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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】ビデ
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
E03D9/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563115
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2022003670
(87)【国際公開番号】W WO2022220418
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0049422
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヒジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ダウン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンカン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソンミン
(72)【発明者】
【氏名】オ,ドンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ウン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャンジョン
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038JC00
2D038JF06
(57)【要約】
本発明は洗浄ノズル部の汚染が防止される汚染防止水膜を形成するビデに関し、本発明に係るビデは、使用者の排泄物を収容する陶器が形成された洋式便器の縁に装着される本体部と、前記本体部に備えられ、使用者が着座する着席面を形成する便座と、前記本体部に備えられ、前記使用者の身体を洗浄する洗浄水を噴射する洗浄ノズル部と、前記本体部に備えられ、前記洗浄ノズル部の汚染を防止するための汚染防止水を排出する排出口を含む汚染防止モジュールと、前記汚染防止モジュールの動作を制御する制御部と、を含み、前記汚染防止モジュールの前記排出口は、前記洗浄ノズル部から上側に離隔した位置に前記本体部の表面が開口されて形成され、前記排出口から前記洋式便器の陶器内に吐出されて前記使用者と前記洗浄ノズル部との間を遮断する汚染防止水膜が形成されるように前記洗浄ノズル部の前面に汚染防止水を排出することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の排泄物を収容する陶器が形成された洋式便器の上側に装着される本体部と、
前記本体部に備えられ、使用者が着座する着席面を形成する便座と、
前記本体部に結合され、前記使用者の身体を洗浄する洗浄水を噴射する洗浄ノズル部と、
前記本体部に備えられ、前記洗浄ノズル部の汚染を防止するための汚染防止水を排出する排出口を含む汚染防止モジュールと、
前記汚染防止モジュールの動作を制御する制御部と、を含み、
前記汚染防止モジュールの前記排出口は、前記洗浄ノズル部から上側に離隔した位置に前記本体部の表面が開口されて形成され、前記排出口から前記洋式便器の陶器内に吐出されて前記使用者と前記洗浄ノズル部との間を遮断する汚染防止水膜が形成されるように前記洗浄ノズル部の前面に汚染防止水を排出することを特徴とする、ビデ。
【請求項2】
前記制御部は、前記汚染防止水膜が前記洗浄ノズル部の前面から離隔した空間に形成されるように前記汚染防止水が前記汚染防止モジュールから噴射されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする、請求項1に記載のビデ。
【請求項3】
前記制御部は、前記汚染防止水膜が前記洗浄ノズル部の前面を伝って流れ落ちる形態で形成されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする、請求項1に記載のビデ。
【請求項4】
前記本体部は、前記洗浄ノズル部と前記排出口との間に前記洗浄ノズル部の前面から前方に傾斜するように突出した突出段を含み、
前記排出口から排出された汚染防止水は、前記突出段によって案内されながら前記陶器内に落下して前記汚染防止水膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載のビデ。
【請求項5】
前記突出段は下側に行くほど傾きが小さくなり、
前記突出段の前方終端は、前記突出段から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部の前面を伝って流れるように前記洗浄ノズル部と同一平面をなすか、前記突出段から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部の前面に離隔した状態で落下するように前記洗浄ノズル部より前方にさらに突出することを特徴とする、請求項4に記載のビデ。
【請求項6】
前記汚染防止モジュールは、
原水が流入する原水流入部と、
および前記原水流入部から流入した原水を貯蔵するチャンバと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のビデ。
【請求項7】
前記汚染防止モジュールは、前記チャンバに流入する原水の圧力を調節する加圧部材をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のビデ。
【請求項8】
前記汚染防止モジュールは、前記排出口の上側に形成されて、前記排出口から排出される前記汚染防止水の流路をガイドするガイド部材をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のビデ。
【請求項9】
前記汚染防止モジュールは、前記ガイド部材を駆動する駆動部材をさらに含み、
前記制御部は、
前記ガイド部材が前記排出口の前方側に位置して前記汚染防止水を下側にガイドするように前記駆動部材を制御する、または
前記ガイド部材が前記排出口の上側に位置して前記汚染防止水を前方側にガイドするように前記駆動部材を制御することを特徴とする、請求項8に記載のビデ。
【請求項10】
前記排出口は前記洗浄ノズル部の幅より広い幅を有するように形成されることを特徴とする、請求項6に記載のビデ。
【請求項11】
前記チャンバは円形または楕円形断面を有するように形成されることを特徴とする、請求項6に記載のビデ。
【請求項12】
前記制御部は、前記便座が上側に回転された時に前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする、請求項1に記載のビデ。
【請求項13】
前記汚染防止モジュールは、前記便座が上側に回転されたかどうかを感知する回転感知センサをさらに含み、
前記回転感知センサは、
前記便座の回転変位を感知する、または
前記便座または前記本体部のうちいずれか一つに設置されるマグネチックの磁力を感知することを特徴とする、請求項12に記載のビデ。
【請求項14】
前記制御部は、前記マグネチックの磁力変化で前記便座が上側に回転されたことが感知されたときから一定時間の間前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュールを制御する、請求項13に記載のビデ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデに関し、より詳細には、洗浄ノズル部の汚染が防止される汚染防止水膜を形成するビデに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデは洋式便器に設置されて、ビデ本体に備えられるノズルを通じて洗浄水を噴射させて排出器官を洗浄する装置である。
【0003】
このようなビデ10は、図1および図2に図示されている通り、洋式便器1の上側に設置され、洗浄ノズル部14が備えられる本体部12および前記本体部12に回転可能に備えられて着席面を形成する便座16および便器カバー17、前記洗浄ノズル部14の作動および便座16の温度などを制御する制御部で構成される。
【0004】
一方、男性の場合、小便を排泄するときに洋式便器1の前面に起立した状態で便座16を持ち上げてから小便を排泄するが、このとき、小便の落差が大きくて洋式便器の陶器2の内壁面や前記陶器2に残存する残存水に当たって飛び散って洗浄ノズル部14に小便の粒子が飛散され得る。
【0005】
特開2018-102371号公報を参照すると、直立した状態で小便時に小便の粒子が周辺に飛び散る現象および洋式便器の水を流す時(フラッシングする時)、飛散する水しぶきによって汚染物質がトイレ内に飛散することを遮断するために、便座に折り畳み式遮壁またはエアカーテンを形成する送風口を具備する技術が開示されている。
【0006】
しかし、このような折り畳み式遮壁またはエアカーテンを具備する送風口が備えられるとしても、陶器2内で小便の運動エネルギーによって水と共に混ざって飛散する汚染物質が洗浄ノズル部14に付着して汚染する、または小便が直接洗浄ノズル部14に向かうことによって洗浄ノズル部14が汚染されるという問題点は解決されない。
【0007】
また、韓国公開特許第10-2012-0086891号公報を詳察すると、便器で発生する悪臭を遮断するために、洋式便器内に噴霧群を形成して用便が体から排出されるやいなや排出された用便が噴霧群内に包囲されて悪臭が周辺に広がらないようにする技術が開示されている。
【0008】
しかし、このような噴霧群を利用した悪臭遮断機能も、陶器2内で小便の運動エネルギーによって水と共に混ざって飛散する汚染物質が洗浄ノズル部14に付着して洗浄ノズル部14が汚染される、または尿線が直接洗浄ノズル部14に向かうことによって洗浄ノズル部が汚染されるという問題点は解決されない。
【0009】
また、洗浄ノズル部14が汚染された状態が持続すると汚物による悪臭が持続的に発生し、汚物がついた状態で使う、または細菌が繁殖した状態で使う場合、感染が懸念される問題がある。
【0010】
したがって、洗浄ノズル部14に汚物がつくことを根本的に遮断できるビデの必要性が台頭している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2018-102371号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2012-0086891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記問題を解決するために、本発明は汚染防止水膜を形成して直立小便時に小便などが洗浄ノズル部に接触することを遮断するビデを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために本発明に係るビデは、使用者の排泄物を収容する陶器が形成された洋式便器の上側に装着される本体部と、前記本体部に備えられ、使用者が着座する着席面を形成する便座と、前記本体部に結合され、前記使用者の身体を洗浄する洗浄水を噴射する洗浄ノズル部と、前記本体部に備えられ、前記洗浄ノズル部の汚染を防止するための汚染防止水を排出する排出口を含む汚染防止モジュールと、前記汚染防止モジュールの動作を制御する制御部と、を含み、前記汚染防止モジュールの前記排出口は、前記洗浄ノズル部から上側に離隔した位置に前記本体部の表面が開口されて形成され、前記排出口から前記洋式便器の陶器内に吐出されて前記使用者と前記洗浄ノズル部との間を遮断する汚染防止水膜が形成されるように前記洗浄ノズル部の前面に汚染防止水を排出することを特徴とする。
【0014】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記制御部は、前記汚染防止水膜が前記洗浄ノズル部の前面から離隔した空間に形成されるように前記汚染防止水が前記汚染防止モジュールから噴射されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記制御部は、前記汚染防止水膜が前記洗浄ノズル部の前面を伝って流れ落ちる形態で形成されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする。
【0016】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記本体部は、前記洗浄ノズル部と前記排出口との間に前記洗浄ノズル部の前面から前方に傾斜するように突出した突出段を含み、前記排出口から排出された汚染防止水は、前記突出段によって案内されながら前記陶器内に落下して前記汚染防止水膜を形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記突出段は下側に行くほど傾きが小さくなり、前記突出段の前方終端は前記突出段から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部の前面を伝って流れるように前記洗浄ノズル部と同一平面をなすか、前記突出段から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部の前面に離隔した状態で落下するように前記洗浄ノズル部より前方にさらに突出することを特徴とする。
【0018】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記汚染防止モジュールは、原水が流入する原水流入部と、前記原水流入部から流入した原水を貯蔵するチャンバと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記汚染防止モジュールは、前記チャンバに流入する原水の圧力を調節する加圧部材をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記汚染防止モジュールは、前記排出口の上側に形成されて、前記排出口から排出される前記汚染防止水の流路をガイドするガイド部材をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記汚染防止モジュールは、前記ガイド部材を駆動する駆動部材をさらに含み、前記制御部は、前記ガイド部材が前記排出口の前方側に位置して前記汚染防止水を下側にガイドするように前記駆動部材を制御する、または前記ガイド部材が前記排出口の上側に位置して前記汚染防止水を前方側にガイドするように前記駆動部材を制御することを特徴とする。
【0022】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記排出口は前記洗浄ノズル部の幅より広い幅を有するように形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記チャンバは円形または楕円形断面を有するように形成されることを特徴とする。
【0024】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記制御部は、前記便座が上側に回転された時に前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする。
【0025】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記汚染防止モジュールは、前記便座が上側に回転されたかどうかを感知する回転感知センサをさらに含み、前記回転感知センサは、前記便座の回転変位を感知する、または前記便座または前記本体部のうちいずれか一つに設置されるマグネチックの磁力を感知することを特徴とする。
【0026】
本発明の実施例に係るビデにおいて、前記制御部は、前記マグネチックの磁力変化で前記便座が上側に回転されたことが感知されたときから一定時間の間前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュールを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
前記の構成により、本発明に係るビデは、使用者と洗浄ノズル部間に汚染防止水膜を形成することによって、直立小便時にも小便が洗浄ノズル部に接触することを遮断することによって、衛生性が向上する効果がある。
【0028】
本発明の実施例に係るビデは、汚染防止水膜が洗浄ノズル部の表面を伝って流れることによって、直立小便時に小便が洗浄ノズル部に接触することが遮断されることはもちろん、小便時に陶器内で飛散する汚染物の粒子が洗浄ノズル部に接触することも遮断されることによって、衛生性が向上する効果がある。
【0029】
本発明の実施例に係るビデは、直立小便時に便座を持ち上げることを感知して汚染防止水膜を吐出することによって、別途のスイッチを作動させなくても慣習的に行っていた動作を信号で作動することによって使用者の便宜性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来のビデが設置された洋式便器を図示した図面である。
図2】従来の洋式便器に設置されたビデに小便が接触する姿を図示した図面である。
図3】本発明の一実施例に係るビデが洋式便器に設置される姿を図示した分解斜視図である。
図4図3のビデ本体部から汚染防止水膜が吐出される姿を図示した図面である。
図5図3のビデの構成を概略的に図示した図面である。
図6図3のビデ本体部の断面図である。
図7図3のビデ本体部内部に備えられたチャンバを図示した図面である。
図8図3のビデの便座が回転されて持ち上げられる姿を図示した図面である。
図9】本発明の他の実施例に係るビデの本体部を図示した図面である。
図10図9のビデ本体部から汚染防止水膜が吐出される姿を図示した図面である。
図11】本発明のさらに他の実施例に係るビデの本体部で駆動部材によって駆動されるガイド部材を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書および請求の範囲に使われた単語と用語は通常的または辞書的な意味で限定解釈されず、自身の発明を最善の方法で説明するために発明者が用語と概念を定義できる原則に則って本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は本発明の好ましい一実施例に該当し、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので該当構成は本発明の出願時点でこれを代替する多様な均等物と変形例があり得る。
【0033】
本明細書で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを説明しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0034】
或る構成要素が他の構成要素の「前方」、「後方」、「上部」または「下部」にあるとは、特別な事情がない限り他の構成要素と直接に接して「前方」、「後方」、「上部」または「下部」に配置されることだけでなく、その中間にさらに他の構成要素が配置される場合も含む。また、或る構成要素が他の構成要素と「連結」されているとは、特別な事情がない限り互いに直接連結されることだけでなく間接的に互いに連結される場合も含む。
【0035】
以下では、図面を参照して本発明の実施例に係るビデを説明する。
【0036】
図3は本発明の一実施例に係るビデ100が洋式便器1に設置される姿を図示した分解斜視図であり、図4はビデ本体部から汚染防止水膜が吐出される姿を図示した図面であり、図5はビデの構成を概略的に図示した図面であり、図6はビデ本体部の断面図であり、図7はビデ本体部内部に備えられたチャンバを図示した図面であり、図8はビデの便座が回転されて持ち上げられた姿を図示した図面である。
【0037】
図3図5に図示された通り、本発明の一実施例に係るビデ100は、本体部110と便座120、洗浄ノズル部130、汚染防止モジュール140および制御部150を含むことができる。
【0038】
前記本体部110は洋式便器1の上側に設置され得る。一般的に、洋式便器1は使用者の排泄物を収容する陶器2が形成され、前記陶器2の上側は開口され、前記陶器2の後側に水タンク3または水下ろしレバーなどが設置されるが、前記本体部110は前記洋式便器1の上側の前記陶器2の後側に設置され得る。
【0039】
また、前記便座120は使用者が着座する着席面を形成し、前記本体部110に回転可能に結合されて小便などの時には持ち上げ、その他には下ろして着席面を形成することができる。また、前記便座120には温熱機能などが備えられて着座する時に不快感を最小化することができる。
【0040】
前記洗浄ノズル部130は前記本体部110に備えられるが、前記洗浄ノズル部130は必要に応じて便座120の下側に突出されて使用者の身体に洗浄水を噴射することによって洗浄するように備えられる。このような洗浄ノズル部130は前記本体部110の前面の下側に備えられ得る。
【0041】
また、前記汚染防止モジュール140は前記洗浄ノズル部130の汚染を防止するための汚染防止水を排出するように前記本体部110に備えられ得る。
【0042】
前記汚染防止モジュール140は、前記汚染防止水を吐出して汚染防止水膜Wを形成するように前記本体部110に備えられ、前記本体部110には前記汚染防止水が吐出される排出口112が形成され得る。この時、前記排出口112は前記本体部110の前記洗浄ノズル部130の上側に離隔した位置に前記本体部110の表面が開口されて形成され得る。
【0043】
したがって、前記排出口112から吐出される汚染防止水膜Wは、前記洗浄ノズル部130の上側から前記洋式便器1の陶器2内に吐出されることによって前記洗浄ノズル部130の前面に水膜を形成して、使用者と前記洗浄ノズル部130との間を遮断して、直立小便時に小便などが前記洗浄ノズル部130に接触することを防止することができる。
【0044】
また、前記制御部150は前記洗浄ノズル部130の動作および前記汚染防止モジュール140の動作を制御するように備えられ得る。
【0045】
前記制御部150は、前記汚染防止水膜Wが前記洗浄ノズル部130の前面から離隔した空間に形成されるように前記汚染防止水が前記汚染防止モジュール140から噴射されるように前記汚染防止モジュール140を制御することができる。
【0046】
本実施例で、前記汚染防止水膜Wは前記洗浄ノズル部130の上側から吐出されて前記洗浄ノズル部130の上側と前側に離隔した状態の水膜を形成するものを例に挙げて説明する。
【0047】
前記汚染防止モジュール140は原水流入部142、加圧部材144、およびチャンバ146を含むことができる。前記原水流入部142は前記洋式便器1またはビデ100本体部110に水が供給される部分であり、上水または中水などが流入され得る。
【0048】
前記汚染防止水膜Wが適切な強度で形成されるためには適切な圧力が形成される必要がある。前記チャンバ146は前記原水流入部142に流入した原水を一時貯蔵し、前記排出口112を通じて吐出される汚染防止水が一定時間の間均一に吐出され得るように、流入した原水を一時貯蔵しながら一定圧力を形成する構成要素である。
【0049】
前記原水流入部142を通じて流入する上水または中水などの水圧が充分でない場合には前記チャンバ146に水が満ちる速度が遅くなり、また圧力も低く形成され得るので、前記チャンバ146に流入する水を加圧する加圧部材144が備えられ得る。もちろん、前記加圧部材144は必要に応じて備えられない構成もあり得る。または前記原水流入部142に流入する上水または中水の圧力が過度な場合、前記加圧部材144で適切な圧力に減圧されることもある。
【0050】
一方、前記チャンバ146は前記チャンバ146内部に圧力が均一に形成されるように円形または楕円形の断面を有するように形成され得る。
【0051】
前記排出口112は前記チャンバ146から延び、厚さが薄く、左右の幅方向に長さが長いスリット(slit)の形態で形成され得る。
【0052】
このとき、前記排出口112は前記洗浄ノズル部130の幅より広い幅を有するように形成され得る。これは前記排出口112から吐出される汚染防止水膜Wの幅が前記洗浄ノズル部130より広いようにするためである。
【0053】
また、前記本体部110の前記洗浄ノズル部130と前記排出口112の間に前記洗浄ノズル部130の前面から前方に傾斜するように突出した突出段114が形成され得る。
【0054】
したがって、前記排出口112から排出された汚染防止水は前記排出口112から前記陶器2内に直接吐出されるか、または前記突出段114を伝って流れ落ちながら案内されて前記陶器2内に落下して前記汚染防止水膜Wを形成することができる。
【0055】
前記突出段114は下側に行くほど傾きが低くなるように弯曲するように形成され、前記突出段114の前方終端は前記洗浄ノズル部130と同一平面をなして前記突出段114の終端から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部130の前面を伝って流れ落ちるように形成されてもよい。
【0056】
または前記突出段114から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部130の前面に離隔した状態で落下するように、前記突出段114が前記洗浄ノズル部130より前方にさらに突出され得る。
【0057】
一方、前記制御部150は、前記便座120が上側に回転されて反らされたときに前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュール140を制御することができる。
【0058】
一般的に、男性が起立した状態で小便をするときには便座120を上側に持ち上げた後に小便をするが、前記制御部150は前記便座120が上側に回転されて反らされた場合、小便の意思があると判断して、前記便座120が上側に回転された時に前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュール140を制御することができる。
【0059】
すなわち、前記便座120が上側に回転されたかを感知する回転感知センサ160が備えられ、前記回転感知センサ160で前記便座120が上側に回転されたことが感知されたとき、前記制御部150が、前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュール140を制御する。
【0060】
このような回転感知センサ160は多様な方式で具現が可能であるが、本実施例ではマグネチック162および前記マグネチック162の磁力変化を感知する磁力センサ164として具現されるものを例に挙げて説明する。
【0061】
前記回転感知センサ160は図6に図示された通り、前記便座120または前記本体部110のうちいずれか一つにマグネチック162が設置され、前記便座120が下降されて洋式便器1の上側縁に装着された状態で前記マグネチック162が設置された地点と向かい合う地点に前記マグネチック162の磁力を感知する磁力センサ164を含むことができる。
【0062】
したがって、前記便座120が下降されて前記洋式便器1の上側縁に装着された状態では前記磁力センサ164に前記マグネチック162の磁力が感知され、前記便座120が上側に回転された状態では前記マグネチック162の磁力が感知されないことがある。したがって、前記磁力センサ164で感知されるこのような磁力の変化で前記便座120の回転の有無を判断することができる。
【0063】
もちろん、本発明はこれに限定されるものではなく、前記便座120が上側に回転された時に磁力が感知される位置に前記磁力センサ164が備えられてもよく、多様な構造で具現が可能である。もちろん、前記汚染防止水の吐出の有無を前記回転感知センサ160によらずに前記汚染防止モジュール140を作動させる別途のレバーやボタンなどが備えられてもよい。
【0064】
また、前記制御部150は、前記回転感知センサ160を通じて前記便座120が上側に回転されたことが感知された時から一定時間の間前記汚染防止水が排出されるように前記汚染防止モジュール140を制御することができる。このとき、前記汚染防止水が吐出される持続時間は平均的な小便排出時間を勘案して余裕があるように設定することができる。
【0065】
また、前記制御部150は、前記汚染防止モジュール140の加圧部材144で形成される圧力を制御して、前記汚染防止水膜Wが前記洗浄ノズル部130の上側と前側に離隔した状態を形成する、または前記汚染防止水膜Wが前記本体部110の表面と突出段114を伝って流れ落ちるように制御してもよい。
【0066】
すなわち、前記加圧部材144で前記原水を加圧する圧力を強く形成すれば、前記汚染防止水膜Wは前記洗浄ノズル部130の上側と前側に離隔した状態で形成され、前記加圧部材144で前記原水を加圧する圧力を弱く形成すれば、前記汚染防止水膜Wは前記本体部110の表面と突出段114を伝って流れ落ちて前記洗浄ノズル部130の前面を伝って前記陶器2内に流れ落ちるように形成され得る。
【0067】
したがって、使用者が前記便座120を上側に回転させて持ち上げると、前記汚染防止水膜Wが前記洗浄ノズル部130の上側の前記排出口112から吐出されて前記洋式便器1の陶器2内に吐出されることによって、前記洗浄ノズル部130の前面に水膜を形成することによって使用者と前記洗浄ノズル部130の間を遮断することができる。したがって、使用者の小便が前記洗浄ノズル部130に接触することを遮断することができる。
【0068】
以下では、本発明の他の実施例に係るビデ100を説明する。前述した実施例のビデ100では汚染防止水膜Wが前記洗浄ノズル部130の上側から吐出されて前記洗浄ノズル部130の上側と前側に離隔した状態の水膜を形成するが、本発明の他の実施例のビデによると、前記汚染防止水膜Wが前記洗浄ノズル部130の前面を伝って流れ落ちる形態で形成され得る。
【0069】
図9は発明の他の実施例に係るビデの本体部110を図示した図面であり、図10図9のビデ本体部110で汚染防止水膜Wが吐出される姿を図示した図面である。
【0070】
図9および図10に図示された通り、本実施例に係るビデ100は、本体部110と便座120、洗浄ノズル部130、汚染防止モジュール240および制御部150を含むことができる。
【0071】
ここで、前記本体部110、便座120、洗浄ノズル部130および制御部150の構成は前述した実施例と同一であるので、詳しい説明は省略する。
【0072】
前記汚染防止モジュール240は、前述した実施例と同様に、前記洗浄ノズル部130の汚染を防止するための汚染防止水を排出するように前記本体部110に備えられ得る。
【0073】
また、前記本体部110には前記汚染防止水が吐出される排出口112が形成され得る。このとき、前記排出口112は前記本体部110の前記洗浄ノズル部130の上側に離隔した位置に前記本体部110の表面が開口されて形成され得る。
【0074】
そして、前記汚染防止モジュール240はガイド部材270をさらに含むことができる。前記ガイド部材270は前記排出口112の上側に形成されて、前記排出口112から排出される汚染防止水が前記本体部110の表面に沿って流れて前記洗浄ノズル部130の前面を伝って流れ落ちながら前記洋式便器1の陶器2の内部に落下するように前記汚染防止水を案内することができる。
【0075】
このような前記ガイド部材270は前記排出口112の上側に位置し、前記排出口112の前面に「Γ」字状に折り曲げ形成されて、前面および上側は閉鎖され下側に開口されることによって前記排出口112から吐出される汚染防止水が前記排出口112の前面に位置したガイド部材270により下側に案内されて前記本体部110の表面に沿って流れるように案内することができる。
【0076】
また、前記本体部110の前記洗浄ノズル部130と前記排出口112との間に前記洗浄ノズル部130の前面から前方に傾斜するように突出した突出段114が形成されるが、前記排出口112から排出された汚染防止水は前記排出口112から前記陶器2内に直接吐出されるかまたは前記突出段114を伝って流れ落ちながら案内されて、前記陶器2内に落下しながら前記汚染防止水膜Wを形成することができる。
【0077】
前記突出段114は下側に行くほど傾きが小さくなるように湾曲するように形成され、前記突出段114の前方終端は前記洗浄ノズル部130と同一平面をなして前記突出段114の終端から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部130の前面を伝って流れ落ちるように形成され得る。
【0078】
または前記突出段114で終端から落下する汚染防止水が前記洗浄ノズル部130の前面から離隔した状態で落下するように、前記突出段114は前記洗浄ノズル部130より前方にさらに突出形成され得る。
【0079】
したがって、使用者の小便が前記洗浄ノズル部130に接触することが遮断されることはもちろん、または小便が陶器2内の水に落下して飛散する汚染物の粒子が前記洗浄ノズル部130に付着することも遮断され得る。
【0080】
以下、本発明のさらに他の実施例に係るビデについて説明する。
【0081】
図11は、本発明のさらに他の実施例に係るビデを図示した図面である。
【0082】
本実施例に係るビデは前述した実施例と比較して汚染防止モジュール340に差があるので、以下の説明では前述した実施例のビデ100と差がある前記汚染防止モジュール340についてのみ説明する。
【0083】
前記汚染防止モジュール340は原水流入部(142:図5参照)、チャンバ146、ガイド部材370および駆動部材380を含むことができる。
【0084】
また、前記原水流入部142、チャンバ146などは、前述した一実施例に係るビデ100と同一であるので説明を省略する。
【0085】
前記ガイド部材370は、前記本体部110の排出口112側に可動式で備えられて、前記排出口112の前方側に位置するかまたは前記排出口112の上側に備えられ得る。
【0086】
また、前記ガイド部材370は「-」字状に形成され得る。
【0087】
また、前記ガイド部材370は前記排出口112に回転可能に備えられ、前記制御部150により回転の有無が制御され得る。
【0088】
図11の(a)に図示された通り、前記ガイド部材370が下側に回転されて前記排出口112の前方側に位置した場合、前記汚染防止水は前記洗浄ノズル部130の前面を伝って流れ落ちて陶器2内に落下するように下側に案内され得る。
【0089】
また、図11の(b)に図示された通り、前記ガイド部材370が上側に回転されて前記排出口112の上側に位置した場合、前記排出口112から吐出される汚染防止水が前記排出口112の上側に位置したガイド部材370により前方側に案内されて前記陶器2内に落下して前記汚染防止水膜Wを形成するように案内され得る。
【0090】
前記駆動部材380は前記制御部150の制御により前記ガイド部材370の位置を制御することができる。
【0091】
前記駆動部材380はモータ(図示されず)を含むことができる。すなわち、前記モータの回転軸が前記ガイド部材370の回転軸に直接連結される、または別途の動力伝達機構が前記モータの回転力を前記ガイド部材370に伝達して、前記ガイド部材370が前記排出口112の上側に回転されて前記排出口112の前方側に離脱されるかまたは下側に回転されて前記排出口112の前方側に位置するように駆動させることができる。
【0092】
したがって、使用者が本人の好みに応じて前記汚染防止水膜Wの形態を選択できるため、より使用の便宜性が向上し得る。
【0093】
本発明の実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例によって制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に含まれると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】