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特表2024-514443エアロゾル生成物品及びそれを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240326BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240326BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20240326BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
A24C5/01
A24D1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558510
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2022060590
(87)【国際公開番号】W WO2022223712
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】21170095.0
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ライト,アレック
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ,プラナブ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B144
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB14
4B045AB16
4B144CB32
4B144CG01
4B144CL07
4B144CM01
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC06
4B162AC12
(57)【要約】
エアロゾル生成デバイス(102)と共に使用するためのエアロゾル生成物品(1、2、3)は、略平面状エアロゾル生成基材(14)と、略平面状エアロゾル生成物品を形成するように略平面状エアロゾル生成基材(14)を取り囲む包装部材(22)と、を含む。包装部材(22)は、エアロゾル生成基材(14)の一部と整列されたウィンドウ(16)を含み、任意選択でウィンドウ(16)を覆う除去可能部(30)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイス(102)と共に使用するためのエアロゾル生成物品(1、2、3)であって、
略平面状エアロゾル生成基材(14)と、
略平面状エアロゾル生成物品を形成するように前記略平面状エアロゾル生成基材(14)を取り囲む包装部材(22)と
を備え、
前記包装部材(22)が、前記エアロゾル生成基材(14)の一部と整列されたウィンドウ(16)を含む、
エアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記包装部材(22)が、シート材を含み、
前記ウィンドウ(16)が、前記シート材で形成されたダイカット部(18)を含む、
請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記エアロゾル生成基材(14)が、主面(14a)を含み、
前記ウィンドウ(16)が、前記主面(14a)に隣接して配置され、
前記主面(14a)の面積より小さい面積を有する、
請求項1又は2に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記包装部材(22)が、前記エアロゾル生成基材(14)の端部を越えて延長して、前記物品の口端部(34)を形成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記包装部材(22)が、前記ウィンドウ(16)を覆う除去可能部(30)及び前記除去可能部(16)の外縁を画定する1つ又は複数の脆弱線(32)を含み、
前記除去可能部(16)が、エアロゾル生成デバイス(102)内の前記エアロゾル生成物品の使用前にユーザによって除去可能である、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記1つ又は複数の脆弱線(32)が、1つ又は複数の穿孔(36)を含む、
請求項5に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記略平面状エアロゾル生成基材(14)が、主面の対(14a、14b)を有する平坦長方形状を有し、
前記包装部材(22)が、前記主面の対(14a、14b)にそれぞれ付着された長方形シートの対(24、26)を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記エアロゾル生成物品が、前記物品の口端部(34)を形成する支持部材(28)を含み、
前記支持部材(28)が、前記エアロゾル生成基材(14)の下流端を受け入れるための管形状を有する、
請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記包装部材(22)が、
凝縮物を吸収するために前記エアロゾル生成基材(14)の方を向いている多孔質内側面(22a)と、
前記エアロゾル生成基材(14)から外方を向いている固着防止外側面(22b)と
を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
前記包装部材(22)が、前記外側面(22b)上に固着防止コーティングを含む、
請求項9に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項11】
エアロゾル生成デバイス(102)と共に使用するためのエアロゾル生成物品(1、2、3)を製造する方法であって、
略平面状エアロゾル生成基材(14)を提供することと、
ウィンドウ(16)を含む包装部材(22)を提供することと、
略平面状エアロゾル生成物品を形成するために前記略平面状エアロゾル生成基材(14)を前記包装部材(22)で包装すること、及び前記包装部材(22)内の前記ウィンドウ(16)を前記エアロゾル生成基材(14)の一部と整列させることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル生成物品に関し、より詳細には、エアロゾル生成物品を加熱して、ユーザが吸入するためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品に関する。本開示の実施形態は、また、エアロゾル生成物品を製造する方法に関する。本開示は、特に、携帯型(手持ち式)エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル生成デバイス又は蒸気生成デバイスとしても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用は、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして急速に成長している。エアロゾル生成基材を加熱又は加温して、ユーザが吸入するためのエアロゾルを生成する様々なデバイス及びシステムが入手可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル生成デバイス、即ち、いわゆる非燃焼加熱式デバイスである。この種類のデバイスは、エアロゾル生成基材を典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル生成基材を燃焼させるか又は燃やすことなく、エアロゾル生成基材をこの範囲内の温度に加熱すると、蒸気が生成され、蒸気は、典型的には冷却及び凝縮されて、デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する。
【0004】
現在入手可能なエアロゾル生成デバイスは、抵抗加熱素子を利用する抵抗加熱並びに誘導コイル及び誘導加熱サセプタの形態の加熱素子を利用する誘導加熱を含む、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用してエアロゾル生成基材に熱を与えることができる。
【0005】
エアロゾル生成基材を加熱するためにどの手法が使用されても、エアロゾル生成デバイスによって生成されるエアロゾルの特性は、エアロゾル生成デバイスと共に用いられるエアロゾル生成物品の構造を含む、いくつかの要因に依存する。したがって、物品の使用中に生成されるエアロゾルの特性を最適化することを可能にし、同時にエアロゾル生成デバイスと組み合わせて使用することが容易である、エアロゾル生成物品を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品であって、エアロゾル生成物品が、
略平面状エアロゾル生成基材と、
略平面状エアロゾル生成物品を形成するように略平面状エアロゾル生成基材を取り囲む包装部材と、
を含み、
包装部材が、エアロゾル生成基材の一部と整列されたウィンドウを含む、エアロゾル生成物品が提供される。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品を製造する方法であって、方法が、
略平面状エアロゾル生成基材を提供することと、
ウィンドウを含む包装部材を提供することと、
略平面状エアロゾル生成物品を形成するために略平面状エアロゾル生成基材を包装部材で包装すること、及び包装部材内のウィンドウをエアロゾル生成基材の一部と整列させることと、
を含む、方法が提供される。
【0008】
包装するステップ及び整列するステップは、任意の順序で実行され得る。例えば、方法は、まず最初に、包装部材内のウィンドウをエアロゾル生成基材の一部と整列すること、及び次に、略平面状エアロゾル生成物品を形成するために略平面状エアロゾル生成基材を包装部材で包装することを含んでもよく、又はその逆であってもよい。
【0009】
エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成基材を燃焼させることなくエアロゾル生成基材を加熱して、エアロゾル生成基材の少なくとも1つの成分を揮発させ、それにより、冷却及び凝縮されてエアロゾル生成デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する加熱蒸気を生成させるために、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのものである。エアロゾル生成デバイスは、手持ち式の携帯型デバイスである。
【0010】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮することができることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中に微細な固体粒子又は液滴が浮遊しているものである。しかしながら、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特にユーザが吸入するために生成される吸入可能媒体の形態に関して、本明細書では同義で使用され得ることに留意されたい。
【0011】
エアロゾル生成基材の一部と整列される、包装部材内のウィンドウを設けることによって、エアロゾル生成デバイスのヒータからエアロゾル生成基材への熱伝達が改善される場合があり、それにより、エアロゾル生成基材をより効率的且つより急速に加熱することが可能となる。例えば、ウィンドウによって、エアロゾル生成基材がエアロゾル生成デバイスのヒータに直接接触することが可能となり得る。これは、蒸気がより容易に生成され得ることを保証し、エアロゾル生成デバイスのエネルギー効率を改善することに役立ち得る。
【0012】
包装部材は、シート材を含んでもよく、ウィンドウは、シート材で形成されたダイカット部を含んでもよい。ウィンドウは、例えばダイカット動作によって、シート材で容易に形成され、且つエアロゾル生成物品の製造中にエアロゾル生成基材の一部と容易に整列させ得る。
【0013】
エアロゾル生成基材は、主面を含み得る。ウィンドウは、主面の一部の上を覆う(即ち、主面の一部に対して平坦に置く)ように主面に隣接して配置されてもよく、主面の面積より小さな面積を有してもよい。これにより、エアロゾル生成基材がウィンドウを通過することができず、包装部材の内側の定位置に確実に留まることが保証される。
【0014】
包装部材は、エアロゾル生成基材の端部を越えて延長して、物品の口端部を形成し得る。包装部材の延長領域は、エアロゾル生成物品の使用中に生成された加熱蒸気が、冷却及び凝縮されてユーザが吸入するための最適な特性を有するエアロゾルを形成することを可能にし得る。
【0015】
包装部材は、ウィンドウを覆い得る除去可能部を含み得る。包装部材は、除去可能部の外縁を画定する1つ又は複数の脆弱線を含み得る。除去可能部は、エアロゾル生成デバイス内のエアロゾル生成物品の使用前にユーザによって除去可能であり得る。除去可能部は、エアロゾル生成物品の使用前にエアロゾル生成基材を保護することに役立ち、包装部材の内側の定位置にエアロゾル生成基材を確実に維持することに役立ち得る。除去可能部は、エアロゾル生成物品の使用前にユーザによって容易に除去されてもよく、例えば、エアロゾル生成基材とエアロゾル生成デバイスのヒータとの間の直接接触が実現され得ることを保証する。
【0016】
1つ又は複数の脆弱線は、1つ又は複数の穿孔を含み得る。除去可能部は、したがって、例えば引き剥がすことによって容易に除去され、破棄され得る。
【0017】
略平面状エアロゾル生成基材は、一対の主面を有し得る平坦長方形状を有し得る。包装部材は、主面の対にそれぞれ付着され得る一対の長方形シートを含み得る。エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成基材の平坦長方形状によって、心地よい審美的外観を有し得る。エアロゾル生成基材の主要部分は、包装部材によって容易に覆われてもよく、それにより、ユーザがエアロゾル生成物品の取り扱い中にエアロゾル生成基材に直接触れないことを保証する。平坦長方形状によって、複数のエアロゾル生成物品の包装及び貯蔵も容易になり得る。
【0018】
エアロゾル生成物品は、物品の口端部を形成し得る支持部材を含み得る。支持部材は、エアロゾル生成基材の下流端を受け入れるための、管形状、例えば長方形管形状を有し得る。支持部材は、自己支持形であってもよく、例えば、厚紙又はプラスチック材を含んでもよい。支持部材は、有利なことに、物品の使用中に生成された蒸気及び/又はエアロゾルをユーザの口に直接送出し得る。支持部材は、エアロゾル生成物品の使用中に生成された加熱蒸気が、冷却及び凝縮されてユーザが吸入するための最適な特性を有するエアロゾルを形成することを可能にし得る。
【0019】
包装部材は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含んでもよく、例えば包装紙を含んでもよい。包装紙の使用により、エアロゾル生成物品の製造及び取り扱いが容易になる可能性があり、エアロゾルの生成が強化される可能性がある。
【0020】
包装部材は、凝縮物を吸収するためのエアロゾル生成基材の方を向いている多孔質内側面を有し得る。多孔質内側面は、エアロゾル生成デバイスの内側面上における凝縮体の形成が、実質的に排除され、又は少なくとも最小化されることを保証することに役立ち得る。包装部材は、エアロゾル生成基材から外方を向き得る固着防止外側面を有し得る。例えば、包装部材は、外側面上に固着防止コーティングを含み得る。固着防止外側面は、エアロゾル生成デバイスが加熱されているときにエアロゾル生成デバイスの表面に包装部材が固着しないことを保証することに役立ち得る。合わせて、多孔質内側面及び固着防止外側面は、エアロゾル生成デバイス内の残留物蓄積を減少させることに役立ち、したがって、デバイスのユーザが行わなければならないことがある洗浄及びメンテナンス動作の回数を減少させ得る。
【0021】
エアロゾル生成基材は、非液体エアロゾル生成材料、例えば任意の種類の固体又は半固体材料を含んでもよい。エアロゾル生成固体の例示的な種類には、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料又はシートが含まれる。エアロゾル生成基材は、植物由来の材料を含んでもよく、特にタバコを含んでもよい。それは、有利なことに、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含み得る。
【0022】
したがって、エアロゾル生成物品が一緒に使用されることを意図したエアロゾル生成デバイスを、「加熱式タバコデバイス」、「加熱非燃焼式タバコデバイス」、「タバコ製品気化用デバイス」などと呼ぶことができ、これらの効果を実現するのに適したデバイスとして解釈される。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル生成基材を気化させるように設計されたデバイスに等しく適用可能である。
【0023】
エアロゾル生成基材は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成材の例には、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が含まれる。典型的には、エアロゾル生成基材は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基材は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。
【0024】
エアロゾル生成物品は、ヒータを含む電動式エアロゾル生成デバイスと共に使用するために構成され得る。ヒータは、抵抗ヒータであってもよく、又は誘導ヒータであってもよい。エアロゾル生成基材は、加熱されると、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン、又はタバコ香味料などの香味化合物を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】エアロゾル生成物品の第1の例の概略縦方向断面図である。
図2図1の線A-Aに沿った概略断面図である。
図3】エアロゾル生成物品の第2の例の概略縦方向断面図である。
図4図1及び図2に示されるエアロゾル生成物品の第1の例を製造する方法の概略図である。
図5】エアロゾル生成物品の第3の例を製造する方法の概略図である。
図6】本開示によるエアロゾル生成デバイス及びエアロゾル生成物品を含むエアロゾル生成システムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、本開示の実施形態について、単なる例として添付の図面を参照して説明する。
【0027】
まず始めに図1及び図2を参照すると、電動式エアロゾル生成デバイス102と共に使用するためのエアロゾル生成物品1の第1の例が示されており、エアロゾル生成デバイス102の例については、図6を参照して本明細書で後述する。エアロゾル生成物品1は、略平面状であり、遠位端10及びエアロゾル生成物品1の反対端の口側端12(又は近位端)を有する。口側端12は、図1において3つの矢印で表される、エアロゾル生成物品1を通る気流方向に対して遠位端10の下流である。縦軸は、遠位端10と口側端12との間に延びて、エアロゾル生成物品1の縦方向を定義する。
【0028】
エアロゾル生成物品1は、略平面状エアロゾル生成基材14を含む。エアロゾル生成基材14は、多量若しくは多数のエアロゾル生成材料又は複数のエアロゾル生成ストリップを含んでもよく、対向配置された主面14a、14bの対を有する平坦長方形状を有する。エアロゾル生成物品1は、消耗品又は使い捨て品であり、その中のエアロゾル生成基材14は、タバコ又はタバコ材を含み得る。
【0029】
エアロゾル生成物品1は、略平面状エアロゾル生成物品1を形成するように略平面状エアロゾル生成基材14を取り囲む包装部材22を含む。包装部材22は、例えば、タバコ紙又は類似の材料を含み得る。包装部材22は、エアロゾル生成基材14の主面14a、14bにそれぞれ付着された長方形シート24、26の対を含む。長方形シート24、26は、典型的には、単一シートの材料で形成され、それは、エアロゾル生成基材14の周囲に巻かれ、エアロゾル生成基材14の周囲の定位置に包装部材22を固定するために、封止領域20(図4cを参照)において互いに接着される、重なり合うエッジを有し得る。
【0030】
例示的且つ非限定的な例において、エアロゾル生成基材14は、約18.0mmの(エアロゾル生成物品1の縦方向の)長さを有してもよく、約11.8mmの幅を有してもよく、約1.2mmの厚さ(又は奥行き)を有してもよい。エアロゾル生成基材14は、図1に示されるように、短い距離、例えば約3.0mmだけエアロゾル生成物品1の遠位端10から内側に間隔が置かれ得る。エアロゾル生成物品1は、包装部材22の内側にエアロゾル生成基材14を収容するために、約12.0mmの幅及び約1.4mmの厚さ(又は奥行き)を有し得る。エアロゾル生成物品1は、エアロゾル生成基材14の下流端と口側端12との間に延びる部分の包装部材22の長さを変化させることによって、遠位端10と口側端12との間に任意の適当な長さを有し得る。エアロゾル生成基材14の下流端を越えて延長する包装部材22の部分は、エアロゾル生成物品1の口端部34を形成し得る。エアロゾル生成デバイス102内のエアロゾル生成物品1の使用中に、蒸気が包装部材22のこの延長部分を通って流れると、蒸気が冷却及び凝縮されて、ユーザが吸入するためのエアロゾルを形成し得る。したがって、エアロゾル生成基材14の下流端を越えて延長する部分の包装部材22の長さは、所望の特性を有するエアロゾルを提供するために製造時に選択され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、包装部材22は、エアロゾル生成基材14の方を向き、加熱プロセス中に形成され得る凝縮物を吸収することが可能な、多孔質内側面22aを含む。代替的に、又は加えて、包装部材22は、エアロゾル生成デバイス102が加熱されているときに包装部材22がエアロゾル生成デバイス102の表面に固着するリスクを低下させるために、エアロゾル生成基材14から外方を向いている固着防止外側面22bを含み得る。固着防止外側面22bは、包装部材22の外側面22b上に固着コーティングを含み得る。
【0032】
包装部材22は、エアロゾル生成基材14の一部と整列されたウィンドウ16を含む。図1及び図2に示されるエアロゾル生成物品1の第1の例では、ウィンドウ16は、包装部材22、例えば長方形シート24に形成されたダイカット部18を含む。ダイカット部18は、製造時に開かれるウィンドウ16を設ける。ウィンドウ16は、エアロゾル生成基材14の主面14aに隣接して配置され(即ち、主面14a上を覆い)、エアロゾル生成基材14の主面14aを露出する。ウィンドウ16の面積は、エアロゾル生成基材14の主面14aの面積より小さく、したがって主面14aの一部の上を覆う。エアロゾル生成基材14は、したがって、ウィンドウ16を通過することができず、包装部材22によって定位置に確実に維持される。
【0033】
ここで図3を参照すると、エアロゾル生成物品2の第2の例が示されている。エアロゾル生成物品2は、図1及び図2を参照して上述したエアロゾル生成物品1に類似しており、対応する特徴は、同じ参照番号を使用して識別される。
【0034】
エアロゾル生成物品2は、エアロゾル生成デバイス102内のエアロゾル生成物品2の使用中にユーザの唇で係合され得る口端部34を形成するために、エアロゾル生成物品3の口側端12に位置する支持部材28を含む。支持部材28は、典型的には、厚紙又はプラスチック材などの自己支持材を含み、エアロゾル生成基材14の下流端を受け入れるように、断面で見ると長方形管形状を有する。包装部材22は、支持部材28も取り囲む。
【0035】
ここで図4a~図4dを参照すると、図1及び図2を参照して上述したエアロゾル生成物品1の第1の例を製造するための方法の例が示されている。図4aに示される第1のステップにおいて、方法は、略平面状エアロゾル生成基材14を提供することと、上述の通りダイカット部18の形態のウィンドウ16を含む包装部材22を提供することと、を含む。エアロゾル生成基材14及び包装部材22は、次いで、図4bに示されるように、ウィンドウ16がエアロゾル生成基材14の一部と整列されるように互いに対して配置される。上述の通り、ウィンドウ16の面積は、エアロゾル生成基材14の主面14a、14bの面積より小さく、したがってエアロゾル生成基材14がウィンドウ16を通過することを妨げる。包装部材22は、次いで、図4cに示されるようにエアロゾル生成基材14の周囲に巻かれ、ウィンドウ16がエアロゾル生成基材14と整列された状態のままで、略平面状エアロゾル生成物品1を形成することを保証する。包装部材22の重なり合うエッジが、図4cに示されるように封止領域20において互いに接着されて、包装部材22がエアロゾル生成基材14の周囲の定位置に固定されることを確実にし得る。図4dは、図4cに示されるものに対して反対側からの、最終的なエアロゾル生成物品1の(図1に類似した)概略図である。
【0036】
ここで図5a~図5dを参照すると、図5dにおいて最もよく分かるエアロゾル生成物品3の第3の例を製造するための方法の例が示されている。図5aに示される第1のステップにおいて、方法は、略平面状エアロゾル生成基材14を提供することと、ウィンドウ16を含む包装部材22を提供することと、を含む。この例では、包装部材22は、ウィンドウ16を覆う除去可能部30を含む。除去可能部30の外縁は、穿孔36の形態の脆弱線32によって画定される。エアロゾル生成基材14及び(除去可能部30のある)包装部材22は、次いで、図5bに示されるように、ウィンドウ16(より具体的には除去可能部30)がエアロゾル生成基材14の一部と整列されるように互いに対して配置される。上述の通り、ウィンドウ16(より具体的には、除去可能部30)の面積は、エアロゾル生成基材14の主面14a、14bの面積より小さく、それによってウィンドウ16が主面14a、14bの一部の上を覆い、したがって、除去可能部30を除去した後でエアロゾル生成基材14がウィンドウ16を通過することを妨げる。包装部材22は、次いで、図5cに示されるようにエアロゾル生成基材14の周囲に巻かれ、ウィンドウ16(より具体的には、除去可能部30)がエアロゾル生成基材14と整列された状態のままで、略平面状エアロゾル生成物品3を形成することを保証する。包装部材22の重なり合うエッジが、図5cに示されるように封止領域20において互いに接着されて、包装部材22がエアロゾル生成基材14の周囲の定位置に固定されることを保証し得る。図5dは、除去可能部30が除去されてない状態で、図5cに示されるものに対して反対側からの最終的なエアロゾル生成物品3を示している。エアロゾル生成デバイス102内のエアロゾル生成物品3の使用前に、除去可能部30はユーザによって除去されてウィンドウ16が形成され、それによりウィンドウ16の下の部分のエアロゾル生成基材14が露出される。穿孔36又は類似の脆弱線32によって、除去可能部30が容易に引き剥がされることが可能となる一方で、包装部材22の残りの部分は元のままの状態である。
【0037】
ここで図6を参照すると、エアロゾル生成デバイス102と、図1及び図2を参照して上述したエアロゾル生成物品1の第1の例とを含むエアロゾル生成システム100が示されている。エアロゾル生成デバイス102は、図3及び図5a~図5dを参照して上述したエアロゾル生成物品2、3の第2の例又は第3の例などの本開示による代替のエアロゾル生成物品と組み合わせて使用され得ることを理解されたい。
【0038】
エアロゾル生成デバイス102は、受け入れチャンバ106と、受け入れチャンバ106に熱を与えるためにデバイス本体108内に位置するヒータ104と、を含む。ヒータ104は、抵抗ヒータであってもよく、又は代替として、サセプタ及び誘導コイルを含む電磁場生成器を含む、誘導ヒータであってもよい。
【0039】
使用時に、ユーザは、ヒータ104の方を向いているウィンドウ16を有する受け入れチャンバ106内にエアロゾル生成物品1を挿入する。エアロゾル生成デバイス102は、カバー110と、カバー110が図6に示される閉位置と開位置(図示せず)との間で動くことを可能にするピボットマウンティング112と、を含み得る。当業者によって理解されるように、ユーザは、受け入れチャンバ106内へのエアロゾル生成物品1の挿入を可能にするためにカバー110を開位置に回転させ、次いで、エアロゾル生成物品1を受け入れチャンバ106内の定位置に維持するために、図6に示される閉位置にカバーを回転させて戻さなければならない。
【0040】
エアロゾル生成デバイス102は、電源114、例えば充電式バッテリと、コントローラ116とを含み、その両方がヒータ104に接続される。ヒータ104は、手動で、例えばエアロゾル生成デバイス102上のボタンなどのユーザインターフェースを介して起動されてもよく、又はユーザがエアロゾル生成デバイス102のマウスピース118を吸うことに応じて自動的に起動されてもよい。エアロゾル生成デバイス102は、空気がエアロゾル生成物品1内に、且つエアロゾル生成基材14を通って流れることを可能にするための、1つ又は複数の給気口120を含む。気流方向が、図6内の矢印によって示されている。
【0041】
エアロゾル生成物品1が受け入れチャンバ106内に配置されると、(上述したようにヒータ104の手動又は自動起動のいずれかによって)電源114からヒータ104に電力が供給され、それにより、エアロゾル生成基材14を燃焼することなく加熱して、1つ又は複数の揮発性成分を放出する。包装部材22内のウィンドウ16によって、熱がヒータ104からエアロゾル生成基材14に直接伝達されることが可能となり、図6からは明らかではないが、エアロゾル生成基材14の表面は、ヒータ104に直接接触していてもよい。加熱されたエアロゾル生成基材14によって放出された揮発性成分が、エアロゾル生成基材14を通って流れる空気内に混入され、それにより蒸気を形成する。蒸気がエアロゾル生成物品1を通って流れると冷却及び凝縮されてエアロゾルを形成し、エアロゾルは、エアロゾル生成デバイス102のマウスピース118を通してユーザによって吸入される。
【0042】
エアロゾル生成基材14が使い切られ、許容可能な品質のエアロゾルを生成するのに十分な揮発性成分をもはや放出しなくなると、カバー110を開位置まで回転させた後、エアロゾル生成物品1を受け入れチャンバ106から除去することができ、交換エアロゾル生成物品1をその位置に挿入することができる。
【0043】
支持部材28を有するエアロゾル生成物品、例えば図3を参照して上述したエアロゾル生成物品2の第2の例と組み合わせて、エアロゾル生成デバイス102が使用される場合、支持部材28は、受け入れチャンバ106の開口端106aから突出してもよく、それにより、支持部材28によって形成されるエアロゾル生成物品2の口端部34にユーザの唇が係合することが可能となる。
【0044】
包装部材22が除去可能部30を有するエアロゾル生成物品、例えば図5a~図5dを参照して上述したエアロゾル生成物品3の第3の例と組み合わせて、エアロゾル生成デバイス102が使用される場合、除去可能部30は、受け入れチャンバ106内にエアロゾル生成物品3を配置する前にユーザによって除去、例えば引き剥がされなければならない。
【0045】
これまでの段落では、例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対する様々な修正がなされ得ることを理解すべきである。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0046】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、上述の特徴の、そのあらゆる可能な変形形態でのいかなる組み合わせも本開示によって包含される。
【0047】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求項の全体を通して、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」などの語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包含的な意味、即ち「含むが、限定されない(including,but not limited to)」という意味に解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4a-4d】
図5a-5d】
図6
【国際調査報告】