(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】包装材料製造装置及び包装材料製造装置における機能ユニットの位置決め方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/18 20170101AFI20240326BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20240326BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240326BHJP
B31B 50/88 20170101ALI20240326BHJP
【FI】
B31B50/18
B23K26/00 B
B26D7/06 Z
B31B50/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548888
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2022054340
(87)【国際公開番号】W WO2022180009
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】レイオン、ホーカン
【テーマコード(参考)】
3E075
4E168
【Fターム(参考)】
3E075AA23
3E075BA99
3E075CA01
3E075DA02
3E075DA12
3E075FA03
3E075FA13
3E075GA01
4E168AA02
4E168JA17
(57)【要約】
包装材料(3)のウェブを案内して移動させるように構成された搬送装置(5)と、処理システム(10)とを備えた包装材料製造機(1)が提供される。処理システム(10)は、少なくとも1つのキャリア(110)に接続された機能ユニット(12)と、固定支持体(120)及び前記支持体(120)と平行に配置され移動可能なバー(130)を備える位置決め装置(100)とを備え、少なくとも1つのキャリア(110)は、前記固定支持体(120)及び前記バー(130)の一方のみに選択的にキャリア(110)を取り付けるように構成された取り付け装置(160)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料(3)のウェブを案内し移動させるように構成された搬送装置(5)と、処理システム(10)とを備えた包装材料製造機(1)であって、
前記処理システム(10)は、少なくとも1つのキャリア(110)に接続された機能ユニット(12)と、固定支持体(120)及び前記固定支持体(120)と平行に配置され移動可能なバー(130)とを備える位置決め装置(100)と、を備え、
前記キャリア(110)は、前記固定支持体(120)及び前記バー(130)の一方のみに選択的に前記キャリア(110)取り付けるように構成された取り付け装置(160)を備える、
包装材料製造機(1)。
【請求項2】
前記位置決め装置(100)が、前記バー(130)に連結されたリニア駆動装置(150)をさらに備える、
請求項1に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項3】
前記位置決め装置(100)は、リニアエンコーダ(142)をさらに備える、
請求項1又は2に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項4】
前記リニアエンコーダ(142)は、前記支持体(120)及び前記バー(130)と平行に配置された位置ロッド(140)上に配置されている、
請求項3に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項5】
各キャリア(110)が、前記リニアエンコーダ(142)によって検出可能な位置インジケータ(112)を備える、
請求項3又は4に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項6】
前記バー(130)は、前記固定支持体(120)から垂直方向に距離をおいて配置されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項7】
各キャリア(110)が、前記固定支持体(120)及び前記バー(130)を覆う垂直延長部を有する、
請求項1~6のいずれかに記載の包装材料製造機(1)。
【請求項8】
各キャリア(110)の前記取り付け装置(160)が、支持体ロックユニット(162)とバーロックユニット(164)とを備える、
請求項1~7のいずれかに記載の包装材料製造機(1)。
【請求項9】
前記支持体ロックユニット(162)及び前記バーロックユニット(164)は、共通のアクチュエータ(166)によって制御される、
請求項8に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項10】
前記共通のアクチュエータ(166)が空気圧バルブである、
請求項9に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項11】
前記支持体ロックユニット(162)及び/又は前記バーロックユニット(164)は、空気圧ブレーキシリンダである、
請求項8~10のいずれか1項に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項12】
前記機能ユニット(12)が、レーザーユニット(12a)、切断ユニット(12b)、洗浄ユニット(12c)、又はカメラユニット(12d)、又は印刷ユニット(12e)からなる群から選択される、
請求項1~11のいずれか一項に記載の包装材料製造機(1)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の包装材料製造機において、包装材料のウェブの幅にわたって機能ユニットを位置決めする方法であって、
i)機能ユニットを、固定支持体と、前記固定支持体と平行に配置され移動可能に配置されたバーとを含む位置決め装置のキャリアに取り付け、前記キャリアを前記固定支持体に対して所定の位置にロックし、
ii)前記キャリアを前記固定支持体から解放すると同時に、前記キャリアを前記バーにロックし、
iii)前記バーと前記キャリアを所望の位置に移動させ、
iv)前記キャリアを前記固定支持体にロックすると同時に、前記キャリアを前記バーから解放する、
ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料及び/又は一緒に使用するための位置決め装置を備える包装容器製造機に関する。特に、本発明は、包装材料製造機の複数の機能ユニットを直線的に位置決めするための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
包装業界では、包装材料から個々の包装容器を製造する高性能機械が開発されている。通常、バルク材料のコア層と、選択的に少なくとも保護層とを備え、両面を1つ以上のポリマー層で覆われた包装材料は、高速加工プロセスで連続ウェブとして製造され、包装材料のウェブの幅は複数のレーンに対応する。各レーンの幅は、包装容器を形成するように寸法決めされる。複数レーンの包装材料が製造された後、包装材料は複数のロールに切断され、各ロールは単一のレーンに対応する。出来上がった包装材料のロールは、ウェブ給紙式包装容器製造機に装填可能であり、あるいは、ブランク給紙式包装容器製造機に装填される別々のブランクに切断されてもよい。
【0003】
包装容器製造機は、ラミネートされた包装材料を受け取り、複数のステーションが包装材料の必要な処理を行う。このようなステーションには、すぐに使用できる個々のパッケージの流れを提供するため、例えば、供給、滅菌、チューブ成形、充填、シール、切断、最終成形が含まれ得る。
【0004】
最新の機械では、包装材料のウェブは非常に高速で運転され、1時間当たり40,000個のパッケージまで可能な機械速度が市販されている。また、加工の間、すなわち包装材料のラミネート及び製造のプロセス中にも高速が利用され、それによってウェブの速度は通常、例えば400m/分以上のオーダーになる。
【0005】
包装材料のウェブの製造、及び充填機を通るウェブの輸送には、高精度の位置制御が必要である。例えば、包装材料の製造は、折り目線、プレカットされた穴、及びレジスタマーク及び/又は装飾等の印刷パターンを提供するステップを含んでもよい。特に、印刷ステップは別々のステップで実行されてもよく、最終的なパッケージの外観は異なる特徴の配置に依存する。従って、変換工場や充填機での生産中に包装材料の位置決めにおける制御不能なばらつきは、様々な種類の誤差が生じる可能性がある。
【0006】
したがって、プレラミネートされた穴と折り目線との間の高精度の位置合わせを提供するだけでなく、折り目線、プレカットされた穴、キャップ等の外部デバイス、及び以前の印刷パターンとの相対的な印刷パターンの高精度の位置合わせを提供することも望ましい。
【0007】
さらに、包装材料のウェブに固有の情報を付加することが望ましい。このような情報は、例えば、トレーサビリティ及び/又は認証の目的のために、製造日、変換工場等に関連するものであってもよい。このような情報は、例えば、コード化された形式で提供されてもよく、読み取り可能な文字や画像が使用されてもよい。
【0008】
固有のコードは、変換時のエラー及び/又は逸脱を追跡するために使用することができ、そのようなマークは、さらに欠陥の除去を容易にすることができる。
【0009】
包装材料のマーキングは、様々な目的、すなわち、固有の情報を提供するため、又は位置決めのための基準マークを提供するために実行してもよい。基準マークを読み取ることにより、包装材料のウェブの位置、特に、横方向又は交差方向の位置を調整することが可能になる。オフセット印刷又はインクジェット装置等の連続印刷技術によって行われる後続の印刷は、このようにして、基準マークに対して正しく位置決めされ、したがって、包装材料に追加される他の特徴に対しても正しく位置決めされ得る。
【0010】
パッケージにマークを付けるための1つのシステムが、本出願人によるWO2020008047に開示されている。このシステムでは、複数のマーキング装置が包装材料のウェブの幅にわたって配置されている。各マーキング装置は固定された位置を有し、包装材料のウェブ上にレーザーでアブレーションされたマークを生成することができる。動的コンテンツをマークに提供するために、複数のレーザー出力がコントローラによって独立して制御される。
【0011】
上記のシステムは、包装材料のウェブ上に動的コンテンツを印刷する際に大きな利点を提供するが、各マーキング装置の正しい位置を設定することが非常に重要である。正しい位置は包装材料ウェブの寸法及び仕様から決定されるため、新しい包装材料ウェブを製造するたびにマーキング装置の位置を再設定する必要がある。包装材料間の違いには、例えば、幅の違い、レーン数の違い、それぞれのレーン上のマークの横方向の位置の違い等が含まれてもよい。マーキング装置の位置は高精度に設定する必要があるため、マーキング装置の再位置決めには多大な労力が必要となる。
【0012】
この問題は、マーキングシステムだけでなく、包装材料製造機や包装容器製造機で使用される可能性のある他の装置にも存在する。例えば、これらの機械は、洗浄装置、切断装置、検査装置、又は包装材料の幅にわたって配置される他の印刷装置を備えてもよく、各装置の正しい位置は、包装材料のウェブの特性によって決定される。
【0013】
従って、包装材料の幅を横切って分散された複数の装置の迅速、高精度、かつ独立した位置制御を可能にする位置決め装置を提供することが有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、複数の機能ユニットを搭載することができ、包装材料の幅にわたって各機能ユニットの位置を独立して制御することができる位置決め装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的を解決するために、位置決め装置を備える包装材料製造機が提供される。この包装材料製造機は、包装材料のウェブを案内して移動させるように構成された搬送装置と、少なくとも1つのキャリア及び位置決め装置に接続された機能ユニットを含む処理システムとを備え、位置決め装置は、固定支持体と、支持体と平行に配置され、移動可能なバーとを備え、少なくとも1つのキャリアが、固定支持体及びバーの一方のみに選択的にキャリアを取り付けるように構成された取り付け装置を備える。
【0016】
位置決め装置は、バーに接続されたリニア駆動装置をさらに備えてもよい。これにより、バー及びそれに連結されたキャリアの正確で精密な移動が達成される。
【0017】
位置決め装置は、リニアエンコーダをさらに備えてもよい。これにより、各キャリアの正確な位置を連続的に監視することができ、各キャリアの正確な位置が保証され、必要な修正をトリガすることができる。
【0018】
リニアエンコーダは、支持体及びバーと平行に配置された位置ロッド上に配置されてもよい。好ましくは、位置ロッドは、固定支持体の全幅に沿って延び、包装材料のウェブの全幅にわたってキャリアの位置を監視することができる。
【0019】
各キャリアには、リニアエンコーダによって検出可能な位置インジケータが設けられてもよい。したがって、位置インジケータが位置ロッド及びリニアエンコーダの検出可能な近傍に常に配置されているので、各キャリアの位置は、常に監視される。
【0020】
可動バーは、固定支持体から垂直方向に距離を置いて配置されてもよい。これにより、特に各キャリアが固定支持体とバーを覆う垂直延長部を有するように構成されている場合に、キャリアを強固に支持することができる。
【0021】
各キャリアの取り付け装置は、支持体ロックユニットとバーロックユニットとを備えてもよい。したがって、別々のロックユニットを使用して、キャリアを固定支持体又は可動バーに選択的に固定することができる。
【0022】
支持体ロックユニットとバーロックユニットは、共通のアクチュエータによって制御されてもよい。これにより、ロックユニットの一方のみがロックモードにあることが保証される。
【0023】
一般的なアクチュエータは空気圧バルブであってもよく、ロックユニットを制御するためのシンプルかつ堅牢なソリューションを提供する。
【0024】
支持体ロックユニット及び/又はバーロックユニットは、空気圧ブレーキシリンダであってもよい。これにより、比較的に低いが、それでも十分なロック力をキャリアに与えることができる。
【0025】
機能ユニットは、レーザーユニット、切断ユニット、クリーニングユニット、印刷ユニット、又はカメラユニットからなる群から選択されてもよい。
【0026】
第2の態様によれば、先に説明したような包装材料製造機上で包装材料のウェブの幅にわたって機能ユニットを位置決めする方法が提供される。本方法は、
i)機能ユニットを、固定支持体と、支持体と平行に配置され移動可能に配置されたバーとを含む位置決め装置のキャリアに取り付け、キャリアを支持体に対して所定の位置にロックし、
ii)キャリアを支持体から解放すると同時に、キャリアをバーにロックし、
iii)バーとキャリアを所望の位置に移動させ、
iv)キャリアをサ支持体にロックすると同時に、キャリアをバーから解放する、
ことを含む。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態に係る処理システムを有する包装材料製造装置の部分の概略図である。
【
図2】一実施形態による位置決め装置を有する処理システムの概略側面図である。
【
図3】一実施形態による処理システムの斜視図である。
【
図4】一実施形態による位置決め装置の斜視図である。
【
図5】
図4に示した位置決め装置のさらなる斜視図である。
【
図6】一実施形態による処理システムの機能ユニットの位置決め方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、上方から見た包装材料製造機1の部分が概略的に示されている。包装材料製造機1は、異なる材料を包装材料3のウェブに変換するための様々なステーション(図示せず)を含んでもよい。このために、包装材料製造機1は、紙ベースの材料のコア層が両面に1つ又は複数のポリマー層とラミネートされるコンバーティング設備として提供されてもよい。通常、包装材料ウェブ3は、コア材料層、外層、及び内層を備える。
【0031】
外層は、コア材料層の一方の側に適用され、製造されるパッケージの外面を提供するように適合され、この外面及び外層は、包装材料3のウェブから製造される最終パッケージの周囲に面する。内層は、コア材料層の他方の面に適用され、製造される最終パッケージの内面であって、パッケージに収容される製品と接触する内面を提供するように適合される。
【0032】
コア材料は、包装材料3のウェブに剛性を与えるためのシートであってもよく、好ましくは、板紙又はボール紙等の材料で作られてもよい。
【0033】
外層は、ポリマー材料の少なくとも1つの層を備えてもよく、このポリマー材料は、ラミネート工程でコア材料層に塗布される。さらに、外層を構成する層の1つは、形成されるパッケージの外側の外観を構成する装飾層であってもよい。
【0034】
ラミネート包装材料の内側部分は、コア材料層の内側の反対側に、ポリマー材料の少なくとも1つの層を備えてもよい。完成したパッケージの内側を意図した包装材料の内側部分は、例えば、(コア材料層から出発して)ラミネート層、酸素ガス等のガスに対するバリアとして機能するアルミニウム箔等の保護層、及びシール層を備えてもよい。ラミネート層はコア材料と保護層との接着を可能にし、シール層はパッケージのヒートシールを可能にする。
【0035】
包装材料3のウェブのポリマー層は、特に、食品との接触に適した任意の適切なタイプのポリマー材料、好ましくは、ポリエチレン等のポリオレフィン等の熱可塑性材料であってもよい。
【0036】
図1に示すように、包装材料製造機1は、搬送装置5と処理システム10とを備える。搬送装置5は、ここではローラーとして概略的に示されており、ブロック矢印で示された前進方向に包装材料3のウェブを案内し移動させるように構成されている。
【0037】
処理システム10は、包装材料3のウェブの幅にわたって延在する位置決め装置100と、位置決め装置100に接続された複数の機能ユニット12とを備える。各機能ユニット12は、通過する包装材料3のウェブに、又はウェブに作用を与えるように構成されている。
【0038】
以下にさらに説明するように、各機能ユニット12は、キャリア110によって位置決め装置100に接続される。各キャリア110は、好ましくは、汎用であり、すなわち、実質的な変更を加えることなく、膨大な種類の機能ユニット12に機械的に接続することができる。したがって、一実施形態では、キャリア110は、機能ユニット12に機械的に接続されるだけであり、それによって、電源、信号等の機能ユニット12のための付加的な接続は、機能ユニット12自体に設けられる。
【0039】
位置決め装置100は、固定支持体120と可動バー130とをさらに備える。各キャリア110は、以下でさらに説明するように、固定支持体120又はバー130に連結されている。
【0040】
図1では、包装材料3のウェブは8つのレーン7を備える。各レーン7は、個々の包装容器を形成するために必要な幅に対応する幅を有する。従って、包装材料3のウェブが製造されたとき、それは8つの部分に切断され、各部分は単一のレーン7に対応し、それによって単一の部分は包装容器製造機(図示せず)への投入材料として使用される。
【0041】
処理システム10は、各キャリア110とそれに関連する機能ユニット12の横方向の位置を制御するように構成されている。通常、各機能ユニット12は、特定の包装材料3のウェブを製造する間、固定された位置を有する。しかし、別の種類の包装材料3のウェブ、例えば、異なる幅や異なる数のレーン7を有するウェブが製造される場合、キャリア110の数及び/又は位置をそれに応じて調整する必要がある。
【0042】
したがって、処理システム10は、好ましくは、位置決め装置100の動作を制御するように構成された制御ユニット20に接続され、また任意選択で機能ユニット12の動作も制御するように構成された制御ユニット20に接続される。制御ユニット20は、一実施形態では、位置決め装置100に接続され、キャリア110の実際の横方向位置に対応する信号S1を受信し、1つ又は複数のキャリア110のモードを固定モードから可動モードに変更するための信号S2を送信し、可動モードにあるキャリア110を所望の位置に移動させるための信号S3を送信するように構成された第1のモジュール22を備える。第1のモジュール22に加えて、制御ユニット20は、機能ユニット12に接続され、これらに制御信号S4を送信するように構成された第2のモジュール24を備えてもよい。
【0043】
一例では、処理システム10は、包装材料3のウェブ上にレーザーマーク4を設けるように構成されている。
図1に示される実施形態では、レーザーマーク4は、処理システム10の下流に配置された包装材料3のウェブ上に設けられる。このような実施形態では、各機能ユニット12は、レーザーヘッドであり、制御信号S4を受信すると起動され、包装材料3のウェブに光を照射し、それによって可視マーク4をアブレーションする。
【0044】
包装材料3のウェブのレーザーマーキングは、本出願人によって、例えばWO2020008047に記載されており、このプロセスの技術及び手順は、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0045】
図2には、処理システム10がより詳細に示されている。処理システム10の一部を形成する位置決め装置100は、固定支持体120と可動バー130が平行に、かつ互いに垂直方向の距離をおいて延びるように設計されている。固定支持体120は、ここでは剛体の形態であり、包装材料3のウェブの全幅にわたって、又は少なくとも機能ユニット12によって使用され得る幅をカバーするように延在する。好ましくは、可動バー130も包装材料3のウェブの幅全体にわたって延在しているが、包装材料3のウェブの幅全体よりも長くてもよいし、可動バー130がキャリア110とそれに接続された機能ユニット12のそれぞれの位置に移動できる限り、包装材料3のウェブの幅の一部だけをカバーするのに十分であってもよい。
【0046】
処理システム10の一例を
図3に示す。ここで、位置決め装置100は、位置決め装置100の延長に沿って間隔をあけて配置された4つのキャリア110を備える。各キャリア110は、機能ユニット12a~eに接続されている。
【0047】
機能ユニット12a~eは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、各機能ユニット12a~eは、レーザーヘッド12a、クリーニング装置12b、切断装置12c、カメラ等の検査装置12d、又は、インクジェット印刷装置等の別の印刷装置12eであってもよい。別の実施形態では、単一の処理システム10は、異なる機能ユニット12a~eを有してもよい。
【0048】
図3に示され、さらに
図4及び
図5を参照して説明されるように、固定支持体120は、位置決め装置100の底部及び中央部に配置される。可動バー130は、固定支持体120の上方に垂直に配置され、固定支持体120の実質的に全幅に沿って平行に延びている。さらに、位置決め装置100は、位置ロッド140を有する。位置ロッド140は、固定支持体120及び可動バー130と平行に配置され、位置ロッド140の長さは、固定支持体120の長さと実質的に等しい。
【0049】
各キャリア110は、可動バー130によって、位置ロッド140と同様に固定支持体120に沿って移動可能である。このため、各キャリア110は、固定支持体120又は可動バー130のいずれかに選択的に連結されるように構成されている。キャリア110が可動バー130にロックされると、
図4に示されるように、駆動ユニット150が作動して、キャリア110を所望の位置まで駆動する。いくつかの実施形態では、同じキャリア110を数回駆動して所望の位置に到達させることができる。これを達成するために、キャリアは、固定支持体120にロックされた状態で、可動バー130からロック解除されてもよく、可動バー130がその初期位置に来た後、キャリア110は、再び可動バー130にロックされ、固定支持体120からロック解除され、駆動ユニット150によって再び駆動されてもよい。駆動ユニット150は、好ましくは、1つ以上のキャリア110が位置ロッド140に沿った実際の位置から所望の位置まで移動されるように、可動バー130の横方向の移動を制御するように構成されたリニアモーターである。
【0050】
キャリア110の正確な位置決めのために、位置ロッド140にはリニアエンコーダ142が設けられている。リニアエンコーダ142は、位置ロッド140の長さに沿って延在し、位置インジケータ112の位置を検出するように構成されている(
図5参照)。各キャリア110には、このような位置インジケータ112が、例えば、磁石の形態で設けられている。
【0051】
次に
図5を参照すると、位置決め装置100のさらなる詳細が示されている。キャリア110を固定支持体120又は可動バー130に選択的に固定するために、各キャリア110には取り付け装置160が設けられている。
【0052】
図示の実施形態では、取り付け装置160は、キャリア110を固定支持体120に固定するように構成された支持体ロックユニット162と、キャリア110を可動バー130に固定するように構成されたバーロックユニット164とを備える。支持体ロックユニット162及びバーロックユニット164は、好ましくは、共通のアクチュエータ166によって制御される。一実施形態では、支持体ロックユニット162及びバーロックユニット164のそれぞれは、ブレーキシリンダの形態であり、それぞれ固定支持体120及び可動バー130に向かって、及び可動バー130から離れる方向に移動可能なブレーキパッド163、165を有する。共通のアクチュエータ166は、好ましくは、加圧空気供給源に接続された空気圧バルブである。アクチュエータ166は、固定支持体120で作動するブレーキシリンダ162を作動させるか、可動バー130で作動するブレーキシリンダ164を作動させるかのいずれかである。したがって、各キャリア110は、常にロックモードか可動モードのいずれかにある。ロックモードでは、アクチュエータ166が固定支持体120に作用するブレーキシリンダ162を作動させ、ブレーキパッド163が固定支持体120の好ましくは平面状の表面に押し付けられる。ブレーキパッド163と固定支持体120との間の摩擦により、キャリア110は固定位置を有する。制御信号S2(
図1参照)を受信すると、キャリアは現在のモードをロックモードから可動モードに切り替える。したがって、アクチュエータ166は、ブレーキシリンダ162に作用する圧力が解放され、代わりに可動バー130に作用するブレーキシリンダ164に作用するように切り替わる。そして、関連するブレーキパッド165が可動バー130の好ましくは平面状の表面に押し付けられ、ブレーキパッド165と可動バー130との間の摩擦によってキャリア110が可動バー130にロックされる。可動バー130が動くように制御されると、可動モードで現在制御されている1つ又は複数のキャリア110の対応する動きを引き起こすだけである。
【0053】
キャリア110の移動中、位置ロッド140を部分的に取り囲む凹部の部材として示されている磁石112は、キャリア110の正確な位置が常に監視されるように、リニアエンコーダ142によって読み取り可能である。移動されたキャリア110の所望の位置に達すると、アクチュエータ166は、移動されたキャリア110のモードを現在の可動モードからロックモードに変更するために再び切り替わる。
【0054】
固定支持体120に沿ったキャリア110の円滑な動きを提供するために、固定支持体120は、上部ガイドレール122と、上部ガイドレール122から垂直方向に間隔をあけて配置された下部ガイドレール124とを備える。ガイドレール122、124は平行に配置され、固定支持体120の幅に沿って延びている。各キャリア100は、ガイドレール122、124に対して摺動するリニアベアリング114、115をさらに備える。上部リニアベアリング115は上部ガイドレール122と相対的に摺動するように配置され、下部リニアベアリング114は下部ガイドレール124と相対的に摺動するように配置されている。
【0055】
図5に見られるように、固定支持体120は、可動バー130のリニアベアリング132が摺動する上部ガイドレール126をさらに備える。したがって、固定支持体120に対する可動バー130の低摩擦で明確に規定された移動が可能になる。
【0056】
図6において、方法200が概略的に示されている。方法200は、包装材料のウェブの幅にわたって機能ユニットを配置するために実行される。上記で説明したように、機能ユニットは、その機能ユニットを通過する包装材料のウェブに対して作用を実行するための任意の適切なユニットであり得る。機能ユニットは、例えば、レーザーヘッド、クリーニングユニット、切断ユニット、検査ユニット、又は印刷装置であってもよい。
【0057】
方法200は、固定支持体と、支持体と平行に配置され移動可能なバーとを含む位置決め装置のキャリアに機能ユニットを取り付ける第1のステップ202を含む。ここで、キャリアは支持体に対して所定の位置にロックされる。
【0058】
次のステップ204では、キャリアをバーにロックすると同時に、キャリアを支持体から解放する。好ましくは、上記で説明したように、このステップは、2つのブレーキシリンダに接続されたアクチュエータを切り替えることによって実行される。
【0059】
ステップ206では、バー及びバーにロックされたキャリアを所望の位置に移動させてから、ステップ208に進み、キャリアをバーから解放すると同時に、キャリアを支持体にロックする。
【0060】
上述した実施形態は、包装材料3のウェブ全体にわたる機能ユニット12の正確な位置決め及び再配置に非常に有利であることが証明されている。典型的には、位置決め装置のためのキャリア110の数は2~20、例えば、3~15である。位置決め装置を設けることにより、包装材料3のウェブの全幅にわたって0.2mmの精度を達成することができる。
【0061】
有利なことに、両方のブレーキシリンダ162、164を作動させるアクチュエータは1つのみであり、例えば、空気圧バルブ166であり、その結果、キャリア110は常に固定支持体120又は可動バー130のいずれかにロックされる。好ましくは、キャリア110は単独で自由に動くことはない。
【0062】
制御ユニット20は、連続動作を提供するようにプログラムされることが好ましい。すなわち、位置決め装置100が作動している限り、すべてのキャリア110の位置が監視され、任意選択で自動的に修正される。
【0063】
ブレーキパッド163、165を使用すると、摩擦に打ち勝つ力が30~50Nの範囲等、比較的小さいことが証明されている。したがって、この力を超えると、キャリア110が損傷するのではなく、キャリア110が移動する。
【0064】
このことの重要な利点は、包装材料製造機1が停止している場合でも、位置決め装置を作動できることである。たとえキャリアが移動し、作業者がキャリアに近づきすぎたとしても、その力は非常に小さいので、作業者に危害を加えることはない。
【0065】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【国際調査報告】