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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】棚レールにある装置の位置の特定
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A47F5/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555454
(86)(22)【出願日】2022-03-05
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022055654
(87)【国際公開番号】W WO2022189314
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/055914
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/055916
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/086144
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】516239921
【氏名又は名称】エスエーエス-イマーゴタグ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(71)【出願人】
【識別番号】523343916
【氏名又は名称】エスイーエス-イマゴタグ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】レースル・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】グマイニツ・ニコラ
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA15
3B118GA37
(57)【要約】
1つの棚レールと、前記棚レールに固定された少なくとも1つの棚レール装置とを有する棚レールシステムであって、前記棚レールシステムは、前記棚レールの長手延在部分に沿った前記棚レールに固定された少なくとも1つの棚レール装置の位置を自動的に特定するように、及び/又は前記棚レールの長手延在部分に沿った前記棚レールに固定された少なくとも2つの棚レール装置の順序を自動的に特定するように設けられているか又は構成されている少なくとも1つのセンサを有する当該棚レールシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-1つの棚レール(1)と、
-前記棚レール(1)に固定された少なくとも1つの棚レール装置(20,40)とを有する棚レールシステム(100)であって、
-前記棚レールシステム(100)は、前記棚レール(1)の長手延在部分に沿った前記棚レール(1)に固定された少なくとも1つの棚レール装置(20)の位置を自動的に特定するように、及び/又は前記棚レール(1)の長手延在部分に沿った前記棚レール(1)に固定された少なくとも2つの棚レール装置(20)の順序を自動的に特定するように設けられているか又は構成されている少なくとも1つのセンサ(99)を有する当該棚レールシステム(100)。
【請求項2】
前記センサ(99)は、前記棚レール装置(20)内に設置されていて、前記棚レール(1)の1つのコード化要素、好ましくは複数のコード化要素を検出するように構成されている請求項1に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項3】
前記センサ(99)は、前記の1つのコード化要素又は複数のコード化要素を機械式に、電気式に、特に抵抗式に若しくは電磁誘導式に若しくは静電容量式に、又は光学式に検出するように構成されている請求項2に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項4】
前記複数のコード化要素は、前記棚レール(1)、特に少なくとも1つの棚レール壁(2)内の複数の凹部(13)によって、前記棚レール(1)の長手延在部分に沿って構成されている請求項2又は3に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項5】
前記複数の凹部(13)は、格子状に構成されている請求項4に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項6】
前記複数の凹部は、前記棚レール装置(20)を前記棚レール(1)に力伝達式に固定するために設けられていて且つ構成されている請求項4又は5に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項7】
前記複数の凹部(13)の形及び/又は寸法が、相違する請求項4~6のいずれか1項に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項8】
全ての凹部(13)が、相互に相違する請求項7に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項9】
前記複数のコード化要素の形、特に形だけが相違し、それぞれの形が一回だけ出現する請求項2~8のいずれか1項に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項10】
前記形を特徴付ける1つの寸法(H)が、その次の1つのコード化要素の形の寸法(H)に対して常に一寸法単位だけ相違する請求項9に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項11】
前記センサ(99)は、前記棚レール装置(20)内に設置されていて、前記棚レール装置(20,40)から隣接した1つの物体までの前記棚レール(1)に沿った距離を特定するために使用される請求項1に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項12】
それぞれの棚レール装置(20,40)が、棚レール装置間同士の通信のために少なくとも1つのトランスミッタ(TL,TR)をセンサ(99)として有し、それぞれの棚レール装置(20,40)は、隣接した2つの棚レール装置(20,40)間の通信及び/又は信号伝送の結果を、前記位置及び/又は前記順序を特定する目的で提供するように構成されている請求項1又は11に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項13】
前記センサ(99)は、前記棚レール(1)に沿って伝播する信号、特に機械的に発せられた信号、特に好ましくは音響信号を検出するように構成されている請求項1に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項14】
前記棚レールシステム(100)は、複数の前記棚レール装置のうちの1つの棚レール装置として、前記棚レール(1)に固定された少なくとも1つの別の棚レール装置(20)、特に電子式の棚レール表示装置、又は棚レールカメラ、又は棚レールの温度及び/又は湿度を検出する装置、又は棚レールの入力装置を制御するように、特にこれらに電力を供給するように構成されている棚レール制御装置(40)を有する請求項1~13のいずれか1項に記載の棚レールシステム(100)。
【請求項15】
前記棚レール(1)は、ケーブルシステム、特に丁度3つの導体(6)を有するケーブルシステムを備え、
前記棚レール制御装置(40)は、前記ケーブルシステムに接続されていて、少なくとも1つの別の棚レール装置(20)が、前記ケーブルシステムに接触している請求項14に記載の棚レールシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚レールにある装置の位置の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2017153481号明細書には、電子表示装置を格子状に設置することを可能にする棚レールを有する棚レールシステムが開示されている。
【0003】
この公知の棚レールシステムの場合、例えばプラノグラム(棚割計画)等において別の電子処理で当該表示装置の正確な位置にアクセスするためには、当該位置は手動で特定されなければならない点が欠点であると知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017153481号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、本発明の課題は、上記の欠点が回避されている改良された棚レールシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の棚レールシステムによって解決される。
【0007】
それ故に、本発明の対象は、1つの棚レールと、当該棚レールに固定された少なくとも1つの棚レール装置とを有する棚レールシステムである。この場合、当該棚レールシステムは、当該棚レールの長手延在部分に沿って当該棚レールに固定された少なくとも1つの棚レール装置の位置を自動的に特定するように、及び/又は当該棚レールの長手延在部分に沿って当該棚レールに固定された少なくとも2つの棚レール装置の順序を自動的に特定するように設けられているか又は構成されている少なくとも1つのセンサを有する。
【0008】
本発明の手段によれば、棚レール内に収容されている棚レール装置の位置又はこのような装置の相対位置が全自動式に特定され、コンピュータベースの、すなわち電子式のさらなる処理にアクセスされるという利点が得られる。
【0009】
本発明の特に好適な別の構成及び別の形態は、従属請求項及び以下に記載されている。
【0010】
好ましくは、本発明は、その適用範囲を電子棚札のシステムにおいて見い出される。この場合、一般に、当該棚レールは、棚又は製品を陳列するために使用される別の対象物の棚面の前方縁部に設置されていて、電子棚札である棚レール装置を固定するために使用される。当該棚レール装置は、製品情報及び/又は価格情報を表示するために使用され、専門用語では、多くの場合にその英語表記によって「Electronic Shelf Labels」(略してESL)と呼ばれる。このようなシステムでは、表示すべき情報が、例えばサーバ又はクラウドアプリケーションのような中央制御装置からそれぞれのESLに伝送される。この場合、電子通信ネットワークが、複数のESLと当該中央制御装置との間で使用される。当該通信ネットワークは、無線式又はケーブル式に構成され得るか又はハイブリッド構成で存在し得る。この場合、例えば、複数のESLアクセスポイントが、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して中央制御装置に接続され得て、一群の複数のESLがそれぞれ、これらのESLアクセスポイントのうちの1つのESLアクセスポイントに割り当てられ得る。この構成では、当該複数のESLが、無線で応答され得る。
【0011】
しかしながら、例えば、温度を検出し、画像及び/又は映像を収録し、又はユーザとの対話処理を捕捉する等のように構成されている別の機能を有する装置が、棚レール装置として使用されてもよい。
【0012】
しかしながら、別の棚レール装置、すなわち制御する棚レール装置、又は中央インターフェースを棚レールごとに構成する棚レール装置、すなわち棚レールコントローラとも呼ばれる棚レール制御装置が、棚レールごとに設けられていることが提唱されてもよい。この場合、当該棚レールコントローラは、ケーブル式に又は無線式に、特に上記の通信ネットワークを介して中央制御装置と通信され得るが、当該棚レールに設置された別の棚レール装置の制御を当該棚レール内で請け負ってもよい。この場合、当該制御は、無線式に実行され得るが、好ましくはケーブル接続式に実行されてもよい。このような棚レールコントローラは、当該棚レールの端部側に設置されている、すなわち当該棚レールの左側又は右側の縁部に設置されている。
【0013】
複数の棚レール装置が、これらの棚レール装置ごとに別個に設置されたバッテリ又は再充電可能なバッテリによって電力供給される。また、無線式の電力供給が、例えば「パワーオーバー・ワイ・ファイ(Power-over-WiFi)」によって実行され得る。また、棚レールコントローラは、棚レールの前面に設置された棚レール装置用の中央給電装置として使用されてもよい。この場合、電力が、中央バッテリ若しくはパワーオーバー・ワイ・ファイによって又はケーブル接続式に当該棚レールコントローラ自体に供給される。
【0014】
第1の実施の形態によれば、センサが、棚レール装置内に設置されていて、当該棚レールの1つのコード化要素、好ましくは複数のコード化要素を特定するように構成されていることが、特に有益であると実証されている。すなわち、当該コード化要素が、当該棚レールの長手延在部分に沿って延在し、それぞれの位置にある当該センサを用いることで、当該棚レールに沿ってほぼランダムに設置可能な当該棚レール装置によって特定され得る。
【0015】
コード化要素は、様々な構成によって、例えば:
-例えばQRコード(この場合、当該QRコードは、棚レールに沿って位置に固有に構成されている)又は位置に固有のバーコード若しくは色コード等のような、光学式に特定可能な位置に固有のコード化要素として、
-例えば棚レールの表面を変化させる形のような、例えば位置に固有の刻印等のような、又は位置に固有に配置された若しくは形成された複数の凹部、複数の隙間若しくは複数の穿孔等のような、棚レールの形又はパターンを位置に固有に変化させるコード化要素として、
-例えば、接触位置に応じて位置に固有に変化する抵抗値を検出可能にする、長手延存部分に沿って延存する抵抗ストリップのような、又は例えば位置に固有の被覆部若しくは材料の厚さ等のように、棚レールの位置に固有の静電容量特性若しくは電磁誘導特性を引き起こす位置に固有の構造のような、電気特性に関して棚レールに沿ってステップ状に若しくは(ほぼ)連続して変化するコード化要素として、
様々な方法で構成され得る。
【0016】
この場合、それぞれのコード化要素が、棚レール装置内に設置されたセンサによって問題なく特定可能であるように、当該それぞれのコード化要素を棚レールに設置又は配置することができる。この場合、棚レールにある位置決め領域として、当該棚レール内に嵌め込まれた1つの棚レール装置に直接に隣接して位置決めされている領域が可能である。当該領域は、例えば、一般に棚レール内に嵌め込まれた棚レール装置の後壁に対応して延存する当該棚レールの上レール、下レール又は中央の壁でもよい。
【0017】
棚レールは、この棚レール内に嵌め込まれた棚レール装置に隣接して延存する領域を有する。例えば、棚レール装置を当該棚レールに固定するため、この棚レール装置が挿入される下向きに開いている縦穴のように、一般に、当該領域は、棚レールを通常通りに使用する場合は普通に行動する顧客によって目視することができないか又は目視することが極めて困難である。したがって、コード化要素は、当該領域に設置されているので、顧客又は店員によって目視されないという利点になり得る。また、こうして設置されたコード化要素は、当該領域において周囲の影響と起こり得る損傷とから確実に保護されている。
【0018】
その都度使用されるコード化要素によれば、センサが、特定すべきコード化要素に適合されて構成されている、すなわち具体的には、センサが、1つのコード化要素若しくは複数のコード化要素を、機械式に、電気式に、特に抵抗式に若しくは電磁誘導式に若しくは静電容量式に特定するように、又は光学式に特定するように構成されていることが特に有益であるとして実証されている。
【0019】
当該光学式の特定のために構成されたセンサは、例えばCCDセンサ(CCDは、「Charged Couples Device」を示す)又は発光ダイオードとフォトトランジスタとの組み合わせによって構成され得る。棚レールに沿って設置された棚レール装置が、その位置で光学式に特定可能なコード化要素を覆うので、すなわち当該コード化要素に入射する光を遮るか又は妨害するので、当該センサ又は当該棚レール装置が、光学式に特定可能なコード化要素を照明するように設けられていて且つ構成又は配置されている照明要素(例えば、1つ又は複数のLED)を有することが有益であり得る。当該棚レール装置の後面にある光学式に特定可能なコード化要素が、この棚レール装置に設けられているセンサによって特定されると、当該照明要素は、当該光学式に特定可能なコード化要素をこの棚レール装置の後面から照明する。この場合、好ましくは、当該後面が、当該この棚レールに直接に当接しない場所から当該コード化要素を照明し特定するように、当該後面は構成されている。この照明要素は、この棚レール装置の後面に設置され得る。しかしながら、照明要素は、この棚レール装置の側面に設置されてもよく、この側面からこの棚レール装置の後方に延存する棚レールを照明できる。しかしながら、当該センサは、この棚レール装置の横隣りに延存する棚レールの一部を検出するように構成又は設置されてもよい。しかしながら、この場合には、照明要素は省略されてはならない。しかしながら、この棚レール装置の隣に延存する、当該センサによって検出される棚レールの領域が照明されるように、当該照明要素が配向され得ることも提唱される。
【0020】
機械式に特定するために構成されたセンサは、例えば、コード化要素のそれぞれの形ごとにオフセット可能な機械要素を有し得る。このとき、この機械要素のオフセットは、当該センサ内で電子式にさらに特定され、さらに処理される。このため、トーションバー又は歪ゲージ等が使用されてもよい。
【0021】
電気式に特定するために構成されたセンサは、例えば、電気抵抗の値若しくは電気抵抗の値の変化を検出することに基づき得て、コイル若しくは導体ループの電磁誘導若しくはその変化を検出することに基づき得て、又はコンデンサの静電容量若しくはその変化を検出することに基づいてもよい。最終的に、電磁誘導性の作用又は静電容量性の作用によって変化する電圧降下又は電流が検出される。
【0022】
しかしながら、特別な実施の形態によれば、複数のコード化要素が、この棚レール、特に少なくとも1つの棚レール壁内の複数の凹部によって、当該棚レールの長手延存部分に沿って形成されていることが特に有益であるとして実証されている。この場合、これらの凹部は、当該棚レールの長手延存部分に沿った位置に固有にパターン化された当該棚レールの形を成す。特に好ましくは、棚レールの中央の壁にある当該構成が、特に有益であるとして実証されている。この場合、当該構成は、当該棚レール内に嵌め込まれた1つの棚レール装置に直接に隣接して配置されていて、場合によってはこの棚レール装置に当接又は接触して設けられている。これは、この棚レール装置のセンサによるコード化要素の安全で且つ確実な特定を保証する。
【0023】
これに関連して、さらに、複数の凹部が格子状に構成されていることが有益であるとして実証されている。したがって、複数のコード化要素が、棚レールの長手延存部分に沿って常に同じ間隔で互いに配置されているという利点が得られる。
【0024】
さらに、複数のコード化要素として使用される複数の凹部は、棚レール装置を棚レールに力伝達式に固定するためにも設けられていて且つ構成されている点が特に有益である。すなわち、これらの凹部は、好ましくは二役として機能する。当該力伝達式の固定の機能は、棚レール装置の対応する固定手段に適合されているこれらの凹部の配置及び寸法によって達成される。その結果、この固定手段が、これらの凹部と相互に作用し得て、棚レール装置が、棚レールの目標位置で保持される。
【0025】
コード化要素としての機能は、複数の凹部の形及び/又は寸法が相違することによってこれらの凹部で達成される。
【0026】
複数のコード化要素の一義的な識別を可能にするため、全ての凹部が相互に相違することが有益に提唱されている。
【0027】
コード化要素によって伝送されたコードの可能な限り簡単な特定を保証するためには、当該複数のコード化要素の形、特に形だけが相違し、それぞれの形が一回だけ出現することが特に効果的であるとしてさらに実証されている。上記の複数の凹部に関しては、当該相違は、好ましくはそれぞれの凹部の高さであり得る。この場合、当該高さは、上記の棚レールの中央の壁の面内で棚レールの長手延在部分に対して垂直に測定されることが想定される。したがって、これらの凹部の配置が、格子状まま影響を受けないという利点が得られる。この実施の形態では、例えば、これらの凹部の形の大部分が、コード化によって影響を受けないままであり、したがって力伝達式の固定が影響を受けずに提供され、当該凹部の比較的小さい領域だけが、凹部ごとに相違する高さによってコード化されることも提唱され得る。この実施の形態は、例えば、凹部ごとに相違する長さのスリットによって実現され得る。当該スリットは、当該高さの基本寸法にわたって棚レールの中央の壁内に延在し、スケール又はプローブが、当該スリットのそれぞれの長さに応じて当該スリット内に侵入され得る。
【0028】
さらに、当該形を特徴付ける1つの寸法が、その次の1つのコード化要素の形の寸法に対して常に一寸法単位だけ相違することが、特に有益であるとして実証されている。この規模は、例えばミリメートルのオーダーのように、例えば0.1mm以上によって規定され得る。この手段は、デジタル技術から公知のグレイコードを、棚レールシステム、特に当該棚レールシステムのパターン化された形又は機械的な形に変換することにほぼ相当する。特に、棚レールに沿った位置が、問題なくロバストにコード化され得て、特にそれぞれのコード化要素の誤差を含む特定(検出)が容易に検査(分析)され得るという利点が、この手段によって得られる。
【0029】
棚レール自体が、位置をコード化するために利用される上記の事項とは違って、棚レールをコード化要素として使用しない別の実施の形態によれば、センサが、当該棚レール装置内に設置されていて、当該棚レール装置から隣接した1つの物体までの当該棚レールに沿った距離を特定(測定)するために使用される。このような実施の形態は、例えば、それぞれの棚レール装置が、タイムオブフライトセンサを有することによって実現され得る。このタイムオブフライトセンサの送受信特性が、当該棚レールの長手延在部分に対してほぼ平行に指向されていて、隣接した棚レール装置又は当該棚レールに隣接した別の物体までの距離を測定するために使用される。例えば、棚レールにコントローラの存在時に、第1棚レール装置が、当該棚レール内に嵌め込まれると、この第1棚レール装置の絶対位置が、当該棚レールコントローラによって測定され得る。この場合、当該棚レールコントローラと当該嵌め込まれた棚レール装置とによって、別の棚レール装置が、当該既に嵌め込まれた棚レール装置と当該棚レールコントローラとの間に嵌め込まれたのか又は当該既に嵌め込まれた棚レール装置と当該棚レールの端部との間に嵌め込まれたのかが検査され得る。別の棚レール装置が既知の位置に嵌め込まれた2つの棚レール装置間に嵌め込まれたのか否かが繰り返し検査されるこの手段は、当該棚レールの最大許容設置数に達するまで任意の数の棚レール装置に対して繰り返され得る。しかしながら、この手段は、1つの棚レール装置が棚レール装置から取り出されたことを確認するためにも使用され得る。何故なら、当該取り出しにより、既知の位置に存在する2つの棚レール装置間の距離、又は棚レールコントローラと棚レール内で最も近くにある棚レール装置との間の距離、又は棚レール内にある棚レール装置から当該棚レールの端部までの距離が変化するからである。
【0030】
別の実施の形態によれば、それぞれの棚レール装置が、棚レール装置間同士の通信のために少なくとも1つのトランスミッタをセンサとして有し、それぞれの棚レール装置が、隣接した2つの棚レール装置間の通信及び/又は信号伝送の結果を、当該位置及び/又は当該順序を特定する目的で提供するように構成されていることも提唱され得る。この実施の形態の場合、例えば、それぞれの棚レール装置が、赤外線信号を棚レールの平面内で又は棚レールに対して平行に送受信するように構成されていることが提唱され得る。したがって、1つの棚レール装置からその隣の棚レール装置への信号伝送又は情報伝送が確立され得る。したがって、当該情報伝送は、例えば、直接に隣接する棚レール装置のID(同一性)を確認する通信を網羅し得る。このため、当該隣接する棚レール装置のIDを受信したそれぞれの棚レール装置は、当該棚レール装置が左側で受信したのか又は右側で受信したのかを記録できる。棚レールコントローラを構成している棚レール装置の場合では、この受信は、当然に片側だけから実行され得る。こうして確認された棚レール装置間同士の隣接関係が、さらなる処理のために、例えば棚レールコントローラによって、又は中央制御装置によってこれらの棚レール装置のそれぞれの棚レール装置から提供され得て、これらの棚レール装置との通信中にさらなる処理のためにこれらの棚レール装置に伝送され得る。
【0031】
別の実施の形態によれば、センサが、棚レールに沿って伝播する信号、特に機械的に発せられた信号、特に好ましくは音響信号を検出するように構成されていることも提唱され得る。
【0032】
したがって、棚レール、例えばバスシステム又はケーブル等に沿うような電気信号の伝播も、適切に適合されたバスシステムによって検出され得て、例えば、棚レールのそれぞれの場所ごとの信号の強さ若しくはそこで発生する信号の減衰、又は例えば送信と戻り送信若しくは戻り送信の受信又は反射する信号の受信との時間オフセットのような信号の伝播のタイミングのような伝播パラメータに基づいて、当該棚レールに沿った複数の棚レール装置の絶対位置又は相対位置を測定するために利用され得る。
【0033】
しかしながら、好ましくは、伝播する信号は、棚レールに沿ってこの棚レール中で伝播する機械的な刺激によって発生した信号である。この信号は、例えば、棚レール装置にある振動生成装置によって生成され得る。この振動生成は、例えば第1棚レール装置に対して離間して設置された別の第2棚レール装置によって、当該両装置相互の電子通信を通じて開始又は起動される。第1棚レール装置の振動生成装置は、振動を棚レール中に誘導し、当該振動は、この該棚レールに沿ってこの棚レールの材料中で伝播し、当該振動の生成の開始(又は当該振動の生成の通信技術的な開始)から当該第2棚レール装置への当該振動の到達までの経過時間が、当該第2棚レール装置によって測定される。
【0034】
特に好ましくは、当該振動は、音響信号、すなわち聞き取り可能であり得る信号である。この場合、当該可聴特性は、この信号が動物にとって聞き取り可能であるが、人にとって聞き取り不可能であるように、又は動物及び人にとって同様に聞き取り可能であるように、異ならせることができる。当該信号が、動物に対してだけ聞き取り可能である場合は、この信号は、位置を測定するためだけに使用され得るのではなくて、動物を店内から遠ざけるためにも使用され得る。しかしながら、当該信号が、人に対しても聞き取り可能である場合は、この信号は、例えば火災警報のような信号通信のためにも使用され得る。当該音響信号は、例えば圧電式のスピーカ又は一般的な音響変換器によって生成され得る。圧電式のスピーカ又は一般的な音響変換器は、それぞれの棚レール装置内に設置されている。すなわち、棚レールへの最適な信号伝送を保証するため、圧電式のスピーカ又は一般的な音響変換器は、棚レール内に嵌め込まれた棚レール装置で可能な限り当該棚レールに接触しているように設置されている。
【0035】
特に好ましくは、上記の棚レールコントローラは、棚レールに設置された複数の別の棚レール装置とも個別に通信できる、すなわち選択的に制御できる、信号の送信を開始又は起動する棚レール装置として使用される。しかしながら、棚レールコントローラが設けられていない場合は、棚レールにあるこれらの棚レール装置の相対位置を算出するため、個々の棚レール装置が、棚レール中で伝播する信号の送信を相互に開始してもよい。
【0036】
棚レール中で伝播する信号を受信するために構成されたそれぞれの棚レール装置は、信号受信器を有する。問題のない、特に最適な信号の受信を保証するため、この信号受信器が、当該棚レールに当接するように、この信号受信器は同様に有益に設置又は構成されている。好ましくは、このような信号受信器は、圧電式のMEMSマイクロフォンによって構成され得る。MEMSは、微小電気機械システムを示す。しかし、例えばコイルに基づく別の信号受信器が使用されてもよい。
【0037】
特別な実施の形態によれば、棚レールシステムが、複数の棚レール装置のうちの1つの棚レール装置として、当該棚レールに固定された少なくとも1つの別の棚レール装置、特に電子式の棚レール表示装置、又は棚レールカメラ、又は棚レールの温度及び/又は湿度を検出する装置、又は棚レールの入力装置を制御するように、特にこれらに電力を供給するように構成されている棚レール制御装置を有することが特に有益として実証されている。上記のように、棚レールにある棚レール装置の設定を中央制御装置にアクセスさせるため、当該棚レールは、当該棚レールに設置された別の棚レール装置の絶対位置及び相対位置の特定に当該制御装置を有益に関与させ得る。
【0038】
棚レールが、ケーブルシステム、特に丁度3つの導体を有するケーブルシステムを有する場合に、非常に効率的で且つ有益な構成が、棚レール制御装置によって得られる。この場合、当該棚レール制御装置は、当該ケーブルシステムに接続されていて、少なくとも1つの別の棚レール制御装置が、当該ケーブルシステムに接触している。当該棚レール内でのこのケーブル接続式の稼働は、複数の棚レール装置に対する位置又は順序の確実な特定を可能にする。当該特定は、場合によっては起こり得る棚レールの近くで発生する外部の無線信号から影響を受けずに実行され得る。
【0039】
最後に、上記の電子装置は、当然に電子装置を有する点にさらに言及する。当該電子装置は、ディスクリート式に又は組み込まれた電子装置若しくは当該両者の組み合わせによって構成され得る。また、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、特定用途向け IC(ASIC)が、場合によってはアナログ式又はデジタル式の周辺機器と組み合わせて使用され得る。当該装置の上記の多くの機能が、-場合によってはハードウェア部品と協働して-当該電子装置のプロセッサ上で実行されソフトウェアによって構成される。一般に、無線通信のために構成された装置は、トランシーバモジュールの構成要素として無線信号を送受信するためのアンテナ構造を有する。このため、当該電子装置は、内部電力供給部を有する。当該内部電力供給部は、例えば交換可能な又は充電可能なバッテリによって構成され得る。また、当該装置は、外部電源によって又は「パワーオーバー(Power-over-)LAN」を用いてケーブル接続式に給電され得る。
【0040】
本発明のこれらの観点及び別の観点は、下記の図面に示されている。
【0041】
以下に、本発明を、添付図を参照して実施の形態に基づいてさらに詳しく説明する。しかしながら、当該実施の形態は、本発明を限定するものではない。この場合、異なる図では、同じ構成要素は、同じ符号で付記されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】棚レールに固定された3つの棚レール装置を有する本発明の棚レールシステムを斜め上から見た図である。
図2】目視可能な複数の凹部を機械式のコード化要素として有する棚レールシステムを斜め下から見た図である。
図3】棚レールに完全に嵌め込まれた棚レール装置をこの棚レールに沿って見た側面図である。
図4】当該複数の凹部と当該棚レール装置との機械的な相互作用を示す。
図5】当該棚レールの前面に沿って固定された2つの棚レール装置の順序を特定するための構成を有する棚レールシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、3つの棚レール装置を有する、すなわち側縁側に設置された1つの棚レールコントローラ(以下で略してコントローラ40と呼ぶ)と前側に設置された2つの棚札(以下で電子表示装置20と呼ぶ)とを有する棚レール1を備える棚レールシステム100を示す。電子表示装置20は、棚レール1の長手延在部分に沿って配置されていて、製品情報及び/又は価格情報を表示するために使用され、このためにディスプレイ24を電子表示装置20の前面に有する。この場合、それぞれの製品情報及び/又は価格情報が、無線通信71によってコントローラ40に伝送されることによって、アクセスポイント70にケーブルで接続されているサーバ60から電子表示装置20に伝送される。
【0044】
表示装置20は、(詳しく示されていない)表示装置用の電子装置を有する。コントローラ40は、(詳しく示されていない)コントローラ用の電子装置を有する。図1の表示では、3つのケーブル経路6(ここでは目視できない-図3参照)を支持するケーブルキャリア5の少なくとも一部も目視可能である。これらのケーブル経路6は、コントローラ40とそれぞれの表示装置20との間の通信用に、コントローラ用の電子装置と表示装置用の電子装置とを電気接続し、それぞれの表示装置20に給電する。
【0045】
図2は、棚レールシステム100をその後側から示す。この場合、この図では、表示装置20は目視不可能であり、サーバ60とアクセスポイント70と無線通信71とは示されていない。しかしながら、この図では、棚レール1の延在部分に沿って格子状に配置された略長方形に形成された連続する複数の凹部13が良好に目視可能である。これらの凹部13は、表示装置20を機械的に固定するために使用され、棚レール1の延在部分に沿ったそれぞれの表示装置20の位置を特定するためにも使用される。
【0046】
図1及び2には、以下で「上」又は「下」を用いて上下に関して言及できるようにするため、上面O及び下面Uも、棚レールシステム100に対して描かれている。
【0047】
複数の凹部13の高さH(図4参照)が、僅かに異なって形成されている。この場合、高さHは、棚レール1の側縁側にある最初の高さを始点として1つの凹部13からその次の凹部13ごとに約0.1mmずつ大きくなる。この場合、上面Oに向いている複数の凹部13の全ての上辺が、一直線状に又は同一平面状に揃っている。したがって、複数の凹部13の当該異なる高さは、下面Uに向かって延在する。当然に、これらの僅かな高さの違いは、明確に識別できないが、表示装置20のセンサ99によって検出可能である。これに関しては、以下で詳しく説明されている。
【0048】
図3には、表示装置20と棚レール1との相互作用が示されている。この場合、棚レール1は、当該表示装置と共に側断面図で示されていて、この表示装置20は、棚レール1に完全に嵌め込まれている。
【0049】
棚レール1は、当該図では垂直方向に示されている第1境界壁2(基準壁2)を有する。
【0050】
第1境界壁2又は基準壁2の上端部が、第2境界壁3に続いている。この実施の形態では、第2境界壁3及び基準壁2は、例えば鋼又はアルミニウムから一体的に製造されている。
【0051】
表示装置20を収容するため、これらの壁2及び3の両面によって限定された収容領域4が、当該基準壁2と当該第2境界壁3との間に存在する。
【0052】
表示装置20側では、すなわち収容領域4の空間領域内では、約53°を成す鋭角8が、基準壁2と第2境界壁3との間に形成されている。
【0053】
第2境界壁3は、ケーブルキャリア板として形成されているケーブルキャリア5が嵌め込まれている収容シャフト7を有する。ケーブルキャリア5は、収容シャフト7内に挿入されている側で収容シャフト7の形に押圧されている、すなわちほぼT字形に形成されている。ケーブルキャリア5を収容シャフト7に挿入するか、又はケーブルキャリア5を収容シャフト7から取り出すため、ケーブルキャリア5は、収容シャフト7内で図1の投影面に対して垂直にこの投影面から移動可能であるか、又はこの投影面へ移動可能である。
【0054】
ケーブルキャリア5によって支持されている複数のケーブル経路6はそれぞれ、単心の銅線6から製造されていて、絶縁層なしに構成されている。線6の横断面の50%以上、例えば半径方向の寸法の3分の2が、ケーブルキャリア5内に埋設されている。この場合、第2境界壁3に最も近くに存在する線6は、給電ケーブルであり、中央のケーブル経路6は、信号供給ケーブルであり、第2境界壁3から最も遠いケーブル経路6は、基準電位である。これらの線6は、基準壁2に面したケーブルキャリア5の側面に配置されていて、棚レール1のバスシステムの複数のケーブルを構成する。
【0055】
ケーブルキャリア5及び基準壁2はそれぞれ、投影面から延存する又は投影面に向かって延存する長手方向の寸法を示す第1寸法(長手延存部分)を有する。この場合、この実施の形態では、ケーブルキャリア5及び基準壁2は、同じ長さであり、例えば約1.5mの長さである。しかし、別の長さが、棚レール1に対して提供されてもよい。
【0056】
ケーブルキャリア5は、ケーブルキャリア5の垂直方向の寸法を示す第2寸法(高さ)を有する。これに対応するように、基準壁2が、図1の基準壁2の垂直方向の寸法を示す第3寸法(高さ)を有する。この実施の形態では、ケーブルキャリア5の第2寸法は、基準壁2の第3寸法の約40%である。この実施の形態の場合、第2寸法は、例えば約3cmである。この実施の形態では、ケーブルキャリア5は、射出成形法によって絶縁性のポリプロピレンから製造されている。この場合、線6は、ケーブルキャリア5の製造工程で既に埋設されてある。
【0057】
第2境界壁3は、端部側にノーズ状又はフック状に形成された縁領域12を有する。この縁領域12は、表示装置20が嵌め込まれたときにこの表示装置20の上部に当接する。
【0058】
図1では、表示装置20が、下から上向きに第2境界壁3の方向に基準壁2に対して平行に直線移動することによって棚レール1内に嵌入され得るように、この表示装置20は配置されている。
【0059】
表示装置20は、後壁22を有するハウジング21を備える。この場合、後壁22は、棚レール1内に嵌め込まれた状態で基準壁2に最も近く隣接して存在するハウジング21の一部である。ディスプレイ24を有する前壁23が、後壁22に対する側に存在する。前壁23の上端部が、棚レール1縁領域12を収容するために形成されている段差部を有する。ハウジング21は、側壁25を介した前壁23と後壁22とによって形成されている。表示装置20の上辺に沿って延在するこの側壁25は、ケーブルキャリア溝26を有する。このケーブルキャリア溝26の垂直方向の複数の内壁が、後壁22に対してほぼ平行に延在する。ケーブルキャリア溝26は、ケーブルキャリア5を収容するために設けられていて、このケーブルキャリア5の寸法に適合されて形成されている。
【0060】
ハウジング21は、ケーブルキャリア溝26内の後壁面に複数のハウジング開口部を有する。複数の接触子が、ハウジング21からこれらのハウジング開口部を通じてケーブルキャリア溝26内に突出している。これらに接触子は、一群の複数の金属製接触テープ27によって構成されている。それぞれの接触テープ27は、表示装置の電子装置にはんだ付けされている第1端部を有する。さらに、1つの接触テープ27は、複数の線6のうちの1つの線6に接触させるために構成又は形成されている第2端部を有する。この第2端部は、接触領域として凸形を成す。
【0061】
図4では、棚レール1の断片及び表示装置20をそれらの後側から見ることができる。それぞれの表示装置20は、1つの固定機構を有する。表示装置20の外側では、2つの固定フック33及びこれらの固定フック33に結合された1つの押しボタンだけが、この固定機構から見ることができる。後壁22は、複数の固定ハウジング開口部を有する。これらの固定フック33が、これらの固定ハウジング開口部を通じて突出している。押しボタン34が操作されていない場合、ハウジングの内部に設けられているばねが、これらの固定フック33を複数の凹部13の下端部に対して押圧している。これにより、表示装置20が、上向きに棚レール1の方向に押圧又は加圧される。この場合、これらの固定フック33は、当該凹部のそれぞれの高さに応じて下へ移動され得る。
【0062】
この場合、これらの固定フック33の移動の幅が、センサ99によって検出される。このセンサ99は、これらの固定フック33の機械的な移動を電気信号に変換する。当該電気信号は、表示装置の電子装置によって受信され、当該電子装置から通信によってケーブル経路6を介して棚レール1のコントローラ40にデジタル伝送される。すると、このコントローラの電子装置が、当該棚レールに沿ったそれぞれの位置ごとのそれぞれの寸法の個々の高さと、当該高さから予測できる当該センサの信号値(又は当該信号値から予測できる値の範囲)とに基づいて、それぞれの表示装置の絶対位置を特定又はデコードする。棚レールのコントローラ40は、こうして特定された棚レール1に沿った絶対位置をサーバに無線伝送する。当該棚レール1の情報に基づくこの絶対位置は、このサーバで記録される。この絶対位置は、当該通信中の棚レールのコントローラ40を認識することによって一義的に取得される。何故なら、当該棚レール1と当該棚レールのコントローラ40との間のこのリンクは事前に設定されているからである。
【0063】
この場合、センサ99は、両固定フック33又は専らただ1つの固定フック33の移動を検出できる。
【0064】
さらに、棚レール1の前面に固定された複数の表示装置20の順序を特定するための棚レールシステム100の実施の形態が示されている図5について説明する。この実施の形態では、それぞれの表示装置20が、センサ99として左側のトランスミッタLTと右側のトランスミッタRTとを有する。すなわち、当該実施の形態は、棚レール1の前面に設置された表示装置20同士の一方向通信を可能にするために構成されている。当該一方向通信が必要でない場合は、例えば、左側のトランスミッタLTが、専ら受信器として構成され、右側のトランスミッタRTが、専ら送信器として構成されてもよい。また、当該棚レールのコントローラ40は、同様な技術思想が成立するトランスミッタTをセンサ99として有する。すなわち、このトランスミッタTが、受信のためだけに使用されるならば、このトランスミッタTは、専ら受信器として構成されてもよい。それぞれの棚レール装置20及び40は、棚レール装置20及び40のそれぞれの電子装置内に記憶されている一義的なコードID1,ID2及びID3を特徴とする。トランスミッタLT,RT及びTは、赤外線光に基づく通信向けに構成されている。
【0065】
棚レール1の前面に固定された複数の表示装置20の順序を特定するため、この棚レールのコントローラ40が、これらの表示装置20を順序特定モードに移行させる。このモードでは、これらの表示装置20のそれぞれの表示装置20が、その右側のトランスミッタRTを介してその一義的なコードID1及びID2を隣接した棚レール装置、すなわち右の表示装置20又は当該棚レールのコントローラ40に送信する。コードが、左側のトランスミッタTLを介して左側に配置された棚レール装置によって受信される場合も、右の表示装置20の場合と同様に、この受信されたコードID1も、右の表示装置20の右側のトランスミッタRTを介して出力され、左側で受信されたコードID1として認識される。
【0066】
一般に、この種類の通信の場合、表示装置20から表示装置20に通信されるコードの数は増大する。この場合、当該コードは、固有のコードと一緒に出力される左側で受信された1つ又は複数のコードである。
【0067】
この例では、最終的に、棚レールのコントローラ40は、複数の表示装置20の順序の情報を有する全ての両コードID1及びID2を受信する。当該情報から、棚レール1の前面にあるこれらの表示装置20の順序が直接に得られる。棚レールのコントローラ40は、無線通信71中にこの結果をこの棚レールのコントローラ40に固有のコードID3と一緒にサーバ60に通信する。当該棚レール1に対するこの順序が、サーバ60に記憶される。
【0068】
既に詳しく説明した図は、本発明の範囲から離れることなしに、当業者によって様々に変更され得る実施の形態にすぎない点を、最後に再度指摘する。完全を期すため、不定冠詞「1つ」の使用は、当該特徴が複数も存在し得ることを排除するものでない点も指摘する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】