(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】ブリスターマシン(Blisterautomat)用の保存および分配ステーション
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240325BHJP
B65B 1/30 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
B65B1/30 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560329
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022056632
(87)【国際公開番号】W WO2022207301
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーディー シュミット-エリンガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ユンガー
【テーマコード(参考)】
3E118
4C047
【Fターム(参考)】
3E118AB07
3E118BB06
3E118BB12
3E118EA01
4C047JJ01
4C047JJ06
4C047JJ12
(57)【要約】
本発明は、個別化可能な小ピース物品のためのブリスターマシン用の保存および分配ステーションに関する。公知の保存および分配ステーションでは、保存容器を分配ステーション上にセットする際に誤分配が時々生じる。これを回避するために、保存および分配ステーションは、下方の連結部分(42)を備える連結装置(40)を備える個別化装置(30)と、作動手段を備える保持装置とを備える保存容器(1)を含む。保存および分配ステーションは、その上に保存容器(1)が解離可能に配置されている分配ステーション(100)をさらに含み、分配ステーション(100)はシャフト(151)およびこのシャフト上に座すハブ(152)を備える回転駆動部(150)と、作動手段(51)と交互作用するための開放手段(125)とを備える。開放手段(125)は、分配ステーションにある切欠部として構成されており、作動手段(51)は、対応する垂直のノーズとして構成されており、それにより、ハブ(152)と下方の連結部分(42)との間の交互作用が有効な連結係合深さ(KET)を規定し、および作動手段(51)と開放手段(125)との間の交互作用が有効な保持係合深さ(HET)を規定し、それにより、連結係合深さ(KET)は、保持係合深さ(HET)よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間(2)を取り囲むと共に内部が円筒形の部分(11)と中央の連結開口部(21)を備える底面(20)とを備えるハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)の前記内部が円筒形の部分(11)内に配置された個別化装置(30)であり、前記個別化装置を通って垂直に延びる複数のチャネル(32)と前記中央の連結開口部(21)内に延びると共に下方の連結部分(42)を備える連結装置(40)とを備える個別化装置(30)と、
保持手段(54)および作動手段(51)を備える保持装置(50)であり、ロック位置では前記個別化装置(30)の回転を阻止し、解放位置では前記個別化装置(30)の回転を許容する保持装置(50)と、を備える保存容器(1)ならびに、
その上に前記保存容器(1)が解離可能に配置されている分配ステーション(100)であり、
シャフト(151)および前記シャフト上に座すと共に下方の連結部分(42)との力伝達性の交互作用のためのハブ(152)を備える回転駆動部(150)と、
前記保持装置の前記作動手段(51)との交互作用のための開放手段(125)と、
を備える分配ステーション(100)と、
を有するブリスターマシン用の保存および分配ステーションであって、
前記下方の連結部分(42)、前記ハブ(152)、前記作動手段(51)および前記開放手段(125)は、前記保存容器(1)を前記分配ステーション(100)上に配置する際に、前記作動手段(51)と前記開放手段(125)との間の、前記保持装置の解放位置への運動を引き起こす有効な交互作用の前に、下方の連結部分(42)とハブ(152)との間の有効な交互作用が発生するように互いに調整されており、前記ハブ(152)は無電流状態では回転可能である、
ブリスターマシン用の保存および分配ステーションにおいて、
前記開放手段(125)は、前記分配ステーションにある切欠部として構成されており、前記作動手段(51)は、対応する垂直のノーズとして構成されていること、
ハブ(152)と下方の連結部分(42)との間の交互作用は、有効な連結係合深さ(KET)を規定し、作動手段(51)と開放手段(125)との間の交互作用は、有効な保持係合深さ(HET)を規定すること、および
前記連結係合深さ(KET)は、前記保持係合深さ(HET)よりも大きいことを特徴とするブリスターマシン用の保存および分配ステーション。
【請求項2】
前記ハブ(152)と前記開放手段(125)とは、前記分配ステーション(100)の垂直軸を基準にして同じ有効高さを有すること、および前記下方の連結部分(42)は、前記保存容器(1)の垂直軸を基準にして前記作動手段の有効深さよりも低い有効深さを有することを特徴とする請求項1に記載のブリスターマシン用の保存および分配ステーション。
【請求項3】
前記下方の連結部分(42)と前記作動手段(51)とは、前記保存容器(1)の垂直軸を基準にして同じ有効深さを有すること、および前記ハブ(152)は、前記分配ステーション(100)の垂直軸を基準にして前記開放手段(125)の有効高さよりも高い有効高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブリスターマシン用の保存および分配ステーション。
【請求項4】
ブリスターマシンの保存および分配ステーションの保存容器(1)を分配ステーション(100)上にセットするための方法であって、
回転駆動部(150)のハブ(152)と開放手段(125)とを備える分配ステーションが提供され、ここで前記開放手段(125)は、前記分配ステーションにある切欠部として構成されており、
収容空間(2)を取り囲むと共に内部が円筒形の部分(11)と中央の連結開口部(21)を備える底面(20)とを備えるハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)の前記内部が円筒形の部分(11)内に配置された個別化装置(30)であって、前記個別化装置を通って垂直に延びる複数のチャネル(32)と前記中央の連結開口部(21)内に延びると共に下方の連結部分(42)を備える連結装置(40)とを備える個別化装置(30)と、
保持手段(54)および作動手段(51)を備える保持装置(50)であり、前記保持装置(50)は、前記保持手段(54)を介して前記個別化装置(30)の回転を阻止し、および前記作動手段(51)は、前記分配ステーションにある切欠部に対応する垂直のノーズとして構成されている保持装置(50)と、
を備える保存容器(1)が提供され、
前記保存容器(1)が前記分配ステーション(100)上に配置され、
前記配置の際に、まず
前記連結部分(42)と前記ハブ(152)との間の有効な交互作用が始まり、前記交互作用が開始する際に、前記ハブ(152)は回転により前記連結部分(42)に適合し、ハブ(152)と連結部分との間の形状的および/または摩擦的な結合が確立され、引き続き、作動手段(51)と開放手段(125)との間の有効な交互作用が始まり、前記交互作用が開始する際に前記保持手段(54)が解離され、それにより前記個別化装置(30)の回転が可能になる、
方法において、
前記ハブ(152)と前記下方の連結部分(42)との間の前記交互作用は、有効な連結係合深さ(KET)が前記ハブ(152)と前記下方の連結部分(42)との摩擦的および/または形状的な結合によって形成されることにより始まること、
前記作動手段(51)と前記開放手段(125)との間の前記交互作用は、前記作動手段(51)が前記開放手段(125)内へ案内され、その際に前記保持手段(54)が解離され、有効な保持係合深さ(HET)が形成されることにより始まること、
ならびに前記連結係合深さ(KET)は、前記保持係合深さ(HET)よりも大きいことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別化可能な小ピース物品、とりわけ薬剤および栄養補助剤ポーション(Arzneimittelportion)のためのブリスターマシン用の保存および分配ステーション、ならびにブリスターマシンの保存および分配ステーションの保存容器を分配ステーション上にセットする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代のブリスターマシンは、例えば特許文献1に開示されているように、ブリスターマシンの拡張段階に応じて、数百の保存および分配ステーションを含む。これらのブリスターマシンには、それぞれ複数の個別化可能な小ピース物品が保管されており、必要に応じて個々の小ピース物品を分配することができる。小ピース物品は、通常、薬剤および栄養補助剤ポーションである。
【0003】
ブリスターマシンにより、例えば保存および分配ステーションに保管された薬剤ポーションを、患者個別に医師に処方された服用時間の期日に従い配合しパッキングすることができる。複数の薬剤ポーションを配合するために相応の保存および分配ステーションが、1つまたは複数の薬剤ポーションを分配するためにブリスターマシンの制御装置によって制御される。薬剤ポーションを分配するために、保存および分配ステーションの個別化装置により、保存容器に保管された薬剤ポーションが分別され、分配開口部を介してブリスターマシンのガイド装置に移送される。ガイド装置によって、分配された薬剤ポーションが、場合により配合装置を中間接続して、個々のまたは複数の薬剤ポーションをパッキングする包装装置に供給される。
【0004】
保存および分配ステーションの保存容器に保管されている薬剤ポーションを個別化するために、個別化装置は、複数のチャネルを含み、これらのチャネルは、通常、個別化装置の本体の外周部に配置されている。これらのチャネルは、それぞれ個別化すべき薬剤ポーションに、それらの寸法に関して、チャネル内に薬剤ポーションが上下に重なるのみで、しかし並ばずに、配置され得るように適合されている。チャネルは、例えばチャネル内には薬剤ポーションのみが収容され得るように寸法設定することができる。
【0005】
薬剤ポーションをチャネルから分配するために、チャネルは保存容器のハウジングの底面にある分配開口部上で移動され、(一番下の個所にある)チャネル内に配置された薬剤ポーションが重力のため分配開口部内に滑り落ちるか、または落下する。チャネル内またはチャネルの上方に保管されたさらなる薬剤ポーションが同様に分配されるのを回避するために、つまり未知の数の薬剤ポーションが分配されるのを回避するために、分配開口部の上方の領域内には、ホールド手段またはセパレータのホールド部分が、少なくとも分配開口部にアライメントされているチャネル内またはチャネルの上方で案内または配置されている。ホールド部分は、チャネルの高さに関して、ホールド部分の下方には薬剤ポーションのみが配置され得るようにチャネル内またはチャネルの上方に配置されている。一番下の薬剤ポーションをその上に配置された薬剤ポーションから分離するためにホールド部分がチャネル内で案内されている場合、チャネルを分離する個々の突起が、ホールド部分を収容するスリットを有する。ホールド部分がチャネルの上方に配置または案内されている場合、このホールド部分は、通常、突起の上方端部の上に僅かのみ案内されており、それにより、薬剤ポーションの分配の際にさらなる薬剤ポーションがチャネル内に達することが回避される。
【0006】
通常、保存および分配ステーションは、ブリスターマシンと通常は解離可能に接続されている分配ステーションを含む。保存および分配ステーションは保存容器をさらに含み、この保存容器は、簡単な再装填および/または交換のため解離可能に分配ステーション上に配置されている。再装填の際には、小ピース物品が規則的に、個別化装置の上記のチャネル内に滑り落ちる。個別化装置の、分配開口部にアライメントされているチャネルはホールド部分によりロックされているから、本来の再装填の際に小ピース物品が保存容器から落下することはできない。個別化装置の回転は、通常、セットされていない状態で作用する保持装置によって阻止されている。
【0007】
しかし公知の保存および分配ステーションには、保存容器をセットする際に小ピース物品が時々意図せずに分配されるという問題がある。セットする際に個別化装置は連結装置を介して、分配ステーション内に配置された駆動部のハブに位置合わせされる。その際にもたらされた回転により、チャネルの特性および配置によっては、装填された(ホールド部分によりロックされていなかった)チャネルが分配開口部の上部に回転され、次に小ピース物品が分配されるという事態が生じ得る。確かにこの問題は、セットのたびに発生するわけではなく、それは小ピース物品が分配時にブリスターマシン内に到達するからであるが、不所望の分配は時々あるだけでも非常に煩わしいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2013/034604号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の課題は、保存容器を分配ステーションにセットする際に小ピース物品が不所望に分配されることが排除されている保存および分配ステーションを提供することである。さらに本発明の課題は、このことが排除されている保存容器を分配ステーション上にセットするための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は一方では、請求項1によるブリスターマシン用の保存および分配ステーションによって解決される。本発明による保存および分配ステーションは、収容空間を取り囲むと共に内部が円筒形の部分と中央の連結開口部を備える底面とを備えるハウジングと、ハウジングの内部が円筒形の部分内に配置された個別化装置であって、この個別化装置を通って垂直に延びる複数のチャネルと中央の連結開口部内に延びると共に下方の連結部分を備える連結装置とを備える個別化装置と、を有する保存容器を含む。保存容器は、保持手段および作動手段を備える保持装置であって、ロック位置で個別化装置の回転を阻止し、解放位置で個別化装置の回転を許容し、およびこれら位置の間で可動である保持装置をさらに含む。
【0011】
本発明による保存および分配ステーションは、その上に保存容器が解離可能に配置されている分配ステーションであって、シャフトおよびこのシャフト上に座すと共に下方の連結部分との力伝達性の交互作用のためのハブを備える回転駆動部を備える分配ステーションをさらに含む。分配ステーションは、保持装置の作動手段と交互作用するための開放手段をさらに含む。
【0012】
下方の連結部分、ハブ、作動手段および開放手段は、保存容器を分配ステーション上に配置する際に、作動手段と開放手段との間の、保持装置の解放位置への運動をもたらす有効な交互作用の前に、下方の連結部分とハブとの間の有効な交互作用が発生するように互いに調整されていることがさらに企図されている。解放位置で初めて連結装置(およびひいては個別化装置)の回転が可能になるので、本発明によれば、ハブが無電流状態で回転可能であることが必要であり、それによりハブと下方の連結部分との間の交互作用が始まると、ハブは連結位置に回転することができる(および個別化装置はできない)。つまり意図しない分配に至ること、すなわち連結装置(およびひいては個別化装置)のハブへの(回転を介する)位置合わせの可能性が阻止される。ハブとのまたはハブへの連結装置の位置合わせの際にはハブのみが回転しなければならない(およびできる)。従来技術からの保存および分配ステーションでは、これとは異なり、位置合わせが原因で個別化装置の不所望の回転が生じ、およびひいては場合により小ピース物品が分配された。
【0013】
本発明によれば、開放手段が分配ステーションにある切欠部として構成されており、作動手段が対応する垂直のノーズとして構成されていること、ハブと下方の連結部分との間の交互作用が有効な連結係合深さを規定し、作動手段と開放手段との間の交互作用が有効な保持係合深さ(HET)を規定すること、および連結係合深さ(KET)が保持係合深さ(HET)よりも大きいことが企図されている。係合深さを、本発明に従って形成することにより、保持交互作用(およびひいては保持装置の解放位置への走行)が始まる前に、常に最初に連結交互作用が有効になることが保証される。これは、特に単純な純粋に機械的な構成部材によりさらに達成される。
【0014】
好ましい構造的に単純な一実施形態では、ハブと開放手段とが、分配ステーションの垂直軸を基準にして同じ有効高さを有し、下方の連結部分は、保存容器の垂直軸を基準にして作動手段の有効深さよりも低い有効深さを有する。「有効高さ」の用語は、そこから対応する構成部材(例えばハブ<->下方の連結部分)との交互作用が発生する、分配ステーション内の「高さ」または位置を意味する。「有効深さ」は、そこから対応する構成部材との交互作用が発生し得る、保存容器内の「深さ」または位置を相応に表す。
【0015】
同様に構造的に非常に簡単に行われている代替的な一実施形態では、下方の連結部分と作動手段とが、保存容器の垂直軸を基準にして同じ有効深さを有する。ハブは、分配ステーションの垂直軸を基準にして、開放手段の有効高さよりも高い有効高さを有する。
【0016】
この課題は、請求項4による、ブリスターマシンの保存および分配ステーションの保存容器を分配ステーション上にセットするための方法によってさらに解決される。本発明によれば、回転駆動部のハブと開放手段とを備える分配ステーションが提供され、開放手段は、分配ステーション内の切欠部として構成されている。保存容器であって、収容空間を取り囲むと共に内部が円筒形の部分と中央の連結開口部を備える底面とを備えるハウジングと、ハウジングの内部が円筒形の部分内に配置された個別化装置であって、この個別化装置を通って垂直に延びる複数のチャネルと中央の連結開口部内に延びると共に下方の連結部分を備える連結装置とを備える個別化装置と、保持手段および作動手段を備える保持装置であって、保持装置は保持手段を介して個別化装置の回転を阻止し、および作動手段は分配ステーションにある切欠部に対応する垂直のノーズとして構成されている保持手段と、を備える保存容器がさらに提供される。この場合、保存容器は分配ステーション上に配置され、まず下方の連結部分とハブとの間の有効な交互作用が始まり、この交互作用が開始する際に、ハブは回転により連結部分に適合するか、または適合することができ、ハブと連結部分との間の形状的および/または摩擦的な結合が確立され、引き続き、作動手段と開放手段との間の有効な交互作用が始まり、この交互作用が開始する際に保持手段が解離され、それにより個別化装置の回転が可能になる。
【0017】
本発明によれば、ハブと下方の連結部分との間の交互作用は、有効な連結係合深さ(KET)がハブと下方の連結部分との摩擦的および/または形状的な結合により形成されることによって始まり、作動手段と開放手段との間の交互作用は、作動手段が開放手段内に案内され、その際に保持手段が解離され、そうして有効な保持係合深さ(HET)が形成されることによって始まり、ここで連結係合深さ(KET)は保持係合深さ(HET)よりも大きい。
【0018】
以下に本発明による保存および分配ステーション、ならびに本発明による方法を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による保存および分配ステーションの第1の実施形態の斜視図である。
【
図2a】第1の実施形態の詳細図であり、保存容器の一部が取り外されている。
【
図2b】第1の実施形態の詳細図であり、保存容器の一部が取り外されている。
【
図3a】保存および分配ステーションの第1の実施形態の保存容器の様々な図である。
【
図3b】保存および分配ステーションの第1の実施形態の保存容器の様々な図である。
【
図3c】保存および分配ステーションの第1の実施形態の保存容器の様々な図である。
【
図3d】保存および分配ステーションの第1の実施形態の保存容器の様々な図である。
【
図4a】連結装置/保持装置の組み合わせの斜視図である。
【
図4b】連結装置/保持装置の組み合わせの斜視図である。
【
図5】連結装置/保持装置の組み合わせの平面図である。
【
図6】連結装置/保持装置の組み合わせの水平な断面を示す図である。
【
図7】本発明による保存および分配ステーションの第1の実施形態の断面図であり、保存容器の一部が取り外されている。
【
図8a】
図7からの断面の詳細図であり、連結装置/保持装置の組み合わせが垂直に上方に変位されている。
【
図8b】
図7からの断面の詳細図であり、連結装置/保持装置の組み合わせが垂直に上方に変位されている。
【
図9a】本発明による保存および分配ステーションの第2の実施形態の断面図であり、そこでも保存容器の一部が同様に取り外されている。
【
図9b】本発明による保存および分配ステーションの第2の実施形態の断面図であり、そこでも保存容器の一部が同様に取り外されており、
図9bでは連結装置/保持装置の組み合わせが垂直に上方に変位されている。
【
図10】本発明による保存および分配ステーションの第3の実施形態の断面図である。
【
図11a】断面の詳細図であり、連結装置/保持装置の組み合わせがこの図でも垂直に変位されて示されている。
【
図11b】断面の詳細図であり、連結装置/保持装置の組み合わせがこの図でも垂直に変位されて示されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、保存容器1と分配ステーション100とを備える本発明による保存および分配ステーションの第1の実施形態の斜視図を示す。図示の実施形態では分配ステーション100が、5つの分配ステーション100の結合物の一部であり、ブリスターマシンでの分配ステーションの取り付けを簡単にするために、このような結合物が全体としてブリスターマシンに規則どおりに固定される。代替的な実施形態では、分配ステーションを互いに分離することができるか、または異なる数の分配ステーションを備える結合物にまとめることができる。分配ステーションの以下の記載で述べられる構成部材は、各分配ステーション100にそれぞれ存在するものであり、これらが、
図1に示すように結合されているか、または別個に構成されているかには関係ない。
【0021】
各分配ステーション100は、下方の部分130および上方の部分120を含む。上方の部分120は、その上に保存容器がセット可能な突出部121を含む。そのために保存容器1の下方のハウジング部分は、突出部121の幾何形状に適合されている。突出部121は開口部123を含み、この開口部123は、保存容器1を分配開口部にセットした際には、保存容器のハウジングの底面内において、以下の図面を参照して説明するように、位置合わせされている。個別化の際に小ピース物品が、チャネルから上記の分配開口部を介して突出部121の開口部123内に落下する。分配ステーション100の上方の部分120は垂直部分122をさらに含み、この垂直部分122を介して分配ステーションをブリスターマシンに固定することができる。
【0022】
各分配ステーションは、
図1に示された第1の実施形態では、突出部121内の凹部として構成されている開放手段125をさらに含む。以下の図面を参照して、この開放手段125の正確な構成をより詳細に記載する。突出部121は、それを通って駆動部のハブ152が延びると共に保存容器と共同作用するさらなる開口部を含み、これは以下の図面を参照して記載している。
【0023】
分配ステーション100上にセットされた保存容器1は、図示の実施形態ではハウジング10を含み、このハウジング10は内部が円筒形の部分11を含む。上方のハウジング部には蓋13が設けられており、この蓋13は、小ピース物品を再装填するために除去することができる。下方の部分内に保存容器は底板12を含み、この底板12は分配ステーションおよび突出部121の幾何形状に適合されている。保存容器は、簡単に取り扱うためにグリップ14をさらに含み、このグリップ14により保存容器を分配ステーションから取り外し、再びセットすることができる。
【0024】
図2aに示した詳細図では、なかでもハウジング10が内部が円筒形の部分11も含めて取り外されており、内部が円筒形の部分内には、その外周に多数のチャネル32が設けられている個別化装置30が配置されていることが認識できる。その際これらのチャネルはそれぞれウェブ33によって分離されている。個別化装置30は、図示の実施形態では3つの突起を有する円錐形の表面を有する。表面の円錐形の構成も上記の突起も、重なり合った小ピース物品を個別化装置の回転の際にチャネル32に案内するために用いられる。
【0025】
図2bに示した詳細図では、個別化装置30も取り外されており、通常は個別化装置と回動不能に接続された連結装置40および保持装置50を認識することができ、以下の図面を参照して両者をより正確に記載する。すでに
図2bにおいて、保持装置50の垂直部分が開放手段125内に延びていることが認識される。
【0026】
図3a~3dは、保存および分配ステーションの第1の実施形態の保存容器1の様々な図を示すものであり、保存容器がセットされた状態が示されており、分配ステーションは見やすくするために取り外されている。これは
図3bから認識されるように、ハウジング10(および内部が円筒形の部分11の一部分も)は、個別化すべき小ピース物品のための収容空間2を取り囲む。
図3bでは、固定部分61を介してハウジングの垂直の壁部分に固定されているホールド手段60がさらに認識される。ホールド手段60は、
図3bに単に示唆されたホールド部分62をさらに含み、このホールド部分62は、内部が円筒形の部分11にあるスリットによってこれに挿入されており、ハウジングの底面20にある分配開口部22の上方で(これについては
図3cを参照)分配開口部に位置合わせされているチャネルに小ピース物品が続いて滑り落ちるのを回避するものである。
図3cにおいて認識されるように、底面20は連結開口部21を含み、この連結開口部21を通って、これは
図3dにおいて認識されるように、連結装置40の下方の連結部分42が延びている。
図3dにおいても同様に、以下により詳しく記載する部分を備える保持装置50が下方の連結部分の周囲の近傍に配置されているのが認識される。
図3dには、保持装置が連結装置40(およびひいては個別化装置30)に関して解離された状態で示されており、すなわち、保持装置は、連結装置およびひいては個別化装置の回転をブロックしない。
【0027】
図4aと
図4bは、連結装置40/保持装置50の組み合わせの斜視図を示し、ここでもセットされた状態が示されている。これはとりわけ
図4bにおいて認識されるように、連結装置40は上方の部分41を含み、この上方の部分41を介して連結装置が個別化装置と(解離可能に)接続可能である(および動作時に接続されている)。連結装置40の下方の部分は、下方の連結部分42によって開口部を備えて形成され、この開口部は、図示の実施形態では連結装置全体を通って延びており、これは
図5において認識される。下方の連結部分42はウェブ43を含み、このウェブ43を介して分配ステーションの駆動部の、以下の図面を参照してより詳しく記載するハブとの摩擦的および/または形状的な結合が確立可能である。連結装置40は、図示の実施形態では、周回する溝44をさらに含み、図示の溝においてその底面は円形ではなく、多角形の形状に構成されている。これらの溝には保持装置の保持手段54が係合することができる。図示の実施形態では保持手段は、
図4dおよび
図5に示唆されているように、歯付きの僅かに湾曲した表面を含み、これによって溝44の底面との形状的および摩擦的な結合が確立可能である。
図4a、
図4b、
図5および
図6に示された状態ではそのような係合は行われず、保持装置は、連結装置およびひいては個別化装置の回転をロックしない。
【0028】
保持装置50は、保持手段54の他に、部分的に湾曲して構成されたウェブ52を含み、このウェブ52は垂直の作動手段51にある一方の端部に終端し、この作動手段は、これは以下の図面を参照してより詳しく記載されているように、保持装置を解離または固定するために分配ステーションの開放手段と交互作用することができる。作動手段51に対向して保持装置は固定手段53を有する。この固定手段は図示の実施形態では、これは
図3dに示唆されているように、下方から分配ステーションの突出部121の開口部123内に固定可能である。
【0029】
図4a、
図4b、
図5および
図6を見ると、保持装置が連結装置およびひいては個別化装置の回転をどのように阻止することができるのかがすでに明らかになる。図示の実施形態では、ウェブが弾性に構成されており、ロック位置に向かって予め付勢されている。保持装置が作動手段51を介して解放位置に押されなくなると、弾性のウェブ52が保持手段54を連結手段の溝44内に押圧し、それにより保持手段54と溝44の底面との間に摩擦的および/または形状的な結合が生じ、それにより連結手段の回転が阻止されている。このようなロック位置は、作動手段が「自由である」場合に常に存在する。すなわち、保存容器が分配ステーションから完全に取り外されている場合には常に存在する。
【0030】
図7は、保存および分配ステーションの第1の実施形態の断面図を示す。ここでは保存容器の多数の部分、例えばハウジングおよび底面が取り外されている。本発明により、保存および分配ステーションにおける、保存容器をセットする際に個別化装置の回転によってもたらされて小ピース物品が意図せずに分配されるという問題が、連結装置40の下方の連結部分42、ハブ152、保持装置の作動手段51、および開放手段125が特別に互いに調整されていることによって、詳しくは、保存容器のセットの際に、下方の連結部分とハブとの間の有効な交互作用が最初に生じ、それによって無電流状態ではハブが回転可能であるので、駆動部のシャフトが、連結部分の位置合わせの際に連結装置に位置合わせされるように調整されていることによって解決される。個別化装置の回転は、本発明によれば行われ得ない。なぜなら、上記の交互作用が発生する際には、作動手段と開放手段との間の交互作用がまだ生じていないからであり、この交互作用は保持手段を解離または取り外すために必要なものである。本発明によれば、(連結装置を介する)個別化装置の回転は、連結装置がハブとすでに交互作用しており、この交互作用の過程でハブが回転された(および個別化装置は回転されない)場合に初めて解放される。これを達成するために、上記の構成要素の多数の特別な実施形態が可能である。例えば、作動手段と開放手段との間の交互作用を、光スイッチまたは電気接点によってトリガすることが考えられる。しかしこれらの実施形態は、構造的に比較的面倒であり、故障に脆弱である。
【0031】
したがって本発明による保存および分配ステーションの好ましい実施形態では、異なるアプローチ、詳しくは純粋に機械的なアプローチが採られる。保持装置の作動手段は一種のノーズとして構成されており、相手方部材、すなわち開放手段125は突出部121にある凹部として構成されており、この凹部は、好ましい実施形態では特別な幾何形状を有する。
【0032】
以下の図面により正確に記載された好ましい実施形態における本発明による保存および分配ステーションでは、共通して、ハブ152と連結装置40の下方の連結部分42との間の交互作用が有効な連結係合深さ(KET)を規定し、保持装置50の作動手段51と開放手段125との間の交互作用が有効な保持係合深さ(HET)を規定し、連結係合深さは保持係合深さよりも大きい。この結果、常に、保存容器を分配ステーション上にセットする際に上記の原則が満たされている、すなわち、下方の連結部分とハブとの間の有効な交互作用が、作動手段と開放手段との間の交互作用がブレーキを解放する前に、すなわち保持手段を連結装置から取り外す前に初めて生じることになる。
【0033】
図7には、第1の実施形態の断面図が示されている。この断面図では、保存容器が動作できる状態で分配ステーション上に配置されている。有効な連結係合深さ(KET)は、下方の連結部分の下縁(有効深さ)とハブ152の上縁(有効高さ)とによって規定されている。この有効な連結係合深さ(KET)は、
図7では破線により左に示されている。これは本発明によって企図されているように、破線により右に示されている有効な保持係合深さ(HET)は、有効な連結係合深さよりも小さい。この有効な保持係合深さは、作動手段51の下縁(有効深さ)と開放手段125の有効な上縁(有効高さ)とによって規定されている。すでに説明したように、ここで記載する好ましい実施形態では、保持装置の解離は純粋に機械的に行われる。そのためには、作動手段を開放手段によって移動すること、詳しくは保持手段が連結装置の回転をもはや阻止しないように移動することが必要である。すなわち、保持手段は連結装置の回転軸から離れなければならない。上記の図面により正確に示した保持装置の実施形態に関して、これは「曲げ開く」必要があると言うことができる。これをもたらすために、開放手段125は、
図8bにおいて認識できるような傾斜部分(作用部分)を有し、その上端では開口手段の有効高さが始まる。作動手段が、保存容器のセットの際に開放手段内に移動されると、この傾斜部分によって作動手段が(
図7に関連)図面平面から出るように移動され、それによって保持手段が連結装置から解離され、それにより回転が解放される。
【0034】
図7において、ハブ152が回転駆動部150のシャフト151上に座していることがさらに認識される。ハブ152は、シャフト151と回動不能に結合しており、開口部121aを通って保存容器の突出部121内に延びている。
【0035】
図8aには
図7からの断面の詳細記録が再現されており、連結装置と保持装置とは、作動手段の開放手段への係合がまだ生じていない程度に上方に移動されている。すなわち、これらの間の有効な交互作用はまだ生じていない。しかし、下方の連結部分42およびハブ152を見れば認識できるように、
図8aに示した「時点」ではウェブ43とハブ152との間の有効な交互作用がすでに生じている。すなわち、これら2つの要素間の摩擦的または形状的な結合が生じている。しかし連結装置は保持装置によって、正確には保持手段54によってまだ回転しないように保持されているから、この交互作用の開始時に、場合によりハブ152が「所定の位置」に、この交互作用が生じ得るように回転されている。ハブの回転が生じており、連結手段/保持装置の組み合わせがさらに下方に移動されると、つまり保存容器がさらにセットされると、作動手段51と開放手段125との間の交互作用も生じる。すなわち、保持手段は連結装置から移動され、回転が解放される。
図8bにおいて、開放手段125が傾斜部分(作用部分)126を有することが認識され、この傾斜部分126は、作動手段51の運動およびひいてはウェブ52を介して保持手段54の運動を引き起こす。
図7に示されている保存容器が、その最終的位置にある場合、両方の交互作用は生じているかまたは生じる。その際、異なる係合深さがそれらの交互作用の順序を定める。
【0036】
図9aおよび
図9bは、本発明による保存および分配ステーションの第2の実施形態の断面図を示し、それらの断面図でも保存容器の一部が取り外されており、
図9bでは連結装置/保持装置の組み合わせが垂直に上方に変位されている。この実施形態では、ハブ152の作用高さを(第1の実施形態よりも)高め、突出部121の表面の上方に置くことによって、本発明による原則が達成される。このようにして、ハブ152と下方の連結部分42との間の交互作用が最初に生じ、作動手段51と開放手段125との間の交互作用が次に生じる。係合深さKET、HETおよびそれらの相互の関係は、第2の実施形態では第1の実施形態に相応する。
【0037】
図10は、本発明による保存および分配ステーションの第3の実施形態の断面図を示し、
図11aおよび
図11bは、
図10からの断面の詳細図を示す。その際連結装置/保持装置の組み合わせはこれらの図面においても垂直に変位されて図示されている。この実施形態では、作動手段51の有効深さが、第1の実施形態および第2の実施形態よりも低減されていることによって、本発明による原則が達成されている。
【0038】
第3の実施形態を参照して、以下に本発明による方法の実施形態を記載する。保存および分配ステーションの保存容器1を分配ステーション100上にセットするための方法の好ましい実施形態では、まず分配ステーション100および保存容器1が提供される。提供のこの状態において、保存容器の保持装置はロック位置にあり、個別化装置の回転による小ピース物品の分配を行うことはできない。次に保存容器1が分配ステーション110上に配置され、このことは
図11a、
図11bおよび
図10において明らかにされている。この配置では、まず連結部分42とハブ152との間の有効な交互作用が始まり、交互作用の開始時にハブ152が、回転によって連結部分42に適合され(または適合可能であり)、ならびにハブ152と連結部分との間の形状的および/または摩擦的な結合が確立される。引き続き、作動手段51と開放手段125との間の有効な交互作用が始まり、この交互作用の開始時に保持手段54が解離され、それにより個別化装置30の回転が可能になる。図示の第3の実施形態では、開放手段125が分配ステーションにある切欠部または凹部として、および作動手段が対応する垂直のノーズとして構成されている。ハブ152と下方の連結部分42との間の上記の交互作用は、有効な連結係合深さKETがハブ152と下方の連結部分42との摩擦的および/または形状的な結合によって形成されることにより始まる。作動手段51と開放手段125との間の交互作用は、作動手段51が開放手段125内へ案内され、その際に保持手段54が解離され、有効な保持係合深さHETが形成されることにより始まる。上に説明したように、連結係合深さKETは、保持係合深さHETよりも大きい。
【国際調査報告】