(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ソリッドステートライダー及びそれを用いて探知する方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240326BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20240326BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/89
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561895
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2021138327
(87)【国際公開番号】W WO2022213658
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110378462.7
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120714418.4
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉豪
(72)【発明者】
【氏名】朱雪洲
(72)【発明者】
【氏名】許森
(72)【発明者】
【氏名】劉旭崗
(72)【発明者】
【氏名】向少卿
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA03
2F112BA06
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2F112DA02
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2F112EA05
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2F112GA01
5J084AA05
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5J084BA04
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5J084CA03
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5J084EA04
5J084EA07
(57)【要約】
1つあたりに少なくとも1つの発光ユニット(111)を含む複数の放射モジュール(110)であって、発光ユニット(111)が、複数のレーザーを含むものであり、探知ビームを同時に放射するように配置される複数の放射モジュール(110)と、少なくとも1つの探知ユニット(121)を含む受信モジュール(120)であって、探知ユニット(121)が、複数の光検出器を含むものであり、探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される受信モジュール(120)と、を含み、ここで、複数の放射モジュール(110)が受信モジュール(120)の周囲に設けられ、複数の放射モジュール(110)の発光ユニット(111)が同一平面上に位置し、1つの探知ユニット(121)が、複数の放射モジュール(110)の発光ユニット(111)から発した探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される、ソリッドステートライダー(100)。所定範囲の視野角に対して、複数の放射モジュール(110)を設けることによって、同時に発光するライン発光ユニット(111)の長さを大きく短縮し、発光ユニット(111)の発光バラツキを大きく低減し、ソリッドステートライダー(100)の所定視野角内での測距誤差を減少させ、長距離の測距性能を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つあたりに少なくとも1つの発光ユニットを含む複数の放射モジュールであって、前記発光ユニットが、複数のレーザーを含むものであり、探知ビームを同時に放射するように配置される複数の放射モジュールと、
少なくとも1つの探知ユニットを含む受信モジュールであって、前記探知ユニットが複数の光検出器を含む受信モジュールと、を含み、
前記複数の放射モジュールが前記受信モジュールの周囲に設けられ、前記複数の放射モジュールの発光ユニットが同一平面上に位置し、1つの前記探知ユニットが、複数の前記放射モジュールの発光ユニットから発した探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される、ソリッドステートライダー。
【請求項2】
前記発光ユニットの複数のレーザーは条状に配列され、前記放射モジュールは複数の発光ユニットを含み、前記複数の発光ユニットは前記条状延伸方向に垂直な方向に沿って配列される、請求項1に記載のソリッドステートライダー。
【請求項3】
前記放射モジュールは前記受信モジュールの両側に設けられ、前記受信モジュールの両側に位置する放射モジュールの数が同じであるか、又は異なる、請求項1に記載のソリッドステートライダー。
【請求項4】
各前記放射モジュールは同数の複数の発光ユニットを含み、同一の探知ユニットに対応する発光ユニットは同一直線上に位置する、請求項3に記載のソリッドステートライダー。
【請求項5】
同一直線上に位置する複数の発光ユニットに対応する視野が部分的に重なる、請求項4に記載のソリッドステートライダー。
【請求項6】
前記ソリッドステートライダーは2つの放射モジュールを含み、前記2つの放射モジュールは前記受信モジュールの両側に位置する、請求項1~5のいずれか1項に記載のソリッドステートライダー。
【請求項7】
前記発光ユニットはVCSELアレイを含み、前記探知ユニットはSPADアレイを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のソリッドステートライダー。
【請求項8】
前記発光ユニットの条状延伸方向上の前記受信モジュールから離れた側にブラインド補償レーザーが設けられ、前記ブラインド補償レーザーと前記発光ユニットは探知範囲が異なり、前記ブラインド補償レーザーから発した探知光が目標物によって反射されたエコーは、前記発光ユニットに対応する探知ユニットで受信可能である、請求項2に記載のソリッドステートライダー。
【請求項9】
前記放射モジュールは電極ユニットをさらに含み、前記電極ユニットは、前記発光ユニットの複数のレーザーに電気的に接続され、且つ複数の駆動端を含み、前記複数の駆動端によって前記発光ユニットの複数のレーザーに駆動信号を同時にロードする、請求項2に記載のソリッドステートライダー。
【請求項10】
前記電極ユニットは前記発光ユニットの条状延伸方向の両端に設けられたランドをさらに含み、前記ランドは前記駆動信号をロードするために用いられる、請求項9に記載のソリッドステートライダー。
【請求項11】
前記放射モジュールは放射側光学アセンブリをさらに含み、前記放射モジュールの少なくとも1つの発光ユニットは前記放射側光学アセンブリの焦点面に位置し、前記放射側光学アセンブリは、前記少なくとも1つの発光ユニットから放射された探知ビームを受け、整形した後に目標空間に放射するように配置される、請求項1~5のいずれか1項に記載のソリッドステートライダー。
【請求項12】
前記複数の放射モジュールの放射側光学アセンブリは同じである、請求項11に記載のソリッドステートライダー。
【請求項13】
前記放射モジュールは、前記複数のレーザーの光路の下流に設けられたマイクロレンズアレイをさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のソリッドステートライダー。
【請求項14】
前記受信モジュールは、
前記ソリッドステートライダーから発した第1波長域の探知ビームが目標物によって反射されたエコー、及び第2波長域のビームを受けて収束するように配置される受信側光学アセンブリであって、前記第2波長域が前記第1波長域を含まない受信側光学アセンブリと、
前記受信側光学アセンブリの光路の下流に設けられる分光ユニットであって、前記探知ビームの反射エコーと前記第2波長域のビームの光路を分離するように配置される分光ユニットと、
前記分光ユニットの光路の下流に設けられる少なくとも1つの探知ユニットであって、前記分光ユニットから前記探知ビームの反射エコーを受信して電気信号に変換するように配置される少なくとも1つの探知ユニットと、
前記分光ユニットの光路の下流に設けられる少なくとも1つの結像ユニットであって、前記分光ユニットから前記第2波長域のビームを受けて結像を行うように配置される少なくとも1つの結像ユニットと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のソリッドステートライダー。
【請求項15】
各前記探知ユニットの複数の光検出器は同時にアクティブ化されて前記反射エコーを受信し、各前記結像ユニットは複数のイメージセンサを含み、各前記結像ユニットの複数のイメージセンサは同時にアクティブ化されて前記第2波長域のビームを受けて結像を行い、同一の視野範囲に対応する探知ユニット及び結像ユニットは同時にアクティブ化されて探知及び露光を行う、請求項14に記載のソリッドステートライダー。
【請求項16】
前記分光ユニットは分光透過反射ミラーを含み、前記探知ビームの反射エコーが反射され、前記第2波長域のビームが透過されるようにし、又は前記探知ビームの反射エコーが透過され、前記第2波長域のビームが反射されるようにする、請求項14又は15に記載のソリッドステートライダー。
【請求項17】
前記放射モジュールの発光ユニットが目標物を探知するための探知ビームを放射するステップと、
前記受信モジュールの探知ユニットが、前記探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するステップと、
探知ビームを放射する時間及びエコーを受信する時間に基づいて、前記目標物の距離を確定するステップと、を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のソリッドステートライダーを用いて探知する方法。
【請求項18】
前記ソリッドステートライダーは2つの放射モジュールを含み、前記2つの放射モジュールは、前記受信モジュールの両側に位置し、且つ同数の複数の発光ユニットを含み、同一の探知ユニットに対応する発光ユニットは同一直線上に位置する方法であって、
同一の探知ユニットに対応する2つの発光ユニットが同時又は交互に発光するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記発光ユニットの複数のレーザーは条状に配列され、前記発光ユニットの条状延伸方向上の前記受信モジュールから離れた側にブラインド補償レーザーが設けられ、前記ブラインド補償レーザーと前記発光ユニットは探知範囲が異なり、前記ブラインド補償レーザーから発した探知光が目標物によって反射されたエコーは、前記発光ユニットに対応する探知ユニットで受信可能である方法であって、前記ブラインド補償レーザーと前記発光ユニットが同時に発光するステップをさらに含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記発光ユニットの複数のレーザーは条状に配列され、前記放射モジュールは電極ユニットをさらに含み、前記電極ユニットは、前記発光ユニットの複数のレーザーに電気的に接続され、且つ複数の駆動端を含む方法であって、
前記複数の駆動端によって前記発光ユニットの複数のレーザーに駆動信号を同時にロードするステップをさらに含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項21】
前記電極ユニットは前記発光ユニットの条状延伸方向の両端に設けられたランドをさらに含む方法であって、
前記ランドによって前記駆動信号をロードするステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記受信モジュールは、受信側光学アセンブリと、前記受信側光学アセンブリの光路の下流に設けられた分光ユニットと、前記分光ユニットの光路の下流に設けられた少なくとも1つの探知ユニットと、前記分光ユニットの光路の下流に設けられた少なくとも1つの結像ユニットと、をさらに含む方法であって、
前記ソリッドステートライダーから発した第1波長域の探知ビームが目標物によって反射されたエコー、及び第2波長域のビームを前記受信側光学アセンブリによって受けて収束するステップであって、前記第2波長域が前記第1波長域を含まないステップと、
前記分光ユニットによって前記探知ビームの反射エコーと前記第2波長域のビームの光路を分離するステップと、
前記少なくとも1つの探知ユニットによって前記分光ユニットから前記探知ビームの反射エコーを受信して電気信号に変換するステップと、
前記少なくとも1つの結像ユニットによって前記分光ユニットから前記第2波長域のビームを受けて結像を行うステップと、をさらに含む、請求項17又は18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ねに、レーザー探知の技術分野に関し、特に、ソリッドステートライダー及びそれを用いて探知する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ライダーは、高精度、且つ高確度に目標の距離、速度等の情報を取得し、又は目標の結像を実現することができ、測量・製図、ナビゲーション等の分野において、重要な役割を果たす。通常、ライダーは、機械式ライダーとソリッドステートライダーの2種類に分類することができる。機械式ライダーは、機械回転部材をビーム走査の実現方式として採用し、大角度の走査が実現可能であるが、実装が困難であり、走査周波数が低い。ソリッドステートライダーは、現在、マイクロエレクトロメカニカルシステム、エリアアレイソリッドステートレーダー及び光フェーズドアレイ技術といった実現方式がある。
【0003】
エリアアレイソリッドステートライダーの光源は、一般的に、高密度の垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)アレイであり、複数のレーザーが並列に接続されて発光ユニットを形成し、同時に駆動されて発光する。発光ユニットは、長さが長く、幅が狭く、アスペクト比が高いことによって、大電流、高周波数で駆動される場合に、駆動ライン上の抵抗及び寄生インダクタンスが圧力低下を発生させ、駆動信号の伝播方向に沿って、複数のレーザーの駆動電流を徐々に低下させ、発光輝度もそれに伴って徐々に低下させる。さらに、ライダーの視野範囲内で、発光ユニットの延伸方向における探知光の強度分布が不均一となり、ソリッドステートライダーの長距離の測距性能及び探知精度に影響を与える。
【0004】
背景技術部分の内容は開示者に知られている技術に過ぎず、当然のことながら、本分野の従来技術を代表するものではない。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の少なくとも1つの欠陥に鑑みて、本発明は、
1つあたりに少なくとも1つの発光ユニットを含む複数の放射モジュールであって、前記発光ユニットが、複数のレーザーを含むものであり、探知ビームを同時に放射するように配置される複数の放射モジュールと、
少なくとも1つの探知ユニットを含む受信モジュールであって、前記探知ユニットが、複数の光検出器を含むものであり、前記探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される受信モジュールと、を含み、
ここで、前記複数の放射モジュールが前記受信モジュールの周囲に設けられ、前記複数の放射モジュールの発光ユニットが同一平面上に位置し、1つの前記探知ユニットが、複数の前記放射モジュールの発光ユニットから発した探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される、ソリッドステートライダーを提供する。
【0006】
本発明の一態様によれば、ここで、前記発光ユニットの複数のレーザーは条状に配列され、前記放射モジュールは複数の発光ユニットを含み、前記複数の発光ユニットは前記条状延伸方向に垂直な方向に沿って配列される。
【0007】
本発明の一態様によれば、ここで、前記放射モジュールは前記受信モジュールの両側に設けられ、前記受信モジュールの両側に位置する放射モジュールの数が同じであるか、又は異なる。
【0008】
本発明の一態様によれば、ここで、各前記放射モジュールは同数の複数の発光ユニットを含み、同一の探知ユニットに対応する発光ユニットは同一直線上に位置する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ここで、同一直線上に位置する複数の発光ユニットに対応する視野が部分的に重なる。
【0010】
本発明の一態様によれば、ここで、前記ソリッドステートライダーは2つの放射モジュールを含み、前記2つの放射モジュールは前記受信モジュールの両側に位置する。
【0011】
本発明の一態様によれば、ここで、前記発光ユニットはVCSELアレイを含み、前記探知ユニットはSPADアレイを含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、ここで、前記発光ユニットの条状延伸方向上の前記受信モジュールから離れた側にブラインド補償レーザーが設けられ、前記ブラインド補償レーザーと前記発光ユニットは探知範囲が異なり、前記ブラインド補償レーザーから発した探知光が目標物によって反射されたエコーは、前記発光ユニットに対応する探知ユニットで受信可能である。
【0013】
本発明の一態様によれば、ここで、前記放射モジュールは電極ユニットをさらに含み、前記電極ユニットは、前記発光ユニットの複数のレーザーに電気的に接続され、且つ複数の駆動端を含み、前記複数の駆動端によって前記発光ユニットの複数のレーザーに駆動信号を同時にロードする。
【0014】
本発明の一態様によれば、ここで、前記電極ユニットは前記発光ユニットの条状延伸方向の両端に設けられたランドをさらに含み、前記ランドは前記駆動信号をロードするために用いられる。
【0015】
本発明の一態様によれば、ここで、前記放射モジュールは放射側光学アセンブリをさらに含み、前記放射モジュールの少なくとも1つの発光ユニットは前記放射側光学アセンブリの焦点面に位置し、前記放射側光学アセンブリは、前記少なくとも1つの発光ユニットから放射された探知ビームを受け、整形した後に目標空間に放射するように配置される。
【0016】
本発明の一態様によれば、ここで、前記複数の放射モジュールの放射側光学アセンブリは同じである。
【0017】
本発明の一態様によれば、ここで、前記放射モジュールは、前記複数のレーザーの光路の下流に設けられたマイクロレンズアレイをさらに含む。
【0018】
本発明の一態様によれば、ここで、前記受信モジュールは、
前記ソリッドステートライダーから発した第1波長域の探知ビームが目標物によって反射されたエコー、及び第2波長域のビームを受けて収束するように配置される受信側光学アセンブリであって、ここで、前記第2波長域が前記第1波長域を含まない受信側光学アセンブリと、
前記受信側光学アセンブリの光路の下流に設けられる分光ユニットであって、前記探知ビームの反射エコーと前記第2波長域のビームの光路を分離するように配置される分光ユニットと、
前記分光ユニットの光路の下流に設けられる少なくとも1つの探知ユニットであって、前記分光ユニットから前記探知ビームの反射エコーを受信して電気信号に変換するように配置される少なくとも1つの探知ユニットと、
前記分光ユニットの光路の下流に設けられる少なくとも1つの結像ユニットであって、前記分光ユニットから前記第2波長域のビームを受けて結像を行うように配置される少なくとも1つの結像ユニットと、をさらに含む。
【0019】
本発明の一態様によれば、ここで、各前記探知ユニットの複数の光検出器は同時にアクティブ化されて前記反射エコーを受信し、各前記結像ユニットは複数のイメージセンサを含み、各前記結像ユニットの複数のイメージセンサは同時にアクティブ化されて前記第2波長域のビームを受けて結像を行い、同一の視野範囲に対応する探知ユニット及び結像ユニットは同時にアクティブ化されて探知及び露光を行う。
【0020】
本発明の一態様によれば、ここで、前記分光ユニットは分光透過反射ミラーを含み、前記探知ビームの反射エコーが反射され、前記第2波長域のビームが透過されるようにし、又は前記探知ビームの反射エコーが透過され、前記第2波長域のビームが反射されるようにする。
【0021】
本発明は、さらに、
前記放射モジュールの発光ユニットが目標物を探知するための探知ビームを放射するステップと、
前記受信モジュールの探知ユニットが、前記探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するステップと、
探知ビームを放射する時間及びエコーを受信する時間に基づいて、前記目標物の距離を確定するステップと、を含む、前述したソリッドステートライダーを用いて探知する方法を提供する。
【0022】
本発明の一態様によれば、ここで、前記ソリッドステートライダーは2つの放射モジュールを含み、前記2つの放射モジュールは、前記受信モジュールの両側に位置し、且つ同数の複数の発光ユニットを含み、同一の探知ユニットに対応する発光ユニットは同一直線上に位置し、前記方法は、
同一の探知ユニットに対応する2つの発光ユニットが同時又は交互に発光するステップをさらに含む。
【0023】
本発明の一態様によれば、ここで、前記発光ユニットの複数のレーザーは条状に配列され、前記発光ユニットの条状延伸方向上の前記受信モジュールから離れた側にブラインド補償レーザーが設けられ、前記ブラインド補償レーザーと前記発光ユニットは探知範囲が異なり、前記ブラインド補償レーザーから発した探知光が目標物によって反射されたエコーは、前記発光ユニットに対応する探知ユニットで受信可能であり、前記方法は、前記ブラインド補償レーザーと前記発光ユニットが同時に発光するステップをさらに含む。
【0024】
本発明の一態様によれば、ここで、前記発光ユニットの複数のレーザーは条状に配列され、前記放射モジュールは電極ユニットをさらに含み、前記電極ユニットは、前記発光ユニットの複数のレーザーに電気的に接続され、且つ複数の駆動端を含み、前記方法は、
前記複数の駆動端によって前記発光ユニットの複数のレーザーに駆動信号を同時にロードするステップをさらに含む。
【0025】
本発明の一態様によれば、ここで、前記電極ユニットは前記発光ユニットの条状延伸方向の両端に設けられたランドをさらに含み、前記方法は、
前記ランドによって前記駆動信号をロードするステップをさらに含む。
【0026】
本発明の一態様によれば、ここで、前記受信モジュールは、受信側光学アセンブリと、前記受信側光学アセンブリの光路の下流に設けられた分光ユニットと、前記分光ユニットの光路の下流に設けられた少なくとも1つの探知ユニットと、前記分光ユニットの光路の下流に設けられた少なくとも1つの結像ユニットと、をさらに含み、前記方法は、
前記ソリッドステートライダーから発した第1波長域の探知ビームが目標物によって反射されたエコー、及び第2波長域のビームを前記受信側光学アセンブリによって受けて収束するステップであって、ここで、前記第2波長域が前記第1波長域を含まないステップと、
前記分光ユニットによって前記探知ビームの反射エコーと前記第2波長域のビームの光路を分離するステップと、
前記少なくとも1つの探知ユニットによって前記分光ユニットから前記探知ビームの反射エコーを受信して電気信号に変換するステップと、
前記少なくとも1つの結像ユニットによって前記分光ユニットから前記第2波長域のビームを受けて結像を行うステップと、をさらに含む。
【0027】
本発明の好ましい実施例はソリッドステートライダーを提供し、所定範囲の視野角に対して、複数の放射モジュールを設けることによって、同時に発光するライン発光ユニットの長さを大きく短縮し、発光ユニットの発光バラツキを大きく低減し、ソリッドステートライダーの所定の視野角内での測距誤差を減少させ、長距離の測距性能を向上させる。
【0028】
本発明の好ましい実施例において、同時に発光するレーザーの数が減少し、単一の発光ユニットの放射パワーが低下し、放射端の放熱を減少させ、温度変動を低下させることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施例において、複数の放射モジュールに対応する発光ユニットが同時に発光しない場合について、1回の発光のための放射パワーを低下させることができ、人の目の安全性に役立つ。人の目の安全性要件を満たすことを前提として、同時に発光するレーザーの数が減少するため、レーザーのパワーを増加させ、探知光のパワーを向上させ、ライダーの測距性能を強化することができる。
【0030】
本発明の好ましい実施例において、複数の放射モジュールから放射された探知光は整形を経て射出された後、中央の視野で一定の重畳領域が存在し、中央領域の探知精度を向上させることができる。
【0031】
本発明の好ましい実施例において、一部の放射モジュールにおけるライン発光ユニットの長さを適宜延長してもよく、ソリッドステートライダーの死角範囲を効果的に縮小することができ、レーザーエリアアレイに対する特別な設計を必要とせず、設計及びプロセスの複雑さは増加しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面は本発明を更に理解させるためのものであり、明細書の一部となり、本発明の実施例と共に本発明を解釈するが、本発明を限定するものにならない。図面において、以下のとおりである。
【0033】
【
図1】従来技術におけるソリッドステートライダーを例示的に示す。
【
図2】トップエミッション型の垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)のエリアアレイ光源の一部の表面構造模式図を例示的に示す。
【
図3】並列に接続する一列のレーザーが不均一に発光する状況を例示的に示す。
【
図4A】本発明の好ましい一実施例に係るソリッドステートライダーの側面図を例示的に示す。
【
図4B】本発明の好ましい一実施例に係るソリッドステートライダーの正面図を例示的に示す。
【
図5A】本発明の好ましい一実施例に係るソリッドステートライダーの側面図を例示的に示す。
【
図5B】本発明の好ましい一実施例に係るソリッドステートライダーの正面図を例示的に示す。
【
図6A】本発明の好ましい一実施例に係る垂直方向に沿って行ごとに走査するソリッドステートライダーを例示的に示す。
【
図6B】本発明の好ましい一実施例に係る水平方向に沿って列ごとに走査するソリッドステートライダーを例示的に示す。
【
図7】本発明の好ましい一実施例に係るソリッドステートライダーの視野範囲を例示的に示す。
【
図8】バイパスライダーの死角の形成を例示的に示す。
【
図9】本発明の好ましい一実施例に係るブラインド補償レーザーの光路模式図を例示的に示す。
【
図10】本発明の好ましい一実施例に係るブラインド補償レーザーのライン発光ユニットでの位置を例示的に示す。
【
図11】本発明の好ましい一実施例に係るライン発光ユニットに対する双方向駆動の設置を例示的に示す。
【
図12】本発明の好ましい一実施例に係るレーザーアレイとマイクロレンズアレイとの集積を例示的に示す。
【
図13】本発明の好ましい一実施例に係る受信モジュールを例示的に示す。
【
図14】本発明の好ましい一実施例に係る受信モジュールを例示的に示す。
【
図15】本発明の好ましい一実施例に係るソリッドステートライダーを例示的に示す。
【
図16】本発明の好ましい一実施例に係る探知方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下において、いくつかの例示的な実施例のみを簡単に説明する。当業者であれば認識できるように、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、説明された実施例を様々な異なる方式で修正することができる。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものでなると考えられる。
【0035】
本発明の記述では、理解すべきところとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」等で示す方位又は位置関係は、図面に基づくものであり、本発明を容易に説明し記述を簡略化するためのものに過ぎず、記載される装置又は素子は必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを明示又は暗示するものではないので、本発明を限定するものと理解してはならない。なお、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を明示又は暗示したり、説明される技術特徴の数量を暗示したりするものと理解してはならない。従って、「第1」、「第2」と限定される特徴は1つ又は複数の前記特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明では、明確且つ具体的に限定しない限り、「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0036】
本発明の説明では、説明すべきところとして、別に明確に規定、限定しない限り、用語「取り付ける」、「連結する」、「接続する」を広義的に理解すべきであり、例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は、一体的に接続してもよく、機械接続してもよく、電気的に接続してもよく、又は相互に通信してもよく、直接接続してもよく、更に中間媒介を介して間接的に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよく、又は2つの素子の相互作用関係であってもよいことである。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な意味を理解してもよい。
【0037】
本発明においては、別に明確に規定、限定しない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるというのは、第1と第2特徴が直接接触する場合を含んでもよいし、第1と第2特徴が直接接触せず、それらの間の別の特徴を介して接触する場合を含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるというのは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にある場合を含み、又はただ第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるというのは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下方にある場合を含み、又はただ第1特徴の水平高さが第2特徴より小さいことを意味する。
【0038】
以下の開示は、本発明の異なる構造を実現するために、非常に多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明の開示を簡略化するために、以下において、特定の例の部材及び配置を説明する。当然ながら、それらは例示的なものに過ぎず、本発明を制限することを目的とするものではない。また、本発明は、異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを重複することができ、このような重複は簡略化し明確化にするためのものであり、それ自体は検討する様々な実施形態及び/又は配置の間の関係を示さない。また、本発明は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの応用及び/又は他の材料の使用に想到できる。
【0039】
以下では図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。ここに記載の実施例は本発明を説明、解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定する意図がないことを理解すべきである。
【0040】
エリアアレイソリッドステートライダーの光受け・放射構造及び動作原理は
図1に示すとおりであり、放射モジュールTXはレーザーアレイを含み、受信モジュールRXは探知器アレイを含み、レーザーアレイと探知器アレイはそれぞれ放射レンズ群と受信レンズ群(図示せず)の焦点面に設けられ、レーザーアレイは探知ビームを放射し、目標物(OB)を探知し、探知ビームが目標物によって反射されたエコービームは、探知器アレイで受信され、光信号を電気信号に変換し、さらに時間変換、ヒストグラム処理を経て、最終的に距離情報を取得し、監視システムに送信して点群画像を形成する。
【0041】
エリアアレイソリッドステートライダーの探知形態の1つとして、放射モジュールのレーザーアレイは同時に駆動されて探知範囲を覆う探知光を発し、受信モジュールの探知器アレイはアクティブ化されてエコー信号を受信する。
【0042】
エリアアレイソリッドステートライダーの探知形態の1つとして、放射モジュールのレーザーアレイ及び受信モジュールの探知器アレイを群分けして、順次に発光/探知を行うことができる。
図1に示すように、各列のレーザーは1つの発光ユニットとして同時にアクティブ化され、各列の探知器は1つの探知ユニットとして同時にアクティブ化される。時刻t1で、1列目のレーザーが発光し、対応する1列目の探知器がアクティブ化されて、エコー信号の探知を行い、時刻t2で、2列目のレーザーが発光し、対応する2列目の探知器がアクティブ化されて、エコー信号の探知を行い、……それによって、全てのレーザーが同時に発光して探知することによるクロストークを低減することができる。行ごとに群分けしたり、サブアレイごとに群分けしたり、……たりしてもよく、各群のレーザーが同時に発光し、対応する一群の探知器が同時にアクティブ化されてエコー信号の探知を行い、その群分け方式は上述したいくつかの方式に限定されない。
【0043】
比較的大規模なエリアアレイソリッドステートライダーの光源は高密度のレーザーアレイであり、このようなアレイは、端面発光レーザーに比べて、大規模の平面集積が容易であるという垂直共振器面発光レーザーの利点を十分に利用し、パワー密度を向上させるとともに、パッケージング、組み立てや調整の複雑さの低減及びコスト削減を実現することができる。
【0044】
一実施形態として、レーザーは垂直共振器面発光レーザー(vertical-cavity surface-emitting laser,VCSEL)であり、探知器は単一光子アバランシェダイオード(single photon avalanche diode,SPAD)である。
【0045】
図2はトップエミッション型の垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)のエリアアレイ光源の一部の表面の構造模式図を示し、
図2中のVCSELは行列で配列され、且つ列アドレッシング構造として設計される。即ち、各列のVCSELを
図1中の放射モジュールTXの1つの発光ユニットとし、各列のVCSELの陽極接触金属は相互接続金属層を介して相互に接続され、相互接続金属層の端部をボンディングランド(
図2で表記するように)とし、金属ボンディングによって駆動チップに接続し、同じ列のVCSELは同一の駆動信号(駆動チップ上の駆動回路由来のもの)に基づいてアクティブ化されて発光する。電流伝導面積を増加させ、抵抗を低減するために、ランドは面積が比較的大きく、幅が発光ユニットの幅の約2倍となり、隣接するラインのランドはエリアアレイの下縁部(図示せず)に設けられ、
図2に示す上縁部構造と対称である。
【0046】
図2に示すような垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)のエリアアレイ光源は大きな発光領域に必要な高密度集積が実現されるが、各列の並列に接続されて発光するレーザー(即ち、1つの発光ユニット)の長さが長く、幅が狭く、アスペクト比が高いという問題がそれに伴って発生し、それによって、大電流、高周波数で駆動される場合に、金属層上の抵抗及び寄生インダクタンスは圧力低下を発生させ、さらに同一列のレーザーのバイアスが徐々に低下し、発光輝度が徐々に低下する。
図3に示すように、pixel-1はランドに最も近いレーザーであり、pixel-21はランドに最も離れたレーザーであり、金属層上の抵抗及び寄生インダクタンスによる圧力低下により、各レーザーの発光輝度が異なり、pixel-21の発光輝度はpixel-1の発光輝度よりも顕著に低い。
【0047】
エリアアレイソリッドステートライダーの応用では、1つの発光ユニットの複数のレーザーの発光強度が異なるため、該発光ユニットに対応する視野範囲内の測距性能が異なり、そのうち発光強度が低いレーザーでは、ライダーの長距離の測距性能が制限され、点群画像の歪みを引き起こし、ライダーの探知精度を低下させる。
【0048】
エリアアレイソリッドステートライダーにおけるライン発光ユニットの発光強度バラツキの問題を解決するために、
図4Aに示すように、本発明は、複数の放射モジュール110と受信モジュール120とを含むソリッドステートライダー100を提供する。
図4Bに示すように(
図4Aはソリッドステートライダー100の側面図であり、
図4Bは一定の角度で傾く正面図である)、ここで、各放射モジュール110は少なくとも1つの発光ユニット111を含み、発光ユニット111は、複数のレーザーを含むものであり、探知ビームを同時に放射するように配置される。受信モジュール120は少なくとも1つの探知ユニット121を含み、探知ユニット121は、複数の光検出器を含むものであり、探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される。
【0049】
図4Aに示すように、ここで、複数の放射モジュール110は受信モジュール120の周囲に設けられ、複数の放射モジュール110の発光ユニット111は同一平面上に位置し、1つの探知ユニット121は、複数の放射モジュール110の発光ユニット111から発した探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される。
図4Bに示すように、好ましくは、1つの探知ユニット121は各放射モジュール110における1つの発光ユニット111に対応し、探知ユニット121は、対応する複数の発光ユニット111から発した探知ビームの反射エコーを受信するように配置される。
【0050】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100の発光ユニット111はVCSELラインを含み、探知ユニット121はSPADラインを含む。
図4A、
図4Bに示すように、2つのVCSELエリアアレイは、SPADエリアアレイの両側に対称的に設けられる。ここで、各行のVCSELラインは1つの発光ユニットとして同時にアクティブ化され、1行のSPADラインは2つの放射モジュール110の配置位置に応じて2つの部分に分けられ、
図4Bに示すように、斜線ハッチングで示される半分のSPADは、1つの探知サブユニットとして、図中の左側の放射モジュール110の斜線ハッチングで示される発光ユニットと同じ視野に対応し、図中の左側の放射モジュール110の1つの発光ユニットから発した探知光が目標物によって反射されたエコーを受信する。格子ハッチングで示される行のうち残りの半分のSPADは、別の探知サブユニットとして、図中の右側の放射モジュール110の格子ハッチングで示される発光ユニットと同じ視野に対応し、図中の右側の放射モジュール110の1つの発光ユニットから発した探知光が目標物によって反射されたエコーを受信する。
【0051】
本発明のソリッドステートライダー100の探知方法は、2つの放射モジュール110中の、同じ行に相当する発光ユニットが順次に発光し、受信モジュール120に対応する探知サブユニットがそれぞれ探知を行う方法であってもよい。2つの放射モジュール110中の、同じ行に相当する発光ユニットが同時に発光し、受信モジュール120の対応する視野の1行の探知器がアクティブ化されて、同時に2つの発光ユニットの反射エコーの受信と探知を行う方法であってもよい。
【0052】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、放射モジュール110は放射側光学アセンブリをさらに含み、放射モジュール110の少なくとも1つの発光ユニット111は放射側光学アセンブリの焦点面に位置し、放射側光学アセンブリは、少なくとも1つの発光ユニット111から放射された探知ビームを受け、整形した後に目標空間に放射するように配置される。
【0053】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、放射モジュール110は放射レンズ群をさらに含み、レーザーエリアアレイに対応し、受信モジュール120は受信レンズ群をさらに含み、探知器エリアアレイに対応する。
【0054】
本発明の好ましい一実施例によれば、
図4Bに示すように、ソリッドステートライダー100において、発光ユニット111の複数のレーザーは条状に配列され(
図4Bに示すx方向)、放射モジュール110は複数の発光ユニット111を含み、複数の発光ユニット111は該条状延伸方向に垂直な方向に沿って配列される(
図4Bに示すy方向)。
【0055】
図4B中の表記を参照し、2つの放射モジュール110において、発光ユニット111の複数のレーザーはいずれもx方向に沿って配列され、複数の発光ユニット111はいずれもy方向に沿って配列される(図中は斜め視角であり、実際に、x方向とy方向は直交する)。好ましくは、レーザーアレイはy方向における長さがいずれもx方向における長さより大きい。
【0056】
図1に示す1つの放射モジュールのみを含むソリッドステートライダーに戻り、放射モジュールのレーザーアレイがN×Nアレイであると仮定すると、本発明によって提供される好ましい実施例を採用してソリッドステートライダーを改善した後、
図4Bに示すように、ソリッドステートライダー100は2つの放射モジュール110を含み、2つの放射モジュール110のレーザーアレイはそれぞれN×1/2Nアレイであり、且つ1/2N方向に沿って延伸する1行/1列のレーザーは、1つの発光ユニットとして、同時に発光する。
【0057】
同じ探知範囲について、
図4Bの実施例における放射モジュール110の発光ユニット111の長さは、
図1中の単レンズソリッドステートライダーの発光ユニットの長さの半分のみであるため、レーザー駆動信号の伝送経路の長さを短くし、伝送経路の両端のレーザーの駆動信号強度の差を小さくし、発光ユニット中の異なる位置でのレーザーの発光強度のバラツキを効果的に低下させることができる。
【0058】
図4A、
図4Bは、放射モジュール110の発光ユニット111の長さがいずれも改善前の元の発光ユニットの長さの半分であることを例示的に示し、該分割方式は好ましい一実施形態に過ぎず、複数の放射モジュール110の発光ユニット111の長さは等しくても等しくなくてもよく、例えば、2つの放射モジュール110の発光ユニット111の長さの比は4:6、4.5:5.5、又は他の比であり、これらも本発明の保護範囲内にある。
【0059】
本発明の好ましい一実施例によれば、ここで、放射モジュール110は受信モジュール120の両側に設けられ、受信モジュール120の両側に位置する放射モジュール110の数は同じであるか、又は異なる。ソリッドステートライダー中のライン発光ユニットの発光強度バラツキの問題を解決するために、本発明によって提供される好ましい実施例は、放射モジュールにおけるレーザーエリアアレイをレーザーの配列方向に沿って複数に分割し、当業者であれば、レーザーエリアアレイを複数の発光ユニットの配列方向に沿ってさらに分割し、レーザーチップの面積を小さくし、放熱を減少し、歩留まりを向上させ、該実施形態も実行可能であり、同様に本発明の保護範囲内にあることが容易に理解される。
【0060】
図4A、
図4Bの実施例は、ソリッドステートライダー100が2つの放射モジュール110を含む場合を示し、
図5Aに示すように、放射モジュール110はさらに分割され、各列の並列に接続されて発光するレーザー(1つの発光ユニット)の長さをより短くするようにし、且つ複数の放射モジュール110は受信モジュール120の周囲に設けられ、複数の放射モジュール110の発光ユニット111が同一平面上に位置する。
図5Bに示すように、各放射モジュール110は少なくとも1つの発光ユニット111を含み、発光ユニット111は、複数のレーザーを含むものであり、探知ビームを同時に放射するように配置され、受信モジュール120は少なくとも1つの探知ユニット121を含み、探知ユニット121は、複数の光検出器を含むものであり、探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信するように配置される。好ましくは、1つの探知ユニット121は各放射モジュール110における1つの発光ユニット111に対応し、探知ユニット121は、対応する複数の発光ユニット111から発した探知ビームの反射エコーを受信するように配置される。即ち、ソリッドステートライダー100がより多い数の放射モジュール110を含むという技術的解決手段も、本発明の保護範囲内にある。
【0061】
図5A、
図5Bに示す実施例において、各放射モジュール110は1つの放射側光学アセンブリに対応し、あるいは、受信モジュール120の片側に位置する隣接する2つ又はそれ以上の放射モジュール110は、1つの放射側光学アセンブリを共有することができる。
【0062】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、各放射モジュール110は同数の複数の発光ユニット111を含み、同一の探知ユニット121に対応する発光ユニット111は同一直線上に位置する。
【0063】
図6Aに示すように、本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100は2つの放射モジュール110及び1つの受信モジュール120を含み、各放射モジュール110は同数の複数の発光ユニット111を含み、各受信モジュール120は複数の探知ユニット121を含み、各探知ユニット121は各放射モジュール110における1つの発光ユニット111に対応する。ソリッドステートライダー100の2つの放射モジュール110及び1つの受信モジュール120は水平方向(図に示す水平方向)に沿って配列され、ソリッドステートライダー100は垂直方向(図中に示す垂直方向)に沿って行ごとに走査する。同一の探知ユニット121に対応する発光ユニット111は同一水平線上(図に示す水平方向)に位置し、且つ、同一の探知ユニット121に対応する発光ユニット111は同一の垂直視野角に対応する。
【0064】
図6Bに示すように、本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100は2つの放射モジュール110及び1つの受信モジュール120を含み、各放射モジュール110は同数の複数の発光ユニット111を含み、各受信モジュール120は複数の探知ユニット121を含み、各探知ユニット121は各放射モジュール110における1つの発光ユニット111に対応する。ソリッドステートライダー100の2つの放射モジュール110及び1つの受信モジュール120は垂直方向(図に示す垂直方向)に沿って配列され、ソリッドステートライダー100は水平方向(図中に示す水平方向)に沿って列ごとに走査する。同一の探知ユニット121に対応する発光ユニット111は同一垂直線上(図に示す垂直方向)に位置し、且つ、同一の探知ユニット121に対応する発光ユニット111は同一の水平視野角に対応する。
【0065】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100の光受け・放射経路は
図7に示すとおりである。ここで、放射モジュール110-1の受信モジュール120側に最も近いレーザーから発した光は、放射レンズ群で整形された後、光軸に平行して射出され、レーザーが受信モジュール120から遠くなることにつれ、射出ビームは順次に受信モジュール120の方向へ偏向し、
図7に示す視野角FOV1を構成する。同様に、放射モジュール110-2の受信モジュール120側に最も近いレーザーから発した光は、放射レンズ群で整形された後、光軸に平行して射出され、レーザーが受信モジュール120から遠くなることにつれ、射出ビームは順次に受信モジュール120の方向へ偏向し、
図7に示す視野角FOV2を構成する。
【0066】
これらのことから分かるように、放射モジュール110-1と放射モジュール110-2の視野角は一定の重畳(
図7中のOb上の塗り領域で示す)が存在し、放射モジュール110-1と放射モジュール110-2に対応する発光ユニットが同時に発光する場合に、該重畳領域の光強度が倍になり、該領域の長距離の測距性能を向上させることができ、放射モジュール110-1と放射モジュール110-2に対応する発光ユニットが同時に発光しない場合に、一定の時間内に該領域の探知周波数が倍になる。
【0067】
放射モジュール110-1、受信モジュール120及び放射モジュール110-2が垂直方向に沿って配列される場合に、放射モジュール110-1と放射モジュール110-2の視野角は垂直方向に一定の重畳が存在し、該重畳領域はライダーの垂直視野の中央位置に位置する。車載ライダーは主に地上の歩行者及び車両等を探知し、目標物は垂直視野の中央位置に集中し、上記実施例は中央領域の長距離の測距性能又は探知周波数を向上させることができ、車載ライダーの応用シーンにより適する。
【0068】
放射モジュール110-1、受信モジュール120及び放射モジュール110-2が水平方向に沿って配列される場合に、放射モジュール110-1と放射モジュール110-2の視野角は水平方向に一定の重畳が存在し、該重畳領域はライダーの水平視野の中央位置、即ちライダーの真前に位置し、上記実施例はレーダーの真前領域の長距離の測距性能又は探知周波数を向上させることができる。
【0069】
本発明の好ましい実施例はソリッドステートライダーを提供し、所定範囲の視野角に対して、複数の放射モジュールを設けることによって、同時に発光するライン発光ユニットの長さを大きく短縮し、発光ユニットの発光バラツキを大きく低減し、ソリッドステートライダーの所定視野角内での測距誤差を減少させ、長距離の測距性能を向上させる。
【0070】
本発明の好ましい実施例において、同時に発光するレーザーの数が減少し、単一の発光ユニットの放射パワーが低下し、放射端の放熱を減少させ、温度変動を低下させることができる。
【0071】
本発明の好ましい実施例において、複数の放射モジュールに対応する発光ユニットが同時に発光しない場合について、1回の発光のための放射パワーを低下させることができ、人の目の安全性に役立つ。人の目の安全性要件を満たすことを前提として、同時に発光するレーザーの数が減少するため、レーザーのパワーを増加させ、探知光のパワーを向上させ、ライダーの測距性能を強化することができる。また、対応する同時に探知する探知器の数はそれに伴って減少し、複数の探知器の間の信号クロストークを低下させることができる。
【0072】
本発明の好ましい実施例において、複数の放射モジュールから放射された探知光が整形されて射出された後、中央の視野で一定の重畳領域が存在し、中央領域の探知精度を向上させることができる。
【0073】
本発明の好ましい実施例において、一部の放射モジュールにおけるライン発光ユニットの長さを適宜延長してもよく、ソリッドステートライダーの死角範囲を効果的に縮小することができ、レーザーエリアアレイに対する特別な設計を必要とせず、設計及びプロセスの複雑さは増加しない。
【0074】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、発光ユニット111の条状延伸方向上の受信モジュール120から離れた側にブラインド補償レーザーが設けられ、該ブラインド補償レーザーと発光ユニット111は探知範囲が異なり、該ブラインド補償レーザーから発した探知光が目標物によって反射されたエコーは発光ユニット111に対応する探知ユニット121で受信可能である。
【0075】
近軸光路のライダーは遠近効果が存在し、即ち、目標物の距離が変化すると、エコービームによる感光面上のスポットが移動する。
図8に示すように、目標物の距離が臨界距離まで減少すると、スポットはエリアアレイ探知器の感光面から離れ、レーダーで探知することができなくなり、即ち、
図8中の放射モジュールTXと受信モジュールRXの光線が重畳しない領域は、ライダーの死角である。死角内の目標について、反射されたエコー光の受信レンズによる画像点は、受信レンズの焦点面(図中の受信モジュールRXのエリアアレイ探知器が存在する位置)上ではなく、焦点面の後方にある。なお、
図8の視角では、近距離目標が受信レンズの光軸の下方にあるため、その受信レンズによる画像点は必ず受信レンズの光軸の上方に位置しなければならない。この2側面をまとめて考慮すると、近距離目標の反射光の焦点と受信モジュールRXの相対位置は、
図8に示すとおりである。ライダーの近距離死角の範囲内で、ライダーの受信モジュールRXは目標の反射信号を全く受信できない。
【0076】
本発明は死角を減少する解決手段を提供し、
図9に示すように、放射モジュールTXにブラインド補償レーザーが設けられ、ブラインド補償レーザーは放射モジュールTXの受信モジュールRXから離れた側にあり、探知光は送信レンズを通過した後に死角範囲内に偏向され、死角に対する補償探知を行うために用いられる。ここで、放射モジュールTXは放射側光学アセンブリの焦点面に設けられ、複数のレーザーが焦点面の異なる位置にあるため、その放射光は放射側光学アセンブリによってコリメートされた後に、異なる方向に偏向される。上述した
図7に示すソリッドステートライダー100において、放射モジュールTX2の受信モジュールRXから離れた側に同様にブラインド補償レーザーが設けられ、その光路は、
図7中のブラインド補償レーザーから放射された探知ビームに示すとおりである。
【0077】
図10に示すように、ブラインド補償レーザーは、発光ユニットの条状配列方向上の放射側光学アセンブリの光軸から最も離れた側に設けられ、それから発したビームが放射側光学アセンブリによって整形してコリメートされた後の射出角度は、光軸との角度が最大となり、ブラインド補償探知光を形成する。ファーフィールドエコーについて、ブラインド補償レーザーのエコー光のスポットはエリアアレイ探知器の外にフォーカシングされ、探知できなくなり、目標物の距離が減少することに伴って、エコーのスポットは
図9に示すようにRX方向にオフセットし、RXの探知器に落ち、この場合に、ブラインド補償レーザーの近距離目標物のエコーは上向きにオフセットすることで探知器によって受信可能となり、ライダーの死角範囲を減少することができる。
【0078】
別の好ましい解決手段として、
図7中の放射モジュールTX1の受信モジュールRXから離れた側にも、同時にブラインド補償レーザーを設けてもよく、死角範囲をさらに減少する。
【0079】
図7、
図8、9及び
図10を参照し、ブラインド補償レーザーは、ライン発光ユニットの延伸方向に一定の長さを増加させ、即ちレーザーの配列を変更せずに一定数のレーザーを増加させることに相当し、実現形態が簡単であり、コストが低い。死角のために追加する必要のあるレーザーの数を減少するために、光学設計に基づいて光路を計算することで取得することができる。
【0080】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、放射モジュール110は電極ユニットをさらに含み、該電極ユニットは、発光ユニット111の複数のレーザーに電気的に接続され、且つ複数の駆動端を含み、該複数の駆動端によって発光ユニット111の複数のレーザーに駆動信号を同時にロードする。
【0081】
好ましくは、該電極ユニットは発光ユニット111の条状延伸方向の両端に設けられたランドをさらに含み、該ランドは該駆動信号をロードするために用いられる。
【0082】
ライン発光ユニットの発光バラツキをさらに低減するために、本発明はライン発光ユニットに対して両側駆動を採用する。ライン発光ユニットの片側のランドに駆動信号を導入する
図2に示す従来技術とは異なり、
図11に示すように、本発明の好ましい一実施例によれば、ライン発光ユニットの条状延伸方向の両側にそれぞれランドが設けられ、それぞれ駆動回路に接続され、同一の発光ユニットに接続される2つの駆動回路は同一の送信制御信号によって制御され、駆動スイッチを同時にオンにする。
図11に示すように、同一の発光ユニットの両端から同時に駆動信号を注入し、駆動回路1と駆動回路2はそれぞれ同一のレーザーに作用する駆動信号成分を発生させ、2つの駆動信号成分が重なってレーザーの発光制御に作用する駆動信号とする。それによって、一方の駆動信号成分は他方の駆動信号成分にかけられた駆動ラインの減衰を補い、駆動ライン上の複数のレーザーを流れる駆動電流の差をより小さくし、発光バラツキをさらに低減することができる。
【0083】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、放射モジュール110は、複数のレーザーの光路の下流に設けられたマイクロレンズアレイをさらに含む。
【0084】
レーザーアレイはマイクロレンズアレイと組み合わせて使用することができ、
図12に示すように、レーザーアレイの前にマイクロレンズアレイを固定し、又はレーザーチップの基板をマイクロレンズアレイとして製造し、レーザーから発したビームをコリメートし、ビームの品質を向上させる。
【0085】
本発明の好ましい一実施例によれば、
図13に示すように、ソリッドステートライダー100において、受信モジュール120は、受信側光学アセンブリ122、分光ユニット123、少なくとも1つの探知ユニット121及び少なくとも1つの結像ユニット124をさらに含む。
【0086】
受信側光学アセンブリ122は、ソリッドステートライダー100から発した第1波長域の探知ビームが目標物によって反射されたエコーL1、及び第2波長域のビームL2を受けて収束するように配置され、ここで、第2波長域は前記第1波長域を含まない。好ましくは、受信側光学アセンブリ11は波長選択性がなく、赤外及び可視光の波長域のビームはいずれも差別なく透過することができる。分光ユニット123は、受信側光学アセンブリ122の光路の下流に設けられるものであり、探知ビームの反射エコーL1と第2波長域のビームL2の光路を分離するように配置される。少なくとも1つの探知ユニット121は、分光ユニット123の光路の下流に設けられるものであり、分光ユニット123から探知ビームの反射エコーL1を受信して電気信号に変換するように配置される。少なくとも1つの結像ユニット124は、分光ユニット123の光路の下流に設けられるものであり、分光ユニット123から第2波長域のビームL2を受けて結像を行うように配置される。
【0087】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、各探知ユニット121の複数の光検出器は同時にアクティブ化されて反射エコーL1を受信し、各結像ユニット124は複数のイメージセンサを含み、各結像ユニット124の複数のイメージセンサが同時にアクティブ化されて第2波長域のビームL2を受けて結像を行い、同一の視野範囲に対応する探知ユニット121及び結像ユニット124は同時にアクティブ化されて探知及び露光を行う。
【0088】
本発明の好ましい一実施例によれば、ソリッドステートライダー100において、分光ユニット123は分光透過反射ミラーを含み、前記探知ビームの反射エコーが反射され、前記第2波長域のビームが透過されるようにし、又は前記探知ビームの反射エコーが透過され、前記第2波長域のビームが反射されるようにする。
【0089】
図13に示すように、波長分光透過反射ミラーを分光ユニット123として採用し、940nm波長の探知光を例として、波長分光透過反射ミラーの表面に940nmの高反射膜を塗布することによって、940nm波長域のレーザーが反射され、少なくとも1つの探知ユニット121は反射ビームが収束する焦点面に設けられ、他の波長域の光は透過し、焦点面での少なくとも1つの結像ユニット124に収束することができる。
【0090】
図14に示すように、波長分光透過反射ミラーの表面にダイクロイックコーティングを塗布することによって、940nmのエコービームは透過し、探知ユニット121で受けられて距離探知を行い、他の波長域の光は結像のために結像ユニット124に反射される。
【0091】
本発明の好ましい一実施例によれば、
図15に示すように、受信モジュールRXは距離センサアレイ及びイメージセンサアレイ(例えば、RGGBフィルタ付きのCMOSアレイ)を含み、受信光路に分光装置が設けられ、受信レンズ群で収束されるビームは分光装置によって、探知波長域の光と他の波長域の光との2つの部分に分割される。探知波長域の光は、放射モジュールTXから放射された探知光が目標物によって反射されたエコー光であり、受信モジュールRXの距離センサアレイで受信されてエコー信号の探知を行い、他の波長域の光は受信モジュールRXのイメージセンサアレイで受信され、カラー画像を得ることができる。受信モジュールRXの距離センサアレイ及びイメージセンサアレイはいずれも受信レンズ群の焦点面に設けられ、分光素子は探知波長域の光と他の波長域の光を分離して異なるセンサに照射する。
【0092】
本発明の好ましい実施例は2つの放射モジュールを採用し、受信モジュールの探知器アレイの設計を変更する必要がなく、分光素子+SPAD/CMOSアレイの解決手段と組み合わせることが容易であり、全測定範囲内で、2つのセンサアレイのいずれも全く同じ目標を同時に識別することができ、2つのセンサの結果は基本的に物理的な位置レジストレーションを必要としない。さらに深さ情報とカラー画像が同時に取得され、アルゴリズムが簡単であり、2つのセンサアレイでは受信側光学アセンブリを共有し、生産、実装及び調整のコストを大幅に削減する。
【0093】
本発明の好ましい一実施例によれば、
図16に示すように、本発明は、次のステップS101、ステップS102、及びステップS103を含む、前述したソリッドステートライダー100を用いて探知する方法10を提供し、
ステップS101において、放射モジュール110の発光ユニット111が目標物を探知するための探知ビームを放射し、
ステップS102において、受信モジュール120の探知ユニット121が、探知ビームが目標物によって反射されたエコーを受信し、
ステップS103において、探知ビームを放射する時間及びエコーを受信する時間に基づいて、目標物の距離を確定する。
【0094】
本発明の好ましい一実施例によれば、ここで、ソリッドステートライダー100は2つの放射モジュール110を含み、2つの放射モジュール110は、受信モジュール120の両側に位置し、且つ同数の複数の発光ユニット111を含み、同一の探知ユニット121に対応する発光ユニット111は同一直線上に位置し、探知方法10は、
同一の探知ユニット121に対応する2つの発光ユニット111が同時又は交互に発光するステップをさらに含む。
【0095】
本発明の好ましい一実施例によれば、ここで、発光ユニット111の複数のレーザーは条状に配列され、発光ユニット111の条状延伸方向上の受信モジュール120から離れた側にブラインド補償レーザーが設けられ、該ブラインド補償レーザーと発光ユニット111は探知範囲が異なり、該ブラインド補償レーザーから発した探知光が目標物によって反射されたエコーは、発光ユニット111に対応する探知ユニット121で受信可能であり、探知方法10は、該ブラインド補償レーザーと発光ユニット111が同時に発光するステップをさらに含む。
【0096】
本発明の好ましい一実施例によれば、ここで、発光ユニット111の複数のレーザーは条状に配列され、放射モジュール110は電極ユニットをさらに含み、該電極ユニットは、発光ユニット111の複数のレーザーに電気的に接続され、且つ複数の駆動端を含み、探知方法10は、
複数の駆動端によって発光ユニット111の複数のレーザーに駆動信号を同時にロードするステップをさらに含む。
【0097】
本発明の好ましい一実施例によれば、ここで、該電極ユニットは発光ユニット111の条状延伸方向の両端に設けられたランドをさらに含み、探知方法10は、
該ランドによって該駆動信号をロードするステップをさらに含む。
【0098】
本発明の好ましい一実施例によれば、ここで、受信モジュール120は、受信側光学アセンブリと、受信側光学アセンブリの光路の下流に設けられた分光ユニットと、分光ユニットの光路の下流に設けられた少なくとも1つの探知ユニットと、分光ユニットの光路の下流に設けられた少なくとも1つの結像ユニットと、をさらに含み、探知方法10は、
ソリッドステートライダーから発した第1波長域の探知ビームが目標物によって反射されたエコー、及び第2波長域のビームを受信側光学アセンブリによって受けて収束するステップであって、ここで、第2波長域が第1波長域を含まないステップと、
分光ユニットによって探知ビームの反射エコーと第2波長域のビームの光路を分離するステップと、
少なくとも1つの探知ユニットによって分光ユニットから探知ビームの反射エコーを受信して電気信号に変換するステップと、
少なくとも1つの結像ユニットによって分光ユニットから第2波長域のビームを受けて結像を行うステップと、をさらに含む。
【0099】
本発明によって提供される探知方法10及びその技術的効果は、本発明によって提供されるソリッドステートライダー100を紹介する内容において同時に記述されており、ここで詳細な説明を省略する。
【0100】
最後に、説明すべきは、以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、前記実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、前記各実施例に記載の技術的解決手段に対する修正、又はその一部の技術的特徴に対する同等な取替が可能であり、本発明の趣旨と原則内に行った修正、同等な取替、改良等は、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする点である。
【国際調査報告】