(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】心臓内装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 60/30 20210101AFI20240326BHJP
A61M 60/174 20210101ALI20240326BHJP
A61M 60/237 20210101ALI20240326BHJP
A61M 60/416 20210101ALI20240326BHJP
A61N 1/365 20060101ALI20240326BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61M60/30
A61M60/174
A61M60/237
A61M60/416
A61N1/365
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558773
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022024592
(87)【国際公開番号】W WO2022225764
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アルメディキ,アリー ハサン
(72)【発明者】
【氏名】チャクラバルティ,アンジャン ケー.
【テーマコード(参考)】
4C053
4C077
4C601
【Fターム(参考)】
4C053KK02
4C053KK05
4C077AA04
4C077DD10
4C077HH10
4C077HH18
4C601BB02
4C601BB03
4C601BB06
4C601BB23
4C601BB24
4C601DD15
4C601FE01
4C601FE04
4C601FF11
4C601GB04
4C601GB05
(57)【要約】
心臓内血液ポンプアセンブリなどの心臓内装置及び関連する方法の改良。一例では、本技術は、心臓内装置の一部に取り付けられた電極を使用して、心臓をペーシングし、かつ/又は心臓アブレーションを実行するためのシステム及び方法を含む。別の例では、本技術は、心臓内装置上に取り付けられた電気センサ又は超音波フェーズドアレイを使用して、患者の心臓内の壁在血栓を検出するためのシステム及び方法を含む。別の例では、本技術は、1つ以上の温度センサを使用して、治療中に心臓組織における組織変化及び反応を検出するためのシステム及び方法を含む。別の例において、本技術は、心臓内装置と共に使用するための改良された遠位先端部を含む。別の例では、本技術は、心臓内装置に取り付けられた磁石又は超音波フェーズドアレイを使用して、患者の心臓内の所望の位置に心臓内装置を維持するためのシステム及び方法を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織特性を感知するためのシステムであって、
患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内装置と、
前記心臓内装置に取り付けられ、電気エネルギーの入力パルスを前記患者の心臓内の組織の第1の部分に放出するように構成された1つ以上の電気エミッタと、
前記心臓内装置に取り付けられ、前記患者の心臓内の前記組織の第2の部分において電気エネルギーの対応するパルスを感知するように構成された1つ以上の電気センサであって、前記電気エネルギーの対応するパルスは、前記組織を通る前記入力パルスの伝導から生じる、1つ以上の電気センサと、
1つ以上のプロセッサであって、
前記入力パルスの電圧を前記対応するパルスの電圧と比較し、
前記比較に基づいて前記組織のインピーダンス値を決定し、
前記インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて前記組織の組織タイプを決定するように構成された、1つ以上のプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記1つ以上の電気エミッタは、前記心臓内装置上の第1の場所に取り付けられる第1のエミッタを備え、前記1つ以上の電気センサは、前記心臓内装置上の第2の場所に取り付けられる第1のセンサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のセンサは、電気エネルギーのパルスを放出するように更に構成され、前記第1のエミッタは、電気エネルギーのパルスを感知するように更に構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて前記組織の組織タイプを決定するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、前記インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較するように構成されていることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、前記インピーダンス値が前記基準インピーダンス値と所定の量又は割合だけ異なるかどうかを判定するように構成されていることを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の電気エミッタに前記入力パルスを放出させるように構成されたコントローラを更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記1つ以上の電気センサから前記対応するパルスを受信するように更に構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記1つ以上のプロセッサを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
組織特性を感知するための方法であって、
1つ以上の電気エミッタ及び1つ以上の電気センサを有する前記心臓内装置を患者の心臓に挿入することと、
前記1つ以上の電気エミッタを使用して、電気エネルギーの入力パルスを前記患者の心臓内の組織の第1の部分に放出することと、
前記1つ以上の電気センサを使用して、前記患者の心臓内の前記組織の第2の部分において電気エネルギーの対応するパルスを感知することであって、前記電気エネルギーの対応するパルスは、前記組織を通る前記入力パルスの伝導から生じることと、
処理システムの1つ以上のプロセッサを使用して、前記入力パルスの電圧を、前記対応するパルスの電圧と比較することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記比較に基づいて、前記組織のインピーダンス値を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて前記組織の組織タイプを決定することと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記1つ以上の電気エミッタは、前記心臓内装置上の第1の場所に取り付けられる第1のエミッタを備え、前記1つ以上の電気センサは、前記心臓内装置上の第2の場所に取り付けられる第1のセンサを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセンサは、電気エネルギーのパルスを放出するように更に構成され、前記第1のエミッタは、電気エネルギーのパルスを感知するように更に構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて前記組織の組織タイプを決定することは、前記インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較することを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較することは、前記インピーダンス値が前記基準インピーダンス値と所定の量又は割合だけ異なるかどうかを判定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基準インピーダンス値は、
前記1つ以上の電気エミッタを使用して、電気エネルギーの入力パルスを前記患者の心臓内の基準組織の第1の部分に放出することと、
前記1つ以上の電気センサを使用して、前記患者の心臓内の前記基準組織の第2の部分において電気エネルギーの対応するパルスを感知することであって、前記電気エネルギーの対応するパルスは、前記基準組織を通る前記入力パルスの伝導から生じることと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記入力パルスの電圧を、前記対応するパルスの電圧と比較することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記比較に基づいて、前記組織の前記基準インピーダンス値を決定することと、によって生成される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
組織特性を感知するためのシステムであって、
患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内装置と、
前記心臓内装置に取り付けられ、前記患者の心臓内の組織の第1の部分の第1の温度を測定するように構成された1つ以上の第1の温度センサと、
1つ以上のプロセッサであって、
前記第1の温度を基準温度値と比較し、
前記比較に基づいて、前記組織の第1の部分が前記心臓内装置に対して副作用を示しているかどうかを判定するように構成される、1つ以上のプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項18】
前記患者の心臓内の組織の第2の部分の第2の温度を測定するように構成された1つ以上の第2の温度センサを更に備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の温度を基準温度値と比較するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の温度を前記第2の温度と比較するように構成されていることを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ以上の第1の温度センサから前記第1の温度を受信するように構成されたコントローラを更に備える、請求項17から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記コントローラは、前記1つ以上のプロセッサを備える、請求項17から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える、請求項17から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
組織特性を感知するための方法であって、
心臓内装置を患者の心臓に挿入することであって、前記心臓内装置は、前記心臓内装置に取り付けられた1つ以上の第1の温度センサを有することと、
前記1つ以上の第1の温度センサを使用して、前記患者の心臓内の組織の第1の部分の第1の温度を感知することと、
処理システムの1つ以上のプロセッサを使用して、前記第1の温度を基準温度値と比較することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記比較に基づいて、前記組織の第1の部分が前記心臓内装置に対して副作用を示しているかどうかを判定することと、
を含む、方法。
【請求項24】
1つ以上の第2の温度センサを使用して、前記患者の心臓内の組織の第2の部分の第2の温度を測定することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の温度を基準温度値と比較することは、前記第1の温度を前記第2の温度と比較することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える、請求項23から25いずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
改良された心臓内血液ポンプアセンブリであって、
患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内血液ポンプと、
前記心臓内血液ポンプに取り付けられ、心臓内心エコー検査を提供するように構成された超音波フェーズドアレイと、
を備える、改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項28】
前記超音波フェーズドアレイは超音波線形フェーズドアレイである、請求項27に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項29】
前記超音波フェーズドアレイは超音波円形フェーズドアレイである、請求項27に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項30】
前記超音波円形フェーズドアレイは、2次元画像を提供するように構成される、請求項29に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項31】
前記超音波円形フェーズドアレイは、3次元画像を提供するように構成される、請求項29又は30に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項32】
前記心臓内血液ポンプは、前記心臓内血液ポンプの遠位端に非外傷性延長部を備え、
前記超音波フェーズドアレイは、前記非外傷性延長部に取り付けられる、請求項27から31のいずれか一項に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項33】
前記超音波フェーズドアレイの出力に基づいて、壁在血栓の存在を判定するように構成された1つ以上のプロセッサを更に備える、請求項27から32のいずれか一項に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項34】
前記超音波フェーズドアレイの出力に基づいて壁在血栓の存在を判定するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、前記超音波フェーズドアレイの前記出力を1つ以上の基準画像と比較するように構成されていることを含む、請求項33に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項35】
前記超音波フェーズドアレイの出力に基づいて壁在血栓の存在を判定するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、医用画像内の壁在血栓を識別するように訓練されたニューラルネットワークに、前記超音波フェーズドアレイの前記出力を提供するように構成されていることを含む、請求項33又は34に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項36】
前記心臓内血液ポンプが前記患者の心臓内に挿入されたときに、前記患者の心臓内の前記心臓内血液ポンプの位置を決定するように構成された1つ以上のプロセッサを更に備える、請求項27から35のいずれか一項に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項37】
前記患者の心臓内の前記心臓内血液ポンプの位置を決定するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、前記超音波フェーズドアレイの前記出力を1つ以上の基準画像と比較するように構成されていることを含む、請求項36に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項38】
前記患者の心臓内の前記心臓内血液ポンプの位置を決定するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、医用画像内の解剖学的特徴を識別するように訓練されたニューラルネットワークに前記超音波フェーズドアレイの前記出力を提供するように構成されていることを含む、請求項36又は37に記載の改良された心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項39】
心臓内血液ポンプアセンブリであって、
細長いカテーテルと、
前記細長いカテーテルの遠位端に結合されたインペラハウジングであって、前記インペラハウジングは、前記インペラハウジングの遠位端に結合されたカニューレ内に血液を引き込むように構成されたインペラを取り囲む、インペラハウジングと、
前記カニューレの遠位端に結合された遠位ケージであって、血液が前記カニューレに引き込まれるか、又は前記カニューレから排出されることを可能にするように構成された、遠位ケージと、
前記遠位ケージに結合された非外傷性延長部であって、前記非外傷性延長部は閉ループを備える、非外傷性延長部と、
を備える、心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項40】
前記非外傷性延長部の前記閉ループは、対称形状を有する、請求項39に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項41】
前記非外傷性延長部の前記閉ループは、非対称形状を有する、請求項39に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項42】
前記非外傷性延長部の前記閉ループは、パラメトリック曲線を含む、請求項41に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項43】
前記非外傷性延長部の前記閉ループは、オイラー曲線を含む、請求項41又は42に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項44】
前記非外傷性延長部は、近位セクション及び遠位セクションを備え、前記近位セクションは、前記遠位セクションより剛性である、請求項39から43のいずれか一項に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項45】
前記非外傷性延長部は、1つ以上のワイヤ又は導電性部材を備える、請求項39から44のいずれか一項に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項46】
前記非外傷性延長部は、アンテナとして機能するように更に構成される、請求項45に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項47】
前記非外傷性延長部は、電気センサとして作用するように更に構成される、請求項45又は46に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項48】
前記非外傷性延長部は、電気エミッタとして作用するように更に構成される、請求項45から47のいずれか一項に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項49】
心臓内装置の位置を維持するためのシステムであって、
患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内装置と、
前記心臓内装置に取り付けられた強磁性要素と、
前記患者の心臓の腔の外側に配置され、前記心臓内装置が前記腔内に挿入されている間に、前記強磁性要素を引き付けて、前記心臓内装置を前記腔内の所与の場所に付勢するように構成された第1の磁石と、
を備える、システム。
【請求項50】
前記強磁性要素は磁石ではない、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記強磁性要素は磁石である、請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
前記強磁性要素は希土類磁石である、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1の磁石は永久磁石である、請求項49から52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の磁石は希土類磁石である、請求項49から53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の磁石は電磁石である、請求項49から52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の磁石は、前記患者の外部に位置付けられるように構成される、請求項49から55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記第1の磁石は、前記患者の心臓の組織の一部内に位置付けられるように構成される、請求項49から56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記第1の磁石は、前記患者の心臓の心膜内に位置付けられるように構成される、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1の磁石は、前記患者の心臓の心外膜内に位置付けられるように構成される、請求項57に記載のシステム。
【請求項60】
心臓内血液ポンプアセンブリであって、
細長いカテーテルと、
前記細長いカテーテルの遠位端に結合されたインペラハウジングであって、前記インペラハウジングは、前記インペラハウジングの遠位端に結合されたカニューレ内に血液を引き込むように構成されたインペラを取り囲む、インペラハウジングと、
前記カニューレに取り付けられ、前記心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室に挿入されたときに、患者の心臓のAV結節又はヒス束内の電気パルスを感知するように構成された1つ以上の電気センサと、
前記カニューレに取り付けられ、前記心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室に挿入されたときに、電気エネルギーのパルスを前記AV結節又は前記ヒス束内に放出するように構成された1つ以上の電気エミッタと、
を備える、心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項61】
前記1つ以上の電気センサの1つ以上の信号を受信し、
前記1つ以上の電気センサに基づいて、異常心拍の存在を決定するように構成される1つ以上のプロセッサを更に備える、請求項60に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項62】
前記1つ以上のプロセッサは、前記心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室内に挿入されると、前記1つ以上の電気エミッタに、前記患者の心臓をペーシングするのに十分な電気エネルギーのパルスを、前記AV結節又は前記ヒス束内に放出させるように更に構成される、請求項61に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【請求項63】
前記1つ以上のプロセッサは、前記心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室内に挿入されると、前記1つ以上の電気エミッタに、前記異常心拍の原因となる1つ以上の神経束を無効にするのに十分な電気エネルギーのパルスを、前記AV結節又は前記ヒス束内に放出させるように更に構成される、請求項61又は62に記載の心臓内血液ポンプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月19日に出願された米国仮特許出願第63/176,676号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
心臓内血液ポンプアセンブリは、外科的又は経皮的のいずれかで心臓内に導入され、心臓又は循環系内の1つの場所から心臓又は循環系内の別の場所に血液を送達するために使用されることができる。例えば、心臓内血液ポンプは、左心に配置されると、心臓の左心室から大動脈に血液を圧送することができる。同様に、心臓内血液ポンプは、右心に配置されると、下大静脈から肺動脈へ血液を圧送することができる。心臓内ポンプは、細長い駆動シャフト(又は駆動ケーブル)を介して患者の体外に配置されたモータによって、又は患者の体内に配置されたオンボードモータによって電力を供給され得る。いくつかの心臓内血液ポンプシステムは、心拍出量を補完し、心臓の構成要素を部分的又は完全にアンロードするために、天然心臓と並行して動作することができる。このようなシステムの例としては、IMPELLA(登録商標)ファミリーの装置(Abiomed,Inc.,Danvers Mass.)が挙げられる。
【発明の概要】
【0003】
本技術は、心臓内血液ポンプアセンブリなどの心臓内装置の改良に関する。
【0004】
一態様では、本技術は、心臓内装置の一部に取り付けられた電極を使用して、心臓をペーシングし、かつ/又は心臓アブレーションを実行するためのシステム及び方法を含む。例えば、患者の右心に挿入されるように構成された心臓内装置の場合、1つ以上のセンサ及び1つ以上の電極は、コッホの三角形の上に載るようになる点で心臓内装置に取り付けられてもよい。心臓内装置は、異常(例えば不整脈)を感知し、電極を使用して心臓をペーシングするように構成されてもよい。同様に、心臓内装置は、異常を感知し、その異常の原因である神経束を遮断するために心臓アブレーションを実行するように構成され得る。
【0005】
この点に関して、本開示は、心臓内血液ポンプアセンブリであって、細長いカテーテルと、細長いカテーテルの遠位端に結合されたインペラハウジングであって、インペラハウジングは、インペラハウジングの遠位端に結合されたカニューレ内に血液を引き込むように構成されたインペラを取り囲む、インペラハウジングと、カニューレに取り付けられ、心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室に挿入されたときに、患者の心臓のAV結節又はヒス束内の電気パルスを感知するように構成された1つ以上の電気センサと、カニューレに取り付けられ、心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室に挿入されたときに、電気エネルギーのパルスをAV結節又はヒス束内に放出するように構成された1つ以上の電気エミッタと、を備える、心臓内血液ポンプアセンブリを説明する。いくつかの態様では、アセンブリは、1つ以上の電気センサの1つ以上の信号を受信し、1つ以上の電気センサに基づいて、異常心拍の存在を決定するように構成される、1つ以上のプロセッサを更に備える。いくつかの態様では、1つ以上のプロセッサは、心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室内に挿入されると、1つ以上の電気エミッタに、患者の心臓をペーシングするのに十分な電気エネルギーのパルスを、AV結節又はヒス束内に放出させるように更に構成される。いくつかの態様では、1つ以上のプロセッサは、心臓内血液ポンプアセンブリが患者の心臓の右心室内に挿入されると、1つ以上の電気エミッタに、異常心拍の原因となる1つ以上の神経束を無効にするのに十分な電気エネルギーのパルスを、AV結節又はヒス束内に放出させるように更に構成される。
【0006】
別の態様では、本技術は、電気センサを使用して、患者の心臓内の壁在血栓を検出するためのシステム及び方法を含む。例えば、心臓内血液ポンプアセンブリは、電気信号を放出及び感知することができ、したがって、心臓組織の一部にわたるインピーダンスを測定することができる、2つ以上の電気センサを備えてもよい。測定されたインピーダンスは、問題の組織が正常であるか異常(例えば、血栓)であるかを判定するために使用され得、その結果、任意の壁在血栓が、心臓内血液ポンプを動作させる前に処置され得る。この決定は、例えば、測定されたインピーダンス値と所定の組織特性インピーダンス値との比較に基づいてもよい。
【0007】
この点に関して、本開示は、組織特性を感知するためのシステムであって、(i)患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内装置と、(ii)心臓内装置に取り付けられ、電気エネルギーの入力パルスを患者の心臓内の組織の第1の部分に放出するように構成された1つ以上の電気エミッタと、(iii)心臓内装置に取り付けられ、患者の心臓内の組織の第2の部分において電気エネルギーの対応するパルスを感知するように構成された1つ以上の電気センサであって、電気エネルギーの対応するパルスは、組織を通る入力パルスの伝導から生じる、1つ以上の電気センサと、(iv)1つ以上のプロセッサであって、入力パルスの電圧を対応するパルスの電圧と比較し、比較に基づいて組織のインピーダンス値を決定し、比較に基づいて組織のインピーダンス値を決定し、インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて組織の組織タイプを決定するように構成された、1つ以上のプロセッサと、を備える、システムを説明する。いくつかの態様では、1つ以上の電気エミッタは、心臓内装置上の第1の場所に取り付けられる第1のエミッタを備え、1つ以上の電気センサは、心臓内装置上の第2の場所に取り付けられる第1のセンサを備える。いくつかの態様では、第1のセンサは、電気エネルギーのパルスを放出するように更に構成され、第1のエミッタは、電気エネルギーのパルスを感知するように更に構成される。いくつかの態様では、インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて組織の組織タイプを決定するように構成されている1つ以上のプロセッサは、インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較するように構成されていることを含む。いくつかの態様では、インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較するように構成されている1つ以上のプロセッサは、インピーダンス値が基準インピーダンス値と所定の量又は割合だけ異なるかどうかを判定するように構成されていることを更に含む。いくつかの態様では、システムは、1つ以上の電気エミッタに入力パルスを放出させるように構成されたコントローラを更に備える。いくつかの態様では、コントローラは、1つ以上の電気センサから対応するパルスを受信するように更に構成される。いくつかの態様では、コントローラは、1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの態様では、心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える。
【0008】
本開示はまた、組織特性を感知するための方法であって、1つ以上の電気エミッタ及び1つ以上の電気センサを有する心臓内装置を患者の心臓に挿入することと、1つ以上の電気エミッタを使用して、電気エネルギーの入力パルスを患者の心臓内の組織の第1の部分に放出することと、1つ以上の電気センサを使用して、患者の心臓内の組織の第2の部分において電気エネルギーの対応するパルスを感知することであって、電気エネルギーの対応するパルスは、組織を通る入力パルスの伝導から生じる、ことと、処理システムの1つ以上のプロセッサを使用して、入力パルスの電圧を、対応するパルスの電圧と比較することと、1つ以上のプロセッサを使用して、比較に基づいて、組織のインピーダンス値を決定することと、1つ以上のプロセッサを使用して、インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて組織の組織タイプを決定することと、を含む、方法を説明する。いくつかの態様では、1つ以上の電気エミッタは、心臓内装置上の第1の場所に取り付けられる第1のエミッタを備え、1つ以上の電気センサは、心臓内装置上の第2の場所に取り付けられる第1のセンサを備える。いくつかの態様では、第1のセンサは、電気エネルギーのパルスを放出するように更に構成され、第1のエミッタは、電気エネルギーのパルスを感知するように更に構成される。いくつかの態様では、インピーダンス値に少なくとも部分的に基づいて組織の組織タイプを決定することは、インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較することを含む。いくつかの態様では、インピーダンス値を基準インピーダンス値と比較することは、インピーダンス値が基準インピーダンス値と所定の量又は割合だけ異なるかどうかを判定することを更に含む。いくつかの態様では、基準インピーダンス値は、1つ以上の電気エミッタを使用して、電気エネルギーの入力パルスを患者の心臓内の基準組織の第1の部分に放出することと、1つ以上の電気センサを使用して、患者の心臓内の基準組織の第2の部分において電気エネルギーの対応するパルスを感知することであって、電気エネルギーの対応するパルスは、基準組織を通る入力パルスの伝導から生じる、ことと、1つ以上のプロセッサを使用して、入力パルスの電圧を、対応するパルスの電圧と比較することと、1つ以上のプロセッサを使用して、比較に基づいて、組織の基準インピーダンス値を決定することと、によって生成される。いくつかの態様では、心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える。
【0009】
別の側面では、本技術は、1つ以上の温度センサを使用して、治療中に心臓組織における組織変化及び反応を検出するためのシステム及び方法を含む。例えば、心臓内装置が、それが接触している(例えば、心臓内装置の遠位先端部において)心臓組織に対して望ましくない影響を生じているかどうかを監視するために、心臓内装置は、そのような影響を示し得る温度変化を監視するための1つ以上の温度センサを備え得る。
【0010】
この点に関して、本開示は、組織特性を感知するためのシステムであって、(i)患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内装置と、(ii)心臓内装置に取り付けられ、患者の心臓内の組織の第1の部分の第1の温度を測定するように構成された1つ以上の第1の温度センサと、(iii)1つ以上のプロセッサであって、第1の温度を基準温度値と比較し、比較に基づいて、組織の第1の部分が心臓内装置に対して副作用を示しているかどうかを判定するように構成される、1つ以上のプロセッサと、を備える、システムを説明する。いくつかの態様では、システムは、患者の心臓内の組織の第2の部分の第2の温度を測定するように構成された1つ以上の第2の温度センサを更に備える。いくつかの態様では、第1の温度を基準温度値と比較するように構成されている1つ以上のプロセッサは、第1の温度を第2の温度と比較するように構成されていることを含む。いくつかの態様では、システムは、1つ以上の第1の温度センサから第1の温度を受信するように構成されたコントローラを更に備える。いくつかの態様では、コントローラは、1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの態様では、心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える。
【0011】
本開示はまた、組織特性を感知するための方法であって、心臓内装置を患者の心臓に挿入することであって、心臓内装置は、心臓内装置に取り付けられた1つ以上の第1の温度センサを有する、ことと、1つ以上の第1の温度センサを使用して、患者の心臓内の組織の第1の部分の第1の温度を感知することと、処理システムの1つ以上のプロセッサを使用して、第1の温度を基準温度値と比較することと、1つ以上のプロセッサを使用して、比較に基づいて、組織の第1の部分が心臓内装置に対して副作用を示しているかどうかを判定することと、を含む、方法を説明する。いくつかの態様では、本方法は、1つ以上の第2の温度センサを使用して、患者の心臓内の組織の第2の部分の第2の温度を測定することを更に含む。いくつかの態様では、第1の温度を基準温度値と比較することは、第1の温度を第2の温度と比較することを含む。いくつかの態様では、心臓内装置は、心臓内血液ポンプを備える。
【0012】
別の態様では、本技術は、心臓内心エコー検査を使用して、患者の心臓内の壁在血栓を検出するためのシステム及び方法を含む。例えば、心臓内血液ポンプアセンブリは、壁性血栓を検出するための高分解能心臓内心エコー検査を提供するために、遠位先端部の近くに線形フェーズドアレイ又は円形フェーズドアレイを備えてもよく、それにより、心臓内血液ポンプを動作させる前に壁在血栓を治療することができる。同様に、本技術は、心臓内血液ポンプに取り付けられた線形フェーズドアレイ又は円形フェーズドアレイを使用して、患者の心臓内の心臓内血液ポンプの位置を決定及び維持するためのシステム及び方法を含む。
【0013】
この点に関して、本開示は、改良された心臓内血液ポンプアセンブリであって、患者の心臓内に挿入されるように構成された心臓内血液ポンプと、心臓内血液ポンプに取り付けられ、心臓内心エコー検査を提供するように構成された超音波フェーズドアレイと、を備える、改良された心臓内血液ポンプアセンブリを説明する。いくつかの態様では、超音波フェーズドアレイは超音波線形フェーズドアレイである。いくつかの態様では、超音波フェーズドアレイは超音波円形フェーズドアレイである。いくつかの態様では、超音波円形フェーズドアレイは、2次元画像を提供するように構成される。いくつかの態様では、超音波円形フェーズドアレイは、3次元画像を提供するように構成される。いくつかの態様では、心臓内血液ポンプは、心臓内血液ポンプの遠位端に非外傷性延長部を備え、超音波フェーズドアレイは、非外傷性延長部に取り付けられる。いくつかの態様では、改良された心臓内血液ポンプアセンブリは、超音波フェーズドアレイの出力に基づいて、壁在血栓の存在を判定するように構成された1つ以上のプロセッサを更に備える。いくつかの態様では、超音波フェーズドアレイの出力に基づいて壁在血栓の存在を判定するように構成されている1つ以上のプロセッサは、超音波フェーズドアレイの出力を1つ以上の基準画像と比較するように構成されていることを含む。いくつかの態様では、超音波フェーズドアレイの出力に基づいて壁在血栓の存在を判定するように構成されている1つ以上のプロセッサは、医用画像内の壁在血栓を識別するように訓練されたニューラルネットワークに、超音波フェーズドアレイの出力を提供するように構成されていることを含む。いくつかの態様では、改良された心臓内血液ポンプアセンブリは、心臓内血液ポンプが患者の心臓内に挿入されたときに、患者の心臓内の心臓内血液ポンプの位置を決定するように構成された1つ以上のプロセッサを更に備える。いくつかの態様では、患者の心臓内の心臓内血液ポンプの位置を決定するように構成されている1つ以上のプロセッサは、超音波フェーズドアレイの出力を1つ以上の基準画像と比較するように構成されていることを含む。いくつかの態様では、患者の心臓内の心臓内血液ポンプの位置を決定するように構成されている1つ以上のプロセッサは、医用画像内の解剖学的特徴を識別するように訓練されたニューラルネットワークに超音波フェーズドアレイの出力を提供するように構成されていることを含む。
【0014】
別の態様において、本技術は、心臓内装置と共に使用するための改良された遠位先端部を含む。その点に関して、本技術の改良された遠位先端部は、対称又は非対称の閉ループ形状を有してもよく、更に、患者の心臓内の所望の場所及び/又は向きにそれ自体(したがって、心臓内装置)を固定するように先端部を付勢するのに寄与する異なる剛性のセクションで構成することができる。この改良された遠位先端部の閉ループはまた、先端部が心臓構造を損傷するか、又は心臓構造と絡まる可能性を減少させ得る。本技術のいくつかの態様では、改良された遠位先端部はまた、電気センサ又はエミッタ(例えば、上記及び更に以下で説明されるように、インピーダンスを測定すること、不整脈を検出すること、ペーシングすること、又は心臓アブレーションを行うことにおける使用のため)、及び/又は信号を送信又は受信するためのアンテナを含む、又はそれらとして機能することもできる。その点に関して、いくつかの態様では、ループ状先端部は、ループ状先端部自体がセンサ、エミッタ、及び/又はアンテナとして機能し得るように、導電性材料から構成されてもよく、又は1つ以上の導電性部材を含んでもよい。
【0015】
この点に関して、本開示は、心臓内血液ポンプアセンブリであって、細長いカテーテルと、細長いカテーテルの遠位端に結合されたインペラハウジングであって、インペラハウジングは、インペラハウジングの遠位端に結合されたカニューレ内に血液を引き込むように構成されたインペラを取り囲む、インペラハウジングと、カニューレの遠位端に結合された遠位ケージであって、血液がカニューレに引き込まれるか、又はカニューレから排出されることを可能にするように構成された、遠位ケージと、遠位ケージに結合された非外傷性延長部であって、非外傷性延長部は閉ループを備える、非外傷性延長部と、を備える、心臓内血液ポンプアセンブリを説明する。いくつかの態様では、非外傷性延長部の閉ループは、対称形状を有する。いくつかの態様では、非外傷性延長部の閉ループは、非対称形状を有する。いくつかの態様では、非外傷性延長部の閉ループは、パラメトリック曲線を含む。いくつかの態様では、非外傷性延長部の閉ループは、オイラー曲線を含む。いくつかの態様では、非外傷性延長部は、近位セクション及び遠位セクションを備え、近位セクションは、遠位セクションより剛性である。いくつかの態様では、非外傷性延長部は、1つ以上のワイヤ又は導電性部材を備える。いくつかの態様では、非外傷性延長部は、アンテナとして機能するように更に構成される。いくつかの態様では、非外傷性延長部は、電気センサとして機能するように更に構成される。いくつかの態様では、非外傷性延長部は、電気エミッタとして機能するように更に構成される。
【0016】
別の態様において、本技術は、磁石を使用して、患者の心臓内の所望の位置に心臓内装置を維持するためのシステム及び方法を含む。例えば、希土類磁石などの永久磁石は、心臓の一部に対して(例えば、心室壁に対して)固定するように意図された心臓内装置の一部に取り付けられてもよく、心臓内装置のその部分を心臓内の意図された固定場所に引き込み、かつ/又は心臓内装置をその意図された固定場所に保持するために、十分な強度の第2の磁石が心臓のその部分の近くに(例えば、患者の外部に、患者の胸部内であるが心臓の外側に、心臓内に埋め込まれるなど)配置されてもよい。
【0017】
これに関して、本開示は、心臓内装置の位置を維持するためのシステムであって、患者の心臓に挿入されるように構成された心臓内装置と、心臓内装置に取り付けられた強磁性要素と、患者の心臓の腔の外側に配置され、心臓内装置が腔内に挿入されている間に、強磁性要素を引き付けて、心臓内装置を腔内の所与の場所に付勢するように構成された第1の磁石と、を備える、システムを説明する。いくつかの態様では、強磁性要素は磁石ではない。いくつかの態様では、強磁性要素は磁石である。いくつかの態様では、強磁性要素は希土類磁石である。いくつかの態様では、第1の磁石は永久磁石である。いくつかの態様では、第1の磁石は希土類磁石である。いくつかの態様では、第1の磁石は電磁石である。いくつかの態様では、第1の磁石は、患者の外部に位置付けられるように構成される。いくつかの態様では、第1の磁石は、患者の心臓の組織の一部内に位置付けられるように構成される。いくつかの態様では、第1の磁石は、患者の心臓の心膜内に位置付けられるように構成される。いくつかの態様では、第1の磁石は、患者の心臓の心外膜内に位置付けられるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の態様による、左心支持のために構成された例示的な心臓内血液ポンプアセンブリを示す図である。
【
図2】本開示の態様による、右心支持のために構成された例示的な心臓内血液ポンプアセンブリを示す図である。
【
図3】本開示の態様による例示的な心臓内血液アセンブリの機能ブロック図である。
【
図4】本開示の態様による、右心室内に挿入された心臓内血液ポンプアセンブリを示す。
【
図5】本開示の態様による、壁在血栓を含む左心室に挿入された心臓内血液ポンプアセンブリを示す。
【
図6A】本開示の態様による、
図5の心臓内血液ポンプアセンブリの遠位先端部における非外傷性延長部の例示的構成の断面図を描写する。
【
図6B】本開示の態様による、
図6Aの遠位先端部上に配置された電気エミッタ及びセンサによって送受信される例示的な信号を示す図である。
【
図7A】本開示の態様による、種々の例示的センサ配列を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位端部の断面図である。
【
図7B】本開示の態様による、種々の例示的センサ配列を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位端部の断面図である。
【
図7C】本開示の態様による、種々の例示的センサ配列を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位端部の断面図である。
【
図7D】本開示の態様による、種々の例示的センサ配列を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位端部の断面図である。
【
図7E】本開示の態様による、種々の例示的センサ配列を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位端部の断面図である。
【
図8A】本開示の態様による、センサからのワイヤがカニューレの近位端からどのように退出し得るかの一例を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの一部の断面図である。
【
図8B】本開示の態様による、センサからのワイヤがカテーテルの遠位端にどのように進入し得るかの一例を示す、
図8Aの心臓内血液ポンプアセンブリの一部分の断面図である。
【
図9A】本開示の態様による、その遠位端の近傍に取り付けられる超音波線形フェーズドアレイを伴う、心臓内血液ポンプアセンブリを描写する。
【
図9B】本開示の態様による、その遠位端の近傍に取り付けられる超音波円形フェーズドアレイを伴う、心臓内血液ポンプアセンブリを描写する。
【
図9C】本開示の態様による、左心室に挿入された超音波円形フェーズドアレイを伴う心臓内血液ポンプアセンブリを描写し、フェーズドアレイは、大動脈弁の超音波走査を提供する。
【
図9D】本開示の態様による、左心室に挿入された超音波円形フェーズドアレイを伴う心臓内血液ポンプアセンブリを描写し、フェーズドアレイは、左心室の超音波走査を提供する。
【
図10】本開示の態様による、左心室に挿入されたループ状の非外傷性延長部を有する心臓内血液ポンプアセンブリを示す図である。
【
図11】本開示の態様による、磁石が取り付けられる非外傷性延長部を伴う心臓内血液ポンプアセンブリを描写する。
【
図12】本開示の態様による、組織タイプを判定するための例示的方法のフロー図である。
【
図13】本開示の態様による、心臓内装置に対する副作用の存在を判定するための例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態は、同様の参照番号が類似又は同一の要素を識別する図面を参照して詳細に説明される。開示される実施形態は、様々な形態で具現化され得る本開示の単なる例であることを理解されたい。周知の機能又は構造は、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを回避するために詳細に説明されない。したがって、本明細書で開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、請求項の単なる根拠として、及び実質的に任意の適切に詳述された構造で本開示を様々に採用するために当業者を教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0020】
本明細書で説明されるシステム、方法、及び装置の全体的な理解を提供するために、いくつかの例示的な例が説明される。様々な例が心臓内血液ポンプアセンブリを説明し得るが、本技術の改良はまた、電気生理学研究及びカテーテルアブレーション装置、血管形成術及びステンティング装置、血管造影カテーテル、末梢挿入中央カテーテル、中央静脈カテーテル、正中カテーテル、末梢カテーテル、下大静脈フィルタ、腹部大動脈瘤治療装置、血栓摘出装置、TAVR送達システム、バルーンポンプを含む心臓治療及び心臓補助装置、外科的切開を使用して埋め込まれる心臓補助装置、並びに任意の他の静脈又は動脈ベースの導入カテーテル及び装置等の他のタイプの医療装置に適合及び適用され得ることが理解されるであろう。
【0021】
図1は、左心支持に適合された例示的な心臓内血液ポンプアセンブリ100を示す。これに関して、心臓内血液ポンプアセンブリ100は、細長いカテーテル102と、モータ104と、カニューレ110と、カニューレ110の遠位端112又はその近くに配置された血液流入ケージ114と、カニューレ110の近位端108又はその近くに配置された血液流出ケージ106と、血液流入ケージ114の遠位端に配置された任意選択の非外傷性延長部116とを含む。
【0022】
モータ104は、インペラ(図示せず)を回転可能に駆動するように構成され、それによって、血液流入ケージ114を通してカニューレ110の中に血液を引き込み、血液流出ケージ106を通してカニューレ110から血液を排出するのに十分な吸引を生成する。その点に関して、インペラは、血液流出ケージ106の遠位に、例えば、カニューレ110の近位端108内に、又はカニューレ110の近位端108に結合されるハウジング内に位置付けられてもよい。本技術のいくつかの態様では、インペラが内蔵モータ104によって駆動されるのではなく、代わりに、インペラは、患者の外部に位置するモータによって駆動される細長い駆動シャフト(又は駆動ケーブル)に結合されてもよい。
【0023】
カテーテル102は、モータ104を1つ以上の電気コントローラ又は他のセンサに結合する電線を収容してもよい。代替として、インペラが外部モータによって駆動される場合、細長い駆動シャフトがカテーテル102を通過してもよい。カテーテル102はまた、以下で更に説明される電気センサを患者の体外に位置する1つ以上のコントローラ、電源等に接続するワイヤのための導管としての役割を果たしてもよい。カテーテル102はまた、パージ流体導管、ガイドワイヤを受容するように構成される管腔等を含んでもよい。
【0024】
血液流入ケージ114は、モータ104が動作しているときに、血液がカニューレ110内に引き込まれることを可能にするように構成された1つ以上のアパーチャ又は開口部を含む。同様に、血液流出ケージ106は、血液がカニューレ110から心臓内血液ポンプアセンブリ100の外へ流れることを可能にするように構成された1つ以上のアパーチャ又は開口部を含む。血液流入ケージ114及び血液流出ケージ106は、任意の好適な生体適合性材料から構成されてもよい。例えば、血液流入ケージ114及び/又は血液流出ケージ106は、ステンレス鋼、チタン等の生体適合性金属、又はポリウレタン等の生体適合性ポリマーから形成されてもよい。加えて、血液流入ケージ114及び/又は血液流出ケージ106の表面は、限定ではないが、エッチング、テクスチャ加工、又は別の材料でのコーティング若しくはめっきを含む、種々の方法で処理されてもよい。例えば、血液流入ケージ114及び/又は血液流出ケージ106の表面は、レーザテクスチャ加工されてもよい。
【0025】
カニューレ110は、可撓性ホース部分を含んでもよい。例えば、カニューレ110は、少なくとも部分的に、ポリウレタン材料から構成され得る。加えて、カニューレ110は、形状記憶材料を含んでもよい。例えば、カニューレ110は、ポリウレタン材料と、ニチノール等の形状記憶材料の1つ以上のストランド又はコイルとの組み合わせを含んでもよい。カニューレ110は、その弛緩状態において1つ以上の屈曲部又は湾曲部を含むように形成されてもよく、又はその弛緩状態において直線であるように構成されてもよい。その点に関して、
図1に示される例示的な構成では、カニューレ110は、それが動作することが意図される左心の部分に基づいて単一の予め形成された解剖学的屈曲部118を有する。この屈曲部118にもかかわらず、カニューレ110はまた、それにもかかわらず可撓性であってもよく、したがって、(例えば、ガイドワイヤ上での挿入中に)真っ直ぐになるか、又は(例えば、解剖学的構造がより狭い寸法を有する患者において)更に曲がることが可能であってもよい。更に、その点に関して、カニューレ110は、カニューレ110が室温で異なる形状(例えば、直線又はほぼ直線)であることを可能にし、形状記憶材料が患者の身体の熱に暴露されると、屈曲部118を形成するように構成された形状記憶材料を含んでもよい。
【0026】
非外傷性延長部116は、心臓内血液ポンプアセンブリ100を患者の心臓内の正しい位置に安定させ、位置決めするのを助ける。非外傷性延長部116は、中実又は管状であってもよい。管状の場合、非外傷性延長部116は、心臓内血液ポンプアセンブリ100の位置決めを更に支援するために、ガイドワイヤがそれを通過することを可能にするように構成されてもよい。非外傷性延長部116は、任意の好適なサイズであってもよい。例えば、非外傷性延長部116は、4~8Frの範囲の外径を有してもよい。非外傷性延長部116は、少なくとも部分的に、可撓性材料から構成されてもよく、直線構成、部分的に湾曲した構成、
図1の実施例に示されるようなピグテール形状構成、又は
図10に関して以下に更に説明されるようなループ構成等の任意の好適な形状又は構成であってもよい。非外傷性延長部116はまた、異なる剛性を伴うセクションを有してもよい。例えば、非外傷性延長部116は、座屈を防止し、それによって血液流入ケージ114を所望の流入ケージを所望の場所に保つために十分に剛性である近位セクションと、より軟質であり、より低い剛性を有し、それによって、患者の心臓の壁と接触するための非外傷性先端部を提供し、ガイドワイヤ装填を可能にする、遠位セクションとを含んでもよい。このような場合、非外傷性延長部116の近位セクション及び遠位セクションは、異なる剛性を提供するように処理された異なる材料から構成されてもよく、又は同じ材料から構成されてもよい。
【0027】
上記にかかわらず、上述したように、非外傷性延長部116は任意の構造である。その点に関して、本技術はまた、異なるタイプ、形状、材料、及び品質の延長部を含む、心臓内血液ポンプアセンブリ及び他の心臓内装置と共に使用されてもよい。同様に、本技術は、心臓内血液ポンプアセンブリ及び任意の種類の遠位延長部を有さない他の心臓内装置と共に使用されてもよい。
【0028】
心臓内血液ポンプアセンブリ100は、経皮的に挿入されてもよい。例えば、左心支持のために使用されるとき、心臓内血液ポンプアセンブリ100は、大腿動脈又は腋窩動脈を通して、大動脈の中へ、大動脈弁を横断して、左心室の中へ、カテーテル手技を介して挿入されてもよい。このように配置されると、心臓内血液ポンプアセンブリ100は、左心室の内側に位置する血液流入ケージ114からカニューレ110を通して、上行大動脈の内側に位置する血液流出ケージ106に血液を送達する。以下で更に説明されるように、本技術のいくつかの態様では、心臓内血液ポンプアセンブリ100は、心臓内血液ポンプアセンブリ100が所望の場所にあるとき、屈曲部118が患者の心臓の所定の部分に対して静置されるように構成されてもよい。同様に、非外傷性延長部116は、心臓内血液ポンプアセンブリ100が所望の場所にあるとき、患者の心臓の異なる所定の部分に対して静置するように構成されてもよい。
【0029】
図2は、右心支持に適合された例示的な心臓内血液ポンプアセンブリ200を示す。これに関して、心臓内血液ポンプアセンブリ200は、細長いカテーテル202と、モータ204と、カニューレ210と、カニューレ210の近位端208に又はその近くに配置された血液流入ケージ214と、カニューレ210の遠位端212又はその近くに配置された血液流出ケージ206と、血液流出ケージ206の遠位端に配置された任意選択の非外傷性延長部216とを含む。
【0030】
図1の例示的なアセンブリと同様に、モータ204は、インペラ(図示せず)を回転可能に駆動ように構成され、それによって、血液流入ケージ214を通してカニューレ210の中に血液を引き込み、血液流出ケージ206を通してカニューレ210から血液を排出するのに十分な吸引を生成する。その点に関して、インペラは、血液流入ケージ214の遠位に、例えば、カニューレ210の近位端208内に、又はカニューレ210の近位端208に結合されるハウジング内に位置付けられてもよい。ここでもまた、本技術のいくつかの態様では、インペラが内蔵モータ204によって駆動されるのではなく、代わりに、インペラは、患者の外部に位置するモータによって駆動される細長い駆動シャフト(又は駆動ケーブル)に結合されてもよい。
【0031】
図2のカニューレ210は、同じ目的を果たし、
図1のカニューレ110に関して上述したのと同じ特性及び特徴を有することができる。しかしながら、
図2に示される例示的な構成では、カニューレ210は、それが動作することが意図される右心の部分に基づいて、2つの予め形成された解剖学的屈曲部218及び220を有する。ここで再び、屈曲部218及び220の存在にもかかわらず、カニューレ210はまた、それにもかかわらず可撓性であってもよく、したがって、(例えば、ガイドワイヤ上での挿入中に)真っ直ぐになるか、又は(例えば、解剖学的構造がより狭い寸法を有する患者において)更に曲がることが可能であってもよい。更に、その点に関して、カニューレ210は、カニューレ210が室温で異なる形状(例えば、直線又はほぼ直線)であることを可能にし、形状記憶材料が患者の身体の熱に暴露されると、屈曲部218及び/又は220を形成するように構成される、形状記憶材料を含んでもよい。
【0032】
図2のカテーテル202及び非外傷性延長部216は、同じ目的を果たし、
図1のカテーテル102及び非外傷性延長部116に関して上述したのと同じ特性及び特徴を有することができる。同様に、
図2の血液流入ケージ214及び血液流出ケージ206は、
図1のものとはカニューレの反対側に配置されていることを除いて、
図1の血液流入ケージ114及び血液流出ケージ106と同様であり、したがって、上記と同じ特性及び特徴を有することができる。
【0033】
図1の例示的なアセンブリと同様に、
図2の心臓内血液ポンプアセンブリ200もまた、経皮的に挿入され得る。例えば、右心支持のために使用されるとき、心臓内血液ポンプアセンブリ200は、大腿静脈を通って、下大静脈の中へ、右心房を通って、三尖弁を横断して、右心室の中へ、肺動脈弁を通って、肺動脈の中へ、カテーテル手技を介して挿入されてもよい。このように配置されると、心臓内血液ポンプアセンブリ200は、下大静脈の内側に位置する血液流入ケージ214から、カニューレ210を通して、肺動脈の内側に位置する血液流出ケージ206に血液を送達する。
【0034】
図3は、本開示の態様による例示的なシステムのイラスト図である。その点に関して、
図3の例では、システム300は、心臓内血液ポンプアセンブリ318及びコントローラ302を備える。心臓内血液ポンプアセンブリ318は、
図1又は
図2の例示的な血液ポンプアセンブリ100及び200にそれぞれ示されるものを含む、任意の形態をとってもよい。加えて、
図3の心臓内血液ポンプアセンブリ318は、任意選択的に、1つ以上のセンサ320(例えば、電気センサ、温度センサ、超音波線形又は円形フェーズドアレイ等)と、1つ以上のエミッタ322(例えば、電気エミッタ、RFアンテナ、超音波線形又は円形フェーズドアレイ等)と、インペラを回転可能に駆動するように構成されるモータ324(例えば、モータが患者に挿入されるように構成される場合)とを含んでもよい。上記にかかわらず、本技術はまた、血液ポンプアセンブリ以外の心臓内装置を備えるシステムにおいて採用されてもよい。
【0035】
図3の例では、コントローラ302は、命令308及びデータ310を記憶するメモリ306に結合された1つ以上のプロセッサ304と、心臓内血液ポンプアセンブリ318とのインタフェース312とを含む。コントローラ302は、任意選択のモータ314(例えば、インペラが細長い駆動シャフトを介して患者の外部に配置されたモータによって駆動される場合)及び/又は電源316(例えば、内蔵モータ324、センサ320、エミッタ322などに電力を供給するため)を更に含むことができる。心臓内血液ポンプアセンブリ318とのインタフェース312は、任意の好適なインタフェースであってもよい。その点に関して、インタフェース312は、コントローラ302と心臓内血液ポンプアセンブリ318との間の一方向又は双方向通信を可能にするように構成されてもよい。インタフェース312は更に、1つ以上のセンサ320又はエミッタ322(例えば、以下の種々の図に説明されるもの)、及び/又は内蔵モータ324に電力を提供するように構成されてもよい。
【0036】
コントローラ302は、任意の形態をとり得る。その点に関して、コントローラ302は、単一のモジュール式ユニットを備えてもよく、又はその構成要素は、2つ以上の物理的ユニット間に分散されてもよい。コントローラ302は更に、ユーザインタフェース等のコンピューティング装置に関連して通常使用される任意の他の構成要素を含んでもよい。その点に関して、コントローラ302は、1つ以上のユーザ入力(例えば、ボタン、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、マウス、マイクロホン等)を含むユーザインタフェースと、1つ以上の電子ディスプレイ(例えば、情報を表示するように動作可能なスクリーン又は任意の他の電気装置を有するモニタ、1つ以上のライトなど)と、1つ以上のスピーカ、チャイム、又は他の音声出力装置、及び/又は振動、パルス、又は触覚要素などの1つ以上の他の出力装置と、を有してもよい。
【0037】
本明細書で説明される1つ以上のプロセッサ304及びメモリ306は、カスタマイズされたハードウェア又は任意のタイプの汎用コンピューティング装置を含む、任意のタイプのコンピューティング装置(複数可)上に実装され得る。メモリ306は、ハードドライブ、メモリカード、光ディスク、ソリッドステート、テープメモリ、又は同様の構造など、プロセッサ304によってアクセス可能な情報を記憶することが可能な任意の非一時的タイプのものであり得る。
【0038】
命令308は、1つ以上のセンサ320から読み取り値を受信し、1つ以上のエミッタ322によって生成される信号を制御するように構成されたプログラミングを含むことができる。
【0039】
データ310は、1つ以上のセンサ320及びエミッタ322の信号を較正及び/又は解釈するためのデータ、並びに代表的な心臓組織のインピーダンス特性(例えば、
図5及び6に関して以下に説明されるような)、代表的な心臓組織の温度特性(例えば、
図5に関して以下に説明されるような)、及び他の関連基準に関するデータを含んでもよい。コントローラ302は更に、例えば、以下に説明される決定を行う際に使用するために、センサ320からの過去の読み取り値をメモリ306に記憶するように構成されてもよい。
【0040】
図4は、本開示の態様による、例示的な心臓内血液ポンプアセンブリ402が挿入された右心室の断面図を示す。より具体的には、
図4は、下大静脈405を通って、三尖弁の中隔尖408近傍を横断して、右心室410の中へ、そして肺動脈412の中へ挿入された心臓内血液ポンプアセンブリ402を示す。
図4の例では、心臓内血液ポンプアセンブリ402は、カニューレ404内の屈曲部又はその近くに位置する1つ以上の電気センサ406a及び1つ以上の電気エミッタ406bを含む。
図4に示される向きでは、1つ以上の電気センサ406aは、AV結節414及び/又はヒス束416の信号を感知することができ、異常(例えば、心房細動などの不整脈、潜在的な心内膜下又は経壁虚血を示す高い又は低いSTセグメント読み取り値など)を識別することができるように、コッホの三角形の上に配置される。同様に、AV結節414及び/又はヒス束416の上に配置された1つ以上の電気エミッタ406bを用いて、不整脈の原因である神経束を無効にするために心臓アブレーションが実行されてもよく、及び/又は心拍異常を矯正するためにペーシングが実行されてもよい。
【0041】
図5は、内部に壁在血栓516を含む左心室502の断面図を示す。
図5はまた、その非外傷性延長部514が壁在血栓516と接触するように、大動脈弁504を通って左心室502の中へ挿入される例示的心臓内血液ポンプアセンブリ506を描写する。
【0042】
本技術の一態様では、心臓内血液ポンプアセンブリ506は、電気エネルギーのパルスを放出するように構成された1つ以上の電気エミッタ508と、電位を測定するように構成された1つ以上の電気センサ510とで構成することができる。そのような場合、心臓内血液ポンプアセンブリ506の遠位先端部は、試験される組織(例えば、壁在血栓516)と接触して配置されてもよく、コントローラ(例えば、コントローラ302)は、1つ以上の電気エミッタ508に所定量の電気エネルギーのパルスを組織内に提供させ、その電気エネルギーのうちのどれだけが1つ以上の電気センサ510によって感知されるかを測定させるように構成されてもよい。コントローラは、問題の組織のインピーダンス値を得るために、1つ以上の電気エミッタ508によって放出された電気エネルギーの量を1つ以上の電気センサ510によって感知された電気エネルギーの量と比較するように更に構成されてもよく、その比較に基づいて、組織の性質(例えば、組織が正常な心臓組織であるか、又は壁在血栓等の異常組織であるか)に関する決定を行うように更に構成されてもよい。この決定は、例えば、測定された(又は計算された)インピーダンス値と所定の組織特性インピーダンス値(例えば、正常な心臓組織、血栓などの平均インピーダンス値に関する経験的データに基づく値)との比較に基づいてもよい。
【0043】
本技術の一態様では、心臓内血液ポンプアセンブリ506は、1つ以上の温度センサ512aと共に構成され得る。そのような場合、心臓内血液ポンプアセンブリ506の遠位先端部は、試験される組織と接触して配置されてもよく、コントローラ(例えば、コントローラ302)は、1つ以上の温度センサ512aによって提供される問題の組織の温度を基準値と比較し、その比較に基づいて組織の性質に関する判定を行うように構成されてもよい。例えば、基準値に対して上昇した温度は、問題の組織が心臓内血液ポンプアセンブリ506と接触していることに対する反応を呈していることを示し得る。いくつかの態様では、基準値は、例えば、遠位先端部が最初に健康な組織と接触して配置されたときに、1つ以上の温度センサ512aによって以前に取得された記憶された温度読取値、1つ以上の温度センサ512aによって取得された以前の温度読取値の一部若しくは全部の履歴、又は以前の温度読取値の履歴に基づく何らかの値(例えば、平均、最小、最大)であってもよい。同様に、いくつかの態様では、基準値は、心臓内血液ポンプアセンブリ506の異なる部分に取り付けられた1つ以上の温度センサ512bからの1つ以上の温度読取値に基づくことができる。いくつかの態様において、基準値は、正常な心臓組織の平均温度に関する経験的データに基づく仮定値であってもよい。
【0044】
図5の実施例は、電気エミッタ及びセンサの両方、並びに温度センサを含む、心臓内血液ポンプアセンブリ506を示すが、本技術による心臓内血液ポンプアセンブリは、電気エミッタ及びセンサのみを含んでもよいことが理解されるであろう。同様に、本技術による心臓内血液ポンプアセンブリは、1つ以上の温度センサのみを含んでもよい。更に、その点に関して、
図5の例は、2つの異なる位置に取り付けられた温度センサを示すが、本技術による心臓内血液ポンプアセンブリは、単一の場所にのみ取り付けられた温度センサを含んでもよい。
【0045】
更に、1つ以上の電気エミッタ508、1つ以上の電気センサ510、並びに1つ以上の温度センサ512a及び512bの正確な位置は単なる例示であることに留意されたい。これらのいずれか又は全ては、心臓内血液ポンプアセンブリ506の異なる位置及び/又は構造に取り付けられてもよい。
【0046】
図6Aは、本技術の態様による、
図5の心臓内血液ポンプアセンブリの遠位先端部における非外傷性延長部602の例示的構成の断面図を描写する。
図6Aの実施例では、非外傷性延長部は、1つ以上の電気エミッタ604と、1つ以上の電気センサ606とを含み、これらは、ある所定の距離だけ離間している。本技術のいくつかの態様では、604及び606として識別される構造は、測定がいずれの方向でも行われ得るように、電気エネルギーの放出及び感知の両方が可能であってもよい。
【0047】
図6Bは、
図6Aの遠位先端部上に位置付けられた1つ以上の電気エミッタ及び1つ以上の電気センサによって送信及び受信される例示的信号を図示する略図である。その点に関して、上のグラフは、1つ以上の電気エミッタ604によって異常組織(例えば、壁在血栓)内に放出されている例示的信号608と、1つ以上の電気センサ606によって感知されている例示的信号610とを示す。これは、矢印612によって示される電位の低下をもたらし、これは、問題の組織に対するインピーダンス値を決定するために使用され得る。対照的に、下のグラフは、1つ以上の電気エミッタ604によって正常な心臓組織内に放出されている例示的な信号614と、1つ以上の電気センサ606によって感知されている例示的な信号616とを示す。図から分かるように、これは、矢印612によって示される低下とは異なる、矢印618によって示される電位の低下をもたらす。本技術のいくつかの態様では、正常組織における電圧降下(例えば、矢印618によって示されるもの)は、正常心臓組織のための基準インピーダンス値を決定するために使用されてもよい。この基準値は、他の検査された組織が正常であるか異常であるかを判定するために、その後の読み取りにおいて、コントローラ(例えば、コントローラ302)によって記憶及び使用されてもよい。例えば、いくつかの態様では、後続の読み取りが、ある所定の割合(例えば、3%、5%、10%、30%、50%等)又は所定の量(例えば、50ミリオーム、100ミリオーム、1オーム等)だけ記憶された基準値を上回るインピーダンス降下をもたらす場合、組織が異常であると判定されてもよい。
【0048】
図5、
図6A、及び
図6Bの例は、インピーダンス値が計算され、問題の組織が正常であるか異常であるかの判定がインピーダンス値に基づくと仮定しているが、本技術のいくつかの態様では、問題の組織が正常であるか異常であるかの判定は、代わりに、測定された電圧降下に直接基づいてもよい。同様に、
図6Bの例は、異常組織が(矢印612によって示されるように)より大きな電圧降下を有し、したがって(矢印618によって示されるように)正常組織のインピーダンス値よりも高いインピーダンス値を有すると仮定しているが、場合によっては、対象の異常組織は、より高い導電率、したがって正常組織のインピーダンス値よりも低いインピーダンス値によって特徴付けられ得ることが理解されよう。
【0049】
図7A~
図7Eは、本開示の態様による、種々の例示的センサ配列を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位端部の断面図である。これらの例示的なセンサ構成は、
図1~
図6及び
図9のものを含む、本明細書で説明される心臓内血液ポンプアセンブリのいずれかと共に使用され得る。
【0050】
これに関して、
図7Aは、3つのセンサ706を備えたピグテール形状の非外傷性延長部704を有する心臓内血液ポンプアセンブリを示す。
図7A~
図7Eの例のそれぞれにおいて、説明されるセンサ706は、上記及び下記で更に説明されるように、電気センサ及び/若しくは電気エミッタ、アンテナ、温度センサ、又は線形若しくは円形フェーズドアレイであってもよい。
図7Aに示されるように、3つのセンサ706へ及び/又はそこから信号を搬送するように構成される1つ以上のワイヤ708は、非外傷性延長部の内側を下って、ケージ702(例えば、血液流入又は血液流出ケージ)の遠位端の中へ、そしてケージ702のアパーチャのうちの1つから外へ延在する。
【0051】
図7Bは、センサ706を備えたピグテール形状の非外傷性延長部704を有する心臓内血液ポンプアセンブリを示す。ここで再び、センサ706へ及び/又はそこから信号を搬送するように構成される1つ以上のワイヤ708は、非外傷性延長部の内側を下方に延在する。
【0052】
図7Cは、2つのセンサ706を備えたピグテール形状の非外傷性延長部704を有する心臓内血液ポンプアセンブリを示す。先の例で説明したように、センサ706へ及び/又はセンサ706から信号を搬送するためにワイヤが存在してもよいが、この特定の断面図には示されていない。
【0053】
図7Dは、矢印延長部704を有する心臓内血液ポンプアセンブリを示す。矢印延長部704は、心臓内血液ポンプアセンブリの遠位先端部を心臓組織に固定してポンプの移動を防止するように構成され、本明細書で説明される非外傷性延長部のいずれかと置換されてもよい。
図7Dの心臓内血液ポンプアセンブリは、2つのセンサ706を有し、1つは延長部のシャフト上にあり、1つは遠位先端部上にある。このような配置は、例えば、組織の選択された部分の内側及び外側の両方の比較測定値を得ることが望ましい場合に有用であり得る。先の例で説明したように、電気センサ706へ及び/又はセンサ706から信号を搬送するためにワイヤが存在してもよいが、この特定の断面図には示されていない。
【0054】
図7Eは、ループ状ワイヤを備えるセンサ706を有する直線状の非外傷性延長部704を有する心臓内血液ポンプアセンブリを示す。ここでも、センサ706間の信号は、前述の例で説明したように、非外傷性延長部の内側を下方に延びるが、この特定の断面図には示されていない1つ以上のワイヤによって、コントローラ(例えば、コントローラ302)との間で搬送されてもよい。
【0055】
図8Aは、本開示の態様による、1つ以上のセンサからのワイヤがカニューレの近位端からどのように退出し得るかの一例を図示する、心臓内血液ポンプアセンブリの一部の断面図である。この点に関して、1つ以上のワイヤ810がカニューレ802の周りに螺旋状に巻かれている。1つ以上のワイヤ810は、カニューレ802の内面又は外面に沿って螺旋状になっていてもよいし、カニューレ802の壁内に埋め込まれていてもよい(例えば、カニューレ802の壁内に成形されていてもよい)。1つ以上のワイヤ810は、カニューレ802の近位端がケージ804(例えば、血液流入ケージ又は血液流出ケージ)と合流する場所でカニューレ802を出る。その点に関して、1つ以上のワイヤ810は、カニューレ802がケージ804と重複する場所から突出することによって、又はカニューレ802のアパーチャを通過することによって、カニューレ802から出てもよい。1つ以上のワイヤ810は、モータ806の上を通り、近位方向に続く。
【0056】
図8Bは、
図8Aの血液ポンプアセンブリの一部の断面図であり、センサからの1つ以上のワイヤ810がカテーテル808の遠位端にどのように進入し得るかの一例を示す。なお、
図8Aと
図8Bで共通する符号は、全て同一の構造を示す。図から分かるように、
図8Bの例では、1つ以上のワイヤ810がカテーテル808に入り、そこでモータ806のハウジングの近位端と重なる。本技術のいくつかの態様では、1つ以上のワイヤ810は、患者の外の細長いカテーテル808の管腔内に延在してもよく、そこで、コントローラ(例えば、コントローラ302及び装置インタフェース312)とインタフェース接続する。
【0057】
図9Aは、本開示の態様による、その遠位端の近傍に取り付けられる超音波線形フェーズドアレイ904を伴う、心臓内血液ポンプアセンブリ902を描写する。
図9Aの例では、超音波線形フェーズドアレイ904は、非外傷性延長部906の一部に取り付けられる。しかしながら、超音波線形フェーズドアレイ904は、心臓内血液ポンプアセンブリ902の任意の適切な部分に取り付けられてもよい。超音波線形フェーズドアレイ904は、要素904から発する破線によって示されるように、線形超音波ビームを生成する。したがって、
図9Aに示されるような心臓内血液ポンプアセンブリは、超音波画像が所望される心臓の部分に向けられる必要がある。
【0058】
図9Bは、本開示の態様による、超音波円形フェーズドアレイ904を伴う心臓内血液ポンプアセンブリ902を示す。ここでも、超音波円形フェーズドアレイ904は、心臓内血液ポンプアセンブリ902の遠位端の近くに取り付けられるが、心臓内血液ポンプアセンブリ902の任意の適切な部分に取り付けられてもよい。超音波円形フェーズドアレイ904は、円錐超音波ビームを生成し、要素904から近位及び遠位の両方に向かう破線によって示されるように、その中心に対して異なる方向に円錐掃引を提供するように、集束され得る。これは、掃引されるものの2次元断面画像、又は掃引されるものの3次元(断面及び軸方向)画像を生成してもよい。したがって、
図9Bに示すような心臓内血液ポンプアセンブリは、超音波円形フェーズドアレイ904の取り付け点の前方及び後方の両方のビューを提供することができる。その点に関して、
図9Cは、超音波円形フェーズドアレイ904を有する心臓内血液ポンプアセンブリ902が、大動脈弁908の後向き超音波走査を提供するために左心室906内でどのように使用され得るかを示す。同様に、
図9Dは、超音波円形フェーズドアレイ904を有する心臓内血液ポンプアセンブリ902が、左心室906の前向き超音波走査を提供するために、左心室906内でどのように使用され得るかを示す。
【0059】
図9A~
図9Dの例の各々において、本技術は、心臓内血液ポンプアセンブリ902が患者の心臓内に挿入された後に、心臓内心エコー検査を患者の心臓内に提供するために使用され得る。これは、心臓内血液ポンプアセンブリ902の挿入中に使用される従来の撮像方法、例えば、2次元であり、3次元構造を検出するのに不十分であり得る蛍光透視法、又は、不十分な音響窓及び/又は心臓内血液ポンプアセンブリ902からの干渉(それが挿入された後)に起因して実行することが困難であり得る経大動脈心エコー検査に対して改良された撮像を提供する。同様に、専用心臓内エコーカテーテルは、それ自体の血管アクセスを必要とするので、心臓内血液ポンプアセンブリ902が患者の心臓に挿入される処置での使用にも適していない場合がある。対照的に、心臓内血液ポンプアセンブリ902上にフェーズドアレイを取り付けることは、心臓内血液ポンプアセンブリ902が挿入された心臓の部分の高分解能撮像が行われることを可能にする。これは、例えば、心臓補助を提供するためにポンプを作動させる結果として除去され得る壁在血栓が存在しないことを確実にするために有利であり得る。本技術のいくつかの態様では、壁在血栓の存在の判定は、超音波フェーズドアレイの出力に基づいて、処理システム(例えば、コントローラ302)の1つ以上のプロセッサによって行われてもよい。本技術のいくつかの態様では、この判定は更に、患者の心臓の過去の画像、他の患者から撮影された画像、医用画像内の壁在血栓の存在を識別又は検出するように訓練されたニューラルネットワーク等に基づいてもよい。
【0060】
心臓内血液ポンプアセンブリ902が挿入された心臓の部分の高解像度画像を撮影する能力はまた、心臓内血液ポンプアセンブリ902が所望の場所に挿入されたことを確認するために有利であり得る。同様に、心臓内から高解像度画像を取得し続ける能力は、心臓内血液ポンプアセンブリ902の位置が、経時的に心臓内でシフトしないことを確実にするために周期的に再チェックされることを可能にし得る。本技術のいくつかの態様では、患者の心臓内の心臓内装置の位置の判定は、超音波フェーズドアレイの出力に基づいて、処理システム(例えば、コントローラ302)の1つ以上のプロセッサによって行われてもよい。本技術のいくつかの態様では、この判定は更に、患者の心臓の過去の画像、他の患者から撮影された画像、医用画像から解剖学的特徴を識別するように訓練されたニューラルネットワーク等に基づいてもよい。
【0061】
図10は、本開示の態様による、ループ状非外傷性延長部1004を有する心臓内血液ポンプアセンブリ1002を示す。
図10の例では、心臓内血液ポンプアセンブリ1002は、患者の大動脈弁1006を通して左心室1008内に挿入されており、ループ状非外傷性延長部1004が左心室1008の壁に対して静止される位置に静止している。
【0062】
いくつかの態様では、ループ状非外傷性延長部1004は、心臓内の所望の場所及び/又は向きに心臓内血液ポンプアセンブリ1002を静止させ、その所望の位置から移動しないように心臓内血液ポンプアセンブリ1002を付勢するように構成される対称又は非対称形状を有してもよい。任意の好適な湾曲が、ループ状非外傷性延長部1004に使用されてもよい。例えば、いくつかの態様では、ループ状非外傷性延長部1004の曲率は、代表的な心臓の解剖学的特徴に基づいてもよい。いくつかの態様では、ループ状非外傷性延長部1004の曲率は、パラメトリック曲線、オイラー曲線の1つ以上の部分などの1つ以上の数学的に導出された曲線に基づいてもよい。同様に、いくつかの態様では、ループ状非外傷性延長部1004の閉ループ構造の形状及びサイズは、ループ状非外傷性延長部1004が心臓内の構造に絡まるのを防ぐように構成されてもよい。例えば、ループ状非外傷性延長部1004のサイズ及び形状は、弁、又は腱索1010及び乳頭筋1012等の他の繊細な構造に引っ掛かることを回避するように構成されてもよい。このようにして、ループ状非外傷性延長部1004は、他の形状(例えば、直線、ピグテール等)の非外傷性延長部を上回る利点を提供し得る。
【0063】
いくつかの態様では、ループ状非外傷性延長部1004の剛性はまた、心臓内血液ポンプアセンブリ1002を定位置に保持する傾向に寄与するように構成されてもよい。例えば、ループ状非外傷性延長部1004は、遠位セクションよりも剛性である近位セクションを有してもよく、組織を穿刺及び/又は損傷することを回避するように、心臓の壁に接触する場所で先端部が屈曲することを可能にする一方で、ループ状非外傷性延長部1004の残りが、依然として座屈に抵抗し、心臓内血液ポンプアセンブリ1002の位置を維持するために十分に剛性であることを可能にする。
【0064】
ループ状非外傷性延長部1004の閉ループは、1つ以上のワイヤ又は導電性部材から形成されてもよく、あるいは1つ以上のワイヤ又は導電性部材を含んでもよい。これに関して、いくつかの態様では、ループ状非外傷性延長部1004は、センサ、エミッタ、及び/又はアンテナとして機能するように構成されてもよい。例えば、ループ状非外傷性延長部1004は、電気エネルギーを放出する(例えば、組織状態を試験する、心臓をペーシングする、又は心臓アブレーションを行う)ように、電気エネルギーを感知する(例えば、心臓を通して伝搬する信号を感知する、又はエミッタによって放出される電気パルスを測定する)ように、及び/又は信号を(例えば、コントローラ302等のコントローラから)伝送又は受信するためのアンテナとして作用するように構成されてもよい。
【0065】
図11は、本開示の態様による、強磁性要素1106が取り付けられた非外傷性延長部1104を有する心臓内血液ポンプアセンブリ1102を示す。
図11の例では、心臓内血液ポンプアセンブリ1102は、患者の大動脈弁1108を通して左心室1110内に挿入されており、非外傷性延長部1104が左心室1110の壁に対して静止される位置に静止している。心臓内血液ポンプアセンブリ1102をこの位置に維持するために、強磁性要素1106を引き付けるように構成された磁石1112が、左心室1100の外側に配置される。磁石1112は、患者の外部(例えば、患者の胸部上)、患者の胸腔内であるが心臓の外側、又は心臓の組織内(例えば、心膜、心外膜等)に位置付けられてもよい。本技術のいくつかの態様では、磁石1112及び強磁性要素1106は、両方とも磁石であってもよく、永久希土類磁石を含む、心臓内血液ポンプアセンブリ1102をこの位置に保持するために好適な任意のタイプであってもよい。本技術のいくつかの態様では、強磁性要素1106は永久磁石であってもよく、磁石1112は電磁石であってもよい。更に、本技術のいくつかの態様において、強磁性要素1106は、それ自体が磁性でなくてもよいが、代わりに、磁石1112に引き付けられる材料(例えば、鉄)を含んでもよい。
【0066】
図12は、本開示の態様による、心臓内装置が接触している組織のタイプを判定するための例示的な方法1200のフロー図である。この点に関して、ステップ1202では、心臓内装置が患者の心臓に挿入される。これは、
図1~
図11に関して上述したような任意の適切な心臓内装置を含むことができ、
図1及び
図2に関して上述したカテーテル手技のいずれかを介して経皮的になど、任意の適切な方法で行うことができる。
【0067】
ステップ1204では、電気エネルギーのパルスが、心臓内装置上に取り付けられた1つ以上の電気エミッタ(例えば、エミッタ508、604)を使用して、患者の心臓内の組織の第1の部分に提供される。この例では、1つ以上の電気エミッタは、
図6Bの信号608及び614に示されるように、所定の時間及び電力のパルスを生成する。パルスは、例えば、
図3のコントローラ302などの心臓内装置のコントローラによって開始及び制御されてもよい。
【0068】
ステップ1206において、電気エネルギーの対応するパルスが、心臓内装置上に搭載された1つ以上の電気センサ(例えば、センサ510、606)を使用して、組織の第2の部分において感知される。組織の第2の部分は、組織の第1の部分から任意の好適な距離だけ変位した組織の部分であってもよい。電気エネルギーの対応するパルスは、組織を通る入力パルスの伝導から生じるものである。したがって、対応するパルス(例えば、信号610、616)の電圧は、
図6Bに関して上で説明したように、組織の導電特性に基づいてある量だけ入力パルスとは異なる。
【0069】
ステップ1208において、入力パルスの電圧は、電気センサから受信された対応するパルスの電圧と比較される。ステップ1210において、1208の比較に基づいてインピーダンス値が決定される。ステップ1208及び1210の一方又は両方は、例えば、コントローラの1つ以上のプロセッサ、例えば、
図3のコントローラ302のプロセッサ304によって行われてもよい。
【0070】
ステップ1212では、
図5、
図6A、及び
図6Bに関して上記で説明されるように、インピーダンス値に基づいて、組織のタイプ(例えば、筋肉組織、壁在血栓等)が決定される。この判定は、例えば、コントローラの1つ以上のプロセッサ(例えば、
図3のコントローラ302のプロセッサ304)によって行われ得る。その点に関して、組織タイプの決定は、ステップ1210において決定されたインピーダンス値に加えて情報に基づき得る。例えば、ステップ1210におけるインピーダンス値は、患者の心臓内の他の組織上で測定されたインピーダンス値、健康な心臓組織の平均インピーダンスに関する経験的データ等の基準インピーダンス値と比較されてもよい。同様に、組織タイプの決定は、決定されたインピーダンス値が、ある所定の割合(例えば、3%、5%、10%、30%、50%等)又は所定の量(例えば、50ミリオーム、100ミリオーム、1オーム等)だけ基準インピーダンス値と異なるかどうかに部分的に基づいてもよい。
【0071】
図13は、本開示の態様による、心臓内装置に対する副作用の存在を判定するための例示的な方法1300のフロー図である。この点に関して、ステップ1202では、心臓内装置が患者の心臓に挿入される。ここで再び、これは、
図1~
図11に関して上述したような任意の適切な心臓内装置を含むことができ、
図1及び
図2に関して上述したカテーテル手技のいずれかを介して経皮的になど、任意の適切な方法で行うことができる。
【0072】
ステップ1304において、患者の心臓内の組織の一部分の温度測定値が、例えば、
図3のコントローラ302などの心臓内装置のコントローラによって、心臓内装置に取り付けられた温度センサ(例えば、温度センサ512a)から受信される。
【0073】
ステップ1306において、温度測定値が基準温度値と比較される。
図5に関して上述したように、この基準温度値は、例えば温度センサが最初に健康な組織と接触して配置されたときに以前に取得された記憶された温度読取値、温度センサによって取得された以前の温度読取値の一部若しくは全部の履歴、又は以前の温度読取値の履歴に基づく何らかの値(例えば、平均、最小、最大)であってもよい。同様に、いくつかの態様では、基準値は、心臓内血液ポンプアセンブリの異なる部分に取り付けられた1つ以上の他の温度センサからの1つ以上の温度読取値に基づいてもよい。いくつかの態様において、基準値は、正常な心臓組織の平均温度に関する経験的データに基づく仮定値であってもよい。
【0074】
ステップ1308では、
図5に関して上述したように、ステップ1306の比較に基づいて、組織が心臓内装置に対して副作用を示しているかどうかに関する判定が行われる。例えば、基準値に対して上昇した温度は、問題の組織が心臓内血液ポンプアセンブリ506と接触している結果として膨張していることを示し得る。この判定は、例えば、コントローラの1つ以上のプロセッサ(例えば、
図3のコントローラ302のプロセッサ304)によって行われ得る。ここでも、この決定は、ステップ1306の比較に加えて情報に基づいてもよい。
【0075】
上記から、及び様々な図を参照して、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対して特定の修正を行うこともできることを理解するであろう。本開示のいくつかの態様が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容するのと同程度に広い範囲であるとされるべきであり、本明細書が同様に読み取られるべきであると意図されているので、本開示はこれらの実施形態に限定されることを意図していない。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に本技術の特定の態様の例示として解釈されるべきである。
【国際調査報告】