200は、第1ウォレットに入庫された資金を予め設定された第1条件にしたがってまとめて計算した資金を、オフライン署名キーによって管理されるコールド(Cold)形態の第3ウォレットに移動させてよい。ここで、第3ウォレットは、上述したように、OPS Cold550に対応してよい。例えば、コンピュータ装置200は、第1条件として、前記第1ウォレットに入庫された資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つの条件にしたがい、前記第1ウォレットに入庫された資金を前記第3ウォレットに移動させてよい。オフライン署名キーは、USBのように運営者が所有する媒体に記録された署名キーを含んでよい。
【0076】
段階840で、コンピュータ装置200は、第3ウォレットの運営による資金を、前記サービス提供者と関連するウォーム形態の第5ウォレットから前記第3ウォレットに移動させてよい。ここで、第5ウォレットは、上述したように、Warm520に対応してよく、運営による資金は、一例として、第3ウォレットを運営しながら発生する出庫手数料やネットワーク費用などを含んでよい。
【0077】
段階850で、コンピュータ装置200は、第2ウォレットに予め代納されたユーザ資金を予め設定された第2条件にしたがってまとめて計算した資金を、第3ウォレットから第2ウォレットに移動させてよい。例えば、コンピュータ装置200は、第2条件として、前記第2ウォレットに移動させる資金の量が特定の金額以上の条件、および特定の期間単位で資金を移動させる条件のうちの少なくとも1つの条件にしたがい、予め代納されたユーザ資金に対応する資金を第3ウォレットから第2ウォレットに移動させてよい。
【0078】
段階860で、コンピュータ装置200は、オフライン署名キーによって管理されるコールド形態の第4ウォレットと前記第3ウォレット間の資金を調整するためのデータを処理してよい。このとき、第4ウォレットの管理のためのオフライン署名キーは、第3ウォレットの管理のためのオフライン署名キーよりも相対的に高い権限を有してよい。ここで、第4ウォレットは、上述したように、Cold560に対応してよい。
【0079】
このように、本発明の実施形態によると、暗号通貨システムでブロックチェーンを利用して顧客の資産と会社の資産を分別して管理し、顧客の資産を論理的に大部分(一例として、99.9%以上)コールド(Cold)形式のウォレットに保管しながらも、オフライン出金を最小化することができる。
【0080】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特定用途コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者であれば、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0081】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、所望のように動作するように処理装置を構成したり、個別にまたはまとめて処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置(Virtual Equipment)、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0082】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。前記コンピュータで読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して記録するものであっても、実行またはダウンロードのために一時記録するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令が記録されるように構成されたものであってよい。また、媒体の他の例として、アプリケーションを配布するアプリケーションストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体または格納媒体が挙げられる。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけではなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0083】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0084】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付の特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】