(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ガスケットアセンブリ並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/08 20060101AFI20240326BHJP
F16J 15/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G01N35/08 A
F16J15/06 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580951
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 US2022013123
(87)【国際公開番号】W WO2022169609
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】クマール,アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】オスマス,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】レモイネ,リチャード
【テーマコード(参考)】
2G058
3J040
【Fターム(参考)】
2G058CC05
2G058GA01
3J040BA04
3J040EA16
3J040EA26
3J040EA27
3J040FA06
3J040HA01
3J040HA15
(57)【要約】
ガスケットアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法。装置は、システムと、フローセルと、複数のガスケットアセンブリと、を含む。システムは、フローセルインターフェースを含み、フローセルは、1つ以上のチャネルを有する。各チャネルは、第1のチャネル開口部と、第2のチャネル開口部と、を有する。第1のチャネル開口部は、フローセルの第1の端部に位置決めされ、第2のチャネル開口部は、フローセルの第2の端部に位置決めされる。ガスケットアセンブリは、各第2のチャネル開口部に結合される。各ガスケットアセンブリは、接着剤スタックと、ガスケットと、を含む。接着剤スタックは、ガスケットに接合された第1の側と、フローセルに接合された第2の側と、を含む。フローセルインターフェースは、システムとフローセルとの間の流体結合を確立するように、対応するガスケットと係合可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
1つ以上のチャネルを有するフローセルであって、各チャネルが、第1のチャネル開口部と、第2のチャネル開口部と、を有し、前記第1のチャネル開口部が、前記フローセルの第1の端部に位置決めされ、前記第2のチャネル開口部が、前記フローセルの第2の端部に位置決めされる、フローセルと、
各第2のチャネル開口部に結合されたガスケットアセンブリであって、各ガスケットアセンブリが、
接着剤スタックと、
ガスケットであって、前記接着剤スタックが、前記ガスケットに接合された第1の側と、前記フローセルに接合された第2の側と、を備える、ガスケットと、を備える、ガスケットアセンブリと、を備える、装置。
【請求項2】
前記接着剤スタックが、貫通孔を有し、前記ガスケットが、前記ガスケットアセンブリを通した流体連通を可能にするように前記接着剤スタックの前記貫通孔と位置合わせされる貫通孔を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記接着剤スタックが、前記フローセルに結合された第1の接着剤と、前記ガスケットに結合され、かつ前記第1の接着剤と前記ガスケットとの間に位置決めされた第2の接着剤と、を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各ガスケットアセンブリが、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤との間に位置決めされた分離層を更に備え、前記第1の接着剤が、前記フローセル及び前記分離層の両方に接合し、前記第2の接着剤が、前記分離層及び前記ガスケットの両方に接合する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記分離層が、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記分離層が、貫通孔を備え、前記ガスケットが、前記分離層の前記貫通孔と位置合わせされた貫通孔を有し、前記第1の接着剤が、前記分離層の第1の側をコーティングし、前記第2の接着剤が、前記分離層の第2の側をコーティングする、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の接着剤が、アクリル接着剤を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の接着剤が、シリコーン接着剤を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記ガスケットが、シリコーンエラストマーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記フローセルの前記第1の端部に結合されたフローセルマニホールドを更に備え、かつフローセルマニホールド入口と、複数の流体ラインと、対応する流体ラインによって前記フローセルマニホールド入口に流体結合された複数のフローセルマニホールド出口と、を含み、前記フローセルマニホールド出口の各々が、前記フローセルの対応する第1のチャネル開口部に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記フローセルマニホールド入口に結合されたマニホールドガスケットアセンブリを更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記マニホールドガスケットアセンブリが、前記フローセルマニホールドに結合された第1の接着剤と、ガスケットと、前記ガスケットに結合され、かつ前記第1の接着剤と前記第2の接着剤との間に位置決めされた第2の接着剤と、を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記フローセルマニホールドが、積層体を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記フローセルが、複数の前記チャネルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
装置であって、
ガスケットアセンブリであって、
接着剤スタックであって、
第1の接着剤と、
前記第1の接着剤によって少なくとも部分的に覆われた第1の側と、第2の側と、を有する分離層と、
前記分離層の前記第2の側を少なくとも部分的に覆う第2の接着剤であって、前記分離層が、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤の間に位置決めされる、第2の接着剤と、を備える、接着剤スタックと、
前記第2の接着剤に接合されたガスケットであって、前記第2の接着剤が、前記分離層と前記ガスケットの間に位置決めされる、ガスケットと、を備える、ガスケットアセンブリと、
前記接着剤スタックの前記第1の接着剤が剥離可能に接合される剥離ライナと、を備える、装置。
【請求項16】
前記複数のガスケットアセンブリを更に備え、前記ガスケットアセンブリの各々が、離間され、かつ前記剥離ライナに結合される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記剥離ライナに結合された前記複数のガスケットアセンブリが、ロールを形成する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
装置であって、
フローセルインターフェースを含むシステムと、
1つ以上のチャネルを有するフローセルであって、各チャネルが、第1のチャネル開口部と、第2のチャネル開口部と、を有し、前記第1のチャネル開口部が、前記フローセルの第1の端部に位置決めされ、前記第2のチャネル開口部が、前記フローセルの第2の端部に位置決めされる、フローセルと、
各第2のチャネル開口部に結合されたガスケットアセンブリであって、各ガスケットアセンブリが、
接着剤スタックと、
ガスケットであって、前記接着剤スタックが、前記ガスケットに接合した第1の側と、前記フローセルに接合された第2の側とを備える、ガスケットと、を備える、ガスケットアセンブリと、を備え、
前記フローセルインターフェースが、前記システムと前記フローセルとの間の流体結合を確立するように、対応するガスケットと係合可能である、装置。
【請求項19】
前記フローセルインターフェースが、前記対応するガスケットと係合可能である複数のプランジャを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記対応するプランジャに付勢するばねを更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記フローセルインターフェースが、前記対応するプランジャが位置決めされたプランジャボアを備える、プランジャガイドを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記システムが、前記フローセルを支持する真空チャックを更に備える、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記真空チャックが、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記フローセルの実質的な長さを支持する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記フローセル及び前記複数のガスケットアセンブリが結合されるフローセルフレームを更に備える、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
方法であって、
ピックアンドプレース機械のヘッドを使用してガスケットアセンブリを取り上げることであって、前記ガスケットアセンブリが、接着剤スタックと、ガスケットと、を備え、前記接着剤スタックが、前記ガスケットに接合された第1の側と、第2の側と、を備える、取り上げることと、
前記ガスケットアセンブリの前記第2の側を、フローセルのチャネルの開口部を取り囲む表面に配置することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記ガスケットアセンブリを前記フローセルの表面に向かって押圧し、それによって、前記接着剤スタックの前記第2の側を前記フローセルの前記表面に結合することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
複数の前記ガスケットアセンブリを備えるロールから前記ガスケットアセンブリを分配することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ロールから前記ガスケットアセンブリを分配することが、前記ガスケットアセンブリにガイドを通過させることを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ガスケットアセンブリを取り上げる前に、センサを使用して前記ガスケットアセンブリの場所を検出することを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記接着剤スタックが、前記接着剤スタックの前記第1の側の第1の接着剤と、前記接着剤スタックの前記第2の側の第2の接着剤と、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤との間に位置決めされた分離層と、を備える、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の接着剤が、アクリル接着剤を含み、前記第2の接着剤が、シリコーン接着剤を含み、前記分離層が、ポリエチレンテレフタレート層を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ガスケットが、シリコーンエラストマーを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
装置であって、
チャネル開口部を含むチャネルを含むフローセルと、
前記チャネル開口部に結合されたガスケットアセンブリであって、前記ガスケットアセンブリが、
接着剤スタックと、
前記接着剤スタックが、前記ガスケットに接合された第1の側と、前記フローセルに接合された第2の側と、を備える、ガスケットと、を備える、ガスケットアセンブリと、を備える、装置。
【請求項34】
前記接着剤スタックが、前記フローセルに結合された第1の接着剤と、前記ガスケットに結合され、かつ前記第1の接着剤と前記ガスケットとの間に位置決めされた第2の接着剤と、を備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記分離層が、貫通孔を備え、前記ガスケットが、前記分離層の前記貫通孔と位置合わせされた貫通孔を有し、前記第1の接着剤が、前記分離層の第1の側をコーティングし、前記第2の接着剤が、前記分離層の第2の側をコーティングする、請求項4~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の接着剤が、アクリル接着剤を含む、請求項3~6、及び35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記第2の接着剤が、シリコーン接着剤を含む、請求項3~7、及び36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記ガスケットが、シリコーンエラストマーを含む、請求項1~8、及び36~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記フローセルの前記第1の端部に結合されたフローセルマニホールドを更に備え、かつフローセルマニホールド入口と、複数の流体ラインと、対応する流体ラインによって前記フローセルマニホールド入口に流体結合された複数のフローセルマニホールド出口と、を含み、前記フローセルマニホールド出口の各々が、前記フローセルの対応する第1のチャネル開口部に結合されている、請求項1~9、及び36~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記マニホールドガスケットアセンブリが、前記フローセルマニホールドに結合された第1の接着剤と、ガスケットと、前記ガスケットに結合され、かつ前記第1の接着剤と前記第2の接着剤との間に位置決めされた第2の接着剤と、を備える、請求項10~11及び39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記フローセルマニホールドは、積層体を備える、請求項10~12及び39~40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記フローセルが、複数の前記チャネルを備える、請求項1~13及び35~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記フローセルインターフェースが、前記対応するプランジャが位置決めされたプランジャボアを含む、プランジャガイドを備える、請求項19~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記システムが、前記フローセルを支持する真空チャックを更に備える、請求項18~21及び43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記フローセル及び前記複数のガスケットアセンブリが結合されるフローセルフレームを更に備える、請求項18~23及び43~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
複数の前記ガスケットアセンブリを備えるロールから前記ガスケットアセンブリを分配することを更に含む、請求項25~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記ガスケットアセンブリを取り上げる前に、センサを使用して前記ガスケットアセンブリの場所を検出することを更に含む、請求項27~28、及び46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記接着剤スタックが、前記接着剤スタックの前記第1の側の第1の接着剤と、前記接着剤スタックの前記第2の側の第2の接着剤と、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤との間に位置決めされた分離層と、を備える、請求項25~29及び46~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記ガスケットが、シリコーンエラストマーを含む、請求項25~31及び46~48のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月5日に出願された米国仮特許出願第63/170,946号、及び2021年2月2日に出願された米国仮特許出願第63/199,916号の利点及びそれに対する優先権を主張するものであり、これらの各々の内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
背景技術
【0002】
配列決定プラットフォームは、フローセルとの流体接続を形成することができる流体インターフェースを含み得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示において以降で説明される先行技術に勝る利点及び利益は、ガスケットアセンブリ並びに関連するシステム及び方法の提供を通して達成することができる。装置及び方法の様々な実装形態が以下に説明され、任意の組み合わせで(かかる組み合わせが矛盾しないという前提で)、以下で列挙される追加的な実装形態を含む及びそれらを除外する装置及び方法は、これらの欠点を克服し、かつ本明細書に説明される利益を達成し得る。
【0004】
第1の実装形態によれば、装置は、フローセルを含む。フローセルは、1つ以上のチャネルを有する。各チャネルは、第1のチャネル開口部と、第2のチャネル開口部と、を有する。第1のチャネル開口部は、フローセルの第1の端部に位置決めされ、第2のチャネル開口部は、フローセルの第2の端部に位置決めされる。ガスケットアセンブリは、各第2のチャネル開口部に結合される。各ガスケットアセンブリは、接着剤スタックと、ガスケットと、を含む。接着剤スタックは、ガスケットに接合された第1の側と、フローセルに接合された第2の側と、を含む。
【0005】
第2の実装形態によれば、装置は、ガスケットを含むガスケットアセンブリと、第1の接着剤、分離層、及び第2の接着剤を含む接着剤スタックと、を含む。分離層は、第1の接着剤によって少なくとも部分的に覆われた第1の側と、第2の側と、を有する。第2の接着剤は、分離層の第2の側を少なくとも部分的に覆う。分離層は、第1の接着剤と第2の接着剤との間に位置決めされる。ガスケットは、第2の接着剤に接合される。第2の接着剤は、分離層とガスケットとの間に位置決めされる。装置はまた、接着剤スタックの第1の接着剤が剥離可能に接合される剥離ライナも含む。
【0006】
第3の実装形態によれば、装置は、システムと、フローセルと、を含む。システムは、フローセルインターフェースを含み、フローセルは、1つ以上のチャネルを有する。各チャネルは、第1のチャネル開口部と、第2のチャネル開口部と、を有する。第1のチャネル開口部は、フローセルの第1の端部に位置決めされ、第2のチャネル開口部は、フローセルの第2の端部に位置決めされる。ガスケットアセンブリは、各第2のチャネル開口部に結合される。各ガスケットアセンブリは、接着剤スタックと、ガスケットと、を含む。接着剤スタックは、ガスケットに接合された第1の側と、フローセルに接合された第2の側と、を含む。フローセルインターフェースは、システムとフローセルとの間の流体結合を確立するように、対応するガスケットと係合可能である。
【0007】
第4の実装形態によれば、方法は、ピックアンドプレース機械のヘッドを使用してガスケットアセンブリを取り上げることを含む。ガスケットアセンブリは、接着剤スタックと、ガスケットと、を含む。接着剤スタックは、ガスケットに接合された第1の側と、第2の側と、を含む。方法は、ガスケットアセンブリの第2の側を、フローセルのチャネルの開口部を取り囲む表面に配置することを含む。
【0008】
第5の実装形態によれば、装置は、チャネル開口部を含むチャネルを含むフローセルと、チャネル開口部に結合されたガスケットアセンブリと、を含む。ガスケットアセンブリは、接着剤スタックと、ガスケットと、を含む。接着剤スタックは、ガスケットに接合された第1の側と、フローセルに接合された第2の側と、を含む。
【0009】
第6の実装形態によれば、装置は、裏面接着剤付きガスケットを含む。
【0010】
第7の実装形態によれば、方法は、裏面接着剤付きガスケットを取り上げることと、裏面接着剤付きガスケットをフローセル上に配置することと、を含む。方法はまた、裏面接着剤付きガスケットをフローセルに押圧し、それによって、裏面接着剤付きガスケットをフローセルに結合することも含む。
【0011】
更に前述の第1、第2、第3、第4、第5、第6、及び/又は第7の実装形態によれば、装置及び/又は方法は、以下のいずれか1つ以上を更に含み得る又は備え得る。
【0012】
一実装形態では、接着剤スタックは、貫通孔を有し、ガスケットは、ガスケットアセンブリを通した流体連通を可能にするように接着剤スタックの貫通孔と位置合わせされる貫通孔を有する。
【0013】
別の実装形態では、接着剤スタックは、フローセルに結合された第1の接着剤と、ガスケットに結合され、かつ第1の接着剤とガスケットとの間に位置決めされた第2の接着剤と、を含む。
【0014】
別の実装形態では、各ガスケットアセンブリは、第1の接着剤と第2の接着剤との間に位置決めされた分離層を更に含む。第1の接着剤は、フローセル及び分離層の両方を接合し、第2の接着剤は、分離層及びガスケットの両方を接合する。
【0015】
別の実装形態では、分離層は、ポリエチレンテレフタレートを含む。
【0016】
別の実装形態では、分離層は、貫通孔を含み、ガスケットは、分離層の貫通孔と位置合わせされた貫通孔を有する。第1の接着剤は、分離層の第1の側をコーティングし、第2の接着剤は、分離層の第2の側をコーティングする。
【0017】
別の実装形態では、第1の接着剤は、アクリル接着剤を含む。
【0018】
別の実装形態では、第2の接着剤は、シリコーン接着剤を含む。
【0019】
別の実装形態では、ガスケットは、シリコーンエラストマーを含む。
【0020】
別の実装形態では、装置は、フローセルの第1の端部に結合されたフローセルマニホールドを含み、かつフローセルマニホールド入口と、複数の流体ラインと、対応する流体ラインによってフローセルマニホールド入口に流体結合された複数のフローセルマニホールド出口と、を含む。フローセルマニホールド出口の各々は、フローセルの対応する第1のチャネル開口部に結合される。
【0021】
別の実装形態では、装置は、フローセルマニホールド入口に結合されたマニホールドガスケットアセンブリを含む。
【0022】
別の実装形態では、マニホールドガスケットアセンブリは、フローセルマニホールドに結合された第1の接着剤と、ガスケットと、ガスケットに結合され、かつ第1の接着剤と第2の接着剤との間に位置決めされた第2の接着剤と、を含む。
【0023】
別の実装形態では、フローセルマニホールドは、積層体を含む。
【0024】
別の実装形態では、装置は、剥離ライナ、永久接着剤、及び箔層を含むライナアセンブリを含み、永久接着剤は、箔層及び剥離層を接合する。
【0025】
別の実装形態では、ライナアセンブリは、第3の接着剤と、ポリエチレンテレフタレート層と、を更に含む。第3の接着剤は、箔層及びポリエチレンテレフタレート層を接合する。
【0026】
別の実装形態では、装置は、複数のガスケットアセンブリを含む。ガスケットアセンブリの各々は、離間され、かつ剥離ライナに結合される。
【0027】
別の実装形態では、複数のガスケットアセンブリは、剥離ライナに結合されて、ロールを形成する。
【0028】
別の実装形態では、フローセルインターフェースは、対応するガスケットと係合可能である複数のプランジャを含む。
【0029】
別の実装形態では、装置は、対応するプランジャに付勢するばねを含む。
【0030】
別の実装形態では、フローセルインターフェースは、対応するプランジャが位置決めされるプランジャボアを含む、プランジャガイドを含む。
【0031】
別の実装形態では、システムは、フローセルを支持する真空チャックを更に含む。
【0032】
別の実装形態では、真空チャックは、第1の端部と第2の端部との間のフローセルの実質的な長さを支持する。
【0033】
別の実装形態では、装置は、フローセル及び複数のガスケットアセンブリが結合されるフローセルフレームを含む。
【0034】
別の実装形態では、方法は、ガスケットアセンブリをフローセルの表面に向かって押圧し、それによって、接着剤スタックの第2の側をフローセルの表面に結合することを含む。
【0035】
別の実装形態では、方法は、複数のガスケットアセンブリを含むロールからガスケットアセンブリを分配することを含む。
【0036】
別の実装形態では、ロールからガスケットアセンブリを分配することは、ガスケットアセンブリにガイドを通過させることを含む。
【0037】
別の実装形態では、方法は、ガスケットアセンブリを取り上げる前に、センサを使用してガスケットアセンブリの場所を検出することを含む。
【0038】
別の実装形態では、接着剤スタックは、接着剤スタックの第1の側の第1の接着剤と、接着剤スタックの第2の側の第2の接着剤と、第1の接着剤と第2の接着剤との間に位置決めされた分離層と、を含む。
【0039】
別の実装形態では、第1の接着剤は、アクリル接着剤を含み、第2の接着剤は、シリコーン接着剤を含み、分離層は、ポリエチレンテレフタレート層を含む。
【0040】
別の実装形態では、ガスケットは、シリコーンエラストマーを含む。
【0041】
別の実装形態では、裏面接着剤付きガスケットは、接着剤スタックを含む。
【0042】
別の実装形態では、接着剤スタックは、アクリル接着剤とシリコーン接着剤との間にポリエチレンテレフタレートを含む。
【0043】
別の実装形態では、シリコーン接着剤は、ガスケットに隣接する。
【0044】
別の実装形態では、ガスケットは、シリコーンエラストマーを含む。
【0045】
別の実装形態では、装置は、フローセルを更に含む。裏面接着剤付きガスケットは、フローセルに結合される。
【0046】
別の実装形態では、装置は、積層体と、フローセルと、を更に含む。積層体は、フローセルに結合され、ガスケットは、積層体に結合される。
【0047】
別の実装形態では、フローセルは、複数のチャネルを含む。
【0048】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられ、かつ/又は特定の態様の特定の利益を達成するように組み合わせることができることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本開示の教示によるシステムの実装形態の概略図を例解する。
【
図2】
図1のフローセルインターフェースの第1の部分、及び真空チャック、並びに
図1のフローセルの第1の端部を例解するフローセルカートリッジアセンブリの例示的な実装形態の詳細断面図である。
【
図3】
図1のフローセルインターフェースの第2の部分、及び真空チャック、並びに
図1のフローセルの第2の端部を例解するフローセルカートリッジアセンブリの例示的な実装形態の詳細断面図である。
【
図4】
図1のフローセルカートリッジアセンブリの例示的な実装形態の等角拡大図である。
【
図5】
図4のフローセルカートリッジアセンブリの底面図である。
【
図6】接着剤スタックと、各々が対応する貫通孔を画定するガスケットと、を含む、
図1のガスケットアセンブリの例示的な実装形態の等角拡大図である。
【
図7】ガスケット、第1の接着剤、第2の接着剤、及び分離層を例解する、
図1のガスケットアセンブリの例示的な実装形態の等角拡大図である。
【
図8】
図1のシステムで使用することができるフローセルの別の実装形態の平面図を例解する。
【
図9】本開示の教示による、フローセルを組み立てるために使用することができるシステムである。
【
図10】
図9のシステムで使用することができるヘッドの等角図を例解する。
【
図11】
図9のシステムで使用することができるガスケットアセンブリのロールの一部分の断面図である。
【
図12】
図9のシステムを使用して、
図1のフローセルカートリッジアセンブリの一部分、又は本明細書で開示されるフローセルのいずれかを組み立てる方法のフローチャートを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下のテキストは、方法、装置、及び/又は製品の実装形態の詳細な説明を開示しているが、所有権の法的範囲は、本特許の最後に記載された特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、例としてのみ解釈されるべきであり、可能な全ての実装形態を説明することは、不可能ではないにしても、非現実的であろうことから、可能な全ての実装形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替的な実装形態が実装され得る。かかる代替的な実装形態は、依然として特許請求の範囲内に含まれるであろうことが想定される。
【0051】
本開示は、複数のチャネルを有するフローセルを含むフローセルカートリッジアセンブリを対象とする。フローセルは、単一の入口と、複数の出口と、を有する、フローセルマニホールドを含む場合又は含まない場合がある。フローセルマニホールドの出口は、フローセルのチャネルに結合される。チャネルと、例えば、関心対象のサンプルの分析を実行するために使用される、関連するシステムとの間の流体結合を容易にするために、ガスケットがチャネルの出口に提供され得る。ガスケットは、フローセルの幅に架かり得、各チャネルの出口に対応する孔を有し得る。この単一のガスケットは、フローセルと関連するシステムとの間に封止接続を確立する際に効果的であるが、フローセルが複数のチャネル(例えば、8つのチャネル)を含む場合、ガスケットとチャネルの出口との間の位置合わせのスタックアップが悪化し得る。上記の例は、複数のチャネルを含むフローセルについて言及しているが、本開示の教示によるフローセルは、単一のチャネルを含み得る。
【0052】
本開示の少なくとも1つの態様は、製造公差の減少、更には、フローセルとシステムとの間に流体接続を確立するために関与し得る力の量の減少を可能にする、フローセルカートリッジアセンブリ及び関連するシステムを対象とする。いくつかの実装形態では、約1.2ニュートン(N)以下の力を使用して、システムとフローセルとの間に流体接続を確立することができる。例えば、本明細書で開示されるガスケット及び関連する方法は、ブラケットによって結合されたガスケットなどの他の方法と比較して、およそ30%の封止力の低減を提供し、それによって、フローセルハウジングのサイズ及び複雑さを大幅に低減させ得る。より小さい封止力はまた、より少ないフローセルの反りをもたらし、改善された光学的及び熱的インターフェースにつながり得る。したがって、開示される実装形態は、フローセルとシステムとの間に流体接続が確立されない可能性を低減させ、更には、フローセルとシステムとの間の係合がフローセルの平面度に悪影響を与える可能性を低減させる。
【0053】
開示される実装形態を使用することで、ブラケットによって結合されたガスケットと比較して、共通ラインの容積の低減もあり得る。本明細書に開示される裏面接着剤付きガスケットは、ポートの位置合わせに関するより小さい公差のスタックアップ、及びより少ない可動部品も可能にし得る。ガスケット及び関連する使用方法及び製造方法はまた、複数構成のフローセルに適合するための柔軟な設計に関する利益及び利点も提供する。
【0054】
開示されるフローセルカートリッジアセンブリは、それぞれのチャネルの出口の各々及びフローセルマニホールドの入口に個別に接着される裏面接着剤付きガスケットを含む。代替的に、フローセルマニホールドが省略され得、裏面接着剤付きガスケットが、それぞれのチャネルの入口に結合され得る。裏面接着剤付きガスケットは、接着剤スタックと、ガスケットと、を含み得、接着剤スタックは、ガスケットに接合された第1の側と、フローセルに接合された第2の側と、を有する。
【0055】
接着剤スタックは、フローセルに結合された第1の接着剤と、ガスケットに結合され、かつ第1の接着剤とガスケットとの間に位置決めされた第2の接着剤と、を含み得る。2つの接着剤を含むことは、裏面接着剤付きガスケットを、ガラスで作製されたフローセル及びシリコーンエラストマーで作製されたガスケットの両方に接着することを可能にする。接着剤スタックはまた、第1の接着剤と第2の接着剤との間に位置決めされる分離層も含み得る。第1の接着剤は、フローセル及び分離層の両方に接合することができ、第2の接着剤は、分離層及びガスケットの両方に接合することができる。いくつかの実装形態では、第1の接着剤は、アクリル接着剤であり、第2の接着剤は、シリコーン接着剤であり、分離層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。しかしながら、他のタイプの接着剤又は分離層が使用され得る。
【0056】
いくつかの実装形態では、ガスケットは、ラベルフィーダ概念を使用してガスケットを精密ピックアンドプレース(pick-and-place、PNP)機械に送給することができるように、テープリール上に提供され得る。これには、自動化された組み立てのために、ガスケットをラベルフィーダの不粘着面の上へ送給して、真空ノズルのヘッドが、ガスケットを取り上げてフローセルの上に配置することを可能にすることが伴い得る。
【0057】
本明細書に説明される例示的なガスケットのうちの少なくともいくつか、及びガスケットを使用する/ガスケットをフローセルに適用する方法は、マニホールドの封止力を大幅に低減させるのを補助し、それによって、フローセルホルダアーキテクチャの複雑さ及び/又はコストを低減させる。ピックアンドプレース機械は、組み立てのために、すなわち、フローセルに、又はフローセルを支持する若しくはフローセルに流体的に接続された積層構造体に、裏面接着剤付きガスケットを適用するために使用され得る。いくつかの実施例では、ピックアンドプレース機械は、ラベルフィーダからガスケットを取り上げ、次いでガスケットをフローセルの孔の上に/その周りに位置合わせして配置するために使用され、孔は、フローセルのフローチャネルへの流体のアクセスを提供するポートとして作用する。
【0058】
図1は、本開示の教示によるシステム100の実装形態の概略図を例解する。システム100を使用して、1つ以上の関心対象のサンプルに対して分析を実行することができる。サンプルは、一本鎖DNA(single stranded DNA、sstDNA)を形成するように線形化された1つ以上のDNAクラスタを含み得る。示される実装形態では、システム100は、フローセル103及びサンプルカートリッジ104を含むフローセルカートリッジアセンブリ102を受容するように適合され、また、部分的に、シッパマニホールドアセンブリ106と、サンプル装填マニホールドアセンブリ108と、ポンプマニホールドアセンブリ110と、を含む。システム100はまた、駆動アセンブリ112と、コントローラ114と、撮像システム116と、廃棄物リザーバ118と、を含む。コントローラ114は、駆動アセンブリ112及び撮像システム116に電気的及び/又は通信可能に結合され、また、駆動アセンブリ112及び/又は撮像システム116に本明細書に開示する様々な機能を行わせるように適合される。
【0059】
システム100は、フローセルカートリッジアセンブリ102を受容するフローセルレセプタクル122と、フローセル103を支持する真空チャック124と、システム100とフローセル103との間の流体結合を確立するために使用されるフローセルインターフェース126と、を含む。フローセルインターフェース126は、1つ以上のマニホールドを含み得る。
【0060】
最初に、フローセル103を参照すると、示される実装形態では、フローセル103は、複数のチャネル128を含み、各チャネルは、フローセル103の第1の端部132に位置決めされた第1のチャネル開口部130と、フローセル103の第2の端部135に位置決めされた第2のチャネル開口部134と、を有する。チャネル128を通る流れの方向に応じて、チャネル開口部130、134のいずれかが、入口又は出口として作用し得る。
図1では、フローセル2が2つのチャネル128を含むものとして示されているが、任意の数(例えば、1つ、2つ、6つ、8つ)のチャネル128が含まれ得る(
図5及び8を参照されたい)。
【0061】
フローセルカートリッジアセンブリ102はまた、フローセルフレーム136と、フローセル103の第1の端部132に結合されたフローセルマニホールド137と、対応する第2のチャネル開口部134に結合された複数のガスケットアセンブリ138と、を含む。本明細書で使用されるとき、「フローセル(flow cell)」(フローセル(flowcell)とも称される)は、反応構造体の複数の反応部位と連通するフローチャネルをフローセルの間に形成するように、反応構造体の上に延在する蓋を有するデバイスを含むことができる。いくつかのフローセルはまた、反応部位又はそこに近接して起こる指定された反応を検出する検出デバイスも含み得る。示されるように、フローセル103、フローセルマニホールド137、及びガスケットアセンブリ138は、結合されるか、又は別様にフローセルフレーム136によって携持される。フローセルフレーム136は、
図1のフローセルカートリッジアセンブリ102に含まれるものとして示されているが、フローセルフレーム136は、省略され得る。このように、フローセル103及び関連するガスケットアセンブリ138は、フローセルフレーム136を伴わずにシステム100で使用され得る。
【0062】
示される実装形態では、フローセルマニホールド137は、積層体であり得、また、単一の入口140と、複数の流体ライン144(流体ライン144は、
図5により明確に示される)によって各々が入口140に結合される複数の出口142と、を含み得る。ガスケットアセンブリ138のうちの1つはまた、フローセルマニホールド137の入口140にも結合される。フローセルマニホールド137の出口142は、第1のフローセル開口部130と位置合わせされ、かつそれに隣接して位置決めされる。このように、流体は、マニホールド137の出口142とチャネル128の第1の開口部130との間を流れることができる。
図1のフローセルカートリッジアセンブリ102は、フローセルマニホールド137を含むものとして示されているが、他の実装形態では、フローセルマニホールド137は、省略され得る。フローセルマニホールド137が省略された場合、ガスケットアセンブリ138は、第2のチャネル開口部134でのガスケットアセンブリ138とフローセル103との間の結合に類似する様式で、第1のチャネル開口部130に結合することができる。
【0063】
ガスケットアセンブリ138を参照すると、示される実装形態では、各ガスケットアセンブリ138は、接着剤スタック146と、ガスケット148と、を含む。接着剤スタック146は、ガスケット148に接合された第1の側150と、フローセル103に接合された第2の側152と、を有する。接着剤スタック146及びガスケット148は、環状形状を有する裏面接着剤付きガスケットを形成し、接着剤スタック146は、両面感圧性接着テープによって形成され得る。接着剤スタック146の第2の側152は、接着剤又は共有接合を使用してフローセル103に接合され得る。共有接合は、例えば、フローセル103のガラスを活性化し、シリコーンで作製された接着剤スタック146の第2の側152を活性化し、フローセル103と接着剤スタック146の第2の側152とを互いに接触させることによって形成され得る。フローセル103のガラス及び/又は接着剤スタック146の第2の側152は、疎水性、反応性、接合性、及び/又は形態などの特定の特性に合うように、材料の表面エネルギーを変化させることによって、活性化され得る。フローセル103のガラス及び/又は接着剤スタック146の第2の側152を活性化するために、熱及び/又は圧力が、更に又は代替的に使用され得る。
【0064】
動作中に、フローセルインターフェース126は、システム100とフローセル103との間の流体結合を確立するように、対応するガスケット148と係合する。フローセルインターフェース126とガスケットアセンブリ138との間の係合は、フローセルインターフェース126とフローセル103との間の流体の漏れを低減又は排除する。
【0065】
ガスケットアセンブリ138を更に参照すると、接着剤スタック146及びガスケット148は、互いに位置合わせされて、ガスケットアセンブリ138を通して流体連通することを可能にする貫通孔154、156を有する。したがって、流体は、ガスケットアセンブリ138を通って、フローセル103の中及び/又は外へ流れることができる。示される実装形態では、接着剤スタック146は、フローセル103に結合された第1の接着剤158と、ガスケット148に結合され、かつ第1の接着剤158とガスケット148との間に位置決めされた第2の接着剤160と、を含む。接着剤スタック146はまた、第1の接着剤158と第2の接着剤160との間に位置決めされる分離層162も含む。第1の接着剤158は、フローセル103及び分離層162の両方に接合し、第2の接着剤160は、分離層162及びガスケット148の両方に接合する。
【0066】
流体がガスケットアセンブリ138を通過することを可能にするために、分離層162は、ガスケット148の貫通孔156と位置合わせされる貫通孔154を画定する。示される実装形態では、第1の接着剤158は、分離層162の第1の側166をコーティングし、第2の接着剤160は、分離層162の第2の側168をコーティングする。第1の接着剤158及び/又は第2の接着剤160は、分離層162を完全にコーティングし得るか、部分的にコーティングし得るか、又はその上にパターンを形成し得る。
【0067】
第1の接着剤158は、アクリル接着剤であり得、第2の接着剤160は、シリコーン接着剤であり得、分離層162は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含み得、ガスケット148は、シリコーンエラストマーであり得る。ガスケット148は、シリコンシート、Dynaflex(商標)G7702(TPE)、プラチナ硬化シリコーン、サントプレン8281-35(TPV)、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系ポリマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、などを含み得るか、又は別様にそれから形成され得る。しかしながら、異なる接着剤が、第1の接着剤158及び/若しくは第2の接着剤160のいずれかに使用され得、並びに/又は異なるエラストマーが、ガスケット148に使用され得る。例えば、フローセルマニホールド137に結合されるガスケットアセンブリ138の第1の接着剤158は、PETで作製されたフローセルマニホールド137に接合可能であり得、一方で、フローセル102に結合されるガスケットアセンブリ138の第1の接着剤158は、ガラスで作製されたフローセル103に接合可能であり得る。しかしながら、フローセルマニホールド137及び/又はフローセル103は、同じ材料で作製されたフローセルマニホールド137及び/又はフローセル103を含む、述べたものとは異なる材料で作製され得る。
【0068】
ここでサンプルカートリッジ104、サンプル装填マニホールドアセンブリ108、及びポンプマニホールドアセンブリ110を参照すると、示される実装形態では、システム100は、関心対象の1つ以上のサンプル(例えば、検体)を携持するサンプルカートリッジ104を受容するサンプルカートリッジレセプタクル170を含む。システム100はまた、サンプルカートリッジ104と流体接続を確立するサンプルカートリッジインターフェース172も含む。
【0069】
サンプル装填マニホールドアセンブリ108は、1つ以上のサンプルバルブ174を含み、ポンプマニホールドアセンブリ110は、1つ以上のポンプ176と、1つ以上のポンプバルブ178と、キャッシュ180と、を含む。バルブ174、178のうちの1つ以上は、ロータリバルブ、ピンチバルブ、フラットバルブ、ソレノイドバルブ、チェックバルブ、圧電バルブ、及び/又は三方バルブによって実装され得る。しかしながら、異なるタイプの流体制御デバイスが使用され得る。ポンプ176の1つ以上は、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、及び/又はダイアフラムポンプによって実装され得る。しかしながら、他のタイプの流体移送デバイスが使用され得る。キャッシュ180は、蛇行キャッシュであり得、例えば、
図1のシステム100のバイパス操作中に、1つ以上の反応成分を一時的に格納し得る。キャッシュ180は、ポンプマニホールドアセンブリ110に含まれているものとして示されているが、別の実装形態では、キャッシュ180は、異なる場所に位置し得る。例えば、キャッシュ180は、シッパマニホールドアセンブリ106内に、又はバイパス流体ライン182の下流の別のマニホールド内に含まれ得る。
【0070】
サンプル装填マニホールドアセンブリ108及びポンプマニホールドアセンブリ110は、関心対象の1つ以上のサンプルを、流体ライン184を通してサンプルカートリッジ104からフローセルカートリッジアセンブリ102に向かって流す。いくつかの実装形態では、サンプル装填マニホールドアセンブリ108は、フローセル125の各チャネル128に関心対象のサンプルを個別に装填する/対処することができる。チャネル128に関心対象のサンプルを装填するプロセスは、
図1のシステム100を使用して自動的に行われ得る。
【0071】
図1のシステム100に示されるように、サンプルカートリッジ104及びサンプル装填マニホールドアセンブリ108は、フローセルカートリッジアセンブリ102の下流に位置決めされる。したがって、サンプル装填マニホールドアセンブリ108は、フローセル103の後部からフローセル103に関心対象のサンプルを装填し得る。フローセル103の後部から関心対象のサンプルを装填することは、「後部装填」と称され得る。関心対象のサンプルをフローセル103内に後部装填することにより、汚染を低減し得る。示される実装形態では、サンプル装填マニホールドアセンブリ108は、フローセルカートリッジアセンブリ102とポンプマニホールドアセンブリ110との間に結合されている。
【0072】
関心対象のサンプルをサンプルカートリッジ104からポンプマニホールドアセンブリ110に向かって引き込むために、サンプルバルブ174、ポンプバルブ178、及び/又はポンプ176を選択的に作動させて、関心対象のサンプルをポンプマニホールドアセンブリ110に向かって付勢し得る。サンプルカートリッジ104は、対応するサンプルバルブ174を介して選択的に流体アクセス可能な複数のサンプルリザーバを含み得る。したがって、各サンプルリザーバは、対応するサンプルバルブ174を使用して、他のサンプルリザーバから選択的に隔離することができる。
【0073】
フローセル125の対応するチャネル128に向かって、かつポンプマニホールドアセンブリ110から離れる方向に関心対象のサンプルを個別に流すために、サンプルバルブ174、ポンプバルブ178、及び/又はポンプ176を選択的に作動させて、フローセルカートリッジアセンブリ102向かってフローセル103のそれぞれのチャネル128に関心対象のサンプルを付勢することができる。いくつかの実装形態では、フローセル103の各チャネル128は、関心対象のサンプルを受容する。他の実装形態では、チャネル128の1つ以上が関心対象のサンプルを選択的に受容し、他のチャネル128は、関心対象のサンプルを受容しない。関心対象のサンプルを受容し得ないフローセル103のチャネル128は、例えば、代わりに洗浄緩衝液を受容し得る。
【0074】
駆動アセンブリ112は、シッパマニホールドアセンブリ106及びポンプマニホールドアセンブリ110とインターフェースして、フローセル103内のサンプルと相互作用する1つ以上の試薬を流す。一実装形態では、可逆的ターミネータが試薬に取り付けられて、単一のヌクレオチドが成長中のDNA鎖に組み込まれることを可能にする。いくつかのかかる実装形態では、ヌクレオチドのうちの1つ以上は、励起されると色を発する固有の蛍光標識を有する。色(又はその欠如)を使用して、対応するヌクレオチドを検出する。示される実装形態では、撮像システム116は、識別可能な標識(例えば、蛍光標識)のうちの1つ以上を励起し、その後、識別可能な標識の画像データを取得する。標識は、入射光及び/又はレーザによって励起され得、画像データは、励起に応答してそれぞれの標識によって放たれる1つ以上の色を含み得る。画像データ(例えば、検出データ)は、システム100によって分析され得る。撮像システム116は、対物レンズ及び/又は固体撮像デバイスを含む蛍光分光光度計であり得る。固体撮像デバイスは、電荷結合デバイス(charge coupled device、CCD)及び/又は相補的金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)を含み得る。
【0075】
画像データが得られた後、駆動アセンブリ112は、シッパマニホールドアセンブリ106及びポンプマニホールドアセンブリ110とインターフェースして、フローセル103を通して別の反応成分(例えば、試薬)を流し、その後、主廃棄物流体ライン186を介して廃棄物リザーバ118によって受容され、かつ/又は別様にステム100によって排出される。いくつかの反応成分は、蛍光標識及び可逆的ターミネータをsstDNAから化学的に切断するフラッシング動作を行う。次いで、sstDNAは、別のサイクルのために準備ができている。
【0076】
主廃棄物流体ライン186は、ポンプマニホールドアセンブリ110と廃棄物リザーバ118との間に結合される。いくつかの実装形態では、ポンプマニホールドアセンブリ110のポンプ176及び/又はポンプバルブ178は、フローセルカートリッジアセンブリ102から流体ライン184及びサンプル装填マニホールドアセンブリ108を通して主廃棄物流体ライン186に反応成分を選択的に流す。
【0077】
フローセルカートリッジアセンブリ102は、フローセルインターフェース126を介して中央バルブ188に結合される。補助廃棄物流体ライン190は、中央バルブ188及び廃棄物リザーバ118に結合される。いくつかの実装形態では、補助廃棄物流体ライン190は、本明細書に説明されるように、関心対象のサンプルをフローセル103に後部装填するときに、中央バルブ188を介してフローセルカートリッジアセンブリ102から関心対象のサンプルの余分な流体を受容して、関心対象のサンプルの余分な流体を廃棄物リザーバ117に流す。すなわち、関心対象のサンプルは、フローセル103の後部から装填され得、関心対象のサンプルのいかなる余分な流体も、フローセル103の前部から出得る。フローセル103に関心対象のサンプルを後部装填することによって、異なるサンプルを対応するチャネル128に別々に装填することができ、単一のフローセルマニホールド137は、フローセル103の前部を中央バルブ188に結合して、関心対象の各サンプルの余分な流体を補助廃棄物流体ライン190に方向付けることができる。関心対象のサンプルがフローセル103内に装填されると、フローセルマニホールド137を使用して、共通の試薬を各チャネル128のフローセル103の前部(例えば、上流)から送達することができ、共通の試薬は、フローセル125の後部(例えば、下流)から出る。言い換えれば、関心対象のサンプル及び試薬は、フローセル103のチャネル128を通って反対方向に流れ得る。
【0078】
シッパマニホールドアセンブリ106を参照すると、示される実装形態では、シッパマニホールドアセンブリ106は、共有ラインバルブ192と、バイパスバルブ194と、を含む。共有ラインバルブ192は、試薬セレクタバルブと称され得る。中央バルブ188及びシッパマニホールドアセンブリ106のバルブ192、194を、選択的に作動させて、流体ライン196、198、200を通る流体の流れを制御し得る。バルブ196、198、200のうちの1つ以上は、ロータリバルブ、ピンチバルブ、フラットバルブ、ソレノイドバルブ、チェックバルブ、圧電バルブなどによって実装され得る。他の流体制御デバイスが好適であることが分かり得る。
【0079】
シッパマニホールドアセンブリ106は、試薬シッパ204を介して対応する数の試薬リザーバ202に結合され得る。試薬リザーバ202は、流体(例えば、試薬及び/又は別の反応成分)を含み得る。いくつかの実装形態では、シッパマニホールドアセンブリ106は、複数のポートを含む。シッパマニホールドアセンブリ106の各ポートは、試薬シッパ204のうちの1つを受容し得る。試薬シッパ204は、流体ラインと称され得る。
【0080】
シッパマニホールドアセンブリ106の共有ラインバルブ192は、共有試薬流体ライン196を介して中央バルブ188に結合される。異なる試薬が、異なる時間に共有試薬流体ライン196を通って流れ得る。一実装形態では、1つの試薬を別の試薬と変更する前にフラッシング動作を実行するときに、ポンプマニホールドアセンブリ110は、共有試薬流体ライン196、中央バルブ188、及びフローセルカートリッジアセンブリ102を通して洗浄緩衝液を引き込み得る。したがって、共有試薬流体ライン196は、フラッシング動作に関与し得る。1つの共有試薬流体ライン196が示されているが、任意の数の共有流体ラインがシステム100に含まれ得る。
【0081】
シッパマニホールドアセンブリ106のバイパスバルブ194は、専用試薬流体ライン198、200を介して中央バルブ188に結合される。中央バルブ188は、専用試薬流体ライン198、200に対応する1つ以上の専用ポートを有し得る。専用試薬流体ライン198、200の各々は、単一の試薬と関連付けられ得る。専用試薬流体ライン198、200を通って流れ得る流体は、配列決定動作中に使用され得、切断試薬、組み込み試薬、走査試薬、切断洗浄液、及び/又は洗浄緩衝液を含み得る。したがって、バイパスバルブ194と関連付けて1つの試薬を別の試薬と変更する前にフラッシング動作を実行するときに、シッパマニホールドアセンブリ106は、中央バルブ188及び/又はフローセルカートリッジアセンブリ102を通して洗浄緩衝液を引き込み得る。しかしながら、単一の試薬のみが専用の試薬流体ライン198、200の各々を通って流れることができるので、専用試薬流体ライン198、200自体は、フラッシングされ得ない。専用試薬流体ライン198、200を含む手法は、システム100が他の試薬との有害反応を有し得る試薬を使用する場合に好都合であり得る。更に、異なる試薬間で変更するときにフラッシングされる流体ラインの数又は流体ラインの長さを低減することにより、試薬消費及びフラッシュ容積を低減し、システム100のサイクル時間を減少させることができる。2つの専用試薬流体ライン198、200が示されているが、任意の数の専用流体ラインがシステム100に含まれ得る。
【0082】
バイパスバルブ194はまた、バイパス流体ライン182を介してポンプマニホールドアセンブリ110のキャッシュ180に結合される。1つ以上の試薬プライミング動作、水和動作、混合動作、及び/又は移送動作は、バイパス流体ライン182を使用して実行され得る。プライミング動作、水和動作、混合動作、及び/又は移送動作は、フローセルカートリッジアセンブリ102とは独立して実行され得る。したがって、バイパス流体ライン182を使用する動作は、例えば、フローセルカートリッジアセンブリ102内の1つ以上の関心対象のサンプルのインキュベーション中に行われ得る。すなわち、共有ラインバルブ192は、バイパスバルブ194とは独立して利用することができ、それにより、共有ラインバルブ192及び/又は中央バルブ188が同時に、実質的に同時に、又はオフセット同期して他の動作を行っている間に、バイパスバルブ194は、バイパス流体ライン182及び/又はキャッシュ180を利用して、1つ以上の動作を実行することができる。したがって、システム100は、複数の動作を一度に行い、それによって、実行時間を低減することができる。
【0083】
ここで駆動アセンブリ112を参照すると、示される実装形態では、駆動アセンブリ112は、ポンプ駆動アセンブリ206と、バルブ駆動アセンブリ208と、を含む。ポンプ駆動アセンブリ206は、1つ以上のポンプ176とインターフェースして、フローセル103を通して流体をポンプ圧送するように、かつ/又はフローセル103に1つ以上の関心対象のサンプルに装填するように適合され得る。バルブ駆動アセンブリ208は、バルブ174、178、188、192、194のうちの1つ以上とインターフェースして、対応するバルブ174、178、188、192、194の位置を制御するように適合され得る。
【0084】
コントローラ114を参照すると、示される実装形態では、コントローラ114は、ユーザインターフェース210と、通信インターフェース212と、1つ以上のプロセッサ214と、開示された実装形態を含む様々な機能を行うための、1つ以上のプロセッサ214によって実行可能な命令を記憶するメモリ216と、を含む。ユーザインターフェース210、通信インターフェース133、及びメモリ216は、1つ以上のプロセッサ214に電気的にかつ/又は通信可能に結合される。
【0085】
一実装形態では、ユーザインターフェース210は、ユーザからの入力を受信し、システム100の動作及び/又は行われる分析と関連付けられた情報をユーザに提供するように適合される。ユーザインターフェース210は、タッチスクリーン、ディスプレイ、キーボード、スピーカ、マウス、トラックボール、及び/又は音声認識システムを含み得る。タッチスクリーン及び/又はディスプレイは、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を表示することができる。
【0086】
一実装形態では、通信インターフェース212は、ネットワークを介してシステム100と遠隔システム(例えば、コンピュータ)との間の通信を可能にするように適合される。ネットワークとしては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(local-area network、LAN)、広域ネットワーク(wide-area network、WAN)、同軸ケーブルネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、衛星ネットワーク、デジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL)ネットワーク、セルラーネットワーク、Bluetooth接続、近距離無線通信(near field communication、NFC)接続などを挙げることができる。遠隔システムに提供される通信の一部は、システム100によって生成された、又は別の方法で取得された、分析結果、撮像データなどと関連付けられ得る。システム100に提供される通信のうちの一部は、システム100によって実行される流体分析動作、患者記録、及び/又はプロトコルと関連付けられ得る。
【0087】
1つ以上のプロセッサ214及び/又はシステム100は、プロセッサベースシステム又はマイクロプロセッサベースシステムのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のプロセッサ214及び/又はシステム100は、プログラマブルプロセッサ、プログラマブルコントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、縮小命令セットコンピュータ(reduced-instruction set computer、RISC)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、フィールドプログラマブル論理デバイス(field programmable logic device、FPLD)、論理回路、及び/又は本明細書に説明されるものを含む様々な機能を実行する別の論理ベースデバイスのうちの1つ以上を含む。
【0088】
メモリ216は、半導体メモリ、磁気読み取り可能メモリ、光学メモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、光学記憶ドライブ、ソリッドステート記憶デバイス、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、不揮発性RAM(non-volatile RAM、NVRAM)メモリ、コンパクトディスク(compact disc、CD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)、Blu-rayディスク、独立ディスクの冗長アレイ(redundant array of independent disks、RAID)システム、キャッシュ、及び/又は任意の持続時間にわたって(例えば、永続的に、一時的に、長期にわたって、バッファリングのために、キャッシングのために)情報が記憶される任意の他の記憶デバイス若しくは記憶ディスクのうちの1つ以上を含むことができる。
【0089】
図2は、
図1のフローセルインターフェース126の第1の部分250、及び真空チャック124、並びに
図1のフローセル103の第1の端部132を例解するフローセルカートリッジアセンブリ102の例示的な実装形態の詳細断面図である。フローセルインターフェース126の第1の部分250は、フローセルカートリッジアセンブリ102のフローセルマニホールド137と関連付けられたガスケットアセンブリ138との流体接続を確立するように位置決めされる。
【0090】
示される実装形態では、フローセルインターフェース126の第1の部分250は、プランジャ256が位置決めされるプランジャボア254を含むプランジャガイド252を含む。ばね258は、対応するプランジャ256を概して矢印260によって示される方向に付勢して、対応するガスケットアセンブリ138と係合するように位置決めされて示されている。プランジャ256は、流体がそこを通過することを可能にする流体経路262を画定する。同じく
図2に示されるように、真空チャック124は、フローセル103の実質的な幅266を支持する。追加的に、真空チャック124は、端部132と端部135との間のフローセル103の実質的な長さ又は全長を支持し得る。
【0091】
図3は、
図1のフローセルインターフェース126の第2の部分268、及び真空チャック124、並びに
図1のフローセル103の第2の端部135を例解するフローセルカートリッジアセンブリ102の例示的な実装形態の詳細断面図である。フローセルインターフェース126の第2の部分268は、フローセル103の第2の端部135でガスケットアセンブリ138との流体接続を確立するように位置決めされる。
【0092】
示される実装形態では、フローセルインターフェース126の第2の部分268は、対応するプランジャ256が位置決めされるプランジャボア254を含むプランジャガイド252を含む。ばね258は、対応するプランジャ256を概して矢印260によって示される方向に付勢して、対応するガスケットアセンブリ138と係合するように位置決めされる。
【0093】
図4は、
図1のフローセルカートリッジアセンブリ102の例示的な実装形態の等角拡大図である。示される実装形態では、フローセルカートリッジアセンブリ102は、フローセルフレーム136と、複数のチャネル128を有するフローセル103と、フローセルマニホールド137と、ガスケットアセンブリ138と、を含む。フローセルカートリッジアセンブリ102はまた、追跡及び/又は識別の目的で使用される無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)タグ270と、フローセル103、フローセルマニホールド137、及び/又はRFIDタグ270をフローセルフレーム136内に、又はそれに対して保持するために使用される複数の保持クリップ272と、を含む。
【0094】
フローセルフレーム136を参照すると、示される実装形態では、フローセルフレーム136は、周辺壁274と、上面276と、を有する。周辺壁274及び上面276は、キャビティ278を画定する。キャビティ278は、上部開口部280と、下部開口部282と、を含む。上部開口部280は、上面276によって画定され、撮像システム116を使用してフローセル103の画像データを取得することを可能にし得る。下部開口部282は、周辺壁274の下縁部284によって画定され、関心対象のサンプルを異なるガスケットアセンブリ138を通してフローセル103のチャネル128に装填することを可能にし得る。
【0095】
図5は、
図4のフローセルカートリッジアセンブリ102の底面図である。示されるように、フローセルマニホールド137は、単一の入口140と、流体ライン144と、出口142と、を含む。上述の如く、フローセルマニホールド137の入口140は、流体ライン144を介して出口142の各々に結合される。フローセルマニホールド137及びその流体ライン144は、より少ないバルブ構成を使用して、フローセルカートリッジアセンブリ102を通る流体の流れを制御することを可能にし得る。
【0096】
図6は、接着剤スタック146と、各々が対応する貫通孔154、156のうちの1つを画定するガスケット148と、を含む、
図1のガスケットアセンブリ138の例示的な実装形態の等角拡大図である。ガスケット148は、シリコンシートから形成され得、接着剤スタック146は、PET及び/又は転写接着剤を有する両面塗布テープであり得る。概して、ガスケットアセンブリ138は、耐熱性接着剤を含み得、ガスケット材料は、約20℃~約60℃で複数回の熱サイクルに耐えることができ、かつ材料に関して約18ヵ月の貯蔵寿命を有し得る。
【0097】
接着剤スタック146及び/又はガスケット148を形成するために、接着剤スタック146及び/又はガスケット148は、レーザ切断プロセス、ダイ切断プロセス、ナイフ/バリ切断プロセス、及び/又はウォータージェット切断プロセスを使用して切断することができる。これらの又は他のプロセスは、ガスケット148を、より少ない欠陥で、かつ癒着欠陥のない、又はより少ない状態で形成することを可能にする。
【0098】
図7は、ガスケット148、第1の接着剤158、第2の接着剤160、及び分離層162を例解する、
図1のガスケットアセンブリ138の例示的な実装形態の等角拡大図である。いくつかの実装形態では、ガスケットアセンブリ138は、約4ミリメートル(mm)±0.2mmの直径を有し、貫通孔154及び/又は156は、約1ミリメートル(mm)±0.1mmの直径を有し、ガスケット148の厚さは、約1.0mm±0.1mmであり、ガスケット148は、約30ショアA±5ショアAの硬度を有し、接着剤スタック146は、約75マイクロメートル(μm)の厚さを有する。厚さ及び/又は直径は、ガスケットアセンブリ138及び/又はその構成要素148、154、156、158、160、162と関連付けて言及されているが、他のサイズ及び/又は直径が好適であることが分かり得る。
【0099】
図8は、
図1のシステム100で使用することができるフローセル103の別の実装形態の平面図を例解する。
図4の実装形態とは対照的に、
図8のフローセル103は、2つのチャネル128を含み、かつより小さい幅を有する。ガスケットアセンブリ138は、
図8のフローセル103に結合されて示されていないが、ガスケットアセンブリ138は、ガスケットアセンブリ138が
図4のフローセル103に結合される方法に類似する様式で含まれ得る。2つのチャネル128が示されているが、代わりに、例えば6つのチャネル又は1つのチャネルなどの、任意の数のチャネルが含まれ得る。フローセル103が1つのチャネルを含む場合、フローセルマニホールド137は省略され得る。
【0100】
図9は、本開示の教示による、フローセル103を組み立てるために使用することができるシステム300である。示される実装形態では、システム100は、ピックアンドプレース機械302と、ガスケットフィーダ304と、組み立てプロセス中にフローセル103を受容するキャリア306と、を含む。ピックアンドプレース機械302は、Fujiピックアンドプレース(PNP)機械であり得、ガスケットアセンブリ138を取り上げて配置するために使用されるヘッド308と、位置データを取得するために使用されるセンサ310と、を含み得る。位置データは、ガスケットアセンブリ138及び/又は組み立てられるフローセル103の位置を含み得、また、光学検出若しくは他のプロセスを通して、フローセル基準点、フローセルマニホールド基準点、及び/又はガスケットアセンブリ138基準点を識別するために使用することができる。
【0101】
ピックアンドプレース機械302のヘッド308は、ガスケットアセンブリ138の端部分312を受容する凹部311を画定し、ヘッド308とガスケットアセンブリ138との間の結合を作成することを可能にする一対の円弧形状のアパーチャ313を含む。ガスケットフィーダ304は、テープ316上にガスケットアセンブリ138を含むロール315を受容するスプール314を有する。テープ316は、低粘着性テープであり得、ライナアセンブリと称され得る。ガスケットフィーダ304はまた、ガスケットアセンブリ138が組み立てプロセス中に分配されるときにテープ316を案内するガイド318と、ガスケットアセンブリ138がガスケットフィーダ304上の取り上げ位置322にあることを感知するセンサ320と、を含む。センサ320が、取り上げ位置322にあるガスケットアセンブリ138を感知することに応答して、ガスケットフィーダ304は、例えば、取り上げ位置322にあるガスケットアセンブリ138がヘッド308によって取り上げられるまで、ガスケットアセンブリ138の送給を停止し得る。
【0102】
動作中に、ピックアンドプレース機械302は、センサ310及び/又は320から位置データを取得し、ピックアンドプレース機械302は、この位置データに基づいて、ヘッド308にテープ316からガスケットアセンブリ138の1つ以上を取り上げさせ、ガスケットアセンブリ138をフローセル103のチャネル128の第2の開口部134のうちの1つと位置合わせさせる。位置合わせさせると、ヘッド308が移動して、ガスケット138を押圧してフローセル103と係合させることによって、対応する第2のチャネル開口部134でガスケットアセンブリ138をフローセル103に結合する。ピックアンドプレース機械302は、第2のチャネル開口部134の各々がそれに隣接して取り付けられたガスケットアセンブリ138のうちの1つを有するまで、ガスケットアセンブリ138をフローセル103に結合するプロセスを繰り返し得る。ピックアンドプレース機械302はまた、類似する様態で、フローセルマニホールド137及び関連するガスケットアセンブリ138をフローセル103の第1の端部132に取り付け得る。フローセルマニホールド137が省略された場合の実装形態では、ピックアンドプレース機械302は、ガスケットアセンブリ138が第2のチャネル開口部134に結合されるときと類似する様態で、対応するガスケットアセンブリ138を第1のチャネル開口部130の各々に結合することができる。
【0103】
次いで、フローセル103及び関連する構成要素137、138を含むフローセルアセンブリが、キャリア306及び/又はシステム100から取り出され得る。例えば、フローセル103のスキャン及び/又は流体完全性を検証するためのフローセル103の圧力試験を含む、品質管理手順がフローセル103に行われ得る。バーコードラベルがフローセル103に添付され得る。品質試験が行われた後、フローセルアセンブリは、フローセルフレーム136内に固定され得る。
【0104】
図10は、
図9のシステム100で使用することができるヘッド308の等角図を例解する。示される実装形態では、ヘッド308は、ガスケットアセンブリ138の端部分312及び円弧形状のアパーチャ313を受容する凹部311を含む端部324を含む。円弧形状のアパーチャ313は、ヘッド308の長さ又はヘッド308の長さの一部分を通って延在し得る。
【0105】
図11は、
図9のシステム100で使用することができるガスケットアセンブリ138のロール315の一部分の断面図である。示される実装形態では、ロール315は、ガスケットアセンブリ138と、ガスケットアセンブリ138が取り外し可能に結合されるテープ316と、を含む。テープ316は、剥離ライナ352と、永久接着剤354と、箔層356と、を含む。永久接着剤364は、箔層356及び剥離ライナ352を接合し得、ガスケットアセンブリ138が取り外されるときに、ガスケットアセンブリ138によって剥離ライナ352が外れないことを確実にする。箔層356は、レーザ切断プロセス中にレーザがテープ全体316を切り通すことを止めて、容易に取り外せるようにガスケットアセンブリ138を剥離ライナ352上に残すために使用され得る。
【0106】
いくつかの実装形態では、ドライアイス洗浄を使用して、細片を取り除き得る。テープ316はまた、第3の接着剤358と、PET層360と、を含む。第3の接着剤358は、箔層356を接合し、PET層360及びPET層360は、箔層356にしわが寄ることを防止し得る。他の実装形態では、第3の接着剤358は、バリアコーティングであり得、PET層360は、ヒートシールコーティングであり得る。ライナ362はまた、ガスケットアセンブリ138の上に提供されて、ガスケットアセンブリ138がロール315の別の層のテープ316に結合することを防止し得る。
図11に示されるように、単一の列のガスケットアセンブリ138を有するロール315を生成するために、複数の列(例えば、4つの列)のガスケットアセンブリ138を有するより大きなロールが、切断機械を使用して切断され得る。
【0107】
図12は、
図9のシステム300を使用して、
図1のフローセルカートリッジアセンブリ102の一部分、又は本明細書で開示されるフローセル103のいずれかを組み立てる方法のフローチャートを例解する。ブロックの実行順序は、変更され得、並びに/又は説明されたブロックのいくつかは、変更され得、省略され得、組み合わせられ得、及び/若しくは複数のブロックに再分割され得る。
【0108】
プロセス1200は、複数のガスケットアセンブリ138を含むロール315からガスケットアセンブリ138を分配することから始まる(ブロック1202)。ロール315からガスケットアセンブリ138を分配することは、ガスケットアセンブリ138にガスケットフィーダ304のガイド318を通過させることを含み得る。ガスケットアセンブリ138の場所は、センサ320を使用して検出される(ブロック1204)。ガスケットアセンブリ138の場所は、ガスケットアセンブリ138が取り上げ位置322に位置することと関連付けられ得る。ガスケットアセンブリ138は、ピックアンドプレース機械302のヘッド324を使用して取り上げられる(ブロック1206)。ガスケットアセンブリ138は、接着剤スタック146と、ガスケット148と、を含む。接着剤スタック146は、ガスケット148に接合された第1の側150を有し、かつ接着剤スタック146の第1の側150の第1の接着剤158と、接着剤スタック146の第2の側152の第2の接着剤160と、第1の接着剤158と第2の接着剤160との間に位置決めされる分離層162と、を含む。いくつかの実装形態では、第1の接着剤158は、アクリル接着剤を含み、第2の接着剤160は、シリコーン接着剤を含み、分離層162は、ポリエチレンテレフタレート層を含む。
【0109】
ガスケットアセンブリ138の第2の側152は、フローセル103のチャネル128の開口部130、134を取り囲む表面に配置され(ブロック1208)、ガスケットアセンブリ138は、フローセル103の表面に向かって押圧され、それによって、接着剤スタック146の第2の側152をフローセル103の表面に結合する(ブロック1210)。
【0110】
前述の説明は、当業者が本明細書に説明される様々な構成を実践することを可能にするために提供される。対象技術は、様々な図及び構成を参照して特に説明されてきたが、これらは例解目的のみのためであり、対象技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0111】
本明細書で使用する際、単数形で記載され、かつ「a」又は「an」という語に続く要素又は工程は、かかる除外が明示的に記載されていない限り、複数のこれらの要素又は工程を除外しないものとして理解されるべきである。更に、「一実装形態」への言及は、列挙された特徴をまた組み込む追加の実装形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。更に、反対に明示的に記載されない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、又は「有する(having)」実装形態は、その特性を有するか否かにかかわらず、追加の要素を含み得る。更に、用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などは、本明細書において互換的に使用される。
【0112】
本明細書全体を通して使用される「実質的に」、「およそ(approximately)」、及び「約」という用語は、処理のばらつきなどに起因する小さな変動を説明及び考慮するために使用されている。例えば、それらは、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
【0113】
主題技術を実施するための多くの他の方法が存在し得る。本明細書に説明される様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なって分割され得る。これらの実装形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義される一般的な原理は、他の実装形態に適用することができる。したがって、主題技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって、多くの変更及び修正を主題技術に行うことができる。例えば、異なる数の所与のモジュール又はユニットが用いられ得、異なる種類若しくは複数の種類の所与のモジュール又はユニットが用いられ得、所与のモジュール又はユニットが追加され得、あるいは所与のモジュール又はユニットが省略され得る。
【0114】
下線付き及び/又はイタリック体の見出し及び副見出しは、便宜上のみのために使用され、主題技術を限定するものではなく、主題技術の説明の解釈と関連して言及されない。当業者に既知である、又は後に知られることになる、本開示全体にわたって説明される様々な実装形態の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題技術に包含されることが意図される。更に、本明細書に開示された何物も、かかる開示が上記の説明において明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公開専用であることを意図するものではない。
【0115】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【国際調査報告】