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特表2024-514419高速距離測定のためのクロマティック共焦点測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】高速距離測定のためのクロマティック共焦点測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20240326BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240326BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20240326BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240326BHJP
   F21V 9/35 20180101ALI20240326BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20240326BHJP
【FI】
G01B11/00 B
F21S2/00 340
F21V7/00 570
F21V8/00 200
F21V9/35
F21V9/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556863
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2022056214
(87)【国際公開番号】W WO2022194670
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021106766.9
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507119836
【氏名又は名称】プレシテク オプトロニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ カトリン
(72)【発明者】
【氏名】クリーガー アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ディーツ クリストフ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA02
2F065AA06
2F065AA09
2F065DD01
2F065FF10
2F065FF41
2F065GG24
2F065LL02
2F065LL04
2F065LL08
2F065LL12
2F065LL20
2F065LL30
2F065UU01
(57)【要約】
開示されるのは、発光団を光学的に励起することによって実現される広帯域で高強度の光源を使用するクロマティック共焦点測定装置である。発光団の照明は、光源の光出力パワーを最大化するために発光団の特性が利用されるように選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマティック共焦点測定装置であって、
350nm~500nmの波長範囲のポンプ光源(1)を使用する、可視波長範囲から近赤外線範囲まで、特に400nm~900nmの波長範囲の広帯域光源、
前記ポンプ光源(1)を発光団(5)上に撮像するための第1の光学系、
広帯域光の少なくとも一部がファイバ又はファイバ束に結合されるように、前記発光団を前記ファイバ又はファイバ束の面(8a)上に撮像するための第2の光学系
を含み、
前記ファイバ又はファイバ束(8)に結合された前記光は、前記クロマティック共焦点測定装置の測定光として使用される、クロマティック共焦点測定装置において、
前記発光団(5)上への前記ポンプ光源(1)の前記撮像のビーム経路及び前記ファイバ又はファイバ束の前記面(8a)上への前記発光団(5)の前記撮像のビーム経路は、部分的に一致することと、
前記測定装置は、前記ファイバ又はファイバ束の前記端部(8a)上への前記発光団(5)の前記撮像の前記ビーム経路を、前記発光団(5)上への前記ポンプ光源(1)の前記撮像の前記ビーム経路から切り離すように配置されたダイクロイックビームスプリッタ(3)を含むことと
を特徴とするクロマティック共焦点測定装置。
【請求項2】
前記第1の光学系及び前記第2の光学系は、少なくとも1つの共通の撮像光学要素、特にレンズ(4)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項3】
- 前記発光団(5)の照明エリア(101)は、前記ファイバ束又はファイバ(8)の前記結合側面の横方向の広がり以下であること、及び/又は
- 前記ファイバ束又はファイバ(8)の前記結合側面(8a)上の前記発光団の前記照明エリアの画像は、前記ファイバ束又はファイバの前記結合側面(8a)の横方向寸法よりも小さいこと
を特徴とする、請求項1又は2に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項4】
- 球面収差は、前記ダイクロイックミラー(3)の前方の更なる光学要素によって波面に導入され、及び/又は
- 球面収差は、前記ダイクロイックミラー(3)の下流の光学要素によって前記波面に導入され、及び/又は
- 前記発光団(5)は、前記照明経路の焦点に対して軸方向に変位されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項5】
前記発光団(5)上の非重複エリア又は部分的にのみ重複するエリアを照明する幾つかのポンプ源(1)が使用されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項6】
前記ポンプ光は、回折光学要素、ビームスプリッタ又は格子等の光学要素によって複数のビーム経路に分割され、及び前記発光団上の非重複領域又は部分的にのみ重複する領域は、それらによって照明されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項7】
前記広帯域光は、ファイバ束(8)に結合され、及び前記ファイバ束の前記結合側面(8a)に対向する前記ファイバ束の前記ファイバの側は、特に線において、測定される物体の複数の厚さ又は前記測定される物体の異なる位置での厚さを測定するのに適した配置で配置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項8】
単一のマルチモードファイバへの結合が実行され、及び前記結合光は、前記ファイバ(8)を出た後、線、離散点又は他の空間的に延在するアレイに分割され、且つ測定される物体の複数の厚さ又は前記測定される物体の異なる位置での厚さを測定するために印加されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項9】
300μm未満、好ましくは50μm未満の直径を有する単一のファイバが使用され、及び標的の単一点が測定されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項10】
第1及び第2のファイバと、ビームスプリッタキューブとを含む装置が使用され、前記第1のファイバは、特に、前記広帯域測定光が結合される前記ファイバ(8)であり、それにより、前記第1のファイバは、前記光源からの前記測定光を前記測定装置の測定ヘッドに向けて導き、前記測定ヘッドは、前記測定光を前記測定物体に導き、且つ前記測定物体によって反射されて戻されるか又は後方散乱された光を前記ビームスプリッタに返すことと、前記ビームスプリッタは、前記測定光と、前記測定物体から伝播して戻る前記光とを結合し、及び前記装置の前記第2のファイバは、前記測定物体から到来し、且つ前記ビームスプリッタを通して伝播された前記光を前記クロマティック共焦点測定装置の分光計に導くこととを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項11】
スペックル低減技法、特により広い帯域のポンプ源を使用するか、又は例えば周囲温度若しくはダイオード電流を変更することによって、前記ポンプ源に周波数変調若しくは位相変調を導入することによるコヒーレンスの大きさの低減が使用されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点測定装置。
【請求項12】
前記ポンプ光源(1)に存在する非点収差は、円柱レンズによって補正されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点シングルポイント又はマルチポイント測定装置。
【請求項13】
前記ファイバ又はファイバ束(8)の代わりに、前記測定光は、自由ビーム光学系を通して前記光源から前記測定ヘッドに導かれることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のクロマティック共焦点シングルポイント又はマルチポイント測定装置。
【請求項14】
可視波長範囲から近赤外線範囲まで、特に400nm~900nmの波長範囲の光を放出する、クロマティック共焦点測定装置で使用するための光源であって、
350nm~500nmの波長範囲のポンプ光源(1)、
前記ポンプ光源(1)を発光団(5)上に撮像するのに適した第1の光学系、
前記広帯域光の少なくとも一部がファイバ又はファイバ束に結合されるように、前記発光団を前記ファイバ又はファイバ束の端部(8a)上に撮像するのに適した第2の光学系
を含む光源において、
前記発光団(5)上への前記ポンプ光源(1)の前記撮像のビーム経路及び前記ファイバ又はファイバ束の前記端部(8a)上への前記発光団(5)の前記撮像のビーム経路は、部分的に一致することと、
前記光源は、前記ファイバ又はファイバ束の前記端部(8a)上への前記発光団(5)の前記撮像の前記ビーム経路を、前記発光団(5)上への前記ポンプ光源(1)の前記撮像の前記ビーム経路から切り離すように配置されたダイクロイックビームスプリッタ(3)を含むことと
を特徴する光源。
【請求項15】
可視波長範囲から近赤外線範囲まで、特に400nm~900nmの波長範囲の光を放出する、クロマティック共焦点測定装置で使用するための光源であって、
350nm~500nmの波長範囲のポンプ光源(1)、
前記ポンプ光源(1)を複数の発光団の組合せ上に撮像するのに適した第1の光学系、
ダイクロイックミラー又はビームスプリッタ(3)、
前記広帯域光の少なくとも一部がファイバ又はファイバ束に結合されるように、前記発光団を前記ファイバ又はファイバ束の端部(8a)上に撮像するのに適した第2の光学系
を含む光源において、
前記発光団の前記組合せは、2つ以上の発光団が互いの上に層状に重ねられるように実現されるか、又は
前記発光団の前記組合せの前記実現は、ビーム経路がダイクロイックミラー若しくはビームスプリッタによって分割され、且つ第1及び第2の発光団を照明し、及び前記第1及び第2の発光団から放出された光が前記ダイクロイックミラー若しくは前記ビームスプリッタによって再結合されるようなものであることを特徴とする光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマティック共焦点測定装置であって、350nm~500nmの波長範囲のポンプ光源を使用する、可視波長範囲から近赤外線範囲まで、特に400nm~900nmの波長範囲の広帯域光源、ポンプ光源を発光団上に撮像するための第1の光学系、広帯域光の少なくとも一部がファイバ又はファイバ束に結合されるように、発光団をファイバ又はファイバ束の面(8a)上に撮像するための第2の光学系、広帯域光の少なくとも一部がファイバ又はファイバ束に結合されるように、発光団をファイバ又はファイバ束の面(8a)上に撮像するための第2の光学系を含み、ファイバ又はファイバ束に結合された光は、クロマティック共焦点測定装置の測定光として使用される、クロマティック共焦点測定装置に関する。本発明は、そのようなクロマティック共焦点測定装置で使用するための光源にも関する。
【背景技術】
【0002】
仏国特許第3006758B1号明細書から、距離又は線に沿った厚さ情報を提供することができるクロマティック共焦点マルチポイント測定装置が既知である。米国特許出願公開第2010/0097779A1号明細書から、クロマティック共焦点センサのための発光団ベースの光源を使用する手法が既知である。米国特許第10,180,355B2号明細書は、発光団を光学的に励起することによって実現される広帯域光源を使用するクロマティック共焦点センサを記載している。米国特許第10,731,965B1号明細書は、光のスリット形射出面を有する発光団ベースの広帯域光源を記載している。
【0003】
Volker Hagemann,Albrecht Seidl,Guenter Weidmann,“Static ceramic phosphor assemblies for high power high luminance SSL-light sources for digital projection and specialty lighting,”Proc.SPIE 11302,Light-Emitting Devices,Materials,and Applications XXIV,113021N(以下ではNPL1と呼ぶ)から、蛍光体コンバータセラミックの放出光の照明限界、したがって最大強度が熱消光によって制限されることが既知である。
【0004】
学術論文Anastasiia Krasnoshchoka,Anders Kragh Hansen,Anders Thorseth,Dominik Marti,Paul Michael Petersen,Xu Jian,and Ole Bjarlin Jensen,“Phosphor material dependent spot size limitations in laser lighting,”Opt.Express 28,5758-5767(2020)(以下ではNPL2)は、発光団の制限特性及び励起光のスポットサイズへのそれらの依存性を記載している。
【0005】
高解像度光学ラインスキャナは、高強度を有する長寿命広帯域光源を必要とする。蛍光体コンバータは、例えば、自動顕微鏡法において光源のための強力な広帯域源として一層使用されている。
【0006】
そのような広帯域源の使用は、メトロロジでも増えつつある。米国特許第10,180,355B2号明細書及び米国特許出願公開第2010/0097779A1号明細書を参照されたい。しかしながら、発熱が問題を呈し、蛍光体を移動させることによって発熱を分散させ、したがって局所加熱を低減する動的解決策が好まれることに繋がっている。米国特許出願公開第2010/0097779A1号明細書に記載のように、原理上、より高い強度を達成することができる。しかしながら、機械的な移動には、特定量の摩滅及びしたがって使用寿命の短縮が伴う。加えて、機械的安定性をよくするために、より厚い蛍光体層を使用する必要があり、照射限界の低下に繋がり(NPL1を参照されたい)、それにより運動によって得られる強度増大の一部が再び無効になる。加えて、移動及びその結果としての移動アーチファクトは、有効放出面積を増大させ、これは、クロマティック共焦点測定方法のように面積が限られたシステムにおいて、達成される強度の低下又は解像度低下を伴う必要がある一定強度のいずれかに繋がる。
【0007】
要約すると、これまで、放出された放射線の一部のみが測定システムに使用されている。しかしながら、未使用光子は、加熱の一因にもなり、したがって白色光源の強度及び寿命を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、クロマティック共焦点センサのための最適化された放射パターンを有する、効率的で長寿命の広帯域光源を使用するクロマティック共焦点測定装置を提供することである。光源は、効率的な検出器に起因して特に可視スペクトル範囲において、高速ハードウェア及びソフトウェアが利用可能であることに起因してクロマティック共焦点信号及び測定装置の測定速度を制限するため、高い光強度の光源が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、発光団の集束照明を使用し、且つその結果生成される広帯域測定光をクロマティック共焦点測定装置に使用することによって達成される。発光団上へのポンプ光源の撮像のビーム経路及びファイバ又はファイバ束の端部上への発光団の撮像のビーム経路は、部分的に一致し、即ち、発光団に入射する光及び発光団によって放出され、且つ測定光として使用される光は、セクションについて逆方向の同じ経路をとる。ダイクロイックビームスプリッタを使用して、ポンプ源へのビーム経路から光を切り離すか又は分離し、その光は、測定光として使用され、且つこの目的のためにファイバ又はファイバ束に結合される。
【0010】
好ましい実施形態では、発光団上へのポンプ光源の撮像の光路と、ファイバ又はファイバ束の端部上への発光団の撮像の光路との一致は、少なくとも1つの共通の撮像光学要素、特にレンズを含む第1の光学系及び第2の光学系によって実現される。
【0011】
請求項1に記載のクロマティック共焦点測定装置が特許請求され、及び請求項14又は15に記載の、クロマティック共焦点測定装置で使用するための光源が特許請求される。測定される物体の距離/厚さを測定するための、可視から近赤外線波長範囲までの長寿命で強力な広帯域光源を有するクロマティック共焦点シングルポイント又はマルチポイント測定装置が提案される。クロマティック共焦点又は干渉法測定原理に基づく光学測定装置が既知である。
【0012】
発光団ベースの光源は、物理的過程によって光、特に蛍光、燐光又は閃光を放出する発光物質(発光団)を励起させるためにポンプ源(典型的にはレーザ又はLED)が使用される光源であると理解される。本明細書では、発光団は、一般に、放射線変換物質である。
【0013】
好ましい実施形態では、発光団の励起は、体積散乱並びに関連する照射面積及び放出面積の変化(NPL2を参照されたい)を考慮して、測定システムへの結合に最適な放射パターンが生成されるように最適化される。
【0014】
好ましい実施形態は、発光団の放出面積が、典型的には、ポンプ光によって照射される面積よりも大きい(NPL2を参照されたい)ことを利用する。したがって、この実施形態における光学要素は、発光団の照明面積がファイバ束又はファイバの面の横方向の広がり以下であり、及び/又はファイバ面上への発光団の照明面積の撮像がその横寸法未満であるように選択される。
【0015】
一方、これは、発光団の小さい照明面積が、発光団の長い使用寿命及び広帯域光源の高い光学性能が達成されるように発熱を低減することを保証する。
【0016】
同時に、放出表面の横寸法が、ファイバ又はファイバ束に結合することができる光量への制限を表さないか又は表すとしてもわずかのみであることが保証される。大きい角度範囲の放出光を結合できるようにするために、光源及びファイバ又はファイバ束の個々のファイバの受光路における光学系の開口数は、典型的には、高い値であるように選択され、ファイバの開口数は、ほとんどの場合、制限要素である。
【0017】
クロマティック共焦点測定装置の別の実施形態では、光源は、第1の光学要素の適切な選択によって又はダイクロイックミラーの前方に追加の光学要素を用いて提供され、追加の光学要素は、波面に球面収差を導入するために使用される。
【0018】
以下の実施形態が特に好ましい:
第1の光学要素(特にレンズを含む)は、ポンプ光源の主波長において球面収差を生成するように選択される。
球面収差は、第1の光学要素の前方にガラス板を挿入することによって更にもたらされ得る。
更に、球面収差は、レンズ又は補正板等の追加の光学要素によって生成され得る。
【0019】
上記の可能性は、特に、球面収差が、発光団の表面の平面における第2の光学要素と組み合わせてのみ誘導される構成を含む。更に、球面収差は、第2の光学要素のみによって生成され得る。
【0020】
加えて又は代わりに、特にスポットを拡大するか、或いは特に発光団の照明領域が均一強度のビームプロファイルを有するか、又は径方向位置に依存するビームプロファイル回転対称強度分布、特に環状ビームプロファイル、幾つかのリングからなる強度プロファイル若しくはフラットトッププロファイルを有するように光学収差の伝播不変性によってビームプロファイルを最適化するために、発光団は、照明経路の焦点に対して軸方向にシフトされ得る。
【0021】
クロマティック共焦点測定装置の更なる実施形態では、発光団の照明面積が、径方向位置、特に環状ビームプロファイル、幾つかのリングからなる強度プロファイル又はフラットトッププロファイルへの依存性を有する回転対称強度分布を有するように、回折光学要素が光源、ダイクロイックミラー又はビームスプリッタに導入される。
【0022】
クロマティック共焦点測定装置の別の実施形態では、光源における1つ又は複数のアキシコンは、発光団の領域においてベッセル-ガウスビームを生成するための光学要素として使用される。
【0023】
クロマティック共焦点測定装置の別の実施形態では、光源は、発光団の非重複領域又は部分的に重複する領域を照明する複数のポンプ源と共に動作する。図2に示される実施形態では、ポンプ源は、同じ光学要素を通るように配置され、ビーム経路は、位置及び角度が異なる。同様に、ビームスプリッタは、全てのビーム経路が第2の光学要素を通る程度まで、使用されるポンプ源のビーム経路を統合するために使用され得る。同様に、偏光依存性ビームスプリッタを使用して、光強度を殆ど損なわずに複数の偏光ポンプ源のビーム経路を統合することができる。
【0024】
同様に、単一のポンプ源を使用し、光学要素、特に回折光学要素、ビームスプリッタ又は格子によってそのビームを複数のビーム経路に分割することにより、発光団における複数の非重複領域又は部分的に重複する領域を照明することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、広帯域光は、ファイバ束に結合され、及びファイバ束の結合側面に対向するファイバ束のファイバの側は、複数の厚さ又は厚さを測定するのに適するように、測定される物体の異なる位置に配置される。この場合、結合側の面は、光源から到来する光が結合されるファイバの面である。この側において、撮像される光を効率的に捕捉するために、ファイバは、好ましくは、可能な限り空間的に近く配置される。逆側は、測定ヘッド側である。特に好ましくは、線に沿った測定を可能にするために、ファイバは、測定ヘッド側に列で配置される。
【0026】
クロマティック共焦点測定装置の代替の実施形態では、光源の発光団は、上述したのと同じように照明されるが、変換された光は、ファイバ束の代わりにマルチモードファイバに結合される。マルチモードファイバで導かれた光は、光源外部で線、離散点又は他の配置で分割され、且つ標的の複数の厚さ又は標的の異なる位置での厚さを測定するために印加される。マルチモードファイバで線に導かれた光の分割は、例えば、測定ヘッドの円柱レンズによって実現され得る。離散点への分割は、例えば、マルチモードファイバの下流の光路でシャドーマスクを使用することによって達成される。例えば、測定ヘッドの円柱レンズをシャドーマスクと組み合わせて、離散点の線を得ることも可能である。
【0027】
代替の実施形態は、測定される物体の距離又は厚さを測定するためのクロマティック共焦点シングルポイント測定装置を提供し、その光源は、上述のように実現され、違いは、300μm未満、好ましくは50μm未満の直径を有する単一のファイバが使用されることである。
【0028】
クロマティック共焦点シングルポイント測定装置の可能な一実施形態は、発光団の照明面積がファイバ面よりも小さいか又はわずかにのみ大きいことを特徴とする。
【0029】
クロマティック共焦点測定装置の別の可能な実施形態は、未公開の独国特許出願公開第102020116215号明細書に記載の装置を含む。この特許出願は、撮像光学系を有する測定ヘッド及び評価ユニットを含む光学測定装置を記載しており、測定ヘッドは、2つの光伝導ファイバによって評価ユニットに接続される。評価ユニットは、光源を含み、光源の光は、第1の光伝導ファイバを通して測定ヘッドに導かれ、測定物体から反射された光は、測定ヘッドを通り、出る光及び戻る光が分けられるように、ビームスプリッタによって第2の光伝導ファイバに導かれ、ファイバ端部は、相互に共役する位置にある。ビームスプリッタ及びアパーチャとして作用するファイバ端部は、測定ヘッドに別々に接続されたコネクタに一緒に配置される。
【0030】
上記の装置は、より広い広帯域ポンプ源を使用するか、又は例えば周囲温度若しくはダイオード電流を変更することによってポンプ源に周波数変調若しくは位相変調を導入することにより、コヒーレンス量の低減等のスペックル低減技法と組み合わされ得る。
【0031】
上記の装置は、光源に広がっている非点収差が補正されるように、円柱レンズによって拡張することができる。特に、ポンプ光源が非対称放射特性を有する場合 - 例えば、発散角が方向に強く依存するLEDの場合のように -、この影響は、少なくとも部分的に円柱レンズによって補正され得る。円柱レンズは、ポンプ光源と発光団との間であるが、好ましい実施形態では、第1の光学要素とダイクロイックビームスプリッタとの間でビーム経路の異なる位置に配置することができる。好ましくは、円柱レンズは、ポンプ光源の発散角が小さい状態で軸に平行に作用するように向けられる。
【0032】
代替の実施形態では、上記の装置は、ファイバ又はファイバ束の代わりに自由ビーム光学系を使用して測定光を光源から測定ヘッドに導くように設計され得る。
【0033】
本発明は、クロマティック共焦点測定装置で使用するための光源にも関し、発光団(5)上へのポンプ光源(1)の撮像のビーム経路及びファイバ又はファイバ束の端部(8a)上への発光団(5)の撮像のビーム経路は、部分的に一致し、光源は、ファイバ又はファイバ束の端部(8a)上への発光団(5)の撮像の光路を、発光団(5)上へのポンプ光源(1)の撮像の光路から切り離すように配置されたダイクロイックビームスプリッタ(3)を含む。
【0034】
クロマティック共焦点測定装置で使用するための光源の代替の実施形態では、ポンプ光源は、複数の発光団の組合せ上に撮像される。発光団の組合せは、2つ以上の発光団が互いの上に層状に重ねられるか、又はビーム経路がダイクロイックミラー若しくはビームスプリッタによって分割され、且つ第1及び第2の発光団を照明し、及び第1及び第2の発光団から放出された光がダイクロイックミラー若しくはビームスプリッタによって再結合されるように実現される。
【0035】
本発明の更なる特徴及び利点は、図面に基づく実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】クロマティック共焦点測定装置の第1の有利な実施形態である。
図2】クロマティック共焦点測定装置の第2の有利な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、クロマティック共焦点測定装置の第1の有利な実施形態である。
一例として、クロマティック共焦点測定装置は、可視波長範囲から近赤外線範囲の広帯域光源を含む。
【0038】
光源は、350nm~500nmの波長範囲のポンプ光源1を含み、これは、第1の光学要素2によってコリメートされ、ダイクロイックミラー又はビームスプリッタ3によって反射され、発光団5上又はその近傍にある第2の光学要素4によって集束される。第1の光学要素2及び第2の光学要素4は、ポンプ光源1を発光団5上に撮像する第1の光学系を一緒に形成する。
【0039】
発光団の放出面積102は、好ましくは、照明面積101よりも大きい。したがって、広帯域光が総面積102にわたって発光団から放出される。
【0040】
発光団5によって放出された広帯域光は、次に、第2の光学要素4によって再びコリメートされる。したがって、放出光は、再び入射光と同じ経路をとる。ダイクロイックミラー又はビームスプリッタ3を再び通過し、反射の代わりに透過され、したがって切り離された後、それは、ビームスプリッタ3のダイクロイック性及び光のスペクトル分布のシフトに起因して、第3の光学要素7によってファイバ束又はファイバ8に結合される。光学要素4及び光学要素7は、発光団5をファイバ面8a上に撮像する第2の光学系を一緒に形成する。したがって、全放出面積102がファイバ面8a上に撮像される。有利には、ファイバ面8a上への放出面積102の撮像の広がりは、ファイバ面の広がりに概ね対応する。このようにして、ファイバ面全体が照明され、結合中の光損失が最小に抑えられることが保証される。したがって、好ましい実施形態では、放出面積102より小さい照明面積101の画像もファイバ面8aより小さい。
【0041】
ファイバ束8が使用される場合、ファイバ面8aは、ファイバ束8の個々のファイバの全ての面である。ファイバ束のそのような面を図2に示す。
【0042】
一般に、光学要素は、レンズ若しくはレンズ群又は均等な要素(例えば、撮像ミラー)をそれぞれ含み得る。
【0043】
図2は、クロマティック共焦点測定装置の別の実施形態を示す。クロマティック共焦点測定装置は、この実施形態では、可視波長範囲から近赤外線範囲までの広帯域光源を含む。光源は、例として2つのポンプ光源1を含み、2つのポンプ光源1は、それぞれ第1の光学要素2及び共通の第2の光学要素4を含む第1及び第2の光学要素により、ダイクロイックミラーを介して発光団5上に撮像される。発光団は、ヒートシンク6に配置され、発光団5から放出された光は、第2の光学要素4及び第3の光学要素7を含む第2の光学系を使用してファイバ束8の面8a上に撮像される。ファイバ束8のファイバは、例えば、第1のファイバ端部8aにおいて円形面積内に配置され、例えばファイバ他端部において線に沿って配置される。ファイバ面8bから出た光は、例としてホモジナイザ9に伝播し、ビーム分割要素10で反射され、次いで光学要素11によって標的12上に集束し、光学要素11は、分散挙動を示し、光の波長に応じて異なる焦点を生成する。
【0044】
クロマティック共焦点測定装置の更なる実施形態は、図1及び図2からの個々の特徴の組合せを含む。
図1
図2
【国際調査報告】