(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ベッドサイド便座心電図
(51)【国際特許分類】
A61B 5/26 20210101AFI20240326BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20240326BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61B5/26 100
A61B5/33 200
A61B5/26 200
A61B5/02 310B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561367
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022071582
(87)【国際公開番号】W WO2022217244
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】512318556
【氏名又は名称】アライヴコア・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・イー・アルバート
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA08
4C017AA11
4C017AA12
4C017AA14
4C017AA19
4C017AC16
4C017AC28
4C127AA02
4C127BB05
4C127GG02
4C127GG05
4C127LL15
(57)【要約】
ユーザの様々な生理学的パラメータを観察するための装置が本明細書で説明される。装置は、ユーザが便座を使用している間に、ユーザが、たとえばECG測定結果を取得することを可能にするために、便座の形態であり得る。装置は、ユーザの皮膚と接触している間にユーザの心臓の活動に対応する電気信号を検知することによって心電図(ECG)をとり、電気信号を出力するための、電極のセットを備える電極アセンブリを備え得る。装置はさらに、電気信号を変調された信号に変換するための変換器アセンブリと、変調された信号を送信するための送信機と、を備え得る。装置は、変調された信号を受信してユーザが心臓の異常を経験していることを電気信号が示すかどうかを決定し得るコンピューティングデバイスに、変調された信号を送信し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座を備えるシステムであって、前記便座が、
ユーザの皮膚と接触しているときに前記ユーザの心臓の活動に対応する電気信号を検知することによって心電図(ECG)をとり、前記電気信号を出力するための、電極のセットを備える電極アセンブリと、
前記電極アセンブリに動作可能に結合される変換器アセンブリであって、前記変換器アセンブリが前記電気信号を変調された信号に変換するためのものであり、前記変調された信号が前記電気信号を搬送する、変換器アセンブリと、
前記変調された信号を送信するための送信機と、
前記変調された信号を受信し、前記ユーザが心臓の異常を経験していることを前記電気信号が示すかどうかを決定するための、コンピューティングデバイスと、を備える、システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスがさらに、
ECGデータを生成するために前記変調された信号を処理し、
前記ECGデータを表示するためのものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記便座がさらに、
電極の前記セットの第1の電極が配置される右肘掛けと、
電極の前記セットの第2の電極が配置される左肘掛けと、
電極の前記セットの第3の電極が配置される座部と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記右肘掛けと前記左肘掛けとの各々が、前記ユーザによりつかまれ得る取っ手を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第3の電極が、前記ユーザの左脚と接触するように前記座部の左側に配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記右肘掛けおよび前記左肘掛けが、前記便座に動作可能に結合される支持構造の一部である、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記電極アセンブリが、前記ユーザが前記便座に座ったことに応答して前記ECGをとり始める、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電極アセンブリがさらに、
前記ユーザの追加の健康関連パラメータに対応するフォトプレチスモグラム(PPG)信号を検出し、前記検出されたPPG信号を表す電気PPG信号を生み出すための、1つまたは複数のPPGセンサを備え、前記変換器アセンブリが、前記電気PPG信号を変調して変調されたPPG信号を生成し、前記変調されたPPG信号を前記コンピューティングデバイスに送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記追加の健康関連パラメータが、前記ユーザの血流、前記ユーザの心拍数、前記ユーザの血液酸素飽和度、および前記ユーザの前記皮膚中の血液量の変化を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピューティングデバイスがさらに、
前記変調されたPPG信号を処理して前記ユーザの前記追加の健康関連パラメータを決定するためのものである、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
ハウジングを備える装置であって、前記ハウジングが、
ユーザの皮膚と接触しているときに前記ユーザの心臓の活動に対応する電気信号を検知することによって心電図(ECG)をとり、前記電気信号を出力するための、電極のセットを備える電極アセンブリと、
前記電極アセンブリに動作可能に結合される変換器アセンブリであって、前記変換器アセンブリが前記電気信号を変調された信号に変換するためのものであり、前記変調された信号が前記電気信号を搬送し、前記ハウジングが便座として成形される、変換器アセンブリと、を備える、装置。
【請求項12】
前記変調された信号をコンピューティングデバイスに送信するための送信機をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ハウジングがさらに、
電極の前記セットの第1の電極が配置される右肘掛けと、
電極の前記セットの第2の電極が配置される左肘掛けと、
電極の前記セットの第3の電極が配置される座部と、を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記右肘掛けと前記左肘掛けとの各々が、前記ユーザによりつかまれ得る取っ手を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第3の電極が、前記ユーザの左脚と接触するように前記座部の左側に配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記右肘掛けおよび前記左肘掛けが、前記ハウジングに動作可能に結合される支持構造の一部である、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記電極アセンブリが、前記ユーザが前記ハウジングに座ったことに応答して前記ECGをとり始める、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記電極アセンブリがさらに、
前記ユーザの追加の健康関連パラメータに対応するフォトプレチスモグラム(PPG)信号を検出し、前記検出されたPPG信号を表す電気PPG信号を生み出すための、1つまたは複数のPPGセンサを備え、前記変換器アセンブリが、前記電気PPG信号を変調して変調されたPPG信号を生成し、前記変調されたPPG信号を前記コンピューティングデバイスに送信する、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記追加の健康関連パラメータが、前記ユーザの血流、前記ユーザの心拍数、前記ユーザの血液酸素飽和度、および前記ユーザの前記皮膚中の血液量の変化を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
電極の前記セットが3誘導ECGをとる、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、「BEDSIDE COMMODE ELECTROCARDIOGRAM」という表題の2021年4月6日に出願された米国仮出願第63/171,433号の利益を主張し、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、消費者および医療用のデバイス、システム、ならびに方法に関する。具体的には、本開示は、人の生理状態を観察するデバイスおよび関連するシステムと方法とに関し、より具体的には、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイスを利用して、ECG、心拍数、および不整脈の観察を行うための、そのようなデバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
心血管疾患は、世界において主要な死因である。2008年の全世界の死因の30%が、心血管疾患が原因である可能性がある。2030年までに、年間で2300万人を超える人々が心血管疾患により死亡するとも推定されている。心血管疾患は、高所得国の人々および低所得国の人々において等しく認められる。
【0004】
不整脈は、心臓の電気的活動が不規則である、または正常よりも速い(頻脈)かもしくは遅い(徐脈)心臓の状態である。多くの不整脈は命を脅かすものではないが、一部は心停止を引き起こし、突然の心臓死すらも引き起こし得る。実際に、不整脈は病院への移動中の最も一般的な死因の1つである。
【0005】
心房細動(A-fib)は、最もありふれた不整脈である。A-fibでは、心室を通る電気伝導が不規則であり乱れている。A-fibは症状を引き起こさないことがあるが、動悸、息切れ、失神、胸痛、またはうっ血性心不全にしばしば関連し、発作のリスクも高める。普通、A-fibは被験者の心電図(ECG)をとることにより診断される。A-fibを治療するために、患者は、心拍を遅くするための、または心臓の律動を調整するための薬を飲むことがある。患者はまた、発作を防ぐために抗凝血剤を飲むことがあり、またはA-fibを治療するために心臓切除を含む外科的処置を受けることもある。
【0006】
しばしば、不整脈またはA-fibを患う患者は、疾患を管理するために長時間観察される。たとえば、患者は、少なくとも24時間心血管系の電気的活動を継続的に観察するために、ホルターモニタまたは他の歩行可能な心電図記録デバイスを提供されることがある。
【0007】
心電図記録法は、心臓の電気的活動を調べるために使用され、診断および治療の両方に使用され得る。患者の皮膚上の複数の位置に配置される電極を使用して、心電図(ECG)を記録し、またはとることができる。電極ペア間で記録される電気信号は、リードと呼ばれる。ECGをとるために可変の数のリードを使用することができ、様々なリードを形成するために電極の異なる組合せを使用することができる。ECGをとるために使用されるリードの例は、3本、5本、および12本のリードである。12誘導ECGでは、患者の胸に6個、腕および脚の各々に1個の、10個の電極が使用される。
【0008】
患者に電極を取り付けるために使用され得る電極配置の、様々な「標準的な」構成がある。たとえば、腕および脚の電極は、胸のより近くに、または腕/脚の端のより近くに配置され得る。腕および脚への電極の様々な配置は、ECGに影響を及ぼし、標準的なECGを比較するのをより難しくし得る。
【0009】
標準的なまたは従来の12誘導ECG構成は、10個の電極を使用する。
図1は10個の電極の絵による表現を示し、患者の胸に6個の電極があり、患者の腕および脚の各々に1個の電極がある。右腕に配置された電極はRAと呼ばれ得る。左腕に配置された電極はLAと呼ばれ得る。RA電極およびLA電極は、好ましくは手首の近くに、左腕および右腕について同じ位置に配置される。脚の電極は、右脚についてはRL、左脚についてはLLと呼ばれ得る。RL電極およびLL電極は、好ましくは足首の近くに、左脚および右脚について同じ位置に配置される。
【0010】
図7および
図8は、V1、V2、V3、V4、V5、およびV6と標識される6つの電極の胸への配置を示す。V1は、たとえば胸骨のすぐ右の、肋骨4および5の間の第四肋間に配置される。V2は、たとえば胸骨のすぐ左の、肋骨4および5の間の第四肋間に配置される。V3は電極V2およびV4の間に配置される。V4は、鎖骨中線上の肋骨5および6の間の第五肋間に配置される。V5は、左腋窩線上でV4と同じ高さに配置される。V6は、鎖骨中線上でV4およびV5と同じ高さに配置される。
【0011】
リードIは通常、左腕(LA)と右腕(RA)との間の電圧であり、たとえばI=LA-RAである。リードIIは通常、左脚(LL)と右腕(RA)との間の電圧であり、たとえばII=LL-RAである。リードIIIは通常、左脚(LL)と左腕(LA)との間の電圧であり、たとえばIII=LL-LAである。ウィルソンの中心電極(WCTまたはVW)は、(RA+LA+LL)/3により計算され得る。
【0012】
増幅四肢リード(augmented limb leads)も、RA、RL、LL、およびLAから決定され得る。augmented vector right(aVR)は、RA-(LA+LL)/2または-(I+II)/2に等しい。augmented vector left(aVL)は、LA-(RA+LL)/2またはI-II/2に等しい。augmented vector foot(aVF)は、LL-(RA+LA)/2またはII-I/2に等しい。
【0013】
I、II、III、aVR、aVL、およびaVFはすべて、6軸系で表現され得る。電極の配置の誤りまたはずれは、6軸系でのECGの結果を変化させることがある。
【0014】
しかしながら、ホルターモニタなどの現在の歩行可能な心電図記録デバイスは、通常はかさばり、医療専門家の助けがなければ被験者が取り付けるのは難しい。たとえば、ホルターモニタの使用には、患者が胸に大きなデバイスを装着し、胸の正確な位置に複数の電極リードを正確に配置することが必要である。これらの要件は、自然な動き、入浴、およびシャワーを含む、被験者の活動を妨げ得る。フルディスクロージャECGが生成されると、ECGは患者の医師に送信され、医師は次いでECGを分析し、そして診断および他の勧告を行う。現在、このプロセスはしばしば、病院管理者および健康管理組織を通じて実行されなければならず、多くの患者は便利な方式でフィードバックを受け取らない。
【0015】
ECGを記録するために使用できるように既存のモバイル遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)を適合させることができるデバイスを含む、いくつかのハンドヘルドECG測定デバイスが知られている。しかしながら、そのようなデバイスは、外部の(たとえば、プラグイン)電極の使用を必要とするか、または、適切に保持して体に取り付けるのが難しい電極をハウジングの中に含むかのいずれかである。
【0016】
1つまたは複数のバイオメトリックパラメータ(被験者の動き、心拍数、体温、ECGなどを含む)を検出するためのウェアラブルモニタは通常、観察、分析、または記録ステーション(「観察ステーション」)にワイヤレスに通信しなければならない。通常、情報の送信は、短波長の無線送信(たとえば、「Bluetooth(登録商標)」)によって実行されている。残念ながら、この送信技法は、大量の電力を必要とし、電池持続時間を制限し、または容易に装着可能ではない大きくかさばるデバイスを必要とする。したがって、普通の日常的な活動または運動の間に快適に装着され得るように、デバイスが軽量であることが望まれる状況では、多くの製造業者が、データを送信するのではなくデータを記録し、観察ステーションへの直接接続によりデータを定期的にダウンロードすることを選んでいる。被験者により手首に装着され得る観察デバイス(たとえば、リストレット)、またはデータの確実な低エネルギーワイヤレス送信が可能である他の体の領域に装着され得る観察デバイスを提供することが有利であろう。
【0017】
たとえば、特許文献1~3において説明されるものなどの心臓観察デバイスは、デバイスを装着する患者からECG信号を検出できる腕時計サイズのウェアラブルモニタを説明する。これらの信号はデバイスに表示され得る。これらの信号は送信されない。他の類似するデバイスが、特許文献4において説明されている。(すべてMilsの)特許文献5~8は、このデバイスの改善を説明しており、これは、可聴音(たとえば、1kHzと3kHzとの間)を使用して、電話の音声チャネル上で音を使用し、電話線を介してECG信号を送信するための一体型の補聴タイプスピーカーを含む。ECG信号は通常、デジタル化され周波数変調される(たとえば、周波数偏移変調された信号として)。残念ながら、そのようなデバイスは文字通り騒音が大きく、可聴の信号を生み、生成して送信するために大量の電力を必要とし、特にモバイル遠隔通信デバイスとの双方向通信が可能ではない。
【0018】
特許文献9~16も関係があり得る。
【0019】
超音波送信は、電気送信と多くの類似性を共有するが、以前は欠点であると考えられていた違いを含む、かなりの違いもある。さらに、情報をデジタル化するための周波数偏移変調などの技法が知られているが、そのような技法を医療(たとえば、ECG)モニタリングにおいて使用するのに現実的なものにするタイムスケールでそのような技法を実装するのは、困難であり非現実的であった。特に、超音波データの送信は、今日まで、情報の内容がいくらか限られていた。たとえば、超音波による情報のデジタル符号化は、送信される情報の量および内容が限られていた。超音波送信の送信または符号化のための規格もまだない。さらに、そのような超音波信号は定型的に暗号化されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第4221223号明細書
【特許文献2】米国特許第4295472号明細書
【特許文献3】米国特許第4230127号明細書
【特許文献4】米国特許第4938228号明細書
【特許文献5】米国特許第5351695号明細書
【特許文献6】米国特許第5333616号明細書
【特許文献7】米国特許第5317269号明細書
【特許文献8】米国特許第5289824号明細書
【特許文献9】米国特許第5735285号明細書
【特許文献10】米国特許第6264614号明細書
【特許文献11】米国特許第6685633号明細書
【特許文献12】米国特許第6790178号明細書
【特許文献13】米国特許第8301232号明細書
【特許文献14】米国特許第8509882号明細書
【特許文献15】米国特許第8615290号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2011/0015496号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2011/0301439号明細書
【特許文献18】米国仮特許出願第61/845254号
【特許文献19】米国仮特許出願第61/872555号
【特許文献20】米国特許第5481255号明細書
【特許文献21】米国特許第5452356号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
したがって、超音波送信により送信される情報を符号化または整理するためのシステム、デバイス、および方法を提供するのが有利である。特に、(電磁または可聴ではなく)超音波送信の限界を回避する方式で、情報を符号化するのが有利であろう。加えて、超音波送信をセキュアに送信(たとえば、暗号化および/または復号)するための方法、デバイス、およびシステムを提供するのが有用であろう。たとえば、ECG情報を超音波で送信するデバイス(たとえば、リストレット)を1つまたは複数の受信デバイスと動的にペアリングするのが有用であろう。
【0022】
スマートフォン、タブレットコンピュータ、ポータブルコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの、1つまたは複数の広く入手可能な遠隔通信デバイス(モバイル遠隔通信デバイスを含む)を使用して(または使用のために適応させて)、遠隔通信デバイスにより聴取され得る超音波信号へとアプリケーションデバイスによって符号化され、次いで、遠隔通信デバイスにより記憶され、送信され、かつ/または分析される情報(限定はされないが、デジタル健康情報を含む)を受信して送信するための、方法、デバイス、およびシステムが本明細書において説明される。特に、鍵を提供された遠隔通信デバイスだけがこの情報を解釈できるように情報を符号化するための、方法、デバイス、およびシステムが本明細書において説明される。システム、デバイス、および方法(実行可能論理を含む)は、超音波送信とは異なる様式(たとえば、光学式)を使用して鍵を容易に提供するための技法を含み得る。
【0023】
2010年6月8日に出願された「HEART MONITORING SYSTEM USABLE WITH A SMART PHONE OR COMPUTER」という表題の米国特許出願第12/796,188号、現在は特許文献14、2011年5月16日に出願された「WIRELESS, ULTRASONIC PERSONAL HEALTH MONITORING SYSTEM」という表題の米国特許出願第13/108,738号、現在は特許文献17は、スマートフォンなどの遠隔通信デバイスによって受信され、次いで記憶され、分析され、かつ/または表示され得る超音波信号へとECGデータを変換するECGモニタを説明する。本出願はこの教示を拡張して適応させ、本明細書において説明されるシステム、方法、およびデバイスのいずれとも使用され得る。
【0024】
したがって、上記の課題の1つまたは複数に対処するための、改善された心疾患および/もしくは心律動の管理ならびに観察デバイス、システム、および方法が必要である。
【0025】
本開示の新規性のある特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に記載される。本開示の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される説明のための実施形態を記載する以下の詳細な説明および実施形態の添付の図面を参照して得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】多くの実施形態による、バイオメトリックパラメータまたは生理学的パラメータを測定して観察するためのシステムの概略図である。
【
図2A】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2B】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2C】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2D】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2E】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2F】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2G】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2H】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2I】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2J】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図2K】多くの実施形態による、スマートフォンおよびスマートフォン保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図3A】多くの実施形態による、タブレットコンピュータおよびタブレットコンピュータ保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図3B】多くの実施形態による、タブレットコンピュータおよびタブレットコンピュータ保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図3C】多くの実施形態による、タブレットコンピュータおよびタブレットコンピュータ保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図3D】多くの実施形態による、タブレットコンピュータおよびタブレットコンピュータ保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図3E】多くの実施形態による、タブレットコンピュータおよびタブレットコンピュータ保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図3F】多くの実施形態による、タブレットコンピュータおよびタブレットコンピュータ保護ケースを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図4A】多くの実施形態による、コンピューティングデバイスのキーボードおよびキーボードアクセサリを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図4B】多くの実施形態による、コンピューティングデバイスのキーボードおよびキーボードアクセサリを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図4C】多くの実施形態による、コンピューティングデバイスのキーボードおよびキーボードアクセサリを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図5A】多くの実施形態による、ラップトップまたはパームトップコンピュータおよびセンサアクセサリを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図5B】多くの実施形態による、ラップトップまたはパームトップコンピュータおよびセンサアクセサリを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図5C】多くの実施形態による、ラップトップまたはパームトップコンピュータおよびセンサアクセサリを備える、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システムを示す図である。
【
図6】多くの実施形態による、バイトメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察のための方法を示す図である。
【
図7】標準的な12誘導ECGをとるための電極配置の例を示す体の絵による表現の図である。
【
図8】12誘導ECGをとるための胸への電極配置の例を示す(V6~V12に対する位置決めを示す)胸の絵による表現の図である。
【
図9A】本明細書において説明されるような装置の1つの変形の正面図である(この例では、ワイヤレスモバイル遠隔通信デバイスは、ケースとして構成される装置へと挿入されるものとして示されている)。
【
図10A】空であるものとして示されているが、モバイル遠隔通信デバイスを保持するように適合されるケースとして構成される、本明細書において説明されるような装置の別の変形の前面図である。
【
図10B】
図4Aの装置の左側面図である(この例では、脚の(第1の)電極はケースの左側にある)、
【
図11A】左側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である(この例では、脚の(第1の)電極はケースの背面と左側面との間の縁上にある)。
【
図11B】背面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図11C】右側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図12A】左側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である(この例では、脚の(第1の)電極は背面にあり左側面に隣接している)。
【
図12B】背面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図12C】右側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図13A】左側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である(この例では、脚の(第1の)電極はケースの背面と左側面との間の縁上にある)。
【
図13B】背面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図13C】右側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図14A】左側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である(この例では、脚の(第1の)電極はケースの左側面にあり、第2の電極および第3の電極は背面の上でケースにより保持される電極ユニットの一部である)。
【
図14B】背面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図14C】右側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図15A】左側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である(この例では、脚の(第1の)電極は第2の電極と第3の電極との間の背面上にある)。
【
図15B】背面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図15C】右側面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図16A】前面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である(この例では、脚の(第1の)電極は、脚に取り付けるためにデバイスの本体から延長可能なコード上にある)。
【
図16B】背面図からの、本明細書において説明されるような装置の別の変形を示す図である。
【
図17】患者の手が装置の裏で左側電極および右側電極とそれぞれ接触している間に脚の電極が脚に接触するように患者の脚に対して保持される、本明細書において説明されるECGを検出するための装置の1つの変形の応用を示す図である。
【
図18】http://en.labs.wikimedia.org/wiki/Acousticsからの人の聴覚範囲および閾値の絵による表現の図である。
【
図19】www.neuroreille.com/promenade/english/audiometry/audiometry.htmからの加齢による聴覚の喪失の絵による表現の図である。
【
図20】www.hearinglossky.org/hlasurvivall.htmlからの一般的な音の強度と周波数を示すオージオグラムである。
【
図21A】1つまたは複数の生物学的パラメータを符号化するデジタルデータをスマートフォンなどの遠隔通信デバイスへ超音波で送信するように構成されるシステムの概略表現の図である。
【
図21B】1つまたは複数の生物学的パラメータを符号化するデータをスマートフォンなどの遠隔通信デバイスへ超音波で送信するように構成される医療用センシングデバイスを含むシステムの概略表現の図である。
【
図21C】1つまたは複数の生物学的パラメータを符号化するデータ(たとえば、ECGデータ)をスマートフォンなどの遠隔通信デバイスへ超音波で送信して受信するように構成される医療用センシングデバイスを含むシステムの概略表現の図である。
【
図22】説明されるような、超音波範囲において周波数偏移変調を使用して符号化されたデジタル信号の1つの変形を示す図である。
【
図23】符号化されたデータを超音波信号として送信する1つの方法を示す例示的なフローチャートである。
【
図24A】超音波信号として信号を送信する(たとえば、パケット送信)ための方法の例示的なフローチャートである。
【
図24B】超音波信号として信号を送信する(たとえば、パケット送信)ための方法の例示的なフローチャートである。
【
図24C】超音波信号として信号を送信する(たとえば、パケット送信)ための方法の例示的なフローチャートである。
【
図24D】超音波信号として信号を送信する(たとえば、パケット送信)ための方法の例示的なフローチャートである。
【
図24E】超音波信号として信号を送信する(たとえば、パケット送信)ための方法の例示的なフローチャートである。
【
図25】本明細書において論じられるような、超音波で送信されるデータを受信して復号するように構成される受信機のための復調器およびパケットデコーダのフローチャートの一例を示す図である。
【
図26A】ハイブリッドデジタルおよびアナログ超音波データフォーマットの1つの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図26B】ハイブリッドデジタルおよびアナログ超音波データフォーマットの別の例示的なフォーマットを示す図である。
【
図27】超音波トランスデューサを伴う超音波通信デバイス、超音波通信デバイス上に配置される暗号鍵、および遠隔通信デバイス上で実行可能な復号論理を含む、データのセキュアな超音波送信のためのシステムの概略図であり、遠隔通信デバイスは超音波通信デバイスから超音波信号を受信するための受信機を備える。
【
図28A】1つまたは複数の生物学的パラメータを検知し、それをモバイル通信/コンピューティングデバイスに極低電力でワイヤレスに送信するための、リストレットデバイスの1つの変形を示す図である(リストレットの外側の図を示す)。
【
図28B】1つまたは複数の生物学的パラメータを検知し、それをモバイル通信/コンピューティングデバイスに極低電力でワイヤレスに送信するための、リストレットデバイスの1つの変形を示す図である(超音波信号の電力および送信を検知するための様々なモジュールを含む内側領域の概略図を示し、これらの要素の多くは任意選択である)。
【
図29】ECG信号を検出するためのウォッチとして構成されるリストレットの1つの変形を示す図である。
【
図30】ECG情報を送信するためにモバイル遠隔通信デバイスと(超音波を介して)通信する
図29のリストレットを示す図である。
【
図31】便座の形態のECG信号を検出するための装置の1つの変形の上面図である。
【
図33】コンピューティングデバイスと通信している
図31のECG信号検出便座を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ユーザフレンドリーに、かつ便利にバイオメトリックパラメータまたは生理学的パラメータを測定して観察するための、デバイス、システム、および方法が開示される。特に、コンピューティングデバイスまたは他の手動デバイスもしくはハンドヘルドデバイスをユーザが普通に操作しながら、ユーザの関連する生理学的パラメータが測定され得る。たとえば、本開示のシステムは、ラップトップ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどのコンピューティングデバイスをユーザが普通に操作しながら、ユーザの1つまたは複数の生理学的パラメータが測定されるのを可能にし得る。1つまたは複数の生理学的パラメータは、ラップトップケース、タブレットコンピュータケース、スマートフォンケースなどのコンピューティングデバイスのアクセサリを使用して測定され得る。コンピューティングデバイスの普通の使用は、ウェブブラウジング、電子メールもしくはテキストメッセージの読み書き、ゲームのプレイ、またはそれ以外の、書籍もしくはテキストリーダーなどの他の一般的なアプリケーションの使用を含み得る。本開示の生理学的パラメータ観察および測定アプリケーションは、コンピューティングデバイスが普通に使用されている間にバックグラウンドで動作し得る。
【0028】
ユーザの心臓に普通よりも多くの負担がかかり得るような、多くの状況がある。1つのそのようなシナリオは、ユーザが便所を使用しているときである。心臓への負担の増大に関連する活動にユーザが関わっている間に、ユーザの心臓パラメータおよび他の生理学的パラメータを観察できることが重要である。加えて、ユーザが、自身のECGを特化した活動の一部として別個に測定しなければならないのではなく、日常的な活動に関わっている間にECGをとるための手段を提供することが、有益である。
【0029】
本開示の態様は、たとえば、便座を使用している間にユーザの心臓パラメータを測定するためのシステムを提供する。システムは、コンピューティングデバイスに結合するように構成される装置と、コンピューティングデバイスにロードされる第1のアプリケーションと、を備え得る。装置は、心臓パラメータを測定するためのセンサを備え得る。第1のアプリケーションは、センサから測定された心臓パラメータを受信するように構成され得る。センサは心臓パラメータを測定してもよく、第1のアプリケーションは、第2のアプリケーションがコンピューティングデバイスにロードされユーザにより操作されるのと同時に、測定された心臓パラメータを受信してもよい。
【0030】
心臓パラメータは、心拍数、心拍数の変動、血圧、血圧の変動、不整脈、振動性心臓図(SCG)、SCGパラメータ、心電図(ECG)、またはECGパラメータのうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、心臓パラメータは、心電図(ECG)またはECGパラメータを備える。
【0031】
コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、またはウェアラブルコンピューティングデバイスのうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、コンピューティングデバイスはタブレットコンピュータまたはスマートフォンを備える。装置は、コンピューティングデバイスに取り外し可能に結合するように構成されてもよく、タブレットコンピュータケースまたはスマートフォンケースもしくはカバーなどの、コンピューティングデバイスを覆うためのカバーを備え得る。
【0032】
心臓パラメータを測定するためのセンサは、ユーザと接触すると心臓パラメータを備える信号を生成するように構成される、第1の電極リードおよび第2の電極リードを備え得る。たとえば、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左腕に接触してリードI ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードII ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの左腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードIII ECGを生成するように構成されてもよい。センサはさらに、ユーザと接触すると心臓パラメータを備える信号を生成するように構成される接触のための第3の電極リードを備え得る。第1の電極リード、第2の電極リード、および第3の電極リードは、たとえばリードI、リードII、またはリードIII ECGのうちの1つまたは複数を生成するために同時に使用され得る。第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左腕に接触するように構成されてもよく、第3の電極リードはユーザの左脚に接触するように構成されてもよい。
【0033】
第1のアプリケーションはさらに、たとえばコンピューティングデバイスのディスプレイに、測定された心臓パラメータを表示するように構成され得る。心臓パラメータはリアルタイムで表示され得る。第1のアプリケーションはさらに、コンピューティングデバイスのメモリに測定された心臓パラメータを記憶するために構成され得る。第1のアプリケーションはさらに、リモートサーバなどのリモートコンピューティングデバイスに測定された心臓パラメータを送信するために構成され得る。リモートコンピューティングデバイスは、心臓のまたは他の生理学的なパラメータデータを記憶し、データの分析、解釈、および/または診断のために、医療専門家および他の熟達者によるそのようなデータへのアクセスを可能にし得る。分析および診断は、リモートコンピューティングデバイスおよびユーザのコンピューティングデバイスを通じて、または電子メール、テキストメッセージング、もしくは他の電子アラートなどの他のチャネルを通じて、ユーザに返され得る。代替として、または組み合わせて、コンピューティングデバイスにロードされる第1のアプリケーション、リモートサーバにロードされる別のアプリケーション、または医療専門家もしくは熟達者により使用される別のアプリケーションのうちの1つまたは複数は、そのようなデータの分析、解釈、および/または診断を自動的に生成し得る。
【0034】
第2のアプリケーションの操作は、第2のアプリケーションのキーボード上でのタイピング、第2のアプリケーション上でのスクロール、第2のアプリケーションにおける拡大または縮小、データを別様に第2のアプリケーションに入力することなどのうちの1つまたは複数を含み得る。第1のアプリケーションがユーザの心臓パラメータおよび他の健康パラメータを測定して観察する間に、コンピューティングデバイスにロードされる第2のアプリケーションをユーザが操作するのを可能にすることによって、本開示の実施形態は、ユーザフレンドリーで、便利な、より非侵襲的で煩わしくない測定と、心臓パラメータおよび他の健康パラメータの観察と、を可能にする。たとえば、第1のアプリケーションおよびコンピューティングデバイスのカバーがユーザECGもしくは他の心臓パラメータおよび生理学的パラメータをバックグラウンドで測定ならびに/または観察しながら、ユーザは、コンピューティングデバイスを持ち普通に操作して、電子メールを確認し、ウェブブラウジングを行い、またはモバイルアプリケーションを操作することができる。
【0035】
本開示の態様はまた、ユーザの心臓パラメータを測定する方法を提供する。心臓パラメータのためのセンサを備える装置は、コンピューティングデバイスに結合され得る。ユーザの心臓パラメータはセンサを用いて測定され得る。測定された心臓パラメータは、コンピューティングデバイスにロードされる第1のアプリケーションに装置を用いて送信され得る。ユーザがコンピューティングデバイスにロードされる第2のアプリケーションを操作するのと同時に、心臓パラメータが測定されてもよく、第1のアプリケーションが送信された測定された心臓パラメータを受信してもよい。
【0036】
心臓パラメータは、心拍数、心拍数の変動、血圧、血圧の変動、不整脈、振動性心臓図(SCG)、SCGパラメータ、心電図(ECG)、またはECGパラメータのうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、心臓パラメータは心電図(ECG)またはECGパラメータを備える。
【0037】
コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、またはウェアラブルコンピューティングデバイスのうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、コンピューティングデバイスはタブレットコンピュータまたはスマートフォンを備える。装置は、コンピューティングデバイスに装置を取り外し可能に取り付けることによって、コンピューティングデバイスに結合され得る。たとえば、装置は、タブレットコンピュータケースまたはスマートフォンカバーなどの、コンピューティングデバイスを覆うためのカバーを備え得る。また、方法は、タブレットコンピュータまたはスマートフォンなどのコンピューティングデバイスを、ケースまたはカバーで少なくとも部分的に囲むことを備え得る。
【0038】
心臓パラメータは、センサの第1の電極リードおよび第2の電極リードで心臓パラメータを測定することによってセンサを用いて測定され得る。第1の電極リードおよび第2の電極リードは、ユーザに接触すると心臓パラメータを備える信号を生成するように構成され得る。たとえば、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左腕に接触してリードI ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードII ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの左腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードIII ECGを生成するように構成されてもよい。心臓パラメータはセンサの第3の電極リードを用いても測定されてもよく、第3の電極リードはユーザに接触すると心臓パラメータを備える信号を生成するように構成される。第1の電極リード、第2の電極リード、および第3の電極リードは、たとえばリードI、リードII、またはリードIII ECGのうちの1つまたは複数を生成するために同時に使用され得る。第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左腕に接触するように構成されてもよく、第3の電極リードはユーザの左脚に接触するように構成されてもよい。
【0039】
さらに、受信された測定された心臓パラメータは、コンピューティングデバイスのディスプレイに表示され得る。心臓パラメータは、リアルタイムで表示され得る。また、測定された心臓パラメータは、コンピューティングデバイスのメモリに記憶され得る。測定された心臓パラメータは、リモートサーバなどのリモートコンピューティングデバイスにも送信され得る。リモートコンピューティングデバイスは、心臓パラメータデータまたは他の生理学的パラメータデータを記憶し、データの分析、解釈、および/または診断のために、医療専門家および他の熟達者によるそのようなデータへのアクセスを可能にし得る。分析および診断は、リモートコンピューティングデバイスおよびユーザのコンピューティングデバイスを通じて、または電子メール、テキストメッセージング、もしくは他の電子アラートなどの他のチャネルを通じて、ユーザに返され得る。代替として、または組み合わせて、コンピューティングデバイスにロードされる第1のアプリケーション、リモートサーバにロードされる別のアプリケーション、または医療専門家もしくは熟達者により使用される別のアプリケーションのうちの1つまたは複数は、そのようなデータの分析、解釈、および/または診断を自動的に生成し得る。
【0040】
第2のアプリケーションの操作は、第2のアプリケーションのキーボード上でのタイピング、第2のアプリケーション上でのスクロール、第2のアプリケーションにおける拡大または縮小、データを別様に第2のアプリケーションに入力することなどのうちの1つまたは複数を含み得る。第1のアプリケーションがユーザの心臓パラメータおよび他の健康パラメータを測定して観察しながら、コンピューティングデバイスにロードされる第2のアプリケーションをユーザが操作するのを可能にすることによって、本開示の実施形態は、ユーザフレンドリーで、便利な、より非侵襲的で煩わしくない測定と、心臓パラメータおよび他の健康パラメータの観察と、を可能にする。たとえば、第1のアプリケーションおよびコンピューティングデバイスのカバーがユーザECGまたは他の心臓パラメータおよび生理学的パラメータをバックグラウンドで測定および/または観察しながら、ユーザは、コンピューティングデバイスを持ち普通に操作して、電子メールを確認し、ウェブブラウジングを行い、またはモバイルアプリケーションを操作することができる。いくつかの実施形態では、第1のアプリケーションは、健康パラメータセンサが誤って配置されているので適切な測定を行うことができない、または行えないはずである場合、コンピューティングデバイスにユーザへの警告を行わせ得る(すなわち、ポップアップが第2のアプリケーションに現れ得る)。
【0041】
本開示の態様は、ユーザの心臓パラメータを測定するためのシステムも提供する。システムは、ポータブルコンピューティングデバイスに取り外し可能に取り付けられるように構成されるカバーを備え得る。ポータブルコンピューティングデバイスは、前面、背面、および前面と背面との間の縁を備え得る。カバーは、心臓パラメータを測定するために構成され、カバーがポータブルコンピューティングデバイスに取り付けられるとポータブルコンピューティングデバイスの縁上に配設される、複数のセンサ電極リードを備え得る。多くの実施形態において、複数のセンサ電極リードは、ポータブルコンピューティングデバイスの縁上にのみ配設される。ポータブルコンピューティングデバイスは、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、またはスマートフォンを備え得る。
【0042】
心臓パラメータは、心拍数、心拍数の変動、血圧、血圧の変動、不整脈、振動性心臓図(SCG)、SCGパラメータ、心電図(ECG)、またはECGパラメータのうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、心臓パラメータは心電図(ECG)またはECGパラメータを備える。
【0043】
複数のセンサ電極リードは、第1のセンサ電極リードおよび第2のセンサ電極リードを備え得る。第1のセンサ電極リードおよび第2のセンサ電極リードは、それぞれ、ユーザの第1の四肢および第2の四肢に接触すると、心臓パラメータを備える信号を生成するように構成され得る。たとえば、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左腕に接触してリードI ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードII ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの左腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードIII ECGを生成するように構成されてもよい。複数のセンサ電極リードはさらに、ユーザの第3の四肢に接触すると、心臓パラメータを備える信号を生成するように構成される第3のセンサ電極リードを備え得る。心臓パラメータはまた、センサの第3の電極リードを用いて測定されてもよく、第3の電極リードは、ユーザと接触すると心臓パラメータを備える信号を生成するように構成される。第1の電極リード、第2の電極リード、および第3の電極リードは、たとえばリードI、リードII、またはリードIII ECGのうちの1つまたは複数を生成するために同時に使用され得る。
【0044】
システムはさらに、ポータブルコンピューティングデバイスへロードされる第1のアプリケーションを備え得る。第1のアプリケーションは、複数のセンサ電極リードから測定された心臓パラメータを受信するために構成され得る。第1のアプリケーションは、第2のアプリケーションがポータブルコンピューティングデバイスにロードされてユーザにより操作されるのと同時に、測定された心臓パラメータを受信し得る。第2のアプリケーションの操作は、第2のアプリケーションのキーボード上でのタイピング、第2のアプリケーション上でのスクロール、第2のアプリケーションにおける拡大または縮小、データを別様に第2のアプリケーションに入力することなどのうちの1つまたは複数を含み得る。第1のアプリケーションがユーザの心臓パラメータおよび他の健康パラメータを測定して観察しながら、コンピューティングデバイスにロードされる第2のアプリケーションをユーザが操作するのを可能にすることによって、本開示の実施形態は、ユーザフレンドリーで、便利な、より非侵襲的で煩わしくない測定と、心臓パラメータおよび他の健康パラメータの観察と、を可能にする。たとえば、第1のアプリケーションおよびコンピューティングデバイスのカバーがユーザECGまたは他の心臓パラメータおよび生理学的パラメータをバックグラウンドで測定および/または観察しながら、ユーザは、コンピューティングデバイスを持ち普通に操作して、電子メールを確認し、ウェブブラウジングを行い、またはモバイルアプリケーションを操作することができる。
【0045】
第1のアプリケーションは、ポータブルコンピューティングデバイスのディスプレイに受信された心臓パラメータを表示するように構成され得る。受信された心臓パラメータは、リアルタイムで表示され得る。第1のアプリケーションはさらに、ポータブルコンピューティングデバイスのメモリに測定された心臓パラメータを記憶するために構成され得る。第1のアプリケーションはさらに、リモートサーバなどのリモートコンピューティングデバイスに測定された心臓パラメータを送信するために構成され得る。リモートコンピューティングデバイスは、心臓パラメータデータまたは他の生理学的パラメータデータを記憶し、データの分析、解釈、および/または診断のために、医療専門家および他の熟達者によるそのようなデータへのアクセスを可能にし得る。分析および診断は、リモートコンピューティングデバイスおよびユーザのコンピューティングデバイスを通じて、または電子メール、テキストメッセージング、もしくは他の電子アラートなどの他のチャネルを通じて、ユーザに返され得る。代替として、または組み合わせて、コンピューティングデバイスにロードされる第1のアプリケーション、リモートサーバにロードされる別のアプリケーション、または医療専門家もしくは熟達者により使用される別のアプリケーションのうちの1つまたは複数は、そのようなデータの分析、解釈、および/または診断を自動的に生成し得る。
【0046】
本開示の態様は、ユーザの心臓パラメータを測定するための方法も提供する。カバーがポータブルコンピューティングデバイスに取り外し可能に取り付けられ得る。ポータブルコンピューティングデバイスは、前面、背面、および前面と背面との間の縁を備え得る。カバーの第1の電極リードおよび第2の電極リードは、それぞれ、心臓パラメータを備える信号を生成するために、ユーザの第1の四肢および第2の四肢に接触し得る。カバーの第1の電極リードおよび第2の電極リードは、ポータブルコンピューティングデバイスの縁上に配設され得る。多くの実施形態において、複数のセンサ電極リードは、ポータブルコンピューティングデバイスの縁上にのみ配設され得る。ポータブルコンピューティングデバイスは、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、またはスマートフォンを備え得る。
【0047】
心臓パラメータは、心拍数、心拍数の変動、血圧、血圧の変動、不整脈、振動性心臓図(SCG)、SCGパラメータ、心電図(ECG)、またはECGパラメータのうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、心臓パラメータは心電図(ECG)またはECGパラメータを備える。
【0048】
心臓パラメータを備える信号を生成するために、第3の電極リードがユーザの第3の四肢に接触し得る。第1の四肢は右腕を備えてもよく、第2の四肢は左腕を備えてもよく、第3の四肢は左脚を備えてもよい。これらの3つの四肢は、リードI ECG、リードII ECG、およびリードIII ECGを同時に生成するために、それぞれ、第1の電極リード、第2の電極リード、および第3の電極リードと同時に接触し得る。代替として、第1の電極リードおよび第2の電極リードは、リードI ECG、リードII ECG、またはリードIII ECGを生成するために使用され得る。たとえば、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左腕に接触してリードI ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの右腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードII ECGを生成するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、第1の電極リードはユーザの左腕に接触するように構成されてもよく、第2の電極リードはユーザの左脚に接触してリードIII ECGを生成するように構成されてもよい。
【0049】
第1のアプリケーションは、タブレットコンピュータまたはスマートフォンへロードされ得る。第1のアプリケーションは、複数のセンサ電極リードから測定された心臓パラメータを受信するために構成され得る。第1のアプリケーションは、第2のアプリケーションがコンピューティングデバイスにロードされてユーザにより操作されるのと同時に、測定された心臓パラメータを受信し得る。第2のアプリケーションの操作は、第2のアプリケーションのキーボード上でのタイピング、第2のアプリケーション上でのスクロール、第2のアプリケーションにおける拡大または縮小、データを別様に第2のアプリケーションに入力することなどのうちの1つまたは複数を含み得る。第1のアプリケーションがユーザの心臓パラメータおよび他の健康パラメータを測定して観察しながら、コンピューティングデバイスにロードされる第2のアプリケーションをユーザが操作するのを可能にすることによって、本開示の実施形態は、ユーザフレンドリーで、便利な、より非侵襲的で煩わしくない測定と、心臓パラメータおよび他の健康パラメータの観察と、を可能にする。たとえば、第1のアプリケーションおよびコンピューティングデバイスのカバーがユーザECGまたは他の心臓パラメータおよび生理学的パラメータをバックグラウンドで測定および/または観察しながら、ユーザは、コンピューティングデバイスを持ち普通に操作して、電子メールを確認し、ウェブブラウジングを行い、またはモバイルアプリケーションを操作することができる。
【0050】
受信された心臓パラメータは、タブレットコンピュータまたはスマートフォンのディスプレイに第1のアプリケーションを用いて表示され得る。受信された心臓パラメータは、リアルタイムで表示され得る。測定された心臓パラメータは、コンピューティングデバイスのメモリに記憶され得る。測定された心臓パラメータは、リモートサーバなどのリモートコンピューティングデバイスに送信され得る。リモートコンピューティングデバイスは、心臓のまたは他の生理学的なパラメータデータを記憶し、データの分析、解釈、および/または診断のために、医療専門家および他の熟達者によるそのようなデータへのアクセスを可能にし得る。分析および診断は、リモートコンピューティングデバイスおよびユーザのコンピューティングデバイスを通じて、または電子メール、テキストメッセージング、もしくは他の電子アラートなどの他のチャネルを通じて、ユーザに返され得る。代替として、または組み合わせて、コンピューティングデバイスにロードされる第1のアプリケーション、リモートサーバにロードされる別のアプリケーション、または医療専門家もしくは熟達者により使用される別のアプリケーションのうちの1つまたは複数は、そのようなデータの分析、解釈、および/または診断を自動的に生成し得る。
【0051】
本開示の態様は、ユーザの心臓パラメータを測定するためのシステムも提供する。システムは、センサ装置およびアプリケーションを備え得る。装置は、コンピューティングデバイスのキーボード、原動機付き車両のステアリングホイール、または、自転車、バイク、トレッドミルもしくはエリプティカルマシンもしくはウェイトリフティングマシンなどのエクササイズマシンのハンドルバー、座席、椅子、眼鏡、衣服などに結合するように構成され得る。装置は、心臓パラメータを測定するためのセンサを備え得る。装置は、コンピューティングデバイスのキーボード、原動機付き車両のステアリングホイール、自転車、バイク、またはエクササイズマシンのハンドルバーが触れられ、持たれ、または操作される際に、センサから測定された心臓パラメータを受信するように構成され得る。ユーザの体と接触しているコンピューティングデバイスまたは他のデバイスを普通にユーザが操作しながら、心臓パラメータおよび他の生理学的パラメータを便利に、非侵襲的に、かつ煩わしくない方法で測定して観察するための、さらなる方法およびシステムも企図される。
【0052】
本開示はまた、3つの電極を有するモバイル遠隔通信デバイスと互換性のあるインターフェースを使用して被験者から心電図(ECG)情報をとるためのシステム、ソフトウェア、およびデバイスを含む装置、ならびに方法(これらの装置を使用するための方法を含む)を説明する。現在利用可能なECG検知システムを用いて、上で特定されたものに限定はされないがそれらを含む問題に対処できるECGを検出するための装置が、本明細書において説明される。
【0053】
一般に、本明細書において説明される装置(デバイスおよびシステムを含む)および方法は、心電図(ECG)などの生物学的信号を検出する際に使用するためのものである。特に、モバイル遠隔通信デバイスが患者から直接測定される生物学的信号を受信し得るように、モバイル遠隔通信デバイスとともに使用するための装置が本明細書において説明される。装置は通常、患者の体から、電圧または電流などの信号を受け取るための3つ以上の電極(またはちょうど3つの電極)を含む。装置はハウジングも含み得る。「ケース」などのハウジングは、モバイル遠隔通信デバイスを保持し、またはモバイル遠隔通信デバイスに直接接続するように構成され得る。1つまたは複数の電極は、ハウジングの外側表面に直接配置され得る。装置はまた、電極からモバイル遠隔通信デバイスに、検知された信号の修正/処理されたバージョンを含む検知された通信信号のための、1つまたは複数の送信機を含み得る。モバイル遠隔通信デバイスは、ハウジングに接続され、たとえばハウジングによって形成されるケース内にあり、または近くにあり得る。いくつかの変形では、装置は、電極で検出された信号を処理するための1つまたは複数のプロセッサを含み得る。
【0054】
ワイヤレス送信機を含む、任意の適切な送信機が使用され得る。いくつかの変形では、ワイヤレス送信機は、Bluetooth(登録商標)またはWiFi(登録商標)送信機である。他の変形では、送信機は、モバイル遠隔通信デバイスのマイクロフォンにより受信され、モバイル遠隔通信デバイスにより送信され、かつ/またはさらに処理され得る、非可聴の超音波(たとえば、>10kHz、>12kHz、15>kHz、>18kHz、>19kHz)を使用し得る超音波送信機である。特に、本明細書では単に便宜的に超音波に関して多くの実施形態が説明されるが、Bluetooth(登録商標)およびWiFi(登録商標)プロトコルが等しく考慮される。
【0055】
ベッドサイド便座または他のタイプの便座を含む、本明細書において説明される装置は、患者からの6つの「リード」(リードI~III、および増幅リードaVR、aVL、aVF)を測定するために、両手または両腕を使用して患者の脚(たとえば、左脚または右脚)に対して患者により保持され得るように構成され得る。いくつかの変形では、装置は、患者が両手で脚(右または左)に対して装置(モバイル遠隔通信デバイスを取り囲む)を持ち、右腕、左腕および右脚または左脚の各々から独立した信号を記録しながら、モバイル遠隔通信デバイスの画面を簡単に見ることができるように構成され得る。これにより、患者は、測定が行われるにつれて、電極の接触もしくは配置を調整もしくは訂正するための、かつ/または1つまたは複数のECG信号を表示するための案内を(モバイル遠隔通信デバイスの画面または音声出力を使用して)提供することを含む、装置からの即刻の視覚的なフィードバックを受け取ることが可能になる。したがって、装置は、各々の腕(右、左)および脚(左または右)からの電気的に別々の計測を可能にするように装置を簡単に持つことができ、それでもデバイスを持つ被験者がデバイスに結合されたモバイル遠隔通信デバイスの画面を観察できるように、本明細書において説明されるように構成され得る。
【0056】
一般に、(本明細書で使用される)患者は、人の患者、または限定はされないが、動物(犬、猫、馬など)を含む人ではない患者であってもよい。したがって、本明細書において説明される装置または方法のいずれもが、獣医学への応用のために使用されてもよく、または獣医学の製品として構成されてもよい。
【0057】
一般に、モバイル遠隔通信デバイスは、限定はされないが、iPhone(登録商標)、Droid(登録商標)などを含む、携帯(たとえば、セルラー)電話または均等物などの、任意のモバイル遠隔通信デバイスを含み得る。モバイル遠隔通信デバイスは、通常、本明細書において説明される装置から情報を受信および/または送信するようにデバイスを動作させるように構成される機械可読コードを含む、ソフトウェア、ハードウェアなどを取り囲み得る、プロセッサまたは他のコンピューティングモジュール/デバイスを含み得る。そのようなコードは、説明される装置とともに、またはそれとは別に提供され得る。モバイル遠隔通信デバイスは、セルフォン(cell phone)またはセルラーフォン(cellular phone)またはセル電話(cell telephone)またはセルラー電話(cellular telephone)、モバイルフォン(mobile phone)または携帯電話(mobile telephone)、スマートフォン、ハンドヘルドコンピュータ、タブレット、ウェアラブルコンピュータなどと呼ばれ得る(かつそれらを含む)。コードは、ソフトウェア、またはアプリケーションソフトウェア(「アプリ」または「アプリケーション」)と呼ばれることがあり、モバイル遠隔通信デバイスへと遠隔の位置からダウンロードされることがある。
【0058】
たとえば、ワイヤレス遠隔通信デバイスとともに使用するための心電図(ECG)検出装置が、本明細書において説明される。いくつかの変形では、装置は、遠隔通信デバイスを覆って適合するように構成されるケースであって、外側背面と、背面に垂直な少なくとも2つの外側側面と、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面をそれを通じて見ることができる前部領域と、を有する、ケースと、少なくとも2つの外側側面のうちの1つの上にある、またはそれに隣接する第1の電極と、外側背面の上にある第2の電極であって、外側接触面を有する、第2の電極と、外側背面の上にある第3の電極であって、外側接触面を有する、第3の電極と、を含み、第2の電極および第3の電極の外側接触面は、外側背面がテーブル表面に面した状態でケースがテーブル表面に置かれるときに、第2の電極および第3の電極の外側接触面がテーブル表面に接触しないように、外側背面の少なくとも一部分に対してくぼんでおり、さらに、第2の電極および第3の電極は、患者が左手だけで第2の電極の外側接触面に触れ、右手だけで第3の電極の外側接触面に触れることができ、また、脚に対して第1の電極を保持しながら、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面を見ることができるように、並べられる。
【0059】
装置がケースとして構成されるとき、ケースは、空洞内にモバイル遠隔通信デバイスを保持するように、または、別様にモバイル遠隔通信デバイスを覆って当てられるように構成され得る。したがって、ケースは、内側表面またはモバイル遠隔通信デバイスを保持するための表面を含んでもよく、モバイル遠隔通信デバイスの画面および/または任意のコントロールをそれを通じて見るかつ/または操作することができる前部領域を有してもよい。たとえば、ケースは、それを通じてモバイル遠隔通信デバイスを見ることができる、切り抜き領域または透明な覆いを含み得る。電極はケースに搭載され得る。ケースはまた、モバイル遠隔通信デバイスのコントロール、入力、出力、または接続領域(たとえば、ジャック、プラグインレセプタクルなど)に接近するための1つまたは複数の他の開口を含み得る。一般に、電極は、(1)デバイスが使用されていないときに、表面、特に金属表面に接触することから電極が保護されるように、かつ(2)両腕(手を介して)および脚から同時に記録するために脚に対して装置を保持する患者が、画面を簡単に見ながら電極に接触できるように、ケース上に並べられる。ケースはまた、上で言及されたような送信機、電源(たとえば、電池、太陽電池など)、および/または、電極により受信される信号を調整し、増幅し、フィルタリングし、もしくは別様に修正するためのプロセッサもしくは他の回路などの、追加のコンポーネントを収容し得る。いくつかの変形では、装置は、電極(たとえば、第2の電極または第3の電極)のうちの1つが、他の2つ(または場合によってはより多く)の電極に対する基準電極として働き得るように構成され得る。
【0060】
変形において、ケースが電極の1つまたは複数のための1つまたは複数の取り付け領域を含み得る。たとえば、(たとえば、様々なサイズのモバイル遠隔通信デバイスに適合するための)様々な構成を有するケースとともに使用され得る電極ユニットとインターフェースするための開口を裏に含み得る。すべての3つの電極が同じ電極ユニットの一部であってもよく、または複数の電極ユニットが使用されてもよい。電極ユニットは、言及されたプロセッサなどの追加のハードウェアを含んでもよく、電源または他の電子コンポーネントも含んでもよい。
【0061】
第2の電極および第3の電極は通常、各々患者の手により簡単に接触され得るように構成される。たとえば、第2の電極は、患者が適切な形状および大きさの第3の電極にも右手で触れているときに、左手で第2の電極に触れることができるように、位置および大きさが決定され得る。たとえば、いくつかの変形では、第2の電極および第3の電極は、全体が外側背面の上にある。第2の電極は(モバイル遠隔通信デバイスに対して相対的に)ケースの裏の上/左半分にあり得るが、第3の電極はケースの裏の下/右半分に配置される。第2の電極および第3の電極は、左手との接触および右手との接触の重複を防ぐような大きさおよび/または形状の間隙により離隔され得る。一般に、患者は各電極に片手でしか触れてはならない。
【0062】
第2の電極および第3の電極は、任意の適切な導電性材料(金属、合金などを含む)で形成されてもよく、デバイスを保持する患者の1本または複数の指(または掌)により簡単に接触され得るような大きさにされ得る。いくつかの変形では、第2の電極および第3の電極は、外側背面の中心から互いに対して対称的に配置される。
【0063】
ケースを持ち、それぞれ左手および右手で第2の電極および第3の電極に触れながら、患者の脚に対して第1の電極を簡単に保持できるように、第1の電極は構成され得る。したがって、いくつかの変形では、第1の電極は、ケースの横に(たとえば、少なくとも2つの外側側面のうちの1つに)全体が配置される。代替として、第1の電極は、ケースの縁が脚に対して保持されるときに第1の電極が脚に対して保持され得るように、ケースの背面にあり、しかし縁に沿って延びていてもよい。したがって、第1の電極は、背面にあり、しかし、側面(少なくとも2つの外側側面のうちの1つ)に当接し、またはそのすぐ隣にあってもよい。いくつかの変形では、第1の電極は、ケースの背面から横へとケースの縁を覆って、たとえばケースの縁に沿って曲がっている。したがって、第1の電極は、外側背面と外側側面のうちの1つとの間の縁を覆って延びていてもよい。これらの構成のいずれもが、患者が両手でケースを持ち、第2の電極および第3の電極に触れ、モバイル遠隔通信デバイスの画面を見ながら、脚との良好な接触を行うことができるように、モバイル遠隔通信デバイスのケースが患者の脚に対してある角度で保持されることを可能にし得る。
【0064】
したがって、一般に、第1の電極は、ケースの片側の長さの全体または一部(たとえば、半分超)にわたり延びていてもよい。第1の電極がケースの縁上または縁の近くにあり、ケースの縁のすべてまたはかなりの部分(たとえば、約100%と約50%の間、約90%と約60%の間、約75%)にわたって延びている場合、本明細書において説明され示されるように、ケースを脚に対して保持して接触させるのはより簡単であり得る。たとえば、ケースの外側側面は一般に長方形であり得る。第1の電極は、外側側面のうちの1つの2つの短辺の間に中心があり、外側側面のうちの1つの長辺の方向へと長軸が延びていてもよい。言及されたように、第1の電極は、外側側面の長さの半分超にわたり、外側側面の上またはその近くを延びていてもよい。
【0065】
いくつかの変形では、装置は、ケースの外側表面に3つだけの電極(たとえば、第1の電極、第2の電極、および第3の電極)を有する。
【0066】
一般に、装置は、電極(第1および/または第2ならびに第3)がテーブルに面した状態で装置がテーブルに置かれるときに電極がテーブル表面に接触しないように、構成され得る。これは、電極間に導電性の経路を生み出すことなく、したがって放電(および/または装置からの電力の流出)の可能性がない状態で、病院または他の医療環境においてよく見られるように、デバイスが金属表面に置かれることを可能にする。いくつかの変形では、電極は外側背面に対してくぼんでいる。たとえば、電極はケースを形成する材料内に埋め込まれていてもよい。代替として、または追加で、ケースは、背面を下にして置かれるときにケースを支え得る1つまたは複数の突出部を含んでもよく、1つまたは複数の電極が表面に接触するのを防ぐ。たとえば、ケースの外側背面は、外側接触面が1つまたは複数の「スペーサ」の外側表面に対してくぼんでいるように、第1の表面および第2の表面の外側接触面に対して相対的に外側背面の一部分を延ばすように構成される1つまたは複数のスペーサを含み得る。一般に、スペーサは、デバイスの背面に対して相対的に、電極の高さより大きい高さを有する背面からの突出部を指し得る。たとえば、スペーサは、背面から延びている、いくつかの変形では電極の周りにある(たとえば、すべてまたは一部が電極を囲む)、バンプ、アイランド、バー、ピース、タブなどであり得る。
【0067】
一般に、電極は、患者の手および/または脚と簡単かつ確実に接触するための十分な表面積があり得る。第1の(脚の)電極は、第2の電極および第3の電極とは異なる形状または大きさであり得る。いくつかの変形では、3つの電極の表面積はほぼ同じである。いくつかの変形では、第2の(基準)電極または第3の(基準)電極の表面積は、他の電極より広い。
【0068】
言及されるように、本明細書において説明される装置のいずれもが、ワイヤレス遠隔通信デバイスと通信するための送信機を含み得る。送信機は一般にワイヤレスであってもよく、または送信機はワイヤレス遠隔通信デバイスに直接接続されてもよい(差し込まれてもよい)。電磁送信機(近距離送信機、無線(RF)送信などを含む)、光学送信機、または任意の他の送信タイプが使用され得る。特に、装置へと統合され得るBluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)および超音波送信機が本明細書において説明される。
【0069】
たとえば、ワイヤレス遠隔通信デバイスとともに使用するための電磁(ECG)検出装置が本明細書において説明され、装置は、遠隔通信デバイスを覆って適合するように構成されるケースであって、外側背面と、背面に垂直な少なくとも2つの外側側面と、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面をそれを通じて見ることができる前部領域と、を有する、ケースと、少なくとも2つの外側側面のうちの1つの上にある、またはそれに隣接する第1の電極と、外側背面の上にある第2の電極であって、外側接触面を有する、第2の電極と、外側背面の上にある第3の電極であって、外側接触面を有する、第3の電極と、第1の電極、第2の電極、および第3の電極から検知された信号をワイヤレス遠隔通信デバイスに送信するように構成される送信機と、を備え、第2の電極および第3の電極の外側接触面は、外側背面がテーブル表面に面した状態でケースがテーブル表面に置かれるときに第2の電極および第3の電極の外側接触面がテーブル表面に接触しないように、外側背面の少なくとも一部分に対してくぼんでいる。
【0070】
説明される装置のいずれかを使用する方法も、本明細書において説明される。たとえば、ケースの外側表面に3つの電極を有するハンドヘルドワイヤレス遠隔通信デバイスケースを使用して、患者から心電図(ECG)を生成する方法が本明細書において説明され、方法は、患者がケース上の3つより多くの電極に接触しないように、ケースの後ろの第2の電極に右手で、かつケースの後ろの第3の電極に左手で同時に触れながら、ケースの側部に沿って延びている第1の電極を脚に対して保持するように患者に指示するステップと、第3の電極と第2の電極との間のECGの第1のリード信号(リードI)を検出するステップと、第2の電極と第1の電極との間のECGの第2のリード信号(リードII)を検出するステップと、第1の電極と第3の電極との間のECGの第3のリード信号(リードIII)を検出するステップと、を備える。
【0071】
ケースの外側表面に3つの電極を有するハンドヘルドワイヤレス遠隔通信デバイスケースを使用して、患者から心電図(ECG)を生成する方法も本明細書において説明され、方法は、患者がケース上の3つより多くの電極に接触しないように、第2の電極に右手で、第3の電極に左手で同時に触れながら、ケースの第1の電極を脚に対して保持するように患者に指示するステップと、第3の電極と第2の電極との間のECGの第1のリード信号(リードI)を検出するステップと、第2の電極と第1の電極との間のECGの第2のリード信号(リードII)を検出するステップと、第1の電極と第3の電極との間のECGの第3のリード信号(リードIII)を検出するステップと、ケースから遠隔通信デバイスにリード信号を送信するステップと、を備える。
【0072】
本開示の態様はまた、ワイヤレス遠隔通信デバイスとともに使用するための心電図(ECG)検出装置を提供する。装置は、遠隔通信デバイスを覆って適合するように構成されるケースを備え得る。ケースは、外側背面と、背面に垂直な少なくとも2つの外側側面と、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面をそれを通じて見ることができる前部領域と、を有し得る。装置はさらに、少なくとも2つの外側側面のうちの1つの上にあり、またはそれに隣接する第1の電極と、外側背面の上にあり、外側接触面を有する第2の電極と、外側背面の上にあり、外側接触面を有する第3の電極と、を備え得る。第2の電極および第3の電極の外側接触面は、外側背面がテーブル表面に面した状態でケースがテーブル表面に置かれるときに、第2の電極および第3の電極の外側接触面がテーブル表面に接触しないように、外側背面の少なくとも一部分に対してくぼんでいてもよい。さらに、第2の電極および第3の電極は、患者が左手だけで第2の電極の外側接触面に触れ、右手だけで第3の電極の外側接触面に触れることができ、また、脚に対して第1の電極を保持しながら、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面を見ることができるように、並べられ得る。
【0073】
第2の電極および第3の電極は、全体が外側背面にあり得る。第1の電極は、少なくとも2つの外側側面のうちの1つに全体が配置され得る。第1の電極は、少なくとも2つの外側側面のうちの1つのすぐ隣の外側背面にあり得る。第1の電極は、外側背面と外側側面のうちの1つとの間の縁を覆って延びていてもよい。外側側面は各々長方形であってもよく、第1の電極は、外側側面のうちの1つの2つの短辺の間に中心があってもよく、外側側面のうちの1つの長辺の方向へと長軸が延びていてもよい。第1の電極は、外側側面の長さの半分以上にわたり、外側側面の上またはその近くを延びていてもよい。第2の電極および第3の電極は、外側背面の中心から互いに対して対称的に配置され得る。第2の電極および第3の電極は、ケースの外側背面の開口に収まる電極ユニットの一部であり得る。第1の電極は、第2の電極または第3の電極の表面積とほぼ同じ表面積を有し得る。
【0074】
装置は、ケースの外側表面に3つだけの電極を備え得る。ケースの外側背面は、外側接触面が1つまたは複数のスペーサの外側表面に対してくぼんでいるように、第1の表面および第2の表面の外側接触面に対して外側背面の一部分を延ばすように構成される、1つまたは複数のスペーサを備え得る。
【0075】
装置はさらに、第1の電極、第2の電極、および第3の電極から検知された信号をワイヤレス遠隔通信デバイスに送信するように構成される、Bluetooth(登録商標)または超音波送信機を備え得る。
【0076】
本開示の態様はまた、ワイヤレス遠隔通信デバイスとともに使用するための心電図(ECG)検出装置を提供する。装置は、遠隔通信デバイスを覆って適合するように構成されるケースを備え得る。ケースは、外側背面と、背面に垂直な少なくとも2つの外側側面と、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面をそれを通じて見ることができる前部領域と、を有し得る。装置はさらに、少なくとも2つの外側側面のうちの1つの上にあり、またはそれに隣接する第1の電極と、外側背面の上にあり、外側接触面を有する第2の電極と、外側背面の上にあり、外側接触面を有する第3の電極と、第1の電極、第2の電極、および第3の電極から検知された信号をワイヤレス遠隔通信デバイスに(たとえば、Bluetooth(登録商標)または超音波を介して)ワイヤレスに送信するように構成される送信機と、を備え得る。第2の電極および第3の電極の外側接触面は、外側背面がテーブル表面に面した状態でケースがテーブル表面に置かれるときに、第2の電極および第3の電極の外側接触面がテーブル表面に接触しないように、外側背面の少なくとも一部分に対してくぼんでいてもよい。
【0077】
本開示の態様はまた、ケースの外側表面に3つの電極を有するハンドヘルドワイヤレス遠隔通信デバイスケースを使用して、患者から心電図(ECG)を生成する方法を提供する。患者は、ケース上の3つより多くの電極に接触しないように、ケースの裏の第2の電極を右手で、ケースの裏の第3の電極を左手で同時に触れながら、ケースの横に沿って延びている第1の電極を脚に対して保持するように指示され得る。第3の電極と第2の電極との間で、ECGの第1のリード信号(リードI)が検出され得る。第2の電極と第1の電極との間で、ECGの第2のリード信号(リードII)が検出され得る。第1の電極と第3の電極との間で、ECGの第3のリード信号(リードIII)が検出され得る。
【0078】
本開示の態様はまた、ケースの外側表面に3つの電極を有するハンドヘルドワイヤレス遠隔通信デバイスケースを使用して、患者から心電図(ECG)を生成する方法を提供する。患者は、ケース上の3つより多くの電極に接触しないように、第2の電極を右手で、第3の電極を左手で同時に触れながら、ケースの第1の電極を脚に対して保持するように指示され得る。第3の電極と第2の電極との間で、ECGの第1のリード信号(リードI)が検出され得る。第2の電極と第1の電極との間で、ECGの第2のリード信号(リードII)が検出され得る。第1の電極と第3の電極との間で、ECGの第3のリード信号(リードIII)が検出され得る。リード信号は、ケースから遠隔通信デバイスにワイヤレスに(たとえば、Bluetooth(登録商標)を介して)送信され得る。
【0079】
Bluetooth(登録商標)または超音波を使用してユーザから記録された情報(たとえば、ECG情報)を確実にかつ便利に伝送できる、ウェアラブルリストレットデバイスも本明細書において説明される。このデータをセキュアにかつ確実に受信する能力がある観察ステーションとしてモバイルコンピューティング/遠隔通信デバイスを構成して動作させるための制御論理を含む、観察ステーションも説明される。
【0080】
一般に、1つまたは複数のセンサ、マイクロプロセッサ、超音波周波数を届けることが可能なトランスデューサ(すなわち、圧電スピーカー)を有する、ウェアラブル(たとえば、リストレット)デバイスから(および場合によってはそれに)デジタルおよび/またはアナログデータを送信するための、デバイス、システム、および方法が本明細書において説明される。デジタル的に送信されたデータは、遠隔通信デバイス(たとえば、個人用遠隔通信デバイス、iPhone(登録商標)、DROID(登録商標)、または他のスマートフォンなどの電話、iPad(登録商標)または他のパーソナルコンピュータ、PDAなど)などの、マイクロフォンを有する受信デバイスによって受信されてもよく、マイクロフォンは、超音波周波数範囲(たとえば、17kHzより高い、18kHzより高い、約16kHzと約22kHzとの間、約17kHzと約30kHzとの間、約18kHzと32kHzとの間、約17kHzと42kHzとの間など)においてオーディオを受信する能力がある。送信されるデジタル情報は、以下でより詳しく説明されるように符号化および/または暗号化され得る。加えて、情報は暗号化の前に圧縮(データ圧縮)され得る。
【0081】
ウェアラブルデバイスと観察ステーション(たとえば、スマートフォン)との間の単純な双方向通信を実行するための様々な方法を含む、片方向通信(たとえば、リストレットからデバイス)と双方向通信との両方が企図される。
【0082】
便座などのデバイスから、受信機として構成される遠隔通信デバイスに、デジタル情報をセキュアに送信するための、デジタルモデムおよびデジタルモデムのプロトコルと論理とも本明細書において説明される。
【0083】
超音波モデムとして構成されるマイクロコントローラを含む、装着者についての活動情報および/または健康情報を検知するための、1つまたは複数のセンサを含む便座および他のデバイスが本明細書において説明される。いくつかの変形では、マイクロコントローラは、スピーカー(たとえば、圧電スピーカー素子)からのデータの超音波送信をデバイスが駆動することを可能にする論理(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの何らかの組合せ)を含む。超音波モデムとして動作するようにマイクロコントローラを構成し、または適合させる方法も説明される。たとえば、いくつかの変形では、マイクロコントローラは、超音波モデムとして動作するようにプログラムされ得る。超音波モデムは、ハイブリッドデジタルおよびアナログフォーマットとして、伝送されるべき情報をフォーマットするように構成され得る。いくつかの変形では、超音波モデムは、暗号鍵を使用して情報を暗号化する超音波モデムコンポーネントであり得る。
【0084】
超音波デジタルモデムによって音響的に送信される超音波デジタルデータを受信するように構成される受信機も、本明細書において説明される。一般に、遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)は、超音波デジタルデータを受信するための受信機として動作するように構成され得る。したがって、遠隔通信デバイスは、デジタル超音波モデムから超音波送信によって送信されるデータを受信し、復号し、解釈し、表示し、分析し、記憶し、かつ/または送信するように構成される、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを含み得る。いくつかの変形では、論理(たとえば、クライアントソフトウェアおよび/またはファームウェア、アプリケーションなど)は、遠隔通信デバイスがデジタル超音波データのための受信機として動作し得るように、遠隔通信デバイス上で実行され得る。したがって、デジタル超音波モデムによって送信されるデータを受信して解釈する(たとえば、復号する)ための実行可能論理、およびデジタル超音波モデム実行可能論理によって送信されるデータを受信して解釈する(たとえば、復号する)ための実行可能論理を含むデバイスが、本明細書において説明される。
【0085】
デジタル超音波モデムを含むように構成される、具体的なデバイスおよびシステムが本明細書においてさらに説明される。これらのデバイスのいずれもが、デジタル情報のソース(たとえば、医療用センサまたはデバイス(たとえば、体温計、パルスオキシメータなど)、音声トランスデューサ(たとえば、超音波信号を放出することが可能なスピーカー)、および音声トランスデューサにより送信されるべき超音波信号としてデジタル情報のソースからのデジタル情報を符号化するように構成されるコントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)などのデバイス)を含み得る。いくつかの変形では、音声トランスデューサは、可聴の(たとえば、超音波より低い)音(たとえば、正常な人の聴覚範囲内でブザー音またはビープ音などを鳴らすための)ならびに超音波周波数(たとえば、17kHzより高い)の両方を放出するように構成される。
【0086】
ある例では、Texas InstrumentのAFE4110デジタル体温計が、体温データを符号化し、体温計からある距離に位置する遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)に超音波で送信するために、説明されるように改造されていることが本明細書において説明される。デバイスのマイクロコントローラ(Texas InstrumentsのMSP430タイプコントローラ)は、接続された圧電スピーカーでの送信のためにデータ信号を(マイクロプロセッサを介して)符号化することによって超音波デジタルデータを送信するための、超音波モデムを含むように構成されている。スピーカーは、体温計に内蔵されているものと同じスピーカーであってもよく、体温が安定していることをユーザに(たとえば、人の正常な聴覚範囲にある)音で知らせるために使用されてもよい。したがって、体温計からのデータを処理し、超音波周波数範囲(たとえば、>17kHz)において圧電スピーカーで符号化された信号を送信するように、マイクロコントローラの中の制御論理を実行することによって、非常に低コストでデジタル超音波モデムを含むように体温計を改造することができる。体温計は、受信側遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)により読み取られ得るデバイスの外側に印刷されたセキュリティキー(たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)など)を含み得る。
【0087】
たとえば、いくつかの変形では、医療用センシングデバイスと、医療用センシングデバイスにより受信された生物学的パラメータを情報のさらなる処理および/または送信が行われ得る1つまたは複数の遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)へデジタル的に送信するために超音波を使用するようなデバイスを含むシステムと、が、本明細書において説明される。実行可能論理は、医療用センシングデバイスが生物学的パラメータ情報をさらなる処理のために遠隔通信デバイスに超音波で送信できるように医療用センシングデバイスを適合させるための、アダプタとも呼ばれ得る。遠隔通信デバイスが超音波で符号化される健康メトリクス情報信号を受信して変換できるように、遠隔通信デバイスとともに使用するためのシステムおよび/またはサブシステムも説明される。これらのサブシステムは、遠隔通信デバイスによってアップロードされ、記憶され、かつ/または分析され得るデジタル信号へと超音波健康情報(または生物学的パラメータ)信号を変換するために遠隔通信デバイス(たとえば、電話)上で実行されることになる、クライアントソフトウェア(たとえば、アプリケーション)を含み得る。
【0088】
医療用センシングデバイスは、患者のバイタルなどの生物学的パラメータを受信するための任意のデバイスであり得る。生物学的パラメータは、バイオメトリックデータとも呼ばれ得る。たとえば、医療用センシングデバイスは、体温計、血圧トランスデューサ、グルコースモニタ、パルスオキシメータ、心拍数計、歩数計、活動モニタ、ハイドレーションモニタなどであり得る。本明細書において言及される医療用センシングデバイスまたはシステムは、生物学的パラメータの数値的(たとえば、デジタル)表現を表示できるので、通常はデジタルシステムである。たとえば、デバイスは、ユーザに表示され、または別様に提示され得るデジタル信号へとアナログの生物学的パラメータ(たとえば、体温、血糖、血圧、または任意の他の健康メトリクス情報)を変換し得る。たとえば、医療用センシングシステムは、被験者の体温を測るためのデジタル体温計、患者の血圧を提示するためのカフ、血糖(グルコース)モニタ、パルスオキシメータなどを、これらのデバイスの組合せを含めて含み得る。家庭用の医療用センシングシステムまたはデバイス、とりわけ、患者からの生物学的パラメータを観察または収集するセンサを有し、情報をディスプレイに提示するものが、特に関心の対象である。
【0089】
以下でより詳しく説明されるように、いくつかの変形では、デバイスおよびシステムは、デジタル(たとえば、抽出されたおよび/または英数字の)情報とアナログ(たとえば、グラフィカル)情報との両方のハイブリッドを情報が含むように、情報をフォーマットおよび/または符号化する。本明細書において使用される場合、「アナログ」という語は、順番に並べられて変化または傾向を示すためにグラフィカルに表示され得る情報を指す。アナログ情報は、定量化される可変の物理レベル(たとえば、経時的に変化する変数)を指し得る。実際の情報はデジタルであり得るが(たとえば、連続値から離散値に変換することによって)、それでも本明細書では「アナログ」と呼ばれることがあり、それは、経時的な1つまたは複数のパラメータの変化、距離、または何らかの他の変動を表すからである。
【0090】
超音波信号(たとえば、アナログ、デジタル、ハイブリッドデジタル/アナログなど)として送信される情報のいずれもが暗号化され得る。たとえば、情報は暗号鍵を使用して暗号化され得る。暗号鍵は、超音波信号を送信するデバイスに表示され、または別様に、デバイス上で利用可能にされ、もしくはデバイスによって利用可能にされ得る。一般に、暗号鍵は、ある遠隔通信デバイスへと入力されてもよく、それにより、その特定のデバイスが次いで、超音波モデムを含むデバイスとペアリングされ、情報を受信して復号してもよい。データの暗号化は、患者の取り扱いに注意を要する情報の保護を可能にし得る。暗号化は、適切に符号化されるものに受信された信号を制限できるので、システムのノイズを減らすこともできる。
【0091】
本明細書において使用される場合、生物学的パラメータまたは情報は、医療用センシングシステムによって処理され、検知され、かつ/または計算される任意の患者情報、特にデジタル的に符号化された生物学的パラメータを含み得る。たとえば、生物学的パラメータは、体温、血圧、血糖レベル、pH、酸素飽和度、心拍数、呼吸数、または任意の他の生物学的な測定結果、特に、診断および健康観察を含む症例に関連するものを含み得る。
【0092】
本明細書において使用される場合、遠隔通信デバイスは、スマートフォン(たとえば、iPhone(登録商標)、droid(登録商標)、または他の個人用通信デバイス)、タブレットコンピュータ(たとえば、iPad(登録商標)、タブレットPCなど)、および/または超音波音声を受信することが可能なマイクロフォンを含む(または含むように適合され得る)デスクトップコンピュータを含む。遠隔通信デバイスは、表示され、アップロード/送信され、記憶され、かつ/または分析され得るデジタル信号へと超音波音声によって符号化されるデジタル信号を変換するための論理を含み得る。
【0093】
したがって、いくつかの変形では、デジタル生物学的パラメータを超音波で送信するための医療用センシングデバイスが本明細書において説明される。いくつかの変形では、デバイスは、患者から生物学的パラメータを検出するためのセンサと、超音波音声信号として生物学的パラメータのデジタル表現を符号化するためのプロセッサと、プロセッサから超音波音声信号を送信するための超音波トランスデューサと、を含み得る。
【0094】
たとえば、センサは、生物学的パラメータを変換するためのトランスデューサ(体温センサ、圧力センサなど)であり得る。デバイスはまた、センサから信号を処理するためのコントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)を含み得る。プロセッサは、検知および/または処理された患者の生物学的パラメータ情報から信号を生成する信号生成器を含んでもよく、信号は送信のために符号化されてもよい。信号はデジタルパケット(たとえば、ワード、バイトなど)として符号化されてもよい。たとえば、信号は、スタートビット、ストップビット、生物学的パラメータのタイプまたはソースを識別する情報ビット(たとえば、パケット識別子)、生物学的パラメータのデジタル表現、およびいくつかの変形では巡回冗長検査(CRC)部分を含み得る。いくつかの変形では、信号(バイオメトリック測定またはデータ部分を含む)は、タイムスタンプおよび/またはデートスタンプを有し得る。
【0095】
言及されたように、いくつかの変形では、システムは、情報を暗号化し、暗号化された情報のみを送信するように構成され得る。遠隔通信デバイスは、(たとえば、暗号鍵を記述する数字を取り込み、かつ/または分析することによって)暗号鍵を直接受信するように構成され得る。
【0096】
いくつかの変形では、システムまたはデバイスは、測定が時間xに行われ、デバイス(たとえば、体温計、血糖値計など)に記憶され、後で超音波で遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォンまたはタブレット)に送信され、最終的に(たとえば、クラウドに)アップロードされるように、構成され得る。いくつかの変形では、いくつかのタイムスタンプ/デートスタンプされた測定結果が、デバイスに記録されてもよく、遠隔通信デバイスへとバーストで一緒に送信され得る。以下でより詳しく説明されるように、デバイスはいくつかの変形では主に片方向(たとえば、バイオメトリックデバイスから遠隔通信デバイスにデータを送信する)であってもよく、デバイスは、少なくとも、遠隔通信デバイスの近くにあることの確認信号および/またはインジケータを受信するように構成され得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサはまた、遠隔通信デバイスから確認信号を受信するように構成され得る。確認は、送信されたメッセージ(データ)を遠隔通信デバイスが受信したこと、または遠隔通信デバイスが送信されたデータを受信する準備ができていること、または両方を示し得る。
【0097】
超音波トランスデューサは、圧電水晶トランスデューサを含む任意の適切なトランスデューサであり得る。
【0098】
いくつかの変形では、デジタル生物学的パラメータを超音波で送信するためのシステムは、生物学的パラメータを検出するためのセンサ、超音波音声信号として生物学的パラメータのデジタル表現を符号化するためのプロセッサ、および超音波音声信号を送信するための超音波トランスデューサを有する、医療用センシングデバイスと、遠隔通信デバイスによって実行され、超音波音声信号を受信し、それを生物学的パラメータのデジタル表現に戻すように構成されるクライアント制御論理と、を含む。
【0099】
プロセッサは、限定はされないが周波数偏移変調を含む、任意の適切な信号処理技法の使用により、デジタル生物学的パラメータ信号(典型的には数値である)の一部または全体を超音波信号へと変換し得る。
【0100】
クライアント制御論理は、(ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアなどであり得るが)ソフトウェア、またはクライアントアプリケーションとも呼ばれ得る。クライアント制御論理は、遠隔通信デバイス上で実行され得る。クライアント制御論理はまた、生物学的パラメータのデジタル表現を他のデバイスに渡すための、たとえばそれを、たとえばウェブサイトまたはサーバにアップロードするための、コンポーネントを含み得る。いくつかの変形では、クライアント制御論理は、遠隔通信デバイス上でローカルに情報を表示し、または別様に提示するように構成され得る。
【0101】
デジタル健康パラメータを送信するためのシステムも本明細書において説明され、システムは、超音波トランスデューサであって、約17kHzより高い周波数(たとえば、19kHz、または20kHzを中心とする)において屋外の環境で信号を送信することが可能である、超音波トランスデューサと、生物学的パラメータのデジタル表現に対応する超音波信号を生成するように構成される信号生成器と、を備え、識別子は約17kHzより高い少なくとも1つの周波数(たとえば、19kHz、または20kHzを中心とする)と関連付けられる。
【0102】
ある例として、さらなる処理および送信のために、デジタル温度情報を遠隔通信デバイスに超音波で送信するためのデジタル体温計が、本明細書において説明される。デジタル体温計は、患者の体温を検知するための体温センサと、患者の体温のデジタル表現に対応する信号を生成するための信号生成器と、19kHzより高い1つまたは複数の周波数を備える超音波信号として患者の体温のデジタル表現を送信するための超音波トランスデューサと、を含み得る。体温計は、ユーザおよび/もしくは超音波信号を受信するように構成される遠隔通信デバイスが撮影することができる、かつ/または見ることができる、体温計の外側にある暗号鍵を含み得る。
【0103】
一般に、デジタルデータを超音波でセキュアに送信するためのデジタル超音波モデムデバイスが、本明細書において説明される。そのようなデバイスは、マイクロプロセッサ、超音波トランスデューサ、デバイス上に位置する暗号鍵、および17kHz以上の周波数での超音波トランスデューサによる音響送信のためにデジタルデータを構成する超音波送信論理を含んでもよく、超音波送信論理はさらに、暗号鍵に従ってデジタルデータを暗号化するように構成される。
【0104】
あらゆる適切な超音波トランスデューサが使用され得る。たとえば、超音波トランスデューサは圧電スピーカーであり得る。
【0105】
言及されたように、暗号鍵は、デバイス上に見えるように記されていてもよく、英数字コード、記号などとして構成されてもよい。たとえば、暗号鍵は、バーコード、QRコード(登録商標)などとして構成されてもよい。
【0106】
本明細書において説明されるシステムのいずれもが、データのセキュアな超音波送信のためのシステムとして構成されてもよく、超音波トランスデューサを備える超音波通信デバイス、超音波通信デバイス上に位置する暗号鍵、および17kHz以上の周波数での超音波トランスデューサによる音響送信のためにデジタルデータを構成する超音波送信論理を備える超音波通信デバイスであって、超音波送信論理がさらに、暗号鍵に従ってデジタルデータを暗号化するように構成される、超音波通信デバイスと、遠隔通信デバイス上で実行可能な復号論理と、を含んでもよく、遠隔通信デバイスは、超音波通信デバイスから超音波信号を受信するための受信機を備え、復号論理は、暗号鍵を受信し、暗号鍵を適用して超音波信号を復号するように構成される。
【0107】
一般に、暗号鍵は、超音波通信デバイス、デバイスの包装などの上で目に見えていてもよい。
【0108】
本明細書において説明されるこれらの変形のいずれにおいても、遠隔通信デバイスは、暗号鍵を入力するための入力を含んでもよく、これが情報を復号論理に提供してもよい。たとえば、入力は、暗号鍵(たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)など)の画像を撮影するためのカメラであってもよく、画像から暗号鍵を決定してもよい。いくつかの変形では、入力は、暗号鍵を手動で入力するための手動入力(たとえば、キーパッド、タッチスクリーンなど)を備える。
【0109】
超音波を使用して情報をセキュアに伝送する方法も、本明細書において説明される。たとえば、いくつかの変形では、方法は、超音波通信デバイスの外側表面に存在する暗号鍵を受信するステップと、超音波通信デバイスから暗号化された超音波信号を受信するステップと、暗号鍵で超音波信号を復号するステップと、を含む。
【0110】
いくつかの変形では、暗号鍵を受信するステップは、超音波通信デバイスの外側表面から暗号鍵を取得するステップを備える。超音波信号を復号するステップは、遠隔通信デバイスにおいて超音波信号を復号するステップを含み得る。言及されたように、暗号鍵を受信するステップは、遠隔通信デバイスのカメラを使用して暗号鍵を撮影するステップを備え得る。
【0111】
一般に、本明細書において説明されるシステムのいずれもが、ハイブリッドデジタルおよびアナログ符号化を使用し得る。たとえば、デジタルとアナログとの両方の超音波データ(ハイブリッドデジタルおよびアナログデータ)の送信のためのデバイスは、マイクロプロセッサと、超音波トランスデューサと、17kHz以上の周波数での超音波トランスデューサによる音響送信のために、アナログデータに付加されるデジタルデータを備える信号を生成するように構成される、ハイブリッド送信論理と、を含み得る。
【0112】
上で言及されたように、情報は周波数偏移変調(FSK)を用いて符号化され得る。FSKデジタルデータは、FSKによって符号化されていないが、ハイブリッドデジタル/アナログ信号を形成するように周波数変調されている、アナログデータに付加され得る。
【0113】
これらの変形のいずれにおいても、デバイスは、患者から生物学的パラメータを検出するためのセンサ、および/または、アナログデータからデジタルデータを抽出するように構成されるマイクロプロセッサを含み得る。いくつかの変形では、デジタルデータは、アナログデータのための較正データ(たとえば、最小値、最大値、可変の間隔(たとえば、時間間隔)、目盛りなど)を備える。アナログデータは、EEG、経時的な被験者の体温、経時的な被験者のグルコースレベル、経時的な被験者の血圧、経時的な被験者の酸素レベル、または経時的な被験者の身体的活動などの、デバイスセンサから典型的に測定される任意の適切な信号を備え得る。
【0114】
超音波を使用して、ハイブリッドデジタルおよびアナログ信号を送信する方法も、本明細書において説明される。たとえば、方法は、17kHzより高い周波数で変調される周波数変調された信号を備えるアナログ信号に付加される、周波数偏移変調(FSK)を用いて符号化されるデジタルデータを備える超音波信号を生成するステップと、超音波トランスデューサを使用して信号を音響的に送信するステップと、を含み得る。
【0115】
方法はまた、患者から生物学的パラメータを検出するステップを含んでもよく、アナログ信号は生物学的パラメータを備える。方法はまた、アナログ信号からデジタルデータを抽出するステップを含み得る。アナログ信号は、EEG、経時的な被験者の体温、経時的な被験者のグルコースレベル、経時的な被験者の血圧、経時的な被験者の酸素レベル、または経時的な被験者の身体的活動を備え得る。
【0116】
いくつかの変形では、方法はまた、超音波オーディオピックアップを有する遠隔通信デバイス上で超音波信号を受信するステップを含む。
【0117】
本明細書において説明される変形のいずれにおいても、超音波信号は送信の前に記憶され得る。本明細書において説明される変形のいずれもが、誤り訂正符号を用いて符号化され得る。方法はまた、超音波信号を再送信するステップを含んでもよく、信号は固定された回数再送信されてもよく、または信号は継続的に再送信されてもよい。いくつかの変形では、超音波通信デバイスと、超音波信号を受信および/または復号するための実行可能論理を含む遠隔通信デバイスと、の間で、双方向通信が使用され得る。したがって、いくつかの変形では、遠隔通信デバイスは、信号を超音波通信デバイスに返すように構成され得る。超音波通信デバイスは受信機を含んでもよく、または、送信機(たとえば、圧電素子)で信号を受信するように適合されてもよい。
【0118】
モバイル遠隔通信デバイスまたは複数のデバイスにECG情報を送信するように構成されるECG検知リストレットも、本明細書において説明される。
【0119】
たとえば、そのようなデバイスを装着する被験者から心電図(ECG)信号を取得し、この情報をモバイル遠隔通信デバイスに超音波で送信するための、ワイヤレスのウェアラブルリストレットデバイスが、本明細書において説明される。リストレットデバイスは、手首に合うように構成されるリストレット本体と、被験者からECG信号を検出するための2つ以上の電極と、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに結合され、2つ以上の電極からECG信号を受信し、約17kHzより高い周波数での超音波トランスデューサによる送信のために超音波信号として送信されるように信号を符号化するように構成される、プロセッサと、を含み得る。
【0120】
リストレット本体は、ストラップ(たとえば、任意のタイプのウォッチのストラップ)、バンド、ブレスレットなどとして構成され得る。いくつかの変形では、リストレットは、上を向いた状態で被験者の手首の上に装着され得る「表」領域を含む。リストレットは、電極のペア(または2つより多くの電極)を含み得る。たとえば、いくつかの変形では、リストレットは、リストレットが装着されているときに装着者の手首の方を向いている内側電極を含むので、内側電極は、装着されると装着者の皮膚に確実に接触し得る。第2の電極は、リストレットの表または横に配置され得る。この第2の電極は、装着者がリストレットに反対の手/腕で触れることを可能にするように構成され得る。いくつかの変形では、第3の電極はリストレットに配置され得る。たとえば、第3の電極は、リストレットの横にあってもよく、被験者が第3の電極を体の別の部分(たとえば、胸、脚など)に触れさせることができるように構成されてもよい。
【0121】
プロセッサは、約17kHzと約30kHzとの間の周波数(または、16kHzより高い、17kHzより高い、18kHzより高いなどを含む、本明細書において規定される他の範囲のいずれか)での超音波トランスデューサによる送信のために、超音波信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。一般に、プロセッサは、アナログ信号に付加されるデジタル情報を備えるハイブリッド信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。
【0122】
デバイスはまた、モバイル遠隔通信デバイスからの超音波信号を含む信号(たとえば、超音波信号)を受信するように構成され得る。いくつかの変形では、デバイスはさらに、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成される超音波受信機を備える。これはまた、デバイス間の情報のペアリング(たとえば、同期、情報の伝送の確認などのための)を作り出し得る。別々の受信超音波トランスデューサが使用されてもよく、または、同じ超音波トランスデューサが送信と受信との両方を行うように構成されてもよい。たとえば、超音波トランスデューサは、超音波信号としてプロセッサから信号を送信し、超音波信号を(たとえば、モバイル遠隔通信デバイスから)受信するように構成されてもよい。
【0123】
いくつかの変形では、本明細書において説明されるデバイス(リストレット)は、極めて低い電力で動作するように構成され得る。上で言及されたように、デバイスは、1.8V未満の電圧を有する電池を含み得る。
【0124】
一般に、本明細書において説明されるデバイスは一般に、リアルタイムで動作するように構成され得る。具体的には、ECG情報はリアルタイムで受信され送信され得る。モバイル遠隔通信デバイスは、リアルタイムで表示(および/または再送信)し得る。たとえば、プロセッサは、符号化されたECG信号をリアルタイムで送信するように構成され得る。
【0125】
一般に、リストレットデバイスのいずれもが、ディスプレイもしくは出力なしで、または可聴の出力(たとえば、ビープ、トーン)のみを伴って、またはLED(たとえば、単純なインジケータ光)のみを伴って構成され得る。代わりに、デバイスは、信号を表示するために、かつ場合によっては分析するために、モバイル遠隔通信デバイスなどの基地局との通信に依存し得る。たとえば、デバイスは、モバイル遠隔通信デバイスといつ通信しているかを示すインジケータを含み得る。したがって、ECG情報を表示するためのディスプレイを含まないリストレットデバイスは、デバイスをより小さくし、軽くし、デバイスの製造および動作をより安価にし得る。
【0126】
さらに、いくつかの変形では、デバイスは、データ、たとえばECGデータの大半を記憶し、携帯電話などの受信機がそれを受信する準備ができるとそれを送信するように構成され得る。したがって、これらの変形のいずれもが、タイムスタンプ/デートスタンプ、ユーザ入力データなどの、追加の情報を付加し得る。したがって、いくつかの変形では、デバイスはさらに、プロセッサに結合され、後で送信するために符号化された信号を記憶するように構成される、メモリを備える。
【0127】
いくつかの変形では、上で論じられたように、プロセッサは、デジタル信号として送信されるべき信号を符号化するように構成される。
【0128】
一般に、デバイス(たとえば、プロセッサ)はまた、モバイル遠隔通信デバイスがデバイスから符号化された信号をいつ受信したかを決定するように構成され得る。
【0129】
本明細書において説明されるリストレットデバイスはまた、時計として構成されてもよく、ウォッチの文字盤などを含んでもよい。
【0130】
デバイスを装着する被験者から心電図(ECG)信号を検出し、この情報をモバイル遠隔通信デバイスに超音波で送信するための、ワイヤレスのウェアラブルリストレットデバイスも本明細書において説明され、リストレットデバイスは、手首に合うように構成されるリストレット本体と、被験者からのECG信号を検出するための2つ以上の電極と、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに結合され、2つ以上の電極からECG信号を受信し、約17kHzを超える周波数での超音波トランスデューサによる送信のためにECG信号のアナログ表現に付加されるデジタル情報を備えるハイブリッド超音波信号として送信されるべき信号を符号化するように構成される、プロセッサと、を備える。
【0131】
本明細書において説明されるように、ハイブリッド超音波信号は、周波数偏移変調(FSK)を用いてデジタル情報を符号化し、FSKデジタル信号を、FSKにより符号化されていないが周波数変調されているアナログ信号に付加するように構成され得る。たとえば、プロセッサは、ECG信号からデジタル情報を抽出するように構成され得る。いくつかの変形では、デジタル情報は、アナログ信号のための較正データを備える。プロセッサは、本明細書において説明されるもの、たとえば約17kHzと約30kHzとの間の周波数などの、任意の適切な超音波周波数(たとえば、正常な可聴範囲を超える周波数)での超音波トランスデューサによる送信のために、超音波信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。
【0132】
これらのデバイスの変形のいずれにおいても、デバイスは、超音波信号の送信と受信との両方を行うように構成され得る。たとえば、デバイスは、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成される超音波受信機を含み得る。いくつかの変形では、超音波信号(たとえば、ECG信号)を送信するために使用されるのと同じトランスデューサが、超音波信号を受信する(たとえば、送信に対する要求、送信の確認、再送信に対する要求などを受信する準備ができている)ようにも構成され得る。超音波トランスデューサは、超音波信号としてプロセッサからの信号を送信し、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成され得る。
【0133】
デバイスを装着する被験者から心電図(ECG)信号を検出し、この情報をモバイル遠隔通信デバイスに超音波で送信するための、ワイヤレスのウェアラブルリストレットデバイスも本明細書において説明され、リストレットデバイスは、手首に適合するように構成されるリストレット本体と、被験者からECG信号を検出するための2つ以上の電極と、超音波信号を送信して受信するように構成される超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに結合され、2つ以上の電極からECG信号を受信し、約17kHzを超える周波数での超音波トランスデューサによる送信のために超音波信号として送信されるべき信号を符号化するように構成される、プロセッサと、を備える。さらにプロセッサはモバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成される。
【0134】
本開示の態様はまた、デバイスを装着する被験者から心電図(ECG)信号を検出し、この情報をモバイル遠隔通信デバイスにワイヤレスに(たとえば、超音波で)送信するための、ワイヤレスのウェアラブルリストレットデバイスを提供する。リストレットデバイスは、手首に適合するように構成されるリストレット本体と、被験者からECG信号を検出するための2つ以上の電極と、ワイヤレス(たとえば、超音波)トランスデューサと、プロセッサと、を備え得る。プロセッサは、ワイヤレストランスデューサに結合されてもよく、2つ以上の電極からECG信号を受信し、ワイヤレス信号として送信されるべき信号(たとえば、約17kHzを超える周波数での超音波トランスデューサによる送信のための超音波信号)を符号化するように構成されてもよい。
【0135】
プロセッサは、約17kHzと約30kHzとの間の周波数での超音波トランスデューサによる送信のために超音波信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。プロセッサは、アナログ信号に付加されるデジタル情報を備えるハイブリッド信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。デバイスはさらに、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成される超音波受信機を備え得る。超音波トランスデューサは、超音波信号としてプロセッサから信号を送信し、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成され得る。
【0136】
デバイスはさらに、1.8未満の電圧を有する電池を備え得る。プロセッサは、符号化されたECG信号をリアルタイムで送信するように構成され得る。デバイスはさらに、プロセッサに結合され、後で送信するために符号化された信号を記憶するように構成される、メモリを備え得る。プロセッサは、デジタル信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。デバイスはさらに、デバイスがモバイル遠隔通信デバイスといつ通信しているかを示すインジケータを備え得る。プロセッサはさらに、モバイル遠隔通信デバイスがデバイスから符号化された信号をいつ受信したかを決定するように構成され得る。デバイスは時計として構成され得る。
【0137】
本開示の態様はまた、デバイスを装着する被験者から心電図(ECG)信号を検出し、この情報をモバイル遠隔通信デバイスにワイヤレスに(たとえば、超音波で)送信するための、ワイヤレスのウェアラブルリストレットデバイスを提供する。リストレットデバイスは、手首に合うように構成されるリストレット本体と、被験者からECG信号を検出するための2つ以上の電極と、ワイヤレス(超音波)トランスデューサと、プロセッサと、を備える。プロセッサは、ワイヤレス(たとえば、超音波)トランスデューサに結合され、2つ以上の電極からECG信号を受信し、送信のためにECG信号のアナログ表現に付加されるデジタル情報を備えるハイブリッドワイヤレス(たとえば、超音波)信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。超音波トランスデューサは、約17kHzを超える周波数で信号を送信し得る。
【0138】
ハイブリッド超音波信号は、周波数偏移変調(FSK)を用いてデジタル情報を符号化し、FSKデジタル信号を、FSKにより符号化されていないが周波数変調されているアナログ信号に付加するように構成され得る。プロセッサは、ECG信号からデジタル情報を抽出するように構成され得る。デジタル情報は、アナログ信号のための較正データを備え得る。プロセッサは、約17kHzと約30kHzとの間の周波数での超音波トランスデューサによる送信のために超音波信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。超音波受信機は、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成され得る。超音波トランスデューサは、超音波信号としてプロセッサから信号を送信し、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成され得る。
【0139】
デバイスはさらに、1.8V未満の電圧を有する電池を備え得る。プロセッサは、符号化された信号をリアルタイムで送信するように構成され得る。デバイスはさらに、プロセッサに結合され、後で送信するために符号化された信号を記憶するように構成される、メモリを備え得る。プロセッサは、デジタル信号として送信されるべき信号を符号化するように構成され得る。デバイスはさらに、デバイスがモバイル遠隔通信デバイスといつ通信しているかを示すインジケータを備え得る。プロセッサはさらに、モバイル遠隔通信デバイスがデバイスから符号化された信号をいつ受信したかを決定するように構成され得る。デバイスは、時計として構成され得る。
【0140】
本開示の態様はまた、デバイスを装着する被験者から心電図(ECG)信号を検出し、この情報をモバイル遠隔通信デバイスにワイヤレスに(たとえば、超音波で)送信するための、ワイヤレスのウェアラブルリストレットデバイスを提供する。リストレットデバイスは、手首に合うように構成されるリストレット本体と、被験者からECG信号を検出するための2つ以上の電極と、超音波信号を送信して受信するように構成されるワイヤレス(たとえば、超音波)トランスデューサと、ワイヤレス(たとえば、超音波)トランスデューサに結合され、2つ以上の電極からECG信号を受信するように構成され、ワイヤレス(たとえば、超音波)による送信のためにワイヤレス(たとえば、超音波)信号として送信されるべき信号を符号化するように構成される、プロセッサと、を備え得る。超音波トランスデューサは、約17kHzを超える周波数で信号を送信し得る。プロセッサは、モバイル遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するように構成され得る。
【0141】
ウェアラブルコンピューティングデバイスはまた、リストレットまたはアームバンドの形態であってもよい。本開示の態様はまた、手首または腕に装着されるコンピューティングデバイスのための外部ハウジングまたはカバーを提供する。外部ハウジングまたはカバーは、被験者からECG信号を検出するための2つ以上の電極と、手首または腕に装着されるコンピューティングデバイスにECG信号を送信するためのワイヤレス送信機と、を備え得る。
【0142】
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願が、各々の個々の刊行物、特許、または特許出願が参照によって組み込まれるものとして明確にかつ個別に示されるかのように、同じ程度参照によって本明細書に組み込まれる。
【0143】
ユーザフレンドリーに、かつ便利に、バイオメトリックパラメータまたは生理学的パラメータを測定して観察するためのデバイス、システム、および方法が開示される。
【0144】
本開示は、以下の説明において記載される構成、実験、例示的なデータ、および/またはコンポーネントの配置の詳細に、適用例が限定されないことを理解されたい。本開示の発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行されることが可能である。また、本明細書において採用される用語は、説明が目的であり、限定するものとして見なされるべきではないことを理解されたい。
【0145】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明において、本開示のより完全な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示内の概念は、これらの具体的な詳細なしで実践され得ることが当業者には明らかであろう。他の事例では、説明を不必要に複雑にするのを避けるために、よく知られている特徴は詳しく説明されていない。
【0146】
ECGモニタのフォームファクタおよび使用方法
図1は、ユーザUSの1つまたは複数のバイオメトリックパラメータまたは生理学的パラメータを測定して観察するためのシステム1000の概略図を示す。システム1000は、コンピューティングデバイス1100と、コンピューティングデバイス1100に結合するための、またはそれに取り外し可能に取り付けられる、外部センサデバイス1200と、を備え得る。コンピューティングデバイス1100は、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ(Apple iPad(登録商標)、Apple iPod(登録商標)、Google Nexusタブレット、Samsung Galaxyタブレット、Microsoft Surfaceなど)、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン(Apple iPhone(登録商標)、Google Nexus phone、Samsung Galaxyスマートフォンなど)、またはウェアラブルコンピューティングデバイス(Google Glass、Samsung Galaxy Gear Smart Watchなど)のうちの1つまたは複数を備え得る。多くの実施形態において、コンピューティングデバイスは、タブレットコンピュータまたはスマートフォンを備える。外部センサデバイス1200は、コンピューティングデバイス1100に取り外し可能に結合するように構成されてもよく、タブレットコンピュータケースまたはスマートフォンのケースもしくはカバーなどの、コンピューティングデバイスを覆うためのカバーを備えてもよい。この方式では、ユーザUSが自分のコンピューティングデバイス1100を交換し、または買い替える際に、外部センサデバイス1200を交換する必要がないことがある。すなわち、ユーザが有し得る様々なコンピューティングデバイス1100に対して、ユーザは同じ外部センサデバイス1200を使用することができる。
【0147】
コンピューティングデバイス1100は、プロセッサ1110、RAMモジュールなどのメモリユニット1120、データストレージユニット1130(たとえば、フラッシュメモリモジュール、ハードドライブ、ROMなど)、(たとえば、GSM、GSM plus EDGE、CDMA、quadband、または他のセルラープロトコルを使用して)セルラーデータネットワークと接続するように構成されるネットワークインターフェース1140、またはWiFi(登録商標)(たとえば、802.11プロトコル)ネットワーク、たとえばローカルインターフェース1150、データストレージユニット1130に記憶され、メモリユニット1120にロードされ、プロセッサ1110によって実装され得るオペレーティングシステム1160、オンラインアプリケーション配信プラットフォームからダウンロードされる第1のモバイルソフトウェアアプリケーション(「モバイルアプリ」)などの第1のアプリケーション1170、オンラインアプリケーション配信プラットフォームからダウンロードされる第2のモバイルソフトウェアアプリケーション(「モバイルアプリ」)などの第2のアプリケーション1180、およびユーザインターフェース1190を備え得る。たとえば、オンラインアプリケーション配信プラットフォームは、Apple App Store、Google Play、Windows Phone Store、BlackBerry App Worldなどであり得る。オペレーティングシステム1160は、コンピューティングデバイス1100を動作させるための命令を備え得る。ユーザインターフェース1190は、オペレーティングシステム1160、第1のアプリケーション1170、または第2のアプリケーション1180の1つまたは複数のコンポーネントを表示するためのディスプレイ1195を備え得る。たとえば、ディスプレイ1195は、オペレーティングシステム1160、第1のアプリケーション1170、または第2のアプリケーション1180を操作して制御するためのタッチスクリーンディスプレイであり得る。これらの要素のうちの1つまたは複数は、組み合わせられてもよく、または省略されてもよい。コンピューティングデバイス1100はさらに、動き検出コンポーネント、1つまたは複数のカメラ、追加のディスプレイ、電源、ファン、様々なI/Oポートなどの、他のコンポーネントを備え得る。
【0148】
外部デバイス1200は、センサ1210、プロセッサ1220、およびローカルインターフェース1230を備え得る。センサ1210は、たとえば、ユーザUSの1つまたは複数の生理学的パラメータを検知または検出するために、接続1215、物理的コンタクトを通じてユーザUSと結合するように構成される。一般に、1つまたは複数の生理学的パラメータは、ユーザの心拍数、心拍数の変動性、血圧、血圧の変動性、不整脈、振動性心臓図(SCG)、SCGパラメータ、心電図(ECG)、またはECGパラメータなどの、心臓パラメータを備える。他の生理学的パラメータも企図される。たとえば、センサ1210は、活動センサ、血糖センサ、血中酸素濃度センサ、体温計、呼吸センサ、代謝センサ、臭気検出器などを備え得る。プロセッサ1220は、検出された生理学的パラメータを受信し、それを、接続1235を通じてコンピューティングデバイス1100のローカルインターフェース1150に送信すべきローカルインターフェース1230のための信号へと処理し得る。接続1235は、USB接続、Firewire接続、Lightning接続などの有線接続を備え得る。代替として、または組み合わせて、接続1235は、特許文献13および14などにおいて説明されるような、WiFi(登録商標)接続、Bluetooth(登録商標)接続、低電力/エネルギーBluetooth(登録商標)接続、NFC(近距離通信)接続、近距離超音波通信接続などの、ワイヤレス接続を備え得る。
【0149】
第1のアプリケーション1170は、コンピューティングデバイス1100のストレージ1130に記憶され、コンピューティングデバイス1100のメモリ1120にロードされてもよく、プロセッサ1110およびオペレーティングシステム1160を使用して実行されてもよい。プロセッサ1110は、第1のアプリケーション1170からの命令のもとで、検出された生理学的パラメータを受信するためにコンピューティングデバイス1100のローカルインターフェース1150に結合され得る。さらに、プロセッサ1110は、第1のアプリケーション1170からの命令のもとで、コンピューティングデバイスのメモリ1120またはストレージ1130のうちの1つまたは複数に受信された生理学的パラメータを記憶し得る。記憶される生理学的パラメータは、後のアクセスおよび分析のために、タイムスタンプが押され、ユーザ識別情報でタグ付けされ得る。プロセッサ1100はまた、第1のアプリケーション1170からの命令のもとで、生理学的パラメータがユーザインターフェースのディスプレイ1195に表示されるようにし得る。たとえば、生理学的パラメータは、測定されるにつれてリアルタイムで表示され得る。第1のアプリケーション1170はまた、生理学的データを分析するためにプロセッサ1100によって実行されるアルゴリズムを備えてもよく、ユーザUSに解釈および分析を提示してもよい。たとえば、不整脈が検出される場合、プロセッサ1100は、第1のアプリケーション1170からの命令のもとで、ユーザUSに、または、ネットワークインターフェース1140を通じて医師、看護師、もしくは病院などの遠隔の健康管理提供者にも警告を出し得る。さらに、プロセッサは、第1のアプリケーション1170からの命令のもとで、自動的にネットワークインターフェース1140を通じて、遠隔のコンピューティングデバイス、リモートサーバ、または、医師、看護師、もしくは病院などの遠隔の健康管理提供者へ、生理学的データを送信するように構成され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、プロセッサ1110は、第1のアプリケーション1170または他のアプリケーションからの命令のもとで、測定された生理学的パラメータを使用して、ユーザを識別または認証し、ユーザの識別情報に基づいて動作を実行し得る。たとえば、ユーザは、ユーザの心拍の特性に基づいて認証され得る。ユーザの心臓の律動の特定の部分の時間長、ユーザの心電図(ECG)のピークの相対的なサイズ、または他の関連する振幅もしくは振幅の比が処理され、ユーザを認証するために記憶されているプロファイルと比較され得る。プロセッサ1100は、第1のアプリケーション1170または他のアプリケーションからの命令のもとで、基準プロファイルを生成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1100は、第1のアプリケーション1170または他のアプリケーションからの命令のもとで、測定された生理学的パラメータを使用して、ユーザの気分を決定して関連するデータを提供し得る。
【0151】
たとえば、ユーザUSの心臓の電気的活動が検出され分析され得る。典型的な心拍は、当技術分野において知られているようなP波、QRS複合波、T波、および場合によってはU波を含む、波および複合波へと分類され得るいくつかの電位の変動を含み得る。P波の形状および時間長は、ユーザの心房の大きさに関係することがあり(たとえば、心房拡大を示す)、ユーザに固有の心拍特性の第1の情報源であることがある。
【0152】
QRS複合波は、心室の脱分極に対応することがあり、Q波、R波、およびS波という3つの別個の波へと分けることができる。心室は心房よりも多くの筋肉を含むので、QRS複合波はP波より大きい。また、伝導速度を高めて心室の脱分極を協調させることができる心臓のHis/Purkinje系により、QRS複合波は丸まっているのではなく「スパイク状」に見えることがある。健康な心臓のQRS複合波の時間長は、60msから100msの範囲にあり得るが、伝導の異常により変動し得る。QRS複合波の時間長は、ユーザに固有の心拍特性の別の情報源として役立ち得る。
【0153】
Q波、R波、およびS波の各々の時間長、振幅、ならびに形態は、個人により異なることがあり、具体的には、心疾患または心臓の異常を有するユーザでは大きく異なることがある。たとえば、R波の高さの1/3より大きいQ波、または時間長が40msより長いQ波は、心筋梗塞を示すものであることがあり、ユーザの心臓の固有の特性を提供することがある。同様に、Q波とR波との他の健全な比が、異なるユーザの心拍を区別するために使用され得る。
【0154】
ユーザUSの心臓の電気的活動はまた、異なるユーザを区別するために使用され得る1つまたは複数の特徴的な時間長または間隔を含み得る。たとえば、心臓の電気的活動は、当技術分野において知られているようなPR間隔およびST部分を含むことがある。P波の最初からQRS複合波の最初までのPR間隔が測定され得る。PR間隔は通常、120msから200ms継続し得る。異なる時間長を有するPR間隔は、第1度房心ブロック(たとえば、PR間隔が200msより長く続く)、心室の早期の活動につながる副伝導路を介した早期興奮症候群(たとえば、PR間隔が120ms未満続く)、または別のタイプの房心ブロック(たとえば、可変のPR間隔)などの、心臓の1つまたは複数の心臓の不良を示し得る。たとえばQRS複合波とST部分との交点において開始し、T波の最初で終わる、QRS複合波からT波までのST部分が測定され得る。ST部分は通常、80msから120ms継続することがあり、普通はわずかに下に凸である。ST部分の長さ、およびST部分のくぼみまたは高まりの組合せも、各ユーザの心拍に固有の特性情報を生成するために使用され得る。
【0155】
T波は、心室の再分極または回復を表し得る。QRS複合波の最初からT波の頂点までの間隔は、絶対不応期と呼ばれ得る。T波の最後の半分は、相対不応期または受攻期と呼ばれ得る。T波の振幅、絶対不応期および相対不応期の時間長も、ユーザの心拍数の特性を定義するために使用され得る。
【0156】
QRS複合波の最初からT波の最後までの、心室が脱分極して再分極するために必要な全体の時間を表し得るQT間隔が測定され得る。QT間隔は通常、300msから450ms継続することがあり、ユーザの心拍数の条件に基づいて変化することがある。いくつかの補正係数が、心拍のQT間隔222を補正するために開発されている。測定されたQT間隔値と補正されたQT間隔値との両方が、ユーザの心拍の固有の特性を定義するために使用され得る。
【0157】
ユーザUSの心拍または心拍数は、ユーザUSの活動または気分に基づいてわずかに変化し得るので、各々の承認されたユーザUSは最初に、初めて使用する前に基本のもしくは標準的な心拍数、心拍、または電気的活動をデバイスに提供することができる。第1のアプリケーション1170は、この基準の測定値を記録するために、プロセッサ1110によって実行され得る。たとえば、外部デバイスまたはセンサ1200は、ユーザUSの心臓の電気的活動の変動を検出するために、いくつかの異なる時間においていくつかの心拍または電気的活動をサンプリングすることができる。このデータはコンピューティングデバイス1100に送信され得る。プロセッサ1110は次いで、第1のアプリケーション1170からの命令のもとで、検出された信号を処理して、ユーザUSの心臓の活動のいくつかの固有の特性を決定し、処理された特性の各々に対する適切な特性値の範囲を特定し得る。特性値および関連する範囲に基づいて、プロセッサ1110は、承認されたユーザUSの固有の心臓の活動プロファイルを定義するために、特性のうちの1つ、すべて、またはサブセットを選択することができる。特性および関連する範囲の特定の組合せは、他の承認されたユーザとの重複を最小限にするように選択されてもよく、または、ある平均的な値および平均的な範囲(たとえば、デバイスの平均的なユーザが有するであろう特性値および範囲を使用しない)の範囲内にない、特性値および範囲に基づいてもよい。
【0158】
システム1000は、生成されたプロファイルと比較されると、ユーザUSの心臓の測定された電気的活動に基づいてユーザUSを認証するために使用され得る。測定された電気的活動が生成されるプロファイルと一致する場合、プロセッサ1110は、オペレーティングシステム1160、第1のアプリケーション1170、または他のアプリケーションからの命令のもとで、ユーザUSを認証し得る。プロセッサ1110はまた、ユーザUSを識別して認証したことに応答して、任意の適切な動作を実行するように指示され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1110は、制限付きのアプリケーション、たとえば特定のユーザだけがライセンスを有するアプリケーション、または特定のユーザだけが購入したアプリケーションへのアクセスを提供するように指示され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1110は、承認されたユーザUSと関連付けられる特定のデータまたはアプリケーション設定へのアクセスを提供するように指示され得る。たとえば、プロセッサ1110は、識別されたユーザUSの連絡先リスト、または識別されたユーザUSの電子メールアカウント、または通話履歴へのアクセスを提供するように指示され得る。別の例として、プロセッサ1110は、ユーザUSがプライベートバンキングアプリケーションにアクセスすること、または電子デバイスを使用して金融取引(たとえば、資金を異なる口座に移すこと、または商品を購入すること)を行うことを可能にするように指示され得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1100は、カスタマイズされた標示をユーザに提供するためのユーザUSの設定およびプロファイルをロードすることができる。たとえば、コンピューティングデバイス1100は、ユーザによって設定される方式でアイコンまたはオプションを表示し、または、識別されたユーザと関連付けられるカラースキーム、フォント、または他のカスタマイズ可能な表示属性を使用して表示を行うことができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、システム1000は、検出された心拍数または心拍特性を使用して、ユーザUSの気分を決定することができる。具体的には、各ユーザUSと関連付けられる許容可能な決定された特性はある値の範囲を含み得るので、プロセッサ1110は、許容可能な特性範囲における検出された特性の分布を決定するように指示され得る。決定された分布を使用して、プロセッサ1110は、ユーザの気分を確立し、推定された気分と関連付けられる動作またはデータ(たとえば、メディア)を電子デバイスに提供することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1100は、ユーザUSの検出された気分または心臓の信号に基づいて、メディア再生を行うことができる。たとえば、コンピューティングデバイス1100は、ユーザUSの心臓の信号もしくは心拍数と関連付けられる、またはそれに関係する、毎分の拍動数または他の特性を有するメディアを特定し、特定されたメディアを再生することができる。別の例として、提供されるメディアは、ユーザにより激しく動くように(たとえば、運動中に)、またはユーザにクールダウンするように、もしくは落ち着くように(たとえば、運動の終わりに)指示するために、ユーザの現在の心拍数より速いまたは遅い毎分の拍動数を有し得る。
【0161】
本開示の態様はまた、ユーザUSの心臓の信号に基づいて、コンピューティングデバイスの動作を実行するためのプロセスを含み得る。第1のステップにおいて、システム1000は、ユーザUSの心臓の信号を検出し得る。たとえば、ユーザUSの心拍数または心拍は、外部デバイス1200のセンサ1210を使用して検出され得る。外部デバイス1200は、接続1235を通じてコンピューティングデバイス1100に検出された信号を送信し得る。コンピューティングデバイス1100は、信号の固有の特性を決定することを含む任意の適切な手法を使用して、受信された信号を処理することができる。そのような特性は、たとえば、EKG信号のピーク間の時間長、EKG信号のピーク値もしくはピーク間の比、または本明細書において説明されるような任意の他の適切な特性を含み得る。さらなるステップにおいて、コンピューティングデバイス1100は、前に検出されたユーザUSが承認されたユーザであるかどうかを決定することができる。たとえば、コンピューティングデバイス1100は、既知の承認されているユーザと関連付けられる信号のライブラリと、検出された心臓の信号の決定された特性と、を比較することができる。ユーザUSが承認されていない(たとえば、検出された心臓の信号の特性がメモリに記憶されている心臓の信号の特性と一致しない)とコンピューティングデバイス1100が決定する場合、コンピューティングデバイス1100は、さらなるステップにおいて制限付きの電子デバイスの動作へのアクセスを防ぐことができる。たとえば、コンピューティングデバイス1100は、ユーザが他のユーザと関連付けられる個人情報または私的情報にアクセスするのを防ぐことができる。別の例として、コンピューティングデバイス1100は、ユーザUSが特定のユーザと関連付けられるアプリケーションまたは動作(たとえば、特定のユーザにより購入されるアプリケーション)にアクセスするのを防ぐことができる。さらに別の例として、コンピューティングデバイス1100は、ユーザUSがあらゆる電子デバイスの動作(たとえば、緊急通報を除く動作)にアクセスするのを防ぐことができる。
【0162】
代わりに、ユーザUSが承認されているとコンピューティングデバイスが決定する場合、プロセスは第4のステップに進むことができ、そこで、コンピューティングデバイス1100は、ユーザUSと関連付けられる制限付き動作を決定する。たとえば、コンピューティングデバイス1100は、承認されるユーザと関連付けられる特定の私的データ(たとえば、電子メールアカウント、連絡先リスト、およびバンキング情報)を決定することができる。別の例として、コンピューティングデバイス1100は、承認されたユーザUSと関連付けられる特定の動作またはアプリケーション(たとえば、アプリケーションストアを使用してユーザUSにより購入されるアプリケーション、または管理者アカウントと関連付けられるシステム制御動作)を決定することができる。第5のステップにおいて、コンピューティングデバイス1100は、ユーザUSの決定された制限付き動作へのアクセスを提供することができる。たとえば、コンピューティングデバイス1100は、決定されたデータをロードすることができる。別の例として、コンピューティングデバイス1100は、決定された個人用のまたは私的なアプリケーションを起動するためのリンクを提供することができる。
【0163】
第2のアプリケーション1180がディスプレイ1195の前面にあり、ユーザUSによりアクティブに操作されている間、第1のアプリケーション1170は、オペレーティングシステム1160のバックグラウンドにおいても実行され、生理学的データの受信、記憶、および分析のうちの1つまたは複数を行ってもよい。たとえば、第2のアプリケーション1180は、第1のアプリケーション1170および外部センサデバイス1200がバックグラウンドでユーザの生理学的パラメータを測定している間にユーザUSが操作する、電子メールアプリケーション、ウェブブラウザ、音楽プレーヤー、またはゲームを備え得る。
【0164】
外部センサデバイス1200は、たとえばコンピューティングデバイス1100の形態およびユーザUSの利便性に応じて、多くのフォームファクタを備え得る。
【0165】
図2A~
図2Kは、スマートフォン2100およびスマートフォン保護ケース2200を備える、バイオメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システム2000を示す。
図2Aは、スマートフォン2100およびスマートフォン保護ケース2200が分離されているようなシステム2200の斜視図を示す。保護ケース2200は、スマートフォン2100を収容するためのくぼみ2200Cを有する。
図2Bおよび
図2Cは、システム2000の背面図を示す。
図2Dは、スマートフォン2100およびスマートフォン保護ケース2200が互いに結合され、または取り外し可能に取り付けられるような、システム2000の斜視図を示す。スマートフォン2100は、たとえば、Apple iPhone(登録商標)、Google Androidスマートフォン、Google Nexus、Samsung Galaxy phone、HTCスマートフォン、Nokia Windowsスマートフォン、Blackberryスマートフォンなどを備え得る。
【0166】
スマートフォン2100は、前面2110、縁2120、背面2130、および前面2110上のディスプレイ2140を備え得る。スマートフォン保護ケース2200は、心電図(ECG)などの生理学的パラメータを検出するための複数の電極リードを備え得る。複数の電極リードは、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220を備え得る。スマートフォン2100および保護ケース2200は一緒に結合され、複数の電極リードの少なくともいくつかは、スマートフォン2100の縁2120を覆って配設される。このようにして、たとえばユーザの利便性のために、スマートフォン2100の薄く幅の狭い輪郭を維持することができる。
図2Bに示されるように、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220は、それぞれ保護ケース2200の上および下の縁(すなわち、短辺)に、互いに向かい合って配設され得る。
図2Cに示されるように、第1の電極リード2210および第2の電極リード2200は、それぞれ、保護ケース2200の左および右の縁(すなわち、長辺)に、互いに向かい合って配設され得る。
図2Bおよび
図2Cは、保護ケース2200の裏側2200Bを示す。各電極リードは一般に、短絡または干渉を防ぐために互いに電気的に絶縁される。各電極リードはまた、一般に保護ケース2200の本体からわずかに突出する。たとえば、各電極リードは、保護ケース2200の外部表面と一致するように研磨され、粗面化され、または別様に仕上げられ得る。
【0167】
本明細書において説明されるセンサ電極リードは、任意の適切な材料から構築され得る。電極リードは、たとえば、ユーザの心臓の活動を反映する電気信号のより効果的な送信を可能にする特定の導電特性のために選択された、特定の材料から構築され得る。電極リードは銀ベースの化合物から構築されてもよく、これは他の金属化合物(たとえば、鋼またはアルミニウム)と比べて優れた導電性をもたらすことができる。電極リードの大きさと位置はまた、ユーザ(たとえば、ユーザの手または指)と電極リードとの間に十分な接触が生じることを確実にするように選択され得る。たとえば、各電極リードは、外部センサデバイス1200の本体の外側表面に配置されるパッドまたは延長されたエリアを含み得る。
【0168】
使用時に、ユーザは、手でシステム200を持ち、ユーザの右腕RAで第1の電極リード2210に触れ、ユーザの左腕LAで第2の電極リード2220に触れて、
図2Eおよび
図2Fに示されるような心拍数またはECGなどの1つまたは複数の生理学的パラメータを測定し得る。
図2Eに示されるように、第1のアプリケーション1170は、システム2000上でアクティブであり、測定されたパラメータをリアルタイムで表示していてもよい。
図2Fに示されるように、第2のアプリケーション1180、たとえば電子メールアプリケーションは、システム2000上でアクティブであってもよく、第1のアプリケーション1170がバックグラウンドで生理学的パラメータデータを受信する間にユーザUSにより操作されてもよい。右腕RAおよび左腕LAで複数の電極リードに触れることによって、リードI ECGが測定され得る。ユーザUSはまた、右腕RAおよび左脚LLで第1の電極リード2210に触れて、リードII ECGを測定し得る。ユーザUSはまた、右腕RAおよび左脚LLで第1の電極リード2210に触れて、リードIII ECGを測定し得る。
【0169】
複数の電極リードの他の配置も企図される。
図2Gに示されるように、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220は、保護ケース2200の角に配設され得る。さらに、複数の電極リードは第3の電極リード2230を含み得る。
図2Hに示されるように、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220は、保護ケース2200の上および下の縁(すなわち、短辺)に配設され得るが、第3の電極リード2230は、保護ケース2220の横の縁または長辺にあり得る。
図2Iに示されるように、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220は、保護ケース2220の向かい合った角に配設され得るが、第3の電極リード2230は保護ケース2200の横の縁または長辺にあり得る。
図2Jに示されるように、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220は、左および右の縁(すなわち、長辺)に配設され得るが、第3の電極リード2230は、保護ケース2200の横の縁または長辺にあり得る。いくつかの実施形態では、第1の電極リード2210および第2の電極リード2220は、保護ケース2200の縁に配設されることがあり、第3の電極リード2230は、保護ケース2200の背面2200Bに配設されることがある。
【0170】
使用時に、ユーザは、システム2000を手で持ち、ユーザの右腕RAで第1の電極リード2210に触れ、ユーザの左腕で第2の電極リード2220に触れ、ユーザの左脚LLで第3の電極リード2230に触れて、
図2Kに示されるように心拍数またはECGなどの1つまたは複数の生理学的パラメータを測定し得る。
図2Kに示されるように、第2のアプリケーション1180、たとえば電子メールアプリケーションは、システム2000上でアクティブであってもよく、第1のアプリケーション1170がバックグラウンドで生理学的パラメータデータを受信しながらユーザUSによって操作されてもよい。右腕RA、左腕LA、および左脚LLで複数の電極リードに接触することによって、リードI ECG、リードII ECG、およびリードIII ECGが測定され得る。リードI ECG、リードII ECG、およびリードIII ECGも同時に測定され得る。3つの電極を有するワイヤレスECG装置はさらに、「Three-Electrode Wireless ECG Apparatus」という表題の2013年7月11日に出願された共同所有される特許文献18において説明され、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0171】
図3A~
図3Fは、タブレットコンピュータ3100およびタブレットコンピュータ保護ケース3200を備える、バイオメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システム3300を示す。システム3000は、多くの点でシステム2000と似ていることがある。システム2000はスマートフォン2100とともに使用することに適合しているが、システム3000はタブレットコンピュータ3100とともに使用することに適合している。タブレットコンピュータ3100は、Apple iPad(登録商標)、Google Nexusタブレットコンピュータ、Samsung Galaxyタブレットコンピュータ、Microsoft Surfaceタブレットコンピュータなどを備え得る。
【0172】
図3Aは、タブレットコンピュータ3100を収容するためのくぼみ3200Cを保護ケース3200が有するようなシステム3000の斜視図を示す。タブレットコンピュータ3100は、前面3110、縁3120、背面3130、およびディスプレイ3140を有する。
図3Bは、保護ケース3200に結合された、または取り外し可能に取り付けられたタブレットコンピュータ3100を示す。
【0173】
図3Bはまた、第1の電極リード3210および第2の電極リード3220を含む複数のセンサ電極リードをタブレットコンピュータ保護ケース3200が備え得ることを示す。
図3Bおよび
図3Cに示されるように、第1の電極リード3210および第2の電極リード3220は、タブレットコンピュータ3100の縁3120を覆って互いに向かい合って配設され得る。他の代替的な配置も企図される。たとえば、
図3Dは、保護ケース3200の背面3130に配設された第1の電極リード3210および第2の電極リード3220を示す。また、複数の電極リードはさらに、
図3Eにより示されるような保護ケース3200の背面3130に配設された第3の電極リード3230を備え得る。
【0174】
システム3000は、生理学的信号を測定するために、上で説明されたシステム2000と同様の方式で使用され得る。たとえば、リードI ECG、リードII ECG、またはリードIII ECGのうちの1つまたは複数を測定するために、システム3000の複数の電極リードがユーザUSと接触し得る。
図3Fに示されるように、第1の電極リード3210がユーザの右腕RAに接触し、第2の電極リード3220がユーザの左腕LAに接触し、第3の電極リード3230(図示せず)がユーザの左脚に接触している間に、ユーザUSはシステム3000およびタブレットコンピュータ3100を普通に操作することができる。
図3Fは、検出された生理学的パラメータを管理するための第1のアプリケーション1170がタブレットコンピュータ3100上でアクティブであることを示すが、代わりに、第1のアプリケーション1170および保護ケース3200が生理学的パラメータを検知して検出しながら、第2のアプリケーション1180がアクティブでありユーザUSにより操作されることも企図される。
【0175】
コンピューティングデバイスが普通に使用されながら、ユーザUSの様々な生理学的パラメータを同時に測定するための、他のコンピューティングデバイスアクセサリも企図される。
【0176】
図4A~
図4Cは、コンピューティングデバイス1100のキーボード4100と、キーボードリストレストを備え得るキーボードアクセサリ4200と、を備える、バイオメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システム4000を示す。キーボード4100は、キーボードアクセサリ4100に取り外し可能に結合され得る(
図4Aと
図4Bとを比較されたい)。キーボードアクセサリ4200は、第1の電極リード4210および第2の電極リード4220などの複数の電極リードなどの、生理学的パラメータセンサを備える。
図4Cに示されるように、ユーザUSがキーボード4100を通じてコンピューティングデバイス1100を普通に操作している間にリードI ECGを検出するために、第1の電極リード4210はユーザの右腕RAに接触していてもよく、第2の電極リード4220はユーザの左腕LAに接触していてもよい。
【0177】
図5A~
図5Cは、ラップトップまたはパームトップコンピュータ5100およびセンサアクセサリ5200を備える、バイオメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察システム5000を示す。コンピュータ5100は、センサアクセサリ5100に取り外し可能に結合され得る(
図5Aを
図5Bと比較されたい)。センサアクセサリ5200は、第1の電極リード5210および第2の電極リード5220などの複数の電極リードなどの生理学的パラメータセンサを備える。
図5Cに示されるように、ユーザUSがコンピュータ5100を普通に操作している間にリードI ECGを検出するために、第1の電極リード5210はユーザの右腕RAに接触していてもよく、第2の電極リード5220はユーザの左腕LAに接触していてもよい。
【0178】
日常的に使用するデバイスと結合するためのさらなるセンサアクセサリも企図される。たとえば、本開示の実施形態は、自転車、バイク、トレッドミルまたはエリプティカルマシンまたはウェイトリフティングマシンなどのエクササイズマシンのハンドルバー、座席、椅子、眼鏡、衣服などに対するセンサアクセサリを提供し得る。別の例として、本明細書において説明されるセンサシステムは、ウォッチ、リストレット、リストバンド、またはそのようなデバイスに対するアクセサリの形態であり得る。ECG検知ウォッチおよびリストレットは、2013年8月30日に出願された、「Ultrasonic Transmission of Signals from an ECG Sensing Wristlet」という表題の共同所有された特許文献19において説明されている。センサアクセサリは、1つまたは複数の生理学的パラメータを検出し測定して、日常的に使用するデバイスと関連付けられるコンピューティングデバイスまたは別のコンピューティングデバイスに測定結果を通信し得る。
【0179】
図6は、バイオメトリックまたは生理学的パラメータの測定および観察のための方法6000を示す。ステップ6050において、本明細書において説明されるコンピューティングデバイス1100などのコンピューティングデバイスが提供され得る。ステップ6100において、本明細書において説明される外部デバイス1200などの、外部デバイスまたはコンピューティングデバイスのシェルが提供され得る。ステップ6150において、外部デバイスまたはシェルがコンピューティングデバイスに結合され得る。たとえば、本明細書において説明されるシステム2000(
図2A~
図2D)、本明細書において説明されるシステム3000(
図3A~
図3B)、本明細書において説明されるシステム4000(
図4A~
図4C)、および本明細書において説明されるシステム5000(
図5A~
図5C)を参照されたい。ステップ6200において、生理学的信号またはパラメータ測定および観察アプリケーションが、コンピューティングデバイスにダウンロードされ得る。アプリケーションは、上で説明された第1のアプリケーション1170を備えてもよく、本明細書において説明されるようにインターネットを通じてアプリケーション配信プラットフォームからダウンロードされてもよい。ステップ6250において、アプリケーションはコンピューティングデバイス上で実行され得る。ステップ6300において、コンピューティングデバイスに結合される外部デバイスまたはシェルが、生理学的パラメータを測定するためにユーザと接触し得る。ステップ6350において、生理学的信号またはパラメータが測定され得る。ステップ6400において、生理学的信号またはパラメータが、記憶され、表示され、または別様に処理され得る。ステップ6450において、生理学的信号またはパラメータ測定および観察アプリケーションが、コンピューティングデバイスのバックグラウンドに配置され得る。ステップ6500において、生理学的信号またはパラメータ測定および観察アプリケーションがバックグラウンドで動作を実行している間に、第2のアプリケーションがコンピューティングデバイス上で実行され得る。
【0180】
上のステップは、バイオメトリックまたは生理学的パラメータ測定および観察の方法6000を示すが、当業者は本明細書において説明される教示に基づいて多くの変形を認識するだろう。ステップは異なる順序で完了されてもよい。ステップは追加または省略されてもよい。ステップの一部は部分ステップを備えてもよい。ステップの多くは、有益である程度に頻繁に繰り返されてもよい。
【0181】
方法6000のステップのうちの1つまたは複数は、本明細書において説明されるような回路、たとえば、コンピューティングデバイスのプロセッサもしくは論理回路、またはそれらのアクセサリのうちの1つまたは複数とともに実行され得る。プロセッサまたは論理回路は、方法6000のステップのうちの1つまたは複数を提供するようにプログラムされてもよく、プログラムは、論理回路のコンピュータ可読メモリまたはプログラムされたステップに記憶されているプログラム命令を備えてもよい。
【0182】
3電極ECGデバイスカバー
一般に、ケースの外側表面に3つの電極を有するハンドヘルドワイヤレス遠隔通信デバイスケース、およびそれらを使用する方法を含む、患者から心電図(ECG)を生成するための装置および方法が、本明細書において説明される。これらの装置および方法は、ユーザが単一のハンドヘルドデバイスを使用して最大で6つのリード(たとえば、リードI、リードII、リード、aVR、aVL、およびaVF)を手に取るのを可能にすることがあり、これらのリードは、デバイスのディスプレイを同時に観察しながら、患者の脚に対して患者により簡単に保持される。具体的には、デバイスは、モバイル遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)と連携して使用され得る。
【0183】
一般に、本明細書において説明される装置(デバイスおよびシステムを含む)は、3つの電極を含んでもよく、ワイヤレス遠隔通信デバイスとともに使用するために構成される。ワイヤレス遠隔通信デバイスは、スマートフォン(たとえば、iPhone(登録商標)、Android(商標)など)、タブレット(iPad(登録商標)など)、ラップトップ、PDAなどを含む、任意の適切な遠隔通信デバイスであり得る。装置は、モバイル遠隔通信デバイスに対するケースおよび/またはアタッチメントとして構成され得る。装置は、モバイル遠隔通信デバイスに情報をワイヤレスに通信し得る。いくつかの変形では、本明細書において説明されるシステムは、装置から情報を受信して分析するように(たとえば、プログラム、アプリケーション(「アプリ」)などを動作させることによって)構成されているモバイル遠隔通信デバイスに情報を送信する。
【0184】
したがって、一般に、本明細書において説明される装置は、ケースとして、または別様に構成されるハウジングを含み得る。ハウジングは一般に、3つ(または場合によってはより多く)の電極が並べられる外側表面を含む。ハウジングがモバイル遠隔通信デバイスを保持するためのケースとして構成される変形では、ケースは、外側背面と、背面に垂直な少なくとも2つの外側側面と、ケースの中に保持される遠隔通信デバイスの画面をそれを通じて見ることができる前部領域と、を有し得る。
【0185】
たとえば、
図9Aから
図9Dは、スマートフォンのためのケースとして構成されるハウジングの1つの変形を示す。この例では、ケース300は、ケース内に収容されたモバイル遠隔通信デバイス(スマートフォン)301とともに示されている。ケース300は、裏(
図9Cに示される)および横(
図9Bおよび
図9Dに示される)を含む。この例におけるケース300の表には、スマートフォンの前(画面を含む)をそれを通じて見るかつ/またはそれに触れることができる、開口301がある。ケースはまた、電話の操作手段のために横(たとえば、9B)に開口を含み得る。
【0186】
一般に、ハウジングは少なくとも(およびいくつかの変形では厳密に)3つの電極も含み、それらの各々1つが、被験者の右手、左手、および脚に接触するためのものである。たとえば、第1の電極は、患者の脚に対して保持されるように構成され得る。第2の電極および第3の電極も、患者が自分の脚に対して第1の電極を保持しながら右手で第2の電極に触れ左手で第3の電極に触れることができるように、ハウジング上で構成され並べられ得る。電極の配置、形状、および/または大きさは、ECGを測定するときに、患者の手が1つより多くの電極と接触しないように、かつ患者の脚もハウジングの1つより多くの電極と接触しないように構成され得る。たとえば、第1の電極はハウジングの横または横の縁(裏の横の縁)または両方に配置されてもよいが、第2の電極および第3の電極は裏に配置され、脚または手が1つより多くの電極と接触するのを避けるために、すべての電極が互いに十分遠く離されている。したがって、左手は単一の電極に接触することができ、右手は別の電極に接触することができ、脚は第1の(脚の)電極に接触することができ、これらの電極はすべて同じハウジング上にある。
【0187】
図9Aにおいて、第1の電極309がケースの外側側面のうちの1つにあるように、電極が並べられる。ケースの横に第1の電極を配置することで、患者の第1の手(たとえば、左手)が第2の電極に接触し、他の手(たとえば、右手)が第2の電極に接触するように、患者がケースを持っている間に被験者の脚に対して第1の電極が簡単に保持されることが可能になり得る。
【0188】
一般に、本明細書において説明される装置のいずれにおいても、電極はハウジングの外側表面にあり得る。いくつかの変形では、ハウジングは、装置がテーブルなどの表面に置かれるときに、その表面に触れることから1つまたは複数の電極を保護するように構成され得る(または追加の要素を含み得る)。装置が導電性の表面(たとえば、金属テーブル)に置かれる場合、ハウジングまたは追加の特徴は、電極の外側表面が表面に触れるのを防ぎ得る。たとえば、ハウジングの外側表面の電極は、外側背面がテーブル表面に面した状態でケースがテーブル表面に置かれるときに、第1の電極、第2の電極、および/または第3の電極の外側接触面がテーブル表面に接触しないように、外側背面の少なくとも一部分に対してくぼんでいてもよい。
【0189】
前に言及されたように、側面に第1の電極を置くことで、ケース内の遠隔通信デバイスの表面(たとえば、画面)を見ながら、脚からの測定を行うために装置を使用することが可能になり得る。
【0190】
図9A~
図9Dにおいて、ケースは、3つだけの電極309、311、および313を含み、第1の(脚の)電極は、ハウジングの外側側面に配置される。横の(第1の)電極は、ハウジングの横の長さ方向の大半に沿って延びるように構成される。第2の電極311および第3の電極313は、ハウジングの外側背面の中心のより近くに配置される。
図9Bおよび
図9Dの側面図において明らかであるように、電極の高さがケースの残りの外側表面より低いので、ハウジングは第2の電極および第3の電極を保護する。
【0191】
図10A~
図10Dは、3つの電極を有するケースの別の変形を示す。しかしながら、この例では、第1の(脚の)電極413は、ケースの外側表面より低い外側表面を有しず、代わりに
図10Dに示されるように、第3の電極が外側表面から突出する。示されるケースは、他の点では
図9A~
図9Dに示されている変形に類似しているが、これらの図は、ケース内のモバイル遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)なしで示されている。
【0192】
いくつかの変形では、
図11A~
図11Cに示されるように、脚の電極(電極1)509は、他の電極511、513が位置する背面に側面から延びている。
【0193】
代替として、いくつかの変形では、
図12Cに示されるように、脚の電極はケースの縁の近く(たとえば、横の縁の近く)に配置される。一般に、脚の電極は側面のうちの1つに隣接していてもよい。電極は、側面のすぐ隣にあってもよく、縁に接触していてもよい。
図12A~
図12Cは、第1の電極613がケースの側面に隣接するように、かつ、第2の電極609および第3の電極611が、被験者の手による不用意な接触を防ぐために第1の電極から、および脚の電極(または他の電極)からずらされ得るように構成される、ケースを示す。
【0194】
図7A~
図7Cは、示されるように、背面から横の縁を通って側面に延びている第1の電極709を有するケースの別の変形を示す。この例では、第2の電極および第3の電極はケースの裏の外側表面に対してくぼんでいるが、第1の電極は外側表面から延びている。これにより、脚に接触してケースをある角度で保持するのがより簡単になり得る。
【0195】
いくつかの変形では、ハウジングは、ケースの外側背面の開口にはまる電極ユニットを保持するように構成されてもよく、電極ユニットは、第2の電極および第3の電極(および場合によっては第1の電極)を含み、ECG記録を制御/受信するための回路も含み得る。たとえば、
図14A~
図14Cは、患者の右手および左手で触れられるべき第2の電極811および第3の電極813と、ケースの横にある別個の第1の電極809と、を含む、電極ユニット805を保持するケースとして構成される装置を示す。電極ユニットは、ケースから突き出ていてもよく、第2の電極および第3の電極よりもケースの外側表面から長く延びている外側(非電極)表面を含んでもよく、デバイスがテーブルに置かれるときに第2の電極および第3の電極がテーブル表面に触れるのを防ぐ。
【0196】
図15A~
図15Cは、
図15に示されるように、3つすべての電極(第1の電極909、第2の電極911、および第3の電極913)がケースの背面に並べられているような、3電極ハウジングの別の変形を示す。
【0197】
本明細書において説明される変形の多くは、ケースの外側表面に3つすべての電極が統合されているが、いくつかの変形では、電極のうちの1つまたは複数は、ケースの表面から延びるように構成され得る。たとえば、
図16Aおよび
図16Bでは、ワイヤ上をハウジングから延ばされ得る第1の電極1009を有するデバイスの例が示されている。使用されていないとき、ワイヤはケースに収納されてもよく、電極1009はケースに結合されてもよく、使用されるとき、電極はケースから引き出されてもよく、ケースとスマートフォンとを患者が保持して見ることができるように、患者の脚に接触してもよい。これらの変形のいずれにおいても、スマートフォンは、記録の前または間に患者に視覚的フィードバックを提供し得る。たとえば、良好な電気的接触が行われていることを示し、かつ/または、システムにより取られるECGの軌跡を示す。
【0198】
たとえば、
図17は、両手(右手、左手)の電極および脚の電極を有するデバイス400を操作する方法を示す。この例では、被験者SUは、椅子CHに座っており、スマートフォンを保持するスマートフォンケースとして構成される装置400を両手で持ち、各々の手がケースの裏の1つだけの電極に触れるようにする。ケースは、脚の電極が脚に対して押し付けられるように、被験者の脚に対して保持される。次いで、ケースおよびスマートフォンが、リードI、リードII、およびリードIIIを記録するために使用されてもよく、上で論じられたように、それらから少なくとも3つの追加のリードが決定されてもよい。具体的には、増強リードaVR、aVL、およびaVFが決定されてもよい。
【0199】
ECG検知リストレット
一般に、ウェアラブル(たとえば、リストレット)検知デバイスからの情報(たとえば、生物学的パラメータ情報)を、超音波送信デバイスによって、生物学的パラメータ情報を次いで処理および/または送信できる遠隔通信デバイスに超音波で送信するための、デバイスおよびシステムも本明細書において説明される。具体的には、生物学的パラメータはECG信号を含み得る。ウェアラブルデバイスは通常は超音波トランスデューサを含み、これは、音響的な超音波信号として情報を符号化して送信するための超音波モデムモジュール/サブシステムの一部であり得る。本明細書において説明される変形の多くにおいて、これらのデバイスは、被験者により装着されるリストレットとして構成される。
【0200】
以下で詳しく説明されるように、いくつかの変形では、超音波信号(たとえば、ECGを符号化する)は、暗号鍵を使用してセキュアに送信され得る。暗号鍵を使用して超音波送信デバイスを遠隔通信デバイスに簡単にペアリングするための、システム、方法、およびデバイスも本明細書において説明される。たとえば、いくつかの変形では、遠隔通信デバイスは、超音波送信デバイスに表示される暗号鍵を読み取る(たとえば、その画像を撮影する)ことができる。この技法は、暗号鍵を含むマーク(たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)など)の画像を遠隔通信デバイスで撮影し、その画像に基づいて暗号鍵を決定することによって、容易に実行され得る。遠隔通信デバイス上で実行される実行可能論理(たとえば、復号論理)は、この暗号鍵を解釈して適用するように構成され得る。
【0201】
たとえば、デジタル生物学的パラメータ情報を超音波で送信することが可能なシステムは、生物学的パラメータ(たとえば、バイタルサイン)を検知するためのセンサと、「デジタル」超音波信号、アナログ信号、またはハイブリッドデジタル/アナログ信号として生物学的パラメータの表現を構成するためのプロセッサと、超音波信号が遠隔通信対応デバイスへ開放空間で送信され得るように超音波信号を変換するためのトランスデューサと、を含み得る。プロセッサは、コントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)の一部であってもよく、それによって制御されてもよく、またはそれと通信していてもよい。遠隔通信対応デバイス(遠隔通信デバイス)は、超音波範囲においてオーディオ信号を受信することが可能な受信機(オーディオ受信機)と、さらなる処理または送信のために電子信号へと超音波信号を戻すためのプロセッサと、を含み得る。
【0202】
人の可聴範囲は20Hzから20kHzであると言われることが多いが、理想的な研究室の条件では、子供の最大の聴覚範囲は実際には12Hz程度まであり、20kHz程度にとどまることは稀である。さらに、
図18に示されるように、閾値の周波数、すなわち検出可能な最低の強度は、10kHzと20kHzとの間の痛覚閾値へと急速に上昇する。したがって、約16kHzを超える音は、聞こえるにはかなりの強度がなければならない。生誕のほぼ直後から、これらの高い周波数に対する閾値の音レベルは上昇する。
図19に示されるように、平均的な20歳は8kHzの範囲において約10dBを失っており、90歳では、平均的な人はこの周波数において100dB以上を失っている。
【0203】
非常に高周波の音を使用する例示的な製品はモスキートアラームであり、不快な17.4kHzのアラームを意図的に放出して若い人がうろつかないようにするために使用される、論争を巻き起こすデバイスである。成人がこの周波数において聴覚を失うことにより、この音は通常、25歳未満の人だけに聞こえる。同様に、生徒は、学校で15kHz~17kHzの「モスキート」携帯電話着信音を使用することで、成人の聴覚喪失を利用する。生徒には「モスキート」着信音が聞こえるが、成人の教師には聞こえない。「超音波」という用語は通常、人により知覚される範囲を超えることを意味する。しかしながら、示されたように、一般に可聴周波数の上限は、個人および年齢によりばらつきがある。この上限の差により、本明細書および添付の特許請求の範囲において定義される「超音波」という用語は、16kHz以上(たとえば、約17kHzより高い、18kHzより高い、など)の音の周波数を指し得る。
【0204】
しかしながら、興味深いことに、約10kHzを超える環境音またはノイズは非常に少ない。
図20を参照すると、大半の日常的な音は、約4kHz未満の周波数で発生する。したがって、超音波範囲の信号の使用は、周囲にいる人に対して静かであるだけではなく、とても望ましい信号対雑音比(SNR)ももたらす。
【0205】
音響技術者は、約20kHzを超える周波数は知覚される音に影響を与えないと安心して想定し、この範囲より上のすべての音をフィルタリングし得る。20kHz未満であるが超音波範囲にある音はほとんど問題ではなく、それに従って標準的なサンプリング手順が確立されている。アナログ信号をサンプリングすることは、それが無線信号であっても可聴の音声信号であっても、fs/2>fとなるようなサンプリング周波数fsを必要とすることが一般に理解され、fは正弦波の周波数である。この理由で、音響システムは、20kHzの音の上限に対して40kHzの計算されたナイキスト-シャノンサンプリングレートよりいくらか高く設定された、現在では標準的なサンプルレートである44.1kHzで音をサンプリングするように設計される。既存の復調手順、コンピュータ、電話、携帯電話、ステレオ音響システムなどを使用した、超音波範囲におけるFM狭帯域信号の実際の復調は、元の信号を非常に劣悪に再現する。これは残念なことであり、それは、上で論じられたように、超音波範囲における搬送波信号は、これらの高い周波数において自然の「ノイズ」がほとんどないという事実により非常に信号対雑音比が低いからである。
【0206】
生理学的信号(たとえば、生物学的パラメータ)を測定し、それらの測定結果についてのデジタル情報をワイヤレスに無音で送信するためのデバイス、方法、およびシステムは、従来の電話送信による方法と比較して、はるかに改善された信号対雑音比を有する超音波信号を使用する。既存のコンピュータおよびスマートフォン技術を使用して、素晴らしい正確さで超音波信号を受信して復調するための方法およびアルゴリズムも提供される。
【0207】
図21Aは、データ入力0433(たとえば、デジタル情報および/またはアナログ情報を含む、任意の種類の情報を提供する)およびマイクロコントローラ0405を含む、システムの概略図を示す。いくつかの変形では、マイクロコントローラは、生物学的パラメータのデジタル表現を符号化するためのプロセッサを含み、またはそれと結合され、この符号化された信号は、以下でより詳しく説明されるように超音波信号へと変換され得る。たとえば、符号化された信号は、超音波トランスデューサ0407によって超音波で送信され得る。いくつかの変形では、マイクロプロセッサおよびトランスデューサは、一緒に結合され、または同じコンポーネント0405’の一部として形成されてもよく、代替として、マイクロプロセッサは圧電/スピーカー素子を含んでもよい。この超音波信号0420は次いで、オーディオピックアップ(受信機)0429を含む、遠隔通信デバイス0425によって受信され得る。遠隔通信デバイス0425は、超音波信号を受信してそれを処理できるように変換する、たとえばそれを電子信号に戻すように遠隔通信デバイスを準備して、それがどのようなタイプの信号であるか(たとえば、心拍数、体温など)を解釈する、クライアント制御論理0427を実行し得る。
【0208】
図21Bは、患者からの生物学的パラメータ(たとえば、体温、心拍数、血糖など)を検出するためのセンサ0403と、マイクロコントローラ0405と、を有する、医療用センシングデバイス0401(たとえば、体温計、血糖モニタなど)を含むシステムの概略図を示す。マイクロコントローラは、生物学的パラメータのデジタル表現を符号化するためのプロセッサを含み、またはそれと結合されてもよく、この符号化された信号は、以下でより詳しく説明されるように超音波信号に変換されてもよい。たとえば、符号化された信号は、超音波トランスデューサ0407によって超音波で送信され得る。この超音波信号0420は次いで、オーディオピックアップ(受信機)0429を含む、遠隔通信デバイス0425によって受信され得る。遠隔通信デバイス0425は、超音波信号を受信してそれを処理できるように変換する、たとえばそれを電子信号に戻すように遠隔通信デバイスを準備して、それがどのようなタイプの信号であるか(たとえば、心拍数、体温など)を解釈する、クライアント制御論理0427を実行し得る。
【0209】
したがって、この例の医療用センシングデバイス0401は、体温、心拍、圧力(たとえば、血圧)などの、1つまたは複数の生理学的信号を検知するように構成されるセンサ(またはセンサアセンブリ)を含む。センサは、検知された生理学的信号を表す電気信号を生み出すことができ、これらの信号は、マイクロコントローラまたは他の関連するコンポーネントに入力する1つまたは複数のデジタル信号に変換され得る。このデジタル信号は通常、デバイスに表示されてもよく(図示せず)、また、次いで超音波音へと(たとえば、周波数偏移変調などの技法によって)超音波で符号化されてデバイスから放出され得るデジタル信号の一部として電気的に符号化されてもよい。信号の符号化は、たとえばMSP430などのマイクロコントローラ(たとえば、Texas InstrumentsのAFE4110)を含む、任意の適切な回路によって実行され得る。
【0210】
(限定はされないが)20kHzを含む任意の適切な超音波周波数から、中心周波数が選択され得る。いくつかの変形では、本明細書において説明される医療用センシングデバイスは送信のみを行うように構成されるので、データは遠隔通信デバイスに送信される(しかしそれから受信されない)。いくつかの変形では、医療用センシングデバイスは、超音波(音)の周波数情報の送信と受信との両方を行うように構成される(たとえば、
図21Cおよび
図27を参照されたい)。さらに、いくつかの変形では、複数のチャネル(周波数チャネル)が使用され得る。
【0211】
図21Cでは、医療用センシングデバイス(たとえば、ECG信号を検出し、それを遠隔通信デバイスに送信するように「ECGウォッチ」として構成されるリストレット)の概略図が示されている。この例では、デバイス(たとえば、リストレット)はセンサ0403を含む。いくつかの変形では、センサは、ECG信号を検出するための2つ以上の電極を含み得る。超音波トランスデューサは、超音波送信機と超音波受信機との両方として構成され得る。いくつかの変形では、同じトランスデューサ素子(たとえば、圧電素子)が両方のために使用され得る。遠隔通信デバイス0425は、医療用センシングデバイス0401によって送信される超音波などの超音波を(オーディオピックアップ0429を介して)受信することと(超音波受信機0433を介して)送信することとの両方を行うように構成され得る。
【0212】
一実施形態では、超音波信号は、約17kHzから約32kHzの範囲の中心周波数を有する。別の実施形態では、周波数変調された超音波信号は、約18kHzから約24kHzの範囲、または約20kHzから約24kHzの範囲に中心周波数を有する。
【0213】
図22は、偏移変調を使用して符号化されたデジタル信号の1つの変形を示す。この変形では、超音波信号は2つの異なる周波数で変調され、1つはhigh(「1」)を示し、1つはlow(「0」)を示す。たとえば、0および1に対する周波数は、約20kHzを中心として選択され得る(たとえば、19.5kHzおよび20.5kHz)。
【0214】
いくつかの変形では、上で言及されたように、センサはECG信号を符号化するが、一般に、センサは、ユーザが観察することを望む生理学的信号を検出するように動作可能である任意の適切なセンサを含み得る。複数のセンサが含まれてもよい。そのような生理学的信号の非限定的な例は、限定はされないが、呼吸、心拍、心拍数、パルスオキシメトリ、フォトプレチスモグラム(PPG)、体温などを含む。呼吸検出器が使用され得る。心拍および心拍数も検出され得る。たとえば、人のヘモグロビンの酸素化は、血液サンプルから直接測定するのではなく、パルスオキシメトリセンサを使用して非侵襲的に間接的に観察され得る。センサは、指先または耳たぶなどの人の体の薄い部分に配置され、赤色の波長と赤外線の波長との両方を含む光が一方の側から他方の側に通される。2つの波長の各々の吸収率の変化が測定され、その差が、人の血液の酸素飽和度および皮膚における血液量の変化を推定するために使用される。次いで、パルスオキシメータセンサを使用して、または単一の光源を使用した光学センサを用いて、フォトプレチスモグラム(PPG)が取得され得る。PPGは、血流および心拍数を測定するために使用され得る。次いで、本明細書において説明されるように、このデータのデジタル表現が使用されて渡され得る。いくつかの変形(
図26Aおよび
図26Bを参照して以下で説明される)では、アナログ情報はまた、超音波送信デバイスによって送信されるアナログ情報とデジタル情報とのハイブリッドを形成するために符号化され、かつ/またはデジタル情報に付加され得る。
【0215】
いくつかの変形では、変換器アセンブリが、生物学的パラメータを電気的に(たとえば、デジタル、アナログなど)符号化したものを、送信できる超音波信号に変換する。
図21Aに示される実施形態では、変換器アセンブリ0405’は、超音波信号を出力するための超音波トランスデューサ0407を含む。適切な超音波送信機(トランスデューサを含む)の非限定的な例は、限定はされないが、ミニチュアスピーカー、圧電ブザーなどを含む。
【0216】
遠隔通信デバイス0425内で、超音波信号は、たとえば、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットパーソナルコンピュータ、ポケットパーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータなどのデバイスのマイクロフォン0429によって受信され得る。
【0217】
電力を節約するために信号の音量は小さいままであってもよいが、音は聞こえないのでより大きい音量も可能である。たとえば、超音波周波数では、聞こえないので「聴取者」の存在を気にすることなく、信号の音量をさらに上げることができる。さらに、他のデバイス(超音波送信デバイスとペアリングされていない)が信号を受信して理解するのを妨げるために、信号は符号化され得る。
【0218】
上で言及されたように、遠隔通信デバイスは、超音波信号を受信して処理するためのクライアント論理(たとえば、ソフトウェア)によって構成されるプロセッサを含み得る。たとえば、スマートフォン上のソフトウェアが超音波信号を復号することができる。データの処理は、情報のタイプ(たとえば、生物学的パラメータの性質)を含むユーザに関連する追加の情報を提供し得る。たとえば、信号は、ECGデータを示す8個のパルス、体温計の測定値(たとえば、最後の桁が小数点の後にある4桁)であることを示す10個のパルス、血圧の測定値(たとえば、3桁の収縮期血圧、3桁の拡張期血圧、および3桁の心拍数)であることを示す12個のパルス、パルスオキシメータのデータ(たとえば、3桁の酸素飽和度および3桁の心拍数)であることを示す14個のパルス、血糖値計のデータ(たとえば、3桁の血糖レベル)であることを示す16個のパルスなどを、(開始識別子の後に)含むように符号化され得る。桁とEOM(メッセージ終了)インジケータとの間には「区切り」があり得る。実際には、受信されたデータ間の比較を検証のために実行できるように、信号は数回送信され得る。
【0219】
ある変形では、信号は、(8ビットバイトおよびスタートビットとストップビットを仮定して)同期を可能にするためのある数のAAまたは55、バージョン番号を示すバイト、1バイト長のパケットの残り、1バイトのパケット識別子(血圧に対して0x01、パルスオキシメトリに対して0x02、グルコースに対して0x03など)、データ、および8ビットのCRCのように符号化され得る。
【0220】
いくつかの変形では、信号はまた、アナログデータをフォーマットする、またはアナログデータから抽出される(たとえば、アナログデータをスケーリングする)情報を含む、デジタル情報とともに送信するために、ある広がりをもつアナログデータ(たとえば、時間にわたる信号、距離にわたる信号)を含み得る。たとえば、超音波送信デバイスからの超音波による送信のための信号は、1つまたは複数のデジタル部分および1つまたは複数のアナログ部分を含み得る。デジタル部分は、スケーリング(たとえば、最大値および/または最小値)、時間長、平均などの、アナログ信号から抽出された情報を含み得る。アナログ信号、デジタル信号、およびアナログとデジタルの(ハイブリッド)信号は、暗号符号化されることを含めて符号化されてもよく、かつ/または誤り訂正符号を含んでもよい。
【0221】
言及されたように、信号はタイムスタンプおよび/またはデートスタンプを有し得る。いくつかの変形では、デバイスまたはシステムは、複数の測定を行い、それらをバッチまたはバーストとして遠隔通信デバイスに送信するように構成され得る。たとえば、測定は、時間ti、t2などにおいて行われ、デバイス(たとえば、体温計、血糖値計など)に記憶され、後で(tn)超音波で遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン、タブレットなど)に送信されてもよい。データは、遠隔通信デバイスによって処理され、かつ/または、外部サーバなど(たとえば、クラウド)にアップロードされ得る。
【0222】
送信される超音波データのボーレートは、高速な送信を可能にするように選択され得る。たとえば、約300ボーのボーレートが使用される場合、バッチ処理された信号に対しても、送信は1秒未満しかかからないことがある。いくつかの変形では、ボーレートは400前後である。
【0223】
言及されたように、センサからの生の信号および導出された情報は、スマートフォンに表示されてローカルに記憶されるとともに、インターネット接続を介してウェブサーバに送信され得る。ウェブサーバ上のソフトウェアは、スマートフォンから受信された信号および情報のリアルタイムの表示または過去の信号および情報の表示のためのウェブブラウザインターフェースを提供してもよく、さらなる分析および報告も含む。
【0224】
本明細書において使用されるような超音波シグナリングは一般に、超音波信号を使用して、生物学的パラメータ測定結果の起源とともに生物学的パラメータの大きさなどの情報を送信することを指す。言及されたように、これらの超音波信号は、送信および処理を可能にするために符号化され得る。符号化された信号は次いで、任意の適切な方法によって超音波範囲へと変換され得る。たとえば、様々な信号値に対応する1つまたは複数の周波数、たとえばDTMFまたは超音波周波数へと周波数シフトされたDTMFが使用されてもよい。信号を変換する別の例は、振幅偏移変調を使用することである。別の例は、周波数偏移変調を使用することである。別の例は、位相偏移変調を使用することである。いくつかの実施形態では、スペクトル拡散通信、または多周波搬送波シグナリングなどの、多周波シグナリングが使用され得る。多周波搬送波シグナリングの例は、約65Hzなどの、40Hzと100Hzとの間の間隔などの間隔だけ離隔された、周波数の所定のセット(たとえば、20kHzと22kHzとの間、または20kHzと24kHzとの間、または一般に、19kHzと20kHzとの間の下限と、意図される受信機のサンプリングレートのナイキスト周波数に等しいかそれよりわずかに低い上限と、の間)を指定し、各々のそのような周波数に対して、その周波数における正弦波などの搬送波信号の存在を示すものとしてビット「1」を符号化し、そのような信号の不在を示すものとしてビット「0」を符号化することである。そのような多周波信号の受信機は次いで、高速フーリエ変換または当技術分野において知られている関連する技法を実行して、各々の関連する周波数において搬送波が利用可能であるかどうかを特定し、それにより、ある数を符号化するビットのセットを推測し得る。多周波搬送波シグナリングのいくつかの実施形態では、たとえば、信号の明確さが不十分であるとき、経時的に複数のサンプルを取って平均することができ、上で説明されたように平均信号を処理することができる。多周波搬送波シグナリングのいくつかの実施形態では、たとえば周波数が干渉を引き起こすのに十分近い場合、ビットパターンを復号するためにビタビデコーダを使用することができる。一般に、特に変調および復調に関して通信分野の当業者に知られている技法(たとえば、モデム)が利用され得る。そのような技法の例は、国際電気通信連合T部門により公布されるV.x(xは整数である)として指定される様々なモデム規格を含み、これはすべての目的のために全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0225】
いくつかの実施形態では、遠隔通信デバイス上でではなく(またはそれに加えて)、サーバが信号分析を実行して符号化されたデータを決定してもよい。いくつかの実施形態では、信号は、サーバに記憶され、送信および/または受信技法の改善のために職員に提供されてもよい。
【0226】
上で言及されたように、シグナリングは送信機によって実行され得る。送信機は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはプロセッサによって実行可能なプログラム命令および/もしくはプログラムによって使用されるデータを含むメモリ(たとえば、DRAMまたはSRAM、これはいくつかの実施形態ではプロセッサと統合され得る)に接続されるデジタルシグナルプロセッサなどの、信号生成器を組み込むハードウェアシステムを含み得る。送信機はまた、プロセッサに結合される、かつ/またはプロセッサに組み込まれる、フラッシュメモリなどの永続的メモリを組み込み得る。信号生成器は、上で説明されたように送信される超音波信号を生成し得る。いくつかの実施形態では、送信のための波形は永続的メモリに記憶され得る。いくつかの実施形態では、送信機は、電源および/もしくは電池を含み、または医療用センシングデバイスの他のコンポーネントに電力供給するために使用される電源を使用する。言及されたように、送信機は、トランスデューサ、たとえば、電気インパルスを超音波振動に変換する圧電トランスデューサを含み得る。送信機は、プロセッサに結合された増幅器(たとえば、直接、またはたとえばオーディオデジタルアナログコンバータ(DAC)を介して間接的に結合された増幅器、DACはいくつかの実施形態ではプロセッサと統合されてもよい)を含んでもよく、プロセッサはその出力を通じてトランスデューサに電気インパルスを提供する。いくつかの実施形態では、送信機は、リアルタイムクロックおよび/またはブロードキャスト時間信号を受信するための受信機を含み得る。いくつかの実施形態では、送信機は暗号化器を含んでもよく、これは、たとえば、プロセッサ上で実行されるプログラム命令であってもよく、または別個の集積回路であってもよい。いくつかの実施形態では、送信機は、誤り訂正符号生成器および/または誤り検出符号生成器を含んでもよく、これらは、たとえばプロセッサ上で実行されるソフトウェア命令であってもよく、または別個の集積回路であってもよい。音波シグナリングの送信および受信に関して本明細書において説明される技法は、当業者により容易に理解されるであろう方式で、本明細書において説明される送信機において実行され得る。
【0227】
いくつかの変形では、医療用センシングデバイスから遠隔通信デバイスへの送信は片方向であり、典型的には、設計の簡潔さ、より低い費用、より少ない電力消費などをもたらす。これらの利点は、医療用センシングデバイスが追加の受信機(音波信号を受信するためのマイクロフォン、またはアンテナを含む)を含むシステムと比較すると、特に有用である。しかしながら、いくつかの構成では、医療用センシングデバイスは、アンテナまたはマイクロフォンなどの受信機を追加することなく、遠隔通信デバイスから単純なインジケータ信号を受信するように適合され得る。たとえば、いくつかの変形では、20kHzのセンサとして超音波トランスデューサ(たとえば、圧電スピーカー)を使用して、返信の肯定応答(ACK)が実装され得る。たとえば、遠隔通信デバイス(たとえば、電話)は、CRCを正しく受信したことをセンサにシグナリングして再送信が必要ではないことを示すために、CRCを受信し、復号し、検証した後で、短い20kHzのバーストを生み出し得る。他の変形では、遠隔通信デバイスからの信号は、バイオメトリックデバイスから送信を受信する準備ができていることを示し得る。時間で区切られた信号/肯定応答のペアまたは複数も使用され得る。
【0228】
一例では、デバイスまたはシステムは、超音波で送信されるデータが前方誤り訂正(FEC)を含むように構成され、受信機がN個のビット誤りを訂正することを可能にする。これは、バイオメトリックデバイス(医療用センシングデバイス)が送信専用(たとえば、片方向)であるようにシステムが構成される場合には、特に有用であり得る。FECは、データが正しく受信されることを確実にするのを助け得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、超音波シグナリングによって送信されるデータは、BCH符号、定重み符号、畳み込み符号、グループ符号、Binary Golay符号などのGolay符号、Goppa符号、Hadamard符号、Hagelbarger符号、Hamming符号、Latin Squareベース符号、Lexicographic符号、低密度パリティ検査符号などのスパースグラフ符号、LTまたは「Fountain」符号、Online符号、Raptor符号、Reed-Solomon符号、Reed-Muller符号、Repeat-accumulate符号、三重冗長符号などの反復符号、Tornado符号、Turbo符号、または当業者に知られている他の誤り訂正符号などの誤り訂正符号を含むように処理され得る。様々な実施形態において、そのような符号は、単一の次元または複数の次元において適用されてもよく、組み合わせられてもよく、パリティおよび巡回冗長検査などの誤り検出符号と組み合わせられてもよい。誤り訂正符号は、それぞれの技法に従って、受信機における、または受信機から通信を受信するサーバにおける送信および/もしくは受信の誤りを訂正するために、復号され適用され得る。
【0230】
例1: デジタル体温計
一例では、デジタル体温計は、デジタル超音波モデムを含むように構成され得る。この例では、Texas Instrument MSP430デジタル体温計に基づくデジタル体温計は、体温の測定値(デジタルデータ)をモバイル遠隔通信デバイス(たとえば、iPhone(登録商標))に超音波で送信できるようにファームウェアを含むように適合されている。この例はAPE 4110マイクロプロセッサ(Texas InstrumentsのMSP 430マイクロプロセッサの1つの変形)に特有であるが、他のマイクロプロセッサが使用されて、機能するようにファームウェア、ソフトウェア、および/またはハードウェアと同様に適合されてもよい。
【0231】
一般に、デバイスは、データ(たとえば、体温計の体温測定値)をとり、超音波送信のためにそれらを符号化し得る。符号化された信号は、誤り検査(たとえば、CRC符号化、Hamming符号など)を含んでもよく、暗号化されてもよい。たとえば、データは、たとえばAdvanced Encryption Standard (AES)を使用して暗号化されるデータであり得る。特許文献20および21はともに、本明細書において説明されるデータとともに使用され得るデータ暗号化方法および技法を説明する。
【0232】
たとえば、体温計から受信されたデータは、送信のために1つまたは複数のデータパケットへと符号化および/または暗号化され得る。マイクロプロセッサは、データを符号化してもよく、次いで、圧電スピーカーを駆動することによってパケットを送信してもよい。上で言及されたように、周波数偏移変調(FSK)が使用されてもよく、FSKでは、2つの別個の超音波周波数(たとえば、18817Hzおよび19672Hz)が、それぞれブーリアン0および1を送信するために使用される。制御論理(データ超音波モデム論理)は、データを構成し、符号化し、暗号化することと、スピーカー(たとえば、圧電トランスデューサ)による符号化/暗号化されたデータの準備されたパケットの送信の駆動を制御することの、両方を行ってもよい。制御論理はまた、各データビット間に適切な間隔があるように、配信のタイミングを制御してもよい。加えて、制御論理はまた、送信を繰り返し、送信の開始の時間を決めてもよい。
【0233】
たとえば、ある変形では、体温計は通常は体温を測定し、体温がある値に落ち着くと、体温計は可聴のビープ音を出して、値を読み取ることができることをユーザに知らせる。この体温計(最初の改造されていない構成の)は、マイクロコントローラ(たとえば、AFE4110)および圧電スピーカーを含み、マイクロコントローラはスピーカーを駆動してビープ音を放出させる。デジタル超音波モデムのための制御論理を含むように本明細書において説明されるマイクロコントローラを改造/構成することによって、体温計は、体温計データを、デジタル超音波モデム受信機論理を実行するスマートフォンなどの信号を受信および復号(decode)/復号(decrypt)するように構成されるデバイスに、(超音波を介して)「ワイヤレスに」送信するように適合され得る。
【0234】
この例では、マイクロプロセッサは、上で説明された機能を有効にするために以下の(例示的な)符号を含み得る。
図23および
図24A~
図24Eは、データを送信するための方法を説明するフローチャートを示す。これらの例はデジタル体温計に限定されず、ECG送信を含めて、本明細書で説明されるデバイスのいずれとともに使用されてもよい。
【0235】
上のステップは、データを送信する
図23および
図24A~
図24Eの方法を示すが、当業者は、本明細書において説明される教示に基づいて多くの変形を認識するだろう。ステップは異なる順序で完了されてもよい。ステップは追加または省略されてもよい。ステップの一部は部分ステップを備えてもよい。ステップの多くは、有益である程度に頻繁に繰り返されてもよい。
【0236】
図23および
図24A~
図24Eの方法のステップのうちの1つまたは複数は、本明細書において説明されるような回路、たとえば、コンピューティングデバイスのプロセッサもしくは論理回路、またはそれらのアクセサリのうちの1つまたは複数とともに実行され得る。プロセッサまたは論理回路は、方法のステップのうちの1つまたは複数を提供するようにプログラムされてもよく、プログラムは、コンピュータ可読メモリに記憶されているプログラム命令、または論理回路のプログラムされたステップを備えてもよい。
【0237】
本明細書において説明されるシステム、デバイス、または方法のいずれにおいても、データ(デジタルデータ、アナログデータ、および/またはハイブリッドデジタル/アナログデータを含む)は、暗号化される前に圧縮され得る。あらゆる適切なデータ圧縮技法が使用され得る。たとえば、データ圧縮は、有損失および/または無損失技法を使用して実行され得る。既知のタイプの有損失データ圧縮および無損失データ圧縮が使用され得る。たとえば、Lempel-Ziv(LZ)圧縮および他の統計冗長性技法が、無損失圧縮のために使用され得る。同様に、有損失データ圧縮技法も適用され得る。制御論理を実行する受信機は、データの圧縮を解除し得る。
【0238】
超音波デジタルモデム受信機
上で言及されたように、受信機(デジタル超音波モデム受信機)は、送信された超音波信号を受信するために使用され得る。受信機は、超音波信号を受信する能力のあるマイクロフォンと、信号を分析することが可能なプロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)と、を含む専用のデバイスであってもよく、または、マイクロプロセッサと、制御論理(たとえば、デジタル超音波モデム受信機論理)を実行するときに超音波信号を受信するように適合されるマイクロフォンと、を有するデバイスであってもよい。
【0239】
たとえば、
図25は、デジタル超音波信号を受信し、復調し、検出するための方法を示す流れ図の1つの変形を示す。この例では、アプリケーション(受信制御論理)は、マイクロフォン入力を介してバイナリFSK符号化されたデータを受信する。たとえば、入力はスマートフォンのマイクロフォンからのものであり得る。上で論じられたように、バイナリFSK符号化は、バイナリ値1を表すための「マーク」周波数Fr、およびバイナリ値0を表すための「スペース」周波数F
sという2つの周波数を使用する。この実装形態では、搬送波は使用されない。
【0240】
アプリケーションは、生のオーディオデータからマーク周波数成分およびスペース周波数成分を抽出する復調器、およびパケット送信のための復調された信号を観察してそれらを復号するパケットデコーダという、2つの概ね独立なコンポーネントからなる。これらは
図25に示される。復調器は、S>2*max(F
m9F
8)となるように、サンプルレートSでマイクロフォンハードウェアからオーディオサンプルを受信する。オーディオサンプルは、受信された信号のマーク周波数成分およびスペース周波数成分の強度を(それぞれ)計算する2つの周波数検出器によって処理される。Goertzelアルゴリズムは、この実装形態において周波数検出のために使用される。マーク周波数とスペース周波数との間で十分な周波数分解能を達成するために、GoertzelアルゴリズムをG個のサンプルのスライディングウィンドウに適用し、G=S/abs(F
m-F)である。
【0241】
マーク周波数およびスペース周波数に対するGoertzelアルゴリズムの出力は、通過帯域がボーレートに等しい、独立のローパスフィルタに通される。次いで、スペース周波数信号のフィルタリングされた出力が、マーク周波数信号のフィルタリングされた出力から差し引かれる。これは、送信が行われていないときにはほぼ0であり、「マーク」周波数が有効であるときには正の値に上がり、「スペース」周波数が有効であるときには負の値に下がるような波形を生み出す。
【0242】
この復調された波形は次いで、パケットデコーダに渡される。マイクロフォンハードウェアから受信された各々の生のオーディオサンプルに対して、復調器は、復調された波形の単一の復調されたサンプルを生み出す。パケットデコーダは、復調器から復調されたサンプルを受信する。デコーダは、受信された最後のNサンプルのバッファを維持し、Nは同期シーケンスの長さに等しい。各々の新しいサンプルについて、デコーダは、バッファの中の過去のNサンプルを評価して、それらが同期シーケンスを含むかどうかを決定する。まず、ランダムノイズによる大半のフォールスポジティブを取り除く計算的に単純な評価、次いで、残りを除去するより計算的に高価な評価という、2段階の試験が使用される。
【0243】
有効な同期シーケンスが受信されると、デコーダは受信された信号の特性(たとえば、最大のマーク/スペース振幅など)を記憶する。これらの等化パラメータは、パケットの残りを読み取るために使用されるデコーダ閾値を較正するために使用される。そして、今度はこの例のデコーダが、各々の符号化されたバイトを読み取る。デコーダは、記憶されている等化パラメータを使用して、各バイトのスタートビットの最小の振幅閾値を決定する。有効なスタートビットが所与のバイトに対して受信されると、復号のための最小の閾値なしで、復調された波形の符号に基づいて後続のビットが評価される。
【0244】
有効なスタートビットが受信されない場合、デコーダは、パケットの読み取りを中止し、無音状態を待ってから、またはある固定された長さの時間が経過してから、新しいパケットの聴取を再開する。パケットの中の各論理バイトは実際には、論理バイトのHamming符号化された下位ニブルを含む第1の符号化されたバイト、およびHamming符号化された上位ニブルを含む第2の符号化されたバイトという、2つの符号化されたバイトとして送信される。
【0245】
読み取られる最初の論理バイトはパケットバージョンであり、これはサポートされるバージョン番号に対して確認される。次にパケットの長さが読み取られ、これは後に続くデータバイトの数を指定する。パケットの長さが指定されたパケットバージョンの最大の長さを超える場合、パケットは拒絶される。続いて、各論理データバイトが読み取られる。
【0246】
データバイトが読み取られた後、2つの論理チェックサムバイトが読み取られ、受信されたチェックサム値が、受信されたデータバイトについて計算された値と比較される。これらの2つのチェックサム値が一致する場合、パケットは有効であると見なされ、アプリケーションの残りに対して利用可能にされる。それらが一致しない場合、パケットは拒絶される。2つの論理チェックサムバイトは、パケットの終わりを表す。パケットを受信した後、デコーダは新しいパケットの聴取を再開する。
【0247】
データが受信されると(かついくつかの変形では復号されると)、それは処理され、さらに、かつ/または記憶され、かつ/または表示され、かつ/または遠隔通信デバイスの通信能力のいずれかを使用して送信され得る。たとえば、データは、スマートフォンに表示されてもよく、かつ/または、記憶するために、かつ/もしくは後で見直すために医療データベースにアップロードされてもよい。
【0248】
上のステップは、データを送信する
図25の方法を示すが、当業者は、本明細書において説明される教示に基づいて多くの変形を認識するだろう。ステップは異なる順序で完了されてもよい。ステップは追加または省略されてもよい。ステップの一部は部分ステップを備えてもよい。ステップの多くは、有益である程度に頻繁に繰り返されてもよい。
【0249】
図25の方法のステップのうちの1つまたは複数は、本明細書において説明されるような回路、たとえば、コンピューティングデバイスのプロセッサもしくは論理回路、またはそれらのアクセサリのうちの1つまたは複数とともに実行され得る。プロセッサまたは論理回路は、方法のステップのうちの1つまたは複数を提供するようにプログラムされてもよく、プログラムは、論理回路のコンピュータ可読メモリまたはプログラムされたステップに記憶されているプログラム命令を備えてもよい。
【0250】
上の例は、デジタル情報を送信するように構成されるシステムを説明するが、本明細書において説明される技法、デバイス、およびシステムは、アナログ信号も、ならびに/またはアナログおよびデジタルハイブリッド信号を送信するように構成されてもよい。一般に、説明される技法は、超音波信号を生成するために圧電素子に送信する(たとえば、マイクロコントローラの中の)タイマーの使用を含む。代替として、いくつかの変形では、システムは、D/Aコンバータを使用して、非デジタル出力のためにスピーカーを駆動する。さらに、システムのいくつかの変形では、出力は圧電素子ではなく、(超音波範囲のではあるが)より従来型のスピーカーである。追加のデジタルアナログ(D/A)変換が、送信の間に行われ得る。
【0251】
たとえば、
図26Aおよび
図26Bは、超音波送信機とともに使用され得るハイブリッドデジタル/アナログフォーマットの1つの変形を示す。一般に、信号は、超音波モデム送信のために変調または構成される、デジタルコンポーネントを含み得る。たとえば、デジタル信号はFSK信号として符号化されてもよく、データ(たとえば、ECG、血中酸素/パルスオキシメトリなどのようなバイオメトリックデータなどのアナログデータ)は、デジタル情報に付加される周波数変調された波形として符号化されてもよい。
【0252】
たとえば、いくつかの変形では、超音波送信デバイスは、パルスオキシメトリ測定/観察デバイスとして構成される。この例では、パルスオキシメトリから得られる情報は、最小値、最大値、アナログ信号の時間長などの情報を抽出するために精査されてもよく、バッファにおいて(1つまたは複数の暗号化および/または誤り訂正符号を使用して)デジタル的に符号化されて記憶され、かつ/または超音波によって送信されてもよい。アナログ信号は、送信要素に送信され、遠隔通信デバイスによって受信され得る、デジタル信号(または抽出された信号)と組み合わせられ得る。パルスオキシメトリデバイス(たとえば、プレチスモグラフ)として構成されるデバイスの例では、パルスオキシメトリデバイスは、アナログ信号(たとえば、時間的に変化するパルスオキシメトリ信号)から、アナログ信号のピーク、最小値、時間長、時間間隔などを決定することによって、ハイブリッドデータ/アナログ信号を準備する。したがって、ハイブリッド信号は、抽出されたデジタル情報またはタグ付けデジタル情報、ならびにデバイスから得られた波形(または複数の波形)を含み得る。
【0253】
いくつかの変形では、信号はECGデータであり得る。ECGヘッダ情報は、時間長、心拍数などのデジタル情報に付加されるアナログ波形についてのデジタル情報、間隔データなどのECG波形についての情報(事前に分析されている場合)を含み得る。
【0254】
信号は、デバイスまたはユーザ固有の識別コードによって暗号化され送信され得る。一般に、本明細書において説明されるデバイスのいずれもがデータを符号化することができ、受信側の遠隔通信(たとえば、電話、タブレット、パッドなど)がデータを読み取って理解できるように、暗号鍵が提供され得る。
【0255】
遠隔通信デバイスが読み取って理解することができるハイブリッドアナログ/デジタル信号を送信することには、多くの潜在的な利点がある。たとえば、ハイブリッド信号が一連の値(たとえば、最小値/最大値)および波形(たとえば、ECG、心拍数など)を含む場合。この種類のハイブリッドデジタル/アナログシステムは、FSK値データだけよりも効率的な通信を可能にし得る。
【0256】
たとえば、超音波送信デバイスの変形は、歩数計、活動モニタ、心拍数モニタなどを含み得る。いくつかの変形では、信号は、アナログ部分に有限の数の点があるようにフォーマットされる。超音波送信デバイスは次いで、一連のデータ点(較正点を含む任意のデータ点を含む)を送信し得る。一例では、心拍数のグラフは、経時的なバイオメトリックデータのグラフを表す、2秒(送信時間)に1000個の点を含み得る。信号は、デジタル値(たとえば、FSKとして符号化される)およびアナログ(たとえば、グラフィック)データを含み得る。そのようなハイブリッド信号は、デジタルのみの信号とアナログのみの信号との両方の最良の特性を含み得る。
【0257】
一例では、前に上で言及されたように、超音波送信デバイスは、上で説明された超音波モデム要素を含む体温計である。超音波体温計デバイスは、実際の使用範囲について約95°Fから106.7°Fの温度範囲を含むように構成される。したがって、体温は、普通は0.1の分解能を有する(たとえば、120個の値があるので、8ビットが必要とされるもののすべてであり得る)ように送信され得る。ハイブリッド信号でバイトメトリックデータを符号化するように構成されるデバイスでは、信号のデジタル成分が最初に付加されてもよく、デジタルのみの信号の後にアナログ信号についての情報を含んでもよいが、アナログ信号は、信号の残りに付加され、または埋め込まれてもよく、デジタル情報は、それとともに含まれるべきデジタル信号から抽出されてもよい。ハイブリッド信号の例は、上で言及されたような体温計デバイスを含んでもよく、これは、時間、測定値、および/または記録値の関数として体温を表示し、最高/最低の体温、測定された時間などを送信し、最終的に、信号は経時変化を示す体温波形も含み得る。他のデバイスおよび/または信号(ハイブリッド信号)は、グルコースモニタ信号を含んでもよく(たとえば、グルコース計などとして超音波送信デバイスを構成する)、これは、血糖信号(最大値、最小値などを含むデジタル信号)および経時的な血糖値の波形を示す1つまたは複数のグラフなどを送信してもよい。
【0258】
アナログ情報とデジタル情報との両方を含むように信号を準備して送信することはまた、システムが波形として圧縮された形式でより多くのデータを送信することを可能にすることがあり、これは非常に効率的であり得る。たとえば、プロトタイプ超音波送信デバイスは、特定のサンプリングレート(たとえば、300サンプル/秒または500サンプル/秒、各値は16ビットのバイナリ値である)を適用する。より多くのデータが、波形として圧縮された形式で効率的に送信され得る。信号のデジタル部分に抽出された情報(アナログ信号の最小値および最大値など)を含めることで、たとえば表示のために、信号のアナログ部分に対する軸の較正を行うことができる。
【0259】
言及されたように、
図26Aは、本明細書において説明されたように使用され得るハイブリッドデジタル/アナログフォーマットの1つの変形を示す。この例では、信号は、FSK(または当技術分野において知られている他の技法のいずれか)などの技法を使用して超音波送信のために符号化される、初期デジタル成分0901を含む。デジタル情報は、ビット、バイト、ワードなどへと適宜分解され得る。デジタル情報のサイズおよび配置は、あらかじめ決定されていてもよい。誤り訂正符号(たとえば、ハミングコードなど)が含まれてもよい。
図26Aにおいて、信号は、スタートビットまたはバイト0905、アナログ信号から抽出された較正データ0907のシーケンス(たとえば、最大値/最小値)、アナログ信号についての追加のデータ0909(たとえば、タイプ、タイミング、デートスタンプ/タイムスタンプなど)を含む。あらゆる他のデジタル情報が含まれてもよい。その後、信号はアナログ成分0903を含んでもよい。
図26Aにおいて、アナログ信号はある程度自由であり、固定されたまたは固定されていない時間長の間続いてもよい。いくつかの変形では、信号全体が遠隔通信デバイスによる受信について繰り返され得る。
図26Bはハイブリッド信号フォーマットの同様の変形を示し、デジタル成分0901がアナログ成分0903に付加され、追加のデジタル成分0911(「終了」信号)が最後に付加されてもよい。いくつかの変形では、複数のアナログ成分が複数のアナログ成分と組み合わせられてもよい。以下で説明されるように、信号全体が送信の前に暗号化されてもよい。
【0260】
いくつかの変形では、ある長さの時間の間、デバイス(超音波送信デバイス)によって保持されている記憶されたデータを符号化するために、ハイブリッドデジタル/アナログフォーマットが使用され得る。たとえば、数時間分のデータ、数日分のデータ、または数週間分のデータ(たとえば、歩数計データなどのバイオメトリックデータ)などの記憶されているデータは、デジタルデータコンポーネントによって記述/較正されるアナログ信号(経時的なグラフ)として準備され、遠隔通信デバイスに送信され得る。
【0261】
本明細書において説明されるデバイス、システム、および方法のいずれにおいても、デバイスによって送信される超音波信号が暗号化され得る。データ暗号化標準(DES)、高度暗号化標準(AES)などの、鍵を使用する暗号化方法を含む、あらゆる適切な暗号化方法が使用され得る。
【0262】
一般に、特定のデバイス(たとえば、超音波送信デバイス)のための暗号鍵は、受信側遠隔通信デバイスのユーザが容易に入手できるように、デバイス上に(または、デバイスの関連するパッケージ、ハウジングなどの上に)提示されていてもよい。暗号鍵は、バーコードまたは他の機械可読フォーマット(たとえば、QRコード(登録商標))として、特に、超音波送信とは異なるモダリティの受信側遠隔通信デバイスを使用して読み取ることができる読み取り可能なフォーマットとして準備されてもよい。本明細書において使用される場合、超音波送信デバイス上に暗号鍵を提示または表示することへの言及は、超音波送信デバイス、その包装または関連する構造物(たとえば、ハウジングなど)に準備された表現(および特に機械可読表現)を表示することを包含することが意図される。いくつかの変形では、暗号鍵は、遠隔通信デバイスにより撮影またはスキャンできるように、バーコードまたはQRコード(登録商標)として準備され、超音波送信デバイスの外側に印刷される。遠隔通信デバイス上の機械実行可能論理(たとえば、クライアント論理、ソフトウェア、ファームウェアなど)は次いで、暗号鍵を決定し、それを適用して、超音波通信デバイスから受信された超音波信号を復号し得る。
【0263】
このようにして、超音波送信デバイスは、暗号鍵を所有して適用する遠隔通信デバイスだけが読み取ることのできる秘密の暗号鍵と一意にペアリングされ得る。暗号鍵は、遠隔通信デバイスによって容易に表示され、簡単に決定される。したがって、いくつかの変形では、各超音波送信デバイスは、デバイスに印刷されている固有のIDを有してもよく、遠隔通信デバイスと一致しなければならないコードを提供する。印刷された暗号鍵をスキャンすることで、遠隔通信デバイスはデータを復号することが可能になる。
【0264】
図27は、送信された超音波送信を復号するために遠隔通信デバイス01025によって読み取られ適用され得る、デバイスの本体の上の目に見える暗号鍵01051を伴う超音波送信デバイス(「ソースデバイス」01031)を含むシステムの1つの変形を概略的に示す。
図27はまた、超音波送信デバイス(「ソースデバイス」01031)が遠隔通信デバイスと双方向に(または限定的に双方向に)通信しているような、デバイスおよびシステムの1つの変形を示す。
【0265】
上で言及されたように、遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォンまたはコンピュータ)と、健康管理/フィットネスセンシングデバイス、ホームオートメーションおよびセキュリティデバイス(玄関および窓のセンサ、遠隔照明スイッチなど)、鉢植え水位検出器などの、超音波送信デバイスと、の間で通信があることは有用であり得る。たとえば、(正しいCRCを用いて)データの受信に成功したという肯定応答(ACK)をセンシングデバイス(ソースデバイスまたは超音波送信デバイス)に遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン/コンピュータ)が提供できるように半二重プロトコルを実装し、そのデータの再送信を止めることが有用であろう。この半二重プロトコルの別の使用法は、較正データ、個人情報などのパラメータまたは情報を遠隔通信デバイスから送信することによって、遠隔デバイスを構成することである。
【0266】
簡単な肯定応答のために、データを送信するためにデバイス(超音波送信デバイス)によって使用される圧電素子/スピーカーが、周波数チューニングされたセンサとして使用され得る。一般に、音声の送信のための圧電素子は、受信機としても構成され得る。圧電素子を受信センサとして使用することは、比較的「うるさい」信号(それが聞こえないものであっても)を必要とするので、信号は、圧電素子の感受性が最も高くなる圧電素子の共振周波数になければならない。そのような「周波数バースト」の時間長および符号化は、健康管理/フィットネスセンシングデバイスの低電力電子装置により簡単に認識されるように構成され得る。たとえば、肯定応答パルスは、フィルタリングされ、所定の時間長の間ある超音波周波数がただ存在することとして検出され得る。
【0267】
いくつかの変形では、搬送波周波数を超音波範囲に変えるだけで、よく確立されている電話モデム技法を使用して、対称的な双方向通信を達成することができる。たとえば、FSK(周波数偏移変調)、QAM(直交振幅変調)、およびPSK(周波数偏移変調)に基づく、電話モデム変調技法。これらの電話モデム技法は、2つのデバイスしか通信を試みていないことを前提とする。複数のデバイスがエラーなしで同時に通信することを可能にするようにモデムプロトコルを強化するために、無線周波数プロトコルを使用することができる。
【0268】
そのような双方向通信技法の実装形態は、受信されたオーディオを復調して復号するのに必要な信号処理を実行するのに十分な追加の処理電力をデバイスにおいて含み得る。この処理電力は、デバイスにおいて追加の電池の電力ならびに物理的空間を必要とし得る。超音波通信に適合され得る既存のモデム通信規格の部分的なリストには、ITU V.21(300bps、FSK)およびITU V.22(1200bps、PSK(位相偏移変調))があり得る。たとえば、以下などのウェブページを参照されたい。
【0269】
ftp://kermit.columbia.edu/kermit/cu/protocol.html、http://www.LSU.edu/OCS/its/unix/tutorial/Modem Tutorial/ModemTutorial.html、http://www.dtic.mil/cgi-bin/GetTRDoc?AD-ADA499556、http://alumni.media.mit.edu/~wiz/ultracom.html、http://nesl.ee.ucla.edu/fw/torres/home/Dropbx/good_paper_mico_controller.pdf、http://edocs.nps.edu/npspubs/scholarly/theses/2010/Sep/10Sep _Jenkinds.pdf
【0270】
図27に関して、ソースデバイスは、遠隔通信デバイスから超音波信号を受信するための、かつ、それを制御し、通信(符号化および/または暗号化されていることがある)を解釈し、あらゆる命令機能を実行するための処理(たとえば、マイクロプロセッサ/マイクロコントローラ論理)をサポートするための、追加のトランスデューサ/マイクロフォンを含み得る。同様に、遠隔通信デバイスは、超音波信号を放出するように構成されるスピーカー(圧電素子)を含み得る。
【0271】
上記の説明から、ここで開示され特許請求される発明概念が、本明細書において言及される、かつ本明細書で開示され特許請求される発明概念に内在するような、目的を実行して利益を得るためによく適合されていることは明らかである。提示される実施形態は、本開示の目的のために説明されているが、当業者には容易に明らかになる、かつ本明細書で開示され特許請求される発明概念の趣旨の範囲内で達成される、数々の変更を行うことができることが理解されるだろう。
【0272】
例2: 心拍数の送信のためのオーディオトーンを使用した心拍数モニタ
本明細書において説明されるデバイス、システム、および方法のいずれもが、スマートフォンなどのモバイル遠隔通信(コンピューティング)デバイスとともに使用することに適応したワイヤレス(超音波)心拍数モニタとして構成され得る。(たとえば、検出されたECG信号から心拍数を抽出することによって)心拍数情報も提供し得るウェアラブルECGモニタを説明する、以下の例3も参照されたい。心拍数を検知するためのウェアラブルコンポーネント(たとえば、ウェアラブルモニタ)は、リストレット、アンクレット、アームバンド、チェストストラップ、ベルト(総称して「ストラップ」)などとして構成されてもよく、検知された(バイオメトリック)情報を受信し、記憶し、かつ/または分析するための受信側制御論理(たとえば、ソフトウェア、ハードウェアなど)の使用を含む、上で説明された超音波方法のいずれかを介して情報をワイヤレスに送信してもよい。
【0273】
大半の心拍数モニタは、ECG増幅器、R波検出器、およびR波が検出されると典型的には50msの幅の5kHz電磁パルスを出力するための回路を組み込む、チェストストラップからなる。この電磁パルスはウォッチまたは他の受信機によって検出され、これは次いで、パルス間の間隔を測定し、心拍数を計算して表示する。この構成は、携帯電話またはコンピュータに存在しないことがある特別な受信機を必要とするので、追加の機器がなければ、それらは心拍数情報を受信することができない。その構成は通常、近距離電磁送信を使用するので、範囲も約1メートルに限られている。
【0274】
本明細書において説明されるデバイスおよびシステムの1つの変形では、心拍数モニタは、ECG増幅器、R波検出器、およびR波が検出されると典型的には5msの幅のオーディオ時間(信号)を(たとえば、約17kHzから30kHzの超音波周波数領域内で)出力するための回路を組み込むストラップ(たとえば、チェストストラップ、リストレットなど)を含み得る。このオーディオトーンは、スマートフォン、または、スマートフォンデバイスの内蔵マイクロフォンを使用する他のモバイルコンピューティングデバイスなどのデバイスによって検出されてもよく、それらは次いで、トーン間の間隔を測定し、心拍数を計算して表示することができる。モバイルコンピューティングデバイス(たとえば、電話)は、モバイルデバイスを制御してオーディオ(たとえば、超音波)トーンを受信して分析し、心拍数を計算し、心拍数を記憶し、アップロードし、かつ/または表示するための、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア(しかし、典型的には、リモートサーバからダウンロードされ得るアプリケーションまたは「アプリ」を含めたソフトウェアである)を含み得る。
【0275】
このシステムの1つの利点は、マイクロフォン回路がスマートフォンまたは他のモバイルコンピューティングデバイスにすでに存在するので、追加の機器が心拍数情報を受信するために必要とされないこと、および、範囲をより長くできることであり、オーディオトーンの大きさに応じて望まれる場合には5m以上の範囲である。
【0276】
範囲16kHz~32kHzのオーディオトーンが使用されるとき(たとえば、超音波、17kHz~30kHz、17kHz~22kHzなど)、それらは大半の人には聞こえず、音楽または会話と干渉せず、またオーディオ干渉をより受けにくい。
【0277】
いくつかの変形では、複数の心拍数モニタをすぐ近くで使用できるように、または、1つの受信デバイスが複数のユーザから心拍数情報を同時に受信するように、デバイス、方法およびシステムは構成され得る。各心拍数モニタからの心拍数情報は、互いに干渉しないように一意に識別可能であることが望ましいことがある。
【0278】
たとえば、各心臓モニタからのオーディオトーンは、ある範囲のトーン時間長、特定の時間離隔を伴う同じ周波数の複数のトーン、異なるオーディオ周波数、またはこれらの組合せを使用することによって、各モニタに対して一意にコーディングされ得る。
【0279】
第1の実施形態は、心拍数モニタが受信機に対して高速に動いているときにドップラーシフトを可能にするのに、かつ高い信号対雑音比で周波数の区別を可能にするのに十分離隔されている、異なるオーディオ周波数を各心臓モニタが使用するような実施形態である。
【0280】
よって、各心臓モニタは特定のトーン周波数に設定されなくてもよく、周波数は、心臓モニタが最初に取り付けられた後に初めてR波心拍信号を検出するときに、疑似ランダムシーケンスによって決定されてもよい。そして、心臓モニタが取り外されるまで、オーディオトーンは固定される。したがって、そうすると各モニタを独自にコーディングしなくてもよい。
【0281】
心拍数モニタが18kHz~22kHzの範囲のオーディオトーンを放出する場合、500Hzの離隔が使用され得る。これにより、各モニタに対して9個のオーディオ動作周波数が利用可能になる。
【0282】
使用されるべき周波数の疑似ランダムな割振りは、心臓モニタが最初に体に取り付けられたときから時間とともにインクリメントするカウンタを設けることによって達成され得るので、最初のR波が検出されるときのカウンタ値が、使用されるべきオーディオ周波数を決定する。オーディオ周波数は、モニタを体から取り外して、再び取り付けることによって変更され得る。
【0283】
上の例では、2つの心臓モニタが同じ周波数を使用しており、近くにあるので、ある程度の干渉の可能性があり得るような稀な状況では、1つのモニタを取り外して再び取り付けることによって、そのモニタの周波数を変更することができる。受信デバイスも、そのような干渉を検出し、必要であればモニタを取り外して再び取り付けるようにユーザに助言することができる。
【0284】
受信デバイスは、受信されたオーディオのスペクトル分析を実行することによって、特定の超音波送信デバイス(この例では、心臓モニタ)のオーディオトーン周波数を決定することができる。オーディオトーン周波数が知られると、各心臓モニタからのトーンを分離するために、狭いオーディオフィルタが使用される。次いで、オーディオトーンを検出することができ、オーディオトーン間の間隔を測定することによって心拍数が計算される。各オーディオトーンの時間長は固定されているので、この情報を使用して、周波数帯域の中の他のオーディオソースからの干渉を除くことができる。
【0285】
第2の実施形態は、複数のデバイス(たとえば、心拍数モニタ)が、周波数は同じであるが時間長の異なるオーディオトーンを使用するような実施形態である。各トーンの時間長は、受信デバイスによって測定され得る。特定の心拍数モニタに対する心拍数を計算するために、特定の時間長のトーンのみが使用される。2つの心拍数モニタが近くにあり、それにより、受信デバイスが両方のモニタからのオーディオトーンを同時に拾う場合、受信デバイスはトーン時間長に基づいてそれらを区別することができる。トーン時間長はトーン間の間隔(心拍の間隔)と比較して短いので、オーディオトーンが同時に到達する可能性は低いが、それらが同時に到達する場合、受信デバイスがこれを認識することができ、補償するために心拍数の計算を調整することができる。
【0286】
いくつかの変形では、心拍が検出されるときに放出されるオーディオ信号は、デジタル的に符号化されてもよく(たとえば、高周波における複数のパルスのバーストを含む)、符号化(バーストパターン)は、上で言及されたように固有であり、またはあらかじめ選択されてもよく(ランダムであってもよく)、ユーザによって(たとえば、デバイスを取り外して再び取り付けることによって)リセットされてもよい。
【0287】
上で論じられた例のいずれもが、方法、デバイス、またはシステム(ソフトウェアを含む)の一部として含まれ得る。したがって、心拍数を測定するためのシステムは、患者の心拍数に合わせてタイミングが決められるオーディオ信号(たとえば、1つまたは複数のパルス)を作成するためのトランスデューサを含むモニタ(たとえば、心拍数センサなど)を含み得る。したがって、モニタはオーディオリピータとして動作する。オーディオ信号は超音波範囲にあり得る。システムはまた、ユーザの心拍数に合わせてタイミングが決められるオーディオ信号を受信して分析するように、スマートフォンまたはタブレットなどのモバイルデバイスを制御するための、制御論理を含み得る。いくつかの場合、制御論理を実行するスマートフォンの代わりに、またはそれに加えて、専用の受信機が使用されてもよい。
【0288】
ある特定の例では、システムは、内部のオーディオピックアップ(マイクロフォン)を使用して、センサによって放出されたオーディオ信号を受信し、このオーディオ(たとえば、超音波)パルス信号から心拍数を計算するようにスマートフォンを制御する、スマートフォンなどのモバイルデバイス上で使用するためのアプリケーションを含み得る。
【0289】
例3: 運動および/またはECG信号を検出するためのリストレット
図28Aおよび
図28Bは、健康パラメータを検出し、ウェアラブルデバイスから超音波で情報を受信するように、かつ/または受信を引き起こすように制御論理によって制御される観察ステーション(たとえば、スマートフォン)に健康パラメータを超音波で送信し得る、ウェアラブルデバイスの別の変形を示す。
【0290】
図28Aは、リストレットとして構成される、デバイスの1つの変形の外部の図を示す。デバイスは、モーション/振動センサなどの生物学的パラメータを検出するための1つまたは複数のセンサと、1つまたは複数の電極と、を含み得る。
図28Aでは、デバイスの外側表面が概略的に示されている。第1の導電性(たとえば、金属)の窓01151がリストレットの外側表面において見えており、第2の導電性(たとえば、金属)の窓01153がリストレットの内側表面において見えている。これらの電極は、ユーザが電極およびリストレットを下に押して皮膚と電気的に接触させることを可能にし得る。内側電極は、通常の使用の間に常にまたは定期的に接触し得る。導電性の窓はまた、熱伝導性があってもよく、体温検知モジュールにも接続されてもよい。
【0291】
リストレットはフレキシブルであり得るので、装着者の手首に巻いて固定することができる。リストレットは屈曲可能であり得るので、装着者の手首の周りで曲げられると、その配置にとどまる。いくつかの変形では、リストレットは開いている。いくつかの変形では、リストレットは閉じていてもよい(被験者の手首の周りで閉じたループを形成する)。リストレットの外側表面は、損傷を防ぐために、かつ装着中にリストレットを防汗および防水にするために、内側表面から封止されていてもよい。
【0292】
導電性の窓の領域について上で示されたように、リストレットの外側部分は、外側の保護ハウジングを通じてリストレット内のモジュールからエネルギーを送るように適合され得る。たとえば、上で示された導電性の窓の領域。超音波トランスデューサ01184を覆うリストレットの領域も、超音波信号の通過を許容するように適合され得る。いくつかの変形では、リストレットの端部は、超音波エネルギーを容易に変換できる比較的硬いエンドキャップを含むことによって、超音波信号の通過を許容するように適合される。いくつかの変形では、外側の(たとえば、ポリマーの)覆いは、超音波を比較的通すことが当技術分野において知られている材料からなる。いくつかの変形では、端部領域(または反対側の端部領域)はまた、デバイスの電池の再充電を可能にするように適合され得る。
【0293】
図28Bは、内部モジュール(構造)を示す、リストレットの例示的な内部の概略図を示す。言及されたように、上で言及されたもののいずれかを含む、あらゆる適切なセンサが含まれ得る。この例では、リストレットはモーションセンサ01186を含み、これは、体の動きを追跡するための高精度のモーションセンサであり得る。この例における他のセンサには、外側表面の導電性の窓01151、01153に電気的に接続され得る第1の電極01191および第2の電極01192がある。いくつかの変形では、外側表面は電極である。他の変形では、導電性の表面が、リストレットの内側表面の長さ方向の周りに(たとえば、下側の電極に向かって)延びているので、デバイスが装着されるときにはいつでも、手首の素肌の少なくとも一部と接触する可能性が高い。同様に、上側の電極の外側の導電性の表面は、リストレットの外側の(外を向いた)表面の周りに全体が延びていてもよい。追加のセンサが含まれてもよく、または省略されてもよい、たとえば、ある変形では、リストレットはモーションセンサのみを含み、電極を含まない。
【0294】
いくつかの変形では、リストレットはまた、触覚フィードバック素子、振動モータ01194を含む。この振動モータは、デバイスからユーザにフィードバックを提供するための発振周波数を生み出し得る。いくつかの変形では、リストレットはまた、超音波によるデータの送信などのリストレットおよび/または観察ステーションの1つまたは複数の機能をユーザが手動で惹起することを可能にする、ボタンまたは接触領域を含み得る。ボタンは、リストレットを保護する外側の覆いを通じて押され、またはアクティブ化されてもよく、外側の覆いは、模様、色などによって、ボタンをどこで押すことができるかを示してもよい。
【0295】
リストレットはまた、1つまたは複数のセンサ、ならびに超音波トランスデューダ01184から情報を受信および/または符号化するためのプロセッサ01183を含み得る。上で論じられたように、トランスデューサは、超音波を介して送信するための符号化/暗号化された情報をプロセッサから受信し得る。複数のセンサが含まれるとき、どのデータが含まれるかを示すために情報が符号化され得る。
【0296】
記録された情報を記憶するための、1つまたは複数のメモリモジュール(図示せず)も含まれ得る。メモリは、プロセッサと統合され得る。いくつかの変形では、別個の超音波検出器01194も使用されてもよく、または、超音波トランスデューサ01184は超音波信号の送信と受信との両方を行う能力があってもよい。したがって、デバイスと観察ステーション(たとえば、制御論理を実行するスマートフォン)との間で、超音波による双方向通信が可能であり得る。
【0297】
リストレットはまた、典型的には再充電可能である電池01182を含む、電力管理システムを含み得る。電池は比較的低電力(たとえば、1.5Vなどの低電圧)であってもよく、電子装置および超音波トランスデューサに電力供給するのに十分である。プロセッサは、電池の充電を含めて、電力を管理し得る。システムは、電池の残量が少なく充電が必要であることを(たとえば、警告振動パターンの振動によって)示し得る。
【0298】
動作中、リストレットは、被験者(たとえば、身体的活動)を観察するために装着されて使用されてもよく、被験者の検知された値を記録および/またはワイヤレスに送信してもよい。たとえば、モーションセンサデータが検出されて、超音波によってモバイルコンピューティングデバイス(たとえば、スマートフォン01130)に送信されてもよい。上で論じられたように、検知されたデータは、(たとえば、アナログ情報とデジタル情報との両方として)符号化され暗号化されてもよく、これは、他のデバイス間の干渉を防ぎ(たとえば、デバイス間での特定の変調を可能にし)、誤り訂正も可能にし得る。
【0299】
たとえば、リストレットデバイス(たとえば、活動モニタ)が被験者により装着され得る。装着されると、デバイスは装着者の動き(活動)を記録し得る。デバイスはまた、電極のペアなどの追加のセンサも含み得る。これらの電極は、被験者が電極1の外側表面を押すと、患者にわたって(たとえば、患者の腕と腕との間で)ECGを測定するために使用され得る。いくつかの変形では、押すことは、この期間の間デバイスによる電位の記録を引き起こし得る。記録された電気信号は、心拍およびECGについての情報を含むことがあり、これは、直接渡されてもよく、または、最初にプロセッサによって分析されてから渡されてもよい(あらゆる分析された情報を渡すことを含む)。
【0300】
デバイスは、継続的に(たとえば、超音波を介したブロードキャスト)かつ/または繰り返しデータを送信するように構成されてもよく、または、スマートフォン(または他の受信ステーション)とハンドシェイクするように構成されてもよい。たとえば、リストレットデバイスは、超音波トリガ(「ready」)が超音波トランスデューサ/検出器(01184/01194)によって受信されるまで、スタンバイするように構成されてもよい。リストレットは次いで、上で説明されたような符号化/暗号化された超音波によって、収集されたデータを送信するために、受信ステーションと通信してもよい。システムは、定期的に送信するように、または十分なデータが収集されると送信を試みるように構成されてもよい。
【0301】
一般に、上で説明された技法、コンポーネント、および/またはサブシステムのいずれもが、他の例のいずれとともに使用されてもよく、または組み合わせられてもよい。たとえば、本明細書において説明されるECGリストレットデバイスのいずれもが、上で言及された特徴のいずれを含んでもよい。
【0302】
例4: ECG検出腕時計
ECG信号を検出して、ECGデータを送信するように構成される、ECG測定デバイスの別の変形が、
図29および
図30に示されている。この例では、2つの電極を含むようにウォッチが改造されている。第1の電極(
図29および
図30では見えない)は、ウォッチ(「リストレット」)の裏に配置され、デバイスを装着する人の手首に接触する。第2の電極01203は、
図29に示されるように、ウォッチ01201の「表」に配置される。したがって、ウォッチは1誘導ECGセンサとして動作することができ、リードI(左腕/右腕)を記録する。いくつかの変形では、ウォッチは、たとえばウォッチまたはストラップ領域の横に追加の電極01207を含んでもよく、これは、追加/代替のリード(たとえば、リードII、リードIIIなど)を生み出すために被験者の脚(右脚または左脚)に対して保持され得る。
【0303】
ウォッチはまた、1つまたは複数のコントロールおよび/またはインジケータを含み得る。たとえば、ウォッチは時計(時間を示す、など)としても構成され得る。ウォッチは、機能(たとえば、ECG測定のオン/オフ、ECG情報の送信の開始など)を選択するための、ボタン、ダイヤルなどを含み得る。
【0304】
図30は、モバイル遠隔通信デバイス01205に送信する、
図29に示されるECGデバイス01203の変形を示す。この例では、モバイル遠隔通信デバイスは、ECGウォッチのための受信ステーションとして動作し、ECG情報の超音波送信を受信するように構成されるスマートフォン(iPhone(登録商標))である。したがって、スマートフォンは、スマートフォンのプロセッサが、超音波を感知するオーディオ受信機(マイクロフォン)に超音波信号を「聞かせる」ように、アプリケーションソフトウェアを実行している。受信デバイス(スマートフォン)は次いで、信号を処理し、
図30に示されるように、ECG信号が記録されるにつれてそれをリアルタイムで表示し得る。この例では、スマートフォンは、信号を継続的に受信し、表示し、記録している。
【0305】
言及されたように、信号は、表示および/または記憶および/または送信される前に処理され得る。たとえば、信号は、アーティファクトを取り除くために、かつ/または滑らかにするためにフィルタリングされ得る。信号はまた、心イベント(たとえば、不整脈)を自動的に検出するために分析され得る。処理は、超音波送信の前にウォッチによって実行されてもよく、受信デバイスへの送信の後に受信デバイス(たとえば、スマートフォン)によって実行されてもよく、またはそれらの間で分割されてもよい。
【0306】
いくつかの変形では、上で論じられたように、ウォッチは、受信デバイス(たとえば、スマートフォン)が情報を受信する準備ができていることを決定/確認してもよい。いくつかの変形では、半二重または全二重が使用され得る。ウォッチは、ECGデータを継続的にブロードキャストしてもよく、または、受信機が受信する準備ができていることが示される場合にのみ送信してもよい。そのような変形では、デバイスはより後の送信のために検出されたECGデータを記憶してもよい。
【0307】
図29および
図30に示される例では、システムはまた、ECG情報から心拍数を決定する。追加の情報も信号から抽出され得る。上で言及されたように、信号は、デジタル超音波信号、アナログ超音波信号、またはハイブリッドデジタル/アナログ超音波信号としてデバイス(たとえば、リストレット)によって送信され得る。さらに、信号は符号化されてもよい。いくつかの変形では、上で論じられたように、デバイスは、スマートフォン(受信機)とデバイスとの間で復号/ペアリングを提供するためにスマートフォンによってスキャンされ得る鍵を含む。
【0308】
本明細書において説明される例示的なデバイスの多くはウェアラブルデバイス(たとえば、リストレット、チェストバンド、ペンダント、宝飾品など)であるが、本明細書において説明される原理、モジュール、サブシステム、および要素は、他のデバイス、特に生物学的センサデバイスのために使用され得る。たとえば、モバイル遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)のためのケースまたはホルダは、超音波信号の符号化、ハイブリッドデジタル/アナログ超音波信号としての符号化などの、これらの態様のいずれかを組み込み得る。したがって、ウェアラブル医療センサに加えて、任意のスタンドアロン医療センサもこれらの特徴のいずれかを含み得る。
【0309】
例5: ベッドサイド便座ECG
図31は、ECG測定デバイスが便座7000として実装される、本開示のある実施形態を示す。便座7000は、ユーザの心臓の電気的活動に対応する電気信号を経時的に検知し、電気信号を出力する(たとえば、ECGをとる)、電極7005A~7005Cのセットを備える電極アセンブリ7005を備え得る。便座7000は、右肘掛け7001、左肘掛け7002、および座部7003を含み得る。
図31Aに示されるように、電極7005A~7005Cのセットは各々、便座7000の特定のコンポーネントに配置され得る。より具体的には、第1の電極7005Aは、右肘掛け7001に配置されてもよく、ユーザの右腕と接触してもよい。第2の電極7005Bは、左肘掛け7002に配置されてもよく、ユーザの左腕と接触してもよい。第3の電極7005Cは、座部7003に(たとえば、便座7000に座るユーザから見て座部7003の左側に)配置されてもよく、ユーザの左脚および/または尻と接触してもよい。したがって、便座7000は、リードI(左腕/右腕)を記録する単誘導ECGデバイス、または、リードI、II、およびIII(左腕/右腕、左脚/右腕、および左脚/左腕)を記録する6誘導ECGデバイスとして働き得る。いくつかの変形では、便座は、あらゆる適切な組合せで2つだけの電極も含んでもよい。
【0310】
したがって、ユーザが便座7000に座り、腕をそれぞれの肘掛け7001および7002に置いたことに応答して、電極アセンブリ7005は、ユーザのECGをとり始め得る。便座7000はさらに、(本明細書でさらに詳しく論じられるように)電極アセンブリ7005によって出力される電気信号を周波数変調された信号に変換するための、変換器アセンブリ7007を含み得る。電極アセンブリ7005は電極アセンブリ18と似ていてもよく、変換器アセンブリ7007は変換器アセンブリ14または108と似ていてもよい。
【0311】
図32は、本開示のいくつかの実施形態による便座7000の上面図を示す。右肘掛け7001、左肘掛け7002、および座部7003の位置は、
図32においてそれぞれ番号1、2、および3によって示され得る。
図32に表される実施形態では、右肘掛けおよび左肘掛けは、
図32に示されるように便座7000に動作可能に結合される外部支持システムの一部であり得る。いくつかの実施形態では、右肘掛け7001および左肘掛け7002は(それぞれ)、ユーザが腕を置くのではなく手でつかむことができる、取っ手またはグリップとして実装されてもよい。
【0312】
図31に戻って参照すると、変換器アセンブリ7007は、電極アセンブリ7005によって測定される電気信号を周波数変調された信号に変換するための変換器7008と、変調された信号をコンピューティングデバイス8000に送信するための送信機7009とを備え得る。いくつかの実施形態では、送信機7009は、本明細書でさらに詳しく論じられるように、変調された信号をオーディオ信号としてコンピューティングデバイス8000に送信し得る、超音波送信機であり得る。他の実施形態では、送信機7009は、変調された信号をBluetooth(登録商標)信号としてコンピューティングデバイス8000に送信するためのBluetooth(登録商標)送信機であり得る。いくつかの実施形態では、送信機7009は、変換器アセンブリ7007に結合されるワイヤレス送信機を備え得る。便座7000は、ネットワーク176を介してコンピューティングデバイス8000に通信可能に結合されてもよく、ワイヤレス送信機7009を使用してネットワーク8001を介して変調された信号をコンピューティングデバイス8000に送信してもよい。
図31の例では、コンピューティングデバイス8000は、本明細書で説明されるように、便座7000のための受信ステーションとして働きECGデータの送信を受信するスマートフォンを備え得る。
【0313】
ここで
図33を参照すると、ネットワーク8001は、パブリックネットワーク(たとえば、インターネット)、プライベートネットワーク(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN))、またはこれらの組合せであり得る。一実施形態では、ネットワーク8001は有線またはワイヤレスインフラストラクチャを含んでもよく、これらは、ネットワーク8001と接続されるWi-Fi(登録商標)ホットスポットおよび/または様々なデータ処理機器を使用して実装され得るワイヤレスキャリアシステム、通信タワー(たとえば、セルタワー)などの、1つまたは複数のワイヤレス通信システムによって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク8001はL3ネットワークであり得る。ネットワーク8001は、便座7000とコンピューティングデバイス8000との間で通信(たとえば、データ、メッセージ、パケット、フレームなど)を搬送し得る。
【0314】
他の実施形態では、便座7000は、ケーブル8002を介して、たとえばUSBTMプロトコルなどのあらゆる適切な送信プロトコルを実装するコンピューティングデバイス8000に結合されてもよく、ケーブル8002を介して変調された信号をコンピューティングデバイス8000に送信してもよい。コンピューティングデバイス8000は、変調された信号を受信するための受信機(図示せず)、ならびに、ECGデータを生成するために変調された信号を獲得し、デジタル化し、復調し、処理し得るマイクロプロセッサ/CPU(図示せず)を含み得る。変調された信号がECGデータに変換されると、それは、コンピューティングデバイス8000のモニタ8003(またはコンピューティングデバイス8000に接続されるモニタ)にリアルタイムで表示され得る。ECGデータは、ユーザが電極アセンブリ7005と接触している限り、便座7000を使用している間表示され得る。コンピューティングデバイス8000はまた、ユーザが、たとえば不整脈、徐脈、頻脈などの心臓の異常を経験しているかどうかを決定するために、ECGデータを分析し得る。コンピューティングデバイス8000は、この決定を行うためのいくつかの適切なアルゴリズムのいずれかを利用し得る。ユーザが上記の心臓の異常のいずれかを経験していると決定したことに応答して、コンピューティングデバイス8000は、ユーザに警告を表示し、ユーザの医師に通知するなどの他の行動をとってもよい。
【0315】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス8000は、コンピューティングデバイス8000上でECGデータが直接リアルタイムに表示され評価されることを可能にするための、アプリケーション(図示せず)を含み得る。たとえば、ECGデータがアップロードされると、ECGデータをアプリケーションの中で調べることができ、アプリケーションは、コンソールが、ゲームプレイの間に、または要求に応じて、ユーザの心拍数および心拍情報を画面上でユーザに示すことを可能にし得る。アプリケーションは、たとえば、ユーザが心臓の異常を経験しているかどうかを決定するためにECGデータを分析すること、ユーザが上記の心臓の異常のいずれかを経験していると決定したことに応答して画面上の警告をユーザに表示すること、および/または、ユーザが上記の心臓の異常のいずれかを経験していると決定したことに応答してユーザの医師に通知することなどの、他の機能の実行も処理し得る。
【0316】
いくつかの実施形態では、上で論じられたように、電極アセンブリ7005は、電極7005A~7005Cに加えて、ユーザが観察することを望む生理学的信号を検出するように動作可能な、任意の適切なセンサを含み得る。そのような生理学的信号の限定しない例は、限定はされないが、呼吸、心拍、心拍数、パルスオキシメトリ、PPG、体温などを含む。たとえば、電極アセンブリ7005は、ある人物のヘモグロビンの酸素飽和度を、血液サンプルから直接測定するのではなく非侵襲的な方式で間接的に観察するために、パルスオキシメトリセンサ(図示せず)を含み得る。パルスオキシメトリセンサは、指先または耳たぶなどのその人物の体の薄い部分に置かれるので、右肘掛けまたは左肘掛け(7001または7002)のいずれかに配置されてもよい。たとえば、右肘掛けおよび左肘掛けが取っ手またはグリップとして実装されるとき、パルスオキシメトリセンサは、ユーザが肘掛けをつかんでいる間に人差し指(または任意の指)が置かれるであろう場所に配置されてもよい。赤の波長と赤外線の波長との両方を含む光が、ユーザの指(または適切な付属器官)の一方の側面から他方の側面へと通過する。2つの波長の各々の吸収率の変化が測定され、その差が、ある人物の血液の酸素飽和度および皮膚中の血液量の変化を推定するために使用され得る。次いで、パルスオキシメトリセンサを使用して、または単一の光源を使用した光センサを用いて、PPGが取得され得る。PPGは、血流および心拍数を測定するために使用され得る。次いで、このデータのデジタル表現が、本明細書で説明されるように使用されて伝えられ得る。いくつかの変形では、超音波送信デバイスにより送信されるアナログ情報とデジタル情報とのハイブリッドを形成するために、アナログ情報も符号化され、かつ/またはデジタル情報に付加されてもよい。
【0317】
本明細書で説明される例示的なデバイスの多くはウェアラブルであるが、本明細書で説明される他のデバイス(たとえば、腕輪、チェストバンド、ペンダント、宝飾品、便座など)、原理、モジュール、サブシステム、および要素が、他のデバイス、特に生体センサデバイスのために使用されてもよい。たとえば、モバイル遠隔通信デバイス(たとえば、スマートフォン)のケースまたはホルダが、データ信号の符号化、ハイブリッドデジタル/アナログ超音波信号としての符号化などの、これらの態様のいずれを組み込んでもよい。したがって、ウェアラブル医療センサに加えて、あらゆるスタンドアロン医療センサが、これらの特徴のいずれを含んでもよい。
【0318】
特徴または要素が別の特徴または要素「に接している」ものとして本明細書において言及されるとき、それは、他の特徴もしくは要素に直接接していてもよく、または、介在する特徴および/もしくは要素も存在していてもよい。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素「に直接接している」ものとして言及されるとき、介在する特徴または要素はない。特徴または要素が別の特徴または要素に「接続される」、「取り付けられる」、または「結合される」ものとして言及されるとき、それは、他の特徴もしくは要素に直接接続され、取り付けられ、もしくは結合されてもよく、または、介在する特徴もしくは要素が存在してもよいことも理解されるだろう。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素に「直接接続される」、「直接取り付けられる」、または「直接結合される」ものとして言及されるとき、介在する特徴または要素は存在しない。一実施形態に関して説明され、または示されるが、そのように説明され、または示される特徴および要素は、他の実施形態にも当てはまり得る。別の特徴に「隣接して」配設される構造または特徴への言及は、隣接する特徴と重複する部分、またはその基礎となる部分を有し得ることも、当業者により理解されるだろう。
【0319】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを記述することが目的であり、本発明を限定することは意図されない。たとえば、本明細書において使用されるとき、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。「備える」および/または「備えている」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を規定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそのグループの存在もしくは追加を排除しないことがさらに理解されるだろう。本明細書において使用されるとき、「および/または」という用語は、関連する列挙される項目のうちの1つまたは複数のあらゆるすべての組合せを含み、「/」と省略されることがある。
【0320】
図に示される別の要素または特徴に対するある要素または特徴の関係を記述するために、「真下(under)」、「下(below)」、「より下(lower)」、「真上(over)」、「より上(upper)」などの空間的に相対的な用語が、説明を簡単にするために本明細書において使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図において示される向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な配向を包含することを意図していることが理解されるだろう。たとえば、図のデバイスが逆にされる場合、他の要素または特徴の「真下(under)」または「真下(beneath)」にあるものとして説明される要素は、他の要素または特徴の「真上」に配向される。したがって、「真下」という例示的な用語は、真上と真下との両方の配向を包含し得る。デバイスは別様に配向されてもよく(90度回転される、または他の配向)、本明細書において使用される空間的に相対的な記述子はそれに従って解釈される。同様に、「上に(upwardly)」、「下に(downwardly)」、「垂直な(vertical)」、「水平な(horizontal)」などの用語は、別段明確に示されない限り、単に説明を目的に本明細書において使用される。
【0321】
「第1の」および「第2の」という用語が、様々な特徴/要素を記述するために本明細書で使用されることがあるが、文脈が別段示さない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語により限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用され得る。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論じられる第1の特徴/要素は第2の特徴/要素と呼ばれてもよく、同様に、以下で論じられる第2の特徴/要素は第1の特徴/要素と呼ばれてもよい。
【0322】
実施例において使用されるときを含めて、本明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、別段明確に指定されない限り、すべての数字が、「約」または「およそ」という語が前にあるかのように、それらの語が明確に存在していなくても読まれてもよい。「約」または「およそ」という語句は、説明される値および/または位置が合理的に予想される値および/または位置の範囲内にあることを示すために、大きさおよび/または位置を記述するときに使用され得る。たとえば、数値は、述べられた値(または値の範囲)の+/-0.1%、述べられた値(または値の範囲)の+/-1%、述べられた値(または値の範囲)の+/-2%、述べられた値(または値の範囲)の+/-5%、述べられた値(または値の範囲)の+/-10%などの値を有し得る。本明細書において記載されるあらゆる数値範囲は、それに包摂されるすべての部分範囲を含むことを意図している。
【0323】
本開示の好ましい実施形態が本明細書において示され説明されてきたが、そのような実施形態は単なる例として与えられることが当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者は今や、数々の変形、変更、および置換を想起するだろう。本明細書において説明される本発明の実施形態の様々な代替形態が、本発明を実践する際に利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造とそれらの均等物が請求項により包含されることが意図される。
【符号の説明】
【0324】
300 ケース
301 モバイル遠隔通信デバイス
309 電極
311 電極
313 電極
400 装置
509 電極
511 電極
513 電極
609 電極
611 電極
613 電極
709 電極
805 電極ユニット
809 電極
811 電極
813 電極
909 電極
911 電極
913 電極
0401 医療用センシングデバイス
0403 センサ
0405 マイクロコントローラ
0407 超音波トランスデューサ
0420 超音波信号
0425 遠隔通信デバイス
0427 クライアント制御論理
0429 オーディオピックアップ
0433 データ入力
01025 遠隔通信デバイス
01031 ソースデバイス
01033 超音波トランスデューサ
01051 暗号鍵
01053 暗号鍵入力
01130 スマートフォン
01165 ユーザボタン
01182 電池
01183 プロセッサ
01184 超音波トランスデューサ
01186 センサ
01190 振動モータ
01192 電極
01194 超音波検出器
01201 ウォッチ
01203 電極
01205 モバイル遠隔通信デバイス
01207 電極
1009 電極
1100 コンピューティングデバイス
1110 プロセッサ
1120 メモリ
1130 ストレージ
1140 ネットワークインターフェース
1150 ローカルインターフェース
1160 オペレーティングシステム
1170 アプリケーション1
1180 アプリケーション2
1190 ユーザインターフェース
1195 ディスプレイ
1200 外部デバイス
1210 センサ
1215 接続
1220 プロセッサ
1230 ローカルインターフェース
1235 接続
2100 スマートフォン
2110 前面
2120 縁
2130 背面
2140 ディスプレイ
2200 スマートフォン保護ケース
2210 電極リード
2220 電極リード
2230 電極リード
3100 タブレットコンピュータ
3110 前面
3120 縁
3130 背面
3140 ディスプレイ
3200 タブレットコンピュータ保護ケース
3210 電極リード
3220 電極リード
4100 キーボード
4200 キーボードアクセサリ
4210 電極リード
4220 電極リード
5100 ラップトップコンピュータ
5200 センサアクセサリ
5210 電極リード
5220 電極リード
7000 便座
7001 右肘掛け
7002 左肘掛け
7003 座部
7005 電極アセンブリ
8000 コンピューティングデバイス
8001 ネットワーク
【国際調査報告】