(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ヒト間質液の量及び特性の変化のモニタリング、並びにそれを実現する光学デバイスの電気機械設計
(51)【国際特許分類】
A61B 5/107 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A61B5/107 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560284
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022023174
(87)【国際公開番号】W WO2022212925
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523369190
【氏名又は名称】ボディガイド,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェケル,ウィリアム オレン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB11
4C038VB14
4C038VC01
(57)【要約】
本発明は、ウェアラブルデバイスと、四肢の周囲長及び加速度を用いて、正常状態及び疾患の両方に関連するヒト間質液の量及び特性の変化をモニタリングする方法を開示する。生データは、ウェアラブルデバイスから、格納及び評価のために外部デバイスに送信される。データは、その個人だけでなく、より大きい個人集団についても導出された基準情報と比較対照され、健康及び臨床的な意味について評価される。その後、個人の状態に関するメッセージを、患者、介護者、医療専門家等の関係者に送信することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定デバイスをヒト対象者の四肢に適用することであって、前記測定デバイスが、ストラップ、測定アセンブリ及びワインダカセットを有する、適用することと、
前記適用及びその後の前記四肢の動きにおいて、前記測定デバイスが、重力及び/又は対象者の活動の影響を受けて動いて、前記四肢上の再現可能な定位置に定着するのを可能にすることであって、前記再現可能な定位置では、重力、間質液圧、及び前記測定デバイスの張力の間の力のバランスがあり、前記張力が間質液圧未満か又はそれに実質的に等しい、可能にすることと、
前記測定デバイスを介して、ある期間にわたって、前記再現可能な定位置における前記対象者の四肢の周囲長を前記四肢内の間質液量の指標として測定することと、
前記測定された周囲長から導出される現周囲長データを経時的に示す波形を生成することと、
前記波形を、前記再現可能な定位置における前記対象者のベースライン周囲長データの波形と比較することと、
前記比較の結果を、前記比較によって明らかになった標示とともに出力することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記周囲長読取に関連する前記期間中に四肢の向きを検出することと、
アルゴリズムに従って、前記検出された四肢の向きを考慮するように前記波形を調整することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標示が、前記出力の受取人に対する指示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再現可能な定位置が、測定の時点の前記四肢の周囲の最小周囲長である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
発光体により、前記ストラップに関連付けられたグラデーションを照明することと、
光検出器により、前記グラデーションから反射された光を受光することと、
をさらに含み、
前記周囲長の前記測定が、前記グラデーションから反射された前記光に従って、前記四肢の周囲の前記ストラップの伸長又は後退の距離を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記発光体及び前記光検出器の感度のばらつきを考慮するように前記グラデーションの作用範囲を較正すること
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記測定デバイスによって前記四肢に対して位置測定値を連続的に測定することと、
前記周囲長の測定位置と、各測定が行われた前記グラデーション上の位置との関係を確立することと、
前記測定デバイスのメモリに、前記グラデーション上の前記位置に関連して前記周囲長の測定位置を格納することと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記測定された周囲長が、絶対的に決定及び格納されるか、又は前記対象者について特定された基準周囲長に対して相対的に決定及び格納される、いずれか一方である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
それぞれの光学センサを用いて、1つの方向に暗くなる前記ストラップ上の第1グラデーションと、前記方向と同じ方向に明るくなる前記ストラップ上の第2グラデーションとを照明することと、
前記光学センサにより、前記第1グラデーション及び前記第2グラデーションの対応する位置から反射された光の振幅を検出することと、
前記光学センサの非線形性に関連する誤差が相殺されるように、前記検出された振幅に基づいて相補的なデータセットを生成することと、
をさらに含み、
前記周囲長の前記測定が、前記第1グラデーション及び前記第2グラデーションから反射された前記光に従って、前記四肢の周囲の前記ストラップの伸長又は後退の距離を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
2つの光学センサを用いて、1つの方向に暗くなる前記ストラップ上の単一のグラデーションを照明することと、
前記光学センサにより、前記単一のグラデーションの対応する位置から反射された光の振幅を検出することと、
前記2つの光学センサの非線形性に関連する誤差が相殺されるように、前記検出された振幅に基づいて相補的なデータセットを生成することと、
をさらに含み、
前記周囲長の前記測定が、前記グラデーションから反射された前記光に従って、前記四肢の周囲の前記ストラップの伸長又は後退の距離を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記測定された周囲長に基づいて、1日の膨張平均の変化を決定すること
をさらに含み、
前記出力された結果が、前記1日の腫脹平均の前記変化が所定の閾値を上回る場合の標示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記測定デバイスを介して前記四肢の動きを検出すること
をさらに含み、
検出された対象者の活動データが、前記四肢の前記検出された動きから前記対象者の動きを示し、
前記四肢の前記動きが、アキレス腱の屈曲を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記アキレス腱の前記屈曲による前記現周囲長データに対する影響を補償すること
をさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記補償が、前記アキレス腱の前記屈曲のデータにより、収集された現周囲長データを無視することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
測定デバイスを介して、ある期間にわたって、再現可能な定位置で対象者の四肢の周囲長を前記四肢内の体液量の指標として連続的に測定することであって、前記周囲長が間質液量の尺度を示す、測定することと、
前記測定された周囲長から導出される現周囲長データを経時的に示す波形を生成することと、
前記期間中の前記対象者の動き又は動きがないことを示す四肢の向きを検出することと、
アルゴリズムに従って、前記検出された四肢の向きを考慮して前記波形を調整することと、
前記波形を、前記再現可能な定位置における前記対象者のベースライン周囲長データの波形と比較することと、
前記比較の結果を、前記比較によって明らかになった任意の健康上又は医療上の関心事の標示とともに出力することと、
を含む動作を実行させる命令を含む、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記動作が、
前記測定デバイスを介して前記四肢の動きを検出すること
をさらに含み、
検出された対象者の活動データが、前記四肢の前記検出された動きから前記対象者の動きを示し、
前記四肢の動きが、アキレス腱の屈曲を含む、請求項15に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記動作が、
前記アキレス腱の前記屈曲による前記現周囲長データに対する影響を補償すること
をさらに含む、
請求項16に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記補償が、前記アキレス腱の前記屈曲のデータにより、収集された前記現周囲長データを無視することを含む、請求項16に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記動作が、
発光体により、前記ストラップに関連付けられたグラデーションを照明することと、
光検出器により、前記グラデーションから反射された光を受光することと、
をさらに含み、
前記周囲長の前記測定が、前記グラデーションから反射された前記光に従って、前記四肢の周囲の前記ストラップの伸長又は後退の距離を決定することを含む、請求項15に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記動作が、
前記発光体及び前記光検出器の感度のばらつきを考慮するように前記グラデーションの作用範囲を較正すること
をさらに含む、請求項19に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記動作が、
前記測定デバイスによって前記四肢に対して位置測定値を連続的に測定することと、
前記周囲長の測定位置と、各測定が行われた前記グラデーション上の位置との関係を確立することと、
前記メモリに、前記グラデーション上の前記位置に関連して前記周囲長の測定位置を格納することと、
をさらに含む、請求項19に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記測定された周囲長が、絶対的に決定及び格納されるか、又は前記対象者について特定された基準周囲長に対して相対的に決定及び格納される、いずれか一方である、請求項21に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記再現可能な定位置が、測定の時点の前記四肢周囲の最小周囲長である、請求項15に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記動作が、
前記測定された周囲長に基づいて、1日の膨張平均の変化を決定すること
をさらに含み、
前記出力された結果が、前記1日の腫脹平均の前記変化が所定の閾値を上回る場合の標示を含む、請求項15に記載の1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
クラスプ部分とスピンドルアセンブリとを備えるワインダカセットであって、
前記クラスプ部分が、前記スピンドルアセンブリ及び第1ストラップ端部に取り付けられるように構成され、前記スピンドルアセンブリにラッチされるように構成された第1ラッチ機構を備え、
前記スピンドルアセンブリが、
中空スピンドルと、
少なくとも部分的に前記スピンドルの内側に位置し、前記スピンドルに動作可能に結合され、第2ストラップ端に取り付けられたばねと、
前記クラスプ部分の前記第1ラッチ機構にラッチされるように構成された第2ラッチ機構と、
を備える、ワインダカセット
を備えるデバイス。
【請求項26】
前記第2ラッチ機能が前記スピンドルと一体化されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
ストラップをさらに備え、前記第1ストラップ端部及び前記第2ストラップ端部が、前記ストラップの第1端部及び第2端部である、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記第1ラッチ機構及び前記第2ラッチ機構が、前記クラスプ部分及び前記スピンドルアセンブリを互いに取り付け且つ互いから引き離すために、前記第1ラッチ機構及び前記第2ラッチ機構を介してともに取外し可能にラッチされるように構成されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第1ラッチ機構及び前記第2ラッチ機構が、ともに回転可能にラッチされて、前記クラスプ部分及びスピンドルアセンブリが、ともに取り付けられている間、測定アセンブリに対して回転するのを可能にするように構成されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項30】
前記クラスプ部分が、前記クラスプ部分に入り前記クラスプ部分から出る両方の方向で前記ストラップの前記第1端部が通過するように構成された2つ以上の隙間をさらに含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項31】
前記クラスプ部分が、前記第1ストラップ端部に取り付けられるように構成された1つ又は複数のクリートをさらに備える、請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記スピンドルアセンブリが、前記ばねを前記スピンドルに動作可能に結合するように構成された捕捉機構をさらに備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項33】
前記捕捉機構が、前記スピンドルの内壁から延在するとともに間隙を含む、バーを含み、前記間隙が、前記ばねの第1端部が、前記間隙を通過し、前記ばねを前記スピンドルに固定するために前記バーの周囲の少なくとも一部に巻き付くように構成されている、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記捕捉機構が、間隙によって離隔された第1ピン部分及び第2ピン部分を含み、前記間隙が、前記ばねの第1端部が前記隙間を通過し、前記ばねを前記スピンドルに固定するために前記第1及び第2ピン部分のうちの少なくとも一方の周囲の少なくとも一部に巻き付くように構成されている、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
測定アセンブリをさらに備え、前記測定アセンブリが、電子機器サブアセンブリ及び筐体を備え、前記電子機器サブアセンブリが、
1つ又は複数の光学センサと、1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、
ある期間にわたって、再現可能な定位置で対象者の四肢の周囲長を前記四肢内の間質液量の指標として測定することと、
前記測定された周囲長から導出される現周囲長データを経時的に示す波形を生成することと、
前記波形を、前記再現可能な定位置における前記対象者のベースライン周囲長データの波形と比較することと、
前記比較の結果を、前記比較によって明らかになった標示とともに出力することと、
を含む動作を実行させる、前記メモリに格納された実行可能命令とを含む測定構成要素
を含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項36】
前記動作が、
前記周囲長読取に関連する前記期間中に四肢の向きを検出することと、
アルゴリズムに従って、前記検出された四肢の向きを考慮するように波形を調整することと、
をさらに含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記スピンドルアセンブリが、前記ストラップが伸長及び後退する際に、前記ストラップと前記測定アセンブリの少なくとも一部とが連続的に接触するように回転する、請求項35に記載のデバイス。
【請求項38】
前記測定構成要素が、前記ストラップに面するように位置決めされ、前記ストラップに光を放出し、前記ストラップから反射された光を検出し、前記検出された光の量に対応する信号を出力する、1つ又は複数の光学センサを備え、
前記動作が、
前記出力信号からの検出された光の前記量を、検出された光を四肢の周囲長に関連付けるデータと比較することと、
前記比較にしたがって、前記再現可能な定位置の現周囲長を決定することと、
をさらに含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項39】
前記2つの光学センサが、
1つの方向に暗くなる前記ストラップ上の第1グラデーションと、前記方向と同じ方向に明るくなる前記ストラップ上の第2グラデーションとの対応する位置から反射される光の振幅を検出し、
前記2つの光学センサの非線形性に関連する誤差が相殺されるように、前記それぞれの光学センサからの前記検出された振幅に基づいて、相補的なデータセットを生成する
ように配置されている、請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記2つの光学センサが、
1つの方向に暗くなる前記ストラップ上の単一のグラデーションの対応する位置から反射された光の振幅を検出し、
前記2つの光学センサの非線形性に関連する誤差が相殺されるように、前記それぞれの光学センサからの前記検出された振幅に基づいて、相補的なデータセットを生成する
ように配置されている、請求項38に記載のデバイス。
【請求項41】
前記再現可能な定位置が、前記四肢の最小周囲長にある、請求項38に記載のデバイス。
【請求項42】
前記最小周囲長が手首又は足首のうちの一方にある、請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
前記波形が、前記四肢の長手方向軸を中心とする前記デバイスの時計のような回転の向きとは無関係に、測定から取得されたデータを含む、請求項41に記載のデバイス。
【請求項44】
前記動作が、
前記再現可能な定位置における前記四肢の腫脹状態に関連するデータを受信することと、
前記受信されたデータにおける四肢の腫脹の経時的な変化の少なくとも1つのパターンを決定することと、
前記少なくとも1つのパターンから、健康又は疾患状態に関連する腫脹の安定した変化、一時的な変化、又は傾向のある変化のうちの1つ又は複数を決定すること、
をさらに含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項45】
前記動作が、
所定の閾値を超える切迫した心不全の代償不全の状態のレベルを決定することと、
前記対象者の状態に関連する指示を出力することと、
をさらに含む、請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
前記動作が、
前記周囲長測定値に基づいて、前記対象者の間質液の粘度の変化を判定すること
をさらに含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項47】
前記標示が、前記対象者に代わって実行すべき命令を含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項48】
前記測定構成要素が、前記測定アセンブリの他の測定構成要素のうちの1つ又は複数に電力を供給するように接続されたコイン電池を含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項49】
前記動作が、
前記光学センサの感度のばらつきを考慮して、前記第1グラデーション又は前記第2グラデーションのうちの少なくとも一方の作用範囲を較正すること
をさらに含む、請求項39に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
体液バランスは、人間の生理学において非常に重要な側面である。身体は、種々の条件下で体液レベルを維持するために自動的に調整を行う。心不全、腎臓病等のいくつかの病状は、身体の調節機構の限界を超え、過剰な体液貯留又は体液負荷をもたらし、末梢浮腫又は四肢腫脹として現れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
概要
体液貯留及び浮腫又は四肢腫脹は、差し迫った代償不全事象と関連する可能性があり、その前兆となる。不都合なことに、患者には、悪化する状態のマーカを認識するための優れたツールはない。そのため、多くの場合、患者は治療のために病院に行かざるを得なくなる。これは恐ろしいことであり、費用もかかる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
体液バランスの測定及び管理は、心臓の健康等、人間の健康の多くの側面と関連しており、限定なしに、腎臓学、心臓病学、スポーツ医学、出生前ケア、偏頭痛、薬物試験等を含み得る分野において、新たな又は悪化する病状の早期の警告徴候を検出することができる改良されたウェアラブルデバイスから、多くの疾患状態及び投薬介入試験が恩恵を受ける可能性がある。
【0004】
図面の簡単な説明
詳細な説明は、本明細書に記載する1つ又は複数の実施形態の態様を示す添付の図を参照して説明するものであり、図において、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、同様の又は同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】ヒト間質液の量及び特性の変化をモニタするように構成することができる、一例としての組み立てられたデバイスの等角図を示す。
【
図2】
図1に示す例等のデバイスの測定アセンブリ、ワインダカセット及びストラップの例の分解図である。
【
図4】
図3に示すデバイス例の測定アセンブリ、ワインダカセット及びストラップを通る線A-Aに沿った詳細な断面図である。
【
図5】
図4に示す光学センサ部品のいずれかに対応することができる、1つの光学センサ部品の等角図を示す。
【
図6】測定アセンブリが取り外されたときに残るワインダカセット及びストラップの破断図を示す。
【
図6A】測定アセンブリが取り外されたときに残るワインダカセットを通る破断図及び断面図を示す。
【
図7】
図2に示すデバイスに関して説明したストラップの図である。
【
図8】仮想の心不全患者の12日の期間にわたる正常腫脹(例えば、四肢の腫脹)のプロットを示す。
【
図9】仮想の心不全患者の塩分摂取量の増加に関連する体液貯留に関連する代償性腫脹事象(例えば、足首の腫脹)の8日間のプロットを示す。
【
図10】心不全による入院に先立つもの等、仮想の非代償性体液貯留エピソードのプロットを示す。
【
図11】患者におけるヒト間質液の量及び特性の変化のモニタリングを実施するためのアーキテクチャ例を示す。
【
図12】本明細書に記載する1つ又は複数の実施形態に従って配置された測定アセンブリのさまざまな構成要素を示す。
【
図14】対象者の四肢周囲長(周径)を測定し、経時的な測定値の波形を生成し、波形によって明らかになった状態の標示を出力する測定アセンブリによって少なくとも一部を実行することができるプロセス例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
間質液量は、心不全の代償不全、腎機能低下、及び同様の生理学的状態等の患者における重要な医学的関心事である。特定の関心事の一例では、間質液量の増加は、心不全の代償不全と関連している。時々、おそらくは医師の診察の際に、特異的な測定を行うことにより、診察の時間帯及び他の要因によって、測定ごとに劇的に異なるとともに矛盾した結果が出る可能性がある。より高性能と思われる測定がないため、医師は、効果については同等であるのものとして、足首に指を押し込む等して、腫脹の有無の大まかな近似に頼ることが多い。さらに、実用的で厳密な医学的測定がないことにより、この生理学的パラメータの有用性は制約されている。
【0007】
四肢の周囲長モニタリングに対する以前の手法は、四肢上の既知の位置で周囲長を測定することに重点を置いてきた。本明細書に記載するデバイス及び技法は、四肢上の既知の位置に依存せず、むしろ間質液量の尺度を示すものとして、最小周囲長で、それが生じる場所に関係なく測定を行う。本デバイスは、軽量の構成要素、ストラップの材料特性、及びストラップの幅のうちの1つ又は複数を含む設計によって達成可能な、四肢の周囲にストラップの軽い張力のみを与えるように構成されている。これらのパラメータは、四肢の活動性とともにすべて組み合わさって、デバイスが、四肢の最小周囲長で静止し、測定時点で四肢の周囲に不必要な圧力をかけることなく四肢の最小周囲長を連続的に検知することができるようにすることができる。
【0008】
デバイスは、四肢の軸に沿って動くだけでなく、四肢の軸を中心に回転することができる。四肢は、断面が円形ではない。デバイスはこの周囲を時計のように回転する(clock)際、ワインダカセット(600)の四肢に当接する領域は最小化され、ストラップ(450)は四肢の実際の形状により密接にフィットすることができる。したがって、このデバイスにより、四肢の軸を中心としたデバイスの時計のような回転の向きとは無関係に、一貫した測定を可能にすることができる。
【0009】
本明細書では、断続的、周期的及び/又は連続的に四肢の周囲長及び加速度を測定し、現在の状態又は傾向を患者のベースライン、正常又は所望の状態と比較することを含む、周囲長の測定値、デバイス及び/又は対象者の向き、並びに活動データを分析するように構成されているデバイスについて説明する。測定された状態と所望の状態との間の差異を入力として使用して、対象者を所望の状態に向かうように促進し、本明細書に記載するような他の事象に加えて、心不全患者の息苦しい入院等、生命を脅かす可能性がある事象を回避するために、対象者の食事、活動、及びいくつかの実施態様における投薬治療を含む治療に関する決定を導くことができる。
【0010】
手首又は足首の体積を測定するために本デバイスが使用される場合、デバイスは、測定値を経時的に比較することができるように、四肢の最小周囲長で又はその近くで定着する。また、構造の細部により、再現可能な定位置に定着してもよい。四肢の動き(例えば、アキレス腱の屈曲)は、四肢上でのデバイスの可動性を促進するのに役立つ。
【0011】
デバイスの1つの態様は、低い力の張力付与要素を含むことができ、例えば、軽量ストラップ(1つの例では、デバイスを含めて1/2オンス未満)と、均一な力の分配を可能にする関節連結又は可撓性連結とを使用して、広い面積の分散荷重を含むように構成することができる。デバイスの質量に作用する重力が力を付与する場合もある。デバイスの位置を四肢に密着させて保持する機構により、さらに力が付与される。例えば、デバイス、特に張力下のストラップによってかけられる対象者の皮膚に対する張力は、その部位における間質液圧未満であるか又はそれに実質的に等しく(皮膚の幾分かの軽い圧迫があり得る)、皮膚に対する摩擦がデバイスの重量に対する重力の力と釣り合うように、ストラップの表面全体に分散され得る。これらは連動して、指示された面積にわたってかけられる結合力を表す。デバイスの1つの実施形態は、四肢の軸に沿って加えられる約11グラムの重力荷重と、ストラップを四肢にぴったりフィットさせる約10~40グラムの一定のばね力荷重とを分散させるために、四肢の周囲に配置された幅が約25ミリメートルの広い表面を提供することができる。
【0012】
開示するデバイスは、光電子回路と四肢を取り囲むストラップとを用いて周囲長を測定する。ストラップの一部には印刷されたグラデーションがある。グラデーションの反対側に、発光体及び光検出器の対(光学センサ)が位置している。四肢のサイズが変化すると、ストラップはストラップハウジング及び張力付与機構を介して伸長及び収縮し、これにより、光学センサは。グラデーションを横切って前後に移動し、四肢の周囲長に一致するストラップ上の位置に関連する反射の量を検出することができる。
【0013】
例えば、人が横になっているとき、体内の間質液は、身体の長さにわたって幾分か均一に分散する。しかしながら、比較的垂直な姿勢で立っているか又は座っているとき、間質液は重力によって四肢に再分配される。この影響は下肢でより顕著である。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、デバイスは、ほぼ連続的に装着される可能性があり、周囲長及び向きデータが、指定された間隔で収集され、各個人の1日の腫脹パターン及び1日の平均腫脹を決定するように処理される。横になっている状態から立っている状態への間質液の再分配に関連する日内周囲長変化は、注意を要する健康状態又は病状に関連する対象となる体液貯留に関連する周囲長の変化よりも大きい。したがって、概日周期にわたる周囲長の複数の測定値を使用して、長軸方向の体液貯留が検出される。
【0015】
注意深く定量化し、経時的に追跡することにより、直接関係のある生理学的情報である、間質液量の平均わずか数ミリメートルの変化も、疾患進行の重大であるが1回の検査又は時には毎日の検査であっても見えない徴候として現れ、視診のみで可能であるよりもより正確な測定値を示すことができる。四肢周囲長は間質液量の忠実な代用であり得るため、足首又は手首における四肢が細くなる部分に典型的な最小の四肢周囲長の複数の測定値を取り込むことは、有益であり得る。
【0016】
図1は、ヒト間質液の量及び特性の変化をモニタリングするように構成することができる、一例としての組み立てられたデバイス100の等角図を示す。デバイス100は、他の構成要素もあるがとりわけ、測定アセンブリ105と、ワインダカセット110と、対象者の四肢の周りに配置されるように構成されているストラップ115とを備えたデバイスアセンブリを含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、対象者は、下腕(すなわち、肘よりも下方)又は下腿(すなわち、膝よりも下方)の周囲にデバイス100を装着することができるが、本明細書の教示は、他の身体部分、特に、軸方向部分を有する身体部分に適用することができ、したがって、必要とされるデータのタイプ及びデータが得られる可能性のある場所以外には限定されないとみなされるべきである。
【0017】
測定アセンブリ105は、データを取得し、データ又はデータに基づく情報を通信するための電子機器サブアセンブリ225を収容することができる。電子機器サブアセンブリは、いくつかの実施形態では、センサデータの分析を実行し、分析の結果、及び/又はそれらの結果に基づく推奨若しくは指示を出力することができる、センサ及び関連電子機器を備えることができる。いくつかの実施形態では、電子機器サブアセンブリは、ストラップ115上の対応する一組の逆の光学的グラデーションに対向するように位置する一組の光学センサを備えるセンサ部分を含むことができ、光学センサは、1つ又は複数の発光体及び1つ又は複数の光検出器を含む。
【0018】
ワインダカセット110は、概して、ストラップ115と協働して、四肢に緩く張られているがぴったりフィットするのを可能にする。デバイス100は通常、重度の腫脹があっても四肢にきつくフィットしない。実際に、ストラップ115及びワインダカセット110は、四肢が腫脹及び収縮する際に、ストラップ115が伸長及び後退することができ、四肢に本質的に一定の力が加わるのを可能にするように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、ストラップ115は、概して可撓性があり非弾性であり、患者の快適性のために生体適合性の多孔質材料で作製することができる。1つの例として、材料は、0.008インチのTeslin(PPG、Barberton、OH)又はTyvek(Wilmington、DL)であり得る。これは、例えば一定の力のばねによって、四肢に近づけることができる。1つの実施形態では、ばねは、5インチ長さ×5/8インチ幅×0.001インチの半硬質ステンレス鋼シムストック(Precision Brands、Downers Grove、IL)であってもよい。
【0020】
図2は、
図1に示す例等のデバイス200の測定アセンブリ、ワインダカセット、及びストラップの例の分解図を示す。
図2は、任意選択的な識別ラベル210を有する筐体205を含む例を示す。筐体205は、電池215、絶縁体220、無線モジュール230を含む電子機器サブアセンブリ225、ガスケット235、及び電池215を支持する電池引出し240のうちの1つ又は複数を収容するように構成されている。ばね245、スピンドル250及びクラスプ255が、ワインダカセット110の一部を形成することができる。ストラップ260は、それぞれ
図1のストラップ115に対応することができる。識別ラベル210は、筐体205に貼付されるように示されているが、いかなる限定も推論されるべきではない。エッチングされたラベル、印刷されたラベル等を使用してもよい。実際には、デバイスは、いかなる識別ラベルも有していない場合もある。測定アセンブリ105は、流体の浸入を防止するために実質的に液密であり得る。
【0021】
電池215は、デバイス200の電力及びサイズ要件、特に電子機器サブアセンブリ225の構成要素及び他の構成要素に供給される電力の要件を満たす任意の種類の、電池引出し240内に収まるサイズの、いわゆるコイン電池であり得る。いくつかの実施形態では、燃料電池、蓄電コンデンサ、患者から採取されたエネルギー、環境から採取されたエネルギー等、別の携帯電源を使用してもよい。
【0022】
絶縁体220は、電気絶縁体であり得るため、電池215を電子機器サブアセンブリ225から絶縁するように位置決めすることができ、それにより、電池215を、電子機器サブアセンブリ225、又は電子機器ボード基板上のいかなる構成要素又は配線にも接触することなく交換することができる。いくつかの実施形態では、絶縁体220に、デバイス200又はその任意の構成部品のバージョン等の構成情報を刻印又は印刷してもよい。
【0023】
電子機器サブアセンブリ225は、プリント回路基板であり、四肢周囲長の検知、検知された四肢周囲長からのデータに対するアルゴリズムの実行、メッセージの出力、及びデバイス200を装着している患者の現在の状態を洞察するために(例えば)医療専門家が解釈することができる経時的な測定値を示すグラフィック結果の生成のうちの1つ又は複数を制御及び実行する電子部品を含むことができる。いくつかの実施形態では、電子部品は、光電子センサ(1つ又は複数の発光体及び光検出器を含む)、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、及び加速度センサのうちの1つ又は複数を含むことができる。メモリは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに本明細書に記載するさまざまな動作を実行させる命令を記憶することができる。少なくともいくつかの実施形態では、加速度計は、患者の動きを検出し、搭載された制御システムが使用するか、又は患者の活動のレベルを決定するために遠隔コンピューティングデバイスに送信することができるデータを、出力することができる。例えば、デバイスは、加速度計から受信した情報によって、十分に高い頻度で加速度計の測定値を検出、蓄積、格納、及び/又は送信し、その情報を周囲長読取値と関連付けて、周囲長測定間の時間中の重力の影響及び四肢の活動の適切な表現を提供することができる。関連する活動の一例は、歩行である。歩行はアキレス腱を屈曲させ、周囲長測定値を変化させる可能性がある。加速度計が歩行活動を認識した場合、周囲長測定のスケジュールを変更するか、又は周囲長測定値をデータセットから削除することができる。
【0024】
無線モジュール230は、(例えば、患者の動き情報を含む)デジタル又はアナログ信号を外部デバイスに送信することができる。例えば、信号を受信し、信号によって提供されるデータを分析し、命令又はコマンドを出力し、信号を(例えば、医院又はデータセンタにおける)サーバ、コンピュータ又はデータベース等の遠隔コンピューティングデバイスに中継する処理能力を有する、近くのコンピュータ、スマートフォン、タブレット等に、信号を送信することができる。
【0025】
ガスケット235は、筐体205を封止し、内部の損傷を受けやすい構成要素を傷つける可能性のある埃又は水の侵入を防止するように、構成及び位置決めされる。ガスケット235は、限定なしに、その目的に好適な絶縁性材料を含む。
【0026】
ばね245は、不必要で不快な圧力なしにストラップ260を四肢にぴったりフィットさせるのに十分な一定のばね力荷重(例えば、約10~40グラム)を提供することができる。ばね245は、例えば、接着剤によってストラップ260に取り付けることができる。
【0027】
スピンドル250は、ばね245を少なくとも部分的に受け、ばね245を固定して巻き付けるための場所を提供するように構成することができる。
【0028】
クラスプ255は、クリートを有するように構成して、ストラップ260の一端にある対応する穴にクリートを挿入することによってストラップを取り付けることができるようにすることができる。これは、上述したように、人のベルトの穴と同様であり、デバイス200が、例えば、小さい手首から実質的に腫脹した脚までの広範囲の適用に対応することができるようにする。デバイスのサイジングは、ストラップ200の長さを固定することによって規定することができる。穴を、ラベル付けし、ストラップ260の他端におけるグラデーション上の既知の基準点から既知の距離に位置決めしてもよい。このサイジングデータは、収集し、格納し、「サイズ」が再調整又は較正された場合に必要に応じて更新することができる。
【0029】
測定アセンブリ105は、絶縁体220と、無線モジュール230を含む電子機器サブアセンブリ225と、電池215とが、電池215の交換のために電池引出しアセンブリの容易な取外しを促進するように、スナップフィットによって電池引出し240が筐体205に接する場所にガスケット235が位置決めされた状態で、電池引出し240にともに接合されるように構成することができる。この構成では、電池引出し240が筐体205にスナップ式に嵌まり、筐体205の内部を埃又は水の侵入から封止するガスケット235を圧縮することができる。次に、例えば、スピンドル250上の突起を筐体205から延在する翼状部の対応する穴又は凹部にはめ込んで、測定アセンブリ105と、ばね245、スピンドル250及び留め金255を含むワインダカセット110とを一緒にすることにより、ワインダカセット110を測定アセンブリ105に取り付けることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、筐体205、スピンドル250及び/又はクラスプ255は、Hewlett Packardのマルチジェットフュージョン法によってナイロン12で3D印刷することができる。これらの部品は、表面を封止する蒸気ホーニングによって仕上げてもよい。電池引出し240は、光学センサに面する透明部分を有することができ、透明部分は、Loctite 405材料(Henkel、Germany)を使用して、Carbon 3D(Redwood City、CA)デジタル光合成プロセスによって3D印刷してもよい。透明部分は、表面の拡散を少なくするために、Rust-Oleum透明光沢仕上げ(Vernon Hills、IL)を噴霧することができる。ガスケット235は、Poron(ポリウレタンフォーム)を含むことができる。
【0031】
図3は、組み立てられたデバイス300の上面図である。デバイス300は、デバイス100又はデバイス200に対応することができる。実際には、デバイスは、ストラップ300と四肢との間の摩擦に影響される重力及び患者の動きの影響によって、四肢上の作動的な再現可能な定位置に押し戻される可能性がある。
【0032】
図4は、
図3に示すデバイス例の測定アセンブリ、ワインダカセット及びストラップを通る線A-Aに沿った詳細な断面図である。デバイス300に対応するデバイス400のサイズの感覚を与えるために、3:1の縮尺を示す。しかしながら、縮尺はページ上に提示する図のサイズによって変化する。つまり、拡大又は縮小は縮尺に影響するため、3:1が限定的であるとみなされるべきではない。
【0033】
図4では、図示する構成要素は、
図2の同様の名称の構成要素に対応している。デバイス400は、筐体405と、識別情報ラベル410と、電池415と、無線モジュール425を含む電子機器サブアセンブリ420と、ガスケット430と、電池引出し435と、スピンドル440と、クラスプ445と、ストラップ450と、光学センサ部品455と、ばね470とを含むことができる。識別情報ラベル410は、上述したように筐体405に貼付することができる。図示する例では、電池415は、電子機器サブアセンブリ420と筐体405の最上部との間に捕捉することができ、電子機器サブアセンブリ420の無線モジュール425部分は、筐体405の底部に当接することができる。ガスケット430は、筐体405と電池引出し435との間に位置決めすることができる。本明細書に記載するセンサデバイス及びストラップグラデーションは、動作時に相互関係を有するが、「最上部」及び「底部」等の用語は相対的であるとみなすべきであり、いくつかの電子機器構成要素の場合には、こうした相対的位置は実際には置換え可能であり得ることが留意される。
【0034】
スピンドル440は、上述し
図2に示す延長部等、筐体405のピボット機構にスナップフィットさせることができる。これにより、スピンドル440が、回転し、光学センサ部品455とは反対側の点460でストラップ450を挟むことができる。この構造により、ストラップ450は、ばね470との協働により、ストラップが電池引出し435を通過する際、例えば、四肢の周囲長が増加又は減少するときに、透明な電池引出し435と直接接触するか、又は事実上接触することができる。光路は、少なくとも部分的に、透明な電池引出し内にあり得る。すなわち、電池引出し435の透明部分は、光学センサとストラップのグラデーション部分との間に位置し、これにより、発光体によって放出された光は、透明部分を通過し、グラデーションでストラップによって反射されて透明部分を通って検出器に戻る。いくつかの実施形態では、光学センサは、電池引出し435が介在することなく、グラデーションに直接露出させてもよい。
【0035】
概して、光学センサ部品455に向かって反射して戻る光の量は、それぞれのグラデーション部分に対する検出器の位置に比例する。検出器によって検知された光は、四肢上のデバイス400の位置に相関する可能性がある。これにより、極端に浅い被写界深度を有するような部分における公差の累積が制限される。
【0036】
図5は、1つの光学センサ部品500の等角図を示し、これは、
図4に示す光学センサ部品455のうちのいずれかに対応することができる。1つの光学センサ部品500を示すが、いくつかの実施形態では少なくとも2つの光学センサ部品500がある。図示する光学センサ部品500は、電子機器サブアセンブリ420上の電気接点にはんだ付けされるように構成された、又は、例えば、電子機器サブアセンブリ420と電気的に接触するソケットに取り付けることにより、電子機器サブアセンブリ420と他の方法で動作可能に関連付けられるように構成された、導電性脚部を有することができる。さらに、光学センサ部品500は、いくつかの実施形態では、発光体515及び検出器510を収容する筐体520を有する。例示する結合部505の位置又は焦点距離を示す。
【0037】
図6は、測定アセンブリが取り外されたときに残るワインダカセット600及びストラップ615の破断図を示す。ワインダカセット600は、例えば、
図1に示すワインダカセット110に対応することができる。ワインダカセット600は、クラスプ605と、スピンドル610及びばね620を含むスピンドルアセンブリとを備え、これらは、
図2に示すクラスプ255、スピンドル250及びばね245に対応することができる。クラスプ605は、スナップラッチ625でスピンドル610に接合されるように示す。いくつかの実施形態では、ストラップ615と組み合わされたワインダカセット600は、交換可能であってもよい。
【0038】
四肢が伸展及び収縮する際に、光学センサを越えてストラップ615上のグラデーションを移動させる動作は、スピンドルアセンブリ内のスピンドル610及びばね620を含む張力付与機構によって達成することができ、スピンドルアセンブリは、ロール状に巻かれてばね620に取り付けられるストラップ615の長さの一部を収容することができる。いくつかの実施形態では、ばね620は、定張力ばねであり得る。四肢が伸展する際、ストラップ615は、ばね620によって加えられる一定の力によって四肢の周囲のストラップ615の一定の張力を維持しながら、四肢の増加した周囲長に対応するようにストラップ615の長さを増加させて、繰り出される。デバイスが四肢にくぼみを生じさせることなく伸長及び収縮するように、ストラップ615の張力を間質液圧及び皮膚の弾性に一致させることができる。これに関して、本明細書に記載する他の実施形態と関連して、力及び張力が一定であることは、厳密である必要はないが、本開示に概説する原理に従って、デバイスが、四肢周囲長、特にベースライン又は他の基準に対する四肢周囲長の差を測定するその機能を実行することができるようにする、合理的な許容範囲内であることが理解される。
【0039】
四肢周囲長の測定値及び四肢の向きのデータは、一定の間隔で連続的に取得され、デバイスを装着している対象者の個人の1日の腫脹パターンを生成するように処理される。1日の腫脹パターンは、対象者が横になっているときに生じる最小四肢周囲長と、対象者がその個人に特有の期間、立位又は座位等の垂直姿勢にあった後に生じる最大四肢周囲長とによって特徴付けられる。
【0040】
体液の増加又は減少の傾向は、日、週又は月等の指定された期間について計算される。
【0041】
体液の増減及び体液の増減傾向を閾値と比較して、対象となる状態を特定することができる。システムは、ユーザとともに、家族介護者、慢性ケア管理者及び/又は臨床担当者等の支援担当者にメッセージ及び警告を送信することを含む、対象となる状態に特有の措置を取る。
【0042】
垂直方向に起き上がるとき体液が体内で再分散する速度は、間質液の粘度を示す可能性があり、粘度の変化は、間質液中のタンパク質レベルの変化に起因する心不全の代償不全に関連することが知られている。これは通常、医師が患者の足首に指を強く押し当て、生じた「へこみ」が迅速に戻るか否かを見ることによって評価される。くぼみの戻りが遅い場合、その状態は圧痕性浮腫と説明される。これは重要な医学的徴候であり、患者の状態を特徴付ける有用な診断法である。
【0043】
開示する技法は、間質液の再分配の変化の速度を特徴付けることができる。典型的には朝、患者が仰臥位から直立位に移るときに複数の測定を行うことにより、重力の方向の変化に関係する間質液の再分配にかかる時間を追跡することが可能である。この変化率の測定値は、間質液の粘度に直接関連している。間質液の粘度及びそれに関係する変化を認識することができることにより、間質液の粘度から体液負荷の根本的な原因(例えば、間質液中のタンパク質レベルの変化)を知ることができるため、患者の疾患状態の変化に関して医療従事者又は計算アルゴリズムにさらに情報を提供することができる。
【0044】
測定デバイスは、2つの方法で四肢のサイズの変動に対応する。四肢のサイズが変化すると、ストラップ260は、電子機器サブアセンブリ225上の光電子センサを越えて移動する可能性がある。ストラップ260の他端では、クラスプ255は、アセンブリが収容することができる四肢の総全体サイズを規定する複数の穴機構のうちの1つでクリートによりストラップ260に接合することができる。
【0045】
図6Aは、測定アセンブリが取り外されたときに残るワインダカセット600を通る破断図及び断面を示す。ワインダカセット600は、例えば、
図1に示すワインダカセット110に対応することができる。ワインダカセット600は、クラスプ615及びスピンドル625を備えることができる。いくつかの実施形態では、スピンドル625は中空であり得る。こうした実施形態では、スピンドル625の内側に、スピンドル615の内側に固定された捕捉機構630に取り付けられた巻きばね又はコイルばね670があり得る。コイルばね670は、例えば、細いワイヤ又は広い帯状の構造を有することができる。いくつかの例では、捕捉機構630は、例えば、スピンドル615内に固定された第1及び第2ピン部分、例えば、ピン部分の対応する端部を受ける、スピンドル壁における1つ又は複数の溝又は穴内にある第1及び第2ピン部分、又はピン部分の中空端部を取り付けるための一方又は両方のスピンドル壁からの延長部を備えることができる。いくつかの実施形態では、ピン部分の一方又は両方の端部は、スピンドル壁から押出成形するか、又はスピンドル壁又は壁に固定することができる。
【0046】
ばね670は、例えば、ばね670の一端を第1ピン部分と第2ピン部分との間の間隙に挿入し、ばね670をセットとして第1ピン及び第2ピン部分の周囲に巻き付けるか又はコイル状に巻くことによって、捕捉機構630に取り付けることができる。ばね670のスピンドル625への固定を補助するために、間隙に挿入されるばね670の端部を、少なくとも部分的にピン部分のうちの1つの周囲に巻き付けるか、又は巻き付くように曲げることができる。ばね670の曲げ部635は、
図6に示すように、スピンドル捕捉機構630と係合することができる。ばね670の先端部640は、接着剤645によりストラップ605の基端部650に接合することができるが、特定のタイプの固定に関する限定は推論されるべきではない。
【0047】
クラスプ615は、スピンドル625と一体である可撓性ラッチ機構620によってスピンドル625に接合することができる。これらのラッチ機構は、クラスプ615の外形部610と係合して、四肢を取り囲むためにワインダカセット600の端部を接合する。ストラップ605の先端部660は、クラスプ615の本体に通され、1つ又は複数のクリート665によって、
図7に示すようなストラップ700における複数の受け機構750のうちの1つに固定される。いくつかの実施形態では、ストラップ605と組み合わされたワインダカセット600は、汚れるか又は壊れた場合にユーザが簡単に交換することができる交換可能な構成要素である。
【0048】
図7は、
図2に示すデバイス200に関して説明したストラップ700の図を示す。ストラップ700は、例えば、少なくともストラップ260に対応することができる。ストラップ700の一端705の近くに、ストラップ700を定力ばね245に接着するのに必要な長さ以下の空領域710がある。
【0049】
1つの例では、
図5に示す光学デバイス520のうちの2つが、公称位置725においてグラデーション領域720、730上に位置決めされるように、ストラップ700を位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、光学センサ520。いくつかの実施形態では、光学的グラデーション720、730を有するストラップ700の端部は、光学センサ520の下を通過するように位置決めすることができる。デバイスが患者の四肢のいずれの場所に定着しても、1つのグラデーションのエンドゾーンに隣接したときに検出器出力の計算値が所定の範囲内にある場合に、デバイスを較正することができる。検出器の計算値が所定の範囲内にない場合、搭載された又は遠隔のプロセッサは、読取り不良が発生したと判断することができる。一方、検出器の計算値が所定の範囲内にある場合、プロセッサは、読取りが完了したと判断することができる。
【0050】
グラデーション720、730は、暗い部分から明るい部分までの範囲とし、図示する例のように互いに180度で配置することができる。さらに、各グラデーション720、730の端部には、それぞれ、グラデーションの最も暗い部分の「エンドゾーン」領域715、735があってもよく、これにより、大きい逸脱下での信号の連続性が確保される。これに対応して、両方の光学デバイス520を、白色に、又は未印刷の領域若しくはグラデーション730のエンドゾーンよりも少なくとも実質的に明るい領域に、露出させることができる、両方のグラデーション720、730の端部を越えた光学的「ホームゾーン」領域740があり得る。同様に、光学センサ並びに下流の信号及びデータ処理が作動イベント(例えば、境界外、完全後退、完全伸長、サイズ変更、等)を認識することができるようにするために、既知の反射率のバンドを、グラデーションのうちの少なくとも1つに隣接して位置決めすることができる。
【0051】
例えば、エンドゾーンは、スミベタ又はほぼスミベタであり得る。したがって、例えば、光学センサ520が、エンドゾーン、又は相対的に非常に暗い部分と相対的に非常に明るい部分との差を、例えば、ある一定の閾値を超える決定された光振幅の差によって検知するとき、エンドゾーンは、範囲外の状態を表す。いくつかの実施形態では、検知された領域は、光学検出器520によってそれぞれ検出可能な予め設定された光振幅によって表される。この状態において、光学デバイス520のうちの一方は黒色(又はエンドゾーンとして識別可能な部分)に露出され、他方は白色(又は対向する相対的に明るいゾーンとして識別可能な部分)に露出される。これにより、この検出に応答して、クラスプ255を(概して手作業で)より小さいか又はより大きいクリート位置に再度フィットさせるためのメッセージングが可能になる。
【0052】
図示するように、いくつかの例では、2つの光学センサ520は、逆のグラデーション720、730に対向して位置することができる。この構成により、変換器の非線形性に関連する誤差が相殺され、それによって位置のより正確な結果がもたらされるような方法で信号を結合(加算)することができるように、データの相補的なセットが生成される。特に、1つの方向に暗くなる一方のグラデーションと、同じ方向に明るくなる他方のグラデーションとの対応する位置から反射される光の振幅は、検出可能な等しく反対の非線形性を有し、これは、相殺されて線形作用範囲を拡大する。同様に、周囲光、温度又は電圧等、両チャンネルに共通の影響を与えるいかなる誤差も、電子回路におけるコモンモード除去技法と同様に低減させることができる。別法として、単一のグラデーションの上に位置決めされた2つの光学センサを組み合わせて、それらの信号を減算することにより同じ効果を得ることができる。追加の又は代替的な構造は、光学センサの非線形性を補償するグラデーションを設計することである。
【0053】
追加の又は代替的な構造は、光学センサ520を同じグラデーションに対向して配置することである。こうした実施形態では、所定の測定点にわたる反射率のグラデーション(明から暗、及びその逆)を知ることにより、四肢の腫脹によるストラップ700の伸長及び収縮を決定するセンサ出力間の補間が可能になる。
【0054】
光学センサ520の感度は変動する可能性があり、その結果、位置センサとして使用される場合、各光学センサ520の反射率作用範囲が変動する可能性がある。グラデーション作用範囲は、少なくとも各光学センサ520の所定の感度に基づいて較正することができる。例えば、少なくとも1つの実施形態では、回路が光学センサ較正の一部として変更されて、反射率の全作用範囲の取得、光学センサの線形性の改善、及び全センサに対する共通のグラデーションの使用を含む複数の動作上の利点を達成するように、発光体及び検出器回路にデジタルポテンショメータを追加することができる。
【0055】
光学センサ520を位置センサとして使用することは、光学センサ520とその関連するグラデーションの反射面との間の一定の距離を維持することを含むことができる。これは、電池(及びいくつかの実施形態では電子機器サブアセンブリ)を収容する透明な電池引出しを使用して、ケース本体内の光学センサ520の高さを安定させることにより、達成することができる。例えば、
図4に示す配置を考慮する。ワインダカセットが測定アセンブリに嵌合したときにばねとして作用する、ワインダカセットに組み込まれたロッカピンチ機構により、460にグラデーションを含むストラップを、透明な電池引出し435の外面に対して堅固に保持することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、デバイスが装着されていないとき、ばね245は、ストラップ700をホームゾーンに又はそれを越えて後退させることができ、これは、検出された光振幅を表す信号を解釈するために実行されるソフトウェアにより読み取ることができ、筐体上のディスプレイを介して指標又はメッセージ出力がそうした後退を知らせる。いくつかの実施形態では、出力は、受信デバイスに情報を提供するために別のデバイスに送信される信号であってもよい。これらの状態の検出を使用して、ストラップのサイズを大きくする必要があるか又は小さくする必要があるかを示すこともできる。
【0057】
ストラップ700の先端部760には、クラスプ255のクラスプクリートと係合してアセンブリの使用可能な周囲長を設定する、一連の切取り機構750、755がある。別の場所で示したように、切取り機構750、755は、ベルトの穴に類似しているとみなすことができる。切取り機構750、755の各々には、例えば、それぞれグラデーション720、730の公称中間部からのセンチメートル数を表す数字745が関連付けられている。小さい四肢及び大きい四肢に対して、さまざまな長さのストラップ700が可能であるが、それらはすべて同じか同様の構造原理を使用しており、好ましくない余分の部分は切り落とすことができる。
【0058】
図8は、仮想の心不全患者の12日の期間にわたる正常腫脹(例えば、四肢の腫脹)のプロット800を示す。参照番号805は、デバイス(例えば、デバイス100)によって捕捉された周囲長読取値対時間のプロットに関連付けられており、12日間にわたる反復的な1日の腫脹パターンを示す。参照番号810は、足首周囲長のローリング平均と関連付けられている。いくつかの実施形態では、指数平滑移動平均を使用することができる。参照番号815は、心不全患者の例では、ユーザの正常又は「ドライ(dry)」状態の間に測定された周囲長測定値から導出されるユーザの通常のベースライン周囲長に関連付けられている。
【0059】
腫脹パターンは、腫脹パターンに関連する最小及び最大周囲長を考慮した「平均」周囲長で表すことができる。
【0060】
ベースライン腫脹パターン又はベースライン平均腫脹は、対象者が通常、心不全患者の「ドライ」状態と称される正常な健康状態にあるときに検出される1日の腫脹パターン又は毎日の平均腫脹として特定される。システムは、使用期間にわたって正常ベースラインを計算又は調整することができる。システムは、体液の増減を計算するための比較のために正常ベースラインを維持する。
【0061】
図9は、仮想の心不全患者の塩分摂取量の増加に関連する体液貯留に関連する代償性腫脹事象(例えば、足首の腫脹)の8日間のプロット900を示す。参照番号905は、デバイス(例えば、デバイス100)によって捕捉された周囲長測定値対時間のプロットに関連付けられている。参照番号910は、足首周囲長のローリング平均に関連付けられている。指数平滑移動平均を使用する場合、同様のプロットを作成することができる。参照番号915は、周囲長読取値、例えば、心不全患者の場合、ユーザの正常又は「ドライ」状態の間に測定された周囲長測定値から導出される、患者の正常ベースライン周囲長に関連付けられている。参照番号920は、この患者の体液貯留に関連する可能性のある1日の腫脹パターンの偏差を示し、この場合、連続した2日間の高塩分食の摂取を示す。参照番号925は、腫脹事象の間に生じる平均周囲長の対応する変化を指す。参照番号930は、患者の身体が代償して余分な体液を排出するに従い、その事象の後の数日間に正常腫脹に戻ることを指す。
【0062】
図9では、個々の測定値(905)のきわめて異なる波形プロットがある。これらのパターンは、個人間及び日間で異なっている。また、この個人のパターンは、先行する例よりも実質的に規則性が低い。しかしながら、移動平均の傾向線(925)から、2日間にわたって腫脹の4ミリメートルの増大が起こったことが明らかである。これは高塩分食と一致している。身体がこの塩分の注入に対して代償するに従い、腫脹は経時的におさまった(930)。
【0063】
図10は、心不全による入院に先立つもの等、仮想の非代償性体液貯留エピソードのプロット1000を示す。参照番号1005は、4週間にわたる、デバイス(例えば、デバイス100)によって捕捉された周囲長読取値対時間のプロットに関連付けられている。参照番号1010は、足首周囲長のローリング平均値に関連付けられている。指数平滑移動平均を使用して、同様のプロットを作成することができる。参照番号1015は、心不全患者の場合、ユーザの正常又は「ドライ」状態の間に測定された周囲長読取値から導出される患者の正常ベースライン周囲長に付けられている。参照番号1020は、体液貯留に関連する可能性のある1日の腫脹パターンの偏差、この場合は、臨床的介入を必要とする状態に関連する代償不全に関連する傾向を示す。参照番号1025は、体液貯留の増加に関連する平均周囲長の対応する変化である。参照番号1030は、患者の身体が代償して余分な体液を排出するに従い、その事象の後の数日間において正常腫脹に戻ることを指す。
【0064】
図10のプロット1000は、さらに異なる測定パターンを示す。数ミリメートルの1日の平均膨張信号の変化が対象となる信号である一方で、周囲長測定値の逸脱は1日で10ミリメートルを超えることがある。演算処理された測定値から逸脱する潜在的な誤差は、単一の測定値の信号よりも大きい。この患者は、1日の測定値の範囲がはるかに広く(1005)、1月の逸脱も実質的に大きかった。本質的に同じ足首の同じ場所で、1ヵ月間に17ミリの腫脹範囲がある。重要なのは、最初の2週間、平均腫脹は±1ミリメートルの範囲にとどまっていることである(1010)。しかしながら、後続する2週間、1日の平均膨張は公称ベースライン(1015)をほぼ6ミリメートル(1025)上回るところまで増大する。これは、患者の体液量の増加を示す、周囲長データの実質的及び持続的な傾向を表す。
【0065】
この持続的な傾向は、個々の患者の病歴とともに、限定されないが、年齢、身長、体重、左室駆出率、併存疾患、及び/又は類似の尺度等、同様の特性を有する可能性のある患者と比較することができる。さらに、限定されないが、心拍数、SpO2、NIBP及び/又は心拍変動等、他の生理学的尺度もまた、これらの測定値と併せて考慮することができる。適切な相関アルゴリズムを使用して、この情報を処理することにより、傾向事象の重症度をリアルタイムの、一貫した、連続的な、及び/又は瞬時の短時間での評価を可能にし、差し迫った代償不全事象の可能性を予測することができる。いくつかの実施形態では、これらの予測の精度を常に向上させるために、患者の経験から及び/又は患者の集団からのフィードバック(人間又は機械)に従って、訓練された機械学習モデル又はルール適用アルゴリズムを利用及び更新することができ、特に補間誤差を最小化するとともに四肢の1日の腫脹の変化の正確なモデルを決定するために、測定値が多いほど、予測はより正確になる。デバイスに又は遠隔で格納された所定の閾値を超える実質的な腫脹事象が検出されると、患者の活動全体を変更し、患者の医療提供者に連絡し、利尿薬等の治療薬の量を変更し、他の薬剤を追加するか若しくは減じ、又は疾患の経過を変更する可能性のある他の方法を実施する、措置をとるように、患者又はその介護者に対して通知することができる。いくつかの例では、対応する措置は緊急に提供されるが、食事療法の変更等、他の例では、対応する措置は提案又は指示であってもよい。薬物投与量の変更は、通常、患者の医師による予め規定された治療計画に従うが、例えば、患者が実質的な腫脹を起こした場合に利尿剤の追加が指示される場合がある。
【0066】
算術処理された対象となる信号のサイズが、1日の周囲長測定値の範囲と比較して小さいとすると、基礎となる連続的に変化する生理機能の、サンプリングレートがもたらす歪みを最小限にすることが望ましい。実際の四肢膨張の逸脱値を切り捨てる線形補間は、計算された対象となる信号の値を著しく変化させる可能性がある。最も単純な例では、1週間の間のランダムな時間における周囲長測定値のプロットは、より高密度にサンプリングされた同一の患者及び状態と実質的に矛盾する可能性のある実質的に異なる結果をもたらす可能性がある。これは特に、患者の重力方向の変化に関連する周囲長の変化率を評価する場合に当てはまる。
【0067】
図8、
図9及び
図10に示す非限定的な例では、測定は10分ごとに行われる。しかしながら、異なる間隔も本開示の範囲内にあることが理解される。
【0068】
これらの個々の測定値は、1日、48時間、又はモニタリング及び分析に適した任意の時間等、一定期間にわたって数学的に集計することができる。この例では、これはローリング平均によるが、指数平滑移動平均も企図される。その後、偏差又は発散の徴候に対して、これらの一連の集計された測定値が比較される。例えば
図8の例では、個々の周囲長測定値を表す一連の点がある。これらの測定値にはかなりの量のばらつきがあることが留意されるすべきである。
【0069】
この個人の測定値は、同じ足首の同じ位置について、日及び時間によって10ミリの変動があった。しかしながら、測定値の全体としての1日の振動は、実際にはかなり安定している。1日の平均周囲長の傾向線(815)において分かるように、この個人の範囲は約1ミリメートルであった。
【0070】
本明細書は、例えば足首又は手首において四肢が細くなる部分に典型的な最小の四肢周囲長の複数の測定値を取り込む方法について説明し、本明細書の教示は、最小の四肢周囲長が細いか若しくは細くなる箇所であっても、又は一定の筒状体等、一定の周囲長の位置であっても、適用可能であることが留意されるべきである。また、四肢周囲長は、間質液量に非常に近い。また、間質液量は、心不全の代償不全、腎機能及び同様の生理学的状態等の状態にある患者において、重要な医学的関心事である。間質液量の増加は、心不全の代償不全と関連している。
図8、
図9及び
図10から、おそらくは医師の診察の際の、1回の測定では、診察日のランダムな時間帯により劇的に異なる矛盾した結果がもたらされることは、明らかなはずである。このため、医師は、足首に指を押し込む等、腫脹の有無の大まかな近似に制限されている。実用的で厳密な医学的測定がないことにより、この生理学的パラメータの有用性は制約されている。直接関係のある生理学的情報である体液量の変化が明らかになるのは、注意深く定量化し、経時的に追跡することによる。数ミリメートルの平均的な変化は、病気の進行の重要な徴候として現れる可能性があるが、1回の検査又は日常的な検査では見えず、視診のみで可能であるよりも正確な測定が必要である。
【0071】
1日の決まった時間おける1回の測定では、正確な結果は得られないことが留意されるべきである。
図8、
図9及び10において分かるように、測定値の極端な逸脱は必ずしも毎日同じ時間に起こるとは限らない。
【0072】
図11は、患者1102のヒト間質液の量及び特性の変化のモニタリングを実施するアーキテクチャ例1100を示す。図示するアーキテクチャ1100は、デバイス1104、ヘルスケアエンティティ1106、個人連絡先1108及び無線アクセスポイント1110を含むが、これは単なる例であり、より多くの又はより少ない構成要素を含む他の構成も企図される。
【0073】
ヘルスケアエンティティ1106は、限定なしに、医療施設、介護者、及び/又は患者のケアに関連する他の担当者を含むことができる。介護者又は他の担当者は、自身のケア機能の一部として、1つ又は複数のコンピューティングデバイスを操作することができる。
【0074】
個人連絡先1108は、SMSメッセージ、Wi-Fiプロトコル、Bluetoothプロトコル等を使用して、有線又は無線通信リンク(例えば、インターネット又は他の無線及び/又は有線接続)を介してデータベースサーバ1114に接続された1つ又は複数のコンピューティングデバイスを操作する支援担当者を含むことができる。個人連絡先1108は、患者、家族、又はデバイス100から得られる情報を受信するように設定された他の個人の個人的代理人を含むこともできる。
【0075】
制御システムは、データベース1114に接続されたデータベースサーバ1112を含むことができる。データベース120は、患者102に関する直接関係のあるデータ(患者の病歴、患者の記録等)、トリガイベントレベル、及びメッセージ(例えば、通知、警告等)を送信すべきアドレスを格納することができる。
【0076】
デバイス1104からの情報は、実装の詳細に応じていくつかの代替経路を移動することができる。例えば、情報は、インターネット又は他のネットワークを介してデータベースサーバ1112(又はウェブサーバ)に接続されたコンピューティングデバイス(例えば、患者のデスクトップコンピュータ、患者の携帯電話、患者のポータブルコンピュータ等)に入力することができる。コンピューティングデバイスは、フィードバック情報を直接又はアクセスポイント1110を介してデータベースサーバ1112に転送することができる。デバイス1104は、デバイスメッセージをコンピューティングデバイスに通信して、コンピューティングデバイスによりデータベースサーバ1112に送信されるようにしもよい。
【0077】
デバイス100は、位置測定値を連続的に測定し、デバイス自体に又は遠隔で、例えばデータベース1114において、予め定義された頻度で位置測定値を格納することができる。位置は、グラデーションにおける位置と既知の周囲長との間の関係を確立するサイズ情報と組み合わされたときに、任意の基準と比較されたときの相対的な周囲長測定値、又は絶対的な周囲長測定値として解釈することができる。
【0078】
図12は、本明細書に記載する1つ又は複数の実施形態に従って配置された測定アセンブリ1205のさまざまな構成要素を示す。測定アセンブリ1205は、例えば、
図1に示す測定アセンブリ105に対応することができる。図示する例では、測定アセンブリ1205は、測定アセンブリに結合されたワインダカセットに取り付けられたストラップの伸長又は後退を検出することにより、光学センサ等の1つ又は複数のセンサを使用して四肢の周囲長を測定するように構成することができる。
【0079】
図12に示すように、測定アセンブリ1205は、通信インタフェース1202、ユーザインタフェース1204、1つ又は複数のプロセッサ1206、1つ又は複数の光学センサ1208、メモリ1210、及びデバイスハードウェア1212のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0080】
通信インタフェース1202は、測定アセンブリ1205が、
図11に関して記載したような通信ネットワークを介して他のネットワーク化されたデバイスにデータを送信し、そうしたデバイスからデータを受信するのを可能にする、無線及び/又は有線通信構成要素を含むことができる。
【0081】
ユーザインタフェース1204は、ユーザが、例えば、デバイスのアクティブ化を開始し、及び/又はメタデータ、タグ、通信パラメータ、モニタリングパラメータ等を設定するための1つ又は複数の入力を提供することを含む、入力を提供し、測定アセンブリ1205から出力を受け取るのを可能にすることができる。ユーザインタフェース1204は、データ出力デバイス(例えば、視覚ディスプレイ、オーディオスピーカ)、及び1つ又は複数のデータ入力デバイスを含むことができる。データ入力デバイスは、限定されないが、タッチスクリーン、物理ボタン、カメラ、指紋リーダ、キーパッド、キーボード、マウスデバイス、マイクロフォン、音声認識パッケージ、及び他の任意の好適なデバイス又は他の電子/ソフトウェア選択方法のうちの1つ又は複数の組合せを含むことができる。
【0082】
プロセッサ1206及びメモリ1210は、オペレーティングシステムを実装することができる。オペレーティングシステムは、測定アセンブリ1205が、さまざまなインタフェース(例えば、ユーザインタフェース1204、通信インタフェース1202、及び/又はメモリ入出力デバイス)を介してデータを受信及び送信すること、並びに出力を生成するためにプロセッサ1206を使用してデータを処理することを可能にする、コンポーネントを含むことができる。オペレーティングシステムは、出力を提示する(例えば、電子ディスプレイにデータを表示し、データをメモリに格納し、データを別の電子デバイスに送信する等)表示コンポーネントを含むことができる。さらに、オペレーティングシステムは、一般にオペレーティングシステムに関連するさまざまな追加の機能を実行する他のコンポーネントを含むことができる。
【0083】
光学センサ1208は、本明細書に記載するタイプのウェアラブルデバイスの筐体内に収まるようなサイズの、光電子回路と協働して四肢の周囲長に一致するストラップ上の位置に関連する反射の量を検出する、発光及び/又は検出デバイス(例えば、発光体/検出器対)によって構成することができる。
【0084】
メモリ1210は、コンピュータ記憶媒体等のコンピュータ可読媒体を使用して実装することができる。コンピュータ可読媒体には、少なくとも、2つのタイプのコンピュータ可読媒体、すなわち、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ等の情報を記憶する任意の方法又は技術で実装された、揮発性及び不揮発性、取外し可能及び取外し不能な媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体としては、限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのために情報を記憶するために使用することができる他の任意の非伝送媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体は、搬送波等、変調されたデータ信号で構成されるものではなく、また、そうした信号によって排他的に形成されるものでもない。対照的に、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータを、搬送波等の変調データ信号、又は他の伝送機構で具現化することができる。
【0085】
メモリ1210は、オペレーティングシステム、デバイスソフトウェア1214、及び1つ又は複数のアプリケーション1216とともに、光学センサによって収集され、又はユーザによって入力され、又はリモートソースから受信されたデータを含むことができる。アプリケーション1216は、1つ又は複数のプロセッサ1206によって実行可能な任意のアプリケーションソフトウェアを含むことができ、これには、限定されないが、例えば、反射光及びそこから導出されるデータを検出及び処理することによってストラップの伸長及び後退を検出するウェアラブルデバイス1205の機能を促進するアプリケーション、メタデータの操作、フォーマット、追加、削除又は変更、及び画像又はデータ処理等が含まれる。
【0086】
デバイスソフトウェア1216は、測定アセンブリ1205が機能を実行するのを可能にするソフトウェアコンポーネントを含むことができる。例えば、デバイスソフトウェア1216は、測定アセンブリ1205を起動し、測定アセンブリの電源投入後にオペレーティングシステムを実行する、基本入出力システム(BIOS)、Boot ROM、又はブートローダを含むことができる。
【0087】
デバイスハードウェア1212は、ユーザインタフェース1204、データ表示、データ通信、データ記憶、及び/又は他のデバイス機能の実行を容易にする追加のハードウェアを含むことができる。
【0088】
図13は、
図11に示すデータベースサーバ1112の一例を示す。データベースサーバ1112は、通信インタフェース1302、1つ又は複数のプロセッサ1304、メモリ1306及びハードウェア1308を含むことができる。通信インタフェース1302は、測定アセンブリ1205の通信インタフェース1202と同様に、データベースサーバ1112が、
図11を参照して記載したような通信ネットワークを介して、測定アセンブリ1205及び他のネットワーク化されたデバイスにデータを送信するとともにそこからデータを受信するのを可能にする、無線通信コンポーネント及び/又は有線通信コンポーネントを含むことができる。
【0089】
プロセッサ1304及びメモリ1306は、オペレーティングシステムを実装することができる。オペレーティングシステムは、データベースサーバ1112が、さまざまなインタフェース(例えば、通信インタフェース1302及び/又はメモリ入出力デバイス)を介してデータを受信及び送信すること、並びに出力を生成するためにプロセッサ1304を使用してデータを処理することを可能にする、コンポーネントを含むことができる。オペレーティングシステムは、出力を提示する(例えば、電子ディスプレイにデータを表示し、データをメモリに格納し、データを別の電子デバイスに送信する等)表示コンポーネントを含むことができる。さらに、オペレーティングシステムは、一般にオペレーティングシステムに関連するさまざまな追加の機能を実行する他のコンポーネントを含むことができる。
【0090】
メモリ1306は、オペレーティングシステム、デバイスソフトウェア及び1つ又は複数のアプリケーションとともに、光学センサによって収集され、又はユーザによって入力され、又はリモートソースから受信されたデータを含むことができる。アプリケーションは、1つ又は複数のプロセッサ1304によって実行可能な任意のアプリケーションソフトウェアを含むことができ、これには、限定されないが、周囲長変化の波形を生成すること、データを解釈すること、活動情報、対象者の病歴及び他のデータを適用すること、分析用の予測出力を生成すること、及び/又はモデルを更新又は再訓練するためにフィードバックすること等を含む、測定アセンブリ1205から受信されたデータを処理するためのルール又は機械学習モデル及びアルゴリズム1310を訓練及び/又は実行するアプリケーションが含まれる。
【0091】
ハードウェア1308は、データ表示、データ通信、データ記憶、及び/又は他のデバイス機能の実行を容易にする追加のハードウェアを含むことができる。
【0092】
図14は、対象者の四肢周囲長を測定し、経時的な測定値の波形を生成し、波形によって明らかになった状態の標示を出力する測定アセンブリ105によって少なくとも一部を実行することができるプロセス例1400のフロー図である。プロセス1400は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せで実装することができる動作のシーケンスを表す、論理フローチャートのブロックの集まりとして示す。ソフトウェアの文脈では、ブロックは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると列挙する動作を実行する、コンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行するか又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含むことができる。動作が記述される順序は、限定として解釈されるようには意図されておらず、記載したブロックの任意の数は、プロセスを実装するために任意の順序で、及び/又は並列に組み合わせることができる。考察する目的で、
図1に示す測定デバイス100に関連してプロセスについて説明する。
【0093】
ブロック1402において、測定デバイス100は、ある期間にわたって、再現可能な定位置で四肢の周囲長を四肢内の間質液量の指標として測定することができる。いくつかの実施形態では、測定デバイスは、ヒト対象者の四肢に適用し、四肢上の再現可能な定位置に定着するように移動させることができる。1つ又は複数の実施形態において、再現可能な定位置は、ストラップの張力が間質液圧のバランスをとってデバイスが上述した測定を実行することができるようにする、四肢の最小周囲長であり得る。
【0094】
ブロック1404において、測定デバイス100は、測定された周囲長から導出された現周囲長データを経時的に示す波形を生成することができる。いくつかの実施形態では、周囲長の測定は、定期的に(例えば、1日に1回)、断続的に(例えば、手動で開始される)、又は連続的に行ってもよい。いくつかの実施形態では、データ処理及び波形生成の一部又はすべては、遠隔コンピューティングデバイス等、デバイス外で実行してもよい。
【0095】
ブロック1406において、測定デバイスは、波形を、再現可能な定位置における対象者のベースライン周囲長データの波形と比較することができる。波形の差は、測定デバイス105が解釈し、医師の診察室、モバイルデバイス、ポータブルコンピュータ等のデバイス外又は遠隔地に送信してもよく、又は人間が解釈してもよい。
【0096】
ブロック1408において、測定デバイス105は、比較の結果を、比較によって明らかになった標示とともに出力することができる。例えば、現周囲長測定値の波形が対象者のベースライン波形を上回る増加を示す場合、警告を測定アセンブリに表示し、モバイルデバイス又はより遠隔のエンドポイントに送信してもよい。さらに、又は別法として、例えば、食事又は運動において行うべき変更を対象者に助言すること、治療(薬剤投与量の調整を含む)を再検討するか若しくは所定の調整を行うこと等を行うための指示を出力してもよい。
【0097】
主題について、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の文言で説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義する主題は、必ずしも上述した所定の特徴又は行為に限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、上述した所定の特徴及び行為は、特許請求の範囲に迫る形態例として開示している。
【図】
【国際調査報告】