(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】調整可能円柱レンズを採用する光学デバイスおよび頭部搭載型ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20240326BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556507
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022020181
(87)【国際公開番号】W WO2022197603
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル, アンドリュー イアン
【テーマコード(参考)】
2H088
2H199
【Fターム(参考)】
2H088EA42
2H088EA47
2H088GA02
2H088HA02
2H088JA04
2H088JA11
2H088KA02
2H088KA26
2H088KA27
2H088MA20
2H199CA12
2H199CA50
2H199CA54
2H199CA55
2H199CA67
2H199CA74
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H199CA95
2H199CA96
(57)【要約】
本開示は、拡張現実ディスプレイシステムにおけるもの等、非正視視覚の補正のために光学デバイスの接眼レンズの中に統合され得る、面内切替モード液晶幾何学的位相調整可能レンズを説明する。接眼レンズは、ユーザにデジタル像を投影するために使用される導波管に対して配列される、統合型の視野構成可能光学系を含むことができ、本光学系は、可変球面屈折力(SPH)、円柱屈折力、および円柱軸の値を含む、ユーザのための調整可能なRxを提供することが可能である。ある構成では、各調整可能接眼レンズは、2つの可変複合レンズを含み、一方は、可変SPH、円柱力、および軸の値を伴う導波管のユーザ側にあり、第2のものは、可変SPHを伴う導波管の世界側にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
光軸に沿って配列される第1の面内切替(IPS)モード液晶(LC)要素と、
前記光軸に沿って配列される第2のIPSモードLC要素と、
前記光軸に沿って配列される第3のIPSモードLC要素と、
前記第1、第2、および第3のIPSモードLC要素と通信する電子コントローラであって、前記電子コントローラは、前記第1、第2、および第3のIPSモードLC要素が、処方箋(Rx)に従って、集合的に、非ゼロの球面屈折力(SPH)と、非ゼロの円柱屈折力(CYL)と、円柱軸(Axis)との全体を有する光学要素を形成するように、動作の間に、それぞれ、前記第1、第2、および第3のIPSモードLC要素に駆動信号を提供するように構成される、電子コントローラと
を備える、光学システム。
【請求項2】
前記IPSモードLC要素はそれぞれ、前記システムの動作の間の個別の幾何学的位相(GP)円柱レンズである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各個別のGP円柱レンズは、異なる方向に整合される円柱軸を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記IPSモードLC要素はそれぞれ、2つの基板間にLC材料の層を備える、請求項1-3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記LC材料は、ネマチック相LC材料である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記IPSモードLC要素はそれぞれ、前記2つの基板のうちの一方によって支持される電極層を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
各電極層は、ピクセル電極の2次元アレイを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記電子コントローラは、前記LC材料を前記個別のIPSモードLC要素の平面内の第1の方向に沿って均一に整合させ、前記LC材料の整合を、前記第1の方向に対して直交する前記平面内の第2の方向に沿って変動させるように、ピクセル電極の各アレイを駆動するようにプログラムされる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の方向に沿った前記LC材料の整合は、前記LC材料のネマチックダイレクタの複数の2π回転を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記2π回転の空間波長は、前記第2の方向において前記IPSモードLC要素を横断して変動する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の方向における前記2π回転の空間波長は、前記IPSモードLC要素の中心から前記IPSモードLC要素の縁に向かって増加する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記電子コントローラは、前記ピクセル電極の異なるサブセットを異なる時間に駆動し、前記LC材料の緩和時間より短いサイクルで、前記異なるサブセット間を往復して切り替えるようにプログラムされる、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のIPSモードLC要素は、第1の半径方向に配列される第1の円柱軸を伴って構成され、前記第2のIPSモードLC要素は、第2の半径方向に配列される第2の円柱軸を伴って構成され、前記第3のIPSモードLC要素は、第3の半径方向に配列される第3の円柱軸を伴って構成され、前記第1の半径方向と第2の半径方向との間の角度分離は、前記第2の半径方向と第3の半径方向との間の角度分離に等しい、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記光軸に対して直交するデカルト座標系に対し、前記第1の半径方向は、30°にあり、前記第2の半径方向は、90°にあり、前記第3の半径方向は、150°にある、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のIPSモードLC要素の第1の円柱屈折力C
30、前記第2のIPSモードLC要素の第2の円柱屈折力C
90、および前記第3のIPSモードLC要素の第3の円柱屈折力C
150、およびS、C、およびAに関する値は、以下の式、すなわち、
【数1】
に従って関係する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1、第2、および第3のIPSモードLC要素のそれぞれの円柱屈折力は、-5D~+5Dの範囲を通して可変である、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記光学要素は、少なくとも1cm
2、5cm
2、10cm
2、または16cm
2の面積を有する開口を有する、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記第1、第2、および第3のIPSモードLC要素はそれぞれ、最大で10mm、6mm、4mm、3mm、2mm、または1mmの光軸に沿った厚さを呈する、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
頭部搭載可能ディスプレイであって、
可変球面屈折力(SPH)を有する第1の光学要素と、
可変SPHと、可変円柱屈折力(CYL)と、可変円柱軸(Axis)とを有する第2の光学要素であって、前記第2の光学要素は、少なくとも1つの面内切替(IPS)モード液晶(LC)要素を備える、第2の光学要素と、
前記第1の光学要素と前記第2の光学要素との間に配列されるシースルーディスプレイと、
前記第1の光学要素と、前記第2の光学要素と、前記シースルーディスプレイと通信する電子コントローラであって、前記電子コントローラは、前記頭部搭載型ディスプレイの個々のユーザの処方箋(Rx)に従って、前記第1の光学要素のSPH、および前記第2の光学要素のSPH、CYL、およびAxisを調節するようにプログラムされる、電子コントローラと
を備える、頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項20】
前記第1の光学要素、前記第2の光学要素、および前記シースルーディスプレイが搭載されるフレームをさらに備える、請求項19に記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項21】
前記第2の光学要素は、前記頭部搭載可能ディスプレイの使用の間に、前記シースルーディスプレイと前記ユーザとの間に配列される、請求項20に記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項22】
前記第1の光学要素は、相互に対して直交するそれらの個別の円柱軸を有する2つの可変円柱レンズを備える、請求項19-21のいずれかに記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項23】
前記第2の光学要素は、それらの個別の円柱軸が異なる半径方向にあるように配列される3つのIPSモードLC要素を備える、請求項19-22のいずれかに記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項24】
眼追跡モジュールをさらに備え、前記電子コントローラは、前記頭部搭載可能ディスプレイのユーザが見ている場所を説明する前記眼追跡モジュールから受信された情報に基づいて、前記第2の光学要素の処方箋を変動させるようにプログラムされる、請求項19-23のいずれかに記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項25】
前記電子コントローラは、前記ユーザが見ている場所に応じて、近視力の処方箋から遠視力の処方箋まで、前記第2の光学要素のSPH、CYL、およびAxisを変動させるようにプログラムされる、請求項24に記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項26】
生体認証身元確認モジュールをさらに備え、前記電子コントローラは、前記生体認証身元確認モジュールからの情報に基づいて、ユーザの身元確認を行い、少なくとも部分的に前記ユーザの身元確認に基づいて、前記第2の光学要素の処方箋を調節するようにプログラムされる、請求項19-25のいずれかに記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【請求項27】
前記生体認証身元確認モジュールは、虹彩身元確認モジュールである、請求項26に記載の頭部搭載可能ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張および関連出願の相互参照)
本願は、2021年3月15日に出願された、米国仮出願第63/161,298号の優先権の利益を主張する。本優先権文書の開示全体は、参照することによって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、調整可能レンズを含む光学デバイスに関し、より具体的には、面内切替モード液晶調整可能レンズを組み込む、光学デバイスおよび頭部搭載型ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
拡張現実のためのウェアラブルディスプレイシステムは、それを通して、ユーザが世界を視認し得、それを用いて、ディスプレイシステムが、デジタル像をユーザに投影し得る、1つまたは2つの接眼レンズを含むことができる。接眼レンズは、多くの場合、高度屈折性材料を使用して形成され、典型的には、正視視覚を伴う、すなわち、屈折異常を伴わないユーザを考慮するように設計される。
【0004】
近眼(近視)または遠眼(遠視)ユーザ等の非正視視覚を伴うユーザのために、カスタマイズされた挿入物が、例えば、その眼科処方箋(Rx)に従って、ユーザの屈折異常を補正する、ウェアラブルディスプレイ内に提供されることができる。代替として、ディスプレイの形状因子は、装着者とディスプレイの接眼レンズとの間に眼鏡を収容するように設計されることができる。しかしながら、ヘッドセットのカスタマイズは、時間がかかり、高価であることの両方であり得、眼鏡を収容する形状因子は、扱いにくく、審美的に魅力的ではなくあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、非正視視覚の補正のための頭部搭載型ディスプレイ、特に、仮想現実、拡張現実、または複合現実頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズの中に統合され得る、面内切替(IPS)モード液晶(LC)幾何学的位相(GP)調整可能レンズを特徴とする。接眼レンズは、ユーザにデジタル像を投影するために使用される導波管に対して配列される、完全統合型の視野構成可能光学系を含むことができ、本光学系は、可変球面屈折力(SPH)、円柱屈折力(CYL)、および円柱軸(Axis)の値を含む、ユーザのための調整可能なRxを提供することが可能である。ある構成では、各調整可能接眼レンズは、2つの可変複合レンズを含み、一方は、可変球面と、円柱と、軸とを伴う導波管のユーザ側にあり、第2のものは、可変球面を伴う導波管の世界側にある。集合的に、可変複合レンズは、乱視を含む、ユーザの屈折異常を補正することができ、環境に対して、かつユーザの固視の深度に対応する、適切な深度平面にデジタル画像を位置付けることができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、各複合レンズは、IPSモードLCデバイスから形成される、1つまたはそれを上回る(例えば、2つまたは3つの)可変円柱レンズから構成される。その円柱軸が直角に配向される、2つのそのような可変円柱レンズのアセンブリは、調節可能な球面屈折力を伴う複合レンズを提供するために使用されることができる。その円柱軸が60°の間隔に配向される、3つの可変円柱レンズのアセンブリが、調節可能なSPH、CYL、およびAxisを伴う複合レンズを提供するために使用されることができる。
【0007】
一般に、第1の側面では、本開示は、光軸に沿って配列される、第1の面内切替(IPS)モード液晶(LC)要素と、光軸に沿って配列される、第2のIPSモードLC要素と、光軸に沿って配列される、第3のIPSモードLC要素と、第1、第2、および第3のIPSモードLC要素と通信する、電子コントローラとを含む、システムを特徴とする。電子コントローラは、第1、第2、および第3の要素が、処方箋(Rx)に従って、集合的に、非ゼロの球面屈折力(SPH)と、非ゼロの円柱屈折力(CYL)と、円柱軸(Axis)との全体を有する、光学要素を形成するように、動作の間に、それぞれ、第1、第2、および第3のIPSモードLC要素に駆動信号を提供するように構成される。
【0008】
本システムの実装は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものおよび/または他の側面の特徴を含むことができる。例えば、各IPSモードLC要素は、本システムの動作の間の幾何学的位相(GP)円柱レンズであることができる。各GP円柱レンズは、異なる方向に整合される、円柱軸を有することができる。
【0009】
各IPSモードLC要素は、2つの基板間にLC材料の層を含むことができる。LC材料は、ネマチック相LC材料であることができる。各IPSモードLC要素は、2つの基板のうちの一方によって支持される、電極層を含むことができる。各電極層は、ピクセル電極の2次元アレイを含むことができる。電子コントローラは、LC材料をIPSモードLC要素の平面内の第1の方向に沿って均一に整合させ、LC材料の整合を、第1の方向に対して直交する平面内の第2の方向に沿って変動させるように、ピクセル電極を駆動するようにプログラムされることができる。第2の方向に沿ったLC材料の整合は、LC材料のネマチックダイレクタの複数の2π回転を含むことができる。2π回転の空間波長が、第2の方向においてIPSモードLC要素を横断して変動することができる。第2の方向における2π回転の空間波長は、IPSモードLC要素の中心からIPSモードLC要素の縁に向かって増加することができる。いくつかの実施形態では、電子コントローラは、ピクセル電極の異なるサブセットを異なる時間に駆動し、LC材料の緩和時間より短いサイクルで、異なるサブセット間を往復して切り替えるようにプログラムされる。
【0010】
第1の半径方向と第2の半径方向との間の角度分離は、第2の半径方向と第3の半径方向との間の角度分離に等しくあることができる。
【0011】
光軸に対して直交するデカルト座標系に対して、第1の半径方向は、30°にあることができ、第2の半径方向は、90°にあることができ、第3の半径方向は、150°にあることができる。第1の円柱屈折力C
30、第2の円柱屈折力C
90、および第3の円柱屈折力C
150、およびS、C、およびAに対する値は、以下の式に従って関係することができる。
【化1】
【0012】
第1、第2、および第3の光学要素のそれぞれの円柱屈折力は、-5D~+5Dの範囲を通して可変であることができる。
【0013】
光学要素は、1cm2またはそれを上回る(例えば、5cm2またはそれを上回る、10cm2またはそれを上回る、16cm2またはそれを上回る)面積を有する、開口を有することができる。
【0014】
屈折要素はそれぞれ、10mmまたはそれ未満(例えば、6mmまたはそれ未満、4mmまたはそれ未満、3mmまたはそれ未満、2mmまたはそれ未満、1mmまたはそれ未満)の光軸に沿った厚さを有することができる。
【0015】
一般に、さらなる側面では、本開示は、頭部搭載型ディスプレイシステムであって、可変球面屈折力(SPH)を有する、第1の光学要素と、可変SPHと、可変円柱屈折力(CYL)と、可変円柱軸(Axis)とを有する、第2の光学要素であって、少なくとも1つの面内切替(IPS)モード液晶(LC)要素を有する、第2の光学要素と、第1の光学要素と第2の光学要素との間に配列される、シースルーディスプレイと、第1の光学要素、第2の光学要素、およびシースルーディスプレイと通信している、電子コントローラとを含む、頭部搭載型ディスプレイシステムを特徴とする。電子コントローラは、頭部搭載型ディスプレイの個々のユーザの処方箋(Rx)に従って、第1の光学要素のSPH、および第2の光学要素のSPH、CYL、およびAxisを調節するようにプログラムされる。
【0016】
頭部搭載型ディスプレイの実装は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものおよび/または他の側面の特徴を含むことができる。例えば、頭部搭載型ディスプレイは、第1の光学要素と、第2の光学要素と、シースルーディスプレイとを相互に対して、かつ使用中は頭部搭載型ディスプレイのユーザに対して搭載するためのフレームを含むことができる。第2の光学要素は、頭部搭載型ディスプレイの使用の間、シースルーディスプレイとユーザとの間に配列されることができる。
【0017】
第1の光学要素は、相互に対して直交する、それらの個別の円柱軸を有する、2つの可変円柱レンズを含むことができる。
【0018】
頭部搭載型ディスプレイは、眼追跡モジュールを含むことができ、電子コントローラは、頭部搭載型ディスプレイのユーザが眼追跡モジュールから見ている場所についての情報に基づいて、第2の光学要素の処方箋を変動させるようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、電子コントローラは、ユーザが見ている場所に応じて、近視力の処方箋から遠視力の処方箋まで、第2の光学要素のSPH、CYL、およびAxisを変動させるようにプログラムされる。
【0019】
頭部搭載型ディスプレイは、生体認証身元確認モジュールを含み、電子コントローラは、生体認証身元確認モジュールからの情報に基づいて、ユーザの身元確認を行い、ユーザの身元確認に基づいて、第2の光学要素の処方箋を調節するようにプログラムされる。生体認証身元確認モジュールは、虹彩身元確認モジュールであることができる。
【0020】
他の利点の中でもとりわけ、調整可能接眼レンズは、乱視を含む、ユーザの一意の光学処方箋を補正する一方、電力消費および電気機械オーバーヘッドを最小限化することができる。調整可能接眼レンズは、ユーザ毎にカスタマイズされたリジッド接眼レンズを加工する必要性を軽減し、非正視視覚を伴う、複合現実製品ユーザの可用性を増加させることができる。含まれる生体認証モジュールは、その一意の虹彩パターンに基づいてユーザの身元確認を行い、視野内の複数のユーザの処方箋に合わせて調節するために、調整可能接眼レンズを調節することができる。
【0021】
本明細書で使用されるように、「頭部搭載型ディスプレイ」はまた、ディスプレイが、装着、携行、または別様にユーザの頭部上に搭載されるように構成されるという点において、「頭部搭載可能ディスプレイ」として説明されることができる。本明細書に説明される実施形態が、必ずしも、ディスプレイが現在ユーザの頭部上に搭載されている状況に限定されるわけではないことに留意されたい。
【0022】
本願の他の特徴および利点は、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、ウェアラブルヘッドセットディスプレイの概略図である。
【0024】
【
図2】
図2は、近位および遠位調整可能光学要素を伴う、調整可能接眼レンズの背後への眼の設置を表す、概略図である。
【0025】
【
図3A】
図3Aは、球面および円柱レンズを含む、非正視視覚を補正するために使用される、複合レンズの略図である。
【0026】
【
図3B】
図3Bは、非正視視覚を補正するための代替手段を表す、3つの円柱レンズの略図である。
【0027】
【
図4】
図4は、例示的な面内切替(IPS)モード液晶(LC)円柱レンズの概略断面図である。
【0028】
【
図5】
図5A-5Cは、IPSモードLCセル内の異なる整合を図示する、概略図である。
【0029】
【
図6】
図6は、IPSモードLC円柱レンズ内の例示的ダイレクタ場を示す、平面図である。
【0030】
【
図7】
図7A-7Eは、異なる方向における面内LC材料を整合させるための例示的電極要素駆動スキームを示す、平面図である。
【0031】
【
図8】
図8は、異なる方向における面内LC材料を整合させるための順次的な例示的電極要素駆動スキームの平面図である。
【0032】
【
図9A】
図9Aは、IPS LC円柱レンズのための例示的多層電極アレイの概略断面図である。
【0033】
【
図9B】
図9B-9Cは、
図9Aに示される多層電極アレイ内の異なる電極層に関する電極幾何学形状を示す、平面図である。
【
図9C】
図9B-9Cは、
図9Aに示される多層電極アレイ内の異なる電極層に関する電極幾何学形状を示す、平面図である。
【0034】
図では、同様の記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
図1は、シースルーディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能を支援するための種々の機械的および電子モジュールおよびシステムとを含む、例示的頭部搭載型ディスプレイシステム60を図示する。ディスプレイ70は、ディスプレイシステムユーザ90によって装着可能であり、ユーザ90の眼の正面にディスプレイ70を位置付けるように構成される、フレーム80内に格納される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられる。ディスプレイシステムはまた、音を検出するために、1つまたはそれを上回るマイクロホン110を含んでもよい。マイクロホン110は、ユーザが、入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム60に提供することを可能にすることができる、および/または他の人物と(例えば、類似のディスプレイシステムの他のユーザと)のオーディオ通信を可能にすることができる。マイクロホン110はまた、ユーザの周囲環境からオーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、フレーム80と別個であり、ユーザ90の身体(例えば、頭部、胴部、四肢等)に取り付けられ得る、周辺センサ120aを含んでもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理的状態を特徴付けるデータを入手してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、眼追跡モジュール125aを含んでもよい。いくつかの実施形態では、眼追跡モジュール125aは、ユーザ90の生体認証データを入手するために、生体認証身元確認モジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、生体認証身元確認モジュールは、虹彩身元確認モジュールであることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、眼追跡モジュール120aは、固視の深度データを入手してもよい。眼追跡モジュール120aは、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140への通信リンク125b(例えば、有線導線または無線コネクティビティ)によって、動作可能に結合されてもよい。眼追跡モジュール120aは、生体認証および固視の深度データをローカルプロセッサおよびデータモジュール140に通信してもよい。
【0038】
ディスプレイ70は、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または(例えば、リュックサック型構成において、またはベルト結合型構成において)ユーザ90に除去可能に取り付けられる等の様々な構成において搭載され得る、ローカルデータ処理モジュール140に、有線導線または無線コネクティビティ等によって、通信リンク130によって動作可能に結合される。同様に、センサ120aも、通信リンク120b(例えば、有線導線または無線コネクティビティ)によって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサ、および不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを含んでもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ化、および記憶を補助するために利用され得る。本データは、1)(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る)画像捕捉デバイス(例えば、カメラ)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等のセンサから捕捉されるデータ、および/または2)(仮想コンテンツに関連するデータを含む)遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160を使用して入手および/または処理され、場合によっては、そのような処理または読出後のディスプレイ70への通過のためのデータを含み得る。ローカル処理およびデータモジュール140は、通信リンク170、180によって、有線または無線通信リンク等を介して、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよく、したがって、これらの遠隔モジュール150、160は、相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能である。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線の通信経路によって、ローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立デバイスであってもよい。
【0039】
遠隔処理モジュール150は、画像およびオーディオ情報等のデータを分析および処理するために、1つまたはそれを上回るプロセッサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備であってもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つまたはそれを上回る遠隔サーバを含んでもよく、これは、ローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に情報(例えば、拡張現実コンテンツを発生させるための情報)を提供する。他の実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能する。
【0040】
ディスプレイの接眼レンズとともに含まれる、可変接眼レンズ成分が、ユーザのための固視の深度をユーザの視覚と合致させるために、接眼レンズの屈折力を調節する。可変成分の屈折力は、可能性として考えられる値の範囲を横断して、異なる値に設定され、制御可能な補正の追加された柔軟性を伴って、固定されたレンズの機能を果たすことができる。屈折異常を補正するためのユーザの光学処方箋(Rx)が、ヘッドセットコントローラの中にロードされ、可変成分が、その中のパラメータの一意のセットを補正するように修正されることができる。ヘッドセットは、新しいユーザ毎に本修正を実施し、ひいては、一意のRx毎に補正することができる。
【0041】
図2を参照すると、頭部搭載型ディスプレイシステムの接眼レンズ200が、プロジェクタ220からの光をユーザの眼210に指向する。プロジェクタ220および接眼レンズ200は、フレームまたは筐体(図示せず)によって、相互に、およびユーザの眼210に対して位置付けられる。本実施例では、プロジェクタ220は、ユーザのこめかみの傍に位置し、ユーザのこめかみを越えて延在する、接眼レンズ200の端部に光を指向する。示されるように、接眼レンズ200は、平面状導波管240と、入力結合回析格子(ICG)230と、外部結合要素(OCE)250とを含むが、しかしながら、より複雑な配列(例えば、複数のスタックされた導波管から構成される)も、可能性として考えられる。第1の可変焦点アセンブリ270aが、導波管240の世界側に位置し、第2の可変焦点アセンブリ270bが、ユーザ側に位置する。集合的に、可変焦点アセンブリ270aおよび270bの屈折力が、仮想画像の深度平面およびユーザのRxを考慮するために、接眼レンズの光学性質を並行して補正するように調節される。
【0042】
ICG230は、プロジェクタ220からの光を受光し、プロジェクタ220からの光の接眼レンズ200の中への内部結合を促進するように位置付けられる、表面格子である。ICG230は、プロジェクタ220に最も近接している、接眼レンズ200の縁またはその近傍に位置する。ICG230は、プロジェクタ220からの光を接眼レンズ200の平面状導波管基板240内の導波モードの中に指向する。
【0043】
平面状導波管基板240は、外部結合要素(OCE)250に、その表面における全内部反射を通して、接眼レンズ200に沿って、内部結合された光を誘導する。OCE250は、平面状導波管基板240から外に光を抽出し、これをユーザの眼210に向かって再指向するように構成される、第2の表面格子である。OCE250は、射出瞳拡大器(EPE)または交瞳拡大器(OPE)、または両方を含むことができる。OCE250は、ユーザの眼210の正面に位置し、ユーザの瞳孔212が、OCE150から出力される光を受光するように位置付けられ得る領域に、プロジェクタからの光を送達する。本領域は、アイボックスと称される。OCE250はさらに、アイボックスの側方位置の範囲を収容するための側方寸法を有することができる。例えば、OCE250の側方寸法251の非限定的な範囲は、30mmまたはそれ未満(例えば、25mmまたはそれ未満、20mmまたはそれ未満、15mmまたはそれ未満)であることができる。
【0044】
接眼レンズ200のユーザに面する表面上に配列される、可変焦点アセンブリ270bは、乱視を含む、ユーザの非正視視覚を補正する。可変焦点アセンブリ270bは、加えて、仮想画像を表示するために、補正された深度平面において、接眼レンズ200の焦点を設置する。本焦点の設置はまた、ディスプレイを通してユーザに通過する、現実画像の焦点にも影響を及ぼす。接眼レンズ200の世界に面する表面上に配列される、可変焦点アセンブリ270aは、可変焦点アセンブリ270bの補正から結果として生じる、現実画像の焦点設置を補正する。可変焦点アセンブリ270aは、2つの光学要素271aおよび271bを含み、可変焦点アセンブリ270bは、3つの光学要素271c、271d、および271eを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、各光学要素271a-eは、幾何学的位相円柱レンズとして構成される、IPSモードLC要素を含む。幾何学的位相(GP)レンズは、概して、開口を横断して波面に種々の位相偏移を導入することによって、偏光された(例えば、円形に偏光された)波面を集束させる、液晶のような光学異方性材料から形成される、レンズである。そのようなレンズは、例えば、従来のレンズのような湾曲した屈折性表面を有することではなく、実質的に一定の厚さを有する、異方性材料の薄膜から形成されることができる。IPSモードLC要素は、LCデバイス内のピクセルに通電するように動作する、駆動部272a-eに結合され、本デバイスの異なる領域内の面内電場強度を変動させ、それによって、本デバイス内の液晶分子の配向を局所的に変更する。本効果が、下記により詳細に説明される。駆動部272は、例えば、各GPレンズの光出力を変動させ、それによって、光学要素271の屈折要素に可変円柱レンズの機能を実施させることができる。
【0046】
駆動部272a-eは、コントローラ274からの制御信号に応答して、ピクセル電極を駆動する。ある実装では、ヘッドセットコントローラ274が、光学要素271a-e毎に屈折力を決定するために計算を実施する。各光学要素271a-eのレンズ外形が、可変焦点アセンブリ270aまたは270bの屈折力を確立するために組み合わせられる。可変焦点アセンブリに対する光出力は、ユーザのRx、ユーザ環境、投影される像、および/またはこれらのパラメータの組み合わせを含む、様々な考慮点に基づいて変動し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、コントローラ274は、眼追跡モジュールからの生体認証データを受信し、それらの生体認証身元確認に基づいて、ユーザのRxを補正するために、可変焦点アセンブリ270bの屈折力を調節することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ274は、眼追跡モジュールからユーザの固視の深度データを受信し、ユーザの近視力または遠視力のRxを補正するために、可変焦点アセンブリ270bの屈折力を調節することができる。同様に、コントローラ274は、眼追跡モジュールからのユーザの固視の深度データを受信し、ユーザに関する固視の深度を合致させるために仮想画像の光学深度を調節するために、可変光学要素270aのレンズ外形を調節することができる。
【0048】
一般に、ヒトの眼は、近視、遠視、乱視、またはその組み合わせ等の疾患につながる、屈折異常を有し得る。入射光線を修正するために補正レンズを使用することが、これらの屈折異常を補正する。近視または遠視の屈折異常は、眼の投影された画像が、眼の後部平面と焦点が合っていないときに生じ、典型的には、眼と入射光との間に設置される「球面」外形を伴うレンズを通して補正される。広義には、プラノ球面レンズ外形が、2つの対向表面、すなわち、湾曲表面および平面表面を伴うレンズ外形をもたらす、球体の表面の平面状区分と見なされることができる。球面レンズの湾曲表面は、平面表面に対して直交して配向される中心軸の周囲において、半径方向に対称である。ユーザの眼の光軸に沿って配列される、球面外形を伴うレンズが、これらの屈折異常を補正する。
【0049】
乱視の屈折異常は、異なる方向に沿った差分曲率を有する、眼の水晶体に起因する。「円柱」外形を有するレンズが、本タイプの異常を補正することができる。プラノ円柱レンズ外形は、円柱の縦軸に対して平行に捉えられる、円柱の平面状区分と見なされることができる。これは、対向する湾曲表面と、平面表面とを伴う(例えば、凸面)レンズをもたらす。平面表面の中心に沿った縦軸は、円柱軸と称される。湾曲表面は、円柱外形の長さに沿って等しい曲率半径を有する。円柱レンズが、概して、光を点ではなく、線に集束させるであろう。
【0050】
典型的には、球面成分と、円柱成分とを有するレンズが、乱視の非正視眼の屈折異常を補正するために使用される。眼科処方箋(Rx)は、球面成分(SPH)、円柱成分(CYL)、および円柱軸成分(Axis)を組み合わせ、それらは、それぞれ、球面レンズおよび円柱レンズの屈折力、および円柱軸の配向である。水平に指向される、0°を伴う光軸に対して直交して配向される、デカルト座標系が、円柱軸の半径方向を画定するために使用されることができる。
【0051】
球面または円柱レンズは、個別の度数または屈折力を有し、典型的には、ジオプタ(D)で測定される。レンズの屈折力は、ゼロ、負の(例えば、発散)数、または正の(例えば、収束)数であることができる。理論によって拘束されることを所望するわけではないが、屈折力は、焦点距離(f)の逆数に等しい、すなわち、D=1/fであることができる。例えば、+3Dの屈折力を伴うレンズは、1/3メートルにおいて集束するために、光学的無限遠から平行光線をもたらす。さらなる実施例として、平坦またはプラノレンズは、0Dの屈折力を有し、光を収束または発散させない。
【0052】
Rxは、
図3Aに示されるように、球面レンズおよび円柱レンズの組み合わせによって表されることができる。描写されるものは、屈折力Sの球面レンズ310と、屈折力Cの円柱レンズ312の例示的アセンブリである。円柱レンズ312の円柱軸313が、水平面に対して角度Aで配向された状態で示される。理論によって拘束されることを所望するわけではないが、任意のRxの表面上のある点(x,y)における位相外形は、
【化2】
に比例し、式中、Sは、球面レンズの屈折力であり、Cは、円柱レンズの屈折力であり、Aは、円柱レンズの角度配向である。
【0053】
球面レンズ310の補正力は、代替として、その円柱軸が、相互から90°に配向される、一対の円柱レンズ312によって達成されることができる。故に、
図3Aに示される、球面レンズ310および円柱レンズ312の組み合わせも同様に、3つの円柱レンズの組み合わせを通して達成可能である。
図3Bは、それらの円柱軸が、個別の屈折力C
30、C
90、およびC
150を伴って、眼の水平面から30°、90°、および150°の半径方向において配列される、3つの円柱レンズ312a、312b、および312cの配列を描写する。理論によって拘束されることを所望するわけではないが、球面および円柱成分を用いてRxを補正するために必要な屈折力C
30、C
90、およびC
150は、個別のレンズ毎に、以下を使用して決定されることができる。
【化3】
【0054】
上記に基づいて、
図2に説明される光学要素271a-eは、円柱レンズの機能を果たすことができ、それらは、所望のRxを遂行するために、光学要素内に配向され、組み合わせられることができる。
【0055】
30°、90°、および150°の半径方向に配列される円柱軸の配列が、説明されており、任意の3つの要素Rx(例えば、SPH、CYL、Axis)に対して機能するであろうが、これらの配向は、乱視の非正視視覚に対する補正を提供することが可能である、唯一の解決策ではない。一般に、Rxの3つのパラメータを合致させるために十分な自由度を与えるであろう、角度の多くのセットが、存在する。例えば、(例えば、眼の水平面から)0°、60°、および120°に配向される、3つの円柱軸もまた、そのようなRxを補正し得る。本配列は、
図3Bに説明される円柱軸間に、60°の分離を維持する。しかし、さらなる実施例として、45°によって分離される円柱軸を伴う3つの円柱レンズ(例えば、0°、45°、90°)もまた、3つの要素Rxにとって必要な補正を提供し得る。
【0056】
一般に、円柱レンズのあるセットの3つの円柱軸間の角度分離の合計は、円柱レンズの2つまたはそれを上回るものの間の冗長性を除外するために十分であることができる。例えば、3つの円柱軸間の角度分離の合計は、45°~180°の範囲内であることができる。3つの円柱軸の中央軸の角度変位は、他の2つの円柱軸からほぼ等しくあることができる(例えば、90°の角度分離の合計に関して、中央軸は、他の2つから45°であることができる)、または円柱軸は、不等角度によって分離されることができる。
【0057】
一般に、屈折性円柱レンズではなく、可変円柱レンズを提供することが可能である、IPSモードLC GPレンズが、
図2に描写される可変焦点アセンブリのために使用される。2つの複合レンズに関して、2つおよび3つのそのようなGPレンズが、統合され、可変SPH力を伴うレンズとして、それぞれ、可変のSPH、CYL、およびAXISを伴うレンズとして性能を発揮する、小型の平面状の光学構成要素を提供することができる。
【0058】
図4を参照すると、例示的IPSモードLC GP円柱レンズ400は、2つの基板層420と422との間に挟入される、液晶材料410の層を含む。
図4および後続の図に示されるデカルト座標系が、参照のために提供される。
図4に描写されるように、レンズ400の上部表面は、世界側に面し、底部表面は、ユーザ側に面する。底部基板層422は、電極層430と、LC層410に隣接する、整合層442とを含む。上部基板420は、LC層410の上部表面に隣接する、その底部表面上に整合層440を含む。偏光器450(例えば、広帯域円形偏光器)が、上部基板420の上部表面に適用される。
【0059】
動作の間、光線401によって描写されるレンズ400の上部表面上に法線方向に入射する、平面波が、偏光器450によって偏光され、次いで、LC層410によってy方向に(ページの中に)延在する、線405に集束される。したがって、集束光が、レンズ400から収束性光線402として出現する。下記により詳細に解説されるように、GPレンズ400の光出力が、層410内にLC材料を再度配向することによって制御され、それによって、上記に説明される接眼レンズ200内での使用のために好適な可変円柱レンズを提供することができる。
【0060】
一般に、IPSモードLC GP円柱レンズ400は、比較的に薄肉であることができる。例えば、本デバイスの厚さ(すなわち、z方向における寸法)は、1mmまたはそれ未満(例えば、0.75mmまたはそれ未満、0.5mmまたはそれ未満、0.25mmまたはそれ未満)であることができる。また、いくつかの実施形態では、(例えば、
図2に示されるような)2つの複合レンズ内の各レンズが、偏光器層を有することは、必要ではない。例えば、ある場合には、複合レンズのそれぞれにおける、世界側に最も近接しているレンズのみが、偏光器層を有する。
【0061】
IPSモードLC GP円柱レンズのために使用される、LC整合を議論する前に、IPSモードLCセルの動作を検討することが、有益である。
図5A-5Cは、整合の3つの異なる状態にある、例示的IPS LCセルの液晶分子の整合を描写する。これらの図はそれぞれ、上部基板と底部基板522との間にLC層(510、510’、510’’)を伴う、IPS LCセルの一部を示す。一対の線電極532および534が、底部基板上に提供される。電極532および534は両方とも、相互に対して平行なy方向に沿って延在し、電位差が、電極を横断して印加されると、電場線が、場線が、LC層の平面に対して略平行(すなわち、x-y平面に対して平行)である、2つの電極の間のLC層の中に延在する。
【0062】
典型的には、LC材料は、ネマチックLC材料であり、これは、1度の配向オーダーを有するが、分子間の並進オーダーを有していない、LCモードを指す。ネマチックLCは、典型的には、外部整合力がない状態において、共通方向に沿って整合する、伸長分子から構成される。これは、多くの場合、ネマチックダイレクタによって示され、これは、分子の好ましい配向方向を指す。LCセルを横断して、ダイレクタは、例えば、局所的電場および整合層に応じて局所的に変動し得る、場によって表されることができる。
【0063】
図5A-5Cでは、ネマチックダイレクタが、全てが電極間の共通方向に沿って整合する、葉巻形状要素によって描写される。セル内のゼロの電場強度を描写する、
図5Aでは、LC層510内の分子が全て、y方向に対して平行に整合する。概して、ゼロ場状態におけるLC分子の整合は、基板表面上の整合層によって決定されるであろう。描写されるように、整合層(図示せず)は、LC分子をy方向に沿って整合させ、本整合は、セル全体を通して取り入れられる。
【0064】
図5Bは、中間場強度における整合を示す。駆動部が、電極532および534を横断して電圧を印加し、LC層内の場線535によって描写される、電場をもたらす。ここで、LC分子は、正の誘電異方性を有し、すなわち、それらは、それらの長軸を局所的電場線に対して平行に整合させる傾向にある(分子が電場線に対して直角に整合するであろう場合には、負の誘電異方性を伴うLC材料を使用することもまた、可能性として考えられる)。しかしながら、分子間の粘弾性力が、電場からの回転力と整合層によって課される境界における好ましい整合を平衡させる。結果として、LC層510’内の分子は、それらがy軸に対して非平行に整合されるが、局所的電場の方向である、x方向に対してもまた非平行であるように再整合する。例えば、ネマチックダイレクタは、y方向に対して、15度またはそれを上回る(例えば、30度またはそれを上回る、45度またはそれを上回る、60度またはそれを上回る、75度またはそれを上回る)角度に整合されることができる。
【0065】
図5Cを参照すると、十分に高い電場536において、LC層510’’内のLC分子が、ネマチックダイレクタが電場線に対して平行(すなわち、x方向に対して平行)であるように、十分にx-y平面内で回転される。
【0066】
図5A-5Cは、IPSセルの一部のみを描写するが、LC層のダイレクタ場は、例えば、セルを横断して局所的に電場強度および/または場線配向を変動させることによって、セルを横断して変動することができる。GP円柱レンズのために好適なダイレクタ場のある実施例が、
図6に示される。ここで、ネマチックダイレクタは、x軸に沿って変動するが、y方向に沿って一定である。これは、LC層を通して伝搬する偏光が、x座標に依存するが、y座標には依存しない、位相偏移を被るであろうことを意味する。LCセルによって画定される開口を横断して入射する光のために集束を提供するGPを提供するために、ダイレクタの角変化の率は、(x方向における)セルの中心において最小であり、光が入射するセルの縁に近接するほど、増加する。これは、ダイレクタ場がx方向においてセルを横断して呈する、5つの2π回転に関する相対距離を考慮することによって、明白である。レンズの(有効)円柱軸は、y軸に対して平行である。
【0067】
一般に、GP円柱レンズの光出力(または、同等に、焦点距離)は、LC材料の光学異方性、LC層の厚さ、およびレンズのダイレクタ場に依存する。したがって、ダイレクタ場を変動させること(例えば、x方向におけるダイレクタ場の各2π回転の空間波長を変動させること)が、GPレンズの焦点距離を変動させることができる。例えば、固定されたサイズのレンズに関して、レンズの幅を横断して2π回転の数を増加させることが、レンズの円柱光出力を増加させることができる。いくつかの実施形態では、LCダイレクタ場は、x方向における、レンズの幅を横断した3またはそれを上回る(例えば、5またはそれを上回る、7またはそれを上回る、9またはそれを上回る、11またはそれを上回る)2π回転を有するために駆動されることができる。ネマチックLC材料は、概して、0.05~0.25の範囲内の(例えば、0.1またはそれを上回る、0.15またはそれを上回る)複屈折性を有する。LC層の厚さは、5μm~100μmの範囲内(例えば、10μmまたはそれを上回る、20μmまたはそれを上回る、30μmまたはそれを上回る、40μmまたはそれを上回る、50μmまたはそれを上回る、例えば90μmまたはそれ未満、80μmまたはそれ未満、70μmまたはそれ未満、60μmまたはそれ未満等)であることができる。
【0068】
図5A-5Cに関して前述に議論されるように、IPSモードセル内の局所的なダイレクタ場は、場線の方向および電場の強度を変動させることによって変動されることができる。電場強度は、概して、隣接する電極を横断して印加される、電圧差に依存する。電場線方向は、隣接する電極の形状および相対位置に依存する。故に、LCダイレクタ場、故に、各円柱レンズの焦点距離を変動させるためにこれらのパラメータのうちの1つまたはそれを上回るものの制御を可能にする、IPSモードLC GPレンズが、提供されることができる。
【0069】
電極は、典型的には、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明な導電性材料から形成される。
【0070】
一般に、様々な電極アレイ幾何学形状および駆動スキームが、所望の光出力を伴う円柱レンズを提供するために必要なLCダイレクタ場を発生させるために使用されることができる。いくつかの実施形態では、2次元電極アレイが、
図6に描写されるダイレクタ場を提供し得る、電場を提供するために使用されることができる。例えば、
図7A-7Eは、LC材料を、x-y平面における0~π/2の5つの異なる回転に沿った正の誘電異方性と整合させる、2次元電極アレイのための駆動スキームを示す。各場合において、正方形電極ピクセルの線が、交互に入れ替わる線間で電場線を発生させる、2つの異なる電圧V1およびV2のうちの一方にアクティブ化される。概して、隣接する電極間の電圧差が、電極間のLC材料を所望の面内配向に配向するために十分な電場強度を提供するように選択される。
【0071】
図7Aに示されるように、y方向において延設される、ピクセル電極の線が、x方向において電場線を発生させるであろう。ピクセル電極の交互の線が、V1およびV2にアクティブ化され、各アクティブ化された線が、アクティブ化されていないピクセルの3つの線によって、隣接する線から分離される。正の誘電異方性を伴うLC材料に関して、結果として生じる電場が、LCダイレクタを、
図7Aに示されるようなθ=0を伴う、x軸に対して平行に整合させる。
【0072】
図7Eは、x方向において延設される、アクティブ化されたピクセル電極の線が、y方向において電場線を発生させることを示す。交互の線はまた、アクティブ化されていないピクセルの3つの線によって分離される。正の誘電異方性を伴うLC材料に関して、結果として生じる電場が、LCダイレクタを、θ=π/2を伴う、y軸に対して平行に整合させる。
図7B-7Dは、LC材料をそれぞれ、角度θ=π/6、π/4、およびπ/3に整合させる、アクティブ化されたピクセル電極の対角線を示す。
【0073】
いくつかの実施形態では、時変駆動スキームが、使用されることができる。LC材料の緩和時間より短い期間にわたって電極ピクセルを駆動することが、ピクセル電極の重複面積が、異なる方向において電場線を発生させるために使用されることを可能にすることができる。異なる場間で急速に切り替えることによって、
図6に示されるもの等のダイレクタ場を発生させながら、アクティブ化された電極に近接するフリンジ場と関連付けられる、LC分子の面外配向を低減させることが、可能であると考えられる。
【0074】
例示的な時変駆動スキームが、
図8に示される。正方形ピクセル電極のピクセル電極アレイの面積が、2つの異なる時間t=1およびt=2に示される。第1の時間t=1において、4つの明確に異なる面積810、830、850、および870が、アクティブ化され、4つのそれぞれ異なる電場配向を発生させる。各面積は、本時点においてアクティブ化されていない、電極要素の面積によって分離される。後に、t=2において、3つの面積820、840、および860が、アクティブ化される。面積820は、面積810および830と重複する。同様に、面積840は、面積830および850と重複し、面積860は、面積850および870と重複する。面積810、830、850、および870内のアクティブ化されたピクセル電極の線が、それぞれ、x軸に対して0°、-45°、90°、および+45°にある。面積820、840、および860内の線は、それぞれ、約-22.5°、-67.5°、および+67.5°にある。言い換えると、面積間で発生される電場線が、ピクセル面積全体を横断してLCダイレクタの連続回転をもたらす。
【0075】
前述に記載されるように、t=1~t=2で交互に入れ替わる周期は、LC材料の緩和時間より短い(例えば、実質的に短い)。例えば、切替周期は、LC層の緩和時間の20%またはそれ未満(例えば、10%またはそれ未満、5%またはそれ未満、2%またはそれ未満、1%またはそれ未満、0.5%またはそれ未満、0.1%またはそれ未満)であることができる。いくつかの実施形態では、切替周期は、20msまたはそれ未満(例えば、10msまたはそれ未満、5msまたはそれ未満、2msまたはそれ未満、1msまたはそれ未満)であることができる。ここで、切替周期は、t=1からt=2への、およびt=1に戻る、サイクル時間(すなわち、完全なサイクルにわたる時間)を指す。動作の間、ピクセル電極アレイは、これらの2つの状態間で持続的に交互に切り替えられ、所望の円柱レンズ効果を提供する、所望の一定のダイレクタ場を提供することができる。
【0076】
図8に関連して説明される実施例は、2つの明確に異なる電極アクティブ化状態を特徴とし、より一般的には、電極は、動作の間に2つを上回る(例えば、3つまたはそれを上回る、4つまたはそれを上回る)状態間で切り替えられることができる。
【0077】
図9A-9Dを参照すると、多層電極構造が、ピクセルアレイを駆動することを促進するために使用されることができる。ここで、例示的多層電極構造930は、正方形ピクセル電極9320のアレイを有する、上部層932と、透明な長方形ビア9340から構成される、ビア層934と、垂直の(すなわち、y方向に整合される)伝導性線9360から構成される、底部電極層936とを含む。ピクセル電極と、ビアと、伝導性線との間の領域は、電気絶縁性材料(例えば、誘電体)から形成される。ビア9340が、ピクセル電極9320と伝導性線9360のうちの一方を電気的に接続する。示される幾何学形状に関して、各伝導性線9340が、4つ毎の積層ピクセル電極9320を接続する。したがって、任意の1つの伝導性線9360に電圧を駆動することが、ピクセルの単一の列内の4つ毎のピクセル電極を駆動するであろう。例証として、
図9A-9Dに示される配列が、それに応じて伝導性線9360がアクティブ化される、水平線、垂直線において、およびある対角線に沿ってピクセル電極アレイを駆動するために使用されることができる。
【0078】
相互の上に重ねられると、中央層および底部電極層内の電極の行が、相互に位置合わせし、中央電極層934の長方形電極が、各電極が底部電極層936内の対応する正方形電極に隣接するように離間される。例えば、4つ毎の線を駆動することは、ピクセル電極の行をアクティブ化するであろう。4つの連続する線をアクティブ化することは、ピクセル電極の垂直列をアクティブ化するであろう。5つ毎の線をアクティブ化することは、ピクセル電極の対角線をアクティブ化するであろう。概して、本概念は、より高い分解能を伴う幾何学形状に拡張されることができる。例えば、8、12、16、24、またはより高い数毎のピクセルをアドレス指定することが可能である配列も、可能性として考えられる。
【0079】
前述の電極幾何学形状は、実施例として提供されているが、一般に、GP円柱レンズのための面内ダイレクタ場を発生させるための所望の面内電場を提供することが可能である、任意の電極幾何学形状が、使用されることができる。概して、アレイ内のピクセル電極のサイズおよび数は、用途のために好適な分解能を提供するように選択される。上記に提示される実施例は、電極幾何学形状および切替スキームを提示する目的のためのものであり、典型的には、アレイ内のピクセル電極の数は、描写されるものより有意に高いであろう。例えば、いくつかの実施形態では、レンズは、1cm2またはそれを上回る(例えば、5cm2またはそれを上回る、10cm2またはそれを上回る、16cm2またはそれを上回る)アクティブ開口を有し、ピクセル電極は、約100μmまたはそれ未満(例えば、50μmまたはそれ未満、25μmまたはそれ未満、10μmまたはそれ未満、5μmまたはそれ未満)の寸法を有することができる。言い換えると、電極アレイは、数百個、数千個、または数万個のピクセル電極を含むことができる。
【0080】
上記に記載されるように、一般に、各レンズの円柱屈折力は、ダイレクタ場、LC層の厚さ、およびLC材料の複屈折性に依存する。円柱屈折力は、-5D~+5Dの範囲(例えば、-4D、-3D、-2D、-1D、0D、1D、2D、3D、または4D)を通して可変であることができる。円柱屈折力は、例えば、-5Dから+5Dまで、0.1Dまたはそれを上回る(例えば、0.2Dまたはそれを上回る、例えば0.25Dまたは0.5D等)漸増的な段階で変動されることができる。
【国際調査報告】