(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】動き補償トモシンセシスイメージングシステムのためのモジュール式X線源及びX線源管交換の方法
(51)【国際特許分類】
H05G 1/02 20060101AFI20240325BHJP
A61B 6/02 20060101ALI20240325BHJP
H05G 1/06 20060101ALN20240325BHJP
【FI】
H05G1/02 H
A61B6/02 501H
H05G1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560320
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 US2022018418
(87)【国際公開番号】W WO2022211953
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300662
【氏名又は名称】アイクススキャン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオリンベイ,マナト
(72)【発明者】
【氏名】ク,チュン-ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リンボ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジアンチアン
【テーマコード(参考)】
4C092
4C093
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB19
4C092AB30
4C092AC20
4C092BD02
4C092BE02
4C092BF04
4C093AA11
4C093CA36
4C093EA06
4C093EC25
4C093GA05
(57)【要約】
モジュール式X線源、及びそのようなX線源の交換のための方法が開示される。線源は、メンテナンス中にアセンブリ全体が交換される消耗性モジュール式筐体の内部にある。筐体は、X線管を覆い、高電圧回路基板6及び冷却絶縁油が、モジュール筐体の内部に配置されている。筐体構造は、X線窓、コネクタ係合位置合わせガイド、及び電気コネクタを含む。モジュール式X線源は、複数のパルス作動X線源が利用される多線源トモシンセシスイメージングシステムで使用される。消耗性モジュール式筐体の内部のX線管アセンブリの容易な交換は、より低いメンテナンスコスト及び全体的に信頼性が高いX線イメージング機をもたらす。モジュール式線源は、本分野での機器の量を増加させ、交換可能なモジュール式X線源の新しい標準を生み出す潜在性を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動き補償多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムのためのX線源のモジュール式X線管アセンブリであって、
高電圧回路を駆動し、フィラメントを制御し、高電圧フィードバックを取得し、温度を測定するための、筐体上の1つ又は複数の多ピンコネクタと、
1つ又は複数のコネクタ係合位置合わせガイドと、
各々が前記多ピンコネクタに結合され、
前記筐体上に位置付けられたX線窓と、
前記筐体の内部の、前記X線窓に面するX線管と、
前記筐体の内部の1つ又は複数の高電圧発生回路基板と、
前記多ピンコネクタに結合されるように適合されたコネクタと、
を含む、1つ又は複数のモジュール式のユーザ交換可能なモジュールと、
を備える、モジュール式X線管アセンブリ。
【請求項2】
前記筐体が、複数のパルス作動X線源を有する多線源トモシンセシスイメージングシステムで交換可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記筐体が、金属であり、両端部で封止するように互いに溶接されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記X線管が、高電圧油によって取り囲まれており、前記油が、前記X線管を冷却する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記X線窓が、前記筐体の一端部上に溶接されており、前記筐体の別の端部上に位置合わせガイドがある、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記筐体の一端部上に電気コネクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
冷却絶縁油であって、前記筐体の前記端部にある充填孔を通して前記筐体に注入されて、前記X線管と前記X線管窓との間の空間を充填し、その後に前記X線管が設置される、冷却絶縁油を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
支持アームに取り付けられたホルダ支持体を備え、前記ホルダ支持体が、前記支持アームの長手方向軸に沿って前記支持アームに対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記X線管が、前記ホルダに設置されており、前記X線管が、前記ホルダの長手方向軸に沿って移動可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムのためのモジュール式X線源の交換の方法であって、前記モジュール式X線源が、ユーザ交換可能である筐体の内部にあり、前記線源が、前記筐体上に位置付けられたX線窓と、前記筐体の内部の、前記X線窓に面するX線管と、前記筐体の内部の1つ以上の高電圧発生回路基板と、前記多ピンコネクタに結合されるように適合されたコネクタと、を含み、
前記X線源電源をオフにすることと、
1つ又は複数のセキュリティラッチをロック解除することと、
モジュール式X線管アセンブリを含む前記筐体を引っ張って、取り外すことと、
コネクタガイドに沿って新しい筐体を新しいX線管アセンブリとともに押動し、前記セキュリティラッチをロックすることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記X線源が、複数のパルス作動X線源を有する多線源トモシンセシスイメージングシステムでユーザ交換可能である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記筐体が、金属であり、両端部で前記筐体を溶接及び封止することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記X線管が、高電圧油によって取り囲まれており、前記油が、前記X線管を冷却する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記X線窓が、前記筐体の一端部上に溶接されており、前記筐体の別の端部上に位置合わせガイドがある、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記筐体の一端部上に電気コネクタを接続することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記筐体の一端部にある充填孔を通して前記筐体に冷却絶縁油を注入し、前記油を前記X線管と前記X線管窓との間の空間内に排出し、その後にX線管を設置することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ホルダ支持体を支持アームに取り付けることを含み、前記ホルダ支持体が、前記支持アームの長手方向軸に沿って前記支持アームに対して移動可能である、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記X線管が、前記ホルダに設置されており、前記X線管が、前記ホルダの長手方向軸に沿って移動可能である、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年4月30日に出願された仮出願第63182426号、2021年7月28日に出願された仮出願第63226508号、2021年4月2日に出願された仮出願第63170288号、2021年4月16日に出願された仮出願第63175952号、2021年5月27日に出願された仮出願第63194071号、2021年5月14日に出願された仮出願第63188919号、2021年7月23日に出願された仮出願第63225194号、2021年6月11日に出願された仮出願第63209498号、2021年6月25日に出願された仮出願第63214913号、2021年7月12日に出願された仮出願第63220924号、2021年7月16日に出願された仮出願第63222847号、2021年7月22日に出願された仮出願第63224521号、及び2021年1月24日に出願された米国出願第17149133号(当該出願は、2020年1月29日に出願された仮出願第62967325号の優先権を主張する)の優先権を主張し、これらの内容は、参照により組み込まれる。
【0002】
本出願は、概して、X線発生機器に関し、より具体的には、小型の、軽量の、かつ電力効率が高いX線源モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
X線源は、医療、産業、セキュリティ、及び他の科学技術分野で幅広い応用を有する。ほとんどの場合、1つのX線イメージング機に1つのX線源が存在する。しかしながら、いくつかの場合、特定の高速イメージング用途を有する単一の機械において複数のX線源が必要とされる。多線源X線トモシンセシスイメージングシステム(TOMOSYNTHESIS IMAGING SYSTEM)は、高速かつ低線量率で3D画像を作成することができるため、普及しつつある。多線源X線トモシンセシスイメージングシステムは、運動している複数のパルス作動X線源を使用するため、X線源をモジュール化して、交換しやすくする必要がある。X線源管アセンブリは、オフサイトで完全にプレハブ化されている。オンサイト設置は、ユーティリティの基本的な接続のみを伴う。
【0004】
単一の機械でより多くのX線源が使用されるとき、より多くの信頼性の問題が生じることとなる。1つのX線源が他の複数のX線源の間で故障した場合に、機械全体が誤作動することとなる。
【0005】
この種の問題に対処するには、2つの方途がある。1つは、機械が全体として信頼性が高くなるように1つ1つのX線源部品全ての信頼性を高めることによって、X線源自体の信頼性を高めることである。もう1つの方途は、機械部品の交換を容易かつ低コストとして、特別な人員訓練が必要ないように、新しいプロセスを作成することである。
【0006】
しかしながら、いくつかの枢要な部品は、消耗品であり、技術がどのように進歩しても常に有限の寿命を有することが知られている。例えば、標準的な電球が永遠に続くものであるとは誰も期待しない。今日、ほとんどの場合、通常の技術を有する1人1人の成人全てが、標準的な電球を交換することができる。
【0007】
同様に、X線源のX線管は、X線機の内部で最も消費される部品である。X線管は、有限の寿命を有する。しかしながら、先行技術では、可搬型及びモノブロック型のX線源でX線管を交換することは技術的に困難である。通常、特別な工具が必要であり、いくつかの場合、絶縁油汚染の可能性があるため、クリーンルームが必要にもなる。X線管は、1つのタイプの高電圧デバイスである。オペレータによる稼働の前にオペレータ上の静電気を放電することが、業界の慣行である。しかしながら、X線管は、放電可能ではない。3つの一般的な理由がある。第1に、X線管の内部に、余分な電荷を放電するための安全機構が存在しない。第2に、X線管の外部でそれを容易に行う方途もない。通常、かなりの量の絶縁油(10~20cm)がX線管表面を覆う。一部の浮遊静電気は、その油層を通過することができない。更に、筐体構造上にいくつかの金属部が存在し得る。取り外しプロセス中に誤って金属部に触れた場合、金属部は、追加の静電容量を形成し、オペレータに静電放電をもたらす可能性がある。余分な電荷が放電されても、それは、針刺し以下のようなものであり、人間の認識なしに無視することができる。第3に、X線管の内部に余分な電荷が発生しなくても、操作者は、導電性ゴム手袋を着用しなければならない。手袋が合成材料で作製されている場合、手袋の導電率は、非常に低くなる。X線管筐体構造とX線管窓との間の静電容量は、隙間が小さいため、非常に高い。そのため、取り外しプロセス中に誤って手袋に触れた場合、手袋は、高電圧部への導電路となることとなる。外部接地機器がなければ、静電荷は、不所望の事象を引き起こす可能性がある。先行技術のX線イメージングシステムでは、2つの異なる種類のX線源が使用される。1つは、可搬型の線源、もう1つは、モノブロックタイプの線源である。
【0008】
更に、先行技術では、管を交換するために特別な人員訓練が必要である。技術者が一般のX線管の詳細な知識を理解していても、特定の銘柄のX線源については、特別な訓練が依然として必要である。技術的な困難及び特別な訓練の要件が積み重なり、コストが大幅かつ迅速に変わる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
モジュール式X線源、及びそのようなX線源の交換のための方法であって、消耗性X線管、高電圧回路、及び冷却絶縁油が、あらかじめ設計されたモジュール筐体構造の内部に配置されている。モジュール筐体構造上に、X線管窓、位置合わせガイド、及び電気コネクタが存在する。筐体は、通常、低コストの押出アルミニウムで作製されており、両端部で溶接されている。モジュール式X線源は、X線源が利用され、X線管の容易な交換、より低いメンテナンスコスト、信頼性が高いX線イメージングシステムの稼働時間が必要とされる、動き補償多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムに特に有用である。
【0010】
モジュール式X線源は、いくつかの利点を有する。1つの利点は、X線管アセンブリを有するモジュール式筐体に起因して、技術的困難及び特別な訓練の要件が積み重なり、コストが大幅かつ迅速に変わる可能性があるため、特別な人員訓練を必要とせずに、X線管アセンブリの筐体全体を非常に低コストで交換することが非常に容易であることである。別の利点は、修理プロセス中に交換するのに非常に短い時間しかかからず、従うべき機械的及び電気的ステップが非常に少ないことである。このシステムは、新しいX線標準を可能にするため、技術者は、異なる種類のX線源に精通する必要がない。本発明は、多くの利点を有する。モジュール式システムは、X線管、高圧回路、絶縁、及び冷却油などを有し、全て筐体の内部に組み込まれている。ユーザにとっては、扱うべき電気コネクタ及び位置合わせガイドのみが存在し、これにより、X線源の保守が標準的な電球を交換するのと同じくらい容易になり得る。モジュール式X線源の設計は、大量生産に好適である。動き補償多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムは、世界中の低コストの高速3Dイメージング用に意図されているため、X線源の量は、非常に多くなり得る。X線源のコストは、量が増えると更に大幅に低くなり得る。低コストは、ひいては、更に多い量を生じ得る。その場合、より低い価格化からより多い量へのサイクルは、良好な結果を生じる好循環である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】モジュール式X線源の交換可能なX線管アセンブリを例示する。
【
図2】モジュール式X線源の交換可能なX線管アセンブリの内部の詳細を例示する。
【
図3】複数のパルス作動X線源が単一の機械で使用される、動き補償多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを例示する。
【
図4】モジュール式X線源の例示的な電気図を例示する。
【
図5】先行技術のうちの1つとしての、従来の低電力可搬型X線源を示す。
【
図6】先行技術のうちの1つとしての、従来のモノブロックX線源を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して、本発明を例として詳細に記載する。この記載全体を通して、示される好ましい実施形態及び実施例は、本発明の限定としてではなく、例と見なされるべきである。本明細書で使用される場合、「本発明」は、本明細書に記載の本発明の実施形態のうちのいずれか1つ及び任意の均等物を指す。更に、本明細書を通して「本発明」の様々な特徴(複数可)を参照することは、全ての特許請求される実施形態又は方法が参照される特徴(複数可)を含まなければならないことを意味しない。
【0013】
ここから、以後、例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明についてより完全に記載する。ここから、図面を参照して、様々な実施形態について記載し、全体を通して要素などを指すために参照番号などが使用される。以下の説明では、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細が概説される。しかしながら、そのような実施形態(複数可)が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは明らかであり得る。他の事例では、周知の構造及びデバイスが、1つ以上の実施形態の記載を容易にするためにブロック図の形態で示される。
【0014】
それゆえ、例えば、図、概略図、図解などが、本発明を具現化するシステム及び方法を例示する概念図又はプロセスを表すことは、当業者によって理解されるであろう。図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、及び関連付けられたソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通じて提供され得る。同様に、図に示される任意のスイッチは、概念的であるにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックとの相互作用を通して、又は更には手動で実行され、この特定の技法は、本発明を実装したエンティティによって選択可能であってもよい。当業者は、本明細書に記載の例示的なハードウェア、ソフトウェア、プロセス、方法、及び/又はオペレーティングシステムが例示の目的のためであり、それゆえ、任意の特定の名称の製造元に限定されることを意図されていないことを更に理解する。
【0015】
図3は、高効率かつ超高速の3D X線撮影を実行するための新規なタイプのX線イメージングシステムを示す。これを、動き補償多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム11と呼ぶ。線源のアレイを形成するように、運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動X線源が存在する。各パルス作動X線源は、X線管アセンブリ1本体及び外部電子機器を備える。複数のX線源は、グループとして一定の速度で、所定の弧状トラック上で、被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源はまた、小距離にあるX線源の静止位置の周りで迅速に移動することができる。X線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向を有する速度を有するとき、X線源及びX線フラットパネル検出器は、線源管が一瞬、等しく静止したままであるように、外部露出制御ユニットを介して作動される。そのことは、各X線源についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。3D走査は、はるかに短い時間ではるかに広い掃引角度をカバーすることができ、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。このタイプのX線機は、はるかに高い走査速度を達成するために、他のタイプのX線画像機よりもはるかに多くのX線源を利用する。複数の線源が使用されるため、機械全体が稼働しているように、1つ1つのX線管全てが機能していることを確実にすることが必要である。
【0016】
回転ガントリ上に複数のX線源が取り付けられている。各X線源は、パルス作動X線ビーム4を物体に向けて放射する。フレーム構造は、複数の線源フレームセグメントを含む。各々は、複数のパルス作動X線管源を有する。複数の線源セグメントホルダを使用して、ある特定の円弧形状における所定の場所に個々の線源セグメントを保持する。線源の全体的なグループが、円弧の方向に沿って移動するように設計された全体的な構造によって保持されている。全体的な構造の動きを支持するためのガイド及びトラックとして、所定の曲率を有する弧状レールが提供される。X線フラットパネル検出器及び線源の各X線管に、各X線管を個々にトリガするための線源作動コントローラが接続されている。
【0017】
X線フラットパネル検出器は、X線源から伝達されたX線電磁放射に応答して画像データを生成するように構成されている。本明細書に開示される本発明の例示的な実施形態は、X線フラットパネル検出器に関して記載されるが、実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、当該技術分野で知られている任意の他のタイプの検出器であってもよいことを理解されたい。
【0018】
図4は、様々な要素を有する例示的なX線源図を例示している。規格の110V AC又は220AC電源の入力から始まって、ユーザ交換可能なモジュール式ユニットは、主整流器9、インバータ10、高電圧回路基板6、及びX線管5などを有するX線源を含む。X線管5及び高電圧回路基板6は、単一の製造されたユニットであって、このユニットが必要に応じてオンサイトで交換するために消耗性であるように、X線管アセンブリ1を形成するために封止された筐体の内部にいくつかの接続された構成要素を有する単一の製造されたユニットによって組み立てられ得る。筐体は、容易な設置のために、筐体の外面上にいくつかの取り付け孔を有することができる。位置合わせガイド2を有する電気コネクタ3のこのアセンブリは、交換プロセス中の容易なアクセスのために、筐体の外面上に位置する。筐体上の窓は、前面上に保護層を有するX線窓8である。動き補償X線トモシンセシスイメージングシステムについて、複数の同様のモジュールが1つの総合体システムに組み込まれている。この種のモジュール設計が、モジュール式X線源システムの先行技術の現在の欠陥に対処することが意図されている。現在、市場で入手可能ないくつかのモジュールがあるが、それらは全て、本発明と比較して相対的に高価である。それらのほとんどは、比較的可搬型であるため、「モジュール式」である。
本発明のいくつかの重要な利点がある。第1の利点は、技術的に、本発明のモジュールにおいてX線管アセンブリ1を交換することが非常に容易であることである。第2の利点は、特別な工具が必要ないことである。何らかの位置合わせガイドを使用するだけで十分である。第3の利点は、特別な人員訓練が必要ないことである。第4の利点は、万事が筐体の内部で行われるため、全ての絶縁汚染の問題が対処されることである。
【0019】
X線管アセンブリ1の内部前側に、X線管5が取り付けられている。モジュールの内部に、高電圧回路基板6及び絶縁油がある。筐体の内部に、X線管、高電圧回路基板6、及び絶縁油が置設されている。筐体は、アルミニウム合金又は同様の材料で作製され得る。筐体は、打ち抜き加工されているか、又は押出形状若しくは同様の形状に成形されている。筐体は、X線窓8、位置合わせガイド2、及び電気コネクタ3を有する。X線窓8は、X線管5から出てくる放射線を患者又は走査被写体へと通過させる。電気コネクタ3は、高電圧回路基板6とX線管5のフィラメントとを接続するためのものである。位置合わせガイド2は、電気コネクタ3が完全に据え付けられ、かつX線管アセンブリ1がコリメータ、X線検出器などに位置合わせされることを確実にするために使用される。
【0020】
高電圧回路基板6は、X線管5を駆動して、X線管窓8から放射されるX線ビーム4を発生させる。電気コネクタ3は、外部主整流器9及びインバータ10から高電圧回路6及びX線管5への電流の流れのための低抵抗経路を提供する。後部筐体の一部として前部カバー及び後部カバーがある。主整流器9及びインバータ10は、半導体チップ及びダイオード、コイル及びコンデンサなどの部品が組み付けられ得る電子制御基板である。
【0021】
動き補償多線源X線トモシンセシスイメージングシステムでDC高電圧が使用される。これらの高電圧は、適用要件に応じたエアギャップ又は真空ギャップを伴う、様々な変圧比の倍電圧整流器(multiples plus rectifier)を有する電圧乗算器回路により達成され得る。動作電流は、数十マイクロ秒~数十ミリ秒の範囲のスイッチング時間で変動する。X線管の寿命が十分に短いとき、ほとんどのシステムに問題が生じることとなる。これ以外に、非常に多くの故障理由及び故障理由の結果に起因して、他の機械部品を交換する必要もある。X線管5の交換前に問題がないとすると、X線源の寿命は、10年後には、X線管5の元の期待される耐用年数の約1/3に過ぎないであろう。機械部、配線、及び絶縁油などの、X線機の内部の他の多くの構成要素も、故障の問題に寄与する。しかしながら、それらの寄与は、X線管5の寄与よりも小さい。
【0022】
AC電圧は、規格の110V AC又は220AC電源からのものである。AC高電圧は、変圧器などの絶縁デバイスを介してX線管のカソード側に供給される。これは、複数のパルス作動X線源が利用され、X線管アセンブリ1の容易な交換、より低いメンテナンスコスト、信頼性が高いX線イメージングシステムの稼働時間が必要とされる、動き補償トモシンセシスイメージングシステムに特に有用である。低コストのモジュール式X線源モジュール筐体構造に関して、X線管窓8は、モジュール筐体の一端部に提供されている。X線管窓8は、内側モジュール筐体から外側世界へのX線経路を提供する。電気コネクタ3の同じ端部に、1つ以上の位置合わせガイド2が提供されている。
【0023】
カソードコントローラは、制御ユニットと通信して、電子エミッタとしてのフィラメントに印加される保持電圧を制御する。フィラメントが加熱されると、増加したエネルギーは、電子が熱電子放出を通じてフィラメントから放出されることを可能にする。電子エミッタは、電子エミッタが制御可能なレベルで電子を放出することができるように、カソードコントローラ及び電源に動作可能に接続されている。
【0024】
高電圧発生器は、トリガパルス及び幅制御信号を介して出力端子に高電圧パルスを生成する。これらの高電圧パルスは、X線管に印加され、医療イメージング及び他の用途で使用するための出力X線ビーム4として、X線管5の端部にX線を生成することができる。X線管5は、モジュールシェル筐体に取り付けられており、筐体内に位置する。この可搬型かつ小型のX線管アセンブリ1は、非常に容易なメンテナンス及び信頼性、電球と同様に交換可能など、多くの利点を有する。
【0025】
電気制御は、電気制御が高電圧を制御してX線管5に至ることができる限り、任意の種類の電気デバイス又は任意の回路であり得る。しかしながら、一実施形態では、電気制御は、低電圧部であり、大部分、X線管アセンブリ1の外側に位置する。制御回路の低電圧部は、通常、安定しており、はるかに長持ちする。プレハブ化されたX線管アセンブリ1のモジュールは、新しいX線源を構築したり、古いものを修理したりするために、X線イメージングシステム会社の施設に適切な梱包で個々に出荷され得る。通常、X線管5は、機械本体に取り付け済みである。次に、古いX線管を有するアセンブリの近くに安全目的の絶縁スタンドが設定される。絶縁スタンド上で、古いX線管モジュール筐体をX線機から取り外すことができる。その後、ユーザは、X線機からX線管アセンブリ1を引き出すことができる。新しいX線管アセンブリ1を元に戻すために、ユーザは、位置合わせガイド2を使用してモジュール筐体上で電気コネクタ3を位置合わせするだけである。新しいX線管アセンブリ1が完全に据え付けられた後、次いで、電源スイッチをオンにすることができる。
【0026】
最も一般的には、標準的なより小さいX線管5が、多線源トモシンセシスイメージングシステムに使用される。言い換えると、標準的なより小さいX線管5は、最低の線量率でより良好な分解能を生成するための医療及びセキュリティ用途に使用される。時々、大口径のX線管5が、伝統的に、臨床分野で好まれている。しかしながら、本発明については、X線管5の形状に制限はない。通常、小口径のX線管5は、小面積標的のための医療及びセキュリティ用途で使用される一方、大口径のX線管5は、工業用途に使用される。X線管5は、ほとんどの場合、油絶縁チャンバ内で動作する。
【0027】
X線管アセンブリ1の筐体の一端部上に、複数の接点を有する電気コネクタ3が配置されている。コネクタは、電子デバイスへの電気接続を可能にする。X線管アセンブリ1の筐体の他端部に向けて、窓が配置されている。X線管筐体の一方側に、位置合わせガイド2が配置されている。位置合わせガイド2は、X線管アセンブリ1の筐体をX線機における保持デバイスに位置合わせするために使用される。保持デバイスは、X線管アセンブリ1及び/又はX線源本体を保持及び交換するための装置であり得る。X線管アセンブリ1の筐体はまた、筐体の内部にX線管5のチャンバも有する。一実施形態では、X線管5のチャンバは、1つ又は2つ以上の消耗性X線管5を含む。別の実施形態では、X線管5のチャンバは、1つ又は2つ以上の非消耗性X線管5を含む。いくつかの実施形態では、X線管5のチャンバは、消耗性X線管5と非消耗性X線管5との組み合わせを含む。
【0028】
絶縁電極及び熱陰極フィラメントに高電圧が印加される。いくつかのシステムでは、制御グリッドは、フィラメントから放出された電子のビームを制御する。ワイヤが十分に加熱されると、ワイヤと反射器との間に放電が起こり、荷電ガスの雲が形成される。帯電したガスの雲が真空空間内に膨張すると、高電圧供給の極性に応じて、第2のアノードに当たることができる電子の流れが形成される。電子の流れが当たると、アノードは、線源モジュールの側面でX線を放射する。
【0029】
電気制御は、制御コンピュータから受信された制御信号に基づいて、X線管5及び高電圧回路の電力供給量を制御する。制御コンピュータは、イメージングアルゴリズムに従って撮像される被写体におけるX線ビーム4のアイソセンタ位置を計算し、次いで、電気制御を制御して、X線管5及び高電圧回路を通る制御された高電圧レベル及び電流で所望のX線出力を達成することができる。高電圧回路における電圧レベル及び電流を、エネルギー密度及びエネルギーフルエンスを調整及び制御することによって調整及び制御することができる。
【0030】
X線管5は、通常、円筒状である。効率を最適化するために、X線管5は、所望の長さに切断されている。X線管遮蔽エンベロープは、X線管を取り囲む保護層であり、重金属又はセラミックなどの好適な材料で作製され得る。エンベロープの正確な組成は、管の動作にとって重要ではないが、厚いエンベロープは、電子がエンベロープを通過してエネルギーを失うので、電子からより多くの放射を吸収するのに役立ち得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラが、X線管5を含み得るX線ビーム4の発生器を制御する。マイクロコントローラは、X線ビーム発生器のタイミング及び出射を制御して、患者などの被写体を露出するためのX線ビーム4を生成するように構成されている。制御パラメータ、例えば、電圧、電流、角度、X線管電位、フレームレート、窓形状、窓の厚さ、線源から表面までの距離、X線ビーム4の持続時間、エネルギー、コントラストレベルなどが、入出力回路を介してオペレータコンソールから受信された入力によって選択、修正、又は制御され得る。マイクロコントローラはまた、通信回路を介して他のイメージングシステム構成要素と通信するように構成されてもよい。
【0032】
先行技術におけるほとんどの設計の筐体は、厚い壁のステンレス鋼を使用して、非常に頑丈で高コストの筐体とする。底部の中央に2つの位置付けネジ孔が設けられている。位置付けネジ孔は、X線管5が筐体の内部に設置されたときに、X線管5を正確に位置付けるために使用される。いくつかの位置合わせピンが存在する。3つの位置合わせピンが、筐体の3つの異なる部分にある。1つのピンは、一方の側板にあり、別のピンは、反対側の側板にあり、第3の位置合わせピンは、底板にある。これにより、X線管5が筐体内に組み立てられたときに、適正なX線窓8の位置合わせが確実になる。X線管5を支持するためにクロスバーが使用され得る。クロスバーは、把持を改善するための特別な機能を有する。
【0033】
図1は、X線管アセンブリ1の筐体の外側に、容易なコネクタピン係合位置合わせのための多ピン電気コネクタ及びコネクタガイドのみが存在することを示す。この種のX線管アセンブリ1を使用すると、ユーザが行う必要があることは、丁度高度な電球セットを交換するように、古いものを引き出して、古いものを新しいものに戻すことだけである。電力の異なるX線管5について、X線管アセンブリ1のサイズは、異なり得る。一般に、X線管5の電力が高くなれば、より低電力のX線管5のサイズよりも大きいサイズを有するであろう。したがって、より高い電力のX線管5の場合、筐体のサイズも大きくなるであろう。
【0034】
X線管アセンブリ1の筐体は、X線管5を含む。冷却絶縁体は、X線管アセンブリ1の筐体の内部を外部環境から絶縁する。絶縁かつ冷却液体は、通常、油である。X線管アセンブリ1の筐体は、上部プレート、底部プレート、前部プレート、後部プレート、上側モジュールフレーム、下側モジュールフレーム、左エンドキャップ、右エンドキャップ、左エンド壁、右エンド壁、X線窓8、位置合わせガイド2、電気コネクタ3、位置合わせ孔、ねじ込みスタッド、ねじ込み孔、ねじ込みナット、ナット取り付けポスト、ナットコネクタを含む。X線管アセンブリ1の筐体は、筐体本体を有する。モジュールカバーは、X線窓8がX線管アセンブリ1の筐体の外側で目視可能であり得るように、上面に切り欠きを含む。
【0035】
筐体は、低コストの押出アルミニウムで作製されている。エンドフランジは、流体漏れを回避するために主筐体本体に溶接されている。コネクタは、コネクタがエンドフランジ上に良好な電気的接点及び良好な流体シールを有するように作製されている。コネクタは、通常、高電圧電源を駆動するための電力コネクタ及びX線制御コネクタを有し、通常、電力コネクタの1セットを有するが、コネクタは、複数のセットを有することができる。ピンは、筐体の内部のマッチするコネクタに組み込まれている。筐体は、絶縁及び冷却の両方のために、大部分、標準的なX線管絶縁油で充填されている。筐体はまた、内部電子シールド構造及び高電圧ドライバ回路を有する。ただし、X線管5に何が起こったのかを調べるための組み込み診断があるため、このシステムの信頼性を更に改善することができる。また、寿命統計が電子的に追跡されるため、組み込み診断は、システムの長期使用に適する。したがって、交換プロセスについて、その大部分には特別な訓練が必要ない。必要であれば、交換プロセスのほとんどが、誰でも特別な訓練なしで行うことができるプラグアンドプレイアクティビティのみである。
【0036】
先行技術のモノブロックタイプと可搬型タイプのモジュール式X線源との3つの主な違いがある。第1に、X線管5、高電圧回路基板6、及び絶縁油などの、消耗性部は、全てあらかじめ設計された筐体の内部に配置されている。他の全ての部分は、筐体の外側にある。第2に、筐体の後部に、交換用X線管アセンブリ1を位置付けるのに役立つ位置合わせガイド2が存在する。筐体上の位置合わせガイド2及び電気コネクタ3は、X線管アセンブリ1の容易かつ迅速な交換を提供する。第3に、他の電気部品は、取り外し可能なPCB基板の形態でモジュール化されている。
【0037】
伝統的なモノブロックタイプのX線源を交換するために、動き補償多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム11に挿入され得るモジュール式X線源。モジュール式X線源は、モジュール筐体構造の内部にX線管5、高電圧回路基板6、絶縁体、及び冷却油を含む。X線管5は、以下の特徴を有する:X線管5はX線を生成することができるため、X線管5のハウジングは環境に対して封止されるべきである。X線管5の一端部上に、X線放射のための窓がある。X線管5の他端上に、電気的接続のためのコネクタがある。X線管ハウジングの内部に、1つ以上の支持構造が設置されるべきである。X線管ハウジングは、X線管ピンからハウジングを通ってX線管の外側に延びる電気導体を有するべきである。加えて、X線管ハウジングの内側に、安定器が取り付けられるべきである。制御パネル又は任意の他の機器が、X線管アセンブリ1の筐体の外側に取り付けられ得る。位置合わせのために容易に位置させることができるように、X線管アセンブリ1の筐体上にガイドポストが取り付けられるべきである。
【0038】
あらかじめ設計された、組み立てるのが簡単な、費用対効果が高い、標準化された多線源モジュール式X線源アセンブリ。システムは、より良好な耐用年数、より高い信頼性、及びより低いコストを有する。筐体の内部に、筐体の内部の高電圧回路基板6に接続するための高電圧電気コネクタが存在する。(a).組み立てるときに、ユーザは、まず筐体の両端部上で組み立て、溶接して1つの本体にする。高電圧ケーブル又はバスバーが、各端部上で筐体上の2つの孔を通過し、X線管5及び高電圧回路基板6に接続する。この目的で、筐体の各端部上の高電圧コネクタを取り外すことができる。(b).筐体の側面上に、高電圧回路及び電気コネクタ3に接続する位置合わせガイド2が存在する。位置合わせガイド2は、位置合わせ及び高電圧DC調整にも使用される。(c).次いで、X線管5及び関連構成要素を筐体の内部に取り付けることとなる。通常、各線源に位置合わせツールが備えられているため、最終的なアセンブリを設置する前に、ユーザは、容易かつ効率的に調整及び位置合わせすることができる。
【0039】
一実施形態では、
図2は、X線管アセンブリ1が、X線管アセンブリ1が容易に交換され得るような方途で設計されていることを示す。X線管5は、ホルダ支持体を有する堅牢な筐体の内部に位置する。筐体は、X線窓8を有する。電気基板は、X線管5の高電圧発生部を含み、これも筐体の内部に位置する。X線管5は、高電圧油によって取り囲まれている。油はまた、冷却能力を提供する。筐体は、通常、低コストの押出アルミニウムで作製されており、両端部で封止するために互いに溶接されている。
【0040】
ホルダ支持体が、ホルダ支持体が支持アームに対して支持アームの長手方向軸に沿って移動可能であるような方途で、支持アームに取り付けられている。ホルダは、ホルダに取り付けられたX線管5を有する。X線管5は、X線管5をホルダの長手方向軸に沿って移動させることができるように、適切なフランジ、ネジ、又は他の適切な固定手段によってホルダに設置されている。X線管5は、ケーブルを介して電源に接続されている。高電圧回路が、ケーブルを介して電源に接続されている。それゆえ、モジュール式X線源は、以下の主構成要素を備える:1)低電圧電源及び制御、2)高電圧回路基板6、3)X線管アセンブリ1、4)X線管アセンブリ1のための筐体。部品がオフサイトでプレハブ化されているため、モジュール式X線源を、異なる複数の線源イメージングシステムに適合するように作製することができる。全ての部品が一緒に現場に到着すると、時間及び金銭を節約することができる。
【0041】
筐体は、動作のための高電圧回路基板6及びX線管5を含む。X線管5であって、電極を有し、X線管5の2つの端部にあり、カソード及びアノードとも呼ばれる、X線管5。電極は、電極よりも大きいものである。電極及びは、ある特定の距離で筐体の内部の空間内で互いに面するように配置されている。高電圧回路基板6は、電極に高電圧を提供し、X線放射を生成する。高電圧は、数十キロボルトであり得る。電気コネクタは、筐体の端部に位置する。コネクタの接続には、位置合わせガイドが必要である。絶縁コーティングが、コネクタガイドがその役割を果たした後に、後でコネクタガイドを覆う。
【0042】
本システムは、筐体の内部のX線管アセンブリ全体を丁度電球のように交換することができることから、モジュール式かつユーザ交換可能である。X線管と高電圧回路との、及び冷却絶縁油とX線管との位置合わせは全て、あらかじめ設計されたモジュール筐体構造の内部に配置されている。モジュール筐体構造上に、X線管窓8、位置合わせガイド、及び電気コネクタ3が存在する。筐体は、通常、低コストの押出アルミニウムで作製されており、両端部で溶接されている。モジュール筐体構造上に、X線窓8、位置合わせガイド2、及び電気コネクタ3が存在する。筐体は、通常、低コストの押出アルミニウムで作製されており、両端部で溶接されている。X線管5及び冷却、絶縁油は、筐体構造の内部に置設されている。X線管5及び冷却、絶縁油は、筐体構造の内部に置設されており、アセンブリ全体が、メンテナンス目的で交換される。モジュール式X線モジュールは、モジュール式X線モジュールがX線管アセンブリ1の容易な交換、より低いメンテナンスコスト、高速のかつ耐久性のある動作時間が必要とされる信頼性が高いX線イメージングシステムを可能にするため、複数のパルス作動X線源が利用される動き補償多線源トモシンセシスイメージングシステム11に特に有用である。
【0043】
モジュール式のユーザ交換可能なX線モジュールは、容易な交換/メンテナンスを可能にする。1つの例示的なメンテナンスプロセスは、以下を含む。ステップA:電源を切断する。ステップB:筐体のロックのセキュリティラッチをロック解除する。ステップC:筐体のコネクタガイドに沿ってX線管アセンブリ1を引っ張る。ステップD:筐体のコネクタガイドに沿って新しいX線管アセンブリ1を挿入する。ステップE:セキュリティロックを所定位置に維持するために、ロックバーの両端部をロックダウンする。これでX線管アセンブリ1は、動作の準備ができる。設置は、極めて簡単である。
【0044】
X線アセンブリ1全体を交換するのに約1分かかり、それゆえ、メンテナンスコストを劇的に低減することができる。また、実際の交換ジョブが発生した場合、このプロセスは、技師からの特別なスキルを必要としない。新しいX線アセンブリ1の筐体をコネクタガイドとともに押動し、セキュリティラッチをロックする。セキュリティラッチは、2つの筐体側面を一緒にロックすることができる。窓を有する位置合わせガイド2は、新しい筐体の正しい位置を導くのに役立つこととなる。コネクタガイドが筐体側面を通して押動されると、このガイドは隠れることとなる。
【0045】
図5は、先行技術における別のタイプの従来のコンパクトな可搬型の総合体X線源7を示す。X線窓8は、前面にある。低電圧電気制御、高電圧発生器、及びX線管5は全て、更に小さなサイズの筐体の内部に組み込まれている。マイクロコントローラも、筐体に組み込まれている。マイクロコントローラは、電圧、露出時間、及び他の設定を制御する。通常、マイクロコントローラを、電池駆動することもできる。
【0046】
図6は、先行技術における一体の総合体X線源7のタイプを示し、このタイプは、通常、モノブロックと呼ばれる。X線窓8は、本体の中央にある。モノブロック本体では、高電圧発生器、低電圧電気制御、及びX線管も全て、より小さな堅固な筐体の内部に組み込まれている。電源コネクタが存在する。外部デバイス又はPCにリンクしてコマンドを送信又は受信するコネクタも存在する。モノブロックタイプの総合体X線源7は、コンパクトな可搬型の総合体X線源7よりも高い電力を有することができる。
【0047】
本発明の様々な修正及び変更が、添付の特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。以下の任意の方法の請求項に列挙されたステップは、必ずしもそれらが列挙された順序で実行される必要はないことに留意されたい。当業者は、ステップを実行する際に、列挙されたものとは異なる、順序の変形を認識するであろう。加えて、特徴、ステップ、又は構成要素の言及又は説明の欠如は、存在しない特徴、又は構成要素が但し書き若しくは同様の請求項の文言によって除外される、請求項の基礎を提供する。
【0048】
本発明の様々な実施形態が上述されたが、それらは限定ではなく、例としてのみ提示されてきたことを理解されたい。様々な図は、本発明のための例示的なアーキテクチャ又は他の構成を描くことができ、このことは、本発明に含まれ得る特徴及び機能性を理解することを補助するために行われる。本発明は、例示される例示的なアーキテクチャ又は構成に限定されず、所望の特徴が、多様な代替的なアーキテクチャ及び構成を使用して実施されてもよい。実際、代替的な機能的、論理的、又は物理的な分割及び構成が、本発明の所望の特徴を実施するためにどのように実施され得るかは、当業者には明らかであろう。また、本明細書に表されるもの以外の多くの異なる構成モジュール名が、様々な分割に適用されてもよい。追加的に、フロー図、動作説明、及び方法の請求項に関して、本明細書でステップが提示される順序は、文脈が別段の指示をしない限り、列挙された機能性を同じ順序で実行するために様々な実施形態が実施されることを義務付けないものとする。
【0049】
この文書において使用される用語及び語句、並びにその変化形は、別途明示的に記載されない限り、限定的であるのとは反対に、オープンエンドであると解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などの意味として解釈されるべきであり、「例」という用語は、その網羅的又は限定的なリストではなく、説明中の項目の例示的な事例を提供するために使用され、「a」又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」、「1つ以上」などを意味するものとして解釈されるべきであり、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準の」、「知られている」などの形容詞及び同様の意味の用語は、所与の期間に又は所与の時点で利用可能な項目に記載された項目を限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来の任意の時点で利用可能か又は知られ得る従来の、伝統的な、通常の、又は標準の技術を包含するように解釈されるべきである。これゆえ、この文書が、当業者に明らかであるか、又は知られている技術に言及する場合、そのような技術は、現在又は将来の任意の時点で当業者に明らかであるか、又は知られている技術を包含する。
【0050】
いくつかの事例では、「1つ以上」、「少なくとも」、「であるがこれらに限定されない」などの広義の語及び語句、又は語句などの他のもの存在は、そのような広義の語句が存在しないことがある場合に、より狭い場合が意図されるか、又は必要とされることを意味すると解釈されないものとする。「モジュール」という用語の使用は、モジュールの一部として記載又は特許請求される構成要素又は機能性が全て共通のパッケージ内に構成されていることを含意しない。実際、制御ロジック又は他の構成要素にかかわらず、モジュールの様々な構成要素のいずれか又は全ては、単一のパッケージに組み合わされてもよいし、別個に維持されてもよく、複数の場所にわたって更に分散されてもよい。
【0051】
開示される実施形態の先の説明は、当業者が本発明を作成又は使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の修正は、当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。それゆえ、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与されるものである。
【国際調査報告】