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特表2024-514328クラウドネイティブなコンテンツ管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】クラウドネイティブなコンテンツ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20240325BHJP
【FI】
G06F16/907
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562954
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022025036
(87)【国際公開番号】W WO2022221671
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/175,113
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315007628
【氏名又は名称】コピーライト クリアランス センター,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーマニス,ハラランボス
(72)【発明者】
【氏名】ハッチンソン,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ハート,リッチ
(72)【発明者】
【氏名】モリス,トム
(72)【発明者】
【氏名】レイランド-コール,スチュアート
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175BA01
(57)【要約】
クラウドネイティブなコンテンツ管理システムは、コンピューティング装置を使用してインターネットを介してアクセスされるデジタルコンテンツを保存するためのコンテンツ・ファイル・システムを含む。システムは、指定された各個人のグループ間で緻密なアクセス制御の規則を適用する認証及び認可サービスを含む。トークンに基づく一時的なアクセスプロセスを使用することで、認可された各個人は、従来、大きなデータファイルのストリーミングを妨げていた時間制約の上限を回避するために、選択されたデジタルコンテンツへの直接アクセスを提供される。システムは、認可されたユーザによる保存されたソフトウェアモデルのインタラクティブなオンライン編集をサポートするようにさらに設計されている。モデリングプロセスの一部として、モデルの変更要求は、ユーザにとって直感的なドメイン固有言語を使用して、認可された各個人によってサブミットされる。その後、ソフトウェアモデルは、正当性及び互換性のために変更要求が検証される間、一時的にロックされる。段階的モデリング手法を利用することにより、ソフトウェアモデルが継続的にアクティブなままであることが保証され、緻密なモデルのバージョニングが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツを電子的に保存するためのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムであって、前記コンテンツ管理システムが、コンピューティング装置を使用してインターネットを介して電子的にアクセス可能であり、前記コンテンツ管理システムが、
(a)前記デジタルコンテンツを保存するためのコンテンツ・ファイル・システムと、
(b)前記コンテンツ・ファイル・システムと前記コンピューティング装置との間のデジタルコンテンツの交換を制御するためのコンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービスと、
(c)前記コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービスと通信する認証及び認可サービスであって、前記認証及び認可サービスが、前記デジタルコンテンツに関する一連のアクセス規則を適用する、認証及び認可サービスと、
を備え、
(d)前記認証及び認可サービスが、前記コンピューティング装置が前記コンテンツ・ファイル・システムとデジタルコンテンツを直接通信及び交換することを選択的に可能にする、
クラウドネイティブなコンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記認証及び認可サービスが、前記一連のアクセス規則に基づいて前記コンテンツ・ファイル・システムと前記コンピューティング装置との間のデジタルコンテンツの前記直接の交換を制約する、請求項1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記認証及び認可サービスが、前記コンテンツ・ファイル・システムに保存された前記デジタルコンテンツの選択への一時的なアクセスを提供するアクセストークンを前記コンピューティング装置に発行する、請求項2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービスと通信するメタデータ・データベース・サービスをさらに備え、前記メタデータ・データベース・サービスが、前記デジタルコンテンツと関連付けられるメタデータを維持する、請求項3に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記メタデータ・データベース・サービスが、前記認証及び認可サービスと直接通信する、請求項4に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記メタデータ・データベース・サービスが、前記認証及び認可サービスによって適用された前記一連のアクセス規則を維持する、請求項5に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項7】
前記コンテンツ・ファイル・システムに保存された前記デジタルコンテンツの識別を容易にするための検索エンジンをさらに備える、請求項6に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項8】
前記コンピューティング装置へのデジタルコンテンツのリアルタイム・データ・ストリーミングのためのイベントバスをさらに備える、請求項7に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項9】
前記コンテンツ・ファイル・システムが、前記一連の保存されたアクセス規則に従って前記コンピューティング装置によって選択的にアクセス及び編集され得るソフトウェアモデルの第1のバージョンを保存するように適合されている、請求項3に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項10】
前記ソフトウェアモデルの前記第1のバージョンに対する電子変更要求を受信するためのモデル更新要求サービスをさらに備える、請求項9に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項11】
前記変更要求は、ドメイン固有言語を使用して前記コンピューティング装置から電子的にサブミットされる、請求項10に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項12】
前記更新モデル要求サービスが、前記電子変更要求を受信すると、前記ソフトウェアモデルの前記第1のバージョンを一時的にロックする、請求項11に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項13】
前記ソフトウェアモデルの前記第1のバージョンとの正当性及び互換性のために前記変更要求を検証するためのジョブハンドリング・プロセス・サービスをさらに備える、請求項12に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項14】
前記ジョブハンドリング・プロセス・サービスが、前記変更要求を組み込んだ前記ソフトウェアモデルの第2のバージョンを構築する、請求項13に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項15】
前記ソフトウェアモデルの前記第2のバージョンが、前記一連の保存されたアクセス規則に従った選択的なアクセス及び編集のためにロック解除される、請求項14に記載のコンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、Haralambos Marmanisらの名義で2021年4月15日に出願された米国仮特許出願第63/175,113号に対する35 U.S.C.119(e)の下での利益を主張するものであり、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、コンテンツ管理の分野に関し、より詳細には、クラウドネイティブなコンテンツ管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
様々な学術的及び専門的環境において、各個人は、デジタルコンテンツを作成、共有、改訂、公開するために、日常的に共同作業を行っている。通常配信されるデジタルコンテンツのタイプは、意図される用途に応じてかなり変化し得るが、ほとんどの場合、テキストベースのドキュメント、画像、オーディオファイル、及びビデオファイルを含む。デジタルコンテンツを電子的に取り込み、共有することで、最終的にはより効率的な共同作業が実現される。
【0004】
コンテンツ管理システムは、デジタルコンテンツの共有を扱うように設計されたネットワークベースのコンテンツ・サービス・プラットフォームである。グループ内の選ばれた各個人やチーム間での共同作業を目的としたデジタルコンテンツが急激に増加したため、コンテンツ管理プラットフォームは、デジタルコンテンツを保存するだけでなく、そのようなコンテンツを管理する点でもより高度化されて開発されてきた。特に、コンテンツ管理システムは、とりわけ、メタデータの作成と保存を通じて関連コンテンツの識別を容易にし、アクセス規則を確立及び施行し、役割と責任を割り当て、ワークフロータスクを維持及び追跡し、かつ、その進化を通じて選択されたコンテンツのタイムラインを保持するように強化されてきた。
【0005】
従来のコンテンツ管理システムでは、サーバの選択が、コンテンツ管理プラットフォームをホストするために利用される。この方法では、サーバは、ワークグループ内の個々のユーザとコンテンツリポジトリとの間の中央ハブとして機能し、サーバは、コンテンツへのアクセス、変更、及び配信に関する既存の規則を維持及び実施する。
【0006】
サーバベースのコンテンツ管理システムは、大規模なインフラストラクチャ及びサービス管理要件を導入する。特に、クラウドサーバの選択がコンテンツ管理システムをホストするために利用される場合、大量のデータストレージ及び処理が必要とされるため、通常、かなりのサーバレンタル料が発生する。さらに、サーバのパッチ適用及びメンテナンスが日常的に必要とされ、それに伴い、さらなるコストが発生する。
【0007】
そのため、クラウドベース又はサーバベースのコンテンツ管理システムに関連する前述の欠点のいくつかを克服するために、クラウドネイティブなコンテンツ管理システムが当分野でますます普及してきている。クラウドネイティブ、すなわちサーバレスのコンテンツ管理システムでは、コンテンツ管理プロセスを実装するために指定されたサーバは利用されない。むしろ、クラウドネイティブな開発モデルは、開発者が指定されたサーバを管理する必要なしにソフトウェアアプリケーションを構築及び実行することを可能にする。このモデルでは、サーバはアプリケーション開発から抽象化される。コンテンツ管理プロセスが実行される場合、アプリケーションコードは、クラウド・サーバ・ホスティング施設に維持されている、任意の利用可能な指定されていないサーバ上にアクセスされる。この機能において、様々なコンテンツ管理プロセスが、ホスティング施設内の広範囲の異なるサーバにまたがって実装される可能性があることを理解されたい。
【0008】
クラウドサーバの使用を限られた数の操作に制約することにより、クラウドサーバのコストを大幅に削減することができる。例えば、サブスクリプションベースのモデルの一部として、ある期間にわたって一連のサーバのレンタルの代金を支払う代わりに、使用に基づいてコストを制約する消費ベースのモデル(すなわち、従量課金制)を使用することができ、それによって運用コストを大幅に削減することができる。さらに、消費ベースのモデルは、日常的なサーバの更新及びメンテナンスの必要性を排除する。
【0009】
クラウドネイティブなコンテンツ管理手法はまた、より大きなスケーラビリティを提供する。特に、より大きなコンテンツ管理のニーズが高まれば、クラウドサーバの使用量を単に増やし、それに応じて支払うことによって、追加のソフトウェアアプリケーションを開発し、コンテンツ管理プラットフォームにシームレスに統合することができる。
【0010】
当技術分野ではよく知られているが、従来のクラウドネイティブなコンテンツ管理システムには、以下で詳細に説明する顕著な欠点があることが判明している。ここで図1を参照すると、従来のクラウドネイティブなコンテンツ管理システムの簡略化されたアーキテクチャが示されており、システムは概して参照番号11で識別されている。図から分かるように、システム11は、インターネット15を介してユーザコンピューティング装置又はクライアント13によってアクセスされるように設計されている。
【0011】
この例では、クラウドネイティブなコンテンツ管理システム11は、Amazon Web Services(AWS)のクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームを使用して実装され、それによってウェブ・サービス・ツールの最適化された選択及び構成を可能にすることが示されている。理解されるように、AWSベースのクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームの使用は例示のみを目的として提供され、システム11は、Microsoft Azureのクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームなどの代替のクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームを使用して同様に実装されることができる。
【0012】
図から分かるように、システム11は、とりわけ、(i)コンテンツ・ファイル・システム21であって、本明細書ではAWS Simple Storage Service(S3)23を使用して実装されて示されており、ユーザのワークグループによって生成されたすべてのデジタルコンテンツをシンプルなクラウド・ストレージ・デバイスに維持するための、コンテンツ・ファイル・システム21と、(ii)コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービス31であって、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)ユーザ・ゲートウェイ33とコンテンツ・ファイル・システム21との間の情報のリアルタイム交換を扱うためのカスタマイズされた規則で設計されている、コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービス31と、で構成されている。
【0013】
コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービス31は、とりわけ、コンテンツストリームのプロキシを含む、コンテンツ・ファイル・システム21とAPIゲートウェイ33との間のすべてのコンテンツ転送アクティビティを制御するためのサービス層処理サービス41を用いてさらに構成される。理解されるように、サービス層処理サービス41は、特定のサーバを直接プロビジョニング又は管理することなく、カスタムのユーザ指定タスクを実行するように設計されたサーバレス処理サービス(すなわち、Function-as-a-Service)である。例示を目的として、処理サービス41は、本明細書では、AWS Lambda処理サービスを使用して実装されるものとして表されている。
【0014】
使用中、システム11は、以下の方法でクライアント13とコンテンツ・ファイル・システム21との間でコンテンツを転送するように設計されている。すなわち、コンテンツ転送プロセスにおける第1のステップとして、クライアント13は、概して矢印1によって表されるように、APIゲートウェイ33を介してコンテンツのダウンロード要求を送信する。次に、APIゲートウェイ33は、クライアント13がコンテンツへのアクセスを認可されていることを保証する。認可されている場合、コンテンツの要求は、概して矢印2によって表されるように、サービス層処理サービス41によって受信され、処理される。すなわち、サービス41は、コンテンツを識別し、アクセスが許可され得ることを保証し、コンテンツ・ファイル・システム21内でコンテンツファイルを特定する。
【0015】
その後、サービス層処理サービス41は、概して矢印3によって表されるように、コンテンツ・ファイル・システム21にアクセスし、指定されたコンテンツファイルを要求する。それに応答して、コンテンツ・ファイル・システム21は、概して矢印4によって表されるように、コンテンツファイルをサービス層処理サービス41に返す。最後のステップでは、サービス層処理サービス41は、概して矢印5によって表されるように、指定されたファイルをAPIゲートウェイ33を介してクライアント13に配信する。
【0016】
したがって、従来のサーバレスコンテンツ管理システム11では、サービス層処理サービス41は、クライアント13とシンプルなストレージサービス23との間でストリーミングされるすべてのコンテンツの仲介者として機能する。出願人は、このように設計されたコンテンツ管理システムが2つの顕著な欠点を抱えていることを独自に認識している。
【0017】
第1の欠点として、従来のウェブベースの処理サービス(例えば、処理サービス41)は、一般的に、広範なサーバ可用性を最大化するために時間制約の上限をもって実装されている。この欠点は、現代のFunction-as-a-Serviceのサーバレスインフラストラクチャにおいて特に顕著である。その結果、大きなファイル(例えば、ビデオファイル)は、指定された時間制限内にファイル送信を完了できないため、クラウドネイティブなコンテンツ管理システム11を使用してクライアント13にストリーミングすることができないことが多いことが判明している。
【0018】
第2の欠点として、従来のウェブベースの処理サービス(例えば、処理サービス41)は、一般的に、消費ベースのモデル(すなわち、従量課金方式)で操作されるように設計されている。したがって、比較的大きなファイルをコンテンツ・ファイル・システムとの間で頻繁に転送する必要がある共同作業環境にとって、消費ベースのモデルは、多くの場合、非常に高い運用コストをもたらすことになり、これは非常に望ましくない。
【発明の概要】
【0019】
そこで、本発明は、デジタルコンテンツを保存及び共有するためのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを提供することを目的とする。
【0020】
本発明の別の目的は、指定された各個人グループ間で保存されたデジタルコンテンツの変更及び配信を制御するように独自に設計された、上述のようなタイプのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、指定された各個人のグループ間で緻密なアクセス制御の規則を確立して実施する、上述のタイプのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、指定された各個人に比較的大きなデータファイルをストリーミングするのに十分な時間を提供する、上述のタイプのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、限られた運用コストを有し、容易にスケーラブルな、上述のタイプのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、ドメイン固有言語を使用してデジタルコンテンツを要求及びコンパイルすることを可能にする、上述のタイプのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを提供することである。
【0025】
したがって、本発明の1つの特徴として、デジタルコンテンツを電子的に保存するためのクラウドネイティブなコンテンツ管理システムが提供され、コンテンツ管理システムは、コンピューティング装置を使用してインターネットを介して電子的にアクセス可能であり、コンテンツ管理システムは、(a)デジタルコンテンツを保存するためのコンテンツ・ファイル・システムと、(b)コンテンツ・ファイル・システムとコンピューティング装置との間のデジタルコンテンツの交換を制御するためのコンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービスと、(c)コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービスと通信する認証及び認可サービスであって、デジタルコンテンツに関する一連のアクセス規則を適用する、認証及び認可サービスと、を備え、(d)認証及び認可サービスは、コンピューティング装置がコンテンツ・ファイル・システムとデジタルコンテンツを直接通信及び交換することを選択的に可能にする。
【0026】
様々な他の特徴及び利点が、以下の説明から明らかになるであろう。本明細書では、その一部を形成し、本発明を実施するための実施形態が例示として示されている添付の図面を参照する。本実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分な詳細で説明されるものであり、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され、構造的な変更が行われてもよいことを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく定義される。
【0027】
図面において、同様の参照番号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】コンテンツファイルをダウンロードするための従来の手法を理解するのに有用な従来技術のクラウドネイティブなコンテンツ管理システムのためのアーキテクチャの簡略化されたシステム図である。
図2】本発明の教示に従って設計されたクラウドネイティブなコンテンツ管理システムの基本アーキテクチャである。
図3図2のクラウドネイティブなコンテンツ管理システムの基本アーキテクチャであり、このアーキテクチャは、コンテンツファイルをダウンロードするための新規の手法を示すために使用される。
図4図2のクラウドネイティブなコンテンツ管理システムを使用してデータモデルの変更を実行するための新規プロセスを示すイベントのフローである。
図5図4に描かれているプロセスの一部としてサブミットされたサンプル・コンテンツ・モデルの変更要求の画面表示である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
クラウドネイティブなコンテンツ管理システム111
ここで図2を参照すると、本発明の教示に従って設計されたクラウドネイティブなコンテンツ管理システムの基本アーキテクチャが示されており、コンテンツ管理システムは概して参照番号111によって識別されている。以下で詳細に説明するように、システム111は、デジタルコンテンツを保存し、指定された各個人グループ間でそのようなコンテンツの変更及び配信を制御するように設計されたネットワークベースのプラットフォームである。本発明の特徴として、システム111は、比較的大きなデータファイルをストリーミングするのに十分な持続時間でそのデジタルコンテンツへの安全な認証されたアクセスをユーザに提供するように独自に構成されている。
【0030】
本明細書で定義されるように、「デジタルコンテンツ」という用語の使用は、デジタル媒体に保存され、とりわけ、テキストベースのドキュメント、画像、オーディオファイル、及びビデオファイルを含む、あらゆるタイプの電子データ又は成果物を表す。
【0031】
以下の説明では、クラウドネイティブなコンテンツ管理システム111が、Amazon Web Services(AWS)のクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームを使用して実装され、それによってウェブ・サービス・ツールの最適化された選択及び構成を可能にすることが示されている。しかしながら、AWSベースのクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームの使用は例示のみを目的として提供され、システム111は、本発明の精神から逸脱することなく、Microsoft Azureのクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームなどの代替のクラウド・コンピューティング・サービス・プラットフォームを使用して同様に実装できることを理解されたい。
【0032】
図から分かるように、システム111は、インターネット115を介してユーザコンピューティング装置又はクライアント113によってアクセスされるように設計されている。システム111は、好ましくは、(i)コンテンツ・ファイル・システム121であって、本明細書ではAWS Simple Storage Service(S3)123を使用して実装されて示されており、ユーザのワークグループによって生成されたすべてのデジタルコンテンツをシンプルなクラウド・ストレージ・デバイスに維持するための、コンテンツ・ファイル・システム121と、(ii)コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービス131であって、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)ユーザ・ゲートウェイ133とコンテンツ管理データベースとの間の情報のリアルタイム交換を扱うためのカスタマイズされた規則で設計されている、コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービス131と、(iii)認証及び認可サービス141であって、本明細書ではAWS Cognito認証サービス143を使用して実装されて示されており、システムサービス及びコンテンツの適切な認可を保証するために識別(ID)管理及びセキュリティを提供するための、認証及び認可サービス141と、(iv)メタデータ・データベース・サービス151であって、本明細書ではAWS DynamoDBキーバリュー及びドキュメントサービス153を使用して実装されて示されており、デジタルコンテンツを処理(例えば、構文解析、メタデータの適用、カテゴリ化など)し、そのようなデータを保存するための、メタデータ・データベース・サービス151と、(v)検索エンジン161であって、本明細書ではAWS Elasticsearchサービス163を使用して実装されて示されており、(例えば、データベース・サービス151に保存されたメタデータを使用して)デジタルコンテンツの識別を容易にするための、検索エンジン161と、(vi)イベントバス171であって、本明細書ではAWS Kinesisデータ-ストリーミングサービス173及びDDBアダプタ付きAWS Kinesisデータ-ストリーミングサービス175を使用して実装されて示されており、クライアント113へのコンテンツのリアルタイム・データ・ストリーミングのための、イベントバス171と、で構成されている。
【0033】
システム111は、いくつかのサーバレス処理サービス181でさらに構成され、その各々は、特定のサーバを直接プロビジョニング又は管理することなく、カスタムのユーザ指定タスクを実行するように設計されている(すなわち、Function-as-a-Service)。例示のみを目的として、サービス181の処理又は計算は、本明細書では、AWS Lambda処理サービスを使用して実装されるものとして表されている。
【0034】
図2に見られるように、システム111は、(i)様々なシステムサービス間の操作を制御及び統合するためのサービス層処理サービス181-1と、(ii)複数のユーザデバイスにわたってアプリケーションユーザデータを同期させるための同期ハンドラ処理サービス181-2と、(iii)AWS Elasticsearchサービス163とイベントバス171との間でメタデータ及びドキュメントをインデックス化するためのインデックス化処理サービス181-3と、(iv)コンテンツ・ファイル・システム121に保存されたドキュメントへの一時的なアクセスを提供するために、トークン認証戦略を使用するカスタム認可方式を実装するためのカスタム・オーソライザ・サービス181-4と、を備える。
【0035】
以下でさらに詳細に説明するように、カスタム・オーソライザ・サービス181-4を含むことにより、システム111は、ユーザ113とコンテンツ・ファイル・システム121との間のコンテンツのアップロード及びダウンロード中にすべてのサーバレス処理サービス181をバイパスすることができる。結果として、システム111は、従来のクラウドネイティブなコンテンツ管理システムに関連する時間制約及び他の関連する欠点を克服することができ、したがって、本発明の主要な新規な特徴として機能する。
コンテンツ転送プロセス
【0036】
上述したように、システム111は、従来のシステムにおける大きなファイルのストリーミングを妨げる時間制約の上限を回避するために、トークンに基づく一時的なアクセスプロセスを実装することによって、シンプルなクラウド・ストレージ・デバイス123内のコンテンツへの直接アクセスをユーザ113に提供するように独自に設計されている。
【0037】
具体的には、図3では、クラウドネイティブなコンテンツ管理システム111が変更されて示されており、時間制約及び/又は過剰な使用コストの発生を避けるために、クライアント113とコンテンツ・ファイル・システム121との間でコンテンツファイルを直接転送する新規の手法を図示している。新規プロセスにおける第1のステップとして、クライアント113は、概して矢印211によって表されるように、APIゲートウェイ133を介してコンテンツのダウンロード要求を送信する。次に、APIゲートウェイ133は、認証及び認可サービス141と通信して、クライアント113がコンテンツにアクセスすることを認可されていることを保証する。
【0038】
本発明の特徴として、認証及び認可サービス141は、メタデータ・データベース・サービス151と直接通信する。したがって、処理サービス181-2によって扱われる更新操作を通じて、詳細なユーザアクセス制御を確立し、メタデータ・データベース・サービス151内のメタデータとして維持することができる。結果として、各個人のグループ間の緻密なアクセス制御の規則がコンテンツ管理システム111によって実施されることができ、それにより、保存されたコンテンツに関して各個人に与えられるアクセス及び制御の範囲を正確に詳述することができる。
【0039】
クライアント113がコンテンツにアクセスすることを認可されている場合、コンテンツの要求は、概して矢印213によって表されるように、サービス層処理サービス181-1によって受信され、処理される。すなわち、サービス181-1は、コンテンツを識別し、アクセスが許可され得ることを保証し、コンテンツ・ファイル・システム121内でコンテンツファイルを特定する。
【0040】
その後、サービス層処理サービス181-1は、Security Token Service(STS)からJSONウェブトークン(JWT)キーを取得するための一時的な認証情報ルーチンを実装するようにカスタム・オーソライザ・サービス181-4に命令する。JWTキー又はアクセストークンは、指定されたコンテンツに制約され、概して矢印215によって表されるように、認証及び認可サービス141を介してクライアント113に配信される。
【0041】
したがって、アクセストークンを使用して、クライアント113は、概して矢印217によって表されるように、コンテンツ・ファイル・システム121で第2コンテンツのダウンロード要求を直接開始する。最適なセキュリティを確保するために、一時アクセストークンは、コンテンツ・ファイル・システム121内の指定されたコンテンツに対する認可及びアクセスのみを提供することを理解されたい。ステップ217に記載された要求に応答して、制約されたコンテンツのストリームは、概して矢印219によって表されるように、シンプルなクラウド・ストレージ・デバイス123からクライアント113に直接転送される。
【0042】
上述の例は、シンプルなクラウド・ストレージ・デバイス123からクライアント113へのコンテンツのダウンロードを詳述しているが、クライアント113からシンプルなクラウド・ストレージ・デバイス123にコンテンツをアップロードするために同様のプロセスを実施することができることを理解されたい。
【0043】
クライアント113がコンテンツ・ファイル・システム121に及び/又はコンテンツ・ファイル・システムからコンテンツを直接ストリーミングすることを可能にすることにより、本発明の主な目的である処理サービス181に固有の時間制約パラメータ及び処理コストを排除する。さらに、一時的かつコンテンツに制約のあるアクセス資格情報を提供することによって、コンテンツ・ファイル・システム121の適切なセキュリティが維持される。
【0044】
上記で詳述したように、コンテンツ管理システム111の独自のアーキテクチャは、トークンに基づく一時的なアクセスプロセスを実装することによって、ユーザ113がシンプルなクラウド・ストレージ・デバイス123内のコンテンツに直接アクセスすることを可能にする。しかしながら、コンテンツ管理システム111の独自のアーキテクチャは、いくつかの追加機能を容易に実装することを可能にすることに留意されたい。
【0045】
特に、ユーザ113にコンテンツ・ファイル・システム121並びに認証及び認可サービス141への直接アクセスを提供することにより、すべてのデータ管理プロセスは、コンテンツ管理ビジネス・ロジック・サービス(例えば、サービス31)内の単一のサービス層(例えば、サービス層41)を介して実行される必要はない。さらに、システム111は、広範囲の拡張機能をサポートするために、カスタマイズ可能なタスク固有のウェブ・サービス・ツールの選択をシステムアーキテクチャにシームレスに統合することを可能にする。
【0046】
例えば、メタデータ・データベース・サービス151を含むことにより、コンテンツ管理システム111は、豊富なメタデータを動的に維持することができる。増加した量のメタデータをコンテンツと関連付けることにより、データモデルは、幅広い潜在的な用途で提供される。
インタラクティブなコンテンツ管理ソフトウェアのモデリング
【0047】
本発明の主な特徴として、システム111は、認可されたユーザによるソフトウェアモデルのインタラクティブなオンライン編集を可能にするように独自に設計されている。この方法では、ユーザ指定のデータを要求し、特定のドメインアプリケーションに対して特殊な方法でコンパイルすることができる。したがって、システム111は、ドメイン固有言語(DSL)を効果的にサポートすることができる。
【0048】
より詳細には、システム111の独自のアーキテクチャは、高水準のセマンティックベースのデータベース記述及び構造化形式を有する柔軟なコンテンツモデルをサポートする。言い換えれば、最適なデータモデルを作成するために、デジタルコンテンツの詳細な属性(例えば、タイプ、プロパティ、関係性)をシステム111を介して容易に維持及び変更することができる。デジタルコンテンツを管理する際のこの向上した柔軟性により、あらゆるビジネスドメインにおけるデータモデリングを正確かつ俊敏に行うことができる。
【0049】
上述したように、システム111は、単純でユーザフレンドリな方法でデータモデルの変更をサポートするように独自に設計されている。理解を容易にするために、システム111を介して実行されるデータモデルの変更の例示的な実施態様が以下に詳細に説明される。具体的には、図4には、クラウドネイティブなコンテンツ管理システム111の基本アーキテクチャを使用してデータモデルの変更を実行するための新規プロセスが示されており、プロセスは概して参照番号311によって表されている。図から分かるように、プロセス311の第1のステップでは、認可された個人又はユーザ313(例えば、データモデル管理者)は、コンテンツ管理システム111と(例えば、API Gateway133を介して)電子的にインターフェースし、特定のデータモデルを変更する要求をデプロイする。
【0050】
図5には、サンプル・コンテンツ・モデルの変更要求の画面表示が示されており、概して参照番号411で表されている。本発明の主な特徴として、インタラクティブなモデリングは、本明細書に示されるタイプのシンプルでユーザが直感的なUIのウェブページを使用して達成される。図から分かるように、ウェブページは、簡潔で、短く、最小限の言語を使用してコンテンツモデルの変更要求がサブミットされ得るように設計されている。さらに、変更要求は、(i)断片的な変更、(ここに示すように)単一のタイプ若しくは一度にいくつかのタイプ、又は(ii)モデル全体を構成するすべてのタイプとしてサブミットされ得ることに注意すべきである。フォーマット固有のドメイン言語、及びその言語の規則を定義する付随するパーサジェネレータの文法を採用することにより、オーサリング経験が向上し、技術スタッフでなくても変更のレンダリングが可能になる。
【0051】
図4に戻って参照すると、モデルの変更要求を扱うようにカスタマイズされた処理サービス315は、参照番号317で表されるように、変更要求が処理されている間、モデルを一時的にロックする。すべてのモデルの変更要求は、データモデルを一時的にロックし、競合するサブミッションが破損又は一貫性の問題を引き起こさないことを保証する。
【0052】
その後、サービス315は、指定されたデータモデルに実装される特定の更新を詳述するモデル変更ジョブ319を作成して保存する。その後、モデル変更ジョブ319は、このアクティビティが非同期処理のための適切な下流コンポーネントで扱われ得るように、イベントバス171を用いてイベントとして挿入される。
【0053】
カスタム設計されたジョブハンドリング・プロセス・サービス321は、モデル変更ジョブ319を受信し、提案されたデータモデルの変更の正当性を検証する。本実施態様では、提案されたデータモデルの変更の検証プロセスを実行するために、メッセージ・キューイング・サービス323及び監視プラットフォーム325が利用される。
【0054】
検証又はステージングプロセス中に、モデルの変更のサブミッションは、正当性及び現在デプロイされている(すなわち、アクティブな)モデルとの互換性のために検証される。ステージングプロセスの一部として、ユーザ313は、続行方法についてのオプションを有する互換性に関する通知を受信することができる。例えば、通常は検証されるが、互換性がないと報告された変更要求(例えば、プロパティの非必須から必須への変更)は、ユーザ313が通知をバイパスしてモデルの変更を進めることを可能にすることができる。
【0055】
検証されると、サービス321は、モデル変更ジョブ319の新しいマッピングテンプレートを検索エンジンサービス163にデプロイする。これにより、ジョブ319に含まれるモデルの変更に対して検索クエリが適切にマッピングされ得る。その後、サービス321は、モデル変更ジョブ319に示された提案された変更を含む新しいデータモデル327をコンテンツ管理システム111に構築する。更新のステータスが成功とみなされると、データモデルのロックが解除される。
【0056】
要約すると、コンテンツ管理システム111の独自のアーキテクチャは、緻密なアクセス制御を有する様々なユーザが、各コンテンツアイテムに関連付けられたメタデータを動的に追加、削除、又は変更することを可能にする。その結果、データモデルを強化するために、大量のメタデータが保存されたコンテンツに関連付けられ得る。
【0057】
さらに、データモデリング処理311がコンテンツの変更のサブミッションを扱う特定の方法は、従来のコンテンツ管理システムを超える多くの独自の利点を提供する。
【0058】
第1の利点として、プロセス311は、データモデリングの変更が認可された各個人によって安全かつ容易に実施されることを可能にする。特に、提案されたデータモデルの変更に対して段階的手法を利用することにより、(i)データモデルが常にアクティブのままであり、システムの再起動を必要としないことが保証され、(ii)完了前に提案された変更の影響をユーザに通知する互換性チェックが提供され、(iii)パッチタイプのデータ更新をデータモデルに容易に統合することが可能になる。
【0059】
第2の利点として、プロセス311は、技術者でないユーザであっても、データモデリングの変更を簡単かつ容易に実施することを可能にする。前述のように、モデルの変更をサブミットするために利用されるウェブページは、変更要求を作成するためのプロセスを容易にする、簡潔でユーザフレンドリな言語を使用して設計される。
【0060】
第3の利点として、プロセス311はセマンティックな精度を有するデータモデリングをサポートする。その結果、データモデルは、様々なシステム及び組織にわたる相互運用性のために構築されることができる。例えば、複数のモデルルートが許容される。既存のシステムが提供するタイプを継承するためにデータモデルを必要とする代わりに、任意のモデル又はオントロジーが利用され得る。
【0061】
第4の利点として、プロセス311は、モデルのバージョン管理をサポートし、モデルに対するすべての変更は、時間のスナップショットとしてモデル全体の新しい数値ラベル付けされたバージョンを作成する。緻密なバージョニングにより、モデルの変更間の違いが検査され、追跡され得る。結果として、古いコンテンツデータ項目が現在デプロイされているモデルと互換性がないことが判明したとしても、その項目は、追跡可能な参照モデルスキーマに対して依然として検証され得る。
【0062】
上述のように詳細に説明された本発明は、単なる例示であることを意図しており、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、本発明に対して多数の変形及び修正を行うことができるものとする。そのような変形及び修正はすべて、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】