(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】リング部を有する可撓性タンク
(51)【国際特許分類】
B65D 88/22 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B65D88/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562215
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 TR2022050027
(87)【国際公開番号】W WO2022220769
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523381468
【氏名又は名称】リクア エンダストリエル アンバラジ マルズム.サン.ヴェ ティック.エルティーディー.エスティーアイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン,ユスフ
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA10
3E170AA30
3E170AB01
3E170BA06
3E170GB01
3E170VA16
3E170WG01
3E170WG10
(57)【要約】
本発明は、車両のシャーシまたはコンテナ(60)において、液体または液体ベースの材料を搬送するための、可撓性タンク(10)に関する。可撓性タンク(10)は、閉鎖された容積を画定する本体(20)と、本体(20)の断面を狭くし、かつ少なくとも1つの第1の区画(21)及び少なくとも1つの第2の区画(22)を形成する、少なくとも1つのリング部分(30)と、を有する。可撓性タンク(10)は、少なくとも1つの充填用入口(23)をさらに有する。このように、改善点は、本願発明の可撓性タンク(10)は、少なくとも1つの折り込み領域(50)を備え、それはリング部分(30)の両側において、第1の距離で提供された折り込みライン(40)の各々の間で画定され、これらの折り込みライン(40)が互いに接近した後に、第1の区画(21)及び第2の区画(22)の内少なくとも一方の上または下に折り込まれることである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシャーシまたはコンテナ(60)において、液体または液体ベースの材料を搬送するための、可撓性タンク(10)であって、前記可撓性タンク(10)は、閉鎖された容積を画定する本体(20)と、前記本体(20)の断面を狭くして、少なくとも1つの第1の区画(21)及び少なくとも1つの第2の区画(22)を形成する、少なくとも1つのリング部分(30)と、を有し、前記可撓性タンク(10)は少なくとも1つの充填用入口(23)をさらに有し、本願発明の前記可撓性タンク(10)は、少なくとも1つの折り込み領域(50)を備え、それは前記リング部分(30)の両側において第1の距離で提供された各折り込みライン(40)の間に画定され、かつ前記折り込みライン(40)を互いに接近させた後で、前記第1の区画(21)及び前記第2の区画(22)の内少なくとも一方の上または下に折り込まれる、可撓性タンク(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの固定要素(51)は、前記第1の区画(21)及び前記第2の区画(22)の内、少なくとも一方の上または下に折り込まれる折り込み領域(50)の、固定を提供する、請求項1に記載の可撓性タンク(10)。
【請求項3】
車両のシャーシまたはコンテナ(60)において、前記可撓性タンクの中に貯蔵された液体または液体ベースの材料を搬送するため、前記可撓性タンク(10)に充填する方法であって、閉鎖された容積を画定する本体(20)と、前記本体(20)の断面を狭くし、かつ少なくとも1つの第1の区画(21)及び少なくとも1つの第2の区画(22)を形成する、少なくとも1つのリング部分(30)と、を有し、前記充填方法は、
前記可撓性タンク(10)に充填する前に、前記リング部分(30)の両側において少なくとも1つの第1の区画(21)及び少なくとも1つの第2の区画(22)を画定するよう、少なくとも1つのリング部分(30)を、前記可撓性タンク(10)の前記本体(20)に係合させるステップと、
前記リング部分(30)の両側において、前記リング部分(30)に対して第1の距離(h)で画定された折り込みライン(40)を、互いに接近させるステップと、
前記折り込みライン(40)の間に残った少なくとも1つの折り込み領域(50)を、前記第1の区画(21)及び前記第2の区画(22)の内少なくとも一方の上または下に折り込むステップと、
搬送することになる材料を、充填用入口(23)を通して前記本体(20)の中に充填するステップと、
を含む、前記可撓性タンク(10)を充填する方法。
【請求項4】
前記折り込みライン(40)の間に残った少なくとも1つの折り込み領域(50)を、前記第1の区画(21)及び前記第2の区画(22)の内少なくとも一方の上または下に折り込んだ後、少なくとも1つの固定要素(51)によって固定するステップが提供される、請求項3に記載の前記可撓性タンク(10)を充填する方法。
【請求項5】
前記折り込み領域(50)を、前記第1の区画(21)及び前記第2の区画(22)の内、前記充填用入口(23)から遠い方の、上または下に折り込むステップが提供される、請求項3に記載の前記可撓性タンク(10)を充填する方法。
【請求項6】
前記折り込み領域(50)を、前記リング部分(30)と前記折り込みライン(40)との間に画定された第2の折り込みライン(41)を通して折り込み、かつ前記第1の区画(21)及び前記第2の区画(22)の、両方の上または下に折り込むステップが提供される、請求項3に記載の前記可撓性タンク(10)を充填する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可撓性タンクに関し、車両のシャーシまたはコンテナにおいて、この可撓性タンクに貯蔵された液体または液体ベースの材料を搬送するために提供される。
【背景技術】
【0002】
可撓性タンクは、液体または液体ベースの材料を搬送するために使用される。液体で満たされた可撓性タンクを、基本的に2地点間で搬送する車両は、基本的にトラックタイプの陸上車両である。液体の変動は、道路の傾斜もしくは劣化などの道路条件、または車両の加速などの運転者に起因する理由のため、液体で満たされた可撓性タンクの内側で発生する。車両が移動している間、液体が前方へ流れるとき、液体は上昇し始め、この上昇後に得られた位置エネルギーは、戻る間に指数関数的に増加し、これは流体力を作り出す。この流体力は、可撓性タンクを形成する構成要素の縫い目領域に損傷を与え得る。これらの縫い目領域は、強烈なストレスを受ける場合があり、可撓性タンクは、縫い目領域を通して分裂され得る。これは、液体の損失をもたらす。可撓性タンクが裂けなくても、運転の安全性は損なわれ得る。なぜなら大きい強度を伴う偏揺れが発生するためである。この課題に対する解決策として、波を防止する可撓性タンクのいくつかの実施形態が提供されてきた。
【0003】
液体または液体ベースの材料を搬送するために、可撓性タンクは、車両のシャーシまたはコンテナに水平に設置され、かつシャーシ及びコンテナに様々な領域から接続される。液体ベースの材料の重量によって作り出された力は、ベースに作用して、材料の流れは主にベース側で継続する。この理由のため、不均衡な材料の流れが発生する。接続要素が、区画の体裁を提供するバッフルを形成するが、それらは完全に乱流を防止することはできない。
【0004】
トルコ国実用新案第2008/08670号明細書(TR2008/08670)において、波の形成を防止する可撓性タンクが、液体及び液体ベースの材料を搬送するよう記載されている。この可撓性タンクは、湾曲形状を含んだ方法で互いに接続された、2つ以上の区画から構成される。区画間で液体の通過を可能にする、開口部が存在する。トルコ国実用新案第2007/00090号明細書(TR2007/00090)において、液体を貯蔵できる可撓性タンクが記載されている。
【0005】
可撓性タンクは複数の区画を有し、これらの区画の内少なくとも2つの間で液体の通過が可能なように設けられる。可撓性タンクにおける区画間の通過面は、区画を溶接することによって、及びこれらの溶接面に空隙を形成することによって、実現される。区画は可撓性タンクにおける別個の要素であり、互いに接続される。接合及び溶接プロセスは、重作業をもたらし、生成及び製品に危険を作り出す。これらの出願において、可撓性タンクは重大な労働力の損失をもたらす。
【0006】
トルコ国特許出願公開第2016/11603号明細書(TR2016/11603)において、可撓性タンクの実施形態は、簡単な適用によって上述の課題を解決するため、及び波を形成する課題を解決するために提供される。この実施形態において、可撓性タンクの断面が狭くなる関節領域が存在し、これらの関節領域を取り囲んで断面を狭くする、リング部分が存在する。この出願に存在する課題は、形状の劣化であり、それはリング部分の位置と、形成される内部圧力によるリング部分の不十分な抵抗のための、リング部分の分裂と、によって発生し得る。換言すると、
図12で確認できるように、リング部分の近傍における可撓性タンクの断面が僅かに増加する部分に発生する、内部圧力の垂直成分は、リング部分を外側へ押しやることになる力を作り出す。これは、リング部分の分裂をもたらし得る。リング部分が分裂しない場合、断面で狭くなることは、狭くなる断面のセクションにおける流速を増加させ、目的とするバッフル効果は低下することが認められる。
【0007】
その結果、上述の課題のため、関連の技術分野における改良が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】トルコ国実用新案第2008/08670号明細書
【特許文献2】トルコ国実用新案第2007/00090号明細書
【特許文献3】トルコ国特許出願公開第2016/11603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の欠点を排除するため、及び新たな利点を関連の技術分野にもたらすための、可撓性タンクに関する。
【0010】
本発明の目的は、リング部分で発生する破損を防止し、バッフル効果が増加する、可撓性タンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的及び以下の詳細な説明から推論される目的を実現するために、本発明は、車両のシャーシまたはコンテナにおいて、液体または液体ベースの材料を搬送するための、可撓性タンクである。この可撓性タンクは、閉鎖された容積を画定する本体と、この本体の断面を狭くして、少なくとも1つの第1の区画及び少なくとも1つの第2の区画を形成する、少なくとも1つのリング部分と、を有する。可撓性タンクは、少なくとも1つの充填用入口をさらに有する。このように、本願発明の可撓性タンクは、少なくとも1つの折り込み領域を備え、それはリング部分の両側における第1の距離で提供された折り込みラインの、各々の間で画定され、これらの折り込みラインが互いに接近した後に、第1の区画及び第2の区画の内少なくとも一方の上または下に折り込まれる。このように、充填後、リング部分と折り込みラインとの間に残ったセクションは、床に対して実質的に直交してとどまり、これに依存してバッフル効果は増加され、同時にリング部分に加わる内部圧力は低減されて、リング部分の破損は防止される。
【0012】
本発明の考えられる実施形態において、少なくとも1つの固定要素は、第1の区画及び第2の区画の内少なくとも一方の上または下に折り込まれた折り込み領域の、固定を提供する。このように、可撓性タンクは、充填前に折り込まれて搬送することができ、かつ充填準備ができた形状で待機することができる。
【0013】
さらに本発明は、液体または液体ベースの材料を搬送するための可撓性タンクを充填する方法であり、液体または液体ベースの材料は、車両のシャーシまたはコンテナにおける可撓性タンクに貯蔵される。可撓性タンクは、閉鎖された容積を画定する本体と、この本体の断面を狭くして、少なくとも1つの第1の区画及び少なくとも1つの第2の区画を形成する、少なくとも1つのリング部分と、を有する。したがって、この充填方法は:
可撓性タンクを充填する前に、リング部分の2つの側において、少なくとも1つの第1の区画及び少なくとも1つの第2の区画を画定するよう、少なくとも1つのリング部分を、可撓性タンクの本体に係合させるステップと、
リング部分の両側において、リング部分に対して第1の距離で画定された折り込みラインを、互いに接近させるステップと、
折り込みラインの間に残った少なくとも1つの折り込み領域を、第1の区画及び第2の区画の内少なくとも一方の上または下に折り込むステップと、
搬送することになる材料を、充填用入口を通して本体の中に充填するステップと、を含む。このように、充填後、リング部分と折り込みラインとの間に残ったセクションは、床に対して実質的に直交してとどまり、これに依存してバッフル効果は増加され、同時にリング部分に加わる内部圧力は減少されて、リング部分の破損は防止される。
【0014】
本発明の考えられる実施形態において、折り込みラインの間に残った少なくとも1つの折り込み領域を、第1の区画及び第2の区画の内少なくとも一方の上または下に折り込んだ後、少なくとも1つの固定要素によって固定するステップが提供される。このように、可撓性タンクは、充填前に折り込まれて搬送することができ、かつ充填するために好適な形状で待機することができる。
【0015】
本発明の考えられる実施形態において、折り込み領域を、第1の区画及び第2の区画の内、充填用入口から遠い方の上または下に折り込むステップが提供される。
【0016】
本発明の考えられる実施形態において、折り込み領域を、リング部分と折り込みラインとの間に画定された第2の折り込みラインを通して折り込み、かつ第1の区画及び第2の区画の、両方の上または下に折り込むステップが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】コンテナ内の本願発明の可撓性タンクを表わす側面図である。
【
図2】コンテナ内の本願発明の可撓性タンクの考えられる実施形態を表わす側面図である。
【
図3】コンテナ内の本願発明の可撓性タンクを表わす上面図である。
【
図4】本願発明の可撓性タンクを充填する前の、リング部分を本体に固定する状況を表わす図である。
【
図5】本願発明の可撓性タンクを折り込むことによって、折り込み領域の形成を表わす図である。
【
図6】本願発明の可撓性タンクにおける折り込み領域の、本体に対する折り込み及び固定を表わす図である。
【
図7】本願発明の可撓性タンクの折り込み領域における第2の折り込みラインを通した、折り込み及び固定を表わす図である。
【
図8】本願発明の可撓性タンクの折り込み領域における第2の折り込みラインを通した、折り込み及び固定を表わす図である。
【
図9】充填中の、本願発明の可撓性タンクにおける形状の変化を表わす図である。
【
図10】充填中の、本願発明の可撓性タンクにおける形状の変化を表わす図である。
【
図11】充填後の、本願発明の可撓性タンクにおける複数層のバージョンを表わす側面図である。
【
図12】先行技術で使用される、可撓性タンクを表わす側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この「発明を実施するための形態」において、本願発明の可撓性タンク(10)を、いかなる限定的な影響も形成しない例を参照して、本願発明をより理解することのみのために説明する。
【0019】
図1~
図3を参照すると、本願発明の可撓性タンク(10)は本体(20)を有する。本体(20)は、液体または液体ベースの材料を中に入れて搬送するよう、閉鎖された容積を画定する。本体(20)には、少なくとも1つの充填用入口(23)が存在する。
【0020】
本体(20)を取り囲み、かつ本体(20)の断面を狭くする、少なくとも1つのリング部分(30)が存在する。リング部分(30)は、両側に第1の区画(21)及び第2の区画(22)が存在するように、本体(20)を形成する。本発明の考えられる実施形態において、リング部分(30)の数を増やすことができ、これに依存して区画の数を増やすことができる。
【0021】
図4で確認できるように、本願発明の可撓性タンク(10)において、リング部分(30)は、本体(20)が空である間に本体(20)に係合される。リング部分(30)の2つの側において、各折り込みライン(40)は、リング部分(30)に対して第1の距離で画定される。折り込みライン(40)の間に残る部分は、折り込み領域(50)として画定される。その後、リング部分(30)は、実質的に第1の距離(h)と等しい量だけ床から上方へ持ち上げられ、折り込みライン(40)は互いに接近する(
図5)。このように、リング部分(30)の2つの側における、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間に残る折り込み領域(50)の部分は、並べられる。換言すると、折り込み領域(50)は、床から上方へ延びた形状に至る。続けて、
図6で確認できるように、折り込み領域(50)は、第1の区画(21)及び第2の区画(22)の内少なくとも一方の上に、横に倒される。本発明の考えられる実施形態において、折り込み領域(50)は、第1の区画(21)及び第2の区画(22)の内、充填用入口(23)から遠い方の上に、横に倒される。
図7及び
図8で確認できるように、本発明の別の考えられる実施形態において、各第2の折り込みライン(41)は、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間に画定され、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間に残ったセクションは、第2の折り込みライン(41)を介して再び折り込まれ、折り込み領域(50)は、同時に第1の区画(21)及び第2の区画(22)の上に、横に倒される。
【0022】
本発明の考えられる実施形態において、折り込み領域(50)を、第1の区画(21)の上及び/または第2の区画(22)の上に、横に倒した形状にとどめるために提供された、少なくとも1つの固定要素(51)が存在する。固定要素(51)は、基本的にバンドである。固定要素(51)のおかげで、充填前の可撓性タンク(10)の搬送中に、折り込み部は広がらない形状にとどまる。同時に、固定要素(51)は、充填中に折り込み部が折り込まれないことを回避し、隣の区画への流体材料の移動を、少なくとも部分的に防止する。
【0023】
図9及び
図10を参照すると、本願発明の可撓性タンク(10)における実施形態のおかげで、充填中に流体材料は、初めに第1の区画(21)の中に充填される。その際は、充填用入口(23)が関連付けられる。第1の区画(21)と第2の区画(22)との間に残った折り込み領域(50)のおかげで、かつ実現された折り込みプロセスのおかげで、流体材料の第2の区画(22)への移動が、少なくとも部分的に防止される。このおかげで、まずは第1の区画(21)が実質的に充填され、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間の部分は、床に対して実質的に直交した形状でとどまる。充填プロセスを続けると、流体材料は第2の区画(22)の中に充填され始め、第2の区画(22)に面したリング部分(30)の側部における折り込みライン(40)に実現された折り込みのおかげで、第1の区画(21)の形状に類似した形状が得られる。
【0024】
この実施形態のおかげで、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間に残った部分が床に対して実質的に直交して延びるので、これらの部分に形成された流体圧の垂直成分は、先行技術と比較して低減される。このおかげで、リング部分(30)を外側へ押しやる力である流体圧は、ゼロに近づくか、または実質的に低減される。このように、リング部分(30)が本体(20)に接触する部分に存在する流体圧に等しい力のみが、リング部分(30)に加えられる。これは、リング部分(30)に加えられる圧力が低減され、リング部分(30)の破損が防止されることを意味する。
【0025】
他方で、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間に存在する部分が、床に対して実質的に直交方向に延びるので、これらの部分におけるバッフル効果は増加される。さらに、リング部分(30)によって狭くなった断面に流体が入るのが困難になるので、これらの断面における流体速度は、先行技術に比べて減少する。
【0026】
本発明の考えられる実施形態において、リング部分(30)と折り込みライン(40)との間で画定された第1の距離(h)は、基本的に充填後の可撓性タンク(10)の高さの1/3に等しく提供される。他方で、本発明の考えられる実施形態において、リング部分(30)の周囲は、可撓性タンク(10)の外周のほぼ半分で提供される。この比率のおかげで、最適なバッフル効果が提供され、同時に可撓性タンク(10)は、リング部分(30)が分裂されることなく充填かつ使用される。
【0027】
図11で確認できるように、本体(20)は複数の層で構成される。
【0028】
本発明の保護範囲は、添付の「特許請求の範囲」に記載され、「発明を実施するための形態」における、上記の例示的開示に限定されない。なぜなら、関連技術分野の当業者は、前述の開示基づき、本発明の主な趣旨から逸脱することなく、類似の実施形態を明確に作り出すことができるからである。
【符号の説明】
【0029】
10 可撓性タンク
20 本体
21 第1の区画
22 第2の区画
23 充填用入口
30 リング部分
40 折り込みライン
41 第2の折り込みライン
50 折り込み領域
51 固定要素
60 コンテナ
h 第1の距離
【国際調査報告】