(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】プレスジョー、ドライブプレスジョー、プレスインサートおよびフィッティングをパイプとともにプレスするためのシステム
(51)【国際特許分類】
B25B 27/10 20060101AFI20240326BHJP
B21D 39/04 20060101ALI20240326BHJP
B21D 41/04 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B25B27/10 A
B21D39/04 B
B21D41/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023557306
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 EP2022056505
(87)【国際公開番号】W WO2022194761
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517287316
【氏名又は名称】フィーガ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Viega Technology GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】イェルク ローゼンタール
【テーマコード(参考)】
3C031
【Fターム(参考)】
3C031DD29
(57)【要約】
本発明は、ドライブプレスジョーと、それと結合および交換され得るプレスインサートとを備えたプレスジョー、結合要素を備えたドライブプレスジョー、プレスジョーインサートとしてまたはプレススリングとして使用され得る結合手段を備えたプレスインサート、ならびに、プレスジョーを備え、直径が異なる少なくとも2つのプレスインサートおよびプルインサートを備えたモジュラ構造のフィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムであって、プルインサートとドライブプレスジョーとは、プルジョーを形成する、システムに関する。これにより、プレスジョー、ドライブプレスジョー、プレスインサート、および、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの取り扱いおよび応用可能性をさらに改善する技術的課題が解決される。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスジョー(2、102、202、302)であって、
- プレスインサート(10、110、210、310、410、510)を備え、
- ドライブプレスジョー(30、130、230、330)を備え、
- 前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)は、
- 少なくとも2つのプレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)と、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)内に形成されたプレス輪郭(14、114、214、314、414、514)と、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)を接続するためのジョイント手段(16、116、216、250、316)と、
- 前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)と解放可能に接続するための結合手段(18、218、318)と、
- 力伝達手段(22、222、322)と
を含み、
- 前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)は、
- 2つのドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)と、
- 前記ドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)を接続するためのジョイント要素(36、236)と、
- 前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)と解放可能に接続するための結合要素(38、238、338)と、
- 力伝達要素(42、242、342)と
を有し、
- 前記ジョイント手段(16、116、216、250、316)は、前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)を前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)に枢動可能に接続すること、および
- 前記力伝達手段(22、222、322)と前記力伝達要素(42、242、342)とは少なくとも主に、好ましくは完全に前記プレス輪郭(14、114、214)の中心と前記ジョイント手段(16、116、216、250、316)との間のエリア内に設けられること
を特徴とする、プレスジョー(2、102、202、302)。
【請求項2】
- 前記力伝達手段(22、222、322)は、接触表面(22a、22b、222a、222b)として形成されること、
- 前記力伝達要素(42、242、342)は、接触表面(42a、42b、242a、242b)として形成されること、および
- 前記接触表面(22a、22b、222a、222b)は、対で互いに対して10°より大きい、好ましくは25°より大きい、特に40°より大きい、特に好ましくは80°より大きい角度(α)を有すること
を特徴とする、請求項1に記載のプレスジョー(2、302)。
【請求項3】
前記プレスインサート(10、110、310、410、510)と前記ドライブプレスジョー半体(32a、32b、332a、332b)とは、同じ軸(4a)の周りで枢動可能であること
を特徴とする、請求項1または2に記載のプレスジョー(2、302)。
【請求項4】
前記プレスインサート(10、210)と前記ドライブプレスジョー半体(132a、132b、232a、232b)とは、異なる軸(4b、6a、6b、6c)の周りで枢動可能であり、前記ドライブプレスジョー半体(132a、132b、232a、232b)は、同一の軸(6a)または異なる軸(6b、6c)を有すること
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプレスジョー(102、202)。
【請求項5】
- 前記結合手段(18、218)は、ヘッド端(24a、24b、224a、224b)を有する結合ピン(18a、18b、218a、218b)を含むこと、および
- 前記結合要素(38、238)は、部分開放T字溝(38a、38b、238a、238b)を有し、前記結合手段(18、218)を受け入れること
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレスジョー(2、102、202)。
【請求項6】
- 前記結合要素(338)は、結合ピン(338a、338b)を含むこと、および
- 前記結合手段(318)は、凹部(318a、318b)を含み、前記結合要素(338)を受け入れること
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレスジョー(302)。
【請求項7】
前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)は、請求項15~22のいずれか一項にしたがって形成されること
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプレスジョー(2、102、202、302)。
【請求項8】
前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)は、請求項9~14のいずれか一項にしたがって形成されること
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプレスジョー(2、102、202、302)。
【請求項9】
プレスインサート(10、110、210、310、410、510)によってフィッティングをパイプとともにプレスするためのドライブプレスジョー(30、130、230、330)であって、
- 2つのドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)を備え、
- 前記ドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)を接続するためのジョイント要素(36、236)を備え、
- プレスインサート(10、110、210、310、410、510)と解放可能に接続するための結合要素(38、238、338)を備え、
- 力伝達要素(42、242、342)を備え、
- 前記ジョイント要素(36、236)は、前記ドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)が共通軸(4a、6a)の周りまたは2つの異なる軸(6b、6c)の周りで枢動することを可能にし、
- 前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)を枢動可能に接続するために接続要素(52、252)が提供されること、および
- 前記力伝達要素(42、242、342)は、少なくとも主に、好ましくは完全に接続される前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)の前記プレス輪郭(12、114、214)の中心と接続される前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)の前記ジョイント手段(16、116、216、250、316)との間のエリア内に設けられること
を特徴とする、ドライブプレスジョー(30、130、230、330)。
【請求項10】
- 前記力伝達要素(42、242、342)は、接触表面(42a、42b、242a、242b)として形成されること、および
- 前記接触表面(42a、42b、242a、242b)は、互いに対して10°より大きい、好ましくは25°より大きい、特に40°より大きい、特に好ましくは80°より大きい角度(α)を有すること
を特徴とする、請求項9に記載のドライブプレスジョー(30、130、230、330)。
【請求項11】
前記接続要素(52)と前記ジョイント要素(36)とは、前記同じ軸(4a)(回転軸)を有すること
を特徴とする、請求項9または10に記載のドライブプレスジョー(30、330)。
【請求項12】
前記接続要素(252)と前記ジョイント要素(236)とは、異なる軸(4b、6a、6b、6c)を有し、前記ジョイント要素(236)は、前記ドライブプレスジョー半体(132a、132b、232a、232b)が共通軸(6a)の周りまたは異なる軸(6b、6c)の周りで枢動することを可能にすること
を特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載のドライブプレスジョー(130、230)。
【請求項13】
- 前記プレスインサート(10、110、210)の結合手段(18、218)を解放可能に受け入れるための前記結合要素(38、238)は、部分開放T字溝(38a、38b、238a、238b)を有すること、および
- 前記力伝達要素(42、242、342)は、接触表面(42a、42b、242a、242b)として形成されること
を特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載のドライブプレスジョー(30、130、230)。
【請求項14】
前記結合要素(338)は結合ピン(338a、338b)を含むこと
を特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載のドライブプレスジョー(330)。
【請求項15】
フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスインサート(10、110、210、310、410、510)であって、
- 少なくとも2つのプレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)を備え、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)内に形成されたプレス輪郭(14、114、214)を備え、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)を接続するためのジョイント手段(16、116、216、250、316)を備え、
- ドライブプレスジョー(30、130、230、330)と解放可能に接続するための結合手段(18、218、318)を備え、
- 力伝達手段(22、222、322)を備え、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)は、プルジョー(60)を取り付けるための取付手段(28、128、228、328)を含むこと
を特徴とする、プレスインサート(10、110、210、310、410、510)。
【請求項16】
前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)内の前記取付手段(28、128、228、328)は、前記プルジョー(60)のプル手段(74a、74b、374a、374b)を受け入れるための凹部(28a、28b、128a、128b、228a、228b、328a、328b)として形成されること
を特徴とする、請求項15に記載のプレスインサート(10、110、210、310、410、510)。
【請求項17】
前記凹部(28a、28b、128a、128b、228a、228b)は、前記プル手段(74a、74b、374a、374b)がプレスされる前記パイプの軸に対して少なくとも2つ、好ましくはいくつかの異なる角度で適用されることを可能にすること
を特徴とする、請求項15または16に記載のプレスインサート(10、110、210、310、410、510)。
【請求項18】
前記ジョイント手段(16、116、216、250、316)は、前記プレスインサート(10、110、210)がドライブプレスジョー(30、130、230、330)に枢動可能に取り付けられることを可能にすること
を特徴とする、請求項15~17のいずれか一項に記載のプレスインサート(10、110、210、310、410、510)。
【請求項19】
前記力伝達手段(22、222、322)は、接触表面(22a、22b、222a、222b)として形成されること
を特徴とする、請求項15~18のいずれか一項に記載のプレスインサート(10、110、210、310、410、510)。
【請求項20】
- 前記結合手段(18、218)は、結合ピン(18a、18b、218a、218b)を含むこと、および
- 前記結合ピン(18a、18b、218a、218b)には、ヘッド端(24a、24b、224a、224b)が提供されること
を特徴とする、請求項15~19のいずれか一項に記載のプレスインサート(10、110、210)。
【請求項21】
前記結合手段(318)は、前記ドライブプレスジョー(330)の結合要素(338)を解放可能に受け入れるための凹部(318a、318b)を含むこと
を特徴とする、請求項15~19のいずれか一項に記載のプレスインサート(310、410、510)。
【請求項22】
前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b)を閉じるために弾性バネ(48、248)が提供されること
を特徴とする、請求項15~21のいずれか一項に記載のプレスインサート(10、110、210、31、410、510)。
【請求項23】
フィッティングをパイプと圧着するためのシステム(100、400)であって、
- 少なくとも2つのプレスインサート(10、110、210、310、410、510)を備え、
- ドライブプレスジョー(30、130、230、330)を備え、
- 前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)は、
- 少なくとも2つのプレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)と、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)内に形成されたプレス輪郭(14、114、214、314、414、514)と、
- 前記プレスセグメント(12a、12b、112a、112b、212a、212b、312a、312b)を接続するためのジョイント手段(16、116、216、250、316)と、
- 前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)と解放可能に接続するための結合手段(18、218、318)と、
- 力伝達手段(22、222、322)と
を有し、
- 前記少なくとも2つのプレスインサート(10、110、210、310、410、510)は、異なるプレス輪郭(14、114、214、314、414、514)を有し、
- 前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)は、
- 2つのドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)と、
- 前記ドライブプレスジョー半体(32a、32b、132a、132b、232a、232b、332a、332b)を接続するためのジョイント要素(36、236)と、
- 前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)と取り外し可能に接続するための結合要素(38、238、338)と、
- 力伝達要素(42、242、342)と
を有し、
- 少なくとも1つのプレスインサート(10、110、210、310、410、510)は、プルジョー(60)を取り付けるための取付手段(28、128、228、338)を有すること、
- プルインサート(70、370)が提供され、
- 2つのプルインサート半体(72a、72b)と、
- 前記プルインサート半体(72a、72b、372a、372b)を接続するためのジョイント手段(76、376)と、
- 前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)と解放可能に接続するための結合手段(78、378)と、
- 力伝達手段(82、382)と、
- 前記ジョイント手段(76、376)の反対側のプル手段(74a、74b、374a、374b)と
を含み、
- 前記結合手段(78、378)および前記力伝達手段(82、382)は、前記プルインサート半体(72a、72b、372a、372b)の外側に設けられること、および
- 前記プルインサート(70、370)と前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)とは、前記プルジョー(60)を形成すること
を特徴とする、システム(100、400)。
【請求項24】
前記プル手段(74a、74b、374a、374b)は、プレスされる前記パイプの軸に対して少なくとも2つ、好ましくはいくつかの異なる角度で前記取付手段(28、128、228、338)内に取り付けられることを可能にすること
を特徴とする、請求項23に記載のシステム(100、400)。
【請求項25】
前記ドライブプレスジョー(30、130、230、330)は、請求項9~14のいずれか一項にしたがって形成されること、および/または
前記プレスインサート(10、110、210、310、410、510)は、請求項15~22のいずれか一項にしたがって形成されること
を特徴とする、請求項23または24に記載のシステム(100、400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスインサートを備え、ドライブプレスジョーを備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスジョー、および、少なくとも2つのプレスインサートを備え、ドライブプレスジョーを備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムに関する。
【0002】
本発明は、2つのドライブプレスジョー半体を備え、ドライブプレスジョー半体を接続するためのジョイント要素を備え、プレスインサートと解放可能に接続するための結合要素を備え、力伝達要素を備えた、プレスインサートによってフィッティングをパイプとともにプレスするためのドライブプレスジョーにも関する。
【0003】
本発明は、少なくとも2つのプレスセグメントを備え、プレスセグメント内に形成されたプレス輪郭を備え、プレスセグメントを接続するためのジョイント手段を備え、ドライブプレスジョーと解放可能に接続するための結合手段を備え、力伝達手段を備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスインサートにも関する。フィッティングをプレスするためのプレスジョーの一部として、少なくとも2つのプレスセグメントが使用される。
【0004】
最後に、本発明は、少なくとも2つのプレスインサートを備え、ドライブプレスジョーを備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムにも関する。
【背景技術】
【0005】
本発明に関連する技術分野は、流体、すなわち液体またはガスを導通および案内するためにパイプセクションとフィッティングとからなる配管系が一般に設置される、配管系の現場設置である。フィッティングは一般に、パイプラインのためのコネクタであると理解され、フィッティングは2つ以上のパイプセクションを接続するために最も一般的に使用される。したがって、フィッティングは、例えばプレススリーブの形態の、2つ以上のプレスセクションを有するのが好ましい。最も一般的なフィッティングには、直線接続部、パイプベンドの形態での方向変更、レデューサ、Tピースまたはクロスなどのブランチが含まれる。しかし、フィッティングは、フィッティングまたは他の部品のパイプ接続部であるとも理解される。例えば、フィッティングとしての温度計または圧力計は、パイプセクションのための1つの接続部しか有しない。したがって、フィッティングのこのフィッティング部は、パイプセクションをフィッティングに接続するための1つのプレスセクションしか有しない。
【0006】
パイプセクションのフィッティングおよび他の部品との接続のためには、パイプセクションが挿入されたときにプレスジョーによってフィッティングのプレスセクションが半径方向内方に形成されるプレス接続部が使用され、そのため、永続的かつ固い、場合によっては取り外し不能でさえある接続部が生まれる。フィッティングは、接続の固さを保証するシーリング剤、例えばOリングが提供されることができ、またはパイプセクションの材料とフィッティングとの間の直接接触、例えば金属シールによって形成されることもできる。
【0007】
プレスセクションの半径方向形成のためのプレス技術は、主に半径方向作動プレスシステム、ならびに半径方向形成をもたらすためにプレスプロセスの間にフィッティングの一部が軸方向に変位される半径方向軸方向プレスを使用するプレスシステムである。
【0008】
上述の配管系は、特に飲料水もしくは暖房水、暖房系を動作させるためのガスまたは産業用ガスを輸送するために使用される。原理上、任意の流体媒体がパイプラインにおいて輸送され得る。
【0009】
剛性パイプに適した材料は、一方では硬く高強度の材料、特に金属材料または硬質プラスチックである。剛性パイプは、壁もしくは天井に沿った、または壁もしくは天井構築物内のより大きな直線セクションを備えた設備で使用されるのが好ましい。
【0010】
他方で、可撓性パイプは、1つ以上のプラスチック層および1つ以上の金属薄層からなる設備、特にプラスチックパイプ、いわゆる全プラスチックパイプ、または複合材料で作られたパイプ、いわゆる多層複合材料パイプにおいて使用される。可撓性パイプは特に、狭い空間内で可撓性パイプが現場で形状に合わせて曲げられ、湾曲した状態で設置されることが多い、後付けの衛生設備などのプレウォール技術の設備に使用される。
【0011】
さらに、剛性パイプおよび可撓性パイプは様々な外径で利用可能である。金属パイプでは、6mm~108mm以上~最大6インチ相当の約150mmの範囲の外径が使用される。プラスチックパイプの場合には、外径は通常6mm~63mmの範囲であるが、ここでははるかに大きな外径も使用される。
【0012】
剛性パイプと可撓性パイプとは、パイプの材質および寸法に関わらず、剛性パイプが外部シーリングフィッティングによって接続され得るのに対し、可撓性パイプは内部シーリングフィッティングによってのみ接続され得る点で異なる。剛性パイプの寸法安定性は、その剛性のために、半径方向プレスの間に生じる力を吸収し、プレスされたフィッティングと一緒にシーリングおよび保持または固着機能を保証するために十分に大きい。他方で、可撓性パイプは支持スリーブによって内側から支持され、フィッティングがプレスされると支持スリーブ上に成形される。したがって、剛性パイプのためのフィッティングは外部シーリングフィッティングであり、可撓性パイプのためのフィッティングは内部シーリングフィッティングである。
【0013】
剛性パイプおよび可撓性パイプの両方を使用して配管系を敷設するときには、内径および外径が一致するパイプ寸法が選択される。その際には正確な値が偶然対で一致するにすぎないため、可能な限り良好な一致により一致する寸法が選択される。そのため通常、剛性パイプおよび可撓性パイプのための特定のフィッティングと組み合わせて、システムまたは寸法ごとに特定のフィッティング形状およびプレスジョー形状が存在する。
【0014】
したがって、様々なパイプラインおよびフィッティングのために建設現場に様々なプレスジョーが準備されていなければならない。特に、1つのプレス工具あるいは異なるプレス工具によって駆動されるいくつかのプレスジョーをストックしておかなければならない可能性があるため、建設現場の支出は高額である。その結果、非常に多種多様な製品と、それに関連する生産、保管および物流、ならびにそれに関連する使用者の高額な取得費用が生じる。
【0015】
様々な種類のプレスジョーが使用される。一方では、それぞれ1つのプレス輪郭を有するプレスジョーが知られている。これらは標準プレスジョーとも呼ばれ、いくつかのプレス輪郭のセットとしてはかなりの重量を有する。
【0016】
他方で、少なくとも2つのプレスインサート、しかし通常はプレスインサートの全セットを有し、対応するプレス輪郭の様々なフィッティングをプレスすることができる、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムが知られている。プレスインサートは、後にフィッティングをプレスするために使用されるために、対でドライブプレスジョーと結合される。例えば12、15、18、22、28および35mmの外形寸法の6つのプレス寸法のためのプレスインサートのセット、または6対の単一のプレスインサートが、ドライブプレスジョーと一緒にシステムに属する。これにより、ドライブプレスジョーが1つしか必要ないため、標準プレスジョーと比べてある程度の重量が節約される。
【0017】
さらに、個々のプレスインサートは通常互いに接続されておらず、したがって取り換えられることができ、そのため、異なるプレス輪郭の異なるプレスジョーがドライブプレスジョーに結合され、使用される。その結果、フィッティングの誤ったプレスが生じる。同様に、プレスインサートがより紛失され易く、そのため、プレスジョーの対がバラバラになり得る。さらに、取り換え可能なプレスジョーのプレスインサートは通常、掴み難い。加えて、プレスジョーが混同されることが多い。
【0018】
さらに、ドライブプレスジョーのプレスジョーの外形寸法は、最大プレス寸法のために形成される。対照的に、標準プレスジョーの外形寸法は通常、寸法および重量が可能な限り小さくなるように、それぞれのプレス寸法に合わせて最適化される。したがって、ドライブプレスジョーのプレスジョーは、寸法の点でより小さなプレス寸法には大きすぎる。同時に、プレス点へのアクセス可能性が制限され、交換可能なプレスインサートを備えたプレスジョーの総重量は標準プレスジョーと比較して大きい。
【0019】
通例、プレスインサートを交換するための既知のシステムのローディング機構は両手での操作を必要とし、2つの作業ステップを含む。これにより、プレスシステムがより取り扱い難くなる。同時に、結合機構により、設置空間は変わらないが標準プレスジョーと直接比較して造りが弱くなる。同じ強度で、交換可能なプレスジョーは標準プレスジョーよりも重く大きい。
【0020】
加えて、2つ以上のプレスセグメントからなるプレスループが知られており、これらはプレスされるフィッティングのエリアの周りに置かれ、フィッティングをプレスするために開放端でプルジョーによって押し合わされる。この目的のために、プレスループは両方のプレスセグメント上または2つの外側のプレスセグメント上に凹部を有し、その中にプルジョーが係合してプレスループを閉状態に引っ張る。このようにして、プレススリングによってフィッティングがプレスされる。プレススリングは、アクセスが難しい設置エリア、例えば部屋の隅で、プレスジョーを適用することが難しいかまたは不可能なときによく使用される。その際にはプルジョーは、フィッティング自体の周囲に届かなくても、フィッティングからより遠い距離で操作され得る。
【0021】
プレススリングも全てのプレス寸法のためにストックしておかなければならないため、建設現場での労力がさらに増大する。
【0022】
したがって、本発明の目的は、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの全体重量をさらに軽減し、ドライブプレスジョー上のプレスインサートを片手で便利に交換できるようにすることである。さらに、システムおよびその部品の機能性を拡張するために、プレスインサートの複数の用途が達成され得る。
【0023】
したがって、本発明は、プレスジョー、ドライブプレスジョー、プレスインサート、およびフィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの取り扱いおよび応用可能性をさらに改善するという技術的課題に基づく。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の技術的課題は、第1の教示にしたがって、プレスインサートを備え、ドライブプレスジョーを備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスジョーであって、プレスインサートは、少なくとも2つのプレスセグメントと、プレスセグメント内に形成されたプレス輪郭と、プレスセグメントを接続するためのジョイント手段と、ドライブプレスジョーと解放可能に接続するための結合手段と、力伝達手段とを含み、ドライブプレスジョーは、2つのドライブプレスジョー半体と、ドライブプレスジョー半体を接続するためのジョイント要素と、プレスインサートと解放可能に接続するための結合要素と、力伝達要素とを含み、ジョイント手段は、プレスインサートをドライブプレスジョーに枢動可能に接続し、力伝達手段と力伝達要素とは少なくとも主に、好ましくは完全にプレス輪郭の中心とジョイント手段との間のエリア内に設けられる、プレスジョーによって解決される。
【0025】
本発明によるプレスジョーでは、プレスインサートが結合手段によってドライブプレスジョーの結合要素に接続され、ドライブプレスジョーの動作によってプレスインサートが作動させられる。
【0026】
プレス輪郭の中心とジョイント手段との間のエリアは、次のように説明され得る。側面図でプレスジョーを見たときに、プレスジョーは水平に揃えられ、プレス工具の駆動部は水平に走る。プレス輪郭の軸は側面図に対して直角であり、プレス輪郭の中心はプレス輪郭の軸に、ひいては接合されるパイプの軸に対応するのが好ましい。プレスインサートのジョイント手段の軸の向きも側面図に対して直角である。そして、プレス輪郭の中心とジョイント手段との間のエリアは、プレス輪郭の軸に対して直角かつ水平方向に対して直角に延びる平面と、ジョイント手段の軸に対して直角かつ水平方向に対して直角に延びる平面との間の空間に対応する。
【0027】
このプレスジョーの設計では、2つの力伝達要素を通じたプレスインサートへの力の伝達は、反対方向および平行ではなく、互いに対してある角度で走る。したがって、これらの力は互いに打ち消し合わず、直線力成分としての合力が生み出される。
【0028】
力伝達手段と力伝達要素とは一緒に、ジョイント手段の位置からドライブプレスジョーから離れるように向いたプレスインサートを圧縮する力を生成する。この力をプレス輪郭の中心に向かう垂直成分とそれに対して直角の水平成分とに分割すると、結果として生じる力は、ジョイント手段から水平に離れるように向いているのが好ましい非ゼロの水平成分を有する。
【0029】
したがって、プレスインサートは、合力の影響を補償することができるように、ドライブプレスジョーとの関係でベアリング上に装着される。したがって、ドライブプレスジョーがプレスインサートの周りを大きく把持する必要がなくなり、そのため、ドライブプレスジョーが占める全体のかさが減り、重量がより軽くなり、より操作がし易くなる。
【0030】
好ましい様式では、力伝達手段および力伝達要素はそれぞれ接触表面として形成される。これにより、プレスインサートとドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体との結合とは独立した二次元の力伝達が実現され、接触圧力が均一に分散される。結合手段は機械的接触により力を伝達することもできるが、結合要素と力伝達要素との分離により、結合の機能と力伝達の機能との広範な分離も達成される。
【0031】
接触表面は、好ましくは対で互いに対して10°より大きい、好ましくは25°より大きい、特に40°より大きい角度αを有する。80°より大きい角度αが最適な角度であることが分かっている。接触表面は、平面が割り当てられ得るように平坦であるのが好ましい。あるいは、接触表面は丸いかまたは湾曲していてもよく、その場合には、例えば接触表面の端点に設けられた平面または面法線に対して直角の接触表面の中心位置に設けられた接平面を形成することによって、接触表面に中心平面のコースが割り当てられ得る。角度は、プレスセグメントまたは2つのドライブジョー半体の接触表面の平面の間で測定され、0°の角度は、平面が互いに平行に走ることを意味する。
【0032】
接触表面が好ましくは平坦である場合には、ドライブプレスジョーを通じたプレスインサートへの力伝達の方向に対して直角に向いたより大きな表面が存在し、そのため、力伝達がより効果的に設計され得る。プレスセグメントの外側および/または接触表面が好ましくは丸く、そのため、プレスインサートが閉じられたときに2つのプレスセグメントの外側が少なくとも部分的に共通の円の半径上にある場合には、プレスインサートをドライブプレスジョーと結合するプロセスが単純化される。
【0033】
プレスジョーの様々な要素の軸または回転軸の配設には様々な可能性がある。プレスジョーの好ましい設計では、プレスインサートとドライブプレスジョー半体とが同じ軸の周りで枢動可能である。したがって、プレスインサートの2つのプレスセグメントも2つのドライブプレスジョー半体もいずれも同じ軸の周りで回転し、したがってジョイント手段およびジョイント要素は同じ軸上で回転および枢動するように設けられる。このプレスジョーの設計では、ドライブプレスジョーが回転されると、プレスインサートのプレスセグメントが同じ軸の周りで枢動するように駆動され、そのため、ドライブプレスジョーおよびプレスセグメントの接触表面は回転の間に互いに対して変位しない。
【0034】
プレスジョーの代替設計では、プレスインサートとドライブプレスジョー半体とは異なる軸の周りで枢動可能であり、ドライブプレスジョー半体は同じ軸または異なる軸を有し得る。これにより、幾何学的特性および/または力の特性に関して互いに対する位置が最適化され得る2つまたは3つの軸を備えた設計が可能になる。
【0035】
このプレスジョーの設計では、ジョイント手段がそれぞれ2つのプレスセグメントを支持する中空ピンとして形成されるのがさらに好ましい。2つのプレスセグメントは中空ボルト上に設けられ、回転の間にその表面上を摺動する。中空ピンの特徴により、ロッキングピンを中空ピンに挿入してその中に置くことによって、ドライブプレスジョーのロッキングピンを使用することができる。
【0036】
さらに、ドライブプレスジョーのジョイント要素は、両方のドライブプレスジョー半体を接続する中空ピンを有するのが好ましい。2つのドライブプレスジョー半体は、例えば両側にラグを有し、これらはそれぞれ中空ピンに接続され、枢動動作の間に中空ピン上で摺動する。中空ピンは連続するため、この実施形態では、ドライブプレスジョー半体は、プレスインサートの軸からオフセットされた軸を有する。
【0037】
好ましい様式では、ドライブプレスジョーのジョイント要素は2つの中空ボルトを有し、中空ボルトはそれぞれ両側で保持ラグと接続され、中空ボルトはドライブプレスジョー半体を共通軸の周りで枢動できるように支持する。中空ボルトはそれぞれ、片側でドライブプレスジョー半体のラグを受け入れる。加えて、中空ボルトは保持ラグの間のエリア内に互いに距離を置いて設けられ得、そのため、プレスインサートの中空ボルトがドライブプレスジョーの2つの中空ボルトの間の空間に設けられうる。したがって、プレスインサートのプレスセグメントおよびドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体の両方が共通軸上に設けられる。両パーツが同じ軸の周りで回転するため、平面的動力伝達手段および動力伝達要素による動力伝達により、表面の摺動なく、したがって摩擦損失なくプレスプロセスが実行され得る。
【0038】
さらに好ましい様式では、プレスインサートのそれぞれの2つのプレスセグメントを支持する中空ピンが、ドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体を支持する2つの中空ピンの間に設けられる。中空ボルトの中に、ロッキングボルトも共通の回転軸として設けられるのが好ましい。ドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体がプレスデバイスによって枢動動作に駆動された場合には、それらはプレスインサートのプレスセグメントにプレス力を伝達し、それによって同じ共通軸の周りでの枢動が効果的に、力伝達表面の互いの上での摺動による摩擦損失なく実行される。
【0039】
ドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体の中空ボルトは、保持ラグ上のプレスジョーレセプタクル内またはドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体内の両方に固着され得る。後者の場合には、ドライブプレスジョー内の中空ボルトは取り換え可能である。
【0040】
したがって、結合されたプレスジョーの装備の作動挙動は標準プレスジョーと同じである。ドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体およびプレスインサートのプレスセグメントの両方の回転動作の同期は、共通のジョイントを有するジョイントによって与えられる。
【0041】
結合手段および結合要素は、形状閉鎖および力閉鎖の両方を可能にすることができる。形状閉鎖は、T字溝とヘッドピンとしてまたは結合ピンと凹部として後述される設計によって実現され得る。力嵌めは、例えば、達成すべき位置を中心とした引力を及ぼすのが好ましい磁石の配設によって達成され得る。
【0042】
嵌合のために、第1の実施形態の好ましい様式では、結合手段はヘッド端を備えた結合ピンを含み、結合要素は部分開放T字溝を含み、結合手段を受け入れる。
【0043】
この目的のために、T字溝は開いた側に両側壁に向かってアンダーカットを有し、その結果レールがもたらされる。そして、ヘッドピンの形態のプレスインサートの結合手段がT字溝に係合し、ヘッドピンが外れることなくその中で変位させられることができる。加えて、結合手段は、接続状態において結合手段と結合要素との間に機械的な遊びが存在するように形成され得る。この実施形態では、プレスインサートとドライブプレスジョーとは一緒に結合されるが、同時に容易に変位または枢動させられることができ、必要に応じてプレスプロセスの間に摺動するために適する。
【0044】
この目的のために、ヘッド端の半径はピンセクションの半径よりも大きい。したがって、結合ピンは、ドライブジョーの結合要素のアンダーカット設計の背後に係合するのに適する。このようなアンダーカット設計は、ドライブジョーの結合要素の部分開放T字溝によって実現され、いずれの場合にも結合ピンがそのヘッド端でそれと摺動可能に係合され得る。
【0045】
T字溝は、断面においてT字の横棒に対応する長方形セクションと、T字の縦ダッシュに対応するより幅が狭く底部が開いたセクションとを有する溝であると理解される。下記および上記の方向は、文字「T」と比較するために例として選択されたにすぎない。
【0046】
ヘッドピンのヘッドはT字の横棒の長方形セクション内に位置し、ヘッドピンのピンセクションはT字の縦ライン内に走る。そして、ヘッドと横棒とは、両側が開いた溝に沿って摺動することによってのみ解放され得る、T字の横棒の向きに対して本質的に直角の結合部を生じる。
【0047】
プレスジョーの第2の実施形態では、結合要素は結合ピンを有し、結合手段は凹部を有し、嵌合を確立するために結合要素を受け入れる。
【0048】
この目的のために、結合要素は、半径が一定の中実円筒の形態の結合ピンを有するのが好ましく、凹部は、結合要素が接触によって凹部内に係合するような形状とされ、そのため、ドライブプレスジョーとプレスインサートとが結合要素および結合手段によって取り外し可能に接続される。結合ピンは、ドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体の対向する2つの内側に提供されるのが好ましい。
【0049】
結合手段として働く凹部は、プレスインサートのプレスセグメントの外側の対向する2つの位置に、好ましくは完全にプレスインサートのプレス輪郭の中心とプレスインサートのジョイント手段との間のエリア内に、特に好ましくは接続されたプレスインサートと水平に揃えられたドライブプレスジョーに対して直角の方向に、プレスインサートのジョイント手段の上下に設けられ得る。
【0050】
この凹部の設計の結果、プレスインサートとドライブプレスジョーとの結合プロセスの間に結合ピンが後方で係合する突出部が生じ、結合ピンは突出部に対して接し、凹部によって形成された溝内に嵌合するのが好ましい。
【0051】
この結合要素および結合手段の設計により、ドライブプレスジョーにのみ結合ピンが提供され、様々なプレスインサートまたはプルインサートは凹部を有するだけであるため、プレスのためのシステムにおいて生産されるパーツの数を減少させることができる。このタイプのシステムは、機械的により容易に製造できる。加えて、部品のシルエットから突出する要素の数の減少の結果、プレス工具の取り扱いが有利になる。プレス工具およびシステムの個々のパーツはより握り心地が良くなり、操作者の衣服に引っかかる可能性がより低くなる。
【0052】
上述のように、ドライブプレスジョーは、個々の部品を一緒に保持および支持するために両側に保持タブを有し得る。プレス工具、特に油圧式または電気式のプレス工具との動作接続を形成するために、特に2つのローラを備えたダブルローラプランジャの形態の駆動機構もこれに接続され得る。しかし、ドライブプレスジョー半体の駆動は、トグルレバーによって実現されることもできる。
【0053】
さらに、プレスインサートは、好ましくはねじりバネとして形成された、プレスインサートのプレスセグメントを圧縮するバネを有することもできる。プレスインサートのプレスセグメントがドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体と結合されるときに、バネによってさらにドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体が押し合わされる。これにより、フィッティング上のドライブプレスジョーとプレスインサートとからなるプレスジョーの組み立てが容易になる。この動作を支持するために、そのようなバネがドライブプレスジョーに提供されることもできる。
【0054】
プレスインサートをドライブプレスジョーと結合するためには、後者をドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体がわずかに枢動された位置で合わせることができ、これにより、結合手段、特に結合ピンが、結合要素の開口部、特にT字溝内に係合する。プレスインサートを回して戻すことにより、結合ピンがT字溝のアンダーカットに係合する。例えば、このときプレスインサートの中空ピンの開口部がドライブプレスジョーの中空ピンの1つの中に設けられたロッキングピンと一致すれば、ロッキングピンが押し込まれ得る。
【0055】
同じ結合プロセスは、結合手段を凹部として、結合要素をピンとして設計することによっても実現され得る。
【0056】
原理上、プレスジョーは、後述のプレスインサートの設計の1つとともに、および/または後述のドライブプレスジョーの設計の1つとともに使用され得る。
【0057】
上記の技術的課題は、第2の教示にしたがって、プレスインサートによってフィッティングをパイプとともにプレスするためのドライブプレスジョーであって、2つのドライブプレスジョー半体を備え、ドライブプレスジョー半体を接続するためのジョイント要素を備え、プレスインサートと解放可能に接続するための結合要素を備え、力伝達要素を備え、ジョイント要素は、ドライブプレスジョー半体が共通軸の周りまたは2つの異なる軸の周りで枢動することを可能にし、プレスインサートを枢動可能に接続するために接続要素が提供され、力伝達要素は、少なくとも主に、好ましくは完全に接続されるプレスインサートのプレス輪郭の中心と接続されるプレスインサートのジョイント手段との間のエリア内に設けられる、ドライブプレスジョーによって解決される。
【0058】
プレスジョーについて既に記載された様々な好ましい実施形態の利点は、ドライブプレスジョーにも同様に当てはまり、そのため、関連する点では前の説明が参照される。
【0059】
好ましい様式では、力伝達要素は、接触表面として形成され、接触表面は、互いに対して10°より大きい、好ましくは25°より大きい、特に40°より大きい、特に好ましくは80°より大きい角度αを有する。
【0060】
さらに、接続要素およびジョイント要素は、同じ軸または回転軸を有し得る。
【0061】
あるいは、接続要素およびジョイント要素は異なる軸を有し得、それによってジョイント要素はドライブプレスジョー半体が共通軸の周りまたは異なる軸の周りで枢動することを可能にする。
【0062】
さらに、結合要素は、プレスインサートの結合手段を解放可能に受け入れるための部分開放T字溝を有し得、力伝達要素が接触表面として形成される。したがって、結合要素は、プレスインサートが枢動可能な様式で保持されることを可能にする。
【0063】
あるいは、結合要素は結合ピンを有し得る。したがって、結合ピンは、プレスインサートの適切に形成された結合手段と係合し、プレスインサートの枢動可能な保持を可能にし得る。
【0064】
加えて、ドライブプレスジョー半体を引き合わせるバネ、特にねじりバネがドライブプレスジョー内に設けられ得る。
【0065】
両方のドライブプレスジョー半体を接続する少なくとも1つの中空ピンを備えたジョイント要素の設計も提供され得る。この場合には、中空ボルトはそれぞれ、ドライブプレスジョーの保持ラグに接続され得る。加えて、中空ボルトは、ドライブプレスジョー半体を共通軸の周りで枢動できるように支持することができ、必要に応じて、中空ボルトは保持ラグの間のエリア内に互いに距離を置いて設けられ得る。
【0066】
したがって、このドライブプレスジョーは直接プレスジョーとして働くのではなく、それに接続されたプレスインサートにプレス力を伝達する。結合要素の設計はプレスインサートの結合手段に適合され、取り外し可能な接続を可能にする。これにより、結合の機能と力伝達の機能とが大きく分離され、そのため、両方の機能性のために特別な設計が可能になる。
【0067】
この目的のために、結合要素は部分開放T字溝を有し得る。この目的のために、T字溝は開いた側に両側壁に向かってアンダーカットを有し、その結果レールがもたらされる。そして、ヘッドピンの形態のプレスインサートの結合手段がT字溝に係合し、ヘッドピンが外れることなくその中で変位させられることができる。あるいは、上述したタイプの結合ピンおよび凹部が提供されてもよい。
【0068】
ドライブプレスジョーは、共通の保持構造体をさらに有し、この保持構造体は、ドライブプレスジョー半体とプレスインサートのプレスセグメントとを保持し接続するために両側に設けられた保持タブとして形成されるのが好ましい。
【0069】
結合要素は、プレスインサートの枢動可能な保持を部分的に可能にするようにさらに形成される。この目的のために、プレスインサートのジョイント手段は、好ましくは記載されたラグにより、ドライブプレスジョーに枢動可能に接続される。結合の一部は、プレスインサートの回転可能および枢動可能な接続によってもたらされる。
【0070】
さらに、ドライブプレスジョーのジョイント要素は、両方のドライブプレスジョー半体を接続する中空ピンを有するのが好ましい。2つのドライブプレスジョー半体は、両側にラグを有し、これらはそれぞれ中空ピンに接続され、枢動動作の間に中空ピン上で摺動する。中空ピンは連続するため、この実施形態では、ドライブプレスジョー半体は、プレスインサートの軸からオフセットされた回転軸を有する。
【0071】
好ましい様式では、ドライブプレスジョーのジョイント要素は2つの中空ボルトを有し、中空ボルトはそれぞれ両側で保持ラグと接続され、中空ボルトはドライブプレスジョー半体を共通軸の周りで枢動できるように支持する。中空ボルトはそれぞれ、片側でドライブプレスジョー半体のラグを受け入れる。加えて、中空ボルトは保持ラグの間のエリア内に互いに距離を置いて設けられ得、そのため、プレスインサートの中空ボルトがドライブプレスジョーの2つの中空ボルトの間の空間に設けられうる。したがって、プレスインサートのプレスセグメントおよびドライブプレスジョーのドライブプレスジョー半体の両方が共通軸上に設けられる。両パーツが同じ軸の周りで回転するため、平面的動力伝達手段および動力伝達要素による動力伝達により、表面の摺動なく、したがって摩擦損失なくプレスプロセスが実行され得る。
【0072】
中空ボルトを共通軸に固着するには、中空ボルトに挿入され、固着手段によって適所に保持されるロッキングボルトが使用されるのが好ましい。
【0073】
第3の教示によれば、前述の技術的課題は、少なくとも2つのプレスセグメントを備え、プレスセグメント内に形成されたプレス輪郭を備え、プレスセグメントを接続するためのジョイント手段を備え、ドライブプレスジョーと解放可能に接続するための結合手段を備え、力伝達手段を備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスインサートによって解決される。したがって、プレスインサートは最初に後述のドライブプレスジョーに接続され得るプレスジョーインサートの機能を有する。プレスインサートは、プレスセグメントがプルジョーを取り付けるための取付手段を含むことをさらに特徴とする。
【0074】
取付手段がジョイント手段に対してプレスインサート上にどのように設けられるかについては、2つの可能性がある。一方では、取付手段は、ジョイント手段から見てプレス輪郭の中心の後方のエリア内に設けられ得る。したがって、プルジョーのプルインサートのための取付手段は、プレスの前にフィッティング上に配置されるためにプレスインサートが開かれ得る箇所に設けられる。それから、開かれたセクションがプルジョーによって圧縮され、フィッティングがプレスされる。
【0075】
他方で、取付手段は、プレス輪郭の中心とジョイント手段との間のエリア内に設けられ得る。このエリアの定義については、プレスジョーに関連して上で説明した配設が参照される。したがって、取付手段は、プレス輪郭の中心とジョイント手段との間に設けられる。
【0076】
取付手段はプレスセグメントの外側に設けられ、したがってプレスインサートはドライブプレスジョーとの接続のためのプレスジョーインサートとしてだけでなく、ドライブプレスジョーから取り外されてからプルジョーによってプレスされ得るフィッティングに取り付けられ得るプレススリングとしても使用することができる。
【0077】
プレスインサートは、プレスジョーインサートとしてジョイント手段を介して互いに接続された少なくとも2つのプレスセグメントで形成され、これは一方では、ジョイント手段の側から力伝達手段およびドライブプレスジョーによる加力によって、他方では開いた閉口側からアプリケーション手段によってプレスされ得る。加えて、個々のプレスインサートのサイズ、ひいては重量がプレスされるそれぞれのプレス輪郭に適合され得るため、単一のプレスインサートはサイズの点で取り扱いがより容易である。
【0078】
有利な様式では、あるプレス寸法のためのそれぞれのプレス輪郭を備えたプレスインサートが、プレスジョーのためのプレスジョーインサートとして、およびプルジョーによってさらにプレスされ得るプレススリングとしての両方として使用され得る。前述のプレススリングは、2つ以上の連結式のプレスセグメントを有することができ、2つのプレスセグメントがある場合にはプレスジョーインサートと呼ばれ、3つ以上のプレスセグメントがある場合にはプレススリングまたはプレスチェーンと呼ばれることもできる。以下では、これに対してプレススリングという用語が一般に使用される。
【0079】
プレスセグメントの取付手段は、プルジョーのプル手段を受け入れるための凹部として形成されるのが好ましい。そしてプル手段が、対応して形成された突出部を備えた凹部内に係合し、プレスインサートのプレスセグメントを押し合わせ得る。
【0080】
さらに、凹部は、プル手段がプレスされるパイプの軸に対して少なくとも2つ、好ましくはいくつかの異なる角度で適用されることを可能にする。このようにして、プルジョーが窮屈な状況で、特にジョーをプレスされるパイプの軸に対して直角に適用できない場合に適用され得る。凹部は回転対称であり、プル手段はドーム形状であり、そのため、任意の角度での取り付けが可能であるのが好ましい。
【0081】
さらに、好ましい様式では、結合手段の一部として、ジョイント手段は、プレスインサートがドライブプレスジョーに枢動的に取り付けられることを可能にする。
【0082】
加えて、ジョイント手段は、それぞれ2つのプレスセグメントを支持する中空ピンとして形成され得る。2つのプレスセグメントは中空ボルト上に設けられ、回転の間にその表面上を摺動する。中空ピンの特徴により、ロッキングピンを中空ピンに挿入してその中に置くことによって、ドライブプレスジョーのロッキングピンを使用することができる。
【0083】
さらに、結合手段は、ヘッド端が提供された結合ピンを有し得る。ヘッド端の半径はピンセクションの半径よりも大きい。これにより、結合ピンは、ドライブジョーの結合要素のアンダーカット形成物をアンダーカットするのに適する。このようなアンダーカット形成物は、例えばドライブジョーの結合要素の部分開放T字溝とすることができ、いずれの場合にも結合ピンがそのヘッド端でそれと摺動可能に係合させられ得る。この場合には、結合手段が、接続状態において結合手段と結合要素との間に機械的な遊びが存在するように形成されれば有利である。したがって、結合ピンとT字溝とは結合され得るが、結合のために、そして必要に応じてプレスプロセスの間の摺動のために互いに対して容易に変位させられ得る。
【0084】
結合ピンおよび動力伝達手段は、プレスセグメントの外側のジョイント手段に面するエリア内に設けられるのがさらに好ましい。このようにして、プレスインサートのジョイント軸の近くでドライブプレスジョーを通じて力が伝達される。
【0085】
あるいは、結合手段は、ドライブプレスジョーの結合要素を解放可能に受け入れるための凹部を有してもよい。凹部は、プレスセグメントの外側のジョイント手段に面するエリア内に、特に好ましくはプレスインサートを2つのプレスセグメントに分割する軸に対して直角の方向に、ジョイント手段の上下に設けられるのが好ましい。
【0086】
プレスインサートの力伝達手段は、接触表面として形成され、そのため、対応して接触表面として形成されたドライブプレスジョーの力伝達要素が平面的に力を伝達し、必要に応じてプレスの間にその上を摺動できるのが好ましい。
【0087】
さらに、プレスセグメントを閉じるために弾性バネが提供されれば、記載されたプレスインサートに有利である。バネは、ねじりバネとして形成されることができ、プレススリングとしてのその機能と、ドライブプレスジョーのプレスジョーインサートとしてのその機能の両方においてプレスインサートを閉じる。
【0088】
バネは、プレスインサートが好ましくは枢動可能に上に装着される提供されたさらなる中空ボルトによってプレスインサートを軸方向に固定するのが好ましい。そしてバネは、ワイヤ厚さの少なくとも半分が中空ボルト内に係合し得るのが好ましい。バネによる軸方向の固定により、プレスインサートの幅を特に狭く、特に外部保持リングによって固定されるプレスインサートと比較して狭く作ることができる。全体的に、上記のドライブプレスジョーおよび上記のプレスジョーの構築物全体をより省空間に形成することができ、それによりアクセスが難しい狭い場所での作業が単純化される。
【0089】
上記の技術的課題は、第4の教示にしたがって、少なくとも2つのプレスインサートを備え、ドライブプレスジョーを備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムによって解決される。プレスインサートは、少なくとも2つのプレスセグメント、プレスセグメント内に形成されたプレス輪郭、プレスセグメントを接続するためのジョイント手段、ドライブプレスジョーと解放可能に接続するための結合手段、および力伝達要素を含み、少なくとも2つのプレスインサートは、異なるプレス輪郭を有する。ドライブプレスジョーは、2つのドライブプレスジョー半体、ドライブプレスジョー半体を接続するためのジョイント要素、プレスインサートと解放可能に接続するための結合要素、および力伝達要素を含む。このシステムは、プルジョーおよびプルインサートを取り付けるための取付手段を備えた少なくとも1つのプレスインサートが提供されることを特徴とする。プルインサートは、2つのプルインサート半体、プルインサート半体を接続するためのジョイント手段、ドライブプレスジョーと解放可能に接続するための結合手段、力伝達手段、およびジョイント手段の反対側に形成されたプル手段を有し、結合手段および力伝達手段は、プルインサート半体の外側に設けられる。プルインサートおよびドライブプレスジョーは一緒にプルジョーを形成する。
【0090】
したがって、このシステムは、プレスインサートのセットおよびドライブプレスジョーだけでなく、プレススリングとして使用するための取付手段を備えた少なくとも1つのプレスインサートを圧縮するためのプルインサートも含む。このシステムでは、プレスインサートは、一方ではドライブプレスジョーのためのプレスジョーインサートとして適する。他方で、プレスインサートはプレススリングとして使用されることもでき、その場合にはプルインサートによって圧縮されることができ、プルインサートも同じまたは対応する結合手段でドライブプレスジョーに結合されることができる。
【0091】
好ましい様式では、プル手段は、プレスされるパイプの軸に対して少なくとも2つ、好ましくはいくつかの異なる角度で取付手段内に取り付けられることを可能にする。プレスインサートは狭い状況でプレススリングとして使用されることから、プル手段をプレスインサートの取付手段に様々な角度で取り付けることができればプレスが単純化される。
【0092】
特に、ドライブプレスジョーは、前述の実施形態の1つにしたがって形成され、および/またはプレスインサートは、前述の実施形態の1つにしたがって形成される。
【0093】
以下では、図面を参照して実施形態により本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【
図1A】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態の概略図である。
【
図1B】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態の概略図である。
【
図1C】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態の概略図である。
【
図1D】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態の概略図である。
【
図1E】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態の概略図である。
【
図1F】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態の概略図である。
【
図2A】プレスインサートとドライブプレスジョーとを備えたプレスジョーの第1の実施形態を示した図である。
【
図2B】プレスインサートとドライブプレスジョーとを備えたプレスジョーの第1の実施形態を示した図である。
【
図2C】プレスインサートとドライブプレスジョーとを備えたプレスジョーの第1の実施形態を示した図である。
【
図3A】プレスインサートのドライブプレスジョーとの結合プロセスの間の
図2によるプレスジョーを示した図である。
【
図3B】プレスインサートのドライブプレスジョーとの結合プロセスの間の
図2によるプレスジョーを示した図である。
【
図4A】
図2によるプレスジョーのドライブプレスジョーを示した図である。
【
図4B】
図2によるプレスジョーのドライブプレスジョーを示した図である。
【
図5A】
図2によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図5B】
図2によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図5C】
図2によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図5D】
図2によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図6A】特に
図1Eおよび
図1Fによるシステムのためのプルインサートの第1の実施形態を示した図である。
【
図6B】特に
図1Eおよび
図1Fによるシステムのためのプルインサートの第1の実施形態を示した図である。
【
図6C】特に
図1Eおよび
図1Fによるシステムのためのプルインサートの第1の実施形態を示した図である。
【
図6D】特に
図1Eおよび
図1Fによるシステムのためのプルインサートの第1の実施形態を示した図である。
【
図7A】プレスインサートとドライブプレスジョーとを備えたプレスジョーの第2の実施形態を示した図である。
【
図7B】プレスインサートとドライブプレスジョーとを備えたプレスジョーの第2の実施形態を示した図である。
【
図7C】プレスインサートとドライブプレスジョーとを備えたプレスジョーの第2の実施形態を示した図である。
【
図8A】開いた状態の
図7によるプレスジョーを示した図である。
【
図8B】開いた状態の
図7によるプレスジョーを示した図である。
【
図8C】開いた状態の
図7によるプレスジョーを示した図である。
【
図9A】プレスインサートのドライブプレスジョーとの結合プロセスの間の
図7によるプレスジョーを示した図である。
【
図9B】プレスインサートのドライブプレスジョーとの結合プロセスの間の
図7によるプレスジョーを示した図である。
【
図10A】
図7によるプレスジョーのドライブプレスジョーを示した図である。
【
図10B】
図7によるプレスジョーのドライブプレスジョーを示した図である。
【
図11A】
図7によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図11B】
図7によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図11C】
図7によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図11D】
図7によるプレスジョーのプレスインサートを示した図である。
【
図12A】ドライブプレスジョーの第3の実施形態を示した図である。
【
図12B】ドライブプレスジョーの第3の実施形態を示した図である。
【
図13A】
図12によるドライブプレスジョーのためのプレスインサートを示した図である。
【
図13B】
図12によるドライブプレスジョーのためのプレスインサートを示した図である。
【
図14A】
図12によるドライブプレスジョーのためのプルインサートを示した図である。
【
図14B】
図12によるドライブプレスジョーのためのプルインサートを示した図である。
【
図15】フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムの実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
以下の本発明による様々な実施形態の説明では、同じ機能および同じ動作方式の部品および要素には、たとえ様々な実施形態においてそれらの部品および要素の寸法または形状が異なっていても、同じ参照符号が与えられる。
【0096】
以下ではまず、フィッティングをパイプとともにプレスするための本発明によるシステムの実施形態が概略図を用いて説明される。続いて、本発明によるプレスジョー、ドライブプレスジョー、プレスインサートおよびプルインサートの詳細が、様々な実施形態に基づいて論じられる。
【0097】
図1A~
図1Fは、フィッティングをパイプとともにプレスするための本発明によるシステムの様々な実施形態の概略図を示す。
【0098】
図1A~
図1Dでは、ドライブプレスジョーとプレスインサートとを含むプレスジョーが概略的に示され、ドライブプレスジョーとプレスインサートとの相互作用の動作方式を図解するために、回転可能かつ固着的に装着された軸が示される。
【0099】
加えて、
図1Dは、接触表面の互いに対する角度αを示し、プレスの間の合力の力の影響が示力図により示される。
【0100】
図1Eおよび
図1Fには別のプレスインサートが示され、プレスインサートと相互作用するプルジョーの機能を図解するために、プルジョーも概略的に示される。
【0101】
図1Aはまず、2つのプレスセグメント12a、12bを備えたプレスインサート10であって、プレスセグメント12a、12b内にプレス輪郭14が形成される、プレスインサート10を含み、2つのドライブプレスジョー半体32a、32bとジョイント要素36とを備えたドライブプレスジョー30をさらに含むプレスジョー2によりフィッティングをパイプとともにプレスするための本発明によるシステム100の第1の実施形態を示す。プレスインサート10は、結合手段18a、18bを含み、これを介してプレスインサート10がドライブプレスジョー30に取り外し可能に接続される。さらに、プレスインサート10は、プレスセグメント12a、12bを接続するためのジョイント手段16を有し、ジョイント手段16は、プレスインサート10をドライブプレスジョー30にさらに枢動可能に接続する。
【0102】
さらに、プレスインサート10は力伝達手段22を有し、ドライブプレスジョー30は力伝達要素42(概略的に示される)を有し、この場合にはこれらの力伝達要素42は、全体がプレス輪郭14の中心とジョイント手段16との間のエリア内に設けられる。この図では、プレスジョー2はドライブプレスジョー30と水平に揃えられ、プレス工具の駆動部は水平に走る。ダブルローララムの2つのローラ31a、31bのみが、送り込み輪郭30a、30bと係合し協働するのが示される。ローラ31a、31bが
図1Aの左へ進められると、ドライブプレスジョー半体32a、32bが押し広げられ、そのため、力伝達要素42a、42b、ひいてはプレスセグメント12am、12bが押し合わされる。その結果、フィッティングのプレスが生じる。
【0103】
プレス輪郭2の軸は側面図に対して直角かつ紙面に対して直角であり、これによりプレス輪郭2の中心はプレス輪郭14の軸に、ひいては接合されるパイプの軸(図示せず)に対応する。プレスインサート10のジョイント手段16の軸の向きも、プレスジョー2の水平の向きに対して直角であり、紙面に対して直角である。
【0104】
そして、プレス輪郭14の中心とジョイント手段16との間のエリアは、プレス輪郭14の軸に対して直角かつ水平方向に対して直角の描画平面内に延びる平面と、ジョイント手段16の軸に対して直角かつ水平方向に対して直角の描画平面内に延びる平面との間の空間に対応する。ドライブプレスジョー30の結合要素42に結合され、この場合には接触表面22a、22bとして形成されるプレスインサート10の結合手段22により、プレスインサート10がドライブプレスジョー30の動作によって作動させられる。プレスインサート10は、ドライブプレスジョー半体32a、32bを押し合わせることによって開かれることができ、ドライブプレスジョー半体32a、32bの動作は、ドライブプレスジョー半体32a、32b(概略的に示される)のジョイント要素36により装着された端の反対側の端が互いに当接することによって制限される。
【0105】
図1Aに示されるプレスジョー2の実施形態では、プレスインサート10とドライブプレスジョー半体32a、32bとは、同じ軸4aの周りで枢動するように設けられる。プレスインサート10の2つのプレスセグメント12a、12bとドライブプレスジョー30の2つのドライブプレスジョー半体32a、32bとは同じ軸4aの周りで回転し、したがってジョイント手段16およびジョイント要素36は同じ軸4a上で回転および枢動するように設けられる。
【0106】
図1Bは、プレスインサート10とドライブプレスジョー130のドライブプレスジョー半体132a、132bとが異なる軸4b、6aの周りで枢動するように設けられ、ドライブプレスジョー半体132a、132bは同じ軸6aを有する、プレスジョー102の実施形態を示す。したがって、2つの軸4b、6aを備えたプレスジョー102の実施形態が示される。
【0107】
図1Cは、プレスインサート10およびドライブプレスジョー半体232a、232bが異なる軸4b、6b、6cの周りで枢動するように設けられ、ドライブプレスジョー半体が異なる軸6b、6cを有する、プレスジョー202の実施形態を示す。したがって、3つの軸4b、6b、6cを備えたプレスジョー202の実施形態が示される。
【0108】
図1Dは、ドライブプレスジョー(図示せず)からプレスインサート10への力の伝達が2つの矢印8a、8bによって示されるプレスインサート10を示す。この力の伝達8a、8bは、互いに対してある角度で走り、両方の矢印8a、8bが
図1Dの力の平行四辺形において水平成分8a
h、8b
hと垂直成分8a
v、8b
vとに分割される。
【0109】
力伝達手段22およびドライブプレスジョーの力伝達要素(図示せず)によって生成されるプレスインサート10を圧縮する力は、2つの垂直成分8av、8bvによって形成される。2つの水平成分8ah、8bhは、ジョイント手段16の位置からプレスインサート10の概略的に示されたベアリングから離れるように向いた力8cを生じる。
【0110】
線形力成分としての合力8cは、ドライブプレスジョー(図示せず)に対するプレスインサート10のベアリングによって相殺される。これにより、互いの方に向いた垂直力成分8av、8bvが残る。
【0111】
力伝達手段22は、平坦な接触表面22a、22bとして形成され、互いに対して角度αを有し、角度αは、接触表面22a、22bに関連する2つの平面26a、26bの間で測定される。0°の角度αは、接触表面22a、22bが互いに対して平行に設けられることを意味する。ここでは、80°より大きい角度αが示される。
【0112】
次に、
図1Eおよび
図1Fは、2つのプレスセグメント112a、112bを有するプレスインサート110であって、プレスセグメント112a、112b内にプレス輪郭114が形成され、プレスセグメント112a、112bは、ジョイント手段116を介して互いに接続される、プレスインサート110を備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムのさらなる要素を示す。プレスインサート110は、プルジョー60のための取付手段128をさらに含み、そのため、プルジョー60のプル手段74a、74b(概略的にのみ示される)によって、プレスインサート110を圧縮することによってフィッティングがプレスされ得る。
図1Eおよび
図1Fは、プレスインサート110がプレスループとして使用される、そのようなプレスの2つの可能性を示す。プレスインサート110は、
図1A~
図1Dに示されるようにドライブプレスジョーに支持または他のやり方で接続されない。
【0113】
まず、
図1Eは、ジョイント手段116から見てプレスインサート110の中心の手前のプレスセグメント112a、112bの外側に設けられた凹部128a、128bの形態の取付手段128を備えたプレスインサート110を示す。
【0114】
図1Fは、ジョイント手段116から見てプレスインサート110の中心の後方のプレスセグメント112a、112bの外側に設けられた凹部128c、128dの形態の取付手段128を備えたプレスインサート110を示す。したがって、この場合には、取付手段128は、プレスインサート110がプレスの前にフィッティング上に配置されるために開かれ得る箇所に位置する。それから、開かれたセクションがプルジョー60によって圧縮され、フィッティングがプレスされる。
【0115】
取付手段128は、ドライブプレスジョーの結合要素と協働する結合手段として形成されることもできる。この場合には、取付手段128は、プレスインサート110がプレスジョーインサートとしてのその機能において使用されるときと、プレススリングとしてのその機能において使用されるときとの両方で力を伝達するために働く。
【0116】
図2A~
図2Cは、特に
図1Aおよび
図1Dによるシステムのための、プレスインサート10とドライブプレスジョー30とを備えたプレスジョー2の第1の実施形態を示す。
図2Aはまずプレスジョー2を側面斜視図で示し、
図2Bはプレスジョー2を閉状態の横断面図で示し、
図2Cは開状態の横断面図で示す、
【0117】
プレスジョー2は、プレスインサート10と、2つのドライブプレスジョー半体32a、32bを共通軸4aの周りで枢動できるように支持する2つの中空ボルト46a、46bの形態のジョイント要素36を備えたドライブプレスジョー30とを有する。中空ボルト46a、46bは、
図4Aおよび
図4Bにも見られる。ドライブプレスジョー半体32a、32bを保持および接続するために、保持ラグ50a、50bが提供される。2つのローラ56a、56bを備えたダブルローラプランジャの形態の駆動機構54が保持ブラケット50a、50bに接続され、それによって駆動機構54はプレス工具と動作接続を形成する(図示せず)。ローラ56a、56bは、上述のように、ドライブプレスジョー半体32a、32bの図示されない入口輪郭と相互作用する。
【0118】
プレスの間には、プレスされるフィッティング(図示せず)が、プレスセグメント12a、12bまたはプレスインサート10のプレス輪郭14によって受け入れられて少なくとも部分的に変形され、この変形はプレス輪郭14の設計により影響される。2つのプレスセグメント12a、12bはジョイント手段16を介して互いに接続され、ジョイント手段16は両方のプレスセグメント12a、12bを支持する中空ピン44の形態である。プレスセグメント12a、12bを閉じるために弾性バネ48が使用される。
【0119】
プレスインサート10は、ヘッド端24a、24bを備えた結合ピン18a、18bの形態の連動する結合手段18と部分開放T字溝38a、38bの形態の結合要素38とによって、ドライブプレスジョー30に結合され、結合ピン18a、18bは結合状態においてT字溝38a、38bによって形成されたアンダーカットに係合する。ドライブプレスジョー30の力伝達要素42は、プレスインサート10の当接表面22a、22bとして形成された力伝達手段22に当接する当接表面42a、42bとして形成される。フィッティングがプレスされるときには、プレス工具によって生成された力が力伝達要素42および力伝達手段22を介してプレスインサート10に伝達されることによって、プレスインサート10が圧縮される。
【0120】
同様に、接触表面42a、42bは、互いに対して角度αを有し、角度αは、接触表面42a、42bに関連する2つの平面45a、45bの間で測定される。80°より大きい角度αが示される。
図2Bに示されるプレスインサート10が結合されたドライブプレスジョー30の閉状態では、接触表面22a、22bの間の角度が接触表面42a、42bの間の角度に対応することが分かる。
【0121】
回転軸が同じであるため、力伝達手段がプレスの間に有利な様式で力伝達要素の上を摺動せず、そのため、ドライブプレスジョー30からプレスインサート10への力の伝達の間の摩擦損失が最小化され、または回避さえされる。摺動動作をなくすことにより、プレスの間に力伝達手段の力伝達要素上での摺動が生じるプレスジョーの結合要素として働くT字溝の形状に比べて、結合要素38として働くT字溝38a、38bを短くすることができ、そのため、プレスインサート10とドライブプレスジョー30との結合プロセスが単純化される。
【0122】
この実施形態では、プレスジョー2のプレスインサート10とドライブプレスジョー30とは、共通の回転軸4aの周りを枢動させられ得る。この目的のために、プレスインサート10の両方のプレスセグメント12a、12bを支持する中空ピン44が、ドライブプレスジョー38のドライブプレスジョー半体32a、32bを支持する2つの中空ピン46a、46bの間に設けられる。中空ボルト44、46a、46bの中に、ロッキングボルト50が共通の回転軸4aとしてさらに設けられる。したがって、ロッキングボルト50は、プレスインサート10をドライブプレスジョー30に枢動的に接続するために働き、また、ドライブプレスジョー半体32a、32bを枢動的に支持する。したがって、プレスインサートをドライブプレスジョー30に枢動可能に接続する接続要素52は、中空ボルト44、46a、46bおよびロッキングボルト50として形成される。
【0123】
さらに、プレスインサート10は、プルジョー60のプル手段(
図1Eおよび
図1Fの概略図を参照)が中に係合し得る回転対称の凹部28a、28bの形態の取付手段28を有する。したがって、プレスインサート10はプレスループとしても使用され得る。これにより、アクセスが難しい設置エリアで、例えば部屋の隅で、フィッティングをプレスすることが可能になる。この結果、
図1Eおよび
図1Fに関連して示されるように、ドライブプレスジョー30に関連してプレスジョーインサートとして、およびプルジョー60に関連してプレスループとしての両方でのプレスインサート10の適合性の有利な設計がもたらされる。
【0124】
図3Aおよび
図3Bには、プレスインサート10のドライブプレスジョー30との結合プロセスの間の
図2A~
図2Cによるプレスジョーが横断面図(
図3A)および斜視図(
図3B)で示される。まず、結合ピン18a、18bのヘッド端24a、24bがT字溝38a、38bの開口部内に係合するように、プレスインサート10がわずかに枢動した位置でドライブプレスジョー30に挿入される(
図3A)。プレスインサート10をドライブプレスジョー30の位置(この場合には水平に示されている)に回して戻すことによって、結合ピン18a、18bがT字溝38a、38bのアンダーカット内に係合する。中空ピン44の開口部がドライブプレスジョー30の中空ピン46a、46bの開口部と一致すれば、ロッキングピン50が挿入され得る。
【0125】
図4Aおよび
図4Bには、
図2によるプレスジョー2のドライブプレスジョー30が斜視図および側面図で示される。共通の回転軸4aとして設けられるロッキングピン50(
図2および
図3に示される)は、ドライブプレスジョー半体32a、32bの中空ピン46a、46bと保持ラグ50a、50bとの両方によって囲まれる(
図2参照)。
【0126】
ドライブプレスジョー半体32a、32bはそれぞれ、結合要素38としての部分開放T字溝38a、38bの形態のアンダーカット凹部を有する。プレスインサート10の結合ピン18a、18bのヘッド端24a、24bは、ピンセクションの半径よりも大きな半径を有し、接続状態で結合ピン18a、18bとT字溝38a、38bとの間に機械的遊びが存在するようにアンダーカットの後ろに係合することができる。これにより、プレスインサート10とドライブプレスジョー30とがプレスの間に互いに対して容易に摺動することが可能になる。力伝達要素42は、平坦な接触表面42a、42bとして形成される。
【0127】
図5A~
図5Dは、
図2によるプレスジョーのプレスインサート10を示し、
図5Cは、
図5Bに示される断面軸Vcを通る断面図を示し、
図5Dは、
図5Bに方向Vdにより示されるジョイント手段16を有するプレスインサート10の側面の上面図を示す。
【0128】
図5Aおよび
図5Bに示す図では、接触表面22a、22bとして形成されたプレスインサート10の力伝達手段22がはっきりと見える。これらの接触表面22a、22bと、同じく接触表面42a、42bとして形成された
図4のドライブプレスジョー30の力伝達要素42とが、結合とは独立した二次元の力伝達を可能にする。さらに、部分開放T字溝38a、38bとしての設計により、プレスインサート10をドライブプレスジョー30に特に円滑に挿入することができ、したがってプレス工具の取り扱いが単純化される。
【0129】
図5Cおよび
図5Dに示される図を参照すると、プレスインサート10のプレスセグメント12a、12bを互いに対して引っ張り、したがってプレスインサート10を閉じるために働くバネ48が示される。中空ボルト44を軸方向に固定するために、保持リング43a、43bが提供される。
【0130】
図6A~
図6Dは、特に
図1Eおよび
図1Fによるシステムのためのプルインサート72の第1の実施形態を示し、
図6Cは、
図6Bに描かれた断面軸VIcを通る断面図を示し、
図6Dは、
図6Bの方向VIdから示されるジョイント手段76を有するプルインサート70の側面の上面図を示す。ジョイント手段76は、プルインサート半体72a、72bを接続するために働く。さらに、ここではヘッド端84a、84bを備えた結合ピン78a、78bの形態である結合手段78が、プルインサート70をドライブプレスジョー30(
図6には示されない)に結合するために提供される。したがって、プルインサート70とドライブプレスジョー30とは、
図1Eおよび
図1Fに概略的に示されるように1つのプルジョー60として一緒に作動する。ここでは接触表面82a、82bの形態である力伝達手段82も、プルインサート半体72a、72bの外側に提供される。プルインサート半体72a、72bはそれぞれ、ジョイント手段76の反対側に形成されたプル手段74a、74bを有し、これらがプレスインサート10の取付手段28(
図6には示されない)内に係合する。したがって、プルインサート70とドライブプレスジョー30とはプルジョー60として一緒に作動し(概略
図1Eおよび
図1Fを参照)、プレスインサート10を半径方向内方に押す。この場合には、プレスインサート10はプレスループとして働き、アクセスが難しいかまたは空間的に制限された作業エリアでのフィッティングのプレスが単純化される。
【0131】
接触表面82a、82bとして形成されたプルインサート70の力伝達手段82は、同じく平坦な接触表面として形成されたドライブプレスジョーの力伝達要素(図示せず)と一緒に、プルインサート70のドライブプレスジョー30との結合とは独立した二次元の力伝達を可能にする。プルインサート70のドライブプレスジョー30との結合は、プレスインサート10のドライブプレスジョー30との結合と同じやり方で実行され得る。
【0132】
ジョイント手段76は、2つのプルインサート半体72a、72bを枢動的に支持する中空ピン94として形成される。バネ88が、2つのプルインサート半体72a、72bを互いに対して引っ張ることによってプルインサート70を閉じるために働く。中空ボルト94を軸方向に固定するために、保持リング73a、73bが提供される。
【0133】
図7A~
図7Cは、特に
図1Cによるシステムのための、プレスインサート210と、2つのドライブプレスジョー半体232a、232bを備えたドライブプレスジョー230とを備えたプレスジョー202の第2の実施形態を、閉状態で示す。
図7Aはプレスジョー202の斜視図を示し、
図7Bは側面図を示し、
図7Cは横断面図を示す。
【0134】
図2に示される実施形態とは対照的に、ここでのプレスジョー202は、プレスインサート210およびドライブプレスジョー半体232a、232bのための異なる回転軸4b、6b、6cを有し、ドライブプレスジョー半体232a、232bは、異なる軸6b、6cを有する。したがって、この実施形態は3つの回転軸4a、6b、6cを有する。ドライブプレスジョー半体232a、232bおよびプレスインサート210は、接続要素252として働くサイドプレート276によって接続され、サイドプレート276のさらなるベアリングアイ296が、ここでは空で図示されているが、プレス工具(図示せず)への接続のために働く。
【0135】
プレスインサート210およびドライブプレスジョー半体232a、232bが周りに枢動可能に装着される異なる軸を提供することによって、プレスジョー202の全体的な厚さを減少させることができ、全体的な造りをより単純にすることができる。より単純な設計により、ドライブプレスジョー230の生産はより複雑でなくなり、したがってより費用効率が高くなる。
【0136】
プレスジョー202のこの実施形態では、プレスインサート210は、プレスされるフィッティングを受け入れるためのプレスセグメント212a、212b、あるいはプレス輪郭214も有する。2つのプレスセグメント212a、212bは、ジョイント手段216を介して互いに接続され、ジョイント手段216は、両方のプレスセグメント212a、212bを支持し、バネ248によって軸方向に固定された中空ボルト244として形成される。バネ248は、
図11Cの拡大セクションに示され、さらに後で説明されるように、ワイヤ厚さの少なくとも半分が中空ボルト244の中心溝245内に係合する。
【0137】
このようにして、プレスインサート210のジョイント部の幅を狭くすることができ、特に、
図5によるプレスインサート10の前述の実施形態のように保持リングを用いた同等の固定の場合よりも狭くすることができる。結果として生じるジョイント部の狭い幅により、プレスインサート210がベアリング内に保持されるドライブプレスジョー半体の間の間隙も対応して狭い。全体として、これにより構築物全体をより省空間に形成することができ、アクセスが難しい狭い場所での作業がより容易になる。
【0138】
バネ248はさらに、2つのプレスセグメント212a、212bを互いに対して引っ張る。さらに、プレスインサート210は、取付手段としての回転対称の凹部228a、228bを有し、これによりプレスインサート210がプルジョー60と連結してプレススリングとして使用され得る(
図1Eおよび
図1Fの概略図を参照)。ロッキングボルト250が、中空ボルト上のプレスインサート210の枢動可能な装着を固定し、同時にサイドプレート276を介したドライブプレスジョー230との接続を固定するために働く。ドライブプレスジョー半体232a、232bは、ロッキングボルト262、264によってサイドプレート276に接続され、枢動可能に装着される。
【0139】
プレスインサート210はまた、ヘッド端224a、224bを備えた結合ピン218a、218bの形態の結合手段218を有し、ドライブプレスジョー230は、部分開放T字溝238a、238bの形態の結合要素238を有する。ドライブプレスジョー230の力伝達要素242は、プレスインサート210の当接表面222a、222bとして形成された力伝達手段222に当接する当接表面242a、242bとして形成される。フィッティングがプレスされるときには、プレス工具によって生成された力(図示せず)を力伝達要素242および力伝達手段222を介してプレスインサート210に伝達することにより、プレスインサート210が圧縮される。
【0140】
この場合には、プレスインサート210の形状は、結合手段222の間にあるプレスセグメント212a、212bの外側の部分が丸い造りであり、そのため、プレスインサート210の閉状態でプレスセグメント212a、212bのこれらの部分が共通の円の半径上にある点で、上述のプレスインサート10、110と異なる。
【0141】
図8A~
図8Cには、
図7によるプレスジョー202が開状態で示され、
図8Aは斜視図を示し、
図8Bは側面図を示し、
図8Cは横断面図を示す。ドライブプレスジョー半体232a、232bの(プレスインサート210から離れる方に向いた)後端を押し合わせることによって、プレスされるフィッティングをプレスインサート210で囲むことができるようにプレスジョー202ひいてはプレスインサート210を開くことを達成しうる。
【0142】
次に、
図9Aおよび
図9Bは、
図10Aおよび
図10Bと組み合わせて、プレスインサート210のドライブプレスジョー230との結合プロセスの間の
図7によるプレスジョー202を示す。
図10Aおよび
図10Bには、
図7によるドライブプレスジョー230が、プレスインサート210が挿入されていない状態で斜視図および側面図で示される。
【0143】
ジョイント要素236がドライブプレスジョー半体232a、232bを接続し、ドライブプレスジョー半体232a、232bが異なる軸6b、6cの周りで枢動することを可能にする。
【0144】
プレスインサート210の結合手段222の間のプレスセグメント212a、212bの丸い形状の部分により、結合要素222を結合手段238内に結合するプレスインサート210の枢動動作が、最初にプレスインサート210をドライブプレスジョー230の水平位置から枢動させることなく円形経路上で生じることが可能になる。このような取り扱いは、使用者が実施することがより容易であり、それによってプレスインサート210のドライブプレスジョー230内への結合が改善される。
【0145】
プレスインサート210の中空ピン244の開口部がプレスインサート210のベアリングのために提供されたサイドプレート276のベアリングアイ300と一致すれば(
図10Aおよび
図10B)、プレスインサート210の回転軸4bに相当するロッキングピン250が挿入されて、プレスインサート210とドライブプレスジョー230との間の接続が固定されうる。
【0146】
図10Aおよび
図10Bによれば、ドライブプレスジョー230は、アンダーカットを有する部分開放T字溝238a、238bの形態の結合要素238を有し、接触表面242a、242bの形態の力伝達要素242をさらに有する。この場合には、ドライブプレスジョー230の全開放動作の間にプレスインサート210の結合を保証するために、T字溝238a、238bはT字溝38a、38bよりも長い。
【0147】
【0148】
図11Aに示される斜視図および
図11Bに示される断面図では、接触表面222a、222bとして形成されたプレスインサート210の力伝達手段222がはっきりと見える。これらの接触表面222a、222bと、同じく接触表面242a、242bとして形成されたドライブプレスジョー230の力伝達要素242とが、プレスインサート210のドライブプレスジョー230への結合とは独立して二次元の力伝達を可能にする。力の伝達の間には、プレスセグメント112a、112bの外側が接触表面242a、242bに沿って摺動し、プレスインサート210への力結合によって、プレスされるフィッティングとパイプのプレスが引き起こされる。
【0149】
接触表面222a、222bとして形成された力伝達手段222には、平面226a、226bの間に角度αが画成され得るように平面226a、226bが割り当てられ得る。ここでは、(平面226a、226bに平行に走る平面227a、227bを用いて測定して)25°より大きい角度αが示される。
【0150】
図11Cおよび
図11Dに示される図を参照すると、中空ピン244を軸方向に固定するバネ248が示される。
【0151】
【0152】
図12Aおよび
図12Bはまず、この場合には共通軸4aの周りに枢動可能に装着される2つのドライブプレスジョー半体332a、332bを有するドライブプレスジョー330の第3の実施形態を示す。さらに、ドライブプレスジョー330は、プレスインサート310の対応する結合手段318と解放可能に接続するための結合ピン338a、338bの形態の結合要素338を有する。ドライブプレスジョー230のプレート350a、350b、351a、351bは、ドライブプレスジョー230をプレスインサート310に解放可能に接続するためのジョイント手段、例えば中空ボルトおよびロッキングボルトを受け入れるための円形開口部を有する。プレスインサート310は、ドライブプレスジョー330と同じ枢動可能な軸4aの周りに装着される。
【0153】
次に、
図13Aおよび
図13Bには、プレス輪郭314が中に形成された2つのプレスセグメント312a、312bを備えたプレスインサート310が示される。さらに、プルジョー60のプル手段74a、74bが中に係合する回転対称の凹部328a、328bの形態の取付手段328、ならびに中空ピン344の形態のジョイント手段316が示され、中空ピン344は、プレスインサート310を、ドライブプレスジョー330に共通の軸4aの周りに枢動可能に支持する。
【0154】
プレスインサート310は、ドライブプレスジョー330の結合要素338を解放可能に受け入れるための凹部318a、318bの形態の結合手段318をさらに含む。凹部318a、318bは、プレスインサート310のドライブプレスジョー330との結合プロセスの間に突出する結合ピン338a、338bが当接によって凹部318a、318b内に係合するように構成される。
【0155】
結合ピン338a、338は、この目的のために、ドライブプレスジョー330のドライブプレスジョー半体332a、332bの対向する2つの内側に提供される。結合手段318として働く凹部318a、318bは、プレスインサート310のプレスセグメント312a、312bの外側の対向する2つの位置に形成される。凹部318a、318bは、全体がプレスインサート310のプレス輪郭314の中心とプレスインサート310のジョイント手段316との間のエリア内に、接続されたプレスインサート310と水平に揃えられたドライブプレスジョー330に対して直角の方向に(
図15を参照)、プレスインサート310のジョイント手段316の上下に設けられる。
【0156】
このような凹部318a、318bの構成の結果、凹部318a、318b内にそれぞれの突出部319a、319bが生じ、プレスインサート310のドライブプレスジョー330との結合プロセスの間に結合ピン338a、338bがこれらを後方で係合し、結合ピン338a、338bが突出部319a、319bに対して接し、凹部318a、318bによって形成された溝内に嵌合する。
【0157】
ドライブプレスジョー330とプレスインサート310との間の結合プロセスならびに力伝達は、
図2~
図4を参照して既に図解したドライブプレスジョー30とプレスインサート10とを備えたプレスジョー2の第1の実施形態と類似して実行される。例えば、ドライブプレスジョー330の力伝達要素342とプレスインサート310の力伝達手段322とは、接触表面として形成され得る。ドライブプレスジョー330のジョイント手段も、中空ピンの形態でそのように形成され得る。したがって、結合プロセスの後に、ロッキングピンが、ドライブプレスジョー330の両方の中空ピンとプレスインサート310の中空ピン344とに押し通され得る。このようにして、ロッキングピンがドライブプレスジョー330とプレスインサート320との接続を固定し、ドライブプレスジョー330とプレスインサート310との共通の回転軸4aを形成する。
【0158】
図14Aおよび
図14Bは、特に
図12によるドライブプレスジョー330への接続のための、プルインサート370の実施形態を示す。ジョイント手段376は、プルインサート半体372a、372bを接続するために働く。さらに、ドライブプレスジョー330に解放可能に接続するための結合手段378が、ここでは凹部378a、378bの形態で提供される。結合手段378は、結合ピン338a、338bとして形成されたドライブプレスジョー330の結合要素338と、結合ピン338a、338bの後方で係合することによって接触する。
【0159】
プルインサート半体372a、372bはそれぞれ、ジョイント手段376の反対側にプル手段374a、374bを有する。プレスインサート10、110、210、310は、プレスインサート10、110、210、310(
図14には示されない)の取付手段28、128、228、328内に係合するプル手段374a、374bと、
図12に示すようなドライブプレスジョー330とを用いてプレスされ得る。この場合には、プレスインサート10、110、210、310はプレスループとして働き、アクセスが難しいかまたは空間が制限された作業エリアでのフィッティングのプレスが単純化される。
【0160】
このようにして、ドライブプレスジョー330の結合要素338は、一方では(
図1Eおよび
図1Fに概略的に示されるように)プルジョー60としてのプルインサート370との、他方ではプレスジョー302としてプレスインサート310との取り外し可能な接続のために使用され得る。これにより、フィッティングをパイプとともにプレスするために現場に保たなければならない工具の数が減少し、プレスプロセスが単純化される。
【0161】
ドライブプレスジョー330からプルインサート370への力の伝達は、ドライブプレスジョー330の力伝達要素342とプルインサート370の力伝達手段382とによって、プレスジョー2、192、202、302の前述の実施形態と類似してもたらされる。プルインサート370のジョイント手段376は、2つのプルインサート半体372a、372bを共通4aの周りに枢動可能に支持する中空ピン394として形成される。回転軸4aは、ドライブプレスジョー半体332a、332bに共通の回転軸4aであり、そのため、プルインサートのジョイント手段376とドライブプレスジョーのジョイント手段とが同一軸上に枢動可能に装着される。
【0162】
図15は、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステム400の実施形態を示し、システム400は、
図14によるプルインサート370、
図13による第1のプレスインサート310、第2のプレスインサート410、第3のプレスインサート510、ならびに
図12によるドライブプレスジョー330、さらにプレス工具404を含む。プレスインサート310、410、510はそれぞれ、特に異なるプレス寸法のための、例えば外形寸法が12、18、35mmの異なるプレス輪郭314、414、514を有する。
【0163】
プレス工具404は、ロッキングピン450によってドライブプレスジョー330に解放可能に接続される。ドライブプレスジョー330は、結合要素338によりプレスインサート310、410、510の1つにまたはプルインサート370に解放可能に接続されることができ、そのため、同じドライブプレスジョー330によってプレスジョーおよびプルジョーの両方が提供されることができるのが有利である。この場合には、プレスインサート410がドライブプレスジョー330に取り外し可能に接続されており、そのため、フィッティングとパイプのプレスは、プレスインサート410を用いて、プレス工具404により生成されてドライブプレスジョー330によりプレスインサート410に伝達される力によって行われ得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
プレススリングも全てのプレス寸法のためにストックしておかなければならないため、建設現場での労力がさらに増大する。
独国特許出願公開第10 2007 047 339(A1)号は、フィッティングをパイプとともにプレスするためのプレスジョーを開示する。プレスインサートは、バネデバイスを介してドライブプレスジョーに解放可能に結合され、結合要素は、プレスジョー半体上の、主にプレス輪郭の中心の、入口開口部とプレスジョーの結合手段との間に、互いに対向して設けられる。結合機構は、プレスインサートを交換するために両手での操作を要する。プレス表面は、結合要素と同じ位置に設けられる。この配設により、プレスプロセスの間に主に垂直の力成分がドライブプレスジョーからプレスインサートに伝達されて、プレスインサートがプレスジョーから外れるのが阻止される。これは、プレスジョーの寸法に悪影響を及ぼす。
欧州特許出願公開第3 381 618(A1)号および独国実用新案第20 2005 008125(U1)号から、適切な工具によるプレススリングとしての用途のためのプレス手段がさらに知られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
さらに、プレスインサート10は力伝達手段22を有し、ドライブプレスジョー30は力伝達要素
42a、42b(概略的に示される)を有し、この場合にはこれらの力伝達要素42は、全体がプレス輪郭14の中心とジョイント手段16との間のエリア内に設けられる。この図では、プレスジョー2はドライブプレスジョー30と水平に揃えられ、プレス工具の駆動部は水平に走る。ダブルローララムの2つのローラ31a、31bのみが、送り込み輪郭30a、30bと係合し協働するのが示される。ローラ31a、31bが
図1Aの左へ進められると、ドライブプレスジョー半体32a、32bが押し広げられ、そのため、力伝達要素42a、42b、ひいてはプレスセグメント
12a、12bが押し合わされる。その結果、フィッティングのプレスが生じる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
プレス輪郭14の軸は側面図に対して直角かつ紙面に対して直角であり、これによりプレス輪郭14の中心はプレス輪郭14の軸に、ひいては接合されるパイプの軸(図示せず)に対応する。プレスインサート10のジョイント手段16の軸の向きも、プレスジョー2の水平の向きに対して直角であり、紙面に対して直角である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
そして、プレス輪郭14の中心とジョイント手段16との間のエリアは、プレス輪郭14の軸に対して直角かつ水平方向に対して直角の描画平面内に延びる平面と、ジョイント手段16の軸に対して直角かつ水平方向に対して直角の描画平面内に延びる平面との間の空間に対応する。ドライブプレスジョー30の結合要素18a、18bに結合され、この場合には接触表面22a、22bとして形成されるプレスインサート10の結合手段42a、42bにより、プレスインサート10がドライブプレスジョー30の動作によって作動させられる。プレスインサート10は、ドライブプレスジョー半体32a、32bを押し合わせることによって開かれることができ、ドライブプレスジョー半体32a、32bの動作は、ジョイント要素36により装着され互いに対向して配置されたドライブプレスジョー半体32a、32b(概略的に示される)の両端の当接によって制限される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
力伝達手段22a、22bによっておよびドライブプレスジョーの力伝達要素(図示せず)によって生成され、プレスインサート10を圧縮する力は、2つの垂直成分8av、8bvによって形成される。2つの水平成分8ah、8bhは、ジョイント手段16の位置からプレスインサート10の概略的に示されたベアリングから離れるように向いた力8cを生じる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
次に、
図1Eおよび
図1Fは、2つのプレスセグメント112a、112bを有するプレスインサート110であって、プレスセグメント112a、112b内にプレス輪郭114が形成され、プレスセグメント112a、112bは、ジョイント手段116を介して互いに接続される、プレスインサート110を備えた、フィッティングをパイプとともにプレスするためのシステムのさらなる要素を示す。プレスインサート110は、プルジョー60のための取付手段
128a、128b、128c、128d(以下では128)をさらに含み、そのため、プルジョー60のプル手段74a、74b(概略的にのみ示される)によって、プレスインサート110を圧縮することによってフィッティングがプレスされ得る。
図1Eおよび
図1Fは、プレスインサート110がプレスループとして使用される、そのようなプレスの2つの可能性を示す。プレスインサート110は、
図1A~
図1Dに示されるようにドライブプレスジョーに支持または他のやり方で接続されない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
取付手段128a、128bは、ドライブプレスジョーの結合要素と協働する結合手段として形成されることもできる。この場合には、取付手段128a、128bは、プレスインサート110がプレスジョーインサートとしてのその機能において使用されるときと、プレススリングとしてのその機能において使用されるときとの両方で力を伝達するために働く。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
図2A~
図2Cは、特に
図1Aおよび
図1Dによるシステムのための、プレスインサート10とドライブプレスジョー30とを備えたプレスジョー2の第1の実施形態を示す。
図2Aはまずプレスジョー2を側面斜視図で示し、
図2Bはプレスジョー2を閉状態の横断面図で示し、
図2Cは開状態の横断面図で示す
。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
この実施形態では、プレスジョー2のプレスインサート10とドライブプレスジョー30とは、共通の回転軸4aの周りを枢動させられ得る。この目的のために、プレスインサート10の両方のプレスセグメント12a、12bを支持する中空ピン44が、ドライブプレスジョー30のドライブプレスジョー半体32a、32bを支持する2つの中空ピン46a、46bの間に設けられる。中空ボルト44、46a、46bの中に、ロッキングボルト50が共通の回転軸4aとしてさらに設けられる。したがって、ロッキングボルト50は、プレスインサート10をドライブプレスジョー30に枢動的に接続するために働き、また、ドライブプレスジョー半体32a、32bを枢動的に支持する。したがって、プレスインサートをドライブプレスジョー30に枢動可能に接続する接続要素52は、中空ボルト44、46a、46bおよびロッキングボルト50として形成される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
この場合には、プレスインサート210の形状は、結合手段218の間にあるプレスセグメント212a、212bの外側の部分が丸い造りであり、そのため、プレスインサート210の閉状態でプレスセグメント212a、212bのこれらの部分が共通の円の半径上にある点で、上述のプレスインサート10、110と異なる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
次に、
図9Aおよび
図9Bは、
図10Aおよび
図10Bと組み合わせて、プレスインサート210のドライブプレスジョー230との結合プロセスの間の
図7A~図7Cによるプレスジョー202を示す。
図10Aおよび
図10Bには、
図7A~図7Cによるドライブプレスジョー230が、プレスインサート210が挿入されていない状態で斜視図および側面図で示される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
プレスインサート210の結合手段218の間のプレスセグメント212a、212bの丸い形状の部分により、結合手段218を結合要素238内に結合するプレスインサート210の枢動動作が、最初にプレスインサート210をドライブプレスジョー230の水平位置から枢動させることなく円形経路上で生じることが可能になる。このような取り扱いは、使用者が実施することがより容易であり、それによってプレスインサート210のドライブプレスジョー230内への結合が改善される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
図11Aに示される斜視図および
図11Bに示される断面図では、接触表面222a、222bとして形成されたプレスインサート210の力伝達手段222がはっきりと見える。これらの接触表面222a、222bと、同じく接触表面242a、242bとして形成されたドライブプレスジョー230の力伝達要素242とが、プレスインサート210のドライブプレスジョー230への結合とは独立して二次元の力伝達を可能にする。力の伝達の間には、プレスセグメント
212a、212bの外側が接触表面242a、242bに沿って摺動し、プレスインサート210への力結合によって、プレスされるフィッティングとパイプのプレスが引き起こされる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
図12Aおよび
図12Bはまず、この場合には共通軸4aの周りに枢動可能に装着される2つのドライブプレスジョー半体332a、332bを有するドライブプレスジョー330の第3の実施形態を示す。さらに、ドライブプレスジョー330は、プレスインサート310の対応する結合手段318と解放可能に接続するための結合ピン338a、338bの形態の結合要素338を有する。ドライブプレスジョー
330のプレート350a、350b、351a、351bは、ドライブプレスジョー
330をプレスインサート310に解放可能に接続するためのジョイント手段、例えば中空ボルトおよびロッキングボルトを受け入れるための円形開口部を有する。プレスインサート310は、ドライブプレスジョー330と同じ枢動可能な軸4aの周りに装着される。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0157】
ドライブプレスジョー330とプレスインサート310との間の結合プロセスならびに力伝達は、
図2~
図4を参照して既に図解したドライブプレスジョー30とプレスインサート10とを備えたプレスジョー2の第1の実施形態と類似して実行される。例えば、ドライブプレスジョー330の力伝達要素342とプレスインサート310の力伝達手段322とは、接触表面として形成され得る。ドライブプレスジョー330のジョイント手段も、中空ピンの形態でそのように形成され得る。したがって、結合プロセスの後に、ロッキングピンが、ドライブプレスジョー330の両方の中空ピンとプレスインサート310の中空ピン344とに押し通され得る。このようにして、ロッキングピンがドライブプレスジョー330とプレスインサート
310との接続を固定し、ドライブプレスジョー330とプレスインサート310との共通の回転軸4aを形成する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0161
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0161】
ドライブプレスジョー330からプルインサート370への力の伝達は、ドライブプレスジョー330の力伝達要素342とプルインサート370の力伝達手段382とによって、プレスジョー2、102、202、302の前述の実施形態と類似してもたらされる。プルインサート370のジョイント手段376は、2つのプルインサート半体372a、372bを共通の回転軸4aの周りに枢動可能に支持する中空ピン394として形成される。回転軸4aは、ドライブプレスジョー半体332a、332bに共通の回転軸4aであり、そのため、プルインサートのジョイント手段376とドライブプレスジョーのジョイント手段とが同一軸上に枢動可能に装着される。
【国際調査報告】