(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240326BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20240326BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20240326BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61B10/00 N
A61B5/08
A61B5/16 130
A61B10/00 305B
A61B5/0245 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560356
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022022887
(87)【国際公開番号】W WO2022212741
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シグペン,ニーナ ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ゴトリーブ,ネタ アー.
(72)【発明者】
【氏名】ポー,ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】アッシュバッハー,キルスティン エリザベス
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017BD01
4C038PP05
4C038PQ06
4C038PS00
4C038SS08
4C038SV00
4C038SX09
(57)【要約】
妊孕性予測のための方法、システム及びデバイスを説明する。システムは、複数日にわたって収集された生理学的データを受信するように構成されてよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。加えて、システムは、複数日にわたって取得された体温値の時系列を決定するように構成されてよく、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。システムは、次いで、月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定し、複数の月経周期長パラメータに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。システムは、グラフィカルユーザインタフェース上に表示するために、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含むステップと、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップであって、前記時系列は、前記ユーザの複数の月経周期を含む、ステップと、
前記受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するステップと、
前記複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するステップと、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の1つ以上の極大値を識別するステップと、
前記識別することに少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の極大値のうちの第1極大値と前記1つ以上の極大値のうちの第2極大値との間の持続時間を計算するステップと、
を更に含み、前記複数の月経周期長パラメータを決定するステップは、前記持続時間を計算することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の1つ以上の正の傾きを識別するステップを更に含み、前記複数の月経周期長パラメータを決定するステップは、前記1つ以上の正の傾きを識別することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生理学的データは心拍数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが前記ユーザの閾値心拍数を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記受け取った心拍数データが前記ユーザの閾値心拍数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生理学的データは心拍数変動データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが前記ユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記受け取った心拍数変動データが前記ユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生理学的データは呼吸数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、前記呼吸数データが前記ユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、受け取った呼吸数データが前記ユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記生理学的データは睡眠データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った睡眠データから検出された睡眠障害の量が前記ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記検出された睡眠障害の量が前記ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすとことを決定したことに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の各体温値を決定するステップを更に含み、前記体温データは、連続的な日中体温データを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザデバイスを介して、前記ユーザの年齢、前記ユーザの体重、前記ユーザのライフスタイルの概要、前記ユーザが経験した不妊治療のタイプ、前記ユーザが経験した流産の数又はこれらの組合せを含む指標を受け取るステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記指標を受け取ることに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記決定されたユーザ妊孕性予測を示す前記メッセージを前記ユーザデバイスに送信するステップを更に含み、前記ユーザデバイスは、臨床医、前記ユーザ、不妊治療専門医又はこれらの組合せに関連付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるメッセージを表示させるステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記メッセージは、前記決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるスコア、前記決定されたユーザ妊孕性予測が有効である時間間隔、前記決定されたユーザ妊孕性予測に基づいて前記時間間隔内に妊娠する確率、前記決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標、前記決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられる教育コンテンツ、前記決定されたユーザ妊孕性予測を改善するための推奨又はこれらの組合せを更に含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記生理学的データを機械学習分類器に入力するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、前記ユーザから前記生理学的データを収集する、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能な命令であって、当該装置に、
ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取らせ、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含み、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定させ、前記時系列は、前記ユーザの複数の月経周期を含み、
前記受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定させ、
前記複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定させ、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成させる、
命令と、
を備える、装置。
【請求項18】
前記命令は、前記プロセッサによって更に実行可能であり、当該装置に、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の1つ以上の極大値を識別させ、
前記識別に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の極大値のうちの第1極大値と前記1つ以上の極大値のうちの第2極大値との間の持続時間を計算させ、
前記複数の月経周期長パラメータを決定することは、前記持続時間を計算することに少なくとも部分的に基づく、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行可能な命令であって、
ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取り、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含み、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定し、前記時系列は、前記ユーザの複数の月経周期を含み、
前記受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定し、
前記複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成する、
ための命令を含む、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項20】
前記命令は、前記プロセッサによって更に実行可能であり、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の1つ以上の極大値を識別し、
前記識別に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の極大値のうちの第1極大値と前記1つ以上の極大値のうちの第2極大値との間の持続時間を計算し、
前記複数の月経周期長パラメータを決定することは、前記持続時間を計算することに少なくとも部分的に基づく、
請求項19に記載の非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2022年3月31日に出願された、「FERTILITY PREDICTION FROM WEARABLE-BASED PHYSIOLOGICAL DATA」と題する、Thigpen等による、米国非仮特許出願第17/709,773号の利益を主張し、これは、2021年4月1日に出願された、「WOMEN'S HEALTH TRACKING」と題する、Aschbacher等による、米国仮特許出願第63/169,314号の利益を主張し、この各々が、本出願人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
技術分野
以下は、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測(fertility prediction)を含む、ウェアラブルデバイス及びデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温及び心拍数に関連付けられるデータをユーザから収集するように構成されることがある。例えばいくつかのウェアラブルデバイスは、リプロダクティブ・ヘルスに関連付けられる周期を検出するように構成されることがある。しかしながら、ウェアラブルデバイスによって実装される従来の周期検出技術は不十分である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0005】
【
図2】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0006】
【
図3】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0007】
【
図4】本発明の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0008】
【
図5】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0009】
【
図6】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の例を示す図である。
【0010】
【
図7】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする装置のブロック図である。
【0011】
【
図8】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図である。
【0012】
【
図9】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
【0013】
【
図10】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする方法を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする方法を示すフローチャートである。
【
図12】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温データや心拍数データ等を含む、生理学的データをユーザから収集するように構成されることがある。取得された生理学的データは、ユーザの動きや、睡眠パターンのような他の活動を分析するために使用されることがある。多くのユーザは、睡眠パターン、活動及び全体的な身体的健康状態を含む、自身の身体的健康に関するより多くの洞察を望んでいる。特に、多くのユーザは、自身の月経周期、排卵、受精パターン及び妊娠を含む、女性の健康に関するより多くの洞察を望んでいる可能性がある。しかしながら、典型的な周期追跡又は女性のヘルスデバイス及びアプリケーションは、いくつかの理由から、ロバストな予測、検出及び洞察を提供する能力を欠いている。
【0015】
第1に、典型的な周期予測アプリケーションは、ユーザが、毎日離散的な時間にデバイスを用いて手動で自身の体温を測ることを要する。この単一の体温データポイントは、女性の健康周期パターンを示す真の体温変化を正確に捕捉又は予測するための十分なコンテキストを提供しない可能性があり、ユーザの動き又は行為に対する測定デバイスの感度を考慮すると、正確に捕捉することが困難である可能性がある。第2に、ウェアラブルであるデバイス、あるいは1日を通してより頻繁にユーザの体温を測定するデバイスであっても、典型的なデバイス及びアプリケーションは、測定された体温と組み合わせて女性の周期に対する生理学的寄与の完全なセットをより包括的に理解することができる、ユーザからの他の生理学的、行動的又はコンテキスト的入力を収集する能力を欠いている。
【0016】
本開示の態様は、妊孕性予測及び/又は評価のための技術を対象とする。特に、本開示のコンピューティングデバイスは、ユーザに関連付けられるウェアラブルデバイスから体温データを含む生理学的データを受信し、複数日にわたって取得された体温値の時系列を決定し得る。時系列は、ユーザの複数の月経周期を含み得る。例えば本開示の態様は、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はこれらの組合せのような、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定し得る。このように、本開示の態様は、複数の月経周期長パラメータに基づいて、ユーザの妊孕性予測を決定し得る。
【0017】
いくつかの実装では、システムは、ユーザからの履歴体温データを分析し、複数の月経周期長パラメータを決定し、ユーザ妊孕性予測を決定し、ユーザの決定された妊孕性予測を示すユーザへの指標を生成し得る。システムはまた、体温時系列データ(temperature series data)をリアルタイムで分析してよく、体温データの時系列を決定したことに基づいて、及び/又はユーザの入力に基づいて、月経周期長パラメータ及びユーザ妊孕性予測をリアルタイムで決定してもよい。
【0018】
本開示の目的のために、用語「妊孕性予測」、「ユーザ妊孕性予測」、「妊孕性スコア」等は、1つ以上の子が子宮内で発達する間に、妊娠する又は妊娠を誘発するユーザの能力の、本明細書に記載されるシステムによる計算又は評価を指すために使用され得る。月経周期の一部の間に、ユーザは排卵の前及び排卵中に妊娠し得る。ユーザが妊娠することができる(例えば妊娠する)場合、ユーザは、妊娠可能(fertile)であると称され得る。ユーザが所定の時間の後に妊娠することができない場合、ユーザは、不妊(infertile)と称されることがあり、ユーザは、不妊の問題を経験している可能性がある。場合によっては、排卵日は、ユーザが妊娠する可能性がある受精ウィンドウ(fertility window)に対応し得る。妊孕性スコアは、ユーザが生殖ライフプラン(reproductive lifespans)にわたって長期的にその妊孕性を追跡することを可能にする妊孕性関連寄与因子(fertility-related contributors)を含む、数値を指してよい。
【0019】
場合によっては、ユーザの妊孕性は、1つ以上の妊孕性寄与因子に基づいてよい。妊孕性寄与因子は、1つ以上の生理学的測定値、卵巣予備能寄与因子(ovarian reserve contributors)、月経周期長寄与因子又はそれらの組合せを含んでよい。1つ以上の生理学的測定値は、本明細書に記載されるように、体温データ、呼吸数データ、心拍数データ、心拍数変動(HRV、heart rate variability)又はそれらの組合せを含んでもよい。例えば増加した呼吸数、増加した心拍数及び低下したHRVは、独立又は組み合わせで妊孕性の衰え(declining fertility)を示すことがある。他の例では、減少した呼吸数、減少した心拍数及び増加したHRVは、独立又は組み合わせで妊孕性の高まりを示すことがある。
【0020】
いくつかの例では、卵巣予備能寄与因子は、卵胞刺激ホルモン(FSH、follicle-stimulating hormone)、抗ミュラー管ホルモン(AMH、anti-mullerian hormone)又は両方、胞状卵胞数(AFC、antral follicle count)又はそれらの組合せのユーザのホルモンレベルを含み得る。このような場合、システムは、FSHレベル、AFCレベル及びAFCレベルに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばFSHレベル、AFCレベル及びAFCレベルは、心臓及び呼吸メトリクス(例えば心拍数、HRV、呼吸数又はそれらの組合せ)において反映され得る。
【0021】
月経周期長寄与因子は、月経周期の長さ(例えば卵胞期長、黄体期長又はその両方を含む)、周期の規則性又はその両方を含み得る。場合によっては、システムは、月経周期の長さに基づいてユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばより長い月経周期長は、排卵が起きていないこと、妊孕性に関連する問題又はその両方を示す可能性がある。より短い月経周期長は、排卵イベントの欠如、黄体期の異常又はその両方を示す可能性がある。例えば26日以下の月経周期は、低下した妊孕性(例えば1月経周期内に妊娠を達成する確率)に関連付けられることがある。このような場合、システムは、1つ以上の生理学的パラメータ、卵巣予備能寄与因子、月経周期長寄与因子又はそれらの組合せに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。
【0022】
本開示のいくつかの態様は、ユーザが妊娠しようとする前に(例えば誰が将来妊娠することを計画しているか)、ユーザの妊孕性を予測することを対象とする。しかしながら、本明細書に記載される技術はまた、ユーザが現在積極的に妊娠しようとしている場合に、ユーザの妊孕性を予測するために使用されてもよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、複数の月経周期長パラメータを決定し、温度センサを使用してユーザ妊孕性予測を決定し得る。そのような場合、コンピューティングデバイスは、ユーザタグ付け又はラベル付けイベントなしにユーザ妊孕性予測を決定し得る。
【0023】
従来のシステムでは、妊孕性は、妊孕性を専門とする臨床医によって評価されることがあり、血液検査、質問票、超音波検査及び/又は他の形態の身体診察又は検査の使用を必要とすることがある。本明細書で説明される技術は、ユーザの表面体温を連続的に測定するウェアラブルから取得される測定値と、(例えばPPGを介して)動脈血流のような血流から抽出される信号とに基づいて、ユーザから生理学的データを連続的に収集し得る。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、昼夜を通じて連続的にユーザの体温をサンプリングし得る。昼夜を通じて(又は昼間の特定のフェーズで、及び/又は睡眠周期の特定のフェーズの間)十分なレート(例えば1分当たり1サンプル)でサンプリングすることは、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0024】
場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、あるいはユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。したがって、コンピューティングデバイスによって収集されたデータは、ユーザの妊孕性予測を決定するために使用され得る。
【0025】
本明細書に記載される技術は、様々な方法で、決定された妊孕性予測をユーザに通知し得る。例えばシステムは、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)にメッセージ又は他の通知を表示させて、決定された妊孕性予測をユーザに通知し、ユーザに推奨を行ってよい。一例では、GUIは、不妊の初期兆候が検出されるときに、ユーザにアラートを表示してもよい。いくつかの実装では、システムは、ユーザにタグ推奨を行ってよい。例えばシステムは、決定された妊孕性予測が(例えば個人化された方法で)月経周期の決定された時間に有効である時間間隔を示し得る。システムは、体温データの以前の履歴、個人化されたサイクリングパターン及び/又は以前の医療履歴に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。
【0026】
システムはまた、妊孕性予測の決定を行うために使用されるデータを示すグラフィクス又はテキストを含み得る。例えばGUIは、決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標を表示してよい。場合によっては、GUIは、決定されたユーザ妊孕性予測に基づいて、時間間隔内に妊娠する確率を表示し得る。早期検出(例えばユーザが妊娠することに困難を経験する前)に基づいて、ユーザは、妊娠することの難しさを低減し、妊孕性を増加させ、決定されたユーザ妊孕性予測を改善するのに役立つ可能性のある早期ステップをとることができる。加えて、ユーザは、決定された妊孕性予測に基づいて、ユーザの日常活動(例えば仕事及び余暇時間)を修正/スケジュールし得る。
【0027】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データの収集をサポートするシステムのコンテキストで説明される。本開示の追加の態様は、例示的なタイミング図及び例示的なGUIのコンテキストにおいて説明される。本開示の態様は、ウェアラブルベースの生理学的データから妊孕性予測に関連する装置図、システム図及びフローチャートによって更に図示され、それらを参照して説明される。
【0028】
図1は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするシステム100の例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着及び/又は操作され得る複数の電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108及び1つ以上のサーバ110を更に含む。
【0029】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えばリングウェアラブルデバイス、腕時計ウェアラブルデバイス等)、ユーザデバイス106(例えばスマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で公知の任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連付けられる電子デバイスは、以下の機能のうちの1つ以上:すなわち、1)生理学的データを測定することと、2)測定されたデータを記憶することと、3)そのデータを処理することと、4)処理されたデータに基づいて(例えばGUIを介して)ユーザ102に出力を提供することと、5)互いに及び/又は他のコンピューティングデバイスとデータを通信することと、のうちの1つ以上を含み得る。異なる電子デバイスが、これらの機能の1つ以上を実行してもよい。
【0030】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるように構成されたリングコンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に装着されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えばスマートウォッチ、フィットネスバンド又はブレスレット)及び/又は頭部装着コンピューティングデバイス(例えば眼鏡/ゴーグル)のようなウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、頭部の周りのバンド(例えば額のヘッドバンド)、腕の周りのバンド(例えば前腕のバンド及び/又は上腕のバンド)及び/又は脚の周りのバンド(例えば大腿部又はふくらはぎのバンド)、耳の後ろ、脇の下等の他の位置に配置され得るバンド、ストラップ(例えばフレキシブル又は非フレキシブルバンド又はストラップ)、スティックオンセンサ等も含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられてもよく、あるいは衣類に含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、衣服のポケット及び/又はポーチに含まれてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留め及び/又はピン留めされてもよく、あるいは他の方法でユーザ102の近くに維持されてもよい。例示的な衣料品には、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えばジャケット)及び下着が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツ用デバイスのような他のタイプのデバイスとともに含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー、テニスラケット、ゴルフクラブ及び/又はトレーニングウェイトに取り付けられてもよく、あるいはそれらに含まれてもよい。
【0031】
本開示の多くは、リングウェアラブルデバイス104のコンテキストで説明され得る。したがって、用語「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」及び同様の用語は、本明細書で特に明記しない限り、交換可能に使用され得る。しかしながら、本明細書では、本開示の態様は、他のウェアラブルデバイス(例えば腕時計ウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、イヤリングウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイス等)を使用して実行されてもよいことが企図されているので、用語「リング104」の使用は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0032】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォン及びタブレットコンピューティングデバイスのようなハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含んでよい。ユーザデバイス106はまた、ラップトップ及びデスクトップコンピューティングデバイスのようなパーソナルコンピュータも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、(例えばインターネットを介して)他の電子デバイスと通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含んでよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えばホルターモニタ)のような医療デバイスを含んでよい。医療デバイスは、ペースメーカー及び電気除細動器のような植込み型医療デバイスも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えばIoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えばビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば無線通信ハブ)、セキュリティシステム、スマートアプライアンス(例えばサーモスタット及び冷蔵庫)及びフィットネス機器のようなホームコンピューティングデバイスを含んでよい。
【0033】
いくつかの電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、アクチグラフィ、ガルバニック皮膚反応、パルス酸素濃度及び/又は他の生理学的パラメータのような、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してもよい。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しないことがあるが、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行することがある。例えばリング(例えばウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション又はサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された、受信した生理学的データを処理することがある。
【0034】
いくつかの実装では、ユーザ102は、複数の電子デバイスを操作し得るか又は複数の電子デバイスに関連付けられてよく、そのうちのいくつかが、生理学的パラメータを測定してよく、そのうちのいくつかが、測定された生理学的パラメータを処理してよい。いくつかの実装では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えばウェアラブルデバイス104)を有してもよい。ユーザ102は、ユーザデバイス106(例えばモバイルデバイス、スマートフォン)を有し得るか又はユーザデバイス106に関連付けられてもよく、ここで、ウェアラブルデバイス104及びユーザデバイス106は、互いに通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106はまた、運動/活動パラメータのような、本明細書で説明される生理学的パラメータを測定してもよい。
【0035】
例えば
図1に示されるように、第1ユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aを操作し得るか、又はこれらに関連付けられてよい。この例では、ユーザ102-aに関連付けられるユーザデバイス106-aは、リング104によって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。比較すると、第2ユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、腕時計ウェアラブルデバイス104-c(例えば時計104-c)及びユーザデバイス106-bに関連付けられてよく、ここで、ユーザ102-bに関連付けられるユーザデバイス106-bは、リング104-b及び/又は時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、n番目のユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイスの構成(例えばリング104、ユーザデバイス106-n)に関連付けられてもよい。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)及び他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi及び他の無線プロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合されてもよい。
【0036】
いくつかの実装では、システム100のリング104(例えばウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側で光を放出する1つ以上のLED(例えば赤色LED、緑色LED)を利用して、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて生理学的データを収集してよい。いくつかの実装では、リング104は、緑色LEDと赤色LEDの両方の組合せを使用して生理学的データを取得してもよい。生理学的データは、これらに限定されないが、体温データ、加速度計データ(例えば動き/運動データ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素濃度データ又はそれらの任意の組合せを含む、当技術分野で公知の任意の生理学的データを含み得る。
【0037】
赤色LED及び緑色LEDは、異なる条件下(例えば明るい/暗い、活性/不活性)で身体の異なる部分などを介して生理学的データを取得するときに、それら自体の明確な利点を有することが見出されているので、緑色LEDと赤色LEDの両方の使用は、他の解決策に対していくつかの利点を提供し得る。例えば緑色LEDは、運動中により良好な性能を示すことが分かっている。さらに、リング104の周りに分散された複数のLED(例えば緑色LEDと赤色LED)を使用することは、腕時計ウェアラブルデバイス内など、互いに近接して配置されるLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を示すことが分かっている。さらに、指の血管(例えば動脈、毛細血管)は、手首の血管と比較して、LEDを介してよりアクセスしやすい。特に、手首の動脈は手首の下部(例えば手首の手のひら側)に位置しており、これは、ウェアラブル時計デバイスや同様のデバイスが典型的に装着される手首の上部(例えば手首の手の甲側)では毛細血管のみがアクセス可能であることを意味する。このように、リング104内でLED及び他のセンサを利用することは、手首に装着されるウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を示すことが分かっているが、これは、リング104が(毛細血管と比較して)動脈へのより大きなアクセスを有し、それによって、より強い信号及びより価値のある生理学的データをもたらすためである。
【0038】
システム100の電子デバイス(例えばユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、有線又は無線通信プロトコルを介して、1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。例えば
図1に示されるように、電子デバイス(例えばユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。ネットワーク108は、インターネットのような伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装してよく、あるいは他のネットワーク108プロトコルを実装してもよい。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール又はコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切な形式の対話を介したデータの転送を容易にすることができる。例えばいくつかの実装では、第1ユーザ102-aに関連付けられるリング104-aは、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合されてよく、ここで、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加又は代替的な場合において、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0039】
システム100は、ユーザデバイス106と1つ以上のサーバ110との間でオンデマンドデータベースサービスを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信してよく、該データを記憶し、分析してもよい。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、1つ以上のデータセンタに配置されてもよい。サーバ110は、データの記憶、管理及び処理のために使用されてもよい。いくつかの実装では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインタフェースを提供してもよい。
【0040】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている時間期間を検出し、ユーザ102が眠っている時間期間を1つ以上の睡眠段階に分類し得る(例えば睡眠段階分類)。例えば
図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられてよい。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、HRV、呼吸数等を含む、ユーザ102-aに関連付けられる生理学的データを収集し得る。いくつかの態様において、リング104-aによって収集されたデータが、機械学習分類器に入力されてもよく、ここで、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(眠っていた)時間期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(REM、rapid eye movement)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))及び深い睡眠段階(NREM)を含む、異なる睡眠段階に時間期間を分類するように構成され得る。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。睡眠段階分類は、推奨される就寝時間や推奨される起床時間等のようなユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用されてもよい。さらに、いくつかの実装では、本明細書で説明される睡眠段階分類技術は、睡眠スコア(Sleep Scores)や準備スコア(Readiness Scores,)等のような、それぞれのユーザについてのスコアを計算するために使用されてもよい。
【0041】
いくつかの態様では、システム100は、概日リズム由来の特徴を利用して、生理学的データ収集、データ処理手順及び本明細書で説明される他の技術を更に改善し得る。概日リズム(circadian rhythm)という用語は、約24時間毎に繰り返す、個人の睡眠-覚醒周期を調節する自然の内部プロセスを指してよい。この点に関して、本明細書で説明される技術は、生理学的データ収集、分析及びデータ処理を改善するために概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102から収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力されてよい。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然な、約24時間の概日リズムを通じて収集された生理学的データを「重み付け」又は調整するように構成されてよい。いくつかの実装では、システムは、最初に「ベースライン」概日リズム調整モデルで開始してよく、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、それぞれのユーザ102毎に特有の、調整されて個別化された概日リズム調整モデルを生成してよい。
【0042】
いくつかの態様では、システム100は、他の生体リズムを利用して、これらの他のリズムのフェーズによって、生理学的データの収集、分析及び処理を更に改善し得る。例えば週次リズムが、個人のベースラインデータ内で検出される場合、モデルは、週の曜日によってデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルに対する調整を必要とする可能性のある生体リズムは:1)ウルトラディアン(1日のリズムよりも速く、睡眠状態における睡眠周期と、覚醒状態の間の測定された生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性までの変動とを含む);2)概日リズム;3)仕事のスケジュールのように概日リズムの上に課せられることが示される非内因性の日次リズム;4)週次リズム、又は外因的に課せられる他の人工的な時間周期(例えば12日の「週」を有する仮想文化では、12日のリズムを使用することができる);5)女性では複数日の卵巣リズム、男性では精子形成リズム;6)月(lunar)のリズム(人工照明が少ない又はない状態で生活する人に関連する);及び7)季節的リズムを含む。
【0043】
生体リズムは必ずしも定常的なリズムではない。例えば多くの女性は、複数周期にわたって卵巣周期の長さの変動性を経験し、ウルトラディアンリズムは、ユーザ内部であっても、日をまたがって正確に同じ時間又は周期性で発生するとは予想されない。したがって、生理学的データにおけるこれらのリズムの時間分解能を保持しながら、周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技術を使用して、これらのリズムの検出を改善し、各リズムのフェーズを、測定される各瞬間に割り当て、それによって調整モデル及び時間間隔の比較を修正することができる。生体リズム-調整モデル及びパラメータは、個人又は個人のグループの動的な生理学的ベースラインをより正確に捕捉するために、必要に応じて線形又は非線形の組合せで追加されることができる。
【0044】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、ウェアラブルデバイス104によって収集されたデータに基づく妊孕性予測のための技術をサポートし得る。特に、
図1に示されるシステム100は、ユーザ102の1つ以上の妊孕性を予測し、ユーザ102に対応するユーザデバイス106に、予測された妊孕性の指標を表示させるための技術をサポートし得る。例えば
図1に示されるように、ユーザ1(ユーザ102-a)は、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、呼吸数、HRV、睡眠データ等を含む、ユーザ102-aに関連付けられるデータを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータを使用して、ユーザ1が妊娠可能であるか(fertile)又は不妊である(infertile)と考えられる間のユーザの妊孕性予測を決定し得る。ユーザの妊孕性を予測することは、リング104-a、ユーザ1に関連付けられるユーザデバイス106-a、1つ以上のサーバ110又はそれらの任意の組合せを含む、システム100の構成要素のいずれかによって実行され得る。ユーザの妊孕性予測を決定すると、システム100は、ユーザデバイス106-aのGUIに、決定されたユーザの妊孕性予測の指標を選択的に表示させ得る。
【0045】
いくつかの実装では、生理学的データ(例えば体温データを含む)を受信すると、システム100は、複数日にわたって得られる体温値の時系列を決定し得る。時系列は、複数の月経周期を含み得る。システム100は、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定し得る。月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含んでよい。そのような場合、システム100は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに基づいて、ユーザの妊孕性予測を決定し得る。ユーザの妊孕性予測は、ユーザが妊娠可能であると決定することと、ユーザが不妊であると決定することと、及び/又はユーザが将来妊娠可能又は不妊である可能性があることを予測することとの例であり得る。
【0046】
場合によっては、システム100は、決定された妊孕性予測に基づいて、ユーザ102-aの準備スコアを選択的に調整し得る。いくつかの実装では、システム100は、決定されたユーザ妊孕性予測に基づいて、ユーザ1のためのアラート、メッセージ又は推奨を(例えばリング104-a、ユーザデバイス106-a又はその両方を介して)生成してよく、ここで、アラートは、決定されたユーザの妊孕性予測のタイミング及び/又は期間のような、決定されたユーザの妊孕性予測に関する洞察を提供し得る。場合によっては、メッセージは、決定されたユーザの妊孕性予測に関連付けられる推奨、決定されたユーザの妊孕性予測に関連付けられる1つ以上の医学的状態、決定されたユーザの妊孕性予測に関連付けられる教育的ビデオ及び/又はテキスト(例えばコンテンツ)、あるいはそれらの組合せに関する洞察を提供し得る。
【0047】
上記以外の他の問題を追加的に又は代替的に解決するために、本開示の1つ以上の態様がシステム100において実装されてもよいことが当業者に理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明される「従来の」システム又はプロセスに技術的な改善を提供し得る。しかしながら、本明細書及び添付の図面は、本開示の態様を実装することから生じる例示的な技術的改善を含むものにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0048】
図2は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするシステム200の例を示す。システム200は、システム100を実装してよく、あるいはシステム100によって実装されてもよい。特に、システム200は、
図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0049】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに装着されるように構成されてよく、ユーザの指の周りに装着されたときに1つ以上のユーザの生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定及び決定は、ユーザの皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素レベル等を含み得るが、これらに限定されない。
【0050】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えばスマートフォン)を更に含む。例えばリング104は、ユーザデバイス106と無線通信及び/又は有線通信を行ってよい。いくつかの実装では、リング104は、測定されて処理されたデータ(例えば体温データ、フォトプレチスモグラム(PPG)データ、運動/加速度計データ、リング入力データ等)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104ファームウェア/構成更新のようなデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス106は、処理及び/又は記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0051】
リング104は、内側ハウジング205-a及び外側ハウジング205-bを含み得るハウジング205を含んでよい。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、これらに限定されないが、デバイスエレクトロニクス、電源(例えばバッテリ210及び/又はキャパシタ)、デバイスエレクトロニクス及び/又は電源を相互接続する1つ以上の基板(例えばプリント基板)等を含むリングの様々な構成要素を記憶するか、又は他の方法で含み得る。デバイスエレクトロニクスは、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225等のようなデバイスモジュール(例えばハードウェア/ソフトウェア)を含んでよい。デバイスエレクトロニクスはまた、1つ以上のセンサも含んでよい。例示的なセンサは、1つ以上の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えばPPGシステム235)及び1つ以上の運動センサ245を含んでよい。
【0052】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連付けられる信号を生成するように構成される、関連モジュール(図示せず)を含んでよい。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、有線接続又は無線接続を介して互いに通信可能に結合されてもよい。さらに、リング104は、光センサ(例えばLED)、オキシメータ等を含む生理学的データをユーザから収集するように構成される、追加及び/又は代替のセンサ又は他の構成要素を含んでもよい。
【0053】
図2を参照して図示され、説明されるリング104は、単に例示の目的のために提供される。このように、リング104は、
図2に示される構成要素のような追加の又は代替の構成要素を含んでよい。本明細書で説明される機能性を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えばより少ない構成要素(例えばセンサ)を有するリング104が製造されてもよい。特定の例では、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)と、電源と、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取るように構成されるデバイスエレクトロニクスとを有するリング104が製造されてもよい。別の具体例では、温度センサ240(又は他のセンサ)が、(例えばクランプ、バネ式クランプ等を使用して)ユーザの指に取り付けられてもよい。この場合、センサは、温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取る手首装着型コンピューティングデバイスのような別のコンピューティングデバイスに配線されてもよい。他の例では、追加のセンサ及び処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0054】
ハウジング205は、1つ以上のハウジング205構成要素を含んでよい。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えばシェル)と内側ハウジング205-a構成要素(例えばモールディング)を含んでよい。ハウジング205は、
図2に明示的に図示されていない追加の構成要素(例えば追加の層)を含んでもよい。例えばいくつかの実装では、リング104は、デバイスエレクトロニクス及び他の導電性材料(例えば電気トレース)を外側ハウジング205(例えば金属製の外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する1つ以上の絶縁層を含んでもよい。ハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210、基板及び他の構成要素のための構造的支持を提供し得る。例えばハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を圧力及び衝撃のような機械的な力から保護し得る。ハウジング205はまた、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を水及び/又は他の化学物質からも保護し得る。
【0055】
外側ハウジング205-bは、1つ以上の材料から製造され得る。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量で強度と耐摩耗性を提供し得るチタンのような金属を含んでよい。外側ハウジング205-bはまた、ポリマーのような他の材料から製造されてもよい。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは装飾的であるだけでなく、保護的であってもよい。
【0056】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインタフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば医療グレードのポリマー)又は他の材料から形成されてもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは透明であってもよい。例えば内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透明であってもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-bの上に成形されてもよい。例えば内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205金属シェルに適合するように成形(例えば射出成形)されるポリマーを含んでもよい。
【0057】
リング104は、1つ以上の基板(図示せず)を含んでもよい。デバイスエレクトロニクス及びバッテリ210が、1つ以上の基板上に含まれてもよい。例えばデバイスエレクトロニクス及びバッテリ210は、1つ以上の基板上に取り付けられてもよい。例示的な基板は、フレキシブルPCB(例えばポリイミド)のような1つ以上のプリント回路基板(PCB)を含んでよい。一部の実装では、エレクトロニクス/バッテリ210は、フレキシブルPCB上に表面実装型デバイス(例えば表面実装技術(SMT、surface-mount technology)デバイス)を含んでもよい。いくつかの実装では、1つ以上の基板(例えば1つ以上のフレキシブルPCB)は、デバイスエレクトロニクス間の電気通信を提供する電気トレースを含んでもよい。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイスエレクトロニクスに接続してもよい。
【0058】
デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板は、様々な方法でリング104内に配置されてもよい。いくつかの実装では、センサ(例えばPPGシステム235、温度センサ240、運動センサ245及び他のセンサ)がユーザの指の下側とインタフェースするように、デバイスエレクトロニクスを含む1つの基板が、リング104の下部(例えば下半分)に沿って取り付けられてよい。これらの実装では、バッテリ210は、リング104の上部に沿って(例えば別の基板上に)含まれてもよい。
【0059】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能性(例えば回路及び他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに起因する機能を生成することができるアナログ及び/又はデジタル回路を実装する任意の離散及び/又は集積電子回路構成要素を含んでよい。例えばモジュールは、アナログ回路(例えば増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路及び/又は他の信号調整回路)を含んでもよい。モジュールはまた、デジタル回路(例えば組合せ論理回路又は逐次論理回路、メモリ回路等)も含んでよい。
【0060】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能でプログラム可能なROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は任意の他のメモリデバイスのような、任意の揮発性、不揮発性、磁気的又は電気的媒体を含んでよい。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶してよい。例えばメモリ215は、それぞれのセンサ及びPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば運動データ、体温データ、PPGデータ)を記憶するように構成されてもよい。さらに、メモリ215は、1つ以上の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに起因する様々な機能を実行させる命令を含んでもよい。本明細書で説明されるリング104のデバイスエレクトロニクスは、デバイスエレクトロニクスの一例にすぎない。したがって、デバイスエレクトロニクスを実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計的考慮事項に基づいて変化し得る。
【0061】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに起因する機能は、1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組合せとして具現化されてよい。異なる特徴をモジュールとして描写することは、異なる機能的態様を強調するように意図されており、必ずしもそのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュールに関連付けられる機能性は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよく、あるいは共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0062】
リング104の処理モジュール230-aは、1つ以上のプロセッサ(例えば処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、システムオンチップ(SoC)及び/又は他の処理デバイスを含んでよい。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば処理モジュール230-aは、センサのようなリング104のモジュール及び他の構成要素にデータを送信し/これらからデータを受信してもよい。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装されてもよい。したがって、モジュールは、回路(例えば通信回路及び電力回路)とも呼ばれることがある。
【0063】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されると、処理モジュール230-aに、該処理モジュール230-aに起因する様々な機能を実行させるためのコンピュータ読取可能命令を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-a(例えばマイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば統合されたBluetooth(登録商標) Low Energyトランシーバ)及び/又は追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能のような、他のモジュールに関連付けられる追加の特徴を含んでもよい。
【0064】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106の通信モジュール220-b)との無線通信及び/又は有線通信を提供する回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth回路及び/又はWi-Fi回路のような無線通信回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路のような有線通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104及びユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106にデータを送信/ユーザデバイス106からデータを受信するように構成され得る。例示的なデータは、運動データ、体温データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ及びステータス更新(例えば充電ステータス、バッテリ充電レベル及び/又はリング104構成設定)を含み得るが、これらに限定されない。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えばソフトウェア/ファームウェア更新)及びデータを受信するようにも構成されてもよい。
【0065】
リング104は、バッテリ210(例えば再充電可能バッテリ210)を含んでよい。例示的なバッテリ210は、リチウムイオン又はリチウムポリマータイプのバッテリ210を含んでよいが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は、無線で充電されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、キャパシタのような、バッテリ210以外の電源を含んでもよい。電源(例えばバッテリ210又はキャパシタ)は、リング104の曲線に一致する湾曲した形状を有してもよい。いくつかの態様では、充電器又は他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、データを収集するために使用され得るか、又はそれを補足する、追加のセンサを含んでもよい。さらに、リング104の充電器又は他の電源は、ユーザデバイス106として機能してよく、この場合、リング104の充電器又は他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信したデータを記憶及び/又は処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0066】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば電力モジュール225は、リング104とインタフェースしたときにバッテリ210を充電する、外部ワイヤレス充電器とインタフェースし得る。充電器は、リング104のデータ構造(datum structure)と嵌合して、104の充電中にリング104との特定の配向を生成するデータ構造を含んでもよい。電力モジュール225はまた、デバイスエレクトロニクスの電圧を調節し、デバイスエレクトロニクスへの電力出力を調節し、バッテリ210の充電状態を監視し得る。いくつかの実装では、バッテリ210は、高電流放電、104の充電中の過電圧及び104の放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する、保護回路モジュール(PCM、protection circuit module)を含んでよい。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD、electro-static discharge)保護も含んでよい。
【0067】
1つ以上の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合されてもよい。温度センサ240は、該温度センサ240によって読み取られた又は感知された体温を示す体温信号(例えば体温データ)を生成するように構成されてもよい。処理モジュール230-aは、温度センサ240の位置におけるユーザの体温を決定し得る。例えばリング104において、温度センサ240によって生成された体温データは、ユーザの指におけるユーザの体温(例えば皮膚温度)を示してもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触してもよい。他の実装では、ハウジング205の一部(例えば内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば薄い熱伝導性バリア)を形成してもよい。いくつかの実装では、ユーザの指に接触するように構成されるリング104の部分は、熱伝導性部分と断熱性部分を有してもよい。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。断熱性部分は、リング104の部分(例えば温度センサ240)を周囲温度から絶縁し得る。
【0068】
いくつかの実装では、温度センサ240は、体温を決定するために、処理モジュール230-aが使用し得るデジタル信号(例えば体温データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240が受動センサを含む場合、処理モジュール230-a(又は温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて体温を決定し得る。例示的な温度センサ240は、負の温度係数(NTC、negative temperature coefficient)サーミスタのようなサーミスタ、あるいは抵抗器、トランジスタ、ダイオード及び/又は他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含んでよい。
【0069】
処理モジュール230-aは、ユーザの体温を経時的にサンプリングし得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングレートに従ってユーザの体温をサンプリングしてよい。例示的なサンプリングレートは、1秒当たり1サンプルを含んでよいが、処理モジュール230-aは、1秒当たり1サンプルよりも高い又は低い他のサンプリングレートで体温信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して継続的に、ユーザの体温をサンプリングし得る。一日を通して十分なレートで(例えば1秒に1サンプル、1分に1サンプル等)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0070】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた体温データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、サンプリングした体温データを処理し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある時間期間の平均体温値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての体温値を合計し、1分間のサンプル数で割ることによって、1分間あたりの平均体温値を決定し得る。体温が1秒当たり1サンプルでサンプリングされる特定の例では、平均体温は、60秒で割った1分間のすべてのサンプリングされた体温の合計であってもよい。メモリ215は、経時的な平均体温値を記憶してよい。いくつかの実装では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた体温の代わりに、平均体温(例えば1分当たり1つ)を記憶してもよい。
【0071】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、設定可能であり得る。いくつかの実装では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであってもよい。他の実装では、サンプリングレートは、昼/夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、生理学的変化を示さない体温の大きなスパイク(spike)(例えば熱いシャワーからの温度スパイク)のような体温読み取り値を、フィルタリング/拒否してもよい。いくつかの実装では、リング104は、104の運動中の過度の運動のような(例えば運動センサ245によって示されるような)、他の要因のために信頼できない可能性がある体温読み取り値をフィルタリング/拒否してもよい。
【0072】
リング104(例えば通信モジュール)は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにユーザデバイス106に送信してもよい。ユーザデバイス106は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにサーバ110に転送してもよい。
【0073】
リング104は、単一の温度センサ240を含むように示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるような、1つ以上の位置に複数の温度センサ240を含んでもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であってよい。追加又は代替的に、1つ以上の温度センサ240は、加速度計及び/又はプロセッサのような他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば他の構成要素とともにパッケージされてもよい)。
【0074】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明したものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得して処理してよい。例えば処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々から体温データを個別にサンプリングし、平均し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、指の異なる位置にある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の体温の平均に基づいて、単一の体温を決定するように構成されてもよい。
【0075】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば任意の指)における遠位体温を取得してもよい。例えばリング104上の1つ以上の温度センサ240は、指の下側から、あるいは指の異なる位置で、ユーザの体温を取得してもよい。いくつかの実装では、リング104は、遠位体温を(例えばサンプリングレートで)連続的に取得してもよい。本明細書では、指にあるリング104によって測定される遠位温度が説明されるが、他のデバイスは同じ/異なる位置で体温を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位体温は、ユーザの手首又は他の外部身体位置で測定された体温と異なることがある。加えて、ユーザの指で測定された遠位体温(例えば「シェル」体温)は、ユーザの深部体温とは異なることがある。このように、リング104は、身体の他の内部/外部位置では取得されない可能性がある有用な体温信号を提供し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性がある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉し得る。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。
【0076】
リング104は、PPGシステム235を含んでよい。PPGシステム235は、光を送信する1つ以上の光送信器を含んでよい。PPGシステム235は、1つ以上の光送信器によって送信された光を受信する1つ以上の光受信器も含んでよい。光受信器は、該光受信器によって受信した光の量を示す信号(以下、「PPG」信号とする)を生成し得る。光送信器は、ユーザの指の領域を照明し得る。PPGシステム235によって生成されるPPG信号は、照明された領域における血液の灌流を示し得る。例えばPPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる、照明された領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定し得る。処理モジュール230-aは、ユーザのパルス波形に基づいて、ユーザの呼吸速度、心拍数、HRV、酸素飽和度及び他の循環パラメータのような、様々な生理学的パラメータを決定し得る。
【0077】
いくつかの実装では、PPGシステム235は、反射型PPGシステム235として構成されてもよく、この場合、光受信器は、ユーザの指の領域を通って反射される透過光を受信する。いくつかの実装では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通って光受信器に直接送信されるように、光送信器及び光受信器が互いに対向して配置される、透過型PPGシステム235として構成されてもよい。
【0078】
PPGシステム235に含まれる送信器及び受信器の数及び比率は、変化してもよい。例示的な光送信器は、発光ダイオード(LED)を含んでよい。光送信器は、赤外線スペクトル及び/又は他のスペクトルの光を送信してよい。例示的な光受信器は、フォトセンサ、フォトトランジスタ及びフォトダイオードを含んでよいが、これらに限定されない。光受信器は、光送信器から受信した波長に応答してPPG信号を生成するように構成されてもよい。送信器と受信器の位置は変化してもよい。加えて、単一のデバイスが、反射型及び/又は透過型PPGシステム235を含んでもよい。
【0079】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装では、反射型PPGシステム235を含んでもよい。これらの実装では、PPGシステム235は、中央に配置された光受信器(例えばリング104の下部)と、光受信器の両側に配置された2つの光送信器とを含んでよい。この実装では、PPGシステム235(例えば光受信器)は、光送信器の一方又は両方から受信した光に基づいてPPG信号を生成し得る。他の実装では、1つ以上の光送信器及び/又は光受信器の他の配置、組合せ及び/又は構成が考えられる。
【0080】
処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、光を送信するように光送信器の一方又は両方を制御し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしている間、より強い受信信号を有する光送信器に光を送信させ得る。例えば選択された光送信器は、PPG信号がサンプリングレート(例えば250Hz)でサンプリングされている間、連続的に光を放射し得る。
【0081】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることにより、「PPG」と呼ばれ得るパルス波形を得ることができる。パルス波形は、複数の心周期の血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。加えて、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る呼吸誘導変動(respiratory induced variation)を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、パルス波形が生成されるときに、及び/又はメモリ215からのパルス波形を処理して、本明細書で説明されるユーザの生理学的パラメータを決定し得る。
【0082】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、パルス波形のピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、拍動間隔(IBI、interbeat interval)と呼ばれることがある。処理モジュール230-aは、決定された心拍数の値とIBI値をメモリ215に記憶してよい。
【0083】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定してもよい。処理モジュール230-aは、メモリ215に経時的なHRV値を記憶してよい。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調又はベースライン変調に基づいて、呼吸数を決定してもよい。呼吸数は、1分間当たりの呼吸で計算されてよく、あるいは別の呼吸数(例えば30秒当たりの呼吸)として計算されてもよい。処理モジュール230-aは、経時的なユーザの呼吸数の値をメモリ215に記憶してもよい。
【0084】
リング104は、1つ以上の加速度計(例えば6-D加速度計)及び/又は1つ以上のジャイロスコープ(ジャイロ)のような1つ以上の運動センサ245を含み得る。運動センサ245は、センサの運動を示す運動信号を生成し得る。例えばリング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する、1つ以上の加速度計を含んでよい。別の例として、リング104は、角運動(例えば角速度)及び/又は方位の変化を示すジャイロ信号を生成する、1つ以上のジャイロセンサを含んでよい。運動センサ245は、1つ以上のセンサパッケージに含まれてよい。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度及び加速度を測定し得る、Bosch(登録商標) BMI160慣性微小電気機械システム(MEMS、micro electro-mechanical system)センサである。
【0085】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば50Hz)で運動信号をサンプリングし、サンプリングされた運動信号に基づいてリング104の運動を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、加速度信号をサンプリングしてリング104の加速度を決定してよい。別の例として、処理モジュール230-aは、ジャイロ信号をサンプリングして角運動を決定してよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、運動データをメモリ215に記憶してよい。運動データは、サンプリングされた運動データ、並びにサンプリングされた運動信号(例えば加速度及び角度値)に基づいて計算された運動データを含んでよい。
【0086】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えばリング104は、生のサンプリングされた体温データ及び計算された体温データ(例えば平均温度)のような体温データを記憶してよい。別の例として、リング104は、パルス波形や、パルス波形に基づいて計算されるデータ(例えば心拍数の値、IBI値、HRV値及び呼吸数の値)のようなPPG信号データを記憶してよい。リング104はまた、直線運動及び角運動を示すサンプリングされた運動データのような運動データも記憶してよい。
【0087】
リング104又は他のコンピューティングデバイスは、サンプリング/計算された生理学的データに基づいて、追加の値を計算し、記憶し得る。例えば処理モジュール230は、睡眠メトリクス(例えば睡眠スコア)、活動メトリクス及び準備メトリクスのような、様々なメトリクスを計算して記憶してよい。いくつかの実装では、追加の値/メトリクスは、「導出値(derived values)」と呼ばれることがある。リング104又は他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、運動に関して様々な値/メトリクスを計算し得る。運動データの例示的な導出値は、運動カウント値、規則性値(regularity values)、強度値、タスクの代謝当量値(METs、metabolic equivalence of task values)及び方向値を含み得るが、これらに限定されない。運動カウント、規則性値、強度値及びMETsは、経時的なユーザの運動の量(例えば速度/加速度)を示し得る。方向値は、リング104がユーザの指に対してどのように向けられているか、及びリング104が左手に装着されているか右手に装着されているかを示し得る。
【0088】
いくつかの実装では、運動カウント及び規則性値は、1つ以上の期間(例えば1つ以上の30秒から1分の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、運動の数及び運動の関連する強度(例えば加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中及び高に分類されてよい。METsは、ある期間(例えば30秒)の間の運動の強度と、運動の規則性/不規則性と、異なる強度に関連付けられる運動の数とに基づいて決定され得る。
【0089】
いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後に、サンプリングされたデータを削除してもよい。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化してもよい。具体的な例では、1分間にわたるユーザの平均体温がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の平均体温を計算し、その後、その1分間の平均体温データを消去してもよい。処理モジュール230-aは、使用される/利用可能なメモリ215の総量、及び/又はリング104がデータをユーザデバイス106に最後に送信してからの経過時間のような様々な要因に基づいてデータを圧縮してよい。
【0090】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えばユーザの体温は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定され得るが、他のデバイスがユーザの体温を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含んでもよい。加えて、外部医療デバイス(例えばウェアラブル医療デバイス)及び/又は植込み型医療デバイスのような医療デバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定することがある。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つ以上のセンサを使用して、本明細書で説明される技術を実装してよい。
【0091】
生理学的測定は、昼及び/又は夜を通して連続的に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、104の昼部分及び/又は夜の部分の間に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、ユーザが、活動状態、安静状態(resting state)及び/又は睡眠状態のような特定の状態にあると決定したことに応答して行われてもよい。例えばリング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104又は他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしている及び/又は睡眠しているときを検出し、その検出された状態の生理学的パラメータ(例えば体温)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技術を実装するために、ユーザが他の状態にあるときに、安静/睡眠生理学的データ及び/又は他のデータを使用してもよい。
【0092】
いくつかの実装では、本明細書で前述したように、リング104は、データを収集、記憶及び/又は処理するように構成されてもよく、本明細書で説明されるデータのいずれかを、記憶及び/又は処理のためにユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えばウェブブラウザ280)、1つ以上の追加のアプリケーション及びGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイス等を含む他のモジュール及び構成要素を更に含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106にインストールされ得るアプリケーション(例えば「app」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えばウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインタフェース(UI)モジュール255と、取得モジュール260と、処理モジュール230-bと、通信モジュール220-bと、アプリケーションデータを記憶するように構成される記憶モジュール(例えばデータベース265)を含んでよい。
【0093】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110又はそれらの任意の組合せによって実行され得る。例えば場合によっては、リング104によって収集されたデータは、前処理され、ユーザデバイス106に送信されてよい。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対して何らかのデータ処理動作を実行し得るか、データ処理のためにデータをサーバ110に送信し得るか、又はその両方を行ってよい。例えば場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行することがあり、一方、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的高いレイテンシを許容し得る動作を処理するために、データをサーバ110に送信することがある。
【0094】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106及びサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいて、ユーザについての1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)を生成するために使用され得る。例えば本明細書において前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、ユーザから体温、心拍数、HRV等を含むデータを収集し得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日(sleep day)」について、ユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用されてもよい。いくつかの態様では、スコアは、第1睡眠日が第1スコアセットに関連付けられ、第2睡眠日が第2スコアセットに関連付けられるように、ユーザについて、それぞれの睡眠日毎に計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日毎に計算されてもよい。スコアは、睡眠スコア、準備スコア等を含むが、これらに限定されない。
【0095】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日が、それぞれの暦日の真夜中から真夜中まで続くように、伝統的な暦日(calendar day)と整合してよい。他の場合には、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば睡眠日は、ある暦日の午後6:00(18:00)から次の暦日の午後6:00(18:00)まで続いてよい。この例では、午後6:00は「カットオフ時間」として機能してよく、この場合、午後6:00より前にユーザから収集されたデータは現在の睡眠日についてカウントされ、午後6:00より後にユーザから収集されたデータは次の睡眠日についてカウントされる。ほとんどの個人が夜に最も多く眠るという事実のために、暦日に対して睡眠日をオフセットすることにより、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、それぞれのユーザが典型的に睡眠する時間の長さに睡眠日を整合させるように、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えばGUIを介して)選択的に調整することができる。
【0096】
いくつかの実装では、それぞれの日毎のユーザの各総合スコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)が、1つ以上の「寄与因子(contributors)」、「要因(factors)」又は「寄与要因(contributing factors)」に基づいて決定/計算され得る。例えばユーザの全体的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、休息、レム睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング又はそれらの任意の組合せを含む一組の寄与因子のセットに基づいて計算され得る。睡眠スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「総睡眠」寄与因子は、睡眠日の全睡眠期間の合計を指してよい。「効率」寄与因子は、ベッドにいる間に起きている間に費やされる時間と比較した睡眠に費やされる時間のパーセンテージを反映してよく、睡眠日の長い睡眠期間(例えば主睡眠期間(primary sleep period))の効率平均を使用して、各睡眠期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。「休息」寄与因子は、ユーザの睡眠がどれほど安らかであるかを示してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。休息寄与因子は、「ウェイクアップカウント」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのウェイクアップ(ユーザが、目が覚めたとき)の合計)、過剰な動き(excessive movement)、及び「ゴットアップカウント(got up count)」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのゴットアップ(ユーザがベッドから起き上がったとき)の合計)に基づくことができる。
【0097】
「レム睡眠」寄与因子は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指してよい。同様に、「深い睡眠」寄与因子は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指してよい。「レイテンシ」寄与因子は、ユーザが睡眠に入るのにかかる時間(例えば平均、中央値、最長)を意味してよく、睡眠日を通して長い睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間及びそのような期間の数によって重み付けして、計算され得る(例えば所与の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与因子であり得るか又は他の寄与因子を重み付けし得る)。最後に、「タイミング」寄与因子は、睡眠日及び/又は暦日内の睡眠期間の相対的タイミングを指してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。
【0098】
別の例として、ユーザの全体的な準備スコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、体温、活動、活動バランス又はそれらの任意の組合せを含む、一組の寄与因子に基づいて計算され得る。準備スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「睡眠」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指してよい。「睡眠バランス」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指してよい。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間(例えば過去2週間)にわたって取得してきた睡眠が、ユーザのニーズとバランスが取れているかどうかをユーザに示すことができる。典型的に、成人が健康で注意力を維持し、精神的にも身体的にも最高のパフォーマンスを発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠が必要である。しかしながら、時にはよく眠れない夜があることは普通のことなので、睡眠バランスの寄与因子は長期的な睡眠パターンを考慮に入れて、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを判断する。「安静時心拍数」寄与因子は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)からの最低心拍数及び/又は主睡眠期間後に生じるうたた寝(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0099】
準備スコアの「寄与因子」(例えば要因、寄与要因)に関連して続けると、「HRVバランス」寄与因子は、主睡眠期間及び主睡眠期間後に起こるうたた寝からの最も高いHRV平均を示し得る。HRVバランス寄与因子は、第1期間(例えば2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、なんらかのより長い第2期間(例えば3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザが自身の回復状態を追跡するのを助けることができる。「回復指数」寄与因子は、最長睡眠期間に基づいて計算されてもよい。回復指数は、夜間にユーザの安静時心拍数が安定するまでにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の兆候は、ユーザの安静時心拍数が夜の前半、ユーザが起きる少なくとも6時間前に安定し、身体が翌日のために回復する時間を残すことである。「体温」寄与因子は、最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)に基づいて、あるいは、うたた寝中のユーザの最高体温が最長期間中の最高体温よりも少なくとも0.5℃高い場合には最長睡眠期間後に生じるうたた寝に基づいて、計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間にユーザの体温を測定してよく、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示してよい。ユーザの体温が正常範囲の外にある場合(例えば明らかに0.0より上又は下)、体温寄与因子は強調表示されるか(例えば「要注意(Pay attention)」状態になる)又は他の方法でユーザにアラートを生成し得る。
【0100】
いくつかの態様において、システム200は、妊孕性予測のための技術をサポートし得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、経時的なユーザの体温を表す時系列において複数の月経周期長パラメータを決定するために使用され得る。ユーザの妊孕性スコアは、システム200のリング104上の温度センサを利用することによって予測され得る。場合によっては、ユーザの妊孕性予測は、経時的なユーザの体温を表す時系列における複数の月経周期長パラメータを決定し、決定された月経周期長パラメータに基づいてユーザの妊孕性予測を決定することによって、決定され得る。月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つの例であってもよい。
【0101】
例えば本明細書で前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、温度、心拍数、呼吸データ、HRVデータ、睡眠データ等を含むデータをユーザから収集し得る。システム200のリング104は、(例えばPPG信号を使用して)動脈血流から抽出される温度センサ及び測定値に基づいて、ユーザから生理学的データを収集し得る。生理学的データは、連続的に収集されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの体温をサンプリングしてよい。昼及び/又は夜を通じて十分なレートで(例えば1分当たり1サンプル)サンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。いくつかの実装では、リング104は、(例えばサンプリングレートで)体温データを連続的に取得し得る。いくつかの例では、たとえ温度が連続的に収集されたとしても、システム200は、該システム200が収集したか又は他の方法で導出したユーザに関する他の情報(例えば睡眠段階、活動レベル、病気の発症等)を利用して、基礎となる生理学的現象の正確な表現である特定の日の代表体温を選択し得る。
【0102】
対照的に、ユーザが毎日手動で体温を測定することを必要とするシステム、及び/又は体温を連続的に測定するが、ユーザに関する他のコンテキスト情報を欠いているシステムは、妊孕性予測のために不正確な又は一貫性のない体温値を選択する可能性があり、不正確な予測及び低下したユーザ体験につながる。対照的に、リング104によって収集されるデータは、ユーザがの妊孕性予測を正確に決定するために使用され得る。予測妊孕性スコア及び関連技術は、
図3を関連して更に示され、説明される。
【0103】
図3は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするシステム300の例を示す。システム300は、システム100、システム200又はその両方を実装し得るか、又はこれらによって実装され得る。特に、システム300は、
図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0104】
リング305は、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335及び睡眠データ340を取得し得る。このような場合、リング305は、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335及び睡眠データ340をユーザデバイス310に送信してよい。体温データ320は、連続的な日中体温データを含み得る。場合によっては、複数のデバイスが生理学的データを取得してもよい。例えば第1コンピューティングデバイス(例えばユーザデバイス310)及び第2コンピューティングデバイス(例えばリング305)が、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はそれらの組合せを取得してもよい。
【0105】
例えばリング305は、ユーザの体温データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRVデータ335、及び睡眠データ340、ガルバニック皮膚反応、血中酸素飽和度、アクチグラフィ、位置データ及び/又は他のユーザの生理学的データのようなユーザの生理学的データを取得し得る。例えばリング305は、生データを取得し、生データを日次粒度(daily granularity)の特徴に変換し得る。いくつかの実装では、異なる粒度の入力データが使用されてもよい。リング305は、更なる処理のために、モバイルデバイス(例えばユーザデバイス310)のような別のコンピューティングデバイスにデータを送信してよい。例えばデータはリングアプリケーション345に入力され、アプリケーションデータ355に記憶されてよく、これは、クラウドデータレイク(例えばサーバ315上の)への同期を自動的にトリガし得る。
【0106】
場合によっては、クラウド(例えばサーバ315)内のパイプライン(例えばFeatureMakerパイプライン)は、クラウドデータレイク内の適格なユーザに利用可能な新しいデータの到着によってトリガされ得る。パイプラインは、最終的な特徴セットを導出するために、データに対して更なるクリーニング、処理及び統計的分析又は頻度分析を実行し得る。いくつかの実装では、パイプラインは、ヘルスケアプロバイダベースの評価、ユーザの自己申告による臨床症状又はその両方からの臨床的に関連する情報を組み込んでよい。
【0107】
システム300は、ユーザデータ(例えば過去数ヶ月)及び特徴を前処理パイプラインに入力し得る。パイプラインは、データを平滑化し得る(例えば7日間の平滑化ウィンドウ又は他のウィンドウを使用して)。いくつかの例では、欠損値は、pythonパッケージsktimeからの予測子Imputeメソッドを使用することによって、又は事前の中央値/平均の前方充填(forward filling)によって、又は補間方法によって補完され得る。場合によっては、システムは、(例えば多変量特徴行列から)一連の周期特性特徴(cycle characteristic features)を導出し得る。これらの特性は、平均周期長、標準偏差周期長、ユーザの平均卵胞期の長さ、ユーザの平均黄体期の長さ、周期長の範囲及び無排卵周期の数のような特徴を含み得る。追加又は代替の周期特性が含まれてもよい。
【0108】
例えばユーザデバイス310は、受信したデータに基づいて、ユーザの月経周期に関連付けられる月経周期長パラメータを決定し得る。場合によっては、システム300は、体温データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRVデータ335、睡眠データ340、ガルバニック皮膚反応、血中酸素飽和度、活動、睡眠構造又はこれらの組合せに基づいて、ユーザの月経周期に関連付けられる月経周期長パラメータを決定してよい。場合によっては、システム300は、決定された月経周期長パラメータに基づいてユーザの妊孕性予測を決定し得る。システムは、リング305及びユーザデバイス310によって実装されてもよいが、本明細書で説明されるコンピューティングデバイスの任意の組合せは、システム300に起因する特徴を実装し得る。
【0109】
ユーザデバイス310-aは、リングアプリケーション345を含み得る。リングアプリケーション345は、少なくともモジュール350とアプリケーションデータ355を含み得る。場合によっては、アプリケーションデータ355は、ユーザの履歴体温パターン及び他のデータを含んでよい。他のデータは、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はそれらの組合せを含んでよい。
【0110】
リングアプリケーション345は、決定されたユーザの妊孕性予測をユーザに提示し得る。リングアプリケーション345は、データ処理を実行し得るアプリケーションデータ処理モジュールを含んでよい。例えばアプリケーションデータ処理モジュールは、システム300に帰属する機能を提供するモジュール350を含んでよい。例示的なモジュール350は、日次体温決定モジュール、時系列処理モジュール、月経周期長パラメータモジュール及び妊孕性予測モジュールを含んでもよい。
【0111】
日次体温決定モジュールは、(例えば昼間/又は夜間を通して連続的に収集された一連の体温値からその日の代表体温値を選択することによって)毎日の体温値を決定し得る。時系列処理モジュールは、時系列データを処理して、複数の体温値を識別し得る。月経周期長パラメータは、処理された時系列データに基づいて月経周期に関連付けられる月経周期長パラメータ排卵周期を決定し得る。妊孕性予測モジュールは、処理された時系列データに基づいてユーザの妊孕性予測を決定し得る。このような場合、システム300は、(例えばリング305から)ユーザの生理学的データを受信し、ユーザの妊孕性予測の日次分類を出力し得る。リングアプリケーション345は、取得された体温データ、他の生理学的データ、妊孕性追跡データ(例えばイベントデータ)及び月経周期追跡データのようなアプリケーションデータ355を記憶し得る。
【0112】
場合によっては、システム300は、ユーザの生理学的データ(例えば体温データ320及び/又は運動データ)に基づいて、妊孕性及び/又は月経周期追跡データを生成し得る。妊孕性及び/又は月経周期追跡データは、ユーザの決定された妊孕性予測を含んでよく、該妊孕性予測は、分析期間(例えば数週間/数ヶ月の期間)にわたる取得されたユーザ体温データ(例えば毎日の体温データ320)に基づいて決定され得る。例えばシステム300は、ウェアラブルデバイス(例えばリング305)からユーザに関連付けられる生理学的データを受信してよい。生理学的データは、少なくとも体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はこれらの組合せを含み得る。例えばシステム300は、分析期間(例えば複数日)にわたってユーザの生理学的データを取得する。そのような場合、システム300は、分析期間にわたってユーザの生理学的データを取得して処理し、ユーザの生理学的データの1つ以上の時系列を生成し得る。
【0113】
場合によっては、システム300は、分析期間にわたって毎日のユーザ体温データ320を取得し得る。例えばシステム300は、毎日、単一の体温値を計算してよい。システム300は、昼間及び/又は夜間に複数の体温値を取得し、取得した体温値を処理して、単一の日次体温値を決定し得る。いくつかの実装では、システム300は、受信した体温データ320に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定してもよい。システム300は、
図5を参照して更に示され、説明されるように、受信した体温データ320に基づいて、月経周期に関連付けられる月経周期長パラメータを決定し得る。場合によっては、システム300は、受信した体温データ320に基づいて、ユーザの妊孕性予測を決定し得る。
【0114】
いくつかの実装では、システム300は、受信した心拍数データ325が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの閾値心拍数を満たすと決定することがある。そのような場合、システム300は、受信した心拍数データ325がユーザの閾値心拍数を満たすと決定したことに基づいて、ユーザの妊孕性予測を決定し得る。いくつかの例では、システム300は、受信した呼吸数データ330が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの閾値呼吸数を満たすと決定することがある。このような場合、システム300は、受信した呼吸数データ330がユーザの閾値ベースライン呼吸数を満たすと決定したことに基づいて、ユーザの妊孕性予測を決定し得る。
【0115】
いくつかの実装では、システム300は、受信したHRVデータ335が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの閾値HRVを満たすと決定することがある。このような場合、システム300は、受信したHRVデータ335がユーザの閾値HRVを満たすと決定したことに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。いくつかの実装では、システム300は、受信した睡眠データ340から検出された睡眠障害の量が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすと決定することがある。このような場合、システム300は、受信した睡眠データ340から検出された睡眠障害の量が、ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすと決定したことに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。そのような場合、ユーザの閾値(例えば体温、心拍数、呼吸数、心拍数変動、睡眠データ等)は、システム300によって取得された履歴データ360に基づいて、ユーザに特有に調整され得る。
【0116】
いくつかの実装では、システムは、不妊治療の成功を改善するために、個人化されたライフスタイル要因を識別し得る。例えばシステムは、睡眠、活動及び栄養に関連する行動的メトリクスを追跡して、ユーザが妊孕性を改善し、不妊治療を指導するのを助けることができる。場合によっては、睡眠障害とリプロダクティブ・ヘルスとの間に関係があることがある。睡眠障害は、月経異常、月経困難症、受胎率の低下、流産の増加及び出生時体重の低下を含むプロダクティブ・ヘルスの結果に影響を及ぼす睡眠障害(sleep disruption)及び概日リズムの乱れを経験している、ストレス下のユーザ及び/又はシフトワーカのようなユーザにおいて検出されることがある。不妊治療を受けているユーザ及び集約ユーザの睡眠データを監視することによって、システム300は、妊娠成功率を高めるために、睡眠及び妊孕性の様々な次元とメトリクスの間の関係に貴重な洞察を提供し得る。
【0117】
システム300は、就寝時間の変動、起床時間の変動、睡眠の持続時間及び断片化、並びに睡眠段階(深い、軽い、レム)の変化を一定期間(例えば数週間から数ヶ月)にわたって検出し得る。これらのメトリクスは、概日リズムの乱れを有する個人を識別するために使用されることがある。例えばいくつかの実装では、システム300は、所与のユーザについて、前夜と比較した、ある夜の就寝時間の間の偏差を分単位で計算し得る。同じ計算が、起床時間及び他の睡眠メトリクスに対して実行されてもよい。数週間又は数ヶ月にわたる夜間の変化の平均又は中央値は、ユーザの行動による概日リズムの乱れ(circadian disruption)の全体量を定量化するメトリクスとして、各ユーザについて計算され得る。これらのメトリクスは、概日リズムの乱れが大きいユーザを識別し、ユーザの行動パターンの傾向をユーザに示し行動に対するてユーザの認識を高めるのに役立ち、睡眠のような行動が妊孕性にどのように影響するかについて知られていることに関連して、特定の推奨を用いて、概日リズムの乱れがあるユーザへの洞察を調整するために使用され得る。
【0118】
いくつかの実装では、システム300は、ユーザに、シフトワーカであるか(例えばサインアッププロセス中に)又は他の睡眠障害を経験しているかどうかを示すように求めてもよい。そのような場合、メトリクス(例えば概日リズムの乱れの自己報告メトリクス及び信号導出メトリクス)を機械学習モデルの特徴として組み込んで、低妊孕率(subfertility)、不妊、不妊治療の成功、妊娠合併症(fertility complication)、流産の可能性又はそれらの組合せのリスクを予測し得る。ユーザの睡眠履歴を考慮し、概日リズムの乱れの大きさを定量化するシステム300は、妊孕性ステータスだけでなく全体的な健康状態(例えば深夜の食事、背痛、胸痛)に関する入力を提供し得るタグを表面化し得る。いくつかの実装では、これらの要因を使用して、ユーザに表示される洞察の選択及び個人化を駆動し得る。システム300は、月経周期の不規則性を考慮しながら、妊娠の見込みに関するフィードバックを提供し得る。例えばユーザには、概日リズム及び睡眠衛生に関連する情報が提供されてよい。ユーザには、ユーザの個人的な制約及び制限(例えば時間、栄養)の下で、アプリケーションがサポートする行動変化につながる可能性のある目標及び行動プランを設定するために、ヒューマン・イン・ザ・ループのライブ・スリープ・コーチと接続するオプションが提示されてもよい。いくつかの実装では、システム300は、メラトニンレベル及び補充が(例えば生殖組織に対する酸化ストレス媒介効果の低減のような生体メカニズムを介して)受精結果に影響を及ぼす可能性があるので、ユーザがメラトニンにタグを付け、睡眠及び受精における関連する変化を見ることを可能にすることができる。
【0119】
システム300は、ユーザデバイス310-a、310-bのGUIに、決定されたユーザの妊孕性予測を表示させ得る。場合によって、システム300は、GUIに時系列を表示させてもよい。システム300は、生理学的データ(例えば少なくとも体温データ320)、タグ付けされたイベント及び/又は
図6を参照して本明細書で説明される他のGUI要素を含む、追跡GUIを生成してもよい。そのような場合、システム300は、追跡GUIに排卵、期間、黄体期、卵胞期等をレンダリングしてもよい。
【0120】
システム300は、ユーザデバイス310-a又は310-b上のGUI上に表示するため、決定されたユーザの妊孕性予測を示すメッセージ370を生成し得る。例えばシステム300(例えばユーザデバイス310-a又はサーバ315)は、決定されたユーザの妊孕性予測を示すメッセージ370を、ユーザデバイス310-bに送信してもよい。このような場合、ユーザデバイス310-bは、臨床医、不妊治療専門医(fertility specialist)、介護者、パートナー又はこれらの組合せに関連付けられてもよい。ユーザの妊孕性の予測は、体温データにおいて検出されたパターンを強調し、妊孕性に関する教育的リンクを提供する、ユーザへの個人化されたメッセージ370をトリガし得る。
【0121】
いくつかの実装では、リングアプリケーション345は、決定されたユーザの妊孕性予測をユーザに通知し、かつ/又は、アクティビティGUIで様々なタスクを実行するようにユーザに促してよい(prompt)。通知及びプロンプトは、テキスト、グラフィクス及び/又は他のユーザインタフェース要素を含んでよい。通知及びプロンプトは、決定されたユーザの妊孕性予測があるときなどに、リングアプリケーション345に含まれてよく、リングアプリケーション345は、通知及びプロンプトを表示してよい。ユーザデバイス310は、ホーム画面上の別個のウィンドウに通知及びプロンプトを表示してよく、かつ/又は他の画面上に(例えばホーム画面の一番上に)オーバーレイしてもよい。場合によっては、ユーザデバイス310は、モバイルデバイス、ユーザの時計デバイス又はその両方に通知及びプロンプトを表示してもよい。
【0122】
場合によっては、システム300は、アルゴリズム(例えば機械学習又は深層学習アルゴリズム)を適用して、所与の治療セッション内における妊娠成功の可能性を予測し得る。出力(例えば確率及びその確率の主な説明的ドライバ)は、アプリケーション345に送り返されてもよい。このような場合、ユーザデバイス310は、治療サイクル中にどの寄与因子が最も予測的であるかを個人化された方法で表示してもよい。システム300は、どの寄与因子が修正可能であるかを強調するために個人化された洞察を提供してよく、それによって、ユーザが、自分の観点から何が実行可能であるかを考えることができるようにする。いくつかの実装では、システム300は、メトリクス、以前の科学的検証研究及び解釈のためのガイドに関する更なるウェブベースの情報へのリンクとともに、ユーザがそのプロバイダと共有することを意図した読み出しを提供し得る。
【0123】
システム300は、回帰モデルのようなモデルをトレーニングして、ユーザの妊孕性スコアを予測し得る。いくつかの実装では、異なる深層学習表現(ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、長短期記憶(LSTM)等)を使用して、予測のための生理学的データをより良好に表す埋め込みを導出し得る。モデル(例えば回帰分類器)は、データの期間(例えば過去6ヶ月)にわたって(例えばサーバ315上で)実行され、ユーザの妊孕性スコアを決定し得る。場合によっては、システム300は、シャプレー値(Shapley values)を生成して、所与のユーザに対する重要な寄与因子を定量化し得る。共通のデータソースを有する寄与因子は、所与のデータソース(例えば体温)から導出された各特徴についてのシャプレー値の絶対値を合計することによって組み合わされてもよい。これらの寄与因子は、ロジット関数(logit function)を使用して0と1の間のスコアにスケールされてよく、次いで、上位の寄与因子とその相対的な重要性はユーザに視覚化され得るか、又は最も重要で実行可能な寄与因子に関する個人化された洞察を導出するために使用され得る。
【0124】
いくつかの実装では、ユーザデバイス310は、履歴ユーザデータを記憶し得る。場合によっては、履歴ユーザデータは履歴データ360を含んでよい。履歴データ360は、ユーザの履歴体温パターン、ユーザの履歴心拍数パターン、ユーザの履歴呼吸数パターン、ユーザの履歴HRVパターン、ユーザの履歴睡眠パターン、ユーザの履歴月経周期開始イベント(例えば周期長、周期開始日等)又はそれらの組合せを含んでよい。履歴データ360は、最近の数ヶ月から選択されてもよい。履歴データ360は、ユーザの閾値を決定するため、ユーザの体温値を決定するため、ユーザの妊孕性を予測するため、あるいはこれらの組合せのために、(例えばユーザデバイス310又はサーバ315によって)使用され得る。履歴データ360はサーバ315によって使用されてよい。履歴データ360を使用することにより、ユーザデバイス310及び/又はサーバ315は、ユーザの履歴データ360を考慮することによってGUIを個人化することができる。
【0125】
このような場合、ユーザデバイス310は、履歴データ360をサーバ315に送信し得る。場合によっては、送信された履歴データ360は、リングアプリケーション345に記憶される履歴データと同じであってもよい。他の例では、履歴データ360は、リングアプリケーション345に記憶される履歴データとは異なっていてもよい。サーバ315は、履歴データ360を受信し得る。サーバ315は、履歴データ360をサーバデータ365に記憶してもよい。
【0126】
いくつかの実装では、ユーザデバイス310及び/又はサーバ315はまた、ユーザ情報の例であり得る他のデータを受信して、記憶してもよい。ユーザ情報は、ユーザの年齢、体重、身長、性別、ユーザのライフスタイルの概要、ユーザが経験した不妊治療のタイプ、及びユーザが経験した流産の回数を含んでよいが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ユーザ情報は、ユーザの妊孕性予測を決定するための特徴として使用されてもよい。サーバデータ365は、ユーザ情報のような他のデータを含んでもよい。
【0127】
いくつかの実装では、システム300は、異なるユーザのための1つ以上のユーザデバイス310を含んでもよい。例えばシステム300は、主ユーザのためのユーザデバイス310-aと、主ユーザに関連付けられる第2ユーザ302(例えばパートナー)のためのユーザデバイス310-bとを含んでよい。ユーザデバイス310は、異なるユーザの生理学的パラメータを測定し、異なるユーザのためのGUIを提供し、異なるユーザからのユーザ入力を受信し得る。いくつかの実装では、異なるユーザデバイス310は、生理学的情報を取得し、月経周期、卵巣周期、疾患、妊孕性及び/又は妊娠のような女性の健康に関連する出力を提供し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス310-bは、男性の疾患及び生殖能力(fertility)のような、第2ユーザ302に関連する生理学的情報を取得してもよい。
【0128】
いくつかの実装では、システム300は、第2ユーザ302に関連情報を知らせるGUIを提供し得る。例えば第1ユーザと第2ユーザ302は、1つ以上のユーザデバイス310を介して、例えばサーバデバイス、モバイルデバイス又は他のデバイスを介して、互いに彼らの情報を共有することがある。いくつかの実装では、第2ユーザ302は、ユーザのアカウント(例えばユーザ名、ログイン情報等)及び/又は関連データのうちの1つ以上を互いに(例えば第1ユーザと)共有することがある。ユーザ間で情報を共有することにより、システム300は、第2ユーザ302が妊孕性に関連する健康上の決定を行うのを支援し得る。いくつかの実装では、ユーザは、特定の情報を共有するように(例えばGUIにおいて)促されてもよい。例えばユーザは、GUIを使用して、彼女の妊孕性情報を第2ユーザ302と共有することを選択してよい。このような場合、ユーザ及び第2ユーザ302は、彼らのそれぞれのユーザデバイス310上で通知を受信し得る。他の例では、第2ユーザ302は、通知又は他の共有の取り決めを介して、自身の情報(例えば疾患、生殖能力データ等)をユーザに利用可能にし得る。このような場合、第2ユーザ302は、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せの例であり得る。
【0129】
図4は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測の検出をサポートするタイミング
図400の例を示す。タイミング
図400は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング
図400は、
図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0130】
本明細書に更に詳細に説明されるように、システムは、体温値、HRV値、呼吸数値、心拍数値又はこれらの組合せに基づいて、ユーザの妊孕性予測を決定するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通したユーザの身体体温パターン、HRVパターン、呼吸数パターン、心拍数パターン又はこれらの組合せが、妊孕性を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば昼間及び夜間の皮膚温度、HRV、呼吸数、心拍数値又はこれらの組合せは、ユーザの妊孕性予測を決定し得る。
【0131】
場合によっては、システムは、ユーザの体温、心拍数、HRV及び呼吸数の月経周期変動を、ユーザの生殖寿命にわたって追跡し得る。ユーザの体温、心拍数、HRV及び呼吸数の月経周期変動は、女性の性及び生殖発育における役割を果たすホルモン群を示すエストロゲンマーカの例であり得る。これらのエストロゲンマーカの変動の著しい減少があるとき、ユーザに警告してよく、そのような減少は、妊孕性の低下及び閉経の接近を示すことがある。このような場合では、エストロゲンレベルは、心臓及び呼吸器の特徴の変化に関連付けられることがある。場合によっては、変動における減少は、早ければ31歳で識別されることがあるが、閉経は、典型的には、50歳前後で始まり、ユーザが妊娠を計画し、不妊治療さえも計画するための十分な時間を残す。
【0132】
このように、タイミング
図400-aは、ユーザの体温データと時間(例えば月経周期にわたる)との間の関係を図示している。この点に関して、タイミング
図400-aに示される実曲線は、「体温値405」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値405は、ベースライン体温に対して相対的であってもよい。月経周期ビンは、ユーザの月経周期の日を表してよい。場合によっては、体温値405は、18歳から47歳までのユーザの代表温度データを表してもよい。場合によっては、閉経が近づくにつれて、年齢とともに体温変動が減少しないことがある。
【0133】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも体温データを含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値405の時系列を決定し得る。タイミング
図400-aを参照すると、複数日は、28日の例であってよい。例えばタイミング
図400-aは、月経周期を通した体温値405の例であってよい。
【0134】
システムは、元の時系列体温データ(例えば体温値405)を処理して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。体温値405は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0135】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対体温を何日も観察することによって、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した体温データ(例えば体温値405)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの閾値体温を満たすことを決定し得る。そのような場合、システムは、受信した体温データがユーザの閾値温度を満たすと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、ユーザの体温が月経周期の10日後(例えば月経周期の10日目頃)に上昇し始め、月経周期の22日後(例えば月経周期の22日目頃)に低下し始めることを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後に体温値405を識別し、ユーザの閾値体温を識別し得る。
【0136】
システムは、体温値405の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数の体温値405の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。システムは、時系列の1つ以上の傾きを識別することに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。1つ以上の傾きは、正の傾き、負の傾き又はその両方を含み得る。
【0137】
場合によって、システムは、リングを介して収集されたユーザの体温値405の時系列を決定した後に、ユーザの体温の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数の体温値405の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、傾きを決定してもよい。他の例では、複数の体温値405の時系列の1つ以上の傾きを識別することは、元の時系列体温データ(例えば体温値405)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0138】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠、妊孕性等を追跡するように構成されてもよい。場合によっては、1日を通してのユーザの体温パターンが、妊孕性を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば日中の皮膚温度が、ユーザ妊孕性予測を決定することがある。このように、タイミング
図400-aは、ユーザの体温データと時間(例えば複数日にわたる)との間の関係を示す。
【0139】
タイミング
図400-bは、ユーザの呼吸数データと時間(例えば月経周期にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-bに示される実曲線は、「呼吸数値410」を指すと理解されてよい。ユーザの呼吸数値410は、ベースライン呼吸数に対して相対的であってもよい。月経周期ビンは、ユーザの月経周期の日を表してよい。場合によっては、呼吸数値410は、18歳から47歳までのユーザの代表的な呼吸数データであってよい。
【0140】
場合によっては、閉経が近づくにつれて、年齢とともに呼吸数の変動が減少することがある。例えば18歳から38歳までのユーザの呼吸数値410は、38歳から47歳までのユーザの呼吸数値410よりも低いことがある。システムは、ユーザの年齢、ユーザの呼吸数値410又はその両方に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。
【0141】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し得る。生理学的データは、少なくとも呼吸数データを含んでよい。システムは、受信した呼吸数データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の呼吸数値410の時系列を決定し得る。タイミング
図400-bを参照すると、複数日は、28日の例であってもよい。例えばタイミング
図400-bは、月経周期を通した呼吸数値410を含み得る。
【0142】
システムは、元の時系列呼吸数データ(例えば呼吸数値410)を処理して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。呼吸数値410は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば呼吸数データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0143】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対呼吸数を何日も観察することによって、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した呼吸数データ(例えば呼吸数値410)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定し得る。そのような場合、システムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を満たすと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、ユーザの呼吸数が月経周期の10日後(例えば月経周期の10日目頃)に上昇し始め、月経周期の25日後(例えば月経周期の25日目頃)に低下し始めることを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後に呼吸数値410を識別し、ユーザの閾値呼吸数を識別し得る。
【0144】
いくつかの例では、システムは、受信した呼吸数データ(例えば呼吸数値410)が、複数日の少なくとも一部の間、ユーザの閾値呼吸数を超える(例えば閾値呼吸数より大きい)ことを決定し得る。このような場合、システムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を超えると決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を超えると決定したことに基づいて、ユーザが妊孕性が低下しているか又は妊孕性の低下を経験していると判断し得る。このような場合、38~47歳のユーザは、18~37歳のユーザと比較して呼吸数の増加を経験し得る。呼吸数の変動は、閉経が近づくにつれて、年齢の増加とともに単調に減少する可能性がある。例えばエストロゲンの変動はユーザが閉経に近づくにつれて減少する可能性があり、エストロゲンレベルは心臓及び呼吸器の特徴の変化に関連付けられる可能性がある。このような場合、エストロゲン(及び他の)マーカの変動の減少は,妊孕性の低下及び閉経への接近を示す可能性がある。
【0145】
場合によっては、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、ユーザ妊孕性予測を決定してもよい。そのような場合、ユーザ妊孕性予測を識別することは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せ(例えば体温データ、心拍数データ、呼吸数データ、HRVデータ)に基づいてよい。例えばユーザの体温データと組み合わせたユーザの呼吸数データは、ユーザの妊孕性を特徴付けることができるインジケータであり得る。いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、妊孕性予測を反証してもよい。システムが、受信した体温データはユーザの閾値体温よりも高いが、受信した呼吸数データは依然としてユーザの閾値呼吸数と一致すると判断する場合、システムは、決定されたユーザ妊孕性予測が無効であるか、あるいは体温と呼吸数の両方がそれらの閾値から逸脱する場合よりも少なくとも精度が低いと判断してよい。
【0146】
場合によっては、システムは、受信した呼吸数データ(例えば呼吸数値410)が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの閾値呼吸数よりも少ないことを決定し得る。このような場合、システムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数よりも少ないと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数よりも少ないと決定したことに基づいて、ユーザがより妊娠可能であるか、又は妊孕性の向上を経験していると決定し得る。このような場合、18~37歳のユーザは、38~47歳のユーザと比較して呼吸数の減少を経験し得る。
【0147】
いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、ユーザ妊孕性予測を承認又は検証し得る。場合によっては、ユーザの呼吸数データは、ユーザの体温データに照らして、ユーザの妊孕性を確認する(例えばユーザの妊孕性の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステムが、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を超えており、かつ受信した体温データがユーザの閾値体温を超えると判断する場合、システムは、呼吸数データ又は体温データのうちの一方が閾値を超える場合よりも高い精度及び精密さで、ユーザ妊孕性予測を検証又は決定し得る。
【0148】
システムは、呼吸数値410の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数の呼吸数値410の時系列の1つ以上の傾きを識別してよい。システムは、時系列の1つ以上の傾きを識別することに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。1つ以上の傾きは、正の傾き、負の傾き又はその両方を含んでよい。
【0149】
場合によっては、システムは、リングを介して収集されたユーザの呼吸数値410の時系列を決定した後に、ユーザの呼吸数の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数の呼吸数値410の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、傾きを決定し得る。他の例では、複数の呼吸数値410の時系列の1つ以上の傾きを識別することは、元の時系列呼吸数データ(例えば呼吸数値410)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0150】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠、妊孕性等を追跡するように構成されてもよい。場合によっては、日中及び/又は夜間を通してのユーザの呼吸数パターンが、妊孕性を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば日中及び/又は夜間の間の呼吸数が、ユーザ妊孕性予測を決定することがある。このように、タイミング
図400-aは、ユーザの呼吸数データと時間(例えば複数日にわたる)との間の関係を示す。
【0151】
タイミング
図400-cは、ユーザの心拍数データと時間(例えば月経周期にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-cに示される実曲線は、「心拍数値415」を指すと理解されてよい。ユーザの心拍数値415は、ベースライン心拍数に対して相対的であってもよい。月経周期ビンは、ユーザの月経周期の日を表してよい。場合によっては、心拍数値415は、18歳から47歳までのユーザの代表的な心拍数データであってよい。
【0152】
場合によっては、閉経が近づくにつれて、年齢とともに心拍数の変動が減少することがある。例えば18歳から38歳までのユーザの心拍数値415は、38歳から47歳までのユーザの心拍数値415よりも低いことがある。システムは、ユーザの年齢、ユーザの心拍数値415又はその両方に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。
【0153】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し得る。生理学的データは、少なくとも心拍数データを含んでよい。システムは、受信した心拍数データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の心拍数値415の時系列を決定し得る。タイミング
図400-cを参照すると、複数日は、28日の例であってもよい。例えばタイミング
図400-cは、月経周期を通した心拍数値415を含み得る。
【0154】
システムは、元の時系列心拍数データ(例えば心拍数値415)を処理して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。心拍数値415は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば心拍数データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0155】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対心拍数を何日も観察することによって、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した心拍数データ(例えば心拍数値415)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの閾値心拍数を満たすことを決定し得る。そのような場合、システムは、受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数を満たすと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、ユーザの心拍数が月経周期の4日後(例えば月経周期の4日目頃)に上昇し始め、月経周期の22日後(例えば月経周期の22日目頃)に低下し始めることを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後に心拍数値415を識別し、ユーザの閾値心拍数を識別し得る。
【0156】
いくつかの例では、システムは、受信した心拍数データ(例えば心拍数値415)が、複数日の少なくとも一部の間、ユーザの閾値心拍数を超える(例えば閾値心拍数より大きい)ことを決定し得る。このような場合、システムは、受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数を超えると決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数を超えると決定したことに基づいて、ユーザが妊孕性が低下しているか又は妊孕性の低下を経験していると判断し得る。このような場合、38~47歳のユーザは、18~37歳のユーザと比較して心拍数の増加を経験し得る。心拍数の変動は、閉経が近づくにつれて、年齢の増加とともに単調に減少する可能性がある。例えばエストロゲンの変動はユーザが閉経に近づくにつれて減少する可能性があり、エストロゲンレベルは心臓及び呼吸器の特徴の変化に関連付けられる可能性がある。このような場合、エストロゲン(及び他の)マーカの変動の減少は、妊孕性の低下及び閉経への接近を示す可能性がある。
【0157】
場合によっては、例えばユーザの心拍数データと組み合わせたユーザの呼吸数データは、ユーザの妊孕性を特徴付けることができるインジケータであり得る。いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、妊孕性予測を反証してもよい。システムが、受信した心拍数データはユーザの閾値心拍数よりも高いが、受信した呼吸数データは依然としてユーザの閾値呼吸数と一致すると判断する場合、システムは、決定されたユーザ妊孕性予測が無効であるか、あるいは心拍数と呼吸数の両方がそれらの閾値から逸脱する場合よりも少なくとも精度が低いと判断してよい。
【0158】
場合によっては、システムは、受信した心拍数データ(例えば心拍数値415)が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの閾値心拍数よりも少ないことを決定し得る。このような場合、システムは、受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数よりも少ないと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数よりも少ないと決定したことに基づいて、ユーザがより妊娠可能であるか、又は妊孕性の向上を経験していると決定し得る。このような場合、18~37歳のユーザは、38~47歳のユーザと比較して心拍数の減少を経験し得る。
【0159】
いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、ユーザ妊孕性予測を承認又は検証し得る。場合によっては、ユーザの呼吸数データは、ユーザの心拍数データに照らして、ユーザの妊孕性を確認する(例えばユーザの妊孕性の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステムが、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を超えており、かつ受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数を超えると判断する場合、システムは、呼吸数データ又は心拍数データのうちの一方が閾値を超える場合よりも高い精度及び精密さで、ユーザ妊孕性予測を検証又は決定し得る。このような場合、システムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数よりも少ないこと、及び受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数よりも少ないことに基づいて、ユーザが妊孕性力の増加を経験していると判断し得る。
【0160】
システムは、心拍数値415の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数の心拍数値415の時系列の1つ以上の傾きを識別してよい。システムは、時系列の1つ以上の傾きを識別することに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。1つ以上の傾きは、正の傾き、負の傾き又はその両方を含んでよい。
【0161】
場合によっては、システムは、リングを介して収集されたユーザの心拍数値415の時系列を決定した後に、ユーザの心拍数の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数の心拍数値415の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、傾きを決定し得る。他の例では、複数の心拍数値415の時系列の1つ以上の傾きを識別することは、元の時系列心拍数データ(例えば心拍数値415)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0162】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠、妊孕性等を追跡するように構成されてもよい。場合によっては、日中及び/又は夜間を通してのユーザの心拍数パターンが、妊孕性を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば日中及び/又は夜間の間の心拍数が、ユーザ妊孕性予測を決定することがある。このように、タイミング
図400-cは、ユーザの心拍数データと時間(例えば複数日にわたる)との間の関係を示す。
【0163】
タイミング
図400-dは、ユーザのHRVデータと時間(例えば月経周期にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-dに示される実曲線は、「HRV値420」を指すと理解されてよい。ユーザのHRV値420は、ベースラインHRVに対して相対的であってもよい。月経周期ビンは、ユーザの月経周期の日を表してよい。場合によっては、HRV値420は、18歳から47歳までのユーザの代表的なHRVデータであってよい。
【0164】
場合によっては、閉経が近づくにつれて、年齢とともに心拍数変動が減少することがある。例えば18歳から38歳までのユーザのHRV値420は、38歳から47歳までのユーザのHRV値420よりも大きいことがある。場合によっては、HRV値420-aは、18歳から31歳までのユーザのHRVデータを表してよく、HRV値420-bは、31歳から35歳までのユーザのHRVデータを表してよく、HRV値420-cは、35歳から38歳までのユーザのHRVデータを表してよい。場合によっては、HRV値420-dは、38歳から41歳までのユーザのHRVデータを表してよく、HRV値420-eは、41歳から44歳までのユーザのHRVデータを表してよく、HRV値420-fは、44歳から47歳までのユーザのHRVデータを表してよい。システムは、ユーザの年齢、ユーザのHRV値420又はその両方に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。
【0165】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し得る。生理学的データは、少なくともHRVデータを含んでよい。システムは、受信したHRVデータに基づいて、複数日にわたって取得された複数のHRV値420の時系列を決定し得る。タイミング
図400-dを参照すると、複数日は、28日の例であってもよい。例えばタイミング
図400-dは、月経周期を通したHRV値420を含み得る。
【0166】
システムは、元の時系列HRVデータ(例えばHRV値420)を処理して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。HRV値420は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えばHRVデータ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0167】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対HRVを何日も観察することによって、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信したHRVデータ(例えばHRV値420)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの閾値HRVを満たすことを決定し得る。そのような場合、システムは、受信したHRVデータがユーザの閾値HRVを満たすと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、ユーザのHRVが月経周期の4日後に低下し始め、月経周期の19日後に上昇し始めることを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後にHRV値420を識別し、ユーザの閾値HRVを識別し得る。
【0168】
いくつかの例では、システムは、受信したHRVデータ(例えばHRV値420)が、複数日の少なくとも一部の間、ユーザの閾値HRVを超える(例えば閾値HRVより大きい)ことを決定し得る。このような場合、システムは、受信したHRVデータがユーザの閾値HRVを超えると決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信したHRVデータがユーザの閾値HRVを超えると決定したことに基づいて、ユーザが妊娠可能であると判断し得る。
【0169】
システムは、受信したHRVデータ(例えばHRV値420)が、複数日の少なくとも一部の間、ユーザの閾値HRVより小さいことを決定し得る。このような場合、システムは、受信したHRVデータがユーザの閾値HRVより小さいと決定したことに応答して、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。例えばシステムは、受信したHRVデータがユーザの閾値HRVより小さいと決定したことに基づいて、ユーザが、妊孕性が低下しているか又は妊孕性の低下を経験していると判断し得る。このような場合、38~47歳のユーザは、18~37歳のユーザと比較してHRVの増加を経験し得る。HRVの変動は、閉経が近づくにつれて、年齢の増加とともに単調に減少する可能性がある。
【0170】
例えばユーザのHRVデータと組み合わせたユーザの呼吸数データは、ユーザの妊孕性を特徴付けることができるインジケータであり得る。いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、妊孕性予測を反証してもよい。システムが、HRVデータはユーザの閾値HRVより小さいが、受信した呼吸数データは依然としてユーザの閾値呼吸数と一致すると判断する場合、システムは、決定されたユーザ妊孕性予測が無効であるか、あるいはHRVと呼吸数の両方がそれらの閾値から逸脱する場合よりも少なくとも精度が低いと判断してよい。いくつかの例では、システムが、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を超えており、かつ受信したHRVデータがユーザの閾値心拍数よりも小さいと判断する場合、システムは、呼吸数データ又はHRVデータの一方が閾値から逸脱する場合よりも、より高い精度及び精密さでユーザの妊孕性予測を検証又は決定し得る。このような場合、システムは、受信した呼吸数データがユーザの閾値呼吸数よりも少ないこと、及び受信したHRVデータがユーザの閾値HRVよりも大きいことに基づいて、ユーザが妊孕性の増加を経験していると判断し得る。
【0171】
システムは、HRV値420の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数のHRV値420の時系列の1つ以上の傾きを識別してよい。システムは、時系列の1つ以上の傾きを識別することに基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し得る。1つ以上の傾きは、正の傾き、負の傾き又はその両方を含んでよい。
【0172】
場合によっては、システムは、リングを介して収集されたユーザのHRV値420の時系列を決定した後に、ユーザのHRVの最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数のHRV値420の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、傾きを決定し得る。他の例では、複数のHRV値420の時系列の1つ以上の傾きを識別することは、元の時系列HRVデータ(例えばHRV値420)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0173】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠、妊孕性等を追跡するように構成されてもよい。場合によっては、日中及び/又は夜間を通してのユーザのHRVパターンが、妊孕性を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば日中及び/又は夜間の間のHRVが、ユーザ妊孕性予測を決定することがある。このように、タイミング
図400-dは、ユーザのHRVデータと時間(例えば複数日にわたる)との間の関係を示す。
【0174】
図5は、本開示の態様による、ウェアラブルに基づく生理学的データからの妊孕性予測をサポートするタイミング
図500の例を示す。タイミング
図500は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング
図500は、
図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0175】
本明細書に更に詳細に説明されるように、システムは、複数の月経周期長パラメータを決定し、月経周期長パラメータに基づいてユーザ妊孕性予測を決定するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通したユーザの体温パターンが、月経周期長パラメータを特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば昼間及び夜間の皮膚温度は、月経周期長パラメータを決定し得る。このように、タイミング
図500は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を図示している。
【0176】
この点に関して、タイミング
図500に示される実曲線は、「体温値505」を指すと理解されてよい。タイミング
図500に示される破線の垂直線は、「排卵510」を指すと理解されてよい。タイミング
図500に示される点線の垂直線は、「月経期(periods)515」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値505は、ベースライン温度に対して相対的であってもよい。タイミング
図500は、3つの月経期515と、3つの排卵510と、3つの黄体期520と、3つの卵胞期525を有するユーザを例示してよい。このような場合、タイミング
図500は、少なくとも3つの月経周期を有するユーザを例示してよい。
【0177】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも体温データを含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得された体温値505の時系列を決定し得る。タイミング
図500を参照すると、複数日は、3ヶ月の例であってよい。システムは、元の時系列体温データ(例えば体温値505)を処理して、月経周期長パラメータを決定し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含んでもよい。例えば時系列は、排卵510と月経期515を含んでよい。場合によっては、排卵510及び月経期515は、システムによって連続的に収集された生理学的データに基づいてシステムによって決定されてもよい。場合によっては、排卵510及び月経期515は、ユーザデバイスに手動で入力(例えばタグ付け)されてもよい。
【0178】
体温値505は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、睡眠データ、心拍数、HRVデータ、呼吸数データ、睡眠データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0179】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対体温を何日も観察し、月経周期長パラメータを示す可能性があるベースラインに対する体温の低下又は上昇をマークすることによって、月経周期長パラメータを決定し得る。月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期525の長さ、平均黄体期520の長さ、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含んでよい。場合によっては、システムは、ユーザの卵胞期525又は黄体期520の長さが、そのユーザの以前の周期よりも短い又は長いときに、アラートを送信してもよい。
【0180】
平均周期長、平均卵胞期525の長さ、平均黄体期520の長さ及び月経周期長の範囲は、少なくとも1日、複数日、1週間、複数週又は1ヶ月を含む期間(例えばタイムスパン)を含んでもよい。このような場合、平均周期長、平均卵胞期525の長さ、平均黄体期520の長さ及び月経周期長の範囲の指標は各々、開始日と終了日を含んでよい。
【0181】
システムは、複数の体温値505の時系列の1つ以上の極大値(local maximum)535を識別することに基づいて、体温値505の時系列における月経周期長パラメータを決定し得る。複数の体温値505の時系列の1つ以上の極大値535は、時系列を決定したことに応答して識別され得る。例えばシステムは、該識別に基づいて、1つ以上の極大値535のうちの第1極大値535-aと1つ以上の極大値535のうちの第2極大値535-bとの間の持続時間を計算し得る。そのような場合、システムは、持続時間を計算したことに応答して、月経周期長パラメータを決定し得る。例えば第1極大値535-aと第2極大値535-bとの間の持続時間を使用して、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期525の長さ又はこれらの組合せを決定し得る。
【0182】
場合によっては、システムは、時系列を決定したことに応答して、複数の体温値505の時系列の1つ以上の正の傾き530を識別し得る。このような場合、システムは、1つ以上の正の傾きを識別したことに応答して、月経周期長パラメータを決定し得る。例えば識別された1つ以上の正の傾き530を使用して、排卵510、黄体期520の始まり、卵胞期525の終わり又はこれらの組合せを決定し得る。
【0183】
場合によっては、システムは、時系列を決定したことに応答して、複数の体温値505の時系列の1つ以上の負の傾きを識別し得る。このような場合、システムは、1つ以上の負の傾きを識別したことに応答して、月経周期長パラメータを決定し得る。例えば識別された1つ以上の負の傾きを使用して、月経期515、黄体期520の終わり、卵胞期525の始まり又はこれらの組合せを決定し得る。このような場合、時系列の1つ以上の負及び正の傾きを識別することにより、平均卵胞期525の長さ、平均黄体期520の長さ又はその両方を決定することができる。
【0184】
システムは、体温最大値及び/又は体温最小値を決定することに基づいて、複数の体温値505の時系列の1つ以上の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算するにより傾きを決定し得る。他の例では、複数の体温値505の時系列の1つ以上の傾きを識別することは、元の時系列体温データ(例えば体温値505)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0185】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠、妊孕性等を追跡するように構成され得る。場合によっては、1日を通してのユーザの体温パターンが、妊孕性を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば日中の皮膚温度は、月経周期長パラメータを決定し得る。このように、タイミング
図500は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0186】
図6は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするGUI600の一例を示す。GUI600は、システム100、システム200、システム300、タイミング
図400、タイミング
図500又は任意のそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばGUI600は、ユーザ102に対応するユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106-a、106-b、106-c)のGUI275の一例であってよい。
【0187】
いくつかの例では、GUI600は、GUI600(例えば
図2に示されるGUI275)を介してユーザに表示され得る一連のアプリケーションページ605を示してよい。システムのサーバは、ユーザデバイス(例えばモバイルデバイス)のGUI600に、ユーザが妊孕性モードを起動し、(例えばアプリケーションページ605を介して)その妊孕性を追跡したいかどうかの問い合わせを表示させてよい。そのような場合、システムは、ユーザデバイスのGUI600上で個人化された周期追跡経験を生成して、コンテキストタグ又はユーザ質問に基づいてユーザの妊孕性予測を決定し得る。
【0188】
上記の例を続けると、妊孕性予測を決定する前に、ウェアラブルアプリケーションを開くと、ユーザにアプリケーションページが提示され得る。アプリケーションページ605は、妊孕性モードを起動し、システムがユーザの妊孕性を追跡することを可能にする要求を表示し得る。このような場合、アプリケーションページ605は、妊孕性追跡アプリケーションに登録するようにユーザが招待される招待カードを表示してよい。アプリケーションページ605は、ユーザの妊孕性を追跡してよいかどうかを確かめるか、又はユーザの妊孕性を追跡しない場合にはメッセージを閉じるように、ユーザにプロンプトを表示してよい。システムは、ユーザが妊孕性の追跡にオプトインすることを選択するか又は妊孕性の追跡にオプトアウトすることを選択するかの指示を受信し得る。
【0189】
妊孕性の追跡に対して「はい」を選択すると、ユーザにはアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページ605は、妊孕性を追跡する主な理由(例えば排卵、妊娠等)を確かめるためにユーザにプロンプトを表示してもよい。このような場合、アプリケーションページ605は、妊孕性を追跡する意図を確認するようにユーザに促してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、追跡システムの意図される用途の確認を受信し得る。
【0190】
場合によっては、意図を確認すると、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページ605は、平均周期長(例えば最初の月経周期の最初の日と2番目の月経周期の最初の日との間の期間)を確かめるためにユーザにプロンプトを表示してもよい。場合によっては、アプリケーションページ605は、平均周期長が決定されない可能性のある不規則な周期をユーザが経験しているかどうかを指示するためのプロンプトをユーザに表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、平均周期長の確認を受信し得る。場合によっては、アプリケーションページ605は、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザのライフスタイルの概要、ユーザが経験した不妊治療のタイプ、ユーザが経験した流産の数又はこれらの組合せを指示するためのプロンプトをユーザに表示してもよい。
【0191】
情報を入力すると、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページ605は、最後の周期開始日(例えば最も最近の月経周期の最初の日)を確かめるためのプロンプトをユーザに表示してもよい。アプリケーションページ605は、ユーザが最終周期開始日を識別できない可能性があるかどうかを指示するためのプロンプトをユーザに表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、最終周期開始日の確認を受信し得る。
【0192】
場合によっては、最後の周期の開始日を確認すると、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページは、ユーザが使用中のホルモン避妊薬を使用しているかどうかを確かめるためのプロンプトをユーザに表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、ホルモン避妊薬が使用中であるかどうかの確認を受信し得る。ホルモン避妊薬が使用中でないことを確認すると、ユーザにはGUI600が提示されてよく、GUI600は、アプリケーションページ605を参照して更に示され、説明され得る。
【0193】
システムのサーバは、ユーザデバイス(例えばモバイルデバイス)のGUI600に、ユーザ妊孕性予測を(例えばアプリケーションページ605を介して)表示させ得る。このような場合、システムは、ユーザ妊孕性予測をユーザデバイスのGUI600上に出力し、ユーザの妊孕性スコアを示し得る。
【0194】
上記の例を続けると、ユーザ妊孕性予測を識別すると、ウェアラブルアプリケーションを開く際に、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。
図6に示されるように、アプリケーションページ605は、メッセージ620を介して、ユーザ妊孕性予測を表示し得る。このような場合、アプリケーションページ605は、ホームページ上にメッセージ620を含んでよい。ユーザの妊孕性予測が識別され得る場合、本明細書で説明されるように、サーバは、メッセージ620をユーザに送信してよく、ここで、メッセージ620は、ユーザのユーザ妊孕性予測に関連付けられる。場合によっては、サーバは、メッセージ620を、臨床医、不妊治療専門医、介護者、ユーザのパートナー又はこれらの組合せに送信してよい。このような場合、システムは、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せに関連付けられるユーザデバイス上にアプリケーションページ605を提示してよい。
【0195】
例えばユーザデバイスは、メッセージ620を受信してよく、該メッセージは、決定されたユーザ妊孕性予測が有効である時間間隔、決定されたユーザ妊孕性予測に基づく時間間隔内で妊娠する確率、決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられる教育コンテンツ、決定されたユーザ妊孕性予測を改善するための推奨等を含んでよい。例えば決定されたユーザ妊孕性予測に基づく時間間隔内に妊娠する確率は、スコア630の一例であり得る。本明細書で説明されるように、決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標は、少なくとも、体温データ、心拍数データ、HRVデータ、呼吸数データ、卵巣予備能寄与因子(ovarian reserve contributor)、月経周期長寄与因子(menstrual cycle length contributors)、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザの運動ルーチン及び/又は食事(diet)、ユーザの睡眠パターン、又はそれらの組合せを含み得る。本明細書に記載されるように、これらの生理学的指標及び行動的インジケータの多くは、直接測定されてよく、かつ/又はウェアラブルデバイスのために行われる測定から導出されてもよい。メッセージ620は、本明細書で前述したように、ユーザが、ユーザ妊孕性予測に基づいて、異なるメッセージ620を受信し得るように、構成可能/カスタマイズ可能である。
【0196】
加えて、いくつかの実装では、アプリケーションページ605は、それぞれの日についてのユーザの1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア等)を表示してよい。アプリケーションページ605は、ユーザ妊孕性予測が記録されたことを示す、「決定されたユーザ妊孕性予測カード」のような妊孕性カードを表示してもよい。場合によっては、ユーザ妊孕性予測を使用して、ユーザに関連付けられる1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア等)を更新(例えば修正)してもよい。すなわち、ユーザ妊孕性予測に関連付けられるデータを使用して、ユーザ妊孕性予測が決定された後の次の暦日についてユーザのスコアを更新してもよい。
【0197】
場合によっては、準備スコアは、ユーザ妊孕性予測に基づいて更新されてよい。例えば準備スコアは、ユーザ妊孕性予測に基づいて「要注意」をユーザに示してよい。ユーザについて準備スコアが変わる場合、システムは、症状(symptoms)が重い可能性があるユーザに対して回復モードを実装してよく、数日間の調整されたアクティビティと準備ガイダンスの恩恵を受け得る。他の例では、準備スコアは、睡眠スコア及び妊孕性予測に基づいて更新されてもよい。しかしながら、システムは、ユーザ妊孕性予測を決定してよく、準備スコア及び/又は睡眠スコアを調整してよい。
【0198】
場合によっては、ユーザデバイスのGUI600を介してユーザに表示されるメッセージ620は、妊孕性予測が全体的なスコア(例えば全体的な準備スコア、睡眠スコア、活動スコア等)及び/又は個々の寄与要因にどのように影響したかを示してよい。例えばメッセージは、「現在、身体に負担がかかっているようですが、気分が良ければ、軽度又は中強度の運動をすることは、身体が症状と戦うのに役立つ可能性があります(It looks like your body is under strain right now, but if you’re feeling ok, doing a light or medium intensity exercise can help your body battle the symptoms)」を示してもよい。
【0199】
妊孕性予測が決定された場合、メッセージ620は、ユーザの全体的な健康を改善するために、ユーザに提案を提供してもよい。例えばメッセージは、「本当に活力がないと感じているのであれば、今日は休息モードに切り替えてみませんか(“If you feel really low on energy, why not switch to rest mode for today)」又は「疲れているので、今日は休息に専念してください(Since you are feeling fatigued, devote today for rest)」を示してもよい。そのような場合、ユーザに表示されるメッセージ620は、ユーザがライフスタイルを調整するのを助けるための、的を絞った洞察を提供することができる。このような場合、ユーザ妊孕性予測を正確に決定することは、準備スコアと活動スコアの精度と効率を向上させ得る。
【0200】
ユーザがアプリケーションページ605-a上のプロンプト(例えばアラート610)を消去する場合、プロンプトは消えてもよく、ユーザは後でユーザ入力625を介して指示を入力してもよい。場合によっては、システムは、メッセージ620を介して、ユーザが妊娠しているか否かをユーザに尋ねるプロンプトを表示してよく、あるいは代替モード(例えば妊娠モード、休息モード)への切り替えや妊娠モードの非活性化を提案する。このような場合、システムは、ユーザ入力625に基づいて、ユーザに、妊孕性追跡モードから妊娠モード又は休息モードへの切り替えを推奨し得る。場合によっては、システムは、ユーザデバイスを介して、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザのライフスタイルの概要、ユーザが経験した不妊治療のタイプ、ユーザが経験した流産の数又はこれらの組合せを含む指標を受信し得る。このような場合、ユーザ妊孕性予測を決定することは、指標を受信することに基づいてよい。
【0201】
アプリケーションページ605は、グラフ表示615を介して、ユーザが経験した体温、心拍数、HRV、呼吸数等を含む、妊孕性予測の1つ以上のパラメータを示し得る。グラフ表示615は、
図5を参照して説明したタイミング
図500の例であってよい。
【0202】
場合によっては、ユーザは、ユーザ入力625を介して症状を記録してよい。例えばシステムは、月経周期のフェーズに関連付けられる症状を記録するために、ユーザ入力(例えばタグ)を受信し得る。システムは、ユーザ履歴及びユーザ妊孕性予測に基づいて、ユーザにタグを推奨し得る。場合によっては、システムは、ユーザデバイスのGUI600に、ユーザ妊孕性予測を決定したことに基づいて、症状タグを表示させてもよい。
【0203】
アプリケーションページ605-aはまた、ユーザ妊孕性予測に関連付けられる洞察や推奨等を含むメッセージ620も含み得る。システムのサーバは、ユーザデバイスのGUI600に、ユーザ妊孕性予測に関連付けられるメッセージ620を表示させ得る。ユーザデバイスは、メッセージ620を介して、ユーザ妊孕性予測に関連付けられる推奨及び/又は情報を表示し得る。本明細書で以前に述べたように、正確に決定されたユーザ妊孕性予測は、ユーザの全体的な健康に有益であり得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス及び/又はサーバは、GUI600(例えばアプリケーションページ605-a)を介してユーザに表示され得る、ユーザ妊孕性予測に関連付けられるアラート610を生成し得る。特に、GUI600を介して生成され、ユーザに表示されるメッセージ620は、ユーザ妊孕性予測の1つ以上の特性(例えばタイミング)に関連付けられ得る。
【0204】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの妊孕性予測に関する追加の洞察を提供し得る。例えばアプリケーションページ605は、ユーザの妊孕性予測をもたらした、1つ以上の生理学的パラメータ(例えば寄与要因)を示してよい。言い換えると、システムは、ユーザ妊孕性予測に関する何らかの情報又は他の洞察を提供するように構成され得る。個人化された洞察は、ユーザ妊孕性予測に関連付けられるメッセージを生成するために使用された、収集された生理学的データの側面(例えば生理学的データ内の寄与要因)を示し得る。
【0205】
いくつかの実装では、システムは、分類器をトレーニングし(例えば機械学習分類器のための教師あり学習)、ユーザ妊孕性予測技術を改善するために、ユーザ妊孕性予測に関するユーザ入力625を受信するように構成され得る。例えばユーザは、ユーザ入力625を受信してよく、これらのユーザ入力625は次いで、分類器に入力されて、分類器をトレーニングし得る。言い換えると、ユーザ入力625は、ユーザ妊孕性予測を検証又は確認するために使用され得る。
【0206】
アプリケーションページ605上でユーザ妊孕性予測を決定すると、GUI600は、ユーザがアプリケーションページ605を見ている現在の日付と、ユーザが妊娠可能である日を含む日付範囲、ユーザが不妊である日を含む日付範囲、又はそれらの組合せを示し得るカレンダービューを表示し得る。例えば日付範囲は、破線構成を使用して暦日を囲んでよく、現在の日付は暦日を囲んでよい。カレンダービューはまた、現在の暦日と、ユーザの月経周期の日(例えばユーザが月経周期の14日目にいること)の指標とを含むメッセージを含んでもよい。
【0207】
ユーザ妊孕性予測を決定すると、GUI600は、決定されたユーザの妊孕性予測に関連付けられる妊孕性スコア630が表示されるアプリケーションページ605-bを表示してよい。例えばシステムは、ユーザに、妊孕性スコア630と、どの生理学的及び行動的インジケータがその妊孕性スコア630に対する最大の寄与因子を表しているかの説明とを提供し得る。
【0208】
いくつかの実装では、アプリケーションページ605-bは、更なるウェブベースのブログへのリンクと、これらの洞察を実行可能にするためにこれらのインジケータ又はガイドラインをどのように解釈するかに関する情報とを提供し得る。いくつかの実装では、システムは、取得された生理学的データから生理学的特徴を決定し、取得されたデータに基づいて、妊孕性スコア630を介してユーザにその妊孕性の推定値を提供し得る。例えば推定値は、0から100までの妊孕性スコア630を含んでよく、ここで、0は不妊に対応し、100は非常に妊娠しやすいことに対応する。いくつかの実装では、妊孕性スコア630は、6ヶ月又は12ヶ月のような、規定された臨床的に適切な時間内に妊娠する確率を反映し得る。いくつかの実装では、年齢が決定論的予測子であることを所与として、妊孕性スコア630は、年齢調整される(又は年齢とBMI調整される)妊娠確率を反映し得る。睡眠、運動、体重、栄養、ストレス/瞑想的習慣(meditative practice)及びいくつかの環境曝露(environmental exposures)のような、いくつかの制御可能な行動要因が妊孕性スコア630に影響を及ぼすことがある。いくつかの実装では、妊孕性スコア630は加えて、ユーザが取り組んだ不妊治療の処置のタイプに適合されてよい。確率は、例えばユーザが様々な体外受精(IVF)プロトコル、子宮内授精(IUI)プロトコルを受けているかどうか、又は自宅検査による黄体形成ホルモン(LH)サージを追跡しているかどうかに応じて上昇又は低下する可能性がある。この確率は、過去の流産の回数や妊娠の試みが不成功に終わった回数にも依存する可能性がある。
【0209】
場合によっては、妊孕性スコア630は、一組の妊孕性寄与因子635の加重合計であってもよい。妊孕性寄与因子635は、卵巣予備能寄与因子及び月経周期長寄与因子の2つの主要なカテゴリを含んでよい。卵巣予備能寄与因子は、機械学習を用いて推定し、ユーザのFSHレベル、AFC、AMHレベルを予測し得る。月経周期長寄与因子は、妊孕性周期マッピングアルゴリズムを使用して、ユーザの生殖機能のライフスパンの周期フェーズ長におけるシフトを追跡し得る。システムが、ユーザがこれらの妊孕性寄与因子635のいずれかについてリスクを有する可能性があることを、アラート610を介してユーザに警告する場合、ユーザは、不妊治療クリニックにおいてこれを確認するように促されることがある。
【0210】
妊孕性寄与因子635は、卵巣予備能推定を含んでもよい。卵巣予備能の評価は、現在、IVF患者がIVF治療を進めることを選択した場合に、生児出産の可能性についてIVF患者に助言するために用いられる最先端の検査である可能性がある。卵巣予備能は、安全性リスクを最小限に抑えるために、IVFにおける卵巣刺激薬を漸増するためにも使用され得る。場合によっては、卵巣予備能の評価は、患者の現在及び将来の妊孕性の可能性を推定するために、不妊治療クリニックによって使用されることがある。システムは、アプリケーションページ605-bを介して、ユーザに卵巣予備能推定値を表示してよい。
【0211】
場合によっては、卵巣予備能寄与因子を含む卵巣予備能を評価するために、不妊治療クリニックで推定値(estimators)が使用されることがある。卵巣予備能寄与因子は、基礎FSHレベル、AFCレベル及びAMHレベルの一例であり得る。このような場合、システムは、これらの卵巣予備能寄与因子の各々を推定して、ユーザの全体的な卵巣予備能推定値を計算し得る。
【0212】
妊孕性寄与因子635は、基礎FSH推定値FSHを含んでもよい。妊娠率及び生児出産率は、FSHの増加及び加齢に伴って低下する可能性がある。いくつかのシステムでは、基礎FSHレベルは血清(すなわち、採血)を介して測定され得る。しかしながら、基礎FSH検査は、大きなサイクル間変動によって制限される可能性があり、その信頼性を弱める。システムは、ユーザの生理学的データを連続的に監視することによってFSHレベルを推定するための改善を提供することができ、したがって、サイクル間変動によって抑制されず、ユーザがクリニックからのFSH測定で典型的に見るよりもはるかに早くレベルの低下をユーザに警告することができる。
【0213】
基礎FSHレベルは、卵胞期初期に月経周期毎に1回更新され、機械学習モデルを用いて推定される。モデルへの入力は、
図4を参照して説明したように、体温、心拍数、HRV及び呼吸数を含む、過去のすべての月経周期に対するユーザの前の月経周期にわたる生理的変動を捕捉する特徴であってもよい。モデルの出力は、グラウンドトゥルースの基礎FSHレベルのデータベースでトレーニングされ得る。FSHレベルは心臓及び呼吸メトリクスに反映されることが知られているため、システムはより高い精度で基礎FSHレベルを推定することが可能である。
【0214】
妊孕性寄与因子635は、AFCレベルを含んでもよい。AFCレベルは、ユーザのIVF成功の可能性を評価する際に高い予測値を有し得る。AFCレベルはまた、卵巣刺激のための滴定レベル(titration levels)を知らせるために使用されてもよい。推定されたAFCレベルは、月経周期の開始時に月経周期毎に1回更新されてよく、機械学習モデルを使用して推定されてもよい。モデルへの入力は、
図4を参照して説明したように、体温、心拍数、HRV及び呼吸数を含む、過去のすべての月経周期に対するユーザの前の月経周期にわたる生理的変動を捕捉する特徴であってもよい。モデルの出力は、グラウンドトゥルースAFCレベルのデータベースでトレーニングされ得る。AFCレベルは心臓及び呼吸メトリクスに反映されることが知られているため、システムはより高い精度でAFCレベルを推定することが可能である。
【0215】
場合によっては、妊孕性寄与因子635は、AMHレベルを含んでよい。AMH血清レベルは、組織学的に決定された原始卵胞数と正の相関がある可能性があり、暦年齢と負の相関がある。AMHレベルは卵巣予備能を決定するために使用されてよい。例えばAMHレベルは、IVFに対する卵巣の反応不良(poor ovarian response)及び妊娠結果の予測子であり得る。AMH産生はFSHとは独立している可能性があり、したがって、これらの寄与因子の組合せが卵巣予備能を決定する可能性がある。推定されたAMHレベルは、周期の開始時に月経周期毎に1回更新されてよく、機械学習モデルを使用して推定されることになる。モデルへの入力は、
図4を参照して説明したように、体温、心拍数、HRV及び呼吸数を含む、過去のすべての月経周期に対するユーザの前の月経周期にわたる生理的変動を捕捉する特徴であってよい。モデルの出力は、グラウンドトゥルースAMHレベルのデータベースでトレーニングされてよい。AMHレベルは心臓及び呼吸メトリクスに反映されることが知られているため、このシステムはより高い精度でAMHレベルを推定することが可能である。
【0216】
妊孕性寄与因子635は、卵胞長を含んでもよい。場合によっては、低下した卵巣予備能(DOR、diminished ovarian reserve)は、より短い卵胞期に関連付けられてよく、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS、polycystic ovarian syndrome)は、より長い卵胞期に関連付けられてよい。システムは、
図5を参照して説明したように、卵胞期長を推定してもよい。
【0217】
いくつかの例では、妊孕性寄与因子635は、黄体長を含んでもよい。場合によっては、黄体期の長さが減少すると、システムは、身体が十分なプロゲステロンを産生していないことを予測する可能性があり、これは、ユーザが妊娠し、妊娠を維持する能力の予測子である。このような場合、低いプロゲステロンレベルは、より高い流産の可能性に関連付けられる可能性がある。システムは、
図5を参照して説明したように、黄体期の長さを推定してもよい。
【0218】
妊孕性寄与因子635は、周期規則性を含んでもよい。周期規則性は、不妊症及び閉経の発症を予測する要因である可能性がある。システムは、
図5を参照して説明したように、月経周期長を推定してよい。場合によっては、システムは、ユーザの平均周期長、周期変動性又はその両方を推定し、ユーザのサイクルが異常に短い又は長いかどうか、大きく変動するサイクルのフラグ又はそれらの組合せをアラート610を介してユーザに警告し得る。
【0219】
場合によっては、システムは、妊孕性寄与因子635、妊孕性スコア630又はその両方が、ユーザ情報(例えば年齢、体重、ライフスタイル、不妊治療等)に基づいて推奨される範囲内にあるかどうかを示してよい。例えばシステムは、妊孕性寄与因子635、妊孕性スコア630又はその両方が「要注意」、「良好」又は「最適」であるかどうかを表示し得る。
【0220】
図7は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするデバイス705のブロック
図700を示す。デバイス705は、入力モジュール710、出力モジュール715及びウェアラブルアプリケーション720を含んでよい。デバイス705はまた、プロセッサも含んでもよい。これらの構成要素の各々は、(例えば1つ以上のバスを介して)互いに通信し得る。
【0221】
入力モジュール710は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を受信するための手段を提供し得る。情報は、デバイス705の他の構成要素に渡されてもよい。入力モジュール710は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0222】
出力モジュール715は、デバイス705の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供し得る。例えば出力モジュール715は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を送信してよい。いくつかの例では、出力モジュール715は、トランシーバモジュール内の入力モジュール710と同じ場所に配置されてもよい。出力モジュール715は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0223】
例えばウェアラブルアプリケーション720は、データ取得構成要素725、体温データ構成要素730、周期長構成要素735、妊孕性予測構成要素740、ユーザインタフェース構成要素745又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション720又はその様々な構成要素は、入力モジュール710、出力モジュール715又はその両方を使用して又は他の方法でこれらと協力して、様々な動作(例えば受信、モニタ、送信)を実行するように構成されてもよい。例えばウェアラブルアプリケーション720は、入力モジュール710から情報を受信し、出力モジュール715に情報を送信し、あるいは入力モジュール710、出力モジュール715又はその両方と組み合わせて統合されて、情報を受信し、情報を送信し、又は本明細書で説明されるような様々な他の動作を実行してもよい。
【0224】
データ取得構成要素725は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。体温データ構成要素730は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。周期長構成要素735は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。妊孕性予測構成要素740は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ユーザインタフェース構成要素745は、決定されたユーザ妊孕性予測を示す、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するためのメッセージを生成するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0225】
図8は、本開示の態様による、ウェアラブルに基づく生理学的データからの妊孕性予測をサポートするウェアラブルアプリケーション820のブロック
図800を示す。ウェアラブルアプリケーション820は、本明細書に記載されるように、ウェアラブルアプリケーション又はウェアラブルアプリケーション720、あるいはその両方の態様の実施例であってもよい。ウェアラブルアプリケーション820又はその様々な構成要素は、本明細書に記載されるようなウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測の様々な態様を実行するための手段の例であり得る。例えばウェアラブルアプリケーション820は、データ取得構成要素825、体温データ構成要素830、周期長構成要素835、妊孕性予測構成要素840、ユーザインタフェース構成要素845又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。これらの構成要素の各々は、直接的又は間接的に、(例えば1つ以上のバスを介して)互いに通信し得る。
【0226】
データ取得構成要素825は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。体温データ構成要素830は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。周期長構成要素835は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。妊孕性予測構成要素840は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ユーザインタフェース構成要素845は、決定されたユーザ妊孕性予測を示す、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するためのメッセージを生成するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0227】
いくつかの例では、体温データ構成要素830は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の1つ以上の極大値を識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。いくつかの例では、体温データ構成要素830は、上記識別に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の極大値のうちの第1極大値と1つ以上の極大値のうちの第2極大値との間の持続時間を計算するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、複数の月経周期長パラメータを決定することは、持続時間を計算することに少なくとも部分的に基づく。
【0228】
いくつかの例では、体温データ構成要素830は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の1つ以上の正の傾きを識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、複数の月経周期長パラメータを決定することは、1つ以上の正の傾きを識別することに少なくとも部分的に基づく。
【0229】
いくつかの例では、生理学的データは、心拍数データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した心拍数データがユーザの閾値心拍数を満たすことを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、受信した心拍数データが、ユーザの閾値心拍数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0230】
いくつかの例では、生理学的データは、心拍数変動データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した心拍数変動データがユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、受信した心拍数変動データが、ユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0231】
いくつかの例では、生理学的データは、呼吸数データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、受信した呼吸数データが、ユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0232】
いくつかの例では、生理学的データは、睡眠データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した睡眠データから検出された睡眠障害の量が、ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすことを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、検出された睡眠障害の量が、ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0233】
いくつかの例では、複数の月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0234】
いくつかの例では、体温データ構成要素830は、体温データを受信したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の各体温値を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、体温データは、連続的な日中体温データを含む。
【0235】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、ユーザデバイスを介して、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザのライフスタイルの概要、ユーザが経験した不妊治療のタイプ、ユーザが経験した流産の数又はそれらの組合せを含む指標を受信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、指標を受信することに少なくとも部分的に基づく。
【0236】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを、ユーザデバイスに送信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザデバイスは、臨床医、ユーザ、不妊治療専門医又はそれらの組合せに関連付けられる。
【0237】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるメッセージを表示させるための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0238】
いくつかの例では、メッセージは、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるスコア、決定されたユーザ妊孕性予測が有効である時間間隔、決定されたユーザ妊孕性予測に基づく時間間隔内に妊娠する確率、決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられる教育コンテンツ、決定されたユーザ妊孕性予測を改善するための推奨又はこれらの組合せを更に含む。
【0239】
いくつかの例では、妊孕性予測構成要素840は、機械学習分類器に生理学的データを入力するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、機械学習分類器に生理学的データを入力することに少なくとも部分的に基づく。
【0240】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0241】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、ユーザから生理学的データを収集する。
【0242】
図9は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートするデバイス905を含むシステム900の図を示す。デバイス905は、本明細書で説明されるようなデバイス705の構成要素の一例であってもよく、あるいはその構成要素を含んでもよい。デバイス905は、本明細書で前述したようなユーザデバイス106の例を含んでよい。デバイス905は、ウェアラブルアプリケーション920、通信モジュール910、アンテナ915、ユーザインタフェース構成要素925、データベース(アプリケーションデータ)930、メモリ935及びプロセッサ940のような、ウェアラブルデバイス104及びサーバ110との通信を送受信するための構成要素を含む、双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、電子的に通信しているか、又は他の方法で1つ以上のバス(例えばバス945)を介して(例えば動作的に、通信的に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されていてもよい。
【0243】
通信モジュール910は、アンテナ915を介して、デバイス905のための入力信号及び出力信号を管理し得る。通信モジュール910は、
図2に示して説明したユーザデバイス106の通信モジュール220-bの一例を含んでよい。この点に関して、通信モジュール910は、
図2に図示されるように、リング104及びサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール910は、デバイス905に統合されていない周辺機器も管理し得る。場合によっては、通信モジュール910は、外部周辺機器への物理的な接続又はポートを表してよい。場合によっては、通信モジュール910は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)又は別の既知のオペレーティングシステムのようなオペレーティングシステムを利用してよい。他の場合には、通信モジュール910は、ウェアラブルデバイス(例えばリング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン又は類似のデバイスを表すか又はそれらと対話してよい。場合によっては、通信モジュール910は、プロセッサ940の一部として実装されてもよい。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール910、ユーザインタフェース構成要素925を介して、あるいは通信モジュール910によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス905と対話してよい。
【0244】
場合によっては、デバイス905は、単一のアンテナ915を含んでよい。しかしながら、他のいくつかの場合では、デバイス905は、2つ以上のアンテナ915を有してもよく、これらは、複数の無線伝送を同時に送信又は受信することができる。通信モジュール910は、1つ以上のアンテナ915を介して、本明細書で説明されるように、有線リンク又は無線リンクを介して、双方向に通信してよい。例えば通信モジュール910は、無線トランシーバを表してよく、別の無線トランシーバと双方向に通信してよい。通信モジュール910はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを伝送のために1つ以上のアンテナ915に提供し、1つ以上のアンテナ915から受信されたパケットを復調するためのモデムも含んでよい。
【0245】
ユーザインタフェース構成要素925は、データベース930内のデータ記憶及び処理を管理し得る。場合によっては、ユーザは、ユーザインタフェース構成要素925と対話してもよい。他の場合には、ユーザインタフェース構成要素925は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース930は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク又は緊急バックアップデータベースの例であってよい。
【0246】
メモリ935は、RAM及びROMを含んでもよい。メモリ935は、実行されると、プロセッサ940に本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含む、コンピュータ読取可能でコンピュータ実行可能なソフトウェアを記憶し得る。場合によっては、メモリ935は、他の中でも特に、周辺の構成要素又はデバイスとの対話のような基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御し得る、BIOSを含んでよい。
【0247】
プロセッサ940は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理構成要素、離散ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組合せ)を含んでもよい。場合によっては、プロセッサ940は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成されてもよい。他の場合には、メモリコントローラはプロセッサ940に組み込まれてもよい。プロセッサ940は、メモリ935に記憶されたコンピュータ読取可能命令を実行して、様々な機能(例えば睡眠段階アルゴリズムのための方法及びシステムをサポートする機能又はタスク)を実行するように構成されてもよい。
【0248】
例えばウェアラブルアプリケーション920は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。ウェアラブルアプリケーション920は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてよく、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。ウェアラブルアプリケーション920は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション920は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション920は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェース上に表示するために、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてもよい。
【0249】
本明細書で説明される実施例に従ってウェアラブルアプリケーション920を含めるか又は構成することによって、デバイス905は、改善された通信信頼性、低減されたレイテンシ、低減された処理に関連する改善されたユーザ体験、低減された電力消費、通信リソースのより効率的な利用、デバイス間の改善された協調、より長いバッテリ寿命及び処理能力の改善された利用のための技術をサポートし得る。
【0250】
ウェアラブルアプリケーション920は、アプリケーション(例えば「app」)、プログラム、ソフトウェア又は他の構成要素を含んでよく、これらは、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106等との通信を容易にするように構成される。例えばウェアラブルアプリケーション920は、リング104からデータ(例えば生理学的データ)を受信し、受信したデータに対して処理動作を実行し、サーバ110とデータを送受信し、ユーザ102にデータを提示させるように構成される、ユーザデバイス106上で実行可能なアプリケーションを含んでよい。
【0251】
図10は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする方法1000を示すフローチャートである。方法1000の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1000の動作は、
図1から
図9を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0252】
1005において、本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1005の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1005の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、データ取得構成要素825によって実行されてよい。
【0253】
1010において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよく、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。1010の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1010の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、体温データ構成要素830によって実行されてよい。
【0254】
1015において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するステップを含んでよい。1015の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1015の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、周期長構成要素835によって実行されてよい。
【0255】
1020において、本方法は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するステップを含んでよい。1020の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1020の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、妊孕性予測構成要素840によって実行されてよい。
【0256】
1025において、本方法は、決定されたユーザ妊孕性予測を示す、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するためのメッセージを生成するステップを含んでよい。1025の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1025の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0257】
図11は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする方法1100を示すフローチャートである。方法1100の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1100の動作は、
図1から
図9を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0258】
1105において、本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1105の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1105の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、データ取得構成要素825によって実行されてよい。
【0259】
1110において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよく、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。1110の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1110の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、体温データ構成要素830によって実行されてよい。
【0260】
1115において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するステップを含んでよい。1115の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1115の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、周期長構成要素835によって実行されてよい。
【0261】
1120において、本方法は、ユーザデバイスを介して、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザのライフスタイルの概要、ユーザが経験した不妊治療のタイプ、ユーザが経験した流産の数又はこれらの組合せを含む指標を受信するステップを含んでよく、ここで、ユーザ妊孕性予測を決定することは、指標を受信することに少なくとも部分的に基づく。1120の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1120の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0262】
1125において、本方法は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するステップを含んでよい。1125の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1125の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、妊孕性予測構成要素840によって実行されてよい。
【0263】
1130において、本方法は、決定されたユーザ妊孕性予測を示す、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するためのメッセージを生成するステップを含んでよい。1130の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1130の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0264】
図12は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊孕性予測をサポートする方法1200を示すフローチャートである。方法1200の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1200の動作は、
図1から
図9を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0265】
1205において、本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1205の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1205の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、データ取得構成要素825によって実行されてよい。
【0266】
1210において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよく、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。1210の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1210の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、体温データ構成要素830によって実行されてよい。
【0267】
1215において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するステップを含んでよい。1215の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1215の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、周期長構成要素835によって実行されてよい。
【0268】
1220において、本方法は、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するステップを含んでよい。1220の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1220の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、妊孕性予測構成要素840によって実行されてよい。
【0269】
1225において、本方法は、決定されたユーザ妊孕性予測を示す、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するためのメッセージを生成するステップを含んでよい。1225の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1225の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0270】
1230において、本方法は、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージをユーザデバイスに送信するステップを含んでよく、ここで、ユーザデバイスは、臨床医、ユーザ、不妊治療専門医又はそれらの組合せに関連付けられる。1230の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1230の動作の態様は、
図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてもよい。
【0271】
上述の方法は、可能な実装を記述しており、動作及びステップは、再配置されるか又は他の方法で修正されてよく、他の実装も可能であることに留意されたい。さらに、上記の方法の2つ以上からの態様を組み合わせてもよい。
【0272】
方法を説明する。本方法は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、生理学的データは、少なくとも体温データを含む、ステップと、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップであって、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む、ステップと、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するステップと、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するステップと、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成するステップと、を含み得る。
【0273】
装置を説明する。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令を含み得る。命令は、プロセッサによって実行可能であり、本装置に、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取らせ、生理学的データは、少なくとも体温データを含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定させ、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定させ、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定させ、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成させ得る。
【0274】
別の装置を説明する。本装置は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るための手段であって、生理学的データは、少なくとも体温データを含む手段と、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段であって、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む手段と、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するための手段と、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するための手段と、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成するための手段とを含み得る。
【0275】
非一時的コンピュータ読取可能媒体を説明する。コードは、プロセッサによって実行可能な命令であって、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取り、生理学的データは、少なくとも体温データを含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定し、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定し、複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定し、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成するための命令を含み得る。
【0276】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の1つ以上の極大値を識別し、識別することに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の極大値のうちの第1極大値と1つ以上の極大値のうちの第2極大値との間の持続時間を計算するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、複数の月経周期長パラメータを決定することは、持続時間を計算することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0277】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の1つ以上の正の傾きを識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、1つ以上の正の傾きを識別することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0278】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは心拍数データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データがユーザの閾値心拍数を満たすことを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザ妊孕性予測を決定することは、受け取った心拍数データがユーザの閾値心拍数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0279】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは心拍数変動データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データがユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザ妊孕性予測を決定することは、受け取った心拍数変動データがユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0280】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは呼吸数データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザ妊孕性予測を決定することは、受け取った呼吸数データがユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0281】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは睡眠データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、受け取った睡眠データから検出された睡眠障害の量がユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすことを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザ妊孕性予測を決定することは、検出された睡眠障害の量がユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすとことを決定したことに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0282】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、複数の月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0283】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の各体温値を決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、体温データは、連続的な日中体温データを含む。
【0284】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスを介して、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザのライフスタイルの概要、ユーザが経験した不妊治療のタイプ、ユーザが経験した流産の数又はこれらの組合せを含む指標を受け取るための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザ妊孕性予測を決定することは、指標を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0285】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージをユーザデバイスに送信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザデバイスは、臨床医、ユーザ、不妊治療専門医又はこれらの組合せに関連付けられてよい。
【0286】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるメッセージを表示させるための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0287】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、メッセージは、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるスコア、決定されたユーザ妊孕性予測が有効である時間間隔、決定されたユーザ妊孕性予測に基づいて時間間隔内に妊娠する確率、決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標、決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられる教育コンテンツ、決定されたユーザ妊孕性予測を改善するための推奨又はこれらの組合せを更に含んでよい。
【0288】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、生理学的データを機械学習分類器に入力するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、ユーザ妊孕性予測を決定することは、生理学的データを機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0289】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0290】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、ユーザから生理学的データを収集する。
【0291】
以下は、本開示の態様の概要を提供する:
【0292】
態様1:ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含むステップと;受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップであって、前記時系列は、前記ユーザの複数の月経周期を含む、ステップと;前記受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の月経周期に関連付けられる複数の月経周期長パラメータを決定するステップと;前記複数の月経周期長パラメータを決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ妊孕性予測を決定するステップと;ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記決定されたユーザ妊孕性予測を示すメッセージを生成するステップと;を含む、方法。
【0293】
態様2:前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の1つ以上の極大値を識別するステップと;前記識別することに少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の極大値のうちの第1極大値と前記1つ以上の極大値のうちの第2極大値との間の持続時間を計算するステップと;を更に含み、前記複数の月経周期長パラメータを決定するステップは、前記持続時間を計算することに少なくとも部分的に基づく、態様1に記載の方法。
【0294】
態様3:前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の1つ以上の正の傾きを識別するステップを更に含み、前記複数の月経周期長パラメータを決定するステップは、前記1つ以上の正の傾きを識別することに少なくとも部分的に基づく、態様1又は2のいずれかに記載の方法。
【0295】
態様4:前記生理学的データは心拍数データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが前記ユーザの閾値心拍数を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記受け取った心拍数データが前記ユーザの閾値心拍数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0296】
態様5:前記生理学的データは心拍数変動データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが前記ユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記受け取った心拍数変動データが前記ユーザの閾値心拍数変動を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至4のいずれかに記載の方法。
【0297】
態様6:前記生理学的データは呼吸数データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、前記呼吸数データが前記ユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、受け取った呼吸数データが前記ユーザの閾値呼吸数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至5のいずれかに記載の方法。
【0298】
態様7:前記生理学的データは睡眠データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った睡眠データから検出された睡眠障害の量が前記ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすことを決定するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記検出された睡眠障害の量が前記ユーザのベースライン睡眠障害閾値を満たすとことを決定したことに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至6のいずれかに記載の方法。
【0299】
態様8:前記複数の月経周期長パラメータは、平均月経周期長、標準偏差月経周期長、平均卵胞期長、平均黄体期長、月経周期長の範囲、無排卵周期の量又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、態様1乃至7のいずれかに記載の方法。
【0300】
態様9:前記体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の各体温値を決定するステップを更に含み、前記体温データは、連続的な日中体温データを含む、態様1乃至8のいずれかに記載の方法。
【0301】
態様10:前記ユーザデバイスを介して、前記ユーザの年齢、前記ユーザの体重、前記ユーザのライフスタイルの概要、前記ユーザが経験した不妊治療のタイプ、前記ユーザが経験した流産の数又はこれらの組合せを含む指標を受け取るステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記指標を受け取ることに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至9のいずれかに記載の方法。
【0302】
態様11:前記決定されたユーザ妊孕性予測を示す前記メッセージを前記ユーザデバイスに送信するステップを更に含み、前記ユーザデバイスは、臨床医、前記ユーザ、不妊治療専門医又はこれらの組合せに関連付けられる、態様1乃至10のいずれかに記載の方法。
【0303】
態様12:前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるメッセージを表示させるステップを更に含む、態様1乃至11のいずれかに記載の方法。
【0304】
態様13:前記メッセージは、前記決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられるスコア、前記決定されたユーザ妊孕性予測が有効である時間間隔、前記決定されたユーザ妊孕性予測に基づいて前記時間間隔内に妊娠する確率、前記決定されたユーザ妊孕性予測に寄与する生理学的及び行動的インジケータの指標、前記決定されたユーザ妊孕性予測に関連付けられる教育コンテンツ、前記決定されたユーザ妊孕性予測を改善するための推奨又はこれらの組合せを更に含む、態様12に記載の方法。
【0305】
態様14:前記生理学的データを機械学習分類器に入力するステップを更に含み、前記ユーザ妊孕性予測を決定するステップは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至13のいずれかに記載の方法。
【0306】
態様15:前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、態様1乃至14のいずれかに記載の方法。
【0307】
態様16:前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、前記ユーザから前記生理学的データを収集する、態様1乃至15のいずれかに記載の方法。
【0308】
態様17:装置であって:プロセッサと;前記プロセッサに結合されたメモリと;前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能であり、当該装置に、態様1乃至16のいずれかに記載の方法を実行させる命令と;を備える、装置。
【0309】
態様18:態様1乃至16のいずれかに記載の方法を実行するための少なくとも1つの手段を備える装置。
【0310】
態様19:コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コードは、態様1乃至16のいずれかに記載の方法を実行するためにプロセッサによって実行可能な命令を備える、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【0311】
添付図面に関連して、本明細書で説明される説明は、例示的な構成を記載しており、実装され得るか又は特許請求の範囲内にあるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、例示又は説明として機能する」ことを意味し、「好ましい」又は「他の例より有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載される技術の理解を提供する目的のための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよい。いくつかの例では、記載される例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0312】
添付の図面では、類似の構成要素又は特徴は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、ハイフンによって参照ラベルの後に続き、類似の構成要素を区別する第2ラベルによって区別されることがある。明細書において第1参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2参照ラベルに関係なく、同じ第1参照ラベルを有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0313】
本明細書で説明される情報及び信号は、様々な異なるテクノロジ及び技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば上記の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されてもよい。
【0314】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示のブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0315】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組合せで実装されてよい。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ読取可能媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されるか又は伝送され得る。他の例及び実装は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内である。例えばソフトウェアの性質により、上述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング又はこれらの任意の組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実装することができる。機能を実装する特徴はまた、機能の一部が異なる物理的位置で実装されるように分散されることを含め、物理的に様々な位置に配置されてもよい。また、特許請求の範囲を含め、本明細書中で使用されるとき、項目のリスト(例えば「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」のような句が前にある項目のリスト)で使用される「又は(or)」は、例えばA、B、又はCのうちの少なくとも1つのリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、AとBとC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、条件のクローズなセットを指すように解釈されないものとする。例えば「条件Aに基づいて」として記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づいてもよい。言い換えると、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、「少なくとも部分的に基づいて」という句と同じ方法で解釈されるものとする。
【0316】
コンピュータ読取可能媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を搬送又は記憶するために使用することができ、かつ汎用若しくは専用コンピュータ又は汎用若しくは専用プロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の非一時的媒体を含むことができる。また、任意の接続は、適切には、コンピュータ読取可能媒体と呼ばれる。例えばソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ又は他のリモートソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術は媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるときディスク(disk又はdisc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイ(登録商標)ディスクを含むが、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)はレーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれる。
【0317】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書に定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される実施例及び設計に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【国際調査報告】