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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】高温焼結炉システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F27B 9/40 20060101AFI20240326BHJP
   F27B 9/36 20060101ALI20240326BHJP
   F27B 9/24 20060101ALI20240326BHJP
   F27B 9/30 20060101ALI20240326BHJP
   F27D 11/02 20060101ALI20240326BHJP
   F27D 9/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
F27B9/40
F27B9/36
F27B9/24 E
F27B9/30
F27D11/02 A
F27D9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559045
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2022021915
(87)【国際公開番号】W WO2022204494
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,941
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520159592
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ メリーランド, カレッジ パーク
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー,リアンビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シージェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,シンペン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,フア
【テーマコード(参考)】
4K050
4K063
【Fターム(参考)】
4K050AA04
4K050BA07
4K050CA05
4K050CC07
4K050CD06
4K050CG09
4K050EA07
4K063AA07
4K063AA12
4K063AA15
4K063BA04
4K063BA16
4K063CA01
4K063EA02
4K063FA03
4K063FA04
4K063FA18
(57)【要約】
焼結炉は、ハウジングと、1つ以上の加熱要素と、搬送アセンブリとを有することができる。各加熱要素は、ハウジング内に配置することができ、加熱領域に熱衝撃温度プロファイルを与えることができる。1つ以上の前駆体をその上に有する基板は、搬送アセンブリによって、ハウジングの入口を通って加熱領域に移動させることができ、ここで、第1の期間、少なくとも500℃の第1の温度にさらされる。次いで、搬送アセンブリは、1つ以上の焼結材料をその上に有する基板を加熱領域からハウジングの出口を通って移動させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む焼結炉であって:
内部容積と、前記内部容積への入口と、前記内部容積からの出口とを画定するハウジングと;
前記入口と前記出口との間の前記ハウジングの前記内部容積内に配置された少なくとも1つの加熱要素であって、各加熱要素は、加熱領域を温度プロファイルに供するように構築されている加熱要素と;
1つ以上の基板を前記ハウジング、前記ハウジングの内部、および前記ハウジングの外部に移動させるように構成された搬送アセンブリと;
少なくとも1つの前記加熱要素および前記搬送アセンブリに動作可能に結合された制御システムであって、1つ以上のプロセッサと、以下のことを行わせる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体とを備え、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに;
(a) 前記搬送アセンブリを介して、1つ以上の前駆体をその上に有する第1の基板を、前記入口を通って前記加熱領域に移動させ;
(b) 少なくとも1つの前記加熱要素を介して、前記加熱領域内の前記第1の基板を、第1の期間、少なくとも500℃の第1の温度にさらし;そして
(c) 前記搬送アセンブリを介して、前記加熱領域から前記出口を通って、1つ以上の焼結材料を上に有する前記第1の基板を移動させる制御システムと、
を備える焼結炉。
【請求項2】
少なくとも1つの前記加熱要素は、炭素、グラファイト、金属、またはそれらの任意の組合せから形成されるジュール加熱要素を含む、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項3】
少なくとも1つの前記加熱要素は、シートまたはフィルムとして形成される、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項4】
各加熱要素について:
それぞれの前記加熱要素の第1の端部に結合された第1の導電性固定具;
それぞれの前記加熱要素の前記第1の端部の反対側にある第2の端部に結合された第2の導電性固定具;
前記第1の導電性固定具に結合され、前記第1の導電性固定具およびそれぞれの前記加熱要素の前記第1の端部にクランプ力を印加する第1の金属クリップ;
前記第2の導電性固定具に結合され、それぞれの前記加熱要素の前記第2の導電性固定具および前記第2の端部にクランプ力を印加する第2の金属クリップと、
を備える、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項5】
前記第1の導電性固定具、前記第2の導電性固定具、またはそれらの両方は、1つ以上のグラファイトプレートを備え;
前記第1の金属クリップ、前記第2の金属クリップ、またはそれらの両方は、銅被覆を有する銅クリップまたはステンレス鋼クリップを備え;
または上記のものの任意の組合せを含む、請求項4に記載の焼結炉。
【請求項6】
電流源と、
前記電流源を前記第1および前記第2の金属クリップに結合する電気配線と、を更に備え、
前記制御システムは、前記電流源に動作可能に結合され、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに、前記電流源を制御させて、前記電気配線を介して、少なくとも1つの前記加熱要素に電流パルスを印加して、前記第1の基板を前記第1の温度にさらす命令を記憶する、請求項4に記載の焼結炉。
【請求項7】
前記電気配線は、高融点金属を含むか、または前記電気配線は、タングステンで形成される、請求項6に記載の焼結炉。
【請求項8】
前記入口と前記出口との間の前記ハウジング内の移動長さと前記加熱領域の長さとの比は、少なくとも100:1であり;
前記加熱領域の容積に対する前記内部容積の容積の比は、少なくとも100:1であり;
または上記の両方である、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項9】
移動長さと加熱領域の長さの比は、100:1以上1000:1以下の範囲であり;
前記加熱領域の体積に対する前記内部体積の体積の比は、100:1以上1000:1以下の範囲内であり;
または上記の両方である、請求項8に記載の焼結炉。
【請求項10】
前記第1の温度は、1000~3000℃であり;
前記第1の期間の持続時間は、60秒以下であり;
前記第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
前記第1の期間の開始時に、前記第1の温度への加熱速度は、少なくとも10℃/sであり;
前記第1の期間の終わりに、前記第1の温度からの冷却ランプ速度は、少なくとも10℃/sであり;
または上記のものの任意の組合せである、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項11】
前記第1の基板は、ポリマーを含み、
前記コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の前記プロセッサによって実行されたときに前記制御システムが、前記(b)の前に、
(d)前記ハウジング内の少なくとも1つの前記加熱要素または別の加熱要素を介して、前記第1の基板のポリマーを炭化するように、前記第1の基板を前記第1の温度未満の温度にさらすよう、追加の命令を記憶する、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項12】
前記第1の基板は、ポリマーを含み、
前記コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の前記プロセッサによって実行されたときに前記制御システムが、前記(a)の前に、
(d)少なくとも1つの外部加熱要素を介して、前記第1の基板のポリマーを炭化するように、前記第1の基板を前記第1の温度未満の温度にさらすよう、追加の命令を記憶する、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項13】
前記(d)の温度は、200℃未満である、請求項11または12に記載の焼結炉。
【請求項14】
前記(d)の期間の持続時間は、前記(b)の前記第1の期間の持続時間よりも長い、請求項11または12に記載の焼結炉。
【請求項15】
前記搬送アセンブリは、1つ以上の支持ローラ、1つ以上の搬送ローラ、1つ以上の回転アクチュエータ、コンベヤベルト、またはそれらの任意の組合せを備える、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項16】
前記搬送アセンブリは、
前記加熱領域の前に配置され、前記第1の基板をコンベヤベルトから分離し、前記第1の基板を前記加熱領域に搬送するように構成された1つ以上の第1の搬送ローラと、
前記加熱領域の後に配置され、前記第1の基板を前記加熱領域から前記コンベヤベルトに搬送するように構成された1つ以上の第2の搬送ローラと、を備える、請求項15に記載の焼結炉。
【請求項17】
前記コンベヤベルトは、前記加熱領域の周囲または下方を通過する、請求項16に記載の焼結炉。
【請求項18】
1つ以上の前記支持ローラは、1つ以上の金属を含み;
1つ以上の前記支持ローラは、ステンレス鋼で形成され;
1つ以上の前記搬送ローラは、1つ以上の耐火金属を含み;
1つ以上の前記搬送ローラは、タングステンで形成され;
前記コンベヤベルトは、カーボンで形成され;
または上記の任意の組み合わせである、請求項15に記載の焼結炉。
【請求項19】
少なくとも1つの前記加熱要素は、前記加熱領域内で前記第1の基板を支持するように配置された第1の加熱要素を備え、前記第1の加熱要素は、伝導を介して前記第1の基板を加熱するように構成される、請求項16に記載の焼結炉。
【請求項20】
前記第1の基板を実質的に水平方向に支持する第1の位置と前記第1の基板が前記加熱領域から摺動するように水平に対して傾斜した第2の位置との間で第1の加熱要素を移動させるよう構成された搬送アクチュエータをさらに備える、請求項19に記載の焼結炉。
【請求項21】
前記搬送アクチュエータは、耐火性セラミックを含むか、または前記搬送アクチュエータは、炭化物から形成される、請求項20に記載の焼結炉。
【請求項22】
少なくとも1つの前記加熱要素は、前記加熱領域において前記第1の基板から離間された第2の加熱要素を備え;
前記第2の加熱要素は、前記第1の基板から遠位の第3の位置と、前記第1の基板と接触する第4の位置との間で作動可能であり;
前記第2の加熱要素は、伝導を介して前記第1の基板を加熱するように構成される、請求項15に記載の焼結炉。
【請求項23】
少なくとも1つの前記加熱要素は、前記加熱領域において前記第1の基板から離間された第2の加熱要素を備え;
前記第2の加熱要素は、前記第1の基板から遠位の第3の位置と前記第1の基板に近位の第4の位置との間で作動可能であり;
前記第2の加熱要素は、放射を介して前記第1の基板を加熱するように構成される、請求項15に記載の焼結炉。
【請求項24】
前記第4の位置において、前記第2の加熱要素と前記第1の基板との間の間隔は、0~1cmの範囲である、請求項23に記載の焼結炉。
【請求項25】
前記第2の加熱要素は、1つ以上の変位ガイドを備える、請求項22~24のいずれか一項に記載の焼結炉。
【請求項26】
1つ以上の前記変位ガイドは、耐火性セラミックを含み、
または1つ以上の前記変位ガイドは、炭化物から形成される、請求項25に記載の焼結炉。
【請求項27】
前記ハウジング内のプラテンと、
前記プラテンに結合された圧縮アクチュエータと、をさらに備え、
前記制御システムは、前記圧縮アクチュエータに動作可能に結合され、 前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記制御システムに、前記(b)の間に前記少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素を前記第1の基板内に押圧するように、前記圧縮アクチュエータを介して前記プラテンを変位させる追加の命令を記憶する、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項28】
前記圧縮アクチュエータは、前記ハウジングの外部に配置され、1つ以上の連結ロッドを介して前記プラテンに結合される、請求項27に記載の焼結炉。
【請求項29】
前記プラテンは、耐火セラミックを含み;
前記プラテンは、炭化物で形成され;
1つ以上の連結ロッドは、耐火セラミックを含む;
1つ以上の前記連結ロッドは、炭化物から形成され;
または上記のものの任意の組合せから形成される、請求項28に記載の焼結炉。
【請求項30】
前記搬送アセンブリは、1つ以上の支持ローラ、1つ以上の回転アクチュエータ、コンベヤベルト、またはそれらの任意の組合せを備える、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項31】
少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素の両端に電気的に結合された一対の第1の電流導体;
加熱領域の両端でコンベヤベルトに電気的に結合された一対の第2の電流導体であって、加熱領域内のコンベヤベルトの一部は、少なくとも1つの加熱要素のうちの第2の加熱要素を形成する一対の第2の電流導体;
または上記のものの任意の組合せ;
をさらに含む、請求項30に記載の焼結炉。
【請求項32】
前記一対の第1の電流導体、前記一対の第2の電流導体、または両方は、高融点金属を含み、
または、前記一対の第1の電流導体、前記一対の第2の電流導体、または両方は、タングステンで形成される、請求項31に記載の焼結炉。
【請求項33】
前記コンベヤベルトは、前記加熱領域内で前記第1の基板を通過させ、支持する、請求項30に記載の焼結炉。
【請求項34】
少なくとも1つの前記加熱要素のうちの前記第1の加熱要素は、前記加熱領域において前記第1の基板から離間され、前記第1の基板から遠位の第3の位置と前記第1の基板と接触する第4の位置との間で作動可能であり、伝導を介して前記第1の基板を加熱するように構成される、請求項31に記載の焼結炉。
【請求項35】
少なくとも1つの前記加熱要素のうちの前記第1の加熱要素は、前記加熱領域において前記第1の基板から離間され、前記第1の基板から遠位の第3の位置と前記第1の基板に近位の第4の位置との間で作動可能であり、放射を介して前記第1の基板を加熱するように構成される、請求項31に記載の焼結炉。
【請求項36】
前記第4の位置において、少なくとも1つの前記加熱要素のうちの前記第1の加熱要素と前記第1の基板との間の間隔は、0~1cmの範囲内である、請求項35に記載の焼結炉。
【請求項37】
前記ハウジングに熱的に結合され、前記ハウジングを冷却するように構成された冷却システムをさらに備える、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項38】
前記冷却システムは、少なくとも1つの作動流体がその中を通って流れる熱交換器を備える、請求項37に記載の焼結炉。
【請求項39】
少なくとも1つの前記作動流体は、水、空気、油、液体窒素、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項38に記載の焼結炉。
【請求項40】
前記熱交換器は、前記ハウジングの外殻に隣接して、または前記外殻と接触して配置された蛇行導管を備える、請求項38に記載の焼結炉。
【請求項41】
前記ハウジングは、不活性ガスの供給源に結合された1つ以上のガスポートを有し、
前記ハウジングは、1つ以上の前記ガスポートに供給された不活性ガスが前記内部容積を通って流れ、前記入口および前記出口を介して出るように構成される、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項42】
前記ハウジングの前記内部容積のサイズは、前記加熱領域のサイズよりも少なくとも100倍大きい、請求項41に記載の焼結炉。
【請求項43】
少なくとも1つの前記加熱要素と前記ハウジングの外殻との間の前記内部容積内に配置された第1の絶縁層と、
前記搬送アセンブリと前記ハウジングの外殻との間の前記内部容積内に配置された第2の絶縁層と、をさらに含む、請求項41に記載の焼結炉。
【請求項44】
前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、またはそれらの両方は、前記1つ以上のガスポートから延在し、前記不活性ガスを前記入口の近位の前記搬送アセンブリの一部分、前記出口の近位の前記搬送アセンブリの一部分、少なくとも1つの前記加熱要素の第1の端部、少なくとも1つの前記加熱要素の第2の端部、または前記の任意の組合せに向ける、1つ以上の導管を形成する、請求項43に記載の焼結炉。
【請求項45】
前記ハウジングの外殻は、金属を含み;
前記ハウジングの外殻は、アルミニウムまたはステンレス鋼で形成され;
前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、またはそれらの両方は、ガラス繊維もしくは多孔質セラミックエアロゲル、または上記のものの任意の組合せから形成される、請求項43に記載の焼結炉。
【請求項46】
少なくとも1つの前記加熱要素は、配置される領域を境界付ける1つ以上のシールドガスパーティションであって、1つ以上の前記シールドガスパーティションは、1つ以上のガスポートから少なくとも1つの前記加熱要素の1つ以上の端部に向かって不活性ガスを導く、少なくとも1つの導管を画定する、請求項41に記載の焼結炉。
【請求項47】
前記内部容積内に配置され、少なくとも1つの前記加熱要素の1つ以上の端部に向かってガス流を導くように構成された1つ以上のシールドガスノズルをさらに含む、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項48】
前記ハウジングの入口の近位および上流の位置で前記搬送アセンブリに前記基板を装填するように構成された第1のロボットポジショナ;
前記基板を前記搬送アセンブリから、前記ハウジングの前記出口の近位および下流の位置で取り出すように構成された第2のロボットポジショナ;
または上記のものの両方をさらに備える、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項49】
1つ以上の前駆体を、ハウジングの前記入口の近位および上流の位置で、前記搬送アセンブリによって支持された前記基板または前記搬送アセンブリの一部の上に堆積させるように構成されたディスペンサ;
1つ以上の焼結材料を、前記搬送アセンブリによって支持された前記基板から、または前記搬送アセンブリの一部から、前記ハウジングの前記出口の近位および下流の位置に受容するように構成されたサンプルコレクタ;
または上記のものの両方をさらに備える、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項50】
1つ以上の前記基板は、前記搬送アセンブリの一部を含む、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項51】
1つ以上の前記基板は、前記搬送アセンブリのコンベヤベルトの一部を含む、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項52】
前記コンベヤベルトは、導電性炭素材料で形成される、請求項51に記載の焼結炉。
【請求項53】
少なくとも1つの前記加熱要素のうちの第1の加熱要素は、平面視で、少なくとも20cmの面積を有する、請求項1に記載の焼結炉。
【請求項54】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記制御システムに、次のような少なくとも1つの加熱要素を制御させる命令を記憶する、請求項1に記載の焼結炉:
前記加熱領域内の温度は、第1の期間の直前の第2の期間中にほぼ室温から第1の温度に上昇することと、
前記加熱領域内の温度は、前記第1の期間の直後の第3の期間中に前記第1の温度からほぼ室温に低下すること。
【請求項55】
前記第2の期間の持続時間は、第1の期間の持続時間よりも大きく;
前記第2の期間の持続時間は、30秒以下であり;
前記第1の期間の持続時間は、第3の期間の持続時間よりも長く;
前記第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
前記第3の期間の持続時間は、5秒以下であり;
前記第2の期間中の前記第1の温度への加熱速度は、前記第3の期間中の前記第1の温度からの冷却速度よりも小さく;
前記第2の期間中の前記第1の温度への加熱速度は、少なくとも100℃/sであり;
前記第3の期間中の前記第1の温度からの冷却速度は、少なくとも100℃/sであり;
または上記のものの任意の組合せである、請求項54に記載の焼結炉。
【請求項56】
内部容積と、前記内部容積への入口と、前記内部容積からの出口とを画定するハウジングと;
1つ以上の前駆体粒子を前記ハウジングの前記入口に提供するように構成されたディスペンサと;
前記入口と前記出口との間の前記ハウジングの前記内部容積内に配置された少なくとも1つの加熱要素であって、各加熱要素は、1つ以上の前記前駆体粒子を温度プロファイルに供するように構築されている、加熱要素と;
前記ハウジングの前記出口から1つ以上の焼結粒子を受容するように構成されたサンプルコレクタと;
前記少なくとも1つの加熱要素に動作可能に結合された制御システムであって、1つ以上のプロセッサと、1つ以上の前記プロセッサによって実行されたときに、前記制御システムに、前記少なくとも1つの加熱要素を介して、前記1つ以上の前駆物質粒子を、第1の期間、少なくとも500℃の第1の温度に供する命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、を備える制御システムと;
を備える焼結炉。
【請求項57】
各加熱要素は、前記第1の温度にさらされたときに1つ以上の前記前駆体粒子が通過するように多孔質である、請求項56に記載の焼結炉。
【請求項58】
前記ディスペンサと、不活性ガスの供給源と、前記ハウジングの前記入口とに接続されたに接続されたガスマニホールドを含み、
前記ガスマニホールドは、1つ以上の前記前駆体粒子が少なくとも1つの前記加熱要素を通る不活性ガス流によって搬送されるように、1つ以上の前記前駆体粒子を前記不活性ガス流と組み合わせるように構成される、請求項57に記載の焼結炉。
【請求項59】
前記サンプルコレクタは、前記ハウジングの前記出口に接続され、
前記サンプルコレクタは、その上に焼結粒子を捕捉しながら、前記不活性ガス流を通過させる多孔質フィルタ膜を備える、請求項58に記載の焼結炉。
【請求項60】
少なくとも1つの前記加熱要素は、導電性ペーストを介して電流源に電気的に結合される、請求項57に記載の焼結炉。
【請求項61】
少なくとも1つの前記加熱要素は、垂直に延在する加熱容積を画定するように、ギャップによって分離された一対の実質的に平行な加熱要素を備え;
前記ディスペンサは、1つ以上の前駆体粒子が前記ハウジングの前記入口に送達され、重力によって垂直に延在する加熱容積を通過するように、前記ハウジングの前記入口の上に垂直に配置され、
前記加熱容積からの1つ以上の焼結粒子が重力によって前記出口を通って前記サンプルコレクタに通過するように、前記サンプルコレクタは、前記ハウジングの前記出口の下に垂直に配置される、請求項56に記載の焼結炉。
【請求項62】
少なくとも1つの前記加熱要素は、炭素、グラファイト、金属、またはそれらの任意の組合せで形成されたジュール加熱要素を含む、請求項56~61のいずれか一項に記載の焼結炉。
【請求項63】
電流源と、
前記電流源を少なくとも1つの前記加熱要素に結合する電気配線と、をさらに備え、
前記制御システムは、前記電流源に動作可能に結合され、前記コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の前記プロセッサによって実行されると、前記制御システムに、前記電流源を制御させて、前記電気配線を介して、少なくとも1つの前記加熱要素に電流パルスを印加させ、1つ以上の前記前駆体粒子を前記第1の温度にさらす命令を記憶する、請求項56~61のいずれか一項に記載の焼結炉。
【請求項64】
前記電気配線は、高融点金属を含む、または前記電気配線は、タングステンで形成される、請求項63に記載の焼結炉。
【請求項65】
前記第1の温度は、1000~3000℃であり;
前記第1の期間の持続時間は、60秒以下であり;
前記第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
または上記のものの任意の組合せである、請求項56に記載の焼結炉。
【請求項66】
前記ハウジングに熱的に結合され、前記ハウジングを冷却するように構成された冷却システムをさらに備える、請求項56に記載の焼結炉。
【請求項67】
前記冷却システムは、少なくとも1つの作動流体がその中を通って流れる熱交換器を備える、請求項66に記載の焼結炉。
【請求項68】
少なくとも1つの前記作動流体は、水、空気、油、液体窒素、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項67に記載の焼結炉。
【請求項69】
前記熱交換器は、前記ハウジングの外殻に隣接して、または前記外殻と接触して配置された蛇行導管を備える、請求項67に記載の焼結炉。
【請求項70】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の前記プロセッサによって実行されたときに、前記制御システムに前記少なくとも1つの前記加熱要素を以下のように制御させる命令を記憶する、請求項56に記載の焼結炉:
加熱領域内の温度を、前記第1の期間の直前の第2の期間中にほぼ室温から前記第1の温度に上昇させること、
前記加熱領域内の温度を、前記第1の期間の直後の第3の期間中に前記第1の温度からほぼ室温に低下させること。
【請求項71】
前記第2の期間の持続時間は、前記第1の期間の持続時間よりも長く;
前記第2の期間の持続時間は、30秒以下であり;
前記第1の期間の持続時間は、前記第3の期間の持続時間よりも長く;
前記第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
前記第3の期間の持続時間は、5秒以下であり;
前記第2の期間中の前記第1の温度への加熱速度は、前記第3の期間中の前記第1の温度からの冷却速度よりも小さく;
前記第2の期間中の前記第1の温度への加熱速度は、少なくとも100℃/sであり;
前記第3の期間中の前記第1の温度からの冷却速度は、少なくとも100℃/sであり;
または上記のものの任意の組合せである、請求項70に記載の焼結炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月26日に出願された「高温焼結炉システム」という名称の米国仮出願第63/166,941号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(連邦支援研究に関する表明)
本発明は、米国エネルギー省(DOE)先端調査プロジェクトエージェンシーーエネルギー(ARPA-E)(Advanced Reserach Projects Agency-Energy(ARPA-E)によって与えられたDEAR0001329の下で政府の支援を受けてなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、一般に、材料を加熱するための炉に関し、より詳細には、材料焼結のための高温(例えば、≧500℃)焼結炉システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
高温焼結は、例えば、エレクトロニクス、エネルギー貯蔵、および極端な環境において使用するためのセラミック材料を処理するために使用することができる。チューブ炉またはマッフル炉などの従来の焼結技術は、典型的には、長い焼結時間(例えば、10時間)、穏やかな温度(~1300K)、遅い加熱速度(例えば、10K/分)、および高いエネルギー入力を必要とする。さらに、従来の焼結技術は、揮発性元素(例えば、Na、Liなど)を含有する焼結材料中に空隙を生成するか、または、汚染物質を生成し得る。これらの欠陥は、焼結生成物を、セラミックベースの固体電解質(SSE)などの特定の用途での使用に適さないものにするおそれがある。さらに、従来の焼結技術は、結晶粗大化プロセスに対して制限された制御を提供する可能性があり、異常な結晶粒成長および様々なサイズ分布が問題を引き起こすことがあり得る。
【0005】
マイクロ波支援焼結(MAS)、スパークプラズマ焼結(SPS)、およびフラッシュ焼結(FS)のような、より速い焼結技術が最近開発されたが、それらは、それら自体の問題を示すか、または、限定された用途を有する。例えば、MASは、多くの場合、材料のマイクロ波吸収特性またはサセプタの使用に依存する。フィールドアシスト焼結技術(FAST)またはパルス電流焼結(PECS)としても知られるSPSは、比較的短い焼結時間(例えば、2~10分)および中程度の圧力で低温範囲(例えば、1073~1883K)の緻密なセラミックを得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、SPSは、機械的圧力(例えば、6~100MPa)および高パルス直流(例えば、数千アンペアまで)を同時に提供するために、洗練された高価な機器を必要とする。FSは、複雑な計装を必要としないが、高価な白金電極を必要とし、FSを実行するために必要な条件は、材料の電気的特性に依存する(したがって、特定の材料のみに限定され得る)。MAS、SPS、およびFSシステムは、ロールツーロール処理システムに組み込むことが困難な場合があり、これは、大規模製造を提供する能力を妨げ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示される主題の実施形態は、とりわけ、上述の問題および欠点のうちの1つまたは複数に対処し得る。
【0008】
開示される主題の実施形態は、高温焼結炉システムおよび方法を提供する。実施形態によっては、高温焼結炉システムは、焼結材料(例えば、セラミック)の大規模および/または連続製造を可能にすることができるロールツーロール処理構成を含むことができる。焼結炉は、比較的短時間(例えば、≦60秒、例えば、≦約10秒)にわたって500℃、例えば、約1000~3000℃を超える焼結温度を生成する1つ以上の加熱要素(例えば、ジュール加熱要素)を有することができる。実施形態によっては、各加熱要素は、焼結温度まで急速に加熱し、および/または焼結温度から急速に冷却することができる。例えば、加熱要素は、低温(例えば、室温、例えば、20~25℃、または500℃よりもはるかに低い高温、例えば、200℃)から、少なくとも10 ℃/分(例えば、≧10 ℃/s、例えば、10~10℃/sを含む)の加熱速度で焼結温度に移行することができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、加熱要素は、少なくとも10℃/分(例えば、≧10 ℃/s)の冷却速度で、焼結温度からより低い温度(例えば、室温または500℃未満の高温、例えば、200℃)に移行することができる。
【0009】
1つ以上の実施形態では、焼結炉は、ハウジング、少なくとも1つの加熱要素、搬送アセンブリ、および制御システムを備えることができる。ハウジングは、内部容積と、内部容積への入口と、内部容積からの出口とを画定することができる。少なくとも1つの加熱要素は、入口と出口との間のハウジングの内部容積内に配置することができる。各加熱要素は、加熱領域を温度プロファイルにさらすように構成することができる。搬送アセンブリは、1つ以上の基板をハウジングの入口や、ハウジングの内部に移動させ、また、ハウジングから外部に移動させるように構成することができる。制御システムは、少なくとも1つの加熱要素および搬送アセンブリに動作可能に結合することができる。制御システムは1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに、搬送アセンブリを介して、1つ以上の前駆体をその上に有する第1の基板を、入口を通って加熱領域に移動させる命令と、少なくとも1つの加熱要素を介して、加熱領域内の第1の基板を、第1の期間、少なくとも500℃の第1の温度に移動させる命令と、搬送アセンブリを介して、加熱領域から出口を通って、1つ以上の焼結物質をその上に有する第1の基板を移動させる命令と、を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を備えることができる。
【0010】
1つ以上の実施形態では、焼結炉は、ハウジングと、ディスペンサと、少なくとも1つの加熱要素と、サンプルコレクタと、制御システムとを備えることができる。ハウジングは、内部容積と、内部容積への入口と、内部容積からの出口とを画定することができる。ディスペンサは、1つ以上の前駆体粒子をハウジングの入口に提供するように構成することができる。少なくとも1つの加熱要素は、入口と出口との間のハウジングの内部容積内に配置することができる。各加熱要素は、1つ以上の前駆体粒子を温度プロファイルに供するように構築することができる。サンプルコレクタは、ハウジングの出口から1つ以上の焼結粒子を受け取るように構成することができる。制御システムは、少なくとも1つの加熱要素に動作可能に結合することができる。制御システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、制御システムに、少なくとも1つの加熱要素を介して、1つ以上の前駆体物質粒子を、第1の期間周期の間、少なくとも500℃の第1の温度に曝すようにさせる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、を備えることができる。
【0011】
本開示の様々な革新のいずれも、組み合わせて、または別々に使用することができる。この概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図するものでもない。開示された技術の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、実施形態について、必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付の図面を参照して説明する。適用可能な場合、いくつかの要素は、基礎となる特徴の例示および説明を助けるために、簡略化されるか、または、そうでなければ図示されない場合がある。図面全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を示す。
図1A図1Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉の簡略化された断面図である。
図1B図1Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉を使用するロールツーロール処理システムの簡略断面図である。
図1C図1Cは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、入口および出口のための単一のポートを使用する別の高温焼結炉の簡略断面図である。
図2図2は、開示される技術が実装され得るコンピューティング環境の一般化された例を示す図である。
図3A図3Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉の加熱要素の例示的な温度プロファイルのグラフである。
図3B図3Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、焼結されるべき材料を担持する基板の例示的な多温度プロファイルのグラフである。
図4A図4Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉のための加熱要素の簡略化された斜視図である。
図4B図4Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉のための例示的な電気接続を有する加熱要素の簡略化された断面斜視図である。
図4C図4Cは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉のための例示的な電気接続を有する加熱要素の簡略化された部分斜視図である。
図5A図5Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、単一の炉を使用する例示的な2ステージ加熱システムの簡略化された断面図である。
図5B図5Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、別個の炉を使用する例示的な2ステージ加熱システムの簡略断面図である。
図6図6は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、単一の炉内で複数の加熱要素を使用する例示的なバッチ処理システムの簡略断面図である。
図7A-7B】図7A-7Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、外面の能動的冷却を伴う例示的な高温焼結炉の簡略化された断面図である。
図8A図8Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、シールドガス流のためのノズルを有する加熱要素の簡略化された斜視図である。
図8B図8Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、シールドガス流のためのノズルを有する加熱要素の簡略化された断面図である。
図8C図8Cは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、シールドガス流のための一体化ノズルを伴う高温焼結炉の簡略化された断面図である。
図9図9は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、加熱およびプレスを使用する例示的な高温焼結炉の動作を図示する、一連の簡略化された断面図である。
図10図10は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、加熱要素としてコンベヤベルトの一部分を使用する例示的な高温焼結炉の簡略断面図である。
図11A図11Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、一対の対向する加熱要素および基板搬送を使用する例示的な高温焼結炉の一部の簡略化された斜視図である。
図11B図11Bは、図11Aの高温焼結炉の動作を示す一連の簡略断面図である。
図12A-12B】図12A-12Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、一対の対向する加熱要素、材料圧縮、および材料搬送を使用する例示的な高温焼結炉の一部の簡略断面図および斜視図である。
図13A-13B】図13A-13Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、材料搬送を伴わない、一対の対向する加熱要素を使用する例示的な高温焼結炉の一部の簡略化された断面図および斜視図である。
図14A-14B】図14A-14Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、材料圧縮を伴うが材料搬送を伴わない、一対の対向する加熱要素を使用する例示的な高温焼結炉の一部の簡略化された断面図および斜視図である。
図15A-15C】図15A-15Cは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、能動的外部冷却を使用する例示的な高温焼結炉の簡略化された出口側の斜視図、斜視図、および部分斜視図である。
図16A-16C】図16A-16Cは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、内部絶縁およびシールドガス流を使用する例示的な高温焼結炉の簡略断面図、斜視図、および部分斜視図である。
図17A-17B】図17A-17Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、それぞれ、断熱材を使用する、能動的冷却および例示的高温焼結炉を使用する、例示的高温焼結炉の内部体積の簡略化された断面図である。
図18A-18B】図18A-18Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、ガス流を遮蔽するための1つ以上の外殻を使用する高温焼結炉の一部の簡略化された断面図および斜視図である。
図19A図19Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、材料および単一対の加熱要素のロボット装填/取出しを使用する例示的高温焼結炉の一部の簡略化された斜視図である。
図19B図19Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、材料および複数対の加熱要素のロボット装填/取出しを使用する別の例示的高温焼結炉の一部の簡略化された斜視図である。
図20図20は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、コンベヤ上への前駆体粒子の分配を使用する例示的な高温焼結炉の一部の簡略化された斜視図である。
図21A図21Aは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、例示的なガス支持フロースルー高温焼結炉の一部の簡略断面図である。
図21B図21Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態による、図21Aの焼結炉において使用され得る例示的なフロースルー加熱要素の簡略化された平面図である。
図22図22は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、高温焼結炉を通る例示的な重力指向流の一部の簡略化された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一般的な考慮事項
本明細書の目的のために、本開示の実施形態の特定の態様、利点、および新規な特徴が本明細書に記載される。開示された方法およびシステムは、決して限定的であると解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、ならびに互いの様々な組合せおよび下位の組合せで、開示される様々な実施形態のすべての新規かつ非自明な特徴および態様を対象とする。方法およびシステムは、任意の特定の態様、特徴、またはそれらの組合せに限定されず、開示される実施形態は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、または問題が解決されることを必要としない。任意の実施形態または実施例からの技術は、他の実施形態または実施例のうちの任意の1つ以上において説明される技術と組み合わせることができる。開示された技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は、例示的なものにすぎず、開示された技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識されたい。
【0014】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便利な提示のために特定の順番で説明されるが、特定の順序付けが、以下で説明される特定の言語によって必要とされない限り、この説明の方式は、並べ替えを包含することを理解されたい。例えば、連続して説明される動作は、場合によっては、並べ替えられるか、または同時に実行され得る。さらに、簡略化のために、添付の図面は、開示された方法が他の方法と併せて使用され得る様々な方法を示していない場合がある。さらに、説明は、開示された方法を説明するために、「提供する」または「達成する」のような用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装形態に応じて異なり得、当業者によって容易に認識可能である。
【0015】
数値範囲の開示は、特に断りのない限り、端点を含む範囲内の各離散点を指すものと理解されるべきである。別段の指示がない限り、本明細書または特許請求の範囲で使用される、成分の量、分子量、百分率、温度、時間などを表す全ての数は、用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。したがって、別段の暗示的または明示的な指示がない限り、または文脈がより明確な構成を有すると当業者によって適切に理解されない限り、記載される数値パラメータは、当業者に知られているように、求められる所望の特性および/または標準試験条件/方法の下での検出の限界に依存し得る近似値である。議論された先行技術から実施形態を直接的かつ明示的に区別する場合、実施形態番号は、「約」という単語が列挙されない限り、近似ではない。「実質的に」、「およそ」、「約」、または同様の言語が特定の値と組み合わせて明示的に使用される場合は常に、明示的に別段の定めがない限り、その値の10%までの範囲を含むことが意図されている。
【0016】
方向および他の相対参照は、本明細書における図面および原理の説明を容易にするために使用され得るが、限定することを意図されない。例えば、「内側」、「外側」、「上側」、「下側」、「頂部」、「底部」、「内部」、「外部」、「左」、「右」、「前」、「後」、「後側」などの特定の用語が使用されてもよい。このような用語は、適用可能な場合、特に例示された実施形態に関して、相対的な関係を扱うときに、いくつかの明確な説明を提供するために使用される。しかしながら、このような用語は、絶対的な関係、位置、および/または向きを意味することを意図するものではない。例えば、物体に関して、「上側」は、単に物体を反転することによって「下側」になり得る。それにもかかわらず、それは依然として同じ部分であり、物体は同じままである。
【0017】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味し、また、単数形「a」または「an」もしくは「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。用語「または」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、記載された代替要素の単一の要素または2つ以上の要素の組合せを指す。
【0018】
本明細書に記載される様々な構成要素、パラメータ、動作条件などの代替があるが、それらの代替は、必ずしも、同等であり、および/または等しく良好に機能することを意味しない。また、特に明記しない限り、選択肢が好ましい順序で列挙されていることも意味しない。特に明記しない限り、以下に定義する基のいずれも、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0019】
別段の説明がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本開示の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本開示の主題の特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0020】
用語の概要
特定の用語および略語の以下の説明は、開示される主題の様々な態様の説明を容易にし、開示される主題の実施において当業者を案内するために提供される。
【0021】
熱衝撃: 約10秒未満の持続時間を有する期間の間の焼結温度の適用。 実施形態によっては、焼結温度適用の期間の持続時間は、約1マイクロ秒~約10秒の範囲(両端を含む)、例えば、約55ミリ秒である。
【0022】
焼結温度: (例えば、電流パルスの印加によって)通電されたときの加熱要素の表面における最大温度。 実施形態によっては、焼結温度は、少なくとも500℃、例えば、1000~3000℃である。実施形態によっては、炉内で焼結されるべき材料の温度は、加熱要素の温度と一致するか、または実質的に一致する(例えば、10%以内)ことができる。
【0023】
不活性ガス: 焼結温度にさらされたときに化学反応を受けないガス。 実施形態によっては、不活性ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソン、またはそれらの任意の組合せである。
【0024】
耐火材料: 少なくとも1000℃、例えば少なくとも1580℃の融点を有する材料(例えば、元素または化合物)。 実施形態によっては、耐火性材料は、ASTM C71-01、“Standard Terminology Relating to Refractories" 2017年8月(これは参照により本明細書に組み込まれる)に定義されている。
【0025】
耐火金属: 少なくとも1000℃、例えば少なくとも1850℃の融点を有する金属または合金。 実施形態によっては、高融点金属は、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、レニウム、またはそれらの合金のうちの1つである。
【0026】
金属: アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド、およびアクチニドを含む周期表上の金属として分類される個々の化学元素、ならびにステンレス鋼、黄銅、青銅、モネルなどであるが、これらに限定されない金属などの金属から形成される合金を含む。
【0027】
導入部
図1Aは、例示的な高温焼結炉システム100を示す。焼結炉システム100は、入口110と、出口112と、入口110と出口112との間に移動方向に沿って配置された内部容積114とを備える、および/または画定するハウジング108を有することができる。実施形態によっては、容積114を画定するハウジング108の内面は、1つ以上の低放射性材料(例えば、金、クローム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、シリコン、鉛など)で形成または被覆することができ、この材料は、焼結炉システム100の効率を改善するのに役立ち得る。入口110は、高さt(例えば、移動方向に垂直な方向)を有する開口部を画定することができ、出口112は、高さto(例えば、移動方向に垂直な方向)を有する開口部を画定することができる。実施形態によっては、入口高さt、および/または出口高さtoは、入口110に接触することなく焼結されるべき材料が入り、出口112に接触することなく焼結された材料が出ることを依然として可能にしながら、できるだけ小さくなるように選択することができる。
【0028】
加熱要素116は、入口110と出口112との間の位置(例えば、移動方向に沿った入口と出口との間の実質的に中間)で、ハウジング108の内部容積114内に配置することができる。加熱要素116は、例えば、図3A図3Bに関して以下でさらに詳細に説明するように、加熱領域124に熱衝撃プロファイルを与えることができる。実施形態によっては、加熱要素は、例えば、炭素、グラファイト、金属、またはそれらの任意の組合せで形成されたジュール加熱要素である。電源118(例えば、波形発生器などの電流源)と加熱要素116との間の電気接触は、それぞれのフィードスルーまたはパススルー120a、120b(例えば、耐火性材料から形成される)を通って延びる配線によって行うことができる。コントローラ122は、電流源118に動作可能に結合されて、その動作を制御することができ、例えば、電流源118を制御して、加熱領域124に熱衝撃プロファイルを与える加熱要素116に電流パルスを印加する。ジュール加熱の代わりに、または、それに加えて、実施形態によっては、加熱要素は、熱衝撃プロファイルを生成することが可能な任意の他の加熱源、例えば、マイクロ波加熱源、レーザ、電子ビームデバイス、火花放電デバイス、またはそれらの任意の組合せを備えることができる。
【0029】
図1Aに示す例では、加熱要素116は、例えば、放射加熱を提供するために、ギャップg(例えば、材料の移動方向に垂直な方向に沿って加熱要素と焼結されるべき材料および/または焼結された材料の上面との間の最小間隔)だけ、加熱領域124内の焼結されるべき材料から間隔を置かれている。代替的にまたは追加的に、加熱要素116は、導電性加熱を提供するように、焼結されるべき材料と接触するように移動され得る。例えば、アクチュエータ(例えば、図9に示されるような)は、熱衝撃加熱の目的のために、加熱要素116を焼結されるべき材料に向かって(例えば、ギャップgを減少させるために、例えば、ゼロに)変位させ、次いで、ハウジングから材料を搬送する目的のために、焼結されるべき材料から離れるように(例えば、ギャップgを増加させるために、例えば、安全な距離に)変位させるために提供され得る。図1Aの例は、単一の加熱要素116のみを示すが、開示される主題の実施形態は、それに限定されない。むしろ、1つ以上の考えられる実施形態によれば、複数の加熱要素を設けて、例えば、(例えば、ハウジング108を通る移動方向に沿って異なる位置に加熱要素を配置することによって)直列加熱、および/または(例えば、焼結されるべき材料の反対側に加熱要素を配置することによって)並列加熱を提供することができる。
【0030】
図1Aに示す例では、内部容積114は、例えば、内部容積114を画定するハウジング108の内部側壁と、ハウジング108(例えば、コンベヤベルト102)を通って移動する構成要素との間にかなりの距離を有して、実質的に開放されている。例えば、実施形態によっては、内部容積114のサイズが加熱領域124の容積(例えば、熱ショック中の焼結温度の10%以内の領域)よりも少なくとも1桁大きい(例えば、少なくとも10倍、例えば、少なくとも100倍)ものであることができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、内部容積114のサイズは、加熱要素の体積よりも少なくとも107だけ大きくすることができる。例えば、ステンレス鋼製のチャンバまたはハウジング内の炭素系ジュール加熱器(例えば、約10cm ×1cm ×0.2cmの寸法を有する)の場合、約3000℃の温度を維持するために、約15kWの電力が必要とされ得る。炉や断熱材を冷やさないと、ハウジングの外壁が1.87m×1.87m×1.87m(体積率3.4×106に相当)程度のサイズであれば、ハウジングの外壁は、~200℃に達する可能性がある。一方、チャンバのサイズを2.8m×2.8m×2.8m(約1.0×107の体積比に相当)程度に大きくすれば、ハウジングの外壁の温度を約100℃程度に保つことができる。
【0031】
代替的にまたは追加的に、入口110と出口112との間の焼結炉ハウジング108内の移動長さLtravelは、加熱領域124の長さLHZよりも少なくとも1桁(例えば、少なくとも10倍、例えば少なくとも100倍)大きくすることができる。そのような構成は、熱衝撃プロファイルの終了時に加熱要素116の急速冷却(例えば、焼結材料の付随する急速冷却)を助けることができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、内部容積114のサイズが例えば、加熱領域124とハウジング108の壁との間に配置された断熱材によって低減され得る。そのような断熱は、熱衝撃の間に達する高温がハウジング108の外面および/または周囲環境に伝達されるのを防止するのに役立ち得る。
【0032】
搬送アセンブリを使用して、焼結されるべき材料を、入口110を介してハウジング108の内部容積114内に移動させ、焼結された焼結材料を、出口112を介してハウジング108の内部容積114外に移動させることができる。例えば、実施形態によっては、搬送アセンブリは、コンベヤベルト102(例えば、連続ベルト)、1つ以上の駆動ローラ104a、104b(例えば、回転モータを備えるか、または回転モータに結合される)、および1つ以上の支持ローラ106a、106b(例えば、受動ローラ)を備えることができる。図示の例では、駆動ローラ104a、104bは、ハウジング108の外側に維持され、したがって、熱衝撃の間にハウジング108内で生成される高温から絶縁され得る。支持ローラ106a、106bは、ハウジング108内に配置されるので、耐火金属(例えば、タングステン)で形成することができる。代替的に、支持ローラ106a、106bが加熱領域124から十分に離間される場合、それらの支持ローラは、非耐火性金属(例えば、ステンレス鋼)から形成され得る。
【0033】
コンベヤベルト102は、焼結温度の1つ以上の適用に耐えることができる可撓性材料で形成することができる。例えば、実施形態によっては、コンベヤベルト102は、グラファイトなどの炭素系材料から形成することができる。あるいは、実施形態によっては、コンベヤベルト102は、(例えば、溶融、炭化、または他の分解効果のために)焼結温度に耐えることができない材料で形成することができる。例えば、実施形態によっては、コンベヤベルトは、ポリマークロスから形成することができる。そのような場合、焼結されるべき材料は、コンベヤベルトから加熱領域内の高温支持体(図示せず)または加熱要素表面に搬送することができ、内部容積114から(例えば、加熱領域124から)搬送するために、任意の焼結された材料をコンベヤベルトに戻すことができる。
【0034】
動作中、焼結されるべき材料128iは、入口110を介してハウジング108内に搬送され得、焼結された材料128sは、出口112を介してハウジング108から搬送され得る。実施形態によっては、焼結されるべき材料128iは、ナノ粒子および/または前駆体(例えば、金属塩、例えば、金属元素の塩化物または水和物形態)を含むことができる。代替的にまたは追加的に、焼結されるべき材料128iは、ポリマーフィルム(例えば、グリーンテープ)などの基板上に設けることができる。実施形態によっては、焼結されるべき材料128i(および任意の基板)とコンベヤベルト102との組合せは、入口厚さtおよび/または出口厚さtoよりわずかに小さい最大厚さtmを有することができる。例えば、入口厚さt、出口厚さto、またはその両方は、ハウジング108の周囲がハウジング108内の高温に曝されるのを防止するのに役立ち得る、厚さtmよりも少なくとも10%大きいものであることができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、入口厚さt、出口厚さto、または両方は、最大厚さtmの2倍以下であり得る。
【0035】
搬送アセンブリの特定の構成が図1Aに示されているが、1つ以上の企図される実施形態によれば、他の構成も可能である。例えば、支持ローラ106a、106bの一方または両方をなくすことができ、またはハウジング108の内部または外部に追加の支持ローラを設けることができる。別の例では、駆動ローラ104a、104bに加えて、または、その代わりに、1つ以上の駆動ローラをハウジング108内に設けることができる。さらに、図1Aの例では、連続コンベヤベルト102が使用されているが、実施形態によっては、搬送アセンブリは、代わりに、ロールツーロール処理構成を使用することができる。
【0036】
例えば、図1Bは、ロールツーロール構成を有する例示的な焼結炉システム130を示し、供給ロール132は、コンベヤ材料136を入口110に供給するために巻き出され、一方、出口112からの処理済みコンベヤ材料136は、出力ロール134に巻き取られる。実施形態によっては、コンベヤ材料136は、焼結されるべき材料(例えば、実質的に固体の形態の1つ以上の前駆体)を含むことができる。代替的にまたは追加的に、コンベヤ材料136は、例えば、コンベヤ材料136の少なくとも1つの表面上に予め装填され、供給ロール132の周りに巻き付けられた1つ以上の前駆体を有する、その上の焼結されるべき材料のための支持体としての役割を果たすことができ、ここで、少なくとも1つの表面は、加熱領域に供給されると、加熱要素116に面する。代替的にまたは追加的に、コンベヤ材料136は、例えば、コンベヤ材料を形成する繊維(例えば、カーボンナノファイバー)上の1つ以上の前駆体(例えば、ナノ粒子)で、その中の焼結されるべき材料を支持することができる。
【0037】
図1A図1Bの例では、ハウジング108は、出口112とは別個の入口110を有し、コンベヤベルトまたは材料は、入口110と出口112との間の内部容積114を通って延びる。しかしながら、他の実施形態では、単一のポートを使用して、加熱領域に焼結されるべき材料を提供し、そこから焼結された材料を除去することができる。そのような単一ポート構成は、例えば、熱がハウジングの内部容積から逃げ得る、および/または不純物がハウジングの外側から内部容積内に入る可能性がある開口を最小限にすることによって、システムの効率を高めることができる。
【0038】
例えば、図1Cは、装填/取出しステージ140および焼結ステージ152における例示的なシングルポート焼結炉システムを示す。上述の例と同様に、ハウジング150は、加熱要素116が設けられる内部容積146を画定する。しかしながら、ハウジング150は、単一の入口/出口ポート148を含み、それを通して材料が導入され、その後、内部容積146から除去される。焼結されるべき材料128iは、焼結ステージ152で示されるように、焼結のために材料128iを位置決めするために、作動アセンブリ144を介して入口/出口ポート148を通して横方向に変位され得る、材料支持部材142(例えば、剛性基板)上に配置され得る。図示の例では、作動アセンブリ144は、図面用紙の紙面に対して垂直な軸の周りを回転する一対のローラを使用する。代替的に、実施形態によっては、作動アセンブリは、回転ステージを使用し、その回転ステージの作動は、支持部材142を図面用紙の紙面に対して平行な(例えば、加熱要素と加熱領域内の材料との間のギャップgに平行な)軸の周りに回転させる。
【0039】
開示された例のいずれにおいても、加熱要素は、加熱領域内の材料を熱衝撃プロファイルに供することができる。例えば、コントローラ122は、電源118を制御して、加熱要素116に短期間の電流パルスを印加し、加熱要素を焼結温度まで急速に上昇させ、所定の焼結時間の間、焼結温度に滞留させ、次いで、焼結温度から急速に冷却することができる。例えば、図3Aは、熱衝撃プロセスを実行するために加熱要素によって生成され得る温度プロファイル300を示す。第1の焼結ステージ302aの間、焼結温度TH (例えば、少なくとも500℃、例えば、1000~3000℃の範囲、例えば、~2000℃以上)は、比較的短い時間t(例えば、60秒以下、例えば、約1μs~10sの範囲、例えば、~10s)の間提供され得る。実施形態によっては、高温は、成分前駆体材料の全てを溶融し、および/または高温均一混合を誘導するのに十分であり得る。実施形態によっては、温度プロファイル300は、焼結温度THへの、および/またはそれからの急速な移行を提供することができる。例えば、温度プロファイル300は、少なくとも10℃/s、例えば10~10 ℃/s(両端値を含む)の加熱ランプ速度RH(例えば、室温(例えば、20~25℃)または上昇した周囲温度(例えば、100~200℃)などの基準温度TLからの焼結温度THまで)を示すことができる。温度プロファイル300は、さらに、10~10℃/s(両端値を含む)など、少なくとも10 ℃/sの冷却ランプ速度RC(例えば、焼結温度TH から、および/または焼結温度THから前駆体の構成材料のうちの1つ以上の融解温度までの基本温度TL)を示すことができる。例えば、熱衝撃のためのシステムおよび方法は、以下の例と同様なものとすることができる。
【0040】
米国特許出願公開第2018/0369771号:発明の名称「ナノ粒子および熱衝撃によるナノ粒子の合成のためのシステムおよび方法」、米国特許出願公開第2019/0161840号:発明の名称「多要素ナノ粒子の熱衝撃合成」、国際特許出願公開第2020/236767号:発明の名称「高温焼結システムおよび方法」、および国際特許出願公開第2020/252435号:発明の名称「単原子の高音合成のためのシステムおよび方法」。
【0041】
実施形態によっては、熱衝撃曝露は、バッチ方式で実施することができ、例えば、材料は、加熱領域に搬送され、焼結温度への曝露中に実質的に静止状態に維持され、次いで、冷却中または冷却後に加熱領域から搬出される。そのような実施形態では、温度プロファイル300は、実質的に同一であるが、遅延t分だけ第1の焼結ステージ302aから時間的にずれてもよい、後続の焼結ステージ302bを含むことができる。実施形態によっては、遅延tが加熱領域から焼結材料(またはそのセット)を除去し、および/または次の焼結されるべき材料(またはそのセット)を加熱領域に導入するための時間と同等またはそれより長くすることができる。実施形態によっては、tは、焼結時間tより小さい(例えば、少なくとも1桁の大きさより小さい)ものであってもよい。代替的にまたは追加的に、tは、実質的にtに等しいか、またはtより大きくてもよい。
【0042】
あるいは、実施形態によっては、熱衝撃曝露は、連続的な方法で実施することができ、例えば、材料は、加熱領域内に、および加熱領域を通って搬送されると同時に、加熱要素は、熱衝撃プロファイルを提供する。そのような実施形態では、加熱領域を通過する各材料が所望の焼結時間に実質的に等しい累積時間(例えば、所定の最大時間未満)の間、焼結温度に曝されることを確実にするように、加熱領域を通過する通過時間および熱衝撃プロファイルを調整することができる。代替的にまたは追加的に、熱衝撃曝露は、少なくとも部分的に、材料が加熱領域を通過することによって生成することができる(例えば、ここで、t = LHZ÷(加熱領域を通る材料の搬送速度))。
【0043】
実施形態によっては、焼結されるべき材料は、例えば、後続の熱衝撃のために前駆体材料および/または前駆体材料を支持する基板を調製、準備するために、熱衝撃プロファイルの前に予備温度プロファイルに供され得る。例えば、図3Bは、焼結されるべき材料によって経験される多段温度プロファイル310を示す。予熱ステージ312において、材料は、持続時間tの間、中間温度Tに供され得る。実施形態によっては、予熱ステージ312は、中間温度Tがその上に焼結されるべき材料を支持する基板を炭化させるのに充分で炭化ステージであってもよい。例えば、中間温度Tは、200~500℃であってもよい。実施形態によっては、中間温度Tは、焼結炉ハウジング内であるが、加熱領域の外部の基本温度である。代替的にまたは追加的に、中間温度Tは、例えば、入口と焼結加熱領域との間の移動経路に沿って配置された、焼結炉内の別個の加熱要素によって生成することができる。代替的にまたは追加的に、中間温度Tは、例えば、焼結炉ハウジングの入口の上流の別個のハウジング内で、または単に入口の前に焼結炉ハウジングの外部で、焼結炉の外部の別個の加熱要素によって生成することができる。
【0044】
実施形態によっては、予熱ステージ312の持続時間tは、焼結持続時間tおよび/または搬送持続時間tよりも大きくすることができる。あるいは、予熱ステージ312の持続時間tは、tおよびtのいずれかまたは両方よりも少なくすることができる。実施形態によっては、予熱ステージ312の持続時間tは、例えば、上流基板の炭化が下流基板上の材料の焼結と同時に起こるとき、tに実質的に等しくすることができる。代替的に、実施形態によっては、予熱ステージ312の持続時間tは、例えば、基板の炭化が加熱領域に向かう途中で起こるとき、tに実質的に等しくすることができる。
【0045】
実施形態によっては、予熱ステージ312の後、材料は、焼結ステージ302に通過する前に搬送ステージ314を通過することができる。例えば、搬送ステージ314は、材料が予熱領域(例えば、焼結炉の上流のハウジング、または炉内であるが、焼結加熱領域の上流の領域)から焼結加熱領域に移動する時間に対応することができる。実施形態によっては、搬送ステージ314の持続時間tは、例えば、下流の基板が焼結加熱領域から移動されるのと同時に、上流の材料が予熱領域から移動されるとき、実質的にtに等しくすることができる。代替的にまたは追加的に、搬送ステージ314の持続時間tは、例えば、焼結ステージ302がベース温度Tではなく、中間温度Tから直接的に移動する場合、ゼロまたはゼロに近くてもよい。
【0046】
コンピュータの実装
図2は、コントローラ122の態様および/または開示された焼結炉システムのいずれかの動作方法など、本明細書で説明されたイノベーションが実装され得る、適切なコンピューティング環境231の一般化された例を描写する。コンピューティング環境231は、様々な汎用または専用コンピューティングシステムにおいて革新が実装され得るので、使用または機能性の範囲に関していかなる限定も示唆することを意図していない。例えば、コンピューティング環境231は、様々なコンピューティングデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータなど)のいずれかであり得る。
【0047】
コンピューティング環境231は、1つ以上の処理ユニット235、237およびメモリ239、241を含む。図2において、この基本構成251は、破線内に含まれる。処理ユニット235、237は、コンピュータ実行可能命令を実行する。処理ユニットは、汎用中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)内のプロセッサ、または任意の他のタイプのプロセッサであり得る。マルチ処理システムでは、複数の処理ユニットがコンピュータ実行可能命令を実行して、処理能力を増大させる。例えば、図2は、中央処理ユニット235と、グラフィック処理ユニットまたはコプロセッシングユニット237とを示す。有形メモリ239、241は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリなど)、または処理ユニットによってアクセス可能な2つの何らかの組合せであり得る。メモリ239、241は、処理ユニット(複数可)による実行に適したコンピュータ実行可能命令の形態である、本明細書で説明する1つ以上のイノベーションを実装するソフトウェア233を記憶する。
【0048】
コンピューティングシステムは、追加の特徴を有することができる。例えば、コンピューティング環境231は、ストレージ261、1つ以上の入力デバイス271、1つ以上の出力デバイス281、および1つ以上の通信接続291を含む。バス、コントローラ、またはネットワークなどの相互接続機構(図示せず)が、コンピューティング環境231の構成要素を相互接続する。典型的には、オペレーティングシステムソフトウェア(図示せず)は、コンピューティング環境231において実行する他のソフトウェアのためのオペレーティング環境を提供し、コンピューティング環境231の構成要素のアクティビティを調整する。
【0049】
有形ストレージ261は、取り外し可能または取り外し不可能であってもよく、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD-ROM、DVD、または非一時的な方法で情報を記憶するために使用することができ、コンピューティング環境231内でアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。ストレージ261は、本明細書で説明する1つ以上のイノベーションを実装するソフトウェア233のための命令を記憶することができる。
【0050】
(1つ以上の)入力デバイス271は、キーボード、マウス、ペン、またはトラックボールなどのタッチ入力デバイス、音声入力デバイス、走査デバイス、またはコンピューティング環境231に入力を与える別のデバイスであり得る。出力デバイス271は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、CDライタ、またはコンピューティング環境231からの出力を提供する別のデバイスとすることができる。
【0051】
(1つ以上の)通信接続291は、通信媒体を介して別のコンピューティング設備への通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令、オーディオもしくはビデオ入力もしくは出力、または変調データ信号内の他のデータなどの情報を伝達する。変調データ信号は、信号内の情報を符号化するように、その特性のうちの1つ以上が設定または変更された信号である。限定ではなく例として、通信媒体は、電気、光、無線周波数(RF)、または別のキャリアを使用することができる。
【0052】
開示された方法のいずれも、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、1つ以上の光媒体ディスク、揮発性メモリ構成要素(DRAMまたはSRAMなど)、または不揮発性メモリ構成要素(フラッシュメモリまたはハードドライブなど))上に記憶され、コンピュータ(例えば、コンピューティングハードウェアを含むスマートフォンまたは他のモバイルデバイスを含む、任意の市販のコンピュータ)上で実行される、コンピュータ実行可能命令として実装され得る。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、信号および搬送波などの通信接続を含まない。開示された技術を実施するための任意のコンピュータ実行可能命令、ならびに開示された実施形態の実施中に作成され、使用される任意のデータは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。コンピュータ実行可能命令は、例えば、ウェブブラウザまたは他のソフトウェアアプリケーション(リモートコンピューティングアプリケーションなど)を介してアクセスまたはダウンロードされる専用ソフトウェアアプリケーションまたはソフトウェアアプリケーションの一部であり得る。そのようなソフトウェアは、例えば、単一のローカルコンピュータ(例えば、任意の適切な市販のコンピュータ)上で、または1つ以上のネットワークコンピュータを使用してネットワーク環境(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク(クラウドコンピューティングネットワークなど)、または他のそのようなネットワークを介して)で実行され得る。
【0053】
明確にするために、ソフトウェアベースの実装形態のいくつかの選択された態様のみが説明される。当技術分野で周知の他の詳細は省略する。例えば、開示される技術は、任意の特定のコンピュータ言語またはプログラムに限定されないことを理解されたい。例えば、開示される技術の態様は、C++、Java、Perl、任意の他の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアによって実装することができる。同様に、開示される技術は、任意の特定のコンピュータまたはハードウェアのタイプに限定されない。適切なコンピュータおよびハードウェアの特定の詳細は周知であり、本開示で詳細に説明する必要はない。
【0054】
本明細書で説明される任意の機能は、ソフトウェアの代わりに、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理構成要素によって実行され得ることもまた、十分に理解されるべきである。例えば、限定ではなく、使用することができる例示的なタイプのハードウェア論理構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム固有集積回路(ASIC)、プログラム固有標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などを含む。
【0055】
さらに、ソフトウェアベースの実施形態のいずれか(例えば、コンピュータに開示された方法のいずれかを実行させるためのコンピュータ実行可能命令を含む)は、適切な通信手段を介してアップロード、ダウンロード、または遠隔アクセスすることができる。そのような好適な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバーケーブルを含む)、磁気通信、電磁気通信(高周波、マイクロ波、および赤外線通信を含む)、電子通信、または他のそのような通信手段を含む。上記の例および実施形態のいずれにおいても、システム、構成要素、デバイスなどの間の要求(例えば、データ要求)、指示(例えば、データ信号)、命令(例えば、制御信号)、または任意の他の通信の提供は、有線接続または無線接続による適切な電気信号の生成および送信によるものであり得る。
【0056】
加熱要素の構成
実施形態によっては、焼結炉システムの加熱アセンブリは、ジュール加熱要素と、電源と、ジュール加熱要素を電源に結合する電気配線とを備えることができる。例えば、図4Aは、ジュール加熱要素402を有する加熱アセンブリ400を示す。電源404(例えば、電流源)は、それぞれの配線406a、406bによってジュール加熱要素402の両端に電気的に接続することができる。実施形態によっては、ジュール加熱要素402は、カーボンナノファイバ、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、グラファイトフィルム、および/またはグラファイトプレートなどの導電性炭素材料から構成され得る。代替的にまたは追加的に、ジュール加熱要素402は、屈折性金属(例えば、タングステン)などの他の導電性材料から構成することができる。図4Aは、矩形のシートまたはフィルム(例えば、約2cmの幅および約10cmの長さを有する)として形成されたジュール加熱要素を示すが、1つ以上の企図される実施形態によれば、他の形状(例えば、規則的または任意の形状)も可能である。実施形態によっては、加熱要素402は、約30秒以下で室温から焼結温度まで上昇し、約10秒の焼結時間、次いで約5秒の急速冷却が続くことができる。
【0057】
実施形態によっては、加熱アセンブリは、熱衝撃プロファイルによって誘発される機械的変動、例えば、焼結温度への加熱から生じる加熱要素の熱膨張、および焼結温度からの冷却から生じるその後の熱収縮を補償する特徴を含むことができる。例えば、図4B図4Cは、熱衝撃プロファイルによって誘発される加熱要素402のサイズ/形状の変化に対応するための電気結合アセンブリ412a、412を有する例示的な加熱アセンブリ410を示す。例えば、各電気結合アセンブリ412a、412bは、一対の角度の付いた部材またはアーム422を有する付勢クリップ414を含むことができる。電気結合アセンブリ412a、412bは、一対の導電性プレート416、418をさらに含むことができ、それらは、加熱要素402の端部をそれらの間の凹部420内に共に挟む。各付勢クリップ414の角度付きアーム422は、プレート416、418を一緒に付勢して、加熱要素402の端部に確実にクランプするのに効果的であり得る。例えば、凹部420の高さは、プレート416、418が加熱要素402の端部部分を部分的に圧縮して把持するように、加熱要素402の厚さよりも小さくすることができる。実施形態によっては、電気結合アセンブリの構成要素は、例えば、電源404から加熱要素402への電気接続が電気配線406a、406bをそれぞれのバイアスクリップ414に接続することによって行われ得るように、導電性であり得る。例えば、各バイアスクリップ414は、金属(例えば、銅、銅被覆ステンレス鋼など)で形成することができ、各プレート416、418は、グラファイトなどの導電性炭素系材料で形成することができる。実施形態によっては、配線406a、406bは、タングステンまたは銅と銀との組合せなどの耐熱金属から形成することができる。電気結合アセンブリ412a、412bの構成は、良好な電気的接触を維持しながら加熱要素の膨張/収縮を可能にするとともに、構成金属を溶融または劣化させ得る加熱要素によって生成される高温から金属配線および/または金属クリップを少なくとも部分的に絶縁するのに有効であり得る。
【0058】
2ステージ加熱構成
実施形態によっては、例えば、予熱(例えば、基板の炭化のため、前駆体の乾燥のため、または任意の他の目的のため)を提供するために、複数の加熱ステージを同じ焼結炉ハウジング内に提供することができる。例えば、図5Aは、2ステージ焼結炉システム500を示すものであり、入口502と、出口506と、移動方向に沿って入口502と出口506との間に配置された内部容積504とを備える、および/または画定するハウジング508を有することができる。動作中、コンベヤベルト522を使用して、基板510i(例えば、ポリマーフィルム)上の焼結されるべき材料512iを、入口502を介してハウジング508の内部容積504内に搬送することができる。基板510iおよび前駆体材料512iは、コンベヤベルト522によって、例えば、第1の加熱要素516の加熱領域内の予熱ステージ514に配置することができる。実施形態によっては、予熱ステージ514は、基板を炭化材料510cに変換するのに効果的であり得る。予熱ステージ514の後、コンベヤベルト522は、例えば、焼結加熱要素116の加熱領域124内において、炭化材料510cおよび前駆体材料512iを、焼結ステージで、再配置することができる。実施形態によっては、焼結ステージ524は、前駆体材料512iを焼結材料512sに変換するのに有効であり得る。
【0059】
例えば、実施形態によっては、第1の加熱要素516は、それぞれの導電体フィードスルーまたはパススルー520a、520bを通過する配線を介して、電源518(焼結加熱要素116を駆動する電源118とは異なり得るか、または一体化され得る)に動作可能に結合されたジュール加熱要素であり得る。あるいは、実施形態によっては、第1の加熱要素516は、例えば、500℃未満の温度を生成することができる、別の種類の加熱メカニズムを使用することができる。実施形態によっては、コントローラ122は、予熱ステージ514および焼結ステージ524の両方の加熱要素516、116の動作を制御することができる。あるいは、実施形態によっては、各ステージ514、524に対して、それらの間の通信の有無にかかわらず、別個のコントローラを設けて、それらの動作を調整することができる。
【0060】
実施形態によっては、例えば、初期予熱(例えば、基板の炭化のため、前駆体の乾燥のため、または任意の他の目的のため)を提供し、続いて焼結するために、直列に配置された焼結炉ハウジングを介して、複数の加熱ステージを提供することができる。例えば、図5Bは、第1の加熱ステージ544(例えば、予熱ステージ)および第2の加熱ステージ554(例えば、焼結ステージ)を有することができる2ステージ焼結炉システム500を示す。第1の加熱ステージ544は、第1の入口532と、第1の出口536と、第1の入口532と第1の出口536との間に移動方向に沿って配置された第1の内部容積534とを備える、および/または画定する第1のハウジング538を含むことができる。実施形態によっては、第2の加熱ステージ554は、図1Aの焼結炉システム100または本明細書に開示される任意の他の焼結炉システムと同様の構成(例えば、ハウジング108、焼結加熱要素116など)を有することができる。
【0061】
動作中、コンベヤベルト542を使用して、例えば、入口532を通って第1の加熱要素546の加熱領域内の位置に搬送することによって、基板510i(例えば、ポリマーフィルム)上の焼結されるべき材料512iを第1のハウジング538の第1の内部容積534内に搬送することができる。実施形態によっては、第1の加熱ステージ544は、基板を炭化材料510cに変換するのに有効であり得る。第1の加熱ステージ544の後、コンベヤベルト542は、炭化材料510cおよび前駆体材料512iを、出口536を介してハウジング538から出て、第2の加熱ステージ554のハウジング108の入口110に、例えば、焼結加熱要素116の加熱領域124内の位置まで搬送することができる。実施形態によっては、焼結ステージ554は、前駆体材料512iを焼結材料512sに変換するのに有効であり得る。
【0062】
例えば、実施形態によっては、第1の加熱要素546は、それぞれの導電体フィードスルーまたはパススルー550a、550bを通過する配線を介して、電源548(焼結加熱要素116を駆動する電源118とは異なり得るか、または一体化され得る)に動作可能に結合されたジュール加熱要素であり得る。あるいは、実施形態によっては、第1の加熱要素546は、例えば、500℃未満の温度を生成することができる、別の種類の加熱メカニズムを使用することができる。実施形態によっては、コントローラ122は、第1の加熱ステージ544および第2の加熱ステージ554の両方の加熱要素546、116の動作を制御することができる。あるいは、実施形態によっては、各ステージ544、554に対して、それらの間の通信の有無にかかわらず、別個のコントローラを設けて、それらの動作を調整することができる。
【0063】
複数の加熱要素の構成
実施形態によっては、複数の加熱要素は、例えば、複数の焼結されるべき材料の同時または逐次バッチ処理を提供するために、同じ焼結炉ハウジング内に提供され得る。例えば、図6は、バッチ処理焼結炉システム600を示し、このバッチ処理焼結炉システム600は、入口610と、出口612と、入口610と出口612との間に移動方向に沿って配置された内部容積614とを備える、および/または画定するハウジング616を有することができる。バッチ処理焼結炉システム600はまた、内部容積614内に配置され、例えば、それぞれの加熱領域124は、移動方向に沿って連続的に配置されて第1の加熱ステージ604、第2の加熱ステージ606、および第3の加熱ステージ608を形成するように配置された複数の加熱要素116を含むことができる。図6の例では、3つの加熱ステージ604~608が示されているが、1つ以上の企図される実施形態によれば、より少ないまたは追加のステージも可能である。
【0064】
動作中、コンベヤベルトを使用して、焼結されるべき材料128iのバッチを入口610を介して内部容積614内に搬送することができる。図6の図示の例では、2つの材料128iが各加熱領域124内に配置されているが、実施形態によっては、各加熱領域124内に配置することができる材料は、より少なくする(例えば、1つの材料128i)か、または追加する(例えば、3つ以上の材料128i)ことができる。実施形態によっては、材料128iのバッチ602を処理するために、加熱要素116は、ステージ604~608のそれぞれの加熱領域124内の材料128iに熱衝撃プロファイルを提供するために同時に通電され得、それによって、複数の焼結材料128sを同時に形成する。次に、コンベヤベルトを使用して、出口612を介して内部容積614から焼結材料128sのバッチを搬送し、一方、入口610を介して焼結されるべき材料128iの次のバッチを装填することができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、加熱ステージ604~608は、例えば、第1のステージ604の加熱要素116がその加熱領域内の材料に熱衝撃プロファイルを提供し、その後、第2のステージ606の加熱要素116がその加熱領域内の材料に熱衝撃プロファイルを提供するなど、並列ではなく、異なる時間に動作することができる。バッチ内のすべての材料が焼結されると、コンベヤベルトを使用して、バッチをハウジング616から運び出し、および/または次のバッチをハウジング内に処理するために装填することができる。
【0065】
冷却システム構成
熱衝撃プロファイルは、焼結炉ハウジング内に非常に高い温度(例えば、1000~3000℃)を生成するので、ハウジングの外面は、周囲環境および/または人間のオペレータにとって有害であり得る温度(例えば、100℃以上の温度)を呈し得る。代替的にまたは追加的に、熱衝撃の高温は、例えば、ハウジング壁を、その構成材料の溶融温度に近づくかまたはそれを超える温度にさらすことによって、焼結炉の完全性を損なうことがある。したがって、実施形態によっては、焼結炉壁および/またはハウジングの外面の温度を所定の温度以下に維持するために、冷却システムを設けることができる。
【0066】
例えば、図7Aは、ハウジング108の外面と熱連通する冷却システムを使用する焼結炉システム700を示す。図示の例では、冷却システムは、ハウジング108の上面706に隣接して、その上に、またはその内部に配置された第1の流体導管704と、ハウジング108の底面716に隣接して、その上に、またはその内部に配置された第2の流体導管714と、を備えることができる。実施形態によっては、追加の導管を、ハウジング108の他の表面と熱連通して設けることができる(例えば、図15A図15Cの構成と同様)。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、流体導管は、ハウジング108のより少ない表面またはその一部に設けることができる。実施形態によっては、各流体導管704、714は、蛇行または曲折構成を有することができ、その結果、その中の流体の流れは、焼結炉ハウジング108内の材料の移動方向Tに直交するか、または移動方向Tと少なくとも交差する方向にあることができる。実施形態によっては、導管704、714を通る流体は、限定されないが、水、油、溶融塩などの任意のタイプの熱伝達流体を含むことができる。
【0067】
実施形態によっては、流体は、例えば、第1の導管704の出口から入口ライン720を介して第2の導管714に流体を導く油圧ポンプ708を使用して、導管704、714を通って連続的に流れることができ、第2の導管714の出口からの流体は、出口ライン722を介して第1の導管704の入口に再配送される。あるいは、実施形態によっては、流体は、導管704、714を通って並列に流れることができ、例えば、油圧ポンプ708の出力は、導管704、714のそれぞれの入口に同時に向けられ、導管704、714の出口からの排出は、油圧ポンプ708の入力に再配送される。直列または並列構成のいずれにおいても、第1の導管704を通る流体の流れの方向は、第2の導管714を通るものと同じであり得る。あるいは、第1の導管704を通る流体の流れの方向は、第2の導管714を通る方向と反対であり得る。
【0068】
実施形態によっては、コントローラ122は、例えば、外面に取り付けられたセンサ(例えば、熱電対、図示せず)に基づいて、および/または焼結炉ハウジングの外面のサーモグラフィを使用することに基づいて、ハウジング108の外面の温度を所定のしきい値未満(例えば、100℃未満、または50℃未満、または30℃未満)に維持するように、その操作を制御するために、冷却系を制御することができる。実施形態によっては、コントローラ122は、例えば、導管704、714を通る流体の速度を制御するために、油圧ポンプ708に動作可能に結合され得る。実施形態によっては、1つ以上の導管からの出力は、例えば、導管704、714内の流体を冷却流体流718(例えば、空気、水、油など)と熱交換することによって冷却するために、熱交換器710(例えば、クロスフロー熱交換器)に導くことができる。実施形態によっては、導管704、714内の流体を冷却するために、熱交換器710に加えて、またはその代わりに、熱放散デバイス(例えば、ピンフィンヒートシンク、直線フィンヒートシンク、またはフレアフィンヒートシンク)を使用することができる。
【0069】
図7Aの図示の例では、導管704、714は、蛇行構成を有するが、1つ以上の企図される実施形態によれば、他の導管構成も可能である。例えば、図7Bは、それぞれ表面706、716に隣接して、その上に、またはその内部に配置された第1および第2の流体導管734、744を有する冷却システムを使用する焼結炉システム730を示す。各流体導管734、744は、例えば、焼結炉ハウジング108内の材料の移動方向Tに平行に延在する、実質的に直線の構成を有することができる。実施形態によっては、流体は、例えば、油圧ポンプ708を使用して、導管734、744を通って平行に流れることができ、流体を、入口ライン750を介してその入口に同時に導き、出口ライン752を使用して、導管734、744から排出された流体をポンプ708の入力に再配送される。あるいは、実施形態によっては、流体は、例えば、図7Aに示される方法と同様の方法で、導管734、744を通って連続的に流れることができる。
【0070】
シールドガスの構成
実施形態によっては、例えば、熱衝撃プロファイルの終わりにおける冷却速度を向上させるため、加熱要素の寿命を増加させるため、および/または加熱要素の信頼性を向上させるため、汚染物質が加熱領域、焼結されるべき材料、および/または焼結された焼結材料に到達するのを防ぐため、および/または任意の他の目的のために、不活性ガスの指向流を焼結炉の内部容積に提供することができる。例えば、図8A図8Bは、焼結されるべき材料810の両側に一対の加熱要素802a、802bによって形成される加熱アセンブリ800を示す。電気配線804(例えば、タングステンなどの高融点金属で形成される)は、各加熱要素802a、802bの両側から、例えば、材料810の移動方向に垂直に延在することができる。第1のシールドガスノズル806a、806bの第1の対は、第1の加熱要素802aの反対側(例えば、材料の移動方向に対して)に設けることができる。第2のシールドガスノズル808a、808bの第2の対は、第2の加熱要素802bの反対側(例えば、材料の移動方向に直交する方向に対して)に設けることができる。実施形態によっては、シールドガスノズル806a、806b、808a、808bは、耐火材料(例えば、タングステンまたは炭化物)で形成することができる。
【0071】
第2の対のシールドガスノズル808a、808bは、第1の対のシールドガスノズル806a、806bとは異なる配置を有することができ、例えば、加熱要素802a、802bの間に延在するコンベヤベルト、および/または加熱要素802a、802bの間の加熱領域内外への材料の搬送を収容する。実施形態によっては、シールドガスノズル806a、806b、808a、808bは、それぞれの加熱要素802a、802bの側方端部および/またはそれぞれの加熱要素802a、802bの裏側(例えば、焼結されるべき材料810に面するおよび/または接触する反対側)で不活性ガスの流れを方向付けることができる。代替的または追加的に、実施形態によっては、不活性ガスの流れは、加熱器の加熱領域に向けることができる。例えば、図8Cは、入口830、出口832、および一対のシールドガスノズル824a、824bを含むおよび/または画定する焼結炉ハウジング822を有する例示的な焼結炉システム820を示す。シールドガスノズル824a、824bは、ハウジング822と一体に形成することができ、不活性ガス流826が加熱領域124に向けられ、入口830または出口932を介してハウジング822の内部容積からそれぞれ出るように配置することができる。シールドガスノズルおよび不活性ガス流のための他の構成も、1つ以上の企図される実施形態に従って可能である。
【0072】
圧力の印加の設定
実施形態によっては、熱衝撃プロファイルは、圧力の印加と同時に、例えば、加熱要素自体を介して、または焼結炉ハウジング内の加熱要素の近位または隣接する別の構成要素(例えば、耐火性材料で形成される)によって印加され得る。例えば、図9は、プレスを用いた例示的な焼結炉システムの動作を示す。初期搬送ステージ900において、焼結されるべき材料128iは、コンベヤ126によって、入口110を介してハウジング108内の加熱領域124に移動することができる。加熱要素116は、通過906を通って延在し、コントローラ122によって制御される作動アセンブリ902(例えば、回転モータ)によって変位可能で、可動ステージまたは作動部材904(例えば、ねじ機構)上に搭載され得る。図示の例では、作動アセンブリ902は、ハウジング108の外部に配置することができ、作動部材904は、通過906を通って延在することができるが、実施形態によっては、作動部材904および/または作動アセンブリ902は、ハウジング108内に配置することができる。加えて、図9は、特定のタイプの作動部材および作動アセンブリを示すが、1つ以上の企図される実施形態によれば、加熱要素を焼結されるべき材料128iに向かってまたはそれから離れるように移動させるための他の機構も可能である。
【0073】
搬送ステージ900の後、操作は、接触ステージ910に進み、作動アセンブリ902は、加熱領域124内の焼結されるべき材料128iに向かって加熱要素116を移動させる。次いで、操作は、焼結ステージ920に進むことができ、ここで、加熱要素116は、材料128iに熱衝撃プロファイル(例えば、図3Aに示されるよう)を与えるように付勢され、その後、加熱要素116は、解放ステージ930において作動アセンブリ902によって後退させられる。次いで、操作は、次の焼結されるべき材料のセットについて繰り返すために、搬送ステージ900に戻ることができる。
【0074】
実施形態によっては、加熱要素116は、例えば、熱衝撃プロファイル中に放射加熱を提供するために、搬送ステージ900と比較して、加熱要素116と材料128iとの間のギャップgを低減するように、接触ステージ910内に配置され得る。あるいは、実施形態によっては、加熱要素116は、例えば、熱衝撃プロファイル中に伝導性加熱を提供するために、搬送ステージ900と比較して加熱要素116と材料128iとの間のギャップgをなくすように、接触ステージ910内に配置され得る。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、加熱要素116が材料128iを圧縮するように接触ステージ910内に配置することができる。実施形態によっては、コンベヤ126は、加熱要素116に向かって静止していてもよく、または別々に移動可能であってもよい別の加熱要素と置き換えることができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、コンベヤ126は、高温プラテンまたは支持体(例えば、炭素系材料または耐火性材料から形成される)によって置き換えることができ、またはその一部を支持することができ、この高温プラテンまたは支持体は、静止しているか、または加熱要素116に向かって別個に移動可能であり得る。
【0075】
一体的な加熱および搬送構成
実施形態によっては、加熱要素は、搬送アセンブリと一体化され得るか、または搬送アセンブリの一部であり得る。例えば、図10は、加熱領域1024内の材料128iを所望の熱衝撃プロファイルに供するための加熱要素としてコンベヤベルト1002の一部1016を使用する例示的な焼結炉システム1000を示す。実施形態によっては、部分1016は、ジュール加熱要素として機能することができる。このような実施形態では、コンベヤベルトは、炭素、グラファイト、金属、またはこれらの組合せなどの導電性材料で形成することができる。電気インターフェース1004a、1004bは、部分1016と電気的に接触し、ジュール加熱を行うために、その部分に電流パルスを印加するように構成され得る。例えば、電気インターフェース1004a、1004bは、1つ以上の導電性ローラ、1つ以上のスリップリングインターフェースなどを備えることができる。動作中、コンベヤベルト1002は、ハウジング1008の入口1010と出口1012との間に延在することができ、支持ローラ1006a、1006bによってその中に支持することができる(例えば、図示のように内部容積1014内に配置され、高融点金属で形成されるか、またはハウジングの外側に配置され、金属で形成される)。実施形態によっては、ハウジングは、例えば、焼結炉ハウジング1008の壁を過度の温度から保護するために(例えば、ハウジング1008のサイズが加熱領域の容積の100倍未満であるとき)、内部容積1014内のコンベヤベルト1002の両側に断熱材1018、1022をさらに含むことができる。
【0076】
焼結されるべき材料128iは、加熱領域1024に搬送され得、ここで、電気的インターフェース1004a、1004bの間の部分1016を通過する電流は、材料128iを所望の熱衝撃プロファイルにさらす。実施形態によっては、コンベヤベルトが静止している間に、例えば、材料128iが加熱領域内に移動した後に、電流を印加することができる。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、コンベヤベルトが例えば連続的に動作し続けている間に、電流を印加することができる。そのような実施形態では、コンベヤベルトの速度、加熱領域1024のサイズ、および/または電流のタイミングは、それらの組合せにより、加熱領域1024を通過する各材料がそれぞれの熱衝撃プロファイルを受けるように適合され得る。
【0077】
例示的な焼結炉システム
図11A~11Bは、例えばロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1100およびその動作を示す。高温焼結炉システム1100は、一対の対向する加熱要素、例えば、放射加熱を提供するための上側加熱要素1112と、ローラ1104(例えば、ステンレス鋼などの金属で形成される)によって支持される(例えば、炭素で形成される)コンベヤフィルム1102によって担持される焼結されるべき材料に伝導加熱を提供するための下側加熱要素1114とを使用する。例えば、コンベヤフィルム1102は、入力ステージ1100aで示されるように、前駆体を有する基板材料1128i(例えば、グリーンテープ)を、入口領域1124から加熱領域1110に向かって搬送することができる。基板材料1128iは、(例えば、タングステンなどの高融点金属で形成された)材料搬送ローラ1106によって、搬送ステージ1100bにおいてコンベヤフィルム1102から搬送され、ステージ1100cにおいて加熱要素1114の上面上に配置され得る。加熱要素1112、1114(例えば、ジュール加熱カーボンストリップ)は、迅速な合成(例えば、固体反応)および反応焼結のために、加熱領域1110内で基板128iを迅速に加熱することができる。例えば、不活性雰囲気中で、加熱要素1112、1114は、少なくとも2000℃(例えば、≧3000℃)の温度を提供することができ、これは、セラミックス物質を合成し、焼結するのに充分であり得る。実施形態によっては、加熱要素1112、1114は、約30秒以下で室温から焼結温度まで上昇し、その後、約10秒の焼結時間が続き、次いで、約5秒で室温まで急速に冷却することができる。焼結後、焼結材料1128sは、ステージ1100dに示されるように、加熱要素1114を回転軸1118の周りで旋回させる傾斜機構1120(例えば、炭化物などの耐火性セラミックで形成される)によって搬送され得る。出力ステージ1100eにおいて、焼結材料1128sは、その後の処理または使用のために、コンベヤフィルム1102によって出口領域1126に移動され得る。
【0078】
実施形態によっては、加熱要素1112、1114のいずれかまたは両方は、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、グラファイトフィルム、またはグラファイトプレートなどの導電性カーボン材料から構成され得る。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、他の導電性材料または、複合体を加熱要素1112、1114に使用することができる。実施形態によっては、加熱要素1112、1114は、焼結されるべき材料1128iのサイズに基づいて、および/または(例えば、焼結材料1128sの十分なスループットを提供するために)製造ニーズを満たすようにサイズを決定することができる。例えば、加熱要素1112、1114は、約2cmの幅および約10cmの長さを有することができる(例えば、材料の移動方向に平行な平面内)。1つ以上の考えられる実施形態によれば、加熱要素の他の形状およびサイズも可能である。実施形態によっては、上側加熱要素1112と材料1128iとの間の距離は、上側加熱要素を支持および/または移動するように構成され得るシフトガイド1122によって調整され得る。例えば、シフトガイド1122は、炭化ケイ素、炭化ホウ素などの耐火性セラミックで形成することができる。
【0079】
加熱要素1112、1114が導電性材料で作られるとき、それらの加熱要素は、電流を加熱要素の導電性材料に通す電源(図示せず)によって、配線ケーブル1116(例えば、タングステンなどの耐熱性金属、または銅と銀の組み合わせで形成される)を介して加熱され得る。加熱要素1112、1114の導電性材料を通る電流の量は、加熱速度に対応することができる。加熱速度および電源は、加熱要素1112、1114の導電性材料を通る所望の量の電流を供給することによって、コントローラ(図示せず)によって制御することができる。
【0080】
図12A~12Bは、例えば、ロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1200の別の構成を示す。加熱要素1112、1114、搬送アセンブリ、および焼結炉システム1200の動作は、図12A図12Bに関して上述したものと同様とすることができるが、焼結炉システム1200は、加熱要素1112、1114に、また、それによって、焼結されるべき材料1128iに圧力を加える機構をさらに含むことができる。例えば、圧力アプリケータ1202(例えば、プラテン)は、作動機構1204(例えば、連結ロッド)を介して制御されて、焼結中に材料に圧力を加えることができ、その結果、より高い密度を有する焼結材料をもたらすことができる。実施形態によっては、加えられる圧力の量は、所望の密度および/または任意の他のパラメータに基づいて、コントローラ(図示せず)によって電子的に制御することができる。例えば、圧力アプリケータ1202、作動機構1204、またはその両方は、炭化ケイ素などの耐火性セラミックで形成することができる。あるいは、実施形態によっては、圧力は、液圧プレート、ロボット/機械アーム、または任意の他の機械的圧力印加機構などの他のタイプの機構によって、加熱要素1112、1114および材料1128iに印加され得る。
【0081】
図13A~13Bは、例えば、ロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1300の別の構成を示す。図示の例では、上側加熱要素1314は、可動であり得、例えば、加熱要素1314とコンベヤフィルム1302との間のギャップ1312をなくすことによって、(例えば、タングステンなどの耐火性材料から形成される)配線導体ガイド1316によって焼結されるべき材料1328iと接触するように配置され得る。(例えば、炭素で形成された)コンベヤフィルム1302は、別途別個の加熱要素への搬送を必要とすることなく、入口領域1324から出口領域1326まで材料(例えば、焼結されるべき材料1328iおよび焼結された材料1328s)を搬送することができる。むしろ、配線電流導体1306(例えば、タングステンなどの耐火性材料で形成される)は、加熱領域1310内のコンベヤフィルム1302の部分1308を付勢して、下側加熱要素として作用し、一方、ローラ1304(例えば、ステンレス鋼などの金属で形成される)は、コンベヤフィルムを支持し、加熱領域1310から離れるように移動させる。図示されていないが、コンベヤフィルム1302を移動させるコンベヤシステムは、1つ以上のモータ、1つ以上のコントローラ、および/または他の従来の構成要素を含むことができる。実施形態によっては、コントローラは、加熱要素1308、1314を加熱するために電源(例えば、電流源)を制御することができ、および/または加熱領域1310へ/から材料を進めるようにコンベヤシステムを制御することができ、および/または加熱領域1310へ/加熱領域1310から上側加熱要素1314を移動させるために、導体ガイド1316を制御することができる。
【0082】
図14A~14Bは、例えば、ロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1400の別の構成を示す。加熱要素1308、1314、搬送アセンブリ、および焼結炉システム1400の動作は、図13A~13Bに関して上述したものと同様であり得るが、焼結炉システム1300は、加熱要素1308、1314に圧力を加えるための機構、例えば、図12A~12Bに関して上述したものと同様に動作する作動機構1204(例えば、連結ロッド)を介して制御される圧力アプリケータ1202(例えば、プラテン)をさらに含むことができる。
【0083】
図15A~15Cは、例えば、ロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1500の別の構成を示す。焼結炉システム1500の加熱要素、搬送アセンブリ、および動作は、図12A図12Bに関して上述したシステム1200のものと同様とすることができるが、焼結炉システム1500は、焼結炉ハウジング1502および冷却システムをさらに含むことができる。焼結炉ハウジング1502は、1つ以上のシールドガス入口ポート1506と、入口ポート1504と、出口ポート1514とを備え、および/または画定することができる。実施形態によっては、例えば、加熱要素の耐用年数を増加させるために、および/またはハウジング1502内に不活性ガス環境を提供するために、不活性ガス(例えば、アルゴン、窒素、アルゴン/水素混合物)の周期的または連続的な流れが、ガス入口ポート1506を通して提供され得る。実施形態によっては、冷却システムは、焼結炉ハウジング1502の上面、底面、および側面上に(例えば、接触または隣接して)配置された蛇行冷却導管1508a~1508dを備えることができる。あるいは、実施形態によっては、導管1508a~1508dは、例えば、その外面の下であるが、ハウジングの内部容積の外側に配置される(例えば、ハウジングの壁内に埋め込まれる)、ハウジング1502の中に一体化され得る。加熱要素によって生成される加熱力に応じて、導管1508a~1508を通って流れる作動流体は、水、油、液体窒素などであり得る。実施形態によっては、超高速冷却速度(例えば、少なくとも100~500℃/s)を達成するために、加熱器と焼結炉炉ハウジングとの間のサイズ比(内部容積の長さ(例えば、入口から出口まで)に対する加熱領域の長さ)は、100~1000(両端値を含む)の範囲内であり得る。
【0084】
図16A~16Cは、例えば、ロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1600の別の構成を示す。焼結炉システム1600の加熱要素、搬送アセンブリ、および動作は、図11A図11Bに関して上述したシステム1100のものと同様とすることができるが、焼結炉システム1600は、断熱材料1604、1606を有する焼結炉ハウジング1602をさらに含むことができる。焼結炉ハウジング1602は、1つ以上のシールドガス流路1608a、1608b(例えば、絶縁材料1604内に形成される)、入口ポート1610、および出口ポート1612を備え、および/または画定することができる。実施形態によっては、不活性ガス(例えば、アルゴン、窒素、アルゴン/水素混合物)の周期的または連続的な流れが、ガス流路1608a、1608bを介して(例えば、ガス入口ポート1614を介して)、例えば、加熱要素の耐用年数を延ばすために、および/またはハウジング1602内に不活性ガス環境を提供するために、提供され得る。例えば、絶縁材料1604、1606は、ガラス繊維、多孔質セラミック、エアロゲルなどで形成することができる。実施形態によっては、断熱材料1604、1606のサイズ(例えば、厚さ)は、熱衝撃プロセス中の焼結炉ハウジング1602の外側または外面上の最大温度の要件、ならびに断熱材料の対応する熱伝導率に基づいて決定することができる。
【0085】
断熱を伴う焼結炉システムと断熱を伴わない焼結炉システムとの間の相対的なサイズを示すために、図17Aは、図15A~15Bに関して上述したものと同様の焼結炉システム1500を示し、図17Bは、図16A~16Bに関して上述したものと同様の焼結炉システム1600を示す。実施形態によっては、断熱材の使用により、焼結炉システム1600が外部設置面積ならびに内部容積のサイズ(例えば、容積1620>>容積1510)に関して、焼結炉システム1500よりもはるかに小さいことを可能にすることができる。より大きな焼結炉システム1500(能動的冷却機構を有するか、または有さない)内での十分な冷却を可能にするために、内部容積1510のサイズは、加熱領域1512のサイズよりもはるかに大きくすることができる。内部容積1510の側壁に対する加熱領域の位置決めおよび/またはサイズは、また、熱衝撃プロファイルの修了時における十分な冷却を可能にするように、および/またはハウジングの外部の高温の連通を最小化または低減するようにカスタマイズすることができる。
【0086】
例えば、Linlet(例えば、入口1504から加熱領域1512の最も近い端部(例えば、加熱要素1114の縁部)までの長さ)、Loutlet(例えば、出口1514から加熱領域1512の最も近い端部(例えば、加熱要素1114の縁部)までの長さ)、またはその両方は、加熱領域1512の幅よりも大きい(例えば、少なくとも5xまたは少なくとも50x)ものとすることができる。代替的にまたは追加的に、Ltop(例えば、内部容積1510の上端から加熱領域1512の最も近い端部(例えば、加熱要素1114の上面)までの間の高さ)、Lbottom(例えば、内部容積1510の下端から加熱領域1512の最も近い端部(例えば、加熱要素1114の上面)までの間の高さ)、またはその両方は、加熱領域の高さよりも高い(例えば、少なくとも5xまたは少なくとも50x)ものであることができる。
【0087】
図18A~18Bは、例えば、ロールツーロール処理のための高温焼結炉システム1800の別の構成を示す。高温焼結炉システム1800は、コンベヤ基板1810によって搬送される材料をそれらの間で加熱するために、一対の対向する加熱要素、例えば、上側加熱要素1808および下側加熱要素1818を使用する。図示のロールツーロール構成では、コンベヤ基板1810が入力ローラ1820から供給され、搬送ローラ1824(例えば、タングステンなどの高融点金属で形成される)を介して加熱要素1808、1818の間の加熱領域に供給され、次いで、焼結後に出力ローラ1822に巻き付けられ得る。焼結炉システム1800は、また、加熱領域の両側に配置された一対の一次外殻部材1802、1812を有することができ、加熱要素1808、1818がそれらの間に配置される。焼結炉システム1800は、また、加熱領域の入口端部においてコンベヤ基板1810の両側に配置された第1の対の二次外殻部材1804aと、加熱領域の出口端部においてコンベヤ基板1810の両側に配置された第2の対の二次外殻部材1804bとを有することができる。第1の対の二次外殻部材1804aは、協働して、コンベヤ基板1810が延びる入口ポートを形成することができ、第2の対の二次外殻部材1804bは、協働して、コンベヤ基板1810が延びる出口ポートを形成することができる。実施形態によっては、一次外殻部材1802は、隣接する二次外殻部材1804a、1804bと協働して、不活性ガスの流れのためのそれぞれの入口導管1806a、1806bを形成することができ、一次外殻部材1812は、隣接する二次外殻部材1804a、1804bと協働して、不活性ガスの流れのためのそれぞれの入口導管1816a、1816bを形成することができる。
【0088】
図19Aは、例えば、連続コンベヤセットアップ構成を使用する高温焼結炉システム1900の別の構成を示す。コンベヤフィルム1908は、サンプル供給機構1910(例えば、ロボット配置ユニット)によって加熱領域1916の上流の入力領域1914に装填される、焼結されるべき材料1912i(例えば、グリーンテープなどの前駆体基板)を搬送することができる。コンベヤフィルム1908は、1つ以上の駆動ローラ1902、1906によって移動され、1つ以上の方向転換ローラ1904によって支持されて、例えば、加熱要素1918、1924の加熱領域1916内に材料1912iを位置決めすることができる。加熱要素1918、1924は、例えばシフトガイド1920(例えば、炭化物などの耐火性セラミックから形成される)を介して、材料1912iの方向(例えば、5~20cmを含む)に向けて、および/または材料1912iと接触するように移動され得る。例えば、配線1922、1926(例えば、タングステンなどの耐火性金属で形成される)を介して加熱要素1918、1924に電流を印加することによって、焼結されるべき材料1912iは、放射線および/または伝導を介して急速に加熱されて、その焼結されるべき材料1912iを焼結された焼結材料1912sに変換する均一な高温環境を形成することができる。焼結された焼結材料1912sは、サンプル選択機構1928(例えば、ロボットピッカーユニット)を使用して、例えば、加熱領域1916の下流の出口領域1930において、コンベヤフィルム1908から除去することができる。単一の材料1912iを一度に処理するための単一の加熱領域1916であるが、例えば図19Bのシステム1950によって示されるように、複数の材料1912iの同時バッチ処理1956のために、複数の加熱要素対1918a~c、1924a~cおよび対応する加熱領域を設けることができる。
【0089】
図20は、例えば、連続コンベヤセットアップ構成を用いる高温焼結炉システム2000の別の構成を示す。コンベヤフィルム2008は、粒子ディスペンサ2012から加熱領域2016の上流の入力領域2018に堆積される、焼結されるべき材料2014i(例えば、粉末などの材料前駆体粒子)を搬送することができる。コンベヤフィルム2008は、1つ以上の駆動ローラ2002、2006によって移動され、1つ以上の方向転換ローラ2004によって支持されて、例えば、加熱要素1918、1924の加熱領域2016内に材料2014iを位置決めすることができる。加熱要素1918、1924は、例えばシフトガイド1920(例えば、炭化物などの耐火性セラミックから形成される)を介して、材料2014iに向かって(例えば、5~20cmの間隔を有する)、および/または、材料2014iと接触するように移動させることができる。加熱要素1918、1924に、例えば、配線1922、1926(例えば、タングステンなどの耐火性金属で形成される)を介して電流を印加することによって、材料2014iは、放射線および/または伝導を介して急速に加熱されて、焼結されるべき材料2014iを焼結された焼結材料2014s(例えば、焼結された焼結粒子)に変換する均一な高温環境を形成することができる。焼結材料2014sは、例えば、加熱領域2018の下流の出口領域2020において、コンベヤフィルム2008から除去され、粒子コレクタ2022に収集され得る。代替的にまたは追加的に、実施形態によっては、前駆体材料は、コンベヤフィルム2008と一体化される(例えば、予め堆積されるか、またはその中に埋め込まれる)ことができ(例えば、ロールツーロール構成で)、その場合、粒子ディスペンサ2012および/またはコレクタ2022は、省略されてもよい。
【0090】
図21A図21Bは、例えば、フライスルー多孔質反応器セットアップを使用する高温焼結炉システム2100の別の構成を示す。システム2100は、例えば、電気接点2122a、2122b(例えば、銀ペーストなどの導電性ペースト)を介して電源に電気的に接続された多孔質の加熱要素2118を有することができる。図21Aは、単一の加熱要素2118を示しているが、実施形態によっては、2つ以上の加熱要素を、例えば、直列配置(例えば、順次の加熱器間に1~5cmの間隔を有する)で提供することができる。1つ以上の前駆体粉末2114i(例えば、金属亜硝酸塩、金属塩化物など)は、粒子ディスペンサ2112を介して流体懸濁混合マニホールド2106(例えば、粉末注入領域)に提供され得、そこで、ガス入口2102に提供されるキャリアガス2104(例えば、アルゴン、窒素などの不活性ガス)と組み合わされ、そのキャリアガスによって搬送される。ガス-粉末流は、次に、焼結炉の内部容積2110(例えば、石英管)にアクセスするために、入口インターフェース2108に提供される。ガス流は、粒子2114iを加熱領域2116に搬送し、多孔質の加熱要素2118(例えば、10μm~10mmの範囲内の孔径を有する)を通して搬送することができ、それによって、粒子は、熱衝撃プロファイルにさらされて、焼結粒子2114sに変換することができる。焼結粒子2114sは、出口インターフェース2120で焼結炉から出ることができ、サンプルコレクタ2122(例えば、粒子2114sを捕捉するのに十分に小さいサイズを有するフィルタ部材またはメッシュ)によって出口ガス流2124から分離することができる。
【0091】
図22は、例えば、重力に依存するフライスルー反応器構成を使用する高温焼結炉システム2200の別の構成を示す。システム2100と同様に、1つ以上の前駆体粒子2214i(例えば、金属亜硝酸塩、金属塩化物など)は、粒子ディスペンサ2212を介して提供することができ、粒子ディスペンサは、(例えば、重力の方向に実質的に平行に配置された)一対の加熱要素2204a、2204bの間の加熱領域の入口端2202から加熱領域の出口端2208まで、重力2206の作用下で流れる。粒子2214iが加熱要素2204a、2204bの間を通過するとき、粒子は、熱衝撃プロファイルにさらされて、焼結された焼結粒子2214sに変換され得、その焼結粒子は、次に、粒子コレクタ2210において収集され得る。
【0092】
開示された技術の更なる追加の例
開示された主題の上述の実装を考慮して、本出願は、以下に列挙される項における追加の例を開示する。単独での付記の1つの特徴、または組み合わせて得られた付記の2つ以上の特徴、および任意選択で、1つ以上の更なる付記の1つ以上の特徴と組み合わせた更なる例も、本出願の開示の範囲内に含まれることに留意されたい。
【0093】
付記1.
以下を含む焼結炉:
内部容積と、内部容積への入口と、内部容積からの出口とを画定するハウジング;
入口と出口との間のハウジングの内部容積内に配置された少なくとも1つの加熱要素であって、各加熱要素は、加熱領域を温度プロファイルに供するように構築されている加熱要素;
1つ以上の基板をハウジング、ハウジングの内部、およびハウジングの外部に移動させるように構成された搬送アセンブリ;
少なくとも1つの加熱要素および搬送アセンブリに動作可能に結合された制御システムであって、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに制御システムに、以下のことを行わせる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、を備える制御システム;
(a) 搬送アセンブリを介して、1つ以上の前駆体をその上に有する第1の基板を、入口を通って加熱領域に移動させること;
(b) 少なくとも1つの加熱要素を介して、加熱領域内の第1の基板を、第1の期間、少なくとも500℃の第1の温度にさらすこと;
(c) 搬送アセンブリを介して、加熱領域から出口を通って、1つ以上の焼結材料を上に有する第1の基板を移動させること。
【0094】
付記2.
少なくとも1つの加熱要素は、炭素、グラファイト、金属、またはそれらの任意の組合せから形成されるジュール加熱要素を含む、本明細書の任意の項または例、特に、付記1の焼結炉。
【0095】
付記3.
少なくとも1つの加熱要素は、シートまたはフィルムとして形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~2のいずれか1つの焼結炉。
【0096】
付記4.
各加熱要素について:
それぞれの加熱要素の第1の端部に結合された第1の導電性固定具;
それぞれの加熱要素の第1の端部の反対側にある第2の端部に結合された第2の導電性固定具;
第1の導電性固定具に結合され、第1の導電性固定具およびそれぞれの加熱要素の第1の端部にクランプ力を印加する第1の金属クリップ;
第2の導電性固定具に結合され、それぞれの加熱要素の第2の導電性固定具および第2の端部にクランプ力を印加する第2の金属クリップと、
を備える、本明細書のいずれかの項または例の焼結炉、特に、付記1~3のいずれか1つの焼結炉。
【0097】
付記5.
第1の導電性固定具、第2の導電性固定具、またはそれらの両方は、1つ以上のグラファイトプレートを備え;
第1の金属クリップ、第2の金属クリップ、またはそれらの両方は、銅被覆を有する銅クリップまたはステンレス鋼クリップを備え、
または上記のものの任意の組合せを含む、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記4の焼結炉。
【0098】
付記6.
電流源と、
電流源を第1および第2の金属クリップに結合する電気配線と、を備え、
制御システムは、電流源に動作可能に結合され、コンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに、電流源を制御させて、電気配線を介して、少なくとも1つの加熱要素に電流パルスを印加して、前記第1の基板を前記第1の温度にさらす命令を記憶する、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記4~5のいずれか1つの焼結炉。
【0099】
付記7.
電気配線は、高融点金属を含むか、または電気配線がタングステンで形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記6の焼結炉。
【0100】
付記8.
入口と出口との間のハウジング内の移動長さと加熱領域の長さとの比は、少なくとも100:1であり;
加熱領域の容積に対する内部容積の容積の比は、少なくとも100:1であるか、または前記の両方である、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~7のいずれか1つの焼結炉。
【0101】
付記9.
移動長さと加熱領域の長さの比は、100:1以上1000:1以下の範囲であり;
加熱領域の体積に対する内部体積の体積の比は、100:1以上1000:1以下の範囲内であり;
または上記の両方である、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~7の焼結炉。
【0102】
付記10.
第1の温度は、1000~3000℃であり;
第1の期間の持続時間は、60秒以下であり;
第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
第1の期間の開始時に、第1の温度への加熱速度は、少なくとも10℃/sであり;
第1の期間の終わりに、第1の温度からの冷却ランプ速度は、少なくとも10℃/sであり;
または上記のものの任意の組合せである、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~9のいずれか1つの焼結炉。
【0103】
付記11.
第1の基板は、ポリマーを含み、
コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、制御システムに、(b)の前に、
(d) ハウジング内の少なくとも1つの加熱要素または別の加熱要素を介して、第1の基板のポリマーを炭化するように、第1の基板を第1の温度未満の温度にさらす、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~10のいずれか1つの焼結炉。
【0104】
付記12.
第1の基板は、ポリマーを含み、
コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、制御システムに、(a)の前に、
(d) 少なくとも1つの外部加熱要素を介して、第1の基板のポリマーを炭化するように、第1の基板を第1の温度未満の温度にさらす、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~10のいずれか1つの焼結炉。
【0105】
付記13.
(d)の温度は、200℃未満である、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~12のいずれか1つの焼結炉。
【0106】
付記14.
(d)の期間の持続時間は、(b)の第1の期間の持続時間よりも大きい、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記11~13のいずれか1つの焼結炉。
【0107】
付記15.
搬送アセンブリは、1つ以上の支持ローラ、1つ以上の搬送ローラ、1つ以上の回転アクチュエータ、コンベヤベルト、またはそれらの任意の組合せを備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~14のいずれか1つの焼結炉。
【0108】
付記16.
搬送アセンブリは、
加熱領域の前に配置され、第1の基板をコンベヤベルトから分離し、第1の基板を加熱領域に搬送するように構成された1つ以上の第1の搬送ローラと、
加熱領域の後に配置され、第1の基板を加熱領域からコンベヤベルトに搬送するように構成された1つ以上の第2の搬送ローラと、を備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~15のいずれか1つの焼結炉。
【0109】
付記17.
コンベヤベルトは、加熱領域の周囲または下方を通過する、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記15~16のいずれか1つの焼結炉。
【0110】
付記18.
1つ以上の支持ローラは、1つ以上の金属を含み;
1つ以上の支持ローラは、ステンレス鋼で形成され;
1つ以上の搬送ローラは、1つ以上の耐火金属を含み;
1つ以上の搬送ローラは、タングステンで形成され;
コンベヤベルトは、カーボン、またはこれらの任意の組合せから形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記15~17のいずれか1つの焼結炉。
【0111】
付記19.
少なくとも1つの加熱要素は、加熱領域内で第1の基板を支持するように配置された第1の加熱要素を備え、第1の加熱要素は、伝導を介して第1の基板を加熱するように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記15~18のいずれか1つの焼結炉。
【0112】
付記20.
第1の基板を実質的に水平方向に支持する第1の位置と、第1の基板が加熱領域から摺動するように水平に対して傾斜した第2の位置との間で第1の加熱要素を移動させるよう構成された搬送アクチュエータをさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記19の焼結炉。
【0113】
付記21.
搬送アクチュエータは、耐火性セラミックを含むか、または搬送アクチュエータは、炭化物から形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記20の焼結炉。
【0114】
付記22.
少なくとも1つの加熱要素は、加熱領域において第1の基板から離間された第2の加熱要素を備え;
第2の加熱要素は、第1の基板から遠位の第3の位置と、第1の基板と接触する第4の位置との間で作動可能であり、
第2の加熱要素は、伝導を介して第1の基板を加熱するように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記15~21のいずれか1つの焼結炉。
【0115】
付記23.
少なくとも1つの加熱要素は、加熱領域において第1の基板から離間された第2の加熱要素を備え;
第2の加熱要素は、第1の基板から遠位の第3の位置と第1の基板に近位の第4の位置との間で作動可能であり、
第2の加熱要素は、放射を介して第1の基板を加熱するように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記15~21のいずれか1つの焼結炉。
【0116】
付記24.
第4の位置において、第2の加熱要素と第1の基板との間の間隔は、0~1cmの範囲である、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記23の焼結炉。
【0117】
付記25.
第2の加熱要素は、1つ以上の変位ガイドを備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記22~24のいずれか1つの焼結炉。
【0118】
付記26.
1つ以上の変位ガイドは、耐火性セラミックを含むか、または1つ以上の変位ガイドは、炭化物から形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記25の焼結炉。
【0119】
付記27.
ハウジング内のプラテンと、
プラテンに結合された圧縮アクチュエータと、を備え、
制御システムは、圧縮アクチュエータに動作可能に結合され、コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに、(b)の間に少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素を第1の基板内に押圧するように、圧縮アクチュエータを介してプラテンを変位させる追加の命令を記憶する、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~26のいずれか1つの焼結炉。
【0120】
付記28.
圧縮アクチュエータは、ハウジングの外部に配置され、かつ、1つ以上の連結ロッドを介してプラテンに結合される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記27の焼結炉。
【0121】
付記29.
プラテンは、耐火セラミックを含み;
プラテンは、炭化物で形成され;
1つ以上の連結ロッドは、耐火セラミックを含み;
1つ以上の連結ロッドは、炭化物せから形成され;
または上記のものの任意の組合せから形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記27~28のいずれか1つの焼結炉。
【0122】
付記30.
搬送アセンブリは、1つ以上の支持ローラ、1つ以上の回転アクチュエータ、コンベヤベルト、またはそれらのものの任意の組合せを備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~29のいずれか1つの焼結炉。
【0123】
付記31.
少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素の両端に電気的に結合された一対の第1の電流導体;
加熱領域の両端でコンベヤベルトに電気的に結合された一対の第2の電流導体であって、加熱領域内のコンベヤベルトの一部は、少なくとも1つの加熱要素のうちの第2の加熱要素を形成する一対の第2の電流導体;
または上記のものの任意の組合せ;
をさらに含む、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記30の焼結炉。
【0124】
付記32.
一対の第1の電流導体、一対の第2の電流導体、または両方は、高融点金属を含み、
または一対の第1の電流導体、一対の第2の電流導体、または両方は、タングステンで形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記31の焼結炉。
【0125】
付記33.
コンベヤベルトは、加熱領域内で第1の基板を通過させ、支持する、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記30~32のいずれか1つの焼結炉。
【0126】
付記34.
少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素は、加熱領域内で第1の基板から離間され、第1の基板から遠位の第3の位置と、第1の基板と接触する第4の位置との間で作動可能であり、伝導を介して第1の基板を加熱するように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記30~33のいずれか1つの焼結炉。
【0127】
付記35.
少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素は、加熱領域内で第1の基板から離間され、第1の基板から遠位の第3の位置と第1の基板に近位の第4の位置との間で作動可能であり、放射によって第1の基板を加熱するように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記30~34のいずれか1つの焼結炉。
【0128】
付記36.
第4の位置において、少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素と第1の基板との間の間隔は、0~1cmの範囲である、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記35の焼結炉。
【0129】
付記37.
ハウジングに熱的に結合され、ハウジングを冷却するように構成された冷却システムをさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~36のいずれか1つの焼結炉。
【0130】
付記38.
冷却システムは、少なくとも1つの作動流体がその中を通って流れる熱交換器を備える、本明細書の任意の項または例、特に、付記37の焼結炉。
【0131】
付記39.
少なくとも1つの作動流体は、水、空気、油、液体窒素、またはそれらのものの任意の組合せを含む、本明細書の任意の項または例、特に、付記38の焼結炉。
【0132】
付記40.
熱交換器は、ハウジングの外殻に隣接して、またはそれと接触して配置された蛇行導管を備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記38~39のいずれか1つの焼結炉。
【0133】
付記41.
ハウジングは、不活性ガスの供給源に結合された1つ以上のガスポートを有し、
ハウジングは、1つ以上のガスポートに供給された不活性ガスが内部容積を通って流れ、入口および出口を介して出るように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~40のいずれか1つの焼結炉。
【0134】
付記42.
ハウジングの内部容積のサイズは、加熱領域のサイズよりも少なくとも100倍大きい、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~41のいずれか1つの焼結炉。
【0135】
付記43.
少なくとも1つの加熱要素とハウジングの外殻との間の内部容積内に配置された第1の絶縁層と、
搬送アセンブリとハウジングの外殻との間の内部容積内に配置された第2の絶縁層と、を含む、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記41のいずれか1つの焼結炉。
【0136】
付記44.
第1の絶縁層、第2の絶縁層、またはそれらの両方は、1つ以上の導管を形成し、1つ以上の導管は、1つ以上のガスポートから延在し、不活性ガスを入口の近位の搬送アセンブリの一部分、出口の近位の搬送アセンブリの一部分、少なくとも1つの加熱要素の第1の端部、少なくとも1つの加熱要素の第2の端部、またはそれらの任意の組合せに向ける、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記43の焼結炉。
【0137】
付記45.
ハウジングの外殻は、金属を含み;
ハウジングの外殻は、アルミニウムまたはステンレス鋼で形成され;
第1の絶縁層、第2の絶縁層、またはそれらの両方は、ガラス繊維もしくは多孔質セラミックエアロゲル、または上記のものの任意の組合せよりなる、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記43~44のいずれか1つの焼結炉。
【0138】
付記46.
少なくとも1つの加熱要素が配置される領域を境界付ける1つ以上のシールドガスパーティションであって、1つ以上のシールドガスパーティションは、1つ以上のガスポートから少なくとも1つの加熱要素の1つ以上の端部に向かって不活性ガスを導く少なくとも1つの導管を画定するシールドガスパーティションをさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記41~45のいずれか1つの焼結炉。
【0139】
付記47.
内部容積内に配置され、少なくとも1つの加熱要素の1つ以上の端部に向かってガス流を導くように構成された1つ以上のシールドガスノズルをさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~46のいずれか1つの焼結炉。
【0140】
付記48.
ハウジングの入口の近位および上流の位置で搬送アセンブリに基板を装填するように構成された第1のロボットポジショナ;
基板を搬送アセンブリから、ハウジングの出口の近位および下流の位置で取り出すように構成された第2のロボットポジショナ;
または上記の両方をさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~47のいずれか1つの焼結炉。
【0141】
付記49.
1つ以上の前駆体を、ハウジングの入口の近位および上流の位置で、搬送アセンブリによって支持された基板または搬送アセンブリの一部の上に堆積させるように構成されたディスペンサ;
1つ以上の焼結材料を、搬送アセンブリによって支持された基板から、または搬送アセンブリの一部から、ハウジングの出口の近位および下流の位置に受容するように構成されたサンプルコレクタ;
または上記の両方をさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~48のいずれか1つの焼結炉。
【0142】
付記50.
1つ以上の基板は、搬送アセンブリの一部を含む、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~49のいずれか1つの焼結炉。
【0143】
付記51.
1つ以上の基板は、搬送アセンブリのコンベヤベルトの一部分を含む本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~50のいずれか1つに記載の焼結炉。
【0144】
付記52.
コンベヤベルトは、導電性炭素材料で形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記51の焼結炉。
【0145】
付記53.
少なくとも1つの加熱要素のうちの第1の加熱要素は、平面視で、少なくとも20cmの面積を有する、本明細書のいずれかの項または例示の焼結炉、特に、付記1~52のいずれか1つの焼結炉。
【0146】
付記54.
コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに、以下のような、少なくとも1つの加熱要素を制御させる命令を記憶する、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記1~53のいずれか1つの焼結炉:
加熱領域内の温度は、第1の期間の直前の第2の期間中にほぼ室温から第1の温度に上昇すること、
加熱領域内の温度は、第1の期間の直後の第3の期間中に第1の温度からほぼ室温に低下すること。
【0147】
付記55.
第2の期間の持続時間は、第1の期間の持続時間よりも大きく;
第2の期間の持続時間は、30秒以下であり;
第1の期間の持続時間は、第3の期間の持続時間よりも長く;
第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
第3の期間の持続時間は、5秒以下であり;
第2の期間中の第1の温度への加熱速度は、第3の期間中の第1の温度からの冷却速度よりも小さく;
第2の期間中の第1の温度への加熱速度は、少なくとも100℃/sであり;
第3の期間中の第1の温度からの冷却速度は、少なくとも100℃/sであり;
または上記の任意の組合せである、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記54の焼結炉。
【0148】
付記56.
内部容積と、内部容積への入口と、内部容積からの出口とを画定するハウジング;
1つ以上の前駆体粒子をハウジングの入口に提供するように構成されたディスペンサ;
入口と出口との間のハウジングの内部容積内に配置された少なくとも1つの加熱要素であって、各加熱要素は、1つ以上の前駆体粒子を温度プロファイルに供するように構築されている、少なくとも1つの加熱要素;
少なくとも1つの加熱要素に動作可能に結合された制御システムであって、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、制御システムに、少なくとも1つの加熱要素を介して、1つ以上の前駆体粒子を第1の期間、少なくとも500℃の第1の温度に供する命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、を備える制御システム;
を含む、焼結炉。
【0149】
付記57.
各加熱要素は、第1の温度にさらされたときに、1つ以上の前駆体粒子が通過するように多孔質である、本明細書の任意の項または例、特に、付記56の焼結炉。
【0150】
付記58.
ディスペンサと、不活性ガスの供給源と、ハウジングの入口とに接続されたガスマニホールドを含み、
ガスマニホールドは、1つ以上の前駆体粒子が少なくとも1つの加熱要素を通る不活性ガス流によって搬送されるように、1つ以上の前駆体粒子を不活性ガス流と組み合わせるように構成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~57のいずれか1つの焼結炉。
【0151】
付記59.
ハウジングの出口から1つ以上の焼結粒子を受容するように構成されたサンプルコレクタをさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~58のいずれか1つの焼結炉。
【0152】
付記60.
サンプルコレクタは、ハウジングの出口に接続され、
サンプルコレクタは、その上に焼結粒子を捕捉しながら、不活性ガス流を通過させる多孔質フィルタ膜を備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記59の焼結炉。
【0153】
付記61.
少なくとも1つの加熱要素は、導電性ペーストを介して電流源に電気的に結合される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~60のいずれか1つの焼結炉。
【0154】
付記62.
少なくとも1つの加熱要素は垂直に延在する加熱容積を画定するように、ギャップによって分離された一対の実質的に平行な加熱要素を備え;
ディスペンサは、1つ以上の前駆体粒子が入口に送達され、重力によって垂直に延在する加熱容積を通過するように、ハウジングの入口の上に垂直に配置され、
加熱容積からの1つ以上の焼結粒子が重力によって出口を通ってサンプルコレクタに通過するように、サンプルコレクタは、ハウジングの出口の下に垂直に配置される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~61のいずれか1つの焼結炉。
【0155】
付記63.
少なくとも1つの加熱要素は、炭素、グラファイト、金属、またはそれらのものの任意の組合せから形成されるジュール加熱要素を含む、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~62のいずれか1つの焼結炉。
【0156】
付記64.
電流源と、
電流源を少なくとも1つの加熱要素に結合する電気配線と、を備え、
制御システムは、電流源に動作可能に結合され、 コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに、電流源を制御させて、電気配線を介して、少なくとも1つの加熱要素に電流パルスを印加させ、1つ以上の前駆体粒子を前記第1の温度にさらす命令を記憶する、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~63のいずれか1つの焼結炉。
【0157】
付記65.
電気配線は、耐火金属を含むか、または、電気配線は、タングステンで形成される、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記64の焼結炉。
【0158】
付記66.
第1の温度は、1000~3000℃であり;
第1の期間の持続時間は、60秒以下であり;
第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
または上記のものの任意の組合せである、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~65のいずれか1つの焼結炉。
【0159】
付記67.
ハウジングに熱的に結合され、ハウジングを冷却するように構成された冷却システムをさらに備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記56~66のいずれか1つの焼結炉。
【0160】
付記68.
冷却システムは、少なくとも1つの作動流体がその中を通って流れる熱交換器を備える、本明細書の任意の項または例、特に、付記67の焼結炉。
【0161】
付記69.
少なくとも1つの作動流体は、水、空気、油、液体窒素、またはそれらの任意の組合せを含む、本明細書の任意の項または例、特に、付記68の焼結炉。
【0162】
付記70.
熱交換器は、ハウジングの外殻に隣接して、または外殻と接触して配置された蛇行導管を備える、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記68~69のいずれか1つの焼結炉。
【0163】
付記71.
コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御システムに少なくとも1つの加熱要素を以下のように制御させる命令を記憶する、本明細書の任意の項または例、特に、付記56~70のいずれか1つの焼結炉:
加熱領域内の温度を、第1の期間の直前の第2の期間中にほぼ室温から第1の温度に上昇させること、
加熱領域内の温度を、第1の期間の直後の第3の期間中に第1の温度からほぼ室温に低下させること。
【0164】
付記72.
第2の期間の持続時間は、第1の期間の持続時間よりも大きく;
第2の期間の持続時間は、30秒以下であり;
第1の期間の持続時間は、第3の期間の持続時間よりも長く;
第1の期間の持続時間は、約10秒であり;
第3の期間の持続時間は、5秒以下であり;
第2の期間中の第1の温度への加熱速度は、第3の期間中の第1の温度からの冷却速度よりも小さく;
第2の期間中の第1の温度への加熱速度は、少なくとも100℃/sであり;
第3の期間中の第1の温度からの冷却速度は、少なくとも100℃/sであり;
または上記のものの任意の組合せである、本明細書のいずれかの項または例、特に、付記71の焼結炉。
【0165】
結論
例えば、図1A~22および付記1~72に関して、本明細書に図示または説明される特徴のいずれかを、例えば、図1A~22および付記1~72に関して、本明細書に図示または説明される任意の他の特徴と組み合わせて、本明細書に他に図示または具体的に説明されないシステム、デバイス、方法、および実施形態を提供することができる。例えば、図4B図4Cのクリップは、図1A図1Cおよび図5A図22のシステムにおける加熱要素のいずれにも適用することができる。別の例では、図8A図8Cおよび/または図16A図16Cおよび/または図18A図18Bのシールドガス構成は、図1A図1Cおよび図5A図22の焼結炉のいずれかにも適用することができる。1つ以上の企図される実施形態によれば、他の組合せおよび変形も可能である。実際、本明細書に記載される全ての特徴は、互いに独立しており、構造的に不可能な場合を除いて、本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わせて使用することができる。
【0166】
開示された技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は、例にすぎず、開示された技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが認識されるべきである。むしろ、範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、本出願人、本発明者らは、これらの特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内に入るすべてを権利主張するものである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21A
図21B
図22
【国際調査報告】