(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ソーラーモジュールの製造時の移送ユニットへの装着
(51)【国際特許分類】
H01L 31/18 20060101AFI20240326BHJP
H01L 31/043 20140101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L31/04 400
H01L31/04 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023554775
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 EP2022052330
(87)【国際公開番号】W WO2022189070
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021105987.9
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523334682
【氏名又は名称】エム10 ソーラー エクイップメント ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】M10 Solar Equipment GmbH
【住所又は居所原語表記】Munzinger Strasse 10, 79111 Freiburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ドナトゥス マーティン ツァーン
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター シュナイデライト
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク イェル
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251EA05
5F251JA02
5F251JA07
5F251JA12
(57)【要約】
ここに記載されているのは、ソーラーモジュールを製造する方法であり、ソーラー素子は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子を有し、ソーラーモジュールは、電気的に互いに接続された複数の行から構成され、ソーラーモジュールに装着するために1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップして、ソーラーモジュールの上方で異なる高さで準備しておき、ソーラーモジュールに装着するために、それぞれ目下装着対象の行だけがソーラーモジュールに接触するところまでのみ、複数の行を一緒にそれぞれ降下させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーモジュール(14)を製造する方法であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造する方法において、
前記ソーラーモジュール(14)に装着するために1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップして、前記ソーラーモジュール(14)の上方で異なる高さで準備しておき、前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、それぞれ目下装着対象の前記行だけが前記ソーラーモジュール(14)に接触するところまでのみ、複数の前記行を一緒にそれぞれ降下させる、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
残りの前記行を、前記ソーラーモジュール(14)から垂直方向に離隔したままにする、ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
好適には復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器(8)によって前記行をピックアップする、ことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
特に請求項1から3までのいずれか1項記載の、ソーラーモジュール(14)を製造する方法であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造する方法において、
前記装着過程中、連続する2つの行が異なる移動距離を進むようにする、ことを特徴とする、方法。
【請求項5】
連続する2つの前記行の前記装着過程中、前記ソーラーモジュール(14)を位置固定したままにする、ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
2つの装着過程の間、前記ソーラーモジュール(14)をタイミング制御して移動させる、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
特に装着過程中、前記ソーラーモジュール(14)を連続して移動させる、ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
ウェーハのストライプをソーラー素子(15)として使用する、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ソーラーモジュール(14)を製造するための装置であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造するための装置において、
前記装置には、ピックアップ装置(4,4A)が含まれており、前記ピックアップ装置(4,4A)は、前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップし、前記ソーラーモジュール(14)の上方で異なる高さで準備しておき、前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、それぞれ目下装着対象の前記行だけが前記ソーラーモジュール(14)に接触するところまでのみ、複数の前記行を一緒にそれぞれ降下させる、ように設計されている、ことを特徴とする、ソーラーモジュール(14)を製造するための装置。
【請求項10】
前記ピックアップ装置(4,4A)は、残りの前記行が前記ソーラーモジュール(14)から垂直方向に離隔されたままになるように設計されている、ことを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記ピックアップ装置(4,4A)には好適には復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器(8)が含まれており、前記吸引器(8)は、前記行をピックアップし、特に1つの作業ステップにおいて複数の前記行をピックアップするように設計されている、ことを特徴とする、請求項9または10記載の装置。
【請求項12】
ソーラーモジュール(14)を製造するための、特に請求項9から11までのいずれか1項記載の装置であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造するための装置において、
前記装置にはピックアップ装置(4,4A)が含まれており、前記ピックアップ装置(4,4A)は、前記装着過程中、少なくとも2つの互いに連続する行に対し、異なる移動距離を進むように設計されている、ことを特徴とする、装置。
【請求項13】
前記ピックアップ装置(4,4A)は好適には、前記装着過程中に前記ソーラーモジュール(14)に対して相対的に移動可能であり、特に前記行に対して横方向に移動可能である、ことを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記装置には、前記ソーラーモジュール(14)を収容するための移送ユニット(2,2A)が含まれ、連続する2つの前記行の前記装着過程中、前記移送ユニット(2,2A)を位置固定のままにするように前記装置が設計されている、ことを特徴とする、請求項9から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記移送ユニット(2,2A)が2つの装着過程の間にタイミング制御されて移動するように前記装置が設計されている、ことを特徴とする、請求項9から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
前記移送ユニット(2,2A)が、特に前記装着過程中、連続して移動するように前記装置が設計されている、ことを特徴とする、請求項9から15までのいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーモジュールを製造する方法に関し、ここではソーラー素子は、複数の行に組み合わされ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子を有し、ソーラーモジュールは、互いに電気的に接続された行から構成される。
【0002】
複数の行に組み合わされるソーラー素子は、ソーラーセル、光起電力ソーラーセル、光起電力セルまたはこれらから部分的に切り離された部分、いわゆるシングル、すなわち、例えばソーラーセルシングルまたは光起電力セルシングルであってよい。
【0003】
このような方法では、個々のソーラー素子もしくはソーラーセルの基本要素を1行ずつ転送ユニットに移し、転送ユニットをアセンブル領域に移動し、このアセンブル領域ではソーラー素子を1行ずつトレイまたは別の移送ユニット、特にモータ駆動式の移送ユニットにドロップすることができる。ソーラーモジュールを供給するためのモータ駆動式の移送ユニットにおけるソーラー素子のドロップは、ソーラーモジュールへの装着とも称される。したがって、アセンブル領域は、装着領域、取り付け領域または組み立て構造領域とも称される。
【0004】
ソーラーモジュール、特に一体型のソーラーモジュールに装着するためには、行、すなわちソーラー素子または1行ずつに配置されるソーラー素子における行は、隣り合って配置される2つの行の長手方向軸線に沿って、互いに重なり合って配置可能である。重なり合いの領域では、隣り合って配置される行を接合するために、接着剤または別の固定手段を施すことができる。接着剤は、例えば、転送ユニットに位置しているソーラー素子もしくは行に塗布可能である。接着剤を塗布するために、吐出ユニットが使用可能である。例えば、線状の接着剤塗布を行うことができるディスペンサが使用可能である。択一的には、印刷装置によって接着剤を塗布することが可能である。例えば、接着剤は、印刷法、例えばロール印刷またはスクリーン印刷を用いて塗布可能である。接着剤が施された行は、モータ駆動の移送ユニットにおいて、互いに接してもしくは互いに配向されて接合され、このようしてソーラーモジュールに組み立てることができる。
【0005】
このような方法では、個々のソーラー素子の供給と、ソーラーモジュールへの個々のソーラー素子の装着との間の、サイクル時間とも称される所要時間が、極めて重要である。サイクル時間の短縮は、ソーラーモジュール全体の製造のための加工時間の著しい短縮に結び付く。したがって、本発明の根底にある課題は、ソーラーモジュールを製造する方法の効率を向上させること、特にこのような方法を加速することである。
【0006】
この課題の解決は、冒頭で述べた形式の方法において特に、ソーラーモジュールへの装着のために、1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップし、ソーラーモジュールの上方で異なる高さに準備しておくことと、ソーラーモジュールに装着するために、それぞれ目下装着対象の行だけがソーラーモジュールに接触するところまでのみ、複数の行を一緒にそれぞれ降下させることにある。
【0007】
本発明の根底にあるのは、複数のソーラーセルについての個々の方法ステップを同時に実行することにより、サイクル時間を短縮することができる、という認識である。例えば、本発明による方法では、1つの作業過程で複数の行、すなわち少なくとも2つの行を転送ユニットからピックアップ装置によってピックアップし、これにより、後続のステップにおいて、モータ駆動式の移送ユニットにこれらの行をドロップする。モータ駆動式の移送ユニットは、例えば、トレイまたはベルトコンベヤである。ここでは、本発明による方法によってさらに、ドロップ後に互いに重なり合う少なくとも2つの行を相次いでドロップすることができる。これにより、ソーラーモジュールの製造プロセス内でのピックアップ装置のピックアッププロセスの回数および移動距離が減少し、製造方法に必要な時間が短縮される。したがって、冒頭に述べた方法の効率が向上する。
【0008】
1つの実施形態では、残りの行を、ソーラーモジュールから垂直方向に離隔されたままにするように構成される。例えば、2つまたは3つの行を同時にピックアップ装置によってピックアップして、ソーラーモジュールの上方に供給する。本発明による方法では、ピックアップ装置は、第1の行、もしくは目下装着対象である行が、ソーラーモジュールに接触するまで、例えば、前にドロップした行に重なり合って接触するまで、ピックアップ装置は、垂直方向にソーラーモジュールに接近することができ、第2の行および第3の行もしくは残りの行は、これらの垂直方向の間隔により、第1の行とソーラーモジュールとが接触する際に、引き続いてソーラーモジュールから垂直方向に離隔されたままになることが可能である。このようにして、ピックアップ装置により、同時に複数の行を案内しながら、ソーラーモジュールに1つの行を装着することができる。1つまたは複数の別のドロップステップでは、ソーラーモジュールには別の行を装着することができる。
【0009】
1つの実施形態では、好適には復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器によって行をピックアップするように構成される。例えば、行に配置されたソーラー素子はそれぞれ少なくとも1つの吸引器によってピックアップされる。ここでは、第1の行用の吸引器が、ピックアップ対象の行の方向に見て第2の行用の吸引器を垂直方向に越えて突出するように吸引器が配置可能である。第2の行用の吸引器それ自体も、行の方向に見た別の第3の行用の吸引器を越えて垂直方向に突出することができる、等々である。これにより、個々の行の選択的なピックアップもしくは選択的なドロップが、例えば、第2の行をドロップしてしまうことなく、第1の行をドロップすることが可能になる。例えば、復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器により、第1の行をピックアップもしくはドロップした後、特に1つまたは複数の別の第3の行をピックアップもしくはドロップする前に、別の第2の行をピックアップもしくはドロップすることが可能になる。換言すると、これにより、すなわち、特に、一緒にピックアップした行を後で選択的にドロップすることにより、複数の行を一緒にピックアップすることが可能になる。
【0010】
考えられる独立した別の態様として、冒頭で述べた形式の方法における、冒頭で挙げた課題の解決手段では択一的に特に、装着過程中、互いに連続する2つの行が異なる移動距離を進むようにする。例えば、装着過程中、行に対して垂直方向に、すなわち行の長手方向に対して垂直方向にピックアップ装置を移動させる。例えば、ピックアップ装置により、第1の行および少なくとも1つの第2の行をピックアップする。この場合、ピックアップ装置は、例えばモータ駆動式の移送ユニットに第1の行をドロップした後、かつモータ駆動式の移送ユニットに第2の行をドロップする前に、第1の行に対して垂直方向にかつ相対的に移動させられ、例えばモータ駆動式にまたは機械式に移動させられる。このようにして、装着の際には、モータ駆動式の移送ユニットの移動は、転送ユニットから移送ユニットへと行を移動させるピックアップ装置の移動によって補われかつ/または置き換えられる。このようにして、個々の行は、時間的かつ空間的に効率的に移送ユニットに配置可能である。
【0011】
本方法の1つの実施形態では、ソーラーモジュールへの装着のための装着過程中に、1つの作業過程で互いに連続する2つの行をピックアップするように構成されている。さらに、装着過程中、連続する2つの行が異なる長さの移動距離を進むようにすることが可能である。
【0012】
1つの実施形態では、連続する2つの行の装着過程中、ソーラーモジュールを位置固定したままにするように構成されている。換言すると、移送ユニットは、この実施形態において装着中に移動しない。この実施形態では、ピックアップ装置は、第1の行をドロップした後、ドロップした第1の行に対して垂直方向に移動することができ、これにより、第1の行に隣接してかつ第1の行に重ねて、ソーラーモジュールへの装着のために第2の行を移送ユニットにドロップすることができる。このようにして、複数の行の相対的な配置は少なくとも、ピックアップ装置を移動することによっても決定可能もしくは設定可能である。択一的には装着中に、移送ユニットを移動させる。
【0013】
1つの実施形態では、2つの装着過程の間にソーラーモジュールをタイミング制御して移動させるように構成されている。ソーラーモジュールもしくは移送ユニットのタイミング制御による移動は、移送ユニットに行を装着する際に有利になり得る。装着の際、行は、移送ユニットにおいて互いに配向されかつ接合される。この際、タイミング制御された前進移動により、装着箇所に、移送ユニットに配置すべき新たな列のためのスペースが形成可能である。したがって、ピックアップ装置が新たな積載物をピックアップすべき場合、移送ユニットが移動する間に、ピックアップされるすべての行を順次にドロップするために、ピックアップ装置が移動することが考えられる。
【0014】
1つの実施形態では、2つの装着過程の間に、すなわち1つの作業過程でピックアップされる行のドロップと、別の1つの作業過程でピッグアップされる別の行のドロップとの間に、ソーラーモジュールをタイミング制御して移動するように構成される。
【0015】
このようにして、装着中の行の相対的な配置は、ピックアップ装置の運動のみによって決定可能であるのに対して、移送ユニットの移動により、装着時のピックアップ装置のより小さな、ひいてはより短い移動距離が可能になる。これにより、移送ユニットへの装着が簡単に、特により迅速にかつ高い精度で実行可能である。
【0016】
1つの実施形態では、装着過程中、ソーラーモジュールを連続して移動させるように構成されている。特に、装着過程中、行に対して垂直方向にソーラーモジュールを移動させる。換言すると、装着過程中、移送ユニットを連続して移動する。これにより、ソーラーモジュールの製造プロセスをさらに加速させることができる。このことは特に、行は、モジュールへのこの行の装着中および装着後にさらに移動し、ひいてはより迅速に後続の方法ステップに到達するからである。
【0017】
後続の方法ステップでは、例えば熱処理のために、すなわち接着剤を硬化させるために、熱的作用の領域に、例えば炉内にソーラーモジュールを移動させることができる。この際、ソーラーモジュールは引き続き、移送ユニットに位置していてよい。ここでは、移送ユニットの連続した移動が有利である。というのは、タイミング制御される移動により、熱的作用下において、ソーラーセルの列の異なる滞留時間によって引き起こされる熱的作用の重なり領域が生じてしまい、この重なり領域により、過度に強いまたは過度に弱い熱的作用が、ひいては縞模様が生じてしまうからである。これに対し、ソーラーモジュールもしくは移送ユニットを連続して移動させる際には、行にまた行間に被着された接着剤が硬化する熱作用の領域を通って均一にソーラーモジュールが移動する。
【0018】
移送システムの移動は、行をドロップする際にピックアップ装置を相応に移動することにより、調整可能である。このようにして、行をドロップする際、ピックアップ装置に対する移送ユニットの相対運動を阻止することができる。択一的には、説明した相対運動が行のドロップ中に無視できるように、特に無視できるほど短く、ドロッププロセスの持続時間が選択可能である。
【0019】
考えられる独立した別の態様として、冒頭で挙げた課題の解決手段では特に、ソーラーモジュールを製造するための装置が提供され、ソーラー素子は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子を有し、ソーラーモジュールは、電気的に互いに接続された複数の行から構成され、装置には、ピックアップ装置が含まれており、ピックアップ装置は、ソーラーモジュールに装着するために、1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップし、ソーラーモジュールの上方で異なる高さで準備しておき、ソーラーモジュールに装着するために、それぞれ目下装着対象の行だけがソーラーモジュールに接触するところまでのみ、複数の行を一緒にそれぞれ降下させるように設計されている。
【0020】
1つの実施形態では、ピックアップ装置は、残りの列がソーラーモジュールから垂直方向に離間されたままになるように設計されるように構成されている。
【0021】
1つの実施形態では、ピックアップ装置には好適には復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器が含まれており、この吸引器は、行をピックアップし、特に1つの作業ステップにおいて複数の行を一緒にピックアップするように設計されているように構成されている。
【0022】
考えられる独立した別の態様として、冒頭で挙げた課題の解決手段では特に、ソーラーモジュールを製造するための装置が提供され、ソーラー素子は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子を有し、ソーラーモジュールは、電気的に互いに接続された複数の行から構成され、装置にはピックアップ装置が含まれており、このピックアップ装置は、装着過程中、少なくとも2つの互いに連続する行に対し、異なる移動距離を進むように設計されている。このために、ピックアップ装置は、移送ユニットの走行方向に、かつ/または垂直方向に、例えば、行に沿った方向へ移動可能である。
【0023】
1つの実施形態では、装置、特にそのピックアップ装置が、ソーラーモジュールへの装着のための装着過程中に、1つの作業過程で互いに連続する2つの行をピックアップするように構成される。
【0024】
1つの実施形態では、ピックアップ装置が、装着過程中、互いに連続する少なくとも2つの行に対し、異なる長さの移動距離を進むように構成されるようにする。
【0025】
1つの実施形態では、ピックアップ装置が好適には、装着過程中、ソーラーモジュールに対して相対的に移動可能であり、特に行に対して横方向に移動可能であるように構成される。択一的にまたは補足的には、ピックアップ装置は、好適には装着過程中、行に沿った方向に移動可能であってよい。
【0026】
1つの実施形態では、装置には、ソーラーモジュールを受け止めるための移送ユニットが含まれており、この装置は、連続する2つの行の装着過程中、移送ユニットを位置固定のままにするように設計されているように構成される。
【0027】
1つの実施形態では、移送ユニットが2つの装着過程の間にタイミング制御されて移動するように装置が設計されるように構成される。1つの実施形態では、2つの装着過程の間に、すなわち1つの作業過程でピックアップされる行のドロップと、別の1つの作業過程でピッグアップされる別の行のドロップとの間に、移送ユニットがタイミング制御されて移動するように装置が設計されるように構成される。
【0028】
1つの実施形態では、移送ユニットが、特に装着過程中、連続して移動するように装置が設計されているように構成される。
【0029】
以下では、複数の好ましい実施例に基づき、本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】ソーラーモジュールを製造するための第1装置を示す3次元図である。
【
図2A】ソーラーモジュールを製造するための第2装置を示す3次元図である。
【
図3A】ソーラーモジュールを製造するための第3装置を示す3次元図である。
【
図4A】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットを1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4B】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットを別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4C】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットをさらに別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4D】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットをさらに別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4E】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットをさらに別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4F】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットをさらに別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4G】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットをさらに別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図4H】第1装置、第2装置または第3装置の第1ピックアップ装置、転送ユニットおよび移送ユニットをさらに別の1つの方法ステップに従って示す側面図である。
【
図5A】第1装置、第2装置または第3装置の第2ピックアップ装置を示す側面図である。
【
図5B】第1装置、第2装置または第3装置の移送ユニットを上から見て第2ピックアップ装置を示す3次元図および分解図でピックアップ装置を示す拡大図である。
【0031】
図1Aには、ソーラーモジュール14を製造するための第1装置が3次元図で示されている。装置1には、移送ユニット2、転送ユニット3およびピックアップ装置4が含まれている。
図1Aに示したように、転送ユニット3には、複数の行に構成されているソーラー素子15が配置されている。本実施例では、ソーラー素子15は、いわゆるシングルとして縦長に形成されている。ウェーハのストライプであるソーラー素子15は、シングルとも称される。転送ユニット3に配置される行は、ピックアップ装置4によってピックアップされ、移送ユニット2にドロップされる。1つまたは複数の先行するステップでは、ソーラー素子15は、供給ユニット5に供給され、ハンドリングユニット6によって転送ユニット3に配置される。この先行ステップまたはこれらの先行ステップは、監視システム13、例えば、センサシステムおよび/またはカメラシステムによってコントロール可能である。
【0032】
異なる列の個々のソーラー素子15は、転送ユニット3において、それぞれ列に対して垂直方向に(もしくは列の長手方向に対して垂直方向に)離隔して並べて配置されていてよい。択一的には、異なる列の個々のソーラー素子15は、
図1Aに示したように、列に対して横方向で離間されて、列に対して長手方向で互いにずらされて、いわゆるウォールパターンで配置されていてもよい。
【0033】
転送ユニット3は、移送ユニット2にドロップされる行に対して平行に、すなわち行に沿った方向に移動可能である。転送ユニット3は、移送ユニット2に対して相対的に移動可能である。このようにして、転送ユニット3は、ハンドリングユニット6によってソーラー素子15が転送ユニット3に装着される第1位置から、ピックアップ装置4によって行がピックアップされて移送ユニット2にドロップされる第2位置へと移動可能である。第1位置から第2位置に向かう途中、ソーラー素子15もしくは行には、行の少なくとも1つの長手方向軸線に沿って接着剤が付着される。接着剤の塗布は、複数の吐出ユニットにより、図示した実施例では複数のディスペンサ7により、例えば、1行につきそれぞれ1つのディスペンサによって行われる。択一的には、接着剤の塗布は、ただ1つのディスペンサ7によって行われてもよい(
図3A~
図3C参照を参照されたい)。択一的には、接着剤の塗布は、印刷法、例えばスクリーン印刷またはロール印刷を用いて、印刷ユニット、例えばスクリーン印刷ユニットまたはロール印刷ユニットによって行われる。
【0034】
接着剤を被着した後、移送ユニット2において、転送ユニット3に配置された行と、既に移送ユニット2にドロップされた行とを接合することができる。新たにドロップされる行の接合は、既に前にドロップされた行において、新たにドロップされる行を部分的に重なり合わせてドロップすることによって行われ、接着剤は、既に前にドロップされた行と、新たにドロップされる行とに接触する。換言すると、特に接着剤が被着された領域では、移送ユニット2に配置された行は、部分的に重なり合っている。
【0035】
後続の方法ステップでは、移送ユニット2に配置されかつソーラーモジュール14に組み立てられた行を移送ユニット2において移動させることができる。移送ユニット2は、例えばトレイまたはベルトコンベヤである。移送ユニット2は、モータ駆動式の移送ユニットであってよい。装着されたソーラーモジュール14は、次の方法ステップにおいて、例えば、熱的作用の領域に、例えば炉に案内され、これにより、接着剤が硬化され、ひいてはソーラーモジュール14内の行が互いに強固に接合される。
【0036】
移送ユニット2は、装着過程の間かつ/または装着過程の後、連続してまたはタイミング制御されて移動可能である。特に、移送ユニット2は、装着過程中および装着過程後、連続して移動可能である。択一的には、移送ユニット2は、装着過程中にはタイミング制御されて移動可能であり、また装着過程後には連続して移動可能である。
【0037】
図1Bには、
図1Aの第1装置1が平面図で示されている。同じまたは類似の特徴的構成には、同じ参照符号が付されている。
【0038】
図2Aには、ソーラーモジュール14を製造するための第2装置1Aが3次元図で示されている。第2装置1Aは、
図1Aおよび
図1Bに示した第1装置1と類似している。同じまたは類似の特徴的構成には、同じ参照符号が付されている。装置1の転送ユニット3の代わりに、装置1Aには転送ユニット3Aが含まれている。転送ユニット3Aは、ベルトコンベヤとして形成されている。ベルトコンベヤは、
図1に関して説明した転送ユニット3の第1位置から転送ユニット3の第2位置まで延在している。このベルトコンベヤは、そこに配置された行に対して平行に、かつ移送ユニット2にドロップされた行に対して平行に移動可能である。換言すると、このベルトコンベヤは、行の長手方向に移動可能である。このようにして、転送ユニット3Aにドロップされかつ行に配置されたソーラー素子15は、ベルトコンベヤの運動によって、第1位置から第2位置へと移動可能であり、ソーラー素子15はそこからピックアップ4を用いて移送ユニット2にドロップされる。
【0039】
図2Bには、第2装置1Aが平面図で示されている。
図2Cには、第2装置1Aが側面図で示されている。同じまたは類似の特徴的構成には、それぞれ同じ参照符号が付されている。
【0040】
図3Aには、ソーラーモジュール14を製造するための第3装置1Bが3次元図で示されている。第3装置1Bは、
図1A~
図1Bおよび
図2A~
図2Cに示した第1装置1および第2装置1Aと類似している。同じまたは類似の特徴的構成には、同じ参照符号が付されている。
【0041】
第1装置1の移送ユニット2の代わりに、装置1Bには、ベルトコンベヤとして形成された移送ユニット2Aが含まれている。
図2A~
図2Bに示した、第2装置1Aの転送ユニット3Aの代わりに、第3装置1Bには、ベルトコンベヤとして形成された転送ユニット3Bが含まれている。ベルトコンベヤ3Bは、ベルトコンベヤ上に配置されている行に対して垂直方向に移動可能である。これに対応し、移送ユニット2A、転送ユニット3B、ハンドリングユニット6および供給ユニット5は、移送ユニット2Aおよび転送ユニット3Bにおける行に対して垂直方向に直列に配置されている。
【0042】
図3Aに示した、第3装置1Bの配置構成に類似して考えられるのは、
図1Aおよび
図1Bに示した第1装置1の転送ユニット3が、移送ユニット2、ハンドリングユニット6および供給ユニット5と直列に配置されることである。このような配置構成では、転送ユニット3は、転送ユニット3Bに類似して、転送ユニット3にまたは移送ユニット2に配置された行に対して垂直方向に移動可能であってよい。択一的には、このような配置構成において、ハンドリングユニット6によって転送ユニット3にソーラー素子15が装着される、転送ユニット3の第1位置と、ピックアップ装置4によってソーラー素子15が転送ユニット3からピックアップされて移送ユニット2にドロップされる、転送ユニット3の第2位置とが一致していてよい。このようにして、転送ユニットのロードとアンロードとの間で転送ユニットを移動させる必要がない。
図3Aに示した配置構成はとりわけ、転送ユニット3Bが同時に、ピックアップ装置4によってアンロード可能であり、ハンドリングユニット6によってロード可能であるという利点を有する。
【0043】
図3Bには、第3装置1Bが平面図で示されている。
図3Cには、第3装置1Bが側面図で示されている。同じまたは類似の特徴的構成には、それぞれ同じ参照符号が付されている。
【0044】
図4Aには、転送ユニット3の上方に配置されているピックアップ装置4が示されている。転送ユニット3はここでも、移送ユニット2の上方に配置されている。換言すると、転送ユニット3は、
図1に関連して説明した、転送ユニット3の第2位置に配置されている。択一的には、第1装置1の転送ユニット3は、第2装置1Aの転送ユニット3A、または第3装置1Bの転送ユニット3Bであってよい。第1装置1の移送ユニット2は、第3装置1Bの移送ユニット2Aであってよい。
【0045】
ピックアップ装置4には、1つまたは複数の吸引器が含まれている。図示した実施例では、ピックアップ装置には、直列に配置された複数の吸引器が含まれており、これらの吸引器を用いることにより、ピックアップ装置4によって行をピックアップすることができる。図示した実施例では、複数の吸引器は3つの列に配置されている。図示した実施例では、複数の吸引器のそれぞれの列は、図平面に対して垂直方向に延在している。ここでは、第1吸引器または第1の列に配置された複数の吸引器(
図4では左側の吸引器列)は、転送ユニット3に向かってピックアップ装置4が垂直方向に移動した後、行、または行の1つもしくは複数のソーラー素子15に接触するのに対し、別の列の1つまたは複数の別の吸引器(
図4では中央および右側の吸引器列の吸引器)が、行もしくはソーラー素子15に対して垂直方向に離隔されるように吸引器が配置されている。
【0046】
ピックアップ装置4の垂直方向の移動が、転送ユニット3の方向に続けられると、別の吸引器は、別の行もしくは別の行の別のソーラー素子15に接近する。このようにさらに垂直方向に移動する際、すなわち、第1吸引器または第1吸引器列が既にソーラーセルに接触した後、転送ユニット3の方向に垂直方向に移動する際、この吸引器は、もしくはこれらの第1吸引器は、例えば、復元力に抗して垂直方向に変位させられる。吸引器を垂直方向に位置調整することにより、吸引器がソーラー素子15に接触した後、ソーラー素子15を破壊または損傷することなく、ピックアップ装置4の垂直方向の移動が可能になる。
【0047】
垂直方向に位置調整することにより、複数の吸引器は、互いに対して相対的に同じ高さに配置可能である。転送ユニット3の方向にピックアップ装置4をさらに垂直方向に移動することにより、
図4Bに示したように、最後に複数の第2吸引器、図示した実施例では中間の吸引器列が接触し、また最後に複数の第3吸引器、図示した実施例では右側の吸引器列が、それぞれ別のソーラー素子15に接触する。
【0048】
転送ユニット3から離れるようにピックアップ装置4を垂直方向に移動することにより、接触した個々のソーラー素子15は、転送ユニット3から、ピックアップ装置4を用いてピックアップされる。さらに、吸引器は復元力によってその元の位置に移動し、これにより、異なる列における吸引器は、転送ユニット3および移送ユニット2に対して異なって離隔されている。このことは
図4Cに示されている。吸引器もしくは吸引器列を異なって垂直方向に配置することにより、ピックアップされるソーラー素子15もしくは列は、転送ユニット3および移送ユニット2に対して相対的に異なる高さで垂直方向に離間されて配置される。
【0049】
ピックアップ装置4は、
図4Dに示したように、行に対して垂直方向に、もしくはソーラーモジュール14に向かって並進的に移動可能である。このようにして、ピックアップされたソーラー素子15もしくは行は、移送ユニット2に対して相対的に吸引器もしくは吸引器列を異なって垂直方向に配置することにより、異なる高さで垂直方向に離隔されて配置される。
【0050】
ピックアップ装置4には、垂直方向に位置調整可能ではない吸引器、例えば吸引器列が含まれていてよい。例えば、転送ユニット3もしくは移送ユニット2に対して最大の垂直方向間隔を有する吸引器列は、垂直方向に変位可能でなくてよい。図示した実施例では、これは右側の吸引器列である。
【0051】
図4Eに示したように、第1の行は、移送ユニット2と、もしくは既に移送ユニット2に配置されている行と接触させられるのに対し、別の複数の行、図示した実施例では中央の第2の行および右側の第3の行は、移送ユニット2もしくはソーラーモジュール14の上方で垂直方向に離隔されて配置されている。換言すると、ソーラーモジュール14に装着するために、それぞれ目下装着対象の行だけがソーラーモジュール14に接触するところまでのみ、複数の行を一緒にそれぞれ降下させる。
【0052】
行もしくは行の長手方向軸線に対して垂直方向にピックアップ装置4および/または移送ユニット2を移動させることにより、
図4Gおよび
図4Hに示したように、ピックアップ装置4によってピックアップした複数の別の列を移送ユニット2にドロップすることができる。換言すると、ソーラーモジュール14への装着過程中、第2の行(図示した実施例では中央の行)は、異なる移動距離、すなわち第1の行(図示した実施例では左側の行)よりも長い移動距離を進む。
【0053】
したがって、
図4E~
図4Hに示したように、第2の行を、適切なドロップ位置の上方で垂直方向に位置決めすることができ、これにより、第2吸引器列によってピックアップされたソーラー素子15が移送ユニット2もしくは前にドロップした行に接触するまで、移送ユニット2の方向に垂直方向にピックアップ装置4を移動させる。
【0054】
この過程では、
図4Hに示したように、第1吸引器列には移送ユニット2が接触する。移送ユニット2に第1吸引器列が接触した後、ピックアップ装置4が移送ユニット2の方向にさらに垂直方向に移動を続けることにより、第1吸引器列の垂直方向の位置調整が行われる。
【0055】
図4D~
図4Hに示した装着過程中に、ソーラーモジュール14もしくは移送ユニット2は、例えば固定位置に留まることができるか、または連続して移動することができる。2つの装着過程の間、すなわちピックアップした3つのソーラー素子15のドロップと、ピックアップした別の3つのソーラー素子15のドロップとの間では、ソーラーモジュール14もしくは移送ユニット2は、例えば、連続してかつ/またはタイミング制御されて移動することができ、これにより、移送ユニット2において別の面が、装着のために開放される。
【0056】
図5Aには、
図1A~
図4Hに示した第1ピックアップ装置4に類似した第2ピックアップ装置4Aが示されている。第2ピックアップ装置4Aには、側面図において、2列に配置されている複数の吸引器8が含まれている。吸引器8は、第1ピックアップ装置4の吸引器に対応していてよい。
【0057】
第1の列に配置された吸引器8は、ピックアップ装置4Aの下に配置された基準面、例えば転送ユニット3または移送ユニット2に対して相対的に、垂直方向に第1間隔で離隔されて配置されている。第2の列に配置された吸引器8は、基準面に対して相対的に、垂直方向に第2間隔で離隔されて配置されている。第2間隔は、第1間隔よりも大きい。第1間隔および第2間隔は、基準面に対して相対的に、ピックアップ装置4Aの垂直方向の移動によって変更可能である。第1の列に配置されている吸引器8が、基準面に当接し、ピックアップ装置4Aの垂直方向の移動が基準面の方向に続けられると、この吸引器8は、垂直方向に位置調整され、特にピックアップ装置4Aに対して相対的に移動させられる。図示した実施例では、吸引器8は、ピックアップ装置4Aに対して相対的に、ピックアップ装置4Aの移動方向とは逆方向に、すなわち基準面から離れる方向に移動させられる。垂直方向の位置調整は、図示した実施例ではばね要素9によって供給される復元力に抗して行われる。
【0058】
吸引器8にはそれぞれ、真空吸引器10、例えば吸引ヘッドが含まれている。真空吸引器10は、ソーラー素子15の表面に負圧を生成することによってソーラー素子15をピックアップすることができ、周囲圧を再度生成することによって、または正圧を生成することによってドロップすることができる。それぞれの圧力状態は、例えば、吸引器8に接続されたポンプ装置(図示せず)によって提供可能である。
【0059】
同様に、移送ユニット2または2Aにおいて、ならびに転送ユニット3,3Aまたは3Bにおいて、ソーラー素子15の(例えばピックアップ装置4および/またはハンドリングユニット6とは反対側を向いた)面に負圧を生成することにより、それぞれの移送ユニットまたは転送ユニットにソーラー素子15を保持することができる。負圧は、例えば、上記のポンプ装置またはポンプ装置(図示せず)に接続されている、それぞれの移送ユニットまたは転送ユニットにおける開口部を介して供給可能である。
【0060】
図5Bには、移送ユニット2の上方に配置されるピックアップ装置4Aが3次元図で示されている。同じまたは類似の特徴的構成には、同じ参照符号が付されている。吸引器8にはばね要素9の他に、図示の実施例では固定リング11とばねプッシュロッド12とが含まれている。
【符号の説明】
【0061】
1 ソーラーモジュールを製造するための第1装置
1A ソーラーモジュールを製造するための第2装置
1B ソーラーモジュールを製造するための第3装置
2 第1装置および第2装置の移送ユニット
2A 第3装置の移送ユニット
3 第1装置の転送ユニット
3A 第2装置の転送ユニット
3B 第3装置の転送ユニット
4 第1ピックアップ装置
4B 第2ピックアップ装置
5 供給ユニット
6 ハンドリングユニット
7 ディスペンサ
8 吸引器
9 ばね要素
10 真空吸引器
11 固定リング
12 ばねプッシュロッド
13 監視システム
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーモジュール(14)を製造する方法であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造する方法において、
前記ソーラーモジュール(14)に装着するために1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップして、前記ソーラーモジュール(14)の上方で異なる高さで準備しておき、前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、それぞれ目下装着対象の前記行だけが前記ソーラーモジュール(14)に接触するところまでのみ、複数の前記行を一緒にそれぞれ降下させる、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
残りの前記行を、前記ソーラーモジュール(14)から垂直方向に離隔したままにする、ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
好適には復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器(8)によって前記行をピックアップする、ことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
特に請求項1から3までのいずれか1項記載の、ソーラーモジュール(14)を製造する方法であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造する方法において、
前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、1つの作業過程で、連続する少なくとも2つの行をピックアップし、前記装着過程中、
連続する少なくとも2つの前記行が異なる
長さの移動距離を進むようにする、ことを特徴とする、方法。
【請求項5】
連続する2つの前記行の前記装着過程中、前記ソーラーモジュール(14)を位置固定したままにする、ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
2つの装着過程の間、前記ソーラーモジュール(14)をタイミング制御して移動させる、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
特に装着過程中、前記ソーラーモジュール(14)を連続して移動させる、ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
ウェーハのストライプをソーラー素子(15)として使用する、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ソーラーモジュール(14)を製造するための装置であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造するための装置において、
前記装置には、ピックアップ装置(4,4A)が含まれており、前記ピックアップ装置(4,4A)は、前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップし、前記ソーラーモジュール(14)の上方で異なる高さで準備しておき、前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、それぞれ目下装着対象の前記行だけが前記ソーラーモジュール(14)に接触するところまでのみ、複数の前記行を一緒にそれぞれ降下させる、ように設計されている、ことを特徴とする、ソーラーモジュール(14)を製造するための装置。
【請求項10】
前記ピックアップ装置(4,4A)は、残りの前記行が前記ソーラーモジュール(14)から垂直方向に離隔されたままになるように設計されている、ことを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記ピックアップ装置(4,4A)には好適には復元力に抗して垂直方向に位置調整可能な吸引器(8)が含まれており、前記吸引器(8)は、前記行をピックアップし、特に1つの作業ステップにおいて複数の前記行をピックアップするように設計されている、ことを特徴とする、請求項9または10記載の装置。
【請求項12】
ソーラーモジュール(14)を製造するための、特に請求項9から11までのいずれか1項記載の装置であって、ソーラー素子(15)は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子(15)を有し、前記ソーラーモジュール(14)は、電気的に互いに接続された複数の行から構成される、ソーラーモジュール(14)を製造するための装置において、
前記装置にはピックアップ装置(4,4A)が含まれており、前記ピックアップ装置(4,4A)は、
前記ソーラーモジュール(14)に装着するために、1つの作業過程で、連続する少なくとも2つの行をピックアップし、前記装着過程中、連続する少なくとも2つの
前記行に対し、異なる
長さの移動距離を進むように設計されている、ことを特徴とする、装置。
【請求項13】
前記ピックアップ装置(4,4A)は好適には、前記装着過程中に前記ソーラーモジュール(14)に対して相対的に移動可能であり、特に前記行に対して横方向に移動可能である、ことを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記装置には、前記ソーラーモジュール(14)を収容するための移送ユニット(2,2A)が含まれ、連続する2つの前記行の前記装着過程中、前記移送ユニット(2,2A)を位置固定のままにするように前記装置が設計されている、ことを特徴とする、請求項9から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記移送ユニット(2,2A)が2つの装着過程の間にタイミング制御されて移動するように前記装置が設計されている、ことを特徴とする、請求項9から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
前記移送ユニット(2,2A)が、特に前記装着過程中、連続して移動するように前記装置が設計されている、ことを特徴とする、請求項9から15までのいずれか1項記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
ソーラーモジュール、特に一体型のソーラーモジュールに装着するためには、行、すなわちソーラー素子または1行ずつに配置されるソーラー素子における行は、隣り合って配置される2つの行の長手方向軸線に沿って、互いに重なり合って配置可能である。重なり合いの領域では、隣り合って配置される行を接合するために、接着剤または別の固定手段を施すことができる。接着剤は、例えば、転送ユニットに位置しているソーラー素子もしくは行に塗布可能である。接着剤を塗布するために、吐出ユニットが使用可能である。例えば、線状の接着剤塗布を行うことができるディスペンサが使用可能である。択一的には、印刷装置によって接着剤を塗布することが可能である。例えば、接着剤は、印刷法、例えばロール印刷またはスクリーン印刷を用いて塗布可能である。接着剤が施された行は、モータ駆動の移送ユニットにおいて、互いに接してもしくは互いに配向されて接合され、このようしてソーラーモジュールに組み立てることができる。
米国特許出願公開第2016/163914号明細書および米国特許出願公開第2018/175233号明細書には、ソーラーモジュールを製造するためのシステムおよび方法が記載されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この課題の解決は、冒頭で述べた形式の方法において、本発明により、特に、ソーラーモジュールへの装着のために、1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップし、ソーラーモジュールの上方で異なる高さに準備しておくことと、ソーラーモジュールに装着するために、それぞれ目下装着対象の行だけがソーラーモジュールに接触するところまでのみ、複数の行を一緒にそれぞれ降下させることにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明によると、冒頭で述べた形式の方法における、冒頭で挙げた課題の解決手段では択一的に特に、装着過程中、互いに連続する2つの行が異なる移動距離を進むようにする。例えば、装着過程中、行に対して垂直に、すなわち行の長手方向に対して垂直にピックアップ装置を移動させる。例えば、ピックアップ装置により、第1の列および少なくとも1つの第2の列をピックアップする。この場合、ピックアップ装置は、例えばモータ駆動式の移送ユニットに第1の行をドロップした後、かつモータ駆動式の移送ユニットに第2の行をドロップする前に、第1の行に対して垂直にかつ相対的に移動させられ、例えばモータ駆動式にまたは機械式に移動させられる。このようにして、装着の際には、モータ駆動式の移送ユニットの移動は、転送ユニットから移送ユニットへと行を移動させるピックアップ装置の移動によって補われかつ/または置き換えられる。このようにして、個々の行は、時間的かつ空間的に効率的に移送ユニットに配置可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明によると、ソーラーモジュールへの装着のための装着過程中に、1つの作業過程で互いに連続する2つの行をピックアップするように構成されている。本発明によると、さらに、装着過程中、連続する2つの行が異なる長さの移動距離を進むようにするように構成される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明によると、冒頭で挙げた課題の解決手段では特に、ソーラーモジュールを製造するための装置が提供され、ソーラー素子は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子を有し、ソーラーモジュールは、電気的に互いに接続された複数の行から構成され、装置には、ピックアップ装置が含まれており、ピックアップ装置は、ソーラーモジュールに装着するために、1つの作業過程で少なくとも2つの行をピックアップし、ソーラーモジュールの上方で異なる高さで準備しておき、ソーラーモジュールに装着するために、それぞれ目下装着対象の行だけがソーラーモジュールに接触するところまでのみ、複数の行を一緒にそれぞれ降下させるように設計されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明によると、冒頭で挙げた課題の解決手段では特に、ソーラーモジュールを製造するための装置が提供され、ソーラー素子は行に組み立てられ、それぞれの行は少なくとも2つのソーラー素子を有し、ソーラーモジュールは、電気的に互いに接続された複数の行から構成され、装置にはピックアップ装置が含まれており、このピックアップ装置は、装着過程中、少なくとも2つの互いに連続する行に対し、異なる移動距離を進むように設計されている。このために、ピックアップ装置は、移送ユニットの走行方向に、かつ/または垂直方向に、例えば、行に沿った方向へ移動可能である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明によると、ピックアップ装置が、ソーラーモジュールへの装着のための装着過程中に、1つの作業過程で互いに連続する少なくとも2つの行をピックアップするように構成される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本発明によると、さらに、ピックアップ装置が、装着過程中、互いに連続する少なくとも2つの行に対し、異なる長さの移動距離を進むように構成される。
【国際調査報告】