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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】解剖学的特徴の画像強調
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240326BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61F9/007 200C
G06T1/00 290Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560781
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2022058675
(87)【国際公開番号】W WO2022207851
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】21166432.1
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516114695
【氏名又は名称】ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Instruments (Singapore) Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】12 Teban Gardens Crescent, Singapore 608924, Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン コック
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ジェン-ドン ゼン
(72)【発明者】
【氏名】ジア-ハオ パン
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057AA07
5B057BA23
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE02
5B057CE03
5B057CE11
5B057DB02
5B057DB09
5B057DC30
(57)【要約】
組織の画像データを処理するための装置が開示されており、本装置は、少なくとも1つのプロセッサを含む。本装置は、複数のプロファイルから1つのプロファイルを決定することと、決定されたプロファイルからの複数の設定を適用することと、のために構成されている。本装置は、適用された設定に基づいて画像を決定し、少なくとも1つの画像を表示するためのデータを出力する。それぞれのプロファイルは、複数の設定を含む。それぞれのプロファイルは、画像の解剖学的特徴を強調および/または抑制するように構成可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の画像データを決定するための装置(102)であって、
前記装置(102)は、少なくとも1つのプロセッサ(101)を含み、
前記装置(102)は、
複数のプロファイル(300)から1つのプロファイル(300)を決定すること(210)と、
決定された前記プロファイル(300)からの複数の設定(400)を適用すること(220)と、
適用された前記設定(400)に基づいて少なくとも1つの画像(105)を決定すること(240)と、
前記少なくとも1つの画像(105)を表示するためのデータを出力すること(250)と、
のために構成されており、
それぞれのプロファイル(300)は、複数の設定(400)を含み、
それぞれのプロファイル(300)は、解剖学的特徴を強調または抑制するように構成されている、
装置(102)。
【請求項2】
前記装置(102)は、前記プロファイルを決定することが、
前記複数のプロファイル(300)から1つの処置プロファイル(P1,P2,P3,P4,P5)を決定することと、
決定された前記処置プロファイル(P1,P2,P3,P4,P5)から1つの場面プロファイル(S1,S2,S3)を決定することと、
を含むように構成されており、
適用される設定は、決定された前記場面プロファイル(S1,S2,S3)から選択される、
請求項1記載の装置(102)。
【請求項3】
前記装置(102)は、前記複数のプロファイル(300)と、前記複数の設定(400)と、を格納することのために構成された少なくとも1つのメモリをさらに含む、
請求項1または2記載の装置(102)。
【請求項4】
前記装置は、
決定された前記処置プロファイル(P4;P5)から、複数のシーケンシャルな場面プロファイル(P4S1,P4S2,P4S3;P5S1,P5S2,P5S3)のシーケンスを決定することのために構成されている、
請求項2または3記載の装置(102)。
【請求項5】
前記装置は、
前記複数の設定(400)を適用することが、前記複数のシーケンシャルな場面プロファイル(P4S1,P4S2,P4S3;P5S1,P5S2,P5S3)をシーケンシャルに適用することを含むように構成されている、
請求項4記載の装置(102)。
【請求項6】
前記装置は、
前記データを出力すること(250)が、複数のシーケンシャルな画像(105)を、それぞれのシーケンシャルな場面プロファイル(S1,S2,S3)のそれぞれの適用された複数の設定(S1-400,S2-400,S3-400)で、シーケンシャルに出力することを含むように構成されている、
請求項4または5記載の装置(102)。
【請求項7】
前記装置は、
前記複数の場面プロファイル(S1,S2,S3)の決定された前記シーケンスのうちの後続の場面プロファイル(S2,S3)の設定(S2-400,S3-400)を適用することのために構成されている、
請求項4から6までのいずれか1項記載の装置(102)。
【請求項8】
前記装置は、
前進コマンドを受信することと、
前記前進コマンドが受信されると、前記後続の場面プロファイル(S2,S3)の設定(400)を適用することと、
のために構成されている、
請求項7記載の装置(102)。
【請求項9】
前記装置(102)は、前記後続の場面プロファイル(S2,S3)の前記設定(S2-400,S3-400)に前進させるための前進コマンドを伝送するためのスイッチ(106)をさらに含む、
請求項7または8記載の装置(102)。
【請求項10】
前記装置(102)は、
前記決定されたプロファイルからの複数の設定を適用すること(220)が、
前記画像データを処理すること、または
光学設定を調整するための制御信号を伝送すること、
の少なくとも1つを含むように構成されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(102)。
【請求項11】
前記装置は、
前記複数の場面プロファイルが、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
剥離中に網膜上膜を強調するための青色強調または緑色強調が含まれる、網膜上膜強調プロファイル、
硝子体を視覚化するための青色フィルタまたはコントラスト調整が含まれる、硝子体場面プロファイル、
赤色反射が強調され、被写界深度の拡大のためにアパーチャが縮小される、前部場面プロファイル、
眼の後部における低照明の視覚化を改善するためのカメラ露光時間の延長およびノイズの低減が含まれる、低減光プロファイル、
後嚢破裂のリスクを低減する目的で、後嚢を目立たせるために赤色チャネルのゲインを増大させることが含まれる、赤色強調プロファイル、
出血中にポートを配置するための領域を識別するための赤色フリーフィルタプロファイル、
網膜を識別するための赤色フリーフィルタプロファイル、
角膜内皮またはデスメ膜の剥離中の角膜層の弁別を支援するための橙色・赤茶色強調プロファイル、
コンストラストを調整するための、かつ過熟白内障水晶体の切開中および超音波水晶体乳化吸引術中に使用される青色色素または緑色色素を強調するための過熟白内障プロファイル、
クーラー設定、ウォーマー設定、3000K設定、4000K設定、5000K設定、ハロゲンランプ外観、蛍光灯外観、または白色LED外観のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つの温度プロファイル、
インドシアニングリーン、フルオレセイン、またはトリパンブルーのような色素からのコントラストを強調するための色素強調プロファイル
のうちの少なくとも1つを含むように構成されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の装置(102)。
【請求項12】
前記装置は、
複数の処置プロファイルが、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
温度プロファイル、赤色強調プロファイル、または前部硝子体切除術のための硝子体場面プロファイルのうちの少なくとも2つが含まれる、白内障処置プロファイル、
温度プロファイル、網膜上膜強調プロファイル、硝子体場面プロファイル、低減光プロファイル、赤色フリーフィルタプロファイル、または色素強調プロファイルのうちの少なくとも2つが含まれる、網膜処置プロファイル、
温度プロファイル、角膜層の弁別を支援するための橙色・赤茶色強調プロファイル、または赤色強調プロファイルのうちの少なくとも2つが含まれる、角膜処置プロファイル、または
温度プロファイル、網膜上膜強調プロファイル、硝子体場面プロファイル、低減光プロファイル、赤色フリーフィルタプロファイル、または色素強調プロファイルのうちの少なくとも2つが含まれる、黄斑前膜プロファイル
のうちの少なくとも1つを含むように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の装置(102)。
【請求項13】
前記装置は、
前記複数の設定(400)のうちの少なくとも1つをデフォルト設定に復元することのために構成されており、
複数のデフォルト設定は、前記少なくとも1つのメモリ(107)に格納されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の装置(102)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の装置(102)を含む、
手術用顕微鏡(100)。
【請求項15】
少なくとも1つの画像(105)を決定する方法(200)であって、前記方法(200)は、
複数のプロファイル(300)から1つのプロファイル(300)を決定するステップ(210)と、
決定された前記プロファイル(300)からの複数の設定(400)を適用するステップ(220)と、
適用された前記設定(400)に基づいて画像(105)を決定するステップ(240)と、
前記少なくとも1つの画像(105)を表示するためのデータを出力するステップ(250)と、
を含み、
それぞれのプロファイル(300)は、複数の設定(400)を含み、
それぞれのプロファイル(300)は、解剖学的特徴を強調または抑制するように構成されている、
方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示されている例は、顕微鏡のような手術用装置と、特に生体組織の画像処理と、に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の手術用装置は、種々の処置のために利用可能である。それぞれの処置は、ユーザーが、その処置のために装置設定を調整することを可能にすることができる。例えば、手術用顕微鏡は、ユーザーが、種々の解剖学的特徴を視覚化することを可能にすることができる。顕微鏡のような手術用装置は、広範囲の処置のために使用可能であり、種々の処置に対処するための適合可能な設定を有することができる。手術用顕微鏡のような医療装置を用いたユーザー体験を改善することは、例えば、考えられる処置および種々の装置設定の多様性に起因して、困難である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
分析または手術的介入に関して最適に関連する内容を、医療専門家または外科医のようなユーザーに提供するためには、特定の特徴の最適な視覚化を可能にするように、または他の特徴を抑制するように、組織の視覚画像を調整することが望ましいだろう。再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、特に手術用設定において、かつ/または生体組織が含まれている場合に、組織の治療および分析における不確実性およびエラーを低減することができる。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整が望ましい。生体組織の画像の外観を決定する設定を正確かつ再現可能に制御することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、このような問題に取り組むために、装置、手術用顕微鏡およびディスプレイを制御する方法が開示されている。
【0005】
本明細書では、請求項1で規定されているような、組織の画像データを決定するための装置が開示されている。本明細書では、請求項14で規定されているような手術用装置が開示される。本明細書では、請求項15で規定されているような、画像を決定する方法が開示されている。
【0006】
一実施形態では、組織の画像データを決定するための装置は、少なくとも1つのプロセッサを含む。本装置は、複数のプロファイルから1つのプロファイルを決定することと、決定されたプロファイルからの複数の設定を適用することと、のために構成されている。本装置は、適用された設定に基づいて画像を決定し、少なくとも1つの画像を表示するためのデータを出力する。それぞれのプロファイルは、複数の設定を含む。それぞれのプロファイルは、画像の解剖学的特徴を強調および/または抑制するように構成可能である。本装置は、最適な画像設定の再現性を改善することによって画像分析を改善することができる。医療専門家のようなユーザーに、分析または手術的介入のための改善された組織画像を提供することができる。決定されるプロファイルは、複数のプロファイルから選択可能であってよい。決定されるプロファイルの設定は、少なくとも1つの画像の解剖学的特徴を強調または抑制するように適合可能である。
【0007】
一実施形態では、本装置は、プロファイルを決定することが、複数のプロファイルから1つの処置プロファイルを決定することと、決定された処置プロファイルから1つの場面プロファイルを決定することと、を含むように構成されている。適用される設定は、決定された場面プロファイルから選択される。本装置は、最適な画像設定の再現性を改善することによって画像分析および/または組織の治療を改善することができる。医療専門家のようなユーザーに、分析または手術的介入のための改善された組織画像を提供することができる。
【0008】
一実施形態では、本装置は、複数のプロファイルと複数の設定とを格納することのために構成された少なくとも1つのメモリをさらに含む。メモリは、医療専門家のようなユーザーが、分析または手術的介入のための改善された組織画像を得るための再現可能な設定にアクセスすることを可能にすることができる。
【0009】
一実施形態では、本装置は、決定された処置プロファイルから、複数のシーケンシャルな場面プロファイルのシーケンスを決定することのために構成されている。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、疾患のより効率的な画像分析および治療のために有用であろう。
【0010】
一実施形態では、本装置は、複数の設定を適用することが、複数のシーケンシャルな場面プロファイルをシーケンシャルに適用することを含むように構成されている。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、疾患のより効率的な画像分析および治療のために有用であろう。複数のシーケンシャルな場面プロファイルのシーケンスは、少なくとも3つの場面プロファイルを含むことができ、それぞれの場面プロファイルは、決定された処置プロファイルに対して下位である。例えば、場面プロファイルのシーケンシャルな適用とは、第1の場面プロファイルの第1の設定が適用された後、第2の場面プロファイルの第2の設定が適用されるということである。代替的/追加的に、M個の場面プロファイルのうちのN番目の場面プロファイルが適用された後(M>N)、後続のN+1番目の場面プロファイルが適用される(N=Mまで)。
【0011】
一実施形態では、本装置は、データを出力することが、複数のシーケンシャルな画像を、それぞれのシーケンシャルな場面プロファイルのそれぞれの適用された複数の設定で、シーケンシャルに出力することを含むように構成されている。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、疾患のより効率的な画像分析および治療のために有用であろう。生体組織の画像の外観を決定する設定を正確かつ再現可能に制御することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。
【0012】
一実施形態では、本装置は、複数の場面プロファイルの決定されたシーケンスのうちの後続の場面プロファイルの設定を適用することのために構成されている。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、疾患のより効率的な画像分析および治療のために有用であろう。生体組織の画像の外観を決定する設定を正確かつ再現可能に制御することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。
【0013】
一実施形態では、本装置は、前進コマンドを受信することと、前進コマンドが受信されると、後続の場面プロファイルの設定を適用することと、のために構成されている。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、疾患のより効率的な画像分析および治療のために有用であろう。生体組織の画像の外観を決定する設定を正確かつ再現可能に制御することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。
【0014】
一実施形態では、本装置は、後続の場面プロファイルの設定に前進させるための前進コマンドを伝送するためのスイッチをさらに含む。スイッチは、設定の変更を簡単にすることを支援することができる。
【0015】
一実施形態では、本装置は、設定を適用すること(例えば、決定されたプロファイルからの複数の設定を適用すること)が、画像データを処理すること、または光学設定を調整するための制御信号を伝送することの少なくとも1つを含むように構成されている。イメージングのために使用される装置のための再現可能かつ/または簡便な設定の調整は、疾患のより効率的な画像分析および治療のために有用であろう。生体組織の画像の外観を決定する設定を正確かつ再現可能に制御することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。適用されるプロファイルの設定は、画像の解剖学的特徴を強調または抑制するように適合可能である。
【0016】
一実施形態では、本装置は、複数の場面プロファイルが、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
剥離中に網膜上膜を強調するための青色強調または緑色強調が含まれる、網膜上膜強調プロファイル、
硝子体を視覚化するための青色フィルタまたはコントラスト調整が含まれる、硝子体場面プロファイル、
赤色反射が強調され、被写界深度の拡大のためにアパーチャが縮小される、前部場面プロファイル、
眼の後部における低照明の視覚化を改善するためのカメラ露光時間の延長およびノイズの低減が含まれる、低減光プロファイル、
後嚢破裂のリスクを低減する目的で、後嚢を目立たせるために赤色チャネルのゲインを増大させることが含まれる、赤色強調プロファイル、
出血中にポートを配置するための領域を識別するための赤色フリーフィルタプロファイル、
網膜を識別するための赤色フリーフィルタプロファイル、
角膜内皮またはデスメ膜の剥離中の角膜層の弁別を支援するための橙色・赤茶色強調プロファイル、
コンストラストを調整するための、かつ過熟白内障水晶体の切開中および超音波水晶体乳化吸引術中に使用される青色色素または緑色色素を強調するための過熟白内障プロファイル、
クーラー設定、ウォーマー設定、3000K設定、4000K設定、5000K設定、ハロゲンランプ外観、蛍光灯外観、または白色LED外観のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つの温度プロファイル、
インドシアニングリーン、フルオレセイン、またはトリパンブルーのような色素からのコントラストを強調するための色素強調プロファイル
のうちの少なくとも1つを含むように構成されている。
【0017】
上記の場面プロファイルは、解剖学的特徴を強調および/または抑制するために特に有用であろうし、かつ/または多くの場合、医療従事者によって調整可能である。そのようなプロファイルを手元に有することによって作業がより効率的になる。
【0018】
1つの実施形態によれば、本装置は、複数の処置プロファイルが、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
温度プロファイル、赤色強調プロファイル、または前部硝子体切除術のための硝子体場面プロファイルのうちの少なくとも1つまたは2つが含まれる、白内障処置プロファイル(例えば、リスト内の全てのプロファイルをシーケンスで適用することができる)、
温度プロファイル、網膜上膜強調プロファイル、硝子体場面プロファイル、低減光プロファイル、赤色フリーフィルタプロファイル、または色素強調プロファイルのうちの少なくとも1つまたは2つが含まれる、網膜処置プロファイル(例えば、リスト内の全てのプロファイルをシーケンスで適用することができる)、
温度プロファイル、角膜層の弁別を支援するための橙色・赤茶色強調プロファイル、または赤色強調プロファイルのうちの少なくとも1つまたは2つが含まれる、角膜処置プロファイル(例えば、リスト内の全てのプロファイルをシーケンスで適用することができる)、または
温度プロファイル、網膜上膜強調プロファイル、硝子体場面プロファイル、低減光プロファイル、赤色フリーフィルタプロファイル、または色素強調プロファイルのうちの少なくとも1つまたは2つが含まれる、黄斑前膜プロファイル(例えば、リスト内の全てのプロファイルをシーケンスで適用することができる)
のうちの少なくとも1つを含むように構成されている。
【0019】
上記の処置プロファイルは、解剖学的特徴を強調および/または抑制するために特に有用であろうし、かつ/または多くの場合、医療従事者によって調整可能である。そのようなプロファイルを手元に有することによって作業がより効率的になる。
【0020】
一実施形態では、本装置は、複数の設定のうちの少なくとも1つをデフォルト設定に復元することのために構成されている。少なくとも1つのメモリに、複数のデフォルト設定が格納されている。
【0021】
本明細書では、上記のような装置のいずれかを含む、眼科手術用顕微鏡のような手術用顕微鏡が記載されている。
【0022】
本明細書では、少なくとも1つの画像を決定する方法であって、本方法は、複数のプロファイルから1つのプロファイルを決定することと、決定されたプロファイルからの複数の設定を適用することと、適用された設定に基づいて画像を決定することと、少なくとも1つの画像を表示するためのデータを出力することと、を含む、方法が開示されている。それぞれのプロファイルは、複数の設定を含む。それぞれのプロファイルは、解剖学的特徴を強調または抑制するように適合可能である。生体組織の画像の外観を決定する設定を正確かつ再現可能に制御することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。
【0023】
図面の簡単な説明
以下では、本装置および/または本方法のいくつかの例を、添付の図面を参照しながら例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本明細書に記載された一実施形態による手術用顕微鏡を示す図である。
図2】本明細書に記載された一実施形態による画像を決定する方法を示す図である。
図3】本明細書に記載された一実施形態による複数のプロファイルを示す図である。
図4A】本明細書に記載された一実施形態による設定を示す図である。
図4B】本明細書に記載された一実施形態による設定を示す図である。
図5A】生体組織の画像を示す図である。
図5B】生体組織の画像を示す図である。
図5C】生体組織の画像を示す図である。
図6】生体組織および設定の画像を示す図である。
図7】グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)を示す図である。
図8】GUIを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、種々の実施例を、いくつかの実施例が図示されている添付の図面を参照しながらより完全に説明する。縮尺通りでないことが想定されるべき図面では、線の太さ、層の厚さおよび/または領域の大きさは、分かりやすくするために誇張されている場合がある。
【0026】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。本明細書では、語尾の“(s)”は、1つまたは複数であることを示し、例えば、“profile(s)”は、1つまたは複数のプロファイルを示す。
【0027】
図1は、組織の画像データを決定するための装置102を示す。装置102は、少なくとも1つのプロセッサ101を有する。装置102は、イメージング装置104に結合されていてもよいし、かつ/または手術用顕微鏡100の一部であってもよい。装置102および/または手術用顕微鏡100は、画像105を表示するためのディスプレイ111を含むことができる。ディスプレイ111は、例えば2Dスクリーン、3Dスクリーン、またはデジタルビューアであってよい。
【0028】
少なくとも1つのプロセッサ101は、画像データを決定するために、かつ/またはディスプレイ111を制御するためにプログラミング可能である。例えば、少なくとも1つのプロセッサ101は、図2に示されている方法が含まれる本明細書に記載された方法に従って、ディスプレイを制御することができる。プロセッサ101は、例えば画像データを更新または変更するなどのために画像データを処理することができる。
【0029】
図2は、画像データを決定する方法200を示す。本方法は、複数のプロファイル300から1つのプロファイル300を決定すること210を含むことができる(図3も参照のこと)。それぞれのプロファイル300は、複数の設定400を含むことができる(図4Aおよび図4Bも参照のこと)。設定400は、画像105の外観を決定することができるデジタル設定および/または光学設定に関連することができる。設定400は、少なくとも1つのメモリ107に格納可能である。方法200は、決定されたプロファイル300からの複数の設定400を適用すること220と、適用された設定400に基づいて画像105を決定すること240と、少なくとも1つの画像105を表示するためのデータを出力すること250と、を含むことができる。設定400は、画像105に影響を与えることができる。
【0030】
設定400を適用すること220は、いくつか例を挙げると、明るさ、コントラストおよびノイズフィルタリングを調整することを含むことができる。設定400は、光源の明るさまたはアパーチャの直径を調整することなど、光学的な調整および/またはハードウェア的な調整を含むことができる。設定400は、デジタルフィルタおよびノイズフィルタのようなデジタル設定を含むことができる。それぞれのプロファイル300は、複数の設定400を含むことができる。それぞれのプロファイル300は、画像105の解剖学的特徴を強調または抑制することができる。解剖学的特徴を強調または抑制するために、設定を再現可能かつ/または迅速に調整することが可能であることが有利である。関心のある生体組織の特徴に対してより良好なコントラストを提供するなどのために、設定を再現可能かつ/または迅速に適用することにより、疾患の分析および治療において医療従事者を支援することができる。例えば、設定400を適用すること220は、画像を処理することおよび/または光学設定を調整するための制御信号を伝送することを含むことができる。
【0031】
画像を処理することは、デジタルフィルタを適用すること、画像のチャネルのゲイン、明るさ、コントラストを調整すること、画像の平均温度を変更すること、ノイズを低減すること、およびそれらの組み合わせを含むことができる。設定を適用する220ために制御信号を伝送することは、アパーチャ(例えば、虹彩および/または絞りのサイズ)、明るさ、焦点を調整すること、光源を選択すること、光学フィルタを変更すること、検出器を変更すること、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0032】
図3は、プロファイル300を示す。図4Aおよび図4Bは、設定400を示す。それぞれのプロファイル300は、複数の設定400を含む。設定400は、明るさ1、コントラスト2、平均温度3、デジタル色フィルタ4(種々の形態を有することができ、例えば、赤色フィルタ、青色フィルタ、緑色フィルタである)、ノイズ低減フィルタ5、アパーチャのサイズ6、光源の選択7、光学フィルタ8、検出器9、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、プロファイル300の選択/決定を介して設定400を適用および/または選択することにより、画像105に影響を与えることができ、かつ/または画像105を決定することができる。例えば、プロファイル300が決定される210と、その決定されたプロファイル300の設定400が適用される220。
【0033】
プロファイル300は、メモリ107、例えば少なくとも1つのメモリに格納可能である。プロファイル300には、ユーザーによって選択されたメニューからアクセス可能であり、かつ/またはプロファイル300を、例えばアルゴリズムによって決定することができる。選択、決定および/または適用されるプロファイル300の設定400は、画像105の解剖学的特徴を強調または抑制するように適合可能である。
【0034】
複数の種類のプロファイル300を設けることができる。例えば、1つまたは複数のユーザープロファイルU1,U2を設けることができ、これらには、デフォルトのユーザープロファイルU1を含めることができる。それぞれのユーザープロファイルU1,U2は、複数の設定400(図4Aおよび図4Bを参照のこと)を含むことができる。処置(procedure)プロファイルP1,P2,P3,P4,P5および/または場面(scene)プロファイルS1,S2,S3のような、その他の種類のプロファイルも可能である。これらのプロファイル300を、階層構造で配置することができる。プロファイル300は、他のプロファイル300を含むことができる。第1の場面プロファイルS1は、処置プロファイルに対して下位のプロファイルであってよく、例えば、P3S1は、第3の処置プロファイルの第1の場面プロファイルである。
【0035】
例えば、ユーザープロファイルU1,U2は、プロファイル300の階層構造の最上位にあってよい。代替的/追加的に、場面プロファイルS1,S2,S3は、階層構造の最下位にあってよい。例えば、第1の場面プロファイルS1は、ある場面の解剖学的特徴を強調または抑制するように適合された複数の設定S1-400を含むことができ、第1の場面プロファイルS1は、その場面の解剖学的特徴を強調/抑制するように適合されている。第2の場面プロファイルS2は、ある場面の解剖学的特徴を強調または抑制するように適合された複数の設定S2-400を含むことができ、第2の場面プロファイルS2は、その場面の解剖学的特徴を強調/抑制するように適合されている。
【0036】
それぞれの場面プロファイルS1,S2,S3のような、少なくともいくつかのプロファイル300は、それぞれの画像105および/または画像の種類の解剖学的特徴を特別に強調および/または抑制するように構成可能である。特徴を強調/抑制することにより、生体組織の画像を評価することおよび/または組織を治療することにおいて医療従事者を支援することができる。組織構造の視覚化は、手術用顕微鏡法において極めて重要であろう。従来の方法の視覚化アプローチには、課題が存在する場合がある。処置を簡素化することおよび/またはエラーを低減することが望ましい。本明細書では、デジタル設定および/または光学設定のような可変的な設定への再現可能かつ容易なアクセスを提供する手段が開示され、これにより、生体組織の画像を評価することにおいて医療従事者またはユーザーを支援することができる。
【0037】
本装置は、(例えば、ユーザーからの)処置の選択を受信することができる。選択は、受信されると、処置プロファイルP1,P2,P3を決定することができる。代替的/追加的に、本装置は、場面の選択を受信することができ、場面の選択は、受信されると、場面プロファイルS1,S2,S3を決定することができる。
【0038】
図5Aおよび図5Bは、白内障手術中の画像の例を示す。図5Aでは、適用された設定400は、後嚢部分550aの視覚化を強調するように適合されている。図5Bの比較例では、最適未満の設定400が適用されていることに起因して、後嚢部分550bの視覚化は、不十分である。図5Aの適用された設定400は、複数の処置プロファイルP1,P2,P3のうちの第1の処置プロファイルP1の設定であってよい。図5Aの適用された設定400を、設定P1-400と称することができ、例えば、第1の処置プロファイルP1によって決定された設定400と称することができる。第1の処置プロファイルP1は、本例では、画像105を決定するために適用される厳密に1つの設定群P1-400を有する。第1の処置プロファイルP1は、複数の設定P1-400を含み、これらの設定P1-400が適用される220。適用された設定P1-400によって、画像105に、例えば画像105の外観などに影響を与えることができる/画像105、例えば画像105の外観などを決定することができる240。
【0039】
別の例では、処置プロファイルP3は、2つの場面プロファイルS1,S2を有する(これら2つの場面プロファイルS1,S2を、P3S1およびP3S2として、かつ本例では処置P3に対して下位である場面S1,S2に関連付けられた設定グループP3S1-400およびP3S2-400として書き表すことができる。(この表記法を使用すると、S1は、処置P3に対して下位である場合、設定P4S1-400を有する第4の処置P4に対して下位である場合とは異なる設定P3S1-400を含むことができるということを述べておく。)
【0040】
図5Cは、眼の後部のビューを示す。図5Cのビューは、最適な照明を得ることという課題が含まれる、生体組織をイメージングする際の課題を再び示す。例えば、組織は、半透明である可能性があり、このことは、関心のある解剖学的特徴の詳細なイメージングを可能にする設定400を発見することを困難にする可能性がある。例えば、組織分析および/または治療のために最適な画像を生成することができるように、迅速に適用することができる設定400が含まれるプロファイル300を手元に有することが望ましいだろう。
【0041】
図5Dは、眼のビューを示す。図5Dのビューは、生体組織をイメージングする際の課題を再び示す。例えば、解剖学的特徴の視覚化を支援するために、生体組織の特徴を染色するための染料を使用することができる。染料によって提供されるコントラストを最適化するように、設定400を調整することができる。染料のコントラストを強調するためのプロファイル300からの設定400を適用することができる。染色された組織をイメージングする際に使用される2つ以上のプロファイル300を、メモリ107に格納することができる。複数のプロファイル300に、最適化された設定400を格納することができ、その場合、それぞれ異なる染料をイメージングするためのプロファイル300が、それぞれ異なる種類の染料のコントラストを強調するようにそれぞれ構成されている。例えば、緑色強調プロファイル300は、緑色の染料のコントラストを強調することができる。青色強調プロファイル300は、青色の染料のコントラストを強調することができる。図5Dの画像では、剥離中の網膜上膜を強調するために、青色および/または緑色の染料が使用されている。
【0042】
それぞれの処置プロファイルP1,P2,P3は、設定400、例えば特定の処置のために適合された設定を含むことができる。例えば、ある処置が、1つの設定グループ400によって完全に実施可能である場合には、処置プロファイルP1は、決定および/または選択されると、その処置全体のために使用される複数の設定400を決定することができる。ある処置が、この処置にわたって些細な変更しか受けないような支配的な場面を有する場合がある。図3に戻ると、処置プロファイルP1およびP2は、それぞれの設定P1-400およびP2-400をそれぞれ含むことができ、これらの設定P1-400およびP2-400は、それぞれの処置プロファイルP1,P2が決定/選択される210と、それぞれ適用される220。
【0043】
別の例では、プロファイル300は、例えば2段階の処置のような、複数の段階を有する処置プロファイルP3であってよい。図3に示されているように、処置プロファイルP3は、2つの場面プロファイルS1およびS2のような複数の場面プロファイルを含むことができ、これら2つの場面プロファイルS1およびS2は、この場合、処置プロファイルP3に対して下位であってよい。これらの下位のプロファイルを、P3S1およびP3S2と称することができるか、またはユーザープロファイルU1も階層構造の一部である場合には、U1P3S1およびU1P3S2と称することができる。
【0044】
2段階の処置のうちの第1の段階は、第1の手術場面に対応することができる。第1の手術場面は、第1の設定グループS1-400を有する第1の場面プロファイルS1から恩恵を受けることができる(図4も参照のこと)。この処置の第2の段階は、第2の手術場面に対応することができ、第2の設定グループS2-400を利用する第2の場面プロファイルS2から恩恵を受けることができる。図3には、ユーザープロファイルU1,U2、処置プロファイルP1,P2,P3・・・、および場面プロファイルS1,S2,S3のような、多数の種類のプロファイル300が表現されている。
【0045】
例えば、図5Aの画像を決定するために使用することができる処置プロファイルP1は、赤色強調プロファイルであってよい。赤色強調プロファイルは、赤色チャネルのゲインの増大を含むことができ、かつ/または光のロングパスフィルタリングを使用することができる。例えば、光源および/または集光光学系が、赤色を通過させるようにフィルタリングされる。代替的/追加的に、処置プロファイルは、被写界深度を拡大するなどのために、アパーチャ絞りの縮小を利用することができ、例えば、アパーチャが完全に開かれている場合の光の1/4以下、1/8以下、1/16以下、1/32以下、または1/64以下の光を通過させるように、アパーチャを縮小することができる。アパーチャが小さければ小さいほど、被写界深度の拡大を可能にすることができる。
【0046】
例えば、白内障手術では、眼科医は、眼の嚢、水晶体および前房構造の視覚化を支援する赤色反射を使用することができる。赤色反射は、眼の水晶体および/または後嚢を観察することを可能にする。提供される画像は、眼の内部で動作する機器の深さおよび位置のような、深さに関する情報を供給することができる。過熟白内障の場合、白内障の水晶体の混濁によって光の透過率が低下する可能性があり、これによって視認性が制限される可能性がある。赤色反射のための設定のような設定を使用することにより、例えば画像の解剖学的特徴を強調および/または抑制することによって、医療従事者にとっての画像の有用性を高めることができる。例えば、比較的長波長の光、例えば赤色光は、散乱の影響を受けにくく、したがって、特に白内障手術における眼のより有用なビューを可能にする。
【0047】
本装置は、1つまたは複数のプロファイル300の内部に、例えば下位のプロファイルを含むことができる処置プロファイルの内部に、白内障手術のための設定400を格納することができる。
【0048】
処置プロファイルP2は、一例では、例えば複数のプロファイル300のうちの、赤色反射の設定を利用するプロファイルであってよく、これらのプロファイルは、関心のある特定の場面の画像に応じて、例えば手術場面の関心のある解剖学的特徴に応じて、解剖学的特徴を強調および/または抑制するようにそれぞれ適合可能である。図5Aおよび図5Bの例では、画像105の解剖学的場面は、白内障の手術的処置の解剖学的場面であってよい。決定されたプロファイルP2は、例えば赤色反射の設定であってよく、この赤色反射の設定は、複数の設定P2-400を適用し、これらの適用された設定P2-400に基づいて画像105が決定される240。
【0049】
例えば、プロファイルを決定すること210は、複数のプロファイル300から1つの処置プロファイルP1,P2,P3,P4,P5を決定することを含むことができる。追加的に、少なくともいくつかの決定された処置プロファイルP3,P4,P5について、決定された処置プロファイルP3,P4,P5の中から1つの場面プロファイルS1、例えば、複数の場面プロファイルS1,S2,S3のうちの1つの場面プロファイルをさらに決定することが可能である。決定された場面プロファイルS1,S2,S3から、適用される設定400を決定/選択することができる。本明細書では、例えば、第1のユーザープロファイルU1の第4の処置プロファイルP4の第1の場面プロファイルS1を、U1P4S1と称することができる。U1P4S1の設定400を、特にU1P4S1-400と称することができる。
【0050】
例えば、手術的処置は、それぞれ特定の設定から恩恵を受けることができる行動のシーケンスを利用することができる。そのような場合、装置および/または医療従事者がアクセスすることができる、複数のプロファイル300(設定400が含まれる)を有することが有用であろう。例えば、1つの処置が、2つのサブ処置を有することができ、これら2つのサブ処置は、それぞれ異なる設定400から、例えば、この処置の一部である関連する画像または場面に影響を与える設定400から恩恵を受ける。
【0051】
2つの場面プロファイルP3S1およびP3S2が含まれる処置プロファイルP3を決定することができる(図3を参照のこと)。これらの場面プロファイルは、それぞれの段階のそれぞれの画像のそれぞれの解剖学的特徴を強調/抑制するようにそれぞれ構成可能である。これらの段階は、多段階の処置の場面として見なすことができる。例えば、厳密に2つの段階を有する処置のために適合されている処置プロファイルP3は、2つの場面プロファイルS1,S2を有することができる。場面プロファイルの各々は、それぞれの設定P3S1-400およびP3S2-400を有することができる。2段階の処置のそれぞれの段階について、場面プロファイルP3S1およびP3S2は、それぞれの設定P3S1-400およびP3S2-400を含むことができ、これらの設定P3S1-400およびP3S2-400は、2つのシーケンシャルな画像105の各々を決定するためにシーケンシャルに適用される220。処置プロファイルP3,P4,P5は、例えば、内部に1つまたは複数の場面プロファイルS1,S2,S3を有することができる。
【0052】
別の例では、処置プロファイル、例えば図3に示されている処置プロファイルP1、処置は、厳密に1つの設定グループP1-400(例えば、1つの明るさ設定、1つのコントラスト設定、1つの絞り設定、1つのゲイン設定、1セットのフィルタ設定)を有することができる。例えば、デジタルフィルタまたは光学設定を調整することなく実施することができる手術的処置は、単一の設定グループ400を利用することが可能であってよい。図3では、処置プロファイルP1およびP2は、2つの異なる処置のためのそのような設定をそれぞれ表現することができ、これら2つの異なる処置の各々は、単一の設定グループP1-400,P2-400を利用することができる。
【0053】
図3では、処置プロファイルP3は、2つの設定グループ、例えば2つの場面設定を有するプロファイル設定を表現することができる。上で紹介した表記法を使用すると、処置プロファイルP3の決定可能な場面プロファイルを、P3S1およびP3S2として表現することができる。プロファイルP3S1およびP3S2の各々は、それぞれの設定P3S1-400およびP3S2-400を有する。2段階の処置は、処置プロファイルP3を用いて構成された装置102から恩恵を受けることができる。医療専門家は、2段階の処置のうちの、処置プロファイルP3が設定されているそれぞれの段階に対して、処置プロファイルP3を選択することができる。手術的処置のそれぞれの段階において関連する解剖学的特徴を強調/抑制するために、処置プロファイルP3の設定P3S1-400およびP3S2-400を、例えばシーケンシャルに適用することができる。
【0054】
本装置は、2段階のシーケンスでの使用に限定されているわけではない。処置プロファイルP1,P2,P3,P4,P5は、内部に任意の数の場面プロファイルS1,S2,S3を有することができる。図3は、それぞれ内部に3つの場面プロファイルS1,S2,S3を有する処置プロファイルP4およびP5を示す。決定可能なプロファイル300は、例えば、第4の処置プロファイルP4の場面プロファイルP4S1,P4S2,P4S3の各々の設定400を適用すること220と、第5の処置プロファイルP5の場面プロファイルP5S1,P5S2,P5S3の各々の設定400を適用すること220と、を結果的にもたらすことができる。
【0055】
装置102は、画像データをシーケンシャルに出力する250ように構成可能であり、例えば、複数のシーケンシャルな画像を、それぞれのシーケンシャルな場面プロファイルP3S1,P3S2のそれぞれの適用された複数の設定P3S1-400,P3S2-400で、シーケンシャルに出力するように構成可能である。
【0056】
データを出力すること250は、複数のシーケンシャルな画像105を、それぞれのシーケンシャルな場面プロファイルS1,S2,S3のそれぞれの適用された設定S1-400,S2-400,S3-400で、それぞれシーケンシャルに出力することを含むことができる。例えば、3段階の処置が実施される場合には、本装置は、それぞれの段階で設定を前進させることができ、それぞれの段階において、それぞれの段階における画像105に対応する画像データを決定すること240および出力すること250ができる。シーケンシャルに実施される多段階の手術的処置のために設定をシーケンシャルな方式で利用できるようにし、これにより、処置のそれぞれの段階において特徴の最適な視覚化(または場合により、特徴の最適な抑制)を可能にすることが、有利であろう。設定400をメモリ107に格納して、プロファイル300を介してアクセス可能にすることにより、エラーを低減することができ、効率的な組織分析および治療を可能にすることができる。
【0057】
本装置は、複数の場面プロファイルS1,S2,S3の決定されたシーケンスのうちの後続の場面プロファイルS2-400,S3-400の設定S2-400,S3-400を適用する220ことができる。本装置は、複数の場面プロファイルS1,S2,S3の決定されたシーケンスのうちの後続の場面プロファイルS2,S3の設定が含まれる、設定S1-400,S2-400,S3-400をシーケンシャルに適用する220ように構成可能である。例えば、S1-400の設定が適用された後、S2-400の設定が適用され、その後、S3-400の設定が適用される。
【0058】
一例では、後続の場面プロファイルS2,S3の設定を適用するように装置を誘導するための前進コマンドを使用することができる。例えば、本装置は、(例えば、設定S1-400が適用された後に)後続の場面プロファイルS2の設定S2-400が適用されることを引き起こす、スイッチ106(例えば、フットスイッチ)からの前進コマンドのような前進コマンドを受信する。
【0059】
いずれのプロファイル300のいずれの設定400も、場合によって修正可能であってよい。修正された設定は、少なくとも1つのメモリ107に格納可能である。設定の修正は、ユーザー入力に基づくことができる。
【0060】
本装置は、例えばユーザーの許可に依存して、設定の変更を許可または禁止することができる種々のユーザー設定を有することができる。例えば、基本ユーザーは、設定400を適用し、場合によって設定を修正する(例えば、画像または光源の明るさを調整するなどのために、使用中に設定を修正する)ことが可能であってよい。基本ユーザーは、修正された設定をメモリ107に格納することが禁止されてよい。例えば、基本ユーザーは、装置の使用中に修正した後に設定400を格納することが禁止されてよい。代替的/追加的に、他のユーザーがアクセスすることができる種々のプロファイル300に関連する設定400を修正することを禁止することができる。
【0061】
本装置は、複数のユーザープロファイルから1つのユーザープロファイルを決定することができる。例えば、ユーザーは、ユーザープロファイルが決定されるようにログインすることができる。
【0062】
図3に示されているように、プロファイル300は、ユーザープロファイルU1,U2を含むことができる。例えば、第1のユーザープロファイルU1は、デフォルトのユーザープロファイルU1であってよい。デフォルトのユーザープロファイルU1は、内部にそれぞれのプロファイル300(例えば、ユーザープロファイルU1に対して下位のプロファイル300であってよい処置プロファイルU1P1,U1P2,U1P3,U1P4,U1P5および/または場面プロファイルU1S1,U1S2,U1S3)に対するデフォルト設定400を有することができる。例えば、U1P1プロファイルは、第1の処置プロファイルP1に対するデフォルト設定U1P1-400を有する。
【0063】
第1のユーザープロファイルU1のようなデフォルトのプロファイルは、それぞれのデフォルトの処置プロファイルU1P4,U1P5の複数のデフォルトの場面プロファイルU1P4S1,U1P4S2,U1P4S3,U1P5S1,U1P5S2,U1P5S3を含むことができる。本装置は、もっぱらデフォルト設定だけを含むことができるデフォルトのプロファイルU1を含むことができる。
【0064】
許可されたユーザーは、修正された設定をメモリ107に格納することが可能であってよい。例えば、許可されたユーザーは、例えばそれぞれのユーザープロファイルの内部の、自分自身のアカウントに関連付けられた設定を変更および格納することができる。第2のユーザーU2は、許可されている場合、第2のユーザープロファイルU2の内部のプロファイル300のうちの少なくともいくつかのプロファイル、例えばU2P4S1,U2P4S2,U2P4S3,U2P5S1,U2P5S2,U2P5S3に関連付けられた設定400を修正および格納することが可能であってよい。
【0065】
本装置は、設定のうちの少なくとも1つをデフォルト設定に復元することができる。例えば、経験の浅いユーザーは、効果のない手法で設定を修正してしまう可能性があり、既知の設定に戻すことを希望する可能性がある。任意のプロファイル300のデフォルト設定400にアクセスして、設定を復元することができる。例えば、場面プロファイルS1,S2,S3および/または処置プロファイルP1,P2,P3,P4,P5の各々は、メモリ107に格納されたデフォルト設定を有することができる。本装置は、ユーザーがデフォルト設定を復元するためにプロファイル300を選択した場合などに、設定のうちの少なくとも1つをデフォルト設定に復元することができる。
【0066】
一実施形態では、本装置は、決定された処置プロファイル、例えばP4またはP5から決定することができる複数のシーケンシャルな場面プロファイルP4S1,P4S2,P4S3またはP5S1,P5S2,P5S3のシーケンスを決定するように構成可能である。複数の設定400が適用される220と、複数のシーケンシャルな場面プロファイルP4S1,P4S2,P4S3;P5S1,P5S2,P5S3がシーケンシャルに適用される。複数の設定400をシーケンシャルに適用することが可能であることにより、最適未満のイメージング条件に起因するエラーを低減しながら、多段階の処置を再現可能に実施することにおいて医療従事者を支援することができる。シーケンシャルに適用220される設定の各々400は、関連する画像105の解剖学的特徴、例えば画像のシーケンスのうちの1つの画像の解剖学的特徴を強調または抑制するように適合可能である。
【0067】
図6は、生体組織の画像および設定を示す。図6は、眼の特徴を強調するために使用される設定の一例を示す。これらの設定は、コントラスト、彩度、黒レベル、鮮明度、ゲインおよび露光を含むことができる。適用される設定は、決定/選択されたプロファイルからのものであってよい。設定は、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)によって調整可能/修正可能である。オプションとして、ユーザーは、ユーザープロファイル、処置プロファイルおよび/または場面プロファイルのようなプロファイルに、修正された設定を保存することが可能であってよい。GUIは、種々のプロファイルを決定/選択することを可能にするメニューを含むことができる。プロファイルを選択/決定することにより、結果的に、画像の外観を変更/決定する設定を適用することができる。
【0068】
一例では、場面プロファイルを、処置プロファイルのデフォルト設定として設定することができる。例えば、白内障除去中に、眼の前部場面のために適合された場面プロファイルを適用することができる。続いて、後部での硝子体切除術の段階へのスイッチのために適合された場面プロファイルを適用することができる(例えば、処置中に、第1の場面プロファイルP3S1と第2の場面プロファイルP3S2とがシーケンシャルに適用される)。白内障除去プロファイルP3の第2の場面プロファイルP3S2は、第1の段階の完了後のスイッチの作動などに伴って自動的に作動可能である硝子体フィルタであってよい。
【0069】
場面プロファイルを、例えば、ユーザープロファイルU1に紐付けられたデフォルト設定として設定することができる。ユーザーは、自身の好ましい場面プロファイルS1を、カスタマイズされた設定400として自身のプロファイルU1に保存することができ、このカスタマイズされた設定400は、ユーザーが自身の手術を開始すると自動的に作動可能である。
【0070】
一例では、ホワイトバランスを、設定400とすることができる。少なくともプロファイル300は、光源の色温度を考慮することなどによってホワイトバランスを調整することを含むことができる。例えば、何人かのユーザーは、比較的ウォームなトーン(例えば、比較的低い温度)を好む場合があるが、その一方で、また別のユーザーは、比較的クールなトーン(例えば、比較的高い温度)を好む場合がある。何人かのユーザーは、蛍光光源のトーンを好む場合があり、また別のユーザーは、ハロゲンを好む場合があるが、その一方で、また別のユーザーにとっては、LED照明のスペクトルが好ましい。設定400は、例えば、色温度の設定を含むことができる。
【0071】
図7は、プロファイル300の設定400のうちの少なくともいくつかの設定のような、少なくともいくつかの設定400を読み出すために、かつ/または調整するために使用することができるメニューを示す。ユーザーは、1つまたは複数のプロファイル300(それぞれのプロファイルなど、特に、ユーザーの許可によってそれらのプロファイルが許可されている場合)の設定400を微調整することができる。設定400は、コントラスト、シャドウ、ハイライト、彩度、明るさ、アパーチャおよび色スペクトルバランスを含むことができ、これらを、ユーザーのワークフローおよび/またはプロファイル300の要件に合うように決定/修正することができる。インタフェース上のプリセット機能によって、元々の工場出荷時の設定に、例えばデフォルト設定に戻されるように、変更をリセットすることが可能である。
【0072】
図8は、メニューを示す。このメニューにおいて、設定400を読み出すことができ、かつ/または変更することができる。図8のメニューは、1つの場面プロファイルS1,S2,S3に含まれている複数の設定400のうちの少なくともいくつかを示すことができる。例えば、設定400は、コントラスト、シャドウ、ハイライト、彩度、明るさ、アパーチャおよび/または色バランスを含むことができる。図8のメニューは、「前部 ウォーム」として識別される場面プロファイルS1,S2,S3を示すことができ、この場面プロファイルS1,S2,S3は、眼の前部における、医療専門家にとって特に関心のある特徴を、ウォームである(例えば、約2400~3000Kの色温度を有する)設定で表示するように適合可能である。
【0073】
以下は、場面プロファイルの例である:
低減光プロファイルおよび網膜上膜強調プロファイル、
前部硝子体切除のための前部プロファイルおよび硝子体場面プロファイル、
剥離中に網膜上膜を強調するための青色強調または緑色強調が含まれる、網膜上膜強調プロファイル、
硝子体を視覚化するための青色フィルタまたはコントラスト調整が含まれる、硝子体場面プロファイル、
赤色反射が強調され、被写界深度の拡大のためにアパーチャが調整される、前部場面プロファイル、
眼の後部における低照明の視覚化を改善するためのカメラ露光時間の延長およびノイズの低減が含まれる、低減光プロファイル、
後嚢破裂のリスクを低減する目的で、後嚢を目立たせるために赤色チャネルのゲインを増大させることが含まれる、赤色強調プロファイル、
出血中にポートを配置するための領域を識別するための赤色フリーフィルタプロファイル、
網膜を識別するための赤色フリーフィルタプロファイル、
角膜内皮またはデスメ膜の剥離中の角膜層の弁別を支援するための橙色/赤茶色強調プロファイル、
コンストラストを調整するための、かつ過熟白内障水晶体の切開中および超音波水晶体乳化吸引術中に使用される青色色素または緑色色素を強調するための過熟白内障プロファイル、
クール設定、ウォーム設定、3000K設定、4000K設定、5000K設定、ハロゲンランプ外観、蛍光灯外観、または白色LED外観のうちの少なくとも1つのための温度プロファイル、および
インドシアニングリーン、フルオレセイン、またはトリパンブルーのような色素からのコントラストを強調するための色素強調プロファイル。
【0074】
本装置は、上記の場面プロファイルのうちの少なくとも1つをメモリに保持するように構成可能である。さらに、2つ以上の上記の場面プロファイルを組み合わせることによって、さらなる別の場面プロファイルを生成することができ、なお、このことは、それらの構成している場面プロファイル同士が、互いに矛盾しない設定を有する場合に当てはまる。このような組み合わせ型の場面プロファイルを、少なくとも1つのメモリ107に格納することもできる。例えば、ある場面ファイルプロファイルは、網膜上膜強調プロファイルとの組み合わせにおいて、低減光プロファイルを含むことができる。別の例では、前部プロファイルを、前部硝子体切除などのために、硝子体場面プロファイルと組み合わせることができる。
【0075】
以下は、処置プロファイルの例である:
温度プロファイル、赤色強調プロファイルおよび前部硝子体切除術のための硝子体場面プロファイルが含まれる、白内障処置プロファイル、
温度プロファイル、網膜上膜強調プロファイル、硝子体場面プロファイル、低減光プロファイル、赤色フリーフィルタプロファイルおよび色素強調プロファイルが含まれる、網膜処置プロファイル、
温度プロファイル、角膜層の弁別を支援するための橙色/赤茶色強調プロファイルおよび赤色強調プロファイルが含まれる、角膜処置プロファイル、および
温度プロファイル、網膜上膜強調プロファイル、硝子体場面プロファイル、低減光プロファイル、赤色フリーフィルタプロファイルおよび色素強調プロファイルが含まれる、黄斑前膜プロファイル。
【0076】
本装置は、上記の処置プロファイルのうちの少なくとも1つをメモリに保持するように構成可能である。
【0077】
本明細書では、被写界深度を拡大するためのアパーチャ調整は、アパーチャ絞りの縮小を利用することができ、例えば、アパーチャが完全に開かれている場合の光の1/4以下、1/8以下、1/16以下、1/32以下、または1/64以下の光を通過させるように、アパーチャを縮小することができる。アパーチャが小さければ小さいほど、被写界深度の拡大を可能にすることができる。
【0078】
本明細書では、GUIおよびメニューを互換的に使用することができる。
【0079】
本明細書では、任意の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態において、複数の処置プロファイルは、複数の場面プロファイルが含まれる少なくとも1つの処置プロファイルを含むことができる。
【0080】
本明細書では、任意の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態において、複数の処置プロファイルは、厳密に1つの設定グループが含まれる少なくとも1つの処置プロファイルを含むことができる。その処置プロファイルが決定されると、この厳密に1つの設定グループを適用することができる。
【0081】
本明細書では、任意の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態において、それぞれの場面プロファイルは、それぞれの厳密に1つの設定グループを含むことができ、それぞれの場面プロファイルが決定/選択されると、これらの厳密に1つの設定グループがそれぞれ適用される。
【0082】
本明細書では、任意の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態において、前進コマンドは、以前に適用された場面プロファイルの設定の適用の終了を誘導し、後続の場面プロファイルの設定の適用を誘導することができる。
【0083】
本明細書では、任意の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態において、後続の場面プロファイルは、以前の場面プロファイルの後に適用されるように構成可能である。
【0084】
図1に戻ると、本明細書に記載された方法を実施するように構成された手術用顕微鏡100の概略図が示されている。眼科用顕微鏡であってよい手術用顕微鏡100は、イメージング装置104と、本明細書に記載されたような、コンピュータシステムであってよい装置102と、を含んでいる。イメージング装置104は、撮像するように構成されており、かつ装置102に接続されている。装置102は、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実施するように構成されている。装置102は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてもよい。装置102とイメージング装置104とは別個の存在物であってもよいが、1つの共通のハウジング内に一体化されていてもよい。装置102は、イメージング装置104の中央処理システムの一部であってもよく、かつ/または装置102は、イメージング装置104のセンサ、アクター、カメラまたは照明ユニット等の、イメージング装置104の従属部品の一部であってもよい。
【0085】
装置102は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージ装置を備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってもよく、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等の様々な場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージ装置を備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。装置102は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。
【0086】
装置102は、リムーバブル通信システムのような通信システムを含むことができる。
【0087】
1つの実施形態では、装置102は、任意の種類のものとすることができる、1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えばカメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。装置102に含まれ得る他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。装置102は、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含み得る1つまたは複数のストレージ装置、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいてもよい。装置102はディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカーおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含み得るコントローラ、またはシステムのユーザーが装置102に情報を入力することおよび装置102から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
【0088】
ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0089】
一定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装され得る。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
【0091】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてもよい。
【0092】
別の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0093】
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0094】
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体を含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
【0095】
したがって、本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
【0096】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0097】
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0098】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
【符号の説明】
【0100】
102 装置
101 プロセッサ
105 画像
111 ディスプレイ
107 メモリ
100 手術用顕微鏡
106 スイッチ
104 イメージング装置
200 方法
210 プロファイルを決定すること
220 設定を適用すること
240 画像を決定すること
250 出力すること
300 プロファイル
U1,U2 ユーザープロファイル
P1,P2,P3,P4,P5 処置プロファイル
S1,S2,S3 場面プロファイル
400 設定
1-9 設定
S1-400,S2-400 設定
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
【国際調査報告】