(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】プリント回路基板、インサートとしての金属セラミック基板、及びそのようなインサートの製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240325BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240325BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H01L23/12 301J
H05K3/46 T
H05K1/14 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023554354
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2022054529
(87)【国際公開番号】W WO2022189149
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021105529.6
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515063390
【氏名又は名称】ロジャーズ ジャーマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Rogers Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Stadtwald 2, D-92676 Eschenbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マチュー、オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
5E316
5E344
【Fターム(参考)】
5E316AA22
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC16
5E316CC17
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC35
5E316CC36
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD22
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5E316FF04
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5E316GG28
5E316HH40
5E316JJ12
5E344AA05
5E344BB02
5E344BB06
5E344BB08
5E344BB10
5E344CC05
5E344EE30
(57)【要約】
電気部品(5)及び/又は導電路(4)のためのプリント回路基板(100)であって、主延長面(HSE)に沿って延びている基体(2)と、基体(2)に一体化されたインサート(1)と、を備え、インサート(1)が、金属セラミック基板(15)と、電気及び/又は電子部品(5)と、少なくとも電気及び/又は電子部品(5)を包囲する封止部(10)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品(5)及び/又は導電路(4)のためのプリント回路基板(100)であって、
主延長面(HSE)に沿って延びている基体(2)と、
基体(2)に一体化されたインサート(1)と、
を備え、
インサート(1)は、金属セラミック基板(15)と、電気及び/又は電子部品(5)と、少なくとも電気及び/又は電子部品(5)を包囲する封止部(10)とを備える、プリント回路基板(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)は、少なくとも1つのインサート面接続部(8)を有し、
少なくとも1つのインサート面接続部(8)は、インサート(1)の部品面(BS)上に形成され、金属セラミック基板(15)から離れる方に面する部品面上で、スルーホールめっき(9)を介して封止部(10)内の電気又は電子部品(5)に、特に、電気又は電子部品(5)上の部品面接続部(7)に接続されている、プリント回路基板(100)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプリント回路基板(100)において、
金属セラミック基板(15)は、部品メタライゼーション部(20)、セラミック要素(30)、及び、好ましくは裏面メタライゼーション部(20‘)を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
部品メタライゼーション部(20)は構造化され、
好ましくは、部品メタライゼーション部(20)の2つの金属部分(21)の間の空間が、封止部(10)の材料で充填されている、プリント回路基板(100)。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
封止部(10)は、電気及び/又は電子部品(5)と、金属セラミック基板(15)の少なくとも一部とを取り囲む、プリント回路基板(100)。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)の側壁(SW)は、輪郭を形成するようにモデル化され、例えば、セラミック要素(30)は、部品メタライゼーション部(20)及び/又は裏面メタライゼーション部(20’)に対して、主延長面(HSE)に平行な方向に突出する、プリント回路基板(100)。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)は、封止部(10)内に入れられかつ金属セラミック基板(15)の部品メタライゼーション部(20)をインサート(1)のインサート面接続部(8)に結合する、更に別のスルーホールめっき(19)を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項8】
請求項2~7のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
部品面接続部(7)とインサート面接続部(8)との間の積層方向(S)に寸法決めされた距離(D)は、100μm~500μmの値を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)は、ヒートシンク(40)を含む、プリント回路基板(100)。
【請求項10】
請求項9に記載のプリント回路基板(100)において、
ヒートシンク(40)は、少なくとも1つの冷却チャネル及び/若しくは少なくとも1つの冷却フィンを有し、かつ/又はセラミック要素(30)に直接接続されている、プリント回路基板(100)。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
少なくとも1つの配線レベル(11)が封止部(10)に一体化されている、プリント回路基板(100)。
【請求項12】
請求項1~11のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
基体(2)がインサート(1)とは異なる材料組成を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項13】
請求項1~12のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
封止部(10)は、
基体(2)材料、並びに/又は
プラスチック、硬質紙、及び/若しくはエポキシ樹脂から製造されている、プリント回路基板(100)。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)用のインサート(1)。
【請求項15】
請求項1~13のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)の製造方法であって、
インサート(1)及び基体(2)が用意され、
インサート(1)が基体(2)に挿入され、
インサート(1)及び基体(2)が、接着結合、圧力嵌合、及び/又は形状嵌合方式で互いに結合される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板、そのようなプリント回路基板用のインサートとしての金属セラミック基板、及びそのようなインサートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板は、従来技術から十分に知られている。このようなプリント回路基板は、導電路、電気部品、及び/又は接続部から形成又は構成された電気回路のための担体として機能する。電気回路は、好ましくは、プリント回路基板の一方の部品面上に形成されている。PCB(printed circuit board)(プリント回路基板)としても知られるこのようなプリント回路基板は、通常、プラスチック、特に繊維強化プラスチック、エポキシ樹脂、及び/又は硬質紙で製造されている。このような材料の使用は、特に費用効果が高く、製造プロセス中の取り扱いが容易であることが証明されている。しかしながら、これらのプリント回路基板材料は、制限された熱伝導率を有するが、熱伝導率は、動作中に電気部品から発する熱を放散するために必要であることが分かっている。加えて、絶縁能力が制限されている。したがって、電子部品の性能が向上するにつれて、通常の材料から製造されたプリント回路基板は、動作中に発生する応力に永続的に耐え、かつ良好な絶縁特性を提供するのに適していない。
【0003】
他方、金属セラミック基板として構成されたプリント回路基板は、高い絶縁能力によって特徴付けられ、それらは、典型的には、上述の材料の熱伝導率と比較して高い熱伝導率を有する。しかしながら、金属セラミック基板の製造は、プラスチック、エポキシ樹脂、及び/又は硬質紙から製造されたプリント回路基板の製造よりも複雑であり、コストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に基づいて、本発明は、電子部品の熱放散及び絶縁能力に対する厳しい要件を満たし、同時に、より低いコストで製造することができるプリント回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載のプリント回路基板、請求項9に記載のインサート、及び請求項10に記載の方法によって解決される。更なる実施形態は、後続の特許請求の範囲及び説明に見出すことができる。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、電気部品及び/又は導電路のためのプリント回路基板であって、
主延長面に沿って延びている基体と、
基体に一体化されたインサートと、
を備えることが意図されており、
インサートが、金属セラミック基板と、電気及び/又は電子部品と、少なくとも電気及び/又は電子部品を包囲する封止部とを備える。
【0007】
従来技術から知られているプリント回路基板と比較して、本発明によれば、プリント回路基板の基体は、プラスチック、硬質紙、及び/又はエポキシ樹脂などの一般的な材料のうちの1つから完全に形成されているのではなく、プリント回路基板の一部分のみが、少なくとも特許請求の範囲に記載のインサートから形成されていることが意図されている。具体的には、封止された部品を備えた金属セラミック基板は、特に局所的に高い熱伝導率を提供するために、プリント回路基板の基体に埋め込まれている、又は挿入されている。これにより、例えば、プリント回路基板の、発熱の増加が予想される領域にインサートを挿入する又は埋め込むことが可能になる。同時に、基体の大部分を、プラスチック、特に繊維強化プラスチック、エポキシ樹脂、又は硬質紙などの材料から製造することが可能であり、これらの材料は、費用効果が高く、取り扱いが容易である。
【0008】
特に、動作中に増大した発熱を示す電気又は電子部品を、各場合においてそれぞれの部品の発熱に適合された環境に直ちに提供することが有利であることが分かる。これは、特許請求の範囲に記載のインサートによって有利に実現され、金属セラミック基板の対応する設計によって、例えば、主延長面に対して垂直に延びる積層方向に沿った部品メタライゼーション部及び/又は裏面メタライゼーション部及び/又はセラミック要素の寸法決めに関して、電気部品から発するそれぞれの発熱が考慮される。例えば、金属セラミック基板の部品メタライゼーション部の厚さは、それぞれの部品に対して可能な限り最も速い熱放散を提供するために、部品のそれぞれの発熱に適合されることが考えられる。それぞれのインサートは、その後、プリント回路基板の基体に挿入される必要があるだけである。部品に電力を供給し、部品を駆動するために、部品とインサートの外側との間に電気的結合が設けられている。好ましくは、各場合において、インサートに対して単一の部品のみが意図されている、又はインサートは、複数の部品を含む。更に、当業者は、部品の包囲封止部によって、部品がいずれの側にも、すなわち、いずれの外側にも露出されていないことを理解する。
【0009】
加えて、封止部によって、電気及び電子部品を外部から保護することも可能である。加えて、基体への部品の一体化が簡略化され、インサート面接続部、すなわち、インサート上の接続部と、プリント回路基板上の対応する導電路及び/又は接続部との間の結合のみを実現する必要がある。加えて、封止部内に一体化された部品は、プリント回路基板の外側から突出しなくなり、これにより、更に、それぞれのプリント回路基板の環境から部品を保護する。
【0010】
好ましくは、特に、設置状態において形状嵌合された、対応して輪郭形成された側壁を有するインサートは、積層方向に平行な方向に基体と協働することが意図されている。加えて、基体とインサートとの間の形状嵌合結合は、接着結合及び/又は圧力嵌合接続によって支持されていることが考えられる。
【0011】
更に、プリント回路基板の割合における1つ又は複数のインサートの割合は、30%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満であることが特に意図されている。更に、インサートは、プリント回路基板の基体の部品面から基体の裏面まで延びていることが意図されている。換言すれば、インサートは、両面、すなわち、部品面及び裏面上で、主延長面に対して垂直な方向において基体と実質的に面一である。基体と、インサートとして機能する金属セラミック基板との間の形状嵌合接続は、特に、金属セラミック基板と基体との間の永続的な結合を提供し、これにより、インサートがプリント回路基板から外れることを防止する。好ましくは、形状嵌合は、基体の主延長面に対して垂直である可能な両方向に作用する。更に、インサートに加えて、更なるインサートが基体に配置されていることが考えられる。また、インサートが部品面上でのみ基体と面一であり、金属セラミック基板の裏面が基体によって包囲されていることも考えられる。換言すれば、金属セラミック基板又はインサートは、プリント回路基板の基体の凹部に埋め込まれている、又は挿入されている。これにより、主延長面に平行な形状嵌合接続も得られる。
【0012】
特に、金属セラミック基板及び基体は、それらの熱膨張係数が可能な限り類似するように構成されていることが意図されている。換言すれば、インサートと基体との熱膨張係数の差は、可能な限り小さく保たれる。この目的のために、例えば、セラミック要素の対応する厚さは、金属セラミック基板において設定される。安定化層が熱機械的膨張係数を適合させるために意図されていること、又はいくつかの金属層及び/若しくは異なるメタライゼーション部(例えば、部品メタライゼーション部及び裏面メタライゼーション部が異なる金属又は材料から製造されている)が対応する方法で所望の適合を提供するために使用されることも考えられる。このようにして、動作中に生じる伸長の結果として、例えば亀裂を引き起こす可能性がある著しい機械的応力が基体と金属セラミック基板との間に生じないことを確実にすることができる。好ましくは、金属セラミック基板に異なるセラミック要素が使用されることも考えられる。
【0013】
形状嵌合に加えて、インサートの側面と基体との間に材料結合が実現される場合、有利であることが証明されている。
より好ましい実施形態によれば、形状嵌合協働を形成するために、
インサート、好ましくは金属セラミック基板及び/若しくは封止部が、主延長面に平行でない側面上で輪郭形成されていること、並びに/又は
金属セラミック基板のセラミック要素及び/若しくはインサートの一部が、金属セラミック基板の部品メタライゼーション部及び/若しくは裏面メタライゼーション部の反対側の主延長面に平行な方向に突出すること、
が意図されている。
【0014】
例えば、側面、特に封止部、部品メタライゼーション部、及び/又は裏面メタライゼーション部の側面が、凹状及び/又は凸状に湾曲又は屈曲していることが意図されている。代替的に、インサートがその側壁又は側面において階段状に形成されていることも考えられる。特に、基体は、主延長面に対して垂直な1つの方向又は両方の方向に形状嵌合を引き起こすように、封止部、メタライゼーション部、及び/又は裏面メタライゼーション部の側面上の凹部及び/又は凸部に係合することが意図されている。例えば、封止部又は部品メタライゼーション部の最外縁部が階段状であること、特に、段の開口領域が部品面及び/又は裏面に面する面上に形成されているように階段状であることが考えられる。対応する方法では、部品は、熱の等方性移送を考慮して、熱拡散が部品メタライゼーション部によって完全にカバーされるように、部品メタライゼーション部上に配置することができる。ここでいずれにしても熱伝達に寄与しない部品メタライゼーション部の部分は、この階段状経路において適切な方法で除去され、基体によって置き換えられる。好ましくは、セラミック要素の突出部分は、形状嵌合接合部を形成するために使用される。特に、これは、プルバックとして知られる部分であり、部品メタライゼーション部と裏面メタライゼーション部との間に十分な絶縁を提供する。
【0015】
好ましくは、インサートは、1mm~200mm、より好ましくは4mm~60mm、最も好ましくは6mm~30mmの値を有する、主延長面に平行に寸法決めされた平面内の最大広がりを有することが意図されている。これにより、必要に応じてプリント回路基板内の熱伝導率を局所的に増加させるために使用することができる比較的小さな寸法のインサートが提供される。特に、比較的多くの個々のインサートをマスターカードから提供することができる。このようなマスターカードは、適切な接続プロセスを介して実行される、部品メタライゼーション部の裏面メタライゼーション部への接続直後のフォーマットによって定義される。
【0016】
特に、側面は、1μm~200μm、より好ましくは20μm~100μm、最も好ましくは25μm~60μmの値を有する変調深さ又は高さを有するように輪郭形成されていることが意図されている。これに関連して、変調深さ又は高さは、(主延長面に平行な平面において測定された)金属セラミック基板の最も狭い点に割り当てられた意図された円筒状の外側経路からの主延長面に平行な方向に測定された偏差として理解されるべきである。意図された円筒状の外側経路は、主延長面に対して垂直に延びている。また、変調深さは、部品メタライゼーション部及び/又はセラミック要素が、主延長面に平行な方向に裏面メタライゼーション部に対して突出することによって生じることも考えられる。例えば、セラミック要素の領域における側面が、積層方向に対して斜めの輪郭を有する(言い換えれば、セラミック要素の上面及び下面が異なる大きさの直径を有する)ことも考えられる。
【0017】
例えば、封止部、部品メタライゼーション部、及び/又は裏面メタライゼーション部の領域における1つ又は複数の側面の経路が積層方向に平行に延びている(すなわち、部品メタライゼーション部及び/又は裏面メタライゼーション部の断面が、積層方向に見たときに、部品メタライゼーション部又は裏面メタライゼーション部の領域において本質的に一定である)ことが考えられる。この場合、変調深さは、好ましくは、セラミック要素のレベルにおけるレッジによって実現される。この場合、変調深さは、セラミック要素の領域における輪郭形成又は変調によって生成することができ、積層方向における輪郭形成は、セラミック要素の厚さにわたって連続的であってもよく、又はセラミック要素の高さにおいて離散的若しくは急峻であってもよい。
【0018】
更に、インサートが、インサートの外周の全体的な経路に対して主延長面に平行な方向に突出する1つ以上のレッジを有することが考えられる。この、好ましくはノーズ状のレッジは、有利には、外周に沿った周方向に追加の形状嵌合を生じさせることができ、これにより、基体内の回転固定配置を支持する。有利には、そのようなレッジは、レーザ光及び/又はウォーターカッティングによってマスターカードから金属セラミック基板を切り出すことによって形成されることが見出された。
【0019】
より好ましい実施形態によれば、インサートが少なくとも1つのインサート面接続部を有することが意図され、少なくとも1つのインサート面接続部は、インサートの部品面上に形成され、スルーホールめっきを介して電気又は電子部品に、特に電気又は電子部品上の部品面接続部に、金属セラミック基板から離れる方に面する部品面上で接続されている。接続部は、有利には、封止された、特に埋め込まれた電気又は電子部品を、導電路及び/又はインサート面接続部によってインサートの外側から制御し、電気的に供給することを可能にする。この場合、スルーホールめっきは、封止部を貫通し、したがって、インサートの外側と、埋め込まれた又は封止された電気又は電子部品との間の結合を形成する。したがって、それらの上面に部品面接続部を有する対応する電気部品又は電子部品によって、インサートの外側との電気的結合を実現する短縮されたスルーホールめっきを提供することができる。特に、このようなインサートは、プリント回路基板に一体化されたインサートが、インサートの上面、すなわちセラミック基板から離れる方に面するインサート面上でプリント回路基板の部品面と面一である場合に有利であることが意図されている。これにより、プリント回路基板の外側に導電路のための共通平面をもたらし、電気又は電子部品は、この部品面に対して、プリント回路基板の内部、特にインサートの内部に埋め込むことができる。
【0020】
好ましくは、金属セラミック基板は、部品メタライゼーション部、セラミック要素、及び裏面メタライゼーション部を有することが意図されている。特に、裏面メタライゼーション部は、一方の側のセラミックと他方の側の金属との熱膨張係数が異なることに起因してさもなければ金属セラミック基板内に引き起こされる熱機械応力に対抗するのに有利であることが分かる。部品メタライゼーション部、セラミック要素、及び裏面メタライゼーション部を対称的に配置することによって、対応する応力発生に対抗することが可能である。これは、インサートの耐用年数にとって有利であり、したがって、プリント回路基板の耐用年数にとっても有利であることが分かる。
【0021】
好ましくは、部品メタライゼーション部が構造化され、好ましくは、部品メタライゼーション部の2つの金属部分の間の空間が封止部の材料で充填されていることが意図されている。この場合、2つの金属部分は、構造化によって互いに電気的に絶縁されている。これにより、それぞれの金属部分を異なる電気部品及びそれらの制御のために個別に使用することが可能になる。それぞれの金属部分をインサート及び/又はプリント回路基板の外側に電気的に結合するために、更なるスルーホールめっきが形成されていることが意図され、スルーホールめっきは、封止部の外側、特にプリント回路基板の部品面から、封止部を通って部品メタライゼーション部まで延びている。
【0022】
好ましくは、封止部は、電気及び/又は電子部品と、金属セラミック基板の少なくとも一部とを取り囲むことが意図されている。例えば、電気又は電子部品に加えて、部品メタライゼーション部、セラミック要素、及び/又は裏面メタライゼーション部が、特にインサートの面上の、封止部によって取り囲まれていることが考えられる。このようにして、有利には、封止部の材料によって可能な限り形成されている側壁を提供することが可能である。これは、基体へのインサートの簡略化された接続を可能にする場合に有利であることが分かる。例えば、適切な接着手段によって、金属セラミック基板と基体との間よりも効果的な封止部と基体との間の結合を実現できることが考えられる。基体とインサートとの間の形状嵌合接続を支持するために、対応する輪郭形成を側壁に組み込むことも考えられる。更に、封止部は、基体及び/又は金属セラミック基板の対応する伸長を補償する、基体と金属セラミック基板との間のバッファとして機能するように構成されていることが考えられる。結果として、インサート及び/又はプリント回路基板の耐用年数を改善することができる。
【0023】
好ましくは、インサートの側壁は、輪郭を形成するようにモデル化され、例えば、セラミック要素は、部品メタライゼーション部及び/又は裏面メタライゼーション部に対して主延長面に平行な方向に突出する。この点に関して、セラミック要素は、例えば、封止部から突出してもよく、又は封止部に対して突出してもよい。
【0024】
好ましくは、インサートは、封止部内に入れられ、かつ金属セラミック基板の部品メタライゼーション部をインサートのインサート面接続部に結合する、更なるスルーホールめっきを有することが意図されている。好ましくは、部品面接続部とインサート面接続部との間の積層方向に寸法決めされた距離は、100μm~500μmの値を有することが意図されている。これにより、有利には、部品面接続部とインサート面接続部との間の可能な限り小さい距離を実現することが可能になり、これは、インサートの外側との電気部品の可能な限り損失のない、特に寄生インダクタンスによる損失のない通信にとって有益であることが分かる。
【0025】
更に、インサートは、主延長面に平行な平面において、その周囲に丸い又は丸みを帯びた角部を有することが考えられる。したがってコア効果を打ち消すことができるので、これは、有利であることが分かる。
【0026】
好ましくは、インサートは、ヒートシンクを含む。これにより、有利には、特に所与の適用分野において、インサートの冷却挙動を最適化又は適合させることが可能になる。例えば、対応する個別に構成されたヒートシンクによって、インサートの領域における冷却効率を高めることが可能である。特に、インサートの材料特性、すなわち特に金属セラミック基板及び封止部への適合が可能である。これにより、有利には、例えば、インサートが異なる熱膨張係数に起因して封止部及び金属セラミック基板から分離する傾向があること、又はここで応力を生成する傾向があることを防止するのに十分な熱放散を可能にする。
【0027】
例えば、ヒートシンクは、少なくとも1つの冷却チャネル及び/若しくは冷却フィンを有し、かつ/又はセラミック要素に直接接続されている。例えば、冷却チャネルは、裏面メタライゼーション部に一体化されたループ状又はU字形状の冷却チャネルである。この目的のために、例えば、対応する凹部を有するいくつかの金属層が互いの上に積み重ねられ、後続の結合プロセスによって互いに結合され、それによって、複雑な冷却チャネル構造を実現することができ、それは、特に、インサートの上面上で最も均一な可能な冷却効率を提供するために使用することができる。あるいは、共通の冷却媒体、例えば冷却液によってこのように冷却されるために、少なくとも1つの冷却フィン又はいくつかの冷却フィンが、インサートの下面に接続されていることが考えられる。冷却構造は、基体によって提供される冷却構造と面一であることが考えられる。しかしながら、インサートのヒートシンクがインサートの裏面に対して突出及び/若しくは後退すること、又は基体の冷却構造に対して突出及び/若しくは後退することも考えられる。
【0028】
好ましくは、少なくとも1つの配線レベルが封止部に一体化されていることが意図されている。このような配線レベルは、少なくとも2つ以上の電気又は電子部品の封止に特に適している。なぜなら、このようにして、個々の部品間の電気的接触を配線レベルを介して実現することができるからである。例えば、この場合、配線レベルを介して、外側の共通のスルーホールめっきとの接続を提供することができ、それを介して、例えば、異なる電気部品に電力を供給する目的で、電気的接触を行うことができることが考えられる。
【0029】
特に、好ましくはいくつかの配線レベル及びスルーホールめっき又は更なるスルーホールめっきによって、封止部に埋め込まれた三次元導体トラック構造が実現されることが考えられる。これにより、インサートをプリント回路基板に挿入した後にそれに応じて接続しなければならない複雑な封止部又は配線を上面に設ける必要なく、より複雑な回路をインサートに一体化させることができる。
【0030】
好ましくは、基体がインサートとは異なる材料組成を有することが意図されている。換言すれば、インサートは、特に、特定の材料で封止された金属セラミック基板から製造されているが、プリント回路基板は、好ましくはセラミックを含まない、又は、例えば、エポキシ樹脂若しくは他の繊維強化プラスチックなどのプリント回路基板に一般的に使用される材料から製造されていることが意図されている。
【0031】
好ましくは、封止部は、基体材料、並びに/又はプラスチック、硬質紙、及び/若しくはエポキシ樹脂から製造されていることが意図されている。封止部を特に基体の材料に適合させることによって、有利には、封止部と基体との間に生じ得る応力を抑制すること、又は更には回避することが可能である。しかしながら、それに応じて材料を適合させることによって、基体と封止部との間の特定の圧力嵌合を確実にし、それにより、基体におけるインサートの固定を安定させ、強化することも有利であり得る。
【0032】
更に、より好ましくは、インサートは、成形された基体に挿入することができるように構成されていることが意図されている。換言すれば、基体は、一体に製造され、インサートは、一体に製造されたインサートに挿入することができる。このより好ましい実施形態では、基体は、インサートの周りに構築されていない。
【0033】
好ましくは、封止部は、好ましくはプラスチック、硬質紙、及び/又はエポキシ樹脂による「圧縮成形」、「トランスファー成形」、又は「プレパッケージング」である/によって製造されていることが意図されている。
【0034】
本発明の別の目的は、本発明によるプリント回路基板用のインサートである。プリント回路基板に関して説明した全ての利点及び特性は、インサートにも同様に転用することができ、逆もまた同様である。
【0035】
本発明の更なる目的は、本発明によるプリント回路基板の製造方法であって、インサート及び基体が用意され、インサートが基体に挿入され、インサート及び基体が、接着結合、圧力嵌合、及び/又は形状嵌合方式で互いに結合される、方法である。プリント回路基板に関して説明した全ての利点及び特性は、本方法にも同様に転用することができ、逆もまた同様である。
【0036】
好ましくは、インサートは、積層方向にインサートとプリント回路基板の基体との間の形状嵌合接続を達成するために輪郭形成されている。特に、輪郭形成は、例えば、エッチングによって、機械加工によって、例えば、フライス加工によって、レーザ光を用いた機械加工によって、及び/又は水の噴流によって行われることが考えられる。
【0037】
更に、インサートの外側を電気又は電子部品に接続する対応するスルーホールめっきを実現するために、封止部に孔が開けられていることが意図されている。代替的に、後続のスルーホールめっきのための空間が封止部製造プロセス中に形成されることが考えられる。例えば、この目的のために、金型、特に金型半体の対応する形状が、射出成形又は鋳造プロセス、例えば射出成形プロセスにおいて、対応する自由空間が後のスルーホールめっきのために提供されることを確実にすることが意図されている。より好ましくは、変位可能に取り付けられたスタンピング要素は、キャビティが充填される前にこれらのスタンピング要素が変位され、特に、金属セラミック基板上に埋め込まれた電気又は電子部品上に配置されていることを確実にするために、金型内に入れられることが意図されている。これにより、有利なことに、電気及び/又は電子部品が、封止部形成プロセス中に、金属セラミック基板に結合された部品のわずかな変位変化又は位置の変化に起因して損傷を受けることを防止する。
【0038】
金属セラミック基板の本質的な部品は、より好ましくは完全にセラミックから製造された絶縁層、及び絶縁層に結合された少なくとも1つの金属層である。セラミックから製造された絶縁層は、それらの比較的高い絶縁強度のために、パワーエレクトロニクスにおいて特に有利であることが証明されている。金属層を構造化することによって、電気部品のための導電路及び/又は接続領域を実現することができる。好ましくは、インサートとして意図されている金属セラミック基板の部品メタライゼーション部は、構造化されておらず、閉じた表面を形成することが意図されている。このような金属セラミック基板を提供するための前提条件は、金属層とセラミック層との間の永続的な結合である。いわゆる直接冶金結合プロセス、すなわちDCB又はDABプロセスに加えて、活性はんだ付けプロセス、厚膜コーティングプロセス、拡散結合、及び/又は熱間静水圧結合を介した結合も考えられる。
【0039】
金属層又はメタライゼーション部のために考えられる材料は、銅、アルミニウム、モリブデン、タングステン、及び/又はCuZr、AlSi、又はAlMgSiなどのそれらの合金、並びにCuW、CuMo、CuAl、及び/又はAlCuなどの積層体、あるいはCuW、CuMo、又はAlSiCなどのMMC(metal matrix composite)(金属マトリックス複合材)である。更に、より好ましくは、金属層又はメタライゼーション部は、特に部品メタライゼーション部として、製造された金属セラミック基板上で表面改質されていることが意図されている。考えられる表面改質としては、例えば、貴金属、特に銀;及び/若しくは金、又は(無電解)ニッケル若しくはENIG(electroless nickel immersion gold)(「無電解ニッケル浸漬金」)によるシーリング、あるいは亀裂形成若しくは膨張を抑制するためのメタライゼーション部上のエッジシーリングが挙げられる。例えば、部品メタライゼーション部の金属は、裏面メタライゼーション部の金属とも異なる。
【0040】
好ましくは、セラミック要素は、セラミックの材料としてAl2O3、Si3N4、AlN、HPSXセラミック(すなわち、xパーセント割合のZrO2を含むAl2O3マトリックスを有するセラミック、例えば、9%ZrO2=HPS9を有するAl2O3又は25%ZrO2=HPS25を有するAl2O3)、SiC、BeO、MgO、高密度MgO(理論密度の>90%)、TSZ(正方晶安定化ジルコニア)を含む。また、セラミック要素が複合セラミック又はハイブリッドセラミックとして構成されていることも考えられ、この場合、様々な所望の特性を組み合わせるために、それらの材料組成がそれぞれ異なるいくつかのセラミック層が互いの上に配置され、互いに接合されて、セラミック要素を形成する。
【0041】
好ましくは、インサート、特に金属セラミック基板は、主延長面において丸い輪郭又は丸みを帯びた角部を有することが意図されている。主延長面に平行に延びている平面におけるインサートの断面の対応する形状は、特にプリント回路基板の基体に対するノッチ効果を結果として低減することができるので、有利であることが分かる。これにより、ひいては、インサートを有するプリント回路基板の耐用年数を延ばすことができる。
【0042】
好ましくは、金属セラミック基板が、セラミック要素を備えることが提供され、部品メタライゼーション部が、セラミック要素に結合されており、
主延長面に対して垂直に延びる積層方向において部品メタライゼーション部とは反対側に裏面メタライゼーション部が設けられている若しくは形成されており、
例えば更なるセラミック要素の形態の安定化層が設けられている若しくは形成されており、金属中間層が、セラミック要素と安定化層との間に配置されており、並びに/又は
部品メタライゼーション部及び/若しくは裏面メタライゼーション部が、第1の金属層及び/若しくは第2の金属層を含み、第1の金属層及び第2の金属層は、一方が他方の上に配置されている。
【0043】
特に、基体の熱膨張係数に適合させるために、金属セラミック基板の対応する構成によってインサートの熱膨張係数に影響を与えることが可能である。例えば、安定化層を異なる材料から構成すること、又は安定化層をそれに応じて寸法決めすることが考えられる。セラミック要素の厚さは、基体とインサートとの間の機械的応力が低減されるように、インサートの熱機械的膨張係数を最適化するために使用することもできる。好ましくは、第1の金属層は、粒径に関して第2の金属層とは異なり、より好ましくは、第1の金属層における粒径は、第2の金属層における粒径よりも小さく、及び/又は最も好ましくは、第1の金属層の厚さは、第2の金属層よりも薄い。更に、部品メタライゼーション部の厚さが裏面メタライゼーション部の厚さとは異なることが考えられる。このようにして、有利には、プリント回路基板の基体内のセラミック要素の高さ位置に影響を与えること、特に、絶縁効果を有するセラミック要素が、基体内で、裏面に向かってオフセットされ、部品面から離れて配置されていること、又はその逆を確実にすることが可能である。
【0044】
特に、インサートが基体に再挿入され、インサートと基体とが、接着結合、圧力嵌合、及び/又は形状嵌合方式で互いに結合されていることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
更なる利点及び特徴は、添付の図面を参照して、本発明による目的のより好ましい実施形態の以下の説明からもたらされる。それによって、個々の実施形態の個々の特徴は、本発明の範囲内で互いに組み合わせることができる。
【0046】
これを以下に示す。
【
図1】本発明の第1のより好ましい実施形態によるプリント回路基板の平面図(上)及び断面図(下)の概略図。
【
図2a】本発明によるインサートのより好ましい実施形態の例。
【
図2b】本発明によるインサートのより好ましい実施形態の例。
【
図2c】本発明によるインサートのより好ましい実施形態の例。
【
図3a】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図3b】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図4a】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図4b】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図4c】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図5a】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図5b】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図5c】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図5d】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図6a】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図6b】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図6c】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図6d】本発明によるインサートの実施形態の更なる例。
【
図7a】本発明によるプリント回路基板の実施形態の例。
【
図7b】本発明によるプリント回路基板の実施形態の例。
【
図8】先行する請求項のうちの一項に記載のインサートの更なる実施形態例。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1には、本発明の第1の好ましい実施形態によるプリント回路基板100が、上面図(上)及び断面図(下)で示されている。このようなプリント回路基板100は、特に、電気又は電子部品5、接続部7、及び/又は導電路4によって形成された回路のための担体として機能する。電気又は電子部品5、導電路4、及び/又は、例えばはんだパッド(パット)又ははんだランドの形態の接続部7は、好ましくは、プリント回路基板100の部品面BS上に配置又は接続されている。このようなプリント回路基板100の特に費用効果が高い製造のために、プラスチック、特に繊維強化プラスチック、エポキシ樹脂、及び/又は硬質紙を、本質的に主延長面HSEに沿って延びており、かつその部品面BSに電子部品5が形成されている、又は取り付けられている基体2のための材料として使用することが確立された慣行となっている。好ましくは、電気又は電子部品5は、電力部品である。導電路4は、電気部品5として理解することもできる。
【0048】
特に電気部品5の性能に関して、エレクトロニクスの分野における絶え間ない更なる開発により、基体2に使用される材料は、特に動作中に発生する熱に関して、新しい課題に永続的に耐えることができないことが明らかになっている。これは、特に、プリント回路基板100の基体2に関して言及された材料が比較的低い熱伝導率を有するという事実によるものであり、これは、動作中に電気部品によって生成される熱を十分な程度まで放散することができないことを意味する。
【0049】
他方、金属セラミック基板として構成されたプリント回路基板100は、特に、上述の材料、すなわちプラスチック、特に繊維強化プラスチック、エポキシ樹脂、及び/又は硬質紙の基体2から製造されたプリント回路基板と比較して、それらの熱伝導率が高いために、発生した熱を十分な程度まで放散することができるが、製造技術に関して製造するのがより複雑であり、コストがかかる。
【0050】
プラスチック、エポキシ樹脂、又は硬質紙で製造されたプリント回路基板100のプラスの特性、及び金属セラミック基板のプラスの特性、特にその熱伝導率を利用するために、好ましくは、
図1に示す実施形態によるプリント回路基板100は、主延長面HSEに沿って延びており、かつインサート1が一体化された基体2を有し、インサート1は、金属セラミック基板15を含むことが意図されている。好ましくは、インサート1は、プリント回路基板100において、発熱の増加が予想される位置に配置されていることが意図されている。
【0051】
好ましくは、少なくとも1つのインサート1、好ましくはいくつかのインサート1がプリント回路基板100の基体2に一体化されていることが意図されている。インサート1の部品面BSは、好ましくは、基体2の部品面BSと実質的に面一であり、及び/又はインサート1の裏面RSは、基体2の裏面RSと面一である。更に、好ましくは、インサート1又は複数のインサート1の体積と基体2又はプリント回路基板100全体の体積との割合は、30%未満、より好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であることが意図されている。このように低い割合では、プリント回路基板100の熱特性を効果的に改善することが既に可能であり、同時に、金属セラミック基板15よりも加工が容易でかつコストがかからない基体2用の材料を主に用いて作業することが可能であることが見出されている。
【0052】
好ましくは、インサート1は、特に、主延長方向HSEに対して垂直に延びる積層方向Sに基体2の部品面BS及び裏面RSと部品面BS及び裏面RS上で面一であり、主延長方向HSEに対して垂直に延びる方向に形状嵌合、圧力嵌合、及び/又は接着結合方式で基体2と協働することが意図されている。これにより、プリント回路基板100におけるインサート1の確実な保持を可能にする、又は支持する。特に、結合は、接着結合及び形状嵌合の両方であることが意図されている。好ましくは、一方で基体2の材料であろうと、あるいはセラミック要素30の材料のうちの1つ又はいくつかの材料であろうと、材料の選択は、熱機械応力がプリント回路基板100及び/又は金属セラミック基板15の亀裂及び/又は損傷をもたらすことを防止するために、熱膨張係数の差が可能な限り低く保たれるように行われることが意図されている。好ましくは、インサート1の熱膨張係数は、インサート1の熱膨張係数の30%を超えて、より好ましくは15%を超えて、最も好ましくは10%を超えて、基体2の熱膨張係数から逸脱しない。問題のインサートを選択するために、当業者は、例えば、インサート1のそれぞれの組成についてのシミュレーションを使用し、これらを基体2についての値と比較する。
【0053】
特に、インサート1は、金属セラミック基板15と、電気及び/又は電子部品5とを備えることが意図されている。特に、電気及び/又は電子部品5は、インサート1の一部として金属セラミック基板15の部品メタライゼーション部20に既に結合されており、例えばはんだ付けされている。金属セラミック基板15並びに電気及び/又は電子部品5に加えて、インサート1は、電子及び/又は電気部品5を包囲し、好ましくはそれを部品面BSに対して完全に閉じ、したがって、それを包囲する、封止部10を更に備える。このようにして、動作中に熱が放出される電気及び/又は電子部品5を、インサート1としての金属セラミック基板15と共に、プリント回路基板100の基体2内に有利な方法で既に入れておくことができる。このようにして、動作中に増大した熱が放出されるこのような電気及び/又は電子部品5は、適切な熱放散が確実にされるように、対応する環境に直ちに設置することができる。
【0054】
好ましくは、この目的のために、インサート1は、主延長面HSEに対して垂直であり、かつインサートの部品面BSと裏面RSとを互いに接続する、全体的な経路を有する側壁SWを有することが意図されている。好ましくは、側壁SWは、プリント回路基板100の基体2と組み立てられた状態において形状嵌合接続を形成するように、例えば凹状及び/又は凸状に輪郭形成されている。
【0055】
図2a~
図2cは、本発明によるインサート1のより好ましい実施形態の例を示す。
図2aでは、インサート1は、封止部10が電気及び/又は電子部品5を取り囲む、すなわち、部品5がいずれの面上にも露出しないように、少なくとも3つの異なる面上で電気及び/又は電子部品5を取り囲むように意図されている。特に、電気及び/又は電子部品5は、封止部10に埋め込まれており、封止部10は、中実であり、すなわち空洞がない。特に、それは、プレス、鋳造、又は射出成形プロセスの範囲内で製造された封止部10である。このような封止部10は、中実であり、比較的容易に製造することができる。更に、好ましくは、インサート面接続部8は、封止部10の外側、特に、設置状態において部品面BSに面する外側にあることが意図されている。これらのインサート面接続部8を介して、例えば他の導電路4又は外部ラインへの接続又は接触を、設置状態で行うことができる。インサート面接続部8は、好ましくは、封止部10のスルーホールめっき9を介して部品面接続部7に接続されている。特に、これらは、上面、すなわち、金属セラミック基板15から離れる方に面する部品5の面上に配置されている部品面接続部7である。更に、好ましくは、封止部10は、積層方向Sに沿って第1の厚さD1を有し、金属セラミック基板15は、第2の厚さD2を有することが意図されている。好ましくは、第1の厚さD1と第2の厚さD2との比は、0.1~0.7、より好ましくは0.15~0.4、より好ましくは0.18~0.23の値を有するようになっている。更に、より好ましくは、封止部10は、積層方向Sに測定された部品面接続部7とインサート面接続部8との間の距離Dが100μm~500μmの値を有するように寸法決めされていることが意図されている。これにより、有利には、外部インサート面接続部8と部品5上の封止された部品面接続部7との間に、可能な限り電気的損失のない接続を実現することが可能になる。
【0056】
更に、最も好ましくは、金属セラミック基板15が、部品メタライゼーション部20、セラミック要素30、及び裏面メタライゼーション部20’を有することが意図されている。積層方向Sに寸法決めされた部品メタライゼーション部20の第3の厚さD3は、積層方向Sに寸法決めされた裏面メタライゼーション部20’の第4の厚さD4と同じ大きさであることが考えられる。したがって、金属セラミック基板の前面と裏面との対称性を提供することができ、これにより、曲げに対抗する。
【0057】
更に、より好ましくは、積層方向Sに寸法決めされたセラミック要素30は、0.07mm~0.4mm、より好ましくは0.15~0.4mm、最も好ましくは0.22~0.28mmの値を有する第5の厚さD5を有することが意図されている。インサート1が基体2内で絶縁されていることにより、基体2は、絶縁セラミック要素30に対する安定化効果も有し、その結果、設置状態におけるインサート1の機械的安定性が向上する。これにより、例えば、比較的薄いセラミック要素30を使用することも可能になる。好ましくは、第3の厚さD3及び/又は第4の厚さD4は、0.1mm~0.8mm、より好ましくは0.15mm~0.7mm、最も好ましくは0.3~0.7mmの値を有する。また、第3の厚さD3は、1.3mmより大きい、より好ましくは1.8mmより大きい、最も好ましくは2mmより大きい値を有することも考えられる。
【0058】
更に、最も好ましくは、
図2aの実施形態では、主延長面HSEに平行に延びる方向に測定された封止部10の第1の広がりA1が、主延長面HSEに平行に測定された金属セラミック基板15の第2の広がりA2よりも小さいことが意図されている。結果として、金属セラミック基板15は、封止部10の最外縁部に対して主延長面HSEの方向に突出する。
【0059】
図2bの実施形態例では、インサート1は、電気及び/又は電子部品5に加えて、部品メタライゼーション部20に組み合わせて接続された第2の電気及び/又は電子部品5を備えることが意図されており、電気及び/又は電子部品5は、部品メタライゼーション部20を介して互いに電気的に接触している。封止部10の最外縁部に対して金属セラミック基板1を主延長面HSEに平行な方向に突出させることは、特に、これにより、特に部品面BSから来る部品メタライゼーション部20の直接接触を可能にするため、有利である。このようにして、部品メタライゼーション部20は、封止された又は埋め込まれた部品5を制御するためにも使用することができる。
【0060】
図2cに示す実施形態では、部品メタライゼーション部20は、互いに絶縁された2つの金属部分21が金属セラミック基板15内に実現されるように構造化されていることが意図されている。この場合、2つの金属部分21の間の空間は、封止部10の材料によって充填されている。例えば、ここでは、インサート1の外側、特に部品面BSに面するインサート1の外側に形成された導電路4が、1つの金属部分21の電気部品5と更なる電気部品5の金属部分21との間の電気的結合を引き起こすために設けられていることが更に意図されている。特に、インサート面接続部8を部品メタライゼーション部20に接続するために、更なるスルーホールめっき19が設けられていることが意図されている。
【0061】
図3a及び
図3bは、本発明によるインサート1の更なる実施形態を示す。
ここで、
図3a及び
図3bのインサート1は、金属セラミック基板15が異なる構成を有するという点においてのみ、本質的に
図2aのインサートとは異なる。特に、
図3aの実施形態例では、主延長面HSEに平行な方向に沿った、セラミック要素の第3の広がりA3は、部品メタライゼーション部20及び/又は裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4よりも大きいことが意図されている。特に、
図3aの実施形態例では、部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4は、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4に対応することが意図されている。側壁SWに突出するセラミック要素30、特に部品メタライゼーション部20及び/又は裏面メタライゼーション部20’に対して突出するセラミック要素30は、部品メタライゼーション部20と裏面メタライゼーション部20’との間の電気的及び/又は電子的絶縁に寄与する、いわゆるプルバックを形成する。加えて、セラミック要素30の突出部分は、プリント回路基板100の基体2とインサート1との間に形状嵌合接続を形成するのに適した部分を提供するために使用することができ、それによって、組み立てられた状態におけるインサート1とプリント回路基板100との間の結合を更に改善する。特に、部品メタライゼーション部20及び裏面メタライゼーション部20’に対して突出することによって、したがって、部品面BSの方向及び裏面RSの方向の両方において、すなわち両側において、主延長面HSEに対して実質的に垂直な方向に相互作用する形状嵌合を実現することが可能である。
【0062】
図3bに示す実施形態例では、
図3aの実施形態例とは対照的に、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4よりも大きく、セラミック要素30の第3の広がりA3よりも大きいことが意図されている。このようにして、裏面RSから部品面BSに向かって先細りする、特に階段状に先細りするインサート1が実現される。特に、部品メタライゼーション部20及び裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4と、セラミック要素30の第3の広がりA3とを適切に寸法決めすることによって、金属セラミック基板15の外形を実現することができ、この外形は、例えば、プリント回路基板100又は基体によって対応する方法で予め定められた基体2の対応する穴への適切なインサートの挿入のみを可能にするキーロック原理の意味で使用することができる。これにより、例えば、誤ったインサート1がプリント回路基板100に不用意に挿入されることを防止することができる。
【0063】
代替的に、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4よりも大きく、セラミック要素30の第3の広がりA3よりも小さいことが考えられる。
【0064】
図4a~
図4cは、本発明によるインサート1の更なる実施形態を示す。
特に、
図4a~
図4cの実施形態では、封止部10の第1の広がりA1は、部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4に対応することが意図されている。したがって、特に、封止部10は、インサート1の外周又は側壁SWにおいて部品メタライゼーション部10の側壁SWと共に共通平面を形成するように向けられていることが意図されている。部品メタライゼーション部20との電気的接触を実現するために、最も好ましくは、インサート面接続部8を部品メタライゼーション部20に電気的に結合する更なるスルーホールめっき19が設けられていることが意図されている。対応する方法では、このような更なるスルーホールめっき19はまた、封止部10に埋め込まれており、更なるスルーホールめっき19は、封止部10の外側から部品メタライゼーション部20まで延びている。
【0065】
図4bの実施形態例は、プルバックを形成するセラミック要素30の第3の広がりA3が、部品メタライゼーション部20及び裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4よりも大きいという点で、
図4aの実施形態例とは実質的に異なる。
【0066】
図4cの実施形態例では、
図3bの実施形態例と同様に、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、セラミック要素30の第3の広がりA3及び部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4よりも大きい。
【0067】
図5a~
図5dは、本発明によるインサート1の更なる実施形態を示す。
図5a~
図5dのそれぞれでは、封止部10は、部品メタライゼーション部20も包囲する又は取り囲むように構成されていることが意図されている。言い換えれば、
図5a~
図5dの実施形態では、電気及び/又は電子部品5と部品メタライゼーション部20の両方が封止部10に埋め込まれており、特に、部品メタライゼーション部20の側壁SWも、封止部10によって取り囲まれている、又は包囲されている。これにより、プリント回路基板100の基体2に対する部品メタライゼーション部20の追加の絶縁を実現することが可能になる。
図5aに示す実施形態例では、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4に実質的に対応することが意図されている。
【0068】
図5bに示す実施形態例では、それによって、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、他方で、封止部10の第1の広がりA1及び/又はセラミック要素30の第3の広がりA3に実質的に対応することが意図されている。これにより、封止部10、セラミック要素30、及び裏面メタライゼーション部20が、インサート1の側面に向かって一緒に終端することが確実になる。
【0069】
図5cでは、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、封止部10の第1の広がりA1及びセラミック要素30の第3の広がりA3よりも大きく、それによって、封止部10及びセラミック要素30の最外周に対して裏面メタライゼーション部20の対応する突出形状を提供することが意図されている。
【0070】
図5dの実施形態例では、電気部品5及び部品メタライゼーション部20に加えて、セラミック要素30も封止部10によって包囲されている又は取り囲まれていることが更に意図されている。特に、セラミック要素30の側壁SWは、封止部20によって取り囲まれ、包囲されている。結果として、セラミック要素30は、組み立てられた状態において、プリント回路基板100の基体2から離間している。
【0071】
更に、好ましくは、
図5dの実施形態例では、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4が、封止部10の第1の広がりA1に実質的に対応し、部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4が、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4よりも小さいことが提供されている。
【0072】
図6a~
図6dは、本発明によるインサート1の更なる実施形態を示す。それによって、
図6a~
図6dの実施形態では、封止部10は、電気及び/又は電子部品5、部品メタライゼーション部20、並びに裏面メタライゼーション部20’を取り囲むことが意図されている。
図6aに示す実施形態例では、封止部10は、インサート1の側壁SWを完全に覆う。これは、特に、封止部10の適切な形成が、例えば基体2への適切な接着剤による、基体2への結合を容易にする場合に、有利であることが分かる。更に、
図6aの実施形態例では、セラミック要素30の第3の広がりA3は、部品メタライゼーション部20及び裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4に対応することが意図されている。特に、封止部10は、電気及び/又は電子部品5、部品メタライゼーション部20、セラミック要素30、並びに裏面メタライゼーション部20’の側壁SWが封止部10によって封止されるように構成されていることが意図されている。
【0073】
図6bの実施形態例は、プルバックを形成するためのセラミック要素30が、部品メタライゼーション部20及び/又は裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4よりも大きいが、封止部の第1の広がりA1よりも小さい、第3の広がりA3を有するという点でのみ、
図6aの実施形態例とは異なる。
【0074】
図6cの実施形態例では、裏面メタライゼーション部20’の第4の広がりA4は、セラミック要素30の第3の広がりA3及び部品メタライゼーション部20の第4の広がりA4よりも大きいことが意図されている。
図6b及び
図6cの実施形態では、同様に、電気部品5、部品メタライゼーション部20、セラミック要素30、及び裏面メタライゼーション部20’はそれぞれ、インサート1の側壁SWが封止部10の材料のみから形成されているように、封止部10によってそれらの側壁SWで包囲されている。
図6dでは、第3の広がりA3は、封止部10の第1の広がりA1に実質的に対応することが意図されている。換言すれば、インサート1内のセラミック要素30は、インサート1の側壁まで延びており、ここでは封止部10と面一であり、好ましくは側壁SWの一部分を形成する。
【0075】
図7a及び
図7bは、本発明のより好ましい実施形態によるプリント回路基板100を示す。特に、
図7aでは、2つのインサート1が基体2に入れられて、プリント回路基板100を形成することが意図されている。プリント回路基板100、特に基体2は、例えばインサート1の部品メタライゼーション部20及び/又は裏面メタライゼーション部20’と横方向に接触するために、基体2に一体化された更なる導体要素27を備えることが考えられる。
【0076】
更に、設置状態では、プリント回路基板100の基体2上の導電路5が、例えば対応する導電路4を介して、インサート面接続部8に接続されていることが考えられる。更に、最も好ましくは、プリント回路基板100の部品面BS及び/又は裏面RS上で、基体2の外側が、封止部10及び/又は裏面メタライゼーション部20’の外側とおおむね面一であることが意図されている。これにより、インサート1の外側及び基体2上の接続部及び/又は導電路4を1つの平面上に配置することができる。言い換えれば、より好ましくは、プリント回路基板100において、インサート1の電気又は電子部品5は、基体2の外側に対してプリント回路基板100の内部に、すなわちインサート1内に埋め込まれていることが意図されている。言い換えれば、電気又は電子部品5は、外側、特にプリント回路基板100の部品面BSに対して内側にオフセットされ、プリント回路基板100に一体化されている。
【0077】
図7bの実施形態例では、構造化された部品メタライゼーション部20を有するインサート1が提供されることが意図されている。このインサート1の部品メタライゼーション部20の金属部分21は、例えば、基体2上及び/又はインサート1上の導電路4を介して互いに電子的に結合することができる。
【0078】
更に、裏面メタライゼーション部20は、冷却要素への良好な熱接続を確実にするために、基体2から突出することが考えられる。
図8は、本発明によるインサート1の実施形態の別の例を示す。特に、
図8に示す実施形態例は、2つの更なる特徴を含み、これらの特徴は、個々に又は集合的に、上に突出又は列挙された任意の他の実施形態に一体化することもできる。これは、特に、先の図に例示された、部品メタライゼーション部20及び裏面メタライゼーション部20’の異なる寸法又は封止部10の異なる形状に当てはまる。特に、この実施形態例は、配線面11が封止部10に一体化されているという事実によって特徴付けられている。特に封止部10内に配置されたこのような配線レベル11によって、有利には、異なる部品5への接点を組み合わせて、封止部10の外側の共通接続部に利用可能にすることが可能である。この目的のために、配線レベル11は、例えば金属層の形態で、主延長面HSEに対して本質的に平行に、特に、部品メタライゼーション部20及び/又は電気若しくは電子部品5の上面と接触しているスルーホールめっき9の広がりの方向に対して垂直及び/又は斜めに延びている。いくつかの配線レベル11が封止部10内に一体化されていることも考えられ、それらは、特に、部品メタライゼーション部20の上面から異なる距離にある。
【0079】
特に、対応する配線レベル11を、少なくとも2つの電気部品5を互いに包囲又は被覆するそのような封止部10に一体化することが有利である。特に、電気部品5は、配線レベル11を介して互いに電気的に接触している。特に、配線レベル11は、封止部10の上面と電子部品5との間に配置され、特に、部品面接続部7への直接的な電気的接触が、特に電子部品の上面において、配線レベル11を介して実現されることが意図されている。これにより、また、有利には、例えば、封止部10の外側の共通接続部を介して様々な電気部品5に供給電圧を提供することを可能にする。特に、様々な配線レベル11及びスルーホールめっき9又は更なるスルーホールめっき19によって、三次元導体トラック構造が封止部10に一体化されていることが考えられる。
【0080】
本発明の他の全ての実施形態に一体化することもできる
図8の実施形態例の更なる特徴は、ヒートシンク40としての裏面メタライゼーション部20’の設計、又はインサート1の冷却側若しくは裏面RS上のヒートシンク40の形成である。これに関連して、冷却液がヒートシンク40を貫通し、それによって部品面BSから熱を放散することを可能にするために、ヒートシンク40は、無構造であり、かつ/又は少なくとも1つのフィンを有し、かつ/又は冷却チャネル、特にU字形状の冷却チャネルを備えることが考えられる。特に、インサート1の領域において可能な限り均一な冷却を提供するために、複数のループ状又はU字形状の冷却チャネルがヒートシンク40に一体化されていることが考えられる。好ましくは、インサート1のヒートシンク40は、プリント回路基板100の基体2のヒートシンク40とは別個に構成されている。これにより、有利には、例えば、対応して増大する熱負荷に対処するために、インサート1のための個別の冷却を意図することが可能になる。代替的に、インサート1のヒートシンク40が、プリント回路基板100全体のヒートシンクの一部、すなわち特に基体2のヒートシンクの一部であることも考えられる。この場合、インサート1及び基体2のヒートシンク40は、1つの平面内にあり、かつ/又は組み立てられた状態において、少なくとも冷却側又は裏面RS上で、本質的に継ぎ目なく互いに融合する。更に、インサート1の領域におけるヒートシンク構造又はヒートシンク40と、基体2の領域におけるヒートシンク構造又はヒートシンク40とは、互いに異なる、又は実質的に類似しており、少なくとも同じタイプであることが考えられる。また、ヒートシンク40は、セラミック要素30に直接結合されている、すなわち、特に、熱間静水圧プレスによる活性はんだ付けプロセスによって、又は直接金属結合プロセスによって、セラミック要素30に直接結合されていることも考えられる。
【符号の説明】
【0081】
1 インサート
2 基体
4 導電路
5 部品
7 部品面接続部
8 インサート面接続部
9 スルーホールめっき
10 封止部
11 配線レベル
15 金属セラミック基板
19 スルーホールめっき
20 部品メタライゼーション部
20’ 裏面メタライゼーション部
21 金属部分
27 導体要素
30 セラミック要素
40 ヒートシンク
100 プリント回路基板
HSE 主延長面
A1 第1の広がり
A2 第2の広がり
A3 第3の広がり
A4 第4の広がり
D1 第1の厚さ
D2 第2の厚さ
D3 第3の厚さ
D4 第4の厚さ
D5 第5の厚さ
D 距離
S 積層方向
RS 裏面
BS 部品面
【手続補正書】
【提出日】2023-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品(5)及び/又は導電路(4)のためのプリント回路基板(100)であって、
主延長面(HSE)に沿って延びている基体(2)と、
基体(2)に一体化されたインサート(1)と、
を備え、
インサート(1)は、金属セラミック基板(15)と、電気及び/又は電子部品(5)と、少なくとも電気及び/又は電子部品(5)を包囲する封止部(10)とを備え
、
電気及び又は電子部品に加えて、金属セラミック基板(15)の部品メタライゼーション部、セラミック要素、及び/又は裏面メタライゼーション部が、インサートの面において封止部によって取り囲まれており、セラミック要素は、部品メタライゼーション部及び/又は裏面メタライゼーション部に対して突出する、プリント回路基板(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)は、少なくとも1つのインサート面接続部(8)を有し、
少なくとも1つのインサート面接続部(8)は、インサート(1)の部品面(BS)上に形成され、金属セラミック基板(15)から離れる方に面する部品面上で、スルーホールめっき(9)を介して封止部(10)内の電気又は電子部品(5)に、特に、電気又は電子部品(5)上の部品面接続部(7)に接続されている、プリント回路基板(100)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプリント回路基板(100)において、
金属セラミック基板(15)は、部品メタライゼーション部(20)、セラミック要素(30)、及び、好ましくは裏面メタライゼーション部(20‘)を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
部品メタライゼーション部(20)は構造化され、
好ましくは、部品メタライゼーション部(20)の2つの金属部分(21)の間の空間が、封止部(10)
からの材料で充填されている、プリント回路基板(100)。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
封止部(10)は、電気及び/又は電子部品(5)と、金属セラミック基板(15)の少なくとも一部とを取り囲む、プリント回路基板(100)。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)の側壁(SW)は、輪郭を形成するようにモデル化され、例えば、セラミック要素(30)は、部品メタライゼーション部(20)及び/又は裏面メタライゼーション部(20’)に対して、主延長面(HSE)に平行な方向に突出する、プリント回路基板(100)。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)は、封止部(10)内に入れられかつ金属セラミック基板(15)の部品メタライゼーション部(20)をインサート(1)のインサート面接続部(8)に結合する、更に別のスルーホールめっき(19)を
含む、プリント回路基板(100)。
【請求項8】
請求項2~7のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
部品面接続部(7)とインサート面接続部(8)との間の積層方向(S)に寸法決めされた距離(D)は、100μm~500μmの値を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
インサート(1)は、ヒートシンク(40)を含む、プリント回路基板(100)。
【請求項10】
請求項9に記載のプリント回路基板(100)において、
ヒートシンク(40)は、少なくとも1つの冷却チャネル及び/若しくは少なくとも1つの冷却フィンを有し、かつ/又はセラミック要素(30)に直接接続されている、プリント回路基板(100)。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
少なくとも1つの配線レベル(11)が封止部(10)に一体化されている、プリント回路基板(100)。
【請求項12】
請求項1~11のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
基体(2)がインサート(1)とは異なる材料組成を有する、プリント回路基板(100)。
【請求項13】
請求項1~12のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)において、
封止部(10)は、
基体(2)材料、並びに/又は
プラスチック、硬質紙、及び/若しくはエポキシ樹脂から製造されている、プリント回路基板(100)。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)用のインサート(1)
であって、
金属セラミック基板(15)と、
電気及び/又は電子部品(5)と、
少なくとも電気及び/又は電子部品(5)を包囲する封止部(10)と
を備え、
電気及び又は電子部品に加えて、金属セラミック基板(15)の部品メタライゼーション部、セラミック要素、及び/又は裏面メタライゼーション部が、インサートの面において封止部によって取り囲まれており、セラミック要素は、部品メタライゼーション部及び/又は裏面メタライゼーション部に対して突出する、インサート(1)。
【請求項15】
請求項1~13のうちいずれか一項に記載のプリント回路基板(100)の製造方法であって、
請求項14に記載のインサート(1)及び基体(2)が用意され、
インサート(1)が基体(2)に挿入され、
インサート(1)及び基体(2)が、接着結合、圧力嵌合、及び/又は形状嵌合方式で互いに結合される、方法。
【国際調査報告】