(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ローカル情報のみに基づく車線変更
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20240326BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240326BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20240326BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B60W30/14
G08G1/16 C
B60W30/10
B60W40/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555696
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022071526
(87)【国際公開番号】W WO2022217209
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワンケデ、アジート ウルハス
(72)【発明者】
【氏名】グプタ、ピナキ
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA08
3D241BA15
3D241BA60
3D241BB16
3D241CA00
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE01
3D241CE05
3D241CE08
3D241DB01Z
3D241DB05Z
3D241DC35Z
3D241DC37Z
3D241DC43Z
3D241DC59Z
3D241DD14Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC24
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
コンピュータ実装方法は、以下、すなわち、車両の運動を制御している運転支援システムが、自車線から目標車線への車両の車線変更を開始する段階、車線変更は、車両のローカル情報のみに基づき実行される;運転支援システムが、目標車線のパラメトリック表現を定義する段階、パラメトリック表現は、目標車線の第1のウェイポイントに基づいている;運転支援システムが、車線変更中に、車両の知覚コンポーネントの第1の出力を受信する段階、第1の出力は、ローカル情報であり、目標車線の第2のウェイポイントを反映している;運転支援システムが、第1の出力及びパラメトリック表現に基づき、比較を実行する段階;及び、運転支援システムが、車線変更を作動させるために、車両のコントローラに第1のグローバル経路の参照を提供する段階、を備え、参照は、比較に基づき選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運動を制御している運転支援システムが、自車線から目標車線への前記車両の車線変更を開始する段階、前記車線変更は、前記車両のローカル情報のみに基づき実行される;
前記運転支援システムが、前記目標車線のパラメトリック表現を定義する段階、前記パラメトリック表現は、前記目標車線の第1のウェイポイントに基づいている;
前記運転支援システムが、前記車線変更中に、前記車両の知覚コンポーネントの第1の出力を受信する段階、前記第1の出力は、前記ローカル情報であり、前記目標車線の第2のウェイポイントを反映している;
前記運転支援システムが、前記第1の出力及び前記パラメトリック表現に基づき、比較を実行する段階;及び
前記運転支援システムが、前記車線変更を作動させるために、前記車両のコントローラに第1のグローバル経路の参照を提供する段階、前記参照は、前記比較に基づき選択される、
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記比較は、前記第1のウェイポイントの中で前記第2のウェイポイントに対する最良適合を見つけるために実行される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記第1のグローバル経路は前記車線変更の開始時に定義され、前記コンピュータ実装方法は、前記運転支援システムが、前記車線変更の起点及び前記第1のグローバル経路に沿った複数の地点のそれぞれの間の変換行列を定義する段階を更に備える、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記パラメトリック表現を定義するにあたり、前記変換行列を使用する段階を更に備える、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記パラメトリック表現は、多項式の係数を有する、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記多項式は、三次多項式である、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記第1の出力は、第1のx、y座標を含み、前記コンピュータ実装方法は、前記パラメトリック表現から第2のx、y座標を生成する段階を更に備え、前記比較は、前記第1のx、y座標及び前記第2のx、y座標を用いて実行される、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記パラメトリック表現は複数の第1の曲線を形成し、前記第1の出力は第2の曲線を形成し、前記比較は前記第2の曲線を前記複数の第1の曲線の少なくとも1つと一致させようとする、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記係数の係数行列を形成する段階を更に備える、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記コントローラは、少なくともステアリング制御又は加速度制御を含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記比較は、前記第2のウェイポイントが前記第1のウェイポイントの少なくとも1つのセットの閾値内に存在するかどうかの判定を含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記第1のグローバル経路は前記車線変更の開始時に定義され、前記比較は前記第2のウェイポイントを前記第1のウェイポイントの第1のセットと一致させ、前記第1のウェイポイントの前記第1のセットは前記第1のグローバル経路に沿った第1の地点に関連付けられ、前記参照は前記第1の地点で始まる前記第1のグローバル経路から選択される、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記車両は前記第1の地点に対応する位置に存在しないものの、前記参照は前記第1の地点で始まる前記第1のグローバル経路から選択される、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記知覚コンポーネントの第2の出力を受信する段階、及び、前記第2の出力に基づき前記比較を繰り返す段階を更に備え、前記第2の出力について前記閾値が満たされていない場合は第2のグローバル経路が定義される、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記比較を実行する段階は、前記第1のウェイポイントの一方向検索を実行する段階を有する、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記比較は、前記第2のウェイポイントが前記第1のウェイポイントのいかなるセットの前記閾値内にも存在しないことを示し、前記コンピュータ実装方法は、前記比較に応答して前記第1のグローバル経路を定義する段階を更に備える、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記第1のグローバル経路は、前記車線変更において先に定義された第2のグローバル経路に置き換わるように定義される、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
車両の運動を制御している運転支援システムに、
自車線から目標車線への前記車両の車線変更を開始する手順、前記車線変更は、前記車両のローカル情報のみに基づき実行される;
前記目標車線のパラメトリック表現を定義する手順、前記パラメトリック表現は、前記目標車線の第1のウェイポイントを含む;
前記車線変更中に、前記車両の知覚コンポーネントの第1の出力を受信する手順、前記第1の出力は、前記ローカル情報であり、前記目標車線の第2のウェイポイントを反映している;
前記第1の出力及び前記パラメトリック表現に基づき、比較を実行する手順;及び
前記車線変更を作動させるために、前記車両のコントローラに第1のグローバル経路の参照を提供する手順、前記参照は、前記比較に基づき選択される、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項19】
自車線から目標車線への車両の車線変更に関して前記車両の運動を制御するにあたり使用するために構成されたコントローラ、前記目標車線のパラメトリック表現、前記パラメトリック表現は前記目標車線の第1のウェイポイントを含む;
前記目標車線の第2のウェイポイントを反映するローカル情報を生成するように構成された知覚コンポーネント;及び
前記ローカル情報のみに基づき前記車両の前記車線変更を作動させるための手段
を備える、車両。
【請求項20】
前記コントローラは、少なくともステアリングコントローラを含み;
前記知覚コンポーネントは、カメラ及びライダの少なくとも1つを含み;
前記手段は、前記パラメトリック表現を定義する手順、前記知覚コンポーネントから前記ローカル情報を受信する手順、前記ローカル情報及び前記パラメトリック表現に基づき比較を実行する手順、及び前記コントローラにグローバル経路の参照を提供する手順によって前記車線変更を作動させ、前記参照は、前記比較に基づき選択される、
請求項19に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年4月6日に提出された、「ローカル情報のみに基づく車線変更(LANE CHANGING BASED ONLY ON LOCAL INFORMATION)」と題する米国特許出願第17/301,540号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本書は、ローカル情報のみに基づく車線変更に関する。
【背景技術】
【0003】
今日製造されている一部の車両は、車両の運転に関連する動作に少なくとも部分的に対処し得る1つ又は複数のタイプのシステムを搭載している。提供される運転自律性のレベルは、そのようなシステム間でかなりの程度にまで異なり得る。運転支援に対する幾つかの既存の手法は、高精度地図と共に全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)受信機を使用して車両の位置特定を提供する。しかしながら、そのような技術は、車両において実装するには高価であり得る。加えて、高精度地図は全てのエリアにおいて容易に入手できない場合があり、これは、運転支援の使用に制限を課す、又はこれを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様において、コンピュータ実装方法は、以下、すなわち、車両の運動を制御している運転支援システムが、自車線から目標車線への前記車両の車線変更を開始する段階、前記車線変更は、前記車両のローカル情報のみに基づき実行される;前記運転支援システムが、前記目標車線のパラメトリック表現を定義する段階、前記パラメトリック表現は、前記目標車線の第1のウェイポイントに基づいている;前記運転支援システムが、前記車線変更中に、前記車両の知覚コンポーネントの第1の出力を受信する段階、前記第1の出力は、前記ローカル情報であり、前記目標車線の第2のウェイポイントを反映している;前記運転支援システムが、前記第1の出力及び前記パラメトリック表現に基づき、比較を実行する段階;及び、前記運転支援システムが、前記車線変更を作動させるために、前記車両のコントローラに第1のグローバル経路の参照を提供する段階、を備え、前記参照は、前記比較に基づき選択される。
【0005】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。比較は、第1のウェイポイントの中で第2のウェイポイントに対する最良適合を見つけるために実行される。前記第1のグローバル経路は前記車線変更の開始時に定義され、前記コンピュータ実装方法は、前記運転支援システムが、前記車線変更の起点及び前記第1のグローバル経路に沿った複数の地点のそれぞれの間の変換行列を定義する段階を更に備える。コンピュータ実装方法は、前記パラメトリック表現を定義するにあたり、前記変換行列を使用する段階を更に備える。当該パラメトリック表現は、多項式の係数を有する。当該多項式は、三次多項式である。前記第1の出力は、第1のx、y座標を含み、前記コンピュータ実装方法は、前記パラメトリック表現から第2のx、y座標を生成する段階を更に備え、前記比較は、前記第1及び第2のx、y座標を用いて実行される。前記パラメトリック表現は複数の第1の曲線を形成し、前記第1の出力は第2の曲線を形成し、前記比較は前記第2の曲線を前記複数の第1の曲線の少なくとも1つと一致させようとする。コンピュータ実装方法は、前記係数の係数行列を形成する段階を更に備える。前記コントローラは、少なくともステアリング制御又は加速度制御を含む。前記比較は、前記第2のウェイポイントが前記第1のウェイポイントの少なくとも1つのセットの閾値内に存在するかどうかの判定を含む。前記第1のグローバル経路は前記車線変更の開始時に定義され、前記比較は前記第2のウェイポイントを前記第1のウェイポイントの第1のセットと一致させ、前記第1のウェイポイントの前記第1のセットは前記第1のグローバル経路に沿った第1の地点に関連付けられ、前記参照は前記第1の地点で始まる前記第1のグローバル経路から選択される。前記車両は前記第1の地点に対応する位置に存在しないものの、前記参照は前記第1の地点で始まる前記第1のグローバル経路から選択される。コンピュータ実装方法は、前記知覚コンポーネントの第2の出力を受信する段階、及び、前記第2の出力に基づき前記比較を繰り返す段階を更に備え、前記第2の出力について前記閾値が満たされていない場合は第2のグローバル経路が定義される。前記比較を実行する段階は、前記第1のウェイポイントの一方向検索を実行する段階を有する。前記比較は、前記第2のウェイポイントが前記第1のウェイポイントのいかなるセットの前記閾値内にも存在しないことを示し、前記コンピュータ実装方法は、前記比較に応答して前記第1のグローバル経路を定義する段階を更に備える。第1のグローバル経路は、車線変更において先に定義された第2のグローバル経路に置き換わるように定義される。
【0006】
第2の態様において、コンピュータプログラム製品は非一時的記憶媒体に有形で具現化され、コンピュータプログラム製品は、実行された場合、プロセッサに動作を実行させる命令を備え、前記動作は、以下、すなわち、車両の運動を制御している運転支援システムが、自車線から目標車線への前記車両の車線変更を開始する手順、前記車線変更は、前記車両のローカル情報のみに基づき実行される;前記運転支援システムが、前記目標車線のパラメトリック表現を定義する手順、前記パラメトリック表現は、前記目標車線の第1のウェイポイントを含む;前記運転支援システムが、前記車線変更中に、前記車両の知覚コンポーネントの第1の出力を受信する手順、前記第1の出力は、前記ローカル情報であり、前記目標車線の第2のウェイポイントを反映している;前記運転支援システムが、前記第1の出力及び前記パラメトリック表現に基づき、比較を実行する手順;及び、前記運転支援システムが、前記車線変更を作動させるために、前記車両のコントローラに第1のグローバル経路の参照を提供する手順、を有し、前記参照は、比較に基づき選択される。
【0007】
第3の態様において、車両は、以下、すなわち、自車線から目標車線への前記車両の車線変更に関して前記車両の運動を制御するにあたり使用するために構成されたコントローラ、前記目標車線のパラメトリック表現、前記パラメトリック表現は前記目標車線の第1のウェイポイントを含む;前記目標車線の第2のウェイポイントを反映するローカル情報を生成するように構成された知覚コンポーネント;及び、前記ローカル情報のみに基づき前記車両の前記車線変更を作動させるための手段、を備える。
【0008】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。前記コントローラは、少なくともステアリングコントローラを含み;前記知覚コンポーネントは、カメラ及びライダの少なくとも1つを含み;前記手段は、前記パラメトリック表現を定義する手順、前記知覚コンポーネントから前記ローカル情報を受信する手順、前記ローカル情報及び前記パラメトリック表現に基づき比較を実行する手順、及び前記コントローラにグローバル経路の参照を提供する手順によって前記車線変更を作動させ、前記参照は、前記比較に基づき選択される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】グローバルフレーム及びローカルフレームの例を示す。
【0010】
【
図2】グローバル経路を参照して車両の運動を制御する例を示す。
【0011】
【0012】
【0013】
【
図5】
図4のグローバル経路を参照して車両の運動を制御する例を示す。
【0014】
【0015】
【
図7A】グローバル経路を参照して車両の運動を制御する他の例を示す。
【
図7B】グローバル経路を参照して車両の運動を制御する他の例を示す。
【
図7C】グローバル経路を参照して車両の運動を制御する他の例を示す。
【0016】
【0017】
【
図9】本開示の態様を実装するにあたり使用され得るコンピューティングデバイス900の例示的なアーキテクチャを示す。
【0018】
様々な図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本書は、運転支援(Assisted-Driving:AD)システムによって制御される車両に対して車線変更を提供するシステム及び技法の例について説明するものであり、車線変更はローカル情報のみに基づき実行される。幾つかの実装形態において、車両は、当該車両のグローバル経路からの逸脱が閾値を上回らない限りにおいて、そのグローバル経路の元の定義に基づき進行することを許可され得る。ADシステムは、定義されたグローバル経路の態様への検出されたセンサパラメータの適合を実行し、当該適合が十分に良好である限りにおいて、再定義を伴うことなく進行し得る。例えば、これにより、ADシステムがGPS受信機又は高精度地図などの位置特定ツールに頼ることなく車線変更中に車両を制御することが可能となり得る。
【0020】
自律的車線変更を実行するために、自車両は、計画された経路(グローバル経路)を厳密に辿ることができる。車線変更中、運動プランナは、車両制御の一環として、多数の反復を経ることができる。各反復において、更新されたセンサ情報を用い、更新された自フレームにおいて、経路が生成され得る。しかしながら、新たな経路は、グローバル経路と厳密に一致すべきである。本主題は、ローカルフレームにおいて入手できるセンサ情報にのみ依拠しつつ、グローバル経路の形状を維持するローカル経路の作成を可能にする。
【0021】
以下の例は、自車両が必ずしも正確にグローバル経路を辿らないことを示す。軌道追跡の役割を担うコントローラは、グローバル経路に従って車線変更を実行するにあたり、車両の運動力学/動態モデルを活用することができる。そうすることで、コントローラは、車両アクチュエータの遅延及び他の意図しない状況を補正しようとすることができる。しかしながら、車両パラメータのモデリング及び/又は推定の固有の不正確さに起因して、自車両が辿る実際の経路は、車線変更中に1つ又は複数の地点で計画された経路からオフセットし得る。そのような状況において、新たな経路が場合により生成され得る。新たな経路は依然として、可能な限りにおいて、計画された経路の元の形状を快適に維持し得る。
【0022】
車両が車線変更中にグローバル経路を辿る場合、車両の挙動は人間のような車線変更体験を提供し得る。すなわち、グローバル経路は、スムーズ且つ快適であるように設計された可能性があり、従って、時間的に持続し得る。対照的に、車線変更操作中に車両がローカル計画によって完全に制御されていた場合、その体験は、人間が通常運転する方法とは異なっていた可能性があり、搭乗者にとって不快であった可能性がある。これは、完全にローカル計画に基づく車線変更は、各計画段階で再計算され、車線変更の開始から終了までのグローバル計画を有しないためである。その結果、そのようなローカル計画の車線変更は、搭乗者にとってはロボットのように感じられ得る。他方、真のグローバル計画は、グローバル位置特定機能によってのみ実現することができ、これは高品質なGPS受信機又はHD地図などの複雑且つ高価なコンポーネント又はサービスを必要とし得る。しかしながら、本主題は、ローカル情報を使用してグローバルに持続性のある計画を導出し、ひいてはより良い車線変更体験を提供することができる。
【0023】
本明細書の例は、車両に言及する。車両は、搭乗者又は積荷、又はその両方を輸送する機械である。車両は、少なくとも1つタイプの燃料又は他のエネルギー源(例えば電気)を使用する1つ又は複数のモータを有することができる。車両の例は、乗用車、トラック、及びバスを含むが、これらに限定されない。車輪の数は車両のタイプの間で異なってよく、車輪の1つ又は複数(例えば全て)は、車両の推進のために使用され得る。車両は1人又は複数人の人を収容する搭乗者コンパートメントを含むことができる。少なくとも1人の車両の乗員は運転者であると考えることができ;この場合、様々なツール、道具、又は他のデバイスが運転者に提供され得る。本明細書の例において、車両によって運搬されるいかなる個人も、当該個人が車両を運転しているかどうか、又は、当該個人が車両を運転するための制御にアクセスできるかどうか、又は、当該個人が車両を運転するための制御を欠いているかどうかにかかわらず、車両の「搭乗者」と称され得る。本明細書の例において、例の対象物である車両は、場合により「自車両」と称される。1つ又は複数の他の車両は、場合により「目標車両」と称される。本例における複数の車両は、例示的な目的においてのみ、互いに類似している、又は同一であるものとして示される。
【0024】
本明細書の例は、(例えば、ADシステムによって実行されるような)運転支援に言及する。運転支援は、1つ又は複数の動的運転タスクを少なくとも部分的に自動化することを伴う。ADASは、運転支援を実行することができ、運転支援システムの例である。運転支援は、通常、車両上、車両下、又は車両内に位置付けられた1つ又は複数のセンサの出力に部分的に基づいて実行される。自律車両は運転支援を実行するシステムの例であるが、全ての運転支援システムが完全自律車両を提供するように設計されているわけではない。SAE Internationalによって、運転自動化の複数のレベルが定義されており、通常、それぞれレベル0、1、2、3、4及び5と称される。例えば、レベル0システム又は運転モードは、システムによる持続的な車両制御を伴わなくてよい。例えば、レベル1システム又は運転モードは、アダプティブクルーズコントロール、緊急ブレーキアシスト、自動緊急ブレーキアシスト、車線維持、及び/又は車線センタリングを含んでよい。例えば、レベル2システム又は運転モードは、ハイウェイアシスト、自律障害物回避、及び/又は自律駐車を含み得る。例えば、レベル3又は4システム又は運転モードは、運転支援システムによる車両の漸増制御を含み得る。例えば、レベル5システム又は運転モードでは、運転支援システムへの人間の介入が不要であり得る。
【0025】
本明細書の例は、ローカル情報に言及する。ローカル情報は、車両内又は車両上に位置するカメラ又はライダなどの知覚コンポーネントによって生成されたデータを含む。対照的に、GPS受信機は受信される信号を生成するために衛星の存在を必要とするため、それはローカル情報ではない(例えば、それは、グローバル情報として特徴付けられ得る)出力を生成する。例えば、カメラは入射光を検出するが、その光を生成するために車両の外部で任意の特定の技術を必ずしも必要としない。加えて、ライダは、車両からの光を、その反射を検出するために送信するが、ここでもまた、車両の外部で任意の特定の技術を必ずしも必要としない。ローカル情報のみへの依拠はまた、車道の高精度地図の使用を含まない。本明細書において使用される場合、高精度地図は、デシメートルスケール以上の解像度を有する車道の描写である。例えば、本主題は、車線変更を実行するために車両を制御するにあたり、ADシステムによるいわゆる高精度地図(HD地図)の使用を伴わない。
【0026】
本明細書の例は、車両の車線に言及する。本明細書において使用される場合、車線は、現在、過去、又は将来において車両によって走行される経路であり;車両が現在位置する経路は、自車線と称され得る。対照的に、車両がそれに向かって走行するように指示され得る車線は、場合により、目標車線と称される。車線は、車道上、又は車道に隣接する1つ又は複数の標示によって定義され得るが、必ずしもそうではない。ある車線及び別の車線の間の区別は、2つだけ例を挙げると、搭乗者にとって視覚的に顕著であり得る、又は、ADシステムによってのみ定義され得る。本明細書において使用される場合、車線は、(例えば、曲がり角がない)直線の車道、及び、1つ又は複数の曲がり角を曲がる車道を含む。本明細書において使用される場合、車線は、片道走行に制限される車道(例えば、一方通行路)の一部であり得る、又は、対面交通を可能にしている車道の一部であり得る。本明細書において使用される場合、車線は、単一車線のみを有する、又は、複数の車線を有する車道の一部であり得る。本主題において、自車線及び目標車線は、本質的に互いに平行であり得るが、必ずしもそうではない。例えば、自車線及び目標車線の一方は、他方に対してゼロ以外の角度を形成し得る。
【0027】
本明細書中の例は、センサに言及する。センサは、事象及び/又はその環境の1つ又は複数の態様における変化を検出し、当該検出を反映する信号を出力するように構成されている。単なる説明的な例として、センサは、車両及び物体の間の距離、車両の速度、車両の軌道、又は車両の加速度のうち1つ又は複数を示し得る。1つ又は複数の実施形態と共に使用され得るセンサの例は、光センサ(例えば、カメラ);走査システム(例えば、ライダ);無線式センサ(例えば、レーダ);音響センサ(例えば、超音波デバイス及び/又はマイクロフォン);慣性計測ユニット(例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計);(例えば、車両又はそのコンポーネント用の)速度センサ;(例えば、車両又はそのコンポーネント用の)位置センサ;(例えば、車両又はそのコンポーネント用の)方位センサ;トルクセンサ;温度センサ(例えば、一次又は二次温度計);(例えば、周囲の空気又は車両のコンポーネント用の)圧力センサ;湿度センサ(例えば、雨検知器);又は着座センサを含むが、これらに限定されない。
【0028】
図1は、グローバルフレーム100、及びローカルフレーム102及び104の例を示す。グローバルフレーム100、ローカルフレーム102、及び/又はローカルフレーム104を参照して説明される例は、本明細書の他の箇所で説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。グローバルフレーム100、及びローカルフレーム102及び104のそれぞれは、座標系によって(例えば、直交軸の順序付けされたセットの座標系に対するデカルト座標で)表され得る。例えば、グローバルフレーム100は、いわゆる「東、北、上」(East, North, Up :ENU)座標の使用のために定義され得る。別の例として、ローカルフレーム102及び/又は104は、フレネ座標における場合のように、参照経路を参照して長手方向及び横方向の位置を用いて指定され得る。
【0029】
グローバルフレーム100、及びローカルフレーム102及び104はここで、少なくとも自車線108及び目標車線110を含むように上方から概略的に示されている環境106に対して定義される。環境106は、ほんの数例を挙げると、街路、路地、道路、ハイウェイ、又はフリーウェイを含むが、これらに限定されない車道を含み得る。(例えば、
図8を参照して以下で説明されるような運動計画を実行し得る)ADシステムを有する車両112は、現在、自車線108に位置している。例えば、車両112は、ADシステムの制御下で自車線108に沿って図における左から右の方向に走行している。
【0030】
車両112の運動を制御する一環として、ADシステムは、1つ又は複数のタスクを実行し得る。そのようなタスクの一例が車線変更である。幾つかの実装形態において、ADシステムは、自車線108から目標車線110への車線変更を実行するように、車両112を制御する作用を計画し得る。例えば、この作用は、車線変更が実行されるべきことを示すユーザ入力によってトリガされ得る。別の例として、ADシステムは、ユーザによって直接トリガされることを伴うことなく(例えば、定義されたナビゲーションルートを辿ることに基づき)車線変更を計画し得る。車線変更中、運動プランナの全ての反復において、運動プランナは、更新されたセンサ情報を用い、更新された自フレーム(例えば、ローカルフレーム102又は104)において経路を生成する必要があり得る。しかしながら、新たな経路は、車線変更が開始されたときに計画された(グローバルフレーム100において定義された)経路と厳密に一致すべきである。本主題は、ローカル情報に(例えば、ローカルフレームにおいて入手できるセンサ情報に)のみ依拠して、ADシステムがグローバル経路の形状を維持するローカル経路を作成することを可能にし得る。
【0031】
ここで、車線変更を管理するために(及び任意選択的に他の目的のために)、ADシステムは目標車線110に対するウェイポイント114を定義し得る。ここでそれぞれウェイポイント114-1、114-2、…、114-i、…及び114-Nによって概略的に示される通り、任意の数のウェイポイント114が定義され得、Nは、1よりも大きい任意の整数であり、1≦i≦Nである。ウェイポイント114は、(例えば、グローバルフレーム100を参照した)コンピュータベースの定義であり得る。例えば、ADシステムは、所与のウェイポイント114-iが目標車線110の左側境界線及び右側境界線から本質的に等しく離れるように、目標車線110の横方向の中心にウェイポイント114を配置しようとし得る。幾つかの実装形態において、ウェイポイント114は、多項式として定義され得る。多項式の任意の次数が使用され得る。例えば、ウェイポイント114は三次多項式として定義され得る。
y=C0+C1*x+C2*x2+C3*x3、
ここでx及びyは空間座標であり、Ci(i=0、1、2、3)は目標車線係数である。
【0032】
ここで、説明を目的として幾つかの変換が説明される。線116は、車両112がローカルフレーム102に従って位置決めされている場合、車両112(例えば、その重心)をウェイポイント114-2と結ぶ。同様に、線118は、車両112がローカルフレーム104に従って位置決めされている場合、車両112をウェイポイント114-2と結ぶ。変換120(場合により、GT1と称される)は、ローカルフレーム102からグローバルフレーム100への変換を表す。同様に、変換122(場合により、GT2と称される)は、ローカルフレーム104からグローバルフレーム100への変換を表す。変換124(場合により、1T2と称される)は、ローカルフレーム104からローカルフレーム102への変換を表す。しかしながら、変換124は、ADシステムにとって未知であり得る。
【0033】
一般的なハイウェイ運転シナリオにおいて、車線形状は多くの場合、自車体フレームにおける3次多項式として表現され得る。しかしながら、異なるフレームにおいて経路を追跡するには、変換行列に関する知識が必要であり得る。上記に示した通り、不正確さに起因して、車両の配置は計画された経路から多少逸脱する場合があり、変換は、GPS又は慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit:IMU)センサから確実且つ正確に入手できない可能性がある。しかしながら、カメラ及びライダの統合を通じた車線標示の検出が、例えば機械学習技法の使用によって実行され得る。本主題は、従って、ローカル情報を用いて変換を抽出することができ、ひいては、それが1つ又は複数の閾値内でグローバル経路に準拠しようとするため、純粋なローカル計画による場合に比べてよりスムーズで人間らしい搭乗者体験を提供する。
【0034】
車両112において通常入手でき得るセンサ情報の殆どが、車両112の対応するローカルフレームにおいて受信され得る。幾つかの実装形態において、これは、カメラ、ライダ、及び/又はレーダからの出力を含み得るが、これらに限定されない。すなわち、このローカル情報は、場合により、ローカルフレーム102又は104に関連している。他方、GPS受信機は、グローバルフレーム100のみに関連する情報を提供し得る。加えて、幾つかのGPS受信機は、任意の2つのフレーム間でグローバル変換を提供するための十分な正確性を有しない可能性がある。例えば、変換124がADシステムにとって未知であると言われ得るのはこのためである。本明細書において説明されるシステム及び技法は、ローカル情報のみに基づき車両に対して車線変更を提供することができ、それはここで、グローバルフレーム100ではなくローカルフレーム102及び104が関与していることを示す破線126によって概略的に示されている。例えば、システムは(グローバルではなく)ローカルコンテキストにおいてセンサから入手できる情報のみを使用し、高忠実度のGPS又はHD地図などの機能を使用することなく、ローカルフレーム102及び104の間の情報を抽出することができる。
【0035】
図2は、グローバル経路204を参照して車両202の運動を制御する例200を示す。例200又はその態様は、本明細書の他の箇所において説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。例200は、上方から示す通り、車道206上を走行している車両202を伴い、自車線中心208及び目標車線中心210は車道206に対して定義されている。
【0036】
グローバル経路204は、車両202が自車線中心208から目標車線中心210への車線変更を経るよう制御するための準備として、例えばADシステムの運動プランナによって定義され得る、又はそうでなければ作成され得る。グローバル経路204がADシステムによって定義される時刻は、名目上、時刻ゼロと称され得る(図において「T@0」として表される)。グローバル経路204は、自車線中心208及び目標車線中心210を互いに結び付け得る。グローバル経路204は、ほんの数例を挙げると、車両202のタイプ、車両202の速度、自車線中心208及び目標車線中心210の空間構成、視認性、車道206上の交通量、及び/又は気象条件などの特性を含むがこれらに限定されない状況に応じ、複数の形状のいずれかを有し得る。例えば、グローバル経路204は、S字型の曲線であり得る。
【0037】
例200は、初期時刻T@0の後のそれぞれの時刻における車両202を概略的に示しており、そのような時刻は、ここではそれぞれT@1、T@2及びT@3と表示される。これらの時刻は、例示のみを目的として選択されたものであり、運動プランナの全ての反復を必ずしも反映していない;むしろ、運動プランナは、1秒につき複数回の反復(例えば、数十回又は数百回の反復)を実行し得る。そのため、この例において論述される決定は、例200において示されたもの以外の時刻においても(例えば、中間時刻にも)実行され得る。
【0038】
グローバル経路204に沿った各地点は、車両202についての別個の状態と考えることができ、そのような各状態は、ローカルフレームに対応している。各状態において、運動プランナは、それがコントローラにどの経路を提供すべきかを考えることができる。一般に、車両202がグローバル経路204を厳密に辿っている場合、新たなフレームにおいて、グローバル経路204に類似した又は同一の経路を生成する方が良い。これにより、グローバルフレームにおいて参照が常に変化しないため、コントローラがより良く追跡する助けとなり得る。時刻T@1及びT@2は、このタイプの例示的なシナリオを示す。T@1において、ADシステムは、車両202がグローバル経路204の閾値内に留まるかどうかを判定し得る。これは、カメラ及び/又はライダの出力などのローカル情報のみを使用して行われる。グローバル経路204上の状態212は、ここで、車両202の現在位置に最も近いグローバル経路204上の地点に対応し得る。例えば、状態212は、空間座標(例えば、x及びy位置)及び向首角を含み得る。ここで、車両202及び状態212の間のオフセット214は、グローバル経路204からの車両202の現在の離脱を概略的に示している。オフセット214は、2つの例を挙げると、空間位置及び/又は向首角を反映し得る。オフセット214がT@1において特定の閾値を上回らない場合、ADシステムはT@1において、車両202のコントローラにグローバル経路204の残りを提供し続ける。すなわち、T@1における車両202はローカル情報によれば正確には状態212に存在しないが、その位置は十分に近いため、ADシステムは車両202の運動を制御するためにグローバル経路204の残りを使用し続けることを選択する。対照的に、T@1におけるADシステムが新たなグローバル経路を生成することを決定していた場合、それは、破線として示されるような新たなグローバル経路204'を生成した可能性がある。しかしながら、新たなグローバル経路204'に従って進行することは、グローバル経路204の残りを使用し続ける場合に比べてより急激な操作(例えば、より高速の横変位及び/又はより大きな速度変化)を伴い得る。そのため、車両202が時刻T@1においてグローバル経路204に従って制御される方が、新たなグローバル経路204'よりも、搭乗者にとって優れた乗車体験となり得る。
【0039】
同様の方法で、T@2において、ADシステムは、ローカル情報のみを使用して、車両202がグローバル経路204の閾値内に留まるかどうかを再び判定し得る。T@2において特定の閾値を上回らない場合、ADシステムはT@2において、車両202のコントローラにグローバル経路204の残りを提供し続ける。すなわち、T@2におけるADシステムは、破線として示される新たなグローバル経路204''を生成しない。
【0040】
しかしながら、車両202がある地点においてグローバル経路204からのより大きな逸脱を経る場合、運動プランナは、その地点において新たな経路を生成し得る。T@3において、ADシステムは、車両202がグローバル経路204の閾値内に留まるかどうかを判定し得る。これは、カメラ及び/又はライダの出力などのローカル情報のみを使用して行われる。グローバル経路204上の状態216は、ここで、車両202の現在位置に最も近いグローバル経路204上の地点に対応し得る。例えば、状態216は、空間座標(例えば、x及びy位置)及び向首角を含み得る。ここで、車両202及び状態216の間のオフセット218は、グローバル経路204からの車両202の現在の離脱を概略的に示している。オフセット218がT@3において特定の閾値を上回る場合、ADシステムはT@3において、車両202のための新たなグローバル経路220を生成し得る。すなわち、車両202は現在、ローカル情報によれば、状態216からの離脱を有するため、ADシステムは、車両202の運動を制御するためにグローバル経路204の残りを使用し続けるべきではない。むしろ、ADシステムは、運動プランナの後続の反復によって判定される通り、潜在的に車線変更の残りを通じて、車両202を誘導するために、コントローラに新たなグローバル経路220を提供する。例えば、車両202が新たなグローバル経路220の閾値内に留まる限り、ADシステムは、車両202を操作するために、コントローラに新たなグローバル経路220の残りを提供し続け得る。
【0041】
図3は、方法300の例のフローチャートを示す。方法300は、本明細書に記載の1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。示されているものに比べてより多い、又はより少ない動作が実行され得る。別段の指示がない限り、2つ又はそれより多くの動作が異なる順序で実行され得る。
【0042】
方法300は、少なくとも2つの区別可能な事例又は期間の過程において実行されているものとして示されており、ここでは概念的に、それぞれT@0及びT@tと称される。幾つかの実装形態において、T@0は、時間における(例えば、車線変更の開始時における)最初の瞬間を指し得、T@tは、複数の後続の瞬間又は期間のいずれかを指し得る。すなわち、少なくともT@tにおける動作は、車線変更の過程において1回又は複数回にわたり繰り返され得る。
【0043】
動作302において、グローバル経路が作成され得る。幾つかの実装形態において、
図2におけるグローバル経路204又は新たなグローバル経路220が作成され得る。例えば、グローバル経路は、自車線から目標車線への車線変更のためのルートを定義し得る。
図4は、グローバル経路402を作成する例400を示す。例400は、本明細書の他の箇所において説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。
【0044】
動作304において、変換が作成され得る。幾つかの実装形態において、変換は、車線変更の起点及びグローバル経路に沿った各状態の間に存在する。例えば、変換は、変換行列の形式において生成され得る。例400は、状態404を含むものとしてグローバル経路402を示す。状態404のそれぞれは、グローバル経路に対する変換の1つに対応しており、座標フレーム表現を含み得る。例えば、任意の状態404iを形式(x
i、y
i、θ
i)で表すことができ、ここでx及びyはグローバル経路上の地点を示し、θはその状態における車両の向首角を示し、iは当該状態の指数である。
図4において、例えば、状態(x
0、y
0、θ
0)、(x
1、y
1、θ
1)、(x
2、y
2、θ
2)、(x
3、y
3、θ
3)、(x
4、y
4、θ
4)、・・・、(x
N、y
N、θ
N)が示されており、ここで、Nは計画通りのグローバル経路における状態の総数である。
【0045】
車線変更は、グローバル経路402が自車線の自車線中心406及び車両が向かっている目標車線の目標車線中心408の間に延びるように定義され得る。ウェイポイント410は、目標車線に対して定義され得る。幾つかの実装形態において、ウェイポイント410は、目標車線中心408に存在するように定義される。例えば、ウェイポイント410のそれぞれを形式(x
i、y
i)
Tで表すことができ、ここでx及びyはウェイポイントを示し、iはウェイポイントの指数であり、Tは、例えば、ウェイポイントをグローバル経路402の状態(x
i、y
i、θ
i)と区別するために、それが目標車線に存在することを示す。
図4において、例えば、ウェイポイント(x
1、y
1)
T、(x
2、y
2)
T、(x
3、y
3)
T、(x
4、y
4)
T・・・、(x
m、y
m)
Tが示されており、ここで、Mは計画通りのグローバル経路に対して識別されたウェイポイントの総数である。
【0046】
動作306において、目標車線のパラメトリック表現が作成され得る。
図5は、
図4のグローバル経路402を参照して車両の運動を制御する例を示す。目標車線中心408のウェイポイント410は、三次多項式を含むがこれに限定されない多項式500を適合させるために使用され得る。軌道上の各状態404iについて、人は変換された目標ウェイポイントを見つけて多項式を適合させることができる。軌道全体に沿って移動することで、人は離散化された状態に対応する係数の行列502を生成することができる。行列502は、一般に、以下の通り表され得る。
【数1】
ここで、指数0、1、2、…、i、…、Nは、
図5における行列502及び状態404の幾つかの間の点線によっても示される通り、グローバル経路402の離散化された状態に対応している。行列502は、ウェイポイント410がそれぞれの状態404でどのように見えるかを示す。方法300において、行列502は、ストレージ308に記憶され得る。上記の動作は、方法300において示された通り、T@0で実行され得る。すなわち、時刻T@0の間にグローバル計画が実行され得、必要なデータ(例えば、グローバル経路402、状態404、ウェイポイント410、及び行列502)が生成されて、車線変更を実行するにあたりADシステムによって使用されるために記憶され得る。
【0047】
T@0の後に生じる任意の時刻T@tにおいて、方法300は、知覚コンポーネントから目標車線ウェイポイントを取得する動作310を含み得る。知覚コンポーネントの出力は、車両に対するローカル情報と考えることができ、車両が計画通りにグローバル経路402の十分近くに存在するかどうかを判定するために使用され得る。例えば、知覚コンポーネントの出力は、車両の現在位置から見た場合の目標車線中心408のウェイポイントを反映し得る。
【0048】
動作312において、知覚コンポーネントのウェイポイントは、記憶された目標車線ウェイポイントと比較され得る。幾つかの実装形態において、これは、ストレージ308内の行列の係数及び知覚コンポーネントの出力からの対応する係数を伴う比較を含む。知覚出力の係数は、最良適合又は最も近い一致を見つけるために、行列502と比較され得る。例えば、知覚コンポーネントから取得された係数は、(C0、C1、C2、C3)percと称され得、指数iの幾つか又は全ての適用可能な値について目標車線係数(C0、C1、C2、C3)iと比較され得る。例えば、行列502における最も近い一致行が識別され得る。別の例として、係数行列を展開して空間値(例えば、x、y座標)のセットを得ることができ、これらは、知覚コンポーネントからのx、y座標と比較され得る。上記の又は他の例は、知覚コンポーネントによって報告されたウェイポイントが係数行列のウェイポイントのいずれかの閾値内に存在するかどうかを判定するために適用され得る。
【0049】
比較の複数の手法のいずれかが使用され得る。幾つかの実装形態において、最小化及び/又は最大化技法が使用され得る。例えば、知覚コンポーネントの出力及び行列502内の幾つか又は全てのエントリの間の差に対して最小二乗解析が適用され得る。別の例として、曲線間の比較(例えば、曲線マッチング)が実行され得る。例えば、係数行列は、グローバル経路のそれぞれのフレームからの目標車線の外観を反映しており、比較は、知覚コンポーネントによって報告された場合の目標車線を観察し、係数行列の幾つか又は全ての曲線うちどれが最も類似しているかを判定する。
【0050】
係数行列は特定の方法で検索される場合がある、及び/又は係数行列の一部のみが検索され得る。例えば、検索は並列化され得る。別の例として、検索は行列内の一方向においてのみ実行され得る(例えば、一方向検索)。幾つかの実装形態において、動作312は、直近において識別された行列エントリの「前方」にある行列502内のエントリのみを見ることができる。例えば、行列502のエントリの1つが、直前のフレームにおける最も近い一致として識別された場合、現在のフレーム内の動作312における比較は、当該識別されたエントリに続くエントリから開始することができる。幾つかの実装形態において、動作312は、以下の通り、多数の反復において行列502内のエントリのみを見ることができる。
for i=indprev-window:indprev+window,
ここで、iは、評価において考慮される行列エントリの指数であり、そのような指数は、セミコロンの前後で定義された値の間で反復され;indprevは以前に識別された最も近い行列エントリの指数であり;windowは、以前の一致の両側で検索される行列エントリ(例えば、1つ又は複数のエントリ)の範囲である。
他の手法を使用することができる。
【0051】
動作314で、係数行列内で一致が見つかったかどうかが判定され得る。幾つかの実装形態において、1つ又は複数の閾値が適用され得る。例えば、知覚コンポーネントによって報告されたウェイポイントが行列502内のエントリのいずれかの閾値内に存在するかどうかが判定され得る。複数のメトリックのいずれかが判定のために使用され得る。最小二乗法は、上記の例において言及された。曲線マッチングが実行され得る。別の例として、知覚ウェイポイント及びパラメトリック表現の間の差を定量化することに基づく別のメトリックを使用することができ、これは距離に基づく評価を含むがこれに限定されない。
【0052】
図6は、曲線をマッチングする例600を概略的に示す。例600は、本明細書の他の箇所において説明される1つ又は複数の例と共に使用され得る。例600は、曲線602を概略的に表す。ここで曲線602は、(例えば、
図2におけるグローバル経路204のそれぞれのフレームにおける)異なる観点から見た場合の目標車線の連続する外観(例えば、
図2における目標車線中心210)を表す。曲線602は、簡潔にするために本例においては部分的なセットのみであり得、より多い、又はより少ない曲線602が使用され得る。ここで曲線602は、明確にするために直線として表される。幾つかの実装形態において、曲線602は他の形状を有し得る。
【0053】
他方、曲線604は、1つ又は複数の知覚コンポーネントの出力から取得され得る。曲線604は、自車両の少なくとも1つのセンサのローカル情報によって判定される場合の目標車線の現在のビューを表す。グローバル経路に対する車両の現在位置を判定するために、曲線604、及び、曲線602の幾つか又は全ての間で曲線マッチングが実行され得る。曲線マッチングは、曲線604を曲線602のうち1つ又は複数と一致させようとし得る。例えば、曲線604、及び、曲線602の曲線602iに対して差の最小二乗計算を実行することができ、ここで指数iは1つ又は複数の数を想定することができる。別の例として、曲線604の傾きが、曲線602のうち1つ又は複数の傾きと比較され得る。曲線604、及び、曲線602のうちの少なくとも1つの間の最も近い一致が、適用された少なくとも1つの閾値を満たす場合、これは、
図3における方法300の動作314における判定の肯定的な(例えば、「はい」)結果を反映し得る。
【0054】
動作314において一致が見つからない場合、方法300は矢印316によって示される通りに進み、動作302に戻り得る。例えば、グローバル経路の状態又はフレームの中で知覚コンポーネントの出力に対する一致が見つからない場合、その時点で新たなグローバル経路が作成され、以降に適用され得る。グローバル経路は次に、運動計画において元々定義されたグローバル経路を置き換え得る。すなわち、少なくとも動作302を、時刻T@tの1つで繰り返すことができ、従って、新しいT@0から実質的に新たに開始される。
【0055】
他方、動作314において一致が見つかった(例えば、(曲線602の1つが曲線604に適合する)場合、行列502内のその識別された係数のセットは、方法300の動作318において選択され得る。これは、グローバル経路上の最良一致指数iの選択に対応し得る。そのため、車両は計画通りにグローバル経路の状態又はフレームのいずれかに正確には存在していなかった可能性があるが、それは十分に近くに存在するため、グローバル経路のその地点は、現在、運動計画の目的における車両の位置であるとみなされる。その動作は、ストレージ320を更新することを伴い得る。例えば、変数indprevに、最も近い一致エントリの指数iの値が代入され得る。次に、その変数indprevは、後続の反復において、例えば上述の通り、係数行列の限定的な検索を実行するために使用され得る。
【0056】
動作318の後に、方法は、動作322において、ADシステムのコントローラに出力を提供し得る。幾つかの実装形態において、当該出力は、少なくとも、計画通りのグローバル経路の残りの部分の一部を含み得る。例えば、知覚出力と一致した行列エントリを、ウェイポイントの第1のセットと考えることができ、知覚出力を、ウェイポイントの第2のセットと考えることができ;次に、グローバル経路の残りの部分を、ウェイポイントの第1のセットに関連付けられたグローバル経路の地点(又はフェーズ又はフレーム)から始まるものとして選択することができる。
【0057】
上記の例は、少なくとも以下、すなわち、車両(例えば、
図1における車両112)の運動を制御している運転支援システムが、自車線(例えば、
図2における自車線中心208)から目標車線(例えば、
図2における目標車線中心210)への車両の車線変更を開始する段階、車線変更は、車両のローカル情報(例えば、カメラ又はライダの出力)のみに基づき実行される;運転支援システムが、目標車線のパラメトリック表現(例えば、
図3におけるストレージ308内の係数行列)を定義する段階、パラメトリック表現は、目標車線の第1のウェイポイント(例えば、
図1におけるウェイポイント114)に基づいている;運転支援システムが、車線変更中に、車両の知覚コンポーネントの第1の出力を受信する段階、第1の出力は、ローカル情報であり、目標車線の第2のウェイポイントを反映している(例えば、車両の現在位置から目標車線中心210(
図2)のビューを反映するローカル情報);運転支援システムが、第1の出力及びパラメトリック表現に基づき、比較(例えば、
図3の動作312における最も近い適合の判定)を実行する段階;及び、運転支援システムが、車線変更を作動させるために、車両のコントローラに第1のグローバル経路(例えば、
図2におけるグローバル経路204の残り又は新たなグローバル経路220)の参照を提供する段階、を備え、参照は、比較に基づき(例えば、
図3の動作314における決定に基づき)選択される、コンピュータ実装方法の実行を示す。
【0058】
図7A~
図7Cは、グローバル経路を参照して車両の運動を制御する他の例700、702及び704を示す。例700、702及び/又は704は、本明細書の他の箇所において説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。例700、702及び704は、ADシステムの制御下で車線変更を実行する過程における車両706を概略的に示す。車両は、運動プランナによって指示される通り、図において左から右へと走行している。例700、702及び704のそれぞれにおいて、車線変更のためにグローバル経路708が当初作成された。例700、702及び704は、車両706に対する車線変更の実行における幾つかの可能なシナリオを示す。
【0059】
例700において、車両は車線変更の開始から終了まで、グローバル経路708上に留まっていた。従って、例700においてグローバル経路708以外の経路は示されていない。方法300(
図3)に関し、例700は以下の通り進み得る。グローバル経路708を動作302において定義することができ、他の動作304及び306を時刻T@0で実行することができる。動作312での比較及び動作314での判定を実行する全ての後続の時刻T@tにおいて、知覚出力及び係数行列の間で本質的に正確な一致が見つかる。車両706は全ての評価においてグローバル経路708上に正確に留まることから、動作322におけるコントローラへの出力は毎回実行され、矢印316(
図3)に沿った再計画は車線変更中に実行されない。運動コントローラの固有の不正確さ及び他の不確実性に起因して、例700は必ずしも生じない可能性があるが、ここでは完全を期すために説明される。
【0060】
示されている通り、例702において、車両はグローバル経路708から多少逸脱し、車線変更の一部において実際は経路710に沿って走行していた。すなわち、例702において車両706によって実際に遂行されたルートは、経路710上を走行している間を除き、グローバル経路708上にあった。方法300(
図3)に関し、例702は以下の通り進み得る。グローバル経路708を動作302において定義することができ、他の動作304及び306を時刻T@0で実行することができる。車両706が依然として経路708に存在している後続の時刻T@tの1つ又は複数において、動作312での比較及び動作314での判定により、知覚出力及び係数行列の間で最も近い一致(例えば、正確な一致)が見つかる結果がもたらされ得る。また、車両706が経路710に存在しており、動作312での比較及び動作314での判定が実行されている後続の時刻T@tの1つ又は複数において、知覚出力及び係数行列の間で最も近い一致が見つかる。すなわち、知覚出力は行列502(
図5)の係数セットの少なくとも1つとの閾値差以内にあり、従って、動作314の結果は「はい」であった。矢印316(
図3)に沿った再計画は、従って、例702における車線変更中に実行されない。
【0061】
示されている通り、例704において、車両は例702に比べてグローバル経路708からより逸脱し、車線変更の一部において実際は経路712に沿って走行していた。すなわち、例702において車両706によって実際に遂行されたルートは、車両706が経路712上を走行し始めるまで、当初はグローバル経路708上にあった。方法300(
図3)に関し、例704は以下の通り進み得る。グローバル経路708を動作302において定義することができ、他の動作304及び306を時刻T@0で実行することができる。車両706が経路712上に存在しており、動作312での比較及び動作314での判定が実行されている後続の時刻T@tの1つ又は複数において、知覚出力及び係数行列の間で近い一致は見つからない。すなわち、知覚出力は行列502(
図5)の係数セットの少なくとも1つとの閾値差以内になく、従って、動作314の結果は「いいえ」であった。従って、方法300は、動作302に戻ることにより、矢印316(
図3)に沿った再計画を実行することができる。そのため、ある時点(例えば、
図3におけるT@tの1つ)で、例704において新たなグローバル経路714を定義することができ、ADシステムによって、グローバル経路708の残りに代えて新たなグローバル経路714がコントローラに提供され得る。すなわち、新たなグローバル経路714は、車線変更において先に定義されたグローバル経路708に置き換わるように定義され得る。そのため、(例えば、ADシステムのコントローラが従う)グローバル経路708の一部708'は、新たなグローバル経路714の生成に起因して、ここでは使用されない。
【0062】
図8は、車両800の例を示す。車両800は、本明細書の他の箇所において説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。車両800は、ADAS/ADシステム802及び車両制御804を含む。ADAS/ADシステム802は、
図9を参照して以下で説明される幾つか又は全てのコンポーネントを使用して実装され得る。ADAS/ADシステム802は、センサ806及び計画アルゴリズム808を含む。ADAS/ADシステム802が実装され得る車両800の他のコンポーネントを含むがこれらに限定されない、車両800が含み得る他の態様は、簡潔にするためにここでは省略される。
【0063】
ここで説明されるセンサ806は、センサ出力を処理し、当該処理に基づき検出を実行するための適切な回路及び/又は実行可能なプログラミングをも含む。そのような回路及び/又は実行可能なプログラミングは、環境の検知を実行する検知コンポーネントと同じ物理的な筐体内に実装され得る、又は、それとは別個に実装され得る。センサ806は、レーダ810を含み得る。幾つかの実装形態において、レーダ810は、少なくとも部分的に電波に基づく任意の物体検出システムを含み得る。例えば、レーダ810は、車両に対して前進方向に方向付けられ得、少なくとも、1つ又は複数の他の物体(例えば、別の車両)までの距離を検出するために使用され得る。レーダ810は、車両800に関連する物体の存在を検知することにより、交通事象を検出することができる。例えば、レーダ810は、車両800の車線変更中に使用され得る。
【0064】
センサ806は、ライダ812を含み得る。幾つかの実装形態において、ライダ812は、少なくとも部分的にレーザ光に基づく任意の物体検出システムを含み得る。例えば、ライダ812は、車両に対して任意の方向に方向付けられ得、少なくとも、1つ又は複数の他の物体(例えば、車線又は別の車両)までの距離を検出するために使用され得る。ライダ812は、車両800に関連する物体の存在を検知することにより、交通事象を検出することができる。例えば、ライダ812は、車両800の車線変更中に使用され得る。
【0065】
センサ806は、カメラ814を含み得る。幾つかの実装形態において、カメラ814は、車両800がその信号を考慮する任意の画像センサを含み得る。例えば、カメラ814は、車両に対して任意の方向に方向付けられ得、車両、車線、車線標示、及び/又は道路標識を検出するために使用され得る。カメラ814は、車両800に関連する状況を視覚的に登録することにより、交通事象を検出し得る。例えば、カメラ814は、車両800の車線変更中に使用され得る。
【0066】
センサ806は、超音波センサ816を含み得る。幾つかの実装形態において、超音波センサ816は、超音波に基づき、少なくとも物体の近接を検出するにあたり使用される任意の送信機、受信機、及び/又は送受信機を含み得る。例えば、超音波センサ816は、車両の外面に、又はその近傍に位置付けられ得る。超音波センサ816は、車両800に関連する物体の存在を検知することにより、交通事象を検出することができる。例えば、超音波センサ816は、車両800の車線変更中に使用され得る。
【0067】
ADAS/ADシステム802が車両800の運動を制御している間に、センサ806のいずれかが単独で、又はセンサ806の2つ又はそれより多くが集合的に、ローカル情報の出力を生成し得る。幾つかの実装形態において、そのような出力は、車線変更を実行するにあたり考慮され得る。幾つかの実装形態において、1つ又は複数の他のタイプのセンサは、追加的に、又は代わりに、センサ806に含まれ得る。
【0068】
計画アルゴリズム808は、1つ又は複数の検出に応答して、ADAS/ADシステム802が1つ又は複数の作用を実行するように、又は、いかなる作用も実行しないように計画し得る。センサ806のうち1つ又は複数の出力が、考慮され得る。幾つかの実装形態において、計画アルゴリズム808は、2つだけ例を挙げると、速度上昇及び/又は低下、及び/又は、横方向オフセット変化を定義し得る。
【0069】
車両制御804は、ステアリング制御818を含み得る。幾つかの実装形態において、ADAS/ADシステム802及び/又は車両800の別の運転者は、ステアリング制御818を操作することによって、少なくとも1つの車輪のステアリング角を調整することにより、車両800の軌道を制御する。ステアリング制御818は、ステアリング制御818及び調整可能な車輪の間の機械的接続を通じてステアリング角を制御するように構成され得る、又は、ステアバイワイヤシステムの一部であり得る。
【0070】
車両制御804は、ギア制御820を含み得る。幾つかの実装形態において、ADAS/ADシステム802及び/又は車両800の別の運転者は、ギア制御820を使用して、車両の複数の動作モード(例えば、運転モード、ニュートラルモード、又は駐車モード)の中から選択する。例えば、ギア制御820は、車両800内の自動変速機を制御するために使用され得る。
【0071】
車両制御804は、信号制御822を含み得る。幾つかの実装形態において、信号制御822は、車両800が生成し得る1つ又は複数の信号を制御し得る。例えば、信号制御822は、車両800の方向指示器及び/又は警音器を制御し得る。
【0072】
車両制御804は、ブレーキ制御824を含み得る。幾つかの実装形態において、ブレーキ制御824は、車両を減速させ、車両を停止させ、及び/又は停止時に車両を停止状態に維持するように設計された1つ又は複数のタイプの制動システムを制御し得る。例えば、ブレーキ制御824は、ADAS/ADシステム802によって作動され得る。別の例として、ブレーキ制御824は、運転者によってブレーキペダルを使用して作動され得る。
【0073】
車両制御804は、加速度制御826を含み得る。幾つかの実装形態において、加速度制御826は、車両の1つ又は複数のタイプの推進モータを制御し得る。例えば、加速度制御826は、車両800の電気モータ及び/又は内燃モータを制御し得る。
【0074】
車両800は、ユーザインタフェース828を含み得る。ユーザインタフェース828は、聴覚インタフェース830を含み得る。幾つかの実装形態において、聴覚インタフェース830は、搭乗者コンパートメントに位置付けられた1つ又は複数のスピーカを含み得る。例えば、聴覚インタフェース830は、少なくとも部分的に、車両内のインフォテインメントシステムと共に動作し得る。
【0075】
ユーザインタフェース828は、視覚インタフェース832を含み得る。幾つかの実装形態において、視覚インタフェース832は、車両800の搭乗者コンパートメントにおける少なくとも1つのディスプレイデバイスを含み得る。例えば、視覚インタフェース832は、タッチスクリーンデバイス及び/又は計器群ディスプレイを含み得る。
【0076】
図9は、本明細書に記載のシステム、装置、及び/又は技法のいずれか、又は、様々な可能な実施形態において利用され得る任意の他のシステム、装置、及び/又は技法のいずれかを含む、本開示の態様を実装するために使用され得るコンピューティングデバイス900の例示的なアーキテクチャを示す。
【0077】
図9に示されているコンピューティングデバイスを使用して、本明細書に記載のオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及び/又は(ソフトウェアエンジンを含む)ソフトウェアモジュールを実行することができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイス900は、中央処理装置(CPU)などの少なくとも1つの処理デバイス902(例えばプロセッサ)を含む。様々な製造業者、例えばIntel又はAdvanced Micro Devicesから様々な処理デバイスが入手できる。この例において、コンピューティングデバイス900は、システムメモリ904、及びシステムメモリ904を含む様々なシステムコンポーネントを処理デバイス902に結合するシステムバス906をも含む。システムバス906は、様々なバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用する、メモリバス、又はメモリコントローラ;周辺バス;及びローカルバスを含むがこれらに限定されない、使用することができる任意の数のタイプのバス構造体のうちの1つである。
【0079】
コンピューティングデバイス900を使用して実装され得るコンピューティングデバイスの例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、(スマートフォン、タッチパッドモバイルデジタルデバイス、又は他のモバイルデバイスなどの)モバイルコンピューティングデバイス、又はデジタル命令を処理するように構成された他のデバイスを含む。
【0080】
システムメモリ904は、リードオンリメモリ908及びランダムアクセスメモリ910を含む。起動中などにコンピューティングデバイス900内で情報を転送するように機能する基本ルーチンを含む基本入力/出力システム912を、リードオンリメモリ908に記憶することができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイス900は、デジタルデータを記憶するためにハードディスクドライブなどの二次ストレージデバイス914をも含む。二次ストレージデバイス914は、二次ストレージインタフェース916によってシステムバス906に接続される。二次ストレージデバイス914及びその関連付けられたコンピュータ可読媒体は、(アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールを含む)コンピュータ可読命令、データ構造体、及びコンピューティングデバイス900のための他のデータの不揮発性及び非一時的ストレージを提供する。
【0082】
本明細書において説明された例示的な環境では二次ストレージデバイスとしてハードディスクドライブが採用されているが、他の実施形態においては他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が使用される。これらの他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体の例は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタル多用途ディスクリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、又はリードオンリメモリを含む。幾つかの実施形態は、非一時的媒体を含む。例えば、コンピュータプログラム製品は、非一時的記憶媒体において有形で具現化されてよい。加えて、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、ローカルストレージ又はクラウドベースのストレージを含んでよい。
【0083】
オペレーティングシステム918、1つ又は複数のアプリケーションプログラム920、(本明細書に記載のソフトウェアエンジンなどの)他のプログラムモジュール922、及びプログラムデータ924を含む、複数のプログラムモジュールを、二次ストレージデバイス914及び/又はシステムメモリ904に記憶することができる。コンピューティングデバイス900は、Microsoft(登録商標) Windows(登録商標)、Google Chrome(登録商標)OS、Apple(登録商標) OS、Unix(登録商標)、又はLinux(登録商標)及び変形体、及びコンピューティングデバイスに好適な任意の他のオペレーティングシステムなどの、任意の好適なオペレーティングシステムを利用することができる。他の例は、Microsoft(登録商標)、Google、又はApple(登録商標)オペレーティングシステム、又はタブレットコンピューティングデバイスにおいて使用される任意の他の好適なオペレーティングシステムを含むことができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、ユーザは1つ又は複数の入力デバイス926を介してコンピューティングデバイス900に入力を提供する。入力デバイス926の例は、キーボード928、マウス930、(例えば音声及び/又は他のオーディオ入力のための)マイクロフォン932、(タッチパッド又はタッチ感知ディスプレイなどの)タッチセンサ934、及び(例えばジェスチャ入力のための)ジェスチャセンサ935を含む。幾つかの実装形態において、入力デバイス926は、存在、近接、及び/又は運動に基づく検出を提供する。幾つかの実装形態において、ユーザが歩いて自身の家に入る場合があり、これにより処理デバイスへの入力がトリガされ得る。例えば、この場合、入力デバイス926はユーザの自動化された体験を容易にし得る。他の実施形態は、他の入力デバイス926を含む。入力デバイスは、システムバス906に結合された入力/出力インタフェース936を介して処理デバイス902に接続され得る。これらの入力デバイス926は、パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、又はユニバーサルシリアルバスなどの任意の数の入力/出力インタフェースによって接続され得る。可能な幾つかの実施形態においては、入力デバイス926及び入力/出力インタフェース936の間の無線通信も可能であり、ほんの数例を挙げると、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)無線技術、802.11a/b/g/n、セルラ、超広帯域(UWB)、ZigBee(登録商標)、又は他の無線周波数通信システムを含む。
【0085】
この例示的な実施形態において、モニタ、液晶ディスプレイデバイス、発光ダイオードディスプレイデバイス、プロジェクタ、又はタッチ感知ディスプレイデバイスなどのディスプレイデバイス938も、ビデオアダプタ940などのインタフェースを介してシステムバス906に接続される。コンピューティングデバイス900は、ディスプレイデバイス938に加えて、スピーカ又はプリンタなどの様々な他の周辺デバイス(図示せず)を含んでよい。
【0086】
コンピューティングデバイス900は、ネットワークインタフェース942を介して1つ又は複数のネットワークに接続され得る。ネットワークインタフェース942は、有線及び/又は無線通信を提供することができる。幾つかの実装形態において、ネットワークインタフェース942は、無線信号を送信及び/又は受信するための1つ又は複数のアンテナを含むことができる。ローカルエリアネットワーキング環境又はワイドエリアネットワーキング環境(インターネットなど)において使用される場合、ネットワークインタフェース942は、イーサネット(登録商標)インタフェースを含むことができる。他の可能な実施形態は、他の通信デバイスを使用する。例えば、コンピューティングデバイス900の幾つかの実施形態は、ネットワークをまたがって通信するためのモデムを含む。
【0087】
コンピューティングデバイス900は、少なくとも何らかの形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス900によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体を含む。例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0088】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報を記憶するように構成された任意のデバイスに実装される、揮発性及び不揮発性であり、リムーバブル及び非リムーバブルな媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタル多用途ディスク、又は他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス900によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0089】
通常、コンピュータ可読通信媒体は、搬送波又は他の伝送機構などの変調データ信号においてコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具現化し、任意の情報伝達媒体を含む。用語「変調データ信号」は、信号に情報をコード化する方式でその特性の1つ又は複数を設定又は変更させた信号を指す。例として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び音響、無線周波数、赤外線、及び他の無線媒体などの無線媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0090】
図9に示されているコンピューティングデバイスは、1つ又は複数のそのようなコンピューティングデバイスを含み得るプログラマブルエレクトロニクスの例でもあり、複数のコンピューティングデバイスが含まれる場合、そのようなコンピューティングデバイスは、本明細書に開示されている様々な機能、方法、又は動作を集合的に実行するように、好適なデータ通信ネットワークと共に結合することができる。
【0091】
本明細書の全体を通して使用される用語「実質的に」及び「約」は、処理時のばらつきに起因するものなどの小さい変動を説明及び報告するために使用される。例えば、それらは、±5%未満又はそれに等しい、例えば±2%未満又はそれに等しい、例えば±1%未満又はそれに等しい、例えば±0.5%未満又はそれに等しい、例えば±0.2%未満又はそれに等しい、例えば±0.1%未満又はそれに等しい、例えば±0.05%未満又はそれに等しいことを指すことができる。また、本明細書において使用されるとき、「a」又は「an」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0092】
上記の複数のコンセプト、及び以下でより詳細に論述される追加の複数のコンセプトの全ての組み合わせが(そのような複数のコンセプトが相互に矛盾しない限り)、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されていることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されている。
【0093】
複数の実装形態について説明してきた。しかしながら、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が加えられ得ることを理解されたい。
【0094】
加えて、図に示されている論理の流れは、望ましい結果を実現するために、示されている特定の順序、又は連続した順序を必要としない。加えて、他のプロセスが提供されてよく、又は説明された流れからプロセスが排除されてよく;また、説明されたシステムに他のコンポーネントが追加されてよく、又は説明されたシステムからコンポーネントが削除されてよい。従って、他の実装形態が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に属する。
【0095】
説明された実装形態の特定の特徴が本明細書に記載の通りに示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者に想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、実装形態の範囲に含まれる全てのそのような修正及び変更を包含することを意図していることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細に様々な変更が加えられてもよいことを理解されたい。相互に排他的な組み合わせを除いて、本明細書に記載の装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてよい。本明細書に記載の実装形態は、説明された異なる実装形態の機能、コンポーネント、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含むことができる。
【国際調査報告】