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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】拡張可能なインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20240326BHJP
   A61B 17/70 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560971
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 US2022023048
(87)【国際公開番号】W WO2022216539
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/170,532
(32)【優先日】2021-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/170,570
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/249,129
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ビーソウ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ウエカワ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ,ギャレット
(72)【発明者】
【氏名】リリッグ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC15
4C097CC16
4C097CC18
4C160LL24
4C160LL69
(57)【要約】
拡張可能なインプラントは:第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材、及び第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材を含む。第1の並進部材は、第2の並進部材から独立して移動するように構成されることができ、第1の並進部材及び第2の並進部材は、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成されることができる。空間的関係の変更は、結果として生じる高さ、長さ、幅、前弯の角度、又は拡張可能なインプラントの他の寸法を変更することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと;
第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材と;
第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材と;を有し、
前記第1の並進部材は、前記第2の並進部材から独立して移動するように構成され;
前記第1の並進部材及び前記第2の並進部材は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成される、
拡張可能なインプラント。
【請求項2】
前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートのうちの少なくとも1つは、多孔質骨係合面をさらに有する、
請求項1に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項3】
前記第1の並進部材及び前記第2の並進部材のうちの少なくとも1つは、前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートのうちの少なくとも1つと相互作用するように構成された少なくとも1つのウェッジをさらに有する、
請求項1に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項4】
前記第1の並進部材は、前記第2の並進部材に移動可能に結合され、前記第1の並進部材及び前記第2の並進部材は、互いに独立して移動するように構成される、
請求項1に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項5】
前記第1の並進部材は、ダブテールカップリングによって前記第2の並進部材に移動可能に結合される、
請求項4に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項6】
前記第1のアクチュエータの少なくとも一部及び前記第2のアクチュエータの少なくとも一部を囲むように構成されたハウジングをさらに有する、
請求項1に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項7】
移動防止機構をさらに有する、
請求項1に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項8】
前記移動防止機構は、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの少なくとも1つの回転を制限するように構成された複数の可撓性部材を有する、
請求項7に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項9】
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの1つ又は複数は、その移動を制限するように構成された前記可撓性部材の少なくとも一部を受け入れるように構成されたローブをさらに有する、
請求項8に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項10】
第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと;
前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートの間に配置され、第1の駆動ネジに移動可能に結合された第1の並進部材と;
前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置され、第2の駆動ネジに移動可能に連結された第2の並進部材と、を有し、
前記第1の並進部材は、前記第2の並進部材から独立して移動するように構成され、
前記第1の並進部材及び前記第2の並進部材は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成される、
拡張可能なインプラント。
【請求項11】
前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートのうちの少なくとも1つは、多孔質骨係合面をさらに有する、
請求項10に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項12】
前記第1の並進部材は、少なくとも1つのウェッジをさらに有する、
請求項10に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項13】
前記第2の並進部材が、少なくとも1つのウェッジをさらに有する、
請求項10に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項14】
前記第1の並進部材は、前記第2の並進部材に移動可能に結合され、前記第1の並進部材及び前記第2の並進部材は、互いに独立して移動するように構成される、
請求項10に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項15】
前記第1の並進部材は、ダブテールによって前記第2の並進部材に移動可能に結合される、
請求項14に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項16】
前記第1の駆動ネジの少なくとも一部及び前記第2の駆動ネジの少なくとも一部を囲むように構成されたハウジングをさらに有する、
請求項10に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項17】
移動防止機構をさらに有する、
請求項10に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項18】
前記移動防止機構は、前記第1の駆動ネジ及び前記第2の駆動ネジの少なくとも1つの回転を制限するように構成された複数の可撓性部材を有する、
請求項17に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項19】
前記第1の駆動ネジ及び前記第2の駆動ネジのうちの1つ又は複数は、その回転を制限するように構成された前記可撓性部材の少なくとも一部を受け入れるように構成されたローブをさらに有する、
請求項18に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項20】
脊椎変形を治療する方法であって:
側方アプローチを介して椎間板腔にアクセスするステップと;
前記椎間板腔に拡張可能なインプラントを挿入するステップであって、
前記拡張可能なインプラントは、第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材と、第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材とを有し、第1の並進部材及び第2の並進部材とは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートが移動するときに前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成される、
ステップと;
前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間の前記空間的関係を変更するように前記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つを作動させ、それによって前記拡張可能なインプラントの寸法を変更するステップと;を含む、
方法。
【請求項21】
第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと;
第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の拡張部材と;
第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の拡張部材と;を有し、
前記第1の拡張部材は、前記第2の拡張部材から独立して移動するように構成され、
前記第1の拡張部材及び前記第2の拡張部材は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成される、
拡張可能なインプラント。
【請求項22】
前記第1のエンドプレートと一体的に形成され、前記第1のエンドプレートを第1の骨に結合するように構成された第1の固定開口;及び
前記第2のエンドプレートと一体的に形成され、前記第2のエンドプレートを第2の骨に結合するように構成された第2の固定開口;
をさらに有する、
請求項21に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項23】
前記第1の固定開口及び前記第2の固定開口は、それぞれ、内部に配置されたそれぞれの固定要素が、前記第1の固定開口及び前記第2の固定開口それぞれから後退することを防止するように構成された後退防止機構を含む、
請求項22に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項24】
前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されたハウジングをさらに有する、
請求項21に記載の拡張可能なインプラント。
【請求項25】
前記ハウジングに取り外し可能に結合されたプレートであって、前記プレートは:
本体;及び
固定開口;
をさらに有する、
請求項24に記載の拡張可能なインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年4月4日に出願された米国仮特許出願第63/170,532号;2021年4月5日に出願された米国仮特許出願第63/170,570号;及び2021年9月28日に出願された米国仮特許出願第63/249,129号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、医療用インプラント、より具体的には、拡張可能なインプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
腰痛は、あらゆる民族の人々に最も一般的で、衰弱をもたらす問題の1つである。米国だけでも、毎年50万件以上の脊椎腰椎及び頸椎固定術が行われている。腰痛及び障害の原因の1つは、脊椎の1つ以上の椎間板の破裂又は変性に起因する。
【0004】
外科的処置は、外傷、疾患又は加齢による椎間板の変位、損傷、又は変性の問題を修正するために一般的に行われる。一般に、脊椎固定術は、病変した又は損傷した椎間板の一部又は全部を除去し、その結果生じる椎間板腔に1つ以上の椎間インプラントを挿入する。前方腰椎椎体間固定術(ALIF)及び側方腰椎椎体間固定術は、脊椎外科医が修復又は置換されることになる脊椎の部分にアクセスするために使用する技術のうちの2つである。
【0005】
損傷又は劣化した脊椎骨の人工インプラントによる置換は、脊椎固有のストレスのメカニズム及び装置に反応する身体の生物学的特性の理解と考察が必要である。さらに、人工インプラントのサイズ、構成及び配置には、熟練した外科医による正確な位置決めと取り扱いが必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、拡張可能なインプラント装置及びそれを使用する方法を含む。拡張可能なインプラント装置は、特に、患者のニーズ又は要件、外科医の標的手技に影響されるように、特定の高さ及び/又は特定の前弯角度を形成するように調整され得、脊椎固定術に適応するために様々な特徴を組み込み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、拡張可能なインプラントは:第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材、及び第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材を含む。第1の並進部材は、第2の並進部材から独立して移動するように構成され得、第1の並進部材及び第2の並進部材は、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成され得る。空間的関係は、拡張可能なインプラントの高さ、長さ、幅、前弯の角度(angle of lordosis)、又は任意の他の寸法を規定し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、拡張可能なインプラントは:第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置され、第1の駆動ネジに移動可能に結合された第1の並進部材、及び第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置され、第2の駆動ネジに移動可能に結合された第2の並進部材を含む。第1の並進部材は、第2の並進部材から独立して移動するように構成され、第1の並進部材及び第2の並進部材は、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、移動防機構(anti-migration features)が、リードネジの望ましくない回転を制限するために提供される。移動防止機構は、追加の剛性を提供し、拡張可能なインプラントが支持するように構成される荷重の量を増加させる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の並進部材及び第2の並進部材は、ダブテール(dovetail)カップリングによって拡張可能なインプラントの遠位端で移動可能に結合され得る。同様に、いくつかの実施形態では、第1の並進部材及び第2の並進部材は、第1のアクチュエータハウジングを第2のアクチュエータハウジングにスライド可能に結合するダブテールカップリングによって、拡張可能なインプラントの近位端で移動可能に結合され得る。
【0011】
方法の一実施形態では、拡張可能なインプラントを使用して脊椎の状態を治療するための方法が提供され、その方法は:略側方のアプローチ(lateral approach)を介して椎間板腔(intervertebral disc space)にアクセスするステップ、拡張可能なインプラントを椎間板腔に挿入するステップであって、拡張可能なインプラントは、第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材と第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材とを有し、第1の並進部材及び第2の並進部材は、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係をそれらが移動するとき変化させるように構成される、ステップ、及び、拡張可能なインプラントの寸法を変化させるように第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変化させるために第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つを作動させるステップ、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
これら及び他の特徴は、当業者が添付図面を検討することにより、さらに理解されるであろう。
【0013】
図1】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの側面図を示し、拡張可能なインプラントは第1の構成で折り畳まれている。
【0014】
図2】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの側面図を示し、拡張可能なインプラントは第2の構成で拡張している。
【0015】
図3】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの正面斜視図を示し、拡張可能なインプラントは第2の構成で拡張している。
【0016】
図4】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの背面斜視図を示し、拡張可能なインプラントは第2の構成で拡張している。
【0017】
図5】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの上面図を示す。
【0018】
図6】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの断面上面図を示す。
【0019】
図7】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの拡張機構の上面図を示す。
【0020】
図8】第1の実施形態による拡張可能なインプラントの第1の並進部材及び第2の並進部材の斜視図を示す。
【0021】
図9】第1の実施形態による拡張可能なインプラントのアクチュエータハウジングの斜視図を示す。
【0022】
図10】第1の形態(configuration)で折り畳まれている、第1の実施形態による拡張可能なインプラントの背面図を示す。
【0023】
図11】第2の形態で拡張した第1の実施形態による拡張可能なインプラントの背面図を示す。
【0024】
図12】第1の形態で折り畳まれた第1の実施形態による拡張可能なインプラントの正面図を示す。
【0025】
図13】第2の形態で拡張した第1の実施形態による拡張可能なインプラントの正面図を示す。
【0026】
図14】例示的な前弯角度に調整された第1の実施形態による拡張可能なインプラントの背面図を示す。
【0027】
図15】例示的な前弯角度に調整された第1の実施形態による拡張可能なインプラントの正面図を示す。
【0028】
図16】例示的な前弯角度に調整された第1の実施形態による拡張可能なインプラントの斜視図を示す。
【0029】
図17】第1の形態で折り畳まれた第2の実施形態による拡張可能なインプラントの背面斜視図を示す。
【0030】
図18】第2の形態で拡張した第2の実施形態による拡張可能なインプラントの背面斜視図を示す。
【0031】
図19】第2の形態で拡張した第2の実施形態による拡張可能なインプラントの背面図を示す。
【0032】
図20】前弯角度を有する第3の形態に調整された第2の実施形態による拡張可能なインプラントの背面図を示す。
【0033】
図21】駆動ネジの回転を制限するように構成された回転防止機構を有する第3の実施形態による拡張可能なインプラントのアクチュエータハウジングを示す。
【0034】
図22】第3の実施形態による拡張可能なインプラントの斜視図を示す。
【0035】
図23】第4の実施形態による拡張可能なインプラントを示し、拡張可能なインプラントは、スライディングインターフェースを有する。
【0036】
図24】前弯角度に調整された第4の実施形態による拡張可能なインプラントを示す。
【0037】
図25】第4の実施形態による拡張可能なインプラントを示し、アクチュエータハウジングは独立して移動するように構成されたダブテールカップリングを含む。
【0038】
図26】第4の実施形態による拡張可能なインプラントの上面図を示す。
【0039】
図27】調整された形態における第4の実施形態による拡張可能なインプラントの上面図を示す。
【0040】
図28】ヒンジジョイントを含む第5の実施形態による拡張可能なインプラントの上面図を示す。
【0041】
図29】第5の実施形態による拡張可能なインプラントの正面斜視図を示し、拡張可能なインプラントは折り畳まれた形態にある。
【0042】
図30】第5の実施形態による拡張可能なインプラントの側面斜視図を示し、拡張可能なインプラントは拡張した形態にある。
【0043】
図31】第5の実施形態による拡張可能なインプラントの分解図を示す。
【0044】
図32】第5の実施形態による拡張可能なインプラントの断面上面図を示す。
【0045】
図33】第5の実施形態による拡張可能なインプラントの上部プレートが取り外された状態の上面図を示す。
【0046】
図34図33のボックスAの拡大図を示す。
【0047】
図35】第5の実施形態による拡張可能なインプラントの背面斜視図を示し、拡張可能なインプラントは改良された表面構造を有する
【0048】
図36】第6の実施形態による拡張可能なインプラントの背面斜視側面図を示し、拡張可能なインプラントは、固定される。
【0049】
図37】第7の実施形態による拡張可能なインプラントの斜視側面図を示し、拡張可能なインプラントは、固定される。
【0050】
図38】本開示の一実施形態による固定開口の拡大斜視図を示す。
【0051】
図39図38の固定開口の断面図を示す。
【0052】
図40】固定要素のヘッド部の拡大図を含む、本開示の一実施形態による固定要素の斜視図を示す。
【0053】
図41】他の実施形態による固定開口の斜視上面図を示す。
【0054】
図42】他の実施形態による固定開口の斜視上面図を示す。
【0055】
図43】他の実施形態による固定要素の側面図を示す。
【0056】
図44図43の実施形態による固定要素のヘッド部の断面図を示す。
【0057】
図45図43の実施形態による固定要素の上面図を示す。
【0058】
図46】第8の実施形態による拡張可能なインプラントの背面図を示す。
【0059】
図47】第9の実施形態による拡張可能なインプラントのモジュールプレート設計の斜視側面図を示す。
【0060】
図48】第9の実施形態によるハウジングに結合されたモジュールプレートの斜視側面図を示す。
【0061】
図49】第9の実施形態によるモジュールプレートの分解図をハウジングとともに示す。
【0062】
図50】第9の実施形態によるハウジングに結合されたモジュールプレートの断面上面図を示す。
【0063】
図51】第9の実施形態によるハウジングに結合されたモジュールプレートの断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
限定ではなく説明のために、当業者が本発明を製造し使用することができるように、特定の好ましい実施形態の詳細及び説明が以下に提供される。これらの詳細及び説明は、特定の好ましい実施形態のみを代表する。しかしながら、明示的に説明されない無数の他の実施形態が、本明細書を徹底的に検討すれば、当業者によって容易に理解されるであろう。したがって、本開示のいかなるレビュアーも、特許請求の範囲によって本発明の範囲を解釈すべきであり、そのような範囲は、本明細書に記載され図示される実施形態によって限定されるものではない。
【0065】
本開示は、拡張可能なインプラント装置及びそれを使用する方法を含む。拡張可能なインプラント装置は、患者のニーズ又は要件、外科医の標的手技などの影響を受けて、特定の高さ及び特定の前弯角度を形成するように調整され得、拡張可能なインプラントは、脊椎固定術に適応する及び/又はそれを促進するための様々な特徴をさらに組み込み得る。
【0066】
一般的な実施形態では、拡張可能なインプラントは:第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第1の並進部材、及び第2の並進部材を含み、第1の並進部材は、第2の並進部材から独立して移動するように構成され、第1の並進部材及び第2の並進部材の少なくとも1つの移動は、拡張可能なインプラントの寸法を変更するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、拡張可能なインプラントは:第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材を有する第1のアクチュエータ、及び第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材を有する第2のアクチュエータを含み、第1の並進部材は第2の並進部材から独立して移動するように構成され、第1の並進部材及び第2の並進部材は、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変更するように構成される。空間的関係は、拡張可能なインプラントの寸法を含み得、拡張可能なインプラントの高さ、幅、長さ、前弯、及び他の寸法の少なくとも1つを含み得る。
【0068】
次に図面に目を向けると、図1-13は、第1の実施形態による拡張可能なインプラント100の様々な図を示す。
【0069】
図1は、第1の形態で折り畳まれた拡張可能なインプラント100を示す。拡張可能なインプラント100は、第1のエンドプレート110、第2のエンドプレート120、第1の並進部材130(図5-8)及び第2の並進部材140(図5-8)を有する第2のアクチュエータを含んで示されている。第1の並進部材130は、第2の並進部材140から独立して移動するように構成され得、第1の並進部材130及び第2の並進部材140は、第1のエンドプレート110と第2のエンドプレート120との間の空間的関係を変更するように構成され得る。
【0070】
拡張可能なインプラント100は、拡張可能なインプラント100の挿入プロファイルを低減するために、折り畳まれた形態においてアクセス切開部を通って挿入され得る。第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120は、さらに、融合開口113(図3-5)、123(図3)及び骨接触面112(図3-5)、122(図3)を含む。拡張可能なインプラント100を患者の準備された椎間板腔内に配置し、拡張可能なインプラント100を所望の前弯の高さ及び角度に調整した後、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の骨接触面112,122は、それぞれ、下椎体及び上椎体それぞれに接触するように構成される。そのようなものとして、骨接触面112,122は、さらに、患者の椎間板腔内での拡張可能なインプラント100の滑りを防止するように構成された移動防止機構を含み得る。骨接触面112,122は、さらに、融合を促進するための多孔性骨接触面を含み得る。
【0071】
図2は、第2の形態で高さHまで拡張した拡張可能なインプラント100の側面図を示す。ここで、上述したように、第1の駆動ネジ153(図6及び9)のネジ部分及び第2の駆動ネジ154(図6及び9)のネジ部分は、それぞれ、第1の並進部材130のネジ穴及び第2の並進部材140のネジ穴に打ち込まれている。第1の駆動ネジ153のネジ部分153a(図6及び図9)と第1の並進部材130のネジ穴との連通により、第1のネジ部分はアクチュエータハウジング150の方へ移動する(図6-7及び9)。同様に、第2の駆動ネジ154のネジ部分154aと第2の並進部材140のネジ穴との連通により、第2のネジ部分はアクチュエータハウジング150の方へ移動する。
【0072】
図3は、第1の実施の形態による拡張可能なインプラント100の正面斜視図を示す。ここで、拡張可能なインプラント100は、第2の拡張した形態で示されている。第1の駆動ネジ153の回転は、第1の駆動ネジ153のネジ部分153aを第1の並進部材130のネジ穴に駆動し得る。アクチュエータハウジング150に対する第1の駆動ネジ153の位置は、駆動ネジ153が取り込まれている(captured)がアクチュエータハウジング150の周りに回転可能に配置されている状態で固定され得る。第1の駆動ネジ153のネジ部分153aを並進部材130内に駆動することは、並進部材130を第1の駆動ネジ153の長さに沿ってアクチュエータハウジング150に向かって効果的に移動させ、拡張可能なインプラント100の寸法を変更する。
【0073】
図4は、第1の駆動ネジ153(図6及び図9)を含む第1のアクチュエータと、第2の駆動ネジ154(図6及び図9)を含む第2のアクチュエータとを有する第1の実施形態による拡張可能なインプラント100の背面斜視図を示す。アクチュエータハウジング150は、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の少なくとも一部を受け入れるように構成された1つ以上の開口を含む。アクチュエータハウジング150は、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120に移動可能に接続され、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の作動時に第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の移動を可能にする。
【0074】
アクチュエータハウジング150は、さらに挿入キャビティ156及び移植片開口155を含む。挿入キャビティ156は、拡張可能なインプラント100を挿入器の先端に取り外し可能に固定するように構成される。拡張可能なインプラント100を患者の準備された椎間板腔内に配置し、拡張可能なインプラント100を所望の前弯の高さ及び角度に調整した後、骨移植片又は骨移植片代替材料が拡張可能なインプラント100の内部容積に装填され得る。いくつかの実施態様では、骨移植片又は骨移植片代替材料は、挿入器によって拡張可能なインプラント100に送達され、移植片開口155を介して拡張可能なインプラント100の内部容積に装填される。
【0075】
第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の骨癒合開口113,123は、拡張可能なインプラントの内部容積内に充填された骨移植片又は骨移植片代替材料が、骨癒合プロセスを補助するために患者の椎体と連絡することを可能にするように構成される。
【0076】
第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154は、それぞれ、第1の並進部材130及び第2の並進部材140のネジ穴132,142(図8)内に入れ子になる(nest)ように構成されたネジ部分153a、154aを含む。例えば、第1の駆動ネジ153のネジ部分153aは、第1の並進部材130のネジ穴132と連通するように構成され、第2の駆動ネジ154のネジ部分154aは、第2の並進部材140のネジ穴142と連通するように構成される。
【0077】
第1の並進部材130及び第2の並進部材140の少なくとも一部は、第1のエンドプレート110と第2のエンドプレート120との間に配置され得る。第1の並進部材130及び第2の並進部材140の各々は、並進部材130,140の移動に際し、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の少なくとも1つのウェッジ(wedge(楔))111,121(図1-4)とつながる(communicate with)ように構成された1つ以上のウェッジ131,141(図8)を含み得る。いくつかの実施態様では、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120のうちの1つ以上は、少なくとも1つの並進部材130,140の1つ以上のウェッジ131,141とつながるように構成された少なくとも1つのウェッジ111,121を含み得る。
【0078】
第1の並進部材130及び第2の並進部材140は、拡張可能なインプラント100の遠位端でスライド可能に結合され、第1の並進部材130が第2の並進部材140から独立して移動することを可能にする。第1の並進部材130が第2の並進部材140と実質的に同じ方向及び実質的に同じ距離に同時に移動されるとき、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の1つ以上のウェッジ111,121は、第1の並進部材130及び第2の並進部材140の1つ以上のウェッジ131,141を上方にスライドし、拡張可能なインプラント100の高さを変化させる。高さを選択的に変化させるために、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の同時回転は必要とされないが、駆動ネジ153,154に対する第1の並進部材130及び第2の並進部材140の移動距離の大きさは、第2のエンドプレート120に対する第1のエンドプレート110の角度作動(angular actuation)の量を最小にするために実質的に等しくされるべきである。
【0079】
第1の並進部材130及び第2の並進部材140の一方が移動され、第1の並進部材130及び第2の並進部材140が反対方向に移動され、第2のエンドプレート120に対する第1のエンドプレート110の向きが変化すると、拡張可能なインプラント100の角度作動が達成され得る。向きの変化は、拡張可能なインプラント100の前弯角度の変化に対応する(図17及び図21参照)。
【0080】
当業者であれば理解できるように、患者の状態又は他の脊椎変形は、高さHのインプラントを必要とし得る。しかしながら、インプラントが大きいほど、手術中に患者の椎間腔にインプラントを配置するために必要な切開部は大きくなる。拡張可能なインプラント100を提供することにより、外科医は、最初の降りた畳まれた形態で拡張可能なインプラント100を挿入し、次に、インプラントが患者の椎間腔に位置した状態で拡張可能なインプラントを高さHまで拡張することができ、それにより最小の切開部のみを必要とする。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1の並進部材130及び第2の並進部材140の少なくとも1つは、少なくとも1つのウェッジ131,141を含み得る。各ウェッジ131,141は、第1のエンドプレート110の少なくとも1つウェッジ111及び第2のエンドプレート120の少なくとも1つのウェッジ121とつながるように構成され得る。アクチュエータハウジング150に向かう第1の並進部材130の移動に際し、第1の並進部材130の少なくとも1つのウェッジ131は、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の少なくとも1つとつながるように構成される。同様に、アクチュエータハウジング150に向かう第2の並進部材140の移動に際し、第2の並進部材140の少なくとも1つのウェッジ141は、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の少なくとも1つとつながるように構成される。
【0082】
この実施形態では、第1の並進部材130及び第2の並進部材140の同じ方向の実質的に等しくかつ同時の移動は、高さを変化させ、拡張可能なインプラント100の長さをわずかに変化させる。この実施形態の第1の並進部材130及び第2の並進部材140は、それぞれ、第1の並進部材130及び第2の並進部材140がアクチュエータハウジング150に向かって移動する際に、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の対向するウェッジ111,121とつながるように構成された3つのウェッジ131,141を含む。
【0083】
当業者であれば理解できるように、第1の並進部材130及び第2の並進部材140の反対方向の同時の移動、及び第1の並進部材130及び第2の並進部材140の一方のみの移動のうちの1つ又は複数は、拡張可能なインプラント100のそれぞれの端部の高さを変化させ得、それによって第2のエンドプレート120に対する第1のエンドプレート110の角度を効果的に変化させる。いくつかの実施形態では、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120の間の調整された角度は、前弯角度を含み得る。
【0084】
図5は、第1の実施形態による拡張可能なインプラント100の上面図を示す。第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120は、融合開口113,123(図6)を含むように示されている。融合開口113は、骨融合プロセスを支援するように構成され、拡張可能なインプラントの内部容積内に堆積された骨移植片又は骨移植片材料が、患者の椎体と連絡することを可能にする。第1の並進部材130及び第2の並進部材140を、それらが対向する端部、例えば、拡張可能なインプラントの第1及び第2の端部に沿って延びるようにオフセットすることは、拡張可能なインプラント100の内部容積内にキャビティ(cavity(空洞))を形成する。そのキャビティは、融合プロセスを支援するために骨移植片又は骨移植片代替材料で充填され得る。
【0085】
図6は、平面A(図2参照)を横切って取られた拡張可能なインプラント100の断面上面図を示す。ここでは、第1の駆動ネジ153のネジ部分153b及び第2の駆動ネジ154のネジ部分154bが、それぞれ第1の並進部材130のネジ穴及び第2の並進部材140のネジ穴内に入れ子にされて示されている。この実施形態では、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154は、アクチュエータハウジング150内で回転可能に取り込まれている。この配置は、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の回転移動を可能にするが、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の並進移動を防止する。
【0086】
図7は、第1の実施の形態による拡張可能なインプラント100の拡張機構の上面図を示す。拡張機構は、アクチュエータハウジング150、第1の駆動ネジ153、第1の並進部材130、第2の駆動ネジ154、及び第2の並進部材140を含む。
【0087】
以下により詳細に説明するように、この実施形態は、駆動ネジの望ましくない回転を制限するように構成された回転防止(anti-rotation)機構も含む。この実施形態では、回転防止機構は、複数の可撓性部材157を含み、複数の可撓性部材157の少なくとも一部は、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の複数のディボット(divots)内に入れ子になるように構成される。
【0088】
図8は、拡張可能なインプラント100の第1の並進部材130及び第2の並進部材140の斜視図を示す。第1の並進部材130及び第2の並進部材140は、駆動ネジ153,154のネジ部分153a、154aとつながるように構成されたネジ穴132,142を含む。並進部材130,140はそれぞれ、第1のエンドプレート110及び第2のエンドプレート120のウェッジ111,121とつながるように構成され、第1のエンドプレート110を第2のエンドプレート120に対して移動するように構成された複数のウェッジ131,141をさらに含む。
【0089】
図9は、中に入れ子にされた第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154を有する拡張可能なインプラント100のアクチュエータハウジング150の斜視図を示す。図示のアクチュエータハウジング150は、第1の駆動ネジ153及び第2の駆動ネジ154の望ましくない動きを制限するように構成された複数の可撓性部材157を含む。
【0090】
図10-15は、第1の折り畳まれた形態から第2の拡張した形態に調整されるときの、拡張可能なインプラント100の正面及び背面の2つの斜視図を示す。図10は、第1の形態の折り畳まれた拡張可能なインプラント100の背面図を示す。第1のエンドプレート110と第2のエンドプレート120の相対位置に注目されたい。図11は、第2の形態の拡張した拡張可能なインプラント100の背面図を示す。第2のエンドプレート120に対する第1のエンドプレート110の動きと、拡張可能なインプラント100の高さの変化に注目されたい。
【0091】
別の観点から見て、図12は、第1の形態で折り畳まれた拡張可能なインプラント100の正面図を示し、図13は、第2の形態で拡張した拡張可能なインプラント100の正面図を示す。
【0092】
拡張可能なインプラント100の角度調整を説明するために、図14は、例示的な前弯角度に調整された、第1の実施形態による拡張可能なインプラント100の背面図を示す。図15は、例示的な前弯角度に調整された、第1の実施形態による拡張可能なインプラント100の正面図を示す。この形態を上述した第1及び第2の形態と比較することにより、第1のエンドプレート110が、例示的な前弯角度に対応する、第2のエンドプレート120に対してある角度に位置していることがわかる。
【0093】
図16は、例示的な前弯角度に調整された第1の実施形態による拡張可能なインプラント100の斜視図を示す。患者のニーズに応じて、拡張可能なインプラントの個々のコンポーネントは、必要な量の前弯を提供するようにサイズ調整され得る。
【0094】
拡張可能なインプラント100は、拡張可能なインプラント100の遠位端に配置されたスライド可能なインターフェース170(図6-7及び10-16)を含む。拡張可能なインプラント100の遠位端、特に第1の並進部材130及び第2の並進部材140の遠位端は、第1の並進部材130を第2の並進部材140に移動可能に結合するスライド可能なインターフェース170を有するテーパ状のエッジを備えて構成される。テーパ状のエッジは、患者の椎間板腔への拡張可能なインプラントの挿入を補助するように構成され、スライド可能なインターフェース170は、拡張可能なインプラント100の安定性及び耐荷重特性を高めるように構成される。
【0095】
この実施形態では、スライド可能なインターフェース170は、ダブテールカップリングを含み、ダブテールカップリングは、第2の並進部材のチャネル内に入れ子にされた第1の並進部材130の延長部を含む。当業者であれば理解できるように、この実施形態では、延長部は第1の並進部材130の一部であり、チャネルは第2の並進部材140に配置される。いくつかの実施形態では、延長部は第2の並進部材140の一部であり、第1の並進部材130のチャネルと連通している。同様に、この実施形態では、スライド可能なインターフェース170はダブテールカップリングであり、実質的に三角形の幾何学的形状を有しているが、当業者であれば、他の形状が提供されてもよいことを理解できる。
【0096】
図17-20は、第1のエンドプレート210、第2のエンドプレート220、第1のエンドプレート210と第2のエンドプレート220との間に配置され、第1の駆動ネジ253に移動可能に結合された第1の並進部材230、及び第1のエンドプレート210と第2のエンドプレート220との間に配置され、第2の駆動ネジ254に移動可能に結合された第2の並進部材240を含む、拡張可能なインプラント200の第2の実施形態を示す。第1の並進部材230は、第2の並進部材240から独立して移動するように構成され、第1の並進部材230及び第2の並進部材240は、第1のエンドプレート210と第2のエンドプレート220との間の空間的関係を変更するように構成される。第1及び第2の並進部材230,240は、互いの鏡像であり、したがって、対応する特徴を有する。
【0097】
この実施形態では、第1のエンドプレート210及び第2のエンドプレート220は、多孔質骨接触面211,221を含む。第1のエンドプレート210、第2のエンドプレート220及び拡張可能なインプラント200の任意の他のコンポーネントは、積層造形技術(additive manufacturing techniques)を用いて製造され得る。多孔質骨接触面211,221は、積層造形技術を用いて印刷され得る。いくつかの実施形態では、第1のエンドプレート210、第2のエンドプレート220、及び拡張可能なインプラント200の他の任意のコンポーネントは、ポリエーテルケトン(PEEK)を含み得る。このようなものとして、多孔性骨接触面211,221は、多孔性PEEKインプラントを製造するための任意の既知のプロセスを用いて製造され得る。いくつかの実施態様では、拡張可能なインプラント200は、チタン、及び医療用インプラントの製造に一般的に使用される他の材料から製造されてもよい。
【0098】
図17は、第1の折り畳まれた形態の拡張可能なインプラント200を示す。拡張可能なインプラント200は:第1のエンドプレート210、第2のエンドプレート220、第1の並進部材230、第2の並進部材240、及びアクチュエータハウジング250を含む。アクチュエータハウジング250は、第1の並進部材230のネジ穴に連通する第1のネジ部分を持つ第1の駆動ネジ253、及び第2の並進部材240の第1のネジ穴に連通する第2の駆動ネジ254を含む。
【0099】
第1の駆動ネジ253及び第2の駆動ネジ254の少なくとも1つが回転すると、ネジ部分(図17には示されていないが、インプラント100に関する153a、154a(図6)と同様である)が第1の並進部材230及び第2の並進部材240の第1のネジ穴232,242に連通し、それによって第1の並進部材230及び/又は第2の並進部材240を並進させる。
【0100】
第1の並進部材230及び第2の並進部材240の各々は、少なくとも1つのウェッジ231,241を含み得、各ウェッジ231,241は、第1のエンドプレート210及び第2のエンドプレート220のウェッジ211,221とつながるように構成される。第1の並進部材230及び第2の並進部材240の1つ以上の並進に際し、並進部材230,240の1つ以上のウェッジ231,241は、エンドプレート210,220の1つ以上のウェッジ211,221とつながるように構成され、それによって、拡張可能なインプラント200の寸法を変更する。図17-18には示されていないが、並進部材240は並進部材230の鏡像であるので、第2の並進部材240はウェッジ241を含むことが理解される。
【0101】
この実施形態では、エンドプレート210,220のウェッジ211,221は、並進部材230,240のウェッジ231,241のトラック内を移動するように構成されたキー付き部分を含む。トラック内を移動するキー付き部分は、拡張可能なインプラントにさらなる安定性と耐荷重特性を提供するように構成される。
【0102】
図18は、第2の拡張した形態の拡張可能なインプラント200の背面斜視図を示す。第1の並進部材230及び第2の並進部材240が実質的に等しい量移動するように第1の駆動ネジ253及び第2の駆動ネジ254が回転されるとき、第1の並進部材230及び第2の並進部材240のウェッジ231,241は、第1のエンドプレート210及び第2のエンドプレート220のウェッジ211,221とつながり、第1のエンドプレート210及び第2のエンドプレート220をアクチュエータハウジング250に対して変位させる。この実施形態では、この移動は、拡張可能なインプラント200を拡張し、拡張可能なインプラント200の高さを変化させる。
【0103】
ここで、いくつかの実施形態では、拡張可能なインプラント200は、前弯角度について調整されるようにも構成される。参考のために、図19は、図18の同じ第2の拡張した形態における拡張可能なインプラント200の背面図を示す。当業者であれば理解できるように、第1の駆動ネジ253及び第2の駆動ネジ254の1つを回転させるか、第1の駆動ネジ253と第2の駆動ネジ254の両方を反対方向に回転させることによって、第1のエンドプレート210と第2のエンドプレート220との間の角度が変化する。
【0104】
図20は、選択された前弯角度を有する第3の形態に調整された拡張可能なインプラント200の背面図を示す。当業者であれば理解できるように、エンドプレート210,220のウェッジ211,221及び並進部材230,240のウェッジ231,241の寸法を選択することは、拡張可能なインプラント200が提供するように構成される前弯角度の範囲を決定する。
【0105】
当業者であれば理解できるように、第1の実施形態100、第2実施形態200及び本明細書に図示され説明されるすべての実施形態は、高さ及び前弯の角度の両方において調整され得る。高さ及び前弯の任意の数の構成は、拡張可能なインプラントによって提供され得るが、本明細書に明示的に示されていない。この意味で、可能な調整の全範囲は、本開示によって包含されるとみなされるべきであり、開示は、本明細書に明示的に示される構成によって限定されるものではない。
【0106】
いくつかの実施形態は、リードネジの望ましくない回転を制限する回転防止機構を含み得る。回転防止機構は、追加の剛性を提供し、拡張可能なインプラントが支持することができる荷重の量を増加させる。例えば、図21及び図22は、第3の実施形態による拡張可能なインプラント300のアクチュエータハウジング350を示しており、アクチュエータハウジング350は、第1の駆動ネジ353及び第2の駆動ネジ354の望ましくない回転を制限するように構成された回転防止機構357を含む。この実施形態では、回転防止機構357は、アクチュエータハウジング350から延びる複数の可撓性部材357を含む。この実施形態の第1の駆動ネジ353及び第2の駆動ネジ354は、複数のディボット353b、354bを含み、各々は、複数の可撓性部材357の各々の少なくとも一部を受け入れるように構成され、回転防止機構は、ラチェット機能を備え(ratchet)、駆動ネジ353,354の望ましくない回転を防止するように構成される。
【0107】
当業者であれば理解できるように、複数のディボット353b、354b内に入れ子になる複数の可撓性部材357の各々の少なくとも一部のつながりは、駆動ネジ353,354を回転させるために必要な力要件を増加させる。しかしながら、駆動ネジ353,354のディボット353b、354bとつながる複数の可撓性部材357のラチェット機構は、駆動ネジ353,354の望ましくない回転を防止するように機能し、拡張可能なインプラント300の折り畳みを防止するのに役立つ。
【0108】
いくつかの実施態様では、アクチュエータハウジング350は、積層造形技術を用いて製造され得、複数の可撓性部材357は、アクチュエータハウジング350及び複数の可撓性部材357が一体のピース(monolithic piece)を形成するように製造され得る。いくつかの実施態様では、この単一の一体のピースは、コンポーネントの数を減らし、組立プロセスを支援するために、駆動ネジの周りに直接3Dプリントされ得る。いくつかの実施態様では、駆動ネジは、それぞれのキャビティを通って挿入され、摩擦嵌合で所定の位置に固定される。
【0109】
図23は、選択された高さ及び前弯の角度に調整された第4の実施態様による拡張可能なインプラント400を示す。拡張可能なインプラント400は、エンドプレート410,420の端部及び並進部材430,440の各々のインターフェース(境界面)に形成された摺動インターフェース460を含む。第1のエンドプレート410及び第2の並進部材440の摺動インターフェース460の拡大図がある。エンドプレート410,420と並進部材430,440との間のこの摺動インターフェース460は、拡張可能なインプラント400が増加した量の前弯を達成するのを助ける。
【0110】
この実施形態では、摺動インターフェース460は、並進部材430,440の長さに沿った少なくとも1つの溝と、エンドプレート410,420の長さの少なくとも一部に沿って延びる複数の切り欠きを設けることによって形成される。拡張可能なインプラントが特定の前弯角度に調整されると、第1のエンドプレート410と第2のエンドプレート420のピボットポイント(pivot point)が変化する。ピボットポイントがエンドプレート410,420の端部に向かって移動すると、並進部材430,440は、エンドプレート410,420に当接し、効果的に移動を制限し得る。しかしながら、摺動インターフェース460を設けることにより、エンドプレートは、増加した移動量を提供される。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の並進部材430及び第2の並進部材440は、摺動可能なインターフェース470により、拡張可能なインプラントの遠位端において移動可能に結合され得る。摺動可能なインターフェース470は、第1の並進部材430及び第2の並進部材440が独立して移動することを可能にするように構成され得る。図24は、拡張可能なインプラント400の遠位端部を示し、スライド可能なインターフェース470(図25)は第1の並進部材430及び第2の並進部材440をスライド可能に接続するダブテールカップリングを有する。ダブテールカップリングは、第1の並進部材430及び第2の並進部材440が独立して移動することを可能にするように構成される。同様に、いくつかの実施形態では、第1の並進部材430及び第2の並進部材440は、第1の並進部材430及び第2の並進部材440が独立して移動することを可能にするように構成されたスライド可能なインターフェースによって、拡張可能なインプラントの近位端で移動可能に結合され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、拡張可能なインプラント400の近位端におけるスライド可能なインターフェース470は、第1のアクチュエータハウジング450aと第2のアクチュエータハウジング450bとの間に形成され得る(図25-27)。図25は、第1のアクチュエータハウジング450aと第2のアクチュエータハウジング450bとの間に移動可能なカップリングを提供するように構成されたスライド可能なインターフェース470を有する拡張可能なインプラント400の近位端を示す。スライド可能なインターフェース470は、第1のアクチュエータハウジング450a及び第2のアクチュエータハウジング450bが独立して移動することを可能にするように構成されたダブテールカップリングを含む。
【0113】
拡張可能なインプラントの近位端と遠位端の両方にスライド可能なカップリングを提供することは、拡張可能なインプラントにさらなる安定性と耐荷重特性を提供する。さらに、拡張可能なインプラントの近位端と遠位端の両方にスライド可能なカップリングを提供することは、拡張可能なインプラントのいずれかの端での拡張可能なインプラントの長さ拡張と長さ収縮を可能にする。例えば、図26-27は、第4の実施形態による拡張可能なインプラント400の上面図を示す。図26では、拡張可能なインプラント400は、第1の折り畳まれた形態で配置されている。図27では、第1の駆動ネジは、拡張可能なインプラント400の前弯角度を調整するために回転されている。このように、第1のアクチュエータハウジング450aは、第1の並進部材430に向かって移動しており、第1のエンドプレート410及び第2のエンドプレート420を旋回させる。
【0114】
図28を参照すると、いくつかの実施形態では、1つ以上のヒンジジョイントが設けられ得る。ヒンジジョイントは、拡張可能なインプラントにさらなる安定性を提供するように構成され得る。ヒンジジョイントは、第1のエンドプレート510を第2のエンドプレート520に移動可能に結合し得る。いくつかの実施形態では、第1のエンドプレート510及び第2のエンドプレート520は、後端又は前端で結合され得る。いくつかの実施形態では、第1のエンドプレート510及び第2のエンドプレート520は、連結部(linkages(リンケージ))によって移動可能に結合され得る。例えば、図28は、第5の実施形態による拡張可能なインプラント500を示しており、第1のエンドプレート510は、第2のエンドプレート520の連結部524に移動可能に結合された連結部514を有する。第1のエンドプレート510の連結部514は、カップリングピンによって第2のエンドプレート520の連結部524に移動可能に結合される。これらの連結部514,524は、第1のエンドプレート510を第2のエンドプレート520に移動可能に結合し、拡張可能なインプラント500の安定性及び耐荷重特性を改善する。
【0115】
拡張可能なインプラントを用いて脊椎疾患を治療するための方法がさらに提供される。この方法は、略側方のアプローチを介して椎間板腔にアクセスするステップ、及び、拡張可能なインプラントを椎間板腔に挿入するステップを含み、拡張可能なインプラントは、第1のアクチュエータに移動可能に結合された第1の並進部材及び第2のアクチュエータに移動可能に結合された第2の並進部材を有する。第1の並進部材及び第2の並進部材は、それらが移動するときに、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変化させるように構成され得る。この方法は、さらに、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間の空間的関係を変化させて拡張可能なインプラントの寸法を変化させるように、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つを作動させるステップを含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、この方法は、患者の椎間板腔内で拡張可能なインプラントをその場で調整するステップを含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、この方法は、拡張可能なインプラントを骨移植片又は骨移植代替材料で充填するステップを含み得る。このステップは、インプラントを椎間板腔に挿入する前、又はインプラントを椎間板腔に配置した後に、骨移植片又は骨移植代替材料をその場で拡張可能なインプラントに提供するために特殊な挿入器を使用することによって起こり得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、この方法は、拡張可能なインプラントを所望の高さに調整するステップを含み得、追加的に又は代替的に、拡張可能なインプラントを所望の前弯角度に調整するステップを含み得る。図29は、別の実施形態による拡張可能な融合椎間インプラント装置600を示す。図29に示すように、拡張可能な融合椎間装置600は、折り畳まれた挿入形態である。図30は、完全に拡張した形態600の図29の拡張可能な融合椎間インプラント装置を示す。この例示的な実施形態によれば、拡張可能な融合装置600は、ユーザがインプラントの第1の側部又はインプラントの第2の側部のみを拡張する(すなわち、第1のエンドプレート610と第2のエンドプレート620との間の高さ/距離を増加させる)ことを選択できるように、独立して拡張可能な第1の側部及び第2の側部を有するように構成される。インプラントの第1の側部又は第2の側部のみを拡張することは、いわゆる前弯インプラント(lordotic implant)をもたらす。言い換えれば、拡張した側部の高さは、拡張されていない側部の高さよりも大きく、第1のエンドプレート610と第2のエンドプレート620との間に角度(すなわち、前弯又は前弯角度)を作る。
【0119】
図29-35に示される例示的な実施形態によれば、拡張可能な融合椎間インプラント装置600は、椎体の同側の側面から椎体の対側の側面まで、椎体のエンドプレートの幅にまたがるように寸法が定められる。例として、拡張可能な融合椎間インプラント装置600は、先端602から後端604までの長さが約40mmから約60mmの範囲であり得る。拡張可能な融合椎間インプラント装置600は、側方のアプローチ、例えば、直接側方/経腰筋アプローチ又は前外側/前腰筋アプローチから椎間腔に配置されるように寸法が定められている。例として、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の幅は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の第1の側部から第2の側部まで約18mmから約28mmの範囲であり得る。また、その折り畳まれた形態における拡張可能な融合椎間インプラント装置600は、平行又は実質的に平行なエンドプレート、すなわち、約0°の前弯を有することが考えられる。また、その折り畳まれた状態における拡張可能な融合椎間インプラント装置600は、エンドプレート610,620の間に前弯角を有することが考えられる。例として、折り畳まれた形態における第1のエンドプレート610と第2のエンドプレート620との間の角度は、0°から15°の範囲であり得る。
【0120】
図31は、この実施形態による拡張可能な融合椎間インプラント装置600の分解図である。図31に最もよく示されるように、拡張可能な融合椎間インプラント装置600は、第1のエンドプレート610、第2のエンドプレート620、第1の拡張部材630、第2の拡張部材640、第1のアクチュエータ653、第2のアクチュエータ654、及びハウジング650を有する。
【0121】
第1のエンドプレート610は、上面(又は骨接触面)612、上面612の反対側の内面614、第1の側部615a、第2の側部615b、第1の側部615aからエンドプレート610の縁に沿って延びる複数の延長部611a(図29)、及び第2の側部615bから延び、エンドプレート610の縁からオフセットされた複数の延長部611b(図30-31)を有する。第2のエンドプレート620は、底面(又は骨接触面)622、底面622の反対側の内面624、第1の側部625a、第2の側部625b、第1の側部625aから延び、エンドプレート620の縁に沿ってオフセットされた複数の延長部621a(図31)、及び第2の側部625bから延び、エンドプレート620の縁に沿って延びる複数の延長部611b(図30-31)を有する。
【0122】
例示的な実施形態によれば、第1及び第2のエンドプレート610,620は、サイズ及び形状が互いに同一であり、互いに対向して配置される。代替実施形態によれば、第1のエンドプレート610は、第1のエンドプレート610の第2の側部615bの高さより大きい、及び/又は第2のエンドプレート620の最大高さより大きい第1の側部615aの高さを有し得る。第1及び第2のエンドプレート610,620の各々は、さらに、上面又は底面612,622からエンドプレート610,620の内面614,624を通って延びる開口部613,623(図31)を有し得る。1つの例示的な実施形態によれば、第1及び第2のエンドプレート610,620の各々は、第1のエンドプレート610を通る、インプラント装置600の中央領域を通る、及び第2のエンドプレート620を通る、骨成長を可能にするように寸法を定められ且つ構成された少なくとも1つの中央融合開口613,623を含む。図35に最もよく示される一実施形態によれば、第1及び第2のエンドプレート610,620の各々は、上面612及び底面622それぞれに隣接する多孔質骨接触層を有する。
【0123】
第1の拡張部材630は、第1及び第2のエンドプレート610,620の長さに匹敵する長さを有する。第1の拡張部材630は、先端部632と、後端部634と、複数の曲面631と、第1の拡張部材630の長さの少なくとも一部に延びる後端部634内に開口636とを有する。第1の拡張部材630の先端部632は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の椎間腔への挿入を補助するために、傾斜又はテーパ状にされている。第1の拡張部材630の先端部632は、第1及び第2のエンドプレート610,620の先端部602を越えて延び、全体の拡張可能な融合椎間インプラント装置600の先端部を形成する。第1の拡張部材630の先端部632は、第1のエンドプレート610上の対応する特徴部と嵌合する(mates with)ダブテール又は舌及び溝特徴部も有し得る。このダブテール又は舌及び溝特徴部は、第1及び第2のエンドプレート610,620の少なくとも1つの対応する特徴部に係合して、第1のエンドプレート610を第2のエンドプレート620に向かって能動的に引っ張り、拡張可能な融合椎間インプラント装置600を「能動的に折り畳む」ように構成される。
【0124】
例示的な実施形態によれば、第1の拡張部材630は、互いに離間し、第1のエンドプレート610の第1の側部615aの複数の延長部611a及び第2のエンドプレート620の第1の側部625aの縁からオフセットされた複数の延長部611aと係合するように構成された複数の曲面631を有する。また、第1の拡張部材630は、第2の拡張部材640上の対応するクリート(cleat)648(図31-33)と接続するように構成された第1の拡張部材630の長手方向軸に対して略垂直に延び、第1及び第2の拡張部材630,640が互いに摺動可能に係合されることを可能にするクリート638(図31-33)を有し得る。
【0125】
第2の拡張部材640は、第1の拡張部材630に関して上述した特徴に対応する特徴を含む。すなわち、第2の拡張部材640は、先端部642と、後端部644と、複数の曲面641と、第2の拡張部材640の長さの少なくとも一部の中に延びる後端部644内の開口646と、クリート648とを有する。第2の拡張部材640の先端部642は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の椎間腔への挿入を補助するために、傾斜又はテーパ状にされている。第2の拡張部材640の先端部642は、第1及び第2のエンドプレート610,620の先端部602を越えて延び、全体の拡張可能な融合椎間インプラント装置600の先端部を形成する。第2の拡張部材640の先端部642はまた、第1のエンドプレート610及び第2のエンドプレート620上の対応する特徴部と嵌合するダブテール又は舌及び溝特徴部633(図35)を有し得る。このダブテール又は舌及び溝特徴部633は、第1及び第2のエンドプレート610,620の少なくとも1つに対応する特徴部に係合して、第1のエンドプレート610を第2のエンドプレート620に向かって能動的に引っ張り、拡張可能な融合椎間インプラント装置600を「能動的に折り畳む」ように構成される。
【0126】
拡張部材630,640の1つ以上のウェッジ631,641及びエンドプレート610,620のウェッジ611,621の形状、ジオメトリ及び/又は構成は、拡張及び折り畳みを強化するようにカスタマイズされてもよい。例えば、図35に示されるように、別の能動的な折り畳まれた特徴部605が示されている。具体的には、第1及び第2のエンドプレート610,620は、第1及び第2のエンドプレート610,620の延長部611c,621cの拡張部材630,640のウェッジ641cとの相互作用がインプラント600の折り畳みに方向付けし(directs)、それを補助するように、インプラント600の折り畳みの間に拡張部材630,640のウェッジ641cと相互作用するように構成された少なくとも1つの延長部611c,621cを含み得る。エンドプレート610,620及び拡張部材630,640は、開示の態様から逸脱することなく、任意の数の能動的折り畳み機構を含み得ることを理解されたい。
【0127】
第2の拡張部材640の曲面641は、第1のエンドプレート610の第2の側部615bの縁からオフセットされた延長部611b、及び第2のエンドプレート620の第2の側部621bの縁に沿った延長部621bと係合するように構成される。一実施形態によれば、第1及び第2の拡張部材630,640は、サイズ及び形状が同一であり、第1及び第2の拡張部材630,640の先端部632,642及び後端部634,644が並んでいるが、第2の拡張部材640は、拡張部材の長手方向軸周りに反転されるように互いに対向して配置され得る。例示的な実施形態によれば、第1及び第2の拡張部材630,640の後端部634,644の開口636,646は、それぞれ、第1及び第2のアクチュエータ653,654の第1の部分653a、654aを受け入れるように寸法を定められる。開口636,646は、第1及び第2のアクチュエータ653,654の第1の部分653a、654aのネジ形状に対応するようにネジ山を形成され(threaded)得る。
【0128】
第1及び第2のアクチュエータ653,654は、それぞれ、第1の部分653a、654a、第2の部分653b、654b、及び第1の部分653a、654aと第2の部分(653b、654b)との間の中間領域653c、654c(図32)を有する。例示的な実施形態によれば、第1及び第2のアクチュエータ653,654は、サイズ及び形状において互いに同一である。第1及び第2のアクチュエータ653,654の各々の第1の部分653a、654aは、第1及び第2の拡張部材630,640に係合するように構成される。例えば、第1のアクチュエータ653が第1の方向に回転すると、第1の拡張部材630はハウジング650に向かって並進し、第1のアクチュエータ653が第2の方向に回転すると、第1の拡張部材630はハウジング650から離れて並進する。同様に、第2のアクチュエータ654が第1の方向に回転すると、第2の拡張部材640はハウジング650に向かって並進し、第2のアクチュエータ654が第2の方向に回転すると、第2の拡張部材640はハウジング650から離れて並進する。第1及び第2のアクチュエータ653,654のそれぞれの第2の部分653b、654bは、ハウジング650内の第1及び第2の開口652a、652b(図31)内にそれぞれ実質的又は完全に取り込まれる。第1及び第2のアクチュエータ653,654のそれぞれの第2の部分の後端は、第1及び第2のアクチュエータ653,654に係合してそれらを第1又は第2の方向に回転させる拡張ドライバの遠位先端を受けるように構成された係合特徴部653d、654d(図32)を有する。第1及び第2のアクチュエータ653,654の各々の後端における係合特徴部653d,654dは、ハウジング650の近位面におけるハウジング650内の対応する開口652s,652bを介して露出されており、これは拡張可能な融合椎間インプラント装置600全体の後端面でもある。アクチュエータ653,654及び対応する拡張部材630,640の各々は、他から完全に独立していてもよい。アクチュエータ653,654及び拡張部材630,640アセンブリは、独立して作動及び並進されるように構成され、それにより、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の第1又は第2の側部のみの高さを増加させる。代替的には、アクチュエータ653,654は、両方が同時に係合及び回転され得、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の平行な拡張を引き起こす。例として、第1及び第2のアクチュエータ653,654の各々の第2の部分653b、654bは、ハウジング650の第1及び第2の開口652a、652b内の対応するポケット又はチャネル内に保持されるアクチュエータ653,654の第2の部分653b、654bの残りの部分よりも大きな円周を有するリップ又はフランジ656,658を含み得る。また、第1及び第2のアクチュエータ653,654の各々は、中間又は中央領域653c、654cを含む。中央領域653c、654cは、アクチュエータ653,654の中央領域653c、654cの周囲の周りに複数の凹チャネルを有し得る。
【0129】
ハウジング650は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の後端604に位置するように構成される。一実施形態によれば、ハウジング650は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の最大幅に等しい、拡張可能な融合椎間インプラント装置600の第1の側部から第2の側部までの幅を有する。ハウジング650は、遠位面及び近位面と、近位面からハウジング650の遠位面を通って延びる第1及び第2の開口652a、652b(図31)と、第1及び第2の開口652a、652bに隣接してハウジング650の遠位面から延びる複数の可撓性延長部657(図33)とを含む。第1及び第2の開口652a、652bは、それぞれ、第1及び第2のアクチュエータ653,654の第2の部分653b、654bを保持するように構成される。ハウジング650の遠位面から延びる複数の可撓性延長部657の各々は、アクチュエータ653,654の中央領域653c、654cの周囲の周りのローブ又は凹チャネル659(図34)の1つに留まる(rest)ように構成された遠位端を有する。例示的な実施形態によれば、複数の可撓性延長部657は、可撓性延長部657が異なる位置でアクチュエータ653,654の中央領域653c、654cの凹チャネル659に係合するように、異なる長さを有し得る。例示的な実施形態によれば、複数の可撓性延長部657を含むハウジング650は、単一構造のものであり得る。可撓性延長部657は、第1及び第2のアクチュエータ653,654の望ましくない動きを制限するように構成される。第1及び第2のアクチュエータ653,654の第2の部分653b、654bは、二次ロック又はネジ機構の使用を必要とせずに、ハウジング650内で拘束される。
【0130】
例示的な実施形態によれば、拡張可能な融合椎間インプラント装置600全体は、積層造形技術を使用して製造され得る。別の例示的な実施形態によれば、拡張可能な融合インプラントは、生体適合性金属を含み得る。エンドプレート610,620又は拡張部材630,640の少なくとも1つは、処理されたコンポーネントへの骨の内成長又は上成長を促進するように表面構造を改良するために処理されし得る。別の例示的な実施形態によれば、拡張可能な融合椎間インプラント装置600全体は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600への骨の内成長又は上成長を促進するように表面構造を改良するために処理され得る。
【0131】
次に図36を参照すると、拡張可能な融合椎間インプラント装置700の別の実施形態が示されている。この実施形態は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600(図29-35)の特徴と実質的に一致する特徴を含むが、拡張可能な融合椎間インプラント装置700は、固定される(plated)設計を含む。より具体的には、拡張可能な融合椎間インプラント装置700は、第1のエンドプレート710と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口760と、第2のエンドプレート720と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口770とを含む。少なくとも1つの固定開口760,770の各々は、隣接する骨に拡張可能な融合椎間インプラント装置700を固定するための固定要素、例えば、骨ネジ、ブレード等を中に受け入れるように構成される。ハウジング750は、第1のエンドプレート710と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口760と、第2のエンドプレート720と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口770との間に配置され得る。2つの固定開口760,770を含むように示されているが、各エンドプレート710,720は、開示の態様から逸脱することなく任意の数の固定開口を含み得ることが理解される。さらに、第1のエンドプレート710又は第2のエンドプレート720のうちの1つのみが固定開口を含み得ることも考えられる。
【0132】
この実施形態では、少なくとも1つの固定開口760,770の各々は、後退防止機能(anti-back out feature)として傾斜コイル機構762,772を含むように示されているが、他のタイプが一度配置されてサイズが決定されると、隣接する骨に対して拡張可能な融合椎間インプラント装置700を固定するために使用され得る。例示的な傾斜コイルロック機構の更なる詳細は、2009年4月13日に出願され、2009年10月15日にWO2009/126968A1として公開された国際特許出願第PCT/US2009/040396に記載されており、その全体が本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。例えば、いくつかの実施形態は、超音波溶接用のポリマー部材を含み得る。例示的なポリマー部材の追加の詳細は、2018年6月29日に出願され、2019年1月3日にWO2019/006407A1として公開された国際特許出願第PCT/US2018/040463号に記載されており、その全体が本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
少なくとも1つの固定開口760,770の各々は、拡張可能な融合椎間インプラント装置700の後端704上のエンドプレート710,720の周りに配置され得る。さらに、少なくとも1つの固定開口760,770の各々は、後端704においてエンドプレート710,720の周りに中心があり得る又は中心から外れて配置され得る。さらに、少なくとも1つの固定開口760,770の各々は、その中に配置された骨ネジを所望の角度及び方向に向けるように構成され得る。一例では、固定開口760,770は、拡張可能な融合椎間インプラント装置700の前方部分にシフトされ、骨ネジ軌道は後方方向に向けられ得、これは、拡張可能な融合椎間インプラント装置700が、前対腰筋(ATP)アプローチで使用されることを可能にする。
【0134】
次に、図37に、拡張可能な融合椎間インプラント装置800の別の実施形態が示される。この実施形態は、拡張可能な融合椎間インプラント装置600(図29-35)に関連して説明された特徴に実質的に対応する特徴を含むが、拡張可能な融合椎間インプラント装置800は、拡張可能な融合椎間インプラント装置700と同様の方法で固定される。より具体的には、拡張可能な融合椎間インプラント装置800は、第1のエンドプレート810と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口860と、第2のエンドプレート820と一体的に形成された少なくとも固定開口870とを含む。少なくとも1つの固定開口860,870の各々は、隣接する骨に拡張可能な融合椎間インプラント装置800を固定するための固定要素、例えば、骨ネジ、ブレード等を受け入れるように構成される。ハウジング850は、第1のエンドプレート810と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口860と、第2のエンドプレート820と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口870との間に配置され得る。
【0135】
この実施形態では、少なくとも1つの固定開口860,870の各々は、その中に配置された少なくとも1つのラッチロック862,872を含むように示されている。固定開口860,870は、固定開口ごとに3つのラッチロック862,872を含むように示されているが、任意の数のラッチロック862,872が開示の態様から逸脱することなく含まれ得ることを理解されたい。図38は、その中にラッチロック872を有する固定開口870の拡大図を示す。図39は、固定開口870の拡大断面図を示す。図示されているように、各ラッチロック872は、骨ネジ880(図40)の頭部の波形(scalloped(スカラップ状の)カット部882(図40)に係合するためのラチェットタブ874を含み、それによって後退防止機構を提供する。ラチェットタブ874は、固定開口870の中心に向かって内向きに、及び/又は、固定開口870の反対側の端に向かって遠位(図39に示すような図の下方)に突出し得る。ラッチロック872は、骨ネジ880の配置中にラッチロック872が外向きに反れる又は広がることを可能にするある程度の可撓性を許容するように構成され得る。さらに、固定開口870は、固定開口870内で固定要素880が底に達することを確実にするために、固定要素880の頭部に螺旋状のインターフェース部884に係合するためのネジ部876を含む。ラッチロック、ラチェットタブ、及びネジ部876は、少なくとも1つの固定開口870に関連して図示され、説明されているが、少なくとも1つの固定開口860は実質的に同じ特徴を含み得ることが理解されるべきであり、したがって、その説明は簡潔さのために省略されている。ラッチロック872、ラチェットタブ874、及びネジ部876は、固定開口870内に形成され、同様に、3Dプリンティングを介して固定開口860内に形成され得る。
【0136】
使用時には、固定要素880がドライバ(図示せず)を介して固定開口860,870に挿入される。固定要素880が挿入されると、各ラッチロック872のラチェットタブ874が固定要素880の波形カット部882に係合するように、ラッチロック872は外向きにそれる又は広がり、次に固定開口860,870の中心に向かって内向きに反発して戻り(snap back)、それによって回転後退抵抗を提供する。さらに、固定要素880の螺旋状インターフェース特徴部884は、固定開口860,870のネジ部876に係合し、それによってハードストップ触覚フィードバック及び後退抵抗を提供する。具体的には、螺旋状インターフェース特徴部884は、ネジ部876のピッチとは異なるピッチを有し、交差螺着(cross-threading)及び/又は結合を引き起こして、触覚フィードバックを提供し、固定開口860,870内で固定要素880が底に達することを確実にする。
【0137】
図41は、固定開口860,870の後退防止及びハードストップ特徴部の別の実施形態を示す。特に、この実施形態は、固定開口870に関連して再び議論されるが、固定開口860にも同様に適用可能である。示されるように、固定開口870は、図38-39に示すように、ラッチロック872を含むが、ネジ部876の代わりに、固定要素880内に形成されたカット部と嵌合及び/又は係合するために、固定開口870の底に近接して形成され得る突起又は隆起878を含む。突起又は隆起878は、3Dプリンティングを介して形成され得る。突起又は隆起878は、固定要素880のヘッドの底部が突起又は隆起878と係合するときに、顕著なトルクスパイクの形でハードストップを提供する。
【0138】
図42は、突起又は隆起878の別の実施形態を示す。この実施形態では、突起又は隆起878は、3Dプリンティングによって形成された微小孔の形態である。微小孔は、スクリューヘッドの底部が微小孔と係合するときに、顕著なトルクスパイクの形態でハードストップを提供する。
【0139】
図43-45は、固定要素880の頭部を実質的に囲むように形成され、ヘッドの周囲の溝内に受け入れられるように構成されたワッシャ886の形態の後退防止機構の別の実施形態を示す。ワッシャ886は、螺旋状インターフェース特徴部884を含む。ワッシャ886の螺旋状インターフェース特徴部は、図40に関連して記述されたものと同様に固定開口870のネジ部876(図38-39)に係合するように構成される。ワッシャ886の内面は、回転を防止することによって固定要素880を着座させるのに十分なカウンタートルクが提供されるように、キーを付けられ、寸法が設定され得る。この構成は、固定要素880が拡張可能な融合椎間インプラント装置700,800の固定開口内に駆動され、ハードストップを達成することを可能にするが、骨ネジ880の術後定着を考慮するためのトグル(toggle)を可能にする。ワッシャ886を有する固定要素880は、3Dプリンティングを介して形成され得る。
【0140】
図46は、エンドプレート910,920と一体的に形成された固定開口960,970を含む拡張可能な融合椎間インプラント装置900の一実施形態を示し、固定開口960,970は、前方側の後端部904に配置され、後方側へのネジ軌道を提供するように構成される。このような実施形態は、前対腰筋(ATP)アプローチで使用され得る。
【0141】
次に図47-51を参照すると、モジュール式プレート構成を有する拡張可能な融合椎間インプラント装置1000が示されている。具体的には、インプラント装置1000は、拡張可能な融合椎間インプラント装置1000のハウジング1050に結合されるように構成されたプレート1005を含んで示されている。拡張可能な融合椎間インプラント装置1000は、本明細書で議論された、例えば図1-37に示された実施形態のいずれかの形態であり得る。プレート1005は、その遠位表面から延びる少なくとも1つのボス、タブ、延長部、及び/又は突起(以下「ボス」という)1007を有する本体1006を含む(図49-50)。ボス1007は、ハウジング1050内の開口内に受け入れられるように構成される。本体1006はまた、同様にハウジング1050内の開口内に延びる一対のウイング、タブ、延長部、又は突起(以下「ウイング」という)1004を含む。本体1006は、実質的に「T形状」又は「t形状」であり得るが、他の形状も実現可能であり、本開示により意図される。本体1006はまた、本体1006を完全に貫通する開口部1008を有し得、ハウジング1050内の開口に位置合わせされるように構成され得る。
【0142】
プレート1005はまた、本体1006と一体的に形成された少なくとも1つの固定開口1009を含み得る。固定開口1009は、プレート1005、したがって拡張可能な融合椎間インプラント装置1000を隣接する骨に固定するために、固定要素、例えば、骨ネジ、ブレード等をその中に受け入れるように構成される。固定開口1009は、固定開口1009が、本明細書に記載されるような傾斜コイル機構、ラッチロック機構、ネジ部、突起、隆起、及び/又は微小孔を含む任意の数の後退防止機構及び底到達(bottom out)フィードバック機構を含むように、固定開口760,770,860,870,960,970(図36-46)のいずれかと同様に構成され得る。
【0143】
アタッチメント1090は、プレート1005を拡張可能な融合椎間インプラント装置1000に固定するために、本体1006の開口部1008(図50)及びハウジング1050内の開口部への挿入のために構成され得る。いくつかの実施形態では、アタッチメント1090は、ハウジング1050の開口部内の相補的なネジ部にネジ式に係合するように構成されたネジ山付き端部1092を含む。他の実施形態では、アタッチメント1090は、プレート1006のウイング1004内及びウイング1004間に配置されたナット1092内にねじ止めされる。アタッチメント1090が開口部1008内にねじ込まれると、ナット1092がハウジング1050から引き離され、それによってウイング1004を分離させる及び/又は広げる。その結果、ウイング1004とハウジング1050との間にしまりばめ(interference fit)が作られる。
【0144】
図47-51に示される実施形態は、プレート1005が分離しているが、拡張可能な融合椎間インプラント装置1000に対して結合可能かつ取り外し可能であるという点でモジュール式である。プレート1005は、拡張可能な融合椎間インプラント装置1000が所望の構成に拡張した後、ハウジング1050に取り外し可能に結合されるように構成される。その結果、本明細書に記載される方法は、プレート1005をインプラントに結合すること、および固定開口1009内に受け入れられた固定要素を介してプレート1005を骨に固定することも含み得る。このモジュール設計は、外科医が、非固定インプラントを除去しそれを固定インプラントに置き換える必要なく固定インプラントを使用することを可能にする。
【0145】
特定の特徴及び実施形態は、当業者が特許請求の範囲に記載された発明を製造及び使用できるようにするために記載されているが、本開示に到達するためにいくつかの変形、変更又は置換を達成することができることを理解すべきである。本明細書のいかなる記載も、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲を限定するものと解釈されてはならない。
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【国際調査報告】