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  • 特表-梱包適合方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】梱包適合方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0831 20230101AFI20240326BHJP
   G06Q 10/0832 20230101ALI20240326BHJP
   A22C 17/00 20060101ALI20240326BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240326BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20240326BHJP
【FI】
G06Q10/0831
G06Q10/0832
A22C17/00
G16Y20/20
G16Y40/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557758
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 AU2022050229
(87)【国際公開番号】W WO2022192951
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2021900779
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2021221554
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】523357555
【氏名又は名称】キルコイ パストラル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティール、ジャロッド
(72)【発明者】
【氏名】アドラー、ナイジェル
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011EA05
(57)【要約】
固有の第1のデジタル可読要素を有する梱包ラベルとデータベース内の固有の記録とを関連付けることであって、データベース内の固有の記録は、生産物に関する情報を含み、生産物、又は生産物を含む梱包に梱包ラベルを直接貼付し、容器ラベルを有する容器への2つ以上の生産物の梱包することであって、容器ラベルは、容器内に配置されることを要求された生産物を決定するために、容器デジタル可読要素を有し、容器内に位置する固有の第1のデジタル可読要素の全てを読み取り、固有の第1のデジタル可読要素に関連する固有の記録から情報を取得し、容器内に配置されることを要求された生産物に関する情報を得るために、容器デジタル可読要素を読み取り、読み取られた固有の第1のデジタル可読要素に関連付けられた固有の記録からの情報と、容器内に配置されることを要求された生産物の情報とを比較し、容器に必要な生産物が入っているかを判断し、容器が梱包適合を完了させるために要求された生産物を含んでいない場合、容器を拒絶する、ことを備える、梱包適合方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の第1のデジタル可読要素を有する梱包ラベルとデータベース内の固有の記録とを関連付け、前記データベース内の前記固有の記録は、生産物に関する情報を含み、
生産物、又は生産物を含む梱包に梱包ラベルを直接貼付し、
容器ラベルを有する容器に2つ以上の前記生産物を梱包し、前記容器ラベルは、前記容器内に配置されることを要求された前記生産物を決定するために、容器デジタル可読要素を有し、
前記容器内に位置する前記固有の第1のデジタル可読要素の全てを読み取り、前記固有の第1のデジタル可読要素に関連する前記固有の記録から情報を取得し、
前記容器内に配置されることを要求された前記生産物に関する情報を得るために、容器デジタル可読要素を読み取り、
読み取られた前記固有の第1のデジタル可読要素に関連付けられた前記固有の記録からの情報と、前記容器内に配置されることを要求された前記生産物の情報とを比較し、前記容器に必要な前記生産物が入っているかを判断し、
前記容器が梱包適合を完了させるために要求された前記生産物を含んでいない場合、前記容器を拒絶する、
梱包適合方法。
【請求項2】
前記第1のデジタル可読要素は、RFIDタグである、請求項1に記載の梱包適合方法。
【請求項3】
前記RFIDタグは、パッシブRFIDタグである、請求項2に記載の梱包適合方法。
【請求項4】
前記RFIDタグは、ヘリンボーンRFIDタグである、請求項1又は請求項2に記載の梱包適合方法。
【請求項5】
前記梱包ラベルは、第2のデジタル可読要素を含む、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項6】
前記第2のデジタル可読要素は、固有である、請求項5に記載の梱包適合方法。
【請求項7】
前記第2のデジタル可読要素は、二次元バーコードである、請求項6に記載の梱包適合方法。
【請求項8】
前記固有の第2のデジタル可読要素は、前記データベース内の記録に関連付けられる、請求項6又は請求項7に記載の梱包適合方法。
【請求項9】
前記固有の第2のデジタル可読要素は、前記固有の第1のデジタル可読要素と同じデータベース内の固有の記録に関連付けられる、請求項6~請求項8の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項10】
前記固有の第1のデジタル可読要素、及び/又は前記固有の第2のデジタル可読要素は、前記梱包ラベル上に印刷される、請求項6~請求項9の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項11】
前記固有の第1のデジタル可読要素、及び/又は固有の第2のデジタル可読要素は、前記梱包ラベル内に埋め込まれている、請求項1~請求項9の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項12】
前記固有の第1のデジタル可読要素、及び前記固有の第2のデジタル可読要素は、異なる形態である、請求項6~請求項11の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項13】
固有のコードで第1のデジタル要素を符号化し固有の第1のデジタル要素を作るために、符号化デバイスが使用されてもよい、請求項1~請求項12の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項14】
前記固有のコードは、シリアル番号であってもよい、請求項13に記載の梱包適合方法。
【請求項15】
前記符号化デバイスは、前記固有のコードを含むコンピュータシステム内のデータベース内に固有の記録を作成させる、請求項13又は請求項14に記載の梱包適合方法。
【請求項16】
前記固有の記録は、前記固有のコードに基づいて固有である、請求項13~請求項15の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項17】
前記符号化デバイスは、前記固有の第1のデジタル要素から前記固有のコードを読み取る、請求項13~請求項16の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項18】
前記第1のデジタル要素の前記読み取りコードの比較は、前記第1のデジタル要素の前記符号化が成功したかどうかを決定するために、前記データベース内に位置する前記固有の記録内に位置する前記固有のコードと比較されてもよい、請求項17に記載の梱包適合方法。
【請求項19】
前記生産物の少なくとも1つの画像は、前記梱包ラベル上の前記固有の第1のデジタル要素の前記関連する固有のコードとともに、前記データベース内の前記固有の記録に対して取得され、記憶される、請求項1~請求項18の何れか1項に記載の梱包適合方法。
【請求項20】
前記生産物の少なくとも1つの画像は、機械学習アルゴリズムを通して、前記画像を前記生産物の種類に分類する、請求項19に記載の梱包適合方法。
【請求項21】
前記機械学習アルゴリズムは、前記少なくとも1つの画像内に位置する前記生産物の種類に関する予測を行う、請求項20に記載の梱包適合方法。
【請求項22】
予測された前記生産物の種類が、前記梱包ラベルに関連付けられた前記固有の記録における前記生産物の種類と比較される、請求項21に記載の梱包適合方法。
【請求項23】
予測された前記生産物の種類と、前記梱包ラベルに関連付けられた前記固有の記録における前記生産物の種類とが一致しない場合、前記生産物及び前記梱包ラベルは、更なるレビュー及び/又は拒絶及び/又は拒絶のためにマークされる、請求項21又は請求項22に記載の梱包適合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包適合方法に関する。特に、本発明は肉産業における梱包適合方法に関し、したがって、この文脈で説明される。しかしながら、梱包適合方法は、他の産業において使用されてもよいことを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
肉産業は、消費者を保護するために適合されなければならない多くの厳しい規制を有する。これらの規制は、国によって多少異なる。ある国から別の国に肉を輸出する場合、肉を購入する国は、典型的には適合しなければならない規制を決定する。規制が満たされていない場合、輸入国は出荷の一部又は全部を拒否することができる。これは明らかに輸出者の観点からは望ましくない。
【0003】
肉産業における最も基本的な要件の1つは、箱の外側にマークされるものが、箱内に配置されなければならないことである。例えば、箱が箱内に12個の牛肉テンダーロインが存在することを示す場合、箱は、12個の牛肉テンダーロインを含まなければならない。理論的には、これは達成するのが比較的容易であるように見える。しかし、大規模食肉処理場では、1日あたり1500頭以上の牛、1日あたり10,000頭以上のヒツジを処理することができ、2000人以上の人々を雇用している。
【0004】
大部分が人的資本に依存する肉の加工及び梱包において、これは、毎日加工される肉の量が多いことを考えると、間違いが生じる可能性がある。これらの誤りは、間違った種類の肉がパケット内に配置されていること、箱内に必要な数のカットを有していないこと、又は箱内に配置された間違った切り身を有することを含むことができる。少数の誤りは、食肉処理場に実質的な経済的及び評判上の損害を引き起こす可能性がある、出荷全体の拒絶につながる可能性がある。しかし、このような人的資本集約的な運用では、ヒューマンエラーを除去することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の問題を克服及び/又は軽減し、及び/又は消費者に有用な又は商業的な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
必ずしも唯一の又は最も広い形態ではないが、一形態では、本発明は、梱包適合方法であって、固有の第1のデジタル可読要素を有する梱包ラベルとデータベース内の固有の記録とを関連付けることであって、データベース内の固有の記録は、生産物に関する情報を含み、生産物、又は生産物を含む梱包に梱包ラベルを直接貼付し、容器ラベルを有する容器への2つ以上の生産物の梱包することであって、容器ラベルは、容器内に配置されることを要求された生産物を決定するために、容器デジタル可読要素を有し、容器内に位置する固有の第1のデジタル可読要素の全てを読み取り、固有の第1のデジタル可読要素に関連する固有の記録から情報を取得し、容器内に配置されることを要求された生産物に関する情報を得るために、容器デジタル可読要素を読み取り、読み取られた固有の第1のデジタル可読要素に関連付けられた固有の記録からの情報と、容器内に配置されることを要求された生産物の情報とを比較し、容器に必要な生産物が入っているかを判断し、容器が梱包適合を完了させるために要求された生産物を含んでいない場合、容器を拒絶する。
【0007】
第1のデジタル可読要素は、RFIDタグを備えることができる。RFIDタグは、パッシブRFIDタグであってもよい。RFIDタグは、ヘリンボーンRFIDタグであってもよい。
【0008】
梱包ラベルは、第2のデジタル可読要素を含むことができる。第2のデジタル可読要素は固有であってもよい。第2のデジタル可読要素は、バーコードを含むことができる。バーコードは、二次元バーコードであってもよい。二次元バーコードは、QRコードであってもよい。
【0009】
固有の第2のデジタル可読要素は、データベース内の記録に関連付けられてもよい。通常、固有の第2のデジタル可読要素は、固有の第1のデジタル可読要素と同じデータベース内の固有の記録に関連付けられ得る。
【0010】
固有の第1のデジタル可読要素及び/又は固有の第2のデジタル可読要素は、梱包ラベル上に印刷されてもよい。あるいは、固有の第1のデジタル可読要素及び/又は固有の第2のデジタル可読要素は、梱包ラベル内に埋め込まれてもよい。好ましくは、固有の第1のデジタル可読要素及び固有の第2のデジタル可読要素は、異なる形態である。
【0011】
符号化デバイスは、固有の第1のデジタル要素を作るために、固有のコードで第1のデジタル要素を符号化するために使用されてもよい。固有のコードは、シリアル番号であってもよい。符号化装置は、固有のコードを含むコンピュータシステム内のデータベースに固有の記録を作成させることができる。固有の記録は、固有のコードに基づいて固有であり得る。
【0012】
符号化デバイスは、固有の第1のデジタル要素から固有のコードを読み取ることができる。第1のデジタル要素の読み取りコードの比較は、第1のデジタル要素の符号化が成功したかどうかを決定するために、データベース内に位置する固有の記録内に位置する固有のコードと比較されてもよい。
【0013】
プロデュースの画像は、梱包ラベル上の固有の第1のデジタル要素の関連する固有のコードとともに、データベース内の固有の記録に対して取得され、記憶されてもよい。
【0014】
生産物の画像は、画像を生産物の種類に分類するために、機械学習アルゴリズムに通されてもよい。機械学習アルゴリズムは、画像内に位置する生成物の種類に関する予測してもよい。予測された生産物の種類は、梱包ラベルに関連付けられた固有の記録内の生産物の種類と比較されてもよい。生産物の予測される種類と、梱包ラベルに関連付けられた固有の記録における生産物の種類とが一致しないとき、生産物及び梱包ラベルは、さらなるレビュー及び/又は拒絶のためにマークされてもよい。さらなるレビューは、生産物を手動でチェックすることを含んでもよい。
【0015】
本発明のさらなる特徴は、以下の詳細な説明から明らかになるのであろう。
【0016】
本発明の実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態による梱包方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、正確な肉の切り身を梱包するための梱包方法の概略図を示し、この方法は、必要とされるパラメータを用いて購入者に送達される。さらに、この方法は、購入者及び輸出者が肉の切り身を認証することを可能にする。
【0019】
[梱包ラベル]
梱包行程の第1のステップは、一連の空白の印刷可能な梱包ラベルを製造することである。梱包ラベルは、紙製であってもよい。しかしながら、梱包ラベルは、合成ベースである他の材料から作製されてもよいことが、当業者によって理解されるのであろう。各梱包ラベルは、その前面は空白であり、接着剤の裏面を有する。ヘリングボーンRFIDタグは、梱包ラベルにはめ込まれている。各梱包ラベルは、そのそれぞれのRFIDタグが符号化されていない状態で始まる。
【0020】
一連のプリンタは、データベースを収容するコンピュータシステムに接続される。プリンタ及びコンピュータシステムはコンピュータシステムとプリンタとの間で接続され、データを通信することができ、その逆も可能である。
【0021】
各梱包ラベルは、使用前にプリンタを通過する。プリンタは、BarTender(登録商標)などのラベル付けソフトウェアによって制御される。ラベル付けソフトウェアは、プリンタ、プリンタとデータベースを収容するコンピュータシステムとは別のコンピュータシステム、又はデータベースを収容する同じコンピュータシステムに収容することができることが理解されるのであろう。
【0022】
梱包ラベルがプリンタに通されると、プリンタは、肉の切り身の名前、及び梱包ラベルの前面上の製造日などの生産物識別要素を印刷する。顧客及び市場アクセス要件に応じて、梱包ラベル上に印刷され得る任意の数の梱包ラベルテンプレートが存在し得ることが、当業者によって理解される。生産物識別要素及び梱包ラベルテンプレートは、すべて、ラベリングソフトウェアによって制御される。
【0023】
QRコードの形態の二次元バーコードも、ラベル付けソフトウェアによって制御される梱包ラベルの前面に印刷される。このQRコードは、システム生成のユニバーサルユニーク識別子(UUID)を有し、このユニバーサルユニーク識別子(UUID)は、ウェブサイトプレフィックスと共に埋め込まれて、以下で説明するウェブリンクを形成する。UUIDは、特定の梱包ラベルの記録にも取り込まれる。
【0024】
梱包ラベルがプリンタによって印刷されるとき、RFIDタグは、ラベリングソフトウェアによって決定される固有のシリアル番号で符号化される。梱包ラベルの識別要素は、また、梱包ラベル上に印刷されたRFIDタグのシリアル番号を有する。RFIDタグの符号化試行が完了すると、RFIDタグのシリアル番号がプリンタによって読み取られる。
【0025】
読み取られたシリアル番号がラベリングソフトウェアによって提供されたシリアル番号と一致する場合、データベース内の記録が作成される。この記録は、ラベル上に位置する生産物要素、RFIDタグのUUID及びシリアル番号、ならびにラベルが印刷された日時を含む。
【0026】
データベース内の記録内のシリアル番号がラベリングソフトウェアによって割り当てられたシリアル番号と一致しない場合、これは、RFIDタグの符号化も失敗したことを示す。次いで、梱包ラベルは、通常の識別要素ではなく、プリンタによって取り消し線でマークされる。その後、梱包ラベルは廃棄され、関連する記録はデータベースに作成されない。
【0027】
[ラベルの適用]
ラベルが印刷され、RFIDシリアル番号及びUUIDが記録に関連付けられると、肉の特定の切り身に関連する識別要素を有する梱包ラベルのセットが、肉のその切り身のための除骨室内の関連テーブルに配送される。特定の肉の切り身は、屠体から作られるので、除骨作業者は、肉の切り身を袋に入れ、梱包ラベルを袋に貼り付ける。次いで、肉の袋カットは、密封行程を通過し、この密封行程は、袋を真空密封し、袋を高温洗浄液に通過させて、袋の過剰を収縮させる。
【0028】
[登録と画像撮影]
密封行程に従い、肉の梱包された切り身は、位置合わせ及び画像撮影ステーションを通過する。この登録は、RFIDリーダと、プライマル片に焦点を合わせたカメラとで構成される。肉の切り身が登録ステーションを通過するとき、RFIDシリアル番号は、RFIDリーダを使用して梱包ラベルから読み取られる。画像は、肉の切り身の複数の角度から、例えば、直前にオーバーヘッドし、後にオフセットして、カメラによって撮影される。RFIDシリアル番号は、データベース内の記録を識別するために使用される。
【0029】
QRコードは、UUIDを取得するために取得されたラベルから写真画像から読み取られる。読み取られたUUIDは、スキャンされたRFIDシリアル番号によって識別される記録に関連付けられたUUIDと照合され、UUIDが記録に正しく関連付けられているかどうかを判定する。
【0030】
RFIDタグが走査されると、記録は、走査が行われた登録ステーションによって更新される。データベースでは、このRFIDシリアル番号は「アクティブ」とマークされる。アクティブ状態は、シリアル番号がRFIDタグ上にエンコードされており、その梱包ラベルが肉の切り身に貼り付けられていることを示す。
【0031】
肉の切り身の画像は、RFIDタグの関連するシリアル番号及び梱包ラベル上のUUIDと共にデータベース内の記録に対して記憶される。画像の処理は、OpenCVプラットフォームを使用して行われ、十分な品質標準(例えば、ショット内の複数のピース/生産物の不良定義)ではない画像が除外されることを可能にする。
【0032】
[画像の分類]
梱包ラベルが袋に貼付される場合、誤った生産物識別要素を有する梱包ラベルが使用されたリスクがある。すべての画像は、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure(SageMakerなど)などの大手クラウドプロバイダから市販の処理アルゴリズムを利用して、画像を肉切りの種類に分類する機械学習アルゴリズムに通される。この評価によって、機械学習アルゴリズムは、画像内にある肉の切り身に関する予測を行うことができる。予測された肉の切り身は、ラベルに関連付けられた記録内の肉の切り身の種類と比較される。この比較は、不正確に適用されたラベルを識別するのに役立つ。
【0033】
誤った梱包ラベルが識別されると、コンピュータシステムは可聴及び視覚警告を作動させて、肉片のその切り身の梱包を停止し、再ラベル付け/再加工を含み得る更なるレビューのためにそれを送るために使用される。
【0034】
[重量と段ボール箱ラベル]
登録及び画像撮影ステーションを通過した後、関連する梱包ラベルを有する梱包された肉切り身は保管、冷却、及び販売/輸送のために、物流段ボール箱に入れられる。同じカット種類の複数のピースを手作業で段ボール箱に入れ、次いでこの段ボール箱を計量し、ラベル付け及び計量ステーションでラベル付けする。段ボール箱が計量及びラベリングのために送られるとき、段ボール箱情報もデータベースに送られる。段ボール箱ラベルは、グローバル貿易品目番号(GTIN)、製造日、個数、及び生産物重量などの生産物情報などの情報を含む。この情報は、段ボール箱ラベル上に位置するバーコードに関連付けられる。段ボール箱ラベルは、物流ソフトウェアによって制御されるプリンタ上に印刷される。物流ソフトウェアは、データベースと同じ又は別個のコンピュータシステム上に配置されてもよい。
【0035】
[RFID適合ステーション]
各段ボール箱は、適合チェックステーションを通過して、段ボール箱ラベル上の情報が段ボール箱内の肉の切れ目と一致することをチェックする。適合チェックステーションは、段ボール箱の上下両方に、いくつかのRFIDスキャナを備える。通常、段ボール箱の上方に2つ又は3つのRFIDスキャナが配置され、段ボール箱の下方に2つ又は3つのRFIDスキャナが配置され、可能な限り段ボール箱の中心線に近接して配置され、スキャナとそれぞれの段ボール箱上部又は段ボール箱底部との間に最小限のクリアランスを有する。
【0036】
段ボール箱が適合チェックステーションを通過すると、バーコードスキャナが段ボール箱ラベルのバーコードを読み取る。RFIDスキャナは、段ボール箱が適合チェックステーションに入るときに、段ボール箱内に位置するRFIDタグのすべてのRFIDシリアル番号のすべてを走査し始める。
【0037】
スキャン中、RFIDスキャナは、適合チェックステーション内の段ボール箱内の全てのRFIDタグを検索するように構成される。RFIDタグが読み取られると、相反信号がRFIDタグに送信され、適合チェックステーション内にある間のさらなる通信を抑制する。このようにして、段ボール箱内の読み取りがより困難な場所(例えば、より多くの肉の下)に配置されたRFIDタグは、RFIDスキャナと通信するより大きな機会が与えられる。
【0038】
段ボール箱が適合チェックステーションを出ると、段ボール箱内から読み取られたRFIDタグの全てのシリアル番号、及び段ボール箱バーコードから得られた情報は、処理のためにコンピュータシステム上のデータベースに送られる。
【0039】
処理は、段ボール箱ラベルによって供給される情報に対して最初に動作するルールエンジンを通して実行される。ルールエンジン内にあるルールは、梱包の適合を保証するために、データベースに含まれる情報に適用される。このルールセットは、時間の経過とともに追加又は変更できる。梱包の適合を保証するルールには、次のものが含まれる。
肉片の個数-段ボール箱ラベルの印刷と、段ボール箱スキャン内のRFIDタグの数とが一致するか。
肉片のアクティブ-全てのRFIDタグは、ラベル付け及び計量ステーションでスキャンされる前に、登録ステーションでアクティブとしてマークされているか。
肉片の種類-RFIDタグに関連付けられたデータベース内の記録内の肉の切り身に関する全ての生産物情報は、段ボール箱ラベルのものと一致するか(例えば、全て同じ種類の肉の切り身と保持種類-冷蔵又は冷凍)。
日付チェック-RFIDタグに関連付けられたデータベースの記録内の生産日付に関するすべての生産物情報が、段ボール箱ラベルの情報と一致するか。
【0040】
選択されたビジネスルールは、段ボール箱がリジェクトステーションに到着する前に適合チェックステーションを出るときに、リアルタイムで自動的に評価される。これらのルールのいずれかが失敗した場合、それは不適合、すなわち、失敗を示し、段ボール箱は拒否としてデータベース内にタグ付けされる。この拒否指定は、コンピュータシステムによって、特定の段ボール箱を参照して生産システムに供給される。生産システムは、生産物が不合格品であることを知らされており、段ボール箱を生産から物理的に除去する。
【0041】
オペレータは、どのビジネスルールが失敗したか、したがって、適合を確実にするためにどの再加工アクションが必要とされ得るかについて、生産画面上のメッセージによって通知される。
【0042】
[顧客レビュー-QR検証]
QRコードがデータベース内の記録に関連付けられると、QRを使用して記録にアクセスすることができる。これは、顧客の観点から有用である。携帯電話などの電子走査装置上でQRコードを走査することによって、ウェブブリンクが利用可能である。このウェブリンクは、インターネットを介してデータベースに接続されたウェブサイトに関連付けられている。QRコードは埋め込まれた肉の個々の切り身に関連付けられたラベルのUUIDを有するので、ウェブサイトは、以下のような肉の切り身に関する情報を顧客に示すページを生成する。
切り身の名前など他の生産物情報、
特定工場からの切り身を示す出所情報、
製造日、
肉の切り身の写真。
【0043】
また、スキャン情報は、データベース内のそれぞれの記録にキャプチャされ、肉の切り身に関連付けられたラベルがQRスキャンされたことを示す。このスキャン情報は、スキャンの頻度及びソース位置の分析を通して、任意の偽造及びグレーマーケット活動を識別するために使用され得る。
【0044】
UUIDを読み取ることができない場合、その旨を示すメッセージが表示される。
【0045】
上記の解決策によって、正しいラベルが個々の肉の切り身上にあり、正しい肉の切り身が段ボール箱内にあり、肉の切り身及び段ボール箱上のすべての梱包ラベル情報が整列されていることを主張することができる。さらに、肉を含み、梱包ラベルを有する密封された梱包に関する情報は、インターネットにアクセスできる世界中の任意の目的地から見ることができる。
【0046】
本明細書では用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、又は同様の用語は非排他的な包含を意味することを意図し、その結果、要素のリストを含むシステム、方法、又は装置はそれらの要素のみを含まず、列挙されていない他の要素を十分に含み得る。
【0047】
本明細書では、上向き、下向き、水平、及び垂直などの用語、ならびにそれらの文法的派生語は、その通常の向きで本発明を説明するために使用され、本発明を任意の特定の向きに限定すると解釈されるべきではない。
【0048】
本明細書における任意の従来技術への言及は、従来技術が共通の一般知識の一部を形成することの承認又は任意の形態の示唆ではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0049】
本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に様々な他の変更及び修正を行うことができることを理解されたい。
図1
【国際調査報告】