IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サン−ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアンの特許一覧

特表2024-514314高含量のジルコニアを有する耐火製品
<>
  • 特表-高含量のジルコニアを有する耐火製品 図1
  • 特表-高含量のジルコニアを有する耐火製品 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】高含量のジルコニアを有する耐火製品
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/484 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
C04B35/484
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561738
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2022059241
(87)【国際公開番号】W WO2022200637
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】2103543
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511104875
【氏名又は名称】サン-ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】カボディ,イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ベスパ,ピエリック
(57)【要約】
溶融鋳造耐火製品であって、酸化物に対する重量百分率で、合計100%に対して、
ZrO: 100%まで補完する量
HfO: <5%
SiO: 8.0%~11.0%
Al: 4.0%~6.5%
NaO+KO+B: 0.40%~1.30%
: <0.60%
: <1.0%
Fe+TiO: <0.60%
他の種: <1.0%
を含み、
ここで、SiO/(NaO+KO+B)比が、19.0以下であり、
該Al含量が5.1%以上である場合、該SiO含量は8.5%以上である、
上記溶融鋳造耐火製品。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融鋳造耐火製品であって、酸化物に対する重量百分率で、合計100%に対して、
ZrO: 100%まで補完する量
HfO: <5%
SiO: 8.0%~11.0%
Al: 4.0%~6.5%
NaO+KO+B: 0.40%~1.30%
: <0.60%
: <1.0%
Fe+TiO: <0.60%
他の種: <1.0%
を含み、
ここで、SiO/(NaO+KO+B)比が、19.0以下であり、
該Al含量が5.1%以上である場合、該SiO含量は8.5%以上である
前記溶融鋳造耐火製品。
【請求項2】
83.0%<ZrO+HfO<88.0%;及び/又は、
8.4%<SiO<10.6%;及び/又は、
3.9%<Al<6.1%;及び/又は、
NaO+KO+B≦1.00%;及び/又は、
0.40%<NaO+KO;及び/又は、
<0.50%;及び/又は、
<0.40%;及び/又は、
Fe+TiO<0.40%;及び/又は、
SiO/(NaO+KO+B)比が、10.0~19.0である、
請求項1に記載の耐火製品。
【請求項3】
83.5%<ZrO+HfO<87.0%;及び/又は、
8.5%<SiO<10.5%;及び/又は、
4.0%<Al<6.0%;及び/又は、
0.50%<NaO+KO;及び/又は、
<0.45%;及び/又は、
SiO/(NaO+KO+B)比が、12.0~18.0である、
請求項2に記載の耐火製品。
【請求項4】
8.5%≦SiOである、請求項1~3のいずれか1項に記載の耐火製品。
【請求項5】
酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.5%~11.0%
Al: 4.0%~6.0%
NaO+KO: 0.50%~1.00%
: 0.00%~0.40%
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の耐火製品。
【請求項6】
酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.0%~10.5%
Al: 4.4%~5.5%
NaO+KO: 0.55%~0.95%
: 0.00%~0.30%
を含む、請求項5に記載の耐火製品。
【請求項7】
SiO/Al比が、1.2超且つ2.6未満であり、及び/又はAl/(NaO+KO)比が8.5未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の耐火製品。
【請求項8】
Al<5.1%である、請求項1~7のいずれか1項に記載の耐火製品。
【請求項9】
SiO含量が、10%未満且つ8.1%超であり、及び、
Al含量が、5.0%未満且つ4.0%超である、
請求項8に記載の耐火製品。
【請求項10】
SiO含量が、8.7%未満且つ8.3%超であり、及び、
Al含量が、4.7%未満且つ4.3%超である、
請求項9に記載の耐火製品。
【請求項11】
Al≧5.1%であり、且つSiO/(NaO+KO+B)比が10.0以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の耐火製品。
【請求項12】
遊離のコランダム、又はコランダム/ジルコニア共晶の形態におけるコランダムの重量含有量が、5%未満である、請求項1~11のいずれか1項に記載の耐火製品。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の耐火製品から作られたブロックを備えているガラス炉。
【請求項14】
前記ブロックがタンク内に配置され、SiO/(NaO+KO+B)の重量含有量の比が、10.0超である、請求項13に記載のガラス炉。
【請求項15】
前記ブロックがスロート内に配置される、請求項13に記載のガラス炉。
【請求項16】
前記ブロックの全ての全体的寸法が150mm超である、請求項13~15のいずれか1項に記載のガラス炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高ジルコニア含量を有する鋳造された耐火製品、並びに該製品を含むガラス炉に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス炉は一般的に、それらの性質に応じて様々な場所に配置された、非常に多数の耐火製品を含む。該炉の各部品について、選択される該製品は、該ガラスを使用出来なくする欠陥(それは生産歩留まりを低減する恐れがある)を引き起こさず、該炉に満足な耐用年数を与えるのに十分に長時間、耐性のある、製品である。
【0003】
耐火ブロックのうちでは、鋳造されたブロックと焼結されたブロックに区別される。
【0004】
焼結されたブロックとは対照的に、鋳造されたブロックは一般的に、結晶粒を互いに結合する粒間ガラス相を含む。それ故に、焼結されたブロック及び鋳造されたブロックによって発生する問題、並びにそれらを解決する為に採用される技術的解決法は、一般的に異なる。それ故に、焼結されたブロックを作成する為に開発された組成物は、先験的に、鋳造されたブロックを作成する為にそのまま使用されることができず、逆もまた同様である。
【0005】
鋳造されたブロックはしばしば、「電気鋳造された」又は「溶融鋳造された」と呼ばれ、これを得るには、アーク炉内で、又は任意の他の好適な技術により、好適な原材料の混合物を溶融する。次に、該溶融された物質は、慣用的に鋳型に注がれ、次いで固化する。一般的に、得られた製品は、次に、制御された冷却サイクルを受けて、破砕することなしに室温に戻される。この操作は、当業者によって「焼鈍」と呼ばれる。
【0006】
一般的に80重量%超、又は更には85重量%超、のジルコニアを含む、非常に高いジルコニア含量(VHZC:very high zirconia content)を有する鋳造されたブロックが知られている。該鋳造されたブロックは、非常に良好な耐腐食性、及び製造されたガラスを着色せず、該ガラスに欠陥を引き起こさないそれらの能力について評判を得ている。
【0007】
欧州特許出願公開第403387号明細書は、重量百分率で、4%~5%のSiO、約1%のAl、0.3%の酸化ナトリウム、及び0.05%未満のPを含む、高ジルコニア含量を有する溶融鋳造製品を記載する。
【0008】
仏国特許出願公開第2932475号明細書は、重量百分率で、3.5~6.0%のSiO、0.7~1.5%のAl、0.05~0.80%の酸化ホウ素B、0.10~0.43%のNaO+KO及び0.55%未満のFe+TiOを含む、高ジルコニア含量を有する溶融鋳造製品を記載する。
【0009】
慣用的に、非常に高いジルコニア含量を有する製品は、アルミナ含量がより高く、且つZrO含量がより低い「AZS(Alumina-Zirconia-Silica)」と呼ばれるアルミナ-ジルコニア-シリカの鋳造製品とは区別される。特に、該AZS製品は慣用的に、80重量%未満のジルコニアを含む。該AZS製品はまた、一般的に10%超、又は30%超、の量のコランダム(遊離のコランダム、又はコランダム/ジルコニア共晶の形態におけるコランダム)を含み、この相は一般的に、該VHZC製品に含まれていない。
【0010】
仏国特許出願公開第2024526号明細書は本質的に、ガラス炉タンクにおいて使用する為のAZS製品を記載しており、Al含量がSiO含量よりもかなり高い製品に対して、SiO含量よりも少ないAl含量が、亀裂及びストーンの形成を制限することを可能にすると記載する。
【0011】
SEFPRO社によって製造され、販売されている、非常に高いジルコニア含量を有する鋳造されたブロック、例えばER1195、は、今日、ガラス炉において広く使用されている。しかしながら、更に良好な質のガラス及び該炉のより長い耐用年数の必要性は、過酷さを増しつつある条件に置かれることを包含し、溶融ガラスに対してますます高い耐性を有する耐火製品が必要とされることを意味する。
【0012】
これらの耐火製品についての必要性は、ガラス炉のある特定の特異的帯域、例えば、ガラス炉スロート(glass furnace throats)の為のブロック、の為に特に非常に重要である。スロートブロックは、タンクブロックとは対照的に、特異的環境を受ける。該スロートブロックは、炉の横断面がかなり狭くなる帯域における溶融帯域の出口に置かれる。この帯域において、溶融ガラスと耐火製品との界面も水平であり、該ガラスは、スロートのまぐさ石の下に置かれる。この界面は、該スロートブロックを形成する該耐火製品の要素で強化され、それによって一般的にその密度が増大し、それ故に、この帯域における該耐火製品の特異的配向によって、重力による沈降が悪化する。この帯域においては、該耐火製品だけが溶融ガラスと接触し、それ故に、任意の気泡が、該ガラス/耐火製品の界面に生じることになる(該タンクの場合のようにガラス/雰囲気ではない)。ガス(気泡)-溶融ガラス-耐火製品の三重点の存在は、腐食の加速を引き起こす。スロートのレベルまで上昇するこの特定の腐食は、「アップワードドリリング(upward drilling)」と呼ばれる。更に、この帯域は、一般的に水回路によって、又は空気を吹き込むことによって冷却される。それ故に、該ガラス/耐火製品の界面の温度は、該タンクの温度とは異なっており、それによって挙動差が生じ得、それが腐食速度に影響を及ぼしうる。それ故に、腐食は、同じ性質のものではない。既存のAZS又はVHZC製品は、これらの帯域においては腐食に対する耐性が不十分であり、酸化クロムに基づく耐火製品は、あらゆるタイプのガラス、特に最も透明なガラス、には使用されることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
タンクブロックについて、本発明者等は、溶融ガラスの浴のレベルを規定するラインに沿った、すなわち耐火製品とガラスと空気の界面における、腐食に対して、慣習的に関心を持っている。実際にこの帯域では、腐食はかなり多い。それ故に、腐食は該界面において材料の損失となり、それが通常、該タンクブロックの寿命終了を決定する。
【0014】
タンクブロックに非常に好適な製品は、スロートブロックに必ずしも好適であるわけではなく、逆もまた同様である。
【0015】
特にガラス炉スロートにおいて、溶融ガラスに対して高い耐性を有すると同時に、依然として実現可能な、非常に高いジルコニア含量を有する耐火製品についての必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、溶融鋳造耐火製品であって、酸化物に対する重量百分率で、合計100%に対して、
ZrO: 100%まで補完する量
HfO: <5%
SiO: 8.0%~11.0%
Al: 4.0%~6.5%
NaO+KO+B: 0.40%~1.30%、好ましくは1.00%以下
: <0.60%
: <1.0%
Fe+TiO: <0.60%
他の種: <1.0%
を含み、
ここで、SiO/(NaO+KO+B)比が、19.0以下、及び好ましくは10.0以上、である、
上記溶融鋳造耐火製品を提案する。
【0017】
説明の残りの部分においてより詳細に見られる通り、この組成物は、溶融ガラスに対して著しく不活性な溶融鋳造製品を与える。試験も、良好な実現可能性を示した。それ故に、本発明に従う製品は、ガラス炉タンク又はスロートにおける使用の為に完全に適している。
【0018】
好ましくは、該Al含量が5.1%以上である場合、該SiO含量は、8.5%以上である。意外なことに、この特徴は、大型ブロック、すなわち全ての全体的寸法が150mm超であるブロック、の工業生産を可能にする。
【0019】
本発明に従う製品は更に、それが下記の特定の実施態様に従う場合、及びこれらの任意的な特徴が該特定の実施態様と適合性がない場合を包含する、以下の任意的な特徴の1つ以上を含みうる:
該製品の全多孔度が、10%未満、又は5%未満、であること、
好ましくは、該酸化物が、該製品の重量の90%超、95%超、99%超、又は更にはおよそ100%、であること、
ZrO+HfOの重量含有量が、87.5%未満、若しくは87.0%未満、若しくは86.5%未満、若しくは86.0%未満、及び/又は82.0%超、若しくは83.0%超、若しくは83.5%超、若しくは84.0%超、であること、
SiOの重量含有量が、10.8%未満、若しくは10.6%未満、若しくは10.5%未満、若しくは10.4%未満、若しくは10.3%未満、若しくは10.2%未満、若しくは10.1%未満、若しくは10.0%未満、及び/又は8.1%超、好ましくは8.2%超、好ましくは8.3%超、好ましくは8.4%超、好ましくは8.5%以上、若しくは8.6%超、若しくは8.7%超、若しくは8.8%超、若しくは8.9%超、であること、
Alの重量含有量が、6.2%未満、若しくは6.1%未満、若しくは6.0%未満、若しくは5.9%未満、若しくは5.8%未満、若しくは5.7%未満、若しくは5.6%未満、若しくは5.5%未満、若しくは5.4%未満、若しくは5.3%未満、若しくは5.2%未満、若しくは5.1%未満、若しくは5.0%未満、及び/又は4.1%超、若しくは4.2%超、若しくは4.3%超、若しくは4.4%超、若しくは4.5%超、であること、
酸化ホウ素B、酸化ナトリウムNaO及び酸化カリウムKOの重量含有量の合計が、好ましくは0.45%超、好ましくは0.50%超、好ましくは0.55%超、好ましくは0.60%超、若しくは0.65%超、若しくは0.70%超、若しくは0.75%超、0.80%超、0.85%超、0.90%超、0.95%超、及び/又は1.25%未満、若しくは1.20%未満、若しくは1.15%未満、若しくは1.10%未満、若しくは1.05%未満、若しくは1.00%未満、であること、
酸化ナトリウムNaO及び酸化カリウムKOの重量含有量の合計が、好ましくは0.40%超、好ましくは0.45%超、好ましくは0.50%超、好ましくは0.55%超、好ましくは0.60%超、若しくは0.65%超、若しくは0.70%超、若しくは0.75%超、0.80%超、0.85%超、0.90%超、0.95%超、及び/又は1.25%未満、若しくは1.20%未満、若しくは1.15%未満、若しくは1.10%未満、若しくは1.05%未満、若しくは1.00%未満、であること、
NaOの重量含有量が、好ましくは0.40%超、好ましくは0.45%超、若しくは0.50%超、若しくは0.55%超、若しくは0.60%超、若しくは0.65%超、若しくは0.70%超、若しくは0.75%超、若しくは0.80%超、0.85%超、0.90%超、0.95%超、及び/又は1.25%未満、若しくは1.20%未満、若しくは1.15%未満、若しくは1.10%未満、若しくは1.05%未満、若しくは1.00%未満、であること、
Oの重量含有量が、0.20%超、又は0.30%超、又は0.40%超、又は0.45%超、又は0.50%超、又は0.55%超、又は0.60%超、又は0.65%超、又は0.70%超、又は0.75%超、又は0.80%超、であること、別の実施態様において、KOが、不純物として存在するか、又はNaOを部分的に置き換え、KOの重量含有量が、1.00%未満、又は0.90%未満、又は0.90%未満、又は0.70%未満、又は0.60%未満、又は0.50%未満、又は0.40%未満、又は0.30%未満、又は0.20%未満、であること、
が、不純物として存在するか、又はNaOを部分的に置き換え、酸化ホウ素Bの重量含有量が、0.55%未満、0.50%未満、又は0.40%未満、又は0.30%未満、又は0.20%未満、であること、
の重量含有量が、0.80%未満、又は0.60%未満、又は0.50%未満、又は0.40%未満、又は0.30%未満、又は0.20%未満、であること、
酸化鉄及び酸化チタンFe+TiOの重量含有量の合計が、0.40%未満、好ましくは0.30%未満、好ましくは0.20%未満、であること、
「他の種」の総重量含有量が、0.9%未満、又は0.8%未満、又は0.6%未満、又は0.5%未満、又は0.4%未満、であること、
該「他の種」が、不純物のみからなること、
任意の1つの「他の種」の重量含有量が、0.4%未満、又は0.3%未満、又は0.2%未満、であること、
酸化カルシウムCaO、酸化バリウムBaO、酸化ストロンチウムSrO及び酸化マグネシウムMgOの重量含有量の合計が、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、又は0.3%未満、であること、
CaOの重量含有量が、0.4%未満、又は0.3%未満、であること、
BaOの重量含有量が、0.4%未満、又は0.3%未満、であること、
SrOの重量含有量が、0.4%未満、又は0.3%未満、であること、
MgOの重量含有量が、0.4%未満、又は0.3%未満、であること、
SiO/(NaO+KO+B)の重量含有量の比が、10.5超、若しくは11.0超、若しくは11.5超、若しくは12.0超、及び/又は18.5未満、若しくは更には18.0未満、であること、
SiO/Alの重量含有量の比が、1.20超、若しくは1.30超、若しくは1.40超、若しくは1.50超、若しくは1.60超、及び/又は2.60未満、若しくは更には2.50未満、であること、
Al/(NaO+KO)の重量含有量の比が、8.5未満、及び/又は5.5超、若しくは6.0超、であること、
遊離のコランダム相、又はコランダム/ジルコニア共晶としての、コランダム相の含量が、重量百分率で10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは2%未満、であること。
【0020】
特定の実施態様に従うと、本発明に従う溶融鋳造耐火製品は、酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.5%~11.0%
Al: 4.0%~6.0%
NaO+KO: 0.50%~1.00%
: 0.00%~0.40%
を含む。
【0021】
特定の実施態様に従うと、本発明に従う溶融鋳造耐火製品は、酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.0%~9.5%
Al: 4.0%~<5.1%
NaO+KO: 0.50%~1.10%
: 0.00%~0.30%
を含む。
【0022】
特定の実施態様に従うと、本発明に従う溶融鋳造耐火製品は、酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.4%~9.5%
Al: 4.0%~<5.1%
NaO+KO: 0.50%~1.00%
: 0.00%~0.30%
を含む。
【0023】
特定の実施態様に従うと、本発明に従う溶融鋳造耐火製品は、酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.5%~10.5%
Al: 4.4%~5.5%
NaO+KO: 0.55%~0.95%
: 0.00%~0.30%
を含む。
【0024】
特定の実施態様に従うと、本発明に従う溶融鋳造耐火製品は、酸化物に対する重量百分率で、
SiO: 8.5%~10.5%
Al: ≧5.1%
NaO+KO: 0.60%~1.20%
: 0.00%~0.30%
を含み、
ここで、SiO/(NaO+KO+B)比が10.0~19.0である。
【0025】
好ましくは、
SiO含量は、10%未満、好ましくは9%未満、好ましくは8.7%未満、好ましくは8.6%未満、及び8.1%超、好ましくは8.2%超、好ましくは8.3%超、好ましくは8.4%超、であり、
Al含量は、5.1%未満、好ましくは5.0%未満、好ましくは4.9%未満、好ましくは4.8%未満、好ましくは4.7%未満、好ましくは4.6%未満、及び4.0%超、好ましくは4.1%超、好ましくは4.2%超、好ましくは4.3%超、好ましくは4.4%超、であり、
好ましくは、SiO/(NaO+KO+B)の重量含有量の比は、10.0以上、好ましくは10.5超、好ましくは11.0超、及び好ましくは15.0未満、好ましくは14.0未満、好ましくは13.0未満、好ましくは12.0未満、である。
【0026】
本発明はまた、本発明に従う耐火製品を製造する方法であって、
a)原材料を混合して、初期投入物(charge)を形成すること、
b)溶融された物質が得られるまで、該初期投入物を溶融すること、
c)該溶融された物質を注型し、冷却によって固化させて、耐火製品を得ること
の連続工程を含む上記方法に関し、
この方法は、該耐火製品が本発明に従うように該原材料が選択される点で、注目すべきである。
【0027】
好ましくは、含量が最小限であることが必要とされる酸化物、又はこれらの酸化物の前駆体は、体系的且つ系統的に添加される。好ましくは、不純物として存在する他の酸化物の供給源におけるこれらの酸化物の含量が考慮される。
【0028】
好ましくは、冷却は、制御され、好ましくは、1時間当たり20℃未満の速度で、好ましくは1時間当たり約10℃の速度で、行われるように制御される。
【0029】
本発明はまた、本発明に従う耐火製品を含むガラス炉、又は特に溶融されたガラスと接触させられることが企図された帯域における、特に該ガラス炉のタンク若しくはスロートにおける、本発明に従う方法によって製造される若しくは製造されることができた耐火製品に関する。
【0030】
定義
製品は慣用的に、溶融された物質が得られるまで投入物を溶融し、次に冷却によってこの材料を固化することを利用する方法によって該製品が得られる場合、「鋳造物」と呼ばれる。
【0031】
ブロックは、その全ての寸法が10mm超、好ましくは50mm超、好ましくは100mm超、である物体である。ブロックは例えば、一般的な平行六面体形状又はその使用に適合された具体的形状を有しうる。溶融鋳造耐火製品のブロックは、層とは対照的に、慣用的に成型操作及び鋳型からの除去を含む方法によって得られる。
【0032】
本発明に従う製品から作成されたブロックは、鋳肌掃除(fettling)/機械加工後に、少なくとも150mm、好ましくは少なくとも250mm、若しくは少なくとも400mm、若しくは少なくとも500mm、若しくは少なくとも600mm、若しくは少なくとも800mm、若しくは更には少なくとも1000mm、及び/又は2000mm未満、の1つ、2つ又は3つの全体的寸法(厚さ、長さ、又は幅)を有しうる。
【0033】
別段の記載がない限り、本発明に従う製品における酸化物の含量は全て、酸化物に対する重量百分率である。金属元素の酸化物の重量含有量は、当分野の通例の慣習に従って、最も安定な酸化物の形態で表されるこの元素の全含量を云う。
【0034】
HfOは、ZrOから化学的に分離されることができない。しかしながら、本発明に従うと、HfOは、該投入物に意図的に添加されない。それ故に、HfOは、ごく微量の酸化ハフニウムを示し、この酸化物は常に、酸化ジルコニウム源に一般的に5%未満、一般的に2%未満、の含量で、自然に存在する。本発明に従うブロックにおいて、HfOの重量含有量は、5%未満、好ましくは3%未満、好ましくは2%未満、である。分かりやすくする為に、酸化ジルコニウムの全含量及び微量の酸化ハフニウムは、「ZrO」又は「ZrO+HfO」によって同様に示されうる。それ故に、HfOは、該「他の種」には包含されない。
【0035】
「不純物」は、原材料と共に導入されるか、又はこれらの構成物との反応から生じる不可避の構成物を意味する。該不純物は、必須の構成物ではなく、単に許容されるに過ぎない。例えば、酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、酸炭化物、炭窒化物、並びに鉄、チタン、バナジウム及びクロムの金属種の群の一部を形成する化合物は、不純物である。
【0036】
百分率としての全多孔度は、慣用的に、100×(1-幾何密度を絶対密度で割った比)に等しい。
【0037】
幾何密度は、ISO規格5016:1997又はEN1094-4に従って測定され、g/cmで表される。慣用的に幾何密度は、試験片の質量を見かけ体積で割った比に等しい。
【0038】
絶対密度の値は、g/cmで表され、多孔度を実質的に排除するように粉砕された試験片の質量を、この試験片の体積で割ることによって測定されることができる。
【0039】
本発明の他の特色及び利点は、以下に与えられる発明の詳細な説明を読み、添付の図を検証することによって、明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明でない製品(実施例1)の写真を示す。
図2】本発明に従う製品(実施例4)の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1及び図2の写真は、粗さをより明瞭にして見せる為にデジタル加工された。
【0042】
本発明に従う溶融鋳造製品において、高含量のZrOは、該製品が、ガラスの質にとって有害な欠陥を生じることなく高い耐腐食要件を満たすことを可能にする。
【0043】
本発明に従う製品に存在する酸化ハフニウム、すなわちHfOは、ZrO源に自然に存在する酸化ハフニウムである。それ故に、本発明に従う製品におけるその含量は、5%未満、一般的に2%未満、である。
【0044】
SiOの存在は、特に、ジルコニア骨格の変形に有効に対応することができる粒間ガラス相の形成を可能にする。しかしながら、SiOの添加は、この添加がジルコニア含量を損ねてしまい、それ故に該耐腐食性にとって有害な影響を及ぼしうるので、11%を超えてはならない。
【0045】
本発明に従って特許請求される量でのAlの存在は、特には有利である。予想外に、該量でのAlの存在は、該耐火製品から該溶融ガラスへのジルコニアの移動を低減し、更には防止することを可能にする。該量でのAlの存在はまた、該鋳型における溶融された物質の良好な流動性を確実にする。
【0046】
NaO+KOの存在は、該製品の実現可能性に寄与する。NaO+KOの重量含有量は好ましくは、該溶融ガラスによる腐食に対する良好な耐性を維持する為に制限される。本発明に従う製品において、該酸化物、すなわちNaO及びKOは、類似の効果を有すると考えられる。
【0047】
が同時に存在することは、該製品の実現可能性に寄与する。しかしながら、Bは、該製品におけるジルコンの形成に対して都合の悪い効果を有しており、それによって、熱サイクルに対する耐性に対して有害効果をもたらしうる。それ故に、酸化ホウ素Bの重量含有量は、依然として制限されなければならない。
【0048】
は、実現可能性に対して都合の悪い効果を有しうる。それ故に、酸化ホウ素Yの重量含有量は、依然として制限されなければならない。
【0049】
一つの実施態様において、Yの含量は、0.2%超である。
【0050】
本発明に従うと、Fe+TiOの重量含有量は、0.5%未満、好ましくは0.3%未満、である。好ましくは、Pの重量含有量は、0.05%未満である。実際、これらの酸化物は、特に耐火製品の浸出又は該ガラスの着色に有害であり、それらの含量は、該原材料と共に不純物として導入される微量に制限されなければならない。
【0051】
「他の種」は、先に列挙されていない酸化物種、すなわちZrO、HfO、SiO、Al、NaO、KO、B、Y、TiO及びFe以外の種である。一つの実施態様において、該「他の種」は、その存在が特には望ましくなく且つ一般的に該原材料において不純物として存在する種に限定される。
【0052】
好ましくは、本発明に従う製品は、ブロックの形態、好ましくは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくは全て、の全体的寸法が150mm超であるブロックの形態、である。
【0053】
SiO/(NaO+KO+B)の重量含有量の比は好ましくは、10.0超、好ましくは10.5超、又は11.0超、又は11.5超、又は12.0超、である。そのような比は、タンクブロックにおいて特には有利である。そのような比はまた、5.1%超のAl含量において特には有利である。
【0054】
本発明に従う製品の全多孔度は、15%未満、又は10%未満、又は5%未満、又は2%未満、又は1%未満、である。
【0055】
本発明に従う製品は、慣用的に、下記の工程a)~c)に従って作成されうる:
a)原材料を混合して、初期投入物を形成すること、
b)溶融された物質が得られるまで、該初期投入物を溶融すること、
c)冷却によって該溶融された物質を固化して、本発明に従う耐火製品を得ること。
【0056】
工程a)において、該原材料は、工程c)の最後に得られる最終製品における酸化物の含量を保証するように選択される。当業者は、この目的の為に該原材料をどのようにして選択するかについて、完全に知っている。
【0057】
工程b)において、溶融は好ましくは、還元を引き起こさないかなり長い電気アーク及び該製品の再酸化を促進する混合の、組み合わされた作用によって行われる。
【0058】
企図された適用の為に、溶融を酸化条件において実施することが好ましい。
【0059】
好ましくは、仏国特許出願公開第1208577号明細書、並びにその追加特許公開第75893号明細書及び第82310号明細書に記載されている、長いアークを利用する溶融技術が使用される。
【0060】
この方法は、アーク炉を使用し、ここで、該投入物と、この投入物から距離を置いた少なくとも1つの電極との間からアークが生じさせられること、アークの還元作用が最小限に抑えられるように該アークの長さを制御すると同時に、溶融浴に酸化雰囲気を維持し、例えば該アーク自体の作用によって該浴を撹拌すること、からなる。
【0061】
工程c)において、冷却は好ましくは、1時間当たり20℃未満の速度で、好ましくは1時間当たり約10℃の速度で、好ましくはゲート及びライザー、並びに工程c)の後の任意的な機械加工、を考慮に入れた所望の寸法を有する鋳型内で行われる。
【0062】
ガラス炉における適用を企図されたジルコニアに基づく鋳造製品を製造する任意の慣用的な方法が使用され得、該初期投入物の組成は、本発明に従う製品の組成に従う組成を有する製品を得ることを可能にする。
【0063】
本発明に従う製品において、ZrOは、ほぼ全体的に(典型的に、その重量の95%超まで)、ジルコニアの形態であり、SiO及びAlは、ほぼ全体的に(典型的に、それらの重量の95%超まで)、ジルコニアの結晶粒を互いに結合する粒間相に存在する。この粒間相は本質的に、SiO及びムライト結晶が豊富なガラス相を含む。
【0064】
実施例
下記の非限定的な例は、本発明を例示する目的の為に与えられる。
【0065】
これらの実施例において、下記の原材料が使用された:
平均で99%のZrO+HfOを含むジルコニアQ1、
平均で99%のSiOを含む「Sable BE01 Bedouin」シリカ、
平均で99%のAlを含むAC34タイプのアルミナ、
NaO源として平均で99.5%のNaCOを含む炭酸ナトリウム、
平均で98%のBを含む酸化ホウ素。
【0066】
該製品は、アーク炉における慣用的な溶融方法、次いで鋳型に注がれることによって調製され、鋳肌掃除後に150mm×250mm×400mmのフォーマットのブロックが得られた。
【0067】
得られた製品の化学的分析が下記の表1に記載されており、これは、重量百分率で与えられる平均的な化学的分析である。これらの実施例において、KO、Y及びFe+TiOは、KO<0.05%、Y<0.2%及びFe+TiO<0.3%を含む不純物として、任意的に存在する。
【0068】
他の種は、100%まで補完する量を構成する。
【0069】
表1において、HfOの含量は、常に5%未満である。
【0070】
実現可能性
得られた該製品の外部状態が観察される。3つの寸法が150mm超であり、少なくとも1つの寸法が少なくとも400mmであるそれらのサイズにより、工業実現可能性を推定することが可能になる。貫通亀裂が存在する場合、該実現可能性(F:feasibility)は、不十分であると判断され、「0」と指定される。次に、該製品は、2つにカットされて、充填度(filling)を観察される。充填度が不完全である場合、該実現可能性(F)は、不十分であると判断され、「0」と指定される。そうでなければ、該実現可能性は、満足であると判断され、「1」と指定される。
【0071】
ジルコニアの溶出
該製品が溶融ガラスによる該ジルコニアの溶出に耐える能力を研究する為に、スカル溶融試験を1400℃及び1500℃で行って、界面を研究した。
【0072】
試験されることになる耐火製品の試料を機械加工して、外径50ミリメートル、高さ50ミリメートルを有する円筒形のるつぼであって、その中に直径30ミリメートル及び高さ30ミリメートルの同軸の円筒形の穴が作成されている円筒形のるつぼ、を形成する。粉末形態のソーダ石灰ガラス(ジルコニア不含組成を有する)が、該穴に入れられる。このように満たされた該るつぼは、特定の温度で15時間加熱される。冷却後、該るつぼは縦にスライスされて、正中断面が観察される。該正中断面は磨かれる。この磨かれた断面のガラス/耐火製品の縦の界面は、マイクロプローブドットを使用して分析されて、該ガラスと該耐火製品の境界から1000ミクロンまで、該ガラスにおけるジルコニアの百分率が決定される。ジルコニアの最高百分率(D_Zr)は、表に示されている。
【0073】
スロートの耐腐食性の測定
耐腐食性(CR:corrosion resistance)は、ストレートブロックから切り出された長さ75ミリメートル、幅50ミリメートル及び高さ50ミリメートルの、該ブロックから得られたU字形試験片であって、その中に幅45ミリメートル及び高さ30ミリメートルの中心溝が機械加工されたU字形試験片、で測定される。該試験片は、1500℃又は1550℃の炉中、ホウケイ酸ガラスで満たされた白金るつぼに200時間浸漬される(溝が下向き)。腐食による中心部分の厚さの損失(該U字形の2つの脚の間)が測定される。結果はパーセントで与えられる。
【0074】
タンクの耐腐食性の測定
上部に空気を有するガラス浴による腐食に対する耐性は、直径22mm及び高さ100mmの円筒形の棒の形態の試験片で測定される。該試験片は、1500℃に加熱された、溶融されたソーダ石灰ガラスの浴に48時間浸漬される。該試験片の回転速度は、1分間当たり6回転数であった。該試験の最後に、各試験片について腐食した試験片の残留体積が測定される。参照製品(実施例1)の腐食した試験片の残留体積が、比較の為のベースとみなされる。腐食した参照試験片の残留体積に対する任意の他の腐食した試験片の残留体積の比に100を掛けることにより、腐食指数(CI:corrosion index)が得られる。100未満のCI値は、該参照製品の腐食による損失よりも大きい、腐食による損失を表す。ここでは、該腐食指数CIが85以上、好ましくは90超、である場合に、該耐腐食性がガラス炉タンクにおける使用に許容されると考えられる。
【0075】
【表1】
は「本発明でない」を示し、NTは「未試験」を示し、及びNMは「測定不可能」を示す。
【0076】
該試験は、
アルミナ含量が、D_Zrを改善するのに十分でなければならないこと、
アルミナ含量が高過ぎる場合、これにより実現可能性が低下すること(実施例10)、
高過ぎるシリカ含量は、耐腐食性の低下をもたらすこと。実際、該ガラス/耐火製品の界面は、非常に不規則であり、溶融ガラスによる腐食に対する該耐火製品の耐性の低下を示したので、D_Zrは、実施例27については測定することができなかった、
+NaO+KO、特にNaO+KO、特にNaO、の含量が十分でなければならず、及び/又はSiO/(B+NaO+KO)比が、該製品の実現可能性を確実にする為に制限されなければならないこと(実施例24又は実施例25と実施例26との比較)、
Al含量が5.1%以上である場合、SiO含量が、該製品の実現可能性を確実にする為に十分であり、8.5%以上でなければならないこと(実施例16を実施例5又は実施例18と比較)、
Al含量が5.1%以上である場合、SiO/(B+NaO+KO)比が、ガラス炉タンクにおいて想定される使用を可能にする為に、該耐腐食性CIにとって十分でなければならないこと(実施例23と実施例5との比較)、
慣用的な製品に対して、本発明に従う製品が、該溶融ガラスへのジルコニアの溶出が少ないと同時に、良好な実現可能性を示すこと
を示す。
【0077】
耐腐食性が、実施例7からの試験片(図2)及び実施例1からの試験片(図1)に対して1500℃で測定された。腐食した厚さ(CR)は、本発明に従う実施例7については1.4%であり、一方、実施例1からの製品については2.6%である。
【0078】
図1及び2に示されている通り、本発明でない実施例は、複数の小さいくぼみ10を有する表面を有しており、一方、本発明に従う実施例は、実質的にくぼみがない。従って、本発明に従う製品は、非常に規則的な腐食プロファイルを与えるという利点を付与する。
【0079】
製品においてアルミナを豊富にさせることは、ガラスとの界面における該ガラスの組成物を安定させ、それ故にこの界面における該ガラスの再生を制限し、それ故に該耐火製品の浸食効果を制限することを可能にすることが分かる。
【0080】
耐腐食性が、実施例22からの試料、及び参照製品としてのSEFPROによって販売されているER1711(典型的に、41%のZrO、12%のSiO、45%のAl及び1%のNaOを含む)の試料に対して1550℃で測定された。腐食した厚さ(CR)は、本発明に従う実施例22については0%であり、一方、該参照製品については17.4%である。
【0081】
それ故に、明らかに分かる通り、本発明は、ガラス炉のタンク又はスロートの環境において優れた性能を与える製品を提供する。
【0082】
当然のことながら、本発明は、純粋に例示を目的として提供される、記載され提示された実施態様に限定されない。
図1
図2
【国際調査報告】