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特表2024-514362慢性疼痛の処置のための経皮医薬製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-01
(54)【発明の名称】慢性疼痛の処置のための経皮医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20240325BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20240325BHJP
   A61K 31/196 20060101ALI20240325BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240325BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240325BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240325BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20240325BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20240325BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240325BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61K31/05
A61K31/352
A61K31/196
A61K9/12
A61K9/06
A61P25/04
A61P29/02
A61K9/70
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564654
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2022053730
(87)【国際公開番号】W WO2022224184
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/177,981
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522142752
【氏名又は名称】パイク セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】プラコヤニス、フォティオス エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラザー、タマンナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA24
4C076AA71
4C076BB31
4C076CC01
4C084AA19
4C084MA13
4C084MA27
4C084MA32
4C084MA63
4C084NA05
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086GA14
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA27
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA10
4C086ZA08
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB15
4C206FA31
4C206KA01
4C206KA12
4C206KA13
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA47
4C206MA52
4C206MA83
4C206NA10
4C206ZA08
(57)【要約】
本開示は、慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のための、ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤の経皮投与に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性薬剤テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、および/またはジクロフェナクを単独でまたはそれらの組み合わせで含む、経皮送達用剤形の医薬組成物。
【請求項2】
前記THCが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その固溶体、そのイオン対、その被覆形態、その立体異性体、その固溶体、その溶液、その粉末形態、その液体形態の、単独およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
CBDが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その固溶体、そのイオン対、その被覆形態、その立体異性体、その固溶体、その溶液、その粉末形態、その液体形態の、単独およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ジクロフェナクが、その遊離酸、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その固溶体、その被覆形態、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対の、単独およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ジクロフェナクの塩が、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクエポラミンの、単独およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、ジクロフェナク、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非晶質形態、それらの結晶形態、それらの共結晶形態、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの誘導体、それらの合成形態、それらの生合成形態、それらの活性代謝物、それらの多形体、それらの固溶体、それらの被覆形態、それらのイオン対、およびそれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の活性薬剤を含む経皮送達用剤形の医薬組成物。
【請求項7】
少なくとも約0.5%~約70%(w/w)の前記活性薬剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
少なくとも約2%~約30%の前記活性薬剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
経皮液体製剤、経皮半固体製剤、経皮ゲル製剤、または経皮ポリマーマトリックス製剤、経皮接着マトリックス製剤、フィルム形成ゲル製剤、および/またはフィルム形成スプレー製剤として製剤化される、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激低減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着付与剤、希釈剤、増量剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体または成分をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
0.5%~98%(w/wまたはw/v)の範囲の溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激低減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、粘着付与剤、増量剤、希釈剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体または成分をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記担体が、70%~98%(w/wまたはw/v)の範囲で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
経皮パッチとして製剤化される、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレーとして製剤化される、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、持続放出経皮フィルム、液体リザーバー系、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、マイクロ投与パッチ、粘膜付着パッチ、およびそれらの組み合わせなどの群から選択される経皮パッチとして製剤化される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
患者における慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御に適応される、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投薬レジメンで投与することができる経皮製剤として製剤化される、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
マイクロニードルとして製剤化される、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、ジクロフェナク、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非晶質形態、それらの結晶形態、それらの共結晶形態、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの多形体、それらのイオン対、それらの立体異性体、それらの被覆形態、それらの誘導体、それらの合成形態、それらの生合成形態、それらの活性代謝物、およびそれらの組合せが合成経路によって生成される、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張の増加による疼痛、骨関節炎性疼痛、筋頭痛、緊張性頭痛、偏頭痛、群発性頭痛、非定型顔面痛、連関痛、外陰部痛、肛門周囲痛、およびそれらの任意の組み合わせに関連する症状の処置および/または管理および/または予防および/または制御のために投与される医薬からなる群から選択される少なくとも1つの追加の活性薬剤と共投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
三環系抗うつ薬、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、プレガバリン、バルプロ酸、デュロキセチン、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加の活性薬剤をさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
患者における慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のための方法であって、
慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御を必要とする患者を選択するステップと、
請求項1~21のいずれか一項に記載の経皮医薬組成物を局所的に適用するステップを含む、方法。
【請求項23】
前記慢性疼痛が、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張の増加による疼痛、骨関節炎性疼痛、筋頭痛、緊張性頭痛、片頭痛、群発性頭痛、非定型顔面痛、連関痛、外陰部痛、肛門周囲痛、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記経皮医薬組成物の局所適用が、患者における慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のためであり、前記経皮パッチが、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、10日に1回、および15日に1回からなる群から選択される期間で適用される、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
ある期間にわたって前記経皮パッチの前記活性成分の一定速度での送達をさらに提供する、請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ある期間にわたって前記経皮パッチの前記活性成分の安定した吸収速度をさらに提供する、請求項22~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
ある期間にわたって前記経皮パッチの前記活性成分の一定の血清レベルをさらに達成する、請求項22~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
ある期間にわたって前記経皮パッチの前記活性成分の投与量の変動性の低減をさらに達成する、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
ある期間にわたって治療範囲内の前記経皮パッチの前記活性成分の血漿濃度をさらに提供する、請求項22~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
約0.5ng/mL~約500ng/mLの治療範囲内の前記経皮パッチの前記活性成分の血漿濃度をさらに提供する、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
約0.5ng/mL~約300ng/mLの治療範囲内の前記経皮パッチの前記活性成分の血漿濃度をさらに提供する、請求項22~30のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
疼痛は、神経終末の侵害刺激から生じる。侵害受容性疼痛は、無傷の神経経路を介して脊髄ニューロンに、次いで脳にインパルスを伝達する侵害受容器の侵害刺激によって引き起こされる。末梢神経障害性疼痛は、神経終末の損傷による疼痛であり、大部分は皮膚、特に表皮に見られる。これらの損傷した神経終末は、刺激の非存在下でインパルスを生成することがあり、正常な刺激に対して過敏であることがあり、および/または残存する局所炎症刺激によって誘発されることがある。末梢神経障害性疼痛を引き起こすには、表皮内の非常に少数の損傷した過活動の小さな神経線維でさえ十分である。神経障害性疼痛は消耗性である場合があり、患者の生活の質をかなり低下させ得る。この疼痛は、任意の損傷組織の見かけの治癒を超えて、数ヶ月間または数年間持続する場合がある。
【0002】
神経障害性疼痛は、神経線維の感作をもたらす局所炎症成分を有する。顆粒層に存在し、同じ領域を神経支配する侵害受容器などの他の無傷の神経線維も感作され得、神経障害性疼痛(例えば、痛覚過敏)の臨床症状に関与し得る。これは、灼熱感、すくみ、電気ショック、痒み、うずき、しびれ、痛覚過敏、およびアロディニア(軽い接触または脳卒中などの無痛刺激から生じる疼痛)などの多くの異なる臨床的特徴をもたらす局所神経性炎症の状況をもたらす。
【0003】
末梢神経損傷は、脊髄内での伝達物質放出の増強をもたらし、中枢性感作をもたらし得る。一次求心性神経を介した末梢入力の増加は、中枢性感作および神経障害性疼痛の維持に決定的に関与する。リドカイン5%薬用パッチおよびカプサイシン8%パッチなどの末梢作用性薬物は、神経障害性疼痛症候群における疼痛を軽減する能力を実証している。しかしながら、リドカインパッチは、パッチを切断しなければならず、多くの高齢者は自分の足指に適切に届かないので、特に高齢者による足指への適用は容易でない。カプサイシンクリームおよびパッチの適用は、灼熱感の増加などの我慢できない副作用を誘発することが非常に多く、この副作用を中和するために処置を局所麻酔薬と組み合わせなければならないことが多い。
【0004】
一般的な慢性疼痛において、例えば、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、およびオピオイドなどの経口鎮痛薬は、疼痛を軽減することを目的とするガイドラインの一部である。しかしながら、このような経口鎮痛薬の慢性的な使用は、重篤で致命的な副作用および/または有害な薬物-薬物相互作用を誘発し得る。
【0005】
局所鎮痛剤医薬組成物もまた、慢性疼痛に苦しむ患者を救済するために調査されている。神経障害性疼痛において最も一般的に使用される2つの局所用化合物は、カプサイシン(バニロイド受容体アゴニストおよび逆刺激剤)およびリドカイン(膜安定剤)であり、両方とも明らかな欠点を有する。
【0006】
明らかに、一般的な慢性疼痛および神経障害性疼痛のための処置の選択肢を開発すること、特に、慢性疼痛の処置において使用するための新規かつ有効な医薬組成物であって、患者における副作用が低減された組成物の開発に対する、当技術分野において差し迫った、長い間感じられてきた必要性が残っている。
【0007】
大麻(マリファナ)は、米国においてスケジュールIの薬物である。大麻は、400を超える植物栄養素(微量栄養素)を含有する顕花植物である。100種を超える異なるタイプのテルペノイド、精油、抗酸化剤、およびカンナビノイドがこの植物から抽出されている。全ての植物化学物質から、テトラヒドロカンナビノール(THC)のみが有意な精神活性作用を示した。その精神活性作用および治療効果のために、多くの研究論文がTHCに関して発表されている。THCとは別に、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビゲロール(CBG)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、デルタ9-テトラヒドロカンナビノール(デルタ9THC)などのいくつかの他の成分が研究されており、これらも精神活性作用なしにいくらかの治療効果を示した。大麻およびその誘導体は、疼痛、2型関連の代謝異常、眼内圧低下、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、てんかん、吐気、エイズに関連する疼痛および消耗、関節炎およびリウマチ、偏頭痛、多発性硬化および麻痺に関連する筋痙直、アルコールおよび麻薬禁断症状、ストレスおよび抑うつ、ぜん息、繊維筋肉痛、炎症性疼痛、および化学療法に関連する疼痛および/または炎症の処置に使用することができ、抗菌剤として作用することが示されている。FDAは、デルタ9-THCを含有するドロナビノール(MarinolおよびSyndros)を承認し、これは現在、化学療法処置に関連する吐気、嘔吐、および食欲不振の処置に使用されている。さらに、2016年4月に、FDAは、結節性硬化症(TSC)、ドラベ症候群、およびレノックス・ガストー症候群の処置のためのオーファンドラッグをカンナビジオールに指定した。カンナビジオールは、疼痛および炎症に対する経口的に有効な処置である(非特許文献1)。
【0008】
ジクロフェナクは、鎮痛特性を有するので、慢性および急性両方の疼痛発現を含む様々なタイプの疼痛を処置するために広く使用されている。この薬物は、リウマチ性関節炎、骨関節炎、および強直性脊椎炎などの筋骨格系および関節の障害;滑液包炎および腱炎などの関節周囲の障害;捻挫および挫傷などの軟組織障害、ならびに腎疝痛、急性痛風、月経困難症、およびいくつかの外科手術後などの他の疼痛状態の処置のために投与される。
【0009】
経口経路に関連する欠点を克服することができるジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCの改善された薬物送達系が必要とされている。ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非晶質形態、それらの結晶形態、それらの共結晶形態、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの誘導体、それらの合成形態、それらの生合成形態、それらの活性代謝物、それらのイオン対、それらの固溶体、それらの多形体、それらの立体異性体、それらの被覆形態、溶媒中のそれらの溶液の、単独又はそれらの組み合わせの経皮送達は、経口薬物送達に関連する課題に対処することができ、例えば慢性疼痛の処置、予防、および/または制御として有用である。
【0010】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Costa,B.The non-psychoactive cannabis constituent cannabidiol is an orally effective therapeutic agent in rat chronic inflammatory and neuropathic pain.European Journal of Pharmacology.第556巻、1-3号、2007年2月5日、75-83頁
【発明の概要】
【0012】
本開示は、経皮薬物送達を使用した、例えば慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のための組成物および方法を提供する。経皮薬物送達において、経皮パッチまたは経皮組成物は、皮膚表面に局所的に適用される。経皮パッチまたは経皮組成物の局所適用の持続時間にわたって、薬物は連続的に放出され、無傷の皮膚を通して(経細胞経路、細胞間経路、および経付属器官経路を介して)送達されて全身的な効果を達成する。したがって、経皮組成物または経皮パッチは、一度適用されると、最大1週間、最大15日間であり得るその適用の持続時間に応じて、1日を通して、またはさらには1日を超えて、薬物を体循環に送達することができる。
【0013】
経皮送達は、例えば、現在1日に数回投与されているジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCの投与頻度を低減することができる。経皮送達を介して、例えばジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCの経皮組成物または経皮製剤または経皮パッチを皮膚に局所的に適用し、それによって局所適用の持続時間にわたって薬物を送達することができる。必要に応じて、局所適用の持続時間は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、1週間に1回、15日に1回であり得る。したがって、経皮送達は、投与頻度を減少させることによって、経口送達の複数回投与レジメンを克服することができる。
【0014】
さらに、経皮薬物送達において、薬物は、局所適用の持続時間にわたってゆっくりとかつ連続的に送達され、したがって、1日での複数回投与に関連する薬物血漿濃度のピークおよびトラフがない。したがって、例えば、ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCの経皮送達によって、患者は、薬物血漿濃度の劇的な変化なしに長期間にわたって薬物の治療効果を有することができる。
【0015】
さらに、経皮送達は容易であり、非侵襲性であり、便利である。経皮パッチまたは経皮組成物の投与は、患者が経皮パッチまたは経皮組成物を自身で局所的に適用することができるので、医学的管理を必要としない。したがって、経皮送達は、しばしば痛みを伴い医学的管理を必要とする注射の欠点を克服することができる。
【0016】
ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCに関して、経皮組成物または経皮パッチからの薬物送達の速度を制御することによって薬物血漿濃度を制御することができるので、薬理学的応答の患者間変動性は経皮送達でより小さくなることが予想される。経皮送達では、少量のジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCを経口投与よりも長い期間送達することができる。例えばジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCの経皮製剤はまた、即時放出剤形よりも乱用抑止性を提供する。さらに、何らかの有害作用、副作用、または緊急の場合には、経皮送達は、経皮パッチまたは経皮組成物を皮膚から取り除くことによっていつでも治療を終了する自由を与える。さらに、経皮送達は、経口ジクロフェナク投与に関連する吐気および腹痛という一般的な副作用を回避することができる。
【0017】
慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のための上記の理由により、経皮送達は、従来の送達系よりも患者に優しく、簡略で便利な治療レジメンを提供することができる。経皮送達は、ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCの投与頻度を低減することができる。必要に応じて、投与頻度は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、15日に1回であり得る。
【0018】
薬物の組合せの経皮投与により、2つ以上の薬物を同時に送達してもよい。必要に応じて、薬物の組み合わせ含む経皮パッチまたは経皮組成物の投与頻度は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、15日に1回であり得る。それは、患者のコンプライアンスに対する大きな補強であろう。
【0019】
本開示は、活性薬剤テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、および/またはジクロフェナクを単独でまたはそれらの組み合わせで含む、経皮送達用剤形の医薬組成物を提供する。本開示は、THCが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その固溶体、そのイオン対、その被覆形態、その立体異性体、その固溶体、その溶液、その粉末形態、その液体形態の、単独およびその組合せからなる群から選択される医薬組成物を提供する。本開示は、CBDが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その固溶体、そのイオン対、その被覆形態、その立体異性体、その固溶体、その溶液、その粉末形態、その液体形態の、単独およびその組合せからなる群から選択される医薬組成物を提供する。本開示は、ジクロフェナクが、その遊離酸、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その固溶体、その被覆形態、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対の、単独およびその組合せからなる群から選択される医薬組成物を提供する。本開示は、ジクロフェナクの塩が、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクエポラミンの、単独およびこれらの組み合わせからなる群から選択される医薬組成物を提供する。本開示は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、ジクロフェナク、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非晶質形態、それらの結晶形態、それらの共結晶形態、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの誘導体、それらの合成形態、それらの生合成形態、それらの活性代謝物、それらの多形体、それらの固溶体、それらの被覆形態、それらのイオン対、およびそれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の活性薬剤を含む、経皮送達用剤形の医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも約0.5%~約70%(w/w)の活性薬剤を含む医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも約2%~約30%の活性薬剤を含む医薬組成物を提供する。本開示は、経皮液体製剤、経皮半固体製剤、経皮ゲル製剤、または経皮ポリマーマトリックス製剤、経皮接着マトリックス製剤、フィルム形成ゲル製剤、および/またはフィルム形成スプレー製剤として製剤化された医薬組成物を提供する。本開示は、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激低減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着付与剤、希釈剤、増量剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体または成分をさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、0.5%~98%(w/wまたはw/v)の範囲の溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激低減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、粘着付与剤、増量剤、希釈剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体または成分をさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、担体が70%~98%(w/wまたはw/v)の範囲で存在する医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレーとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、持続放出経皮フィルム、液体リザーバー系、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、マイクロ投与パッチ、粘膜付着パッチ、およびそれらの組み合わせなどの群から選択される経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、患者における慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御に適応される医薬組成物を提供する。本開示は、1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投薬レジメンで投与することができる経皮製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、マイクロニードルとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、ジクロフェナク、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非晶質形態、それらの結晶形態、それらの共結晶形態、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの多形体、それらのイオン対、それらの立体異性体、それらの被覆形態、それらの誘導体、それらの合成形態、それらの生合成形態、それらの活性代謝物、およびそれらの組合せが合成経路によって生成される医薬組成物を提供する。本開示は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張の増加による疼痛、骨関節炎性疼痛、筋頭痛、緊張性頭痛、偏頭痛、群発性頭痛、非定型顔面痛、連関痛、外陰部痛、肛門周囲痛、およびそれらの任意の組み合わせに関連する症状の処置および/または管理および/または予防および/または制御のために投与される医薬からなる群から選択される少なくとも1つの追加の活性薬剤と共投与される医薬組成物を提供する。本開示は、三環系抗うつ薬、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、プレガバリン、バルプロ酸、デュロキセチン、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加の活性薬剤をさらに含む医薬組成物を提供する。
【0020】
本開示は、患者における慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のための方法であって、慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御を必要とする患者を選択するステップと、本開示の経皮医薬組成物を局所的に適用するステップとを含む方法を提供する。本開示は、慢性疼痛が、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張の増加による疼痛、骨関節炎性疼痛、筋頭痛、緊張性頭痛、片頭痛、群発性頭痛、非定型顔面痛、連関痛、外陰部痛、肛門周囲痛、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、方法を提供する。本開示は、経皮医薬組成物の局所適用が、患者における慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のためであり、経皮パッチが、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、10日に1回、および15日に1回からなる群から選択される期間で適用される、方法を提供する。本開示は、ある期間にわたって経皮パッチの活性成分の一定速度での送達をさらに提供する方法を提供する。本開示は、ある期間にわたって経皮パッチの活性成分の安定した吸収速度をさらに提供する方法を提供する。本開示は、ある期間にわたって経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルをさらに達成する方法を提供する。本開示は、ある期間にわたって経皮パッチの活性成分の投与量の変動性の低減をさらに達成する方法を提供する。本開示は、ある期間にわたって治療範囲内の経皮パッチの活性成分の血漿濃度をさらに提供する方法を提供する。本開示は、約0.5ng/mL~約500ng/mLの治療範囲の経皮パッチの活性成分の血漿濃度をさらに提供する方法を提供する。本開示は、約0.5ng/mL~約300ng/mLの治療範囲の経皮パッチの活性成分の血漿濃度をさらに提供する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動してもよいことを理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。
【0022】
本発明の詳細な説明は、読者の便宜のためだけに様々なセクションに分けられ、任意のセクションに見出される開示は、別のセクションの開示と組み合わされてもよい。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかに別段の指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「化合物(a compound)」への言及は、複数の化合物を含む。
【0024】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
【0025】
本明細書で使用される「慢性疼痛」または「慢性疼痛状態」という用語は、例えば、約6~約12週間より長く続く任意の疼痛として定義される。
本明細書で使用される「神経障害性疼痛」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、体性感覚系(中枢および/または末梢)に影響を及ぼす損傷または疾患の直接的または間接的な結果として生じる疼痛を意味する。本明細書で使用される神経障害性疼痛は、全てのタイプの神経障害性疼痛(例えば、1型または2型糖尿病によって引き起こされる末梢神経障害、アルコールなどの様々な有害物質によって誘導される末梢神経障害、様々な欠乏症(例えば、ビタミンB1、B6および/またはB12欠乏症)、様々な中毒(例えば、ビタミンB6過剰症)、甲状腺機能低下、化学療法化合物(例えば、パクリタキセルまたは他のタキサン誘導体、ビンクリスチンまたは他のビンカアルカロイド、シスプラチンまたは他の白金誘導体)、薬物誘導性神経障害、感染性疾患の処置のための化合物(例えば、ストレプトマイシン、ジダノシン、またはザルシタビン)、または任意の他の化学的毒性化合物に起因する)を含む。他の末梢神経障害には以下のものが含まれる:三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、肋間神経痛、絞扼性神経障害(例えば、手根管症候群、足根管症候群、腹部皮膚神経絞扼症候群)、小線維神経障害、遺伝性運動感覚性神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、座骨痛、慢性突発性感覚性神経障害、感染疾患状態(ポリオ後症候群、エイズまたはHIV関連、ライム関連、シェーグレン関連など)、リンパ腫性神経障害、骨髄腫性神経障害、癌性神経障害、急性汎自律性神経障害、血管炎/虚血性神経障害、ならびに他の単および多発性神経障害。さらに、「神経障害性疼痛」という用語には、以下も含まれる:複合性局所疼痛症候群I型およびII型(反射性交感神経性ジストロフィー)、中枢神経障害性疼痛(例えば、視床神経障害、脊髄傷害性神経障害、卒中後疼痛、多発性硬化神経障害、脊髄空洞症、脊髄腫瘍)、幻肢痛、不穏性器(restless genital)症候群(疼痛)、心臓手術および乳房切除術を含む手術後瘢痕疼痛。
【0026】
本明細書で使用される「炎症性疼痛」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、限定されないが、外傷、熱傷、極度の低温、骨折、(骨)関節炎、関節リウマチ、慢性挫傷、手術、感染および自己免疫疾患、過剰なストレッチ、感染症、ならびに血管収縮によって引き起こされ得る炎症から生じる疼痛を意味する。複数の炎症性メディエータは、侵害受容器に直接影響を及ぼし得るか、または炎症領域からいくらか離れていても、接触または運動に対して侵害受容器を感作し得る。
【0027】
本明細書で使用される「筋骨格痛」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、筋骨格系の一部である筋肉、靭帯、腱、骨、関節、および/または軟組織に影響を及ぼす疼痛を意味する。本明細書で使用される筋骨格痛は、日常活動の消耗の結果としての筋肉組織の損傷に起因する全てのタイプの疼痛を含む。ある領域への外傷(痙動、自動車事故、転倒、スポーツ傷害、骨折、捻挫、挫傷、脱臼、および筋肉への直接的な衝撃)もまた、筋骨格痛を引き起こし得る。筋骨格痛の他の原因としては、姿勢の歪み、反復運動、酷使、および長期の固定、筋肉の誤用、線維筋肉痛、腰痛、筋緊張の増加による疼痛、ならびに酷使による腱炎が挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される「処置」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書ではその最も広い状況で考慮されるべきである。「処置」という用語は、望ましくない状態を緩和する目的での、活性化合物、すなわち、例えば、本開示による医薬組成物中の活性医薬成分の局所投与、および状態の程度または症状を排除または低減するための治療的投与を包含することが意図される。処置は、対象が完全に回復するまで処置されることを必ずしも意味しない。
【0029】
本明細書で使用される「鎮痛薬」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、その最も広い状況において疼痛を軽減する化合物、薬剤、薬物、または物質を指す。
本明細書で使用される「共鎮痛薬」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、主な適応症が疼痛緩和以外の目的のためであり、鎮痛活性を示す化合物、薬剤、薬物または物質を指す。
【0030】
本明細書で使用される「鎮痛効果を回復させる」という用語は、その通常の科学的な意味を有し、本明細書では、少なくとも1つの鎮痛化合物または少なくとも1つの共鎮痛化合物を含有する局所製剤を繰り返し使用した後に鎮痛効果の低下が起こる場合に、少なくとも1つの鎮痛化合物または少なくとも1つの共鎮痛化合物の鎮痛効果を回復させる(化合物または組成物の)能力を指す。
【0031】
本明細書で使用される「効果ブースター」または「共鎮痛効果ブースター」または「治療効果ブースター」または「ブースター効果」または「相乗効果」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、1)神経障害疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、および/または他の慢性疼痛状態を緩和する目的での活性医薬成分の増強された治療効果、2)疼痛軽減効果のより速い開始、3)鎮痛のより長い持続時間、および/または4)少なくとも1つの鎮痛化合物(「鎮痛薬」)または共鎮痛化合物を含有する局所医薬組成物の繰り返しの使用後に鎮痛効果の減少が起こる場合の鎮痛効果の回復をもたらす、共鎮痛化合物(「共鎮痛薬」)によって誘導される治療効果の増強を意味する。
【0032】
本明細書で使用される「局所製剤」という用語は、その従来の意味を有し、本明細書では、治療活性化合物が皮膚内におよび/または皮膚を通して浸透する目的で皮膚または粘膜に適用され得る製剤、例えば、本開示の局所医薬組成物、例えば、局所クリームとして提供される医薬組成物を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「経皮送達」という用語は、皮膚を通した体循環への薬物の送達を意味する。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は互換的に使用される。本明細書中で使用される場合、「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物(例えば、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)および霊長類(例えば、サルおよびヒト))、最も好ましくはヒトを指す。いくつかの実施形態は、対象は、家畜(例えば、ウマ、ブタ、もしくはウシ)またはペット(例えば、イヌもしくはネコ)などの非ヒト動物である。特定の実施形態では、対象はヒトである。本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、疾患または状態の予防、処置、管理、および/または診断における使用のための任意の分子、化合物、方法、および/または物質を指す。本明細書中で使用される場合、「有効量」という用語は、疾患もしくは状態、およびその1つ以上の症状の発生、再発、または発症の予防をもたらし、別の治療の予防効果を増強もしくは改善し、疾患もしくは状態の重症度、持続期間を低減し、疾患もしくは状態の1つ以上の症状を改善し、疾患もしくは状態の進行を予防し、疾患もしくは状態の退行をもたらし、かつ/または別の治療の治療効果を増強もしくは改善するのに十分な治療の量を指す。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される」という語句は、連邦政府もしくは州政府の監督官庁によって承認されているか、または米国薬局方、欧州薬局方、もしくは動物、より詳細にはヒトにおける使用のための他の一般的に認識されている薬局方に記載されていることを意味する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「治療剤」という用語は、疾患または障害を処置および/または管理するために使用される任意の分子、化合物、および/または物質を指す。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、疾患もしくは状態、またはその1つ以上の症状の予防、処置、および/または管理において使用することができる任意の方法、組成物、および/または薬剤を指し得る。ある特定の実施形態では、「治療」という用語は、小分子治療を指す。
【0036】
本明細書で使用される「誘導体」または「誘導体化された」という用語は、例えば、本開示の化合物の化学修飾、または植物源から抽出されたもの、またはその薬学的に許容される塩、またはその混合物を含む。すなわち、「誘導体」は、所与の対象において改善された薬理学的機能活性を誘導することができる、本開示の化合物の機能的等価物であり得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、「組成物」および「製剤」という用語は、互換的に使用される。
活性薬剤
「活性成分」という用語は、薬剤、活性成分化合物、またはいくつかの薬理学的な、しばしば有益な効果を提供する他の物質もしくは組成物、およびそれらの混合物を指す。特定の活性成分への言及は、適切な場合、活性成分およびその薬学的に許容される塩を含むものとする。本開示は、例えば、以下の活性薬剤の1つ以上を含む経皮製剤を提供する。
【0038】
カンナビノイドは、大麻種によって産生される21-炭素含有テルペノ-フェノール化合物の群である。カンナビノイドは、合成的に製造することもできる。「カンナビノイド」という用語は、以下、脳内の神経伝達物質の放出を抑制する細胞上のカンナビノイド受容体に作用する多様な化学化合物のクラスを指す。これらの受容体タンパク質には、内在性カンナビノイド(ヒトおよび動物によって体内で天然に産生される)、植物性カンナビノイド(大麻およびいくつかの他の植物において見出される)、および合成カンナビノイドが含まれる。親油性カンナビノイドは、全般的に、内在性カンナビノイド(最も典型的には哺乳動物内在性カンナビノイド)、植物源由来の植物性カンナビノイド、および合成カンナビノイドとして分類される。このようなカンナビノイドはまた、しばしば以下のサブクラスに分類される:カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD;CBDL)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビエルソイン(CBE)、およびカンナビトリオール(CBT)。
【0039】
カンナビジオール
IUPAC名:2-[(1R,6R)-6-イソプロペニル-3-メチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル]-5-ペンチルベンゼン-1,3-ジオール
化学式:C2130
分子量:314.46ダルトン
化学構造を式Iとして以下に示す。
【0040】
【化1】
【0041】
テトラヒドロカンナビノール(THC)
IUPAC名:(-)-(6aR,10aR)-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オール
化学式:C2130
分子量:314.47ダルトン
化学構造を式IIとして以下に示す。
【0042】
【化2】
【0043】
ジクロフェナク
IUPAC名:2-[2-(2,6-ジクロロアニリノ)フェニル]酢酸
分子量:296.15g/mol
分子式:C1411l2NO
化学構造を式IIIとして以下に示す。
【0044】
【化3】
【0045】
本明細書で使用される場合、大麻という用語は、例えば、限定されないが、遊離塩基、もしくは塩、もしくは異性体、もしくは非晶質、もしくは結晶、もしくは共結晶、もしくは固溶体、もしくはプロドラッグ、もしくは類似体、もしくは多形体、もしくは立体異性体、もしくはイオン対、もしくは被覆形態、もしくは誘導体、もしくは代謝物などの、大麻およびその誘導体のすべての薬学的に許容される形態の単独またはそれらの組合せを指す。例えば、カンナビジオールの遊離塩基、またはその塩、またはその異性体、またはその非晶質形態、またはその結晶形態、またはその共結晶形態、またはその固溶体、またはそのプロドラッグ、またはその多形体、または立体異性体、またはイオン対、または被覆されたその類似体、またはその誘導体、または合成形態。化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基塩などの薬学的に許容される塩、またはその水和物を含むその溶媒和物の形態であってもよい。適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成され、例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩である。適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、およびジエタノールアミン塩である。
【0046】
本明細書で使用される場合、「カンナビジオール」という用語は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形、その活性代謝物、そのイオン対、その固溶体、その多形体、その立体異性体、その粉末形態、その液体形態、限定されないがメタノールなどの溶媒中のカンナビジオールの溶液などの、単独またはそれらの組み合わせを含む。
【0047】
本明細書で使用される場合、「THC」という用語は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その固溶体、その粉末形態、その液体形態、その多形体、その立体異性体、限定されないがメタノール、ヘプタンなどの溶媒中のTHCの溶液の、単独またはそれらの組み合わせを含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、「ジクロフェナク」という用語は、その遊離塩基、その遊離酸、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その活性代謝物、その固溶体、その多形体、その立体異性体、そのイオン対の、単独またはそれらの組合せを含む。ジクロフェナクの塩としては、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクエポラミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書で使用する場合、合成カンナビノイドには、少なくとも以下のものが含まれる:AM-087(3位側鎖が置換されたΔ8THCのカンナビノイドアゴニスト誘導体であり、強力なCB1アゴニストである鎮痛薬である);AM-251(CB1カンナビノイド受容体のインバースアゴニストであり、SR141716A(リモナバン)に近い構造類似性を有し、その両方がバイアリールピラゾール(biarylpyrazole)カンナビノイド受容体アンタゴニストおよびμ-オピオイド受容体アンタゴニストである);メタナンダミド(AM-356)(アナンダミドの安定なキラル類似体であり、CB1で17.9nM、CB2で868nMのKiでカンナビノイド受容体に作用する);AM-374(パルミチルスルホニルフルオリド);AM-381(ステアリルスルホニルフルオリド);AM404(N-アラキドノイルアミノフェノールとしても知られ、内在性カンナビノイド、COX、およびTRPV系(そのすべてが疼痛および対応調節の経路に存在する)へのその活性を通してその鎮痛作用を誘導すると考えられるパラセタモール(アセトアミノフェン)の活性代謝物である);AM-411(カンナビノイドアゴニストである鎮痛薬である);AM-411(強力でかなり選択的なCB1完全アゴニストであり、鎮痛、鎮静、および不安緩解などの、他のカンナビノイドアゴニストと同様の効果を生じさせる);AM-630(6-ロドプラバドリン(6-lodopravadoline))(カンナビノイド受容体CB2への強力で選択的なインバースアゴニストとして作用し、弱い部分アゴニストとして作用するCB1よりも選択的である);AM-661(1-(N-メチル‐2ピペリジン)メチル-2-メチル-3-(2-ヨード)ベンゾイルインドール);JWH-018(1-ペンチル-3-(1-ナフトイル)インドール)またはAM-678(CB1およびCB2カンナビノイド受容体の両方で完全アゴニストとして作用し、CB2に対してある程度の選択性を有するナフトイルインドールファミリーの鎮痛化学物質である);AM-679(カンナビノイド受容体に対する中程度に強力なアゴニストとして作用する);AM-694(1-(5-フルオロペンチル)-3-(2-ヨードベンゾイル)インドール)(カンナビノイド受容体CB1に対する強力で選択的なアゴニストとして作用する);AM-735(3-ボルニル-Δ8-THC、混合CB1/CB2アゴニスト);AM-855(CB1およびCB2の両方における鎮痛性カンナビノイドアゴニストであり、CB1に対して中程度の選択性を有する);AM-881(CB1でKi=5.3nM、CB2でKi=95nMであるアナンダミドの塩素置換立体異性体);AM-883(CB1でKi=9.9nM、CB2でKi=226nMであるアナンダミドのアリル置換立体異性体);AM-905(CB1カンナビノイド受容体に対する強力で適度に選択的なアゴニストとして作用する鎮痛性カンナビノイドである);AM-906(カンナビノイドアゴニストであり、CB1カンナビノイド受容体に対する強力で選択的なアゴニストである鎮痛薬である);AM-919(鎮痛性カンナビノイド受容体アゴニストであり、CB1およびCB2の両方に対して強力である);AM-926(CB1およびCB2の両方で強力なアゴニストであり、CB1に対して中程度の選択性を有する);AM-938(カンナビノイド受容体アゴニストである鎮痛薬であり、CB1およびCB2の両方において依然として強力なアゴニストであるが、CB2に対して適度に選択的である);AM-1116(アナンダミドのジメチル化立体異性体);AM-1172(FAAH加水分解に耐性であるAEA取り込みの強力で選択的な阻害剤であるように特別に設計された内在性カンナビノイド類似体);AM-1220(カンナビノイド受容体CB1に対する強力で中程度に選択的なアゴニストである);AM-1221(カンナビノイド受容体CB2に対する強力で選択的なアゴニストとして作用する);AM-1235(1-(5-フルオロペンチル)-3-(ナフタレン-1-オイル)-6-ニトロインドール)(カンナビノイド受容体CB1に対する強力で適度に選択的なアゴニストとして作用する);AM-1241(1-(メチルピペリジン-2-イルメチル)-3-(2-ヨード-5-ニトロベンゾイル)インドール)(カンナビノイド受容体CB2に対する強力で選択的なアゴニストであり、哺乳動物において、特に痛覚過敏およびアロディニアなどの「非定型」疼痛に対して鎮痛効果を有し、哺乳動物モデルにおける筋萎縮性側索硬化症の処置においても有効性を示している);AM-1248(カンナビノイド受容体CB1およびCB2の両方に対して中程度に強力なアゴニストとして作用する);AM-1710(CB1に対して54倍の選択性を有するCB2選択性カンナビラクトン);AM-1714(末梢カンナビノイド受容体CB2の適度に選択的なアゴニストとして作用し、鎮痛および抗アロディニア効果の両方を有する);AM-2201(1-(5-フルオロペンチル)-3-(1-ナフトイル)インドール)(カンナビノイド受容体に対する強力であるが非選択的な完全アゴニストとして作用する);AM-2212(CB1およびCB2の両方における強力なアゴニスト);AM-2213(CB1およびCB2の両方における強力なアゴニスト);AM-2232(1-(4-シアノブチル)-3-(ナフタレン-1-オイル)インドール)(カンナビノイド受容体CB1およびCB2に対する強力であるが非選択的なアゴニストとして作用する);AM-2233(カンナビノイド受容体CB1およびCB2に対する非常に強力な完全アゴニストとして作用し、JWH-018よりも低いがWIN55,212-2よりも高い効力で、特定の哺乳動物研究において完全にTHCの代わりとなることが見出されている);AM-2389(CB1受容体に対する強力で適度に選択的なアゴニストとして作用する);AM-3102(オレオイルエタノールアミドの類似体(増殖因子活性化受容体α(PPARα)の内因性アゴニスト)であり、CB1およびCB2で弱いカンナビノイドアゴニストとして作用する);AM-4030(CB1およびCB2の両方で強力なアゴニストであるが、CB1に対して適度に選択的でもある鎮痛薬);AM-4054(強力であるが、CB2よりもCB1親和性およびCB1選択性を有する遅効性アゴニストである);AM-4113(CB1選択的ニュートラルアンタゴニスト);AM-6545(CB1に対する末梢選択的サイレントアンタゴニストとして作用し、肥満の処置のために開発された);JWH-007(CB1受容体およびCB2受容体の両方でカンナビノイドアゴニストとして作用し、CB2に対してある程度の選択性を有する鎮痛薬であり、JWH-007は、CB1受容体およびCB2受容体の両方でカンナビノイドアゴニストとして作用する鎮痛薬である);JWH-015(CB1よりもほぼ28倍強くCB2に結合するサブタイプ選択的カンナビノイドアゴニストとして作用し、免疫調節効果を有することが示されており、疼痛および炎症の処置に有用であり得る);JWH-018(CB1およびCB2カンナビノイド受容体の両方で完全アゴニストとして作用し、THCと同様の効果を生じさせる鎮痛薬);JWH-019(CB1およびCB2受容体の両方におけるアゴニストであり、CB1およびCB2受容体の両方においてカンナビノイドアゴニストとして作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛薬である);JWH-030(CB1受容体における部分アゴニストである鎮痛薬);JWH-047(CB2受容体に対する強力で選択的なアゴニスト)、JWH-048(CB2受容体に対する強力で選択的なアゴニスト)、JWH-051(CB1受容体に対して高い親和性を有するが、CB2に対してはるかに強いアゴニストである鎮痛薬)、JWH-057(CB2受容体に対して非常に高い親和性を有するが、CB1受容体に対しても高い親和性を有するΔ8-THCの1-デオキシ類似体);JWH-073(CB1およびCB2受容体の両方でカンナビノイドアゴニストとして作用する鎮痛薬。これはCB1サブタイプに対してある程度選択的である);JWH-081(カンナビノイドCB1およびCB2受容体の両方でアゴニストとして作用する鎮痛薬);JWH-098(強力でかなり選択的なCB2アゴニスト);JWH-116(CB1リガンド);JWH-120(強力で173倍選択的なCB2アゴニスト);JWH-122(強力でかなり選択的なCB1アゴニスト);JWH-133(強力で非常に選択的なCB2受容体アゴニスト);1JWH-139(3-(1,1-ジメチルプロピル)-6,6,9-トリメチル-6a,7,10,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン);JWH-147(CB1およびCB2受容体の両方でカンナビノイドアゴニストとして作用する、ナフトイルピロールファミリーの鎮痛薬);JWH-148(CB1サブタイプよりも8倍超の選択性を有する、CB2受容体に対する中程度に選択的なリガンド);JWH-149(強力でかなり選択的なCB2アゴニスト);JWH-161(CB1リガンド);JWH-164(強力なカンナビノイドアゴニスト);JWH-166(強力で非常に選択的なCB2アゴニスト);JWH-167(フェニルアセチルインドールファミリーの弱いカンナビノイドアゴニスト);JWH-171(カンナビノイド受容体アゴニストとして作用する鎮痛薬);JWH-175((1-ペンチルインドール-3-イル)ナフタレン-1-イルメタン、CB1で22nM)、JWH-176(1-([(1E)-3-ペンチルインデン-1-イリジン]メチル)ナフタレン);JWH-181(強力なカンナビノイドアゴニスト);JWH-182(CB1に対してある程度の選択性を有する強力なカンナビノイドアゴニスト);JWH-184(1-ペンチル-1H-インドール-3-イル-(4-メチル-1-ナフチル)メタン);JWH-185(1-ペンチル-1H-インドール-3-イル-(4-メトキシ-1-ナフチル)メタン);JWH-192((1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メチルナフタレン-1-イルメタン);JWH-193((1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メチルナフタレン-1-イルメタノン);JWH-194(2-メチル-1-ペンチル-1H-インドール-3-イル-(4-メチル-1-ナフチル)メタン);JWH-195((1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-ナフタレン-1-イルメタン);JWH-196(2-メチル-3-(1-ナフタレニルメチル)-1-ペンチル-1H-インドール);JWH-197(2-メチル-1-ペンチル-1H-インドール-3-イル-(4-メトキシ-1-ナフチル)メタン);JWH-198((1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メトキシナフタレン-1-イルメタノン);JWH-199((1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メトキシナフタレン-1-イルメタン);JWH-200(カンナビノイド受容体アゴニストとして作用するアミノアルキルインドールファミリーの鎮痛薬);JWH-203(CB1およびCB2受容体の両方でほぼ等しい親和性を有するカンナビノイドアゴニストとして作用する、フェニルアセチルインドールファミリーの鎮痛薬);JWH-205(142-メチル-1-ペンチルインドール-3-イル)-2-フェニルエタノン);JWH-210(CB1およびCB2受容体の両方で強力なカンナビノイドアゴニストとして作用する、ナフトイルインドールファミリーの鎮痛薬);JWH-213(強力でかなり選択的なCB2アゴニスト);JWH-229(1-メトキシ-3-(1’,1’-ジメチルヘキシル)-Δ8-THC、強力なCB2アゴニストであるジベンゾ
ピランカンナビノイド);JWH-234(CB2に対する選択性を有するカンナビノイドアゴニスト);JWH-250(CB1およびCB2受容体の両方でカンナビノイドアゴニストとして作用するフェニルアセチルインドールファミリーの鎮痛薬);JWH-251(1-ペンチル-3-(2-メチルフェニルアセチル)インドール);JWH-258(強力で軽度に選択的なCB1アゴニスト);JWH-302(1-ペンチル-3-(3-メトキシフェニルアセチル)インドール);JWH-307(CB1およびCB2受容体の両方でカンナビノイドアゴニストとして作用し、CB2サブタイプに対してある程度選択的である、ナフトイルピロールファミリーの鎮痛薬);JWH-350(11-ノル-1-メトキシ-3-(1’,1’-ジメチルヘプチル)-9α-ヒドロキシヘキサヒドロカンナビノールは、CB2受容体に対して33倍の選択性および高いCB2受容体親和性を有し、CB1受容体に対してほとんど親和性を有さない);JWH-359(強力で選択的なCB2受容体アゴニストであるジベンゾピランカンナビノイド);JWH-387(1-ペンチル-3-(4-ブロム-1-ナフトイル)インドール、ナフトイルインドールファミリーの鎮痛薬であり、受容体CB1およびCB2の両方で強力なカンナビノイドアゴニストとして作用する);JWH-398(CB1で2.3nM、CB2で2.8nMのKiを有する、両方の受容体で強力なカンナビノイドアゴニストとして作用する、ナフトイルインドールファミリーの鎮痛化学物質);JWH-424(CB2で5.44nM、CB1で20.9nMのKiを有する、強力で中程度に選択的なCB2アゴニスト);HU-210(大麻由来の天然THCよりも100~800倍強力なカンナビノイドであり、延長された作用持続時間を有し、天然THCと同じ効果の多くを有するポンテント(ponntent)鎮痛薬である);アジュレム酸(AB-III-56、HU-239、IP-751、CPL7075、CT-3、Resunab)(主観的な「高」を引き起こすことなく有用な鎮痛効果および抗炎症効果を示す非精神活性THC代謝物11-ノル-9-カルボキシ-THCのカンナビノイド誘導体である。これは、神経障害性疼痛および関節炎などの炎症状態の処置、ならびに生命を脅かす炎症性の希少性疾患の処置のために開発されている);HU-243(AM-4056)(CB1およびCB2受容体の両方において強力なアゴニストであるカンナビノイドである);HU-308(カンナビノイドアゴニストとして作用し、CB2受容体サブタイプに対して非常に選択的である。それは、鎮痛効果を有し、神経幹細胞の増殖を促進し、TNF-αの阻害を介して酸化ストレスから肝臓および血管組織の両方を保護する);HU-331(カンナビジオールから合成されるキノン抗発癌物質である);HU-336(強力な抗血管新生化合物であり、血管新生促進および抗血管新生サイトカインならびにそれらの受容体の発現を変化させることなく、血管内皮細胞のアポトーシスを直接誘導することによって血管新生を阻害する);HU-345(カンナビノールキノン)(その親化合物カンナビノールよりも強力に大動脈環血管新生を阻害することができる薬物である);CP47,497または(C7)-CP47,497(カンナビノイド受容体アゴニスト薬物である)。
【0050】
本開示はまた、カンナビノイドの生合成のための方法、ならびにカンナビノイドおよびカンナビノイド類似体の製造に使用され得る生合成酵素の産生のための真核または原核発現系の使用のための方法を提供する。酵母ならびに真核細胞および原核細胞は、カンナビノイド酸シンターゼ酵素のクローニングおよび発現に適しており、大腸菌、酵母、およびバキュロウイルス宿主を含むが、これらに限定されない。したがって、本開示は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)シンターゼおよびカンナビジオール酸(CBDA)シンターゼを含むがこれらに限定されないカンナビノイド酸シンターゼ酵素を使用して、例えばジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHCなどの生合成カンナビノイドを生成する方法を提供する。本開示はさらに、例えば、生合成CBDを単独で、または他の活性薬剤と組み合わせて含む、本明細書に開示される経皮組成物を提供する。
【0051】
ジクロフェナク
ジクロフェナクは、化学的に[(2,6-ジクロロ-アニリノ)-2-フェニル]-2-酢酸として知られている分子量296.1ダルトンの非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)である。
【0052】
【化4】
【0053】
この薬物は、Ciba-Geigyの科学者によって1960年代に開発され、米国におけるCataflam(商標)およびVoltaren(登録商標)を含む様々な商品名でNovartisによって世界中で販売されている。ジクロフェナクカリウムの湿式造粒製剤を開発して、吸収速度を増加させ、その薬物動態特性を市販のジクロフェナクカリウム錠剤に対して試験した。(Reiner et al.,Increased absorption rate of diclofenac from fast acting formulations containing its potassium salt. Arzniem-Forsch./Drug Res.2001;51:885-890)。著者らによれば、顆粒製剤は、ジクロフェナクカリウム錠剤よりも高いCmax、より短いTmax(すなわち、Cmaxまでの時間)、および錠剤形態と比較した場合に同様のAUCを示した。
【0054】
ジクロフェナクは、その化合物が鎮痛特性を有するので、慢性および急性の両方の痛みの発現を含む様々なタイプの疼痛を処置するために広く使用されている。この薬物は、リウマチ性関節炎、骨関節炎、および強直性脊椎炎などの筋骨格系および関節の障害;滑液包炎および腱炎などの関節周囲の障害;捻挫および挫傷などの軟組織障害、ならびに腎疝痛、急性痛風、月経困難症、およびいくつかの外科的処置後などの他の疼痛状態の処置のために投与される(Martindale(2000)Diclofenac.In:Reynolds,The Extra Pharmacopoeia.London:The Pharmaceutical Press;p.31-33)。ジクロフェナクはまた、75mg筋肉内注射(Del Bene et al.,Intramuscular treatment of migraine attacks using diclofenac sodium:a cross-over trial.J.Int.Med.Res.1987;1544-8)、100mg坐剤(Del Bene et al., Migraine attack treatment with diclofenac sodium.Cephalalgia 1985;5:144-5)、および50mg腸溶性錠剤(Massiou et al.,Effectiveness of oral diclofenac in the acute treatment of common migraine attacks:a double blind study versus placebo.Cephalalgia 1991;1:59-63)を含む様々な用量および剤形を使用して、片頭痛発作由来の頭痛の処置のために研究されている。
【0055】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載の経皮組成物は、慢性疼痛の予防および/または処置のためのものである。特定の実施形態によれば、本明細書に記載される経皮組成物は、慢性疼痛の重症度の低減のためのものである。
【0056】
本明細書に記載の特定の実施形態によれば、医薬組成物または経皮製剤は、カンナビジオールおよび/またはTHCおよび/またはジクロフェナク、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非晶質形態、それらの多形体、それらのイオン対、それらの立体異性体、それらの被覆形態、それらの固溶体、溶媒中のそれらの溶液、それらの結晶形態、それらの共結晶形態、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの誘導体、それらの合成形態、それらの生合成形態、それらの活性代謝物を、単独でまたはそれらの組み合わせで含有する。より好ましくは、経皮製剤は、カンナビジオール、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、その多形体、そのイオン対、その立体異性体、その被覆形態、カンナビジオールのメタノール溶液、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物を、単独でまたはそれらの組み合わせで含んでもよい。より好ましくは、経皮製剤は、THC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その生合成形態、その活性代謝物、その多形体、その立体異性体、そのイオン対、その被覆形態、THCのメタノール溶液を、単独でまたはそれらの組み合わせで含んでもよい。より好ましくは、経皮製剤は、ジクロフェナク、その遊離塩基、その遊離酸、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態、その活性代謝物、その固溶体、その多形体、その立体異性体、そのイオン対を、単独でまたはそれらの組合せで含んでもよい。
【0057】
本明細書で使用される場合、活性薬剤という用語は、例えば、限定されないが、遊離塩基、もしくは塩、もしくは異性体、もしくは非晶質、もしくは多形体、もしくはイオン対、もしくは立体異性体、もしくは被覆形、もしくは結晶、もしくは共結晶、もしくは固溶体、もしくはプロドラッグ、もしくは類似体、もしくは誘導体、もしくは代謝物などの、活性薬剤およびその誘導体のすべての薬学的に許容される形態の単独またはそれらの組合せを指す。例えば、活性薬剤の遊離塩基、またはその塩、またはその多形体、またはそのイオン対、またはその異性体、またはその被覆形態、またはその異性体、またはその非晶質形態、またはその結晶形態、またはその共結晶形態、またはその固溶体、またはそのプロドラッグ、またはその類似体、またはその誘導体、または合成形態。化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基塩などの薬学的に許容される塩、またはその水和物を含むその溶媒和物の形態であってもよい。適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成され、例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩である。適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、およびジエタノールアミン塩である。活性成分は、遊離塩基の形態または薬学的に許容される塩の形態で存在し得る。本発明の一部を形成する薬学的に許容される塩は、カルボン酸部分の塩(例えば、Li塩、Na塩、およびK塩のようなアルカリ金属塩;Ca塩およびMg塩のようなアルカリ土類金属塩;リジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリンなどのような有機塩基の塩;アンモニウム塩または置換アンモニウム塩、およびアルミニウム塩)を規定することが意図されるが、これらに限定されない。塩は、限定されるものではないが、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化水素酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモ酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩などを規定する酸付加塩であってもよい。
【0058】
本明細書で使用される場合、活性薬剤という用語は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その多形体形態、そのイオン対形態、その立体異性体、その被覆形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形態の、単独またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、活性薬剤は非常に精製されている。特定の実施形態では、活性薬剤は、製剤の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.75%(w/w)を構成する活性薬剤の非常に精製された抽出物として存在し、特定の実施形態では、活性薬剤の投与量は、例えば、約0.001、0.0025、0.005、0.0075、0.01、0.025、0.05、0.075、0.1、0.5、0.75、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、または45mg/kg/日より多い。特定の実施形態では、活性薬剤の投与量は、例えば、約0.001、0.0025、0.005、0.0075、0.01、0.025、0.05、0.075、0.1、0.5、0.75、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、または275mg/日より多い。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度で活性薬剤を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で活性薬剤を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、活性薬剤は、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%に相当する。
【0059】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、酸付加塩または遊離塩基の付加塩を含む。その範囲内の活性薬剤の「薬学的に許容される塩」という用語は、すべての可能な異性体およびそれらの混合物、ならびに任意の薬学的に許容される代謝物、生体前駆体および/またはプロドラッグ、例えば、本開示の化合物の構造式とは異なる構造式を有するが、哺乳動物、特にヒトなどの対象に投与されると、インビボで本開示の化合物に直接または間接的に変換される化合物などである。
【0060】
本明細書で使用される場合、「経皮送達」という用語は、皮膚を通した体循環への薬物の送達を意味する。
追加の活性薬剤
本明細書中で使用される場合、化合物、治療剤、または公知の薬物と本発明との組み合わせの「組み合わせ投与」という用語は、公知の薬物および/または組み合わせの両方が治療効果を有するような時間での、薬物および1つ以上の化合物の投与を意味する。いくつかの場合には、この治療効果は相乗的であろう。そのような共投与は、本発明の組成物および/または組合せの投与に関して、薬物の併用(すなわち、同時に)、前、または後の投与を含み得る。当業者は、本発明の特定の薬物のための投与の適切なタイミング、順序および、投与量を決定することに困難はない。
【0061】
さらに、活性成分は、適用可能な場合、1つの実質的に光学的に純粋なエナンチオマーの形態で、またはエナンチオマーもしくはその多形体の混合物としてのいずれかで存在し得る。
【0062】
活性成分は、以下の治療クラスの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない:アドレナリン作動剤;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;アルドステロンアンタゴニスト;アミノ酸;同化剤;蘇生薬;鎮痛薬;麻酔;食欲抑制剤;抗ざ瘡剤;抗アドレナリン剤;抗アレルギー薬;抗アメーバ薬;抗貧血薬;抗狭心症薬;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗アテローム硬化症薬;抗菌薬;抗コリン作動薬;抗凝結剤;抗けいれん薬;抗うつ薬;抗糖尿病薬;抗下痢薬;抗利尿薬;抗嘔吐薬;抗てんかん薬;抗線維素溶解薬;抗真菌薬;抗出血剤;抗ヒスタミン剤;抗脂質異常症薬;抗高血圧薬;抗低血圧薬;抗感染薬;抗炎症薬;抗菌剤;抗偏頭痛薬;抗有糸分裂薬;抗かび薬;抗嘔吐薬;抗新生物薬;抗好中球減少薬;駆虫薬;抗増殖剤;抗精神病薬;抗リウマチ剤;抗脂漏薬;抗分泌;抗けいれん薬;抗血栓薬;抗潰瘍薬;抗ウイルス薬;食欲抑制剤;血糖調節剤;骨再吸収阻害剤;気管支拡張剤;心血管作動薬;コリン作動薬;抑制剤;診断補助薬;利尿剤;ドーパミン作動薬;エストロゲン受容体アゴニスト;繊維素溶解薬;蛍光剤;酸素遊離基補足剤;胃酸抑制剤;胃腸運動エフェクタ;糖質コルチコイド;発毛刺激剤;止血薬;ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト;ホルモン;コレステロール低下剤;血糖降下薬;脂質低下薬;血圧降下剤;イメージング剤;免疫剤;免疫促進剤;免疫調節剤;免疫刺激剤;免疫抑制薬;角質溶解剤;LHRHアゴニスト;気分調節剤;粘液溶解剤;散瞳薬;鼻充血除去剤;神経筋遮断剤;神経保護剤;NMDAアンタゴニスト;非ホルモンステロール誘導体;プラスミノゲンアクチベータ;血小板活性化因子アンタゴニスト;血小板凝集阻害剤;向精神薬;放射性剤;抗疥癬薬;硬化剤;鎮静薬;鎮静催眠薬;選択的アデノシンAlアンタゴニスト;セロトニンアンタゴニスト;セロトニン阻害剤;セロトニン受容体アンタゴニスト;ステロイド;甲状腺ホルモン剤;甲状腺阻害剤;甲状腺ホルモン模倣薬;精神安定剤;筋萎縮性側索硬化症薬;脳虚血薬;パジェット病薬;不安定狭心症薬;血管収縮剤;血管拡張薬;創傷治癒剤;キサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【0063】
活性成分の例は、限定されるものではないが、以下のいずれかを、例えば、単独または組み合わせを含む:三環系抗うつ薬(アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミンなど)、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、プレガバリン、バルプロ酸、デュロキセチンなど、およびそれらの組み合わせ。
【0064】
示されるように、本明細書に開示される医薬製剤は、例えば、希釈剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、崩壊剤、可塑剤、粘着付与剤、乳白剤、顔料などの補助賦形剤を含んでもよい。当業者によって理解されるように、賦形剤の正確な選択およびそれらの相対量は、ある程度、最終的な経皮剤形に依存する。
【0065】
医薬組成物
本明細書に記載される特定の実施形態によれば、医薬組成物または経皮製剤は、カンナビノイドおよびこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤を含有する。より好ましくは、経皮製剤は、ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤を含んでもよい。
【0066】
本開示の一実施形態は、限定されないが、経皮製剤、経皮パッチ、局所製剤、マイクロニードル、イオン導入、定量経皮スプレー、経皮フィルム形成製剤、経皮薬物含有接着パッチ、経皮マトリックスパッチ、経皮エアロゾル、定量経皮ゲルを含み得る経皮薬物送達系でもよい。
【0067】
経皮製剤としては、例えば、限定されないが、溶液、懸濁液、分散液、エマルジョンのような液体が挙げられる。経皮製剤としては、例えば、限定されないが、ゲル、軟膏、エマルジョン、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、バームのような半固体が挙げられる。液体製剤および/またはゲル製剤は、限定されないが、経皮パッチ、定量経皮系、サシェなどに組み込まれる。限定されないが、接着マトリックスパッチ、非接着マトリックス、薬物含有接着マトリックスパッチ、薬物含有接着マトリックスパッチとしての経皮マトリックス製剤のようなポリマーマトリックスパッチを含む経皮製剤が好ましい。他の経皮製剤としては、限定されないが、経皮ゲル、定量経皮スプレー、定量経皮エアロゾル、経皮フィルム形成製剤、経皮マイクロニードルなどが挙げられる。
【0068】
限定するものではないが、経皮パッチとしては、当該技術分野で述べられている全ての経皮薬物送達系、好ましくは、限定されないが、リザーバーパッチ、マトリックスパッチ、二層マトリックスパッチ、多層マトリックスパッチ、マイクロリザーバーパッチ、接着系、経皮フィルム形成製剤、経皮ゲル、経皮適用可能テープなどが挙げられる。
【0069】
本開示の特定の実施形態では、経皮パッチは、リザーバーまたはマトリックス中に含有されるジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤を含有する経皮製剤と、経皮パッチを皮膚に接着させる接着剤とを含有し、ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤を経皮パッチから患者の皮膚を通して通過させる。経皮送達系は、閉塞性、半閉塞性、または非閉塞性であってよく、接着性または非接着性であってよい。
【0070】
ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤を含む経皮製剤をパッチ内に組み込んでもよく、パッチを皮膚表面に局所的に適用してもよい。パッチは、任意の適切な期間にわたって対象に接触したままにされ得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、経皮パッチは、所定の期間にわたって経皮パッチの活性成分の一定速度での送達を提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日間、8~13日間、2週間、または15日間である。
【0072】
さらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、所定の時間にわたって患者による経皮パッチの活性成分の安定した吸収速度を提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日間、8~13日間、2週間、または15日間である。
【0073】
またさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、所定の時間にわたって患者において経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルを提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日間、8~13日間、2週間、または15日間である。
【0074】
またさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、所定の時間にわたって、患者において治療範囲の経皮パッチの活性成分の血漿濃度を提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日間、8~13日間、2週間、または15日間である。
【0075】
またさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、所定の時間にわたって患者における活性成分の投与量の変動性の低減を可能にする。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日間、8~13日間、2週間、または15日間である。
【0076】
またさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、所定の時間にわたって、患者において治療範囲の経皮パッチの活性成分の血漿濃度を提供する。本明細書に開示される例示的な実施形態では、経皮パッチは、限定されないが、例えば、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、約5μg/mLおよびそれらの範囲から選択される活性薬剤の血清レベルを提供する。一態様では、経皮パッチは、限定されないが、45~3000ng/mlから90~2000ng/mLから180~1000ng/mLから270~900ng/mLから360~450ng/mLから900~4000ng/mLから9~18μg/mLの範囲から選択される活性薬剤の血清レベルを提供する。
【0077】
当該技術分野で述べられている局所製剤としては、例えば、限定されないが、軟膏、クリーム、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ペースト、バーム、ゲル、ローション、ムースなどの半固体が挙げられる。溶液、懸濁液、マイクロ懸濁液、ナノ懸濁液、分散液、ナノ分散液などの液体。スプレー、エアロゾル、懸濁体など。ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などを含む局所製剤は、そのようなジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体の経皮送達のために皮膚表面に局所的に適用され得る。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態の経皮製剤および/または局所製剤は、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着ポリマー、接着ポリマー、生分解ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激低減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着付与剤、増量剤、希釈剤、界面活性剤、揮発性化学物質、抗酸化剤、酸化剤、キレート剤、錯化剤、希釈剤、賦形剤、パッチを調製するための材料、マトリックスパッチを調製するための材料、リザーバーパッチを調製するための材料などの担体または成分に限定されることなく、有効量の担体または成分を単独で、またはそれらの組み合わせで含んでもよい。
【0079】
活性薬剤は、上記の単一担体、担体の混合物、および担体の組み合わせ中に溶解、懸濁、分散、または均一に混合され得る。ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの2つ以上の薬物の任意の組合せを、上記の単一担体、担体の混合物、および担体の組合せに溶解、懸濁、分散、または均一に混合してもよい。
【0080】
ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの所望の最適な経皮および/または局所製剤は、単独でまたはそれらの組合せで、実施例1~実施例12に記載の以下の担体を、限定することなく、単独でまたはそれらの組合せで含み得る。
【0081】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載される経皮組成物は、例えば、慢性疼痛の処置および/または予防および/または制御のためのものである。
適応症
本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための医薬組成物であり、組成物は、本明細書に開示される活性薬剤を含有し、組成物は、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、2週間から1年の間の任意の時間、少なくとも1年、またはそれ以上の期間にわたって、1日おきに、毎日、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための医薬組成物であり、組成物は、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、2週間から1年の間の任意の時間、少なくとも1年、またはそれ以上の期間にわたって、1日おきに、毎日、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。このようにして、本開示の医薬組成物を慢性疼痛に苦しむ患者に投与すると、(末梢)神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、および/または他の慢性疼痛状態の持続的な減少が達成される。
【0082】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の処置における使用のための医薬組成物は、医薬経皮組成物であり、その使用は、本開示による慢性疼痛の処置における経皮使用である。
【0083】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の処置における使用のための医薬組成物は、医薬経皮組成物であり、その使用は、本開示による慢性疼痛の処置における処置を受ける人の無傷な皮膚上での経皮使用である。
【0084】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の処置における使用のための医薬組成物は、医薬経皮組成物であり、その使用は、本開示による慢性疼痛の処置における経皮使用である。このとき、経皮組成物は、慢性疼痛の処置において疼痛を経験している無傷な皮膚領域に局所的に適用される。
【0085】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の処置における使用のための医薬組成物は、医薬経皮組成物であり、その使用は、本開示による慢性疼痛の処置における処置を受ける人の健康で無傷の皮膚上での経皮使用である。ここで、無傷の皮膚および健康で無傷の皮膚は、それらの共通の科学的意味を有し、ここでは、例えば、潰瘍、創傷、損傷、切り傷のない非損傷皮膚を指し、表皮の閉鎖外層を含む皮膚を指す。
【0086】
本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための、本開示による医薬組成物または本開示の方法によって提供される医薬組成物であり、慢性疼痛は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張の増加による疼痛、骨関節炎性疼痛、筋性頭痛、緊張性頭痛、偏頭痛、群発性頭痛、非定型顔面痛、連関痛、外陰部痛、肛門周囲痛、またはこれらの組み合わせである。
【0087】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための医薬組成物は、慢性疼痛が末梢性神経障害性疼痛である医薬組成物である。
本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための、本開示による医薬組成物または本開示の方法によって提供される医薬組成物であり、慢性疼痛が、1型もしくは2型糖尿病によって引き起こされる、またはアルコールなどの有害物質によって誘発される末梢神経障害、ビタミンB1、B6および/またはB12欠乏、ビタミンB6過剰症、甲状腺機能低下、化学療法化合物(パクリタキセルまたはタキサン誘導体、ビンクリスチンまたはビンカアルカロイド、シスプラチンまたはプラチナ誘導体など)、薬物誘導性神経障害、感染性疾患の処置のための化合物(ストレプトマイシン、ジダノシン、またはザルシタビンなど)、化学毒性化合物、三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、肋間神経痛、絞扼性神経障害(手根管症候群、足根管症候群、腹部皮膚神経絞扼症候群など)、座骨痛、慢性突発性感覚性神経障害、小線維神経障害、遺伝性運動感覚性神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、感染疾患状態(ポリオ後症候群、エイズまたはHIV関連、ライム関連、シェーグレン関連など)、リンパ腫性神経障害、骨髄腫性神経障害、癌性神経障害、急性汎自律神経性神経障害、血管炎/虚血性神経障害、ならびに単および多発性神経障害、複合性局所疼痛症候群I型およびII型(反射性交感神経性ジストロフィー)、中枢神経障害性疼痛(視床神経障害、脊髄損傷性神経障害、卒中後疼痛、多発性硬化神経障害、脊髄空洞症、脊髄腫瘍など)、幻肢痛、疼痛を伴う不穏性器症候群、心臓手術および乳房切除後の瘢痕疼痛を含む手術後瘢痕疼痛によるものから選択される神経障害性疼痛である。
【0088】
本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための、本開示による医薬組成物または本開示の方法によって提供される医薬組成物であり、医薬組成物の投与頻度は、1日おきに1回から1日8回の間、好ましくは1日6回、5回、4回、3回、2回、または1回である。
【0089】
本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の処置において使用するための医薬組成物であり、医薬組成物は、少なくとも1日、好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも1ヶ月、最も好ましくは少なくとも1年の期間にわたって投与され、好ましくは医薬組成物は1~10年間投与され、より好ましくは医薬組成物は慢性的に投与される。本開示による慢性疼痛の処置における使用のための医薬組成物が、慢性疼痛に苦しむ患者にその寿命の残りの間投与されることは、本開示の一部であることが理解されたい。このようにして、慢性疼痛は少なくともそれほど強くなく、好ましくは、患者は慢性疼痛から大幅に、またはさらに完全に解放される。
【0090】
以下の実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことが理解されたい。
【実施例
【0091】
実施例1
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、アルコールC~C20(例えば、限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノールなど)、多価アルコール、グリコール(例えば、限定されないが、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンなど)、グリコールの誘導体、ピロリドン(例えば、限定されないが、Nメチル2-ピロリドン、2-ピロリドンなど)、スルホキシド(例えば、限定されないが、ジメチルスルホキシド、デシメチルスルホキシド(decymethylsulfoxide)など)、ジメチルイソソルビド、鉱油、植物油、ゴマ油、水、極性溶媒、半極性溶媒、非極性溶媒、マトリックスパッチを作製するために使用され得る揮発性化学物質(例えば、限定されないが、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、アセトン、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、IPA、ヘキサンなど)、酸(例えば、限定されないが、酢酸、乳酸、レブリン酸など)、塩基、およびその他、ペンタン、ジメチルホルムアミド、ブタン、脂質などの、当業者に公知の溶媒を単独またはそれらの組み合わせのいずれかで含んでもよい。より好ましくは、0.01%~95%(w/wまたはw/v)の範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%、および約95%の濃度で溶媒を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で溶媒を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、溶媒は、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%に相当する。
【0092】
実施例2
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、天然ポリマー、多糖類およびその誘導体(例えば、限定されないが、寒天、アルギン酸および誘導体、エビスグサ(cassia tora)、コラーゲン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、ペクチン、カラギナンカリウムまたはナトリウム、トラガカント、キサンタン、ガムコーパル、キトサン、樹脂など)、半合成ポリマーおよびその誘導体(例えば、限定されないが、セルロースおよびその誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロール、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースなど))、合成ポリマーおよびその誘導体(例えば、限定されないが、カルボキシビニルポリマーまたはカルボマー(カルボポール940、カルボポール934、カルボポール971p NF)、ポリエチレンおよびそのコポリマーなど)、粘土(例えば、限定されないが、ケイ酸塩、ベントナイトなど)、二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー(eudragit(登録商標))、アクリル酸エステル、ポリアクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー、およびポリビニルピロリドンコポリマー(例えば、限定されないが、PVP、Kollidon(登録商標)30、ポロキサマー)、イソブチレン、エチルビニルアセテートコポリマー、天然ゴム、合成ゴム、感圧接着剤(例えば、限定されないが、シリコーンポリマー(例えば、限定されないが、bio psa(登録商標)4302、bio psa4202など)など)、アクリル感圧接着剤(例えば、限定されないが、duro-tak(登録商標)87-2156、duro-tak387-2287、duro-tak87-9301、duro-tak387-2051など)、ポリイソブチレン(例えば、限定されないが、ポリイソブチレン低分子量、ポリイソブチレン中分子量、ポリイソブチレン35000mwなど)、アクリルコポリマー、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、スチレン-ブタジエンコポリマー、ベントナイト、全ての水および/または有機溶媒膨潤性ポリマーなどの、当業者に公知のゲル化剤および/または増粘剤および/または懸濁化剤および/またはポリマーおよび/または接着ポリマーおよび/または感圧接着ポリマーを単独でまたはそれらの組み合わせのいずれかで含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%、および約85%、および約90%の濃度でゲル化剤および/または増粘剤および/または懸濁化剤および/またはポリマーおよび/または接着ポリマーおよび/または感圧接着ポリマーを含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度でゲル化剤および/または増粘剤および/または懸濁化剤および/またはポリマーおよび/または接着ポリマーおよび/または感圧接着ポリマーを含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、ゲル化剤および/または増粘剤および/または懸濁化剤および/またはポリマーおよび/または接着ポリマーおよび/または感圧性接着ポリマーは、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%、より好ましくは0.1%~80%w/wまたはw/vの範囲に相当する。
【0093】
実施例3
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、スルホキシド、および同様の化学物質(例えば、限定されないが、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシメチルスルホキシド(decymethylsulfoxide)、ジメチルイソソルビドなど)、アゾン、ピロリドン(例えば、限定されないが、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドンなど)、エステル、脂肪酸エステル(例えば、限定されないが、プロピレングリコールモノラウレート、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、乳酸ラウリル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリン酸ラウリルなど)、脂肪酸(例えば、限定されないが、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸など)、アルコール、脂肪アルコールおよびグリコール(例えば、限定されないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、ウレア、トリグリセリド(例えば、限定されないが、トリアセチン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエステル、精油、界面活性タイプの促進剤(例えば、限定されないが、brij(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、tween(登録商標)、ポリソルベートなど)、テルペン、テルペノイド、および書籍「Percutaneous Penetration Enhancers」(Eric W.Smith,Howard I.Maibach,2005.Nov,CRC press)において言及されるすべての浸透促進剤または透過促進剤などの、当業者に公知の透過促進剤を単独でまたはそれらを組み合わせて含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度で透過促進剤を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で透過促進剤を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、透過促進剤は、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%、より好ましくは0.01%~95%w/wまたはw/vの範囲に相当する。
【0094】
実施例4
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、グリセロールおよびそのエステル、リン酸エステル、グリコール誘導体、糖アルコール、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、酒石酸エステル、アジピン酸塩、フタル酸エステル、トリアセチン、オレイン酸エステル、ならびに書籍「Handbook of Plasticizers」(George Wypych,2004,Chem Tec Publishing)において言及されている経皮薬物送達系において使用され得るすべての可塑剤などの、当業者に公知の可塑剤を単独でまたはそれらの組合せで含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度で可塑剤を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で可塑剤を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、可塑剤は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは0.01%~95%w/wまたはw/vの範囲に相当する。
【0095】
実施例5
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、ワセリン、ラノリン、鉱油、ジメチコン、酸化亜鉛、グリセリン、プロピレングリコールなどの皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激低減剤、および当業者に公知の類似の化合物または化学物質を単独でまたはそれらの組み合わせで含んでもよい。より好ましくは、0.01%~95%(w/wまたはw/v)の範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度で皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激低減剤、および類似の化合物を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激低減剤、および類似の化合物を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激低減剤、および同様の化合物は、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%、より好ましくは0.01%~95%(w/wまたはw/v)の範囲に相当する。
【0096】
実施例6
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、ポリソルベート(例えば、限定されないが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80など)、span(登録商標)(例えば、限定されないが、span80、span20など)、界面活性剤(例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、および両性)、プロピレングリコールモノカプリレートI型、プロピレングリコールモノカプリレートII型、プロピレングリコールジカプリレート、中鎖トリグリセリド、プロピレングリコールモノラウレートII型、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイル-ポリオキシル-6-グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6-グリセリド、ポリグリセリル-3-ジオレエート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノラウレートI型、ポリグリセリル-3-ジオレエート、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドなど、シクロデキストリンなどの、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤および当業者に公知の類似の化合物または化学物質を単独でまたはそれらの組合せで含んでもよい。より好ましくは、0.01%~95%(w/wまたはw/v)の範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度で可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、および類似の化合物を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、および類似の化合物を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、および類似の化合物は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは0.01%~95%w/wまたはw/vの範囲に相当する。
【0097】
実施例7
製剤中の活性薬剤の安定性および/または溶解性を増加させるために、限定されないが、コーティング、カプセル化、マイクロカプセル化、ナノカプセル化、凍結乾燥、キレート剤、錯化剤、経皮送達系のパッケージング、水分捕捉剤などの様々な技術および成分が使用されてもよい。様々な安定剤を使用して、製剤中の活性薬剤の安定性を増加させることなどができる。
【0098】
実施例8
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、限定されないが、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液など、酸(例えば、限定されないが、カルボン酸、無機酸、スルホン酸、ビニル性カルボン酸など)、塩基(例えば、限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなど)などの、製剤の適切なpHを好ましくは4.0~8.0の範囲に維持するのに役立つ、補助的なpH緩衝剤およびpH安定剤ならびに当業者に公知の類似の化合物を単独でまたはそれらの組み合わせて含んでもよい。より好ましくは、0.01%~30%(w/wまたはw/v)の範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度でpH緩衝剤およびpH安定剤、ならびに類似の化合物を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度でpH緩衝剤およびpH安定剤、ならびに類似の化合物を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、pH緩衝剤およびpH安定剤、ならびに類似の化合物は、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%、より好ましくは0.01%~30%(w/wまたはw/v)の範囲に相当する。
【0099】
実施例9
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、抗酸化剤(例えば、限定されないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、クエン酸、アスコルビン酸、BHA、BHTなど)、酸化剤、安定剤、変色剤、保存剤、および安定な製剤を得るのに役立つ当業者に公知の類似の化合物または化学物質を含んでもよく、これらは、限定されることなく、単独でまたは組み合わせて使用され得る。より好ましくは、0.01%~50%(w/wまたはw/v)の範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、および約80%の濃度で抗酸化剤を含んでもよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、または約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、および約40%~約64%w/wの濃度で抗酸化剤を含んでもよい。本開示の例示的な製剤において、抗酸化剤は、製剤の約1wt%~75wt%、好ましくは2wt%~30wt%、より好ましくは5wt%~20wt%、より好ましくは0.01%~50%(w/wまたはw/v)の範囲に相当する。
【0100】
実施例10
本開示の経皮製剤および/または局所製剤は、当業者に公知の軟膏および/またはクリーム基剤および/またはゲルおよび/またはフィルム形成経皮製剤および/または経皮マトリックス製剤および/または薬物含有接着マトリックスパッチおよび/またはマトリックスパッチに製剤化されてもよい。
【0101】
実施例11
パッチ形態の本開示の経皮送達系を作製するための材料は、当業者に公知であり、例えば、限定されないが、リザーバーパッチ、マトリックスパッチ、接着剤中の薬物、フィルム形成製剤、マイクロ投薬経皮パッチ、経皮フィルムなどであり、例えば、限定されないが、ポリマー、コポリマー、誘導体、バッキングフィルム、剥離膜、剥離ライナーなどを単独でまたはこれらの組み合わせで含んでもよい。感圧接着剤(例えば、限定されないが、シリコーンポリマー、ゴム系接着剤、アクリルポリマー、アクリルコポリマー、ポリイソブチレン、アクリル酸-イソオクチルアクリレートコポリマー、ホットメルト接着剤、ポリブチレンなど)、バッキングフィルム(例えば、限定されないが、エチレン酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、金属箔、ポリエステル、アルミ化フィルム、ポリエチレンなど)、剥離膜(例えば、限定されないが、微孔性ポリエチレン膜、微孔性ポリプロピレン膜、律速エチレン酢酸ビニルコポリマー膜など)、剥離ライナー(例えば、限定されないが、シリコーン処理ポリエステルフィルム、フルオロポリマーコーティングポリエステルフィルム、ポリエステルフィルム、シリコーン処理ポリエチレンテレフタラートフィルムなど)、テープなど。
【0102】
本開示の経皮製剤および/または局所製剤および/または経皮送達系は、慢性疼痛を処置および/または予防および/または制御するために必要とされるヒト血漿中に、少なくとも治療有効用量の活性薬剤、例えば、ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体を、単独でまたはそれらの組み合わせで送達し得る。ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの治療上有効な活性薬剤の投与量は、慢性疼痛を処置および/または予防および/または制御するために必要なヒト血漿中の治療濃度を指す。さらに、経皮製剤または局所製剤または経皮送達系におけるジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの正確な治療有効用量は、限定されないが、患者の状態などの因子に基づいて当業者によって決定され得る。経皮製剤または局所製剤または経皮送達系は、患者の要求に基づいて最適な治療結果を達成するために、異なる投与量強度およびパッチサイズで利用可能である。
【0103】
ジクロフェナクおよび/またはCBDおよび/またはTHC、ならびにこれらの化合物の誘導体などの活性薬剤の経皮製剤または経皮パッチは、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、約8~約13日の範囲に1回、2週間に1回、または15日に1回などの投薬レジメンのいずれかで皮膚表面に適用され得る。
【0104】
実施例12
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
本発明を詳細にかつその特定の実施例を参照して説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】