(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムによる順次走査
(51)【国際特許分類】
A61B 6/02 20060101AFI20240325BHJP
A61B 6/00 20240101ALI20240325BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240325BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240325BHJP
【FI】
A61B6/02 501H
A61B6/00 560
A61B6/00 550D
A61B6/50 500C
A61B6/46 523C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560326
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022018420
(87)【国際公開番号】W WO2022211954
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300662
【氏名又は名称】アイクススキャン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオリンベイ,マナト
(72)【発明者】
【氏名】ク,チュン-ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リンボ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジアンチアン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA08
4C093AA11
4C093AA26
4C093CA32
4C093CA34
4C093DA03
4C093EA06
4C093FA15
4C093FF15
4C093FF20
4C093FF21
(57)【要約】
分散した広い角度の疎部分走査からの撮像取得のためのシステム及び方法が開示される。リアルタイム画像再構成の間、人工知能(AI)は、最初の走査に基づいて、診断を実行するための十分な情報があるかどうかを判定する。部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合に、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。このシステムは、患者に対するX線線量を低減し、インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムでより速いX線走査を実行する。方法及びシステムはまた、高品質の三次元トモシンセシス画像を表示するのに必要とされる時間を大幅に短縮する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムによる順次走査の方法であって、
被写体を所定の位置に配置することと、
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを制御することと、
前記トモシンセシスイメージングシステムを使用して、異なる角度で異なるX線源からの第1のデータセットを撮り、画像再構成を実行することと、
機械学習により人工知能を適用して、診断を実行し、1つ以上の走査を繰り返して、所定の画像再構成品質に到達することと、
そこから3Dトモシンセシスボリュームを構成することと、を含む、方法。
【請求項2】
撮像タスクを選択し、前記イメージングシステムに所定のプロトコルをロードすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上の選択された線源から1つ以上の投影画像を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の投影画像を蓄積し、そこから前記3Dトモシンセシスボリュームを再構成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記再構成された3Dトモシンセシスボリュームに機械学習を適用して、前記画像再構成品質を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
機械学習を適用して、前記3Dトモシンセシスボリューム内の肺結節を探索することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
機械学習により人工知能を適用して、前記3Dトモシンセシスボリューム内の肺結節を探索することと、
前記結節のサイズ、形状、数、及び場所を含む結節特性を識別し、報告を生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
追加の投影画像を取得し、前記所定の画像再構成品質の閾値が満たされるまで、前記再構成された3Dトモシンセシスボリュームに機械学習を適用することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記結節のサイズ、形状、数、及び場所を含む結節特性を識別し、報告を生成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムによる順次走査の方法であって、
撮像タスクを選択し、前記イメージングシステムに所定のプロトコルをロードすることと、
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムにより複数のパルス作動される線源をオンにすることと、
被写体を所定の位置に配置することと、
異なる角度で異なるX線源から第1のデータセットを撮り、前記イメージングシステムの1つ以上の選択された線源から1つ以上の投影画像セットを取得することによって、画像再構成を実行することと、
前記1つ以上の投影画像セットを蓄積し、そこから前記3Dトモシンセシスボリュームを再構成することと、
機械学習により人工知能を適用して、1つ以上の走査を繰り返して診断を実行して、所定の画像再構成品質に到達し、追加の投影画像セットを取得し、前記所定の画像再構成品質の閾値が満たされるまで、前記再構成された3Dトモシンセシスボリュームに、機械学習により人工知能を適用することと、
機械学習により人工知能を適用して、前記3Dトモシンセシスボリューム内の肺結節を探索することと、を含む、方法。
【請求項11】
X線イメージングシステムであって、
被写体を所定の位置に受容するためのインモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムと、
前記イメージングシステムに結合されたプロセッサであって、
前記インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを制御し、
異なる角度で異なるX線源から第1のデータセットを得て、画像再構成を実行し、
機械学習により人工知能を適用して、診断を実行し、1つ以上の走査を繰り返して、所定の画像再構成品質に到達し、
そこから3Dトモシンセシスボリュームを構成するためのコンピュータコードを実行するためのプロセッサと、を備える、システム。
【請求項12】
前記プロセッサが、撮像タスクを選択し、前記イメージングシステムに所定のプロトコルをロードする、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記イメージングシステムを、1つ以上の選択された線源から1つ以上の投影画像を取得するように制御する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記1つ以上の投影画像を蓄積して、前記3Dトモシンセシスボリュームを再構成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記再構成された3Dトモシンセシスボリュームに対して機械学習コードを実行して、前記画像再構成品質を判定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサが、機械学習を適用して、前記3Dトモシンセシスボリューム内の肺結節を探索する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
撮像タスクを選択し、前記イメージングシステムに所定のプロトコルをロードすることと、
インモーショントモシンセシスイメージングシステムにより複数のパルス作動される線源をオンにすることと、
被写体を所定の位置に配置することと、
異なる角度で異なるX線源から第1のデータセットを撮り、前記イメージングシステムの1つ以上の選択された管から1つ以上の投影画像を取得することによって、画像再構成を実行することと、
前記1つ以上の投影画像を蓄積し、そこから前記3Dトモシンセシスボリュームを再構成することと、
機械学習により人工知能を適用して、1つ以上の走査を繰り返して診断を実行して、所定の画像再構成品質に到達し、追加の投影画像を取得し、前記所定の画像再構成品質の閾値が満たされるまで、前記再構成された3Dトモシンセシスボリュームに、機械学習を適用することと、のためのコンピュータ可読コードを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
追加の投影画像を取得し、前記所定の画像再構成品質の閾値が満たされるまで、前記再構成された3Dトモシンセシスボリュームに機械学習を適用することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記結節のサイズ、形状、数、及び場所を含む結節特性を識別する、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
機械学習により人工知能を適用して、前記3Dトモシンセシスボリューム内の肺結節を探索することと、
前記結節のサイズ、形状、数、及び場所を含む結節特性を識別し、報告を生成することと、のためのコンピュータ可読コードを備える、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年4月30日に出願された仮出願第63182426号、2021年7月28日に出願された仮出願第63226508号、2021年4月2日に出願された仮出願第63170288号、2021年4月16日に出願された仮出願第63175952号、2021年5月27日に出願された仮出願第63194071号、2021年5月14日に出願された仮出願第63188919号、2021年7月23日に出願された仮出願第63225194号、2021年6月11日に出願された仮出願第63209498号、2021年6月25日に出願された仮出願第63214913号、2021年7月12日に出願された仮出願第63220924号、2021年7月16日に出願された仮出願第63222847号、2021年7月22日に出願された仮出願第63224521号、及び2021年1月24日に出願された米国出願第17149133号(当該出願は、2020年1月29日に出願された仮出願第62967325号の優先権を主張する)の優先権を主張し、これらの内容は、参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、X線診断撮像に関し、より具体的には、一連の部分走査を使用して撮像ボリュームをサンプリングし、AIを使用して画像再構成からの情報が十分であるかどうかを判定する、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像の方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
トモシンセシス(デジタルトモシンセシス(DTS)ともいう)は、投影X線撮影と同程度の放射線量レベルで高分解能の限定角度トモグラフィを実行するための方法である。トモシンセシスは、血管撮像、歯科撮像、整形外科撮像、マンモグラフィ撮像、筋骨格撮像、及び肺撮像を含む、多様な臨床用途のために研究されている。DTSの線量レベルは、CTの線量レベルよりもはるかに低く、DTSはまた、CTのそれよりもはるかに高速であり、DTS自体のコストは、はるかに低い。患者に対するX線線量を更に低減し、かつX線走査を更に高速に実行するために、本発明は、分散広角疎部分走査からの撮像取得の方法及びシステムに対するものである。異なる分解能を使用して順次画像再構成を実行するいくつかの先行技術がある。しかしながら、先行技術に関連するいくつかの欠点がある。第1の欠点は、同じ場所で分解能変化のみがあることであり、第2の欠点は、視野角場所情報がないことである。第2の欠点、第3の欠点は、人工知能(AI)が関与していないことである。CTの順次走査に関する他の先行技術もある。第1の欠点は、順次走査が逐次的な位置であり、順次走査がCTのみのためのものであるため、角度カバレッジが非常に小さいことである。そのことは、対象がいくつかの離散的な走査位置を通して逐次的に並進されて、対象の領域からCTデータを取得する撮像技法を含む。この点で、対象は、現在の走査位置について有効又は許容可能なデータが取得されるまで、次の走査位置に並進されない。第2の欠点は、1つのX線源で、より遅いことである。ほとんどのCT装置は、1つのX線源しか有していない。より大きなカバレッジを得るには、かなりの角度、相対的に回転させなければならない。撮像ボリュームをサンプリングすることは、小さな角度から開始し、次いで、逐次的に増加する。そのため、サンプリングすることは、遅くなるであろう。先行技術における第3の欠点は、逐次順次走査に関する先行技術には、通常、AIが関与していないことである。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムによる順次走査の方法は、被写体を所定の位置に配置することと、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを制御することと、当該トモシンセシスイメージングシステムを使用して異なる角度で異なるX線源から第1のデータセットを撮り、画像再構成を実行することと、機械学習により人工知能を適用して、診断を実行し、1つ以上の走査を繰り返して、所定の画像再構成品質に到達することと、そこから3Dトモシンセシスボリュームを構成することと、を含む。
【0005】
別の態様では、患者に対するX線線量を更に低減し、インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムでより速いX線走査を実行するために、本発明は、分散した広い角度の疎部分走査からの撮像取得の方法を対象とする。リアルタイム画像再構成の間、人工知能(AI)は、最初の走査に基づいて、診断を実行するための十分な情報があるかどうかを判定する。インテリジェントな意思決定を行うために、AIは、診断を患者の病歴と比較することとなる。部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合に、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。
【0006】
この新しい発明には、CTにおける他の順次走査と比較して、多くの利点がある。第1の利点は、新しい発明が、運動している複数のパルス作動される線源の新規なハードウェア装置をともなうことである。この線源は、並列に稼働し、はるかに高速である。インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムは、複数のX線源を有する。第2の利点は、新しい発明が、より広い角度で疎に分散した位置をともなうことである。複数の線源の開始位置は、既に、広角のスパンを有している。したがって、最初の巡回走査は、既に、CTのものと比較してはるかに広い角度をカバーしている。第3の利点は、AIが関与していることである。AIは、現在、普及しつつある。高速なデータ取得と、より広い角度をカバーする第1のデータセットの取得と、により、AIを使用してリアルタイム再構成を行い、次のアクションを意思決定してとることが可能である。AIは、診断を患者の病歴と比較して、インテリジェントな意思決定を行うこととなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを使用する順次走査のフローチャートを示す。
【
図2】例示的なインモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを例示するものである。
【
図3】各X線源の順次走査の場所が開始時に広い角度にスパンを有することを例示するものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面を参照して、本発明を例として詳細に記載する。この説明全体を通して、示される好ましい実施形態及び実施例は、本発明の限定ではなく例と見なされるべきである。本明細書で使用される場合、「本発明」は、本明細書に記載の本発明の実施形態のうちのいずれか1つ及び任意の均等物を指す。更に、本明細書を通して「本発明」の様々な特徴を参照することは、全ての特許請求される実施形態又は方法が参照される特徴を含まなければならないことを意味しない。
【0009】
しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書で詳述される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施形態は、本開示が綿密かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝達するように提供されている。更に、本発明の実施形態を列挙する本明細書の全ての記述、及びその具体例は、その構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図されている。追加的に、そのような均等物は、現在知られている均等物、及び将来開発される均等物(すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行する、開発される任意の要素)の両方を含むことが意図されている。
【0010】
それゆえ、例えば、図、概略図、図解などが、本発明を具現化するシステム及び方法を例示する概念図又はプロセスを表すことは、当業者によって理解されるであろう。図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、及び関連付けられたソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通じて提供され得る。同様に、図に示される任意のスイッチは、概念的であるにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックとの相互作用を通して、又は更には手動で実行され、この特定の技法は、本発明を実装するエンティティによって選択可能であってもよい。当業者は、本明細書に記載の例示的なハードウェア、ソフトウェア、プロセス、方法、及び/又はオペレーティングシステムが例示の目的のためであり、それゆえ、任意の特定の名称の製造元に限定されることを意図されていないことを更に理解する。
【0011】
図2は、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1を示す。インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1は、インモーション多パルス作動X線源を使用して高効率かつ超高速の3D X線撮影を実行する新しいタイプのX線イメージングシステムである。線源のアレイを形成するように運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動されるX線源2が存在する。複数のX線源2は、グループとして一定速度で、あらかじめ定められた弧状トラック上で被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源2はまた、X線源の静止位置の周りで迅速に短距離移動することができる。X線源2が、グループ速度に等しいが反対の移動方向である速度を有するとき、X線源2及びX線フラットパネル検出器3は、一瞬、静止したままであるように、外部露出制御ユニットを介して作動される。そのことは、各X線源2についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。3D走査は、はるかに短い時間ではるかに広い掃引角度をカバーすることができ、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。このタイプのX線機は、はるかに高い走査速度を達成するために、他のタイプのX線画像機よりもはるかに多くのX線源を利用する。
【0012】
一次モータは、好ましくは、電気モータである。モータコントローラによって生成された電気信号は、一次モータに結合される。モータコントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)に結合されており、一次モータの回転速度を制御するために使用される出力信号を提供する。モータに動作可能に結合されたコントローラを、走査アームと患者テーブルとの間の実質的に一定の間隔を維持するように構成することができる。モータ及びはまた、アームの横方向の移動、及び/又はアームの長手方向軸を中心とした走査アームの回転を提供するためのリニアアクチュエータを含んでもよい。
【0013】
走査ガントリの二次モータは、モータ駆動ベアリング上に取り付けられた回転プラットフォームを含み、回転プラットフォームの各々は、モータの長手方向軸に沿って移動可能である。走査プラットフォームは、モータによって駆動される回転軸によって回転プラットフォームに固定されている。動き制御サブシステムは、モータとともに走査プラットフォームの位置及び速度を制御し、モータは、モータの長手方向軸を中心としたガントリの回転運動を生成する。制御信号生成回路は、モータの回転速度を制御して、モータとともに走査プラットフォームの移動速度を変動させるための信号を生成する際に使用するために提供される。制御信号生成回路は、モータに沿った走査プラットフォームの制御された移動をモータに生成させる制御信号を生成することができるように、動き制御サブシステムの制御入力に接続されている。制御信号生成回路は、モータの制御信号生成回路のインデックス付けを引き起こすための制御信号を生成することもでき、また、X線事象検出器からX線事象データを受信する。制御信号生成回路は、X線管及び変調器の通電を、受信されたX線事象データに応答するように制御するための、かつモータの速度、したがって、モータとともに走査プラットフォームの移動速度を制御するための駆動要素に駆動信号を提供する。
【0014】
支持フレーム構造が、対象受容領域を通した伝達のためのX線を発生する複数のパルス作動されるX線源と同様に、トモシンセシスイメージングシステム走査機の対象受容領域で支持されている。高速ガントリは、多パルス作動X線源によって発生されたX線が対象受容領域を通過し、かつ異なる角度でシンチレータに衝突することができるように、対象受容領域の周りで掃引する。複数のパルス作動されるX線源は、上で説明されるように、単一のパルス作動されるX線源と比較して、ある特定の利点を提供する。
【0015】
複数のX線源が、任意の好適な構造を介してガントリに取り付けられ得る。X線源は、運動しながら、複数の方向に沿って患者に向けてX線を同時に放射して、患者の画像を生成するように構成されている。図面には直線状の線源として示されているが、楕円形又は円形のアーク線源などの任意の数の非直線状の線源が使用されてもよい。X線源はまた、撮像のための適切なカバレッジを達成するために、複数の方向に独立して移動するように構成されている。更に、各線源の個々のカバレッジは、いくつかの所定の放射線フィルタリングを適用することによって(例えば、コリメータ及び/又はフィルタを使用して)強化されてもよい。
【0016】
X線フラットパネル検出器3は、所定の第1の露出値を有する第1の画像セットを取得するように設定され得る。第1の画像セットが診断に不十分であると仮定する。その場合、広角インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステム1は、対象を診断するための十分な情報が取得されるまで、第1の露出値よりも低い第2の露出値で少なくとも1つの追加の画像セットを順次に取得することができる。露出値は、エネルギースペクトル又は持続時間に基づいて判定され得る。
【0017】
図3は、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1について、各X線源2の順次走査の場所が開始位置で広角にスパンを有することを示す。各X線源2は、既に、走査の第1のセットからの広いスパン角度をカバーしている。例えば、線源A、線源B、線源C、線源D、線源Eを有し、かつ合計25回の露出をともなう5つの線源のシステムでは、各X線源は、5回の露出又は走査を行う。作動シーケンスのX線データセットは、1-6-11-16-21の第1セット、2-7-12-17-22の第2セット、3-8-13-18-23の第3セット、4-9-14-19-24の第4セット、5-10-15-20-25の第5セットなどである。5つの線源について、このタイプの機械は、合計120回以上の走査に容易に至ることができる。合計120回の走査がある場合に、各X線源は、小さな増分ステップを24回移動し、24回の走査を行う。システムの設計に応じて、最初の角度カバレッジは、容易に60度を超えることができる。5つの線源、6つの線源、又は更に多くのX線源を利用することができる。一実施形態では、5つの線源が使用される場合、隣接する線源の間に12.5度があり、その場合、カバーされる合計の角度は、62.5度である。他の構成も可能である。
【0018】
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1について、X線源2は、患者に対して移動し、患者を走査する。各部分走査の角度カバレッジは、非常に広く、患者に対して減衰せずに診断情報を提供するのに十分に広い。AIは、最初の走査に基づいて診断を実行するのに十分な情報があるかどうかを判定するために、最初の走査に基づいて、結果を以前の画像のデータベースと比較することとなる。部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合に、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。リアルタイム画像再構成の間、人工知能(AI)は、最初の走査に基づいて、診断を実行するための十分な情報を判定する。インテリジェントな意思決定を行うために、AIは、診断を患者の病歴と比較することとなる。部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合に、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。
【0019】
図1は、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムのフローチャートを示す。この方法は、撮像タスクを選択し、イメージングシステムに所定のプロトコルをロードすることと、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1をオンにすることと、被写体を所定の位置に配置することと、異なる角度から第1のデータセットを撮り、イメージングシステムの1つ以上の選択された管から1つ以上の投影画像を取得することによって、画像再構成を実行することと、1つ以上の投影画像を蓄積し、そこから3Dトモシンセシスボリュームを再構成することと、機械学習を適用して、1つ以上の走査を繰り返して診断を実行して、所定の画像再構成品質に到達し、追加の投影画像を取得し、所定の画像再構成品質の閾値が満たされるまで、再構成された3Dトモシンセシスボリュームに機械学習を適用することと、機械学習を適用して、3Dトモシンセシスボリューム内の肺結節を探索することと、を含む。
【0020】
異なる角度からの1つのデータセットででも再構成を行うことができる。第1のX線撮像走査セットを撮った後、AIは、更なるデータセットがあといくつ必要であるかを意思決定することとなる。最初のいくつかのデータセットが診断を完了するのに1秒未満で済むことは十分に可能である。インテリジェントな意思決定を行うために、AIは、診断を患者の病歴と比較することとなる。費やされる時間のほとんどは、患者がデータを撮る準備ができるように自分自身を位置付けるための時間を必要とするか、又はオペレータが患者情報を入力するための時間を必要とするというものである。データ取得自体は、非常に速く進行し得る。
【0021】
一実施形態では、システムは、以下を実行する。システムはまず、患者情報を収集し、身体の解剖学的構造、例えば胸部を選択する。次いで、患者が、走査エリアに入る。例えば、患者がテーブルの上に載っている一実施形態では、システムは、患者の位置をテーブルの中央に地面から6フィート離して位置付けることができ、大きな複数のパルス源が、胸部エリアをカバーするように、患者の隅の患者の上下にある。患者の正面及び背側に1つずつ、インモーションテーブルが存在する。各々は、複数のパルス作動される線源を有する。全エネルギーの複数のパルス作動される線源を使用する。患者は、巡回と巡回の間に自分の水平面内で回転される。1つのパルス作動される線源が、何度か回転し、同時に、平面内及び平面外でインモーションとなる。別のパルス作動される線源が、反対方向から始まり、時間ステップごとに異なる角度で同じ方向又は反対方向に回転する。各巡回に少なくとも並列の部分走査を使用する。より広い角度で疎に分散した位置。複数の線源の開始位置は、既に、広角のスパンを有している。したがって、最初の巡回走査は、既に、CTのものと比較してはるかに広い角度をカバーしている。複数のパルスされる線源は、どこに進むべきか、及び次のステップでどの角度で回転するかを判定する。
【0022】
肺疾患分析のための別の実施形態では、オペレータは、タスク、例えばボタンによって肺モジュール、を選択し、肺の3Dモデルは、それに応じて画面上で移動する。次いで、オペレータは、ポインタを3Dモデル上の肺領域の上に置き、1回クリックして肺領域を再構成のために選択することができる。心臓、乳房などに同様の処置を行うことができる。「以前の画像と一致」チェックボックスを使用して、患者の病歴と比較して、十分な情報が得られたかどうかを判定する。いくつかの課題としては、広角での疎分散部分走査、インモーション多パルス作動線源での並列データ取得、リアルタイム画像再構成、多層コントラスト、X線撮影画像分解能、限定角度での高分解能、診断能力などが挙げられる。分散トモシンセシスのこの応用について、一実装態様は、患者に対するX線線量を更に低減し、かつインモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1でより速いX線走査を実行するために、分散広角部分走査を使用する。このシステムは、広角での疎分散部分走査を有するものである。より具体的には、本発明に開示されるいくつかの実施形態がある。
【0023】
システムは、全ての投影画像を蓄積し、各部分走査で並列に3Dトモシンセシス画像ボリュームを再構成する。各投影画像を用いて、以前の走査の対応する再構成された3Dボリュームデータも蓄積し、この部分走査の現在の3Dボリュームデータと比較して、診断を行うのに十分な情報があるかどうかを確認し、該当する場合、システムは停止し、そうでない場合、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所で疎部分走査のもう一巡回を順次に実行する。システムは、複数のX線源と協働し、並列に稼働する。線源の数は、広角が必要とされる程度に依存する。より広角の開始点を伴う、システムの疎に分散した位置。開始点は、既に、広角にスパンを有している。したがって、最初の巡回走査は、既に、CTのものと比較してはるかに広い角度をカバーしている。連続回転による1ステップのみのカバレッジ。それは、インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムを有する装置である。順次部分走査及び順次画像再構成を実行するためのいくつかの先行技術がある。
【0024】
システムは、いくつかの利点を有する。CTのみの走査に対する利点は、順次走査が広角カバレッジを提供することである。別の利点は、本システムが、より大きなカバレッジを得るために大きな回転/角運動を必要とする1つのX線源を有するCTスキャナよりも高速であることである。従来のCTサンプリング撮像ボリュームは、小さな角度から開始し、逐次増加するため、遅いであろう。対照的に、複数の走査線源を有するシステムは、走査を迅速に実行することができる。
【0025】
AI(人工知能又は機械学習)システムは、画像を分析し、患者の健康状態を判定し、診断報告及び画像を出力する。AIは、インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムで以前のデータを分析し、各パルス作動される線源は、異なる角度でX線を放射する。ハードウェアシステムは、1つのパルス線源が広角分散疎部分走査にあって開始し、このパルス線源は、撮像中に複数の方向に向いて、撮像目的で関心のある広い領域をカバーする。最初の走査では、AIは、小さな角度に位置するパルス線源で画像を分析する。部分的な走査からの、診断を実行するのに十分な情報がある。最初の走査が不十分である場合、結果が満たされるものになるまで、追加の巡回の広角疎部分走査が順次に実行される。AIは、以前のデータに基づいて次の走査方向を意思決定するため、結果は、更に高速の走査時間での高分解能トモシンセシス走査を可能にする。
【0026】
走査品質のAI分析は、放射線曝露を低減し、部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。AIはまた、部分走査全体のセットを処理して、ユーザのための最終報告を作成し、放射線科医の意思決定のための、先行技術の角度間情報と比較した部分間情報の量を判定する。一実施形態では、システムは、多くの画像を格納する。別の実施形態では、異なる画像のみが格納され、画像フォルダサイズが圧縮される。異なる角度の異なる場所からの画像を比較することは、先行技術の限定角度のトモシンセシスからの単一スライス画像から明らかではなかった追加の診断情報を提供し得る。デバイスは、別の実施形態では、同じ場所であるが異なる角度に対応する画像を識別するための走査インデックス付けシステム全体を含む。これにより、特定の撮像領域又は関心のある領域に対応する画像を迅速に探索して見つけることが可能になる。一実施形態では、診断プロセスを進めるのに十分な情報が存在するかどうかを判定した後、コントローラは、画像融合技法を使用して一連の部分走査を再構成するように進行する。別の実施形態では、システムは、多くの異なる角度から、患者データ、例えばX線撮像データ、を格納するための患者データ格納コンポーネントを含むことができる。
【0027】
一実施形態は、もう一巡回の走査を実行するか、又はデータ取得を停止する意思決定について、オペレータに警告する。任意選択で、AIシステムは、患者画像及び患者画像の関連パラメータのライブラリを有してもよく、これにより、診断のための以前の部分走査に対して現在の部分走査を分析し、追加の部分走査からより多くの情報が必要であるかどうかを判定することができる。部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合に、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。本発明は、時間を節約し、かつX線線量を低減することを可能にし、このことは、運動している複数のパルス作動線源の新規なハードウェア装置によって可能になる。複数の線源の開始位置は、既に、広角のスパンを有している。したがって、最初の巡回走査は、既に、CTのものと比較してはるかに広い角度をカバーしている。リアルタイム画像再構成中の画像再構成は、X線源間のそのような並列性を利用することができる。そして、最も重要なことに、この画像再構成は、異なる角度及び並列性による「疎」分散撮像の複数回の反復を利用して、全体を形成する。
【0028】
診断は、がん細胞などの、関心のあるものを見つける確率を含む。また、診断は、健常な組織などの、関心のないものを見つける確率も含む。これらの確率のうちの1つ以上が、複数の取得された部分走査及び関連付けられた生データの各々について考慮され得る。画質を損なうことなく、複数のスライスを迅速に取得することが所望される。それゆえ、システムは、複数のX線源及び多くの部分走査点を適用して、全てのスライスを迅速かつ最小限の放射線量で取得する。各線源は、広角で開始し、小さな視野(FOV)をカバーし、徐々に線源のFOVを増加させ、ボリュームの終わりに達するまで、連続した取得中に線源の角度を順次に減少させる。取得後、システムは、単一線源トモシンセシスの場合のように、ボリュームの開始を繰り返し、かつそこから開始する必要を回避する。システムがAI技法を使用して最初の部分走査(大きな範囲の角度をカバーする最初の走査)を再構成する、代替的なアプローチを使用することができる。この実施形態では、AIが何か疑わしいものを見つけた場合、AIは、オペレータに警告することとなり、オペレータが停止する前に、特定の領域でより多くの走査を取得するようにオペレータに指示し得る。このようにして、システムは、従来のように、設定された数の取得後に停止する代わりに、全ての診断基準が満たされたときにのみ停止する。
【0029】
本システムのインモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステム1は、回転可能なガントリを有する少なくとも2つのX線源、入出力制御機構を有する複数の回転デバイス、入出力制御機構上にアレイ検出器を有する撮像検出器を含む。入出力制御機構は、複数の移動デバイスを更に含む。当該ガントリは、それぞれのX線源を支持する少なくとも2つの回転可能なガントリを有する。回転可能なガントリは、動作中にガントリの構造的完全性を維持することができる任意の材料で作製され得る。清浄な環境には、粘着性を引き起こし得る汚染物質がない。清浄な環境としては、部品が製造される生産エリア、医療施設、無菌環境などが挙げられる。不浄な環境としては、自動車生産エリア、発電所、化学処理工場などが挙げられる。複数の移動デバイスが、それぞれの回転可能なガントリを互いに連携して移動させる。
【0030】
分散した広角の疎部分走査は、X線源によって、被写体の標的領域についての第1の広角部分走査データセットを得ることと、X線検出器を使用して、かつ第1の広角部分走査データセットを使用して、標的領域から第2の広角部分走査データセットを取得することと、を含む。第2の広角部分走査データセットを取得するための総放射線量は、第1の広角部分走査データセットを取得するための放射線量の約何倍か未満である。一実施形態では、被写体の標的領域についての第1の広角部分走査データセットを得ることは、標的領域から、疎に分散したパターンで複数の部分的に重複する広角部分走査データを得ることを含む。別の実施形態では、標的領域は、患者の心臓を含む。更に別の実施形態では、標的領域から第2の広角部分走査データセットを取得することは、標的領域から第3の広角部分走査データセットを取得することを含む。更なる実施形態では、第3の広角部分走査データセットは、第2の広角部分走査データセットの横方向の寸法よりも小さい横方向の寸法を有する。別の実施形態では、標的領域から第2の広角部分走査データセットを取得することは、標的領域から、疎に分散したパターンで複数の実質的に重複しない広角部分走査データを取得することを含む。
【0031】
次いで、患者は、第2のデータセットの取得のために別の角度に並進されることとなる。先に述べたように、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム1は、複数のX線源を有する。各X線源間の間隔は、より広く、このことは、トモシンセシス走査が開始する場所に3つの選択肢があることを意味する。これらの場所は、P1、P2、及びP3として既知である。上記の例と同じロジックが、ここに適用されることとなる。P1は、第1の場所に対応する。これは、走査番号1の開始に対応する。P2は、第2の場所に対応する。これは、走査番号2の開始に対応する。P3は、第3の場所に対応する。これは、走査番号3の開始に対応する。第2のデータセットを取得した後、システムは、結果を各線源上の各スライス位置についての診断要件と比較する。システムは、AIを使用して、診断情報をあまり失うことなくデータ取得を停止することが可能であるかどうかを意思決定する。そうである場合、システムは、データ取得を停止する。そうでない場合、システムは、もう一巡回のデータを取得する。これを行うことによって、本発明は、患者に対するX線線量を大幅に低減し、より速いX線走査を実行する。複数のX線源が存在することから、最初の2つ又は3つの部分走査が十分でない場合、システムは、結果が満たされるものになるまで、別の場所を使用して別の部分走査を順次に取得することができる。
【0032】
システムは、AIを適用して、リアルタイムの再構成を行い、次のアクションをとる。AIは、診断を患者の病歴と比較して、インテリジェントな意思決定を行い、多くの利点をもたらす。第1の利点は、AIが、インモーションの複数のパルス作動される線源の新規なハードウェア装置をともなうことである。この線源は、並列に稼働し、はるかに高速である。インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムは、複数のX線源を有する。第2の利点は、AIが、より広い角度で疎に分散した位置をともなうことである。複数の線源の開始位置は、既に、広角のスパンを有している。したがって、最初の巡回走査は、既に、CTのものと比較してはるかに広い角度をカバーしている。第3の利点は、AIが関与していることである。AIは、現在、普及しつつある。高速なデータ取得と、より広い角度をカバーする第1のデータセットの取得と、により、AIを使用してリアルタイム再構成を行い、次のアクションをとることが可能である。AIは、診断を患者の病歴と比較して、インテリジェントな意思決定を行うこととなる。部分的な走査からの十分な情報がある場合に、データ取得は停止し、より多くの情報が必要である場合に、システムは、結果が満たされるものになるまで、新しい場所でもう一巡回の広角疎走査を順次に実行する。
【0033】
他の実施形態では、システムは、早期がん検出のための器官及び器官の血管系のセグメント化のためにAIを適用することができる。システムは、ボクセルデータ、一次元強度プロファイル、多次元強度プロファイル、多次元強度勾配と協働することができる。システムは、病理学マップ、強度値マップ、又は角度値マップを自動生成することができる。システムは、様々な入力を受け入れるだけでなく、患者の臨床情報に基づいて次の部分走査方向を自動選択するためのインテリジェントな意思決定を行うこともできる。それゆえ、システムは、広角分散部分走査の画像再構成のためにAIを適用し、部分走査を遂行するために、インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムの即時設計を利用する。システムは、分散疎部分走査取得を実行して、リアルタイム再構成に関与するAIとともに広角を利用して、次に何が起こるかを意思決定することができる。
【0034】
本発明の様々な修正及び変更が、添付の特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。以下の任意の方法の請求項に列挙されたステップは、必ずしもそれらが列挙された順序で実行される必要はないことに留意されたい。当業者は、ステップを実行する際に、列挙されたものとは異なる、順序の変形を認識するであろう。加えて、特徴、ステップ、又は構成要素の言及又は説明の欠如は、存在しない特徴、又は構成要素が但し書き若しくは同様の請求項の文言によって除外される、請求項の基礎を提供する。
【0035】
本発明は、様々な例示的な実施形態及び実装態様の観点で上で記載されたが、個々の実施形態のうちの1つ以上に記載の様々な特徴、態様、及び機能性は、それらが記載されている特定の実施形態への適用に限定されず、代わりに、そのような実施形態が記載されているかどうか、及び記載された実施形態の一部としてそのような特徴が提示されているかどうかにかかわらず、単独で又は様々な組み合わせで、本発明の他の実施形態のうちの1つ以上に適用され得ることを理解されたい。したがって、本実施形態の広さ及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0036】
この文書において使用される用語及び語句、並びにその変化形は、別途明示的に記載されない限り、限定的であるのとは反対に、オープンエンドであると解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などの意味として解釈されるべきであり、「例」という用語は、その網羅的又は限定的なリストではなく、説明中の項目の例示的な事例を提供するために使用され、「a」又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」、「1つ以上」などを意味するものとして解釈されるべきであり、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準の」、「知られている」などの形容詞及び同様の意味の用語は、所与の期間に又は所与の時点で利用可能な項目に記載された項目を限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来の任意の時点で利用可能か又は知られ得る従来の、伝統的な、通常の、又は標準の技術を包含するように解釈されるべきである。これゆえ、この文書が、当業者に明らかであるか、又は知られている技術に言及する場合、そのような技術は、現在又は将来の任意の時点で当業者に明らかであるか、又は知られている技術を包含する。
【0037】
いくつかの事例では、「1つ以上」、「少なくとも」、「であるがこれらに限定されない」などの広義の語及び語句、又は語句などの他のもの存在は、そのような広義の語句が存在しないことがある場合に、より狭い場合が意図されるか、又は必要とされることを意味すると解釈されないものとする。「モジュール」という用語の使用は、モジュールの一部として記載又は特許請求される構成要素又は機能性が全て共通のパッケージ内に構成されていることを含意しない。実際、制御ロジック又は他の構成要素にかかわらず、モジュールの様々な構成要素のいずれか又は全ては、単一のパッケージに組み合わされてもよいし、別個に維持されてもよく、複数の場所にわたって更に分散されてもよい。
【0038】
開示される実施形態の先の説明は、当業者が本発明を作成又は使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の修正は、当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。それゆえ、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与されるものである。
【国際調査報告】