(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】測定集積回路を利用した電圧ノードの電圧レベルの測定
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20240326BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240326BHJP
H03M 1/12 20060101ALI20240326BHJP
H03M 1/38 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G01R19/00 G
H01L27/04 T
G01R19/00 B
H03M1/12 A
H03M1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559752
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022070900
(87)【国際公開番号】W WO2022212992
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ、レイ
【テーマコード(参考)】
2G035
5F038
5J022
【Fターム(参考)】
2G035AA17
2G035AB01
2G035AC01
2G035AD03
2G035AD11
2G035AD17
2G035AD28
2G035AD47
2G035AD65
5F038AC00
5F038DF12
5F038DT12
5J022AA02
5J022CA07
5J022CB02
5J022CC01
5J022CF07
(57)【要約】
1つ以上の例は、電圧ノードを測定するための方法及び装置に関するものである。例示的な方法は、測定回路の入力と測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードとの間に、少なくとも第1のキャパシタと第2のキャパシタとを含む分離されたキャパシタを含む回路を提供するステップと、測定回路によって、回路を利用して測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルに関連する電圧レベルを表す第1のデジタル値を生成するステップと、プロセッサによって、第1のデジタル値、及び第1のデジタル値によって表される電圧レベルと電圧ノードにおける電圧レベルとの間の予め指定された関係を表すスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを表す第2のデジタル値を生成するステップと、を含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、前記方法は、
測定回路の入力と前記測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードとの間に、少なくとも第1のキャパシタと第2のキャパシタとを含む分離されたキャパシタを含む回路を提供するステップと、
前記測定回路によって、前記回路を利用して測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける電圧レベルに関連する電圧レベルを表す第1のデジタル値を生成するステップと、
プロセッサによって、前記第1のデジタル値、及び前記第1のデジタル値によって表される前記電圧レベルと前記電圧ノードにおける前記電圧レベルとの間の予め指定された関係を表すスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける前記電圧レベルを表す第2のデジタル値を生成するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記測定プロセスは、
前記第1のキャパシタの完全充電を開始するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを結合するステップと、
前記第2のキャパシタの完全放電を開始するために、前記第2のキャパシタを2つの接地接続の間に直列に結合するステップと、
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタのそれぞれの充電及び放電を終了するために、前記電圧ノードから前記第1のキャパシタを分離し、前記2つの接地接続のうちの1つから前記第2のキャパシタを分離するステップと、
前記第1のキャパシタの前記電荷を前記第2のキャパシタと共有するために、前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを並列に結合するステップと、
前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに比例する前記測定回路の前記入力における電圧レベルを生成するために、前記測定回路の前記入力と、並列結合された前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを含む回路とを結合するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
装置であって、前記装置は、
第1のデジタル値を生成するための測定回路であって、前記第1のデジタル値は、前記測定回路の入力における電圧レベルを表し、前記測定回路は、測定プロセスのための制御信号を生成するための論理を含む、測定回路と、
前記測定回路の前記入力を、前記測定回路よりも高い高電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードに結合するための電圧スケーリング回路であって、
前記測定回路の前記論理によって生成された制御信号に応答して、前記電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係に従って、スケーリングされた電圧を生成するための、電圧スケーリング回路と、
前記第1のデジタル値、及び前記電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の前記予め指定された関係を表すスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける前記電圧レベルを表す第2のデジタル値を生成するためのプロセッサと、を備える、装置。
【請求項4】
前記電圧スケーリング回路は、
第1のキャパシタと、
第2のキャパシタと、
前記測定プロセスのための前記制御信号に少なくとも部分的に応答して、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとを交互に結合又は分離するためのスイッチと、を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電圧スケーリング回路を制御するための前記測定プロセスのための前記制御信号は、
前記第1のキャパシタの完全充電を開始するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを結合し、
前記第2のキャパシタの放電を開始するために、前記第2のキャパシタを接地接続の間に直列に結合し、
前記第1のキャパシタの充電及び前記第2のキャパシタの放電を終了するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを分離し、前記第2のキャパシタと前記接地接続とを分離し、
前記第1のキャパシタの前記電荷を前記第2のキャパシタと共有するために、前記第2のキャパシタと前記第1のキャパシタとを結合し、かつ
前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに比例する前記測定回路の前記入力における電圧レベルを生成するために、前記測定回路の前記入力と、結合された前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタとを結合する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電圧スケーリング回路は、
前記第1のキャパシタへ切り替え可能に結合するための入力と、
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタへ切り替え可能に結合するための出力と、を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記測定回路は、逐次比較型レジスタ(SAR)アナログデジタル変換器(ADC)を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記測定回路を前記電圧スケーリング回路に結合するアナログ接続を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
方法であって、前記方法は、
測定回路の入力と前記測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードとの間に、少なくとも第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第3のキャパシタとを含む分離されたキャパシタを含む回路を提供するステップと、
前記測定回路によって、前記回路を利用して第1の測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける電圧レベルに関連する電圧レベルを表す第1のデジタル値を生成するステップと、
プロセッサによって、前記第1のデジタル値、及び前記第1のデジタル値によって表される前記電圧レベルと前記電圧ノードにおける前記電圧レベルとの間の予め指定された関係を表す第1のスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける前記電圧レベルを過渡的に表す第2のデジタル値を生成するステップと、
前記測定回路によって、前記回路を利用して第2の測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに関連する更なる電圧レベルを表す第3のデジタル値を生成するステップと、
プロセッサによって、前記第3のデジタル値及び第2のスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける前記電圧レベルを過渡的に表す第4のデジタル値を生成するステップと、
前記第2のデジタル値及び前記第4のデジタル値に少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける前記電圧レベルを表す最終デジタル値を生成するステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記第1の測定プロセスは、
前記第1のキャパシタの完全充電を開始するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを結合するステップと、
前記第2のキャパシタの放電を開始するために、前記第2のキャパシタを2つの接地接続の間に直列に結合するステップと、
前記第1のキャパシタの充電及び前記第2のキャパシタの放電をそれぞれ終了するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを分離し、前記第2のキャパシタと接地接続とを分離するステップと、
前記第1のキャパシタの前記電荷を前記第2のキャパシタと共有するために、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとを結合するステップと、
前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに比例する前記測定回路の前記入力における電圧レベルを生成するために、前記測定回路の前記入力と、結合された前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを含む前記回路とを結合するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の測定プロセスは、
前記第2のキャパシタと第3のキャパシタとを結合するステップと、
前記第1のキャパシタの完全充電を開始するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを結合するステップと、
結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタの放電を開始するために、結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタを2つの接地接続の間に結合するステップと、
前記第1のキャパシタの充電と、結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタの放電とをそれぞれ終えるために、前記第1のキャパシタを前記電圧ノードから分離し、結合された前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの一端を前記2つの接地接続のうちの1つから分離するステップと、
前記第1のキャパシタの前記電荷を結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタと共有するために、前記第1のキャパシタと、結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタとを結合するステップと、
前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに比例する前記測定回路の前記入力における更なる電圧レベルを生成するために、前記測定回路の前記入力と、結合された前記第1のキャパシタ、前記第2のキャパシタ、及び前記第3のキャパシタを含む前記回路とを結合するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
装置であって、前記装置は、
測定回路の入力における電圧レベルを表すデジタル値を生成するための前記測定回路であって、第1の測定プロセスのための制御信号と第2の測定プロセスのための制御信号とを含む制御信号を生成するための論理を含む、測定回路と、
前記測定回路の前記入力を、前記測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードに結合するための電圧スケーリング回路であって、
前記測定回路の前記論理によって生成された前記第1の測定プロセスのための制御信号に応答して、前記電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の第1の予め指定された関係に従って、前記測定回路の前記入力において第1のスケーリングされた電圧を生成し、かつ
前記測定回路の前記論理によって生成された前記第2の測定プロセスのための制御信号に応答して、前記電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の第2の予め指定された関係に従って、前記測定回路の前記入力において第2のスケーリングされた電圧を生成するための、電圧スケーリング回路と、
前記電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の前記第1の予め指定された関係を表す第1のスケーリング係数と、前記電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の前記第2の予め指定された関係を表す第2のスケーリング係数と、前記測定回路によって生成されたデジタル値とに少なくとも部分的に応答して、前記電圧ノードにおける電圧レベルを過渡的に表すデジタル値を生成するためのプロセッサと、を含む、装置。
【請求項13】
前記測定回路によって生成される前記デジタル値は、
前記第1の測定プロセスのための制御信号に応答して前記電圧スケーリング回路によって生成された前記第1のスケーリングされた電圧を表す第1のデジタル値と、
前記第2の測定プロセスのための制御信号に応答して前記電圧スケーリング回路によって生成された前記第2のスケーリングされた電圧を表す第2のデジタル値と、を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記電圧スケーリング回路は、
第1のキャパシタと、
第2のキャパシタと、
第3のキャパシタと、
前記第1の測定プロセス及び前記第2の測定プロセスの各々のための前記制御信号に少なくとも部分的に応答して、前記第1のキャパシタ、前記第2のキャパシタ、及び前記第3のキャパシタを交互に結合又は分離するためのスイッチと、を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記電圧スケーリング回路を制御するための、前記第1の測定プロセスのための前記制御信号は、
前記第1のキャパシタの充電を開始するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを結合し、
前記第2のキャパシタの放電を開始するために、前記第2のキャパシタを2つの接地接続の間に結合し、
前記第1のキャパシタの充電及び前記第2のキャパシタの放電を終えるために、前記第1のキャパシタを前記電圧ノードから分離し、前記第2のキャパシタの一端と前記2つの接地接続のうちの1つとを分離し、
前記第1のキャパシタの前記電荷を前記第2のキャパシタと共有するために、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとを結合し、かつ
前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに比例する前記測定回路の前記入力における電圧レベルを生成するために、前記測定回路の前記入力と前記電圧スケーリング回路の出力とを結合する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記電圧スケーリング回路を制御するための前記第2の測定プロセスのための前記制御信号は、
前記第2のキャパシタと前記第3のキャパシタとを結合し、
前記第1のキャパシタの充電を開始するために、前記第1のキャパシタと前記電圧ノードとを結合し、
結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタの放電を開始するために、結合された前記2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタを2つの接地接続の間に結合し、
前記第1のキャパシタの充電と、結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタの放電とを終えるために、前記第1のキャパシタを前記電圧ノードから分離し、結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタの一端を前記2つの接地接続のうちの1つから分離し、
前記第1のキャパシタの前記電荷を、結合された前記第2のキャパシタ及び前記第3のキャパシタと共有するために、前記第1のキャパシタと、結合された前記第2のキャパシタ及び第3のキャパシタとを結合し、かつ
前記電圧ノードにおける前記電圧レベルに比例する前記測定回路の前記入力における更なる電圧レベルを生成するために、前記測定回路の前記入力と前記電圧スケーリング回路の出力とを結合する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記測定回路は、逐次比較型レジスタ(SAR)アナログデジタル変換器(ADC)を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記測定回路を前記電圧スケーリング回路に結合するアナログ接続を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
電子システムであって、
少なくとも2つの逐次比較型レジスタ(SAR)アナログデジタル変換器(ADC)と、
第1のスケーリング接続と、
第2のスケーリング接続と、
前記第1のスケーリング接続及び前記第2のスケーリング接続によって提供される電圧信号を前記少なくとも2つのSAR ADCのうちのいずれか1つにルーティングするためのバスと、
前記バスによってルーティングされた前記電圧信号のレベルと、前記第1のスケーリング接続及び前記第2のスケーリング接続のそれぞれの入力に結合されたそれぞれのデバイスによって生成された電圧信号のレベルとの間の関係を表すスケーリング係数を有するプロセッサと、を備え、
前記第1のスケーリング接続及び前記第2のスケーリング接続の前記それぞれの入力に結合されたそれぞれのデバイスは各々、前記SAR ADCの電圧ドメインよりも高い電圧ドメインを有する、電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2021年3月31日に出願された「ON CHIP MEASUREMENT OF HIGH VOLTAGE NODE WITH LOW VOLTAGE MEASUREMENT CIRCUIT AND RELATED SYSTEMS, METHODS AND DEVICES」と題する、米国特許仮出願第63/200,837号の米国特許法第119条に基づく優先権を主張するものであり、その開示及び内容の全体が参照として本明細書に組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
1つ以上の例は、アナログノードの測定に関するものであり、より詳細には、電圧ノードのオンチップ測定に関するものである。
【背景技術】
【0003】
集積回路(チップ)は、車載用及び産業用を含む、様々な用途で利用されている。
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
任意の特定の要素又は作用についての考察を容易に識別するために、参照番号の最上位桁は、その要素が最初に紹介された図番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】1つ以上の実施例による、装置を示す概略図である。
【
図2】1つ以上の実施例による、電圧監視システムを示す概略図である。
【
図3】1つ以上の実施例による、電圧ノードの電圧ドメインよりも低い電圧ドメインを有する測定回路を利用して、高いノードの電圧を測定するプロセスを示すフロー図である。
【
図4】1つ以上の実施例による、測定プロセスを示すフロー図である。
【
図5】1つ以上の実施例による、NMOSスイッチの断面図を示す概略図である。
【
図6】1つ以上の実施例による、電圧監視システムを示す概略図である。
【
図7A】1つ以上の実施例による、電圧ノードの電圧ドメインよりも低い電圧ドメインを有する測定回路を利用して、高いノードの電圧を測定するプロセスを示すフロー図である。
【
図7B】1つ以上の実施例による、電圧ノードの電圧ドメインよりも低い電圧ドメインを有する測定回路を利用して、高いノードの電圧を測定するプロセスを示すフロー図である。
【
図8】1つ以上の実施例による、
図7A、
図7Bによって描かれたプロセスの第1の測定プロセスを示すフロー図である。
【
図9】1つ以上の実施例による、
図7A、
図7Bによって描かれたプロセスの第2の測定プロセスを示すフロー図である。
【
図10】1つ以上の実施例による、電子システムを示す概略図である。
【
図11】1つ以上の実施例による、
図2の電圧監視システムの企図される動作からの信号を示すタイミング図である。
【
図12】1つ以上の実施例による、
図6の電圧監視システムの企図される動作からの信号を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施例の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本開示を実施することを可能にするために十分に詳細に説明されている。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で可能にされる他の実施例が利用されてもよく、構造、材料、及びプロセスの変更が行われてもよい。
【0018】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意味せず、本開示の実施例を説明するために用いられる、単に理想化した表現である。場合によっては、様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0019】
以下の説明は、当業者が開示された実施例を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、及び「例えば」という用語の使用は、関係する説明が、例示的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、そのような用語の使用は、実施例又は本開示の範囲を特定の構成要素、工程、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0020】
本明細書において全般的に説明され、図面に例示される実施例の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置され、設計され得ることを容易に理解されよう。したがって、様々な実施例の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施例の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0021】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考慮などに関する詳細は省略されており、そのような詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0022】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示してもよい。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してもよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0023】
本明細書に開示する実施例に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、集積回路(Integrated Circuit、IC)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行され得、それらの全ては、「プロセッサ」という用語の使用によって包含される。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の従来式プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成などのコンピューティングデバイスの組み合わせとして実装されてもよい。プロセッサを含む汎用コンピュータは、専用コンピュータとみなされる一方で、汎用コンピュータは、本開示の実施例に関連するコンピューティング命令(例えば、限定するものではないが、ソフトウェアコード)を実行するためのものである。
【0024】
実施例は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行され得る。加えて、行為の順序は再配置され得る。プロセスは、メソッド、スレッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム、他の構造、又はこれらの組み合わせに対応し得る。更に、本明細書に開示する方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読メディアの1つ以上の命令又はコードとして記憶されてもよく、又は送信されてもよい。コンピュータ可読メディアは、コンピュータ記憶メディア及び、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意のメディアを含む通信メディアの両方を含む。
【0025】
「第1」、「第2」などの表記を使用して、本明細書の要素に対する任意の言及は、そのような制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの様式で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、一組の要素は、1つ以上の要素を含み得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「上方に(over)」、「下方に(under)」、「上(on)」、「下部(underlying)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」などの任意の相対的な用語は、開示及び添付図面を理解する際の明瞭さ及び便宜のために使用され、文脈がそうでないことを明確に示す場合を除き、任意の特定の優先度、配向、若しくは順序に含まれないか、又は依存しない。
【0028】
この説明では、「結合された」という用語及びその派生語は、2つの要素が互いに協動するか、又は相互作用することを示すために使用され得る。ある要素が別の要素に「結合される」として説明されるとき、要素は、直接物理的若しくは電気的接触状態にあり得るか、又は存在する介在要素若しくは層であり得る。対照的に、ある要素が別の要素に「直接結合されている」と説明されるとき、介入する要素又は層は存在しない。「接続された」という用語は、本明細書において、「結合された」という用語と互換的に使用され得、別途明示的に示されない限り、又は文脈が当業者に他の方法を示すことがない限り、同じ意味を有する。
【0029】
ノードにおける電圧レベルを測定し、測定された電圧レベルに対応するデジタル値を生成するために、アナログデジタル変換器(analogic-to-digital-converter、ADC)などの測定回路が使用され得る。ADCは通常、目的のノードとADCの入力との間に配置された他の回路の助けがない場合は、その入力に存在する電圧レベルに正確に対応するデジタル値を生成することができる電圧レベルの範囲(本明細書では「入力範囲」と呼ぶ)を有する。
【0030】
集積回路(IC)に実装されたデジタル測定回路(逐次比較型(SAR)ADCなどが挙げられるが、これに限定されない)の場合、入力範囲は、通常、IC技術のタイプによって制約される。非限定的な例として、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor、CMOS)タイプの集積回路において実装されたデジタルADCは、通常、3.3V未満の入力範囲(例えば、0V~1.2V、0V~1.8V、0V~3.3Vであるが、これに限定されない)を有する。本明細書で使用される場合、「測定回路」という用語は、集積回路に実装されたデジタル測定回路を意味する。ICにおいて、他のICブロックを有する電子システム内の測定回路は、本明細書では「オンチップ」と呼ばれ、すなわち、測定回路はIC上にある。
【0031】
ICは、チップよりも高い電圧ドメインで動作する、又はチップよりも高い電圧ドメインで電圧を生成する電子回路とインタフェースすることがある。非限定的な例として、所与の電子回路の電圧ドメインにおける信号を表すために使用される電圧レベルは、これに限定されないが、電子回路とインタフェースするICの電圧ドメインにおける信号を表すために使用される電圧レベル(例えば、1.2V~3.3Vに対して5~10Vであるが、これに限定されない)よりも高くてもよい。
【0032】
目的のノード(測定されるべきノード)における電圧レベルが測定回路の入力範囲外であるとき、本開示の発明者にとって既知である1つの技法は、目的のノードにおける電圧レベルの何らかの予め指定された比率である電圧レベルを有する入力電圧を測定することである。例えば、抵抗分圧回路は、目的のノードを測定回路の入力に結合して、目的のノードにおける電圧レベルの予め指定された比率である電圧レベルを有する入力電圧を提供し得る。測定回路によって生成されたデジタル値は、入力電圧の電圧レベルに対応し、次いで、目的のノードにおける電圧と分圧器回路の出力における電圧との間の関係(例えば、伝達関数が挙げられるが、これに限定されない)を認識しているプロセッサによって調整される(例えば、スケールアップが挙げられるが、これに限定されない)。
【0033】
目的のノードに電圧を提供する電圧源の出力インピーダンスが低い場合、目的のノードと分圧器回路の出力との間の関係に対する低出力インピーダンスの影響は無視できる。したがって、低出力インピーダンス電圧源の場合、測定回路によって生成されたデジタル値を受信するプロセッサにおいて関係が予め指定されていれば、プロセッサは、理論的には、予め指定された関係及び測定回路の入力における電圧レベルを表すデジタル値に応答して、目的のノードにおける電圧レベルを表すデジタル値を計算することができるはずである。
【0034】
チップの動作中に、特定の用途のために高インピーダンスノードが生成されることは頻繁にある。車載用チップの非限定的な例では、高電圧、高インピーダンス(HVHZ)ノードが生成され、集中的に使用される。このようなHVHZノードは、非限定的な例として、機能安全要件に準拠するために、測定回路によることを含めてオンチップで監視される。本明細書では、高電圧、高インピーダンスのノードを参照して様々な実施例を説明するが、本開示はそのように限定されず、様々な実施例が、測定回路よりも高い、同じ、又は低い、高インピーダンス又は低インピーダンスを有する任意の電圧ノードを測定することを含み、及び/又はそれに関連し得る。開示された例は、高インピーダンス、高電圧ノード、低インピーダンス、高電圧ノード、高インピーダンス、低電圧ノード、又は低インピーダンス低電圧ノードを測定するために利用され得るが、これに限定されない。
【0035】
測定回路よりも高い電圧ドメインにある目的のノードが、高インピーダンスノード(すなわち、電圧源の高インピーダンス出力)によって測定回路に結合される場合、本開示の発明者は、目的のノードと分圧器回路(又は他のスケーリング回路)の出力との間の関係に対する高インピーダンスの影響は無視できず、実際に重要であり得ることを理解する。したがって、予め指定された関係は、そのような高インピーダンスの影響を考慮しない場合、分圧器の出力と目的のノードとの間の関係を正確に表さない可能性がある。
【0036】
非限定的な例として、HVHZノードは、抵抗分圧器回路に負荷を与え(オンチップで実装されるそのような抵抗は、通常、HVHZノードのインピーダンスよりもはるかに小さいので)、目的のノードと抵抗分圧器回路への入力との間に電圧降下を引き起こす可能性がある。
【0037】
本開示の発明者にとって既知である上述の電圧降下に対処するための1つの技法は、抵抗分圧器回路内の抵抗器の抵抗値又は物理的サイズを、概してメガオーム(Mオーム)まで増加させることである。しかしながら、チップ設計者は、Mオーム抵抗に対するための実領域の要件にまで注意を払う余裕がない場合がある。
【0038】
本明細書において、「高電圧ノード」という用語は、測定回路の電圧ドメインよりも高い電圧ドメインを有する電圧ノードを意味する。電圧ノードにおいて信号を表すために使用される電圧レベルが、測定回路において信号を表すために使用される電圧よりも高くなり得るので、電圧ドメインはより高くなり得る。電圧ノードにおける電圧レベルが、測定回路がノードにおける電圧レベルを確実に測定することができる入力範囲よりも高くなり得るので、電圧ドメインがより高くなり得る。
【0039】
図1は、1つ以上の実施例による、装置100を示す概略図である。
【0040】
装置100は、プロセッサ114、測定回路102、電圧スケーリング回路104、及び電圧ノード106を含む。プロセッサ114は、測定回路102の出力を受信するように結合される。測定回路102は、電圧スケーリング回路104を介して電圧ノード106に結合される。
【0041】
測定回路102は、概して、測定回路102の入力108における入力電圧VINの電圧レベルを表す第1のデジタル値116を生成するデジタル測定回路である。1つ以上の例では、入力電圧VINは、SAR ADCのシングルエンド入力などのシングルエンド入力用のものであり得るが、これに限定されない。
【0042】
電圧スケーリング回路104は、測定回路102の入力108を電圧ノード106に結合する。電圧ノード106は電圧ドメインVDomain1に関連付けられ、測定回路102は電圧ドメインVDomain2に関連付けられ、VDomain1はVDomain2よりも高い。電圧スケーリング回路104は、電圧スケーリング回路104の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係に従ってスケーリングされた電圧VSCALEを生成するためのものであり、この場合、電圧スケーリング回路104の入力電圧は、電圧スケーリング回路104の入力110に出現する電圧VDCであり、電圧スケーリング回路104の出力電圧は、電圧スケーリング回路104の出力112に出現するスケーリングされた電圧VSCALEである。1つ以上の例では、電圧VSCALEは、電圧VDCのスケールダウンバージョンであり、すなわち、電圧VSCALEの電圧レベルは、スケーリングされる電圧VDCの電圧レベルよりも低く、スケーリングされた電圧VSCALEの電圧レベルと電圧VDCの電圧レベルとの間の関係は、本明細書では「比例」としても特徴付けられ得る予め指定された関係である。1つ以上の例において、電圧スケーリング回路104は、測定回路102の論理122によって生成された測定プロセスのための制御信号124に少なくとも部分的に応答して、スケーリングされた電圧VSCALEを生成する。
【0043】
プロセッサ114は、概して、第1のデジタル値116及びスケーリング係数120に少なくとも部分的に応答して電圧VDCの電圧レベルを表す第2のデジタル値118を生成する。スケーリング係数120は、上述した電圧スケーリング回路104の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係を表す。1つ以上の例では、プロセッサ114は、第2のデジタル値118を取得するために、スケーリング係数120を利用して第1のデジタル値116を調整する(例えば、増加させるが、これに限定されない)。
【0044】
図2は、1つ以上の実施例による、電圧監視システム200を示す概略図である。電圧監視システム200は、装置100の非限定的な例である。
【0045】
電圧監視システム200は、電圧スケーリング回路214及び任意選択のアナログ接続206を介して電圧ノード202に結合された測定回路204を含む。
【0046】
電圧スケーリング回路214は、概して、入力216における第1の電圧レベルから出力210における第2のより低い電圧レベルまで電圧をスケールダウンする。電圧スケーリング回路214は、電圧監視システム200において結合されて、電圧スケーリング回路214の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係に従って、電圧ノード202(電圧スケーリング回路214の入力電圧)における電圧VDCのスケールダウンされたバージョンであるスケーリングされた電圧VSCALE(電圧スケーリング回路214の出力電圧)を生成する。
【0047】
測定回路204は、概して、デジタル測定回路であり、任意選択的に逐次比較型レジスタ232(SAR ADC232)を含む。測定回路204は、入力電圧VINの電圧レベルを表す第1のデジタル値212を生成するためのものであり、VINは、任意選択的に、SAR ADC232のシングルエンド電圧入力のためのものである。
【0048】
プロセッサ226は、スケーリング係数234(プロセッサ226において記憶若しくは構成されるか、又はアクセス可能な関数若しくは値)を介して、電圧スケーリング回路214の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係を認識しており、スケーリング係数234を利用して第1のデジタル値212を増加させることによって、電圧ノード202における電圧VDCの電圧レベルを表す第2のデジタル値236を生成する。
【0049】
任意選択のアナログ接続206(任意選択性がブロック206の破線境界によって示される)は、概して、チップのアナログノード間の電気的接続を提供するためのものである。
図2では、アナログ接続206は、例えば測定回路204による、そのようなアナログノード及びそれらのアナログ回路の測定又は監視のための、1つ以上のアナログノードへのアクセスポイントである。アナログ接続206は、電圧ノード202と測定回路204との間の電圧経路の少なくとも一部を提供する。
図2に示される具体例では、アナログ接続206は、スケーリングされた電圧V
SCALEをV
INとして測定回路204の入力230に伝送する。1つ以上の例では、アナログ接続206は、電圧ノード202に物理的に位置する電圧スケーリング回路214を、オンチップの他の場所に物理的に位置する測定回路204に結合し得る。アナログ接続206は、非限定的な例として、アナログテストバスとして構成されたオンチップ金属ワイヤ及びCMOSスイッチを含み得る。
【0050】
電圧スケーリング回路214に戻ると、電圧スケーリング回路214は、いくつかのオンチップキャパシタ、ここでは2つのキャパシタCAP1及びCAP2を含み、それらの各々の第1の端部はそれぞれ接地に結合され、スイッチ、ここではスイッチ218、220、222、及び224が、図示されるようにそれぞれの制御信号S1、S2、及びS3、すなわち測定回路204の論理238によって生成される制御信号S1、S2、及びS3を介して切り替え可能な結合及び分離のためにオン(すなわち、オンにされる)又はオフ(すなわち、オフにされる)になるように制御される。特定のCMOSプロセスは、オンチップキャパシタ及びトランジスタスイッチは、高電圧をサポートするように実装され得、例えば、高電圧ゲート酸化物キャパシタは、最大20Vまでサポートすることができ、スイッチを構築する高電圧NMOS又はPMOSトランジスタは、最大20Vまでサポートすることができる。
【0051】
全般的に言えば、電圧スケーリング回路214の動作は、「充電フェーズ」及び「電荷共有フェーズ」に従って論理238によって生成された制御信号S1、S2及びS3に少なくとも部分的に応答して制御され得る。充電フェーズ中、キャパシタCAP1は、(信号S1に応答してオンであるスイッチ218を介して)電圧ノード202に結合され(すなわち、切り替え可能に結合され)、キャパシタCAP2を含む電圧スケーリング回路214の残りの部分(スイッチ220は信号S2に応答してオフである)から分離される(すなわち、切り替え可能に分離される)。キャパシタCAP2は、キャパシタCAP1(スイッチ220は、信号S2に応答してオフである)から、及び電圧スケーリング回路214の出力210(スイッチ224は、信号S3に応答してオフである)から分離され(すなわち、切り替え可能に分離され)、接地接続(スイッチ222は、信号S4に応答してオンである)の間に直列に結合され(すなわち、切り替え可能に結合され)、したがって、接地電圧(例えば、0ボルトであるが、これに限定されない)にリセットされる(に充電される)。
【0052】
電荷共有フェーズの間、キャパシタCAP1は電圧ノード202から分離され(すなわち、切り替え可能に分離され)(スイッチ218はオフである)、キャパシタCAP1及びCAP2は互いに結合され(すなわち、切り替え可能に結合され)(スイッチ220は信号S2に応答してオンである)、キャパシタCAP2の第2の端部は接地から分離される(すなわち、切り替え可能に分離される)(スイッチ222は信号S4に応答してオフである)。
【0053】
充電フェーズ及び電荷共有フェーズは、式1:
【数1】
によって表されるように、同じ総電荷Q=V
DC
*C1を有する。式中、C1及びC2はそれぞれキャパシタCAP1及びCAP2の容量値であり、V
DCはインピーダンスRoutを通してDC電圧源208によって提供される電圧であり、V
SCALEは電圧スケーリング回路214によって提供されるスケーリングされた電圧である。したがって、式1を書き換えることによって、インピーダンスRoutを通して電圧源208によって提供される電圧V
DCとスケーリングされた電圧V
SCALEとの間の関係は、式2のように表すことができる:
【数2】
【0054】
1つ以上の例では、キャパシタCAP1及びCAP2の容量値は、測定回路204の電圧ドメイン内にスケーリングされた電圧VSCALEをもたらすことが予想される値が選択され得る。
【0055】
スイッチング電流Isw1は、スイッチ218が周期的にオンにされるときのインピーダンスRoutとCAP1との間の平均電流である。スイッチ218の各オンサイクルの開始時にCAP1にわたって0ボルトの初期電荷がある場合、電流Isw1の大きさは、式:Isw1=C1*(VDC)*fS1によって表され、式中、fS1は、スイッチ218をオン及びオフにするために使用される信号S1の周波数である。遅いクロック周波数(約1kHz~10kHz)及び小さいキャパシタンスC1(約300fF)がある場合、スイッチング電流Isw1は、小さい(0.1μA未満)。スイッチング電流Isw1が小さく、インピーダンスRoutのインピーダンスが約1Mオームまでの場合、インピーダンスRoutにわたる電圧降下Isw1
*Rout<0.1Vは無視できる。別の言い方をすれば、VDCは、スイッチ218によって、インピーダンスRoutにわたる電圧降下が存在せず、CAP1を充電するかのように見える。
【0056】
スイッチ222及びその種々のCMOSトランジスタがオンにされると、接地への経路が提供される。スイッチ222及びその種々のCMOSトランジスタがオフにされると(すなわち、オンからオフへ遷移すると)、リーク電流ILEAK(より具体的には、逆バイアスされたPN接合リーク電流と高電圧/低電圧トランジスタスイッチのサブスレッショルドリーク電流との混合)が、スイッチ222のオフにされたCMOSトランジスタを通って接地に向かって流れる。
【0057】
電荷共有フェーズ中にスイッチ222がオフにされると、充電フェーズ中にキャパシタCAP1に蓄積された電荷の一部が、リーク電流ILEAKを介してキャパシタCAP1及びCAP2から排出され、VDCからVSCALEへのスケールダウンに寄与する。リーク電流ILEAKは、温度とともに劇的に増加し得、そのような回路の動作温度は、車載用途において、例えば、145℃まで動作し得る。
【0058】
したがって、クロック周波数が遅いということはクロック周期Tが長いということであり、リーク電流による電荷損失はスイッチ222のクロックオフ周期(オン時間=オフ時間=T/2)の関数、すなわちIleak
*T/2となるので、低周波制御信号S1は少なくとも1つの欠点を有することになる。したがって、Ileakは、クロックが遅いほど誤差が大きくなり、測定精度を低下させる可能性がある。
【0059】
図3は、1つ以上の実施例による、電圧ノードの電圧ドメインよりも低い電圧ドメインを有する測定回路を利用して、電圧ノードの電圧を測定するプロセス300を示すフロー図である。
【0060】
動作302において、プロセス300は、第2の電圧ドメイン(例えば、
図2のV
DOMAIN2)を有する測定回路の入力(例えば、測定回路204の測定入力230であるが、これに限定されない)と、第1の電圧ドメイン(例えば、
図2のV
DOMAIN1)を有する高電圧ノード(例えば、電圧ノード202であるが、これに限定されない)との間に、分離されたキャパシタ(すなわち、切り替え可能に分離されたキャパシタ)を含む回路(例えば、電圧スケーリング回路214であるが、これに限定されない)を提供し、第2の電圧ドメインは第1の電圧ドメインよりも低い。分離されたキャパシタは、少なくとも第1のキャパシタ(例えば、
図2のCAP1であるが、これに限定されない)及び第2のキャパシタ(例えば、
図2のCAP2であるが、これに限定されない)を含む。
【0061】
非限定的な例として、電圧ノード202は、測定回路204よりも高い電圧ドメインに関連付けられるが、これは、電圧ドメインVDOMAIN1(電圧ノード202に関連付けられる)が、電圧ドメインVDOMAIN2(測定回路204に関連付けられる)よりも高い電圧レベルを使用して信号を表すからである。代替的に、これは、電圧ドメインVDOMAIN1(電圧ノード202に関連付けられる)よりも低い電圧レベルを使用して信号を表すドメインVDOMAIN2(測定回路204に関連付けられる)として特徴付けられ得る。
【0062】
図2を参照する非限定的な例として、キャパシタCAP1及びCAP2を結合するスイッチ220が信号S2に応答してオフであるので、キャパシタCAP1及びCAP2は、最初は互いに分離される(すなわち、切り替え可能に分離される)(すなわち、「分離されたキャパシタ」である);キャパシタCAP1を電圧ノード202に結合するスイッチ218が信号S2に応答してオフであるので、キャパシタCAP1は、最初に電圧ノード202から分離され(すなわち、切り替え可能に分離される);キャパシタCAP2の第2の端部を接地に結合するスイッチ222が信号S4に応答してオフであるので、キャパシタCAP2の第2の端部は、最初に接地から分離される(すなわち、切り替え可能に分離される)。
【0063】
動作304において、プロセス300は、測定回路(例えば、
図2の測定回路204であるが、これに限定されない)によって、電圧ノードにおける電圧の電圧レベル(例えば、電圧ノード202におけるV
DCであるが、これに限定されない)に関連する電圧レベル(例えば、測定回路204の入力電圧V
INであるが、これに限定されない)を表す第1のデジタル値を、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを含む回路を利用する測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して(例えば、電圧スケーリング回路214を利用して測定プロセスを実行するために、
図2の測定回路204における信号S1~S4及び論理238によるタイミング制御に応答する電圧スケーリング回路214を介するものがあるが、これに限定されない)生成する。
【0064】
動作306において、プロセス300は、プロセッサ(例えば、プロセッサ226であるが、これに限定されない)によって、電圧ノードにおける電圧の電圧レベル(例えば、電圧ノード202におけるVDCであるが、これに限定されない)を表す第2のデジタル値(例えば、第2のデジタル値236であるが、これに限定されない)を生成する。プロセス300は、第1のデジタル値(例えば、第1のデジタル値212であるが、これに限定されない)及びスケーリング係数(例えば、スケーリング係数234であるが、これに限定されない)に少なくとも部分的に応答して、第2のデジタル値を生成する。スケーリング係数は、第1のデジタル値によって表される電圧レベルと高電圧ノードにおける電圧レベル(例えば、電圧ノード202におけるVDCであるが、これに限定されない)との間の予め指定された関係を表す。1つ以上の例では、高電圧ノードにおける電圧の電圧レベルを表すデジタル値(例えば、電圧ノード202におけるVDCであるが、これに限定されない)を取得するために、プロセス300は、スケーリング係数によって表される関係に少なくとも部分的に応じて第1のデジタル値を調整して、第2のデジタル値を取得する。
【0065】
図4は、1つ以上の実施例による、測定プロセス400を示すフロー図である。測定プロセス400は、プロセス300の動作304で実行される測定プロセスの非限定的な例である。
【0066】
動作402において、測定プロセス400は、
図3によって示されるプロセス300の動作302を参照して説明されるように、測定回路の入力と電圧ノードとの間に、分離されたキャパシタを含む回路を任意選択的に提供し、高電圧ノードは、測定回路の電圧ドメインよりも高い電圧ドメインを有し、分離されたキャパシタは、少なくとも第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを含む。
【0067】
動作404において、測定プロセス400は、電圧ノードにおける電圧に少なくとも部分的に応答して第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合する(例えば、信号S1に応答してスイッチ218をオンにするが、これに限定されない)。キャパシタCAP1及びキャパシタCAP2を結合するスイッチ220が信号S2に応答してオフであるので、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタは、動作404の間、分離されたままである(すなわち、切り替え可能に分離されている)。
【0068】
動作406において、測定プロセス400は、第2のキャパシタCAP2の放電を開始するために、2つの接地接続の間に第2のキャパシタを結合する(例えば、信号S4に応答してスイッチ222をオンにして、キャパシタCAP2の第2の端部を接地に結合して、CAP2が2つの接地接続間に直列に結合されるようにするが、これに限定されない)。任意選択的に、これは、第2のキャパシタに蓄積された任意の電荷を排出することによって、第2のキャパシタCAP2をリセットし得る。
【0069】
動作408において、測定プロセス400は、第1のキャパシタの充電及び第2のキャパシタの放電をそれぞれ終了させるために、第1のキャパシタ及び電圧ノードを分離し(例えば、信号S1に応答してスイッチ218をオフにするが、これに限定されない)、第2のキャパシタCAP2の第2の端部及び接地接続のうちの1つを分離する(例えば、信号S4に応答してスイッチ222をオフにするが、これに限定されない)。
【0070】
動作410において、測定プロセス400は、第1のキャパシタの電荷を第2のキャパシタと共有するために、第2のキャパシタと第1のキャパシタとを(例えば、並列に結合するが、これに限定されない)結合する(例えば、信号S2に応答してスイッチ220をオンにするが、これに限定されない)。第1のキャパシタに蓄積された電荷(例えば、動作406中に蓄積された電荷であるが、これに限定されない)は、動作410中に、並列結合された第1のキャパシタと第2のキャパシタとの間で共有される。
【0071】
動作412、測定プロセス400は、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における電圧レベルを生成するために、測定回路の入力と、結合された(例えば、並列結合であるが、これに限定されない)第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを含む回路とを結合する(例えば、信号S3に応答してスイッチ224をオンにするが、これに限定されない)。
【0072】
測定プロセス400が実行されるとき、動作412において測定回路の入力において生成される電圧は、電圧ノードにおける電圧に関連付けられる(すなわち、既知の関係を有する)。このような関係は、スケーリング係数によって予め指定され、電圧ノードにおける電圧の電圧レベルを計算するために利用され得る。
【0073】
図5は、NMOSスイッチ500の断面図を示す概略図である。
図5は、接地への逆バイアスpn接合リーク電流(参照番号502によって示される)及び接地へのサブスレッショルドリーク電流(参照番号504によって示される)を含む様々なリーク電流を示す。例えば、
図2のスイッチ222又は
図6のスイッチ622のうちの1つ以上は、NMOSスイッチ500によって実装され得る。理解されるように、NMOSスイッチ500は、3つの端子(すなわち、ゲート、ドレイン、及びソース)を有する。NMOSスイッチ500のゲートは、スイッチをオフにするために接地に結合され、ドレインは、スケーリングされた電圧V
SCALEに結合され得、ソースは、接地に結合され得る。P基板(又はPウェル)は接地に結合される。注目すべきことは、CMOSプロセスには、P基板を使用するものと、Pウェルを使用するものがあるが、いずれも本開示の範囲を超えるものではない。
【0074】
上述したように、電荷共有フェーズ中にスイッチ222がオフにされると、前の充電フェーズ中に蓄積された電荷の一部がリーク電流ILEAKを介して排出され、電圧VDCのスケールダウンに寄与して、スケーリングされた電圧VSCALEになる。1つ以上の例では、アナログ接続206などのアナログ接続の回路は、接地に結合されたいくつかのCMOSトランジスタタイプのスイッチを含み得る。このようなスイッチ及びそれらのそれぞれのCMOSトランジスタは、通常、例えば、アナログ接続206がスケーリングされた電圧VSCALEを測定回路204に提供するときにオフにされるので、アナログ接続206は、オフにされたスイッチを介して接地へのリーク電流を示し得る。
【0075】
限定するものではないが、電圧監視システム200などの電圧監視システムが、広い温度範囲で動作するために、本開示の発明者は、測定プロセスにおいて電圧スケーリング回路214及びアナログ接続206におけるリーク電流を考慮することが望ましいことを理解する。
【0076】
図6は、1つ以上の実施例による、電圧監視システム600を示す概略図である。電圧監視システム600は、電圧スケーリング回路614及びアナログ接続606を介して電圧ノード602に結合された測定回路604を含む。
【0077】
電圧監視システム600は、電圧ノード602、電圧スケーリング回路614、任意選択のアナログ接続606、測定回路604、及びプロセッサ628を含む。測定回路604は、電圧スケーリング回路614及び任意選択のアナログ接続606を介して電圧ノード602に結合される。プロセッサ628は、測定回路604によって生成された第1のデジタル値612を受信する。
【0078】
電圧スケーリング回路614は、いくつかのオンチップキャパシタ、ここではそれぞれ接地に結合されたキャパシタCAP1、CAP2、及びCAP3と、図示されたそれぞれの制御信号S1、S2、S3、S5、及びS4、すなわち測定回路604の論理634によって生成される制御信号S1、S2、S3、S5、及びS4を介してオン(若しくはオンにされる)又はオフ(若しくは、オフにされる)になるように制御されるスイッチであって、ここではスイッチ618、620、626、及び622とを含む。スイッチ624は、測定回路604の論理634によって生成された信号S3によってオン又はオフにされ、測定回路604の測定入力に向かってスケーリングされた電圧V
SCALEを選択的に提供する。電圧スケーリング回路614は、
図2の電圧スケーリング回路214には含まれないキャパシタCAP3及びスイッチ626を含む。
【0079】
電圧監視システム600は、電圧監視システム200と類似しているため、電圧監視システム600の同様の要素は、不必要な重複を避けるためにここでは再説明しない。電圧監視システム600は、測定結果630(本明細書では「最終デジタル値630」とも呼ばれる)を取得し、ここで、電圧スケーリング回路614及び任意選択のアナログ接続606における電流リークILEAKの影響は、以下で説明するように、電圧監視システム200と比較して低減され得る。
【0080】
1つ以上の例では、低減されたリーク電流の影響を受けた結果(すなわち、最終デジタル値630に対するリーク電流の影響)は、電圧スケーリング回路614、任意選択のアナログ接続606、及び測定回路604を利用してスケーリングされた電圧VDCの2つの測定を行い、2つの測定から得られた2つの値の差を計算することによって得られる。2つの測定のうちの一方、すなわち、第1のスケーリングされた電圧VSCALE1は、電荷共有フェーズ中にキャパシタCAP3がキャパシタCAP1及びCAP2から分離された(すなわち、切り替え可能に分離された)状態で実行され(例えば、スイッチ620がオンの場合にスイッチ626がオフにされるが、これに限定されない)、2つの測定のうちの他方、すなわち、第2のスケーリングされた電圧VSCALE2は、電荷共有フェーズ中にキャパシタCAP3がキャパシタCAP1及びCAP3に結合された(すなわち、切り替え可能に結合された)状態で実行される(例えば、スイッチ626及びスイッチ620がオンにされるが、これに限定されない)。2つの測定値の差とVDCとの間の関係は、式3によって表される。
【0081】
【数3】
式中、T/2は、電荷共有フェーズの持続時間を表す値であり(両方の測定について同じであると仮定される)、I
LEAKは、電荷共有フェーズ中のスイッチ622及び任意選択的にアナログ接続606のスイッチにおけるリーク電流である(両方の測定について同じであると仮定される)。1つ以上の例では、キャパシタCAP3は、キャパシタンスC1+C2とキャパシタンスC1+C2+C3との間の差が低減されるように、キャパシタンスC3が小さくなるように選択される。1つ以上の例では、キャパシタンスC3の値は、キャパシタンスC1の値以下になるように選択され、任意選択的に、キャパシタンスC1及びC3は、C1+C2>>C3となるように、個別に又は集合的にキャパシタンスC2よりも小さくなるように選択される。非限定的な一具体例では、C1=150fF、C2=150fF
*3、C3=150fFである。したがって、電圧測定値(すなわち、V
SCALE1及びV
SCALE2の電圧レベルを表す第1のデジタル値612のそれぞれ)は、個々に、式4:
【数4】
式5:
【数5】
となり、V
SCALE1とV
SCALE2との間の差(V
SCALE1及びV
SCALE2はそれぞれ、2つの測定を実行することから得られる値)は、リーク電流の影響を大幅に低減する。プロセッサ628は、本明細書で説明する第1の測定プロセスを利用したV
SCALE1/V
INとV
DCとの間の関係を表す第1のスケーリング係数636aと、本明細書で説明する第2の測定プロセスを利用したV
SCALE2/V
INとV
DCとの間の関係を表す第2のスケーリング係数636bとを含む。
【0082】
注目すべきことは、電圧監視システム600は、本開示の範囲を超えることなく、リーク電流が発生しないか又は無視できる程度のリーク電流が発生したか又は予想される場合に、電圧を測定し得る。非限定的な例として、電圧監視システム600は、リーク電流を引き起こす可能性が低い温度範囲、又はサブレンジ、つまり、リーク電流を引き起こす可能性があるサブレンジの一部とそうではないサブレンジの一部とを含む温度範囲で電圧を測定し得る。
【0083】
図7A及び
図7Bは、1つ以上の実施例による、電圧ノードの電圧ドメインよりも低い電圧ドメインを有する測定回路を利用して、電圧ノードの電圧を測定するプロセス700を示すフロー図である。
【0084】
動作702において、プロセス700は、測定回路の入力(例えば、測定回路604の電圧入力であるが、これに限定されない)と、測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノード(例えば、電圧ノード602であるが、これに限定されない)との間に、分離されたキャパシタ(すなわち、切り替え可能に分離されたキャパシタ)を含む回路を提供する。分離されたキャパシタは、少なくとも第1のキャパシタ(例えば、
図6のCAP1であるが、これに限定されない)、第2のキャパシタ(例えば、
図6のCAP2であるが、これに限定されない)、及び第3のキャパシタ(例えば、
図6のCAP3であるが、これに限定されない)を含む。
【0085】
非限定的な例として、電圧ノード602は、測定回路604よりも高い電圧ドメインに関連付けられるが、これは、電圧ドメインVDOMAIN1(電圧ノード602に関連付けられる)が、電圧ドメインVDOMAIN2(測定回路604に関連付けられる)よりも高い電圧レベルを使用して信号を表すか、又は測定回路604の入力範囲外の電圧レベルを使用するためである。代替的に、これは、電圧ドメインVDOMAIN1(電圧ノード602に関連付けられる)よりも低い電圧レベルを使用して信号を表すドメインVDOMAIN2(測定回路604に関連付けられる)として特徴付けられ得る。
【0086】
図6を参照する非限定的な例として、キャパシタCAP1、CAP2、及びCAP3の各々の第1の端部は、接地に結合され(すなわち、切り替え可能に結合され)、キャパシタCAP1及びCAP2を結合するスイッチ620が信号S2に応答してオフであるので、キャパシタCAP1及びCAP2は、最初に互いから分離され(すなわち、切り替え可能に分離される);キャパシタCAP1を電圧ノード602に結合するスイッチ618が信号S1に応答してオフであるので、CAP1は、最初に電圧ノード602から分離され(すなわち、切り替え可能に分離される);キャパシタCAP2の第2の端部を接地に結合するスイッチ622が信号S4に応答してオフであるので、CAP2の第2の端部は、最初に接地から分離され(すなわち、切り替え可能に分離される); キャパシタCAP3の各々の第2の端部をキャパシタCAP2に結合するスイッチ626が信号S5に応答してオフであるので、キャパシタCAP2及びCAP3は、最初に互いに分離され(すなわち、切り替え可能に分離され);キャパシタCAP3の第2を接地に結合するスイッチ626及びスイッチ622がそれぞれ信号S5及びS4に応答してオフであるので、キャパシタCAP3の第2の端部は、最初に接地から分離される(すなわち、切り替え可能に分離される)。
【0087】
動作704において、プロセス700は、測定回路(例えば、測定回路604であるが、これに限定されない)によって、電圧ノード(例えば、電圧ノード602におけるVDCであるが、これに限定されない)における、電圧レベルに関連付けられた電圧レベル(例えば、測定回路604の入力電圧VINであるが、これに限定されない)を表す第1のデジタル値(例えば、デジタル値612の第1のものであるが、これに限定されない)を、第1、第2及び第3のキャパシタを含む回路を利用して第1の測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して(例えば、第1の測定プロセスを含む、電圧スケーリング回路614を利用して1つ以上の測定プロセスを実行するために、測定回路604における信号S1~S5及び論理634によるタイミング制御に応答する電圧スケーリング回路614を介するものがあるが、これに限定されない)生成する。
【0088】
動作706において、プロセス700は、プロセッサ(例えば、プロセッサ628であるが、これに限定されない)によって、電圧ノードにおける電圧レベルを過渡的に表す第2のデジタル値を生成する。プロセス700は、第1のデジタル値(例えば、第1のデジタル値612の第1のもの、これに限定されない)及び第1のスケーリング係数(例えば、スケーリング係数636aであるが、これに限定されない)に少なくとも部分的に応答して、第2のデジタル値を生成する。第1のスケーリング係数は、第1のデジタル値によって表される電圧レベルと電圧ノードにおける電圧レベルとの間の予め指定された関係を表す。
【0089】
動作708において、プロセス700は、測定回路によって、回路を利用して第2の測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルに関連する更なる電圧レベルを表す第3のデジタル値(例えば、デジタル値612のうちの第2のものであるが、これに限定されない)を生成する。
【0090】
動作710において、プロセス700は、プロセッサによって、電圧ノードにおける更なる電圧レベルを過渡的に表す第4のデジタル値を生成する。プロセス700は、第3のデジタル値及び第2のスケーリング係数(例えば、スケーリング係数636bであるが、これに限定されない)に少なくとも部分的に応答して第4のデジタル値を生成する。第3のデジタル値によって表される電圧レベルと電圧ノードにおける電圧レベルとの間の予め指定された関係を表す第2のスケーリング係数。
【0091】
1つ以上の例では、電圧ノードにおける電圧の電圧レベルを過渡的に表すデジタル値(例えば、動作706における第2のデジタル値又は動作710における第4のデジタル値であるが、これに限定されない)を得るために、プロセス700は、それぞれ第1のスケーリング係数又は第2のスケーリング係数によって表される関係に少なくとも部分的に応答して、第1のデジタル値又は第3のデジタル値を調整する。
【0092】
動作712において、プロセス700は、動作706及び動作710においてそれぞれプロセッサによって生成された第2のデジタル値及び第4のデジタル値に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを表す最終値を生成する。
【0093】
図8及び
図9は、それぞれ、1つ以上の実施例による、第1の測定プロセス800及び第2の測定プロセス900を示すフロー図である。第1の測定プロセス800及び第2の測定プロセス900は、プロセス700で実行される第1の測定プロセス及び第2の測定プロセスの非限定的な例である。
【0094】
図8を参照すると、動作802において、第1の測定プロセス800は、測定回路の入力(例えば、測定回路604の電圧入力であるが、これに限定されない)と、測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノード(例えば、電圧ノード602であるが、これに限定されない)との間に、分離されたキャパシタ(例えば、電圧スケーリング回路614の切り替え可能に分離されたキャパシタであるが、これに限定されない)を任意選択的に提供する。分離されたキャパシタは、少なくとも第1のキャパシタ(例えば、
図6のCAP1であるが、これに限定されない)、第2のキャパシタ(例えば、
図6のCAP2であるが、これに限定されない)、及び第3のキャパシタ(例えば、
図6のCAP3であるが、これに限定されない)を含む。
【0095】
図6を参照する非限定的な例として、キャパシタCAP1及びCAP2は、CAP1とCAP2とを結合するスイッチ620が信号S2に応答してオフであるので、最初に互いに分離され(すなわち、切り替え可能に分離される);キャパシタCAP1を電圧ノード602に結合するスイッチ618が信号S1に応答してオフであるので、CAP1は、最初に電圧ノード602から分離され(すなわち、切り替え可能に分離される);キャパシタCAP2及びキャパシタCAP3は、CAP2及びCAP3の第2の端部を結合するスイッチ626が信号S5に応答してオフであるので、最初に互いから分離され(すなわち、切り替え可能に分離され);CAP2の第2の端部は、CAP2の第2の端部を接地に結合するスイッチ622が信号S4に応答してオフであるので、最初に接地から分離される(すなわち、切り替え可能に分離される)。
【0096】
動作804において、第1の測定プロセス800は、電圧ノードにおける電圧に応答して第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合する(例えば、スイッチ618が信号S1に応答してオンにされるが、これに限定されない)。
【0097】
動作806において、第1の測定プロセス800は、第2のキャパシタの放電を開始するために、2つの接地接続の間に第2のキャパシタを結合する(例えば、CAP2が2つの接地接続の間に直列に結合されるように、第2のキャパシタCAP2の第2の端部を接地に結合する信号S4に応答して、スイッチ622がオンにされるが、これに限定されない)。
【0098】
動作808において、第1の測定プロセス800は、第1のキャパシタの充電及び第2のキャパシタの放電をそれぞれ終了させるために、第1のキャパシタ及び電圧ノードを分離し(例えば、スイッチ618は信号S1に応答してオフにされるが、これに限定されない)、キャパシタの第2の端部を接地から分離する(例えば、スイッチ622は、信号S5に応答してオフにされるが、これに限定されない)。
【0099】
動作810において、第1の測定プロセス800は、第1のキャパシタの電荷を第2のキャパシタと共有するために、第2のキャパシタ及び第1のキャパシタを結合する(例えば、CAP1及びCAP2が並列に結合されるように、スイッチ620が信号S2に応答してオンにされるが、これに限定されない)。
【0100】
動作812において、第1の測定プロセス800は、電圧ノードにおける電圧に比例する測定回路の入力における電圧(例えば、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する電圧レベルを有する第1のスケーリングされた電圧)を生成するために、測定回路の入力と、並列に結合された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを含む回路とを結合する(例えば、測定入力、CAP1及びCAP2が並列に結合されるように、スイッチ624が信号S4に応答してオンにされるが、これに限定されない)。
【0101】
図9を参照すると、任意選択の動作902において、第2の測定プロセス900は、第1のキャパシタ、第2のキャパシタ、及び測定回路の入力を分離する(すなわち、切り替え可能に分離する)。第2の測定プロセス900は、キャパシタCAP3を利用することによって、少なくとも部分的に第1の測定プロセス800とは異なる。第2の測定プロセス900が第1の測定プロセス800に続く場合、電圧ノード及び第1のキャパシタは、すでに分離されている(すなわち、切り替え可能に分離されている)。したがって、スイッチ618は信号S1に応答してオフになり、スイッチ620は信号S2に応答してオフにされ、スイッチ626は信号S5に応答してオフになり、スイッチ622は信号S4に応答してオフになり、スイッチ624は信号S3に応答してオフにされる。
【0102】
動作904において、第2の測定プロセス900は、第2のキャパシタ及び第3のキャパシタを結合する(すなわち、切り替え可能に結合する)(例えば、スイッチ626は、第2のキャパシタ及び第3のキャパシタが並列に結合されるように、信号S5に応答してオンにされるが、これに限定されない)。
【0103】
動作906において、第2の測定プロセス900は、電圧ノードにおける電圧に応答して第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合する(すなわち、切り替え可能に結合する)(例えば、スイッチ618は、信号S1に応答してオンにされるが、これに限定されない)。
【0104】
動作908において、第2の測定プロセス900は、並列結合された第2/第3のキャパシタを放電するために、2つの接地接続の間に直列に結合された第2/第3のキャパシタを結合する(すなわち、切り替え可能に結合する)(例えば、スイッチ622は、信号S4に応答してオンにされ、並列結合された第2/第3のキャパシタCAP2/CAP3の第2の端部を接地に結合するが、これに限定されない)。
【0105】
動作910において、第2の測定プロセス900は、第1のキャパシタの充電及び結合された第2/第3のキャパシタの放電をそれぞれ終えるため(例えば、スイッチ618及び622は、それぞれ信号S1及びS4に応答してオフにされるが、これに限定されない)に、第1のキャパシタ及び電圧ノードを分離し(すなわち、切り替え可能に分離し)、結合された第2/第3のキャパシタの第2の端部を接地から分離する(すなわち、切り替え可能に分離する)。
【0106】
動作912において、第2の測定プロセス900は、第1のキャパシタの電荷を結合された第2/第3のキャパシタと共有するために、第1、第2、及び第3のキャパシタを結合する(例えば、スイッチ620は、信号S2に応答してオンにされ、スイッチ626は、CAP1、CAP2、及びCAP3が並列に結合されるように、信号S3に応答してすでにオンであるが、これに限定されない)。
【0107】
動作914において、第2の測定プロセス900は、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における更なる電圧レベル(例えば、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する電圧レベルを有する第2のスケーリングされた電圧)を生成するために、測定回路の入力と、結合された第1、第2、及び第3のキャパシタを含む回路とを結合する(例えば、スイッチ624が信号S4に応答してオンにされるが、これに限定されない)。
【0108】
図10は、アナログ試験バス1014を高電圧ノード、ここでは第1の高電圧ノード1006及び第2の高電圧ノード1008に結合するために、各スケーリング回路、ここでは第1のスケーリング接続1010及び第2のスケーリング接続1012のレイアウト面積コストが比較的小さいため、複数のスケーリング接続を含むIC 1000を示す概略図である。加えて、第1のSAR ADC1002及び第2のSAR ADC1016が提供され、それぞれがアナログ試験バス1014に結合され、それぞれがそれぞれの出力をプロセッサ1004に提供する。プロセッサ1004は、1つ以上のスケーリング係数1018を含む。
【0109】
第1のスケーリング接続1010を介してアナログ試験バス1014に結合された第1の高電圧ノード1006の、アナログ試験バス1014を介した想定される測定に対して、第1の高電圧ノード1006のスケーリングされた電圧VSCALEの値は、SAR ADC1002によって決定され、プロセッサ1004に提供される。第2のスケーリング接続1012を介してアナログ試験バス1014に結合された第2の高電圧ノード1008の、アナログ試験バス1014を介した想定される測定に対して、第2の高電圧ノード1008のスケーリングされた電圧VSCALEの値は、SAR ADC 1016によって読みだされ、プロセッサ1004に提供される。各々がそれぞれのSAR ADCを備えた複数のHVノードを同時にサポートすることで、高速並列測定が可能になり得る。これにより、測定時間が短縮され、製品テストに利益をもたらし得る。
【0110】
図11は、測定プロセス400による電圧監視システム200の想定される動作中の
図2の信号S1、S2、S3、及びS4を示すタイミング
図1100であり、高い値は、それぞれのスイッチがオンになるように信号がアサートされることを示し、低い値は、それぞれのスイッチがオフになるように信号がデアサートされることを示す。
【0111】
時間T1において、信号S1及びS4がアサートされてスイッチ218及び222をオンにし、それによって、第1のキャパシタCAP1を電圧ノード202に結合し、第2のキャパシタCAP2の第2の端部を2つの接地接続の間に直列に結合する。時間T2において、信号S1及びS4がデアサートされてスイッチ218及び222をオフにし、それによって、第1のキャパシタCAP1及び電圧ノード202を分離し、第2のキャパシタCAP2の第2の端部を2つの接地接続のうちの第2のものから分離する。時間T3において、信号S2がアサートされてスイッチ220をオンにし、第1のキャパシタCAP1と第2のキャパシタCAP2との間の電荷共有を開始する。時間T4において、信号S3がアサートされてスイッチ224をオンにし、電圧ノード202における電圧に比例した電圧が測定回路204の入力において生成される。時間T5において、信号S3はデアサートされてスイッチ224をオフにし、測定回路204の入力における電圧の生成を終了する。信号S2はアサートされたままであり、スイッチ220は、時間T3から時間T5に相応する時間又はその後の時間までオンである。特定の非限定的な例では、時間T2からT3までの時間スキューは100ナノ秒(ns)であり、時間T3からT4までは100nsであり、Tの周期は100μsである。
【0112】
図12は、第2の測定プロセス900による電圧監視システム600の想定される動作中の
図6の信号S1、S2、S3、S4及びS5を示すタイミング
図1200である。注目すべきことに、第1の測定プロセス800による電圧監視システム600の想定される動作についてのタイミング図は、信号S5が示された全期間にわたってデアサートされるタイミング
図1100と実質的に一致する。
【0113】
概して、タイミング
図1200の時間T1、T2、T3、T4、及びT5の説明は、タイミング
図1100の説明と同じである。時間T1において、信号S5がアサートされてスイッチ626をオンにし、キャパシタCAP3とキャパシタCAP2とを並列に結合する。信号S5は、
図12に示される全期間T(時間T1~時間T6)にわたってアサートされる。
【0114】
本開示で使用するとき、複数の要素を指す、「組み合わせ」という用語は、全ての要素の組み合わせ、又はいくつかの要素の様々な異なる部分的組み合わせのうちのいずれかを含み得る。例えば、「A、B、C、D、又はそれらの組み合わせ」という句は、A、B、C、又はD;A、B、C、及びDの各々の組み合わせ;並びにA、B、C、又はDの任意の部分的組み合わせ、例えば、A、B、及びC;A、B、及びD;A、C、及びD;B、C、及びD;A及びB;A及びC;A及びD;B及びC;B及びD;又はC及びDのうちのいずれか1つを指し得る。
【0115】
本開示で使用される用語、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、限定するものではないが、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、概して、「オープン」用語として意図される(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「含んでいるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は、「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、限定するものではないが、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである)。本明細書で使用される場合、「各々」という用語は、一部又は全体を意味する。本明細書で使用される場合、「各々及び全て」という用語は、全体を意味する。
【0116】
追加的に、特定の数の導入された特許請求項列挙が意図される場合、そのような意図は特許請求項に明示的に列挙されることになり、そのような列挙がない場合には、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の請求項は、請求項の列挙を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、たとえ同じ特許請求の範囲が「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」という導入句、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、「a」又は「an」という不定冠詞による特許請求の範囲の記載の導入が、かかる導入された特許請求の範囲の記載を含む任意の特定の特許請求の範囲を、たった1つのかかる記載を含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、限定するものではないが、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)。特許請求項列挙を導入するために使用される明確な冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0117】
加えて、導入された特許請求の範囲に記載の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、かかる記載が少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを、認識するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載」の明白な記載は、限定するものではないが、少なくとも2つの記載又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した慣例が使用される場合、一般に、そのような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に含むことを意図する。
【0118】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は語句は、明細書、特許請求の範囲、又は図面にかかわらず、用語のうちの1つ、用語のいずれか又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0119】
更なる非限定的な例は、以下を含む。
【0120】
実施例1:本方法は、測定回路の入力と測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードとの間に、少なくとも第1のキャパシタと第2のキャパシタとを含む分離されたキャパシタを含む回路を提供するステップと、測定回路によって、回路を利用して測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルに関連する電圧レベルを表す第1のデジタル値を生成するステップと、プロセッサによって、第1のデジタル値、及び第1のデジタル値によって表される電圧レベルと電圧ノードにおける電圧レベルとの間の予め指定された関係を表すスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを表す第2のデジタル値を生成するステップと、を含む。
【0121】
実施例2:測定プロセスは、第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合するステップと、第2のキャパシタの完全放電を開始するために、第2のキャパシタを2つの接地接続の間に直列に結合するステップと、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタのそれぞれの充電及び放電を終了するために、電圧ノードから第1のキャパシタを分離し、2つの接地接続のうちの1つから第2のキャパシタを分離するステップと、第1のキャパシタの電荷を第2のキャパシタと共有するために、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを並列に結合するステップと、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における電圧レベルを生成するために、測定回路の入力と、並列結合された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを含む回路とを結合するステップと、を含む、実施例1に記載の方法。
【0122】
実施例3:装置であって、第1のデジタル値を生成するための測定回路であって、第1のデジタル値は、測定回路の入力における電圧レベルを表し、測定回路は、測定プロセスのための制御信号を生成するための論理を含む、測定回路と、測定回路の入力を、測定回路よりも高い高電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードに結合するための電圧スケーリング回路であって、測定回路の論理によって生成された制御信号に応答して、電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係に従ってスケーリングされた電圧を生成する、電圧スケーリング回路と、プロセッサであって、第1のデジタル値、及び電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の予め指定された関係を表すスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを表す第2のデジタル値を生成するための、プロセッサと、を含む、装置。
【0123】
実施例4:電圧スケーリング回路は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、測定プロセスのための制御信号に少なくとも部分的に応答して、第1のキャパシタと第2のキャパシタとを交互に結合又は分離するためのスイッチと、を含む、実施例3に記載の装置。
【0124】
実施例5:測定プロセスのための制御信号は、電圧スケーリング回路を制御して、第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合し、第2のキャパシタの放電を開始するために、第2のキャパシタを接地接続の間に直列に結合し、第1のキャパシタの充電及び第2のキャパシタの放電を終了するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを分離し、第2のキャパシタと接地接続とを分離し、第1のキャパシタの電荷を第2のキャパシタと共有するために、第2のキャパシタ及び第1のキャパシタを結合し、かつ電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における電圧レベルを生成するために、測定回路の入力と、結合された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタとを結合する、実施例3又は4に記載の装置。
【0125】
実施例6:電圧スケーリング回路は、第1のキャパシタに切り替え可能に結合するための入力と、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタに切り替え可能に結合するための出力と、を含む、実施例3~5のいずれか1つに記載の装置。
【0126】
実施例7:測定回路は、逐次比較型レジスタ(SAR)アナログデジタル変換器(ADC)を含む、実施例3~6のいずれか1つに記載の装置。
【0127】
実施例8:測定回路を電圧スケーリング回路に結合するためのアナログ接続を含む、実施例3~7のいずれか1つに記載の装置。
【0128】
実施例9:本方法は、測定回路の入力と測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードとの間に、少なくとも第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第3のキャパシタとを含む分離されたキャパシタを含む回路を提供するステップと、測定回路によって、回路を利用して第1の測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルに関連する電圧レベルを表す第1のデジタル値を生成するステップと、プロセッサによって、第1のデジタル値、及び第1のデジタル値によって表される電圧レベルと電圧ノードにおける電圧レベルとの間の予め指定された関係を表す第1のスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを過渡的に表す第2のデジタル値を生成するステップと、測定回路によって、回路を利用して第2の測定プロセスを実行することに少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルに関連する更なる電圧レベルを表す第3のデジタル値を生成するステップと、プロセッサによって、第3のデジタル値及び第2のスケーリング係数に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを過渡的に表す第4のデジタル値を生成するステップと、第2のデジタル値及び第4のデジタル値に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを表す最終デジタル値を生成するステップと、を含む、方法。
【0129】
実施例10:第1の測定プロセスは、第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合するステップと、第2のキャパシタの放電を開始するために、第2のキャパシタを2つの接地接続の間に直列に結合するステップと、第1のキャパシタの充電及び第2のキャパシタの放電をそれぞれ終了するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを分離し、第2のキャパシタと接地接続とを分離するステップと、第1のキャパシタの電荷を第2のキャパシタと共有するために、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを結合するステップと、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における電圧レベルを生成するために、測定回路の入力と、結合された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを含む回路とを結合するステップと、を含む、実施例9に記載の方法。
【0130】
実施例11:第2の測定プロセスは、第2のキャパシタと第3のキャパシタとを結合するステップと、第1のキャパシタの完全充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合するステップと、結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタの放電を開始するために、結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタを2つの接地接続の間に結合するステップと、第1のキャパシタの充電及び結合された第2のキャパシタ並びに第3のキャパシタの放電をそれぞれ終えるために、第1のキャパシタを電圧ノードから分離し、結合された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタの一端を2つの接地接続のうちの1つから分離するステップと、第1のキャパシタの電荷を結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタと共有するために、第1のキャパシタと結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタとを結合するステップと、電圧ノードにおける電圧レベルに比例する更なる電圧レベルを測定回路の入力において生成するために、測定回路の入力と、結合された第1、第2、及び第3のキャパシタを含む回路とを結合するステップと、を含む、実施例9又は10に記載の方法。
【0131】
実施例12:装置であって、測定回路の入力における電圧レベルを表すデジタル値を生成するための測定回路であって、第1の測定プロセスのための制御信号と第2の測定プロセスのための制御信号とを含む制御信号を生成するための論理を含む、測定回路と、測定回路の入力を、測定回路よりも高い電圧ドメインに関連付けられた電圧ノードに結合するための電圧スケーリング回路であって、測定回路の論理によって生成された第1の測定プロセスのための制御信号に応答して、電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の第1の予め指定された関係に従って、測定回路の入力において第1のスケーリングされた電圧を生成し、測定回路の論理によって生成された第2の測定プロセスのための制御信号に応答して、電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の第2の予め指定された関係に従って、測定回路の入力において第2のスケーリングされた電圧を生成する、電圧スケーリング回路と、電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の第1の予め指定された関係を表す第1のスケーリング係数と、電圧スケーリング回路の入力電圧と出力電圧との間の第2の予め指定された関係を表す第2のスケーリング係数と、測定回路によって生成されたデジタル値と、に少なくとも部分的に応答して、電圧ノードにおける電圧レベルを過渡的に表すデジタル値を生成するためのプロセッサと、を含む、装置。
【0132】
実施例13:測定回路によって生成されるデジタル値は、第1の測定プロセスのための制御信号に応答して電圧スケーリング回路によって生成された第1のスケーリングされた電圧を表す第1のデジタル値と、第2の測定プロセスのための制御信号に応答して電圧スケーリング回路によって生成された第2のスケーリングされた電圧を表す第2のデジタル値と、を含む、実施例12に記載の装置。
【0133】
実施例14:電圧スケーリング回路は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第3のキャパシタと、第1の測定プロセス及び第2の測定プロセスの各々のための制御信号に少なくとも部分的に応答して、第1のキャパシタ、第2のキャパシタ、及び第3のキャパシタを交互に結合し、又は分離するためのスイッチと、を含む、実施例12又は13に記載の装置。
【0134】
実施例15:第1の測定プロセスのための制御信号は、電圧スケーリング回路を制御して、第1のキャパシタの充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合し、第2のキャパシタの放電を開始するために、第2のキャパシタを2つの接地接続の間に結合し、第1のキャパシタの充電及び第2のキャパシタの放電を終えるために、第1のキャパシタを電圧ノードから分離し、第2のキャパシタの一端及び2つの接地接続のうちの1つを分離し、第1のキャパシタの電荷を第2のキャパシタと共有するために、第1のキャパシタと第2のキャパシタとを結合し、かつ電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における電圧レベルを生成するために測定回路の入力と電圧スケーリング回路の出力とを結合する、実施例12~14のいずれか1つに記載の装置。
【0135】
実施例16:第2の測定プロセスのための制御信号は、電圧スケーリング回路を制御して、第2のキャパシタと第3のキャパシタとを結合し、第1のキャパシタの充電を開始するために、第1のキャパシタと電圧ノードとを結合し、結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタの放電を開始するために、結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタを2つの接地接続の間に結合し、第1のキャパシタの充電及び結合された第2のキャパシタ並びに第3のキャパシタの放電を終えるために、第1のキャパシタを電圧ノードから分離し、結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタの一端を2つの接地接続のうちの1つから分離し、第1のキャパシタの電荷を結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタと共有するために、第1のキャパシタと結合された第2のキャパシタ及び第3のキャパシタとを結合し、かつ電圧ノードにおける電圧レベルに比例する測定回路の入力における更なる電圧レベルを生成するために、測定回路の入力と電圧スケーリング回路の出力とを結合する、実施例12~15のいずれか1つに記載の装置。
【0136】
実施例17:測定回路は、逐次比較型レジスタ(SAR)アナログデジタル変換器(ADC)を含む、実施例12~16のいずれか1つに記載の装置。
【0137】
実施例18:測定回路を電圧スケーリング回路に結合するためのアナログ接続を含む、実施例12~17のいずれか1つに記載の装置。
【0138】
実施例19:電子システムであって、少なくとも2つの逐次比較型レジスタ(SAR)アナログデジタル変換器(ADC)と、第1のスケーリング接続と、第2のスケーリング接続と、第1のスケーリング接続及び第2のスケーリング接続によって提供される電圧信号を少なくとも2つのSAR ADCのいずれか1つにルーティングするためのバスと、バスによってルーティングされた電圧信号のレベルと、第1のスケーリング接続及び第2のスケーリング接続のそれぞれの入力に結合されたそれぞれのデバイスによって生成された電圧信号のレベルとの間の関係を表すスケーリング係数を有するプロセッサと、を含み、第1のスケーリング接続及び第2のスケーリング接続のそれぞれの入力に結合されたそれぞれのデバイスは各々、SAR ADCの電圧ドメインよりも高い電圧ドメインを有する、電子システム。
【0139】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物とともに特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
【国際調査報告】