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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】哺乳類細胞の灌流培養方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20240325BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240325BHJP
   C12Q 1/06 20060101ALI20240325BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240325BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20240325BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
C12N5/071
C12P21/02 C
C12Q1/06
C12P21/08
A61K38/02
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562946
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022024781
(87)【国際公開番号】W WO2022221511
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/174,900
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500034653
【氏名又は名称】ジェンザイム・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】シャウン・エル・バレット
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ブッデ
(72)【発明者】
【氏名】ダリル・パワーズ
【テーマコード(参考)】
4B063
4B064
4B065
4C084
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ08
4B063QQ13
4B063QX01
4B064AG01
4B064AG27
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC06
4B064CC07
4B064CC10
4B064CC22
4B064CC24
4B064CD16
4B064DA01
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BC20
4B065BC25
4B065BD27
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA44
4C084CA53
4C084DB52
4C084DC01
4C084NA20
4C084ZC02
(57)【要約】
本明細書では、哺乳類細胞の灌流培養方法であって:約270mOsm/kgから約380mOsm/kgの浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された哺乳類細胞を含む容器を用意することと;約32℃から約39℃で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む、方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類細胞の灌流培養方法であって:
約270mOsm/kgから約380mOsm/kgの浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された哺乳類細胞を含む容器を用意することと;
約32℃から約39℃で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;
その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む、方法。
【請求項2】
第1の液体培地は、約270mOsm/kgから約320mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の液体培地は、8g/L超のポロキサマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の液体培地は、10g/L超のポロキサマーを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第2の液体培地は、12g/L超のポロキサマーを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ポロキサマーは、Pluronic F68である、請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第2の液体培地は、約6.8から約7.1のpHを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2の液体培地は塩化ナトリウムを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第2の液体培地は、約800mOsm/kgから約2,500mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第2の液体培地は、約1,200mOsm/kgから約1,800mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
添加する第2の液体培地の第2の体積を、その期間にわたって増加させる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
添加する第2の液体培地の第2の体積を、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で調整することを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
容器内の第1および第2の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
その期間にわたって、容器内の第1および第2の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを更に含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
容器内の第1および第2の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1および第2の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
第1および第2の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1および第2の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は同時に行われる、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は連続的に行われる、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は定期的に行われる、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
その期間の間、定期的に、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
水溶液は塩溶液である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
塩溶液は塩化ナトリウム溶液または塩化カリウム溶液である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加および第3の体積の添加は連続的に行われる、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/mgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
第3の液体培地は、約270mOsm/kgから約380mOsm/kgである浸透圧を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む、請求項32~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む、請求項32~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
第3の液体培地は、約10mOsm/kgから約270mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
第3の液体培地は、約50mOsm/kgから約200mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む、請求項32~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
その期間にわたって、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
第1、第2、および第3の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項32~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
第1、第2、および第3の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
第1、第2、および第3の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む、請求項32~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる、請求項32~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる、請求項32~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる、請求項32~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
哺乳類細胞は、CHO細胞である、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
容器はバイオリアクターである、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
バイオリアクターは灌流バイオリアクターである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
組換えタンパク質の産生方法であって:
約270mOsm/kgから約380mOsm/kgの浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳類細胞を含む容器を用意することと;
約32℃から約39℃で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;
その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることと;
組換えタンパク質を、哺乳類細胞から、または第1の液体培地および/もしくは第2の液体培地から回収することとを含む、方法。
【請求項56】
第1の液体培地は、約270mOsm/kgから約320mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
第2の液体培地は、8g/L超のポロキサマーを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
第2の液体培地は、10g/L超のポロキサマーを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
第2の液体培地は、12g/L超のポロキサマーを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
ポロキサマーは、Pluronic F68である、請求項57~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
第2の液体培地は、約6.8から約7.1のpHを有する、請求項55~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
第2の液体培地は塩化ナトリウムを含む、請求項55~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
第2の液体培地は、約800mOsm/kgから約2,500mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項55~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
第2の液体培地は、約1,200mOsm/kgから約1,800mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
添加する第2の液体培地の第2の体積を、その期間にわたって増加させる、請求項55~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
添加する第2の液体培地の第2の体積を、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で調整することを含む、請求項55~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
容器内の第1および第2の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
その期間にわたって、容器内の第1および第2の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを更に含む、請求項55~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
容器内の第1および第2の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
第1および第2の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項55~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
第1および第2の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
第1および第2の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む、請求項55~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は同時に行われる、請求項55~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は連続的に行われる、請求項55~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は定期的に行われる、請求項55~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
組換えタンパク質は第1および/または第2の液体培地中に分泌される、請求項55~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
組換えタンパク質は、第1および/または第2の液体培地から回収される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
その期間の間、連続的または定期的に、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む、請求項55~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
水溶液は塩溶液である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
塩溶液は塩化ナトリウム溶液または塩化カリウム溶液である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる、請求項82~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる、請求項82~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる、請求項82~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む、請求項55~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
第3の液体培地は、約270mOsm/kgから約380mOsm/kgである浸透圧を有する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む、請求項88または89に記載の方法。
【請求項91】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む、請求項88~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む、請求項88~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
第3の液体培地は、約0mOsm/kgから約270mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項88に記載の方法。
【請求項94】
第3の液体培地は、約50mOsm/kgから約200mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む、請求項93または94に記載の方法。
【請求項96】
調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む、請求項93~95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む、請求項93~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む、請求項88~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
その期間にわたって、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
第1、第2、および第3の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項88~100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
第1、第2、および第3の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
第1、第2、および第3の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む、請求項88~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる、請求項88~104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項106】
その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる、請求項88~104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる、請求項88~104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
組換えタンパク質は第1、第2、および/または第3の液体培地中に分泌される、請求項88~107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
組換えタンパク質は、第1、第2、および/または第3の液体培地から回収される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
哺乳類細胞は、CHO細胞である、請求項55~109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
容器はバイオリアクターである、請求項55~110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
バイオリアクターは灌流バイオリアクターである、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、増殖因子、タンパク質断片、または操作されたタンパク質である、請求項55~112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
組換えタンパク質は、哺乳類細胞から回収される、請求項55~113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
組換えタンパク質を単離することを更に含む、請求項55~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
単離された組換えタンパク質を製剤化することを更に含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
請求項55~114のいずれか1項に記載の方法によって産生される、組換えタンパク質。
【請求項118】
請求項117に記載の組換えタンパク質を含む、医薬組成物。
【請求項119】
請求項118に記載の医薬組成物を含む、キット。
【請求項120】
請求項118に記載の医薬組成物の治療上有効な量をそれを必要とする対象に投与することを含む、対象の治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月14日に出願された米国仮特許出願第63/174,900号の優先権を主張する;本出願の全内容は参照によって本明細書に組み入れる。
【0002】
本発明は、バイオテクノロジーの方法および組換えタンパク質の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳類細胞は、治療上または商業上重要なタンパク質を産生するのによく使用される。バイオテクノロジー企業は、製品パイプラインが多様である現在の状況においては、高柔軟性かつ高対費用効果の治療用タンパク質原薬製造のための革新的な解決策を開発する必要に迫られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以下の発見に少なくとも部分的に基づいている:哺乳類細胞の灌流培養方法であって:約270mOsm/kgから約380mOsm/kgの浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された哺乳類細胞を含む容器を用意することと;約32℃から約39℃で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1の液体培地の浸透圧および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む、方法は、浸透圧が約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されない他の灌流細胞培養方法と比較して、培養の増殖および健全性の改善を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、哺乳類細胞の灌流培養方法であって:約270mOsm/kgから約380mOsm/kg(例えば、その中のいずれかの部分範囲)の浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された哺乳類細胞を含む容器を用意することと;約32℃から約39℃(例えば、その中のいずれかの部分範囲)で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kg(例えば、その中のいずれかの部分範囲)にその期間にわたって維持されることとを含む、方法が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の液体培地は、約270mOsm/kgから約320mOsm/kgの浸透圧を有する。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、8g/L超のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、10g/L超のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、12g/L超のポロキサマーを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、ポロキサマーは、Pluronic F68である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約6.8から約7.1のpHを有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、塩化ナトリウムを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約800mOsm/kgから約2,500mOsm/kgの浸透圧を有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約1,200mOsm/kgから約1,800mOsm/kgの浸透圧を有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、添加する第2の液体培地の第2の体積を、その期間にわたって増加させる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、添加する第2の液体培地の第2の体積を、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で調整することを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。
【0008】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1および第2の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。
【0010】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、その期間にわたって、容器内の第1および第2の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、容器内の第1および第2の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる。
【0012】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および第2の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1および第2の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1および第2の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。
【0013】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む。
【0014】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は同時に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は連続的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は定期的に行われる。
【0015】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、その期間の間、定期的に、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、水溶液は塩溶液である。いくつかの実施形態では、塩溶液は塩化ナトリウム溶液または塩化カリウム溶液である。
【0017】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる。
【0018】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/mgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、約270mOsm/kgから約380mOsm/kgである浸透圧を有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、約10mOsm/kgから約270mOsm/kgの浸透圧を有する。いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、約50mOsm/kgから約200mOsm/kgの浸透圧を有する。
【0021】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。
【0022】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。
【0023】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。
【0024】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、その期間にわたって、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを含む。いくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる。
【0025】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。
【0026】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる。
【0027】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、哺乳類細胞はCHO細胞である。
【0028】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器はバイオリアクターである。いくつかの実施形態では、バイオリアクターは灌流バイオリアクターである。
【0029】
本明細書ではまた、組換えタンパク質の産生方法であって:約270mOsm/kgから約380mOsm/kg(例えば、その中のいずれかの部分範囲)の浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳類細胞を含む容器を用意することと;約32℃から約39℃(例えば、その中のいずれかの部分範囲)で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kg(例えば、その中のいずれかの部分範囲)にその期間にわたって維持されることと;組換えタンパク質を、哺乳類細胞から、または第1の液体培地および/もしくは第2の液体培地から回収することとを含む、方法も提供される。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の液体培地は、約270mOsm/kgから約320mOsm/kgの浸透圧を有する。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、8g/L超のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、10g/L超のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、12g/L超のポロキサマーを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、ポロキサマーは、Pluronic F68である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約6.8から約7.1のpHを有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、塩化ナトリウムを含む。
【0031】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約800mOsm/kgから約2,500mOsm/kgの浸透圧を有する。いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約1,200mOsm/kgから約1,800mOsm/kgの浸透圧を有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、添加する第2の液体培地の第2の体積を、その期間にわたって増加させる。いくつかの実施形態では、添加する第2の液体培地の第2の体積を、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる。
【0032】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で調整することを含む。いくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1および第2の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む。いくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。
【0033】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、その期間にわたって、容器内の第1および第2の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを更に含む。いくつかの実施形態では、容器内の第1および第2の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる。
【0034】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および第2の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1および第2の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1および第2の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。
【0035】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は同時に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は連続的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、および第2の液体培地の第2の体積の添加は定期的に行われる。
【0036】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、組換えタンパク質は第1および/または第2の液体培地中に分泌される。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質は、第1および/または第2の液体培地から回収される。
【0037】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、その期間の間、連続的または定期的に、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。いくつかの実施形態では、水溶液は塩溶液である。いくつかの実施形態では、塩溶液は塩化ナトリウム溶液または塩化カリウム溶液である。
【0038】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる。
【0039】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、約270mOsm/kgから約380mOsm/kgである浸透圧を有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、約0mOsm/kgから約270mOsm/kgの浸透圧を有する。いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、約50mOsm/kgから約200mOsm/kgの浸透圧を有する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、調整する工程は、第3の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法は、その期間にわたって、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを含む。いくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって増加させる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の液体培地における100×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の液体培地における120×10細胞/mL超の生細胞密度は、その期間の間に達成される。
【0042】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧をその期間の間モニタリングすることを更に含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は同時に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間の間、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は連続的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、その期間にわたって、第1の液体培地の第1の体積の除去、第2の液体培地の第2の体積の添加、および第3の体積の添加は定期的に行われる。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、組換えタンパク質は第1、第2、および/または第3の液体培地中に分泌される。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質は、第1、第2、および/または第3の液体培地から回収される。
【0043】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、哺乳類細胞はCHO細胞である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器はバイオリアクターである。いくつかの実施形態では、バイオリアクターは灌流バイオリアクターである。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、増殖因子、タンパク質断片、または操作されたタンパク質である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、組換えタンパク質は、哺乳類細胞から回収される。
【0044】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、組換えタンパク質を単離することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、単離された組換えタンパク質を製剤化することを更に含む。
【0045】
本明細書では、本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される組換えタンパク質が提供される。本明細書ではまた、本明細書に記載の組換えタンパク質のいずれかを含む医薬組成物、および本明細書に記載の医薬組成物のいずれかを含むキットも提供される。
【0046】
本明細書ではまた、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの治療上有効な量をそれを必要とする対象に投与することを含む、対象の治療方法も提供される。
【0047】
本明細書で使用する場合、名詞の前の単語「a」は、特定の名詞の1つまたはそれ以上を表す。例えば、「哺乳類細胞」という句は、「1つまたはそれ以上の哺乳類細胞」を表す。
【0048】
用語「哺乳類細胞」は、任意の哺乳類(例えば、ヒト、ハムスター、マウス、ミドリザル、ラット、ブタ、ウシ、またはウサギ)からの任意の細胞またはそれに由来する任意の細胞を意味する。例えば、哺乳類細胞は不死化細胞であり得る。いくつかの実施形態では、哺乳類細胞は、分化または未分化細胞である。哺乳類細胞の非限定的な例が、本明細書に記載される。哺乳類細胞の追加の例は、当技術分野で知られている。
【0049】
用語「培養」または「細胞培養」は、制御された一連の物理的条件下での哺乳類細胞の維持または増殖を意味する。
【0050】
用語「哺乳類細胞の培養物」、「培養物」、または「細胞培養物」は、制御された一連の物理的条件下で維持または増殖させる複数の哺乳類細胞を含む液体培地を意味する。
【0051】
用語「液体培地」または「液体培地」は、細胞(例えば、哺乳類細胞)がインビトロで成長または増殖できるのに十分な栄養素を含む液体を意味する。例えば、液体培地は、以下の1つまたはそれ以上を含み得る:アミノ酸(例えば、20アミノ酸)、プリン(ヒポキサンチン)、ピリミジン(例えば、チミジン)、コリン、イノシトール、チアミン、葉酸、ビオチン、カルシウム、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、チミジン、シアノコバラミン、ピルビン酸塩、リポ酸、マグネシウム、グルコース、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、および重炭酸ナトリウム。いくつかの実施形態では、液体培地は、哺乳類からの血清を含み得る。いくつかの実施形態では、液体培地は、哺乳類からの血清または別の抽出物を含まない(定義された液体培地)。いくつかの実施形態では、液体培地は、微量金属、哺乳類成長ホルモン、および/または哺乳類増殖因子を含み得る。液体培地の別の例は、最少培地(例えば、無機塩、炭素源、および水のみを含む培地)である。液体培地の非限定的な例が本明細書に記載される。液体培地の追加の例は、当技術分野で知られており、市販されている。液体培地は、任意の密度の哺乳類細胞を含み得る。例えば、本明細書で使用する場合、バイオリアクターから除去される一定量の液体培地は、哺乳類細胞を実質的に含まない場合がある。
【0052】
用語「無動物由来成分液体培地」は、哺乳類に由来する成分(例えば、タンパク質または血清)を含まない液体培地を意味する。
【0053】
用語「無血清液体培地」は、哺乳類血清を含まない液体培地を意味する。
【0054】
用語「血清含有液体培地」は、哺乳類血清を含む液体培地を意味する。
【0055】
用語「化学的に定義された液体培地」は、専門用語であり、全ての化学成分が既知である液体培地を意味する。例えば、化学的に定義された液体培地では、ウシ胎仔血清、ウシ血清アルブミン、またはヒト血清アルブミンは、これらの調製物が通常アルブミンおよび脂質の複雑な混合物を含むために含まれない。
【0056】
用語「無タンパク質液体培地」は、タンパク質(例えば、任意の検出可能なタンパク質)を含まない液体培地を意味する。
【0057】
用語「清澄化液体培地」は、細菌または酵母細胞を実質的に含まない(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、94%、96%、98%、または99%含まない)細菌または酵母細胞培養から得られる液体培地を意味する。
【0058】
用語「撹拌」は、バイオリアクター内の液体培地の一部をかき混ぜるか、または他の方法で移動させることを意味する。これは、例えば、バイオリアクター内の液体培地の溶存O濃度を増加させるために行われる。撹拌は、当技術分野で知られている任意の方法、例えば、装置またはプロペラを使用して行い得る。バイオリアクター内の液体培地の一部を撹拌するのに使用できる例示的な器具および方法は、当技術分野で知られている。
【0059】
用語「免疫グロブリン」は、免疫グロブリンタンパク質(例えば、可変ドメイン配列、フレームワーク配列、または定常ドメイン配列)の少なくとも15アミノ酸のアミノ酸配列(例えば、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、または100アミノ酸)を含むポリペプチドを意味する。免疫グロブリンは、例えば、軽鎖免疫グロブリンの少なくとも15アミノ酸を含み得、例えば、重鎖免疫グロブリンの少なくとも15アミノ酸を含み得る。免疫グロブリンは、単離された抗体(例えば、IgG、IgE、IgD、IgA、またはIgM)であってもよい。免疫グロブリンは、抗体断片、例えば、Fab断片、F(ab’)断片、またはscFv断片であってもよい。免疫グロブリンはまた、二重特異性抗体もしくは三重特異性抗体、または2量体、3量体、多量体抗体、またはダイアボディ、Affibody(登録商標)、もしくはNanobody(登録商標)であってもよい。免疫グロブリンはまた、少なくとも1つの免疫グロブリンドメイン(例えば、融合タンパク質)を含む操作されたタンパク質であってもよい。免疫グロブリンの非限定的な例は本明細書に記載され、免疫グロブリンの追加の例は当技術分野で知られている。組換え免疫グロブリンは、本明細書に記載の方法のいずれかを使用して産生される。
【0060】
用語「操作されたタンパク質」は、生物(例えば、哺乳類)内に存在する内因性核酸では天然にはコードされていないポリペプチドを意味する。操作されたタンパク質の例としては、酵素(例えば、操作された酵素の安定性および/または触媒活性の増加をもたらす、1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、欠失、挿入、または付加を有する)、融合タンパク質、抗体(例えば、二価抗体、三価抗体、またはダイアボディ)、ならびに少なくとも1つの組換え足場配列を含む抗原結合タンパク質が挙げられる。
【0061】
用語「分泌されるタンパク質」または「分泌される組換えタンパク質」は、哺乳類細胞内で翻訳されるときに、少なくとも1つの分泌シグナル配列を元々含んでいたタンパク質(例えば、組換えタンパク質)を意味し、該タンパク質は、少なくとも部分的に、哺乳類細胞内で分泌シグナル配列が酵素的に切断されることを通して、細胞外空間(例えば、液体培地)に少なくとも部分的に分泌される。当業者は、「分泌される」タンパク質が分泌されるタンパク質とみなされるために細胞から完全に分離する必要はないことを理解するであろう。
【0062】
用語「灌流バイオリアクター」は、第1の液体培地内の複数の細胞(例えば、哺乳類細胞)を含むバイオリアクターを意味し、バイオリアクター内に存在する細胞を培養することは、第1の液体培地を定期的または連続的に除去すること、ならびに同時に、またはその直後に、実質的に同じ体積の第2の液体培地をバイオリアクターに添加することを含む。いくつかの例では、培養期間の間、第1の液体培地の体積を漸増的な期間(例えば、約24時間の期間、約1分間と約24時間との間の期間、または24時間超の期間)にわたって除去および添加して漸進的に変化(例えば、増加または減少)させる(例えば、1日当たりの液体培地の再供給量)。1日に除去および置換される培地の割合は、培養する特定の細胞、初期播種密度、および特定の時点での細胞密度に応じて異なり得る。「RV」または「リアクター体積」は、培養処理の開始時に存在する液体培地の体積(例えば、播種後に存在する液体培地の合計体積)を意味する。
【0063】
「比生産性」または「SP」は、専門用語であり、本明細書で使用する場合、1哺乳類細胞毎に1日当たり産生される組換え治療用タンパク質の質量または酵素活性を指す。組換え治療用抗体のSPは、通常、質量/細胞/日として測定する。組換え治療用酵素のSPは、通常、単位/細胞/日または(単位/質量)/細胞/日として測定する。
【0064】
「体積生産性」または「VP」は、専門用語であり、本明細書で使用する場合、培養の体積毎(例えば、バイオリアクター、容器、またはチューブの体積の1L毎)に1日当たり産生される組換え治療用タンパク質の質量または酵素活性を指す。組換え治療用抗体のVPは、通常、質量/L/日として測定する。組換え治療用酵素のVPは、通常、単位/L/日または質量/L/日として測定する。
【0065】
「ある濃度のポロキサマー」および「ポロキサマー濃度」という句は、本明細書では互換的に使用される。「Xg/Lまたはそれ以上のポロキサマー」および「Xg/LまたはXg/L以上の濃度のポロキサマー」という句は、本明細書では互換的に使用される。
【0066】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書では、本発明で使用するための方法および材料が記載されるが;他の適切な当技術分野で知られている方法および材料を使用することもできる。材料、方法、および実施例は、単なる例示であり、限定することを意図するものではない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、および他の参考文献は、その全体を参照によって組み入れる。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先する。
【0067】
本発明の他の機能および利点は、以下の詳細な説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1A】振とうフラスコで異なる浸透圧(mOsm/kg)で行うバッチ細胞培養実行(n=2)における経時的な生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)のグラフである。0、4、および7日目の平均浸透圧をmOsmで示す。
図1B】Ambr15マイクロバイオリアクターで異なる浸透圧(mOsm/kg)で行うバッチ細胞培養実行(n=2)における経時的な生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)のグラフである。0、2、5、7、および9日目の平均浸透圧をmOsmで示す。
図2A】振とうフラスコでの4日目の浸透圧(mOsm/kg)に対する平均細胞直径(μm)のグラフである。
図2B】Ambr15マイクロバイオリアクターでの5日目の浸透圧(mOsm/kg)に対する平均細胞直径(μm)のグラフである。
図3A】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な浸透圧(mOsm/kg)のグラフである。実行V22(「V22」)は、バイオリアクターでの高い浸透圧をもたらす水供給に対する濃縮細胞培地供給の比を有した。
図3B】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)(実線)および生細胞平均直径(μm)(破線)のグラフである。実行V22(「V22」)は、高い浸透圧を経験したことで、増殖速度が低下し、また、生存率が減少した。
図3C】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な回収体積生産性(VP)(g/L/日)(実線)および回収力価(g/L)(破線)のグラフである。実行V22(「V22」)は、高い浸透圧を有し、生産性が減少した。
図3D】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な生存率(%)(実線)および乳酸脱水素酵素(LDH)産生量(U/L/day)(破線)のグラフである。実行V22(「V22」)は、高い浸透圧を有し、培養の健全性が悪いことを示すLDH産生量が高くなった。
図3E】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的なグルコース濃度(g/L)(実線)および乳酸濃度(g/L)(破線)のグラフである。実行V22(「V22」)は、高い浸透圧を有し、乳酸産生の上昇につながった。
図4A】Protein 3バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)(実線)および生存率(%)(破線)のグラフである。高い浸透圧のために、VCDおよび培養生存率が減少した。
図4B】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な乳酸濃度(g/L)(実線)および乳酸浸透圧(mOsm/kg)(破線)のグラフである。高い浸透圧は乳酸産生の上昇につながった。
図5A】1セットの灌流細胞培養バイオリアクターでの経時的な浸透圧(mOsm/kg)のグラフであり、異なる浸透圧プロファイルを示すグラフである。
図5B】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)(実線)および生細胞平均直径(μm)(破線)のグラフである。VCDプロファイルの違いは、培養浸透圧の違いに対応する。
図6A】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における導電率(mS/cm)に対する浸透圧(mOsm/kg)のグラフであり、全てのデータを使用したグラフである。
図6B】バイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における導電率(mS/cm)に対する浸透圧(mOsm/kg)のグラフであり、リアクタースケールおよび培養の相(低または高バイオマス)によって特徴付けられるデータを使用したグラフである。
図7】自動化導電率フィードバック制御を有するバイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な導電率(mS/cm)(実線)および浸透圧(mOsm/kg)のグラフ(個々のデータ点)である。
図8A】自動化導電率フィードバック制御を有する10Lバイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な浸透圧(mOsm/kg)のグラフである。
図8B】10Lバイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)(実線)および生細胞平均直径(μm)(破線)のグラフであり、一貫したVCDプロファイルを示すグラフである。
図9】異なるプローブの種類を用いて測定した浸透圧標準物質の浸透圧(mOsm/kg)に対する導電率(mS/cm)のグラフである。
図10】100Lバイオリアクターで行った灌流細胞培養の実行における経時的な浸透圧(mOsm/kg)のグラフであり、ラマン分光法測定から予測される浸透圧を用いたグラフである。
図11】10Lバイオリアクターでの、60日間の灌流細胞培養処理の30日目の浸透圧(mOsm/kg)に対する生細胞密度(VCD)(100万細胞/mL)のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本明細書では、哺乳類細胞の灌流培養方法であって:約270mOsm/kgから約380mOsm/kgの浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された哺乳類細胞を含む容器を用意することと;約32℃から約39℃で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む、方法が提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、その期間の間、連続的または定期的に、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。いくつかの例では、第3の液体培地は、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウム(KCl)を含む。いくつかの例では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。他の例では、浸透圧は、第3の液体培地の流量によって制御する。他の例では、第3の液体培地は、約0mOsm/kgから約270mOsm/kgの浸透圧を有し得る。例えば、第2の液体培地が380mOsm/kg超の浸透圧を有する場合、約0mOsm/kgから約100mOsm/kgの浸透圧を有する第3の液体培地を使用できる。いくつかの例では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地における浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。
【0070】
本明細書ではまた、組換えタンパク質の産生方法であって:約270mOsm/kgから約380mOsm/kgの浸透圧を有する第1の液体培地中に配置された、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳類細胞を含む容器を用意することと;約32℃から約39℃で哺乳類細胞をある期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることと;組換えタンパク質を、哺乳類細胞から、または第1の液体培地および/もしくは第2の液体培地から回収することとを含む、方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、その期間の間、連続的または定期的に、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることを更に含む。いくつかの例では、第3の液体培地は、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウム(KCl)を含む。いくつかの例では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。他の例では、第3の液体培地は、約0mOsm/kgから約270mOsm/kgの浸透圧を有し得る。例えば、第2の液体培地が380mOsm/kg超の浸透圧を有する場合、約0mOsm/kgから約100mOsm/kgの浸透圧を有する第3の液体培地を使用できる。いくつかの例では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地における浸透圧を維持することは、第3の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、第1および第2の液体培地における、または第1、第2、および第3の液体培地における60×10細胞/mL超の生細胞密度を有する細胞培養を、その期間の間に達成し得る。細胞培養の生細胞密度を決めるための方法は、当技術分野でよく知られている。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、少なくとも5日間(例えば、少なくとも10日間、少なくとも15日間、少なくとも20日間、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間、少なくとも50日間、少なくとも55日間、少なくとも60日間、少なくとも65日間、または少なくとも70日間)の培養期間にわたって75%超(例えば、80%超、85%超、または90%超)である細胞生存率パーセンテージを有する細胞培養を提供する。
【0073】
培養体積(10L~10,000L流加バッチ、50~500L~2000L、50L、500L、1000L、2000L)
任意の本明細書に記載の方法は、インキュベートすることを含み得、約10Lと約10,000Lとの間(例えば、約10Lと約8,000Lとの間、約10Lと約7,000Lとの間、約10Lと約6,000Lとの間、約10Lと約5,000Lとの間、約10Lと約4,000Lとの間、約10Lと約3,000Lとの間、約10Lと約2,500Lとの間、約10Lと約2,000Lとの間、約10Lと約1,500Lとの間、約10Lと約1,000Lとの間、約10Lと約500Lとの間、約10Lと約200Lとの間、約10Lと約100Lとの間、約20Lと約10,000Lとの間、約20Lと約8,000Lとの間、約20Lと約7,000Lとの間、約20Lと約6,000Lとの間、約20Lと約5,000Lとの間、約20Lと約4,000Lとの間、約20Lと約3,000Lとの間、約20Lと約2,500Lとの間、約20Lと約2,000Lとの間、約20Lと約1,500Lとの間、約20Lと約1,000Lとの間、約20Lと約500Lとの間、約20Lと約200Lとの間、約20Lと約100Lとの間、約100Lと約10,000Lとの間、約100Lと約8,000Lとの間、約100Lと約7,000Lとの間、約100Lと約6,000Lとの間、約100Lと約5,000Lとの間、約100Lと約4,000Lとの間、約100Lと約3,000Lとの間、約100Lと約2,000Lとの間、約100Lと約1,500Lとの間、約100Lと約1,000Lとの間、約100Lと約800Lとの間、約100Lと約700Lとの間、約100Lと約600Lとの間、約100Lと約500Lとの間、約100Lと約400Lとの間、約100Lと約300Lとの間、約100Lと約200Lとの間、約500Lと約10,000Lとの間、約500Lと約8,000Lとの間、約500Lと約7,000Lとの間、約500Lと約6,000Lとの間、約500Lと約5,000Lとの間、約500Lと約4,000Lとの間、約500Lと約3,000Lとの間、約500Lと約2,000Lとの間、約500Lと約1,500Lとの間、約500Lと約1,000Lとの間、約500Lと約750Lとの間、約1,000Lと約10,000Lとの間、約1,000Lと約8,000Lとの間、約1,000Lと約7,000Lとの間、約1,000Lと約6,000Lとの間、約1,000Lと約5,000Lとの間、約1,000Lと約4,000Lとの間、約1,000Lと約3,000Lとの間、約1,000Lと約2,000Lとの間、約1,000Lと約1,500Lとの間、約2,000Lと約10,000Lとの間、約2,000Lと約8,000Lとの間、約2,000Lと約7,000Lとの間、約2,000Lと約6,000Lとの間、約2,000Lと約5,000Lとの間、約2,000Lと約4,000Lとの間、約2,000Lと約3,000Lとの間、約3,000Lと約10,000Lとの間、約3,000Lと約8,000Lとの間、約3,000Lと約7,000Lとの間、約3,000Lと約6,000Lとの間、約3,000Lと約5,000Lとの間、約3,000Lと約4,000Lとの間、約4,000Lと約10,000Lとの間、約4,000Lと約8,000Lとの間、約4,000Lと約7,000Lとの間、約4,000Lと約6,000Lとの間、約4,000Lと約5,000Lとの間、約5,000Lと約10,000Lとの間、約5,000Lと約8,000Lとの間、約5,000Lと約7,000Lとの間、約5,000Lと約6,000Lとの間、約6,000Lと約10,000Lとの間、約6,000Lと約8,000Lとの間、約6,000Lと約7,000Lとの間、約7,000Lと約10,000Lとの間、約7,000Lと約8,000Lとの間、または約8,000Lと約10,000Lとの間、あるいは、10L、20L、50L、100L、500L、1,000L、または2,000L)の体積(その期間の開始時)を有する第1の液体培地内の哺乳類細胞(例えば、本明細書に記載の哺乳類細胞のいずれか)を含む容器(例えば、本明細書に記載の容器のいずれか)を提供する。哺乳類細胞をインキュベートする工程は、細胞の維持および増殖を可能とする条件下で行う。
【0074】
第1の液体培地は、約270mOsm/kgから約320mOsm/kg(例えば、約270mOsm/kgから約315mOsm/kg、約270mOsm/kgから約310mOsm/kg、約270mOsm/kgから約305mOsm/kg、約270mOsm/kgから約300mOsm/kg、約270mOsm/kgから約295mOsm/kg、約270mOsm/kgから約290mOsm/kg、約270mOsm/kgから約285mOsm/kg、約270mOsm/kgから約280mOsm/kg、約270mOsm/kgから約275mOsm/kg、約275mOsm/kgから約320mOsm/kg、約275mOsm/kgから約315mOsm/kg、約275mOsm/kgから約310mOsm/kg、約275mOsm/kgから約305mOsm/kg、約275mOsm/kgから約300mOsm/kg、約275mOsm/kgから約295mOsm/kg、約275mOsm/kgから約290mOsm/kg、約275mOsm/kgから約285mOsm/kg、約275mOsm/kgから約280mOsm/kg、約280mOsm/kgから約320mOsm/kg、約280mOsm/kgから約315mOsm/kg、約280mOsm/kgから約310mOsm/kg、約280mOsm/kgから約305mOsm/kg、約280mOsm/kgから約300mOsm/kg、約280mOsm/kgから約295mOsm/kg、約280mOsm/kgから約290mOsm/kg、約280mOsm/kgから約285mOsm/kg、約285mOsm/kgから約320mOsm/kg、約285mOsm/kgから約315mOsm/kg、約285mOsm/kgから約310mOsm/kg、約285mOsm/kgから約305mOsm/kg、約285mOsm/kgから約300mOsm/kg、約285mOsm/kgから約295mOsm/kg、約285mOsm/kgから約290mOsm/kg、約290mOsm/kgから約320mOsm/kg、約290mOsm/kgから約315mOsm/kg、約290mOsm/kgから約310mOsm/kg、約290mOsm/kgから約305mOsm/kg、約290mOsm/kgから約300mOsm/kg、約290mOsm/kgから約295mOsm/kg、約295mOsm/kgから約320mOsm/kg、約295mOsm/kgから約315mOsm/kg、約295mOsm/kgから約310mOsm/kg、約295mOsm/kgから約305mOsm/kg、約295mOsm/kgから約300mOsm/kg、約300mOsm/kgから約320mOsm/kg、約300mOsm/kgから約315mOsm/kg、約300mOsm/kgから約310mOsm/kg、約300mOsm/kgから約305mOsm/kg、約305mOsm/kgから約320mOsm/kg、約305mOsm/kgから約315mOsm/kg、約305mOsm/kgから約310mOsm/kg、約310mOsm/kgから約320mOsm/kg、約310mOsm/kgから約315mOsm/kg、または約315mOsm/kgから約320mOsm/kg)の浸透圧を有し得る。第1の液体培地の非限定的な態様および例が本明細書に記載される。
【0075】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の液体培地(例えば、本明細書に記載の例示的な第1の液体培地のいずれか)に添加する第2の液体培地(例えば、本明細書に記載の例示的な第2の液体培地のいずれか)の第2の体積(および場合により第3の液体培地)を、その期間の間のより早い時点で添加する第2の液体培地の第2の体積と比較して、その期間の間、少なくとも10%(例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも200少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%、あるいは約10%から約500%、約10%から約400%、約10%から約300%、約10%から約200%、約10%から約100%、約10%から約50%、約10%から約20%、約20%から約500、約20%から約400%、約20%から約300%、約20%から約200%、約20%から約100%、約20%から約50%、約20%から約40%、約20%から約30%、約30%から約500%、約30%から約400%、約30%から約300%、約30%から約200%、約30%から約100%、約30%から約50%、約30%から約40%、約40%から約500約40%から約400%、約40%から約300%、約40%から約200%、約40%から約100%、約40%から約50%、約50%から約500%、約50%から約400%、約50%から約300%、約50%から約200%、約50%から約100%、約50%から約60%、約60%から約500%、約60%から約400%、約60%から約300%、約60%から約200%、約60%から約100%、約60%から約80%、約60%から約70%、約70%から約500%、約70%から約400%、約70%から約300%、約70%から約200%、約70%から約100%、約70%から約80%、約80%から約500%、約80%から約400%、約80%から約300%、約80%から約200%、約80%から約100%、約80%から約90%、約90%から約500%、約90%から約400%、約90%から約300%、約90%から約200%、約90%から約100%、約100%から約500%、約100%から約400%、約100%から約300%、約100%から約200%、約100%から約150%、約200%から約500%、約200%から約400%、約200%から約300%、約200%から約250%、約300%から約500%、約300%から約400%、約400%から約500%、または約450%から約500%)増加させる。
【0076】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の液体培地(例えば、本明細書に記載の第1の液体培地のいずれか)に添加する第2の液体培地(例えば、本明細書に記載の例示的な第2の液体培地のいずれか)の第2の体積(および場合により第3の液体培地に対して)を、その期間の間のより早い時点で添加する第2の液体培地の第2の体積と比較して、生細胞密度に基づいてその期間にわたって、少なくとも10%(例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも120%、少なくとも140%、少なくとも160%、少なくとも180%、少なくとも200%、少なくとも220%、少なくとも240%、少なくとも260%、少なくとも280%、少なくとも300%、少なくとも320%、少なくとも340%、少なくとも360%、少なくとも380%、少なくとも400%、少なくとも420%、少なくとも440%、少なくとも460%、少なくとも480%、または少なくとも500%、あるいは約10%から約500%(または例えば、本明細書に記載のこの範囲のいずれかの部分範囲)増加させる。
【0077】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の液体培地に添加する第2の液体培地(および場合により第3の液体培地)の流量を、その期間の間のより早い時点での第2の液体培地の流量と比較して、その期間の間、少なくとも10%(例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも120%、少なくとも140%、少なくとも160%、少なくとも180%、少なくとも200%、少なくとも220%、少なくとも240%、少なくとも260%、少なくとも280%、または少なくとも300%、あるいは約10%から約300%、約10%から約250%、約10%から約200%、約10%から約150%、約10%から約100%、約10%から約90%、約10%から約80%、約10%から約70%、約10%から約60%、約10%から約50%、約10%から約40%、約10%から約30%、約10%から約20%、約20%から約300%、約20%から約250%、約20%から約200%、約20%から約150%、約20%から約100%、約20%から約90%、約20%から約80%、約20%から約70%、約20%から約60%、約20%から約50%、約20%から約40%、約20%から約30%、約30%から約300%、約30%から約250%、約30%から約200%、約30%から約150%、約30%から約100%、約30%から約90%、約30%から約80%、約30%から約70%、約30%から約60%、約30%から約50%、約30%から約40%、約40%から約300%、約40%から約250%、約40%から約200%、約40%から約150%、約40%から約100%、約40%から約90%、約40%から約80%、約40%から約70%、約40%から約60%、約40%から約50%、約50%から約300%、約50%から約250%、約50%から約200%、約50%から約150%、約50%から約100%、約50%から約90%、約50%から約80%、約50%から約70%、約50%から約60%、約60%から約300%、約60%から約250%、約60%から約200%、約60%から約150%、約60%から約100%、約60%から約90%、約60%から約80%、約60%から約70%、約70%から約300%、約70%から約250%、約70%から約200%、約70%から約150%、約70%から約100%、約70%から約90%、約70%から約80%、約80%から約300%、約80%から約250%、約80%から約200%、約80%から約150%、約80%から約100%、約80%から約90%、約90%から約300%、約90%から約250%、約90%から約200%、約90%から約150%、約90%から約100%、約100%から約300%、約100%から約250%、約100%から約200%、約100%から約150%、約150%から約300%、約150%から約250%、約150%から約200%、約200%から約300%、約200%から約250%、または約250%から約300%)増加させる。
【0078】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の液体培地に添加する第2の液体培地(および場合により第3の液体培地)の流量を、その期間の間のより早い時点での第2の液体培地の流量と比較して、その期間の間、少なくとも10%(例えば、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも28%、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも38%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも48%、少なくとも50%、少なくとも52%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも58%、少なくとも60%、少なくとも62%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも68%、少なくとも70%、少なくとも72%、少なくとも74%、少なくとも76%、少なくとも78%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%、あるいは約1%から約100%、約1%から約90%、約1%から約80%、約1%から約70%、約1%から約60%、約1%から約50%、約1%から約45%、約1%から約40%、約1%から約35%、約1%から約30%、約1%から約25%、約1%から約20%、約1%から約15%、約1%から約10%、約1%から約5%、約5%から約100%、約5%から約90%、約5%から約80%、約5%から約70%、約5%から約60%、約5%から約50%、約5%から約45%、約5%から約40%、約5%から約35%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約5%から約15%、約5%から約10%、約10%から約100%、約10%から約90%、約10%から約80%、約10%から約70%、約10%から約60%、約10%から約50%、約10%から約45%、約10%から約40%、約10%から約35%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%、約10%から約15%、約15%から約100%、約15%から約90%、約15%から約80%、約15%から約70%、約15%から約60%、約15%から約50%、約15%から約45%、約15%から約40%、約15%から約35%、約15%から約30%、約15%から約25%、約15%から約20%、約20%から約100%、約20%から約90%、約20%から約80%、約20%から約70%、約20%から約60%、約20%から約50%、約20%から約45%、約20%から約40%、約20%から約35%、約20%から約30%、約20%から約25%、約25%から約100%、約25%から約90%、約25%から約80%、約25%から約70%、約25%から約60%、約25%から約50%、約25%から約45%、約25%から約40%、約25%から約35%、約25%から約30%、約30%から約100%、約30%から約90%、約30%から約80%、約30%から約70%、約30%から約60%、約30%から約50%、約30%から約45%、約30%から約40%、約30%から約35%、約35%から約100%、約35%から約90%、約35%から約80%、約35%から約70%、約35%から約60%、約35%から約50%、約35%から約45%、約35%から約40%、約40%から約100%、約40%から約90%、約40%から約80%、約40%から約70%、約40%から約60%、約40%から約50%、約40%から約45%、約45%から約100%、約45%から約90%、約45%から約80%、約45%から約70%、約45%から約60%、約45%から約50%、約50%から約100%、約50%から約90%、約50%から約80%、約50%から約70%、約50%から約60%、約60%から約100%、約60%から約90%、約60%から約80%、約60%から約70%、約70%から約100%、約70%から約90%、約70%から約80%、約80%から約100%、約80%から約90%、または約90%から約100%)減少させる。第2の液体培地の非限定的な態様および例が本明細書に記載される。
【0079】
期間(30~60日間;7~90日間、45日間、60日間)
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの例では、その期間は、約5日間から約100日間の間(例えば、約5日間と約95日間との間、約5日間と約90日間との間、約5日間と約85日間との間、約5日間と約80日間との間、約5日間と約75日間との間、約5日間と約70日間との間、約5日間と約65日間との間、約5日間と約60日間との間、約5日間と約55日間との間、約5日間と約50日間との間、約5日間と約45日間との間、約5日間と約40日間との間、約5日間と約35日間との間、約5日間と約30日間との間、約5日間と約25日間との間、約5日間と約20日間との間、約5日間と約15日間との間、約5日間と約10日間との間、約5日間と約7日間との間、約7日間と約95日間との間、約7日間と約90日間との間、約7日間と約85日間との間、約7日間と約80日間との間、約7日間と約75日間との間、約7日間と約70日間との間、約7日間と約65日間との間、約7日間と約60日間との間、約7日間と約55日間との間、約7日間と約50日間との間、約7日間と約45日間との間、約7日間と約40日間との間、約7日間と約35日間との間、約7日間と約30日間との間、約7日間と約25日間との間、約7日間と約20日間との間、約7日間と約15日間との間、約7日間と約10日間との間、約10日間と約100日間との間、約10日間と約95日間との間、約10日間と約90日間との間、約10日間と約85日間との間、約10日間と約80日間との間、約10日間と約75日間との間、約10日間と約70日間との間、約10日間と約65日間との間、約10日間と約60日間との間、約10日間と約55日間との間、約10日間と約50日間との間、約10日間と約45日間との間、約10日間と約40日間との間、約10日間と約35日間との間、約10日間と約30日間との間、約10日間と約25日間との間、約10日間と約20日間との間、約10日間と約15日間との間、約15日間と約100日間との間、約15日間と約95日間との間、約15日間と約90日間との間、約15日間と約85日間との間、約15日間と約80日間との間、約15日間と約75日間との間、約15日間と約70日間との間、約15日間と約65日間との間、約15日間と約60日間との間、約15日間と約55日間との間、約15日間と約50日間との間、約15日間と約45日間との間、約15日間と約40日間との間、約15日間と約35日間との間、約15日間と約30日間との間、約15日間と約25日間との間、約15日間と約20日間との間、約30日間と約100日間との間、約30日間と約90日間との間、約30日間と約80日間との間、約30日間と約70日間との間、約30日間と約60日間との間、約30日間と約50日間との間、約30日間と約40日間との間、約40日間と約100日間との間、約40日間と約90日間との間、約40日間と約80日間との間、約40日間と約70日間との間、約40日間と約60日間との間、約40日間と約50日間との間、約50日間と約100日間との間、約50日間と約90日間との間、約50日間と約80日間との間、約50日間と約70日間との間、約50日間と約60日間との間、約60日間と約100日間との間、約60日間と約90日間との間、約60日間と約80日間との間、約60日間と約70日間との間、約70日間と約100日間との間、約70日間と約90日間との間、約70日間と約80日間との間、約80日間と約100日間との間、約80日間と約90日間との間、または約90日間と約100日間との間、あるいは7日間、21日間、28日間、30日間、31日間、45日間、60日間、または90日間)である。
【0080】
哺乳類細胞
本明細書で提供される方法で培養した(例えば、灌流培養した)哺乳類細胞は、浮遊状態で増殖する細胞または付着細胞であり得る。本明細書に記載の方法のいずれかで培養できる哺乳類細胞の非限定的な例としては以下が挙げられる:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、CHO DG44細胞またはCHO-K1s細胞)、Sp2.0、骨髄腫細胞(例えば、NS/0)、B細胞、ハイブリドーマ細胞、T細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞(例えば、HEK 293EおよびHEK 293F)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(ベロ)細胞、NSO細胞、仔ハムスター腎臓(BHK)細胞、PerC6細胞、ベロ細胞、HT-1080細胞、ならびにメイディン・ダービー・イヌ(コッカースパニエル)腎臓上皮細胞(MDCK)細胞。付着細胞が培養されるいくつかの例では、培養はまた、複数のマイクロキャリア(例えば、1つまたはそれ以上の細孔を含むマイクロキャリア)も含み得る。本明細書に記載の方法のいずれかで培養できる追加の哺乳類細胞は、当技術分野で知られている。
【0081】
哺乳類細胞は、組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載の例示的な組換えタンパク質のいずれか)をコードする組換え核酸(例えば、哺乳類細胞のゲノムに安定に組み込まれた核酸)を含み得る。例示的な組換えタンパク質をコードする組換え核酸の非限定的な例は、本明細書に記載の方法を使用して産生できる組換えタンパク質と同様に、以下に記載される。いくつかの例では、バイオリアクター(例えば、本明細書に記載のバイオリアクターのいずれか)内で培養する哺乳類細胞は、より大規模な培養に由来する。
【0082】
組換えタンパク質をコードする核酸は、分子生物学および分子遺伝学で知られている多様な方法を使用して哺乳類細胞に導入できる。非限定的な例としては、トランスフェクション(例えば、リポフェクション)、形質導入(例えば、レンチウイルス、アデノウイルス、またはレトロウイルス感染)、およびエレクトロポレーションが挙げられる。いくつかの例では、組換えタンパク質をコードする核酸は、哺乳類細胞の染色体に安定に組み込まれない(一過性トランスフェクション)が、他の例では、核酸は組み込まれる。あるいはまたは更に、組換えタンパク質をコードする核酸は、プラスミド中に、および/または哺乳類人工染色体(例えば、ヒト人工染色体)中に存在してもよい。あるいはまたは更に、核酸は、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、またはアデノウイルスベクター)を使用して細胞に導入できる。核酸は、プロモーター配列(例えば、強力なプロモーター、例えば、β-アクチンプロモーターおよびCMVプロモーター、または誘導性プロモーター)に作動可能に連結される。核酸を含むベクターはまた、所望により、選択可能なマーカー(例えば、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、またはネオマイシン耐性を哺乳類細胞に与える遺伝子)も含み得る。
【0083】
いくつかの例では、組換えタンパク質は、分泌されるタンパク質であり、哺乳類細胞によって、細胞外培地(例えば、灌流培養における第1および/または第2の液体培地、あるいは流加培養における第1の液体培地および/または供給液体培地)中に放出される。例えば、可溶性組換えタンパク質をコードする核酸配列は、哺乳類細胞中に存在する酵素によって切断され、続いて細胞外培地(例えば、第1および/または第2の液体培地)中に放出される、組換えタンパク質のNまたはC末端にある分泌シグナルペプチドをコードする配列を含み得る。
【0084】
容器(10L~10,000L流加バッチ、50L~500L~2,000L、50L、500L、1,000L、2,000L)
任意の本明細書に記載の方法における培養工程は、容器、例えば、バイオリアクター(例えば、灌流バイオリアクター)を使用して行うことができる。バイオリアクター(例えば、灌流バイオリアクター)は、約10Lと約10,000Lとの間(例えば、約10Lと約8,000Lとの間、約10Lと約7,000Lとの間、約10Lと約6,000Lとの間、約10Lと約5,000Lとの間、約10Lと約4,000Lとの間、約10Lと約3,000Lとの間、約10Lと約2,500Lとの間、約10Lと約2,000Lとの間、約10Lと約1,500Lとの間、約10Lと約1,000Lとの間、約10Lと約500Lとの間、約10Lと約200Lとの間、約10Lと約100Lとの間、約20Lと約10,000Lとの間、約20Lと約8,000Lとの間、約20Lと約7,000Lとの間、約20Lと約6,000Lとの間、約20Lと約5,000Lとの間、約20Lと約4,000Lとの間、約20Lと約3,000Lとの間、約20Lと約2,500Lとの間、約20Lと約2,000Lとの間、約20Lと約1,500Lとの間、約20Lと約1,000Lとの間、約20Lと約500Lとの間、約20Lと約200Lとの間、約20Lと約100Lとの間、約100Lと約10,000Lとの間、約100Lと約8,000Lとの間、約100Lと約7,000Lとの間、約100Lと約6,000Lとの間、約100Lと約5,000Lとの間、約100Lと約4,000Lとの間、約100Lと約3,000Lとの間、約100Lと約2,000Lとの間、約100Lと約1,500Lとの間、約100Lと約1,000Lとの間、約100Lと約800Lとの間、約100Lと約700Lとの間、約100Lと約600Lとの間、約100Lと約500Lとの間、約100Lと約400Lとの間、約100Lと約300Lとの間、約100Lと約200Lとの間、約500Lと約10,000Lとの間、約500Lと約8,000Lとの間、約500Lと約7,000Lとの間、約500Lと約6,000Lとの間、約500Lと約5,000Lとの間、約500Lと約4,000Lとの間、約500Lと約3,000Lとの間、約500Lと約2,000Lとの間、約500Lと約1,500Lとの間、約500Lと約1,000Lとの間、約500Lと約750Lとの間、約1,000Lと約10,000Lとの間、約1,000Lと約8,000Lとの間、約1,000Lと約7,000Lとの間、約1,000Lと約6,000Lとの間、約1,000Lと約5,000Lとの間、約1,000Lと約4,000Lとの間、約1,000Lと約3,000Lとの間、約1,000Lと約2,000Lとの間、約1,000Lと約1,500Lとの間、約2,000Lと約10,000Lとの間、約2,000Lと約8,000Lとの間、約2,000Lと約7,000Lとの間、約2,000Lと約6,000Lとの間、約2,000Lと約5,000Lとの間、約2,000Lと約4,000Lとの間、約2,000Lと約3,000Lとの間、約3,000Lと約10,000Lとの間、約3,000Lと約8,000Lとの間、約3,000Lと約7,000Lとの間、約3,000Lと約6,000Lとの間、約3,000Lと約5,000Lとの間、約3,000Lと約4,000Lとの間、約4,000Lと約10,000Lとの間、約4,000Lと約8,000Lとの間、約4,000Lと約7,000Lとの間、約4,000Lと約6,000Lとの間、約4,000Lと約5,000Lとの間、約5,000Lと約10,000Lとの間、約5,000Lと約8,000Lとの間、約5,000Lと約7,000Lとの間、約5,000Lと約6,000Lとの間、約6,000Lと約10,000Lとの間、約6,000Lと約8,000Lとの間、約6,000Lと約7,000Lとの間、約7,000Lと約10,000Lとの間、約7,000Lと約8,000Lとの間、または約8,000Lと約10,000Lとの間、あるいは約10L、約20L、約50L、約100L、約500L、約1,000L、または約2,000L)の内部体積(容量)を有し得る。
【0085】
培養システム
本明細書に記載の方法のいくつかは、容器、および容器(例えば、本明細書に記載の培地のいずれか)内に配置された第1の液体培地を含むシステム(例えば、灌流培養システム)を使用する。容器は、約10Lから約25,000Lの間(または、例えば、本明細書に記載のこの範囲のいずれかの部分範囲)の内部体積(容量)を有し得る。容器は、金属(例えば、ステンレス鋼)、プラスチック、もしくはガラス、またはその任意の組み合わせから作製できる。
【0086】
システムは、容器内に配置された液体培地を撹拌するための器具(例えば、羽根車および羽根車を回転させるモーター)を含み得る。容器は、容器内に配置された液体培地への物質(例えば、液体培地、ポロキサマー-188、(随時、pHを調整するために)塩基または酸)の添加、および/または液体培地(例えば、清澄化液体培地または細胞培養の試料)の除去を可能とする、1つまたはそれ以上のポート(および場合によりポンプ)を含み得る。
【0087】
培養システムはまた、液体培地におけるpH、dO、温度、およびpCOを培養期間の間モニタリングするための1つまたはそれ以上のセンサーも含むことができる。いくつかの実施形態では、培養システムは、静電容量センサー、導電率センサー、および/またはラマンセンサーをはじめとする1つまたはそれ以上のセンサーを含み得る。いくつかの実施形態では、バイオリアクターは、静電容量センサー、導電率センサー、および/またはラマンセンサーをはじめとする1つまたはそれ以上のセンサーを含み得る。いくつかの実施形態では、フィルター透過は、静電容量センサー、導電率センサー、および/またはラマンセンサーをはじめとする1つまたはそれ以上のセンサーを含み得る。培養システムは、一定量の細胞培養物を処理して、細胞を実質的に含まない清澄化液体培地を提供するろ過器具(例えば、交互接線ろ過または接線流ろ過を行う器具)を含み得る。培養システムは、容器内に配置された液体培地の温度の調整を可能とする加熱/冷却器具を含み得る。細胞培養システムの追加の構成は、当技術分野でよく知られている。
【0088】
灌流培養
いくつかの例では、灌流培養は、ある期間の間、容器(例えば、バイオリアクター)からの第1の液体培地の第1の体積を除去し、バイオリアクターへの第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1の体積および第2の体積がほぼ等しいことを含む。
【0089】
他の例では、灌流培養は、容器(例えば、バイオリアクター)からの第1の液体培地の第1の体積の除去、ならびに容器への第2の液体培地の第2の体積および第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とがほぼ等しいことを含む。
【0090】
哺乳類細胞は、何らかの細胞保持器具によって、または沈降コーンでの細胞沈降などの手法によって、バイオリアクター内に保持する。
【0091】
灌流培養における培地の除去および添加は、同時にまたは逐次、あるいはその2つのある組み合わせで行うことができる。更に、除去および添加は、連続的に、例えば、0.1%から400%の間、約25%から400%の間、約25%から約300%の間、約25%から約200%の間、約25%から約100%の間、約25%から約50%の間、約50%から約400%の間、約50%から約100%の間、約50%から約200%の間、約50%から約300%の間、約50%から約400%の間、約100%から約400%の間、約100%から約300%の間、約100%から約200%の間の体積、あるいはバイオリアクターの体積の約25%、約50%、約75%、約100%、約150%、約200%、約250%、約300%、約350%または約400%を除去および置換する割合で行うことができる。
【0092】
除去する第1の液体培地の第1の体積、ならびに添加する第2の液体培地の第2の体積(および場合により、添加する第3の液体培地)は、いくつかの例では、それぞれ24時間の期間にわたって、ほぼ同じに保持される。当技術分野で知られているように、第1の液体培地の第1の体積を除去する割合(体積/単位時間)、ならびに第2の液体培地の第2の体積を添加する割合(体積/単位時間)(および場合により、第3の液体培地の第3の体積を添加する割合(体積/単位時間))は、変化させることができ、特定の細胞培養システムの条件に依存する。
【0093】
第1の液体培地の第1の体積を除去する割合(体積/単位時間)、ならびに第2の液体培地の第2の体積を添加する割合(体積/単位時間)(および場合により、第3の液体培地の第3の体積を添加する割合(体積/単位時間))は、ほぼ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0094】
あるいは、除去および添加する体積は、それぞれ24時間の期間にわたって徐々に増加させることによって変化させ得る。例えば、それぞれ24時間の期間内に除去する第1の液体培地の体積、ならびに添加する第2の液体培地の体積(および場合により、添加する第3の液体培地の体積)は、培養期間にわたって増加し得る。体積は、バイオリアクター体積の0.5%から約20%の間である体積から、培養期間にわたって増加できる。体積は、バイオリアクター容量または培養期間開始時の細胞培養体積の約25%から約150%まで、培養期間にわたって増加できる。
【0095】
本明細書に記載の方法のいくつかの例では、培養期間の最初の48から96時間後に、それぞれ24時間の期間(培養期間内)において、除去する第1の液体培地の第1の体積、ならびに添加する第2の液体培地の第2の体積(および場合により、添加する第3の液体培地の第3の体積も)は、培養期間開始時の細胞培養体積の約10%から約95%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約50%から約60%、約60%から約70%、約70%から約80%、約80%から約90%、約85%から約95%、約60%から約80%、または約70%である。
【0096】
当業者は、第1の液体培地と第2の液体培地とが、同じ種類の培地であってもよいことを理解するであろう。他の例では、第1の液体培地と第2の液体培地とが、違う種類の液体培地または違う濃度の液体培地であってもよい。第2の液体培地は、1つまたはそれ以上の培地成分に関して、第1の液体培地および第3の液体培地と比較してより濃縮されていてもよい。
【0097】
第1の液体培地の第1の体積は、任意の自動化システムを使用することによって除去できる。例えば、交互接線流ろ過を使用できる。あるいは、第1の液体培地の第1の体積は、哺乳類細胞を排除する分子量カットオフを有する滅菌膜を通した第1の液体培地の第1の体積の滲出または重力による流れによって除去できる。あるいは、第1の液体培地の第1の体積は、少なくとも1分間、少なくとも2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、40分間、50分間、または1時間の期間の撹拌を停止しまたは速度を顕著に低下させ、バイオリアクターの上部から第1の液体培地の第1の体積を除去または吸引することによって除去できる。
【0098】
第2の液体培地の第2の体積(および場合により、第3の液体培地の第3の体積)は、ポンプによって第1の液体培地に添加できる。第2の液体培地(および場合により、第3の液体培地)は、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積(および場合により、第3の液体培地の第3の体積)を、第1の液体培地に直接ピペッティングもしくは注入することで、または自動化された様式で添加できる。
【0099】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態は、約32℃から約39℃の間の温度で容器を撹拌しながら少なくとも約7日間の期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む。
【0100】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態は、約32℃から約39℃の間の温度で容器を撹拌しながら少なくとも約7日間の期間インキュベートすることと;その期間の間、連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積の除去、ならびに第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積および第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む。
【0101】
灌流培養のいくつかの例は、約32℃から約39℃の間の温度で第1の液体培地を含む培養システムを撹拌しながら少なくとも約7日間の培養期間インキュベートすることと;連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積を除去し、第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積を添加することであって、第1および第2の体積はほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む。
【0102】
灌流培養のいくつかの例は、約32℃から約39℃の間の温度で第1の液体培地を含む培養システムを撹拌しながら少なくとも約7日間の培養期間インキュベートすることと;連続的または定期的に、第1の液体培地の第1の体積の除去、ならびに第1の液体培地に第2の液体培地の第2の体積および第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kgにその期間にわたって維持されることとを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1の液体培地は、約260mOsm/kgから約400mOsm/kg(例えば、約260mOsm/kgから約380mOsm/kg、約260mOsm/kgから約360mOsm/kg、約260mOsm/kgから約350mOsm/kg、約260mOsm/kgから約340mOsm/kg、約260mOsm/kgから約320mOsm/kg、約260mOsm/kgから約300mOsm/kg、約280mOsm/kgから約400mOsm/kg、約270mOsm/kgから約400mOsm/kg、約270mOsm/kgから約380mOsm/kg、約270mOsm/kgから約360mOsm/kg、約270mOsm/kgから約350mOsm/kg、約270mOsm/kgから約340mOsm/kg、約270mOsm/kgから約320mOsm/kg、約270mOsm/kgから約300mOsm/kg、約280mOsm/kgから約380mOsm/kg、約280mOsm/kgから約360mOsm/kg、約280mOsm/kgから約350mOsm/kg、約280mOsm/kgから約340mOsm/kg、約280mOsm/kgから約320mOsm/kg、約280mOsm/kgから約300mOsm/kg、約290mOsm/kgから約400mOsm/kg、約290mOsm/kgから約380mOsm/kg、約290mOsm/kgから約360mOsm/kg、約290mOsm/kgから約350mOsm/kg、約290mOsm/kgから約340mOsm/kg、約290mOsm/kgから約320mOsm/kg、約290mOsm/kgから約300mOsm/kg、約300mOsm/kgから約400mOsm/kg、約300mOsm/kgから約380mOsm/kg、約300mOsm/kgから約360mOsm/kg、約300mOsm/kgから約350mOsm/kg、約300mOsm/kgから約340mOsm/kg、約300mOsm/kgから約320mOsm/kg、約310mOsm/kgから約400mOsm/kg、約310mOsm/kgから約380mOsm/kg、約310mOsm/kgから約360mOsm/kg、約310mOsm/kgから約350mOsm/kg、約310mOsm/kgから約340mOsm/kg、約310mOsm/kgから約320mOsm/kg、約320mOsm/kgから約400mOsm/kg、約320mOsm/kgから約380mOsm/kg、約320mOsm/kgから約360mOsm/kg、約320mOsm/kgから約350mOsm/kg、約320mOsm/kgから約340mOsm/kg、約330mOsm/kgから約400mOsm/kg、約330mOsm/kgから約380mOsm/kg、約330mOsm/kgから約360mOsm/kg、約330mOsm/kgから約350mOsm/kg、約330mOsm/kgから約340mOsm/kg、約340mOsm/kgから約400mOsm/kg、約340mOsm/kgから約380mOsm/kg、約340mOsm/kgから約360mOsm/kg、約340mOsm/kgから約350mOsm/kg、約350mOsm/kgから約400mOsm/kg、約350mOsm/kgから約380mOsm/kg、約350mOsm/kgから約360mOsm/kg、約360mOsm/kgから約400mOsm/kg、約360mOsm/kgから約380mOsm/kg、約370mOsm/kgから約400mOsm/kg、約370mOsm/kgから約380mOsm/kg、約380mOsm/kgから約400mOsm/kg、約380mOsm/kgから約390mOsm/kg、または約390mOsm/kgから約400mOsm/kg)の浸透圧を有し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、第1の液体培地は、約260mOsm/kg、約270mOsm/kg、約280mOsm/kg、約290mOsm/kg、約300mOsm/kg、約310mOsm/kg、約320mOsm/kg、約330mOsm/kg、約340mOsm/kg、約350mOsm/kg、約360mOsm/kg、約380mOsm/kg、約390mOsm/kg、または約400mOsm/kgの浸透圧を有し得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約260mOsm/kgから約2,500mOsm/kg(例えば、約260mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約260mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約260mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約260mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約260mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約260mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約260mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約260mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約260mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約260mOsm/kgから約800mOsm/kg、約260mOsm/kgから約700mOsm/kg、約260mOsm/kgから約600mOsm/kg、約260mOsm/kgから約500mOsm/kg、約260mOsm/kgから約400mOsm/kg、約260mOsm/kgから約300mOsm/kg、約300mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約300mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約300mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約300mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約800mOsm/kg、約300mOsm/kgから約700mOsm/kg、約300mOsm/kgから約600mOsm/kg、約300mOsm/kgから約500mOsm/kg、約300mOsm/kgから約400mOsm/kg、約400mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約400mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約400mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約400mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約800mOsm/kg、約400mOsm/kgから約700mOsm/kg、約400mOsm/kgから約600mOsm/kg、約500mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約500mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約500mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約500mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約800mOsm/kg、約500mOsm/kgから約700mOsm/kg、約500mOsm/kgから約600mOsm/kg、約600mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約600mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約600mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約600mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約800mOsm/kg、約600mOsm/kgから約700mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2400mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2200mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約1,200mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約1,200mOsm/kgから約1,400mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約1,400mOsm/kgから約1,500mOsm/kg、約1,500mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約1,500mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約1,500mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約1,500mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約1,500mOsm/kgから約1,800mOsm/kg、約1,500mOsm/kgから約1,600mOsm/kg、約1,600mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約1,600mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約1,600mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約1,600mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約1,800mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約1,800mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約1,800mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約1,800mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約2,200mOsm/kg、約2,200mOsm/kgから約2,500mOsm/kg、約2,200mOsm/kgから約2,400mOsm/kg、または約2,400mOsm/kgから約2,500mOsm/kg)の浸透圧を有し得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約260mOsm/kg、約280mOsm/kg、約300mOsm/kg、約320mOsm/kg、約340mOsm/kg、約350mOsm/kg、約360mOsm/kg、約380mOsm/kg、約400mOsm/kg、約420mOsm/kg、約440mOsm/kg、約450mOsm/kg、約460mOsm/kg、約480mOsm/kg、約500mOsm/kg、約520mOsm/kg、約540mOsm/kg、約550mOsm/kg、約560mOsm/kg、約580mOsm/kg、約600mOsm/kg、約620mOsm/kg、約640mOsm/kg、約650mOsm/kg、約660mOsm/kg、約680mOsm/kg、約700mOsm/kg、約72mOsm/kg、約740mOsm/kg、約750mOsm/kg、約760mOsm/kg、約780mOsm/kg、約800mOsm/kg、約820mOsm/kg、約840mOsm/kg、約850mOsm/kg、約860mOsm/kg、約880mOsm/kg、約900mOsm/kg、約920mOsm/kg、約940mOsm/kg、約950mOsm/kg、約960mOsm/kg、約980mOsm/kg、約1000mOsm/kg、約1,100mOsm/kg、約1,200mOsm/kg、約1,300mOsm/kg、約1,400mOsm/kg、約1,500mOsm/kg、約1,600mOsm/kg、約1,700mOsm/kg、約1,800mOsm/kg、約1,900mOsm/kg、約2,000mOsm/kg、約2,100mOsm/kg、約2,200mOsm/kg、約2,300mOsm/kg、約2,400mOsm/kg、または約2,500mOsm/kgの浸透圧を有する。
【0107】
液体培地の浸透圧を決めるための方法は、当技術分野でよく知られている。浸透圧は、オフライン試料採取を使用して凝固点降下により測定する。市販の浸透圧計、例えば、OsmoTECH(登録商標)pro multi-sample micro-osmometerもまた当技術分野でよく知られている。浸透圧の連続モニタリングは、ラマン分光法によって行うことができる。例えば、Morettoら、Am Pharma Rev.、14(3)、2011、およびWhelanら、Biotechnol.Prog.、28(5):1355~1362、2012年9月~10月を参照されたい。
【0108】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態は、その期間の間、容器内の第1および第2の液体培地に水溶液の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1および第2の液体培地、ならびに水溶液の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kg(または、例えば、本明細書に記載のこの範囲のいずれかの部分範囲)にその期間にわたって維持されることを更に含む。例えば、水溶液は、塩溶液、例えば、塩化ナトリウム溶液および塩化カリウム溶液であり得る。いくつかの実施形態では、第1の液体培地は、本明細書に記載の第1の液体培地のいずれかであり得、第2の液体培地は、本明細書に記載の第2の液体培地のいずれかであり得る。
【0109】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態は、連続的または定期的に、第1の液体培地に第3の液体培地の第3の体積を添加することであって、第1の体積と、第2および第3の体積の合計とはほぼ等しく、容器内の第1、第2、および第3の液体培地の浸透圧は約270mOsm/kgから約380mOsm/kg(または、例えば、この範囲のいずれかの部分範囲)にその期間にわたって維持されることを更に含む。これらの方法のいくつかの実施形態では、第1の液体培地は、本明細書に記載の例示的な第1の液体培地のいずれかであり得、第2の液体培地は、本明細書に記載の例示的な第2の液体培地のいずれかであり得る。これらの方法のいくつかの実施形態では、容器内の第1、第2、および第3の液体培地における浸透圧を維持することは、第2の液体培地の流量をその期間の間調整することを含む。いくつかの実施形態では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で増加させることを含む。いくつかの例では、調整する工程は、第2の液体培地の流量をその期間の間のある時点で減少させることを含む。
【0110】
いくつかの例では、第3の液体培地は、約0mOsm/kgから約12,000mOsm/kg(例えば、約0mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約0mOsm/kgから約800mOsm/kg、約0mOsm/kgから約600mOsm/kg、約0mOsm/kgから約500mOsm/kg、約0mOsm/kgから約400mOsm/kg、約0mOsm/kgから約350mOsm/kg、約0mOsm/kgから約300mOsm/kg、約0mOsm/kgから約250mOsm/kg、約0mOsm/kgから約200mOsm/kg、約0mOsm/kgから約150mOsm/kg、約0mOsm/kgから約100mOsm/kg、約0mOsm/kgから約80mOsm/kg、約0mOsm/kgから約60mOsm/kg、約0mOsm/kgから約40mOsm/kg、約0mOsm/kgから約20mOsm/kg、約0mOsm/kgから約10mOsm/kg、約0mOsm/kgから約5mOsm/kg、約0mOsm/kgから約1mOsm/kg、約1mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約1mOsm/kgから約800mOsm/kg、約1mOsm/kgから約600mOsm/kg、約1mOsm/kgから約500mOsm/kg、約1mOsm/kgから約400mOsm/kg、約1mOsm/kgから約350mOsm/kg、約1mOsm/kgから約300mOsm/kg、約1mOsm/kgから約250mOsm/kg、約1mOsm/kgから約200mOsm/kg、約1mOsm/kgから約150mOsm/kg、約1mOsm/kgから約100mOsm/kg、約1mOsm/kgから約80mOsm/kg、約1mOsm/kgから約60mOsm/kg、約1mOsm/kgから約40mOsm/kg、約1mOsm/kgから約20mOsm/kg、約1mOsm/kgから約10mOsm/kg、約1mOsm/kgから約5mOsm/kg、約5mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約5mOsm/kgから約800mOsm/kg、約5mOsm/kgから約600mOsm/kg、約5mOsm/kgから約500mOsm/kg、約5mOsm/kgから約400mOsm/kg、約5mOsm/kgから約350mOsm/kg、約5mOsm/kgから約300mOsm/kg、約5mOsm/kgから約250mOsm/kg、約5mOsm/kgから約200mOsm/kg、約5mOsm/kgから約150mOsm/kg、約5mOsm/kgから約100mOsm/kg、約5mOsm/kgから約80mOsm/kg、約5mOsm/kgから約60mOsm/kg、
約5mOsm/kgから約40mOsm/kg、約5mOsm/kgから約20mOsm/kg、約5mOsm/kgから約10mOsm/kg、約10mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約10mOsm/kgから約800mOsm/kg、約10mOsm/kgから約600mOsm/kg、約10mOsm/kgから約500mOsm/kg、約10mOsm/kgから約400mOsm/kg、約10mOsm/kgから約350mOsm/kg、約10mOsm/kgから約300mOsm/kg、約10mOsm/kgから約250mOsm/kg、約10mOsm/kgから約200mOsm/kg、約10mOsm/kgから約150mOsm/kg、約10mOsm/kgから約100mOsm/kg、約10mOsm/kgから約80mOsm/kg、約10mOsm/kgから約60mOsm/kg、約10mOsm/kgから約40mOsm/kg、約10mOsm/kgから約20mOsm/kg、約20mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約20mOsm/kgから約800mOsm/kg、約20mOsm/kgから約600mOsm/kg、約20mOsm/kgから約500mOsm/kg、約20mOsm/kgから約400mOsm/kg、約20mOsm/kgから約350mOsm/kg、約20mOsm/kgから約300mOsm/kg、約20mOsm/kgから約250mOsm/kg、約20mOsm/kgから約200mOsm/kg、約20mOsm/kgから約150mOsm/kg、約20mOsm/kgから約100mOsm/kg、約20mOsm/kgから約80mOsm/kg、約20mOsm/kgから約60mOsm/kg、約20mOsm/kgから約40mOsm/kg、約40mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約40mOsm/kgから約800mOsm/kg、約40mOsm/kgから約600mOsm/kg、約40mOsm/kgから約500mOsm/kg、約40mOsm/kgから約400mOsm/kg、約40mOsm/kgから約350mOsm/kg、約40mOsm/kgから約300mOsm/kg、約40mOsm/kgから約250mOsm/kg、約40mOsm/kgから約200mOsm/kg、約40mOsm/kgから約150mOsm/kg、約40mOsm/kgから約100mOsm/kg、約40mOsm/kgから約80mOsm/kg、約40mOsm/kgから約60mOsm/kg、約60mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約60mOsm/kgから約800mOsm/kg、約60mOsm/kgから約600mOsm/kg、約60mOsm/kgから約500mOsm/kg、約60mOsm/kgから約400mOsm/kg、約60mOsm/kgから約350mOsm/kg、約60mOsm/kgから約300mOsm/kg、約60mOsm/kgから約250mOsm/kg、約60mOsm/kgから約200mOsm/kg、約60mOsm/kgから約150mOsm/kg、約60mOsm/kgから約100mOsm/kg、約60mOsm/kgから約80mOsm/kg、約80mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、
約80mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約80mOsm/kgから約800mOsm/kg、約80mOsm/kgから約600mOsm/kg、約80mOsm/kgから約500mOsm/kg、約80mOsm/kgから約400mOsm/kg、約80mOsm/kgから約350mOsm/kg、約80mOsm/kgから約300mOsm/kg、約80mOsm/kgから約250mOsm/kg、約80mOsm/kgから約200mOsm/kg、約80mOsm/kgから約150mOsm/kg、約80mOsm/kgから約100mOsm/kg、約100mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約100mOsm/kgから約800mOsm/kg、約100mOsm/kgから約600mOsm/kg、約100mOsm/kgから約500mOsm/kg、約100mOsm/kgから約400mOsm/kg、約100mOsm/kgから約350mOsm/kg、約100mOsm/kgから約300mOsm/kg、約100mOsm/kgから約250mOsm/kg、約100mOsm/kgから約200mOsm/kg、約100mOsm/kgから約150mOsm/kg、約150mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約150mOsm/kgから約800mOsm/kg、約150mOsm/kgから約600mOsm/kg、約150mOsm/kgから約500mOsm/kg、約150mOsm/kgから約400mOsm/kg、約150mOsm/kgから約350mOsm/kg、約150mOsm/kgから約300mOsm/kg、約150mOsm/kgから約250mOsm/kg、約150mOsm/kgから約200mOsm/kg、約200mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約200mOsm/kgから約800mOsm/kg、約200mOsm/kgから約600mOsm/kg、約200mOsm/kgから約500mOsm/kg、約200mOsm/kgから約400mOsm/kg、約200mOsm/kgから約350mOsm/kg、約200mOsm/kgから約300mOsm/kg、約200mOsm/kgから約250mOsm/kg、約250mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約250mOsm/kgから約800mOsm/kg、約250mOsm/kgから約600mOsm/kg、約250mOsm/kgから約500mOsm/kg、約250mOsm/kgから約400mOsm/kg、約250mOsm/kgから約350mOsm/kg、約250mOsm/kgから約300mOsm/kg、約300mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約300mOsm/kgから約800mOsm/kg、約300mOsm/kgから約600mOsm/kg、約300mOsm/kgから約500mOsm/kg、約300mOsm/kgから約400mOsm/kg、約300mOsm/kgから約350mOsm/kg、約350mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約350mOsm/kgから約800mOsm/kg、約350mOsm/kgから約600mOsm/kg、約350mOsm/kgから約500mOsm/kg、約350mOsm/kgから約400mOsm/kg、約400mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約400mOsm/kgから約800mOsm/kg、約400mOsm/kgから約600mOsm/kg、約400mOsm/kgから約500mOsm/kg、約500mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、
約500mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約500mOsm/kgから約800mOsm/kg、約500mOsm/kgから約600mOsm/kg、約600mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約600mOsm/kgから約800mOsm/kg、約800mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約800mOsm/kgから約1,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約1,000mOsm/kgから約2,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約2,000mOsm/kgから約3,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約3,000mOsm/kgから約4,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約6,000mOsm/kg、約4,000mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約5,000mOsm/kgから約5,000mOsm/kg、約6,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約6,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約6,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約6,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約6,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約6,000mOsm/kgから約7,000mOsm/kg、約7,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約7,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約7,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約7,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約7,000mOsm/kgから約8,000mOsm/kg、約8,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約8,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約8,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約8,000mOsm/kgから約9,000mOsm/kg、約9,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、約9,000mOsm/kgから約11,000mOsm/kg、約9,000mOsm/kgから約10,000mOsm/kg、約10,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg、または約11,000mOsm/kgから約12,000mOsm/kg)の浸透圧を有し得る。いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウム(KCl)を含む。
【0111】
いくつかの実施形態は、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpHおよびpCOの一方または両方を、その期間の間のある時点で調整することを更に含む。いくつかの例では、方法は、その期間にわたって、容器内の第1、第2、および第3の液体培地のpCOを増加させ、pHを増加させることを含む。いくつかの例では、第1、第2、および第3の液体培地のpCOおよびpHは、容器においてその期間にわたって測定する。
【0112】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および/または第2の液体培地の浸透圧は、以下の1つまたはそれ以上によって制御する:第1および/または第2の液体培地と、水溶液(例えば、水)との比、第1および/または第2の液体培地と、濃度オスモライト(例えば、塩化ナトリウム)との比、容器(例えば、本明細書に記載の容器(例えば、バイオリアクター)のいずれか)における生細胞密度、第1および/または第2の液体培地のpH、容器(例えば、本明細書に記載の容器(例えば、バイオリアクター)のいずれか)における溶存CO(dCO)のレベル、容器(例えば、本明細書に記載の容器(例えば、バイオリアクター)のいずれか)への炭素(例えば、グルコース)投与量。
【0113】
Pluronic(登録商標)F-68(ポロキサマー-188)
ポロキサマー-188は、当技術分野で知られている分子である。ポロキサマー-188は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの非イオン性合成ブロックコポリマーである。ポロキサマー-188は、7680から約9510の間の平均分子量を有し、その組成の約81.8重量%(1.9重量%)がオキシエチレンに相当する。例えば、ポロキサマー-188は、以下の式I(式中、aは80であり、bは27である)に示す構造を有する。ポロキサマー-188は、CAS番号9003-11-6を有する。
【0114】
【化1】
【0115】
ポロキサマー-188は、例えば、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)、Mediatech,Inc.(Manassas、VA)、MAST Therapeutics,Inc.(San Diego、CA)、EMD Millipore(Billerica、MA)、BASF(Ludwigshafen、Germany)、Pluronic(登録商標)F-68 Life Technologies(Carlsbad、CA)、およびPhytoTechnology Laboratories、LLC(Shawnee Mission、KS)を含む多くの異なる販売会社から市販されている。
【0116】
いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、約8g/L超の濃度(例えば、約9.0g/Lの濃度もしくは9.0g/L超の濃度、約10.0g/Lの濃度もしくは10.0g/L超の濃度、約12.0g/Lの濃度もしくは12.0g/L超の濃度、約14.0g/Lの濃度もしくは14.0g/L超の濃度、または約16.0g/Lの濃度もしくは16.0g/L超の濃度)を含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、第2の液体培地は、ポロキサマー-188を、約8g/Lと約16g/Lとの間(例えば、約8.0g/Lと約14.0g/Lとの間、約8.0g/Lと約12.0g/Lとの間、約8.0g/Lと約10.0g/Lとの間、約10.0g/Lと約16.0g/Lとの間、約10.0g/Lと約12.0g/Lとの間、約12.0g/Lと約16.0g/Lとの間、約12.0g/Lと約14.0g/Lとの間、約14.0g/Lと約16.0g/Lとの間、または約15.0g/Lと約16.0g/Lとの間)の濃度で含むことができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、第3の液体培地は、ポロキサマー-188を、約0g/Lと約8g/Lとの間(例えば、約0g/Lと約6g/Lとの間、約0g/Lから約4g/L、約0g/Lから約2g/L、約0g/Lから約1g/L、約0.5g/Lと約8g/Lとの間、約0.5g/Lと約6.0g/Lとの間、約0.5g/Lと約4.0g/Lとの間、約0.5g/Lと約2.0g/Lとの間、約1.0g/Lと約8g/Lとの間、約1.0g/Lと約6.0g/Lとの間、約1.0g/Lと約4.0g/Lとの間、約2.0g/Lと約8g/Lとの間、約2.0g/Lと約6.0g/Lとの間、約2.0g/Lと約4.0g/Lとの間、約5.0g/Lと約8g/Lとの間、約5.0g/Lと約6.0g/Lとの間、約6.0g/Lと約8g/Lとの間、または約7.0g/Lと約8g/Lとの間)の濃度で含むことができる。
【0119】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態は、培養におけるポロキサマー-188濃度を経時的に増加させることを含む。いくつかの実施形態では、培地は、以下の群から選択される1つまたはそれ以上の要因に基づいて選択されるポロキサマー-188濃度を含む:培地における気体流量および生細胞密度。これらの方法では、選択された培地中のポロキサマー-188濃度は、培養工程の前に培地にポロキサマー-188を添加すること、および/または培養工程の間に培地にポロキサマー-188を添加することによって達成できる。選択されたポロキサマー-188濃度は、本明細書に記載のポロキサマー-188の例示的な濃度または範囲のいずれかであり得る。
【0120】
培地
液体培地は当技術分野で知られている。液体培地(例えば、第1、第2、および/または第3の液体培地)は、哺乳類血清(例えば、ウシ胎児血清およびウシ血清)、ならびに/または成長ホルモンもしくは増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、および上皮増殖因子)を添加できる。あるいはまたは更に、液体培地(例えば、第1、第2、および/または第3の液体培地)は、化学的に定義された液体培地、無動物由来成分液体培地、無血清液体培地、または血清含有液体培地であり得る。化学的に定義された液体培地、無動物由来成分液体培地、無血清液体培地、および血清含有液体培地の非限定的な例は、市販されている。
【0121】
液体培地は、通常、エネルギー源(例えば、グルコースなどの炭水化物)、必須アミノ酸(例えば、20種類のアミノ酸の基本セットおよびシステイン)、低濃度の必要とされるビタミンおよび/もしくは他の有機化合物、遊離脂肪酸、ならびに/または微量元素を含む。液体培地(例えば、第1、第2、および/または第3の液体培地)は、所望により、例えば、哺乳類のホルモンもしくは増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、もしくは上皮増殖因子)、塩および緩衝剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸塩)、ヌクレオシドおよび塩基(例えば、アデノシン、チミジン、およびヒポキサンチン)、タンパク質および組織加水分解物、ならびに/またはこれらの添加物の任意の組み合わせを添加できる。
【0122】
本明細書に記載の方法のいずれかで細胞(例えば、哺乳類細胞)を培養するのに使用できる多種多様な液体培地が当技術分野で知られている。本処理においても有用であり得る培地成分としては、CD(chemically-defined)加水分解物、例えば、CDペプトン、CDポリペプチド(2種類以上のアミノ酸)、およびCD増殖因子が挙げられるが、しかし、これらに限定されない。液体培地および培地成分の追加の例は、当技術分野で知られている。
【0123】
当業者は、本明細書に記載の第1の液体培地と第2の液体培地と第3の液体培地とが同じ種類の培地であっても異なる培地であってもよいことを理解するであろう。
【0124】
細胞培養から得られる液体培地は、ろ過または清澄化して、細胞および/またはウイルスを実質的に含まない液体培地を得ることができる。細胞を除去するために液体培地をろ過または清澄化するための方法は、当技術分野で知られている(例えば、0.2μmろ過、および交互接線流(ATFTM)システムを使用するろ過)。哺乳類細胞はまた、遠心分離を使用することと、細胞を実質的に含まない液体培地である上清を取ることとによって、あるいは細胞を、液体培地を含む容器またはバイオリアクターの重力上の底に沈降させることと、沈降した組換え細胞から離れた液体培地(細胞を実質的に含まない液体培地)を取ることとによって、液体培地から除去することもできる。
【0125】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、および/または第3の液体培地は、約6.0から約6.8(例えば、その中のいずれかの部分範囲)のpHを有する。
【0126】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2および/または第3の液体培地は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2および/または第3の液体培地は、以下の1つまたはそれ以上を更に含む:L-アルギニン、L-アスパラギン、L-グルタミン、L-ヒスチジン、ヒドロキシ-L-プロリン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-バリン、コリン、イノシトール、ビオチン、カルシウム、葉酸、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンB12、リポ酸、グルタチオン、リノール酸、ピルビン酸塩、HEPES、第一鉄、クエン酸、亜鉛、銅、亜セレン酸塩、エタノールアミン、プトレッシン、スペルミン、カリウム、リン酸塩、マグネシウム、アルミニウム、バナジン酸塩、モリブデン酸塩、マンガン、ニッケル、ケイ酸塩、およびスズ。
【0127】
pH(6~8、6.5~7.5)
本明細書に記載の方法は、約6.8から約7.1のpHで行う。
【0128】
第1、第2、および/または第3の液体培地は、約6.8から約7.1(例えば、約6.8から約7.0、約6.8から約6.9、約6.9から約7.1、約6.9から約7.0、または約7.0から約7.2)のpHを有し得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1、第2、および/または第3の液体培地は、約6.8、約6.9、約7.0、または約7.1のpHを有し得る。
【0130】
温度(30C~40C;37C)
哺乳類細胞をインキュベートする工程は、約32℃から約39℃(例えば、約32℃から約38℃、約32℃から約36℃、約32℃から約35℃、約32℃から約34℃、約34℃から約39℃、約34℃から約38℃、約34℃から約36℃、約35℃から約39℃、約35℃から約38℃、約35℃から約37℃、約36℃から約39℃、約36℃から約38℃、または約37℃から約39℃)の温度で行うことができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、哺乳類細胞をインキュベートする工程は、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、または約39℃の温度で行う。
【0132】
当業者は、温度を培養工程の間の特定の時点で、例えば、1時間毎にまたは1日毎に変更できることを理解するであろう。例えば、温度は、細胞(例えば、哺乳類細胞)をバイオリアクターに最初に播種してから約1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、8日後、9日後、10日後、11日後、12日後、14日後、15日後、16日後、17日後、18日後、19日後、または約20日以上後に変化またはシフト(例えば、増加または減少)することができる。例えば、温度は上方にシフトすることができる(例えば、最大または約セ氏0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5度、あるいは最大セ氏約10度の変化)。例えば、温度は下方にシフトすることができる(例えば、最大または約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19℃、あるいは最大または約20℃の変化)。
【0133】
CO(溶存CO2を20~200mmHg;80~140mmHgの範囲の分圧に制御する)
インキュベートする工程は、バイオリアクター内の液体培地を、多くともまたは約15%のCO(例えば、多くともまたは約14%のCO、12%のCO、10%のCO、8%のCO、6%のCO、5%のCO、4%のCO、3%のCO、2%のCO、あるいは多くともまたは約1%のCO)を含む雰囲気に曝露することを含むことができる。
【0134】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、その期間の間のある時点で、容器(例えば、本明細書に記載の容器のいずれか(例えば、バイオリアクター))内の第1および第2の液体培地のpCOを少なくとも10%(例えば、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも28%、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも38%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも48%、少なくとも50%、少なくとも52%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも58%、少なくとも60%、少なくとも62%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも68%、少なくとも70%、少なくとも72%、少なくとも74%、少なくとも76%、少なくとも78%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)増加させることと、容器(例えば、本明細書に記載の容器のいずれか(例えば、バイオリアクター))内の第1および第2の液体培地のpHを少なくとも8%(例えば、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも28%、少なくとも30%、少なくとも32%)増加させることとを更に含む。
【0135】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、容器(例えば、本明細書に記載の容器のいずれか(例えば、バイオリアクター))内の第1、第2、および/または第3の液体培地のpCOおよびpHを、生細胞密度に基づいてその期間にわたって、(例えば、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも28%、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも38%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも48%、少なくとも50%、少なくとも52%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも58%、少なくとも60%、少なくとも62%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも68%、少なくとも70%、少なくとも72%、少なくとも74%、少なくとも76%、少なくとも78%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)増加させる。
【0136】
組換えタンパク質
本明細書で提供される方法によって産生できる組換えタンパク質の非限定的な例としては、免疫グロブリン(軽鎖および重鎖免疫グロブリン、抗体、または抗体断片(例えば、本明細書に記載の抗体断片のいずれか)を含む)、酵素(例えば、ガラクトシダーゼ(例えば、α-ガラクトシダーゼ)、Myozyme、またはCerezyme)、タンパク質(例えば、ヒトエリスロポエチン、腫瘍壊死因子(TNF)、またはインターフェロンαもしくはβ)、あるいは免疫原性タンパク質もしくは抗原タンパク質またはタンパク質断片(例えば、ワクチンで使用するためのタンパク質)が挙げられる。組換えタンパク質は、少なくとも1つの多機能組換えタンパク質足場を含む操作された抗原結合ポリペプチド(例えば、Gebauerら、Current Opin.Chem.Biol.13:245~255、2009;および米国特許出願公開第2012/0164066号(その全体を参照によって本明細書に組み入れる)に記載される組換え抗原結合タンパク質を参照)であり得る。
【0137】
抗体である組換えタンパク質の非限定的な例としては:パニツムマブ、オマリズマブ、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アデカツムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ(alacizumab)、アラシズマブ(alacizumab)、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アチヌマブ、トシリズマブ、バシリジマブ(basilizimab)、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ベシレソマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ、セツキシマブ、シクスツムマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、デンスマブ、エクリズマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ(efungumab)、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ(etaracizumab)、フィギツムマブ、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、イゴボマブ(igovomab)、イムガツズマブ(imgatuzumab)、インフリキシマブ、イノリモマブ、イノツズマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、モキセツモマブ、ナタリズマブ、オビヌツズマブ、オレゴボマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、ツコツズマブ、トラスツズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、およびザツキシマブ(zatuximab)が挙げられる。
【0138】
本明細書に記載の方法によって産生できる組換え抗体の追加の例は、当技術分野で知られている。本発明の方法によって産生できる組換えタンパク質の追加の非限定的な例としては:アルグルコシダーゼアルファ、ラロニダーゼ、アバタセプト、ガルスルファーゼ、ルトロピンアルファ、抗血友病因子、アガルシダーゼベータ、インターフェロンβ-1a、ダルベポエチンアルファ、テネクテプラーゼ、エタネルセプト、凝固因子IX、卵胞刺激ホルモン、インターフェロンβ-1a、イミグルセラーゼ、ドルナーゼアルファ、エポエチンアルファ、インスリンまたはインスリン類似体、メカセルミン、第VIII因子、第VIIa因子、抗トロンビンIII、プロテインC、ヒトアルブミン、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターロイキン-11、ラロニダーゼ、イズルスファーゼ(idursuphase)、ガルスルファーゼ、α-1-プロテアーゼ阻害剤、ラクターゼ、アデノシンデアミナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、サイロトロピンα(例えば、Thyrogen(登録商標))およびアルテプラーゼが挙げられる。本発明の方法によって産生できる組換えタンパク質の追加の例としては、酸性α-グルコシダーゼ、アルグルコシダーゼアルファ(例えば、Myozyme(登録商標)およびLumizyme(登録商標))、α-L-イズロニダーゼ(例えば、Aldurazyme(登録商標))、イズロン酸スルファターゼ、ヘパランN-スルファターゼ、ガラクトース-6-スルファターゼ、酸性β-ガラクトシダーゼ、β-グルコロニダーゼ、N-アセチルグルコサミン-1-ホスホトランスフェラーゼ、α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ、酸性リパーゼ、リソソームの酸性セラミダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、β-グルコシダーゼ(例えば、Cerezyme(登録商標)およびCeredase(登録商標))、ガラクトシルセラミダーゼ、α-ガラクトシダーゼ-A(例えば、Fabrazyme(登録商標))、酸性β-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ノイラミニダーゼ、ヘキソサミニダーゼA、ならびにヘキソサミニダーゼBが挙げられる。
【0139】
分泌される可溶性組換えタンパク質は、液体培地(例えば、第1、第2、および第3の液体培地の1つまたはそれ以上)から、液体培地を細胞(例えば、哺乳類細胞)から除去するかさもなければ物理的に分離することによって回収し得る。液体培地を細胞(例えば、哺乳類細胞)から除去するための様々な異なる方法は、当技術分野で知られており、例えば、遠心分離、ろ過、ピペッティング、および/または吸引が挙げられる。次いで、分泌される組換えタンパク質は、様々な生化学的手法を使用して液体培地からの回収および更なる精製を行うことができるが、該手法としては、様々な種類のクロマトグラフィー(例えば、親和性クロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、もしくは陰イオン交換クロマトグラフィー)および/またはろ過(例えば、分子量カットオフろ過)が挙げられる。
【0140】
組換えタンパク質の回収
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態は、組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載の組換えタンパク質のいずれか)を哺乳類細胞ならびに/または第1、第2、および第3の液体培地の1つもしくはそれ以上から回収することを更に含む。いくつかの例では、回収することは、哺乳類細胞を溶解することを含む。他の例では、回収することは、組換えタンパク質を、培地(例えば、第1、第2、および第3の液体培地の1つまたはそれ以上)から集めることを含み得る。
【0141】
集めることは、例えば、約60×10細胞/mL超、62×10細胞/mL、64×10細胞/mL、66×10細胞/mL、68×10細胞/mL、70×10細胞/mL、72×10細胞/mL、74×10細胞/mL、76×10細胞/mL、78×10細胞/mL、80×10細胞/mL、約82×10細胞/mL超、約84×10細胞/mL超、約86×10細胞/mL超、約88×10細胞/mL超、約90×10細胞/mL超、約92×10細胞/mL超、約94×10細胞/mL超、約96×10細胞/mL超、約98×10細胞/mL超、約100×10細胞/mL超、約102×10細胞/mL超、約104×10細胞/mL超、約106×10細胞/mL超、約108×10細胞/mL超、約110×10細胞/mL超、約112×10細胞/mL超、約114×10細胞/mL超、約116×10細胞/mL超、約118×10細胞/mL超、約120×10細胞/mL超、約122×10細胞/mL超、約124×10細胞/mL超、約126×10細胞/mL超、約128×10細胞/mL超、約130×10細胞/mL超、約132×10細胞/mL超、約134×10細胞/mL超、約136×10細胞/mL超、約138×10細胞/mL超、約140×10細胞/mL超、約142×10細胞/mL超、約144×10細胞/mL超、約146×10細胞/mL超、約148×10細胞/mL超、約150×10細胞/mL超、約152×10細胞/mL超、約154×10細胞/mL超、約156×10細胞/mL超、約158×10細胞/mL超、約160×10細胞/mL超、約162×10細胞/mL超、約164×10細胞/mL超、約166×10細胞/mL超、約168×10細胞/mL超、約170×10細胞/mL超、約172×10細胞/mL超、約174×10細胞/mL超、約176×10細胞/mL超、約178×10細胞/mL超、約180×10細胞/mL超、約182×10細胞/mL超、約184×10細胞/mL超、約186×10細胞/mL超、約188×10細胞/mL超、約190×10細胞/mL超、約192×10細胞/mL超、約194×10細胞/mL超、約196×10細胞/mL超、約198×10細胞/mL超、または約200×10細胞/mL超)の生細胞密度を達成する培養の後に行うことができる。
【0142】
組換えタンパク質の製剤化
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態は、組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される組換えタンパク質、例えば、回収された組換えタンパク質または回収および精製された組換えタンパク質)を医薬組成物へと製剤化する工程を更に含む。例えば、製剤化することは、薬学的に許容される賦形剤を、組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される組換えタンパク質、例えば、回収された組換えタンパク質または回収および精製された組換えタンパク質)に添加することを含み得る。製剤化することは、薬学的に許容される賦形剤を、組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される組換えタンパク質、例えば、回収された組換えタンパク質または回収および精製された組換えタンパク質)と混合することを含み得る。薬学的に許容される賦形剤(例えば、非天然の薬学的に許容される賦形剤)の例は当技術分野でよく知られている。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される組換えタンパク質、例えば、回収された組換えタンパク質または回収および精製された組換えタンパク質)は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内投与のために製剤化する。
【0143】
医薬組成物およびキット
本明細書ではまた、(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される)本明細書に記載の組換えタンパク質のいずれかの少なくとも1つを含む医薬組成物も提供される。医薬組成物は、当技術分野で知られている任意の様式で製剤化できる。医薬組成物は、意図された投与経路(例えば、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内投与に適合するように製剤化する。
【0144】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体(例えば、リン酸緩衝食塩水)を含み得る。製剤の単回または複数回の投与は、例えば、対象によって必要とされ、許容される投薬量および頻度に応じて行うことができる。
【0145】
本明細書ではまた、医薬組成物(例えば、本明細書に記載の医薬組成物のいずれか)を含むキットも提供される。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の方法のいずれかを行うための説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの少なくとも1つの用量(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の用量を含み得る。
【0146】
治療方法
本明細書では、以下を含む、それを必要とする対象の治療が提供される:(本明細書に記載の方法のいずれかによって産生される)本明細書に記載の組換えタンパク質のいずれかの少なくとも1つを含む本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの治療上有効な量を対象に投与すること。
【0147】
投与することは、例えば、1週間に少なくとも1回(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回、少なくとも11回、または少なくとも12回)行うことができる。
【0148】
本発明は、以下の実施例で更に説明されるが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものではない。
実施例
【実施例1】
【0149】
浸透圧制御方法
灌流培養を含む方法は、多くの液体培地を使用し、各バッチの調製に多大な費用が必要とされる。液体培地のほとんどは水である。しかし、単一の液体培地は、細胞密度が高いときに栄養素の消費により浸透圧が顕著に低下するために、高細胞密度灌流処理全体には使用できない。例えば、12g/Lのグルコース消費により、67mOsm/kg減少する。
【0150】
典型的な浸透圧(290mOsm/kgから320mOsm/kg)を有する単一の液体培地を使用すると、細胞密度が高いときに浸透圧が低くなる。低浸透圧条件では、細胞の健康状態が悪くなり、生産性が低下する。しかし、細胞培養(例えば、灌流細胞培養)の開始時から単一の高浸透圧液体培地を使用すると、乳酸産生の急上昇および細胞培養の低下がもたらされる可能性がある。
【0151】
本明細書に記載の第2の液体培地(4×液体培地配合物)(第1の液体培地に添加)は、比較的高い浸透圧(流加培養のための供給液体培地と比較して)を有し得、沈殿を防ぐために7未満のpHを有し得る。この第2の液体培地は、pH6からpH7であっても室温で1週間未満安定であり得る。少なくとも2つの代替手段を第2の液体培地の安定性を増加させるのに使用できる:1)システインおよびチロシンを除去すること、または2)システインおよびチロシンの代替形態(例えば、それぞれピルビン酸塩/システインおよびグリシン-チロシン)を使用すること。
【0152】
灌流細胞培養における浸透圧を制御するために、濃縮された第2の液体培地を使用でき、様々な量の第3の低浸透圧液体(例えば、水)を用いて希釈できる。濃塩化ナトリウム(NaCl)溶液もまた、浸透圧の上昇が必要な場合には、随意に添加することもできる。更に、培養の溶存CO濃度およびpHは、浸透圧を調整するために変化させることができる。
【実施例2】
【0153】
細胞培養能力に対する浸透圧の影響
細胞培養能力(例えば、生細胞密度)に対する浸透圧の影響を決めるために、哺乳類細胞は、約290mOsm/kgと約400mOsm/kgとの間の浸透圧を有する液体培地で増殖させた。図1Aおよび1Bは、それぞれタンパク質1およびタンパク質2を発現する哺乳類細胞における経時的な生細胞密度を示す。図1Aおよび1Bのデータにより示されるのは、哺乳類細胞は、380mOsm/kg超の浸透圧を有する液体培地において哺乳類細胞を増殖する場合、増殖の遅延が観察されたことである。
【0154】
それぞれ4日目および5日目での試験した浸透圧における平均細胞直径が示された(図2Aおよび2B)。図2Aおよび2Bのデータは、浸透圧が高いほど細胞の大きさの平均が大きくなることを示し、浸透圧が細胞形態に影響することを示している。
【0155】
図3Aおよび3Bは、濃縮細胞培地(1320mOsm/kgの浸透圧)および水をそれぞれ供給した2つのバイオリアクターの浸透圧および細胞培養増殖を示している。水供給に対する濃縮培地供給の比は、培養の増殖相で変化させた。容器22(「V22」)は、培地に対する水の比が容器27(「V27」)よりも低く、その結果、10日目から培養物の浸透圧が高くなった(図3A)。この結果、V22は、V27と比較して増殖速度が低下した(図3B)。浸透圧が高いとまた、生産性が減少し(図3C)、培養の健全性の低下を示す乳酸脱水素酵素産生量が高くなった(図3D)。高い浸透圧に対する反応の1つは、V22での乳酸産生の上昇であり(図3E)、次いで、これは乳酸を更に高くし続ける(「乳酸産生の急上昇」)。
【0156】
図4Aおよび4Bでは、培養物は、乳酸産生量が高く、その結果、浸透圧が上昇することが示される。浸透圧が400mOsm/kg超に達すると、乳酸産生量は増加し、細胞増殖および生存率が低下した。
【実施例3】
【0157】
浸透圧制御の選択肢
安全な操作用の灌流培養のための浸透圧閾値は、上限で360~420mOsm/kgの範囲であった。浸透圧は、例えば、以下のような様々な手段によって制御できる:1)フィードバック制御と連動して、濃縮細胞培地を供給すること、および水希釈率を調整することによる手段、2)基礎となる添加方法に影響を与える処理パラメーター(例えば、浸透圧が高い場合に高いpHおよびpCOが必要とされる)を変化させる手段、3)バイオリアクターキャンペーン内で、少なくとも2つの異なる液体培地、例えば、低い浸透圧を有する増殖液体培地、および高い浸透圧を有する産生液体培地を使用する手段、4)浸透圧を上昇させるために、フィードバック制御を用いて高い細胞密度で、塩、例えば、NaClおよび/またはKClを添加する手段。浸透圧を制御するための処理変更は、無細胞培養透過液のオフライン浸透圧測定に基づいて手動で行うことができる。あるいは、自動化フィードバック制御は、オンライン浸透圧予測に基づいて行うことができる。オンライン浸透圧は、適切なモデルと共に、オンライン静電容量測定、オンライン導電率測定、またはラマン分光法測定から予測できる。
【0158】
図5Aおよび5Bは、増殖相から産生相に至る供給培地の浸透圧の段階的変化を示した。各バイオリアクターに対して、NaCl添加は所定の時点で手動でオンとし、次いで、NaCl流は実験期間の間一定に保った。図5Aおよび5Bのデータは、同じ静電容量設定点にも関わらず、異なる浸透圧で異なるVCDプロファイルを示した。これは、浸透圧を制御するために一定のNaCl供給速度を使用することの限界を示している。
【0159】
図6Aおよび6Bは、浸透圧と導電率との相間が、浸透圧制御が必要な回収相の間、高い細胞密度で良好であることを示した。
【0160】
導電率はABERプローブで測定し、2つの測定の平均を図7にプロットした。設定点を維持するために、5MのNaClを、導電率フィードバック制御に基づいてバイオリアクターに供給した。図7に示すように、制御は5日目に開始し、塩添加は培養期間の初期には必要なかった。NaCl添加は、10日目頃から開始した。導電率フィードバック制御に基づくNaCl添加により、培養の回収相を通じて一貫した導電率および浸透圧が得られた。更に、導電率フィードバック制御に基づくNaCl添加は、一定のNaCl添加を使用する処理と比較して、処理の不調の間の浸透圧の逸脱を低下させるのに役立つ。
【0161】
図8Aおよび8Bのデータは、自動化導電率制御により同様の浸透圧の傾向がもたらされた4つの実験実行全てについて同じ静電容量設定点で同様な生細胞密度プロファイルを示した。
【0162】
図9は、導電率と浸透圧との間の相間が、2つの異なるプローブの種類を用いた場合で良好であることを示した。
【0163】
図10により、浸透圧はラマン分光法を用いて正確に予測できること、およびラマンプローブはバイオリアクターにおいてまたは無細胞灌流回収において配置できることが示された。
【0164】
図11に示されるように、灌流細胞培養処理における生細胞密度が処理の中頃で最低点に達する傾向が観察された。これは、バイオリアクターにおいて静電容量センサーを用いて測定したときに、バイオマス濃度を一定の静電容量値を維持するように制御した場合に、細胞の大きさが増加するために生じた。これらの培養の後半では、細胞の大きさが減少し、生細胞密度が上昇した。
【0165】
複数バッチからのデータを集計したところ、浸透圧と培養で到達した最低生細胞密度との間には相間があり、より高い浸透圧とより低い細胞密度とが相関することが判明した。この発見は図に示されており、60日間の処理の30日目のVCDが30日目の培養浸透圧に対してプロットされている。浸透圧を所望のレベルに制御できることで、処理の間のVCDの変化を最小限にでき、処理内の一貫性が向上した。
【0166】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と共に説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図するもので、限定することを意図しないことを理解されたい。他の態様、利点、および変更は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
【国際調査報告】