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特表2024-514496ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240326BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20240326BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240326BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240326BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61B10/00 P
A61B5/08
A61B5/16 130
A61B5/11 200
A61B10/00 305B
A61B5/0245 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560359
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022022891
(87)【国際公開番号】W WO2022212744
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/169,314
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/709,938
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シグペン,ニーナ ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ゴトリーブ,ネタ アー.
(72)【発明者】
【氏名】ポー,ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】アッシュバッハー,キルスティン エリザベス
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017BC11
4C017BD01
4C038PP05
4C038PS00
4C038SS08
4C038SV00
4C038SX09
4C038VA04
4C038VA05
4C038VB35
4C038VC20
(57)【要約】
妊娠検出のための方法、システム及びデバイスを説明する。システムは、複数日にわたって収集された生理学的データを受信するように構成されてよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。加えて、システムは、複数日にわたって取得された体温値の時系列を決定するように構成されてよい。次いで、システムは、ユーザの体温ベースラインに対する体温値の時系列における体温上昇を識別し、識別された体温上昇に基づいてユーザの妊娠の指標を検出し得る。妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能であり得る。システムは、グラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含むステップと、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップと、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの体温ベースラインに対する前記複数の体温値の前記時系列における体温上昇を識別するステップと、
前記識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの妊娠の指標を検出するステップであって、前記ユーザの妊娠の指標は、前記ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、前記識別された体温上昇から検出可能である、ステップと、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記検出された妊娠の指標を表示させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の第1部分の1つ以上の極大値を識別するステップと、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の前記第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値を識別するステップと、
を更に含み、前記時系列における体温上昇を識別するステップは、前記第1部分及び前記第2部分の1つ以上の極大値を識別することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1部分の前記識別された1つ以上の極大値と、前記第2部分の前記識別された1つ以上の極大値とを比較するステップであって、前記第1部分は、前記ユーザの複数の月経周期に対応し、前記第2部分は、前記妊娠に対応する時間期間に対応する、ステップと、
前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記第2部分の前記識別された1つ以上の極大値が前記第1部分の前記識別された1つ以上の極大値よりも大きいことを決定するステップと、
を更に含み、前記妊娠を検出することは、当該決定に少なくとも部分的に基づく、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生理学的データは心拍数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生理学的データは心拍数変動データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが前記ユーザの非妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数変動データが前記ユーザの非妊娠ベースライン変動を下回ることを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生理学的データは呼吸数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った呼吸数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記受け取った呼吸数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の周期性の停止を識別するステップを更に含み、前記妊娠を検出することは、前記周期性の停止を識別することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、月経周期の欠如を識別するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記月経周期の欠如を識別する前に行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザデバイスを介して、前記妊娠の指標を検出したことに応答して、妊娠の確認を受信するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記妊娠の確認の前に行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の各体温値を決定するステップを更に含み、前記体温データは、連続的な夜間体温データを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられる準備スコア、前記ユーザに関連付けられる活動スコア、前記ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はこれらの組合せを更新するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、妊娠症状タグを表示させるステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザに関連付けられたユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記検出された妊娠の指標に関連付けられるメッセージを表示させるステップを更に含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記メッセージは、前記妊娠の検出が起こった時間間隔、前記検出された妊娠に関連付けられる症状を入力する要求、前記検出された妊娠に関連付けられる教育コンテンツ、活動目標の調整されたセット又はそれらの組合せを更に含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記生理学的データを機械学習分類器に入力するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、前記ユーザから前記生理学的データを収集する、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能な命令であって、当該装置に、
ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取らせ、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含み、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定させ、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの体温ベースラインに対する前記複数の体温値の前記時系列における体温上昇を識別させ、
前記識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの妊娠の指標を検出させ、前記ユーザの妊娠の指標は、前記ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、前記識別された体温上昇から検出可能であり、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記検出された妊娠の指標を表示させる
命令と、
を備える、装置。
【請求項19】
前記命令は、前記プロセッサによって更に実行可能であり、当該装置に、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の第1部分の1つ以上の極大値を識別させ、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の前記第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値を識別させ、
前記時系列における体温上昇を識別すること、前記第1部分及び前記第2部分の1つ以上の極大値を識別することに少なくとも部分的に基づく、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行可能な命令であって、
ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取り、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含み、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定し、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの体温ベースラインに対する前記複数の体温値の前記時系列における体温上昇を識別し、
前記識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの妊娠の指標を検出し、前記ユーザの妊娠の指標は、前記ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、前記識別された体温上昇から検出可能であり、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記検出された妊娠の指標を表示させる
ための命令を含む、非一時的コンピュータ読取可能媒体。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2022年3月31日に出願された、「PREGNANCY DETECTION FROM WEARABLE-BASED PHYSIOLOGICAL DATA」と題する、Thigpen等による、米国非仮特許出願第17/709,938号の利益を主張し、これは、2021年4月1日に出願された、「WOMEN'S HEALTH TRACKING」と題する、Aschbacher等による、米国仮特許出願第63/169,314号の利益を主張し、この各々が、本出願人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
技術分野
以下は、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出(pregnancy detection)を含む、ウェアラブルデバイス及びデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温及び心拍数に関連付けられるデータをユーザから収集するように構成されることがある。例えばいくつかのウェアラブルデバイスは、リプロダクティブ・ヘルスに関連付けられる周期を検出するように構成されることがある。しかしながら、ウェアラブルデバイスによって実装される従来の周期検出技術は不十分である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0005】
図2】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0006】
図3】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0007】
図4】本発明の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0008】
図5】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0009】
図6】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0010】
図7】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の例を示す図である。
【0011】
図8】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする装置のブロック図である。
【0012】
図9】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図である。
【0013】
図10】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
【0014】
図11】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする方法を示すフローチャートである。
図12】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする方法を示すフローチャートである。
図13】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温データや心拍数データ等を含む、生理学的データをユーザから収集するように構成されることがある。取得された生理学的データは、ユーザの動きや、睡眠パターンのような他の活動を分析するために使用されることがある。多くのユーザは、睡眠パターン、活動及び全体的な身体的健康状態を含む、自身の身体的健康に関するより多くの洞察を望んでいる。特に、多くのユーザは、自身の月経周期、排卵、受精パターン及び妊娠を含む、女性の健康に関するより多くの洞察を望んでいる可能性がある。しかしながら、典型的な周期追跡又は女性のヘルスデバイス及びアプリケーションは、いくつかの理由から、ロバストな予測、検出及び洞察を提供する能力を欠いている。
【0016】
第1に、典型的な周期予測アプリケーションは、ユーザが、毎日離散的な時間にデバイスを用いて手動で自身の体温を測ることを要する。この単一の体温データポイントは、女性の健康周期パターンを示す真の体温変化を正確に捕捉又は予測するための十分なコンテキストを提供しない可能性があり、ユーザの動き又は行為に対する測定デバイスの感度を考慮すると、正確に捕捉することが困難である可能性がある。第2に、ウェアラブルであるデバイス、あるいは1日を通してより頻繁にユーザの体温を測定するデバイスであっても、典型的なデバイス及びアプリケーションは、測定された体温と組み合わせて女性の周期に対する生理学的寄与の完全なセットをより包括的に理解することができる、ユーザからの他の生理学的、行動的又はコンテキスト的入力を収集する能力を欠いている。
【0017】
本開示の態様は、妊娠検出のための技術を対象とする。特に、本開示のコンピューティングデバイスは、ユーザに関連付けられるウェアラブルデバイスから体温データを含む生理学的データを受信し、複数日にわたって取得された体温値の時系列を決定し得る。例えば本開示の態様は、体温値の時系列のグラフ表示から、体温値の時系列の体温上昇のような、1つ以上の形態学的特徴を識別し得る。したがって、本開示の態様は、形態学的特徴(例えば体温上昇)を識別することに基づいて、時系列で妊娠の指標を検出する。そのような場合、検出された妊娠の指標は、時系列における体温上昇、及び/又は、ユーザの体温ベースラインに対する体温値の時系列における1つ以上の追加の形態学的特徴に関連付けられてもよい。ユーザの体温ベースラインは、ユーザの非妊娠体温ベースライン、ユーザの月経周期特有の体温ベースライン又はその両方に基づいてよい。場合によっては、早期妊娠を検出することは、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である妊娠の指標を示し得る。例えば早期妊娠の検出は、ユーザの月経停止(missed period)の前に、家庭用妊娠検査薬を用いた確認の前に又はその両方で検出可能である可能性がある。
【0018】
いくつかの実装では、システムは、ユーザからの履歴体温データを分析し、妊娠の指標を検出し、ユーザの検出された妊娠を示すユーザへの指標を生成し得る。ユーザは、履歴データからシステムによって示されるように妊娠が確認されたかどうかを確認してよく、システムは、このユーザ入力を予測機能(例えば妊娠の指標を検出するための機械学習モデル)に組み込んでよい。システムはまた、体温時系列データ(temperature series data)をリアルタイムで分析してよく、体温データの時系列における1つ以上の形態学的特徴を識別したことに基づいて、及び/又は妊娠確認からのユーザの入力に基づいて、妊娠をリアルタイムで検出してもよい。
【0019】
本開示の目的のために、用語「早期妊娠」、「早期妊娠検出」、「妊娠」等は、1つ以上の子が子宮内で発達する時間を指すために使用され得る。妊娠中、ユーザは、妊娠期間を通してホルモン産生及び女性生殖器系の子宮の構造における一連の変化を経験することがある。妊娠は、精子が卵子に受精する受胎から始まり、典型的には約40週に出産で終わる。早期妊娠(early pregnancy)とは、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇が従来の家庭用妊娠検査薬を用いて検出可能になる前の妊娠の検出することを指してよい。例えば早期妊娠検出は、家庭用妊娠検査、血液検査、超音波検査又はそれらの組合せのようなホルモン上昇を検出する従来の方法で妊娠を確認する前に行うことができる。場合によっては、早期妊娠検出は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇を示す月経停止(例えば月経周期)をユーザが経験する前に行ってよい。
【0020】
本開示のいくつかの態様は、ユーザが妊娠の症状及び影響を経験する前の妊娠の指標の検出を対象とする。しかしながら、本明細書に記載される技術はまた、ユーザが症状を示さないか又はユーザの症状に気づかない場合に、妊娠の指標を検出するためにも使用されてよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、温度センサを使用して妊娠の指標を検出し得る。そのような場合、コンピューティングデバイスは、ユーザがこれらのイベントにタグ付け又はラベル付けすることなく、妊娠の指標を検出し得る。
【0021】
従来のシステムでは、妊娠は、妊娠を示す1つ以上のホルモン(例えばヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG、Human Chorionic Gonadotropin))がユーザのホルモンベースラインに対して上昇した後に、家庭用妊娠検査、血液検査、超音波検査又はそれらの組合せによって検出され得る。他の場合には、妊娠は、ユーザが経験する症状(例えば月経停止、吐き気、疲労、乳房の圧痛(tender breasts)等)に基づいて検出され得る。そのような場合、妊娠は、ユーザのホルモンレベルが変化(例えば上昇)した後に検出され得るか、かつ/又は医師の診察時に確認され得る。本明細書で説明される技術は、ユーザの表面体温を連続的に測定するウェアラブルから取得される測定値と、(例えばPPGを介して)動脈血流のような血流から抽出される信号とに基づいて、ユーザから生理学的データを連続的に収集し得る。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、昼夜を通じて連続的にユーザの体温をサンプリングし得る。夜間を通じて(あるいは、以下でより詳細に説明されるように、夜間の特定のフェーズで、及び/又は睡眠周期の特定のフェーズの間に)十分なレート(例えば1分当たり1サンプル)でサンプリングすることは、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0022】
場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、あるいはユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。したがって、コンピューティングデバイスによって収集されたデータは、ユーザが妊娠しているときを検出するために使用され得る。
【0023】
本明細書に記載される技術は、様々な方法で、検出された妊娠の指標をユーザに通知し得る。例えばシステムは、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)にメッセージ又は他の通知を表示させて、検出された妊娠の指標をユーザに通知し、ユーザに推奨を行ってよい。一例では、GUIは、妊娠が検出された時間間隔と、ユーザが妊娠の異なる段階に対して準備する推奨とを表示し得る。いくつかの実装では、システムは、ユーザにタグ推奨を行ってよい。例えばシステムは、気分及び症状タグ(例えば吐き気、疲労等)を、ユーザの妊娠中の決められた時間に(例えば個人化された方法で)ユーザに推奨し得る。システムは、体温データの以前の履歴、個人化されたサイクリングパターン及び/又は以前の症状履歴に基づいて、タグを推奨し得る。
【0024】
システムはまた、妊娠の指標の検出を行うために使用されるデータを示すグラフィクス又はテキストを含み得る。例えばGUIは、ユーザの正常なベースラインからの体温偏差に基づいて妊娠が検出されたという通知を表示してよい。場合によっては、GUIは、ユーザの正常なベースラインからの心拍数の偏差、ユーザの正常なベースラインからの呼吸数の偏差又はその両方に基づいて、妊娠が検出されたという通知を表示してもよい。早期検出(例えばユーザが症状を経験する前)に基づいて、ユーザは、妊娠に関連付けられる今後の症状の重症度を軽減するのに役立つ可能性のある早期の措置を講じることができる。加えて、ユーザは、妊娠の早期の警告に基づいて、ユーザの日常活動(例えば仕事及び余暇時間)を修正/スケジュールし得る。
【0025】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データの収集をサポートするシステムのコンテキストで説明される。本開示の追加の態様は、例示的なタイミング図及び例示的なGUIのコンテキストにおいて説明される。本開示の態様は、ウェアラブルベースの生理学的データから妊娠検出に関連する装置図、システム図及びフローチャートによって更に図示され、それらを参照して説明される。
【0026】
図1は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするシステム100の例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着及び/又は操作され得る複数の電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108及び1つ以上のサーバ110を更に含む。
【0027】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えばリングウェアラブルデバイス、腕時計ウェアラブルデバイス等)、ユーザデバイス106(例えばスマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で公知の任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連付けられる電子デバイスは、以下の機能のうちの1つ以上:すなわち、1)生理学的データを測定することと、2)測定されたデータを記憶することと、3)そのデータを処理することと、4)処理されたデータに基づいて(例えばGUIを介して)ユーザ102に出力を提供することと、5)互いに及び/又は他のコンピューティングデバイスとデータを通信することと、のうちの1つ以上を含み得る。異なる電子デバイスが、これらの機能の1つ以上を実行してもよい。
【0028】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるように構成されたリングコンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に装着されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えばスマートウォッチ、フィットネスバンド又はブレスレット)及び/又は頭部装着コンピューティングデバイス(例えば眼鏡/ゴーグル)のようなウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、頭部の周りのバンド(例えば額のヘッドバンド)、腕の周りのバンド(例えば前腕のバンド及び/又は上腕のバンド)及び/又は脚の周りのバンド(例えば大腿部又はふくらはぎのバンド)、耳の後ろ、脇の下等の他の位置に配置され得るバンド、ストラップ(例えばフレキシブル又は非フレキシブルバンド又はストラップ)、スティックオンセンサ等も含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられてもよく、あるいは衣類に含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、衣服のポケット及び/又はポーチに含まれてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留め及び/又はピン留めされてもよく、あるいは他の方法でユーザ102の近くに維持されてもよい。例示的な衣料品には、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えばジャケット)及び下着が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツ用デバイスのような他のタイプのデバイスとともに含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー、テニスラケット、ゴルフクラブ及び/又はトレーニングウェイトに取り付けられてもよく、あるいはそれらに含まれてもよい。
【0029】
本開示の多くは、リングウェアラブルデバイス104のコンテキストで説明され得る。したがって、用語「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」及び同様の用語は、本明細書で特に明記しない限り、交換可能に使用され得る。しかしながら、本明細書では、本開示の態様は、他のウェアラブルデバイス(例えば腕時計ウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、イヤリングウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイス等)を使用して実行されてもよいことが企図されているので、用語「リング104」の使用は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0030】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォン及びタブレットコンピューティングデバイスのようなハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含んでよい。ユーザデバイス106はまた、ラップトップ及びデスクトップコンピューティングデバイスのようなパーソナルコンピュータも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、(例えばインターネットを介して)他の電子デバイスと通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含んでよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えばホルターモニタ)のような医療デバイスを含んでよい。医療デバイスは、ペースメーカー及び電気除細動器のような植込み型医療デバイスも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えばIoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えばビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば無線通信ハブ)、セキュリティシステム、スマートアプライアンス(例えばサーモスタット及び冷蔵庫)及びフィットネス機器のようなホームコンピューティングデバイスを含んでよい。
【0031】
いくつかの電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、心拍数変動(HRV、heart rate variability)、アクチグラフィ、ガルバニック皮膚反応、パルス酸素濃度及び/又は他の生理学的パラメータのような、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してもよい。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しないことがあるが、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行することがある。例えばリング(例えばウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション又はサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された、受信した生理学的データを処理することがある。
【0032】
いくつかの実装では、ユーザ102は、複数の電子デバイスを操作し得るか又は複数の電子デバイスに関連付けられてよく、そのうちのいくつかが、生理学的パラメータを測定してよく、そのうちのいくつかが、測定された生理学的パラメータを処理してよい。いくつかの実装では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えばウェアラブルデバイス104)を有してもよい。ユーザ102は、ユーザデバイス106(例えばモバイルデバイス、スマートフォン)を有し得るか又はユーザデバイス106に関連付けられてもよく、ここで、ウェアラブルデバイス104及びユーザデバイス106は、互いに通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106はまた、運動/活動パラメータのような、本明細書で説明される生理学的パラメータを測定してもよい。
【0033】
例えば図1に示されるように、第1ユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aを操作し得るか、又はこれらに関連付けられてよい。この例では、ユーザ102-aに関連付けられるユーザデバイス106-aは、リング104によって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。比較すると、第2ユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、腕時計ウェアラブルデバイス104-c(例えば時計104-c)及びユーザデバイス106-bに関連付けられてよく、ここで、ユーザ102-bに関連付けられるユーザデバイス106-bは、リング104-b及び/又は時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、n番目のユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイスの構成(例えばリング104、ユーザデバイス106-n)に関連付けられてもよい。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)及び他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi及び他の無線プロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合されてもよい。
【0034】
いくつかの実装では、システム100のリング104(例えばウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側で光を放出する1つ以上のLED(例えば赤色LED、緑色LED)を利用して、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて生理学的データを収集してよい。いくつかの実装では、リング104は、緑色LEDと赤色LEDの両方の組合せを使用して生理学的データを取得してもよい。生理学的データは、これらに限定されないが、体温データ、加速度計データ(例えば動き/運動データ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素濃度データ又はそれらの任意の組合せを含む、当技術分野で公知の任意の生理学的データを含み得る。
【0035】
赤色LED及び緑色LEDは、異なる条件下(例えば明るい/暗い、活性/不活性)で身体の異なる部分などを介して生理学的データを取得するときに、それら自体の明確な利点を有することが見出されているので、緑色LEDと赤色LEDの両方の使用は、他の解決策に対していくつかの利点を提供し得る。例えば緑色LEDは、運動中により良好な性能を示すことが分かっている。さらに、リング104の周りに分散された複数のLED(例えば緑色LEDと赤色LED)を使用することは、腕時計ウェアラブルデバイス内など、互いに近接して配置されるLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を示すことが分かっている。さらに、指の血管(例えば動脈、毛細血管)は、手首の血管と比較して、LEDを介してよりアクセスしやすい。特に、手首の動脈は手首の下部(例えば手首の手のひら側)に位置しており、これは、ウェアラブル時計デバイスや同様のデバイスが典型的に装着される手首の上部(例えば手首の手の甲側)では毛細血管のみがアクセス可能であることを意味する。このように、リング104内でLED及び他のセンサを利用することは、手首に装着されるウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を示すことが分かっているが、これは、リング104が(毛細血管と比較して)動脈へのより大きなアクセスを有し、それによって、より強い信号及びより価値のある生理学的データをもたらすためである。
【0036】
システム100の電子デバイス(例えばユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、有線又は無線通信プロトコルを介して、1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。例えば図1に示されるように、電子デバイス(例えばユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。ネットワーク108は、インターネットのような伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装してよく、あるいは他のネットワーク108プロトコルを実装してもよい。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール又はコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切な形式の対話を介したデータの転送を容易にすることができる。例えばいくつかの実装では、第1ユーザ102-aに関連付けられるリング104-aは、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合されてよく、ここで、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加又は代替的な場合において、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0037】
システム100は、ユーザデバイス106と1つ以上のサーバ110との間でオンデマンドデータベースサービスを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信してよく、該データを記憶し、分析してもよい。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、1つ以上のデータセンタに配置されてもよい。サーバ110は、データの記憶、管理及び処理のために使用されてもよい。いくつかの実装では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインタフェースを提供してもよい。
【0038】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている時間期間を検出し、ユーザ102が眠っている時間期間を1つ以上の睡眠段階に分類し得る(例えば睡眠段階分類)。例えば図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられてよい。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、HRV、呼吸数等を含む、ユーザ102-aに関連付けられる生理学的データを収集し得る。いくつかの態様において、リング104-aによって収集されたデータが、機械学習分類器に入力されてもよく、ここで、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(眠っていた)時間期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(REM、rapid eye movement)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))及び深い睡眠段階(NREM)を含む、異なる睡眠段階に時間期間を分類するように構成され得る。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。睡眠段階分類は、推奨される就寝時間や推奨される起床時間等のようなユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用されてもよい。さらに、いくつかの実装では、本明細書で説明される睡眠段階分類技術は、睡眠スコア(Sleep Scores)や準備スコア(Readiness Scores,)等のような、それぞれのユーザについてのスコアを計算するために使用されてもよい。
【0039】
いくつかの態様では、システム100は、概日リズム由来の特徴を利用して、生理学的データ収集、データ処理手順及び本明細書で説明される他の技術を更に改善し得る。概日リズム(circadian rhythm)という用語は、約24時間毎に繰り返す、個人の睡眠-覚醒周期を調節する自然の内部プロセスを指してよい。この点に関して、本明細書で説明される技術は、生理学的データ収集、分析及びデータ処理を改善するために概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102から収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力されてよい。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然な、約24時間の概日リズムを通じて収集された生理学的データを「重み付け」又は調整するように構成されてよい。いくつかの実装では、システムは、最初に「ベースライン」概日リズム調整モデルで開始してよく、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、それぞれのユーザ102毎に特有の、調整されて個別化された概日リズム調整モデルを生成してよい。
【0040】
いくつかの態様では、システム100は、他の生体リズムを利用して、これらの他のリズムのフェーズによって、生理学的データの収集、分析及び処理を更に改善し得る。例えば週次リズムが、個人のベースラインデータ内で検出される場合、モデルは、週の曜日によってデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルに対する調整を必要とする可能性のある生体リズムは:1)ウルトラディアン(1日のリズムよりも速く、睡眠状態における睡眠周期と、覚醒状態の間の測定された生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性までの変動とを含む);2)概日リズム;3)仕事のスケジュールのように概日リズムの上に課せられることが示される非内因性の日次リズム;4)週次リズム、又は外因的に課せられる他の人工的な時間周期(例えば12日の「週」を有する仮想文化では、12日のリズムを使用することができる);5)女性では複数日の卵巣リズム、男性では精子形成リズム;6)月(lunar)のリズム(人工照明が少ない又はない状態で生活する人に関連する);及び7)季節的リズムを含む。
【0041】
生体リズムは必ずしも定常的なリズムではない。例えば多くの女性は、複数周期にわたって卵巣周期の長さの変動性を経験し、ウルトラディアンリズムは、ユーザ内部であっても、日をまたがって正確に同じ時間又は周期性で発生するとは予想されない。したがって、生理学的データにおけるこれらのリズムの時間分解能を保持しながら、周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技術を使用して、これらのリズムの検出を改善し、各リズムのフェーズを、測定される各瞬間に割り当て、それによって調整モデル及び時間間隔の比較を修正することができる。生体リズム-調整モデル及びパラメータは、個人又は個人のグループの動的な生理学的ベースラインをより正確に捕捉するために、必要に応じて線形又は非線形の組合せで追加されることができる。
【0042】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、ウェアラブルデバイス104によって収集されたデータに基づく妊娠検出のための技術をサポートし得る。特に、図1に示されるシステム100は、ユーザ102の妊娠の指標を検出し、ユーザ102に対応するユーザデバイス106に、検出された妊娠の指標を表示させるための技術をサポートし得る。例えば図1に示されるように、ユーザ1(ユーザ102-a)は、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、呼吸数、HRV等を含む、ユーザ102-aに関連付けられるデータを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータを使用して、ユーザ1が妊娠を経験している間の妊娠の指標を検出し得る。妊娠の指標を検出することは、リング104-a、ユーザ1に関連付けられるユーザデバイス106-a、1つ以上のサーバ110又はそれらの任意の組合せを含む、システム100の構成要素のいずれかによって実行され得る。ユーザの妊娠を検出すると、システム100は、ユーザデバイス106-aのGUIに、妊娠の指標を選択的に表示させ得る。
【0043】
いくつかの実装では、生理学的データ(例えば体温データを含む)を受信すると、システム100は、複数日にわたって得られる体温値の時系列を決定し得る。システム100は、ユーザの温度ベースラインに対する体温値の時系列において体温上昇を識別してよい。このような場合、システム100は、識別された体温上昇に基づいて妊娠の指標を検出し得る。場合によっては、妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇の閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。妊娠の指標は、ユーザが現在妊娠していること及び/又は既に妊娠していることを検出する例であってよい。
【0044】
場合によっては、システム100は、ユーザ1に(例えばユーザデバイス106のGUIを介して)、ユーザ102-aが、確認された妊娠(例えば血液検査、家庭用妊娠検査、超音波等)を経験したか否かを確認するように促してよく、ユーザが妊娠しているという確認に基づいて、ユーザ102-aの準備スコアを選択的に調整し得る。いくつかの実装では、システム100は、検出された妊娠の指標に基づいて、ユーザ1のためのアラート、メッセージ又は推奨を(例えばリング104-a、ユーザデバイス106-a又はその両方を介して)生成してよく、ここで、アラートは、妊娠のタイミング及び/又は期間のような、検出された妊娠に関する洞察を提供し得る。場合によっては、メッセージは、妊娠の任意のフェーズに関連する、検出されたユーザの妊娠に関連付けられる症状、検出された妊娠に関連付けられる1つ以上の医学的状態、検出された妊娠に関連付けられる教育的ビデオ及び/又はテキスト(例えばコンテンツ)、あるいはそれらの組合せに関する洞察を提供し得る。
【0045】
上記以外の他の問題を追加的に又は代替的に解決するために、本開示の1つ以上の態様がシステム100において実装されてもよいことが当業者に理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明される「従来の」システム又はプロセスに技術的な改善を提供し得る。しかしながら、本明細書及び添付の図面は、本開示の態様を実装することから生じる例示的な技術的改善を含むものにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0046】
図2は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするシステム200の例を示す。システム200は、システム100を実装してよく、あるいはシステム100によって実装されてもよい。特に、システム200は、図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0047】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに装着されるように構成されてよく、ユーザの指の周りに装着されたときに1つ以上のユーザの生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定及び決定は、ユーザの皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素レベル等を含み得るが、これらに限定されない。
【0048】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えばスマートフォン)を更に含む。例えばリング104は、ユーザデバイス106と無線通信及び/又は有線通信を行ってよい。いくつかの実装では、リング104は、測定されて処理されたデータ(例えば体温データ、フォトプレチスモグラム(PPG)データ、運動/加速度計データ、リング入力データ等)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104ファームウェア/構成更新のようなデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス106は、処理及び/又は記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0049】
リング104は、内側ハウジング205-a及び外側ハウジング205-bを含み得るハウジング205を含んでよい。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、これらに限定されないが、デバイスエレクトロニクス、電源(例えばバッテリ210及び/又はキャパシタ)、デバイスエレクトロニクス及び/又は電源を相互接続する1つ以上の基板(例えばプリント基板)等を含むリングの様々な構成要素を記憶するか、又は他の方法で含み得る。デバイスエレクトロニクスは、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225等のようなデバイスモジュール(例えばハードウェア/ソフトウェア)を含んでよい。デバイスエレクトロニクスはまた、1つ以上のセンサも含んでよい。例示的なセンサは、1つ以上の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えばPPGシステム235)及び1つ以上の運動センサ245を含んでよい。
【0050】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連付けられる信号を生成するように構成される、関連モジュール(図示せず)を含んでよい。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、有線接続又は無線接続を介して互いに通信可能に結合されてもよい。さらに、リング104は、光センサ(例えばLED)、オキシメータ等を含む生理学的データをユーザから収集するように構成される、追加及び/又は代替のセンサ又は他の構成要素を含んでもよい。
【0051】
図2を参照して図示され、説明されるリング104は、単に例示の目的のために提供される。このように、リング104は、図2に示される構成要素のような追加の又は代替の構成要素を含んでよい。本明細書で説明される機能性を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えばより少ない構成要素(例えばセンサ)を有するリング104が製造されてもよい。特定の例では、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)と、電源と、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取るように構成されるデバイスエレクトロニクスとを有するリング104が製造されてもよい。別の具体例では、温度センサ240(又は他のセンサ)が、(例えばクランプ、バネ式クランプ等を使用して)ユーザの指に取り付けられてもよい。この場合、センサは、温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取る手首装着型コンピューティングデバイスのような別のコンピューティングデバイスに配線されてもよい。他の例では、追加のセンサ及び処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0052】
ハウジング205は、1つ以上のハウジング205構成要素を含んでよい。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えばシェル)と内側ハウジング205-a構成要素(例えばモールディング)を含んでよい。ハウジング205は、図2に明示的に図示されていない追加の構成要素(例えば追加の層)を含んでもよい。例えばいくつかの実装では、リング104は、デバイスエレクトロニクス及び他の導電性材料(例えば電気トレース)を外側ハウジング205(例えば金属製の外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する1つ以上の絶縁層を含んでもよい。ハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210、基板及び他の構成要素のための構造的支持を提供し得る。例えばハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を圧力及び衝撃のような機械的な力から保護し得る。ハウジング205はまた、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を水及び/又は他の化学物質からも保護し得る。
【0053】
外側ハウジング205-bは、1つ以上の材料から製造され得る。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量で強度と耐摩耗性を提供し得るチタンのような金属を含んでよい。外側ハウジング205-bはまた、ポリマーのような他の材料から製造されてもよい。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは装飾的であるだけでなく、保護的であってもよい。
【0054】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインタフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば医療グレードのポリマー)又は他の材料から形成されてもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは透明であってもよい。例えば内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透明であってもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-bの上に成形されてもよい。例えば内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205金属シェルに適合するように成形(例えば射出成形)されるポリマーを含んでもよい。
【0055】
リング104は、1つ以上の基板(図示せず)を含んでもよい。デバイスエレクトロニクス及びバッテリ210が、1つ以上の基板上に含まれてもよい。例えばデバイスエレクトロニクス及びバッテリ210は、1つ以上の基板上に取り付けられてもよい。例示的な基板は、フレキシブルPCB(例えばポリイミド)のような1つ以上のプリント回路基板(PCB)を含んでよい。一部の実装では、エレクトロニクス/バッテリ210は、フレキシブルPCB上に表面実装型デバイス(例えば表面実装技術(SMT、surface-mount technology)デバイス)を含んでもよい。いくつかの実装では、1つ以上の基板(例えば1つ以上のフレキシブルPCB)は、デバイスエレクトロニクス間の電気通信を提供する電気トレースを含んでもよい。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイスエレクトロニクスに接続してもよい。
【0056】
デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板は、様々な方法でリング104内に配置されてもよい。いくつかの実装では、センサ(例えばPPGシステム235、温度センサ240、運動センサ245及び他のセンサ)がユーザの指の下側とインタフェースするように、デバイスエレクトロニクスを含む1つの基板が、リング104の下部(例えば下半分)に沿って取り付けられてよい。これらの実装では、バッテリ210は、リング104の上部に沿って(例えば別の基板上に)含まれてもよい。
【0057】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能性(例えば回路及び他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに起因する機能を生成することができるアナログ及び/又はデジタル回路を実装する任意の離散及び/又は集積電子回路構成要素を含んでよい。例えばモジュールは、アナログ回路(例えば増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路及び/又は他の信号調整回路)を含んでもよい。モジュールはまた、デジタル回路(例えば組合せ論理回路又は逐次論理回路、メモリ回路等)も含んでよい。
【0058】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能でプログラム可能なROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は任意の他のメモリデバイスのような、任意の揮発性、不揮発性、磁気的又は電気的媒体を含んでよい。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶してよい。例えばメモリ215は、それぞれのセンサ及びPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば運動データ、体温データ、PPGデータ)を記憶するように構成されてもよい。さらに、メモリ215は、1つ以上の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに起因する様々な機能を実行させる命令を含んでもよい。本明細書で説明されるリング104のデバイスエレクトロニクスは、デバイスエレクトロニクスの一例にすぎない。したがって、デバイスエレクトロニクスを実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計的考慮事項に基づいて変化し得る。
【0059】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに起因する機能は、1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組合せとして具現化されてよい。異なる特徴をモジュールとして描写することは、異なる機能的態様を強調するように意図されており、必ずしもそのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュールに関連付けられる機能性は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよく、あるいは共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0060】
リング104の処理モジュール230-aは、1つ以上のプロセッサ(例えば処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、システムオンチップ(SoC)及び/又は他の処理デバイスを含んでよい。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば処理モジュール230-aは、センサのようなリング104のモジュール及び他の構成要素にデータを送信し/これらからデータを受信してもよい。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装されてもよい。したがって、モジュールは、回路(例えば通信回路及び電力回路)とも呼ばれることがある。
【0061】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されると、処理モジュール230-aに、該処理モジュール230-aに起因する様々な機能を実行させるためのコンピュータ読取可能命令を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-a(例えばマイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば統合されたBluetooth(登録商標) Low Energyトランシーバ)及び/又は追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能のような、他のモジュールに関連付けられる追加の特徴を含んでもよい。
【0062】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106の通信モジュール220-b)との無線通信及び/又は有線通信を提供する回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth回路及び/又はWi-Fi回路のような無線通信回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路のような有線通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104及びユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106にデータを送信/ユーザデバイス106からデータを受信するように構成され得る。例示的なデータは、運動データ、体温データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ及びステータス更新(例えば充電ステータス、バッテリ充電レベル及び/又はリング104構成設定)を含み得るが、これらに限定されない。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えばソフトウェア/ファームウェア更新)及びデータを受信するようにも構成されてもよい。
【0063】
リング104は、バッテリ210(例えば再充電可能バッテリ210)を含んでよい。例示的なバッテリ210は、リチウムイオン又はリチウムポリマータイプのバッテリ210を含んでよいが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は、無線で充電されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、キャパシタのような、バッテリ210以外の電源を含んでもよい。電源(例えばバッテリ210又はキャパシタ)は、リング104の曲線に一致する湾曲した形状を有してもよい。いくつかの態様では、充電器又は他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、データを収集するために使用され得るか、又はそれを補足する、追加のセンサを含んでもよい。さらに、リング104の充電器又は他の電源は、ユーザデバイス106として機能してよく、この場合、リング104の充電器又は他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信したデータを記憶及び/又は処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0064】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば電力モジュール225は、リング104とインタフェースしたときにバッテリ210を充電する、外部ワイヤレス充電器とインタフェースし得る。充電器は、リング104のデータ構造(datum structure)と嵌合して、104の充電中にリング104との特定の配向を生成するデータ構造を含んでもよい。電力モジュール225はまた、デバイスエレクトロニクスの電圧を調節し、デバイスエレクトロニクスへの電力出力を調節し、バッテリ210の充電状態を監視し得る。いくつかの実装では、バッテリ210は、高電流放電、104の充電中の過電圧及び104の放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する、保護回路モジュール(PCM、protection circuit module)を含んでよい。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD、electro-static discharge)保護も含んでよい。
【0065】
1つ以上の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合されてもよい。温度センサ240は、該温度センサ240によって読み取られた又は感知された体温を示す体温信号(例えば体温データ)を生成するように構成されてもよい。処理モジュール230-aは、温度センサ240の位置におけるユーザの体温を決定し得る。例えばリング104において、温度センサ240によって生成された体温データは、ユーザの指におけるユーザの体温(例えば皮膚温度)を示してもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触してもよい。他の実装では、ハウジング205の一部(例えば内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば薄い熱伝導性バリア)を形成してもよい。いくつかの実装では、ユーザの指に接触するように構成されるリング104の部分は、熱伝導性部分と断熱性部分を有してもよい。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。断熱性部分は、リング104の部分(例えば温度センサ240)を周囲温度から絶縁し得る。
【0066】
いくつかの実装では、温度センサ240は、体温を決定するために、処理モジュール230-aが使用し得るデジタル信号(例えば体温データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240が受動センサを含む場合、処理モジュール230-a(又は温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて体温を決定し得る。例示的な温度センサ240は、負の温度係数(NTC、negative temperature coefficient)サーミスタのようなサーミスタ、あるいは抵抗器、トランジスタ、ダイオード及び/又は他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含んでよい。
【0067】
処理モジュール230-aは、ユーザの体温を経時的にサンプリングし得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングレートに従ってユーザの体温をサンプリングしてよい。例示的なサンプリングレートは、1秒当たり1サンプルを含んでよいが、処理モジュール230-aは、1秒当たり1サンプルよりも高い又は低い他のサンプリングレートで体温信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して継続的に、ユーザの体温をサンプリングし得る。一日を通して十分なレートで(例えば1秒に1サンプル、1分に1サンプル等)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0068】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた体温データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、サンプリングした体温データを処理し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある時間期間の平均体温値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての体温値を合計し、1分間のサンプル数で割ることによって、1分間あたりの平均体温値を決定し得る。体温が1秒当たり1サンプルでサンプリングされる特定の例では、平均体温は、60秒で割った1分間のすべてのサンプリングされた体温の合計であってもよい。メモリ215は、経時的な平均体温値を記憶してよい。いくつかの実装では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた体温の代わりに、平均体温(例えば1分当たり1つ)を記憶してもよい。
【0069】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、設定可能であり得る。いくつかの実装では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであってもよい。他の実装では、サンプリングレートは、昼/夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、生理学的変化を示さない体温の大きなスパイク(spike)(例えば熱いシャワーからの温度スパイク)のような体温読み取り値を、フィルタリング/拒否してもよい。いくつかの実装では、リング104は、104の運動中の過度の運動のような(例えば運動センサ245によって示されるような)、他の要因のために信頼できない可能性がある体温読み取り値をフィルタリング/拒否してもよい。
【0070】
リング104(例えば通信モジュール)は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにユーザデバイス106に送信してもよい。ユーザデバイス106は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにサーバ110に転送してもよい。
【0071】
リング104は、単一の温度センサ240を含むように示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるような、1つ以上の位置に複数の温度センサ240を含んでもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であってよい。追加又は代替的に、1つ以上の温度センサ240は、加速度計及び/又はプロセッサのような他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば他の構成要素とともにパッケージされてもよい)。
【0072】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明したものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得して処理してよい。例えば処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々から体温データを個別にサンプリングし、平均し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、指の異なる位置にある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の体温の平均に基づいて、単一の体温を決定するように構成されてもよい。
【0073】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば任意の指)における遠位体温を取得してもよい。例えばリング104上の1つ以上の温度センサ240は、指の下側から、あるいは指の異なる位置で、ユーザの体温を取得してもよい。いくつかの実装では、リング104は、遠位体温を(例えばサンプリングレートで)連続的に取得してもよい。本明細書では、指にあるリング104によって測定される遠位温度が説明されるが、他のデバイスは同じ/異なる位置で体温を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位体温は、ユーザの手首又は他の外部身体位置で測定された体温と異なることがある。加えて、ユーザの指で測定された遠位体温(例えば「シェル」体温)は、ユーザの深部体温とは異なることがある。このように、リング104は、身体の他の内部/外部位置では取得されない可能性がある有用な体温信号を提供し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性がある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉し得る。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。
【0074】
リング104は、PPGシステム235を含んでよい。PPGシステム235は、光を送信する1つ以上の光送信器を含んでよい。PPGシステム235は、1つ以上の光送信器によって送信された光を受信する1つ以上の光受信器も含んでよい。光受信器は、該光受信器によって受信した光の量を示す信号(以下、「PPG」信号とする)を生成し得る。光送信器は、ユーザの指の領域を照明し得る。PPGシステム235によって生成されるPPG信号は、照明された領域における血液の灌流を示し得る。例えばPPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる、照明された領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定し得る。処理モジュール230-aは、ユーザのパルス波形に基づいて、ユーザの呼吸速度、心拍数、HRV、酸素飽和度及び他の循環パラメータのような、様々な生理学的パラメータを決定し得る。
【0075】
いくつかの実装では、PPGシステム235は、反射型PPGシステム235として構成されてもよく、この場合、光受信器は、ユーザの指の領域を通って反射される透過光を受信する。いくつかの実装では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通って光受信器に直接送信されるように、光送信器及び光受信器が互いに対向して配置される、透過型PPGシステム235として構成されてもよい。
【0076】
PPGシステム235に含まれる送信器及び受信器の数及び比率は、変化してもよい。例示的な光送信器は、発光ダイオード(LED)を含んでよい。光送信器は、赤外線スペクトル及び/又は他のスペクトルの光を送信してよい。例示的な光受信器は、フォトセンサ、フォトトランジスタ及びフォトダイオードを含んでよいが、これらに限定されない。光受信器は、光送信器から受信した波長に応答してPPG信号を生成するように構成されてもよい。送信器と受信器の位置は変化してもよい。加えて、単一のデバイスが、反射型及び/又は透過型PPGシステム235を含んでもよい。
【0077】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装では、反射型PPGシステム235を含んでもよい。これらの実装では、PPGシステム235は、中央に配置された光受信器(例えばリング104の下部)と、光受信器の両側に配置された2つの光送信器とを含んでよい。この実装では、PPGシステム235(例えば光受信器)は、光送信器の一方又は両方から受信した光に基づいてPPG信号を生成し得る。他の実装では、1つ以上の光送信器及び/又は光受信器の他の配置、組合せ及び/又は構成が考えられる。
【0078】
処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、光を送信するように光送信器の一方又は両方を制御し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしている間、より強い受信信号を有する光送信器に光を送信させ得る。例えば選択された光送信器は、PPG信号がサンプリングレート(例えば250Hz)でサンプリングされている間、連続的に光を放射し得る。
【0079】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることにより、「PPG」と呼ばれ得るパルス波形を得ることができる。パルス波形は、複数の心周期の血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。加えて、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る呼吸誘導変動(respiratory induced variation)を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、パルス波形が生成されるときに、及び/又はメモリ215からのパルス波形を処理して、本明細書で説明されるユーザの生理学的パラメータを決定し得る。
【0080】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、パルス波形のピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、拍動間隔(IBI、interbeat interval)と呼ばれることがある。処理モジュール230-aは、決定された心拍数の値とIBI値をメモリ215に記憶してよい。
【0081】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定してもよい。処理モジュール230-aは、メモリ215に経時的なHRV値を記憶してよい。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調又はベースライン変調に基づいて、呼吸数を決定してもよい。呼吸数は、1分間当たりの呼吸で計算されてよく、あるいは別の呼吸数(例えば30秒当たりの呼吸)として計算されてもよい。処理モジュール230-aは、経時的なユーザの呼吸数の値をメモリ215に記憶してもよい。
【0082】
リング104は、1つ以上の加速度計(例えば6-D加速度計)及び/又は1つ以上のジャイロスコープ(ジャイロ)のような1つ以上の運動センサ245を含み得る。運動センサ245は、センサの運動を示す運動信号を生成し得る。例えばリング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する、1つ以上の加速度計を含んでよい。別の例として、リング104は、角運動(例えば角速度)及び/又は方位の変化を示すジャイロ信号を生成する、1つ以上のジャイロセンサを含んでよい。運動センサ245は、1つ以上のセンサパッケージに含まれてよい。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度及び加速度を測定し得る、Bosch(登録商標) BMI160慣性微小電気機械システム(MEMS、micro electro-mechanical system)センサである。
【0083】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば50Hz)で運動信号をサンプリングし、サンプリングされた運動信号に基づいてリング104の運動を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、加速度信号をサンプリングしてリング104の加速度を決定してよい。別の例として、処理モジュール230-aは、ジャイロ信号をサンプリングして角運動を決定してよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、運動データをメモリ215に記憶してよい。運動データは、サンプリングされた運動データ、並びにサンプリングされた運動信号(例えば加速度及び角度値)に基づいて計算された運動データを含んでよい。
【0084】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えばリング104は、生のサンプリングされた体温データ及び計算された体温データ(例えば平均温度)のような体温データを記憶してよい。別の例として、リング104は、パルス波形や、パルス波形に基づいて計算されるデータ(例えば心拍数の値、IBI値、HRV値及び呼吸数の値)のようなPPG信号データを記憶してよい。リング104はまた、直線運動及び角運動を示すサンプリングされた運動データのような運動データも記憶してよい。
【0085】
リング104又は他のコンピューティングデバイスは、サンプリング/計算された生理学的データに基づいて、追加の値を計算し、記憶し得る。例えば処理モジュール230は、睡眠メトリクス(例えば睡眠スコア)、活動メトリクス及び準備メトリクスのような、様々なメトリクスを計算して記憶してよい。いくつかの実装では、追加の値/メトリックは、「導出値(derived values)」と呼ばれることがある。リング104又は他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、運動に関して様々な値/メトリクスを計算し得る。運動データの例示的な導出値は、運動カウント値、規則性値(regularity values)、強度値、タスクの代謝当量値(METs、metabolic equivalence of task values)及び方向値を含み得るが、これらに限定されない。運動カウント、規則性値、強度値及びMETsは、経時的なユーザの運動の量(例えば速度/加速度)を示し得る。方向値は、リング104がユーザの指に対してどのように向けられているか、及びリング104が左手に装着されているか右手に装着されているかを示し得る。
【0086】
いくつかの実装では、運動カウント及び規則性値は、1つ以上の期間(例えば1つ以上の30秒から1分の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、運動の数及び運動の関連する強度(例えば加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中及び高に分類されてよい。METsは、ある期間(例えば30秒)の間の運動の強度と、運動の規則性/不規則性と、異なる強度に関連付けられる運動の数とに基づいて決定され得る。
【0087】
いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後に、サンプリングされたデータを削除してもよい。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化してもよい。具体的な例では、1分間にわたるユーザの平均体温がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の平均体温を計算し、その後、その1分間の平均体温データを消去してもよい。処理モジュール230-aは、使用される/利用可能なメモリ215の総量、及び/又はリング104がデータをユーザデバイス106に最後に送信してからの経過時間のような様々な要因に基づいてデータを圧縮してよい。
【0088】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えばユーザの体温は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定され得るが、他のデバイスがユーザの体温を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含んでもよい。加えて、外部医療デバイス(例えばウェアラブル医療デバイス)及び/又は植込み型医療デバイスのような医療デバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定することがある。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つ以上のセンサを使用して、本明細書で説明される技術を実装してよい。
【0089】
生理学的測定は、昼及び/又は夜を通して連続的に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、104の昼部分及び/又は夜の部分の間に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、ユーザが、活動状態、安静状態(resting state)及び/又は睡眠状態のような特定の状態にあると決定したことに応答して行われてもよい。例えばリング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104又は他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしている及び/又は睡眠しているときを検出し、その検出された状態の生理学的パラメータ(例えば体温)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技術を実装するために、ユーザが他の状態にあるときに、安静/睡眠生理学的データ及び/又は他のデータを使用してもよい。
【0090】
いくつかの実装では、本明細書で前述したように、リング104は、データを収集、記憶及び/又は処理するように構成されてもよく、本明細書で説明されるデータのいずれかを、記憶及び/又は処理のためにユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えばウェブブラウザ280)、1つ以上の追加のアプリケーション及びGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイス等を含む他のモジュール及び構成要素を更に含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106にインストールされ得るアプリケーション(例えば「app」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えばウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインタフェース(UI)モジュール255と、取得モジュール260と、処理モジュール230-bと、通信モジュール220-bと、アプリケーションデータを記憶するように構成される記憶モジュール(例えばデータベース265)を含んでよい。
【0091】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110又はそれらの任意の組合せによって実行され得る。例えば場合によっては、リング104によって収集されたデータは、前処理され、ユーザデバイス106に送信されてよい。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対して何らかのデータ処理動作を実行し得るか、データ処理のためにデータをサーバ110に送信し得るか、又はその両方を行ってよい。例えば場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行することがあり、一方、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的高いレイテンシを許容し得る動作を処理するために、データをサーバ110に送信することがある。
【0092】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106及びサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいて、ユーザについての1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)を生成するために使用され得る。例えば本明細書において前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、ユーザから体温、心拍数、HRV等を含むデータを収集し得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日(sleep day)」について、ユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用されてもよい。いくつかの態様では、スコアは、第1睡眠日が第1スコアセットに関連付けられ、第2睡眠日が第2スコアセットに関連付けられるように、ユーザについて、それぞれの睡眠日毎に計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日毎に計算されてもよい。スコアは、睡眠スコア、準備スコア等を含むが、これらに限定されない。
【0093】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日が、それぞれの暦日の真夜中から真夜中まで続くように、伝統的な暦日(calendar day)と整合してよい。他の場合には、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば睡眠日は、ある暦日の午後6:00(18:00)から次の暦日の午後6:00(18:00)まで続いてよい。この例では、午後6:00は「カットオフ時間」として機能してよく、この場合、午後6:00より前にユーザから収集されたデータは現在の睡眠日についてカウントされ、午後6:00より後にユーザから収集されたデータは次の睡眠日についてカウントされる。ほとんどの個人が夜に最も多く眠るという事実のために、暦日に対して睡眠日をオフセットすることにより、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、それぞれのユーザが典型的に睡眠する時間の長さに睡眠日を整合させるように、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えばGUIを介して)選択的に調整することができる。
【0094】
いくつかの実装では、それぞれの日毎のユーザの各総合スコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)が、1つ以上の「寄与因子(contributors)」、「要因(factors)」又は「寄与要因(contributing factors)」に基づいて決定/計算され得る。例えばユーザの全体的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、休息、レム睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング又はそれらの任意の組合せを含む一組の寄与因子のセットに基づいて計算され得る。睡眠スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「総睡眠」寄与因子は、睡眠日の全睡眠期間の合計を指してよい。「効率」寄与因子は、ベッドにいる間に起きている間に費やされる時間と比較した睡眠に費やされる時間のパーセンテージを反映してよく、睡眠日の長い睡眠期間(例えば主睡眠期間(primary sleep period))の効率平均を使用して、各睡眠期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。「休息」寄与因子は、ユーザの睡眠がどれほど安らかであるかを示してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。休息寄与因子は、「ウェイクアップカウント」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのウェイクアップ(ユーザが、目が覚めたとき)の合計)、過剰な動き(excessive movement)、及び「ゴットアップカウント(got up count)」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのゴットアップ(ユーザがベッドから起き上がったとき)の合計)に基づくことができる。
【0095】
「レム睡眠」寄与因子は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指してよい。同様に、「深い睡眠」寄与因子は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指してよい。「レイテンシ」寄与因子は、ユーザが睡眠に入るのにかかる時間(例えば平均、中央値、最長)を意味してよく、睡眠日を通して長い睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間及びそのような期間の数によって重み付けして、計算され得る(例えば所与の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与因子であり得るか又は他の寄与因子を重み付けし得る)。最後に、「タイミング」寄与因子は、睡眠日及び/又は暦日内の睡眠期間の相対的タイミングを指してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。
【0096】
別の例として、ユーザの全体的な準備スコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、体温、活動、活動バランス又はそれらの任意の組合せを含む、一組の寄与因子に基づいて計算され得る。準備スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「睡眠」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指してよい。「睡眠バランス」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指してよい。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間(例えば過去2週間)にわたって取得してきた睡眠が、ユーザのニーズとバランスが取れているかどうかをユーザに示すことができる。典型的に、成人が健康で注意力を維持し、精神的にも身体的にも最高のパフォーマンスを発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠が必要である。しかしながら、時にはよく眠れない夜があることは普通のことなので、睡眠バランスの寄与因子は長期的な睡眠パターンを考慮に入れて、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを判断する。「安静時心拍数」寄与因子は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)からの最低心拍数及び/又は主睡眠期間後に生じるうたた寝(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0097】
準備スコアの「寄与因子」(例えば要因、寄与要因)に関連して続けると、「HRVバランス」寄与因子は、主睡眠期間及び主睡眠期間後に起こるうたた寝からの最も高いHRV平均を示し得る。HRVバランス寄与因子は、第1期間(例えば2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、なんらかのより長い第2期間(例えば3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザが自身の回復状態を追跡するのを助けることができる。「回復指数」寄与因子は、最長睡眠期間に基づいて計算されてもよい。回復指数は、夜間にユーザの安静時心拍数が安定するまでにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の兆候は、ユーザの安静時心拍数が夜の前半、ユーザが起きる少なくとも6時間前に安定し、身体が翌日のために回復する時間を残すことである。「体温」寄与因子は、最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)に基づいて、あるいは、うたた寝中のユーザの最高体温が最長期間中の最高体温よりも少なくとも0.5℃高い場合には最長睡眠期間後に生じるうたた寝に基づいて、計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間にユーザの体温を測定してよく、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示してよい。ユーザの体温が正常範囲の外にある場合(例えば明らかに0.0より上又は下)、体温寄与因子は強調表示されるか(例えば「要注意(Pay attention)」状態になる)又は他の方法でユーザにアラートを生成し得る。
【0098】
いくつかの態様において、システム200は、妊娠検出のための技術をサポートし得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、経時的なユーザの体温を表す時系列において妊娠の指標を検出するために使用され得る。ユーザの妊娠は、システム200のリング104上の温度センサを利用することによって予測され得る。場合によっては、妊娠は、経時的なユーザの体温を表す時系列における体温の上昇のような1つ以上の形態学的特徴を識別し、時系列の体温上昇に対応する妊娠の指標を検出することによって、検出され得る。早期妊娠の指標は、ユーザのホルモン変化(例えば上昇)が検出可能(例えば従来の家庭用妊娠検査を介して)になる前に、ユーザが現在妊娠していること及び/又は既に妊娠していることを検出する例であってよい。
【0099】
例えば本明細書で前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、温度、心拍数、呼吸データ、HRVデータ等を含むデータをユーザから収集し得る。システム200のリング104は、(例えばPPG信号を使用して)動脈血流から抽出される温度センサ及び測定値に基づいて、ユーザから生理学的データを収集し得る。生理学的データは、連続的に収集されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの体温をサンプリングしてよい。昼及び/又は夜を通じて十分なレートで(例えば1分当たり1サンプル)サンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。いくつかの実装では、リング104は、(例えばサンプリングレートで)体温データを連続的に取得し得る。いくつかの例では、たとえ温度が連続的に収集されたとしても、システム200は、該システム200が収集したか又は他の方法で導出したユーザに関する他の情報(例えば睡眠段階、活動レベル、病気の発症等)を利用して、基礎となる生理学的現象の正確な表現である特定の日の代表体温を選択し得る。
【0100】
対照的に、ユーザが毎日手動で体温を測定することを必要とするシステム、及び/又は体温を連続的に測定するが、ユーザに関する他のコンテキスト情報を欠いているシステムは、妊娠検出のために不正確な又は一貫性のない体温値を選択する可能性があり、不正確な検出及び低下したユーザ体験につながる。対照的に、リング104によって収集されるデータは、ユーザが妊娠しているときを正確に決定するために使用され得る。検出された早期妊娠及び関連技術は、図3を関連して更に示され、説明される。
【0101】
図3は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするシステム300の例を示す。システム300は、システム100、システム200又はその両方を実装し得るか、又はこれらによって実装され得る。特に、システム300は、図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0102】
リング305は、本明細書で説明されるような他の形態の生理学的データの中でも、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330及びHRVデータ335を取得し得る。このような場合、リング305は、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330及びHRVデータ335をユーザデバイス310に送信してよい。体温データ320は、連続的な夜間体温データ、連続的な日中体温データ又はその両方を含み得る。呼吸数データ330は、連続的な夜間呼吸数データの例であってよい。場合によっては、複数のデバイスが生理学的データを取得してもよい。例えば第1コンピューティングデバイス(例えばユーザデバイス310)及び第2コンピューティングデバイス(例えばリング305)が、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335又はそれらの組合せを取得してもよい。
【0103】
例えばリング305は、ユーザの体温データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRVデータ335、ガルバニック皮膚反応、血中酸素飽和度、アクチグラフィ、及び/又は他のユーザの生理学的データのようなユーザの生理学的データを取得し得る。例えばリング305は、生データを取得し、生データを日次粒度(daily granularity)の特徴に変換し得る。いくつかの実装では、異なる粒度の入力データが使用されてもよい。リング305は、更なる処理のために、モバイルデバイス(例えばユーザデバイス310)のような別のコンピューティングデバイスにデータを送信してよい。
【0104】
いくつかの例では、処理のためのデータ特徴は、クリーニング及びアーチファクト除去後の各半時間の睡眠にわたる体温の最大値を計算することと、その一連の30分の最大値から第2最大値を計算することと、前日の値からデルタを計算することと、任意に、重み付けを伴う3日間にわたる平滑化をオーバーレイすることとによって、睡眠中に検出された体温を含み得る。いくつかの実装では、システム300は代替的に、平滑化ウィンドウを伴わない体温偏差を使用してよく、あるいはこの情報を、統計的分位(例えば1%及び99%)又は外れ値除去後の体温の第2最大及び最小の生の値又は組み合わせてもよい。いくつかの実装では、システム300は、心拍数及び呼吸数のような追加の特徴を追加してもよい。いくつかの実装では、シェイプレット分類器のような多変量時系列法が、体温における妊娠に関連する上昇の形状、及び他の信号における同時の又はフェーズ独立の相関変化を識別し得る。
【0105】
システム300は、ユーザデータ及び/又は特徴セット(例えばデータの最後の数ヶ月)を処理パイプラインに入力してよい。パイプラインは、データを平滑化し得る(例えば7日間の平滑化ウィンドウ又は他のウィンドウを使用する)。欠測値(Missing values)は補完されてよい(例えばpythonパッケージsktimeからのforecaster Impute法を使用する)。システムは、関連するベースライン期間にわたる、以前の体温値のユーザ内(within-user)分布に対する睡眠時皮膚温度値の変化又は上昇と組み合わせて、周期性の停止及び/又は欠如のいずれかを検出し得る多変量行列から特徴を導出し得る。場合によっては、システム300は、最低体温レベル(月経周期の最低又は谷レベル(trough level))が、月経周期が開始されていることを示す閾値に達しない可能性があることを検出し得る。閾値は、ユーザ内データ(例えばユーザが以前にサイクルを示し、それらが停止した場合)又はユーザ間(between-user)データ(例えば同様の年齢のユーザ及び同様の信号特性を有するユーザから導出された体温分布の統計的閾値)に基づいて定義されてもよい。いくつかの実装では、システム300は、新しい月経周期の開始として、ユーザ内ピーク値からの体温の低下を検出し得る。システムは、図5を参照して説明したように、いくつかの周期にわたって十分に規則的な月経を以前に記録した後に、ユーザが月経停止又は月経の欠如を示した場合、観察結果に妊娠の可能性があるとフラグを立てることができる。
【0106】
例えばユーザデバイス310は、受信したデータに基づいて、妊娠追跡データ(例えば早期妊娠検出)を決定し得る。場合によっては、システム300は、体温データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRVデータ335、ガルバニック皮膚反応、血中酸素飽和度、活動、睡眠構造又はこれらの組合せに基づいて、妊娠追跡データを決定してよい。場合によっては、システム300は、どの特徴が早期妊娠検出のための有用な識別子であるかを決定し得る。システムは、リング305及びユーザデバイス310によって実装されてもよいが、本明細書で説明されるコンピューティングデバイスの任意の組合せは、システム300に起因する特徴を実装し得る。
【0107】
ユーザデバイス310-aは、リングアプリケーション350を含み得る。リングアプリケーション350は、少なくともモジュール340とアプリケーションデータ345を含み得る。場合によっては、アプリケーションデータ345は、ユーザの履歴体温パターン及び他のデータを含んでよい。他のデータは、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335又はそれらの組合せを含んでよい。
【0108】
リングアプリケーション350は、検出された妊娠の指標をユーザに提示し得る。リングアプリケーション350は、データ処理を実行し得るアプリケーションデータ処理モジュールを含んでよい。例えばアプリケーションデータ処理モジュールは、システム300に帰属する機能を提供するモジュール340を含んでよい。例示的なモジュール340は、日次体温決定モジュール、時系列処理モジュール、体温上昇モジュール及び妊娠検出モジュールを含んでもよい。
【0109】
日次体温決定モジュールは、(例えば昼間及び/又は夜間を通して連続的に収集された一連の体温値からその日の代表体温値を選択することによって)毎日の体温値を決定し得る。時系列処理モジュールは、時系列データを処理して、妊娠の指標を検出し得る。体温上昇モジュールは、処理された時系列データに基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する体温上昇を識別し得る。妊娠検出モジュールは、処理された時系列データに基づいて妊娠の指標を検出し得る。このような場合、システム300は、ユーザの生理学的データを(例えばリング305から)受信し、ユーザが妊娠しているかどうかの日次分類を出力し得る。リングアプリケーション350は、取得された体温データ、他の生理学的データ及び妊娠追跡データ(例えばイベントデータ)のようなアプリケーションデータ345を記憶してよい。
【0110】
場合によっては、システム300は、ユーザの生理学的データ(例えば体温データ320及び/又は運動データ)に基づいて、妊娠追跡データを生成し得る。妊娠追跡データは、ユーザの妊娠の指標を含んでよく、これは、分析期間(例えば数週間/数ヶ月の期間)にわたる取得されたユーザ体温データ(例えば毎日の体温データ320)に基づいて決定され得る。例えばシステム300は、ウェアラブルデバイス(例えばリング305)からユーザに関連付けられる生理学的データを受信してよい。生理学的データは、少なくとも体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335又はこれらの組合せを含み得る。例えばシステム300は、分析期間(例えば複数日)にわたってユーザの生理学的データを取得する。そのような場合、システム300は、分析期間にわたってユーザの生理学的データを取得して処理し、ユーザの生理学的データの1つ以上の時系列を生成し得る。
【0111】
場合によっては、システム300は、分析期間にわたって毎日のユーザ体温データ320を取得し得る。例えばシステム300は、毎日、単一の体温値を計算してよい。システム300は、昼間及び/又は夜間に複数の体温値を取得し、取得した体温値を処理して、単一の日次体温値を決定し得る。いくつかの実装では、システム300は、受信した体温データ320に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定してもよい。システム300は、図4を参照して更に説明されるように、体温値の時系列の識別された体温上昇に基づいて、体温値の時系列における妊娠の指標を検出し得る。
【0112】
システム300は、ユーザデバイス310-a、310-bのGUIに、検出された妊娠の指標を表示させ得る。場合によって、システム300は、GUIに時系列を表示させてもよい。システム300は、妊娠追跡データ出力を生成してよい、例えばシステム300は、生理学的データ(例えば少なくとも体温データ320)、タグ付けされたイベント及び/又は図7を参照して本明細書で説明される他のGUI要素を含む、追跡GUIを生成してもよい。そのような場合、システム300は、妊娠追跡GUIに、検出された妊娠の指標をレンダリングしてもよい。
【0113】
システム300は、ユーザデバイス310-a又は310-b上のGUI上に表示するため、妊娠の指標を示すメッセージ365を生成し得る。例えばシステム300(例えばユーザデバイス310-a又はサーバ315)は、検出された妊娠の指標を示すメッセージ365を、ユーザデバイス310-bに送信してもよい。このような場合、ユーザデバイス310-bは、臨床医、不妊治療専門医(fertility specialist)、介護者、パートナー又はこれらの組合せに関連付けられてもよい。可能性のある妊娠の検出は、体温データ320において検出されたパターンを強調し、妊娠に関する教育的リンクを提供する、ユーザへの個人化されたメッセージ365をトリガし得る。
【0114】
いくつかの実装では、リングアプリケーション350は、検出された妊娠の指標をユーザに通知し、かつ/又は、アクティビティGUIで様々なタスクを実行するようにユーザに促してよい(prompt)。通知及びプロンプトは、テキスト、グラフィクス及び/又は他のユーザインタフェース要素を含んでよい。通知及びプロンプトは、ちょうど検出された妊娠があるときなどに、リングアプリケーション350に含まれてよく、リングアプリケーション350は、通知及びプロンプトを表示してよい。ユーザデバイス310は、ホーム画面上の別個のウィンドウに通知及びプロンプトを表示してよく、かつ/又は他の画面上に(例えばホーム画面の一番上に)オーバーレイしてもよい。場合によっては、ユーザデバイス310は、モバイルデバイス、ユーザの時計デバイス又はその両方に通知及びプロンプトを表示してもよい。
【0115】
いくつかの実装では、ユーザデバイス310は、履歴ユーザデータを記憶し得る。場合によっては、履歴ユーザデータは履歴データ355を含んでよい。履歴データ355は、ユーザの履歴体温パターン、ユーザの履歴心拍数パターン、ユーザの履歴呼吸数パターン、ユーザの履歴HRVパターン、ユーザの履歴月経周期開始イベント(例えば周期長、周期開始日等)又はそれらの組合せを含んでよい。履歴データ355は、最近の数ヶ月から選択されてもよい。履歴データ355は、ユーザの閾値(例えば非妊娠ベースライン)を決定するため、ユーザの早期妊娠を検出するため又はこれらの組合せのために、(例えばユーザデバイス310又はサーバ315によって)使用され得る。履歴データ355を使用することにより、ユーザデバイス310及び/又はサーバ315は、ユーザの履歴データ355を考慮することによってGUIを個人化することができる。
【0116】
非妊娠ベースライン(例えば体温、心拍数、呼吸数、HRV等)は、システム300によって取得される履歴データ355に基づいて、ユーザに特有に調整されてもよい。例えばユーザの非妊娠ベースラインは、ユーザが妊娠する前にシステム300によって連続的に収集された生理学的データに基づいてもよい。そのような場合、システム300は、ユーザのための非妊娠ベースライン(例えば体温、心拍数、HRV、呼吸数)を決定してもよい。場合によっては、非妊娠ベースラインは、ユーザの月経周期と相対的であってもよい。例えばユーザのベースラインは、ユーザが妊娠する前に及び/又はユーザの月経周期中に、システム300によって連続的に収集された生理学的データに基づいてよい。そのような場合、システム300は、ユーザの月経周期の異なる部分の間に決定された生理学的データの値に基づいて、ユーザのためのベースライン(例えば体温、心拍数、HRV、呼吸数)を決定し得る。
【0117】
このような場合、ユーザデバイス310は、履歴データ355をサーバ315に送信し得る。場合によっては、送信された履歴データ355は、リングアプリケーション350に記憶される履歴データと同じであってもよい。他の例では、履歴データ355は、リングアプリケーション350に記憶される履歴データとは異なっていてもよい。サーバ315は、履歴データ355を受信し得る。サーバ315は、履歴データ355をサーバデータ360に記憶してもよい。
【0118】
いくつかの実装では、ユーザデバイス310及び/又はサーバ315はまた、ユーザ情報の例であり得る他のデータを受信して、記憶してもよい。ユーザ情報は、ユーザの年齢、体重、身長及び性別を含んでよいが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ユーザ情報は、排卵周期及び無排卵周期を識別するための特徴として使用されてもよい。サーバデータ360は、ユーザ情報のような他のデータを含んでもよい。
【0119】
いくつかの実装では、システム300は、異なるユーザのための1つ以上のユーザデバイス310を含んでもよい。例えばシステム300は、主ユーザのためのユーザデバイス310-aと、主ユーザに関連付けられる第2ユーザ302(例えばパートナー)のためのユーザデバイス310-bとを含んでよい。ユーザデバイス310は、異なるユーザの生理学的パラメータを測定し、異なるユーザのためのGUIを提供し、異なるユーザからのユーザ入力を受信し得る。いくつかの実装では、異なるユーザデバイス310は、生理学的情報を取得し、月経周期、卵巣周期、疾患、妊孕性及び/又は妊娠のような女性の健康に関連する出力を提供し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス310-bは、男性の疾患及び生殖能力(fertility)のような、第2ユーザ302に関連する生理学的情報を取得してもよい。
【0120】
いくつかの実装では、システム300は、第2ユーザ302に関連情報を知らせるGUIを提供し得る。例えば第1ユーザと第2ユーザ302は、1つ以上のユーザデバイス310を介して、例えばサーバデバイス、モバイルデバイス又は他のデバイスを介して、互いに彼らの情報を共有することがある。いくつかの実装では、第2ユーザ302は、ユーザのアカウント(例えばユーザ名、ログイン情報等)及び/又は関連データのうちの1つ以上を互いに(例えば第1ユーザと)共有することがある。ユーザ間で情報を共有することにより、システム300は、第2ユーザ302が妊娠に関連する健康上の決定を行うのを支援し得る。いくつかの実装では、ユーザは、特定の情報を共有するように(例えばGUIにおいて)促されてもよい。例えばユーザは、GUIを使用して、彼女の妊娠情報を第2ユーザ302と共有することを選択してよい。このような場合、ユーザ及び第2ユーザ302は、彼らのそれぞれのユーザデバイス310上で妊娠の段階に関連する通知を受信し得る。他の例では、第2ユーザ302は、通知又は他の共有の取り決めを介して、自身の情報(例えば疾患、生殖能力データ等)をユーザに利用可能にし得る。このような場合、第2ユーザ302は、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せの例であり得る。
【0121】
図4は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするタイミング図400の例を示す。タイミング図400は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング図400は、図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0122】
本明細書に更に詳細に説明されるように、システムは、妊娠の指標を検出するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通したユーザの身体体温パターンが、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば昼間及び夜間の皮膚温度が、妊娠の指標を識別し得る。このように、タイミング図400は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の日及び/又は月にわたる)との間の関係を図示している。この点に関して、タイミング図400に示される垂直棒は、「体温値405」を指すと理解されてよい。タイミング図400に示される濃い垂直棒は、「確認された妊娠410」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値405は、ベースライン体温に対して相対的であってよい。
【0123】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも体温データを含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値405の時系列を決定し得る。システムは、元の時系列体温データ(例えば体温値405)を処理して妊娠の指標415を検出してよい。
【0124】
体温値405は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、睡眠データ、心拍数データ、HRVデータ、呼吸数データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0125】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対体温を何日も観察し、妊娠を示し得る体温の上昇をマークすることによって、妊娠の指標415を検出し得る。個別化された連続的生理機能(continuous physiology)を使用して月経周期のフェーズを区別し、妊娠の指標415を検出することは、正確な妊娠検出を提供し得る。そのような場合、システムは、体温値405における体温上昇を識別することに基づいて、妊娠の指標415を検出し得る。例えば妊娠の指標415は、体温値405における体温上昇の前に及び/又はその時点に発生し得る。そのような場合、妊娠の指標415は、妊娠が起こる可能性が高かった時間期間(例えば1日又はそれ以上の日)を含んでよい。
【0126】
システムは、体温データを受信したことに応答して、体温値405の各体温値を決定し得る。体温データは、連続的な夜間体温データを含んでよい。体温値405は、リングによって取得される夜間睡眠体温値(nocturnal sleeping temperature value)(例えば1日に1回)の例であってもよい。体温値405は、ユーザの非妊娠体温ベースラインに対する体温値の体温上昇によって検出される妊娠を示してよい。ユーザの非妊娠体温ベースラインは、妊娠の指標415の前の体温値405を表してよい。例えば体温値405は、ユーザの非妊娠体温ベースラインから上昇することがあり、それにより、ユーザが妊娠していることを示し得る。
【0127】
体温値405は、垂直線によって区切られた時間に陽性妊娠検査(例えば確認された妊娠410)を受けたユーザについて、数ヶ月にわたってプロットされてもよい。図7を参照して説明されるアプリケーションに含まれ得るタイミング図400は、従来の家庭用検査方法より2週間も前に、体温データをどのように使用して妊娠の始まりを検出するかを示し得る。例えばデバイス(例えばリングデバイス)から取得された生理学的データは、月経停止の数週間前(例えば最初の月経停止の最大2週間前)に妊娠を検出することがある。このような場合、妊娠の指標415は、確認された妊娠410の前に検出されることがある。
【0128】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、ホルモン検査が妊娠を確認する前に(例えばユーザによって検出可能なホルモン変化の前に)妊娠を検出するように構成され得る。場合によっては、夜間を通してのユーザの体温パターンが、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば夜間の皮膚温度は、妊娠の指標415を検出し得る。このように、タイミング図400は、ユーザの体温データと時間(例えば複数日にわたる)との間の関係を示す。
【0129】
図5は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするタイミング図500の例を示す。タイミング図500は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング図500は、図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0130】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、体温値、HRV値、呼吸数値、心拍数値又はこれらの組合せの偏差に基づいて妊娠の指標510を検出するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通じてのユーザの体温パターン、HRVパターン、呼吸数パターン、心拍数パターン又はこれらの組合せが、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば日中及び夜間の皮膚温度、HRV、呼吸数、心拍数又はこれらの組合せは、妊娠の指標510を検出し得る。
【0131】
このように、タイミング図500-aは、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)の間の関係とを示す。この点に関して、タイミング図500に示された実曲線は、「体温値505」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値505は、ベースライン体温に対して相対的であり得る。タイミング図500に示された破線の垂直線は、「妊娠の指標510」を指すと理解されてよい。タイミング図500に示された短い破線の垂直線は、「月経期(period)515」を指すと理解されてよい。
【0132】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することがある。生理学的データは、少なくとも体温データを含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値505の時系列を決定し得る。タイミング図500-aを参照すると、複数日は、7ヶ月の例であってよい。例えばタイミング図500-aは、少なくとも2つの月経期515と、妊娠の指標510と、2つの月経期515及び妊娠の少なくとも第1妊娠期(例えば0~14週)を通じた体温値505とを含んでよい。このような場合、タイミング図500-aは、2つの月経515と、妊娠の指標510と、その後の少なくとも第1妊娠期を通じた体温値505とを有するユーザを示し得る。
【0133】
システムは、元の時系列体温データ(例えば体温値505)を処理して、妊娠の指標510を検出し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含むことがある。例えば時系列は、ユーザによってタグ付けされ得る月経期515を含み得る。場合によっては、月経期515は、システムによって連続的に収集された生理学的データに基づいてシステムによって決定されてもよい。例えばタイミング図500-aは、自動的に及び/又はアプリケーション内のユーザタグによって識別されていることがある幾つかの月経期515を有していたユーザを示してよい。ユーザが妊娠し(例えば妊娠の指標510を介して示される)、その後、妊娠してから9ヶ月未満で月経期が戻っておらず、それにより、ユーザが妊娠していることを示す。妊娠の指標510の時間の前後のユーザの体温軌跡は、一般に月経期515の時間の前後のピークよりも高いことがある。
【0134】
体温値505は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、睡眠データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0135】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対体温を何日も観察し、妊娠を示すことがある、非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方に対する体温の上昇をマークすることによって、妊娠の指標510を検出し得る。例えばシステムは、受信した体温データ(例えば体温値505)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの非妊娠ベースライン体温を超えることを決定することがある。このような場合、システムは、受信した体温データがユーザの非妊娠ベースライン体温を超えると決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。例えばシステムは、ユーザの体温がベースライン(例えば非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方)よりも約0.4℃高く上昇し、ユーザの以前の黄体期(例えば次の月経期515が始まる前)における体温上昇よりもはるかに長く持続することを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後に体温値505を識別し、体温値の非妊娠ベースラインを識別し得る。
【0136】
いくつかの例では、システムは、生理学的パラメータの月経周期ベースラインを識別及び/又は決定し得る。月経周期ベースラインは、受信した生理学的データに基づいて、生理学的パラメータがユーザの月経周期を通じてユーザについて典型的にどのように変化するかを示す傾向の一例であり得る。例えばユーザの体温の月経周期ベースラインは、ユーザの月経周期の日毎又はフェーズ毎の典型的な体温値を含み得る。システムは、月経周期ベースラインに基づいて、受信した体温データを、ユーザの月経周期の日について予測される体温と比較してもよい。システムは、受信した体温データ(例えば体温値505)が、ユーザの月経周期の識別された日のユーザの月経周期ベースラインよりも高いことを決定することがある。このような場合、システムは、受信した体温データがユーザの月経周期のベースライン体温よりも高いと決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0137】
場合によっては、システムは、受信した体温データ(例えば体温値505)が、周期内のより早い時期に、又は、ユーザの月経周期ベースラインに基づく典型的なものよりも速い速度で上昇したと決定することがある。例えばシステムは、受信した体温データ(例えば体温値505)が、月経周期ベースラインに基づいて、月経周期のこの日の又はこのフェーズ中のユーザの典型的な値よりも高いことを決定することがあり、これは、体温上昇が月経周期中に経験される通常の変動以外の何かを示すこと(例えばユーザが妊娠している可能性があること)を示し得る。このような場合、システムは、受信した体温データがユーザの月経周期のベースライン体温よりも早く上昇していると決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0138】
システムは、体温値505の時系列の1つ以上の正の傾きに基づいて、体温値505の時系列における妊娠を検出し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数の体温値505の時系列の1つ以上の正の傾きを識別し得る。システムは、時系列の1つ以上の正の傾きを識別したことに応答して、体温値505の時系列における妊娠を検出し得る。妊娠の指標510は、体温値505の時系列における正の傾きに関連付けられる。例えば妊娠の指標510は、正の傾きの終わりに生じることがある。このような場合、正の傾きは妊娠が起こったことを示してよい。
【0139】
場合によって、システムは、リングを介して収集されたユーザの体温値505の時系列を決定した後に、ユーザの体温の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数の体温値505の時系列の1つ以上の正の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、正の傾きを決定してもよい。他の例では、複数の体温値505の時系列の1つ以上の正の傾きを識別することは、元の時系列体温データ(例えば体温値505)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0140】
いくつかの実装では、システムは、時系列を決定したことに応答して、体温値505の時系列の周期性の停止を識別し得る。このような場合、システムは、周期性の停止を識別することに応答して、妊娠を検出し得る。例えばシステムは、体温値505が、月経周期(例えば月経期515)の間の体温値の時系列の周期性から逸脱している可能性があることを決定し得る。このような場合、システムは、体温値505が、ユーザが月経期515を経験した後に、減少するのではなく、上昇し続けると判断し得る。
【0141】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠等を追跡するように構成されてもよい。場合によっては、夜間を通してのユーザの体温パターンが、妊娠を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば夜間の皮膚温度が、妊娠の指標を識別することがある。このように、タイミング図500-aは、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0142】
タイミング図500-bは、ユーザのHRVデータと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング図500-bに示される実曲線は、「HRV520」を指すと理解されてよい。ユーザのHRV520は、ベースラインHRVに対して相対的であってもよい。タイミング図500-bに示される破線の垂直線は、「妊娠の指標510」を指すと理解されてよい。タイミング図500-bに示された短い破線の垂直線は、「月経期515」を指すと理解されてよい。
【0143】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することがある。生理学的データは、少なくともHRVデータを含んでよい。システムは、受信したHRVデータに基づいて、複数日にわたって取得された複数のHRV値520の時系列を決定し得る。タイミング図500-bを参照すると、複数日は、7ヶ月の例であってよい。例えばタイミング図500-bは、少なくとも2つの月経期515と、妊娠の指標510と、2つの月経期515及び妊娠の少なくとも第1妊娠期(例えば0~14週)を通じたHRV値520とを含んでよい。このような場合、タイミング図500-bは、2つの月経515と、妊娠の指標510と、その後の少なくとも第1妊娠期を通じたHRV値520とを有するユーザを示し得る。
【0144】
システムは、元の時系列HRVデータ(例えばHRV値520)を処理して、妊娠の指標510を検出し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含むことがある。例えば時系列は、ユーザによってタグ付けされ得る月経期515を含み得る。場合によっては、月経期515は、システムによって連続的に収集された生理学的データに基づいてシステムによって決定されてもよい。例えばタイミング図500-bは、自動的に及び/又はアプリケーション内のユーザタグによって識別されていることがある幾つかの月経期515を有していたユーザを示してよい。ユーザが妊娠し(例えば妊娠の指標510を介して示される)、その後、妊娠してから9ヶ月未満で月経期が戻っておらず、それにより、ユーザが妊娠していることを示す。妊娠の指標510の時間の前後のユーザのHRV軌跡は、一般に月経期515の時間の前後のピークよりも低いことがある。
【0145】
HRV値520は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えばHRVデータ、睡眠データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0146】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対HRVを何日も観察し、妊娠を示すことがある、非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方に対するHRVの減少をマークすることによって、妊娠の指標510を検出し得る。例えばシステムは、受信したHRVデータ(例えばHRV値520)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの非妊娠ベースラインHRVを下回ることを決定することがある。このような場合、妊娠の指標を検出することは、受信したHRVデータがユーザの非妊娠ベースラインHRVを下回ると決定したことに応答してよい。例えばシステムは、ユーザのHRVがベースライン(例えば非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方)未満に減少し、ユーザの以前の黄体期におけるHRV減少よりもはるかに長く持続することを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後にHRV値520を識別し、HRV値の非妊娠ベースラインを識別し得る。
【0147】
いくつかの例では、システムは、HRVの月経周期ベースラインを決定し得る。HRVの月経周期ベースラインは、受信した生理学的データに基づいて、ユーザのHRVがユーザの月経周期を通じて典型的にどのように変化するかを示すHRVの傾向の一例であり得る。システムは、月経周期ベースラインに基づいて、受信したHRVデータを、ユーザの月経周期の日について予測されるHRVと比較してもよい。システムは、受信したHRVデータ(例えばHRV値520)が、ユーザの月経周期の識別された日又はフェーズのユーザの月経周期ベースラインよりも低いことを決定することがある。このような場合、システムは、受信したHRVデータがユーザの月経周期のベースラインHRVよりも低いと決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0148】
場合によっては、システムは、受信したHRVデータ(例えばHRV値520)が、ユーザの月経周期ベースラインよりも早くに減少すると決定することがある。例えばシステムは、HRV値520が、ユーザの月経周期ベースラインHRVに基づいて典型的なものよりも早い速度で低下傾向にある判断することがある。このような場合、システムは、受信したHRVデータがユーザの月経周期のベースラインHRVよりも早く減少していると決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0149】
システムは、HRV値520の時系列の1つ以上の負の傾きに基づいて、HRV値520の時系列における妊娠を検出し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数のHRV値520の時系列の1つ以上の負の傾きを識別し得る。システムは、時系列の1つ以上の負の傾きを識別したことに応答して、HRV値520の時系列における妊娠を検出し得る。妊娠の指標510は、月経周期中(例えば月経期515)の時系列における負の傾きと比較して、HRV値520の時系列における負の傾きが少ないことに関連付けられる。例えば妊娠の指標510は、負の傾きの終わりに生じることがある。このような場合、負の傾きは妊娠が起こったことを示してよい。
【0150】
場合によって、システムは、リングを介して収集されたユーザのHRV値520の時系列を決定した後に、ユーザのHRVの最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数のHRV値520の時系列の1つ以上の負の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、負の傾きを決定してもよい。他の例では、複数のHRV値520の時系列の1つ以上の負の傾きを識別することは、元の時系列HRVデータ(例えばHRV値520)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0151】
いくつかの実装では、システムは、時系列を決定したことに応答して、HRV値520の時系列の周期性の停止を識別し得る。このような場合、システムは、周期性の停止を識別することに応答して、妊娠を検出し得る。例えばシステムは、HRV値520が、月経周期(例えば月経期515)の間のHRV値520の時系列の周期性から逸脱している可能性があることを決定し得る。このような場合、システムは、HRV値520が、ユーザが月経期515を経験した後に、上昇するのではなく、減少し続けると判断し得る。
【0152】
場合によっては、夜間を通してのユーザのHRVパターンが、妊娠を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば夜間のHRVが、妊娠の指標510を識別することがある。このように、タイミング図500-bは、ユーザのHRVデータと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0153】
いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、妊娠を検出(例えば妊娠の指標510を識別)し得る。そのような場合、妊娠の指標510を識別することは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せに基づいてもよい。例えばユーザの体温パターンと組み合わされるユーザのHRVパターンは、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。そのような場合、ユーザのHRVパターンは、ユーザの体温データ320に照らして、妊娠の指標510を確認する(例えば妊娠の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステムが、受信した心拍数変動データがユーザの非妊娠ベースライン心拍数変動未満であり、受信した体温データ320がユーザの非妊娠ベースライン体温よりも高いと判断した場合、システムは、心拍数変動データ又は体温データのうちの一方が非妊娠ベースラインから逸脱している場合よりも高い精度及び精密さで、妊娠の指標510を検証又は検出することができる。
【0154】
いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、検出された妊娠の指標510の可能性を反証するか又は低減し得る。このような場合、システムは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せに基づいて、妊娠の指標510を識別する偽陽性を識別することがある。例えばシステムが、受信した体温データはユーザの非妊娠ベースライン体温よりも高いが、受信した心拍数変動データは依然としてユーザの非妊娠ベースライン心拍数変動と一致すると判断する場合、システムは、妊娠の指標510は無効であるか、又は、体温と呼吸変動数の両方がそれらの妊娠ベースラインから逸脱した場合よりも少なくとも可能性が低いと判断することがある。このような場合、システムは、ユーザが病気、月経周期におけるホルモン変化等を経験している可能性があると判断してよい。
【0155】
タイミング図500-cは、ユーザの呼吸数データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング図500-cに示される実曲線は、「呼吸数値525」を指すと理解されてよい。ユーザの呼吸数値525は、ベースライン呼吸数に対して相対的であってもよい。タイミング図500-cに示される破線の垂直線は、「妊娠の指標510」を指すと理解されてよい。タイミング図500-cに示された短い破線の垂直線は、「月経期515」を指すと理解されてよい。
【0156】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することがある。生理学的データは、少なくとも呼吸数データを含んでよい。システムは、受信した呼吸数データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の呼吸数値525の時系列を決定し得る。タイミング図500-cを参照すると、複数日は、7ヶ月の例であってよい。例えばタイミング図500-cは、少なくとも2つの月経期515と、妊娠の指標510と、2つの月経期515及び妊娠の少なくとも第1妊娠期(例えば0~14週)を通じた呼吸数値525とを含んでよい。このような場合、タイミング図500-cは、2つの月経515と、妊娠の指標510と、その後の少なくとも第1妊娠期を通じた呼吸数値525とを有するユーザを示し得る。
【0157】
システムは、元の時系列呼吸数データ(例えば呼吸数値525)を処理して、妊娠の指標510を検出し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含むことがある。例えば時系列は、ユーザによってタグ付けされ得る月経期515を含み得る。場合によっては、月経期515は、システムによって連続的に収集された生理学的データに基づいてシステムによって決定されてもよい。例えばタイミング図500-cは、自動的に及び/又はアプリケーション内のユーザタグによって識別されていることがある幾つかの月経期515を有していたユーザを示してよい。ユーザが妊娠し(例えば妊娠の指標510を介して示される)、その後、妊娠してから9ヶ月未満で月経期が戻っておらず、それにより、ユーザが妊娠していることを示す。妊娠の指標510の時間の前後のユーザの呼吸数軌跡は、一般に月経期515の時間の前後のピークよりも高いことがある。
【0158】
呼吸数値525は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば呼吸数データ、睡眠データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0159】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対呼吸数を何日も観察し、妊娠を示すことがある、非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方に対する呼吸数の増加をマークすることによって、妊娠の指標510を検出し得る。例えばシステムは、受信した呼吸数データ(例えば呼吸数値525)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数をより大きい(例えば超える)ことを決定することがある。このような場合、妊娠の指標510を検出することは、受信した呼吸数データがユーザの非妊娠ベースライン呼吸数より大きいと決定したことに応答してよい。例えばシステムは、ユーザの呼吸数がベースライン(例えば非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方)に対する30%増加を含み、ユーザの以前の黄体期における呼吸数増加よりもはるかに長く持続することを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後に呼吸数値525を識別し、呼吸数値の非妊娠ベースラインを識別し得る。
【0160】
いくつかの例では、システムは、呼吸数の月経周期ベースラインを決定し得る。月経周期ベースラインは、受信した生理学的データに基づいて、ユーザの呼吸数がユーザの月経周期を通じて典型的にどのように変化するかを示す呼吸数の傾向の一例であり得る。例えばシステムは、ユーザの月経周期の日及びフェーズと、その日又はフェーズの対応するベースライン呼吸数を識別し得る。システムは、受信した呼吸数データを、ユーザの月経周期の日について予測される呼吸数(例えば月経周期ベースライン)と比較してもよい。システムは、受信した呼吸数データ(例えば呼吸数値525)が、ユーザの月経周期の識別された日のユーザの月経周期ベースラインよりも大きいことを決定することがある。このような場合、システムは、受信した呼吸数データがユーザの月経周期のベースライン呼吸数よりも大きいと決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0161】
場合によっては、システムは、受信した呼吸数データ(例えば呼吸数値525)が、月経周期ベースライン呼吸数に基づいてユーザに典型的なものよりも早く増加すると判断することがある。例えばシステムは、呼吸数値525が、ユーザの月経周期ベースラインに基づいて予測されるものよりも高い値に又はより早い速度で増加していると判断することがある。このような場合、システムは、受信した呼吸数値525がユーザの月経周期のベースライン呼吸数よりも早く増加していると決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0162】
システムは、呼吸数値525の時系列の1つ以上の正の傾きに基づいて、呼吸数値525の時系列における妊娠を検出し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数の呼吸数値525の時系列の1つ以上の正の傾きを識別し得る。システムは、時系列の1つ以上の正の傾きを識別したことに応答して、呼吸数値525の時系列における妊娠を検出し得る。妊娠の指標510は、月経周期中(例えば月経期515)の呼吸数値525の時系列における正の傾きと比較した、呼吸数値525の時系列における最大の正の傾きに関連付けられる。例えば妊娠の指標510は、正の傾きの終わりに生じることがある。このような場合、正の傾きは妊娠が起こったことを示してよい。
【0163】
場合によって、システムは、リングを介して収集されたユーザの呼吸数値525の時系列を決定した後に、ユーザの呼吸数の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、複数の呼吸数値525の時系列の1つ以上の正の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、正の傾きを決定してもよい。他の例では、複数の呼吸数値525の時系列の1つ以上の正の傾きを識別することは、元の時系列呼吸数データ(例えば呼吸数値525)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0164】
いくつかの実装では、システムは、時系列を決定したことに応答して、呼吸数525の時系列の周期性の停止を識別し得る。このような場合、システムは、周期性の停止を識別することに応答して、妊娠を検出し得る。例えばシステムは、呼吸数値525が、月経周期(例えば月経期515)の間の呼吸数値525の時系列の周期性から逸脱している可能性があることを決定し得る。このような場合、システムは、呼吸数値525が、ユーザが月経期515を経験した後に、減少するのではなく、上昇し続けると判断し得る。
【0165】
場合によっては、夜間を通してのユーザの呼吸数パターンが、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば夜間の呼吸数が、妊娠の指標510を識別することがある。このように、タイミング図500-cは、ユーザの呼吸数データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0166】
場合によっては、ユーザの体温パターン(又は本明細書で説明されるいずれかの他の生理学的パラメータ)と組み合わされるユーザの呼吸数パターンは、妊娠の早期検出を特徴付け得るインジケータとなり得る。場合によっては、ユーザの体温パターン及び/又はHRVパターンと組み合わされるユーザの呼吸数パターンは、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。そのような場合、ユーザの呼吸数パターンは、ユーザの体温データ、ユーザのHRVパターン又はその両方に照らして、妊娠の指標510を確認する(例えば妊娠の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステムが、受信した呼吸数データがユーザの月経周期ベースライン呼吸数より高く、受信した体温データ320がユーザの月経周期ベースライン体温よりも高いと判断した場合、システムは、呼吸数データ又は体温データのうちの一方が月経周期ベースラインから逸脱している場合よりも高い精度及び精密さで、妊娠の指標510を検証又は検出することができる。
【0167】
いくつかの例では、システムは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せに基づいて、妊娠の指標510を識別する偽陽性を識別することがある。例えばシステムが、受信した体温データはユーザの月経周期ベースライン体温よりも高いが、受信した呼吸数データは依然としてユーザの月経周期ベースライン呼吸数と一致すると判断する場合、システムは、妊娠の指標510は無効である(例えば偽陽性)と判断することがある。このような場合、システムは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せが月経周期ベースラインと一致すると判断したことに基づいて、ユーザが病気、月経周期におけるホルモン変化等を経験している可能性があると判断してよい。
【0168】
タイミング図500-dは、ユーザの心拍数データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング図500-dに示される実曲線は、「心拍数530」を指すと理解されてよい。ユーザの心拍数530は、ベースライン心拍数に対して相対的であってもよい。タイミング図500-dに示される破線の垂直線は、「妊娠の指標510」を指すと理解されてよい。タイミング図500-dに示された短い破線の垂直線は、「月経期515」を指すと理解されてよい。
【0169】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられる生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することがある。生理学的データは、少なくとも心拍数データを含んでよい。システムは、受信した心拍数データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の心拍数値530の時系列を決定し得る。タイミング図500-dを参照すると、複数日は、7ヶ月の例であってよい。例えばタイミング図500-dは、少なくとも2つの月経期515と、妊娠の指標510と、2つの月経期515及び妊娠の少なくとも第1妊娠期(例えば0~14週)を通じた心拍数値530とを含んでよい。このような場合、タイミング図500-dは、2つの月経515と、妊娠の指標510と、その後の少なくとも第1妊娠期を通じた心拍数値530とを有するユーザを示し得る。
【0170】
システムは、元の時系列心拍数データ(例えば心拍数値530)を処理して、妊娠の指標510を検出し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含むことがある。例えば時系列は、ユーザによってタグ付けされ得る月経期515を含み得る。場合によっては、月経期515は、システムによって連続的に収集された生理学的データに基づいてシステムによって決定されてもよい。例えばタイミング図500-dは、自動的に及び/又はアプリケーション内のユーザタグによって識別されていることがある幾つかの月経期515を有していたユーザを示してよい。ユーザが妊娠し(例えば妊娠の指標510を介して示される)、その後、妊娠してから9ヶ月未満で月経期が戻っておらず、それにより、ユーザが妊娠していることを示す。妊娠の指標510の時間の前後のユーザの心拍数軌跡は、一般に月経期515の時間の前後のピークよりも高いことがある。
【0171】
心拍数値530は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば心拍数データ、睡眠データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0172】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対心拍数を何日も観察し、妊娠を示すことがある、非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方に対する心拍数の増加をマークすることによって、妊娠の指標510を検出し得る。例えばシステムは、受信した心拍数データ(例えば心拍数値530)が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数より大きい(例えば超える)ことを決定することがある。このような場合、妊娠の指標510を検出することは、受信した心拍数データがユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を下回ると決定したことに応答してよい。例えばシステムは、ユーザの心拍数がベースライン(例えば非妊娠ベースライン、月経周期ベースライン又はその両方)に対して増加し、ユーザの以前の黄体期における心拍数増加よりもはるかに長く持続することを識別し得る。いくつかの例では、システムは、時系列を決定した後に心拍数値530を識別し、心拍数値の非妊娠ベースラインを識別し得る。
【0173】
いくつかの例では、システムは、心拍数の月経周期ベースラインを決定し得る。月経周期ベースライン心拍数は、受信した生理学的データに基づいて、ユーザの日次又は平均心拍数がユーザの月経周期を通じてどのように変化するかを示す心拍数の傾向の一例であり得る。例えばシステムは、ユーザの月経周期の日又はフェーズを識別して、その日又はフェーズに典型的な対応する心拍数値を識別し得る。システムは、受信した心拍数データを、ユーザの月経周期(例えば月経周期ベースライン)の日について予測される心拍数と比較してもよい。システムは、受信した心拍数データ(例えば心拍数値530)が、ユーザの月経周期の識別された日のユーザの月経周期ベースラインより大きい(例えば超える)ことを決定することがある。このような場合、システムは、受信した心拍数データがユーザの月経周期のベースライン心拍数よりも大きいと決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0174】
場合によっては、システムは、受信した心拍数データ(例えば心拍数値530)が、月経周期ベースライン心拍数に基づいて予測される又は典型的なものよりも早く増加すると判断することがある。例えばシステムは、心拍数値530が典型的ものよりも大きいか又は周期のより早い段階で増加していると判断することがある。このような場合、システムは、受信した心拍数データがユーザの月経周期ベースライン心拍数よりも早く増加していると決定したことに応答して、妊娠の指標510を検出し得る。
【0175】
システムは、心拍数値530の時系列の1つ以上の正の傾きに基づいて、心拍数値520の時系列における妊娠を検出し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に、複数のHRV値520の時系列の1つ以上の正の傾きを識別し得る。システムは、時系列の1つ以上の正の傾きを識別したことに応答して、心拍数値530の時系列における妊娠を検出し得る。妊娠の指標510は、心拍数値530の時系列における正の傾きに関連付けられる。例えば妊娠の指標510は、正の傾きの終わりに生じることがある。このような場合、正の傾きは妊娠が起こったことを示してよい。
【0176】
場合によって、システムは、リングを介して収集されたユーザの心拍数値530の時系列を決定した後に、ユーザの心拍数の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、心拍数値530の時系列の1つ以上の正の傾きを識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、正の傾きを決定してもよい。他の例では、複数の心拍数値530の時系列の1つ以上の正の傾きを識別することは、元の時系列心拍数データ(例えば心拍数値530)の導関数を計算することに応答してもよい。
【0177】
いくつかの実装では、システムは、時系列を決定したことに応答して、心拍数値530の時系列の周期性の停止を識別し得る。このような場合、システムは、周期性の停止を識別することに応答して、妊娠を検出し得る。例えばシステムは、心拍数値530が、月経周期(例えば月経期515)の間の心拍数値530の時系列の周期性から逸脱している可能性があることを決定し得る。このような場合、システムは、心拍数値530が、ユーザが月経期515を経験した後に、減少するのではなく、上昇し続けると判断し得る。
【0178】
場合によっては、昼及び/又は夜間を通してのユーザの心拍数パターンが、妊娠を特徴付けるインジケータとなり得る。例えば昼及び/又は夜間の心拍数が、妊娠の指標を識別することがある。このように、タイミング図500-dは、ユーザの心拍数データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0179】
場合によっては、ユーザの体温パターン(又は本明細書で説明されるいずれかの他の生理学的パラメータ)と組み合わされるユーザの心拍数パターンは、妊娠の早期検出を特徴付け得るインジケータとなり得る。場合によっては、ユーザの体温パターン、HRVパターン及び/又は呼吸数パターンと組み合わされるユーザの心拍数パターンは、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。そのような場合、ユーザの心拍数パターンは、ユーザの体温データ、ユーザのHRVパターン、ユーザの呼吸数パターン又はそれらの組合せに照らして、妊娠の指標510を確認する(例えば妊娠の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステムが、心拍数値530の時系列の周期性の停止を識別し、体温値505の時系列の周期性の停止を識別した場合、システムは、心拍数データ又は体温データのうちの一方が時系列の周期性から逸脱している場合よりも高い精度及び精密さで、妊娠の指標510を検証又は検出することができる。
【0180】
いくつかの例では、システムは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せに基づいて、妊娠の指標510を識別する偽陽性を識別することがある。例えばシステムが、体温値505の時系列の周期性の停止を識別するが、受信した心拍数データが、心拍数値530の時系列の周期性から逸脱していない場合、システムは、検出された妊娠の指標510は無効である(例えば偽陽性)と判断することがある。このような場合、システムは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せが時系列の周期性からいつ出すしていないと判断したことに基づいて、ユーザが病気、月経周期におけるホルモン変化等を経験している可能性があると判断してよい。
【0181】
いくつかの実装では、システムは、時系列を決定したことに基づいて、月経周期(例えば月経期515)の欠如を識別することがある。このような場合、妊娠の指標を検出することは、月経期515の欠如を識別する前に起こる。例えばシステムは、時系列を決定することに基づいて、月経期515の後のある時間期間内に妊娠(例えば妊娠の指標510)を検出することがある。そのような場合、妊娠の指標は、その時間期間内の月経周期(例えば月経期515)の欠如を識別する前に検出され得る。例えばシステムは、妊娠の指標510を検出し、次いで、月経期515の期間がないこと(例えばその欠如)を識別し得る。
【0182】
図6は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするタイミング図600の例を示す。タイミング図600は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング図600は、図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0183】
本明細書に更に詳細に説明されるように、システムは、妊娠の指標を検出するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通したユーザの体温パターンが、妊娠を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば昼間及び夜間の皮膚温度は、妊娠の指標を識別し得る。このように、タイミング図600は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の週及び/又は月にわたる)との間の関係を図示している。この点に関して、タイミング図600に示される実線は、「体温値605」を指すと理解されてよい。タイミング図600に示される破線の垂直線は、「妊娠の始まり610」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値605は、ベースライン体温に対して相対的であってもよい。
【0184】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも体温データを含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値605の時系列を決定し得る。システムは、元の時系列体温データ(例えば体温値605)を処理して、妊娠の指標を検出し得る。
【0185】
体温値605は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、睡眠データ、心拍数、HRVデータ、呼吸数データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0186】
タイミング図600は、妊娠期間が満期(例えば40週)であったユーザの体温軌跡を示してよい。例えばタイミング図600は、妊娠開始610における体温値605が、妊娠開始610の前の体温値605よりも高いことがあることを示し得る。場合によっては、妊娠開始610における体温値605は、妊娠開始610の後の体温値605よりも高いことがある。そのような場合、妊娠開始時の体温値605は、極大値(local maximum)620を表してよい。
【0187】
システムは、時系列を決定したことに基づいて、体温値605の時系列の第1部分の1つ以上の極大値615を識別し得る。時系列の第1部分は、妊娠開始610の前に発生し、ユーザの月経周期を示し得る。例えば第1部分は、ユーザの1つ以上の月経周期に対応してもよい。システムは、時系列を決定したことに基づいて、体温値605の時系列の第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値620を識別し得る。第2部分は、妊娠開始610が起こった時間期間を含み得る。例えば第2部分は、妊娠開始610に対応する時間期間に対応し得る。そのような場合、時系列における体温上昇を識別することは、第1部分の1つ以上の極大値615と第2部分の1つ以上の極大値620を識別することに応答してもよい。
【0188】
システムは、第1部分の識別された1つ以上の極大値615と、第2部分の識別された1つ以上の極大値620とを比較し得る。場合によっては、システムは、比較に基づいて、第2部分の識別された1つ以上の極大値620が、第1部分の識別された1つ以上の極大値614より大きいと判断することがある。そのような場合、システムは、決定に応答して妊娠の指標を検出し得る。例えばタイミング図600は、妊娠前後(例えば第2部分の1つ以上の極大値620における)の体温レベル(例えば体温値605)が、以前の月経周期(例えば第1部分の1つ以上の極大値615における)の体温ピーク(例えば体温値605)よりも高いことを示してもよい。
【0189】
図7は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするGUI700の一例を示す。GUI700は、システム100、システム200、システム300、タイミング図400、タイミング図500、タイミング図600又は任意のそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばGUI700は、ユーザ102に対応するユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106-a、106-b、106-c)のGUI275の一例であってよい。
【0190】
いくつかの例では、GUI700は、GUI700(例えば図2に示されるGUI275)を介してユーザに表示され得る一連のアプリケーションページ705を示してよい。システムのサーバは、ユーザデバイス(例えばモバイルデバイス)のGUI700に、ユーザが月経期モード(period mode)を起動し、(例えばアプリケーションページ705を介して)その月経周期を追跡したいかどうかの問い合わせを表示させてよい。そのような場合、システムは、ユーザデバイスのGUI700上で個人化された周期追跡経験を生成して、コンテキストタグ又はユーザ質問に基づいて妊娠の指標を検出し得る。
【0191】
上記の例を続けると、妊娠の指標を検出する前に、ウェアラブルアプリケーションを開くと、ユーザにアプリケーションページが提示され得る。アプリケーションページ705は、月経期モードを起動し、システムが月経周期を追跡することを可能にする(例えばそれにより妊娠の検出を可能にする)要求を表示し得る。このような場合、アプリケーションページ705は、月経周期追跡アプリケーションに登録するようにユーザが招待される招待カードを表示してよい。アプリケーションページ705は、月経周期を追跡してよいかどうかを確かめるか、又は月経周期を追跡しない場合にはメッセージを閉じるように、ユーザにプロンプトを表示してよい。システムは、ユーザが月経周期の追跡にオプトインすることを選択するか又は月経周期の追跡にオプトアウトすることを選択するかの指示を受信し得る。例えばアプリケーションページ705は、早期妊娠が検出され得るか又は早期妊娠が検出され得ない場合にはメッセージを閉じることを確かめるように、プロンプトをユーザに表示してもよい。システムは、ユーザが早期妊娠の検出にオプトインするか又は早期妊娠の検出にオプトアウトするかの指示を受信し得る。
【0192】
月経周期を追跡すること及び/又は早期妊娠を検出することに対して「はい」を選択すると、ユーザにはアプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページ705は、周期を追跡するか及び/又は妊娠を検出する主な理由(例えば月経期、排卵、妊娠等)を確かめるためにユーザにプロンプトを表示してもよい。このような場合、アプリケーションページ705は、月経周期を追跡する及び/又は妊娠を検出する意図を確認するようにユーザに促してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、追跡システムの意図される用途の確認を受信し得る。
【0193】
場合によっては、意図を確認すると、ユーザにアプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページ705は、平均周期長(例えば最初の月経周期の最初の日と2番目の月経周期の最初の日との間の期間)を確かめるためにユーザにプロンプトを表示してもよい。場合によっては、アプリケーションページ705は、平均周期長が決定されない可能性のある不規則な周期をユーザが経験しているかどうかを指示するためのプロンプトをユーザに表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、平均周期長の確認を受信し得る。
【0194】
平均周期長又は不規則周期を入力すると、ユーザにアプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページ705は、最後の周期開始日(例えば最も最近の月経周期の最初の日)を確かめるためのプロンプトをユーザに表示してもよい。アプリケーションページ705は、ユーザが最終周期開始日を識別できない可能性があるかどうかを指示するためのプロンプトをユーザに表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、最終周期開始日の確認を受信し得る。
【0195】
場合によっては、最後の周期の開始日を確認すると、ユーザにアプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページは、ユーザがホルモン避妊薬を使用しているかどうかを確かめるためのプロンプトをユーザに表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、ホルモン避妊薬が使用中であるかどうかの確認を受信し得る。ホルモン避妊薬が使用中でないことを確認すると、ユーザにはGUI700が提示されてよく、GUI700は、アプリケーションページ705を参照して更に示され、説明され得る。
【0196】
システムのサーバは、ユーザデバイス(例えばモバイルデバイス)のGUI700に、妊娠の指標を(例えばアプリケーションページ705を介して)表示させ得る。このような場合、システムは、ユーザデバイスのGUI700上に検出された妊娠の指標を出力し、ユーザが妊娠していること及び/又は最初の日の妊娠(first day pregnancy)を経験していることを示し得る。
【0197】
上記の例を続けると、妊娠の指標を検出すると、ウェアラブルアプリケーションを開く際に、ユーザにアプリケーションページ705が提示され得る。図7に示されるように、アプリケーションページ705は、メッセージ720を介して、妊娠が検出されたことの指示を表示し得る。このような場合、アプリケーションページ705は、ホームページ上にメッセージ720を含んでよい。ユーザの妊娠が識別され得る場合、本明細書で説明されるように、サーバは、メッセージ720をユーザに送信してよく、ここで、メッセージ720は、ユーザの検出された妊娠の指標に関連付けられる。場合によっては、サーバは、メッセージ720を、臨床医、不妊治療専門医、介護者、ユーザのパートナー又はこれらの組合せに送信してよい。このような場合、システムは、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せに関連付けられるユーザデバイス上にアプリケーションページ705を提示してよい。
【0198】
例えばユーザデバイスは、メッセージ720を受信してよく、該メッセージは、妊娠検出が起こった時間間隔、検出された妊娠に関連付けられる症状を入力する要求、検出された妊娠に関連付けられる教育コンテンツ、活動目標の調整されたセット等を含んでよい。例えばメッセージ720は、検出された妊娠の指標の日付、可能性のある受胎の日付(例えば推定された受胎日は4月28日である)、可能性のある受胎の日付の範囲(例えば推定受胎日は4月27日~29日である)、予測された出産予定日の日付の範囲(例えば推定出産予定日は1月21日~29日である)又はそれらの組合せを示してもよい。このような場合、範囲は、推定日の日付と推定日の前後の日付を含み得る。メッセージ720は、ユーザが、本明細書で前述したように、検出された妊娠の指標に基づいて異なるメッセージ720を受信し得るように、構成可能/カスタマイズ可能であり得る。
【0199】
図7に示されるように、アプリケーションページ705は、アラート710を介して妊娠の指標を表示し得る。ユーザは、アラート710を受信することがあり、該アラートは、検出された妊娠の指標が起こったかどうかを確認するように、あるいは検出された妊娠の指標が起こらなかった場合にアラート710を却下するように、ユーザに促してよい。このような場合、アプリケーションページ705は、ユーザに妊娠を確認するか又は却下する(例えばシステムが妊娠の指標を正しく検出したかどうかを確認/否定する)ように促すことができる。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、検出された妊娠の指標の確認を受信し得る。場合によっては、システムは、ユーザデバイスを介して、妊娠の指標を検出したことに応答して、妊娠の確認を受信し得る。このような場合、妊娠の指標を検出することは、妊娠を確認する前に行われる。加えて、いくつかの実装では、アプリケーションページ705は、それぞれの日についてのユーザの1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコアなど)を表示し得る。
【0200】
アプリケーションページ705は、検出された妊娠の指標が記録されたことを示す、「検出された妊娠の指標の確認カード」のような妊娠カードを表示してもよい。いくつかの実装では、検出された妊娠の指標が有効であることを確認した後、妊娠は、それぞれの暦日についてユーザのために記録/ログ記録され得る。さらに、場合によっては、妊娠を使用して、ユーザに関連付けられる1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア等)を更新(例えば修正)してもよい。すなわち、検出された妊娠の指標に関連付けられるデータを使用して、検出された妊娠の指標が確認された後の次の暦日についてユーザのスコアを更新してもよい。
【0201】
場合によっては、準備スコアは、検出された妊娠の指標に基づいて更新されてよい。例えばユーザの体温ベースラインに対して上昇した体温は、システムに、アラート710を介して、ユーザの身体信号(例えば上昇した体温)に関してユーザに警告させ得る。そのような場合、準備スコアは、上昇した体温に基づいて「要注意」をユーザに示してよい。ユーザについて準備スコアが変わる場合、システムは、症状が重い可能性があるユーザに対して回復モードを実装してよく、数日間の調整されたアクティビティと準備ガイダンスの恩恵を受け得る。他の例では、準備スコアは、睡眠スコア及び上昇した体温に基づいて更新されてもよい。しかしながら、システムは、ユーザが妊娠していることを決定してよく、準備スコア及び/又は睡眠スコアを調整(例えば増加)して、妊娠の影響をオフセットしてよい。
【0202】
場合によっては、ユーザデバイスのGUI700を介してユーザに表示されるメッセージ720は、検出された妊娠の指標が全体的なスコア(例えば全体的な準備スコア、睡眠スコア、活動スコア等)及び/又は個々の寄与要因にどのように影響したかを示してよい。例えばメッセージは、「現在、身体に負担がかかっているようですが、気分が良ければ、軽度又は中強度の運動をすることは、身体が症状と戦うのに役立つ可能性があります(It looks like your body is under strain right now, but if you’re feeling ok, doing a light or medium intensity exercise can help your body battle the symptoms)」又は「回復メトリクスから、あなたの身体はまだ大丈夫であるように見えるので、軽い運動が症状の緩和に役立ちます(From your recovery metrics it looks like your body is still doing ok, so some light activity can help relieve the symptoms)」を示してもよい。
【0203】
妊娠の指標が検出された場合、メッセージ720は、ユーザの全体的な健康を改善するために、ユーザに提案を提供してもよい。例えばメッセージは、「本当に活力がないと感じているのであれば、今日は休息モードに切り替えてみませんか(“If you feel really low on energy, why not switch to rest mode for today)」又は「疲れていて、吐き気を感じているので、今日は休息に専念してください(Since you are feeling fatigued and nauseous, devote today for rest)」を示してもよい。そのような場合、ユーザに表示されるメッセージ720は、妊娠の一部の間に、ユーザがライフスタイルを調整するのを助けるための、的を絞った洞察を提供することができる。身体信号(例えば体温、心拍数、HRV等)が妊娠のフェーズに反応する可能性のあるユーザの場合、システムは、妊娠の開始前後に低い活動目標を表示することがある。このような場合、妊娠の指標を正確に検出することは、準備スコアと活動スコアの精度と効率を向上させ得る。
【0204】
ユーザがアプリケーションページ705-a上のプロンプト(例えばアラート710)を消去する場合、プロンプトは消えてもよく、ユーザは後でユーザ入力725を介して妊娠の指標を入力してもよい。場合によっては、システムは、メッセージ720を介して、ユーザが妊娠しているか否かをユーザに尋ねるプロンプトを表示してよく、あるいは代替モード(例えば妊娠モード、休息モード)への切り替えや月経期モードの非活性化を提案する。このような場合、システムは、妊娠の指標を検出したことに基づいて、月経期モードから妊娠モード又は休息モードへの切り替えを推奨し得る。
【0205】
アプリケーションページ705は、グラフ表示715を介して、ユーザが経験した体温、心拍数、HRV等を含む、検出された妊娠の1つ以上のパラメータを示し得る。グラフ表示715は、図4を参照して説明したタイミング図400の例であってよい。
【0206】
場合によっては、ユーザは、ユーザ入力725を介して症状を記録してよい。例えばシステムは、妊娠に関連付けられる症状(例えば吐き気、倦怠感、疲れ、頭痛、偏頭痛、痛み等)を記録するために、ユーザ入力(例えばタグ)を受信し得る。システムは、ユーザ履歴及び検出された妊娠の指標に基づいて、ユーザにタグを推奨し得る。場合によっては、システムは、妊娠の指標を検出したことに基づいて、ユーザデバイスのGUI700に、妊娠症状タグを表示させてもよい。
【0207】
場合によっては、ユーザの生理学的データ(例えば体温パターン、HRVパターン、呼吸数パターン、心拍数パターン又はそれらの組合せ)と組み合わせた、ユーザの記録された症状(例えばタグ)は、妊娠の早期検出を特徴付け得るインジケータであり得る。このような場合、ユーザの記録された症状は、ユーザの生理学的データに照らして、妊娠の指標を確認する(例えば妊娠の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステムが、受け取った体温データがユーザの月経周期ベースライン体温よりも高いと判断し、システムが、妊娠に関連付けられるユーザ入力(例えば吐き気、疲労、疲れ、頭痛、偏頭痛、痛み等)を受け取った場合、システムは、体温データの1つが月経周期のベースラインから逸脱する場合又はユーザが妊娠の症状を記録する場合よりも、より高い精度及び精密さで、妊娠の指標を検証又は検出し得る。
【0208】
いくつかの例では、システムは、ユーザ入力、1つの生理学的測定値、生理学的測定値の組合せ、又はそれらの組合せに基づいて、妊娠の指標を識別するための偽陽性を識別することがある。例えばシステムが、受け取った体温データがユーザの月経周期ベースライン体温よりも高いと判断したが、ユーザ入力がストレス、病気等に関連付けられる症状を示す場合、システムは、検出された妊娠の指標が無効(例えば偽陽性)であると判断し得る。このような場合、システムは、ユーザ入力を受信することに基づいて、ユーザが病気、ストレス、月経周期におけるホルモンの変化等を経験している可能性があると判断し得る。
【0209】
アプリケーションページ705はまた、検出された妊娠の指標に関連付けられる洞察や推奨等を含むメッセージ720も含み得る。システムのサーバは、ユーザデバイスのGUI700に、検出された妊娠の指標に関連付けられるメッセージ720を表示させ得る。ユーザデバイスは、メッセージ720を介して、妊娠に関連付けられる推奨及び/又は情報を表示し得る。本明細書で以前に述べたように、正確に検出された妊娠の指標は、ユーザの全体的な健康に有益であり得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス及び/又はサーバは、GUI700(例えばアプリケーションページ705)を介してユーザに表示され得る、妊娠に関連付けられるアラート710を生成し得る。特に、GUI700を介して生成され、ユーザに表示されるメッセージ720は、検出された妊娠の指標の1つ以上の特性(例えばタイミング)に関連付けられ得る。
【0210】
場合によっては、メッセージ720は、検出された妊娠の指標に続く数日間及び/又は検出された妊娠の指標の日に、ユーザがどのように彼らのライフスタイルを調整し得るかについての推奨を表してもよい。いくつかの例では、ユーザが検出された妊娠の指標の日に「疲労」とタグ付けした場合、システムは、ユーザが「疲労」とタグ付けした後の日に、ユーザ入力725を介して「疲労」を記録することを提案するプロンプトを、メッセージ720を介して表示してもよい。他の例では、システムは、ユーザが活動する時間(例えば暦日)を推奨するか又は検出された妊娠の指標に続く回復時間を推定し得る。
【0211】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの検出された妊娠の指標に関する追加の洞察を提供し得る。例えばアプリケーションページ705は、増加した体温等のようなユーザの検出された妊娠の指標をもたらした、1つ以上の生理学的パラメータ(例えば寄与要因)を示してよい。言い換えると、システムは、検出された妊娠の指標に関する何らかの情報又は他の洞察を提供するように構成され得る。個人化された洞察は、検出された妊娠の指標に関連付けられるメッセージを生成するために使用された、収集された生理学的データの側面(例えば生理学的データ内の寄与要因)を示し得る。
【0212】
いくつかの実装では、システムは、分類器をトレーニングし(例えば機械学習分類器のための教師あり学習)、ユーザ妊娠検出技術を改善するために、検出された妊娠の指標に関するユーザ入力725を受信するように構成され得る。例えばユーザは、症状の始まり、検出された妊娠の指標の確認等のようなユーザ入力725を受信してよい。これらのユーザ入力725は次いで、分類器に入力されて、分類器をトレーニングし得る。言い換えると、ユーザ入力725は、検出された妊娠の指標を検証又は確認するために使用され得る。
【0213】
アプリケーションページ705上で妊娠の指標を検出すると、GUI700は、ユーザがアプリケーションページ705を見ている現在の日付と、妊娠が検出される日を含む日付範囲、妊娠が推定される日を含む日付範囲、出産予定日が推定される日を含む日付範囲又はそれらの組合せを示し得るカレンダービューを表示し得る。例えば日付範囲は、破線構成を使用して暦日を囲んでよく、現在の日付は暦日を囲んでよく、検出された妊娠の日及び/又は推定される受胎/出産予定日が囲まれてもよい。カレンダービューはまた、現在の暦日と、ユーザの妊娠の日(例えばユーザが8週間妊娠していること)の指標とを含むメッセージを含んでもよい。
【0214】
図8は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするデバイス805のブロック図800を示す。デバイス805は、入力モジュール810、出力モジュール815及びウェアラブルアプリケーション820を含んでよい。デバイス805はまた、プロセッサも含んでもよい。これらの構成要素の各々は、(例えば1つ以上のバスを介して)互いに通信し得る。
【0215】
入力モジュール810は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を受信するための手段を提供し得る。情報は、デバイス805の他の構成要素に渡されてもよい。入力モジュール810は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0216】
出力モジュール815は、デバイス805の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供し得る。例えば出力モジュール815は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を送信してよい。いくつかの例では、出力モジュール815は、トランシーバモジュール内の入力モジュール810と同じ場所に配置されてもよい。出力モジュール815は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0217】
例えばウェアラブルアプリケーション820は、データ取得構成要素825、体温データ構成要素830、計算構成要素835、妊娠構成要素840、ユーザインタフェース構成要素845又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション820又はその様々な構成要素は、入力モジュール810、出力モジュール815又はその両方を使用して又は他の方法でこれらと協力して、様々な動作(例えば受信、モニタ、送信)を実行するように構成されてもよい。例えばウェアラブルアプリケーション820は、入力モジュール810から情報を受信し、出力モジュール815に情報を送信し、あるいは入力モジュール810、出力モジュール815又はその両方と組み合わせて統合されて、情報を受信し、情報を送信し、又は本明細書で説明されるような様々な他の動作を実行してもよい。
【0218】
データ取得構成要素825は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。体温データ構成要素830は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定する手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。計算構成要素835は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。妊娠構成要素840は、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。ユーザインタフェース構成要素845は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0219】
図9は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするウェアラブルアプリケーション920のブロック図900を示す。ウェアラブルアプリケーション920は、本明細書で説明されるように、ウェアラブルアプリケーション又はウェアラブルアプリケーション820、あるいはその両方の態様の例であってもよい。ウェアラブルアプリケーション920又はその様々な構成要素は、本明細書で説明されるようなウェアラブルベースの生理学的データから妊娠検出の様々な態様を実行するための手段の例であり得る。例えばウェアラブルアプリケーション920は、データ取得構成要素 925、体温データ構成要素930、計算構成要素935、妊娠構成要素940、ユーザインタフェース構成要素945又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。これらの構成要素の各々は、直接的又は間接的に、互いに(例えば1つ以上のバスを介して)通信し得る。
【0220】
データ取得構成要素925は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。体温データ構成要素930は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。計算構成要素935は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温の上昇を識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。妊娠構成要素940は、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇の閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。ユーザインタフェース構成要素945は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させる手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0221】
いくつかの例では、体温データ構成要素930は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の第1部分の1つ以上の極大値を識別する手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。いくつかの例では、体温データ構成要素930は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値を識別する手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、時系列における体温上昇の識別は、第1部分及び第2部分の1つ以上の極大値識別することに少なくとも部分的に基づいている。
【0222】
いくつかの例では、体温データ構成要素930は、第1部分の識別された1つ以上の極大値と第2部分の識別された1つ以上の極大値とを比較するための手段として構成されるか、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、第1部分は、ユーザの複数の月経周期に対応し、第2部分は、妊娠に対応する時間期間に対応する。いくつかの例では、体温データ構成要素930は、少なくとも部分的に比較に基づいて、第2部分の識別された1つ以上の極大値が第1部分の識別された1つ以上の極大値よりも大きいことを決定する手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、妊娠を検出することは、少なくとも部分的に決定に基づく。
【0223】
いくつかの例では、生理学的データは、心拍数データを更に含み、データ取得構成要素925は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した心拍数データがユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、妊娠の指標を検出することは、受信した心拍数データが、ユーザの任妊娠ベースライン心拍数を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0224】
いくつかの例では、生理学的データは、心拍数変動データを更に含み、データ取得構成要素925は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した心拍数変動データがユーザの非妊娠ベースライン心拍数変動をより小さいことを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、妊娠の指標を検出することは、受信した心拍数変動データが非妊娠ベースライン心拍数変動より小さいことを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0225】
いくつかの例では、生理学的データは、呼吸数データを更に含み、データ取得構成要素925は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した呼吸数データがユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、妊娠の指標を検出することは、受信した呼吸数データが、ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0226】
いくつかの例では、体温データ構成要素930は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の周期性の停止を識別する手段として構成されてもよく、又はそうでなければ、それをサポートしてもよく、妊娠を検出することは、周期性の停止を識別することに少なくとも部分的に基づく。
【0227】
いくつかの例では、妊娠構成要素940は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、月経周期の欠如を識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、妊娠の指標は、周期性の欠如を識別することに少なくとも部分的に基づく。
【0228】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素945は、ユーザデバイスを介して、妊娠の指標を検出したことに応答して、妊娠の確認を受信するための手段として構成されるか、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、妊娠の指標を検出することは、妊娠の確認の前に起こる。
【0229】
いくつかの例では、体温データ構成要素930は、体温データを受信することに少なくとも部分的に基づいて複数の体温値の各体温値を決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、体温データは、連続的な夜間体温データを含む。
【0230】
いくつかの例では、計算構成要素935は、妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられる準備スコア、ユーザに関連付けられる活動スコア、ユーザに関連する睡眠スコア又はそれらの組合せを更新するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0231】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素945は、妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに妊娠症状タグを表示させるための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0232】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素945は、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標に関連付けられるメッセージを表示させる手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0233】
いくつかの例では、メッセージは、妊娠検出が起こった時間間隔、検出された妊娠に関連付けられる症状を入力する要求、検出された妊娠に関連付けられる教育コンテンツ、活動目標の調整されたセット又はそれらの組合せを更に含む。
【0234】
いくつかの例では、計算構成要素935は、生理学的データを機械学習分類器に入力するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、妊娠の指標を検出することは、生理学的データを機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく。
【0235】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0236】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、ユーザから生理学的データを収集する。
【0237】
図10は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートするデバイス1005を含むシステム1000の図を示す。デバイス1005は、本明細書で説明されるようなデバイス805の構成要素の一例であってもよく、あるいはその構成要素を含んでもよい。デバイス1005は、本明細書で前述したようなユーザデバイス106の例を含んでよい。デバイス1005は、ウェアラブルアプリケーション1020、通信モジュール1010、アンテナ1015、ユーザインタフェース構成要素1025、データベース(アプリケーションデータ)1030、メモリ1035及びプロセッサ1040のような、ウェアラブルデバイス104及びサーバ110との通信を送受信するための構成要素を含む、双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、電子的に通信しているか、又は他の方法で1つ以上のバス(例えばバス1045)を介して(例えば動作的に、通信的に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されていてもよい。
【0238】
通信モジュール1010は、アンテナ1015を介して、デバイス1005のための入力信号及び出力信号を管理し得る。通信モジュール1010は、図2に示して説明したユーザデバイス106の通信モジュール220-bの一例を含んでよい。この点に関して、通信モジュール1010は、図2に図示されるように、リング104及びサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール1010は、デバイス1005に統合されていない周辺機器も管理し得る。場合によっては、通信モジュール1010は、外部周辺機器への物理的な接続又はポートを表してよい。場合によっては、通信モジュール1010は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)又は別の既知のオペレーティングシステムのようなオペレーティングシステムを利用してよい。他の場合には、通信モジュール1010は、ウェアラブルデバイス(例えばリング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン又は類似のデバイスを表すか又はそれらと対話してよい。場合によっては、通信モジュール1010は、プロセッサ1040の一部として実装されてもよい。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール1010、ユーザインタフェース構成要素1025を介して、あるいは通信モジュール1010によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス1005と対話してよい。
【0239】
場合によっては、デバイス1005は、単一のアンテナ1015を含んでよい。しかしながら、他のいくつかの場合では、デバイス1005は、2つ以上のアンテナ1015を有してもよく、これらは、複数の無線伝送を同時に送信又は受信することができる。通信モジュール1010は、1つ以上のアンテナ1015を介して、本明細書で説明されるように、有線リンク又は無線リンクを介して、双方向に通信してよい。例えば通信モジュール1010は、無線トランシーバを表してよく、別の無線トランシーバと双方向に通信してよい。通信モジュール1010はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを伝送のために1つ以上のアンテナ1015に提供し、1つ以上のアンテナ1015から受信されたパケットを復調するためのモデムも含んでよい。
【0240】
ユーザインタフェース構成要素1025は、データベース1030内のデータ記憶及び処理を管理し得る。場合によっては、ユーザは、ユーザインタフェース構成要素1025と対話してもよい。他の場合には、ユーザインタフェース構成要素1025は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース1030は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク又は緊急バックアップデータベースの例であってよい。
【0241】
メモリ1035は、RAM及びROMを含んでもよい。メモリ1035は、実行されると、プロセッサ1040に本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含む、コンピュータ読取可能でコンピュータ実行可能なソフトウェアを記憶し得る。場合によっては、メモリ1035は、他の中でも特に、周辺の構成要素又はデバイスとの対話のような基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御し得る、BIOSを含んでよい。
【0242】
プロセッサ1040は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理構成要素、離散ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組合せ)を含んでもよい。場合によっては、プロセッサ1040は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成されてもよい。他の場合には、メモリコントローラはプロセッサ1040に組み込まれてもよい。プロセッサ1040は、メモリ1035に記憶されたコンピュータ読取可能命令を実行して、様々な機能(例えば睡眠段階アルゴリズムのための方法及びシステムをサポートする機能又はタスク)を実行するように構成されてもよい。
【0243】
例えばウェアラブルアプリケーション1020は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。ウェアラブルアプリケーション1020は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてよい。ウェアラブルアプリケーション1020は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション1020は、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。ウェアラブルアプリケーション1020は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてもよい。
【0244】
本明細書で説明される実施例に従ってウェアラブルアプリケーション1020を含めるか又は構成することによって、デバイス1005は、改善された通信信頼性、低減されたレイテンシ、低減された処理に関連する改善されたユーザ体験、低減された電力消費、通信リソースのより効率的な利用、デバイス間の改善された協調、より長いバッテリ寿命及び処理能力の改善された利用のための技術をサポートし得る。
【0245】
ウェアラブルアプリケーション1020は、アプリケーション(例えば「app」)、プログラム、ソフトウェア又は他の構成要素を含んでよく、これらは、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106等との通信を容易にするように構成される。例えばウェアラブルアプリケーション1020は、リング104からデータ(例えば生理学的データ)を受信し、受信したデータに対して処理動作を実行し、サーバ110とデータを送受信し、ユーザ102にデータを提示させるように構成される、ユーザデバイス106上で実行可能なアプリケーションを含んでよい。
【0246】
図11は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする方法1100を示すフローチャートである。方法1100の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1100の動作は、図1から図10を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0247】
1105において、本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1105の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1105の動作の態様は、図9を参照して説明したように、データ取得構成要素925によって実行されてよい。
【0248】
1110において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよい。1110の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1110の動作の態様は、図9を参照して説明したように、体温データ構成要素930によって実行されてよい。
【0249】
1115において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するステップを含んでよい。1115の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1115の動作の態様は、図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行されてよい。
【0250】
1120において、本方法は、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するステップを含んでよく、ここで、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。1120の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1120の動作の態様は、図9を参照して説明したように、妊娠構成要素940によって実行されてよい。
【0251】
1125において、本方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるステップを含んでよい。1125の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1125の動作の態様は、図9を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素945によって実行されてよい。
【0252】
図12は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする方法1200を示すフローチャートである。方法1200の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1200の動作は、図1から図10を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0253】
1205において、本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1205の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1205の動作の態様は、図9を参照して説明したように、データ取得構成要素925によって実行されてよい。
【0254】
1210において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよい。1210の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1210の動作の態様は、図9を参照して説明したように、体温データ構成要素930によって実行されてよい。
【0255】
1215において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の第1部分の1つ以上の極大値を識別するステップを含んでよい。1215の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1215の動作の態様は、図9を参照して説明したように、体温データ構成要素930によって実行されてよい。
【0256】
1220において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値を識別するステップを含んでよく、ここで、時系列における体温上昇を識別することは、第1部分及び第2部分の1つ以上の極大値を識別することに少なくとも部分的に基づく。1220の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1220の動作の態様は、図9を参照して説明したように、体温データ構成要素930によって実行されてよい。
【0257】
1225において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するステップを含んでよい。1225の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1225の動作の態様は、図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行されてよい。
【0258】
1230において、本方法は、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するステップを含んでよく、ここで、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。1230の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1230の動作の態様は、図9を参照して説明したように、妊娠構成要素940によって実行されてよい。
【0259】
1235において、本方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるステップを含んでよい。1235の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1235の動作の態様は、図9を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素945によって実行されてよい。
【0260】
図13は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの妊娠検出をサポートする方法1300を示すフローチャートである。方法1300の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1300の動作は、図1から図10を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0261】
1305において、本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1305の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1305の動作の態様は、図9を参照して説明したように、データ取得構成要素925によって実行されてよい。
【0262】
1310において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよい。1310の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1310の動作の態様は、図9を参照して説明したように、体温データ構成要素930によって実行されてよい。
【0263】
1315において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温値ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するステップを含んでよい。1315の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1315の動作の態様は、図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行されてよい。
【0264】
1320において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、体温値の時系列の周期性の停止を識別するステップを含んでよく、ここで、妊娠を検出することは、周期性の停止を識別することに少なくとも部分的に基づく。1320の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1320の動作の態様は、図9を参照して説明したように、体温データ構成要素930によって実行されてよい。
【0265】
1325において、本方法は、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するステップを含んでよく、ここで、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である。1325の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1325の動作の態様は、図9を参照して説明したように、妊娠構成要素940によって実行されてよい。
【0266】
1330において、本方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるステップを含んでよい。1330の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1330の動作の態様は、図9を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素945によって実行されてよい。
【0267】
上記の方法は、可能な実装を説明しており、動作及びステップは、再配置又は他の方法で修正されてよく、他の実装も可能であることに留意されたい。さらに、上記の方法のうちの2つ以上からの態様を組み合わせてもよい。
【0268】
方法を説明する。本方法は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、生理学的データは、少なくとも体温データを含むステップと、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップと、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するステップと、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するステップであって、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である、ステップと、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるステップと、を含み得る。
【0269】
装置を説明する。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令を含み得る。命令は、プロセッサによって実行可能であり、本装置に、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取らせ、生理学的データは、少なくとも体温データを含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定させ、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別させ、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出させ、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能であり、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させ得る。
【0270】
別の装置を説明する。本装置は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るための手段であって、生理学的データは、少なくとも体温データを含む手段と、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段と、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別するための手段と、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出するための手段であって、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能である手段と、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるための手段とを含み得る。
【0271】
非一時的コンピュータ読取可能媒体を説明する。コードは、プロセッサによって実行可能な命令であって、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取り、生理学的データは、少なくとも体温データを含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定し、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温ベースラインに対する複数の体温値の時系列における体温上昇を識別し、識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの妊娠の指標を検出し、ユーザの妊娠の指標は、ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、識別された体温上昇から検出可能であり、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標を表示させるための命令を含み得る。
【0272】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の第1部分の1つ以上の極大値を識別し、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値を識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、時系列における体温上昇を識別することは、第1部分及び第2部分の1つ以上の極大値を識別することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0273】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、第1部分の識別された1つ以上の極大値と、第2部分の識別された1つ以上の極大値とを比較することであって、第1部分は、ユーザの複数の月経周期に対応し、第2部分は、妊娠に対応する時間期間に対応し、比較に少なくとも部分的に基づいて、第2部分の識別された1つ以上の極大値が第1部分の識別された1つ以上の極大値よりも大きいことを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠を検出することは、当該決定に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0274】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは心拍数データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データがユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠の指標を検出することは、受け取った心拍数データがユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0275】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは心拍数変動データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データがユーザの非妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠の指標を検出することは、受け取った心拍数変動データがユーザの非妊娠ベースライン変動を下回ることを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0276】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、生理学的データは呼吸数データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、複数日の少なくとも一部の間に、受け取った呼吸数データがユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠の指標を検出することは、受け取った呼吸数データがユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0277】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の時系列の周期性の停止を識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠を検出することは、周期性の停止を識別することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0278】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、月経周期の欠如を識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠の指標を検出することは、月経周期の欠如を識別する前に行われる。
【0279】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスを介して、妊娠の指標を検出したことに応答して、妊娠の確認を受信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠の指標を検出することは、妊娠の確認の前に行われる。
【0280】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の各体温値を決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、体温データは、連続的な夜間体温データを含む。
【0281】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられる準備スコア、ユーザに関連付けられる活動スコア、ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はこれらの組合せを更新するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0282】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、妊娠症状タグを表示させるための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0283】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、ユーザに関連付けられたユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、検出された妊娠の指標に関連付けられるメッセージを表示させるための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0284】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、メッセージは、妊娠の検出が起こった時間間隔、検出された妊娠に関連付けられる症状を入力する要求、検出された妊娠に関連付けられる教育コンテンツ、活動目標の調整されたセット又はそれらの組合せを更に含んでよい。
【0285】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、生理学的データを機械学習分類器に入力するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、妊娠の指標を検出することは、生理学的データを機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0286】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0287】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、ユーザから生理学的データを収集する。
【0288】
以下は、本開示の態様の概要を提供する:
【0289】
態様1:ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含むステップと;受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップと;前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの体温ベースラインに対する前記複数の体温値の前記時系列における体温上昇を識別するステップと;前記識別された体温上昇に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの妊娠の指標を検出するステップであって、前記ユーザの妊娠の指標は、前記ユーザのホルモンベースラインに対するホルモン上昇における閾値増加から検出可能である前に、前記識別された体温上昇から検出可能である、ステップと;ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記検出された妊娠の指標を表示させるステップと;を含む、方法。
【0290】
態様2:前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の第1部分の1つ以上の極大値を識別するステップと;前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の前記第1部分に続く第2部分の1つ以上の極大値を識別するステップと;を更に含み、前記時系列における体温上昇を識別するステップは、前記第1部分及び前記第2部分の1つ以上の極大値を識別することに少なくとも部分的に基づく、態様1に記載の方法。
【0291】
態様3:前記第1部分の前記識別された1つ以上の極大値と、前記第2部分の前記識別された1つ以上の極大値とを比較するステップであって、前記第1部分は、前記ユーザの複数の月経周期に対応し、前記第2部分は、前記妊娠に対応する時間期間に対応する、ステップと;前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記第2部分の前記識別された1つ以上の極大値が前記第1部分の前記識別された1つ以上の極大値よりも大きいことを決定するステップであって、前記妊娠を検出することは、当該決定に少なくとも部分的に基づく;態様1又は2に記載の方法。
【0292】
態様4:前記生理学的データは心拍数データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0293】
態様5:前記生理学的データは心拍数変動データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが前記ユーザの非妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数変動データが前記ユーザの非妊娠ベースライン変動を下回ることを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至4のいずれかに記載の方法。
【0294】
態様6:前記生理学的データは呼吸数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った呼吸数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記受け取った呼吸数データが前記ユーザの非妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至5のいずれかに記載の方法。
【0295】
態様7:前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の前記時系列の周期性の停止を識別するステップを更に含み、前記妊娠を検出することは、前記周期性の停止を識別することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至6のいずれかに記載の方法。
【0296】
態様8:前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、月経周期の欠如を識別するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記月経周期の欠如を識別する前に行われる、態様1乃至7のいずれかに記載の方法。
【0297】
態様9:前記ユーザデバイスを介して、前記妊娠の指標を検出したことに応答して、妊娠の確認を受信するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記妊娠の確認の前に行われる、態様1乃至8のいずれかに記載の方法。
【0298】
態様10:前記体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の各体温値を決定するステップを更に含み、前記体温データは、連続的な夜間体温データを含む、態様1乃至9のいずれかに記載の方法。
【0299】
態様11:前記妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられる準備スコア、前記ユーザに関連付けられる活動スコア、前記ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はこれらの組合せを更新するステップを更に含む、態様1乃至10のいずれかに記載の方法。
【0300】
態様12:前記妊娠の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、妊娠症状タグを表示させるステップを更に含む、態様1乃至11のいずれかに記載の方法。
【0301】
態様13:前記ユーザに関連付けられたユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記検出された妊娠の指標に関連付けられるメッセージを表示させるステップを更に含む、態様1乃至12のいずれかに記載の方法。
【0302】
態様14:前記メッセージは、前記妊娠の検出が起こった時間間隔、前記検出された妊娠に関連付けられる症状を入力する要求、前記検出された妊娠に関連付けられる教育コンテンツ、活動目標の調整されたセット又はそれらの組合せを更に含む、態様13に記載の方法。
【0303】
態様15:前記生理学的データを機械学習分類器に入力するステップを更に含み、前記妊娠の指標を検出するステップは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至14のいずれかに記載の方法。
【0304】
態様16:前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、態様1乃至15のいずれかに記載の方法。
【0305】
態様17:前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、前記ユーザから前記生理学的データを収集する、態様1乃至16のいずれかに記載の方法。
【0306】
態様18:装置であって:プロセッサと;前記プロセッサに結合されたメモリと;前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能であり、当該装置に、態様1乃至17のいずれかに記載の方法を実行させる命令と;を備える、装置。
【0307】
態様19:態様1乃至17のいずれかに記載の方法を実行するための少なくとも1つの手段を備える装置。
【0308】
態様20:コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コードは、態様1乃至17のいずれかに記載の方法を実行するためにプロセッサによって実行可能な命令を備える、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【0309】
添付図面に関連して、本明細書で説明される説明は、例示的な構成を記載しており、実装され得るか又は特許請求の範囲内にあるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、例示又は説明として機能する」ことを意味し、「好ましい」又は「他の例より有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載される技術の理解を提供する目的のための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよい。いくつかの例では、記載される例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0310】
添付の図面では、類似の構成要素又は特徴は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、ハイフンによって参照ラベルの後に続き、類似の構成要素を区別する第2ラベルによって区別されることがある。明細書において第1参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2参照ラベルに関係なく、同じ第1参照ラベルを有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0311】
本明細書で説明される情報及び信号は、様々な異なるテクノロジ及び技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば上記の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されてもよい。
【0312】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示のブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0313】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組合せで実装されてよい。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ読取可能媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されるか又は伝送され得る。他の例及び実装は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内である。例えばソフトウェアの性質により、上述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング又はこれらの任意の組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実装することができる。機能を実装する特徴はまた、機能の一部が異なる物理的位置で実装されるように分散されることを含め、物理的に様々な位置に配置されてもよい。また、特許請求の範囲を含め、本明細書中で使用されるとき、項目のリスト(例えば「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」のような句が前にある項目のリスト)で使用される「又は(or)」は、例えばA、B、又はCのうちの少なくとも1つのリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、AとBとC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、条件のクローズなセットを指すように解釈されないものとする。例えば「条件Aに基づいて」として記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づいてもよい。言い換えると、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、「少なくとも部分的に基づいて」という句と同じ方法で解釈されるものとする。
【0314】
コンピュータ読取可能媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を搬送又は記憶するために使用することができ、かつ汎用若しくは専用コンピュータ又は汎用若しくは専用プロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の非一時的媒体を含むことができる。また、任意の接続は、適切には、コンピュータ読取可能媒体と呼ばれる。例えばソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ又は他のリモートソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術は媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるときディスク(disk又はdisc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイ(登録商標)ディスクを含むが、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)はレーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれる。
【0315】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書に定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される実施例及び設計に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
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