(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】プッシュカートに変換可能なスクーター
(51)【国際特許分類】
B62K 13/00 20060101AFI20240326BHJP
B62K 5/007 20130101ALI20240326BHJP
【FI】
B62K13/00
B62K5/007
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552005
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 IL2022050377
(87)【国際公開番号】W WO2022224238
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523322379
【氏名又は名称】ゴルフイット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GOLFIT LTD
【住所又は居所原語表記】7 Hadaya St., 4703432 Ramat Hasharon (IL)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオール,ジブ
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA07
3D011AC01
3D011AD22
(57)【要約】
モーター駆動スクーターは、動力付または無動力であり得るプッシュカートに可逆的に変換され得る。プッシュカートへの変換には、車軸間距離を短くするステップおよび/またはステアリングコラムを後方に傾けるステップおよび/またはステアリングハンドルを後方に伸ばすステップ、が含まれてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクーターモードからプッシュカートモードに可逆的に変換可能な車両であって、
前輪およびステアリングコラムを備える、ステアリングシステムと、
前記ステアリングシステムに接続された前部と、
後輪を備える後部と、そして
前記前部を前記後部に接続する連結部であって、前記連結部は、前記スクーターモードと比較して、前記プッシュカートモードにおける前記車両の車軸間距離を短くする、連結部と、
を備える、車両。
【請求項2】
前記連結部は複数のヒンジを含む、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記連結部は複数のバーを含む、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記連結部は、前記前部と前記後部との可逆的接続部を含む、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記可逆的接続部はセルフロックレバーを含む、請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記可逆的接続部は偏心クランプレバーを含む、請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記可逆的接続部は工具なしで操作可能である、請求項4に記載の車両。
【請求項8】
前記可逆的接続部は、解体することなく操作可能に構成されている、請求項4に記載の車両。
【請求項9】
前記連結部は折り畳み可能であって、2つの構成でロックされて前記スクーターモードおよび前記プッシュカートモードを提供する、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
プッシュカートモードに変換する際に、前記車両の前記後部が前記車両の前記前部に向かって移動し、それによって前記前輪と前記後輪との距離が減少する、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
プッシュカートモードに変換する際に、前記前部および前記ステアリングコラムが後方に傾く、請求項1に記載の車両。
【請求項12】
プッシュカートモードに変換する際に、前記ステアリングシステムがユーザーに向かって後方に傾いて前記前輪にキャスター効果が創出される、請求項1に記載の車両。
【請求項13】
前記ステアリングシステムは、ハンドルバーおよび歩行ハンドルを更に備える、請求項1に記載の車両。
【請求項14】
前記ハンドルバーは、前記ステアリングシステムに可逆的に接続されている、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記可逆的接続部はセルフロックレバーを含む、請求項14に記載の車両。
【請求項16】
前記可逆的接続部は偏心クランプレバーを含む、請求項14に記載の車両。
【請求項17】
前記可逆的接続部は工具なしで操作可能である、請求項14に記載の車両。
【請求項18】
前記可逆的接続部は、解体することなく操作可能に構成されている、請求項14に記載の車両。
【請求項19】
前記ハンドルバーは、調整可能かつロック可能である、請求項13に記載の車両。
【請求項20】
プッシュカートモードに変換する際に、前記歩行ハンドルが収納位置からユーザーに向かって伸ばされる、請求項13に記載の車両。
【請求項21】
前記歩行ハンドルは、調節可能かつロック可能である、請求項13に記載の車両。
【請求項22】
前記前部は、バッテリーおよびバッテリー支持部を備える、請求項1に記載の車両。
【請求項23】
着脱可能な充電式バッテリーを更に備える、請求項1に記載の車両。
【請求項24】
プッシュカートモードにおいて、前記車両は、プッシュカート動力付モードとプッシュカート無動力モードとの間で切り替え可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項25】
前記ハンドルバーは、モーター駆動モードにおける前記車両の速度を予め設定または調整するように構成された制御パネルを備える、請求項13に記載の車両。
【請求項26】
前記車両をプッシュカート動力付モードとプッシュカート無動力モードとの間で切り替えるように構成された制御パネルを更に備える、請求項13に記載の車両。
【請求項27】
モーター駆動モードにおける移動の前進方向と後進方向との間を切り替えるように構成された制御パネルを更に備える、請求項13に記載の車両。
【請求項28】
プッシュカートモードにおいて、前記車両は、無動力モードでは手動で押されるように構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項29】
プッシュカートモードにおいて、前記車両は、無動力モードの歩行器として機能するように構成される、請求項1に記載の車両。
【請求項30】
前記歩行ハンドルは、前記プッシュカートに動力供給するためのボタンを少なくとも一方の側に備える、請求項13に記載の車両。
【請求項31】
プッシュカート無動力モードにある間、前記歩行ハンドルの前記ボタンを押すと、前記車両がプッシュカート動力付モードに切り替わる、請求項30に記載の車両。
【請求項32】
前記歩行ハンドルの前記ボタンを離すと前記プッシュカートが停車する、請求項30に記載の車両。
【請求項33】
停車した後に駐車ブレーキが自動的に作動する、請求項32に記載の車両。
【請求項34】
前記車両は、モーター駆動モードにある間、遠隔制御によって方向付けられるように構成される、請求項24に記載の車両。
【請求項35】
前記車両は、モーター駆動モードにある間、自動的にユーザーに追従するように構成される、請求項24に記載の車両。
【請求項36】
プッシュカートモードにおいて、前記車両は、動力付モードにある間、手動で方向付けられるように構成される、請求項24に記載の車両。
【請求項37】
スクーターに動力供給し速度を制御するために前記ハンドルバーの右側および左側の両方で操作されるように構成された速度スロットルを更に備える、請求項13に記載の車両。
【請求項38】
前記ハンドルバーの前記速度スロットルを離すと前記スクーターが停車する、請求項37に記載の車両。
【請求項39】
停車した後に駐車ブレーキが自動的に作動する、請求項38に記載の車両。
【請求項40】
スクーターモードにおいて、高い自転車様シートに座っている間に、移動スクーター/トラクター様シートに座っている間に、任意選択で1つまたは複数の踏み板上に立った姿勢で乗車が行われる、請求項1に記載の車両。
【請求項41】
可逆的に接続された高い自転車様シートおよび可逆的に接続された移動スクーター/トラクター様シートを更に含む、請求項1に記載の車両。
【請求項42】
少なくとも1つの前記自転車様シートおよび前記移動スクーター/トラクター様シートを前記車両内に収納可能である、請求項41に記載の車両。
【請求項43】
買い物かごまたはカート、ゴルフバッグ、1つまたは複数のチャイルドシート、傘、ドリンクボトルまたは魔法瓶、収納中の自転車様シートおよび移動スクーター/トラクター様シートを運ぶように構成された付属品支持部を更に備える、請求項1に記載の車両。
【請求項44】
前記付属品支持部は、前記車両の前部に配置される、請求項43に記載の車両。
【請求項45】
前記車両の後部にトレーラーが引っ掛けられる、請求項1に記載の車両。
【請求項46】
車両を変換する方法であって、
モーター駆動スクーターモードの車両を調達するステップと、
ステアリングコラムを後方に傾けるステップと、そして
前輪と後輪の間の距離を減少させて、前記車両をプッシュカートモードに変形させるステップと、
を備える、方法。
【請求項47】
歩行ハンドルをユーザーに伸ばすステップを更に含む、請求項46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幾つかの実施形態において、個人用車両に関し、排他的ではないがより詳細には、多目的車両に関する。
【背景技術】
【0002】
蘭国特許発明第193529号明細書は、個人用移動車両であって、前フレーム部分と後フレーム部分を備え、分解したり組み立てたりでき、動力付の後フレーム部分に容易に取り付けられ得る、個人用移動車両を開示している。
【0003】
国際公開第2017009695号は、個人向携帯型相互変換可能多用途装置を開示しており、ここで、移動装置は、複数のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアのアドオンを介して、ベッド、座椅子、旅行バッグ、ダイニングテーブル、勉強机、ソファ、ラップトップ型テーブル、ワークステーション、ショッピングカート、テント、寝椅子、個人用通勤車両、社会的通勤ユニット、エクササイクラー、緊急ストレッチャーのような、複数の屋内備品や屋外備品に変換される。
【0004】
米国特許出願公開第2020/0008990号明細書は、人間を輸送するための車輪付個人用移動デバイスと、個人用移動デバイスと共に使用するための電気モーターと、キー溝付接続部と、電磁ブレーキシステムと、ステアリング係合機構と、を備える再構成可能な車輪付個人用移動デバイスを開示しており、ここで、車輪付個人用移動デバイスは、少なくとも3つの構成の間で再構成可能である。
【0005】
米国特許第6302421号明細書は、車両が乗車者操舵可能な構成と外部操舵可能な構成との間を迅速かつ容易に行き来して変換され得るように、分断可能なステアリングシステムを有するキャスターを備えた車両を開示している。ここで、車両は、ベビーカー、玩具車両、スクーター、車椅子、カート、台車などであってよく、1つ以上のキャスターを有していてもよい。
【0006】
米国特許出願公開第2015/0209205号明細書は、複数の後輪および少なくとも1つの前輪と、足面が取り付けられた下部シャーシと、車輪引込装置であって、前記下部シャーシに機械的に接続され、前記複数の後輪を前記下部シャーシから引き抜き/前記下部シャーシに引き込むと共に前記複数の後輪を互いに異なる複数の幅で固定するように設定された、車輪引込装置と、を備える、車輪引込装置を有するモーター駆動車両を開示しており、ここで、前記複数の後輪と前記少なくとも1つの前輪の中心を通る軸の間の距離は、前記複数の後輪が前記下部シャーシに向かって引き込まれるときに減少する。
【0007】
無動力プッシュカート(ショッピングカートなど)に変換する無動力スクーター、ユーティリティ車両に変換する動力付スクーターのように、様々な形態の間で変換する変換可能な車両が多数存在している。しかしながら、排他的ではないが特に軽度の身体的制約がある人が使用するために、動力付または無動力であり得るプッシュカートに変換する動力付スクーターが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、スクーターモードからプッシュカートモードに可逆的に変換可能な車両であって、前輪およびステアリングコラムを含むステアリングシステムと、ステアリングシステムに接続された前部と、後輪を含む後部と、そして前部を後部に接続する連結部であって、スクーターモードと比較してプッシュカートモードにおける車両の車軸間距離を短くする、連結部と、を含む車両が提供される。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態によれば、連結部は複数のヒンジを含む。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、連結部は複数のバーを含む。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態によれば、連結部は、前部と後部との可逆的接続部を含む。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可逆的接続部はセルフロックレバーを含む。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、レバーは偏心クランプレバーである。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可逆的接続部は工具なしで操作可能である。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可逆的接続部は、解体することなく操作可能に構成されている。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態によれば、連結部は折り畳み可能であって、2つの構成でロックされてスクーターモードおよびプッシュカートモードを提供する。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードに変換する際に、車両の後部が車両の前部に向かって移動し、それによって前輪と後輪との距離が減少する。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードに変換する際に、前部およびステアリングコラムが後方に傾く。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードに変換する際に、ステアリングシステムがユーザーに向かって後方に傾いて前輪にキャスター効果が創出される。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ステアリングシステムは、ハンドルバーおよび歩行ハンドルを更に含む。
【0021】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ハンドルバーは、ステアリングシステムに可逆的に接続されている。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可逆的接続部はセルフロックレバーを含む。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態によれば、レバーは偏心クランプレバーである。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可逆的接続部は工具なしで操作可能である。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可逆的接続部は、解体することなく操作可能に構成される。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ハンドルバーは調整可能かつロック可能である。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードに変換する際に、歩行ハンドルが収納位置からユーザーに向かって伸ばされる。
【0028】
本発明の幾つかの実施形態によれば、歩行ハンドルは、調節可能かつロック可能である。
【0029】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前部は、バッテリーおよびバッテリー支持部を含む。
【0030】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、着脱可能な充電式バッテリーを更に含む。
【0031】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードにおいて、車両は、プッシュカート動力付モードとプッシュカート無動力モードとの間で切り替え可能である。
【0032】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ハンドルバーは、モーター駆動モードにおける車両の速度を予め設定または調整するように構成された制御パネルを備える。
【0033】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、プッシュカート動力付モードとプッシュカート無動力モードとの間で車両を切り替えるように構成された制御パネルを更に含む。
【0034】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、モーター駆動モードにおける移動の前進方向と後進方向との間を切り替えるように構成された制御パネルを更に備える。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードにおいて、車両は、無動力モードでは手動で押されるように構成されている。
【0036】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードにおいて、車両は、無動力モードの歩行器として機能するように構成される。
【0037】
本発明の幾つかの実施形態によれば、歩行ハンドルは、プッシュカートに動力供給するためのボタンを少なくとも一方の側に備える。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカート無動力モード中に歩行ハンドルのボタンを押すと、車両がプッシュカート動力付モードに切り替わる。
【0039】
本発明の幾つかの実施形態によれば、歩行ハンドルのボタンを離すと、プッシュカートが停車する。
【0040】
本発明の幾つかの実施形態によれば、停車した後に駐車ブレーキが自動的に作動する。
【0041】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、モーター駆動モードにある間、遠隔制御によって方向付けられるように構成される。
【0042】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、モーター駆動モードにある間、自動的にユーザーに追従するように構成される。
【0043】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プッシュカートモードにおいて、車両は、動力付モードにある間、手動で方向付けられるように構成される。
【0044】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、スクーターに動力供給し速度を制御するためにハンドルバーの右側および左側の両方で操作されるように構成された速度スロットルを更に含む。
【0045】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ハンドルバーの速度スロットルを離すとスクーターが停車する。
【0046】
本発明の幾つかの実施形態によれば、停車した後に駐車ブレーキが自動的に作動する。
【0047】
スクーターモードにおいて、高い自転車様シートに座っている間で、移動スクーター/トラクター様シートに座っている間で、任意選択により1つまたは複数の踏み板上に立った姿勢で乗車が行われる。
【0048】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、可逆的に接続された高い自転車様シートと、可逆的に接続された移動スクーター/トラクター様シートを更に含む。
【0049】
本発明の幾つかの実施形態によれば、少なくとも1つの自転車様シートおよび移動スクーター/トラクター様シートを車両内に収納可能である。
【0050】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両は、買い物かごまたはカート、ゴルフバッグ、1つまたは複数のチャイルドシート、傘、ドリンクボトルまたは魔法瓶、収納中の自転車様シートおよび移動スクーター/トラクター様シートを運ぶように構成された付属品支持部を更に含む。
【0051】
本発明の幾つかの実施形態によれば、付属品支持部は、車両の前部に配置される。
【0052】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両の後部にトレーラーが引っ掛けられる。
【0053】
本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、本明細書の実施形態の任意の組み合わせによる方法が提供される。
【0054】
本発明の幾つかの実施形態の態様によれば、本明細書の実施形態の任意の組み合わせによるシステムが提供される。
【0055】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明の幾つかの実施形態を、本明細書において、あくまで実施例として添付の図面を参照しつつ説明する。ここで図面を詳細に具体的に参照するにあたり、示されている詳細は、実施例として本発明の実施形態の例示的な議論を目的とするものであることを強調しておく。これに関し、図面に伴う説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにするものである。
【0057】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、スクーターモードの車両の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、プッシュカートモードの車両の概略斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による、自転車様シートを備えたスクーターの概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による、移動スクーター/トラクター様シートを備えたスクーターの概略斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、付属品を備えたプッシュカートモードの車両の概略斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による、付属品を備える自転車様シートを備えたスクーターの概略斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、収容位置における歩行ハンドルの概略斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による、伸長位置における歩行ハンドルの概略斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による、スクーターモードとプッシュカートモードの間の車両の可逆的変形を示すフローチャート図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による、スクーターモードからプッシュカートモードへの変換を示すフローチャート図である。
【
図11】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、変形可能なスクーターの例示ブロック図である。
【
図12】
図12は、本発明の例示的な実施形態による、変形可能なスクーターの断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、変形可能なスクーターの連結部の斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の例示的な実施形態による、変形可能なスクーターの分離された部分の斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の例示的な実施形態による、トレーラーを備えた変形可能なスクーターの斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の例示的な実施形態による、トレーラーの斜視図である。
【0058】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【発明の詳細な説明】
【0059】
本発明は、その幾つかの実施形態において、個人用車両に関し、排他的ではないがより詳細には、多目的車両に関する。
<概要>
【0060】
あらゆる年齢の人々が、病気、年齢、病状、手術、または怪我からの回復のために移動の問題を抱えている。移動を支援するため、歩行器、車椅子、動力付スクーターを含む、多種多様な移動デバイスが存在している。これらは各々が特定の問題や活動を支援するように設計されているが、利点の範囲が狭く、どの単一のデバイスも、ユーザーがその特定のデバイスを使って従事できる活動の範囲は限定されがちである。
【0061】
従って、体力や能力の向上または低下に合わせ、移動デバイス購入の身体的、感情的、そして経済的な負担を減少させるために、ある形態から別の形態に変換して様々な状況にある人々を支援する移動デバイスが必要とされている。
【0062】
本発明は、幾つかの実施形態において、可逆的にカートに変換され得るモーター駆動スクーターに関する。幾つかの実施形態において、カートは、動力支援付カートおよび/または無動力プッシュカートおよび/または遠隔制御カートおよび/または自動追従カートおよび/または独立ロボットカートを含み得る。任意選択で、スクーターは、軽度の身体的制約がある人、並びに/或いは、長距離および/または起伏の多い地形(縁石の外側など)を歩くことが困難な人、が使用するように構成される。例えば、移動スクーターのユーザーは、(例えば歩行器を用いた)限定的な支援の有無にかかわらず、(例えば、店舗の通路に沿って)屋内を歩くことができるかもしれない。例えば、ある人は、デバイスを店舗に行くための移動スクーターとして使用し得るが、より混雑した状態の店舗内では、それをショッピングカートおよび/または歩行器として使用して自身を安定させてもよい。例えば、健康な人もまた、この機能が役立つと感じるかもしれない。
【0063】
幾つかの実施形態において、車両は、変形可能な連結部によって相互接続された前部と後部とを含んでいてもよい。例えば、連結部は、伸長可能および/または収縮可能であってもよい。任意選択で、前部は、変形可能なステアリングシステムを含んでいてもよい。例えば、ステアリングシステムは、車両の前部上の前方位置(例えば、スクーターモードでの使用中[例えば、スクーターモードは、立ち乗りスクーターモード、ユーザーが自転車型式のシートを使用して乗るモード、および/またはユーザーがベンチおよび/またはフルシートに座るモード、を含み得る])および/または後方位置を有し得る。例えば、ステアリングシステムのステアリングコラムおよび/またはハンドルは、プッシュカートモードでは後輪の後方に伸びていてもよい。
【0064】
幾つかの実施形態において、プッシュカートモードは、1つまたは複数の可能なスクーターモードよりも短い車軸間距離を有してもよい。例えば、スクーターモードの車軸間距離は、プッシュカートモードの車軸間距離の1.1~1.3倍および/または1.05~1.1倍および/または1.3~1.8倍および/または1.8~2.5倍であり得る。例えば、プッシュカートモードの車軸間距離は、70~90cmおよび/または90~150および/または150~250および/または40~70cmの範囲であり得る。例えば、スクーターモードの車軸間距離は、90~110cmおよび/または110~170および/または170~270および/または60~90cmの範囲であり得る。例えば、スクーターモードの車軸間距離は、プッシュカートモードの車軸間距離よりも10~30cmおよび/または5~10cmおよび/または30~100cmの範囲だけ大きくてよい。
【0065】
幾つかの実施形態において、車両の幅は、60~100cmおよび/または30~60cmおよび/または100~200cmの範囲であり得る。幾つかの実施形態において、車両の高さは、70~120cmおよび/または40~70cmおよび/または120~200cmの範囲であり得る。幾つかの実施形態において、車両は、立ったまま乗るため、および/または座っている間に足を置くための踏み板を有していてもよい。例えば、スクーターモードでの踏み板の踏み込み高さは、5~15cmおよび/または2~5cmおよび/または15~30cmの範囲であり得る。
【0066】
幾つかの実施形態において、車両は、1つまたは複数のモーター、例えば電気モーターを含んでもよい。任意選択で、モーターは、各々100~300Wおよび/または300~600Wおよび/または600~1000Wの範囲の出力を有し得る。任意選択で、モーターの複合電力は、200~600Wおよび/または600~1200Wおよび/または1200~3000Wの範囲であり得る。任意選択で、車両にはバッテリーが含まれるであろう。例えば、バッテリーは、10~20Ahおよび/または5~10Ahおよび/または20~40Ahの容量を有し得る。
【0067】
幾つかの実施形態において、車両の重量は、20~60kgおよび/または10~20kgおよび/または60~120kgの範囲であり得る。任意選択で、前部と後部との間の重量の比率は、1.2~0.8および/または0.5~0.8および/または1.2~2.0であり得る。
<例示的な実施形態>
【0068】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明の適用は、以下の説明に記載され、並びに/或いは図面および/または実施例に例示される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態で実現され、または様々な方法で実行されることが可能である。
【0069】
図1は、本発明の実施形態による、スクーターモードの車両の概略斜視図である。
図2は、本発明の実施形態による、プッシュカートモードの車両の概略斜視図である。幾つかの実施形態において、車両は、スクーターモード(例えば、
図1)からプッシュカートモード(例えば、
図2)に可逆的に変換され得る。任意選択で、車両は前部106を備える。例えば、前部は、ステアリングシステムを含んでもよい。例えば、ステアリングシステムは、1つまたは複数の操舵可能な前輪128を備えてもよい。任意選択で、前輪および/または前部全体がステアリングコラム112周りに回転して操舵してもよい。代替的にまたは追加的に、ステアリングはハブ中心でもよい。例えば、前部は、車輪128がそれら自身の軸周りに回転している間、後部と一直線であり続けてもよい。例えば、車両は、ラックアンドピニオンシステムおよび/または可変比ステアリングシステムを含んでいてもよい。
【0070】
幾つかの実施形態において、ステアリングコラム112の長さが変化してもよい。例えば、コラム112は入れ子式であってもよい。ステアリングシステムは、任意選択で、1つまたは複数のハンドルおよび/またはステアリングホイールおよび/またはステアリングスティックを含む。例えば、ハンドルバー102を回すことによって、および/または歩行ハンドル108を左右に向けることによって、車両を操舵してもよい。
【0071】
幾つかの実施形態において、車両は、前部に対して移動可能な後部を含む。任意選択で、後部は、1つまたは複数の後輪124を備える。追加的または代替的に、後部は、1つまたは複数の踏み板134を含んでもよい。追加的または代替的に、後部は、シートおよび/またはシート支持ポート136を含んでいてもよい。例えば、支持部は、シートポストを挿入するためのポート136を含んでいてもよい。代替的または追加的に、恒久的に取り付けられたシートがあってもよい。
【0072】
幾つかの実施形態において、後部は、変形可能な連結システムによって前部および/またはステアリングシステムに接続される。例えば、連結システムは、1つまたは複数のスペーサーを含んでもよい。例えば、スペーサーは、バー118,132および/または連結部122を含んでもよい。幾つかの実施形態において、スペーサーは変形可能であってもよい。例えば、バー118,132および連結部122は、ヒンジ114,130によって相互接続されてもよい。任意選択で、ロック可能な連結部122は、車両を1つまたは別の構成に固定する。例えば、連結システムは、長車軸間距離のスクーターモードおよび/または短車軸間距離のプッシュカートモードとの間で変形可能であり得る。任意選択で、車軸間距離がスクーターモードとプッシュカートモードとの間で変形されるとき、ステアリングコラム112が後方に傾けられてもよい。追加的または代替的に、ステアリングスティック(例えば、歩行ハンドル108)が、ステアリングコラムから後方に伸ばされていてもよい。例えば、プッシュカートモードにおいて、ステアリングスティック(例えば、ハンドル108および/またはハンドルバー102)が、後輪124の後方に伸びていてもよい。追加的または代替的に、スクーターモードにおいて、ステアリングコラム112は、垂直方向に傾いてもよい(例えば、プッシュカートモードにおけるよりも前方および/またはより垂直に)。
【0073】
実施形態において、連結システムは、ヒンジ114,130周りのバー118,132および/または連結部122を折り畳むことで、プッシュカートモードに変形し、および/または車両の車軸間距離を短くする。例えば、前部に接続されたスペーサー(例えば、バー118,132)は、(例えば、ヒンジ114および/または130において)前部への接続部から上方に旋回することによって上方に折り畳まれ得る。追加的または代替的に、後部に接続されたスペーサー(例えば、連結部122)は、上方に(例えば、後輪124の軸の周りに)折り畳まれてもよい。任意選択で、前部は、連結部を折り畳むことによって後部に近付く。例えば、前スペーサー(例えば、バー118,132)は、ピボット(例えば、後輪124の軸)周りに後スペーサー(例えば、連結部122)に向かって折り畳まれる。代替的または追加的に、連結部は、入れ子式および/または屈曲式および/またはアコーディオン様の折り畳み式および/または横方向折り畳み式などであってもよい。任意選択で、連結部122は、2つの構成に変形可能および/またはロックされて、スクーターモードおよびプッシュカートモードを提供する。
【0074】
幾つかの実施形態において、スペーサー(バー132,118および連結部122)および/またはコネクタ(例えば、ヒンジ130,114)は、車軸間距離が減少するにつれてステアリングコラム112が後方に傾くように、構成される。例えば、下部前方スペース(例えば、バー132)は、上部前方スペーサー(例えば、バー118)よりも後方スペーサー(例えば、連結部122)の旋回点(例えば、後輪124の軸)の近くに接続されており、よって、連結部が折り畳まれると、ステアリングコラム112の上部が、ステアリングコラム112の下部よりも後方に向かって更に引き寄せられ、および/またはステアリングコラム112を後方に傾ける。
【0075】
一実施形態において、スクーターモード(例えば、
図1に図示されるように)では、スクーターへの容易な乗り降りを可能にするため、並びに/或いは乗車を安定および/または安全にするために、1つまたは複数の踏み板134の地上からの高さを小さくする。例えば、1つまたは複数の踏み板134は、プッシュカートモードにおいて最低地上高を増加させる方法で変形するように設計される。例えば、踏み板134は、例えば、ピボット(例えば、
図2に例示されるような後輪124の軸138)周りの回転によって、上方に旋回し得る。一実施形態において、1つまたは複数の踏み板は折り畳み可能である。
【0076】
任意選択で、車両は、付属品支持部126を含む。例えば、付属品支持部126は、前部に接続されてもよい。任意選択で、支持部126は、操舵中に前輪と共に回動する。代替的にまたは追加的に(例えば、ハブ中心ステアリングの場合)、支持部126の向きは、操舵中は固定されてもよい。
【0077】
任意選択で、車両は、1つまたは複数のモーターを含む。例えば、車両は、車両の前部の車輪128にデュアルモーターを含んでいてもよい。追加的または代替的に、1つまたは複数のモーターが車両の後輪124に装備されてもよい。代替的にまたは追加的に、モーターは、車両のシャーシ(例えば、前部および/または後部)に取り付けられ、および/または駆動チェーンを介して車輪124,128を駆動してもよい。
【0078】
プッシュカートモードに変換する実施形態では、歩行ハンドル108は、カートを押しているユーザーに向かって後方に伸ばされる。例えば、ハンドル108は、その収納位置(例えば、
図1、
図4および
図7)から、ステアリングシステムのハンドルバー102の下にあるステアリングコラム112に対してユーザーに向かって上に旋回し、その後、所定位置にロックされる(例えば、
図2、
図5および
図8)。例えば、長時間歩いた後に、ハンドルを持つ手が疲れることがある。そこで、歩行ハンドルのロック機構は、ユーザーがハンドルに手を置く、および/または操舵を容易にすることを可能にする(例えば、
図5)。歩行ハンドル108の高さおよび/または角度は、個々のユーザーに合うように、ハンドルバーの高さおよび/または角度、並びに/或いは連結システムの長さと同様に、任意選択で調節可能110である。代替的にまたは追加的に、調整可能な110ヒンジを使用して、収納および/または輸送の目的で、プッシュカートモードでハンドルバー102は後方に折り畳まれ得る。
【0079】
プッシュカートモードにおける一実施形態(例えば、
図2および
図5)では、車両の長さは上記した変形によって短くなり、ハンドルバー102に接続されユーザーによって保持される歩行ハンドル108は、片手で操舵し易いように、および/または、歩行中にユーザーの足が踏み板134に当たらないように、できるだけ短くされる。
【0080】
一実施形態において、スクーターモードでは、車両は、ユーザーが後輪のアクセルの前に立つ/座れるくらい十分に長く(例えば、
図1、
図3および
図4)、よって、特に急な上り坂で後方にひっくり返る危険性が減少する。一実施形態においては、スクーターの前部がステアリングシステムの前に位置しており、更なる安定性が提供される。
【0081】
いくつかの実施形態において、スロットルおよび/または他の制御部は、左および/または右ハンドルバー102並びに/或いは制御パネル104並びに/或いは歩行ハンドル108の一方または両方にあってもよい。幾つかの実施形態において、ブレーキシステムは、スロットルが離されたときにスクーターを自動的に停車させ、および/または、車両が停車したときに(任意選択で一定時間経過後に)駐車ブレーキを自動的にセットする。代替的にまたは追加的に、手動ブレーキ係合機構が存在していてもよい。
【0082】
図3は、本発明の一実施形態による、自転車様シートを備えたスクーターの概略斜視図である。
図4は、本発明の一実施形態による、移動スクーター/トラクター様シートを備えたスクーターの概略斜視図である。一実施形態において、スクーターモードのとき、(例えば、
図3の)高い自転車様シート302に座っている間に、および/または、(例えば、
図4の)移動スクーター/トラクター様シート402に座っている間に、任意選択で(例えば、
図1の)1つまたは複数の踏み板134上に立った姿勢で、乗車が行われる。自転車様シート302または移動スクーター/トラクター様シート402は、任意選択で、高さ調節可能な入れ子式管状シート支持部304によって支持される。支持部304は、任意選択で、コネクタによって連結システムに固定される。任意選択で、接続は可逆的であり得る。例えば、コネクタはポート136を含んでいてもよい。任意選択で、ポート136はスクーターの後部に置かれる。
【0083】
図5は、本発明の一実施形態による、付属品(この例示的なケースでは、チャイルドシートおよびショッピングカート)を備えたプッシュカートモードの車両の概略斜視図である。
【0084】
一実施形態において、プッシュカートモードは、任意選択で動力付または無動力とされる(例えば、
図9)。一実施形態において、プッシュカートモードは、手動で押されるように、および/または無動力モードで歩行器として機能するように、構成される(例えば、
図5)。
【0085】
図6は、本発明の一実施形態による、付属品(この例示的なケースでは、チャイルドシートおよびショッピングカート)を備える自転車様シートを備えたスクーターの概略斜視図である。一実施形態において、制御パネル104によって、ユーザーはスクーターモードおよび/またはプッシュカート動力付モードの速度を予め設定または調整できる。例えば、パネル104は、ハンドルバー102に取り付けられてもよい。一実施形態において、スクーターモードにある間、スクーターの速度は、スロットルでユーザーによって制御される。一実施形態において、プッシュカート動力付モードにある間、カートの動きは、歩行ハンドル108上の押しボタンでユーザーによって制御される。
【0086】
図7は、本発明の一実施形態による、収容位置における歩行ハンドルの概略斜視図である。
図8は、本発明の一実施形態による、伸長位置における歩行ハンドルの概略斜視図である。車両がプッシュカート無動力モードにある間、特に荷物が重い場合、急な上り坂を押し上げるのが難しくなる可能性がある。追加的または代替的に、それを急な下り坂で停車させるのが難しくなる可能性がある。任意選択で、ユーザーは動力付モードに切り替えることができてもよい。例えば、制御パネル上にスイッチがあってもよい。場合によっては、プレッシャー下ではこの動作が簡単でない可能性がある。任意選択で、一実施形態では、プッシュカートモードでボタン802を押すことによりモーターが作動してもよい。一実施形態において、歩行ハンドル108は、プッシュカートモードのときにモーターを作動させるためのボタン802を両側に1つずつ有し、動力付モードで歩行している間に手を持ち替えることが可能になっている。代替的にまたは追加的に、歩行ハンドルにブレーキシステムの制御部(例えば、ブレーキレバーおよび/またはユーザーが手放すと自動的に車両にブレーキをかけるデッドマンスイッチ)があってもよい。
【0087】
一実施形態において、プッシュカートモードにおいて歩行ハンドルのボタン802を離すと車両が自動的に停車し、および/または停車後に駐車ブレーキが自動的に作動する。
【0088】
一実施形態において、車両のモーターは、バッテリー120によって動力供給される。例えば、バッテリー120は、バッテリー支持部によって所定の位置に保持されてもよい。任意選択で、バッテリー支持部は、車両の前部に配置されてもよい。バッテリー120は、任意選択で(例えば、電動自転車のバッテリーと同様に)着脱可能および/または充電式である。モーターおよび/またはバッテリーで駆動されるモーターは、任意選択で前輪および/または後輪の内側に配置される。
【0089】
一実施形態において、車両は、プッシュカート動力付モードにある間、遠隔制御によって方向付けられ、ユーザーに自動的に追従し、および/または手動で方向付けられる。任意選択で、車両は、任意のモードにおいて、遠隔制御によって(遠隔制御モード)、および/またはユーザーに自動的に追従するように(フォローミーモード)、方向付けられてもよい。例えば、車両は、(例えば、連結部が伸ばされおよび/またはステアリングコラムが垂直に向けられて)スクーターモードにある間、遠隔操作によって、および/またはユーザーに自動的に追従するように、方向付けられてもよい。代替的にまたは追加的に、車両は、(例えば、連結部が収縮し(例えば、折り畳まれ)および/またはステアリングコラムが後方に向けられた状態で)プッシュカートモードにある間、遠隔制御によって、および/またはユーザーに自動的に追従するように、方向付けられてもよい。
【0090】
一実施形態において、付属品支持部116,126は、買い物かごまたはカート502、ゴルフバッグ、1つまたは複数のチャイルドシート504、傘、ドリンクボトルまたは魔法瓶、他の型式の荷物、またはそれらの組み合わせを、スクーターモード(例えば
図5)および/またはプッシュカートモード(例えば
図6)の両方で運ぶように、構成される。
【0091】
図9は、本発明の一実施形態による、スクーターモード、プッシュカート動力付モードおよび/またはプッシュカート無動力モードの間の車両の可逆的変形を示す、フローチャート図である。幾つかの実施形態において、スクーターモードに乗っている間に障害物および/または起伏のある地形に到達したら、ユーザーは、プッシュカートモード904,902に変換して問題のある区間を通過して、その後にスクーターモード902に戻してもよい。
【0092】
幾つかの実施形態において、無動力プッシュカートモード904にあるとき、ユーザーは、動力付および/または動力アシスト付プッシュカートモード906で使用するために、モーターを作動させてもよい。例えば、動力付モードを、荷物が重いおよび/または急勾配および/または起伏のある地形での追加的アシストとして使用してもよい。
【0093】
図10は、本発明の一実施形態による、スクーターモードからプッシュカートモードへの変換を示すフローチャート図である。スクーターモード1002からプッシュカートモード1014への変換に関する一実施形態において、連結システムは、スクーターの後部がスクーターの前部に向かって移動する1004ように、一方のモードから他のモードに折り畳まれる。後部はほぼ垂直になって1008、前輪と後輪との間の距離が減少し1006、前部および/またはステアリングシステムがユーザーに向かって傾けられ、並びに/或いは、伸長ハンドルがユーザーに向かって後方に伸ばされる1012。歩行ハンドルと共に、これによってユーザーの足に十分な空間が提供される。幾つかの実施形態において、ステアリングシステムが後方に傾けられると、前輪にキャスター効果が創出される1010。
【0094】
図11は、本発明の例示的な実施形態による変形可能なスクーターの例示ブロック図である。幾つかの実施形態において、車両は、変形可能な連結部1106によって後部1108に接続された前部1104を含んでいてもよい。前部1104は、1つまたは複数の前輪1124bを含んでいてもよく、および/または、後部1108は、1つまたは複数の後輪124aを含んでいてもよい。例えば、連結部1106は、長さを変えることによって変形してもよい。例えば、プッシュカートモードにおいて、連結部1106は、収縮され、および/または前輪124bと後輪124aとの間の車軸間距離を収縮させてもよい。例えば、スクーターモードにおいて、連結部1106は、伸ばされ、および/または前輪124bと後輪124aとの間の車軸間距離を伸ばしてもよい。任意選択で、車両は、変形可能なステアリング1102を含んでいてもよい。例えば、スクーターモードにおいて、ステアリング1102は、車両の前部の上に立設されてもよい。
【0095】
任意選択で、車両は、1つまたは複数のモーター1111を含む。例えば、車両は、車両の前部1104の前輪1124bにデュアルモーター1111を含んでいてもよい。追加的または代替的に、1つまたは複数のモーターが車両の後輪1124aに装備されていてもよい。代替的にまたは追加的に、モーターを車両のシャーシ(例えば、前部1104および/または後部1108)に取り付け、および/または駆動チェーンを介して車輪124,128を駆動してもよい。
【0096】
本明細書に例示する実施形態は、組み合わせてもよい。例えば、
図11の実施形態は、先の実施形態で説明した特徴の何れかおよび/または全てを含み得る。
【0097】
図12は、本発明の例示的な一実施形態による、変形可能なスクーターの断面図である。幾つかの実施形態において、ロック1247は、車両をあるモードに保持する(例えば、
図12では、車両をスクーターモードに保持しているロック1247が示されている)。代替的にまたは追加的に、ロック1247は、車両をプッシュカートモードにロックすることもできる。任意選択で、車両の連結部をロック解除するためにレバー1231を使用して、例えば、あるモードから別のモードに(例えば、スクーターからプッシュカートモードに)切り替えることができる。
【0098】
幾つかの実施形態において、車両の前部は、スペーサーバー118,132を含む連結部によって、車両の後部に連結されてもよい。任意選択で、連結部はヒンジも含む。例えば、上部バー118は、ヒンジ1241bを介して前部に取り付けられ、および/またはヒンジ1241dを介して後部に取り付けられる。例えば、下部バー132は、ヒンジ1241aを介して前部に取り付けられ、および/またはヒンジ1241cを介して後部に取り付けられる。任意選択で、車両がスクーターモードから折り畳まれるとき、例えば、後部分は(前側を上向きに回転させ、後側を下向きに回転させながら)ヒンジ1241cおよび/または1241d周りに回転する。追加的または代替的に、車両がスクーターモードからプッシュカートモードに折り畳まれるとき、バー118とバー132は互いに近付いて、および/またはより垂直な方向に向かって回転する。
【0099】
幾つかの実施形態において、前部が後部から分離可能であってもよい。例えば、連結部は、前部および/または後部への連結部の可逆的な接続および/または分断を容易にする1つまたは複数のクイックコネクタ1243を含んでいてもよい。例えば、ヒンジ1241bおよび/またはヒンジ1241aは、バー118とバー132の前部への可逆的な分断および/または再接続を容易にするクイックコネクタ1243を含んでいてもよい。
【0100】
幾つかの実施形態において、クイックコネクタ1243は、セルフロック偏心クランプレバーを含んでいてもよい。任意選択で、レバーは、自転車の車輪クイックリリースと同様に、工具なしおよび/または部品の分解なしに操作可能であってもよい。
【0101】
幾つかの実施形態は、トレーラー牽引鉤1233を含んでいてもよい。例えば、牽引鉤1233は、例えばトレーラーをそれに取り付けるために、(例えば、踏み板134の)後方に伸びている。任意選択で、プッシュカートモードでは、踏み板134が垂直に回転し、および/または牽引鉤1233が踏み板134の下方に伸びている。
【0102】
図13は、本発明の例示的な一実施形態による、変形可能なスクーターの連結部の斜視図である。
【0103】
幾つかの実施形態において、調整可能な110ハンドルバーリンク上のクイックコネクタ1243により、車両のハンドルバーの可逆的な取り外しが容易になる。
【0104】
幾つかの実施形態において、クイックコネクタ1243は、セルフロック偏心クランプレバーを含んでいてもよい。任意選択で、レバーは、自転車の車輪クイックリリースと同様に、工具なしに操作可能である。
【0105】
図14は、本発明の例示的な一実施形態による、変形可能なスクーターの分離された部分の斜視図である。
図14において、車両の接続部および/または連結部がより良く見えるよう、車両の左前輪は取り外されている。幾つかの実施形態において、フック様取付具1542aおよびフック様取付具1542b(例えば、自転車の車輪取付具と同様)は、それぞれヒンジ1241aおよびヒンジ1241bでクイックコネクタ1243を保持し、それによって車両の前部への連結部が保持される。例えば、車両の前部および後部を分断するには、ユーザーは、ヒンジ1241aおよびヒンジ1241bでクイックコネクタ1243を緩め、および/または、取付具1542bおよび取付具1542aからバー118およびバー132をそれぞれ持ち上げる。追加的または代替的に、ハンドルバー102および/または制御パネル104を、調整可能な110継手でクイックコネクタ1243を緩めることによって取り外してもよい。例えば、車両を分解すると、車両の収納や輸送が容易になり得る。任意選択で、車両は、シートおよび/またはハンドルバーのような着脱可能な部品を保持および/または収納するためのコネクタを含んでいてもよい。任意選択で、電源ケーブルおよび/または制御ケーブルのクイックコネクタがあってもよく、並びに/或いは制御パネルを車両の様々なアクチュエーターおよび/またはモーターに無線で接続してもよい。
【0106】
図15は、本発明の例示的な実施形態による、トレーラーを備えた変形可能なスクーターの斜視図である。任意選択で、トレーラー1537をトレーラー牽引鉤1233に接続する。例えば、トレーラー1537は、単車軸および/または2輪1524のトレーラーであってもよい。例えば、トレーラー1537は、30~70kgおよび/または10~30kgおよび/または70~140kgおよび/または140~300kgの最大荷重を有し得る。代替的にまたトレーラーに、4輪および/または2軸のトレーラーをトレーラー牽引鉤1233に接続してもよい。
【0107】
図16は、本発明の例示的な実施形態による、トレーラーの斜視図である。幾つかの実施形態において、トレーラー1537は、沿って立つように構成されてもよい。例えば、硬い牽引バー1535が、トレーラー1537の下方に伸び、トレーラー牽引鉤1233用のコネクタ1634および/または、トレーラー1537が単独で立つときの支持部を備えていてもよい。追加的または任意選択で、トレーラー1537は、トレーラー1537を支持し、および/または後方への転倒を阻止する、後方支持部1639を含んでいてもよい。
【0108】
この出願から期間満了までの特許の存続期間中には、多くの関連技術が開発されることが期待されるが、用語の範囲は、そのような全ての新しい技術を先験的に含むことを意図している。
【0109】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、±10%を指す。
【0110】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびそれらの活用語は、「含むがこれらに限定されない」を意味する。
【0111】
「からなる(consisting of)」という用語は、「含みかつこれらに限定される」を意味する。
【0112】
「本質的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、ステップおよび/または部品を含み得るが、追加の成分、ステップおよび/または部品がクレームに記載される組成物、方法または構造の基本的で新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0113】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈において明確に別段の指示がされない限り、複数の言及を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0114】
本出願全体を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示される場合がある。範囲形式での記載は、単に便宜上および簡潔性のためのものであって、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能な部分範囲を具体的に開示するものと考えるべきである。例えば、1~6のような範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びに、例えば1、2、3、4、5、および6などの範囲内の個々の数字を具体的に開示したと考えられるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0115】
本明細書に数値範囲が示されるときは常に、示された範囲内において引用された任意の数字(分数または積分)が含まれることを意味する。本明細書において、第1に示される数字および第2に示される数字「の範囲/の間の範囲(ranging/ranges between)」の語句は、第1に示される数字「から(to)」第2に示される数字「の範囲/からの範囲(ranging/ranges from)」と入替可能に用いられており、第1および第2に示された数字と、それらの間の全ての小数および整数が含まれることを意味する。1つの変数に対して複数の範囲が挙げられている場合は、範囲の組み合わせも含まれる(例えば、1~2および/または2~4の範囲には、1~4までの組み合わせ範囲も含まれる)。
【0116】
本発明の特定の複数の特徴が、明確性のため別々の実施形態の文脈で説明されているが、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔性のため単一の実施形態の文脈で説明されているが、別々に、または任意の適切な部分結合において、または記載された他の任意の本発明の実施形態において好適なものとして、提供されてもよい。様々な実施形態の文脈において説明される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしでは動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0117】
本発明を特定の実施形態と併せて説明したが、当業者には多くの代替、修正および変形が明らかであろうことは明白である。従って、添付の特許請求の範囲の思想および広い範囲に含まれる全てのそのような代替、修正および変形を包含することが意図される。
【0118】
本明細書で言及された全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照によって本明細書に組み込まれると具体的かつ個々に示された場合と同程度に、参照によって本明細書にその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、本出願における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されないものとする。使用されている項見出しは、必ずしも限定的なものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】