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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】画素開口を有する表示領域
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240326BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240326BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20240326BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/33
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349E
H01L33/00 L
H01L33/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560859
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022022733
(87)【国際公開番号】W WO2022212635
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0043476
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】キム,デ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ドン クン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ホン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA01
5C094BA23
5C094DA01
5C094DA13
5C094ED14
5C094ED15
5F142AA12
5F142BA32
5F142CB23
5F142DB15
5F142DB17
5F142GA02
(57)【要約】
表示領域(100a)は複数のタイルを備え、各タイルは光学的透明層(208)を備える。各タイルは基板(202)と前記基板上に配置された複数の光源(204’)とを備える。また、各タイルは前記透明層と前記複数の光源の間に延在する不透明層(206)を備える。前記不透明層は前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在する開口(214)を有する。また、前記複数のタイルのうち隣接するタイル間に合わせ目が延在し、前記不透明層は前記合わせ目を横切って延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域であって、
1つの配列に配置された複数のタイルを備え、
前記各タイルは
第1主表面及び反対側の第2主表面を有する光学的透明層と、
前記透明層の前記第2主表面に面する主表面を有する基板と、
前記基板の前記主表面上に配置された複数の光源と、
前記透明層と前記複数の光源の間の不透明層と
を備え、
前記不透明層は前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在する開口を有し、
前記複数のタイルのうち隣接するタイル間に合わせ目が延在し、前記不透明層は前記合わせ目を横切って延在する、表示領域。
【請求項2】
前記不透明層は黒膜又は吸収/偏光膜から成る、請求項1記載の表示領域。
【請求項3】
約0.04未満の反射率値を有する請求項1記載の表示領域。
【請求項4】
請求項1の表示領域を作製する方法であって、
前記開口が前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在するように前記透明層と前記不透明層を配置することを含む方法。
【請求項5】
表示領域であって、
第1主表面及び反対側の第2主表面を有する光学的透明層を備える少なくとも1つのタイルを備え、
前記少なくとも1つのタイルは
前記透明層の前記第2主表面に面する主表面を有する基板と、
前記基板の前記主表面上に配置された複数の光源と、
前記透明層と前記複数の光源の間の不透明層と
を備え、
前記不透明層は前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在する開口を有する、表示領域。
【請求項6】
前記不透明層は黒膜又は吸収/偏光膜から成る、請求項5記載の表示領域。
【請求項7】
請求項1又は5の表示領域を備える電子装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2021年4月2日に出願された韓国特許出願第10‐2021‐0043476号の米国特許法第119条の下の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体を本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は概ね表示領域、特に画素開口を有する不透明層を有する表示領域に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロLEDディスプレイは個々の画素要素を形成する微小発光ダイオード(LED)の配列を通常含む。このようなディスプレイは、例えば柔軟性、電力消費量、輝度、コントラスト、鮮明度、及び信頼性に関して向上した属性を示しうる。このようなディスプレイはパネル又はタイルの配列を含みうり、合わせ目又はギャップが隣接するパネル又はタイル間に通常存在する。このような合わせ目又はギャップは、特に大型のディスプレイの場合、望ましくないが見る人に可視であることがある。円偏光子の使用は合わせ目又はギャップの可視性を最小にできるが、相対的に低い光透過率は表示輝度の損失に繋がりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、タイル張り状マイクロLEDディスプレイにおける合わせ目又はギャップの可視性を最小にできる追加の技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示した実施形態は表示領域を含む。この表示領域は1つの配列に配置された複数のタイルを備え、各タイルは第1主表面及び反対側の第2主表面を有する光学的透明層を備える。各タイルは前記透明層の前記第2主表面に面する主表面を有する基板を備える。また、各タイルは前記基板の前記主表面上に配置された複数の光源を備える。各タイルはまた、前記透明層と前記複数の光源の間に不透明層を備え、前記不透明層は前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在する開口を有する。前記複数のタイルのうち隣接するタイル間に合わせ目が延在し、前記不透明層は前記合わせ目を横切って延在する。
【0006】
本書に開示された実施形態の追加の特徴及び利点は下記の詳細な説明で明らかにされ、その説明から部分的には当業者には容易に明白であるか、又は下記の詳細な説明、請求項、及び添付図面を含む本明細書に記載された実施形態を実施することで理解されるであろう。
【0007】
上記概要説明と下記の詳細な説明の両方とも、請求項の特質及び特性を理解するための概観又は枠組みを提供するよう意図された実施形態を提示することは理解されるべきである。添付図面は更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ一部をなしている。図面は本開示の様々な実施形態を例示し、記述内容と共にそれらの実施形態の原理と動作を説明するよう働く。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本書に開示された実施形態に係る複数のタイルを備える表示領域の透視図である。
図2】本書に開示された実施形態に係る図1の複数のタイルのうち1つの拡大図である。
図3】本書に開示された実施形態に係る複数の画素を備える図2のタイルの領域Aの拡大図である。
図4】本書に開示された実施形態に係る複数のチップと開口を有する不透明層とを示す、図3の画素の拡大図である。
図5】本書に開示された実施形態に係る図4の線B‐Bに沿った表示領域の断面図である。
図6】本書に開示された実施形態に係る表示領域の断面図である。
図7】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図8】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図9】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図10】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図11】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図12】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図13】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図14】本書に開示された実施形態に係る表示領域の一部の断面図である。
図15】画素開口面積と透明層屈折率との関数としての反射率を示すグラフである。
図16】本書に開示された様々な実施形態に係る反射率を示すグラフである。
図17】本書に開示された実施形態に係る透明層厚みの関数としての反射率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の好適な実施形態を詳細に記載し、それらの例を添付の図面に示す。同じ又は類似の部分を指すのに、可能ならいつでも全図面を通して同じ符号を使用する。しかし、本開示は多くの異なる形態で実現されてよく、本明細書に記載した実施形態に限定されると解釈されるべきでない。
【0010】
範囲は本明細書で「約」特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表されうる。そのような範囲を表す時、別の実施形態はその特定の値から及び/又はその別の特定の値までを含む。同様に、例えば先行する「約」の使用により値が近似値として表される時、その特定の値は別の実施形態を形成することは理解されるであろう。各範囲の端点は他の端点と関連してまた他の端点と独立して意味があることも理解されるであろう。
【0011】
本書で使用される方向の用語、例えば上方、下方、右、左、前、後、上面、底面は描かれた図を参照してのみ使用され、絶対的な方向を示唆するように意図されていない。
【0012】
そうでないと明確に記述されていない限り、本書で明らかにされるどんな方法も、特定の順序でそのステップが実行されることを要求していると解釈されることも、またどんな装置でも特定の向きが要求されることも決して意図していない。従って、方法請求項がそのステップが従う順序を実際に明記しない場合、又は装置請求項が個々の部品の順序又は向きを実際に明記しない場合、又は請求項でも説明でもステップが特定の順序に限定されるべきであると明記されていない、又は装置の部品の特定の順序又は向きが明記されていない場合、順序又は向きがどんな点でも推測されることは決して意図されていない。この事は、ステップの配列、動作フロー、部品の順序、又は部品の向きに関する論理事項、文法構成又は句読点から導出される平易な意味、及び本書で説明される実施形態の数又は種類を含む、解釈のためのどんな可能な非明示の根拠にも当てはまる。
【0013】
本書で使用されるように、文脈からそうでないと明らかに指示されない限り、英語の単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の指示対象を含む。従って、例えば、1つの構成要素への言及は、文脈からそうでないと明らかに示されない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0014】
本書で使用するように、用語「透明な」は周波数帯の可視光領域(約420~750ナノメートル)で500ミリメートルの長さに対して少なくとも約30パーセントの光透過率を有する材料又は層を指す。
【0015】
本書で使用するように、用語「不透明な」は周波数帯の可視光領域(約420~750ナノメートル)で500ミリメートルの長さに対して約1パーセント未満の光透過率を有する材料又は層を指す。
【0016】
本書で使用するように、用語「反射防止の」は約1.0超で約1.4未満の屈折率を有する材料、層、又は被膜を指す。
【0017】
本書で使用するように、用語「着色された」は追加の材料、層、又は被膜で処置された材料、層、又は被膜であって、その材料、層、又は被膜を通る光の透過率が追加の材料、層、又は被膜で処置されていない同じ材料、層、又は被膜を通る光の透過率より小さい、材料、層、又は被膜を指す。
【0018】
本書で使用するように、用語「変化可能な透明度を有する材料」は熱及び/又は光に曝されると透明度が変化する材料を指す。
【0019】
本書で使用するように、用語「反射率値」は表示領域の光源から放出された光のうち光源へ反射し戻される比率又は百分率を指す。
【0020】
図1は本書に記載された実施形態に係る複数のタイル104を備える表示領域100の透視図を示す。図1に示すように、複数のタイル104が底板102上にM×N配列に配置される。タイル104は、例えばマイクロLEDディスプレイの部品でありうり、図1は20個のタイル104を備える表示領域100を示すが、本書に開示された実施形態は任意の数のタイル104を備える表示領域を含む。
【0021】
図2は本書に開示された実施形態に係る図1の複数のタイル104のうち1つの拡大図を示す。どんな特定の幾何的形状にも限定されないが、代表的な実施形態では、タイルは、例えば約200ミリメートルを含む約100ミリメートルから約300ミリメートルなどの約50ミリメートルから約500ミリメートルの範囲のX寸法と、例えば約150ミリメートルを含む約80ミリメートルから約250ミリメートルなどの約40ミリメートルから約400ミリメートルの範囲のY寸法とを有する矩形形状を有しうる。
【0022】
図3は本書に開示された実施形態に係る複数の画素200を備える図2のタイルの領域Aの拡大図を示す。直接隣接する画素200間の横方向距離(図3で距離Pで示される)は画素ピッチと定義される。代表的な実施形態では、画素ピッチは約100マイクロメートルから約500マイクロメートル、例えば約200から約400マイクロメートルでありうる。
【0023】
図4図3の画素200の拡大図を示し、本書に開示された実施形態に係る複数のチップ204(例えば、LEDチップ)と開口214を有する不透明層206とを示す。赤緑青(RGB)チップ204’(例えば、RGB・LEDチップ)が複数のチップ204に含まれている。図4に示すように、開口214はRGBチップ204’を含む領域を覆って存在し、不透明層206は 複数の他のチップ204を含む領域を覆って存在する。開口214は矩形(例えば、正方形)形状を有するとして示されているが、本書に開示された複数の実施形態は、開口214が他の多角形形状(例えば、三角形など)又は円又は楕円形状などの他の形状を有してもよい実施形態を含む。
【0024】
図5は本書に開示された実施形態に係る図4の線B‐Bに沿った表示領域100aの断面図を示す。表示領域100aは第1主表面208a及び反対側の第2主表面208bを有する光学的透明層208を含む。表示領域100aはまた、透明層208の第2主表面208bに面する主表面202aを有する基板202を含む。複数の光源(例えば、LED)のうち少なくとも1つの光源204’(例えば、RGB・LEDチップ)が基板202の主表面202a上に配置される。また、不透明層206が透明層208と少なくとも1つの光源204’の間に延在する。不透明層206は少なくとも1つの光源204’と透明層208の間の領域に亘って存在する開口214を有する。表示領域100aはまた、反射防止(AR)層210を備える。AR層は透明層208の第1主表面208aに面する主表面210aを有する。
【0025】
図6は本書に開示された実施形態に係る表示領域100bの断面図を示す。図6の表示領域100bは、表示領域100bが透明層208と少なくとも1つの光源204’の間で開口214に亘って延在する第2透明層212を含む以外は図5の表示領域100aに類似する。
【0026】
図7は本書に開示された実施形態に係る表示領域100cの断面図を示す。図7の表示領域100cは、第2透明層212が透明層208と少なくとも1つの光源204’の間で開口214に亘って延在するだけでなく不透明層206と少なくとも1つの光源204’の間にも延在する以外は図6の表示領域100bに類似する。
【0027】
図8は本書に開示された実施形態に係る表示領域100dの断面図を示す。図8の表示領域100dは、第2透明層212が透明層208と少なくとも1つの光源204’の間で開口214に亘って延在するだけでなく透明層208と不透明層206の間にも延在する以外は図7の表示領域100cに類似する。
【0028】
図9は本書に開示された実施形態に係る表示領域100eの断面図を示す。図9の表示領域100eは、第2透明層212が透明層208と少なくとも1つの光源204’の間で開口214に亘って及び透明層208と不透明層206の間に延在するだけでなく、不透明層206と少なくとも1つの光源204’の間にも延在する以外は図8の表示領域100dに類似する。
【0029】
図10は本書に開示された実施形態に係る表示領域100fの断面図を示す。図10の表示領域100fは、表示領域100fが不透明層206と少なくとも1つの光源204’の間に延在する追加のAR層210を含む以外は図9の表示領域100eに類似する。
【0030】
図11は本書に開示された実施形態に係る表示領域100gの断面図を示す。図11の表示領域100gは、第2透明層212’が着色されている以外は図6の表示領域100bに類似する。
【0031】
図12は本書に開示された実施形態に係る表示領域100hの断面図を示す。図12の表示領域100hは、第2透明層212”が熱及び/又は光に曝されると変化可能な透明度を有する材料、例えば熱変色性材料、光変色性材料、光反応性材料、及び感光性材料から成る以外は図6の表示領域100bに類似する。
【0032】
図13は本書に開示された実施形態に係る表示領域100iの断面図を示す。図13の表示領域100iは、開口214が不透明層206の交互する細片の間に位置する開口214a及び214bを含む複数の開口から成る以外は図6の表示領域100bに類似する。
【0033】
図14は本書に開示された実施形態に係る表示領域100の断面図を示す。表示領域100は、タイル104と不透明層206を含み、隣接するタイル104間に合わせ目106が存在し不透明層206は合わせ目106を横切って延在する。代表的な実施形態では、合わせ目106は幅を有しうり、隣接するタイル間の最も近い距離(又はギャップ)は約25マイクロメートルから約200マイクロメートル、例えば約50マイクロメートルから約100マイクロメートルの範囲である。
【0034】
代表的な実施形態では、透明層208はガラス材料、重合体材料、セラミック材料、及びサファイアから選択された少なくとも1つの材料から成る。代表的な実施形態では、透明層208はガラスから成る。
【0035】
代表的な実施形態では、不透明層206は炭素粒子含有重合体樹脂などの黒膜から成る。不透明層206はまた、染料添加液晶又はゲスト・ホスト液晶膜などの吸収/偏光膜から成ってもよい。
【0036】
代表的な実施形態では、不透明層206は当業者に既知の方法に従って、例えば積層及びスロットダイ、バー被覆、スクリーン印刷、インクジェット印刷、又はスピン被覆などの溶液被覆により透明層208に付着させられうる。
【0037】
代表的な実施形態では、第2透明層212はガラス材料、重合体材料、セラミック材料、及びサファイアから選択された少なくとも1つの材料から成る。代表的な実施形態では、第2透明層212は重合体材料、例えば光学的透明接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、透明重合体樹脂、例えばアクリレート、メタアクリレート、ウレタン、ポリエステル、及びエポキシ、反応性中間生成体を含む液晶重合体、及び/又はそれらの複合物から成る。
【0038】
代表的な実施形態では、AR層はフッ化マグネシウム、フッ素重合体、メソ多孔質シリカナノ粒子、干渉薄膜、及びナノ模様付きガラスなどの加工された表面を持つ層から選択された少なくとも1つの材料から成る。
【0039】
着色されると、第2透明層212’は、例えば当業者に既知の染色された着色剤、金属化着色剤、ハイブリッド着色剤、炭素着色剤、及びセラミック着色剤から選択された少なくとも1つの着色材料を含んでもよい。
【0040】
図15は画素開口面積と当業者に既知のランバート分布を持つ周辺光の光線光学シミュレーションを使って得た透明層屈折率との関数としての反射率のモデルによる推定を示すグラフであり、そのモデル化された構成は図6に示す構成に類似する。図4を参照すると、用語「画素開口面積」は開口214が占める画素面積(即ち、画素200の全面積)の割合(即ち、不透明層206で覆われていない画素200の全面積の割合) を指す。図15で分かりうるように、画素開口面積が約16%以下で、透明層(例えば、透明層208及び/又は第2透明層212)の屈折率が約1.5以下である場合、表示領域の反射率値は約0.04未満である。また、画素開口面積が約8%以下である場合、全ての透明層屈折率に亘って表示領域の反射率値は約0.04未満である。従って、本書に開示された実施形態は、画素開口面積が約16%未満、例えば約8%未満であり約2%から約16%、例えば約4%から約8%を含む実施形態を含む。
【0041】
図16は本書に開示された様々な実施形態に係る反射率を示すグラフである。具体的には、図16の左側のバー(「OCA無し」と名付けられた)は図5に示す構成に類似した構成を指し、第2透明層212は開口214に延在していない。中央のバー(「OCA(100μm)」と名付けられた)は図6に示す構成に類似した構成を指し、約100マイクロメートルの厚みを持ちOCAから成る第2透明層212が開口214に延在する。右側のバー(「OCA(100μm)+AR(R1%)」と名付けられた)は図10に示す構成に類似した構成を指し、約100マイクロメートルの厚みを持ちOCAから成る第2透明層212が開口214に延在し追加のAR層210が不透明層206と光源204’の間に延在する。図16から分かりうるように、第2透明層212と追加のAR層210を含むことは表示領域の反射率値を下げる。
【0042】
図17は本書に開示された実施形態に係る透明層厚みの関数としての反射率を示すグラフである。具体的には、図17は開口214に延在する第2透明層212(図6に示すように)の厚みに関係し、第2透明層212はOCAから成る。図17から分かりうるように、第2透明層212の厚みが増加すると、反射率値は減少する。
【0043】
従って、本書に開示された実施形態は、表示領域が約0.04未満、例えば約0.035未満、更に約0.3未満で約0.02から0.04、例えば約0.025から約0.035を含む反射率値を有する実施形態を含む。
【0044】
本書に開示された実施形態は、例えば合わせ目又はギャップの可視性が低減された複数のタイルを備えるマイクロLEDディスプレイなどの表示領域を可能にしうる。このようなディスプレイはまた、他の望ましい属性、例えば約80%超の光透過率、約5%未満の反射率、約5%未満のヘイズ、及び±90°の視野角を示しうる。
【0045】
本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に様々な変更及び変形を行いうることは、当業者に明らかであろう。従って、本開示はそのような変更及び変形を、それらが添付の請求項とそれらの同等物の範囲内に入るならば、含むことが意図されている。
【0046】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0047】
実施形態1
表示領域であって、
1つの配列に配置された複数のタイルを備え、
前記各タイルは
第1主表面及び反対側の第2主表面を有する光学的透明層と、
前記透明層の前記第2主表面に面する主表面を有する基板と、
前記基板の前記主表面上に配置された複数の光源と、
前記透明層と前記複数の光源の間の不透明層と
を備え、
前記不透明層は前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在する開口を有し、
前記複数のタイルのうち隣接するタイル間に合わせ目が延在し、前記不透明層は前記合わせ目を横切って延在する、表示領域。
【0048】
実施形態2
前記透明層はガラスから成る、実施形態1記載の表示領域。
【0049】
実施形態3
前記複数の光源は発光ダイオード(LED)から成る、実施形態1記載の表示領域。
【0050】
実施形態4
前記開口は1つの赤緑青(RGB)LEDチップを含む領域を覆って延在する、実施形態3記載の表示領域。
【0051】
実施形態5
前記不透明層は前記透明層に付着される、実施形態1記載の表示領域。
【0052】
実施形態6
前記不透明層は黒膜又は吸収/偏光膜から成る、実施形態1記載の表示領域。
【0053】
実施形態7
前記各タイルは少なくとも1つの反射防止(AR)層を更に備える、実施形態1記載の表示領域。
【0054】
実施形態8
前記AR層は前記透明層の前記第1主表面に面する主表面を有する、実施形態7記載の表示領域。
【0055】
実施形態9
前記AR層は前記不透明層と前記複数の光源の間に延在する、実施形態7記載の表示領域。
【0056】
実施形態10
前記AR層はフッ化マグネシウム、フッ素重合体、及びメソ多孔質シリカナノ粒子から選択された少なくとも1つの材料から成る、実施形態7記載の表示領域。
【0057】
実施形態11
前記各タイルは少なくとも第2透明層を更に備え、前記第2透明層は前記透明層と前記複数の光源の間に延在する、実施形態1記載の表示領域。
【0058】
実施形態12
前記第2透明層は前記開口を横切って延在する、実施形態11記載の表示領域。
【0059】
実施形態13
前記第2透明層は前記不透明層と前記複数の光源の間に延在する、実施形態12記載の表示領域。
【0060】
実施形態14
前記第2透明層は前記透明層と前記不透明層の間に延在する、実施形態12記載の表示領域。
【0061】
実施形態15
前記第2透明層は重合体材料から成る、実施形態11記載の表示領域。
【0062】
実施形態16
前記第2透明層は着色されるか又は変化可能な透明度を有する材料から成る、実施形態11記載の表示領域。
【0063】
実施形態17
前記開口は複数の開口から成る、実施形態1記載の表示領域。
【0064】
実施形態18
約0.04未満の反射率値を有する実施形態1記載の表示領域。
【0065】
実施形態19
実施形態1の表示領域を作製する方法であって、
前記開口が前記複数の光源の少なくとも1つと前記透明層の間の領域に亘って延在するように前記透明層と前記不透明層を配置することを含む方法。
【0066】
実施形態20
実施形態1の表示領域を備える電子装置。
【符号の説明】
【0067】
100、100a、100b 表示領域
102 底板
104 タイル
200 画素
202 基板
202a 主表面
204 チップ
204’ 光源
206 不透明層
208 透明層
208a 第1主表面
208b 第2主表面
210 反射防止(AR)層
210a 主表面
212 第2透明層
214 開口
図1
図2
図3
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【国際調査報告】