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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ステントの終点位置の決定
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240326BHJP
   A61B 6/12 20060101ALI20240326BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240326BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240326BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20240326BHJP
   A61F 2/95 20130101ALI20240326BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B6/12
A61B6/00 570
A61B1/00 526
A61B1/045 618
A61B1/045 620
A61F2/95
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561053
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2022059104
(87)【国際公開番号】W WO2022218774
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】21290021.1
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】オーヴレイ ヴィンセント モーリス アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】アレール ステファン
【テーマコード(参考)】
4C093
4C161
4C267
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA25
4C093FF35
4C093FF37
4C161AA22
4C161BB08
4C161MM10
4C161WW02
4C161WW14
4C267AA56
4C267BB43
4C267CC08
4C267CC21
4C267CC22
4C267CC26
4C267HH22
4C601DD14
4C601EE09
4C601EE11
4C601FE04
4C601FF11
4C601GA19
4C601GA20
4C601GA21
4C601KK24
4C601LL33
(57)【要約】
ステントの終点位置としての管腔110に沿った位置の適合性を決定するためのシステム100は、管腔内撮像装置130から、少なくとも第1の管腔内画像140i⊂1..nを含む、管腔110に沿った位置を表す管腔内画像1401..nの時間的シーケンスを受信しS110、第1の管腔内画像140i⊂1..nがステントの適切な終点位置を表すか否かを識別するS120ように構成された1つ以上のプロセッサ120を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定するシステムにおいて、
管腔内撮像装置から、少なくとも第1の管腔内画像を含む前記管腔に沿った位置を表す管腔内画像の時間的シーケンスを受信し、
前記第1の管腔内画像がステントの適切な終点位置を表すか否かを識別する、
ように構成された少なくとも1つのプロセッサを有する、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記管腔内画像をセグメント化し、前記セグメント化された管腔内画像において表される前記管腔の測定値を予想される測定値と比較する、及び/又は前記セグメント化された管腔内画像において表される前記管腔の形状を予想される形状と比較する、及び/又は
人工知能アルゴリズムを使用して前記管腔内画像を分類する、
ことによって前記管腔内画像の時間的シーケンスを分析するように更に構成され、
前記識別が、前記分析に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記管腔内画像は、処置中画像を表し、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記管腔内撮像装置から、前記管腔を表す処置前管腔内画像の時間的シーケンスを受信し、
前記処置前管腔内画像が前記ステントに適した終点位置を表すかどうかを決定ように前記処置前管腔内画像の時間的シーケンスを分析し、
マッチする処置前管腔内画像を識別するように前記第1の処置中管腔内画像を前記処置前管腔内画像と比較する、
ように構成され、
前記識別は、前記マッチする処置前管腔内画像についての前記分析の結果に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処置前管腔内画像の時間的シーケンスを分析することは、
前記処置前管腔内画像をセグメント化し、前記セグメント化された処置前管腔内画像において表される前記管腔の測定値を予想される測定値と比較すること、及び/又は前記セグメント化された処置前管腔内画像において表される前記管腔の形状を予想される形状と比較すること、及び/又は
人工知能アルゴリズムを使用して前記処置前管腔内画像を分類すること、
を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記分析が、
前記処置前管腔内画像が、前記管腔の健康領域、前記管腔における合流点、前記管腔における圧縮、及び前記管腔における血栓症のうちの少なくとも1つを表すか否かを決定すること、
を含む、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記マッチする処置前管腔内画像を識別するように前記第1の処置前管腔内画像を前記処置前管腔内画像と比較することが、
マッチが存在するかどうかを決定するように、前記第1の処置中管腔内画像のうちの1つ以上の隣接する管腔内画像を、前記処置前管腔内画像からの1つ以上の対応する隣接する画像と比較すること、
を更に含む、請求項3から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記処理前管腔内画像の時間的シーケンスを分析した結果をディスプレイに出力する、及び/又は
前記第1の管腔内画像によって表される前記管腔に沿った位置を含むX線画像を前記ディスプレイに出力する、
ように構成される、請求項3乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の管腔内画像は、前記管腔に沿った第1の位置を表し、前記管腔内画像の時間的シーケンスを受信することは、前記管腔に沿った第2の位置を表す第2の管腔内画像を受信することを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
第1のX線画像及び第2のX線画像を受信し、前記第1のX線画像及び前記第2のX線画像は、前記第1の管腔内画像及び前記第2の管腔内画像と同時に生成され、
それぞれの前記第1及び第2のX線画像における前記第1及び第2の管腔内画像の位置を決定し、
それぞれの前記第1又は第2のX線画像からの、前記第1及び第2の管腔内画像の前記決定された位置のうちの一方を、前記第1及び第2のX線画像のうちの他方にマッピングする、
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記管腔内撮像装置は、更に、前記装置の長さに沿って軸方向に配置された複数の基準マーカを有し、前記マッピングは、前記位置がマッピングされる前記X線画像が、前記第1及び第2の管腔内画像の前記位置間に前記基準マーカのうちの1つ以上を含むように実行され、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記位置がマッピングされる前記X線画像における前記第1及び第2の管腔内画像の前記位置間の前記基準マーカの数のカウントに基づいて、前記第1及び第2の管腔内画像の前記位置間の前記管腔の部分の長さを計算する、
ように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記マッピングは、
前記第1及び第2のX線画像の間の画像ベースの位置合わせを実行すること、

前記画像ベースの位置合わせに基づいて、前記第1及び第2のX線画像内の対応する画像特徴間の空間的変換を計算すること、
を含み、
前記マッピングが、前記計算された空間的変換に基づいて実行される、
請求項8又は請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
それぞれの前記第1及び第2のX線画像における前記第1及び第2の管腔内画像の前記位置を決定することは、
コンピュータビジョンオブジェクト検出技法を実行すること、及び/又は
前記第1及び第2のX線画像をセグメント化すること、及び/又は
前記管腔内撮像装置の前記撮像部分を検出するように訓練された人工知能アルゴリズムを、それぞれの前記第1及び第2のX線画像に適用すること、並びに
任意選択で、前記管腔内撮像装置の前記撮像部分と前記管腔内撮像装置によって撮像された前記管腔の撮像領域との間の位置の差を表す所定の距離だけ、前記管腔に沿って前記撮像部分の前記検出された位置をオフセットすること、
によって、それぞれの前記第1及び第2のX線画像における前記管腔内撮像装置の撮像部分の位置を検出することを含む、請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記第1及び第2の管腔内画像は、それぞれ、前記第1及び第2のX線画像の生成に応じて前記管腔内画像の時間的シーケンスから自動的に選択される、請求項8乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記管腔内画像は、処置中画像を表し、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記管腔内撮像装置から、前記管腔を表す処置前管腔内画像の時間的シーケンスを受信し、
前記処置前管腔内画像が前記ステントに適した終点位置を表すかどうかを決定するように、前記処置前管腔内画像の時間的シーケンスを分析し、
それぞれの第1及び第2のマッチする処置前管腔内画像を識別するように前記第1及び第2の処置中管腔内画像を前記処置前管腔内画像と比較する、
ように構成され、
前記識別は、前記第1及び第2のマッチする処置前管腔内画像についての前記分析の結果に基づいて、前記第1及び第2の処置中管腔内画像が前記ステントの適切な終点位置を表すか否かを識別し、並びに前記第1及び/又は第2のマッチする処置前管腔内画像についての前記分析の結果を表示することを含む、
請求項8乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記管腔に沿った第1及び第2の位置を前記ステントのための適切な終点位置を表すものとして確認するユーザ入力を受信する、
ように構成され、
前記管腔の部分の長さを計算することは、前記ステントのための適切な終点位置を表すものとして前記管腔に沿った前記第1及び第2の位置を確認するユーザ入力を受信することを条件として自動的に実行される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1及び/又は第2の管腔内画像、
前記処置前管腔内画像の時間的シーケンスを分析した結果、
前記マッチする処置前管腔内画像の分析の結果、
前記第1及び/又は第2のマッチする処置前管腔内画像の分析の結果、
前記第1及び/又は第2のX線画像、
前記管腔の前記部分の前記計算された長さ、
のうちの少なくとも1つをディスプレイに出力するように更に構成される、請求項1乃至のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステントの終点(end point)位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定することに関する。システム、コンピュータ実装方法、及び関連するコンピュータプログラム製品が、開示される。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、ステントは、関連する通路を開いた状態に保つために、解剖学的構造内の血管、冠状動脈、胆道、気管支、泌尿器、及び他の管腔に頻繁に挿入される。ステントの必要性及び最終的な位置は、多くの場合、管腔内撮像装置のガイダンスの下で、医師によって決定される。
【0003】
一例として、深部静脈介入は、典型的には、造影X線撮像を使用した患者の血管系の初期静脈造影図の生成から始まる。次いで、ガイドワイヤが、X線画像の下で血管系に挿入され、血管内超音波「IVUS」撮像カテーテル、又は光コヒーレンストモグラフィ「OCT」撮像カテーテルなどの管腔内撮像装置が、撮像し、それによって血管系内の管腔の部分を診断するために、「プルバック」手順でガイドワイヤに沿って並進される。血流を制限する管腔内の狭窄、すなわち「圧縮」、又は「血栓症」は、血管疾患を示すことが多いのに対し、血流があまり制限されない管腔のより開いた領域は、典型的には健康な領域を示す。ステントが必要であると考えられる場合、例えば、管腔が、基準健康領域に対して50%を超えて圧縮される場合、医師は、管腔の病変領域及び健康領域を識別することによって、IVUS画像からステントの適切な位置、又は「ランディングゾーン」を決定し得る。医師は、また、IVUS画像から管腔内の「合流点(confluences)」としても知られる分岐を識別し得る。血管処置において、医師は、典型的には、ステントが病変領域に重なり、ステントの端部が健康な領域に配置されるように、そして好ましくは、ステントがいかなる合流点にも重なることを回避するように、ステントのランディングゾーンを指定する。これを行うために、医師は、典型的には、プルバック処置中に生成されたIVUS画像を使用する。医師は、また、可能性のある関心部位を再訪問することによって得られる追加のIVUS画像、IVUS画像と同時に生成される追加のX線画像、及び初期静脈造影図からの情報を使用してもよい。しかしながら、このプロセスは、IVUS画像を分析する複雑さ、及び異なる撮像システムからの情報を関連付ける複雑さのために、面倒である可能性がある。
【0004】
ステントのランディングゾーンを指定すると、医師は、典型的には、管腔内への挿入のためのステントの長さを指定するために、ランディングゾーンの長さを測定する。血管処置において、ランディングゾーンの長さは、IVUS撮像カテーテルのシャフトに沿って配置された基準マーカが、意図されたランディングゾーンと重なるように、IVUS撮像カテーテルを配置することによって典型的に指定される。次いで、医師をサポートする追加の臨床医が、X線画像上のランディングゾーン内の基準マーカの数を手動でカウントする。次いで、医師は、カウントに基づいてステント長を指定する。しかしながら、この処置は、追加の臨床医の必要性、その基準マーカがランディングゾーンと重なるようにIVUS撮像カテーテルを配置する必要性、及びその長さを決定するために基準マーカを手動でカウントする必要性のために、非効率的であり、誤差を起こしやすい。基準マーカは、典型的には、IVUS撮像カテーテルの軸に沿って、1センチメートルの粗い間隔で配置され、カウントするための15以上のマーカが存在し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同様の課題は、冠動脈、胆管、気管支、及び尿管腔を含む、解剖学的構造内の他の管腔への挿入のためのステントを指定するときに生じる。しかしながら、これらの問題のうちの1つ以上に対する解決策が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ステントの終点位置として管腔に沿った位置の適合性を決定するためのシステムが、提供される。システムは、
管腔内撮像装置から、少なくとも第1の管腔内画像を含む、管腔に沿った位置を表す管腔内画像の時間シーケンスを受信し、
第1の管腔内画像がステントの適切な終点位置を表すか否かを識別する、
ように構成された1つ以上のプロセッサを含む。
【0007】
本開示の更なる態様、特徴、及び利点は、添付の図面を参照してなされる実施例の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示のいくつかの態様による、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定するためのシステム100の一例を示す概略図である。
図2】本開示のいくつかの態様による、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定する方法の一例を示すフローチャートである。
図3】本開示のいくつかの態様による、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定する一例を示す概略図である。
図4】本開示のいくつかの態様による、処置前の管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを分析するステップS150を含む、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定する例を示す概略図である。
図5】本開示のいくつかの態様による、それぞれ第1の管腔内画像140i及び第2の管腔内画像140mと同時に生成される第1のX線画像180及び第2のX線画像190を示す概略図である。
図6】不健康な、又は「圧縮された」、管腔面積が類似の患者コホートの平均管腔面積と比較して著しく減少している管腔の管腔内IVUS画像140uを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の例は、以下の説明及び図面を参照して提供される。この説明では、説明の目的のために、特定の例の多くの具体的な詳細が、説明される。本明細書において、「例」、「実施態様」、又は同様の言語への言及は、例に関連して説明される特徴、構造、又は特性が少なくともその1つの例に含まれることを意味する。また、1つの例に関連して説明された特徴は、別の例においても使用され得、すべての特徴が、簡潔さのために各例において必ずしも繰り返されないことを理解されたい。例えば、本明細書では、1つ以上の方法を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含むシステムが参照される。1つ又は複数の方法は、代替的に、対応する様式で、コンピュータ実装方法として提供され得るか、又はコンピュータプログラム製品において実装され得るか、又はコンピュータ可読記憶媒体上で提供され得ることを理解されたい。
【0010】
以下の説明では、ステントの終点位置として管腔に沿った位置の適合性を決定することを含む方法のステップであり得る様々な機能を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサを含むシステムが、参照される。血管系内の静脈の形態の管腔が、参照される。しかしながら、本開示に記載される方法は、同様に、例えば動脈のような、ステントの終点位置としての血管系内の他の管腔に沿った位置の適合性を決定するために使用され得ることを理解されたい。更に、本方法は、冠動脈、胆管、気管支、泌尿器、及び解剖学的構造の他の領域内の管腔を含む、ステントの終点位置として、一般に解剖学的構造内の管腔に沿った位置の適合性を決定するために使用され得ることが理解されるべきである。
【0011】
本明細書に記載の方法では、IVUS撮像装置の形態の管腔内撮像装置が、参照される。IVUS撮像装置は、例えば、IVUS撮像カテーテル、IVUS撮像ガイドワイヤなどの形態で提供されてもよい。しかしながら、IVUS撮像装置は、管腔内撮像装置の一例としてのみ機能を果たし、本方法は、必要に応じて、OCT撮像装置、TEEプローブなどを含む他のタイプの管腔内撮像装置と共に使用され得ることを理解されたい。
【0012】
本明細書に記載の方法では、X線画像における管腔内撮像装置の検出も、参照される。この点において、X線画像は、様々なタイプのX線撮像システムによって生成され得ることを理解されたい。例えば、X線画像は、平面X線画像を生成する平面撮像システム、又は体積X線画像を生成する体積X線撮像システムによって生成されてもよい。平面X線撮像システムは、典型的には、X線源-検出器構成を支持する、いわゆる「Cアーム」又は「Oアーム」などの支持アームを含む。平面X線撮像システムは、代替的に、これらの例とは異なる形状を有する支持アームを含んでもよい。平面X線撮像システムは、典型的には、画像データの取得中に、支持アームが撮像領域に対して静止位置に保持された状態で、平面X線画像を生成する。対照的に、体積X線撮像システムは、典型的には、撮像領域の周りでX線源-検出器構成を回転又はステッピングしながら画像データを生成し、その後、複数の回転角度から得られた画像データを体積画像データに再構成する。体積X線撮像システムの例は、コンピュータトモグラフィ「CT」撮像システム、コーンビームCT「CBCT」撮像システム、及びスペクトルCT画像システムを含む。
【0013】
本明細書で開示される方法は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに方法を実行させる、記憶されたコンピュータ可読命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体として提供され得ることに留意されたい。言い換えれば、コンピュータ実装方法は、コンピュータプログラム製品において実装され得る。コンピュータプログラム製品は、専用ハードウェア、又は適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアによって提供されることができる。プロセッサによって提供されるとき、方法の特徴の機能は、単一の専用プロセッサによって、又は単一の共用プロセッサによって、又はそのうちのいくつかが共有されることができる複数の個々のプロセッサによって提供されることができる。「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すものとして解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ「DSP」ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読取専用メモリ「ROM」、ランダムアクセスメモリ「RAM」、不揮発性記憶装置などを暗黙的に含むことができるが、これらに限定されない。更に、本開示の例は、コンピュータ使用可能記憶媒体、又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができ、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムコードを提供する。本説明の目的のために、コンピュータ使用可能記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、機器、又は装置によって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを有する、記憶する、通信する、伝播する、又は移送することができる任意の装置であることができる。媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外、又は半導体システム又は装置又は伝搬媒体であることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスク、ランダムアクセスメモリ「RAM」、読取専用メモリ「ROM」、剛体磁気ディスク、及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク読取専用メモリ「CD-ROM」、コンパクトディスク読取/書込「CD-R/W」、Blu-Ray(登録商標)、及びDVDを含む。
【0014】
上述のように、医療分野では、管腔内のステントの適切な位置、又は「ランディングゾーン」を決定することがしばしば必要である。この問題に対処するために、本発明者らは、ステントの終点位置として管腔に沿った位置の適合性を決定するシステム及び方法を提供した。図1は、本開示のいくつかの態様による、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定するためのシステム100の一例を示す概略図である。システム100は、
管腔内撮像装置130から、少なくとも第1の管腔内画像140i⊂1..nを含む、管腔110に沿った位置を表す管腔内画像1401..nの時間的シーケンスを受信し(S110)、
第1の管腔内画像140i⊂1..nがステントの適切な終点位置を表すか否かを識別する(S120)、
ように構成される1つ以上のプロセッサ120を含む。
【0015】
図1に示されるように、システム100は、任意選択的に、管腔内撮像装置130、図1に示されるX線撮像システムなどの体外撮像システム240、又は代替的に別の撮像システム、1つ又は複数の表示装置250、及び患者ベッド260のうちの1つ又は複数を含んでもよい。システム100は、任意選択的に、キーボードなどのユーザインターフェース装置、及び/又は方法の命令実行を制御するためのマウス(図1には図示せず)などのポインティングデバイスを含んでもよい。システムの要素は、図1の相互接続する矢印線によって示されるように、互いに連通している。一例として、血管内撮像カテーテルは、オランダ、ベストのPhilips Healthcareから入手可能なVisions PV .014P RXなどのIVUS撮像カテーテルであってもよい。
【0016】
図2は、本開示のいくつかの態様による、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定する方法の一例を示すフローチャートである。図2に示される動作は、図1に示されるシステム100の1つ又は複数のプロセッサ120によって実行され得る。図2に示されるフローチャートは、受信S110動作と、図1に関連して上述した識別S120動作とを含み、任意選択で、以下でより詳細に説明されるように、動作S130、S140、S150、及びS160のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0017】
図3は、本開示のいくつかの態様による、ステントの終点位置としての管腔に沿った位置の適合性を決定する一例を示す概略図である。図3は、上述の受信S110及び識別S120の動作を概略的に示し、任意選択で、以下でより詳細に説明される動作S130を含んでもよい。
【0018】
図1乃至図3を参照すると、動作S110において、管腔内画像1401..nの時間的シーケンスは、有線及び無線通信を含む、任意の形態のデータ通信を介して受信され得る。いくつかの例として、有線通信が使用されるとき、通信は、電気又は光ケーブルを介して行われ得、無線通信が使用されるとき、通信は、例えばRF又は赤外信号を介し得る。管腔内画像1401..nは、管腔内撮像装置130から直接的に、又は例えばコンピュータ可読記憶媒体を介して間接的に受信され得る。したがって、管腔内画像1401..nは、受信される前に瞬時に生成されるライブ画像を表してもよく、又は事前に、数秒、数分、数時間、又は数日間、又はより長い期間で生成されてもよい。管腔内画像1401..nは、上述のように、IVUS撮像装置又は別の管腔内撮像装置によって生成され得る。画像の時間的シーケンス内の各画像は、画像フレームと称されてもよい。
【0019】
管腔内画像1401..nは、識別S120の動作の前に、第1の管腔内画像140i⊂1..nがステントに適した終点位置を表しているか否かに関わらず、例えば図3に示されているメモリMEM、又はバッファ(図3に示されていない)に記憶されてもよい。動作S120は、関連付けられたテキスト、若しくはアイコン、若しくは別の識別情報を表示装置上に表示すること、又は別の視覚的、若しくは音声警告を介して識別情報を生成することを含み得る。
【0020】
様々な追加の動作が、上述の動作S110及びS120と組み合わせて実行されてもよい。
【0021】
概して、第1の管腔内画像140i⊂1..nがステントの適切な終点位置を表すか否かの識別S120の動作は、管腔の測定値及び/又は管腔の形状、又は人工知能アルゴリズムによって実行される分類に基づいてもよい。
【0022】
上述のように、典型的には、医師は、ステントが病変領域に重なり、ステントの端部が健康な領域に配置されるように、ステントのランディングゾーンを決定するが、好ましくはステントがいかなる合流点にも重なることを回避する。健康領域を表す管腔内画像は、典型的には、患者コホートの平均管腔面積に近い管腔面積を有する。対照的に、疾患領域を表す管腔内画像は、しばしば、管腔面積が患者コホートの平均管腔面積よりも著しく小さい圧縮又は血栓を含む。合流点は、管腔から隣接する管腔への分岐が存在する場合に生じる。合流点では、管腔は、分岐してもよく、又は2つの管腔が、単一の管腔に融合してもよい。合流点を表す管腔内画像は、典型的には患者コホートの平均管腔面積よりも著しく大きい管腔面積を有する。ステントが経時的に移動するリスクなしに、ステントを合流点に配置することは、困難であることができる。したがって、管腔の測定値が、健康領域、疾患領域、及び合流点を区別し、それによって管腔内画像がステントの適切な終点位置を表すかどうかを決定するのに使用され得る。
【0023】
管腔内画像における管腔の形状は、健康領域、不健康領域、及び合流点を区別し、それによって管腔内画像がステントの適切な終点位置を表すかどうかを決定するために、同様に使用され得る。例えば、管腔の健康領域は、円形に近い形状を有してもよく、一方、圧縮及び血栓などの病変領域は、不規則な、すなわち非円形の形状を有してもよい。管腔内の楕円形などの不規則な形状又は鋭角の存在は、多くの場合、管腔の病変領域を示す。しかしながら、不規則な形状は、単独では、特に管腔面積が患者コホートの平均管腔面積よりも著しく低くない場合、管腔が不健康であると診断するには不十分であり得る。したがって、いくつかの例では、健康領域と不健康領域との間の区別が、管腔形状、及び管腔測定値、因子の組み合わせに基づいて行われ得る。合流点では、健康な管腔の形状が、管腔軸の周りの回転角度の主要範囲内で円形であってもよく、管腔の形状は、管腔軸の周りの回転角度の小さい範囲内で外側に膨らんでもよく、管腔壁は、隣接する管腔の壁によって規定される。
【0024】
管腔面積の測定値及び形状は、管腔内画像をセグメント化することによって得られ得る。様々な画像セグメンテーション技法が、この目的のために知られている。管腔測定値は、例えば、セグメント化された管腔内画像における最大管腔幅及び直交方向の対応する幅を決定することを含み得る。他の管腔寸法、例えば管腔の断面の短軸と長軸の測定値間の差又は比も、計算され得る。管腔の測定値又は形状は、例えば、セグメント化された管腔内画像内の管腔に対して楕円のような形状を適合させることによって決定され得る。
【0025】
健康領域若しくは疾患領域、又は合流点を表すかどうか、したがってステントに適切な終点位置を表すかどうかを決定する管腔内画像の分析は、上記管腔測定値、及び管腔形状、因子のうちの1つ又は複数の重み付けを含んでもよい。
【0026】
人工知能アルゴリズムを使用する画像分類技術は、また、管腔内画像を分析し、したがって、それらがステントに対して適切な終点位置を表すかどうかを決定するために使用され得る。管腔内画像は、人工知能アルゴリズムによる分析の前にセグメント化されてもよく、又は代替的に管腔内画像が、事前にセグメント化されなくてもよい。一例として、ニューラルネットワークは、管腔内画像を、健康領域、又は圧縮及び血栓症などの疾患領域、若しくは合流点を表すものとして分類するように訓練され得る。ニューラルネットワークは、代替的に、ステントの適切な終点位置を表すか否かに関して管腔内画像を直接的に分類するように訓練されてもよい。ニューラルネットワークは、適合性、又は前述の分類、及びより具体的な「グランドトゥルース」分類のうちの1つでラベル付けされた画像を含む訓練データをニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークによって予測される分類とラベルとの間の差を表す損失関数の値に基づいてニューラルネットワークのパラメータを最適化することによって訓練され得る。
【0027】
したがって、図2に示される方法は、図2に示される左手分岐に随意的に従ってもよく、
管腔内画像1401..nをセグメント化し、セグメント化された管腔内画像において表された管腔110の測定値を予想される測定値と比較する、及び/又はセグメント化された管腔内画像において表された管腔110の形状を予想される形状と比較する、及び/又は
人工知能アルゴリズムを使用して管腔内画像1401..nを分類し、
ここで、識別S120は、分析S130に基づいて実行される、
ことによって管腔内画像1401..nの時間的シーケンスを分析する動作S130を含んでもよい。
【0028】
分析動作S130が、上記の方法で自動的に実行されるので、ワークフローが、改善され、及び/又は一貫した分析が、本方法によって提供される。
【0029】
代替的な実施例では、この方法が、図2に示される右側の分岐に従う。この実施例は、図4を参照して示されており、図4は、ステントの終点位置として管腔に沿った位置の適合性を決定する一例を示す概略図である。それは、本開示のいくつかの態様に従って、処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを分析することS150を含む。 この実施例では、上述の動作S110及びS120においてそれぞれ受信され、識別される管腔内画像1401..nは、処置中画像を表し、更なる動作、すなわち、
管腔内撮像装置130から、管腔110を表す処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを受信する動作S140、
処置前の管腔内画像が、ステントに適した終点位置を表すかどうかを決定するように、処置前の管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを分析する動作S150、及び
マッチする処置前管腔内画像150 j⊂1..kを識別するように第1の処置中管腔内画像140i⊂1..nを処置前管腔内画像150と比較する動作S160であって、識別S120は、マッチする処置前管腔内画像150 j⊂1..kについての分析S150の結果に基づく、動作、
が、1つ又は複数のプロセッサによって実行される。
【0030】
この実施例では、分析動作S150も、自動的に実行される。この実施態様では、処置前管腔内画像1501..kが、処置中画像1401..nよりも早い時間に生成される。例えば、処置前管腔内画像1501..kは、処置前IVUSプルバック手順において生成され得、処置中画像1401..nは、医師が処置前IVUSプルバック手順から興味深いと見なされる部位を再訪問する、後続のIVUS撮像手順中に生成され得る。 このように処置前画像に対して分析を実行することは、この処理動作が、処置前画像と処置中画像とを生成する間の期間に行われ得るので、ステントのための適切な終点位置を決定する処理負担を軽減する。
【0031】
様々な測定基準が、マッチする処置前管腔内画像150 j⊂1..kを識別するために第1の管腔内画像140i⊂1..nを処置前管腔内画像1501..kと比較する動作S160において使用され得る。例えば、最小二乗誤差関数の値は、画像を互いに位置合わせした後のそれらの画像強度の差に基づいて計算され得る。代わりに、学習された類似性メトリックが、使用されてもよい。処置前画像及び処置中画像のシーケンスにおけるマッチする画像がプルバックの方向にコヒーレントであることを保証するために、時間的制約も、適用され得る。
【0032】
処置前管腔内画像がステントに適した終点位置を表すかどうかを決定するために処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを解析する動作S150は、動作S130において実行される分析に関連して上述されたものと同様の方法で実行され得る。このように、処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを分析することS150は、
処置前管腔内画像150を1..kにセグメント化し、セグメント化された処置前管腔内画像において表される管腔110の測定値を予想される測定値と比較し、及び/又はセグメント化された処置前管腔内画像において表される管腔の形状を予想される形状と比較すること、及び/又は
人工知能アルゴリズムを使用して処置前管腔内画像1501..kを分類すること、を含んでもよい。
【0033】
上述のように、動作S150において実行される分析は、
処置前管腔内画像1501..kが、管腔110の健康領域、管腔110内の合流点、管腔110内の圧縮、及び管腔110内の血栓症のうちの少なくとも1つを表すか否かを決定すること、
を含んでもよい。
【0034】
一例では、動作S160において行われる、第1の管腔内画像140i⊂1..nと処置前管腔内画像1501..kとの間の比較は、検討中の画像とその隣接画像との比較に基づくことによって改善され得る。 この例では、マッチする処置前管腔内画像150 j⊂1..kを識別するように第1の処置中管腔内画像140i⊂1..nを処置前管腔内画像1501..kと比較する動作S160は、
マッチが存在するかどうかを決定するように、第1の処置中管腔内画像140i⊂1..nの1つ以上の隣接管腔内画像を、処置前管腔内画像1501..kからの1つ以上の対応する隣接画像と比較すること、
を更に有する。
【0035】
これは、処置中画像のストリームと処置前画像との間の時間的整合性を強制する効果を有する。
【0036】
一例では、処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを分析(S150)した結果が、表示され得る。これは、医師が、ステントに適した位置を確認するために、管腔に沿ったどの部位が管腔内撮像装置で再訪する価値があり得るかを決定することを可能にする。分析の結果は、様々な方法で表示され得る。例えば、結果は、管腔の軸に沿った処置前管腔内画像1501..kの長手方向のビューとして、かつ、ステントの終点位置としての管腔に沿った各位置の適合性、又はその逆を示すマーカ又は色分けを含めることによって、表示されてもよい。 別の例では、第1の管腔内画像140i⊂1..nによって表される管腔110に沿った位置を含むX線画像が、表示されてもよい。
【0037】
別の例では、管腔内画像は、管腔に沿った異なる位置で生成され、管腔内画像の位置は、共通のX線画像において示される。共通のX線画像によって提供される解剖学的情報は、位置をステントに適したものとして確認するのに有用であり得る。この例では、X線画像が、管腔内画像と同時に生成され、管腔に沿った管腔内画像のうちの1つの位置がX線画像のうちの1つから別のX線画像内の対応する位置にマッピングされるマッピング動作が、実行される。
【0038】
本例は、本開示のいくつかの態様による、それぞれ第1の管腔内画像140i及び第2の管腔内画像140mと同時に生成される第1のX線画像180及び第2のX線画像190を示す概略図である図5を参照して説明される。図5に示されるX線画像180、190は、血管内腔110に沿ったそれぞれの第1及び第2の位置160、170において管腔内撮像カテーテルを含む。X線画像180、190は、ランドマーク(図5には図示せず)として機能する骨などの高密度構造を含み得る。しかしながら、血管内腔110は、管腔組織と水との間のX線減衰値の小さな差のため、X線画像ではほとんど不可視である。したがって、血管内腔110は、破線の輪郭で図5に示されている。第1及び第2の位置160、170は、管腔内撮像カテーテルプルバック手順中の管腔に沿った血管内撮像カテーテルの位置に対応し得る。位置は、代替的に、医師が管腔内に管腔内撮像カテーテルをガイドした、医師がステントの端部を配置するのに適していると考える血管内撮像カテーテルの位置に対応してもよい。マッピング動作は、第2のX線画像190内の管腔からの第2の管腔内画像140mの位置170を、第1のX線画像180内の対応する位置にマッピングすることを示す破線の横線によって図5に示される。
【0039】
図5に示される例では、図示される管腔内画像140i及び140mは、両方とも、管腔の健康領域のIVUS画像を表す。管腔内画像140i内に表される健康な管腔は、画像内の暗い中心領域によって表されるように、円形を有する。より楕円形状であるにもかかわらず、管腔内画像140m内に表される管腔は、その面積が同様の患者コホートの平均管腔面積と比較して有意に減少していないので、依然として健康であると見なされる。比較として、図6は、不健康な、又は「圧縮された」管腔の管腔内IVUS画像140uを示し、管腔面積は、類似の患者コホートの平均管腔面積と比較して著しく低減される。.
【0040】
図5に示される例では、図2を参照して上述した受信及び識別動作S110及びS120に加えて、第1の管腔内画像140i⊂1..nは、管腔110に沿った第1の位置160を表し、管腔内画像1401..nの時間的シーケンスを受信する動作S110は、管腔110に沿った第2の位置170を表す第2の管腔内画像140m⊂1..nを受信することを含む。本方法は、また、
第1のX線画像180、及び第2のX線画像190を受信するステップであって、第1のX線画像及び第2のX線画像は、それぞれ第1の管腔内画像140i⊂1..n及び第2の管腔内画像140m⊂1..nと同時に生成される、ステップと、
それぞれの第1及び第2のX線画像180、190における第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの位置160、170を決定するステップと、
それぞれの第1又は第2のX線画像180、190からの、第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの決定された位置160、170のうちの一方を、第1及び第2のX線画像180、190のうちの他方にマッピングするステップと、
を含む。
【0041】
この例では、X線画像180、190は、管腔内画像1401..nの時間的シーケンスに関して上述されたように、データ通信のいかなる手段によって受信されてもよい。X線画像180、190は、それらの生成のタイミングを管腔内撮像システムによる管腔内画像1401..nの生成と同期させることによって同時に生成されてもよい。代わりに、同時期のX線及び管腔内画像は、画像のストリームからX線又は管腔内画像を選択することによって提供されてもよく、それぞれの管腔内又はX線画像に最も近い時間に生成される同時期に生成された画像を提供してもよい。一例では、第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nは、それぞれ、第1及び第2のX線画像180、190の生成に応じて、管腔内画像1401..nの時間的シーケンスから自動的に選択される。
【0042】
様々な技法が、それぞれの第1又は第2のX線画像180、190からの、第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの決定された位置160、170のうちの1つを、第1及び第2のX線画像180、190の他方にマッピングする動作において使用され得る。一例では、第1及び第2のX線画像180、190は、一方のX線画像からの位置を他方のX線画像にマッピングするためにオーバーレイされてもよい。別の例では、マッピングは、
第1のX線画像180と第2のX線画像190との間の画像ベースの位置合わせを実行することと、
画像ベースの位置合わせに基づいて、第1及び第2のX線画像180、190における対応する画像特徴間の空間変換を計算することと、
を含み、
ここで、マッピングは、計算された空間変換に基づいて実行される。
【0043】
上述の画像ベースの位置合わせを実行することは、有利には、第1及び第2のX線画像180、190の生成間の任意の動きを補償し、それによってマッピングされた位置の精度を改善する。
【0044】
一般に、管腔に沿った管腔内画像の位置160、170は、X線画像180、190における管腔内撮像装置の撮像部分220又は別の部分の検出に基づいて決定され得る。撮像部分220は、典型的には、X線画像において可視である放射線不透過性材料を含む。撮像部分220を検出することによって、管腔内画像において撮像される管腔の撮像領域の相対位置は、管腔内撮像装置の既知の視野に基づいて決定され得る。例えば、いくつかのIVUS撮像カテーテルは、典型的には、IVUS撮像カテーテルの長手方向軸の周りに円周方向にあり、また、その撮像部分220に対して法線方向にある視野を有する。他のIVUS撮像カテーテルは、IVUS撮像カテーテルの長手方向軸の周りに円周方向にあり、撮像部分220に対して前方視方向にも傾斜されている視野を有する。したがって、管腔内画像に対応する管腔に沿った位置は、検出された撮像部分の位置及び既知の撮像視野の知識に基づいて決定され得る。
【0045】
1つ又は複数の基準マーカが、管腔内撮像装置上に配置されてもよい。基準マーカは、X線画像において検出され得る放射線不透過性材料を含む。したがって、管腔の撮像された領域の相対位置は、同様の方法で放射線不透過性マーカの検出された位置に基づいて決定され得る。
【0046】
様々な技法が、それぞれのX線画像180、190における管腔内画像の位置160、170を決定する動作において使用され得る。例えば、コンピュータビジョンオブジェクト検出技法、画像セグメンテーション技法、及び人工知能アルゴリズムの使用が、企図される。一例として、人工知能アルゴリズムが使用されるとき、人工知能アルゴリズムは、X線画像内の管腔内撮像カテーテルの撮像部分220の位置を識別するように訓練されたニューラルネットワークによって提供され得る。ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークに、撮像部分220のグラウンドトゥルース位置を含むX線画像訓練データを入力し、ニューラルネットワークによって予測される撮像部分220の予測位置と、X線画像訓練データからのそのグラウンドトゥルース位置との間の差を表す損失関数を使用してニューラルネットワークのパラメータを調整することによって、位置を識別するように訓練されてもよい。グランドトゥルース位置は、エキスパートによってX線画像訓練データ内で識別され得る。この目的のための適切なタイプのニューラルネットワークは、U-Net、UNet++、VNet、畳み込みニューラルネットワーク「CNN」、及び領域ベースのCNN「RCNN」などを含む。
【0047】
したがって、それぞれの第1及び第2のX線画像180、190における第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの位置を決定する動作は、
コンピュータビジョンオブジェクト検出技法を実行すること、及び/又は
第1及び第2のX線画像180、190をセグメント化すること、及び/又は
管腔内撮像装置130の撮像部分220を検出するように訓練された人工知能アルゴリズムを、それぞれの第1及び第2のX線画像180、190に適用すること、
によって、それぞれの第1及び第2のX線画像180、190における管腔内撮像装置130の撮像部分220の位置を検出することを含んでもよい。
【0048】
1つ又は複数のプロセッサによって実行される方法又は動作は、任意選択で、管腔内撮像装置の撮像部分220と管腔内撮像装置130によって撮像される管腔110の撮像領域との間の位置の差を表す所定の距離だけ、管腔110に沿って撮像部分220の検出された位置160、170をオフセットすることを含んでもよい。そうすることで、管腔内画像の正確な位置が、X線画像において決定され得る。
【0049】
上述のように、ステントのランディングゾーンを決定すると、医師は、典型的には、管腔内への挿入のためのステントの長さを指定するために、ランディングゾーンの長さを測定する。一例では、本方法は、また、第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの位置160、170の間の管腔の部分の長さ210を決定することを含む。この例では、管腔内撮像装置130は、装置130の長さに沿って軸方向に配置された複数の基準マーカ2001..yを含み、マッピングは、位置160、170がマッピングされるX線画像180、190が第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの位置160、170の間の1つ又は複数の基準マーカ2001..yを含むように実行され、本方法は、更に、
第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの位置160、170の間の管腔110の部分の長さ210を、位置がマッピングされるX線画像180、190内の第1及び第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nの位置160、170の間の基準マーカの数のカウントに基づいて計算すること、
を含む。
【0050】
この例は、図5を参照して説明される。管腔内撮像装置の長さに沿って軸方向に配置される基準マーカ2001..yは、ステンレススチール、金、プラチナなどの放射線不透過性材料を含み、したがって、X線画像180、190において検出可能である。有利には、この例では、基準マーカは、X線画像のうちの1つに本質的に存在し、したがって、長さ測定を実行するために、管腔内撮像装置をX線画像内で再配置する必要はない。更に、長さ測定に使用される基準マーカの位置は、測定される管腔の部分の一端に本質的に位置合わせされ、測定を簡略化する。管腔110の前記部分の計算された長さ210は、管腔110への挿入のためのステントの推奨される長さに対応し得る。
【0051】
基準マーカは、画像分析技術を使用してX線画像内で検出され得る。このような技術は、コンピュータビジョンの分野から知られている。前方伝播又は高速マーチングなどの経路計算方法が、基準マーカの順序を決定するために使用され得る。カウントは本方法で自動的に実行されるので、医師による手動カウントは不要であるので、ワークフローを緩和し、及び/又はカウント誤差を回避する。基準マーカを手動でカウントすることは、深部静脈インターベンション処置で治療される病変管腔の長い長さのため、誤差を生じやすい。そのような処置において、病変管腔の長さは、15センチメートル以上を超え得る。
【0052】
実際には、測定される管腔110の長さ210は、整数個の基準マーカに対応しなくてもよい。この状況では、管腔110の部分の長さ210をより正確に決定するために、補間が使用され得る。したがって、いくつかの例では、管腔110の部分の長さ210を計算する動作は、
基準マーカ2001..yの1つ以上と、第1の位置160及び/又は第2の位置170との間の距離を補間すること、
を含んでもよい。
【0053】
一例では、図5に示される管腔内画像1401..nが、管腔の処置中画像を表し、本方法は、また、管腔の処置前画像を受信することを含む。 この例では、図4に関連して上述したものと同様に、処置前画像は、処置前画像内の画像がステントの適切な終点位置を表すかどうかを決定するように分析され、処置中画像のステントの終点位置としての適合性を決定することは、処置中画像を処置前画像と比較することを含む。図5を参照すると、この例では、管腔内画像1401..nが、処置中画像を表し、本方法は、更に、
管腔内撮像装置130から、管腔110を表す処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを受信するステップS140と、
処置前管腔内画像がステントに適した終点位置を表すかどうかを決定するように処置前管腔内画像1501..kを分析するステップS150と、
それぞれの第1及び第2のマッチする処置前管腔内画像を識別するために、第1及び第2の処置中管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nを処置前管腔内画像1501..kと比較するステップと、
を有し、
識別するステップS120は、第1及び第2の処置中管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..nが、第1及び第2のマッチする処置前管腔内画像の分析S150の結果に基づいて、ステントの適切な終点位置を表すか否かを識別することと、第1及び/又は第2のマッチする処置前管腔内画像の分析S150の結果230を表示することとを含む。
【0054】
分析S150の結果230は、例えば、図5及び図6に示されるように、例示的な健康及び圧縮のラベルによって、ディスプレイ上にテキストラベルを提供することによって、表示されてもよく、又は別の様式で表示されてもよい。例えば、結果は、アイコンを用いて、又はX線画像180、190内の位置を、ステントの位置としての、及び終点位置としての、適合性を示す色又は強度で強調することによって、表示されてもよい。別の例では、マーカは、マッピングされた位置を含むX線画像180において提供されてもよい。マーカは、X線画像の領域を、色、もしくは強度、又は分析の結果を示す線もしくは記号、すなわち「健康」、もしくは「合流点」、もしくは「圧縮」、もしくは「血栓症」で強調し得る。
【0055】
上述のように、このように処置前画像に対して分析を実行することは、この処理が処置前画像と処置中画像との生成の間の時間隔で行われ得るので、ステントのための適切な終点位置を決定する処理負担を軽減する。
【0056】
この例は、また、ステントの適切な終点位置を表すものとして、管腔110に沿った位置160、170を確認するユーザ入力を受信する動作を含んでもよい。これは、医師に、ステントのための終点位置として、適合性を確認し、及び/又は代替位置を選択する機会を与える。この例によれば、本方法は、更に、
管腔110に沿った第1及び第2の位置160、170を、ステントの適切な終点位置を表すものとして確認するユーザ入力を受信するステップ、
を有し、
ここで、管腔110の部分の長さ210を計算するステップは、自動的に実行され、ステントのための適切な終点位置を表すものとして管腔110に沿った第1及び第2の位置160、170を確認するユーザ入力を受信することを条件とする。
【0057】
前述の方法のいずれかは、
第1及び/又は第2の管腔内画像140i⊂1..n、140m⊂1..n
処置前管腔内画像1501..kの時間的シーケンスを分析した結果230、
マッチする処置前管腔内画像を分析した結果、
第1及び/又は第2のマッチする処置前管腔内画像を分析した結果、
第1及び/又は第2のX線画像180、190、
管腔110の部分の計算された長さ120、
のうちの1つ又は複数を表示することを含んでもよい。
【0058】
上記の方法は、上記の例によって示されるように、異なる方法で臨床処置に組み込まれ得る。これらの例の各々は、血管系のマップを提供するために造影剤を使用する最初のX線撮像手順によって先行され得ることに留意されたい。この初期処置、例えば、静脈造影は、デジタルサブトラクション血管造影「DSA」技術の使用を含み得る。
【0059】
上記の例は、本開示を示すものであり、限定するものではないとして理解されるべきである。更なる例も、企図される。例えば、システム100に関して説明された例示的な方法は、対応する様式で、コンピュータ実装方法、コンピュータプログラム製品として、又はコンピュータ可読記憶媒体によって提供されてもよい。任意の1つの例に関して記載された特徴は、単独で、又は他の記載された特徴と組み合わせて使用され得、例の別の1つ又は複数の特徴、又は他の例の組み合わせと組み合わせて使用され得ることを理解されたい。更に、上で説明されていない均等物及び修正物も、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0060】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又は動作を排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。特定の特徴が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、それらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】